説明

中継ユニット

【課題】 イヤホンケーブルや信号ケーブルの接続部位における応力を緩和して本体部からの脱落や断線の発生を抑制して信頼性や使い勝手の向上を図る。
【解決手段】 中継基板10を内蔵するとともに操作部12やクリップ機構14が設けられたケース体9に、一端にイヤホン15が設けられたイヤホンケーブル16と携帯無線機器1と接続された信号ケーブル5とが接続されることによってイヤホン部4と携帯無線機器1とを接続してなり、クリップ機構14が、クリップ片29をヒンジ機構28を介して支持するベース片27をケース体9に対して回転支持機構30を介して回転自在に組み付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤホンが設けられたイヤホンケーブルと携帯無線機器と接続された信号ケーブルとが接続されることによってイヤホン部と携帯無線機器とを接続し、ケース体内に中継回路部或いは制御回路部を搭載した中継基板を内蔵するとともに適宜の操作スイッチ及びクリップ手段が設けられ、携帯無線機器を制御するとともにクリップ手段によって使用者の胸ポケット等に保持される中継ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯型液晶テレビジョン受像機やラジオ受信機、携帯型記録再生装置或いは携帯型情報端末装置(PDA:Personal Digital Assistant)等の携帯無線機器においては、一般に機器本体とイヤホン部との間に適宜の操作を行う操作部を有する中継ユニットが設けられており、この中継ユニットを介して手元で電源のオンオフ調整やボリューム調整或いはチャンネル切替操作等を行うことが可能である(例えば、特許文献1参照)。中継ユニットには、ケース体に胸ポケット等を挟み込む一対のクリップ片を有する適宜のクリップ機構が設けられており、このクリップ機構によってケース体を固定する。
【0003】
また、例えば特許文献2には、少なくとも2個のイヤホン(ヘッドホン)と機器本体とを接続するイヤホンケーブル(ヘッドホンケーブル)にアンテナ機能を付加することによって複数のアンテナを構成し、フェージング対策を図るようにした携帯無線機器が開示されている。さらに、特許文献3には、機器本体を首等から吊り下げるためのストラップを利用してアンテナ線路を構成した携帯無線機器が開示されている。
【0004】
なお、携帯無線機器においては、スピーカを内蔵するホルダ構造として、例えば使用者の耳穴内に直接装着されるいわゆるイヤホンや、耳殻に引っ掛けるホルダ部材を有するイヤホン或いは使用者の頭部に装着される半円弧状のホルダ部材にスピーカを内蔵させたいわゆるヘッドセット(ヘッドホン)が接続される。本明細書においては、これら全てのイヤホンやヘッドセットについて、イヤホンと総称するものとする。
【0005】
【特許文献1】特開2002−93142号公報
【特許文献2】特開2003−163529号公報
【特許文献3】特開2001−257520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の中継ユニットにおいては、上述したように使用者が胸ポケットをクリップ片によって挟み込んでケース体を固定することで、このケース体を介してイヤホンケーブルと信号ケーブルとの途中箇所を固定する。中継ユニットは、かかる構造によって途中箇所で引っ掛かり等によりイヤホンケーブルや信号ケーブルに過大な引張り力が作用されてケース体からの脱落や接続部での断線の発生が抑制されるようになる。
【0007】
ところで、中継ユニットにおいては、ケース体を胸ポケット等に固定することで、イヤホンケーブルと信号ケーブルとがイヤホンを装着した頭部と機器本体を収納したバック等のそれぞれの動きに応じて別々の動きを呈するようになる。中継ユニットにおいては、このためにイヤホンケーブルや信号ケーブルにケース体との接続部位においてそれぞれ応力集中が生じてケース体からの脱落等が生じることもあった。
【0008】
