説明

二酸化炭素分離回収システム

【課題】システム内の二酸化炭素濃度及び水濃度を正確かつ速やかに計測し、安定的に運転できる二酸化炭素分離回収システムを提供する。
【解決手段】再生塔5内のガスを、再生塔内と同程度の圧力、再生塔内より高い温度に調整されたガス分析器60の耐圧容器へ導き、耐圧容器へ赤外光を照射し、耐圧容器内を伝播した赤外光の減衰度合いから、耐圧容器内のガスの二酸化炭素濃度及び水濃度を迅速かつ正確に算出する。耐圧容器内のガスの二酸化炭素濃度及び水濃度は、再生塔内のガスの二酸化炭素濃度及び水濃度と等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素分離回収システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大量の化石燃料を使用する火力発電所等を対象に、燃焼排ガスとアミン系吸収液を接触させ、燃焼排ガス中の二酸化炭素を分離回収する方法、及び回収された二酸化炭素を大気へ放出することなく貯蔵する方法が研究されている。
【0003】
具体的には、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素をアミン系吸収液に吸収させる吸収塔と、二酸化炭素を吸収した吸収液(リッチ液)が吸収塔から供給され、リッチ液を加熱し、リッチ液から二酸化炭素ガスを放出させて吸収液を再生する再生塔と、を備えた二酸化炭素分離回収システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
吸収塔には下部から燃焼排ガス、上部から吸収液が供給され、吸収塔内の充填層を上昇および流下する間に、互いに熱交換及び物質交換を行う。吸収塔内部の気相には、排ガス中の二酸化炭素、水、窒素、酸素、吸収液から蒸発した水及びアミンが主な成分として含まれる。物質交換の結果、吸収塔内部の上下方向において、各成分の気相中濃度は変化する。特に、二酸化炭素は、燃焼排ガスから吸収液に吸収されることにより、その気相中濃度が吸収塔下部から上部に向かうにしたがって低下する。吸収塔の塔頂における気相中の二酸化炭素濃度がどこまで低下しているかが、二酸化炭素分離回収システムの二酸化炭素吸収性能を示す。従って、吸収塔における気相中の二酸化炭素濃度の分析が重要である。
【0005】
吸収塔の気相中には二酸化炭素のほかに、燃焼排ガスに含まれる水や、吸収液から蒸発した水が含まれる。水は二酸化炭素と同様に、吸収塔内で気相、液相間において物質移動を行う。従って、吸収塔内部の上下方向において、気相中の水の濃度は変化する。吸収塔における気相中の二酸化炭素濃度を正確に検出するためには、気相中の水の濃度を正確に把握しておく必要がある。しかし、サンプル点(気体を捕集した場所)と比較して、分析点(分析を行う場所)の温度や圧力が低い場合、水は容易に凝縮するため、サンプル点の気相中の水濃度を正確に分析することが困難であった。
【0006】
再生塔には吸収塔で二酸化炭素を吸収した吸収液が上部から供給され、下部ではリボイラーにより吸収液が蒸発させられる。吸収液蒸気と吸収液とは、再生塔内の充填層を上昇および流下する間に、互いに熱交換及び物質交換を行う。再生塔内部の気相には、吸収液から分離、蒸発した二酸化炭素、水、アミンが主な成分として含まれる。物質交換の結果、再生塔内部の上下方向において、気相中の各成分の濃度は変化する。特に、二酸化炭素は、吸収液から分離、蒸発することにより、その気相中濃度が再生塔上部から下部に向かうにしたがって低下する。再生塔の塔底における気相中の二酸化炭素濃度がどこまで低下しているかが、二酸化炭素分離回収システムの吸収液再生性能を示す。従って、再生塔における気相中の二酸化炭素濃度の分析が重要である。
【0007】
