説明

不凍水栓

【課題】開閉操作を、押圧動作等の簡単な操作によって、モータ等の動力を用いることなく確実且つ適切に行うことができる不凍水栓を提供すること。
【解決手段】通水管の管路に接続される弁機構部本体10と、その弁機構部本体10に一体的に設けられ、下側給水路11と上側給水路12とを連通する通水孔22を備える弁座部21と、その弁座部21のシール部に下方から当接することで通水孔22を閉塞して止水することができる弁体部25と、その弁体部25が下端部に設けられ、ロッド状に形成されて上端部に操作部50が連携され、下降した際に弁体部25による通水孔22の閉塞を解除することで通水状態とするロッド部30と、そのロッド部30及び弁体部25と、弁機構部本体10に一体的に設けられたスプリング受部35aとの間に配され、ロッド部30及び弁体部25を上方へ付勢するスプリング33とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道管等の地中に埋設された給水源の通水管に接続されて給水路を開閉し、止水時には水抜きを行うことで凍結を防止する不凍水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、不凍水栓に関する給水路の開閉操作は、操作部によるネジ込み操作(ネジの回転操作)によってスピンドルを進退動させ、そのスピンドルに連携された弁体によって給水路を開閉するものであった。
また、一般的な不凍水栓においては、弁体が、上面にシール部を有する通水孔の弁座に上方から当接することで給水路を閉塞する構造になっている(特許文献1参照)。
【0003】
これに対して、通水孔を弁体によって給水路の上流側から塞ぐ形態の不凍水栓(バルブ装置)が、本件特許出願人によって提案されている(特許文献2参照)。なお、このバルブ装置においても、その開閉操作は、操作部によるネジの回転操作によってなされるものであって、ワンタッチ或いは自動的にできるものではない。
【0004】
【特許文献1】特開2007−327249号公報(要約、第1図)
【特許文献2】特開平10−259882号公報(要約、第1図、第8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
不凍水栓に関して解決しようとする問題点は、従来の不凍水栓においては、その開閉操作が、操作部によるネジの回転操作によってなされており、押圧動作でより簡単に開閉する手段が提供されていない点にある。
そこで、本発明の目的は、開閉操作を、押圧動作等の簡単な操作によって、モータ等の動力を用いることなく確実且つ適切に行うことができる不凍水栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる不凍水栓の一形態によれば、水道管等の地中に埋設された給水源の通水管に接続されて給水路を開閉し、止水時には水抜きを行うことで凍結を防止する不凍水栓であって、前記通水管の管路に接続される下側給水路を備え、該下側給水路の上側に設けられる上側給水路の基部となる弁機構部本体と、該弁機構部本体に一体的に設けられ、前記下側給水路と前記上側給水路とを連通する通水孔、及び該通水孔の下面側にシール部を備える弁座部と、該弁座部のシール部に下方から当接することで前記通水孔を閉塞して止水することができる弁体部と、該弁体部が下端部に設けられ、上下方向に延びるロッド状に形成されて軸方向に昇降可能に配されると共に上端部に操作部が連携され、下降された際に前記弁体部による前記通水孔の閉塞を解除することで通水状態とするロッド部と、該ロッド部及び前記弁体部と、前記弁機構部本体に一体的に設けられたスプリング受部との間に配され、前記ロッド部及び前記弁体部を上方へ付勢するスプリングとを具備する。
【0007】
また、本発明にかかる不凍水栓の一形態によれば、前記弁体部が、前記ロッド部の下端側に固定された主弁体と、該主弁体と前記ロッド部に設けられたストッパ部との所定の変位範囲で、該ロッド部に上下動可能に嵌められ、前記主弁体が前記ロッド部と共に押し上げられた際には、該主弁体と前記弁座部のシール部との間に挟まれて前記弁座部の通水孔を閉じるコマ弁体とを具備し、該コマ弁体が前記ストッパ部によって前記シール部から押し下げられる前であって前記主弁体が下降して前記コマ弁体から離れた際に、前記通水孔の一部を開くように前記ロッド部と前記コマ弁体との嵌め合い部分の少なくともどちらかに設けられた通水溝を備えることを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明にかかる不凍水栓の一形態によれば、前記弁機構部本体と一体的に設けられて前記上側給水路の基部を形成する周壁に、外部に連通するように設けられると共に、該周壁の内部における排水孔の開口が上方に開いている排水孔と、前記ロッド部に所定の範囲で上下動可能に嵌められ、前記排水孔の開口に上方から当接して前記排水孔を塞ぐ排水孔用弁体と、該排水孔用弁体と前記ロッド部に設けられた受け部との間に配されて前記排水孔用弁体を押し下げるように付勢する押し下げスプリングと、前記ロッド部が上昇する際に前記排水孔用弁体の下側から当接して該排水孔用弁体を押し上げるように前記ロッド部に径方