例えば携帯電話機においては、携帯端末向け地上波デジタル放送(ISDB-T:Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)の開始によって放送番組を受信する機能を搭載する開発が進められている。携帯電話機においては、周囲を気にせずに放送番組を良好な状態で視聴するために、アクセサリー部品としてイヤホンケーブルを放送受信用のアンテナとして利用するイヤホンケーブルを電話機本体に接続して用いれば極めて効果的である。かかるイヤホンケーブルにも、中継ユニットを設けることが必須の対応となる。
【0009】
さらに、携帯電話機においては、例えば車の利用者にとって改正道路交通法の対応としてハンズフリー機能が必須の構成となる。従来では、携帯電話機を車内に設置したクレードルに装着するとともにイヤホンやマイクロホンを有するハンズフリー装置を接続し、このハンズフリー装置を頭部に装着することによってハンズフリー通話を行っていた。かかるハンズフリー構成は、車内にクレードルを設置しなければならず、またハンズフリー装置を頭部に装着する煩わしさがあって普及率が極めて低く、新たな対応が望まれている。
【0010】
中継ユニットは、上述した新規の携帯電話機用として用いられる場合に、太径で重量も大きなイヤホンケーブルや信号ケーブルが接続される。中継ユニットは、このためにケース体と頭部或いはバック等との間でイヤホンケーブルや信号ケーブルが垂れ下がって接続部位に応力が集中したり、頭部やバック等の動きに応じての動きが鈍くなって使用感を低下させる。また、中継ユニットは、アンテナ機能を有するイヤホンケーブルに不自然なねじれが生じてアンテナの性能が劣化して十分な受信感度が得られないといった問題点も生じる。さらに、中継ユニットは、剛性が大きなイヤホンケーブルや信号ケーブルのねじれ等によって、クリップ片が胸ポケットからはずれてしまうといった問題も生じる。
【0011】
したがって、本発明は、多機能化に伴って比較的太径で重くなるイヤホンケーブルや信号ケーブルの接続部位における応力を緩和し、本体部からの脱落や断線の発生を抑制して信頼性や使い勝手の向上を図る中継ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成する本発明にかかる中継ユニットは、中継回路部或いは制御回路部を搭載した中継基板を内蔵するとともに操作スイッチやクリップ手段が設けられたケース体に、一端にイヤホンが設けられたイヤホンケーブルと携帯無線機器と接続された信号ケーブルとが接続されることによってイヤホン部と携帯無線機器とを接続する。中継ユニットは、クリップ手段が、クリップ体を支持するベースをケース体に対して回転支持機構を介して組み付けられる。
【0013】
また、中継ユニットは、一端側にイヤホンを設けるとともに他端側がケース内に導かれて中継基板と接続されたイヤホンケーブルがアンテナ線としても機能する。中継ユニットは、信号ケーブルが一端側をケース内に導かれて中継基板と接続されるとともに他端側が携帯無線機器と接続され、高周波信号を伝送する中心導体とこの中心導体を被覆する第1絶縁体及びシールド線とからなる同軸線と、この同軸線を被覆する第2絶縁体を介して一体化された音声信号を伝送する信号線及び信号線とからなる同軸ケーブルによって構成される。
【0014】
本発明にかかる中継ユニットにおいては、クリップ手段によりケース体を固定してイヤホンケーブルと信号ケーブルとの途中箇所を固定することで、途中箇所での引っ掛かり等の発生を抑制してイヤホンケーブルや信号ケーブルに過大な引張り力が作用されてないようにする。中継ユニットにおいては、ケース体に対してクリップ手段を回転自在に設けたことにより、イヤホンケーブルと信号ケーブルとの別々の動きに対してもケース体が適宜回動動作することでそれぞれの接続部位において応力集中を緩和させる。
【0015】
