説明

二軸延伸ポリエステルフィルム及びその製造方法

【課題】従来の紫外線安定剤を含有する二軸延伸ポリエステルフィルムと同等以上の紫外線安定性を達成でき、透明性、非着色性、機械的強度に優れ、しかも、製造中のトラブルも発生せず、材料費のコストダウンも達成できるフィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも1層から成り、特定のトリフェニル置換トリアジン系紫外線安定剤を少なくとも1種含有する二軸延伸ポリエステルフィルム及び当該二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二軸延伸ポリエステルフィルムに関する。詳しくは、本発明は紫外線に対し安定な単層または多層ポリエステルフィルム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーに添加する紫外線安定剤としては、トリアジン系安定剤、ベンゾトリアゾール系安定剤、ベンゾフェノン系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤(HALS=ヒンダードアミン光安定剤)などが主に使われており、種々の文献に記載されている(例えば、特許文献1参照)。また、耐紫外線延伸ポリエステルフィルムも知られており、特にトリアジン系安定剤は延伸ポリエステルフィルムの耐紫外線に効果が大きい(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
製品として入手可能な上記のトリアジン系安定剤として、Ciba SC社製(スイス)のTinuvin(登録商標)1577(2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)−オキシフェノールが、特に好ましく使用されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、新しいトリアジン系安定剤の数種のフィルムに対する性能の違い等も知られている(例えば、特許文献1参照)。この文献には、ポリエステルフィルムへの使用について示唆されているものの、具体的にはポリオレフィン系フィルムで評価されている。さらに、ビスフェニル単位を有するトリアジン系安定剤(具体例としてa/b/c/d/e/f/g)及び入手可能なTinuvin(登録商標)1577(具体例j)が好適であることが記載されている。更に、HALS系の紫外線安定剤を組合せて使用することも記載されている。紫外線安定剤の種類が多種あるため、紫外線安定剤の組合せは数千種にも及ぶ。しかしながら、ポリオレフィン系フィルムに関しては多くの例示があるものの、これをそのままポリエステル系フィルム(特に芳香族系ポリエステルフィルム)に適応することは困難である。これは、紫外線吸収および製造条件が異なるため、安定剤が他の性質を有する必要があるからである。
【0005】
上記の入手可能なTinuvin(登録商標)1577は安定剤として極めて優れている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながら、Tinuvin(登録商標)1577は、特に延伸ポリエステルフィルムの製造において、以下の問題点を有する。すなわち、通常、主要なヨーロッパ都市の気候下で最低5年間(フロリダのテストでは2年間)の紫外線安定性能を発揮するような市販品グレードの紫外線安定性を達成するためには、Tinuvin(登録商標)1577を1〜5重量%含有させる必要があるが、Tinuvin(登録商標)1577はポリエステルの粘度に寄与しないために、このような量をポリエステルに配合させると、フィルム製造中に粘度が大幅に低下し、フィルムの破断や縞が入ったりする等のトラブルが生じる。また、Tinuvin(登録商標)1577のようなトリアジン系化合物は、可視光領域における残留吸収性を有し、フィルムが黄色に着色される。
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第10135795号明細書
【特許文献2】国際公開第98/06575号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、上記の従来のポリエステルフィルム用の紫外線安定剤における問題点を解決し、Tinuvin(登録商標)1577と同等以上の紫外線安定性を達成できるポリエステルフィルムを提供することである。ここで、同等以上の紫外線安定性とは、Tinuvin(登録商標)1577を含有するフィルムよりも耐紫外線性が長く続くか、又はより少量の含有量で優れた耐紫外線性を発揮できるということを意味する。加えて、低濃度で優れた紫外線安定性能を発揮することは、材料費のコストダウンにもつながる。
【0008】
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特別な構造を有する紫外線安定剤をポリエステルに配合させることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも1層から成り、下記式(1)に示される紫外線安定剤を少なくとも1種含有する二軸延伸ポリエステルフィルムに存する。
