説明

乳化型皮膚外用剤

【課題】 肌への浸透感に優れ、自然なハリ感を即時的に実感でき、老化防止に優れた乳化型皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】 次の成分(a)、(b);
(a)アスタキサンチン類 0.00001〜0.1質量%
(b)肌浸透成分
を含有することを特徴とする乳化型皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスタキサンチン類と伴に肌浸透成分を含有する乳化型皮膚外用剤に関するものであり、より詳細には、肌への浸透感に優れ、自然なハリ感を即時的に実感でき、老化防止に優れた乳化型皮膚外用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、化粧料、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤には、抗酸化剤、抗炎症剤、老化防止剤、抗ストレス剤、日焼け防止剤、美白剤等としてアスタキサンチン類が用いられてきた。(特許文献1〜8、非特許文献1参照)
【0003】
一方、肌に油剤や有効成分等の肌への浸透感を高め易い剤型である乳化型皮膚外用剤において、肌を若々しく見せるために肌にハリ感(肌がピンと張ったように見え、肌で感じる状態)を付与することは、重要な要素であり、特に老化防止用皮膚外用剤においては、極めて重要な品質特性である。従来の皮膚外用剤では、肌への浸透感を高める方法として、非イオン界面活性剤と特定の水溶性高分子と特定のIOB値の油剤を配合する技術(特許文献9参照)や、固形状高級アルコールと液状高級アルコールとを配合する技術(特許文献10参照)等が用いられてきた。更に、従来の皮膚外用剤では、ハリ感を付与するため、肌上で厚みのある化粧膜を形成させるために、固形油やペースト油を多量に配合する技術(特許文献11参照)や、シソ科タイム属植物抽出液とビタミンEを配合する技術(特許文献12参照)等が用いられていた。
【0004】
【特許文献1】特開平2−49091号公報
【特許文献2】特開平5−155736号公報
【特許文献3】特開平7−300421号公報
【特許文献4】特開昭63−83017号公報
【特許文献5】特開平9−143063号公報
【特許文献6】特開平6−145062号公報
【特許文献7】特開平9−124470号公報
【特許文献8】特開2002−128651号公報
【特許文献9】特開2005−320263号公報
【特許文献10】特開2005−53879号公報
【特許文献11】特公平6−62382号公報
【特許文献12】特開2000−86486号公報
【非特許文献1】日本香粧品科学会第19回学術大会要旨集 第66頁、1994年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1〜8及び非特許文献1には、オレイン酸と炭素数1〜4のアルコールのエステル、炭素数12〜24の液状高級アルコール、炭素数12〜24の液状高級脂肪酸等から選ばれる肌浸透成分とアスタキサンチン類を併用することにより、肌への浸透感に優れ、自然なハリ感を即時的に実感できることについては、何ら開示されていない。また、前記特許文献9及び10記載の技術では、肌への浸透感をある程度高めることはできるが、肌に自然なハリ感を得ることができない。更に、前記特許文献11及び12記載の技術では、肌へのハリ感付与が十分ではなく、肌への浸透感を高めることはできなかった。
【0006】
このため、肌への浸透感に優れ、自然なハリ感を即時的に実感でき、老化防止に優れた乳化型皮膚外用剤の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記実状において鋭意検討を重ねた結果、アスタキサンチン類と、オレイン酸と炭素数1〜4のアルコールのエステル、炭素数12〜24の液状高級アルコール、炭素数12〜24の液状高級脂肪酸等から選ばれる肌浸透成分とを併用し含有させると、上記課題が解決された乳化型皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は次の成分(a)、(b);
(a)アスタキサンチン類 0.00001〜0.1質量%
(b)肌浸透成分
を含有することを特徴とする乳化型皮膚外用剤を提供するものである。
【0009】
また、前記成分(b)肌浸透成分が、オレイン酸と炭素数1〜4のアルコールのエステル、炭素数12〜24の液状高級アルコール、炭素数12〜24の液状高級脂肪酸から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする前記乳化型皮膚外用剤を提供するものである。
【0010】
前記オレイン酸と炭素数1〜4のアルコールのエステルが、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸エチレングリコールから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする前記乳化型皮膚外用剤を提供するものである。
【0011】
前記炭素数12〜24の液状高級アルコールが、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ホホバアルコールから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする前記乳化型皮膚外用剤を提供するものである。
【0012】
前記炭素数12〜24の液状高級脂肪酸が、オレイン酸、イソステアリン酸であることを特徴とする前記乳化型皮膚外用剤を提供するものである。
【0013】
更に、皮膚外用剤が老化防止用であることを特徴とする前記何れかの乳化型皮膚外用剤を提供するものである。また、皮膚外用剤が目元用であることを特徴とする前記何れかの乳化型皮膚外用剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の乳化型皮膚外用剤は、肌への浸透感に優れ、自然なハリ感を即時的に実感でき、老化防止に優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
