説明

二次電池

【課題】振動や衝撃に起因して端子が回転することを防止する。
【解決手段】二次電池は、電池缶と、電池蓋と、正負極端子141,151と電池蓋102とを絶縁する絶縁シール部材と、端子接続部181,191を有する正負極集電体、端子接続部181,191と電池蓋102との間に介在される絶縁部材160とを備える。電池蓋102は、電池缶101の内側に向かって突出する円形凸部102cを有し、絶縁部材160は、端子接続部181,191が嵌合される凹部162と、円形凸部102cが嵌合される円形凹部167とを有し、正負極端子141,151を中心とした回転力が正負極端子141,151に作用すると、凹部162の側面が端子接続部181,191の側面を介して回転力を受け、円形凸部102cの側面が円形凹部167の側面を介して回転力を受けることで、正負極端子141,151の電池蓋102に対する回転が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド電気自動車や純粋な電気自動車等の動力源として大容量(Wh)の二次電池が開発されており、その中でもエネルギー密度(Wh/kg)の高い角形のリチウムイオン二次電池が注目されている。
【0003】
角形のリチウムイオン二次電池においては、正極電極および負極電極をセパレータを介在させて捲回することで扁平形状の捲回電極群が形成される。捲回電極群は、電池蓋の貫通孔に絶縁シール部材を介して装着された正極端子および負極端子に電気的に接続される。捲回電極群は、電池容器の電池缶に収容され、電池缶の開口部は電池蓋で封止溶接される。二次電池は、捲回電極群を収容した電池容器の注液孔から電解液が注入された後、注液栓が挿入されてレーザ溶接により封止溶接されることで形成される。
【0004】
複数の上記角形の二次電池(単電池)の正極端子と負極端子とをバスバーなどの導電部材により電気的に接続することで組電池が形成される。特許文献1には、バスバーを溶接するのに適した円盤形状の外部端子を備えた二次電池が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−142026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の二次電池(単電池)を複数接続して組電池を形成した場合、組電池に作用する振動や衝撃を起因として端子が回転し、端子と電池蓋の貫通孔との間に介在される絶縁シール部材が変形、損傷、または位置ずれする等により電池容器の気密性が損なわれてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、正極電極および負極電極をセパレータを介在させて捲回した捲回電極群と、捲回電極群を収容する電池缶と、電池缶を封止する電池蓋と、電池蓋に設けられた一対の貫通孔のそれぞれに取り付けられた正極端子および負極端子と、正極端子および負極端子のそれぞれと貫通孔との間に介在されて、正極端子および負極端子のそれぞれと電池蓋とを絶縁する絶縁シール部材と、正極電極に接続される電極接続部と、正極端子に固着される端子接続部とを有する正極集電体と、負極電極に接続される電極接続部と、負極端子に固着される端子接続部とを有する負極集電体と、正負極集電体の端子接続部のそれぞれと電池蓋との間に介在されて、正負極集電体のそれぞれと電池蓋とを絶縁する絶縁部材とを備え、正負極端子のそれぞれには、二次電池同士を電気的に接続するためのバスバーが溶接されるバスバー溶接部が設けられ、電池蓋は、電池缶の内側に向かって突出する凸部を有し、絶縁部材は、正負極集電体の端子接続部が嵌合される第1凹部と、電池蓋の凸部が嵌合される第2凹部とを有し、正負極端子を中心とした回転力が正負極端子に作用すると、絶縁部材の第1凹部の側面が正負極端子に固着された端子接続部の側面を介して正負極端子からの回転力を受け、電池蓋の凸部の側面が絶縁部材の第2凹部の側面を介して絶縁部材からの回転力を受けることで、正負極端子の電池蓋に対する回転が防止されることを特徴とする二次電池である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の二次電池において、電池缶と電池蓋とから構成される電池容器は、一対の幅広面と一対の幅狭面とを有する角形形状とされ、端子接続部は、矩形平板状であって、電池缶の幅狭面に平行に配置される内側側面と外側側面とを有し、電池蓋の内面に沿って配置され、絶縁部材の凹部は、端子接続部の内側側面に係合する内側係合面および端子接続部の外側側面に係合する外側係合面を有していることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の二次電池において、端子接続部には、内側側面から電池缶の中心側に向かって突出する補助係合部がさらに設けられ、絶縁部材の凹部には、補助係合部の側面に係合する補助係合面がさらに設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の二次電池において、絶縁部材には、捲回電極群に当接される面を有する位置規制部が設けられ、絶縁部材の第2凹部は、位置規制部に対応して設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、二次電池同士を電気的に接続するためのバスバーが溶接されるバスバー溶接部を有する正負極端子を備えた二次電池において、二次電池に作用する振動や衝撃に起因して正負極端子が回転することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る単電池により構成される組電池の斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る単電池の外観を示す斜視図。