【0010】
【化1】

【0011】
上記式中、Rは水素、炭素数1〜12のアルキル基、アリル基、チオアルキル基(アルキル基の炭素数は1〜12)、−O−R基または−O−R10−C(O)O−R基を示し、Rはアリル基または炭素数1〜12のアルキル基を示し、R10は炭素数1〜5のアルケニル基を示し、R及びRは下記式(2)で示される基であり、
【0012】
【化2】

【0013】
、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基(アルキル基の炭素数は1〜12)、アリル基またはアリルオキシ基を示し、上記アルキル基の炭素数2以上の基および上記アルケニル基の炭素数2以上の基は直鎖状であっても分岐構造を有していてもよい。
【0014】
本発明の第2の要旨は、上記の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、当該製造方法は、単層または多層の各層を構成するポリマー又はポリマー混合物を押出機内で圧縮・熱可塑化する工程と、押出機の単層ノズル又は多層ノズルを介し、スリットダイを介して押出し、冷却ロール及び一つ以上の引取ロール上に引取って非晶シートを得る工程と、得られた非晶シートを逐次二軸延伸してフィルムを得る工程と得られたフィルムを熱固定し、巻き取る工程とから成り、二軸延伸ポリエステルフィルムは、式(1)の構造を有する紫外線安定剤が少なくとも1つの層に含有されていることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に存する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、Tinuvin(登録商標)1577を含有する二軸延伸ポリエステルフィルムと同等以上の紫外線安定性を達成でき、透明性、非着色性、機械的強度に優れ、製造中のトラブルも発生せず、材料費のコストダウンも達成できるフィルムである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、その層構成に特に限定されず、ベース層Bのみから成る単層フィルムであっても、ベース層B及び少なくとも1つの外層から成る多層フィルムであってもよい。例えば、外層をA層、C層とした場合、AB、ABA、ABC等の構成を有する多層フィルムであってもよい。また、中間層などを有していてもよい。なお、以下の説明において、特にことわりの無い限り、配合量はその対象となる成分が含有されている層の重量を基準とする。
【0017】
ベース層B及びその他の層(紫外線安定剤や他の添加剤の含有の有無にかかわらない)を構成するポリマーとしては80重量%以上の熱可塑性ポリエステルから成ることが好ましい。熱可塑性ポリエステルとしては、エチレングリコールとテレフタル酸から製造されるポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレングリコールとナフタレン−2,6−ジカルボン酸から製造されるポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンとテレフタル酸から製造されるポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCDT)、エチレングリコールとナフタレン−2,6−ジカルボン酸とビフェニル−4,4’−ジカルボン酸から製造されるポリ(エチレン2,6−ナフタレートビベンゾエート)(PENBB)、エチレングリコールとイソフタル酸から製造されるポリエステル、その他種々のジカルボン酸とジオールとの組合せから製造されるポリエステルが例示される。中でも、エチレングリコールとテレフタル酸から成るエチレンテレフタレート単位またはエチレングリコールとナフタレン−2,6−ジカルボン酸から成るエチレン−2,6−ナフタレート単位を90モル%以上、好ましくは95モル%以上含有するポリエステルが好ましい。他のモノマー単位としては脂肪族、脂環式または芳香族ジオール及び/又はジカルボン酸を使用することが出来る。
【0018】
他の脂肪族ジオールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、HO−(CH−OHの式で示される脂肪族グリコール(n=1〜10の整数)等が好ましい。
【0019】
更に、上記のポリエステルに、シクロオレフィンポリマー及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテルイミド等の他のポリマーを20重量%まで配合してもよい。上記の他のポリマーの配合量は、更に好ましくは10重量%以下、特に好ましくは上記ポリエステル100%から成っていることが好ましい。
【0020】
本発明のフィルムは、下記式(1)に示される紫外線安定剤を含有する。
【0021】
【化3】

【0022】
