説明

乗換案内提供システム及び乗車券販売機

【課題】乗換案内提供システムにおいて、乗換情報を検索する際に降車駅等の入力を簡便なものにし、また、ユーザの現在位置に対応した乗換情報を提供できるようにする。
【解決手段】乗車券販売機110は、降車駅名等と情報配信サーバ120のアドレスとのQRコードが印字された乗車券を発券する。携帯端末100は、乗車券のQRコードから降車駅名等と情報配信サーバ120のアドレスとの情報を読み取り、また、GPS装置を使用して現在位置を検出する。携帯端末100は情報配信サーバ120のアドレスを使用して、情報配信サーバ120と接続し、情報配信サーバ120に降車駅名等の情報と現在位置の情報とを送信する。情報配信サーバ120は、降車駅等と現在位置とに対応する乗換情報を検索し、携帯端末100に送信する。携帯端末100は受信した乗換情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗換案内提供システム及び乗車券販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯端末等に乗換路線情報や乗車時刻表情報等の乗換情報を提供する乗換案内提供システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のシステムでは、ユーザが携帯端末等にパラメータとして乗車駅や降車駅を手入力し、それらの情報からサーバが乗換路線情報や乗車時刻表等の乗換情報を検索する。
【0004】
しかし、入力するパラメータが乗車駅や降車駅のみであったので、検索された乗換情報には、ユーザの現在位置が考慮されていなかった。従って、従来のシステムでは、ユーザの現在位置に対応する乗換情報を提供することはできなかった。例えば、ユーザが実際に乗車駅・降車駅間の路線に乗車している場合、次に乗車する路線の情報を提供することができなかった。
【0005】
それに加えて、検索に必要な情報を手入力していたため、操作が煩雑であり、利用者にとって使いやすいものではなかった。
【特許文献1】特開2003−58663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、検索に必要な情報を手入力する必要のない、且つ、ユーザの現在位置に対応する乗換情報を提供する乗換案内提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る乗換案内提供システムは、
乗換情報を格納する乗換情報配信サーバと、乗換情報を閲覧可能な端末と、乗車券販売機と、から構成される乗換案内提供システムであって、
前記乗車券販売機は、降車駅のコードが形成された乗車券を発券する発券手段を備え、
前記端末は、
前記発券手段により発券された乗車券に形成されたコードを復号化する復号化手段と、
前記乗換情報配信サーバと接続し、前記復号化手段により復号化された降車駅を示す情報を送信する第1の送信手段と、を備え、
前記乗換情報配信サーバは、
前記端末の現在位置を判別する判別手段と、
前記第1の送信手段により送信された降車駅を示す情報と、前記判別手段により判別された前記端末の現在位置の情報と、に対応した乗換情報を検索し、前記端末に送信する第2の送信手段を備え、
前記端末は、前記第2の送信手段により送信された乗換情報を表示する表示手段を備える、
ことを特徴とする。
【0008】
例えば、前記発券手段は、
降車駅を示す情報を符号化した二次元コードが印刷された乗車券を発券し、
前記復号化手段は、
前記発券手段によって発券された乗車券に印刷された二次元コードを読み取り、復号化する、
ことを特徴としてもよい。
【0009】
例えば、前記乗換情報配信サーバは、現在位置から降車駅までの所要時間を算出し、該所要時間を含む乗換情報を前記端末に提供する、
ことを特徴としてもよい。
【0010】
例えば、前記発券手段は、前記乗換情報配信サーバのアドレスのコードが前記降車駅のコードと共に形成された乗車券を発券し、
前記復号化手段は、前記乗車券に形成された前記乗換情報配信サーバのアドレスのコードを前記降車駅のコードと共に復号化し、
前記第1の送信手段は、前記復号化手段により復号化された前記乗換情報配信サーバのアドレスを使用して、前記乗換情報配信サーバと接続し、前記複号化手段により複号化された降車駅を示す情報を送信する、
ことを特徴としてもよい。
【0011】
例えば、前記端末は、該端末の現在位置を検出し、該現在位置の情報を前記乗換情報配信サーバに送信する第3の送信手段を備え、
前記乗換情報配信サーバの前記判別手段は、前記第3の送信手段により送信された前記端末の現在位置の情報を受信し、受信した該情報に基づいて前記端末の現在位置を判別する、