向に張り出して設けられた張り出し部とを備え、該張り出し部の当接部と前記排水孔用弁体の被当接部とが、該排水孔用弁体を傾斜させた状態で支持できるように、円周方向について部分的に構成されていることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明にかかる不凍水栓の一形態によれば、前記排水孔には、前記上側給水路を形成する周壁の内部から外部への排水を許容するが、外部から内部への進入を阻止する逆止用の球体が配され、該球体は逆止用のスプリングによって外部から内部へ向かって付勢されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる不凍水栓の一形態によれば、前記排水孔用弁体が上方から当接される被当接面であって一部に前記排水孔の開口が設けられた受け面が、前記ロッド部の軸心と同心の円上について断続的に設けられていることを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明にかかる不凍水栓の一形態によれば、前記操作部が、前記ロッド部の上端部に設けられて該ロッド部が下降して通水した場合にその状態を維持するように保持される被係止部と、該被係止部に係止する係止爪部を有してロッド部の軸心に実質的に直交する外方向へのバネ力によってその係止状態を維持できる係止体とを具備することを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる不凍水栓の一形態によれば、前記ロッド部に上方から当接し、該ロッド部を介して前記弁体部を押し下げることができるように昇降可能に設けられた押しボタンと、該押しボタンを押していない初期位置へ復帰させる押しボタンの復帰手段とを具備することを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明にかかる不凍水栓の一形態によれば、前記ロッド部の軸心に実質的に直交する内方向へ押すことで前記係止爪部による前記被係止部に対する係止状態を解除する解除用ボタンを具備することを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明にかかる不凍水栓の一形態によれば、前記ロッド部の軸心に実質的に直交する方向にバネ力を有し、設定温度以下になった際にバネ力が弱くなる形状記憶バネと、該形状記憶バネの付勢力にバランスするバイアスバネと、前記二つのバネの間に挟まれて位置し、設定温度以下になった際に前記係止体のバネ力に抗して形状記憶バネ側に変位することで前記係止爪部による前記被係止部に対する係止状態を解除する解除用押接部材を具備することを特徴とすることができる。
【0013】
また、本発明にかかる不凍水栓の一形態によれば、前記上側給水路を形成する周壁に、排水の際に空気が内部へ進入することを許容するように開口でき、該上側給水路内に通水している際には閉塞する吸気弁が設けられていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる不凍水栓によれば、開閉操作を、押圧動作等の簡単な操作によって、モータ等の動力を用いることなく確実且つ適切に行うことができるという特別有利な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明にかかる不凍水栓の最良の形態例を添付図面と共に詳細に説明する。
図1は本発明にかかる不凍水栓の形態例についてその通水状態(通水操作をした状態)を示す縦断面図である。図1(a)は不凍水栓の側面全体断面図であって、上部のカランが接続される部分と吸気弁の形態例を示してある。また、図1(b)は不凍水栓の正面上部断面図であって、係止体がロッド部を下降した状態に保持する機構の形態例を示してある。また、図2は図1の形態例の水抜き状態を示す側面全体断面図及び吸気弁の拡大断面図である。
この不凍水栓は、水道管等の地中に埋設された給水源の通水管に接続されて給水路を開閉し、止水時には水抜きを行うことで凍結を防止するものである。
【0016】
10は弁機構部本体であり、通水管(例えば水道管111(図20参照))の管路に接続される下側給水路11を備え、その下側給水路11の上側に設けられる上側給水路12の基部になっている。
本形態例の弁機構部本体10は、接続本体13、弁箱14、ガイドブッシュ15が下からその順に接続されてOリングパッキン16、17によって水密状態に一体的に設けられた形態になっている。この弁機構部本体10の下端部が、通水管に接続される接続ネジ部18になっている。また、弁機構部本体10の上端部が、上側給水路12の延長部である立上り管20の管路に接続される接続ネジ部19になっている。101は外筒であり、その内部に中継手102を介して立上り管20を支持している。
【0017】
21は弁座部であり、弁機構部本体10に一体的に設けられ、下側給水路11と上側給水路12とを連通する通水孔22、及びその通水孔22の下面側にシール部23を備える。
本形態例の弁座部21は、弁箱14の内周部に形成されている(図3及び図4参照)。図3は弁箱14の斜視図であり、図4は弁箱14の平面図である。
【0018】