上記式中、Rは水素、炭素数1〜12のアルキル基、アリル基、チオアルキル基(アルキル基の炭素数は1〜12)、−O−R基または−O−R10−C(O)O−R基を示し、Rはアリル基または炭素数1〜12のアルキル基を示し、R10は炭素数1〜5のアルケニル基を示し、R及びRは下記式(2)で示される基である。
【0023】
【化4】

【0024】
上記式中、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基(アルキル基の炭素数は1〜12)、アリル基またはアリルオキシ基を示し、上記アルキル基の炭素数2以上の基および上記アルケニル基の炭素数2以上の基は直鎖状であっても分岐構造を有していてもよい。
【0025】
上記式(1)において、好ましくはRが−O−R基または−O−CH(CH)−C(O)O−R基であり、Rがヘキシル基、ヘプチル基またはオクチル基であり、R、R、R、R及びRが水素である。
【0026】
上記式(1)の好ましい態様において、Rが−O−R基である場合、更に好ましくはRが直鎖状または分岐状オクチル基であり、R、R、R、R及びRが水素である。
【0027】
上記式(1)の好ましい態様において、Rが−O−CH(CH)−C(O)O−R基である場合、更に好ましくはRがオクチル基であり、R、R、R、R及びRが水素である。
【0028】
上記Rがオクチル基の場合、更に好ましくはRが2−エチルヘキシル基である。
【0029】
上記のアリル基としては、非置換あるいはモノ又はポリ置換フェニル基、ピリジル基、ナフチル基、インダニル基、インデニル基などが挙げられる。置換基としては、OH基、Cl基、Br基、I基、NO基、NH基、SOH基、COOH基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。好ましくはフェニル基、中でも無置換フェニル基が特に好ましい。
【0030】
特に好ましい具体例としては、以下の式(3)で表される2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチロキシカルボニルエトキシ]−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジンが挙げられ、Ciba SC社(スイス)よりTinuvin(登録商標)479として入手できる。
【0031】
【化5】

【0032】
また、以下の式(4)で示される、化合物も好ましい例示として挙げられる。
【0033】
【化6】

【0034】
紫外線安定剤の配合量は、紫外線安定剤を配合させる層の重量を基準として、0.1〜10重量%、好ましくは0.25〜4重量%、特に好ましくは0.4〜2.5重量%である。
【0035】
上記式(3)で示される化合物(Tinuvin(登録商標)479)及び/又は上記式(4)で示される化合物は、Tinuvin(登録商標)1577の半分の量でTinuvin(登録商標)1577と同等の紫外線安定性を達成できる。
【0036】
本発明のフィルムには、安定剤および/または耐ブロッキング剤などの公知の添加剤を添加してもよい。フィルムがABC構造などの場合は、外層(A層および/またはB層)に耐ブロッキング剤を使用することが好ましい。安定剤としては、例えば、リン酸やリン酸エステル等のリン酸化合物が挙げられる。また、他の添加剤としては、ラジカル捕捉剤/熱安定剤(好ましくはIrganox(登録商標)、特にIrganox(登録商標)1010)が挙げられる。
【0037】
耐ブロッキング剤としては、無機および/または有機粒子が挙げられ、具体的には、炭酸カルシウム、結晶または非晶シリカ、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、アルミナ、珪酸アルミ、フッ化リチウム、ジカルボン酸のカルシウム、バリウム、亜鉛またはマンガン塩、二酸化チタン、カオリン、架橋ポリスチレン粒子、架橋PMMA又は架橋アクリレート粒子などが例示される。
【0038】
これらの他の耐ブロッキング剤を併用してもよく、また、同じ種類で且つ粒径が異なる粒子の混合物を使用してもよい。重縮合中のグリコール分散系または押出し中マスターバッチを介して個々の層に添加する粒子を所定量添加することも出来る。耐ブロッキング剤の含有量は、含まれる層の重量を基準として通常5重量%以下、好ましくは1重量%以下である。また、白色顔料でもある二酸化チタンを使用する場合は20重量%以下とする。
【0039】
本発明のフィルムは、本発明で使用する式(1)で示される紫外線安定剤に加えて、必要に応じてトリアジン系化合物やベンゾフェノン系化合物などの他の紫外線安定剤を添加してもよい。他の紫外線安定剤の例示は、特許文献1の第8頁第2項に記載されており、本発明に引用する。他の紫外線安定剤の配合量は、通常2重量%未満、好ましくは0.5重量%未満である。なお、特許文献1にも記載されているヒンダードアミン系光安定剤の使用は好ましくない。すなわち、特許文献1の実施例7において、ヒンダードアミン系光安定剤をPPフィルムに配合させることにより、フィルムの耐紫外線寿命が向上することが記載されているが、ポリエステルに適用した場合、耐紫外線寿命の向上は認められず、むしろ、紫外線照射テストが500時間を超えた際に、再生ポリエステルに認められるような明らかな黄色着色が発生する。