【図3】図2の単電池の構成を示す分解斜視図。
【図4】図3の捲回電極群を示す斜視図。
【図5】(a)は図3の電池蓋組立体を示す斜視図、(b)は電池蓋組立体の分解斜視図。
【図6】図5の絶縁部材を示す斜視図。
【図7】(a)は図5のVII−VII線切断断面図、(b)は図7(a)のA−A線切断断面図。
【図8】組電池に振動が作用した状態を示す概念図。
【図9】負極端子に接続された負極集電体と、絶縁部材の係合状態を示す模式図。
【図10】(a)は本発明の第2の実施の形態に係る単電池の電池蓋組立体を示す斜視図、(b)は電池蓋組立体の分解斜視図。
【図11】図10の絶縁部材を示す斜視図。
【図12】負極端子に接続された負極集電体と、絶縁部材の係合状態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明をハイブリッド電気自動車や純粋な電気自動車に搭載される組電池を構成する角形形状のリチウムイオン二次電池(以下単電池と記す)に適用した実施の形態について説明する。
―第1の実施の形態―
図1は、組電池の斜視図である。図1に示すように、組電池は、複数の単電池100A〜100Cを有している。単電池100A〜100Cは、扁平な直方体形状であって、側面のうちで広い面積を有する幅広面101a同士が対向するように並べて配置されている。図示するように、単電池100A,100Cは、正極端子141が図中左側に配され、単電池100Bは、負極端子151が図中左側に配されている。すなわち、並置された複数の単電池100A〜100Cは、各単電池100A〜100Cのそれぞれの電池蓋102に取り付けられた正極端子141および負極端子151の位置が逆転するように、向きが反転して配置されている。
【0011】
図1に示すように、単電池100Aの図中左側の正極端子141と単電池100Bの図中左側の負極端子151とは、金属製の平板状導電部材であるバスバー110によって電気的に接続されている。同様に、単電池100Bの図中右側の正極端子141と単電池100Cの図中右側の負極端子151とは、バスバー110によって電気的に接続されている。単電池同士を電気的に接続するバスバー110は、レーザ溶接により正極端子141および負極端子151に接続されている。
【0012】
図1に示す単電池100Aの図中右側の負極端子151と、単電池100Cの図中左側の正極端子141には、不図示の他の電池に電気的に直列または並列に不図示の導電部材により接続されるか、不図示の電力取り出し用の端子に不図示の導電部材により接続される。
【0013】
組電池を構成する単電池について説明する。各単電池100A〜100Cはそれぞれ同じ構造であるため、以下、代表して単電池100Aについて説明する。図2は単電池100Aを示す外観斜視図であり、図3は単電池100Aの構成を示す分解斜視図である。図4は捲回電極群170を示す斜視図であり、図5は電池蓋組立体107を示す斜視図である。
【0014】
図2に示すように、単電池100Aは、電池缶101と電池蓋102とから構成される電池容器を備えている。電池缶101および電池蓋102の材質は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などである。図3に示すように、電池缶101には捲回電極群170が収容されている。電池缶101は、一対の幅広面101aと一対の幅狭面101bと底面101cとを有し、上面が開口された矩形箱状に形成されている。捲回電極群170は絶縁ケース108に覆われた状態で電池缶101に収容されている。絶縁ケース108の材質は、ポリプロピレン等の絶縁性を有する樹脂である。これにより、電池缶101の内面と、捲回電極群170とは電気的に絶縁されている。
【0015】
図2および図3に示すように、電池蓋102は、矩形平板状であって、電池缶101の開口を塞ぐように溶接されている。つまり、電池蓋102は、電池缶101を封止している。電池蓋102には、捲回電極群170の正極電極174および負極電極175のそれぞれに正極集電体180および負極集電体190を介して電気的に接続された正極端子141および負極端子151が配設されている。
【0016】
正極端子141が正極集電体180を介して捲回電極群170の正極電極174に電気的に接続され、負極端子151が負極集電体190を介して捲回電極群170の負極電極175に電気的に接続されているため、正極端子141および負極端子151を介して外部負荷に電力が供給され、あるいは、正極端子141および負極端子151を介して外部発電電力が捲回電極群170に供給されて充電される。
【0017】
図3に示すように、電池蓋102には、電池容器内に電解液を注入するための注液孔106aが穿設されている。注液孔106aは、電解液注入後に注液栓106bによって封止される。電解液としては、たとえば、エチレンカーボネート等の炭酸エステル系の有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のリチウム塩が溶解された非水電解液を用いることができる。
【0018】
図2に示すように、電池蓋102には、ガス排出弁103が設けられている。ガス排出弁103は、プレス加工によって電池蓋102を部分的に薄肉化することで形成されている。ガス排出弁103には、開裂時に大きな開口が形成されるように開裂溝が形成されている。ガス排出弁103は、単電池が過充電等の異常により発熱してガスが発生し、電池容器内の圧力が上昇して所定圧力に達したときに開裂して、内部からガスを排出することで電池容器内の圧力を低減させる。