25は弁体部であり、弁座部21のシール部23に下方から当接することで通水孔22を閉塞して止水することができるように設けられている。このように弁体部25が、給水路の上流側である下方から弁座部21に当接する形態であることで、水圧と後述するスプリング33の作用によって通水孔22を確実且つ適切に閉じることができる。
本形態例の弁体部25は、後述するように、主弁体26と、コマ弁体27とによって通水孔22を二段階に開閉する構造になっている。このように二段階の動作によって通水孔22を開く構成によって、小さな力でスムースに操作することができる。
【0019】
30はロッド部であり、弁体部25が下端部に設けられ、上下方向に延びるロッド状に形成されて軸方向に昇降可能に配されると共に上端部に操作部50が連携され、下降された際に弁体部25による通水孔22の閉塞を解除することで通水状態とすることができる。
なお、本形態例のロッド部30は、ロッド下端部30a、ロッド主部30b、ロッド上端部30cがその順に下から直列に配された形態によって構成されている。
【0020】
そして、本形態例の弁体部25は、ロッド部30の下端側に固定された主弁体26と、その主弁体26とロッド部30(ロッド下端部30aの中途部)に設けられたストッパ部31との所定の変位範囲で、そのロッド部30に上下動可能に嵌められ、主弁体26がロッド部30と共に押し上げられた際には、その主弁体26と弁座部21のシール部23との間に挟まれて弁座部21の通水孔22を閉じるコマ弁体27とによって構成されている。また、主弁体26は、弁基部26aと板パッキン26bとによって構成され、ロッド部30の先端にネジ止めされて固定されている(図11参照)。コマ弁体27は、コマ27aとコマパッキン27bとによって構成されて、中心に設けられた貫通孔27cにロッド下端部30aが挿通されて嵌っている(図11参照)。
【0021】
32は通水溝であり、コマ弁体27がストッパ部31によってシール部23から押し下げられる前であって主弁体26が下降してコマ弁体27から離れた際に、通水孔22の一部を開くようにロッド部30とコマ弁体27との嵌め合い部分の少なくともどちらかに設けられている。
この通水溝32と弁体部25とによって、通水孔22が、徐々に開閉される弁機構となっている。このため、通水孔22をスムースに開くことができると共に、閉じる際にはウォーターハンマー現象の発生を防止できる。
本形態例の通水溝32は、図5に示すように、ロッド部30のロッド下端部30aに複数本(3本)が筋状に設けられている。図5(a)はロッド下端部30aの断面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A断面図である。通水溝32の形態は、これに限定されず、例えばコマ弁体27の内周面に形成されていてもよく、実質的に溝状で通水できる形状であればよい。
【0022】
33はスプリングであり、ロッド部30及び弁体部25と、弁機構部本体10に一体的に設けられたスプリング受部35aとの間に配され、ロッド部30及び弁体部25を上方へ付勢している。
本形態例では、スプリングガイド35(図6参照)が、弁機構部本体10の中間部を構成する弁箱14(図3参照)の下端側に螺合されることで、スプリング受部35aが設けられている。図6(a)はスプリングガイド35の底面側の斜視図であり、図6(b)はスプリングガイド35の平面側の斜視図である。なお、スプリング33は、スプリングガイド35の筒状のポケット内部35bに配されることで、その伸縮動作が好適に案内される。
【0023】
37は排水孔であり、弁機構部本体10と一体的に設けられて上側給水路12の基部を形成する周壁12aに、外部に連通するように設けられると共に、その周壁12aの内部における排水孔の開口37aが上方に開いている。
本形態例の排水孔37は、弁機構部本体10の中間部を構成する弁箱14に設けられている(図3及び図4参照)。
【0024】
38は排水孔用弁体であり、ロッド部30に所定の範囲で上下動可能に嵌められ、排水孔の開口37aに上方から当接して排水孔37を塞ぐことができるように設けられている。
本形態例の排水孔用弁体38は、弁基部38aにリング状のパッキン38bが固着され、円形の中心部にロッド部30(ロッド下端部30a)が挿通される孔38cが設けられ、半径の中間部に水を通す一対の孔38dが設けられている(図7参照)。図7は排水孔用弁体38の斜視図である。
【0025】
39は押し下げスプリングであり、排水孔用弁体38とロッド部30に設けられた受け部40との間に配されて排水孔用弁体38を押し下げるように付勢している。
なお、本形態例の受け部40は、ロッド下端部30aに外嵌されたE型止め輪によって構成されているが、これに限定されず、例えばロッド下端部30aと一体的に形成されていてもよい。
【0026】
41は張り出し部であり、ロッド部30が上昇する際に排水孔用弁体38の下側から当接してその排水孔用弁体38を押し上げるようにロッド部30に径方向に張り出して設けられている。そして、その張り出し部41の当接部41aと排水孔用弁体38の被当接部38eとが、その排水孔用弁体38を傾斜させた状態で支持できるように、円周方向について部分的に構成されている。本形態例では、張り出し部41が、ロッド下端部30aに側方へ突起するように固定されたピンによって部分的に構成されている。