【0040】
したがって、特に好ましい態様では、式(1)で示される紫外線安定剤以外の他の紫外線安定剤を使用しない。
【0041】
本発明のフィルムは、含有される層の重量を基準として、好ましくは0.01〜1重量%、更に好ましくは0.01〜0.1重量%のラジカル捕捉剤(酸化防止剤)を1層以上に含有させることが好ましい。ラジカル捕捉剤(酸化防止剤)の例としては、上記特許文献1に記載のものが使用でき(第7ページ、第1項参照)、例えば、Irganox(登録商標)1010(CAS−No.6683−19−8)、CAS−No.6065140−91−2(以上Ciba SC社製(スイス))等が好ましい。
【0042】
本発明のフィルムは、更に、難燃剤を含有することが好ましい。難燃剤としては、ポリエステルに可溶な有機リン系化合物が好ましい。特に好ましくは有機リン系化合物がポリエステル主鎖中に組み込まれているものが好ましく、中でも、リン原子が主鎖ではなく側鎖に存在するものが好ましい。ポリエステル主鎖に組み込まれている難燃剤(難燃性ポリエステル)としては、CAS−No.63562−34−5(以上Ciba SC社製(スイス))等が挙げられる。難燃剤の配合量は、通常、難燃剤由来のリンの重量が0.1〜2重量%となるようする。
【0043】
本発明のフィルムは単層または多層であり、上記の添加剤を各層に独立して適宜配合させる。多層構造を有する場合は露光側の外層(3層以上の構造で露光面が両面である場合は両外層)の紫外線安定剤の含有量を内層のそれより大きくすることが好ましい。
【0044】
フィルムが2層以上の構成の場合、コスト的にも性能的にも以下の態様が好ましい。すなわち、1つ以上の外層に25重量%を超えて、好ましくは30重量%を超えて、更に好ましくは35重量%を超えて紫外線安定剤を含有する態様が好ましく、特に、1つの外層に25重量%を超えて、好ましくは30重量%を超えて、更に好ましくは35重量%を超えて紫外線安定剤を含有する態様が好ましい。
【0045】
各層の紫外線安定剤含有量は、7重量%を超えないことが好ましく、好ましくは5重量%を超えないことが好ましい。これは、延伸によりポリエステルの分子鎖が配向して結晶化し、ポリエステルマトリックス中への紫外線安定剤の溶解度が減少し、紫外線安定剤の滲出が生じることを防ぐためである。この点、Tinuvin(登録商標)479は、ポリエステルマトリックス中で、ポリエステル鎖と反応して共有結合を形成するため、ポリエステルマトリックス外への滲出が極めて低いという利点を有する。
【0046】
本発明のフィルムが多層フィルムの場合、光が入射する側の入射面から少なくとも最初の2つの層に紫外線安定剤を含有させることが好ましい。この少なくとも2つの層の紫外線安定剤の含有量は、通常0.1重量%以上である。透明フィルム(透過度50%を超える)を目的とした場合には、すべての層の紫外線安定剤の含有量が0.1重量%以上であることが好ましい。
【0047】
光が入射する側の層が、平均粒径(d50)が200nmを超える二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の白色顔料を4重量%未満含有する場合、外層の紫外線安定剤の含有量は通常0.75重量%以上、好ましくは1.0重量%以上である。
【0048】
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの厚さは、通常1〜500μm、好ましくは10〜50μm、更に好ましくは12〜30μmである。
【0049】
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの200℃における長手方向および横方向の収縮率は、通常10%未満、好ましくは6%未満、更に好ましくは4%未満である。また、100℃におけるフィルムの伸長率は、通常3%未満、好ましくは1%未満、更に好ましくは0.3%未満である。これらの優れた寸法安定性は、フィルムを巻取る工程の前に、後述する適切な弛緩処理を行うことにより達成できる。
【0050】
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの長手方向および横方向の弾性率は、通常3000N/mmより大きく、好ましくは3500N/mmより大きく、更に好ましくは4100N/mmより大きい。長手方向および横方向の5%伸長に必要な力(F5値)は、通常80N/mmより大きく、好ましくは90N/mmより大きい。これらの優れた機械的特性は、後述する適切な二軸延伸を行うことにより達成できる。
【0051】
上記の収縮特性および機械的性質は、紫外線照射下および温度や湿度などの他の天候下でのフィルムの耐久性に好ましく影響する。
【0052】
