説明

二次電池

【課題】空隙容量を減少させ、落下衝撃時に電極組立体の破損現象を防止することが可能な、新規かつ改良された二次電池を提供する。
【解決手段】電極組立体と、前記電極組立体を収容するケースと、前記ケースの開口を塞ぐキャッププレートと、前記キャッププレートの両側端部に前記キャッププレートを貫通して延びた電極端子と、を備え、前記キャッププレートは、前記電極端子間の一方向に延びる屈曲部を備えることを特徴とする二次電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(rechargeable battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池であって、一つのバッテリーセルがパック形態で包装された低容量電池の場合、携帯電話及びビデオカメラのような携帯が可能な小型電子機器に用いられ、数十個のバッテリーセルが接続した大容量電池の場合、電動スクーター、ハイブリッド自動車、電気自動車などのモータ駆動用電源として広く用いられている。
【0003】
二次電池は、様々な形状に製造されているが、代表的な形状には、角形、円筒形及びパウチ形が挙げられる、陽極板及び陰極板の間に絶縁体であるセパレーター(separator)を介在して形成された電極組立体と、該電極組立体と電解液を共に収容するケースと、前記ケースを塞ぐキャッププレートとからなる。もちろん、前記電極組立体には、端子が接続され、これは前記キャッププレートを貫通して外部に突出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した二次電池においては、空隙容量(void volume)を減少させることが要求されている。
また、上述した二次電池においては、落下(drop)衝撃時に電極組立体の破損現象を防止することが要求されている。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、空隙容量を減少させ、落下衝撃時に電極組立体の破損現象を防止することが可能な、新規かつ改良された二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電極組立体と、前記電極組立体を収容するケースと、前記ケースの開口を塞ぐキャッププレートと、前記キャッププレートの両側端部に前記キャッププレートを貫通して延びた電極端子と、を備え、前記キャッププレートは、前記電極端子間の一方向に延びる屈曲部を備えることを特徴とする二次電池が提供される。
【0007】
前記屈曲部は、前記キャッププレートの上面から前記電極組立体に向かって延びることとしても良い。
【0008】
前記キャッププレートは、平坦部を有し、前記平坦部の半分以上は、前記屈曲部によって占められることとしても良い。
【0009】
前記屈曲部は、底部と、前記底部を前記キャッププレートの上面に接続する接続部とを備えることとしても良い。
【0010】
前記屈曲部は、前記底部と前記接続部との間に形成された曲面部をさらに備えることとしても良い。
【0011】
前記電極組立体は、前記キャッププレートに向かって膨らんだ外部領域を備えることとしても良い。
【0012】
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、平らであることとしても良い。
【0013】
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、形態において前記電極組立体の前記膨らんだ外部領域に対応する膨らんだ形態であることとしても良い。
【0014】
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、安全弁を備えることとしても良い。
【0015】
前記キャッププレートの前記屈曲部と前記電極組立体との間に形成された衝撃緩和部材をさらに備え、前記衝撃緩和部材は、前記電極組立体に向かう前記キャッププレートの前記屈曲部の表面に付着されたこととしても良い。
【0016】
前記衝撃緩和部材は、弾性重合体を備えることとしても良い。
【0017】
前記衝撃緩和部材は、PFA(Perfluoroalkoxy)、PP(Polypropylene)又はPE(Polyethylene)を備えることとしても良い。
【0018】
前記電極組立体は、多数の電極組立体を備え、前記各々の電極組立体は、前記キャッププレートに向かう膨らんだ外部領域を備えることとしても良い。
【0019】
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、平らであることとしても良い。
【0020】