ことを特徴としてもよい。
【0012】
例えば、前記端末は、全地球測位システム受信装置を備え、該全地球測位システム受信装置を使用して該端末の現在位置を検出する、
ことを特徴としてもよい。
【0013】
例えば、前記端末は、自己に対応する識別情報を備え、
前記乗換情報配信サーバは、
識別情報に対応する端末の現在位置情報を格納する格納手段を備え、
前記端末は、
該端末に対応する前記識別情報を前記乗換情報配信サーバに送信する第4の送信手段を備え、
前記乗換情報配信サーバの前記判別手段は、
前記第4の送信手段により送信された識別情報に対応する、前記端末の現在位置情報を前記格納手段から検索し、該端末の現在位置を判別する、
ことを特徴としてもよい。
【0014】
例えば、前記乗換情報配信サーバは、駅別の時刻表情報を格納し、前記乗換情報と併せて該駅別の時刻表情報を前記端末に配信する、
ことを特徴としてもよい。
【0015】
例えば、前記乗換情報配信サーバは、路線別の時刻表情報を格納し、前記乗換情報と併せて該路線別の時刻表情報を前記端末に配信する、
ことを特徴としてもよい。
【0016】
例えば、前記乗換情報配信サーバは、第1の路線情報を記憶する手段を備え、
前記乗車券販売機は、
第2の路線情報を記憶する手段と、
ユーザが降車駅を選択する際に、前記第2の路線情報を提示する手段と、
前記乗換情報配信サーバと接続し、前記第1の路線情報を取得し、前記第2の路線情報を前記第1の路線情報に更新する手段と、を備える、
ことを特徴としてもよい。
【0017】
本発明の第2の観点に係る乗車券販売機は、
路線情報を格納する格納手段と、
前記格納手段により格納されている路線情報を外部装置から取得した路線情報に更新する更新手段と、
ユーザが降車駅を選択する際に、前記格納手段により格納されている路線情報を提示する提示手段と、
前記提示手段により提示された路線情報に基づいてユーザに選択された降車駅のコードが形式された乗車券を発券する発券手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、乗換案内提供システムにおいて、検索に必要な情報を手入力する必要がなく、且つ、ユーザの現在位置に対応する乗換情報を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る乗換案内提供システム1000を説明する。この乗換案内提供システム1000は、図1に示すように、携帯端末100と、乗車券販売機110と、情報配信サーバ120と、ネットワーク130と、から構成される。
【0020】
携帯端末100は、QR(Quick Response)コード付乗車券から読み取った乗車駅と降車駅と経路とを示す情報と携帯端末100が検出した現在位置情報とをそれぞれ情報配信サーバ120に送信し、それに応じて情報配信サーバ120から返信された乗換情報を受信し、表示する。
【0021】
携帯端末100は、図2に示すように、GPS受信部1011と、GPS入力部1012と、出力装置1021と、出力制御部1022と、無線送受信部1031と、通信制御部1032と、QRコード読み取り部1041と、QRコード入力部1042と、制御部105と、記憶部106と、操作部107と、から構成される。
【0022】
GPS(Global Positioning System)受信部1011は、人工衛星からGPS信号を受信し、受信したGPS信号をGPS入力部1012に入力する。
【0023】
GPS入力部1012は、GPS受信部1011からGPS信号を取得し、復調処理し、制御部105に入力する。
【0024】
出力装置1021は、乗換情報などを表示する。例えば、出力装置1021は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)等のディスプレイ及びスピーカなどから構成される。
【0025】
出力制御部1022は、制御部105の制御のもと、乗換情報などのデータを出力装置1021が出力可能なデータ形式に変換し、出力装置1021に供給する。
【0026】
無線送受信部1031は、ネットワーク130を介して情報配信サーバ120とデータの送受信を行う。
【0027】
通信制御部1032は、無線送受信部1031からデータを取得し、復調処理し、制御部105に入力する。また、通信制御部1032は、制御部105からデータを取得し、変調処理し、無線送受信部1031に入力する。
【0028】