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの好ましい態様として、少なくとも片面に印刷インクに対する接着性を高める接着剤からなる塗布層を設ける。塗布層としては、スルホイソフタル酸の含有量が0.2重量%を超えるアクリレート系または共重合ポリエステル系塗布層が好ましい。
【0053】
次に本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。各層のポリマーマトリックスを構成するポリエステルは、ジカルボン酸とエチレングリコールとの重縮合反応(PTA法)、または、ジカルボン酸エステル、好ましくはジメチルエステルとエチレングリコールとのエステル交換反応(DMT法)により製造する。使用するポリエチレンテレフタレートのSV値は通常600〜900で、使用するポリエチレン−2,6−ナフタレートのSV値は通常500〜800である。
【0054】
粒子を添加する場合は、ポリエステルを製造する段階で既に添加させてもよい。その場合、エチレングリコールに粒子を分散させ、必要に応じて破砕、デカンテーション等を行い、エステル交換反応器または重縮合反応器内に添加する。また、粒子や添加剤などを予めポリエステルと共に二軸押出機を使用して混合し、マスターバッチを作成しておき、押出機内でこのマスターバッチに粒子や添加剤を含有しないポリエステルを混合して濃度を希釈調製することによって粒子や添加剤を添加してもよい(マスターバッチ法)。更に、フィルム製造のための二軸押出機内に粒子や添加剤を直接添加させてもよい。
【0055】
未架橋の有機粒子の添加においては、上記のようにマスターバッチを作成して二軸押出機内に添加する方法や、フィルム製造のための二軸押出機内に直接添加する方法が採用される。
【0056】
紫外線安定剤は、上記のマスターバッチ法によって添加することが出来る。すなわち、原料ポリエステルを二軸押出機内で可塑化し、紫外線安定剤を添加する。得られる溶融混合物をオイリフィスを介して水中に押出して冷却し、粉砕する。マスターバッチ中の紫外線安定剤の含有量は、通常1〜33重量%、好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは10〜20重量%である。上記の範囲を下回る場合はコスト的に不利となる。一方、25重量%を超えると紫外線安定剤とポリエステルとの結合が不十分となり、33重量%を超えるとポリエステルマトリックスからの明らかな滲出しが認められる。
【0057】
紫外線安定剤は、フィルム製造工程において直接添加してもよい。すなわち、各層に必要な量の紫外線安定剤を押出機内に直接投与する。しかしながら、このような添加方法で紫外線安定剤を均一に分散させるためには、多軸(二軸以上)の押出機を使用する必要がある。
【0058】
更に、押出機の投入口は窒素やアルゴン等の不活性ガスの層で覆われていることが好ましい。これは、押出機内に直接添加する方法であってもマスターバッチ法であっても、本発明の紫外線安定剤は押出機内の高温下で酸化を受けやすいからである。
【0059】
単軸押出機を使用する場合は、予めポリエステルを乾燥させて使用することが好ましい。ベントゾーンを有する二軸押出機を使用する場合は、予備乾燥を省略してもよい。
【0060】
個々の層を構成するポリエステル又はポリマー混合物は、押出機内で先ず圧縮し流動化する。溶融体は単層または多層ノズルにおいて平坦溶融シートに形成し、スロットダイを介して押出し、冷却ロール及び複数のロールを使用して引取り、冷却固化させてシートを得る。
【0061】
次いで、得られたシートを二軸延伸する。通常、二軸延伸は連続的に行われる。このため、初めに長手方向(機械方向)に延伸し、次いで横方向に延伸するのが好ましい。通常、長手方向の延伸は、延伸比に対応する異なる回転速度を有する2つのロールを使用して行われ、横方向の延伸はテンターフレームを使用して行われる。また、連続二軸延伸でなく、同時二軸延伸で二軸延伸してもよい。
【0062】
延伸温度および延伸比は、所望とするポリエステルフィルムの物性によって決定され、広い範囲で選択できる。一般的に、長手方向の延伸温度は、通常80〜130℃(加熱温度は80〜130℃)、横方向の延伸温度は、通常90〜140℃(延伸開始温度〜延伸最終温度)。長手方向の延伸比は、通常2.0〜5.5、好ましくは2.2〜5.0で、横方向の延伸比は、通常2.4〜5.0、好ましくは2.6〜4.5である。なお、長手方向と横方向の延伸温度をそれぞれ125℃未満、好ましくは118℃未満に設定すると、本発明の効果を特に好ましく達成することが出来る。
【0063】
横方向の延伸前に、フィルムの片面または両面に公知のインラインコーティングにより塗布処理を施し、塗布層を形成してもよい。インラインコーティングによる塗布層によって、その上に設けられるメタル層、印刷層、他のフィルムなどへの接着力を強めたり、帯電防止性、加工特性などを付与することが出来る。共押出外層が、易滑性および巻取特性を付与するための無機粒子を含有しない場合、粒子を含有する塗布層を形成してもよい。
【0064】