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、多数の膨らんだ領域を備え、前記各々の膨らんだ領域は、形態において前記電極組立体の膨らんだ外部領域に対応し、前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、前記各々の膨らんだ領域から下部方向に延び、前記電極組立体の膨らんだ外部領域の間の割れた隙間に向けて形成された曲面突出部をさらに備えることとしても良い。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、対向するように位置した長辺部、対向するように位置した短辺部、上辺部、及び前記上辺部と対向する底部を有し、前記長辺部は、前記短辺部の間から第1横方向である長さ方向に延びるケースと、前記ケースに収容された電極組立体と、前記ケースの上辺部に位置し、前記ケースの上辺部に平らに位置した第1領域、及び前記第1横方向に垂直であり、かつ第2方向として前記第1領域から前記電極組立体に向かって離隔される第2領域を備え、前記第2領域は、前記第1横方向の長さ方向に長く拡張されたキャッププレートを備えてなることを特徴とする二次電池が提供される。
【0022】
前記電極組立体の先端に接触する第1集電板と、前記第1集電板に接触するように、前記キャッププレートの第1領域から下部方向に延びる第1集電端子を備える第1端子とをさらに備え、前記第1集電端子は、前記電極組立体の上部に位置し、前記第1集電端子が前記キャッププレートの第1領域から下部方向に延びる距離よりさらに大きく前記キャッププレートの前記第2領域の底部が前記キャッププレートの第1領域から離隔されたこととしても良い。
【0023】
前記第1端子から前記第1横方向に離隔された第2端子をさらに備え、前記第2領域が前記第1端子と前記第2端子との間に形成されたこととしても良い。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、空隙容量を減少させ、落下衝撃時に電極組立体の破損現象を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1a】本発明の一実施の形態に係る二次電池を示す斜視図である。
【図1b】本発明の一実施の形態に係る二次電池を示す斜視図である。
【図1c】図1aの1c−1c線に沿う断面図である。
【図2】図1aの2−2線に沿う断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0027】
図面中、層(layer)や領域(region)の大きさ(dimension)は、発明の明確な理解のために誇張されることができ、また、同じ図面符号が同じ構成要素を指し示すために利用された。
【0028】
図1a及び図1bは、本発明の一実施の形態に係る二次電池を示す斜視図で、図1cは、図1aの1c−1c線に沿う断面図である。
【0029】
図1a〜図1cに示すように、本発明の一実施の形態に係る二次電池101は、電極組立体110、第1端子120、第2端子130、ケース140及びキャッププレート150を備える。
【0030】
(電極組立体110について)
電極組立体110は、薄板型又は膜型になるように形成された第1電極板111、セパレーター113、第2電極板112からなる。このような電極組立体110は、ゼリーロール状に巻かれた形態を取るか、又はスタックされた形態を取る。ここで、第1電極板111は、陰極として動作でき、第2電極板112は、陽極として動作できる。もちろん、その反対も可能である。
【0031】
第1電極板111は、銅又はニッケルのような金属フォイルから形成された第1電極集電体に黒鉛又は炭素などの第1電極活物質を塗布することによって形成され、第1活物質が塗布されない領域である第1電極無地部111aを備える。第1電極無地部111aは、第1電極板111と第1端子120との間の電流流れの通路となる。一方、本発明において第1電極板111の材質は限定されるものではない。
【0032】
第2電極板112は、アルミニウムのような金属フォイルから形成された第2電極集電体に遷移金属酸化物などの第2電極活物質を塗布することによって形成され、第2活物質が塗布されない領域である第2電極無地部112aを備える。第2電極無地部112aは、第2電極板112と第2端子130との間の電流流れ通路となる。一方、本発明において第2電極板112の材質は限定されるものではない。
【0033】
前述した第1電極板111及び第2電極板112は、反対に配置されることができる。
【0034】
セパレーター113は、第1電極板111と第2電極板112との間に位置して、第1電極板111と第2電極板112との間の直接的な電気的ショートを防止する。また、セパレーター113は、リチウムイオンの移動を可能なようにする機能を果たし、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合フィルムからなることができる。一方、本発明においてセパレーター113の材質は限定されるものではない。
【0035】
前述した電極組立体110の両側端部には、第1電極板111と第2電極板112のそれぞれに電気的に接続する第1端子120及び第2端子130が位置する。
【0036】