この張り出し部41によれば、排水孔用弁体38を、ロッド下端部30aに嵌っている遊びの範囲で傾斜させた状態で支持しつつ、排水孔37の開閉をすることができる。
これによる開閉動作によれば、排水孔37の開閉を徐々に行うことができ、その動作をスムースに行うことができる。
【0027】
また、排水孔37には、上側給水路12を形成する周壁12aの内部から外部への排水を許容するが、外部から内部への進入を阻止する逆止用の球体42が配され、その球体42は逆止用のスプリング43によって外部から内部へ向かって付勢されている。この逆止用のスプリング43の付勢力によって、逆流を確実に防止できる。
また、外筒101の内部に排水口37bが設けられ、外筒101の下端103から排水が地中へ排出されるように構成されている。これによれば、水抜きの際の排水をスムースに流すことができると共に、逆流して土や砂が流入することを好適に防止できる。
【0028】
さらに、排水孔用弁体38が上方から当接される被当接面であって一部に排水孔の開口37aが設けられた受け面44が、ロッド部30の軸心と同心の円上について断続的に設けられている(図3及び図4参照)。
これによれば、排水孔用弁体38が、受け面44に当接する荷重が集中することになり、排水孔の開口37aを確実且つ適切に閉塞できる。また、排水孔用弁体38が、受け面44から離れて排水孔の開口37aを開く際には、その受け面44に過度に密着することを防止してスムースに作動できる。
【0029】
次に、ロッド部30の上端部に連携される操作部50について説明する。図8は操作部50が設けられている不凍水栓の上部外観を示す斜視図である。
51は被係止部であり、図1(b)や図15等に示すように、ロッド部30の上端部に設けられ、そのロッド部30が下降して通水した場合にその状態を維持するように保持される部分になっている。
本形態例では、ロッド主部30bに直列に連結された筒状のロッド上端部30cに設けられたスリット孔52の下側の縁部が、被係止部51になっている(図9参照)。図9はロッド上端部30cの斜視図である。
【0030】
ロッド上端部30cは、立上り管20の上部に連結されて上側給水路12を延長する上部周壁12bの内部に装着されるシリンダ部55に対して上下動するピストン部になっている。そのロッド上端部30cの筒状の上端部53は塞がれており、その上端部53に後述する押しボタン60の押圧棒部62の下端が当接されて押されるようになっている。
【0031】
また、ロッド上端部30cの周壁には、一対のスリット孔状の連通部54が設けられている。その連通部54に対応して、シリンダ部55の側壁にも一対のスリット孔状の連通部56が設けられている。その両者の連通部54、56が上側給水路12の一部となってカランの連結部65(図8等参照)に水を供給できるように形成されている。
【0032】
70は係止体であり、被係止部51に係止する係止爪部73を有してロッド部30の軸心に実質的に直交する外方向へのバネ力によってその係止状態を維持できる。
本形態例の係止体70は、逆Uの字状に形成されて弾性力を生じさせる逆U字部71と、その一方の端に一体的に延設された部分として形成された係止爪部73と、その係止爪部73の部分と逆U字部71とが連続する間に外側へ突起した形状に設けられた被押圧部72とが形成された形態になっている。この係止体70は、被押圧部72を除いて実質的にロッド上端部30c内に収納されている。
【0033】
また、係止体70の被押圧部72は、シリンダ部55の側壁に設けられた開口部57の中に挿通された状態に嵌っている。従って、ロッド上端部30cがシリンダ部55内で上下に移動(昇降)する際にも、係止体70は上下方向の位置を変位させないで、シリンダ部55に係止した状態となっている。
なお、係止体70の形態は、これに限らず、例えばスプリング(つる巻きバネ)のバネ力によって係止爪部73を被係止部51に係止させる形態としてもよい。
【0034】
60は押しボタンであり(図8等参照)、ロッド部30に上方から当接し、そのロッド部30を介して弁体部25を押し下げることができるように昇降可能に設けられている。
本形態例の押しボタン60は、ボタン部61に押圧棒部62が一体的に固定されて設けられており、押圧棒部62の下端がロッド上端部30cを押すように形成されている。
【0035】
この押しボタン60を押した状態から手を離すと、その押しボタン60は上側給水路12の上部まで満たされた水圧を押圧棒部62の下端で受けることよって元の位置に戻る。
これによれば、給水路上端閉塞部12cに設けられた貫通孔63と、その貫通孔63に挿通されて下端部62bが抜け止めを兼ねた受圧面として設けられた押圧棒部62とによって、押しボタンの復帰手段64になっている。
なお、この押しボタン60を押していない初期位置へ復帰させる押しボタンの復帰手段としては、給水路上端閉塞部12cの上面と押しボタン60との間にスプリングを配することで構成することもできる。