延伸後、通常150〜250℃で、機械的応力を負荷しながら、通常0.1〜10秒間熱固定が行われる。また、好ましい収縮特性を達成するには、横方向に通常1%以上、好ましくは3%以上、更に好ましくは4%以上の弛緩率下で熱固定を行う。熱固定後、公知の方法でフィルムを巻取る。
【0065】
本発明のフィルムは、押出工程において、再生原料(再生品、スクラップ、端部)をフィルムの重量に対して、通常20〜60重量%含有させることができる。再生原料の添加によって、本発明のフィルムの物性、光学特性が大きく変化することはない。
【0066】
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、優れた紫外線安定性を示し、着色が低く、Tinuvin(登録商標)1577と比較して使用量を大幅に減らしても同等の紫外線安定性を達成でき、フィルムの製造工程においての悪臭、有害臭も少ない。また、本発明のフィルムは、紫外線安定剤の配合量が少ない。そのため、フィルムの製造における押出工程で、紫外線安定剤を含有するポリエステルの押出しにおけるダイ圧力の振れが少ない。従って、紫外線安定剤を含有するポリエステルの押出しと紫外線安定剤を含有しないポリエステルの押出しを交互に行っても、その切り替え時においてフィルムの破断を大幅に減少させることが出来る。
【実施例】
【0067】
以下、本発明を、実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。各記載例における評価方法を以下に示す。
【0068】
(1)平均粒径d50
平均粒径d50はHoriba Europe社(ドイツ)製「Horiba LA 500」又は「Sympathec Helos」を使用したレーザーによる一般的な方法で測定した(Malvern Instruments社(英国)製「Malvern Master Sizer」装置でも基本的に同一の測定である)。水を入れたセルにサンプルを入れ、試験装置にセットする。粒径分布は、平均粒径d50(平均値)とSPAN98(粒径の分布度合い)の2つのパラメータにより表現される。試験は自動的に行われ、粒径d50の数学的な計算も一緒に行われる。粒径d50の値は、累積粒径分布曲線から決定する。50%におけるd50の値を求めた。
【0069】
(2)ナノ粒子(「Aerosil」(登録商標)および「Nyacol」(登録商標))の一次粒径:
Aerosil(登録商標)、Nyacol(登録商標)などの一次粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真を使用して決定した。試料がフィルム又はポリマー粒状物の形態の場合、マイクロトームで作製した超薄切片を用いて行った。
【0070】
(3)光線透過度:
フィルムの光線透過度はASTM−D 1033−77に準じて測定し、透明性を評価した。
【0071】
(4)標準粘度SV:
ポリエステルの標準粘度SV(DCA)は、ポリエステルのジクロロ酢酸1重量%溶液を作成し、ウベローデ型粘度系を使用して25℃でDIN 53726に従って測定した。得られた相対粘度ηrelより、SV=(ηrel−1)×1000の式を使用して、標準粘度SV値を算出した。固有粘度(IV)はSVと以下の関係がある。
【0072】
IV[η]=6.907・10−4SV(DCA)+0.063096[dl/g]
【0073】
(5)機械的性質:
フィルムの機械的性質は、100mm×15mmのフィルム片を使用し、DIN EN ISO 527−1及び−3に従い応力測定装置を使用して行った。フィルム片の長さの変化は距離測定器を使用して測定した。弾性率は、10%/分の引張速度で、引張度0.2〜0.3の間の傾きから求めた。σ5値(5%伸長時の力)は、100%/分の引張速度で測定した。
【0074】
(6)収縮率:
熱収縮率は、10cm四方のフィルムについて測定した。サンプルの横辺の長さを正確に測定した後(Lとする)、サンプルを循環オーブン内で200℃で15分間加熱した。サンプルを取出し、室温でサンプルの横辺の長さを正確に測った(Lとする)。収縮率は以下の式で算出した。
【0075】
収縮率(%)=100(L−L)/L
【0076】
(7)紫外線安定性:
紫外線安定性は独国特許出願公開第69731750(=国際第98/06575号パンフレット)の第8頁に記載されている方法で評価し、UTS値(耐候試験後の引張強度)は初期値に対する割合によって与えられる。耐候試験時間は以下の実施例においてそれぞれ記してある。
【0077】
(8)フィルム製造中の悪臭評価:
フィルム製造中の悪臭評価は、10人の作業員をモニターとして、30分間フィルムの製造に従事した後、個別に悪臭について認知度について報告してもらい評価した。悪臭の認知度としては、次の4段階に分類して報告し、点数(評価1〜4=1〜4点)の総計をモニター数で除して平均値として評価した。評価1:通常のポリエステルフィルム(紫外線安定剤無し)の製造と比較して新たな臭気の追加は認識されない。評価2:新た臭気がやや感じられるものの不快には感じない。評価3:新たな臭気が明確に感じられ、不快に感じる。評価4:新たな臭気が強く感じられ、非常に不快に感じ、作業に支障を来す。
【0078】