このような電極組立体110は、実質的に電解液と共にケース140に収容される。電解液は、EC(ethylene carbonate)、PC(propylene carbonate)、DEC(diethyl carbonate)、EMC(ethyl methyl carbonate)、DMC(dimethyl carbonate)のような有機溶媒にLiPF6、LiBF4のようなリチウム塩からなることができる。また、電解液は、液体、固体又はゲル状でありうる。
【0037】
(第1端子120について)
第1端子120は、主に金属又はその等価物から形成され、第1電極板111と電気的に接続される。第1端子120は、第1集電板121、第1集電端子122及び第1締結端子123を備える。また、第1端子120は、第1集電端子122とキャッププレート150との間に設置されて、互いに電気的に絶縁されるようにし、電解液が外部に漏れるか、湿気が内部に入り込まないようにするシールガスケット(seal gasket)124を備える。また、第1端子120は、第1集電端子122とキャッププレート150との間に設置されて、互いに電気的に絶縁させる下部絶縁体125を備える。さらに、第1端子120は、第1締結端子123とキャッププレート150との間に設置されて、互いに電気的に絶縁させる上部絶縁体126を備える。
【0038】
第1集電板121は、電極組立体110の一側端部に突出した第1電極無地部111aと接触される。実質的に、第1集電板121は、第1電極無地部111aに溶接される。第1集電板121は、略L状に形成され、上部には端子ホール121dが形成されることができる。端子ホール121dには、第1集電端子122の下部領域が挟まれて結合される。このような第1集電板121は、例えば銅又は銅合金で製造できる。しかしながら、本発明において第1集電板121はこのような材質に限定されるものではない。
【0039】
第1集電端子122は、後述するキャッププレート150を貫通して上部に一定の長さで延出し、またキャッププレート150の下部にて第1集電板121と電気的に接続される。第1集電端子122は、キャッププレート150の上部に一定の長さで延出すると同時に、キャッププレート150の下部には、第1集電端子122がキャッププレート151から抜けないように側部方向に延びたプランジ122aが形成されることができる。第1集電端子122のうち、プランジ122aの下部に形成された領域が第1集電板121の端子ホール121dに挟まれてリベット打ち(riveting)又は溶接(welding)される。また、第1集電端子122のうち、プランジ122aの上部に形成された領域が第1締結端子123に固定されるように、多数のネジ山が形成されている。すなわち、第1集電端子122の上部領域は、後述する第1締結端子123にボルト/ナット方式で結合される。このような第1集電端子122は、例えば銅、銅合金及びその等価物の中から選択された何れか一つから製造されうる。しかしながら、本発明において第1集電端子122は、このような材質に限定されるものではない。
【0040】
第1締結端子123は、略六角ナット状に形成され、中央に第1集電端子122が貫通結合されるように多数のネジ山を有する貫通ホール123dが形成されている。第1締結端子123は、ステンレススチール、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金及びその等価物の中から選択された何れか一つから形成され、本発明は、その材質に限定されるものではない。
【0041】
(第2端子130について)
第2端子130もやはり、主に金属又はその等価物から形成され、第2電極板112の第2無地部112aに電気的に接続される。第2端子130は、第2集電板131、第2集電端子132及び第2締結端子133を備える。ここで、第2端子130の形態及び構造は、第1端子120の形態及び構造と同一でありうる。したがって、その形態及び構造の説明は省略する。ただし、第2集電板131及び第2集電端子132は、主にアルミニウム、アルミニウム合金及びその等価物の中から選択された何れか一つであるが、本発明はこのような材質に限定されるものではない。また、第2締結端子133は、主にステンレススチール、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金及びその等価物の中から選択された何れか一つでありえ、本発明は、その材質に限定されるものではない。
【0042】
また、第2締結端子133は、キャッププレート150と電気的に接続されることができ、したがって、以下で説明するケース140及びキャッププレート150は、第2端子130と同じ極性(例えば、陽極)を有することができる。
【0043】
図面中、未説明符号134は、シールガスケットであり、135は、下部絶縁体であり、136は、上部絶縁体である。また、未説明符号131dは、第2集電板131に形成された貫通ホールで、132aは、第2集電端子132に形成されたプランジであり、133dは、第2締結端子133に形成されたネジ山を有する貫通ホールである。
【0044】