また、本発明にかかる中継ユニットにおいては、イヤホンケーブルや信号ケーブルが多機能化に伴って比較的太径で重くなった場合でも、ケース体が適宜に回動動作することによってイヤホンケーブルや信号ケーブルを自然な状態に導いて不自然なねじれの発生を抑制する。中継ユニットにおいては、イヤホンケーブルや信号ケーブルの接続部位において応力集中を緩和させるとともに、クリップ手段に大きな力が作用されることも抑制する。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる中継ユニットは、ケース体に回転支持機構を介してクリップ手段を設けたことにより、イヤホンケーブルと信号ケーブルに途中箇所での引っ掛かり等の発生を抑制して過大な引張り力が作用されてないようにするとともに、イヤホンケーブルと信号ケーブルとの別々の動きに対してもそれぞれの接続部位における応力集中を緩和させ、脱落や断線の発生が低減されて信頼性の向上が図られるようになる。中継ユニットは、イヤホンケーブルや信号ケーブルをそれぞれ円滑に動かせるようにすることから、これらイヤホンケーブルや信号ケーブルの引っ張りによる違和感を与えることもなくまたケース体の脱落も防止されて使い勝手の向上が図られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態は、例えば地上波デジタル放送受信機能を有する携帯電話機1にアクセサリー部品として用いられる中継ユニット2であり、本体部3と、イヤホン部4と、同軸ケーブル5とから構成される。中継ユニット2は、図1に示すように、本体部3に対してイヤホン部4と同軸ケーブル5とが詳細を省略する第1ピンジャックコネクタ機構6及び第2ピンジャックコネクタ機構7によってそれぞれ着脱自在とされるとともに、携帯電話機1に対して同軸ケーブル5の先端に設けた第3ピンジャックコネクタ機構8を介して着脱自在とされる。
【0018】
中継ユニット2は、例えば自動車の車内に設置したクレード等に装着された携帯電話機1に接続されることによって、その制御操作、例えば着信応答、受話音量調整、メモ録音指示等の操作や、携帯電話機1の機能モードへの切り替え操作、例えば電話機能からテレビジョン機能への切り替え、チャンネル切り替え等の操作を手元において行うことを可能とする。中継ユニット2は、イヤホン部3が地上波デジタル放送用のアンテナ機能を有しており、放送電波を受信して携帯電話機1に伝送し、番組画像を液晶表示器に表示させるようにする。なお、中継ユニット2は、音声信号を分離してイヤホン部4において再生するが、例えば携帯電話機1の内蔵スピーカからも再生可能とする。
【0019】
中継ユニット2は、図2乃至図4に示すように、本体部3が、樹脂製の一対の半体を組み合わせて略薄型の矩形ブロック形状に構成されたケース体9を備える。中継ユニット2は、このケース体9の内部に中継基板10を収納するとともに、ケース体9の図2に示す第1主面(正面)9aに液晶表示器11や各種の操作スイッチやジョグダイヤルが配列された操作部12或いは内蔵マイクロホン13の放音孔を設ける。また、中継ユニット2には、ケース体9の図3に示す第2主面(背面)9bに詳細を後述するクリップ機構14を設ける。
【0020】
中継ユニット2は、イヤホン部4が、図1に示すように使用者Mの耳穴に装着される左右一対のイヤホン15L、15Rと、これらイヤホン15L、15Rをそれぞれ一端側に設けるとともに他端側が第1ピンジャックコネクタ機構6を介して本体部3に着脱される左右一対のイヤホンケーブル16L、16Rとを有する。イヤホンケーブル16L、16Rは、音声信号と高周波信号とを重畳させて伝送する機能を有している。第1ピンジャックコネクタ機構6は、詳細を省略するが、オーディオLチャンネル、オーディオRチャンネル及びグランドの3種類のラインを接続する3極のピンジャックコネクタ機構によって構成される。
【0021】
なお、第1ピンジャックコネクタ機構6には、板ばね等を有するロック機構も設けられており、例えば本体部3側のコネクタに対してイヤホンケーブル16側のコネクタを強く押し込むことによって上述した各ラインの接続が行われるとともに、結合状態が保持されるようにする。また、第1ピンジャックコネクタ機構6は、本体部3側のコネクタからイヤホンケーブル16側のコネクタを強く引き抜くことによってロック機構が解除され、本体部3からイヤホン部4の取り外しが行われる。
【0022】