QRコード読み取り部1041は、QRコードを読み取れるリーダ、もしくはQRコードを読み取れるように構成されたカメラ機構等からなり、後述するQRコードを読み取り、QRコード入力部1042に入力する。
【0029】
QRコード入力部1042は、QRコード読み取り部1041からQRコードを取得し、取得したQRコードから情報を抽出し、制御部105に入力する。
【0030】
制御部105は、CPU(Central Processing Unit)から構成され、記憶部106に記憶されたOS(Operating System)や制御プログラムを読み出して実行し、携帯端末100全体を制御する。詳細については後述する。
【0031】
記憶部106は、ハードディスク装置、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などから構成され、OS(Operating System)、制御プログラムと種々のデータを記憶する。
【0032】
操作部107は、操作キー等から構成される。操作部107は、ユーザから操作を受け付け、操作に応じた操作信号を制御部105に送出する。
【0033】
図1に示す乗車券販売機110は、ユーザによる乗車駅と降車駅と経路の選択に応じて、乗車駅と降車駅と経路と情報配信サーバ120のアドレスとを示す情報をQRコード化し、そのQRコードが印刷されたQRコード付乗車券を発券する。また、定期的に情報配信サーバ120に最新の駅情報と路線情報とを要求し、受信し、後述するデータベースを更新する。
【0034】
乗車券販売機110は、図3に示されるように、現金処理部111と、操作部112と、制御部113と、通信制御部114と、データベース115と、記憶部116と、プリンタ制御部1171と、プリンタ1172と、出力制御部1181と、出力装置1182と、から構成される。
【0035】
現金処理部111は、紙幣及び硬貨等の貨幣を受け付け、受け付けた貨幣の額に応じた信号を制御部113に送出する。
【0036】
操作部112は、タッチパネルや操作キー等から構成される。操作部112は、ユーザから操作を受け付け、操作に応じた操作信号を制御部113に送出する。例えば、ユーザは、操作部112を操作して乗車駅と降車駅と経路を選択する。
【0037】
制御部113は、CPU(Central Processing Unit)から構成され、記憶部116に記憶されたOS(Operating System)や制御プログラムを読み出して実行し、乗車券販売機110全体を制御する。
具体的には、制御部113は、乗車駅と降車駅と経路と情報配信サーバ120のアドレスとを示す情報をQRコード化し、QRコード付乗車券の発券に関する処理を行う。なお、詳細については後述する。
【0038】
通信制御部114は、ネットワーク130を介して情報配信サーバ120との間でデータの送受信を行う。
【0039】
データベース115は、乗車券販売機110が扱う駅名の情報(以下、駅名情報)と、それらの各駅を結ぶ路線の情報(以下、路線情報)と、から構成される。例えば、ユーザは、駅名情報と路線情報とを使用して乗車駅と降車駅と経路とを選択する。
【0040】
記憶部116は、ハードディスク装置、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などから構成され、OS、制御プログラムと、種々のデータとを記憶する。
【0041】
プリンタ制御部1171は、制御部113の制御のもと、QRコード付乗車券に印刷する情報を、プリンタ1172が処理可能なデータ形式に変換し、プリンタ1172に入力する。
【0042】
プリンタ1172は、プリンタ制御部1171から情報を取得し、QRコード付乗車券を印刷する。
【0043】
出力制御部1181は、制御部113の制御のもと、選択画面等のデータを出力装置1182が出力可能なデータ形式に変換し、出力装置1182に入力する。
【0044】
出力装置1182は、選択画面等を表示する。例えば、出力装置1182は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)等のディスプレイ及びスピーカ及びマイクロフォンなどから構成される。
【0045】
ここで、図5に示される図は、乗車券販売機110から発券されたQRコード付乗車券10の一例である。この図では、11に示すように乗車駅は「○○駅」であり、12に示すように降車駅は「××駅」であり、13に示すように「△△駅」を経由することが印刷されている。また、QR(Quick Response)コード14は、乗車駅と降車駅と経路と情報配信サーバ120のアドレスとの情報をQRコード化したものである。
【0046】