【0019】
図4を参照して、捲回電極群170について説明する。図4は捲回電極群170を示す斜視図である。蓄電要素である捲回電極群170は、図4に示すように、長尺状の正極電極174および負極電極175をセパレータ173を介在させて捲回軸W周りに扁平形状に捲回することで積層構造とされている。
【0020】
正極電極174は、正極箔171と、正極活物質に結着材(バインダ)を配合した正極活物質合剤が正極箔171の両面に塗工されて形成された正極活物質合剤層176とを有する。負極電極175は、負極箔172と、負極活物質に結着材(バインダ)を配合した負極活物質合剤が負極箔172の両面に塗工されて形成された負極活物質合剤層177とを有する。正極活物質と負極活物質との間では、充放電が行われる。
【0021】
正極箔171は、厚さ20〜30μm程度のアルミニウム合金箔であり、負極箔172は、厚さ15〜20μm程度の銅合金箔である。セパレータ173の素材は多孔質のポリエチレン樹脂である。正極活物質は、マンガン酸リチウム等のリチウム含有遷移金属複酸化物であり、負極活物質は、リチウムイオンを可逆に吸蔵、放出可能な黒鉛等の炭素材である。
【0022】
捲回電極群170の幅方向(捲回方向に直交する捲回軸W方向)の両端部は、一方が正極活物質合剤層176が形成されていない未塗工部(正極箔171の露出部)が積層された部分とされ、他方が負極活物質合剤層177が形成されていない未塗工部(負極箔172の露出部)が積層された部分とされている。正極側未塗工部の積層体および負極側未塗工部の積層体は、それぞれ予め押し潰され、それぞれ後述の電池蓋組立体107の正極集電体180および負極集電体190(図5(a)参照)と超音波接合により接続される。
【0023】
図5(a)は電池蓋組立体107の斜視図であり、図5(b)は電池蓋組立体107の分解斜視図である。図5では負極側の構成を示しているが、負極側と正極側とは同様の形状、構成であるため、便宜上、かっこ書きで正極側の構成要素の参照番号を付している。なお、図5(b)では、負極端子151およびガスケット130の図示を省略している。
【0024】
電池蓋組立体107は、電池蓋102と、電池蓋102に設けられた一対の貫通孔102hのそれぞれに取り付けられた負極端子151および正極端子141と、負極集電体190および正極集電体180と、一対のガスケット130と、一対の絶縁部材160とを含んで構成されている。
【0025】
負極端子151および負極集電体190の材質は銅合金である。負極端子151は、負極集電体190に電気的に接続される。正極端子141および正極集電体180の材質はアルミニウム合金である。正極端子141は、正極集電体180に電気的に接続される。絶縁部材160の材質は、JIS K6900プラスチック―用語で定義された「硬質プラスチック」にガラス繊維(GF)を混入した絶縁性材料である。ガスケット130の材質は、ポリブチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイド、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂等の絶縁性を有する樹脂である。
【0026】
図3および図5(b)に示すように、電池蓋102には、一対の円形状の貫通孔102hと、電池缶101の内側に向かって突出する一対の円形凸部102cが設けられている。後述するように、貫通孔102hには、ガスケット130(図3参照)を介して正負極端子141,151の貫通部143,153が挿通される(図7(a)参照)。円形凸部102cは、後述するように、絶縁部材160の円形凹部167に嵌合される(図7(a)参照)。円形凸部102cは、電池蓋102の外表面から内側に向かってプレス加工されることで有底円筒形状に形成されている。
【0027】
図5(b)に示すように、負極集電体190は、電池蓋102の内面に沿って配置される矩形平板状の端子接続部191と、端子接続部191の一辺側部から略直角に曲がって、電池缶101の幅広面101aに沿いながら電池缶101の底面101cに向かって延在する平面板192と、平面板192の下端に設けた連結部196により接続される接合部193とを備えている。接合部193は、超音波接合により捲回電極群170の負極電極175に電気的に接続される部分であり、負極電極175との接合面193aを有している。端子接続部191には、後述する負極端子151の突部155(図3参照)が挿通される円形状の貫通孔194が設けられている。図5(a)に示すように、端子接続部191には、負極端子151がカシメおよび溶接により固着されている。
【0028】
同様に、図5(b)に示すように、正極集電体180は、電池蓋102の内面に沿って配置される矩形平板状の端子接続部181と、端子接続部181の一辺側部から略直角に曲がって、電池缶101の幅広面101aに沿いながら電池缶101の底面101cに向かって延在する平面板182と、平面板182の下端に設けた連結部186により接続される接合部183とを備えている。接合部183は、超音波接合により捲回電極群170の正極電極174に電気的に接続される部分であり、正極電極174との接合面183aを有している。端子接続部181には、後述する正極端子141の突部145(図3参照)が挿通される円形状の貫通孔184が設けられている。図5(a)に示すように、端子接続部181には、正極端子141がカシメおよび溶接により固着されている。
【0029】