中継ユニット2は、同軸ケーブル5が、図1に示すように一端側に設けた第2ピンジャックコネクタ機構7を介して本体部3と着脱されるとともに、他端側に設けた第3ピンジャックコネクタ機構8を介して携帯電話機1と着脱される。同軸ケーブル5は、イヤホン部4で受信した放送電波(高周波信号)と左右の音声信号を携帯電話機1に伝送し、また本体部3と携帯電話機1との間で制御信号等の授受を行う。同軸ケーブル5は、図5に示すように、高周波信号を伝送する中心導体17と、この中心導体17を被覆する第1絶縁体18及びその外周部に巻かれたシールド網線19とからなる同軸線20を芯材とし、この同軸線20を被覆する第2絶縁体21を介して音声信号を伝送する一対の音声信号線22L、22Rと制御信号線23とを外皮24によって一体化して構成される。
【0023】
第2ピンジャックコネクタ機構7及び第3ピンジャックコネクタ機構8は、ほぼ同一に構成されており、詳細を省略するが上述した同軸ケーブル5の5本の線に対応するアンテナ、制御信号、オーディオLチャンネル、オーディオRチャンネル及びグランドの5種類のラインを接続する5極のピンジャックコネクタ機構によって構成される。なお、第2ピンジャックコネクタ機構7及び第3ピンジャックコネクタ機構8にも、上述した第1ピンジャックコネクタ機構6と同様のロック機構が設けられている。
【0024】
本体部3は、上述したように矩形ブロック形状のケース体9を備えており、このケース体9の内面に図4に示すように多数個の取付スタッド25が一体に立設され、これら取付スタッド25上に中継基板10を取り付けている。本体部3は、本体部3は、配線基板を1枚構成とする場合に、この中継基板10上にケース体9に設けた各開口部から外方に臨ませて液晶表示器11や操作部12の各スイッチ或いは内蔵マイクロホン13を搭載する。
【0025】
中継基板10には、長手方向の一端側に第1ピンジャックコネクタ機構6のコネクタが取り付けられるとともに他端側に第2ピンジャックコネクタ機構7のコネクタが取り付けられる。ケース体9は、長手方向の一方側面に設けた開口部から第1ピンジャックコネクタ機構6のコネクタを外方に臨ませるとともに他方側面に設けた開口部から第2ピンジャックコネクタ機構7のコネクタを外方に臨ませて、中継基板10を収納する。
【0026】
中継基板10には、詳細を省略するが中継回路部や制御回路部或いは液晶表示器11の駆動回路やスイッチ回路等が搭載されている。中継回路部は、例えば高周波信号や音声信号の伝送ライン、グランドパターン、高周波チョーク、チップコンデンサ等によって構成され、イヤホン部4から伝送された高周波信号と音声信号とを分離してそれぞれ携帯電話機1や各イヤホン15へと供給する機能を有する。
【0027】
中継ユニット2は、本体部3がケース体9に設けたクリップ機構14によって、図1に示すように例えば使用者Mの胸ポケット26に取り付けられる。したがって、中継ユニット2は、携帯電話機1を手持ちすることなく、上述したように本体部3に設けられた操作部12の各スイッチを操作することによって手元において携帯電話機1の機能切替等の操作を行うことを可能とする。中継ユニット2は、この設定操作の内容がケース体9に設けた液晶表示器11によって表示されるようにする。中継ユニット2は、例えばハンズフリーモードに設定した状態で、携帯電話機1を手持ちすることなく本体部3の内蔵マイクロホン13を利用しての通話を可能とする。なお、中継ユニット2は、着信音声をイヤホン部4のイヤホン15によって聞くようにするが、切替操作により携帯電話機1側のスピーカによって聞くことも可能とする。
【0028】
クリップ機構14は、図4に示すように、ベース片27と、このベース片27に対してヒンジ機構28によって回動自在に組み合わされたクリップ片29とによって構成されるいわゆる洗濯ばさみ構造からなり、回転支持機構30によってケース体9の第2主面9bに回転自在に組み合わされる。ベース片27には、その主面の長さ方向のやや一方側に寄った位置に幅方向に離間して一対の支点凸部30が形成されている。各支点凸部30には、軸線を一致させて軸孔が形成されている。クリップ片29にも、ベース片27の主面と相対する主面に、各支点凸部30と対向して一対の支点凸部31が形成されており、これら支点凸部31にも軸線を一致させて軸孔が形成されている。