図1に示す情報配信サーバ120は、携帯端末100から乗車駅と降車駅と経路とを示す情報と現在位置情報とを受信すると、それらの情報に対応した乗換情報を検索し、検索した乗換情報を携帯端末100に送信する。また、乗車券販売機110の要求に応答して、最新の駅名情報と路線情報とを送信する。
【0047】
情報配信サーバ120は、図4に示されるように、制御部121と、記憶部122と、通信制御部123と、乗換路線情報データベース124と、時刻表情報データベース125と、から構成されている。ただし、点線で示された位置データベース126は、後述の第3の実施形態で使用され、後で説明する。
【0048】
制御部121は、CPU(Central Processing Unit)から構成され、記憶部122に記憶されたOS(Operating System)や制御プログラムを読み出して実行し、情報配信サーバ120全体を制御する。
具体的には、制御部121は、乗車駅と降車駅と経路と現在位置に対応した乗換情報を乗換路線情報データベース124から検索する。なお、詳細については後述する。
【0049】
記憶部122は、ハードディスク装置、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などから構成され、OS、所定の制御プログラムと、種々のデータとを記憶する。
【0050】
通信制御部123は、ネットワーク130に接続され、他の装置との間でデータの送受信を行う。
【0051】
乗換路線情報データベース124は、乗換情報のデータベースである。乗換路線情報データベース124から、乗車駅と降車駅と経路と現在位置とに対応する乗換情報を検索することができる。また、乗換路線情報データベース124は、最新の駅情報と路線情報とを含むデータベースである。
【0052】
時刻表情報データベース125は、駅別、又は、路線別の時刻表を格納するデータベースである。携帯端末100は、駅別、又は、路線別の時刻表に割り当てられたURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすることによって駅別、又は、路線別の時刻表をダウンロードすることができる。
【0053】
ここで、図6に示される図は、図5に示されるQRコード付乗車券10を使用して、「東北本線上 ●●駅手前」で、情報配信サーバ120にアクセスしたときの乗換情報20の一例である。URL(Uniform Resource Locator)21をクリックすることによって、●●駅の時刻表にアクセスできる。また、URL22をクリックすることによって東北本線の時刻表にアクセスでき、URL23をクリックすることによって京浜東北線の時刻表にアクセスすることができる。
【0054】
次に、第1の実施形態に係る動作について図7〜9を参照しながら説明する。
【0055】
始めに、乗車券販売機110が行うデータベース更新処理について説明する。乗車券販売機110は、情報配信サーバ120から最新の駅名情報と路線情報とを取得し、既存の駅名情報と路線情報とを替えて最新の駅名情報と路線情報とに更新する。以下のように制御部113は、定期的な割り込み処理で、図7に示すデータベース更新処理を行う。
【0056】
先ず、制御部113は、通信制御部114を制御して、情報配信サーバ120に最新の駅情報と路線情報とを要求する(ステップS1)。情報配信サーバ120は、制御部113の要求に応答して格納している最新の駅名情報と路線情報とを返信する。
【0057】
そして、乗車券販売機110は、情報配信サーバ120から最新の駅名情報と路線情報とを受信する(ステップS2)。
【0058】
続いて、制御部113は、データベース115に格納されている駅名情報と路線情報とを最新の駅名情報と路線情報とに更新し(ステップS3)、処理を終了する。
【0059】
次に、乗車券販売機110が行う乗車券販売処理について説明する。ユーザによる乗車駅、降車駅、経路の選択と、運賃の支払いとに応じて、乗車券販売機110は、QRコード付乗車券を発券する。以下、図8に示す乗車券販売処理の説明を行う。
【0060】
先ず、ユーザが、タッチパネルに触れるなどすると、制御部113は出力制御部1181を制御して出力装置1182に選択画面を表示させる(ステップS11)。
【0061】
ユーザは、駅名情報を使用して乗車駅を選択する(ステップS12)。
【0062】
ユーザは、駅名情報を使用して降車駅を選択する(ステップS13)。
【0063】
ユーザは、路線情報を使用して経路を選択する(ステップS14)。
【0064】
制御部113は、出力制御部1181を制御して出力装置1182に乗車駅、降車駅、経路に対応した運賃を表示する(ステップS15)。