図5(a)に示すように、負極集電体190の端子接続部191は、絶縁部材160の凹部162(図5(b)参照)に嵌合されている。端子接続部191の内側側面191iおよび外側側面191oは、電池缶101の幅狭面101bに平行に配置されている。後述するように、端子接続部191の内側側面191iは、絶縁部材160の凹部162の内側係合面162i(図5(b)参照)に当接され、端子接続部191の外側側面191oは、絶縁部材160の凹部162の外側係合面162o(図5(b)参照)に当接されている。
【0030】
同様に、図5(a)に示すように、正極集電体180の端子接続部181は、絶縁部材160の凹部162(図5(b)参照)に嵌合されている。端子接続部181の内側側面181iおよび外側側面181oは、電池缶101の幅狭面101bに平行に配置されている。後述するように、端子接続部181の内側側面181iは、絶縁部材160の凹部162の内側係合面162i(図5(b)参照)に当接され、端子接続部181の外側側面181oは、絶縁部材160の凹部162の外側係合面162o(図5(b)参照)に当接されている。
【0031】
図5に示すように、正負極集電体180,190の端子接続部181,191のそれぞれと、電池蓋102との間には絶縁部材160が配置されている。図6は絶縁部材160の斜視図である。図7(a)は図5のVII−VII線切断断面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A線切断断面図である。なお、図7では負極側の構成を示しているが、負極側と正極側とは同様の形状、構成であるため、便宜上、かっこ書きで正極側の構成要素の参照番号を付している。図7(a)では捲回電極群170およびバスバー110を二点鎖線で図示している。
【0032】
図6および図7に示すように、絶縁部材160は、略平板状部材であって、長辺が電池缶101の幅広面101aに平行に配置され、短辺が電池缶101の幅狭面101bに平行に配置されている(図5参照)。
【0033】
図5(a)および図7に示すように、絶縁部材160は、正負極集電体180,190の端子接続部181,191のそれぞれと電池蓋102との間に介在されるベース部161と、ベース部161から延在する厚肉部165とを有している。
【0034】
図6(b)に示すように、絶縁部材160の電池蓋102側の面は、電池蓋102に当接される当接面160aとされている。図6(a)に示すように、ベース部161の捲回電極群170側の面は、端子接続部181,191に当接される当接面162aとされている。図5(a)および図7に示すように、絶縁性を有する絶縁部材160のベース部161が、正負極集電体180,190の端子接続部181,191のそれぞれと電池蓋102との間に介在されているため、正負極集電体180,190のそれぞれと電池蓋102とは電気的に絶縁されている。
【0035】
厚肉部165の厚みは、ベース部161の厚みよりも厚く形成されており、本実施の形態ではベース部161の厚みと、端子接続部181,191との厚みの和に相当する寸法とされている。ベース部161と厚肉部165との間には段差が設けられている。
【0036】
図6および図7に示すように、絶縁部材160は、ベース部161の一端部から捲回電極群170側に向かって突出するように形成された係合壁164と、厚肉部165から捲回電極群170側に突出するように形成された位置規制部166とを有している。
【0037】
係合壁164は、直方体形状であって、電池缶101の幅狭面101bに平行に設けられている。位置規制部166は、直方体形状であって、捲回電極群170に当接される平面視矩形状の位置規制面166aを有している。図7(a)に示すように、捲回電極群170は、この位置規制面166aに面接触した状態で、正負極集電体180,190に超音波接合される。
【0038】
図6および図7に示すように、絶縁部材160は、正負極集電体180,190の端子接続部181,191が嵌合される凹部162を有している。凹部162は、上記したベース部161と、係合壁164と、厚肉部165とによって形成されている。凹部162は、ベース部161の当接面162aと、係合壁164の一側面(以下、外側係合面と称す)162oと、厚肉部165とベース部161との段差部に設けられた厚肉部165の一側面(以下、内側係合面と称す)162iとを有している。
【0039】
内側係合面162iおよび外側係合面162oは、それぞれ電池缶101の幅狭面101bに平行に配置されている。絶縁部材160の凹部162に端子接続部181,191が嵌合されると、図5および図7(a)、図7(b)に示すように、内側係合面162iに端子接続部181,191の内側側面181i,191iが当接し、外側係合面162oに端子接続部181,191の外側側面181o,191oが当接する。
【0040】
図6に示すように、絶縁部材160のベース部161には、後述する正負極端子141,151の貫通部143,153(図7(a)参照)が挿通される円形状の貫通孔161hが設けられている。図6(b)に示すように、厚肉部165には、電池蓋102の円形凸部102cに対向する位置において、電池蓋102側が開口するように円形凹部167が設けられている。円形凹部167は、平面視円形状の底面と、底面から垂直に立ち上がる内周面とを有している。図7(a)に示すように、円形凹部167は、厚肉部165から捲回電極群170側に向かって延在する位置規制部166に対応して設けられている。
【0041】