本発明において、皮膚外用剤とは、化粧料、皮膚用医薬部外品、皮膚用医薬品を包含するものである。
【0016】
本発明に用いられる成分(a)アスタキサンチン類は、化学合成品でも、オキアミ、サケ、マス、福寿草、赤色酵母、ヘマトコッカス等の天然物から抽出されたものでもよく、例えば以下の如くして調製されるものが好ましく利用できる。すなわち、オキアミ科オキアミ(Euphausia similis G.O.等)に抽出溶媒を加え抽出し、この抽出液を濾別して得られるアスタキサンチン類抽出エキスや、この抽出エキスから更に抽出溶媒を留去し、必要に応じて水素添加や加水分解等の化学反応を行った後、分子蒸留、あるいはカラムクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の手段を用いて脱臭、精製を行った精製アスタキサンチン類を用いることができる。上記抽出溶媒としては、アセトン、エーテル、クロロホルム及びアルコール(エタノール、メタノール等)等の有機溶媒を用いることができ、また、これらの混合溶液を用いることもできる。あるいは、超臨界状態の二酸化炭素を用いてもよい。なお、本発明におけるアスタキサンチン類とは、アスタキサンチン類およびその誘導体の両者を包含するものである。
【0017】
成分(a)アスタキサンチン類は、次の式で示されるカロテノイドであり、その誘導体としては、アスタキサンチン類のエステルが挙げられ、例えば、グリシン、アラニン等のアミノ酸エステル類、酢酸エステル、クエン酸エステル等のカルボン酸エステル及びその塩類、リン酸エステル、硫酸エステル等の無機塩エステル及びその塩類、グルコシド等の配糖体類、またはエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪酸、オレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸またはパルミチン酸やステアリン酸等の飽和脂肪酸から選択される脂肪酸エステル類等から選択されるモノエステル体及び同種または異種のジエステル体等が挙げられる。
【0018】
【化1】

【0019】
本発明の乳化型皮膚外用剤における、成分(a)の含有量は0.00001〜0.1質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましく、0.0005〜0.01%がより好ましい。含有量が0.00001%未満では、アスタキサンチンの十分な効果が得られないことがあり、0.1%を超えて含有させても効果の増大が顕著でない。
【0020】
本発明に用いられる成分(b)肌浸透成分は、肌への浸透性が高い成分であり、例えば、オレイン酸と炭素数1〜4のアルコールのエステル、炭素数12〜24の液状高級アルコール、炭素数12〜24の液状高級脂肪酸等が挙げられ、これらから適宜一種又は二種以上を用いることができる。
【0021】
前記オレイン酸と炭素数1〜4のアルコールのエステルは、具体的には、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸エチレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、オレイン酸グリセリル等が挙げられ、これらから適宜一種又は二種以上を用いることができる。これらの中でも、本発明の成分(b)オレイン酸と炭素数1〜4のアルコールのエステルが、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸エチレングリコールから選ばれる一種又は二種以上であると、肌への浸透感が特に優れる乳化型皮膚外用剤を得ることができる。
【0022】
前記炭素数12〜24の液状高級アルコールは、常温で液状の高級アルコールであり、具体的には、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等が挙げられ、これらから適宜一種又は二種以上を用いることができる。これらの中でも、本発明の成分(b)炭素数12〜24の液状高級アルコールとして、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ホホバアルコールから選ばれる一種又は二種以上であると、肌への浸透感が特に優れる乳化型皮膚外用剤を得ることができる。尚、本発明における常温とは15〜25℃(日本薬局方一般通則)の範囲を意味する。
【0023】
前記炭素数12〜24の液状高級脂肪酸は、常温で液状の高級脂肪酸であり、具体的には、オレイン酸、リノール酸、イソステアリン酸等が挙げられ、これらから適宜一種又は二種以上を用いることができる。これらの中でも、本発明の成分(b)炭素数12〜24の液状高級脂肪酸として、オレイン酸、イソステアリン酸から選ばれる一種又は二種であると、肌への浸透感が特に優れる乳化型皮膚外用剤を得ることができる。
【0024】
本発明の乳化型皮膚外用剤における成分(b)の含有量は、0.1〜10%が好ましく、0.5〜5%がより好ましい。成分(b)をこの範囲で含有すると、皮膚に対して刺激を生じず、肌への浸透感とハリ感が特に優れる乳化型皮膚外用剤を得ることができる。
【0025】
本発明の乳化型皮膚外用剤における、乳化型は、水中油型乳化型、油中水型乳化、水中油中水型乳化、油中水中油型乳化等が挙げれられるが、特に肌への浸透性に優れるのは、水中油型乳化型である。
【0026】
本発明の乳化型皮膚外用剤には、上記成分(a)及び(b)以外に、水及び乳化剤を必須に含有する。このような乳化剤としては、通常の化粧料に用いられる、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0027】