【0065】
ユーザは、運賃を入金する(ステップS16)。
【0066】
制御部113は、乗車駅、降車駅、経路、情報配信サーバ120のアドレス等の情報をQRコード化する(ステップS17)。
【0067】
制御部113は、プリンタ制御部1171を制御してプリンタ1172に、図5に示されるような、上記のQRコードが印刷されたQRコード付乗車券を発券させる(ステップS18)。
【0068】
次に、携帯端末100と情報配信サーバ120との間で行われる処理について説明する。携帯端末100は、乗車券のQRコードを読み取り、QRコードから情報を抽出し、情報配信サーバ120に送信する。また、携帯端末100は、現在位置を検出し、現在位置情報を情報配信サーバ120に送信する。情報配信サーバ120は、乗車駅と降車駅と経路と現在位置情報とに対応した乗換情報を検索し、携帯端末100に送信する。携帯端末100は、検索された乗換情報を受信し、表示する。図9は、携帯端末100と情報配信サーバ120との間で行われる処理を示すシーケンス図である。
【0069】
先ず、ユーザが携帯端末100に操作部107を介して乗車券のQRコードを読み取るように指示すると、制御部105は、QRコード読み取り部1041を制御して、QRコード付乗車券のQRコードを読み取る(ステップS101)。
【0070】
次に、制御部105は、読み取ったQRコードの解析を行い、乗車駅と降車駅と経路と情報配信サーバ120のアドレスとを示す情報を抽出する(ステップS102)。
【0071】
それから、制御部105は、抽出した情報配信サーバ120のアドレスを使用し、通信制御部1032を制御して、乗車駅と降車駅と経路とを示す情報を情報配信サーバ120へ送信する(ステップS103)。
【0072】
情報配信サーバ120の制御部121は、乗車駅と降車駅と経路とを示す情報を受信する(ステップS104)。それから、制御部121は、通信制御部123を制御して、携帯端末100に現在位置情報を要求する(ステップS105)。
【0073】
携帯端末100の制御部105は、情報配信サーバ120から現在位置情報の要求を受信する(ステップS106)。制御部105は、GPS受信部1011を制御してGPS信号を受信し、GPS入力部1012を制御してGPS信号を復調処理する。制御部105は、復調処理されたGPS信号を取得し、GPS信号から現在位置を検出する(ステップS107)。
【0074】
制御部105は、通信制御部1032を制御して、情報配信サーバ120に現在位置情報を送信する(ステップS108)。情報配信サーバ120の制御部121は、現在位置情報を受信する(ステップS109)。
【0075】
制御部121は、乗車駅と降車駅と経路と現在位置とに対応した乗換情報を乗換路線情報データベース124から検索する(ステップS110)。制御部121は、通信制御部123を制御して、検索した乗換情報を携帯端末100に送信する(ステップS111)。
【0076】
携帯端末100の制御部105は、検索された乗換情報を受信する(ステップS112)。制御部105は、出力制御部1022を制御して、受信した乗換情報を出力装置1021に出力する(ステップS113)。
【0077】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係る乗換案内提供システム1000は、ユーザの現在位置に対応した乗換情報をユーザに提供することができる。また、検索の際に、乗車駅、降車駅、経路等の入力の必要がない。
【0078】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、携帯端末100が乗車駅、降車駅、経路等の情報と現在位置情報とを別々に情報配信サーバ120に送信していたが、携帯端末100が乗車駅、降車駅、経路等の情報と現在位置情報とを一括して情報配信サーバ120に送信するようにしてもよい。
【0079】
第2の実施形態に係るシステムの構成は、第1の実施形態と同様である。また、第2の実施形態に於けるデータベース更新処理と乗車券販売処理は第1の実施形態と同様である。図10は、第2の実施形態において携帯端末100と情報配信サーバ120との間で行われる処理を示すシーケンス図である。ここで、図10に示すシーケンス図の説明を行う。
【0080】
先ず、ユーザの指示に応答して、携帯端末100はQRコードを読み取る(ステップS201)。
【0081】
次に、制御部105は、読み取ったQRコードの解析を行い、乗車駅と降車駅と経路と情報配信サーバ120のアドレスとを示す情報を抽出する(ステップS202)。