ここで、上述した第1端子120及び第2端子130は、上述した構造の他にも多様な変更された構造が可能で、本発明は、上述した構造に限定されるものではない。
【0045】
(ケース140について)
ケース140は、アルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルがメッキされたスチールのような導電性金属から形成され、電極組立体110、第1端子120及び第2端子130が挿入固着されることのできる一側が開放された略六面体状からなる。すなわち、ケース140は、互いに対向する相対的に広い長辺部141と、互いに対向し長辺部141に接続した相対的に狭い短辺部142と、長辺部141及び短辺部142に接続した底部143とを備える。ここで、底部143の反対方向は、開放されている。すなわち、図1cでは、ケース140とキャッププレート150とが結合された状態で示されているので、開放された領域が示されないが、キャッププレート150の回り部分が実質的に開放された部分である。言い換えれば、底部143と対向する開放された領域は、上辺部と定義することができる。また、長辺部141は、短辺部142との間で第1横方向である長さ方向に延びたと定義することができる。
【0046】
一方、ケース140の内面は絶縁処理されて、電極組立体110、第1端子120、第2端子130及びキャッププレート150と絶縁されうる。
【0047】
(キャッププレート150について)
キャッププレート150は、ケース140に結合される。一例として、キャッププレート150は、ケース140に溶接されうる。さらに具体的に説明すれば、キャッププレート150は、ケース140の長辺部141の上端及び短辺部142の上端に溶接される上部領域として平らな平坦部151と、平坦部151から電極組立体110の方向に一定の深さで屈曲されて形成された屈曲部152とを備える。すなわち、キャッププレート150は、概して直四角板状であって、中央が窪んだ形態を取る。
【0048】
屈曲部152は、平坦部151より低い位置に形成された底部152a、及び底部152aと平坦部151とを接続する四つの接続部152bを備える。ここで、底部152aは、キャッププレート150の外側の方向に向けて略膨らんだ形態になるように形成されることができる。さらに詳細に説明すれば、底部152aは、電極組立体110の外郭形態(外部に膨らんだ形態)と対応する形態を取る。すなわち、電極組立体110は、キャッププレート150の長さ方向に沿って上部方向に略膨らむように形成されているので、底部152aもやはり、キャッププレート150の長さ方向に沿って略膨らんだ形態に形成されることができる。
【0049】
このような屈曲部152は、キャッププレート150を凹溝の形成されたジグ(図示せず)に固着させた後、突起を有するツール(図示せず)を利用して強制的にプレス(pressing)するか、又はスタンプ(stamping)することで形成されることができる。しかしながら、本発明は、屈曲部152の形成方法を限定するものではない。
【0050】
このような屈曲部152は、平坦部151の高さより低く、かつ第1電極端子120及び第2電極端子130の下部領域より少し低い高さを有する。すなわち、屈曲部152の底部152aの高さは、例えば第1集電端子122及びこれに対応する下部絶縁体125、そして第2集電端子132及びこれに対応する下部絶縁体135の下面より少し低い。したがって、二次電池101、102の落下衝撃時に電極組立体110は、第1、2集電端子122、132及び下部絶縁体125、135に接触される代わりに、屈曲部152の底部152aに先に接触する。したがって、第1、2集電端子122、132及び下部絶縁体125、135に比べて相対的に広い面積を有する底部152aが電極組立体110からの衝撃を吸収して緩和させる。
【0051】
一方、平坦部151には、電解液注液口153が形成され、注液口153には栓154が結合されることができる。また、屈曲部152には、ケース140の内部圧力の上昇時にガスを排出することのできる相対的に薄い安全弁155が形成されることができる。ここで、安全弁155は、屈曲部152の代わりに、図1bに示す二次電池102と同様に、ケース140の短辺部142に形成されることもできる。もちろん、安全弁155は、ケース140の長辺部141又は底部143に形成されることもできる。また、注液口153及び栓154もやはり、キャッププレート150の代わりにケース140の長辺部141、短辺部142又は底部143に形成されることができる。
【0052】
言い換えれば、キャッププレート150は、ケース140の上辺部に位置し、ケース140の上辺部に平らに位置した第1領域151、及び第1横方向に垂直な第2方向として第1領域151から電極組立体110に向かって一定の距離離隔された第2領域152を備え、第2領域152は、第1横方向である長さ方向に長く拡張されたと定義することもできる。一方、キャッププレート150は、ケース140のような材質でありうる。すなわち、キャッププレート150は、アルミニウム、アルミニウム合金又はニッケルがメッキされたスチールのような導電性金属から形成されることができる。しかしながら、本発明は、このようなキャッププレート150の材質に限定されるものではない。