再生塔の気相中には二酸化炭素のほかに吸収液から蒸発した水が含まれる。水は二酸化炭素と同様に、再生塔内で気相、液相間において物質移動を行う。従って、再生塔内部の上下方向において、気相中の水の濃度は変化する。再生塔における気相中二酸化炭素濃度を正確に検出するためには、気相中の水の濃度を正確に把握しておく必要がある。しかし、上述したように、サンプル点と比較して、分析点の温度や圧力が低い場合、水は容易に凝縮するため、サンプル点の気相中の水濃度を正確に分析することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−254212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、システム内の二酸化炭素濃度及び水濃度を正確かつ速やかに計測し、安定的に運転できる二酸化炭素分離回収システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様による二酸化炭素分離回収システムは、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させ、二酸化炭素を含む吸収液を排出する吸収塔と、前記吸収塔から排出された吸収液が供給され、当該吸収液から水蒸気を含む二酸化炭素ガスを除去し、当該吸収液を再生して排出する再生塔と、前記再生塔に連結され、前記再生塔内の吸収液を加熱するリボイラーと、前記吸収塔と前記再生塔との間に設けられ、前記再生塔から排出されて前記吸収塔に供給される吸収液を熱源として、前記吸収塔から排出されて前記再生塔に供給される吸収液を加熱する再生熱交換器と、前記吸収塔から排出された吸収液を前記再生塔へ送り込む第1ポンプと、前記再生塔から排出され、前記再生熱交換器を通過した吸収液を貯留する緩衝タンクと、前記緩衝タンクに貯留されている吸収液を前記吸収塔へ送り込む第2ポンプと、前記再生塔内の温度以上の温度、前記再生塔内の圧力に対応した圧力を有し、前記再生塔内のガスが導かれる容器を含み、当該ガスに含まれる複数の成分の濃度を分析するガス分析器と、前記ガス分析器により分析された濃度に基づいて、前記リボイラーへの蒸気流量及び/又は前記第1ポンプの流量を制御する制御部と、を備えるものである。
【0011】
本発明の一態様による二酸化炭素分離回収システムは、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させ、二酸化炭素を含む吸収液を排出する吸収塔と、前記吸収塔から排出された吸収液が供給され、当該吸収液から水蒸気を含む二酸化炭素ガスを除去し、当該吸収液を再生して排出する再生塔と、前記再生塔に連結され、前記再生塔内の吸収液を加熱するリボイラーと、前記吸収塔と前記再生塔との間に設けられ、前記再生塔から排出されて前記吸収塔に供給される吸収液を熱源として、前記吸収塔から排出されて前記再生塔に供給される吸収液を加熱する再生熱交換器と、前記吸収塔から排出された吸収液を前記再生塔へ送り込む第1ポンプと、前記再生塔から排出され、前記再生熱交換器を通過した吸収液を貯留する緩衝タンクと、前記緩衝タンクに貯留されている吸収液を前記吸収塔へ送り込む第2ポンプと、前記吸収塔内の温度以上の温度、前記吸収塔内の圧力に対応した圧力を有し、前記吸収塔内のガスが導かれる容器を含み、当該ガスに含まれる複数の成分の濃度を分析するガス分析器と、前記ガス分析器により分析された濃度に基づいて、前記吸収塔への前記燃焼排ガス流量及び/又は前記第2ポンプの流量を制御する制御部と、を備えるものである。
【0012】
本発明の一態様による二酸化炭素分離回収システムは、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させ、二酸化炭素を含む吸収液を排出する吸収塔と、前記吸収塔から排出された吸収液が供給され、当該吸収液から水蒸気を含む二酸化炭素ガスを除去し、当該吸収液を再生して排出する再生塔と、前記再生塔に連結され、前記再生塔内の吸収液を加熱するリボイラーと、前記吸収塔と前記再生塔との間に設けられ、前記再生塔から排出されて前記吸収塔に供給される吸収液を熱源として、前記吸収塔から排出されて前記再生塔に供給される吸収液を加熱する再生熱交換器と、前記吸収塔から排出された吸収液を前記再生塔へ送り込む第1ポンプと、前記再生塔から排出され、前記再生熱交換器を通過した吸収液を貯留する緩衝タンクと、前記緩衝タンクに貯留されている吸収液を前記吸収塔へ送り込む第2ポンプと、前記再生塔内の温度以上の温度、前記再生塔内の圧力に対応した圧力を有し、前記再生塔内のガスが導かれる第1容器を含み、当該ガスに含まれる複数の成分の濃度を分析する第1ガス分析器と、前記吸収塔内の温度以上の温度、前記吸収塔内の圧力に対応した圧力を有し、前記吸収塔内のガスが導かれる第2容器を含み、当該ガスに含まれる複数の成分の濃度を分析する第2ガス分析器と、前記第1