比較例1:
独国特許出願公開第69731750号(=国際第98/06575号パンフレット)明細書に記載の実施例1を追試した。なお、粒径6μmの二酸化ケイ素粒子が入手できなかったため、代わりにSilysia(登録商標)440(二酸化ケイ素粒子、Fuji Silysia(日本)、d50=約4.4μm)。非シール性層として、Tinuvin(登録商標)1577(Ciba SC社製、スイス)を1重量%を含有するポリエチレンテレフタレート(PET)原料(イソフタル酸含有量0.05重量%、ジエチレングリコール含有量0.7重量%)を使用した。Tinuvin(登録商標)1577の添加は、PETに10重量%Tinuvin(登録商標)1577を配合したマスターバッチを使用して行った。熱固定の条件は、225〜150℃で2秒間行い、200〜150℃においては横方向の弛緩率3%で熱固定を行った。悪臭評価は2.5であった。この種のフィルムに製造を切り替えると、ダイにおける圧力変化が生じた。耐候試験1000時間後の引張強度は、初期値と比較して69%に低下した。
【0079】
実施例1:
Tinuvin(登録商標)1577の代わりにTinuvin(登録商標)479(Ciba SC社製、スイス)を0.5重量%使用した以外は比較例1と同様にしてフィルムを作成した。悪臭評価は1.4であった。この種のフィルムに製造を切り替えても、ダイにおける圧力変化が生じなかった。耐候試験1000時間後の引張強度は、初期値と比較して74%に低下した。
【0080】
実施例2:
Tinuvin(登録商標)1577の代わりにTinuvin(登録商標)479(Ciba SC社製、スイス)を1.0重量%使用した以外は比較例1と同様にしてフィルムを作成した。悪臭評価は1.8であった。この種のフィルムに製造を切り替えると、ダイにおける圧力変化が生じた。耐候試験1000時間後の引張強度は、初期値と比較して89%に低下した。
【0081】
実施例3:
以下の方法で厚さ20μmの3層積層フィルムを作成した。以下の表1に示す各ポリマー混合物をピノール(アダプター)に供給し、スリットダイを介して60℃の冷却ロール上に静電密着法を使用して押出してシートとし、以下の表2に示す長手方向、次いで横方向に延伸し、熱固定を行って二軸延伸フィルムを作成した。なお、以下の表2において、二軸押出機を使用し、上記の市販のPETにTinuvin(登録商標)479を混合した。また、SiO粒子はPETの重縮合製造時にすでに添加してあり、イソフタル酸含有量は0.1重量%、ジエチレングリコール含有量は1重量%であった。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
得られたフィルムの総厚さは20μmで、A総の厚さは5μm、C総の厚さは2μmであった。フィルムの光線透過度は88%であり、長手方向の弾性率は4920N/mm、横方向の弾性率は5105N/mm、長手方向のF5値は100N/mm、横方向のF5値は102N/mm、200℃における長手方向の収縮率は2.7%、横方向の収縮率は0.1%であった。
【0085】
この種のフィルムに製造を切り替えても、ベース層Bの押出機における圧力変化が生じなかった。より厚い層であるB層の押出しが安定していたため、多少の圧力変化が生じたA層の押出しがフィルムの安定製造に影響を及ぼすことはなかった。
【0086】
悪臭評価は1.8であった。耐候試験1000時間後の引張強度は、初期値と比較して91%に低下し、3000時間後では67%に低下した。なお、耐候試験における光の照射はA層側から行った。
【0087】
上記式(4)で示される化合物(「CGX UVA 006」、Ciba SC社製、スイス)を0.5重量%使用した以外は比較例1と同様にフィルムを製造した。悪臭評価は1.8であった。この種のフィルムに製造を切り替えても、ダイにおける圧力変化が生じなかった。耐候試験1000時間後の引張強度は、初期値と比較して70%に低下した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1層から成り、下記式(1)に示される紫外線安定剤を少なくとも1種含有する二軸延伸ポリエステルフィルム。
【化1】

(上記式中、Rは水素、炭素数1〜12のアルキル基、アリル基、チオアルキル基(アルキル基の炭素数は1〜12)、−O−R基または−O−R10−C(O)O−R基を示し、Rはアリル基または炭素数1〜12のアルキル基を示し、R10は炭素数1〜5のアルケニル基を示し、R及びRは下記式(2)で示される基であり、
【化2】

、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基(アルキル基の炭素数は1〜12)、アリル基またはアリルオキシ基を示し、上記アルキル基の炭素数2以上の基および上記アルケニル基の炭素数2以上の基は直鎖状であっても分岐構造を有していてもよい。)
【請求項2】
上記式(1)において、Rが−O−R基または−O−CH(CH)−C(O)O−R基であり、Rがヘキシル基、ヘプチル基またはオクチル基であり、R、R、R、R及びRが水素である請求項1に記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項3】