この押しボタン60の作業者による操作は、通水を開始する際に押圧することのみであり、その他の操作に用いられることがない。また、押しボタン60は、作業者が押していない場合には押しボタンの復帰手段64の作用によって図2等に示すように初期位置に留まっている。
【0036】
80は解除用ボタンであり(図8等参照)、ロッド部30の軸心に実質的に直交する内方向へ押すことで係止爪部73による被係止部51に対する係止状態を解除することができる。
本形態例の解除用ボタン80は、係止体70に側方から当接し、その係止体70の係止爪部73による被係止部51の係止状態を解除できるように押し込まれるように設けられている。また、この解除用ボタン80はボタン部81に押圧棒部82が一体的に固定されて設けられており、押圧棒部82の先端が後述する解除用押接部材90を介して係止体70の被押圧部72を押すように形成されている。
【0037】
この解除用ボタン80は、係止体70のバネ力(弾性反発力)によって、押していない初期位置へ復帰されるように配されている。
また、この解除用ボタン80の作業者による操作は、止水して水抜きを開始する際に押圧することのみであり、その他の操作に用いられることがない。解除用ボタン80は、作業者が押していない場合には係止体70のバネ力及び水圧の作用によって図1(b)等に示すように初期位置に留まっている。
【0038】
85は形状記憶バネであり、ロッド部30の軸心に実質的に直交する方向にバネ力を有し、設定温度以下になった際にバネ力が弱くなるように設けられている。
86はバイアスバネであり、形状記憶バネ85の付勢力にバランスするように対向して配されている。この二つのバネ85、86は、外筒101の上部内に収容され且つ上側給水路12の一部を形成するように配されて六方向に開口した内部空間を形成するクロス87の対向する開口内に位置している。
【0039】
90は解除用押接部材であり、形状記憶バネ85とバイアスバネ86の間に挟まれて位置し、設定温度以下になった際に係止体70のバネ力に抗して形状記憶バネ85側に変位することで係止爪部73によるロッド部30の被係止部51に対する係止状態を解除するように設けられている。
【0040】
本形態例の解除用押接部材90は、図10に示すように矩形の枠(キューブ)状に形成されており、その内部の上下方向に開放された空間91に、シリンダ部55、ロッド上端部30c及び係止体70が挿通される状態に配されている。なお、92は連通部であり、カランの連結部65に水を供給できるように開口されている。また、93はバネ保持部であり外側面に突起した状態に設けられ、バイアスバネ86の一端側が嵌るように形成されている。
【0041】
95は吸気弁であり、上側給水路12を形成する上部周壁12bに、排水の際に空気が内部へ進入することを許容するように開口でき、その上側給水路12内に通水している際には閉塞するように設けられている。
本形態例の吸気弁95は、図2の拡大図に示すように、吸気孔96と、その吸気孔96を開閉するフロート弁97と、そのフロート弁97が圧接する弁座部98と、その弁座部98のシール部として配されたOリングパッキン98aと、フロート弁97を閉じる方向に付勢するスプリング99と、そのスプリング99の受け部としてフロート弁97の軸部97aに固定された止め輪97bとを構成要素とする。
【0042】
このフロート弁97は、内側から弁座部98のOリングパッキン98aに当接して水密シールするように形成されている。また、断面T字状に形成されており、吸気孔96に嵌った柱状摺動部(軸部97a)の内部に外側に開口する連通穴部97cが形成され、その連通穴部97cの奥の部分で側方へ開口する連通部97dが設けられている。
これによれば、水抜きがされる際であって、立上げ管20等によって構成される上側給水路12内が減圧されたときに、図2の拡大図に示すようにフロート弁97が内側へ変位し、点線の矢印で示すように外気が内部へ吸気される。これによって、上側給水路12内の水をスムースに排水することができる。
【0043】
次に、以上の構成を備える不凍水栓の操作及び動作について説明する。
先ず、弁機構部の動作について、図1、図2、図11〜図14に基づいて説明する。
図11は、止水して水抜きがなされている状態を示す弁機構部の断面図であり、水の流れを矢印で示してある。このとき、上部の操作部50は、図2のようになっている。そして、水抜きが完了すると、各弁(弁体部25の主弁体26とコマ弁体27、及び排水孔用弁体38)の作用状態が維持されて通常の止水状態となる。これは、水圧とスプリング33との作用によって、弁体部25が上方へ押圧されて通水孔22を確実に閉塞できるためである。
【0044】
次に、押しボタン60を押すことにより、ワンタッチで通水状態にする操作について説明する。図12は通水操作の経過を説明する弁機構部の断面図である。図13は通水の開始状態を説明する不凍水栓の断面図である。図13(a)は側面全体断面図であり、図13(b)は正面上部断面である。また、図14は通水操作の完了状態を説明する弁機構部の断面図である。
先ず、押しボタン60を少し押すと、図12に示すように排水孔用弁体38が排水孔の開口37aを塞ぐ。また、主弁体26が、コマ弁体27から離れて下降する。
【0045】