図7(a)および図7(b)に示すように、電池蓋102の円形凸部102cは、絶縁部材160の円形凹部167に嵌合されている。円形凹部167に円形凸部102cが嵌合されると、円形凹部167の内周面に円形凸部102cの外周面が当接する。
【0042】
図3に示すように、負極端子151は、円柱形状の外部端子部152と、上記した電池蓋102の貫通孔102hおよび絶縁部材160の貫通孔161hを貫通する円柱形状の貫通部153と、貫通部153の一端から捲回電極群170側に向かって突設された円筒状の突部155とを備えている。貫通部153の外径寸法は外部端子部152の外径寸法よりも小さく、突部155の外径寸法は貫通部153の外径寸法よりも小さい。
【0043】
図7(a)に示すように、外部端子部152の頂面は、バスバー110が溶接されるバスバー溶接面152aとされている。バスバー110は、バスバー溶接面152aに当接された状態で、レーザ溶接される。負極端子151の貫通部153は、ガスケット130が装着された状態で、電池蓋102の貫通孔102hに挿通される。
【0044】
同様に、図3に示すように、正極端子141は、円柱形状の外部端子部142と、上記した電池蓋102の貫通孔102hおよび絶縁部材160の貫通孔161hを貫通する円柱形状の貫通部143と、貫通部143の一端から捲回電極群170側に向かって突設された円筒状の突部145とを備えている。貫通部143の外径寸法は外部端子部142の外径寸法よりも小さく、突部145の外径寸法は貫通部143の外径寸法よりも小さい。
【0045】
図7(a)に示すように、外部端子部142の頂面は、バスバー110が溶接されるバスバー溶接面142aとされている。バスバー110は、バスバー溶接面142aに当接された状態で、レーザ溶接される。正極端子141の貫通部143は、ガスケット130が装着された状態で、電池蓋102の貫通孔102hに挿通される。
【0046】
図7(a)に示すように、ガスケット130は、円筒状の小径筒部130aと、小径筒部130aの上端から外方に延在する円環状の鍔部130bと、鍔部130bの外縁から上方に立ち上がる円筒状の大径筒部130cとを備えている。
【0047】
ガスケット130の小径筒部130aは、正負極端子141,151の貫通部143,153のそれぞれと、電池蓋102の貫通孔102hとの間に介在するように配置されている。ガスケット130の鍔部130bは、電池蓋102の外表面と、正負極端子141,151の外部端子部142,152の端面との間に介在するように配置されている。これにより、正負極端子141,151のそれぞれと電池蓋102との間が封止され、電池容器の気密性が確保されている。ガスケット130は上記したように絶縁性を有しているため、正負極端子141,151のそれぞれと電池蓋102とは電気的に絶縁されている。
【0048】
ガスケット130の大径筒部130cは、正負極端子141,151の外部端子部142,152の下側外表面を覆うように、外部端子部142,152に密着している。これにより、結露等により電池蓋102に水滴が付着しても正負極端子141,151と電池蓋102との絶縁性を確保することができる。
【0049】
負極端子151の円筒状の突部155は、負極集電体190の端子接続部191に形成された貫通孔194に挿通される。外部端子部152の下端面と電池蓋102の外表面とでガスケット130の鍔部130bが挟まれ、貫通部153の下端面が端子接続部191に当接された状態で、円筒状の突部155の先端が負極集電体190の端子接続部191にかしめられる。
【0050】
その結果、図7(a)に示すように、負極集電体190の端子接続部191はカシメ部155sと貫通部153の下端面によって挟持され、絶縁部材160、電池蓋102およびガスケット130の鍔部130bは端子接続部191と外部端子部152の下端面とによって挟持されている。カシメ部155sと端子接続部191とは、かしめ固定された後、レーザによりスポット溶接される。
【0051】
同様に、正極端子141の円筒状の突部145は、正極集電体180の端子接続部181に形成された貫通孔184に挿通される。外部端子部142の下端面と電池蓋102の外表面とでガスケット130の鍔部130bが挟まれ、貫通部143の下端面が端子接続部181に当接された状態で、円筒状の突部145の先端が正極集電体180の端子接続部181にかしめられる。
【0052】
その結果、図7(a)に示すように、正極集電体180の端子接続部181はカシメ部145sと貫通部143の下端面によって挟持され、絶縁部材160、電池蓋102およびガスケット130の鍔部130bは端子接続部181と外部端子部142の下端面とによって挟持されている。カシメ部145sと端子接続部181とは、かしめ固定された後、レーザによりスポット溶接される。
【0053】
このように、正極端子141は、正極集電体180の端子接続部181にカシメおよび溶接により固着され、負極端子151は、負極集電体190の端子接続部191にカシメおよび溶接により固着されている。これにより、正極集電体180と正極端子141とが電気的に接続され、負極集電体190と負極端子151とが電気的に接続される。
【0054】
図8は、組電池に振動が作用した状態を示す概念図であり、図9は、負極端子151に接続された負極集電体190と、絶縁部材160の係合状態を示す模式図である。図9では負極側の構成を示しているが、負極側と正極側とは同様の形状、構成であるため、便宜上、かっこ書きで正極側の構成要素の参照番号を付している。
【0055】