ガス分析器により分析された濃度に基づいて、前記リボイラーへの蒸気流量及び/又は前記第1ポンプの流量を制御し、前記第2ガス分析器により分析された濃度に基づいて、前記吸収塔への前記燃焼排ガス流量及び/又は前記第2ポンプの流量を制御する制御部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、二酸化炭素分離回収システム内の二酸化炭素濃度及び水濃度を正確に計測し、安定的に運転できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る二酸化炭素分離回収システムの概略構成図である。
【図2】再生塔へのガス分析器の連結の一例を示す図である。
【図3】ガス分析器の概略構成図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る二酸化炭素分離回収システムの概略構成図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る二酸化炭素分離回収システムの概略構成図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る二酸化炭素分離回収システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
(第1の実施形態)図1に本発明の第1の実施形態に係る二酸化炭素分離回収システムの概略構成を示す。ここで二酸化炭素分離回収システムは、二酸化炭素を吸収可能な吸収液を用いて、化石燃料の燃焼により生成された燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収するものである。
【0017】
図1に示すように二酸化炭素分離回収システム1は、燃焼排ガス2aに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔3と、吸収塔3から二酸化炭素を吸収した吸収液(以下、リッチ液4aと記す)が供給され、このリッチ液4aを加熱し、吸収液から水蒸気を含む二酸化炭素ガスを放出させて、二酸化炭素ガスと水蒸気とを含む排出ガス2dを排出し、吸収液を再生する再生塔5とを備える。
【0018】
例えば、火力発電所などの発電設備において生成された燃焼排ガス2aが、排ガス導入ライン8を介して吸収塔3の下部に供給され、吸収塔3の頂部から二酸化炭素が取り除かれた燃焼排ガス2bが排出されるようになっている。排ガス導入ライン8に設けられたブロア9は、吸収塔3への燃焼排ガス2aの供給量を調整することができる。
【0019】
吸収塔3は、吸収液が二酸化炭素を吸収することにより生成されたリッチ液4aを貯留する吸収塔スチル(タンク)3aを有する。同様に、再生塔5は、リッチ液4aが二酸化炭素ガスを放出することにより再生された吸収液(以下、リーン液4bと記す)を貯留する再生塔スチル(タンク)5aを有する。
【0020】
ここで、二酸化炭素を吸収可能な吸収液には、例えばアミン化合物を水に溶かしたアミン化合物水溶液が使用される。
【0021】
図1に示すように、再生塔5にはリボイラー6が設けられている。リボイラー6は、発電設備から供給されるプラント蒸気等を熱源として、再生塔スチル5aに貯留されていたリーン液4bの一部を加熱してその温度を上昇させて蒸気を生成し、再生塔5に供給する。リボイラー6への蒸気流量は蒸気バルブ6aにより調節できる。なお、リボイラー6においてリーン液4bを加熱する際、リーン液4bから二酸化炭素ガスが放出され、吸収液蒸気とともに再生塔5に供給される。この吸収液蒸気は、充填層5bを介して再生塔5内を上昇し、リッチ液4aを加熱する。これによりリッチ液4aから二酸化炭素ガスが放出される。充填層5bは、例えば、多孔構造、ハニカム構造等を有するもので構成され、充填層5bを通過する吸収液を撹乱する作用を有するものであればよい。また、再生塔5には塔内の温度や圧力を計測するセンサ(図示せず)が設けられている。
【0022】
再生塔5から排出された二酸化炭素ガスと吸収液蒸気とを含む排出ガス2dは、ガスライン35を通り、ガス冷却器31によって水分凝縮した後、気液分離器32によって二酸化炭素ガスと吸収液成分を含む還流水とに気液分離される。気液分離器32からの二酸化炭素ガス2eは回収二酸化炭素導出ライン33を介して排出され、貯蔵設備(図示せず)で貯蔵される。また、気液分離器32からの還流水は還流ライン34を介して再生塔5に戻される。回収二酸化炭素導出ライン33には、再生塔5内の圧力を調節できる保圧弁36が設けられている。