さらに押しボタン60を押すことによって、図13の拡大図に示すようにロッド下端部30aの通水溝32を通って水が流れ始める。このとき、通水孔22が小さく開口して少量の水が流れるだけであり、抵抗となる水圧は小さく、押しボタン60を押す力は小さくてよい。なお、コマ弁体27は、未だ水圧に押されて弁座部21のシール部23に張り付いている。
このように上側給水路12側へ水が流れることで、通水孔22を境にしての下側給水路11と上側給水路12との静水圧による圧力差が縮まっていく。このため、次のコマ弁体26を押す力も小さくて済むことになり、押しボタン60による操作を軽い押圧力で適切に行うことができる。
【0046】
また、流れた水が形状記憶バネ85の周辺に達することで、気温が水の温度より低いときは満たされた水によって暖められる。ここで、図13(b)中の矢印について、F1が形状記憶バネ85の力、F2がバイアスバネ86の力、F3が係止体70の元の状態に戻ろうとする力とする。形状記憶バネ85の設定温度よりも気温が低いときは、バネの力のバランスが、F1+F3≦F2となっている。そして、形状記憶バネ85が水によって暖められることで、そのバネの力のバランスが、F1+F3≧F2となり、解除用押接部材90がバイアスバネ86側へスライドする方向へ付勢される。さらに、F1≧F2となり、解除用押接部材90は通水時の位置になるように付勢される。
【0047】
さらに押しボタン60を押すと、図14に示すようにコマ弁体27が弁座部21のシール部23から外れ、通常の水量が流れる。また、これに伴ってロッド上端部30cが、そのロッド上端部30cの被係止部51に係止体70の先端の係止爪部73が引っ掛かって係止する位置まで下がる。そして、係止体70が元の形態に戻ることで、その係止爪部73が、ロッド上端部30cの被係止部51に当接して係止する状態となり、通水状態を保持する(図1(b)参照)。
それから、押しボタン60から手を離すと、その押しボタン60は上側給水路12の上部まで満たされた水圧によって元の位置に戻る(図15参照)。
【0048】
次に、操作部50における自動水抜きに係る動作について、図1、図2、図15〜図17に基づいて説明する。図中の矢印は、F1が形状記憶バネ85の力、F2がバイアスバネ86の力、F3が係止体70の元の状態に戻ろうとする力、F4がスプリング33によってロッド部30を上へ押す力、F5が係止体70の摩擦抵抗力(F4によって係止爪部73の先端と被係止部51、係止体70の被押圧部72とシリンダ部55の接触部とに摩擦抵抗力が発生)とする。
【0049】
先ず、形状記憶バネ85の周辺の温度(水温)が例えば4℃以上のとき、F1≧F2の力関係を保持し、キューブ(解除用押接部材90)は、図15の状態を保持するように設定することができる。
そして、形状記憶バネ85の周辺の温度(水温)が例えば4℃未満になると、F1<F2の力関係になり、図15の状態からF1とF2がバランスしようとするように設定することができる。これにより、解除用押接部材90に、形状記憶バネ85を縮める方向へ移動させる力がかかるようになる。そして、解除用押接部材90が、係止体70の被押圧部72に接して押圧する状態となる。
しかし、形状記憶バネ85の周辺の温度(水温)がさらに下がっても一定の温度までは、F1+F3+F5≧F2の力関係になっていて、解除用押接部材90はスライドしない(図15参照)。
【0050】
そして、形状記憶バネ85の周辺の温度(水温)がさらに下がって、例えば2℃±0.5℃以下となった場合に、F1+F3+F5<F2となるように設定することができる。
このように設定された条件を超えた場合、図16に示すように、解除用押接部材90が、係止体70の被押圧部72を押すことで形状記憶バネ85を縮める方向へ移動されることになる。これにより、係止体70の先端の係止爪部73が、ロッド上端部30cの被係止部51から外れる(図16参照)。
【0051】
すると、図17に示すように、係止爪部73が係止することによって保持されていたロッド上端部30cとそれを一部とするロッド部30が、スプリング33の付勢力(F4)によって上方へ移動される。これにより、通水孔22が弁体部25によって閉じられて止水がなされると共に、排水孔37が開いて水抜きがなされる(図11参照)。
以上に説明した動作によれば、設定された所定の温度になると、形状記憶バネ85の機能によって、自動的に止水と水抜き操作がなされる。この不凍水栓によれば、人手によることなく操作が簡単になり、確実且つ適切に水抜き操作が行われるため、その信頼性を高めることができる。
【0052】
次に、強制的に水抜きをする場合の動作について、図18に基づいて説明する。図18は、以上に説明した形態例の強制水抜きステップを説明する断面図である。
先ず、ステップ1として、解除用ボタン80を押す。
次に、ステップ2として、解除用押接部材90を介して係止体70が押され、ロッド上端部30cの被係止部51から、係止体70の先端の係止爪部73が外れる。
そして、ステップ3として、係止体70の先端の係止爪部73によって保持されているロッド部30が、弁機構部のスプリング33の付勢力によって上方へ押されて移動される。
これによれば、前述した自動水抜きの構成に加えて、手動によって強制的に水抜きをできる構成になっている。非常時等に好適に対応でき、その信頼性を向上できる。