組電池に電池蓋102の長手方向の振動が作用すると、図8の矢印で示すように、単電池100Aと単電池100Bとがそれぞれ逆方向に移動するように位置ずれして、単電池100Aと単電池100Bとを接続するバスバー110が溶接された正負極端子141,151に正負極端子141,151の中心軸を回転中心とした回転トルクが作用する。
【0056】
同様に、単電池100Bと単電池100Cとがそれぞれ逆方向に移動するように位置ずれして、単電池100Bと単電池100Cとを接続するバスバー110が溶接された正負極端子141,151に正負極端子141,151の中心軸を回転中心とした回転トルクが作用する。
【0057】
図9に示すように、正負極端子141,151に、正負極端子141,151の中心軸CLを回転中心とした回転トルクが作用すると、絶縁部材160の凹部162の側面が端子接続部181,191の側面からの力を受けて、正負極端子141,151に固着された端子接続部181,191の回転を防止する。
【0058】
たとえば、図9に示す矢印T1の方向に回転トルクが作用すると、絶縁部材160は、主に、図9に示す係合部E11および係合部E12において端子接続部181,191からの力を受ける。絶縁部材160は、端子接続部181,191よりも剛性が低い樹脂材料であるが、図9に示すように、主に2カ所で端子接続部181,191からの力を受けているため、1カ所で端子接続部181,191からの力を受ける場合に比べて、絶縁部材160に作用する力を分散させ、絶縁部材160の変形を抑制できる。
【0059】
上述した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)正負極端子141,151が固着された正負極集電体180,190の端子接続部181,191に嵌合される凹部162を絶縁部材160に設けるとともに、電池蓋102の円形凸部102cに嵌合される円形凹部167を絶縁部材160に設けた。これにより、正負極端子141,151に正負極端子141,151の中心軸CL(図9参照)を回転中心とした回転力が作用すると、図7(a)、図7(b)および図9に示すように、絶縁部材160の凹部162の側面が正負極端子141,151に固着された端子接続部181,191の側面を介して正負極端子141,151からの回転力を受け、電池蓋102の円形凸部102cの側面が絶縁部材160の凹部162の側面を介して絶縁部材160からの回転力を受けることで、正負極端子141,151の電池蓋102に対する回転を防止できる。
【0060】
したがって、複数の単電池100A〜100Cから構成される組電池に振動や衝撃が作用したとき、正負極端子141,151の電池蓋102に対する回転が防止されるため、正負極端子141,151のそれぞれと電池蓋102の貫通孔102hとの間に介在されたガスケット130の変形、損傷、位置ずれが防止される。その結果、振動や衝撃が作用しても電池容器の気密性を確保できる。
【0061】
(2)捲回電極群170に当接される位置規制面166aを有する位置規制部166を絶縁部材160に設けた。これにより、超音波接合の際に、位置規制部166の位置規制面166aを捲回電極群170に当接させることで容易に位置決めをすることができる。さらに、位置規制面166aは、単電池100A〜100Cに振動や衝撃が作用した際に、捲回電極群170の電池蓋102側への移動を規制するので、捲回電極群170の正負極箔171,172の露出部が電池蓋102に接触して短絡するのを確実に防止できる。
【0062】
(3)位置規制部166に絶縁部材160の円形凹部167を設けたため、位置規制部166と円形凹部167とを個別に設ける場合に比べて、絶縁部材160を小さくできる。
【0063】
(4)絶縁部材160の凹部162における内側係合面162iおよび外側係合面162oを電池缶101の幅狭面101bに平行に配置して、端子接続部181,191の回転を防止する構成としたので、単電池100A〜100Cを薄く形成できる。
【0064】
―第2の実施の形態―
図10〜図12を参照して第2の実施の形態に係る二次電池(単電池)を説明する。図10(a)は本発明の第2の実施の形態に係る単電池の電池蓋組立体を示す斜視図、(b)は電池蓋組立体の分解斜視図である。図11は絶縁部材260を示す斜視図であり、図12は、負極端子251に接続された負極集電体290と、絶縁部材260の係合状態を示す模式図である。図10および図12では負極側の構成を示しているが、正極側も同様の構成であるため、便宜上、かっこ書きで正極側の構成要素の参照番号も付している。図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0065】
第2の実施の形態では、正負極集電体280,290の端子接続部281,291の形状、ならびに、絶縁部材260の凹部262の形状が第1実施形態と異なるが、その他の構成は同一である。
【0066】
図10(a)および図10(b)に示すように、正負極集電体280,290の端子接続部281,291には、内側側面281i,291iから電池缶101の中心側に向かって突出する補助係合部289,299がさらに設けられている。図11に示すように、絶縁部材260の厚肉部265は、補助係合部289,299の形状に対応して切りかかれており、絶縁部材260の凹部262には、補助係合部289の側面に係合する補助係合面262sがさらに設けられている。
【0067】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、図12に示すように、正負極端子141,151に正負極端子141,151の中心軸CLを回転中心とした回転力が作用すると、絶縁部材260の凹部262の側面が正負極端子141,151に固着された端子接続部281,291の側面を介して正負極端子141,151からの回転力を受け、電池蓋102の円形凸部102cの側面が絶縁部材260の凹部162の側面を介して絶縁部材260からの回転力を受けることで、正負極端子141,151の電池蓋102に対する回転を防止できる。