【0082】
制御部105は、GPS受信部1011を制御してGPS信号を受信し、GPS入力部1012を制御してGPS信号を復調処理する。制御部105は、復調処理されたGPS信号を取得し、GPS信号から現在位置を検出する(ステップS203)。
【0083】
それから、制御部105は、抽出した情報配信サーバ120のアドレスを使用し、通信制御部1032を制御して、乗車駅と降車駅と経路と現在位置とを示す情報を情報配信サーバ120へ送信する(ステップS204)。
【0084】
情報配信サーバ120の制御部121は、乗車駅と降車駅と経路と現在位置とを示す情報を受信する(ステップS205)。
【0085】
制御部121は、受信した乗車駅と降車駅と経路と現在位置とを示す情報に対応した乗換情報を乗換路線情報データベース124から検索する(ステップS206)。制御部121は、通信制御部123を制御して、検索した乗換情報を携帯端末100に送信する(ステップS207)。
【0086】
携帯端末100の制御部105は、検索された乗換情報を受信する(ステップS208)。制御部105は、出力制御部1022を制御して、受信した乗換情報を出力装置1021に出力する(ステップS209)。
【0087】
第2の実施形態によると、携帯端末100は、乗車駅、降車駅、経路等の情報と現在位置情報とをあわせて情報配信サーバ120に送信するため、第1の実施形態と較べて処理を迅速にすることができる。
【0088】
(第3の実施形態)
第1と第2の実施形態では、乗換情報を閲覧するために携帯端末100が用いられていたが、図11に示されるように、各駅構内などの特定の場所に設置される設置端末140が用いられてもよい。第3の実施形態において、設置端末140は、有線を介してネットワーク130と接続されており、プリンタを備えている。ユーザは、検索された乗換情報をプリンタで印刷するようにしてもよい。
【0089】
第3の実施形態において、図4に示すように、情報配信サーバ120は、制御部121と、記憶部122と、通信制御部123と、乗換路線情報データベース124と、時刻表データベース125と、位置データベース126と、から構成される。位置データベース126は、設置端末140の設置されている位置の情報を記憶し、その位置情報は、設置端末の番号と対応している。その他の構成については、第1の実施形態と同様である。
【0090】
図12は、設置端末140と情報配信サーバ120との間で行われる処理を示すシーケンス図である。
【0091】
ここで、実際の動作を説明する。設置端末140は、ユーザの操作によりQRコード付乗車券のQRコードを読み取ると(ステップS301)、読み取ったQRコードを解析し、乗車駅、降車駅、経路、情報配信サーバ120のアドレス等の情報を抽出する(ステップS302)。
【0092】
それから、設置端末140は、情報配信サーバ120のアドレスを使用して、情報配信サーバ120に乗車駅、降車駅、経路、設置端末140の番号等の情報を送信する(ステップS303)。情報配信サーバ120は、乗車駅、降車駅、経路、設置端末140の番号等の情報を受信し(ステップS304)、設置端末140の番号に対応する位置の情報を呼び出す(ステップS305)。
【0093】
情報配信サーバ120は、乗車駅、降車駅、経路、設置端末位置の情報に対応する乗換情報を検索し(ステップS306)、検索した乗換情報を設置端末140に送信する(ステップS307)。設置端末140は、検索された乗換情報を受信し(ステップS308)、乗換情報を表示、又は、印刷する(ステップS309)。
【0094】
なお、データベース更新処理と乗車券販売処理については第1と第2の実施形態と同様である。
【0095】
第3の実施形態によると、情報配信サーバ120は設置端末140の番号に対応する位置情報を予め記憶しており、その位置情報を使用して乗換情報を検索する。そのため、第1と第2の実施形態と較べて処理を迅速にすることができる。また、検索結果の乗換情報を印刷することができる。
【0096】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る乗換案内提供システムによれば、ユーザの現在位置に対応した乗換情報をユーザに提供することができる。また、QRコードの採用により、検索の際に入力の手間を省くことができる。なお、本発明の第1と第2の実施形態では、端末の現在位置を検出するためにGPS方式を使用したが、GPS方式に限定されるものではなく、無線基地局の電波強度による位置検出方式や無線基地局からの信号到達時間による位置検波方式等を使用してもよい。
【0097】