【0053】
次に、手動水抜きの構成を備える操作部の場合の動作について、図19に基づいて説明する。図19は、本発明に係る不凍水栓の操作部の他の形態例における手動水抜きステップを説明する断面図である。
先ず、ステップ1として、解除用ボタン80を押す。
次に、ステップ2として、解除用押接部材90Aを介して係止体70が押され、ロッド上端部30cの被係止部51から、係止体70の先端の係止爪部73が外れる。
そして、ステップ3として、係止体70の先端の係止爪部73によって保持されているロッド部30が、弁機構部のスプリング33の付勢力によって上方へ押されて移動される。
【0054】
さらに、ステップ4として、解除用ボタン80を押すことを止めると、バイアスバネ86Aの反発力により、解除用押接部材90Aと共に解除用ボタン80が元の位置に戻る。また、係止体70も元に戻ろうとする力により、ロッド上端部30cの引掛りに当たるまで戻る。
このように手動水抜きの構成を備える操作部の不凍水栓によれば、ワンタッチで簡単に水抜き操作ができる。
【0055】
次に、本発明の一形態である不凍水栓柱100の施工例を、図20に基づいて説明する。
不凍水栓柱100は、水道の本管110に接続された通水管である水道管111に、止水栓112、量水器113、逆止弁114を介して、弁機構部を備える弁機構部本体10の下端部で接続されている。
その弁機構部本体10は、地表面115から地中の凍結しない深さに埋設されており、以上に説明したように水抜き操作が自動的或は解除用ボタンを押すワンタッチの操作によって簡単になされる。このため、凍結を適切に防止でき、寒冷期にあっても凍結を心配することなく、水道水を利用することができる。
【0056】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明は以上の形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る不凍水栓の形態例の通水状態を示す断面図である。
【図2】図1の形態例の水抜き状態を示す断面図である。
【図3】弁座を構成する弁箱の形態例を示す斜視図である。
【図4】図3の形態例の弁箱の形態例を示す平面図である。
【図5】ロッド下端部の形態例を示す断面図である。
【図6】スプリング受部を構成するスプリングガイドの形態例を示す斜視図である。
【図7】排水孔用弁体の形態例を示す斜視図である。
【図8】図1の形態例の上部外観を示す斜視図である。
【図9】ロッド上端部を構成するピストンの形態例を示す斜視図である。
【図10】解除用押接部材を構成するキューブの形態例を示す斜視図である。
【図11】図1の形態例の止水/水抜き状態を説明する弁機構部の断面図である。
【図12】図1の形態例の通水操作の経過を説明する弁機構部の断面図である。
【図13】図1の形態例の通水の開始状態を説明する断面図である。
【図14】図1の形態例の通水操作の完了状態を説明する弁機構部の断面図である。
【図15】図1の形態例の通水状態の操作部を示す断面図である。
【図16】上記操作部による自動水抜き操作の状態を説明する断面図である。
【図17】上記操作部による自動水抜き操作が完了した状態を示す断面図である。
【図18】図1の形態例の強制水抜きステップを説明する断面図である。
【図19】本発明に係る不凍水栓の操作部の他の形態例における手動水抜きステップを説明する断面図である。
【図20】本発明に係る不凍水栓の設置場所の形態例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0058】
10 弁機構部本体
11 下側給水路
12 上側給水路
12a 周壁
20 立上り管
21 弁座部
22 通水孔
23 シール部
25 弁体部
26 主弁体
27 コマ弁体
30 ロッド部
31 ストッパ部
32 通水溝
33 スプリング
35a スプリング受部
37 排水孔
37a 排水孔の開口
38 排水孔用弁体
38e 被当接部
39 押し下げスプリング
40 受け部
41 張り出し部
41a 当接部
42 逆止用の球体
43 逆止用のスプリング
44 受け面
50 操作部
51 被係止部
60 押しボタン
65 カランの連結部
70 係止体
72 被押圧部
73 係止爪部
80 解除用ボタン
85 形状記憶バネ
86 バイアスバネ
90 解除用押接部材
95 吸気弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道管等の地中に埋設された給水源の通水管に接続されて給水路を開閉し、止水時には水抜きを行うことで凍結を防止する不凍水栓であって、
前記通水管の管路に接続される下側給水路を備え、該下側給水路の上側に設けられる上側給水路の基部となる弁機構部本体と、
該弁機構部本体に一体的に設けられ、前記下側給水路と前記上側給水路とを連通する通水孔、及び該通水孔の下面側にシール部を備える弁座部と、
該弁座部のシール部に下方から当接することで前記通水孔を閉塞して止水することができる弁体部と、