【0068】
したがって、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、複数の単電池から構成される組電池に振動や衝撃が作用したとき、正負極端子141,151の電池蓋102に対する回転が防止されるため、正負極端子141,151のそれぞれと電池蓋102の貫通孔102hとの間に介在されたガスケット130の変形、損傷、位置ずれが防止される。その結果、振動や衝撃が作用しても電池容器の気密性を確保できる。
【0069】
さらに、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に比べて以下の点が優れている。たとえば、図12に示す矢印T2の方向に回転トルクが作用すると、絶縁部材260は、主に、図12に示す係合部E21および係合部E22、係合部E23において端子接続部281,291からの力を受ける。絶縁部材260は、端子接続部281,291よりも剛性が低い樹脂材料であるが、図12に示すように、主に3カ所で端子接続部281,291からの力を受けているため、2カ所で端子接続部281,291からの力を受ける第1の実施の形態に比べて、絶縁部材260に作用する力を分散させ、絶縁部材260の変形を抑制できる。
【0070】
なお、次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
[変形例]
(1)第1の実施の形態では、絶縁部材160の凹部162に矩形平板状の端子接続部181,191を嵌合して、端子接続部181,191の内側側面181i,191iおよび外側側面181o,191oと、凹部162の内側係合面162iおよび外側係合面162oとを当接させる構成について説明した。第2の実施の形態では、絶縁部材260の凹部262に補助係合部289,299をさらに有する端子接続部281,291の内側側面281i,291iおよび外側側面281o,291o、補助係合部289,299の側面と、凹部262の内側係合面262iおよび外側係合面162o、補助係合面262sとを当接させる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、端子接続部181,191,281,291の側面を絶縁部材160,260の凹部162,262の側面に係合させて、正負極端子141,151に回転トルクが作用したときに、端子接続部181,191,281,291の回転が防止される種々の構成を採用できる。たとえば、絶縁部材160,260のベース部161,261の幅広面101a側両端部に幅広面101aに平行な係合壁(不図示)さらに設けてもよい。幅広面101a側両端部に係合壁を設ける場合は、係合壁164や厚肉部165,265とベース部161,261との間の段差部を形成しなくてもよい。
【0071】
(2)上記した実施の形態では、絶縁部材160,260の円形凹部167に電池蓋102の円形凸部102cが嵌合して、絶縁部材160,260の円形凹部167の内周側面と、円形凸部102cの外周側面とを係合させる構成について説明したが本発明はこれに限定されない。絶縁部材160,260の円形凹部167の内周側面を、電池蓋102の円形凸部102cの外周側面に係合させて、正負極端子141,151に回転トルクが作用したときに、絶縁部材160,260の回転が防止される種々の構成を採用できる。たとえば、平面視円形状の円形凸部102cを電池蓋102に設けるとともに、平面視矩形状の矩形凹部(不図示)を絶縁部材160,260に設けて、矩形凹部に円形凸部102cを嵌合させてもよい。平面視矩形状の矩形凹部(不図示)を絶縁部材160,260に設けるとともに、平面視矩形状の矩形凸部(不図示)を電池蓋102に設けて、絶縁部材160,260の矩形凹部に電池蓋102の矩形凸部を嵌合させてもよい。
【0072】
(3)絶縁部材160の円形凹部167は、平面視円形状の底面と、底面から垂直に立ち上がる内周面とを有することとして説明したが、本発明はこれに限定されない。絶縁部材160の円形凹部167の底面から立ち上がる側面は、底面から外方に向かって内径が広がるような傾斜面(テーパ面)として形成してもよい。このように、円形凹部167にテーパ面を形成することで、電池蓋の円形凸部102cを容易に絶縁部材の円形凹部167に挿入することができる。
【0073】
(4)リチウムイオン単電池を二次電池の一例として説明したが、ニッケル水素電池などその他の二次電池にも本発明を適用できる。
【0074】
(5)正極端子141,241、正極集電体180,280および正極箔171の材質は、アルミニウム合金に限定されることなく、アルミニウムとしてもよい。負極端子151,251、負極集電体190,290および負極箔172の材質は、銅合金に限定されることなく、銅としてもよい。
【0075】
(6)上記した実施の形態では、絶縁部材160,260の材質にJIS K6900プラスチック―用語で定義された「硬質プラスチック」にガラス繊維(GF)を混入したものを採用したが、本発明はこれに限定されない。ポリブチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイド、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂等の絶縁性を有する樹脂を用いてもよい。