【0029】
クリップ機構14は、ベース片27に対してクリップ片29が、相対する支点凸部30に支点凸部31を組み合わせ、連通された軸孔に支軸32を貫通させて組み合わすことにより、ヒンジ機構28を構成する。クリップ機構14は、支軸32にトーションスプリング33を組み合わせることによって、ベース片27とクリップ片29とが互いに先端部を突き合わせる方向に付勢されるようにする。クリップ機構14は、ベース片27とクリップ片29との突き合わせ習性を付与されたそれぞれの先端部に互いに噛み合うのこ歯状の凸部27a、29aが形成されている。クリップ機構14は、ベース片27に対してクリップ片29をトーションスプリング33の弾性力に抗して拡げて胸ポケット26に挟み込むことにより、本体部3が固定されるようにする。
【0030】
回転支持機構30は、ベース片27の底面に形成された台座部34から一体に形成した支軸部35と、この支軸部35を回転自在に嵌合する軸受けブッシュ36と、ケース体9に形成した組付孔38に嵌合された軸受けブッシュ36に対して支軸部35を抜け止めする抜止めプレート37等によって構成される。軸受けブッシュ36は、組付孔38の孔径とほぼ等しい外径に形成され内部に支軸部35の外径よりもやや大径とされた軸孔が形成された筒部と、この筒部の一端部に組付孔38の孔径よりも大きな外径を有して形成されたフランジ部とから構成される。
【0031】
回転支持機構30は、軸受けブッシュ36が筒部を組付孔38に嵌合されることによってケース体9に組み付けられ、この軸受けブッシュ36の軸孔に支軸部35を嵌合することによってクリップ機構14のベース片27が組み合わされ、ケース体9の内部において支軸部35の先端部に抜止めプレート37を固定することによって、組み立てられる。回転支持機構30は、支軸部35が軸受けブッシュ36の軸孔内において回転自在に嵌合されることによって、ケース体9に対してクリップ機構14を回転自在に支持する。
【0032】
なお、クリップ機構14については、上述したベース片27と、ヒンジ機構28と、クリップ片29等の部材によって構成される構造に限定されるものでは無いことは勿論である。クリップ機構14は、例えば合成樹脂材によってベース片27とクリップ片29とを弾性を有するU字状のヒンジ部を介して一体に形成するようにしてもよい。また、回転支持機構30についても、上述したベース片27に形成した支軸部35と、軸受けブッシュ36と、抜止めプレート379等の部材とから構成される構造に限定されるものでは無いことは勿論である。回転支持機構30は、クリップ機構14をケース体9の第1主面9aと平行な面内において回転自在に支持するようにしたが、例えば周知の球面継ぎ手機構等によって構成することで、クリップ機構14を高さ方向に対しても回動自在に支持することを可能とする。
【0033】
以上のように構成された中継ユニット2においては、上述したように本体部3が、クリップ機構14を例えば使用者Mの胸ポケット26に挟み込むことによってケース体9を固定する。中継ユニット2においては、本体部3にイヤホンケーブル16と同軸ケーブル5とを接続して長尺となるが、途中箇所を固定することで引っ掛かり等の発生を抑制してイヤホンケーブル16と同軸ケーブル5に過大な引張り力が作用されてないようにする。中継ユニット2においては、過大な引張り力によって本体部3からイヤホンケーブル16や同軸ケーブル5が脱落したり、中継基板10の接続部位に断線等を生じさせないようにする。中継ユニット2においては、アンテナとして機能するイヤホンケーブル16が安定した状態に保持され、放送電波を良好に受信するようにする。
【0034】
中継ユニット2においては、上述したようにケース体9に対してクリップ機構14が回転支持機構30を介して回転自在に設けられる。中継ユニット2においては、使用者Mの耳穴に装着されたイヤホン15を接続するイヤホンケーブル16が、使用者Mの頭部の動きに応じて本体部3を支点として様々な動きを呈する。中継ユニット2においては、クレードル等に装着された携帯電話機1に接続された同軸ケーブル5が、本体部3を支点としてイヤホンケーブル16と異なる動きを呈する。