具体的には、陰イオン性界面活性剤として、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸とナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン等のアルカリ物質により形成される脂肪酸石鹸類、アシルグルタミン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレン付加アルキルリン酸塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、N−アルキルN,N−ジメチルアミノ酢酸、レシチン、リン脂質等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキル及びアルキル共変性オルガノポリシロキサン、グリセリン変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物等が挙げられる。本発明の乳化型皮膚外用剤における界面活性剤の含有量は、界面活性剤の種類、油剤の量及び質により変動するが、0.01〜10%が好ましい。
【0028】
以上説明した本発明の乳化型皮膚外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記必須成分以外に任意成分を加えることができる。この任意成分の例としては、成分(b)以外の油性成分、水溶性高分子、多価アルコール、低級アルコール類、紫外線吸収剤、保湿剤、皮膜形成剤、粉体成分、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを挙げることができる。
【0029】
このような油性成分は、具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、モクロウ、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0030】
このような水溶性高分子は、具体的には、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、寒天、アルカリゲネス産生多糖類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0031】
本発明の皮膚用外用剤の形態は、特に限定されず、乳液、クリーム、化粧水、エッセンス(美容液)、パック、不織布含浸パック等の基礎化粧料、下地料、ファンデーション等のメーキャップ化粧料等の皮膚用化粧料に属する形態;及び分散液、軟膏、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の外用医薬品の形態;の何れであってもよい。尚、本発明の乳化型皮膚外用剤は、目元の弛んだ皮膚にハリ感を付与する、アイクリーム、アイローション、アイエッセンス(目元用美容液)等の目元用化粧料であると本発明の効果が顕著である。また、本発明の乳化型皮膚外用剤は、老化により弛んだ肌のハリ感を改善する等の老化防止用であると本発明の効果が顕著である。
【0032】
本発明の皮膚外用剤の製造方法は、特に限定されないが、例えば、成分(a)及び(b)の混合物に必要に応じてその他の油性成分を添加混合し、乳化剤が添加分散された水中に乳化する方法等が挙げられる。
【実施例】
【0033】
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0034】
実施例1〜6及び比較例1〜2:水中油型乳化アイエッセンス
下記表1〜2に示す組成のアイエッセンスを下記製造方法により調製し、「肌への浸透感」、「ハリ感」、「肌改善効果」の各項目について、以下に示す評価方法により評価・判定し、結果を併せて表1及び2に示した。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
(製造方法)
A:成分1〜8を混合溶解する。(70℃)
B:成分9〜14を加熱する。(70℃)
C:AにBを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却し、水中油型乳化アイエッセンスを得た。
【0038】
評価方法1:「肌への浸透感」、「ハリ感」
年齢35歳以上の化粧歴10年以上の女性20名をパネルとし、前記実施例及び比較例の水中油型乳化アイエッセンスを使用してもらい、「肌への浸透感」、「ハリ感」について、以下の評価基準で5段階絶対評価し、全パネルの評価の平均点から判定した。
【0039】
(5段階絶対評価基準)
評価結果 :評 点
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
不良 : 2点
非常に不良 : 1点
(判定基準)
全パネルの評点の平均点 :判 定
4.5点以上 : ◎
3.5点以上4.5点未満 : ○
2.5点以上3.5点未満 : △
2.5点未満 : ×
【0040】
評価方法2:「肌改善効果」
年齢35歳以上の化粧歴10年以上の女性10名をパネルとし、前記実施例及び比較例の水中油型乳化アイエッセンスを毎日、朝と夜の2回、10週間にわたって使用してもらい、使用開始前と10週間後とで、肌のハリ感や艶が改善されたと感じた人数により、以下の判定基準により判定した。
【0041】
(判定基準)
肌改善効果が認められたパネル数 :判 定
10人 : ◎
6〜9人 : ○
2〜5人 : △
0〜1人 : ×
【0042】

表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜6の水中油型乳化アイエッセンスは、「肌への浸透感」、「ハリ感」、「肌改善効果」の全ての項目に優れた老化防止用乳化型皮膚外用剤であった。これに対して、成分(a)を含有しない比較例1では、「肌改善効果」に劣り、成分(b)を含有しない比較例2では、「肌への浸透感」が劣り、「肌改善効果」も良好ではなかった。
【0043】
実施例7:目元用白濁ローション
(成 分) (%)
1.ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5
2.エタノール 10.0
3.オクチルドデカノール 0.1
4.アスタキサンチン 0.001
5.香料 0.01
6.グリセリン 3.0
7.ジプロピレングリコール 4.0
8.精製水 残量
9.防腐剤 適量
【0044】
(製造方法)
A:成分1〜5を混合溶解する。