【0053】
このようにして、本発明の一実施の形態に係る二次電池101、102は、キャッププレート150に電極組立体110に向かう方向に屈曲部152が形成されることによって、ケース140の内部空隙容量を減少させる。したがって、二次電池101、102の異常現象でガスが発生する場合、安全弁155が速かに動作し、これにより、二次電池101、102の安全性及び信頼性が向上する。
【0054】
また、屈曲部152は、電極組立体110の外郭形態と対応する形態に形成されていることによって、二次電池101、102の落下衝撃時に電極組立体110から伝えられる衝撃を吸収する。すなわち、二次電池101、102の落下衝撃時に電極組立体110が比較的鋭い端子又は下部絶縁体に接触する代わりに、比較的広い面積を有する屈曲部152に接触することによって、電極組立体110の破損現象が防止される。
【0055】
一方、本発明に係る二次電池100は、以下のように定義されうる。すなわち、ケース140は、対向するように位置した長辺部141、対向するように位置した短辺部142、上辺部、及び上辺部と対向する底部143とを有し、長辺部141は、短辺部142の間から第1横方向である長さ方向に延びる。また、電極組立体110は、ケース140に収容される。また、キャッププレート150は、ケース140の上辺部に位置し、ケース140の上辺部に平らに位置した第1領域151、及び第1横方向に垂直な第2方向として第1領域151から電極組立体110に向かって一定の距離が離隔された第2領域152とを備え、第2領域152は、第1横方向である長さ方向に長く拡張される。このような定義は、本発明に係る二次電池100を他の観点で理解するためのものであり、この他にも、他の方式で本発明に係る二次電池100が定義されうる。
【0056】
図2は、図1aの2−2線に沿う断面図である。
図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る二次電池101のキャッププレート150は、平坦部151及び屈曲部152を備える。ここで、屈曲部152の高さは、平坦部151の高さより低く、外側方向に向けて略膨らんだ形態に形成された底部152a、及び底部152aと平坦部151とを接続する接続部152bを備える。ここで、底部152aの最も高い領域も、平坦部151の高さよりは低い。
【0057】
また、底部152aは、電極組立体110の上部領域と略対応する形態に形成され、接続部152bは、ケース140の長辺部141と略平行に形成されることができる。すなわち、電極組立体110の上部領域は、上部方向に向けて略膨らんだ形態に形成され、電極組立体110から離隔された底部152aもやはり、上部方向に向けて略膨らんだ形態に形成されている。また、底部152aと接続部152bとの境界領域には、曲面部152cが形成されている。したがって、二次電池101の落下衝撃時に電極組立体110が曲面部152cに直接接触するとしても、電極組立体110は破損しない。
【0058】
また、底部152aと電極組立体110とは、一定の距離が離隔されている。すなわち、平常時に底部152aと電極組立体110とは、互いに接触されずに一定の距離が離隔されている。したがって、異常発生時に安全弁に流れるガスの通路が確保される。ここで、正常動作時に底部152aと電極組立体110とが接触された状態を維持するならば、安全弁へのガス排出通路が確保されないだけでなく、微細振動により底部152aと電極組立体110とが持続的に摩擦され、これにより、電極組立体110が損傷しうる。
【0059】
したがって、本発明の一実施の形態に係る二次電池101は、キャッププレート150に形成された屈曲部152が電極組立体110から離隔されて形成されることによって、安全弁へのガス排出通路が確保されるだけでなく、ケース140の内部空隙容量が減少する。また、二次電池101の落下衝撃時に電極組立体110の破損現象が防止される。
【0060】
(他の実施の形態)
図3は、本発明の他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
図3に示すように、本発明の他の実施の形態に係る二次電池300もやはり、キャッププレート350が平坦部351及び屈曲部352を備える。ここで、屈曲部352は、略平らに形成された底部352a、底部352aと平坦部351とを接続する接続部352b、及び底部352aと接続部352bとの間に形成された曲面部352cを備える。
【0061】
ここで、底部352aは、電極組立体310の上部領域の形態に関係なく略平らに形成されている。すなわち、底部352aは、ケース140の底部143と略平行に形成されている。
【0062】
このような平らな底部352aを有する屈曲部352は、略1回のプレス又はスタンプ工程により形成されることができ、上述の実施の形態に比べてキャッププレート350の製造工程が単純である。