また、本発明の実施形態では、乗車券販売機が乗車券を発券する際に、ユーザは乗車駅と経路と降車駅とを選択した。しかし、乗車券販売機が各駅に設置されている場合、乗車駅は乗車券販売機が設置されている駅であり、各乗車駅を示す情報を各乗車券販売機に記憶させておき、ユーザは経路と降車駅のみを選択し、乗車券販売機はユーザが選択した経路と降車駅と乗車券販売機自身が記憶している乗車駅と情報配信サーバのアドレスとのQRコードが印刷された乗車券を発券するようにしてもよい。
【0098】
また、本発明の実施形態では、情報配信サーバは、乗車駅と経路と降車駅と現在位置とに対応する乗換情報を検索したが、検索をするのに必要最低限の情報は降車駅と現在位置である。そこで、乗車券販売機は乗車券に降車駅と情報配信サーバのアドレスとのQRコードを印刷するようにし、携帯端末はそのQRコードを読み取り、情報配信サーバに降車駅と現在位置の情報を送信し、降車駅と現在位置に対応する乗換情報を検索するようにしてもよい。
【0099】
また、情報配信サーバは、乗車駅と降車駅と現在位置に対応する乗換情報を検索するようにしてもよい。その際、例えば、乗車券販売機は乗車券に乗車駅と降車駅と情報配信サーバのアドレスとのQRコードを印刷するようにし、携帯端末はそのQRコードを読み取り、情報配信サーバに乗車駅と降車駅と現在位置の情報を送信するようにする。
【0100】
また、情報配信サーバは、経路と降車駅と現在位置に対応する乗換情報を検索するようにしてもよい。その際、例えば、乗車券販売機は乗車券に経路と降車駅と情報配信サーバのアドレスとのQRコードを印刷するようにし、携帯端末はそのQRコードを読み取り、情報配信サーバに経路と降車駅と現在位置の情報を送信するようにする。
【0101】
また、本発明の実施形態では、乗車券に乗車駅等と情報配信サーバのアドレスとのQRコードを印刷したが、QRコードに限定されるものではなく、QRコード以外の二次元コードや一次元コードや他の形式のコードを印刷し、それを携帯端末に読み取らせるようにしてもよい。また、コードの印刷に限定されるものでもなく、コードをエンボス加工し、それを携帯端末に読み取らせてもよいし、コードを磁気記録で形成し、それを携帯端末に読み取らせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1と第2の実施形態に係る乗換案内提供システムの構成を示す図である。
【図2】携帯端末の構成を示す図である。
【図3】乗車券販売機の構成を示す図である。
【図4】情報配信サーバの構成を示す図である。
【図5】QRコード付乗車券の一例を示す図である。
【図6】乗換情報を表示した画面の一例を示す図である。
【図7】データベース更新処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】乗車券販売処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に於ける携帯端末と情報配信サーバとの間で行われる処理を説明するためのシーケンス図である。
【図10】第2の実施形態に於ける携帯端末と情報配信サーバとの間で行われる処理を説明するためのシーケンス図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る乗換案内提供システムの構成を示す図である。
【図12】第3の実施形態に於ける設置端末と情報配信サーバとの間で行われる処理を説明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0103】
100 携帯端末
110 乗車券販売機
120 情報配信サーバ
130 ネットワーク
140 設置端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗換情報を格納する乗換情報配信サーバと、乗換情報を閲覧可能な端末と、乗車券販売機と、から構成される乗換案内提供システムであって、
前記乗車券販売機は、
降車駅のコードが形成された乗車券を発券する発券手段を備え、
前記端末は、
前記発券手段により発券された乗車券に形成されたコードを復号化する復号化手段と、
前記乗換情報配信サーバと接続し、前記復号化手段により復号化された降車駅を示す情報を送信する第1の送信手段と、を備え、
前記乗換情報配信サーバは、
前記端末の現在位置を判別する判別手段と、
前記第1の送信手段により送信された降車駅を示す情報と、前記判別手段により判別された前記端末の現在位置の情報と、に対応した乗換情報を検索し、前記端末に送信する第2の送信手段を備え、
前記端末は、前記第2の送信手段により送信された乗換情報を表示する表示手段を備える、