【0035】
中継ユニット2においては、イヤホンケーブル16や同軸ケーブル5の動きに応じて、クリップ機構14を介して使用者Mの胸ポケット26に固定された本体部3が回転支持機構30を介して適宜に首振り動作を行う。中継ユニット2においては、この本体部3の首振り動作によってことなる動きをするイヤホンケーブル16と同軸ケーブル5とのねじれ等による接続部に生じる応力集中を抑制する。中継ユニット2においては、本体部3からイヤホンケーブル16や同軸ケーブル5が脱落したり、中継基板10の接続部位に断線等を生じさせないようにする。中継ユニット2においては、アンテナとして機能するイヤホンケーブル16が安定した状態に保持され、放送電波を良好に受信するようにする。
【0036】
また、中継ユニット2においては、上述したように同軸ケーブル5が多芯とされることによってやや太径で重い構造となる。中継ユニット2においては、上述したように本体部3の首振り動作によって同軸ケーブル5のねじれを緩和することにより、ねじれ力が使用者Mに加えられないようにして使用感の向上が図られるようにする。
【0037】
なお、上述した実施の形態は、携帯電話機1に接続されて用いられる中継ユニット2を示したが、本発明はかかる適用例に限定されるものでは無いことは勿論である。中継ユニット2は、例えば携帯型液晶テレビジョン受像機や携帯型情報記録再生装置或いは携帯型情報端末装置等の各種携帯無線機器用として用いられるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施の形態として示す中継ユニットの使用状態の説明図である。
【図2】中継ユニットの正面図である。
【図3】中継ユニットの背面図である。
【図4】クリップ機構と回転支持機構を示す要部縦断面図である。
【図5】同軸ケーブルの説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 携帯電話機、2 中継ユニット、3 本体部、4 イヤホン部、5 同軸ケーブル、9 ケース体、10 中継基板、11 液晶表示器、12 操作部、14 クリップ機構、15 イヤホン、16 イヤホンケーブル、26 胸ポケット、27 ベース片、28 ヒンジ機構、29 クリップ片、30 回転支持機構、32 支軸、33 トーションスプリング、36 軸受けブッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤホンが設けられたイヤホンケーブルと携帯無線機器と接続された信号ケーブルとが接続されることによってイヤホン部と上記携帯無線機器とを接続し、ケース体内に中継回路部或いは制御回路部を搭載した中継基板を内蔵するとともに、操作スイッチやクリップ手段が設けられた中継ユニットにおいて、
上記クリップ手段が、クリップ体を支持するベースを上記ケース体に対して回転支持機構を介して組み付けられることを特徴とする中継ユニット。
【請求項2】
一端側にイヤホンが設けられるとともに他端側が上記ケース内に導かれて上記中継基板に接続され、アンテナ線としても機能する上記イヤホン部の上記イヤホンケーブルと、
一端側が上記ケース内に導かれて上記中継基板と接続されるとともに他端側が上記携帯無線機器と接続される上記信号ケーブルとを備え、
上記信号ケーブルが、高周波信号を伝送する中心導体とこの中心導体を被覆する第1絶縁体及びシールド線とからなる同軸線と、この同軸線を被覆する第2絶縁体を介して一体化された音声信号を伝送する信号線及び信号線とからなる同軸ケーブルによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の中継ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−108945(P2006−108945A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−290729(P2004−290729)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】