【0063】
このようにして、本発明の他の実施の形態に係る二次電池300もやはり、キャッププレート350に形成された屈曲部352がケース340の内部空隙容量を減少させるだけでなく、平らな底部352aが二次電池の落下衝撃時に電極組立体310の破損現象を防止する。また、屈曲部352の製造工程が単純となる。
【0064】
図4は、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
図4に示すように、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池400は、二つの電極組立体110A、110Bを備える。もちろん、本発明において電極組立体110A、110Bは、2つ以上備えられることができる。
【0065】
また、キャッププレート450は、平坦部451及び屈曲部452を備える。ここで、屈曲部452は、略外側の方向に向けて一対の膨らんだ形状に形成された底部452a、及び底部452aと平坦部451とを接続する接続部452bを備える。すなわち、底部452aは、一対の電極組立体110A、110Bの上部領域と略対応する形態に形成され、接続部452bは、ケース140の長辺部141と略平行に形成されている。言い換えれば、一対の電極組立体110A、110Bの上部領域は、上部方向に向けて略一対の膨らんだ形態に形成され、一対の電極組立体110A、110Bから離隔された底部452aもやはり、上部方向に向けて略一対の膨らんだ形態に形成されている。また、底部452aと接続部452bとの境界領域には、曲面部452cが形成されているだけでなく、底部452aの中央下端にも曲面部452dが形成されている。ここで、底部452aの曲面部452dは、電極組立体110A、110Bの膨らんだ外部領域の間に割れた隙間に向けて形成された曲面突出部と定義することもできる。
【0066】
したがって、二次電池400の落下衝撃時に電極組立体110A、110Bが曲面部452c、452dに直接接触するとしても、電極組立体110A、110Bは損傷しない。
【0067】
このようにして、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池400は、キャッププレート450に形成された屈曲部452がケース440の内部空隙容量を減少させるだけでなく、二次電池400の落下衝撃時に電極組立体110A、110Bの破損現象を防止することができる。
【0068】
図5は、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
図5に示すように、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池500もやはり、キャッププレート550に平坦部551及び屈曲部552が形成されている。ここで、屈曲部552は、略平らに形成された底部552a、及び底部552aと平坦部551とを接続する接続部552bを備える。底部552aは、一対の電極組立体110A、110Bの上部領域の形態に関係なく、略平らに形成されている。すなわち、底部552aは、ケース140の底部143と略平行に形成されている。また、底部552aと接続部552bとの境界領域には、曲面部552cが形成されている。したがって、二次電池500の落下衝撃時に電極組立体110A、110Bが曲面部552cに接触するとしても、電極組立体110A、110Bは損傷しない。
【0069】
このようにして、本発明の他の実施の形態に係る二次電池500もやはり、キャッププレート550に形成された屈曲部552がケース540の内部空隙容量を減少させるだけでなく、平らな底部552aが二次電池500の落下衝撃時に電極組立体110A、110Bの破損現象を防止する。
【0070】
図6は、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
図6に示すように、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池600は、キャッププレート150に形成された屈曲部152と電極組立体110との間に衝撃緩和部材610がさらに設置されることができる。すなわち、屈曲部152をなす底部152aの下面に、一定厚の衝撃緩和部材610がコーティング又は接触されうる。もちろん、底部152aに安全弁155が形成されている場合、衝撃緩和部材610にも安全弁155と対応する領域に一定直径のホール610aが形成されることができる。また、衝撃緩和部材610と電極組立体110とは、互いに離隔していることによって、ガス抜き(degassing)通路が確保されるだけでなく、相互間の持続的な摩擦を防止する。
【0071】
衝撃緩和部材610は、ゴムのような性質を有し、電解液に反応しないエラストマー(elastomer)又は弾性重合体でありうる。例えば、衝撃緩和部材610は、電解液に反応しないPFA(Perfluoroalkoxy)、PP(Polypropylene)又はPE(Polyethylene)を備える樹脂であるが、本発明は、このような材質に限定されるものではない。