ことを特徴とする乗換案内提供システム。
【請求項2】
前記発券手段は、
降車駅を示す情報を符号化した二次元コードが印刷された乗車券を発券し、
前記復号化手段は、
前記発券手段によって発券された乗車券に印刷された二次元コードを読み取り、復号化する、
ことを特徴とする請求項1記載の乗換案内提供システム。
【請求項3】
前記乗換情報配信サーバは、現在位置から降車駅までの所要時間を算出し、該所要時間を含む乗換情報を前記端末に提供する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の乗換案内提供システム。
【請求項4】
前記発券手段は、
前記乗換情報配信サーバのアドレスのコードが前記降車駅のコードと共に形成された乗車券を発券し、
前記復号化手段は、
前記乗車券に形成された前記乗換情報配信サーバのアドレスのコードを前記降車駅のコードと共に復号化し、
前記第1の送信手段は、
前記復号化手段により復号化された前記乗換情報配信サーバのアドレスを使用して、前記乗換情報配信サーバと接続し、前記複号化手段により複号化された降車駅を示す情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の乗換案内提供システム。
【請求項5】
前記端末は、該端末の現在位置を検出し、該現在位置の情報を前記乗換情報配信サーバに送信する第3の送信手段を備え、
前記乗換情報配信サーバの前記判別手段は、前記第3の送信手段により送信された前記端末の現在位置の情報を受信し、受信した該情報に基づいて前記端末の現在位置を判別する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の乗換案内提供システム。
【請求項6】
前記端末は、
全地球測位システム受信装置を備え、該全地球測位システム受信装置を使用して該端末の現在位置を検出する、
ことを特徴とする請求項5記載の乗換案内提供システム。
【請求項7】
前記端末は、自己に対応する識別情報を備え、
前記乗換情報配信サーバは、
識別情報に対応する端末の現在位置情報を格納する格納手段を備え、
前記端末は、
該端末に対応する前記識別情報を前記乗換情報配信サーバに送信する第4の送信手段を備え、
前記乗換情報配信サーバの前記判別手段は、
前記第4の送信手段により送信された識別情報に対応する、前記端末の現在位置情報を前記格納手段から検索し、該端末の現在位置を判別する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の乗換案内提供システム。
【請求項8】
前記乗換情報配信サーバは、駅別の時刻表情報を格納し、前記乗換情報と併せて該駅別の時刻表情報を前記端末に配信する、
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の乗換案内提供システム。
【請求項9】
前記乗換情報配信サーバは、路線別の時刻表情報を格納し、前記乗換情報と併せて該路線別の時刻表情報を前記端末に配信する、
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の乗換案内提供システム。
【請求項10】
前記乗換情報配信サーバは、第1の路線情報を記憶する手段を備え、
前記乗車券販売機は、
第2の路線情報を記憶する手段と、
ユーザが降車駅を選択する際に、前記第2の路線情報を提示する手段と、
前記乗換情報配信サーバと接続し、前記第1の路線情報を取得し、前記第2の路線情報を前記第1の路線情報に更新する手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の乗換案内提供システム。
【請求項11】
路線情報を格納する格納手段と、
前記格納手段により格納されている路線情報を外部装置から取得した路線情報に更新する更新手段と、
ユーザが降車駅を選択する際に、前記格納手段により格納されている路線情報を提示する提示手段と、
前記提示手段により提示された路線情報に基づいてユーザに選択された降車駅のコードが形式された乗車券を発券する発券手段と、を備える、
ことを特徴とする乗車券販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−334544(P2007−334544A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164376(P2006−164376)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】