【0076】
(7)上記した実施の形態では、ハイブリッド電気自動車や純粋な電気自動車に搭載される組電池を構成する二次電池(単電池)について説明したが本発明はこれに限定されない。他の電動車両、たとえばハイブリッド電車などの鉄道車両、バスなどの乗合自動車、トラックなどの貨物自動車、バッテリ式フォークリフトトラックなどの産業車両などの蓄電装置に利用可能な組電池に本発明を適用してもよい。
【0077】
(8)上記した実施の形態では、バスバー110と正負極端子141,151とをレーザ溶接により接続したが、本発明はこれに限定されない。電子ビーム溶接により、バスバー110と正負極端子141,151とを接続してもよい。
【0078】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0079】
100A〜100C 単電池、101 電池缶、101a 幅広面、101b 幅狭面、101c 底面、102 電池蓋、102c 円形凸部、102h 貫通孔、110 バスバー、130 ガスケット、141 正極端子、142 外部端子部、142a バスバー溶接面、143 貫通部、145 突部、145s カシメ部、151 負極端子、152 外部端子部、152a バスバー溶接面、153 貫通部、155 突部、155s カシメ部、160 絶縁部材、161 ベース部、161h 貫通孔、162 凹部、162a 当接面、162i 内側係合面、162o 外側係合面、164 係合壁、165 厚肉部、166 位置規制部、166a 位置規制面、167 円形凹部、170 捲回電極群、173 セパレータ、174 正極電極、175 負極電極、180 正極集電体、181 端子接続部、181i 内側側面、181o 外側側面、183 接合部、183a 接合面、184 貫通孔、190 負極集電体、191 端子接続部、191i 内側側面、191o 外側側面、193 接合部、193a 接合面、194 貫通孔、241 正極端子、251 負極端子、260 絶縁部材、262 凹部、262s 補助係合面、280 正極集電体、281 端子接続部、281i 内側側面、289 補助係合部、290 負極集電体、291 端子接続部、291i 内側側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極電極および負極電極をセパレータを介在させて捲回した捲回電極群と、
前記捲回電極群を収容する電池缶と、
前記電池缶を封止する電池蓋と、
前記電池蓋に設けられた一対の貫通孔のそれぞれに取り付けられた正極端子および負極端子と、
前記正極端子および前記負極端子のそれぞれと前記貫通孔との間に介在されて、前記正極端子および前記負極端子のそれぞれと前記電池蓋とを絶縁する絶縁シール部材と、
前記正極電極に接続される電極接続部と、前記正極端子に固着される端子接続部とを有する正極集電体と、
前記負極電極に接続される電極接続部と、前記負極端子に固着される端子接続部とを有する負極集電体と、
前記正負極集電体の端子接続部のそれぞれと前記電池蓋との間に介在されて、前記正負極集電体のそれぞれと前記電池蓋とを絶縁する絶縁部材とを備え、
前記正負極端子のそれぞれには、二次電池同士を電気的に接続するためのバスバーが溶接されるバスバー溶接部が設けられ、
前記電池蓋は、前記電池缶の内側に向かって突出する凸部を有し、
前記絶縁部材は、前記正負極集電体の端子接続部が嵌合される第1凹部と、前記電池蓋の凸部が嵌合される第2凹部とを有し、
前記正負極端子を中心とした回転力が前記正負極端子に作用すると、前記絶縁部材の第1凹部の側面が前記正負極端子に固着された端子接続部の側面を介して前記正負極端子からの回転力を受け、前記電池蓋の凸部の側面が前記絶縁部材の第2凹部の側面を介して前記絶縁部材からの回転力を受けることで、前記正負極端子の前記電池蓋に対する回転が防止されることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
請求項1に記載の二次電池において、
前記電池缶と前記電池蓋とから構成される電池容器は、一対の幅広面と一対の幅狭面とを有する角形形状とされ、
前記端子接続部は、矩形平板状であって、前記電池缶の幅狭面に平行に配置される内側側面と外側側面とを有し、前記電池蓋の内面に沿って配置され、
前記絶縁部材の凹部は、前記端子接続部の内側側面に係合する内側係合面および前記端子接続部の外側側面に係合する外側係合面を有していることを特徴とする二次電池。
【請求項3】
請求項2に記載の二次電池において、
前記端子接続部には、前記内側側面から前記電池缶の中心側に向かって突出する補助係合部がさらに設けられ、
前記絶縁部材の凹部には、前記補助係合部の側面に係合する補助係合面がさらに設けられていることを特徴とする二次電池。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の二次電池において、
前記絶縁部材には、前記捲回電極群に当接される面を有する位置規制部が設けられ、
前記絶縁部材の第2凹部は、前記位置規制部に対応して設けられていることを特徴とする二次電池。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−93160(P2013−93160A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233754(P2011−233754)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】