【0072】
このようにして、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池600は、屈曲部152によりケース140の内部空隙容量が減少し、また衝撃緩和部材610により二次電池600の落下衝撃時に電極組立体110の損傷現象が減少する。すなわち、二次電池600の落下衝撃時、電極組立体110が金属材質の屈曲部152に直接接触する代わりに、軟らかな材質の衝撃緩和部材610に接触するためである。
【0073】
図7は、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
図7に示すように、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池600は、キャッププレート150の屈曲部152をなす底部152aの下面に一定厚の衝撃緩和部材610が形成されている。もちろん、衝撃緩和部材610は、電極組立体110から一定間隔が離隔されている。また、衝撃緩和部材610は、上部方向に膨らんだ形態の底部152a、及び両側の曲面部152cにまで形成されることができる。一方、このような衝撃緩和部材610の材質は、上述したものと同様なので、これについての説明は省略する。
【0074】
このようにして、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池600は、屈曲部152によりケース140の内部空隙容量が減少し、また屈曲部152をなす底部152a及び曲面部152cの下面に衝撃緩和部材610が形成されていることによって、二次電池600の落下衝撃時に電極組立体110の損傷現象が減少する。
【0075】
図8は、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
図8に示すように、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池800は、屈曲部352の底部352aが略平らに形成されており、このような底部352aの下面に一定厚の衝撃緩和部材810が形成されている。また、衝撃緩和部材610は、底部352aの両端に形成された曲面部352cにまで形成されることができる。
【0076】
図9は、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
図9に示すように、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池900は、屈曲部452をなし、略上部方向に向けて膨らむように形成された一対の底部452a、中央及び両端に形成された曲面部452b、452cにまで形成されることができる。
【0077】
図10は、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池を示す断面図である。
図10に示すように、本発明のさらに他の実施の形態に係る二次電池1000は、屈曲部552をなし、一対の電極組立体110A、110Bの上部に形成された略平らな底部552aの下面に衝撃緩和部材1010が形成されている。もちろん、このような衝撃緩和部材1010は、底部552aの両端に形成された曲面部552cまで覆う。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0079】
100 二次電池
110 電極組立体
120 第1端子
121 第1集電板
122 第1集電端子
123 第1締結端子
130 第2端子
131 第2集電板
132 第2集電端子
133 第2締結端子
140 ケース
150 キャッププレート
151 平坦部
152 屈曲部
152a 底部
152b 接続部
610 衝撃緩和部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体と、
前記電極組立体を収容するケースと、
前記ケースの開口を塞ぐキャッププレートと、
前記キャッププレートの両側端部に前記キャッププレートを貫通して延びた電極端子と、を備え、
前記キャッププレートは、前記電極端子間の一方向に延びる屈曲部を備えることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記屈曲部は、前記キャッププレートの上面から前記電極組立体に向かって延びることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記キャッププレートは、平坦部を有し、
前記平坦部の半分以上は、前記屈曲部によって占められることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記屈曲部は、底部と、
前記底部を前記キャッププレートの上面に接続する接続部とを備えることを特徴とする請求項2に記載の二次電池。