B:成分6〜9を混合溶解する。
C:BにAを添加し、目元用白濁ローションを得た。
以上のようにして得られた目元用白濁ローションは、肌への浸透感に優れ、自然なハリ感を即時的に実感でき、老化防止に優れた乳化型皮膚外用剤であった。
【0045】
実施例8:水中油乳化型エッセンス(全顔用)
(成 分) (%)
1.ポリオキシエチレン(10)ソルビタンモノステアレート 1.5
2.ポリオキシエチレン(60)ソルビットテトラオレート 0.5
3.グリセリルモノステアレート 0.5
4.イソオクタン酸セチル 5.0
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 2.0
6.オレイン酸エチル 1.0
7.イソステアリルアルコール 1.0
8.アスタキサンチン 0.02
9.グリセリン 12.0
10.1,3−ブチレングリコール 6.0
11.精製水 残量
12.キサンタンガム 0.1
13.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1
14.防腐剤 適量
15.香料 適量
【0046】
(製造方法)
A:成分1〜8を混合溶解する。(70℃)
B:成分9〜13を加熱する。(70℃)
C:AにBを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却し、成分14〜15を添加して均一混合し、
水中油型乳化型エッセンスを得た。
以上のようにして得られた水中油型乳化型エッセンスは、肌への浸透感に優れ、自然なハリ感を即時的に実感でき、老化防止に優れた乳化型皮膚外用剤であった。
【0047】
実施例9:水中油乳化型アイクリーム
(成 分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 1.0
2.ポリオキシエチレン(30)フィトステロールエーテル 1.0
3.スクワラン 5.0
4.パラフィンワックス 1.0
5.モノオレイン酸グリセリン 1.0
6.ホホバアルコール 2.0
7.アスタキサンチン 0.05
8.グリセリン 10.0
9.プロピレングリコール 10.0
10.精製水 残量
11.アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.3
12.トリエタノールアミン 0.1
13.ポリビニルピロリドン 1.5
14.無水ケイ酸 3.0
14.防腐剤 適量
15.香料 適量
【0048】
(製造方法)
A:成分1〜9を混合溶解する。(70℃)
B:成分10〜13を加熱する。(70℃)
C:AにBを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却し、成分14〜16を添加して均一混合し、
水中油乳化型アイクリームを得た。
以上のようにして得られた水中油乳化型アイクリームは、肌への浸透感に優れ、自然なハリ感を即時的に実感でき、老化防止に優れた乳化型皮膚外用剤であった。
【0049】
実施例10:油中水乳化型クリーム(全顔用)
(成 分) (%)
1.ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン 4.0
2.ジメチルポリシロキサン 5.0
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
4.イソステアリン酸 2.0
5.オレイルアルコール 0.5
6.アスタキサンチン 0.02
7.香料 適量
8.グリセリン 2.0
9.ジプロピレングリコール 10.0
10.エタノール 10.0
11.精製水 残量
12.防腐剤 適量
【0050】
(製造方法)
A:成分1〜7を均一に混合する。
B:成分8〜12を均一に混合する。
C:AにBを添加し乳化し、油中水乳化型クリームを得た。
以上のようにして得られた油中水乳化型クリームは、肌への浸透感に優れ、自然なハリ感を即時的に実感でき、老化防止に優れた乳化型皮膚外用剤であった。
以 上

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)、(b);
(a)アスタキサンチン類 0.00001〜0.1質量%
(b)肌浸透成分
を含有することを特徴とする乳化型皮膚外用剤。
【請求項2】
前記成分(b)肌浸透成分が、オレイン酸と炭素数1〜4のアルコールのエステル、炭素数12〜24の液状高級アルコール、炭素数12〜24の液状高級脂肪酸から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1記載の乳化型皮膚外用剤。
【請求項3】
前記オレイン酸と炭素数1〜4のアルコールのエステルが、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸エチレングリコールから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項2記載の乳化型皮膚外用剤。
【請求項4】
前記炭素数12〜24の液状高級アルコールが、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ホホバアルコールから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項2記載の乳化型皮膚外用剤。
【請求項5】
前記炭素数12〜24の液状高級脂肪酸が、オレイン酸、イソステアリン酸であることを特徴とする請求項2記載の乳化型皮膚外用剤。
【請求項6】
皮膚外用剤が老化防止用であることを特徴とする請求項1〜5の何れかの項記載の乳化型皮膚外用剤。
【請求項7】
皮膚外用剤が目元用であることを特徴とする請求項1〜6の何れかの項記載の乳化型皮膚外用剤。

【公開番号】特開2007−238488(P2007−238488A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61774(P2006−61774)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】