該弁体部が下端部に設けられ、上下方向に延びるロッド状に形成されて軸方向に昇降可能に配されると共に上端部に操作部が連携され、下降された際に前記弁体部による前記通水孔の閉塞を解除することで通水状態とするロッド部と、
該ロッド部及び前記弁体部と、前記弁機構部本体に一体的に設けられたスプリング受部との間に配され、前記ロッド部及び前記弁体部を上方へ付勢するスプリングとを具備することを特徴とする不凍水栓。
【請求項2】
前記弁体部が、前記ロッド部の下端側に固定された主弁体と、該主弁体と前記ロッド部に設けられたストッパ部との所定の変位範囲で、該ロッド部に上下動可能に嵌められ、前記主弁体が前記ロッド部と共に押し上げられた際には、該主弁体と前記弁座部のシール部との間に挟まれて前記弁座部の通水孔を閉じるコマ弁体とを具備し、
該コマ弁体が前記ストッパ部によって前記シール部から押し下げられる前であって前記主弁体が下降して前記コマ弁体から離れた際に、前記通水孔の一部を開くように前記ロッド部と前記コマ弁体との嵌め合い部分の少なくともどちらかに設けられた通水溝を備えることを特徴とする請求項1記載の不凍水栓。
【請求項3】
前記弁機構部本体と一体的に設けられて前記上側給水路の基部を形成する周壁に、外部に連通するように設けられると共に、該周壁の内部における排水孔の開口が上方に開いている排水孔と、
前記ロッド部に所定の範囲で上下動可能に嵌められ、前記排水孔の開口に上方から当接して前記排水孔を塞ぐ排水孔用弁体と、
該排水孔用弁体と前記ロッド部に設けられた受け部との間に配されて前記排水孔用弁体を押し下げるように付勢する押し下げスプリングと、
前記ロッド部が上昇する際に前記排水孔用弁体の下側から当接して該排水孔用弁体を押し上げるように前記ロッド部に径方向に張り出して設けられた張り出し部とを備え、
該張り出し部の当接部と前記排水孔用弁体の被当接部とが、該排水孔用弁体を傾斜させた状態で支持できるように、円周方向について部分的に構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の不凍水栓。
【請求項4】
前記排水孔には、前記上側給水路を形成する周壁の内部から外部への排水を許容するが、外部から内部への進入を阻止する逆止用の球体が配され、該球体は逆止用のスプリングによって外部から内部へ向かって付勢されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不凍水栓。
【請求項5】
前記排水孔用弁体が上方から当接される被当接面であって一部に前記排水孔の開口が設けられた受け面が、前記ロッド部の軸心と同心の円上について断続的に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の不凍水栓。
【請求項6】
前記操作部が、前記ロッド部の上端部に設けられて該ロッド部が下降して通水した場合にその状態を維持するように保持される被係止部と、該被係止部に係止する係止爪部を有してロッド部の軸心に実質的に直交する外方向へのバネ力によってその係止状態を維持できる係止体とを具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不凍水栓。
【請求項7】
前記ロッド部に上方から当接し、該ロッド部を介して前記弁体部を押し下げることができるように昇降可能に設けられた押しボタンと、該押しボタンを押していない初期位置へ復帰させる押しボタンの復帰手段とを具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の不凍水栓。
【請求項8】
前記ロッド部の軸心に実質的に直交する内方向へ押すことで前記係止爪部による前記被係止部に対する係止状態を解除する解除用ボタンを具備することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の不凍水栓。
【請求項9】
前記ロッド部の軸心に実質的に直交する方向にバネ力を有し、設定温度以下になった際にバネ力が弱くなる形状記憶バネと、
該形状記憶バネの付勢力にバランスするバイアスバネと、
前記二つのバネの間に挟まれて位置し、設定温度以下になった際に前記係止体のバネ力に抗して形状記憶バネ側に変位することで前記係止爪部による前記被係止部に対する係止状態を解除する解除用押接部材を具備することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の不凍水栓。
【請求項10】
前記上側給水路を形成する周壁に、排水の際に空気が内部へ進入することを許容するように開口でき、該上側給水路内に通水している際には閉塞する吸気弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の不凍水栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−126935(P2010−126935A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300669(P2008−300669)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000150095)株式会社竹村製作所 (16)
【Fターム(参考)】