【請求項5】
前記屈曲部は、前記底部と前記接続部との間に形成された曲面部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記電極組立体は、前記キャッププレートに向かって膨らんだ外部領域を備えることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項7】
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、平らであることを特徴とする請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、形態において前記電極組立体の前記膨らんだ外部領域に対応する膨らんだ形態であることを特徴とする請求項6に記載の二次電池。
【請求項9】
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、安全弁を備えることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項10】
前記キャッププレートの前記屈曲部と前記電極組立体との間に形成された衝撃緩和部材をさらに備え、
前記衝撃緩和部材は、前記電極組立体に向かう前記キャッププレートの前記屈曲部の表面に付着されたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項11】
前記衝撃緩和部材は、弾性重合体を備えることを特徴とする請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
前記衝撃緩和部材は、PFA(Perfluoroalkoxy)、PP(Polypropylene)又はPE(Polyethylene)を備えることを特徴とする請求項10に記載の二次電池。
【請求項13】
前記電極組立体は、多数の電極組立体を備え、
前記各々の電極組立体は、前記キャッププレートに向かう膨らんだ外部領域を備えることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項14】
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、平らであることを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
【請求項15】
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、多数の膨らんだ領域を備え、
前記各々の膨らんだ領域は、形態において前記電極組立体の膨らんだ外部領域に対応し、
前記キャッププレートの前記屈曲部の前記底部は、前記各々の膨らんだ領域から下部方向に延び、前記電極組立体の膨らんだ外部領域の間の割れた隙間に向けて形成された曲面突出部をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
【請求項16】
対向するように位置した長辺部、対向するように位置した短辺部、上辺部、及び前記上辺部と対向する底部を有し、前記長辺部は、前記短辺部の間から第1横方向である長さ方向に延びるケースと、
前記ケースに収容された電極組立体と、
前記ケースの上辺部に位置し、前記ケースの上辺部に平らに位置した第1領域、及び前記第1横方向に垂直であり、かつ第2方向として前記第1領域から前記電極組立体に向かって離隔される第2領域を備え、前記第2領域は、前記第1横方向の長さ方向に長く拡張されたキャッププレートを備えてなることを特徴とする二次電池。
【請求項17】
前記電極組立体の先端に接触する第1集電板と、
前記第1集電板に接触するように、前記キャッププレートの第1領域から下部方向に延びる第1集電端子を備える第1端子とをさらに備え、
前記第1集電端子は、前記電極組立体の上部に位置し、
前記第1集電端子が前記キャッププレートの第1領域から下部方向に延びる距離よりさらに大きく前記キャッププレートの前記第2領域の底部が前記キャッププレートの第1領域から離隔されたことを特徴とする請求項16に記載の二次電池。
【請求項18】
前記第1端子から前記第1横方向に離隔された第2端子をさらに備え、
前記第2領域が前記第1端子と前記第2端子との間に形成されたことを特徴とする請求項17に記載の二次電池。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−160425(P2012−160425A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106950(P2011−106950)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(509139597)エス・ビー リモーティブ 株式会社 (130)
【氏名又は名称原語表記】SB Limotive Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】