上記式(1)において、Rが−O−R基であり、Rが直鎖状または分岐状オクチル基であり、R、R、R、R及びRが水素である請求項2に記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項4】
上記式(1)において、Rが−O−CH(CH)−C(O)O−R基であり、R9がオクチル基であり、R、R、R、R及びRが水素である請求項2に記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項5】
のオクチル基が2−エチルヘキシル基である請求項4又は5に記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項6】
単層構造である請求項1〜5の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項7】
多層構造である請求項1〜5の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項8】
紫外線安定剤の含有量が、紫外線安定剤を含有する層の重量を基準として0.1〜10重量%である請求項1〜7の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項9】
更に、1つ以上の他の安定剤および/または耐ブロッキング剤を含有する請求項1〜8の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項10】
更に、ラジカル捕捉剤を含有する請求項1〜9の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項11】
更に、難燃剤を含有する請求項1〜10の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項12】
2層以上から成り、1つ又は2つの外層が、紫外線安定剤を含有する層の重量を基準として25重量%を超える紫外線安定剤を含有する請求項7〜11の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項13】
2層以上から成り、1つの外層が、紫外線安定剤を含有する層の重量を基準として25重量%を超える紫外線安定剤を含有する請求項7〜12の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項14】
紫外線安定剤を含有する層の重量を基準として7重量%を超える紫外線安定剤を含有する層を有しない請求項7〜13の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項15】
200℃における長手方向および横方向のフィルムの収縮率が10%未満である請求項1〜14の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項16】
100℃におけるフィルムの伸長度が3%未満である請求項1〜15の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項17】
長手方向および横方向のフィルムの弾性率が3000N/mmを超える請求項1〜16の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項18】
長手方向および横方向のフィルムの5%伸長における応力:F5値が80N/mmを超える請求項1〜17の何れかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
【請求項19】
請求項1に記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、当該製造方法は、単層または多層の各層を構成するポリマー又はポリマー混合物を押出機内で圧縮・熱可塑化する工程と、押出機の単層ノズル又は多層ノズルを介し、スリットダイを介して押出し、冷却ロール及び一つ以上の引取ロール上に引取って非晶シートを得る工程と、得られた非晶シートを逐次二軸延伸してフィルムを得る工程と得られたフィルムを熱固定し、巻き取る工程とから成り、二軸延伸ポリエステルフィルムは、式(1)の構造を有する紫外線安定剤が少なくとも1つの層に含有されていることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。

【公開番号】特開2008−156641(P2008−156641A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326037(P2007−326037)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(596099734)ミツビシ ポリエステル フィルム ジーエムビーエイチ (29)
【Fターム(参考)】