【0023】
吸収塔3と再生塔5との間に、再生塔5から吸収塔3に供給されるリーン液4bを熱源として、吸収塔3から再生塔5に供給されるリッチ液4aを加熱する再生熱交換器7が設けられ、リーン液4bの熱を回収するように構成されている。ここで、上述したように、再生塔5においてリッチ液4aから二酸化炭素ガスを放出させる際、リッチ液4aはリボイラー6からの高温の蒸気を熱源として加熱される。従って、再生熱交換器7に供給されるリーン液4bの温度は比較的高く、このリーン液4bが熱源として用いられている。
【0024】
吸収塔3と再生熱交換器7との間に、吸収塔タンク3aの底部から再生熱交換器7にリッチ液4aを供給するリッチ液ライン11が連結されている。このリッチ液ライン11に、吸収塔3からのリッチ液4aを再生熱交換器7に送り込むリッチ液ポンプ12が設けられている。
【0025】
再生熱交換器7と再生塔5との間に、再生熱交換器7から再生塔5の上部にリッチ液4aを供給するリッチ液ライン13が連結されている。リッチ液ポンプ12は、再生塔5へのリッチ液4a供給量を調節できる。
【0026】
再生塔5と再生熱交換器7との間に、再生塔タンク5aの底部から再生熱交換器7にリーン液4bを供給するリーン液ライン14が連結されている。このリーン液ライン14に、再生塔5からのリーン液4bを再生熱交換器7に送り込むリーン液ポンプ15が設けられている。リーン液ポンプ15は、再生塔タンク5aの底部から引き抜くリーン液4bの流量を調節できる。
【0027】
再生熱交換器7からのリーン液4bは、緩衝タンク10に貯留される。ポンプ16は緩衝タンク10に貯留されているリーン液4bを吸収塔3の上部へ送り込む。ポンプ16と吸収塔3との間には吸収液冷却器17が設けられている。吸収液冷却器17は、冷却水(冷却媒体)を冷却源として、吸収塔3に供給される吸収液を冷却する。
【0028】
吸収塔3の上部に供給された吸収液は、吸収塔3内において上部から吸収塔タンク3aに向けて下降する。一方、吸収塔3に供給された燃焼排ガス2aは、吸収塔3内において下部から頂部に向けて上昇する。そのため、二酸化炭素を含む燃焼排ガス2aと吸収液とが充填層3bにおいて向流接触(直接接触)し、吸収液が燃焼排ガス2a中の二酸化炭素を吸収し、リッチ液4aが生成される。二酸化炭素が取り除かれた燃焼排ガス2bは、吸収塔3の頂部から排出され、リッチ液4aは吸収塔3の吸収塔タンク3aに貯留される。充填層3bは、例えば、多孔構造、ハニカム構造等を有するもので構成され、充填層3bを通過する吸収液を撹乱する作用を有するものであればよい。
【0029】
吸収塔3頂部から排出された燃焼排ガス2bは、ガス冷却器21によって冷却されて水分凝縮した後、気液分離器22によって排ガスと吸収液成分を含む還流水とに気液分離される。気液分離器22からの排ガス2cは排ガス導出ライン23を介して系外に排出され、還流水は還流ライン24を介して吸収塔3に戻される。また、吸収塔3には塔内の温度や圧力を計測するセンサ(図示せず)が設けられている。
【0030】
再生塔5にはガスライン51を介してガス分析器60が連結されている。ガスライン51は再生塔5内のガスをガス分析器60へ導く。図1では再生塔5にガス分析器60が1つ連結されているが、実際には、図2に示すように異なる高さに複数のガス分析器60が連結される。再生塔5には複数の充填層5bが設けられており、ガスライン51の一端は、充填層5b同士の間や、充填層5bとデミスタ5cとの間に連結される。
【0031】
図3にガス分析器60の概略構成を示す。ガス分析器60は、赤外光源61、赤外光検出部62、レンズ63、反射鏡64、支持部65、チューブ66、67、排ガスライン68、圧力ゲージ69、保圧弁70、ヒータ71〜74及び耐圧容器75を備える。
【0032】
再生塔5内のガスが、ガスライン51及びチューブ66を介して耐圧容器75に送り込まれる。耐圧容器75内のガスはチューブ67及び排ガスライン68を介して外部へ排出できる。排ガスライン68には圧力ゲージ69及び保圧弁70が設けられている。圧力ゲージ69は耐圧容器75内の圧力を示す。耐圧容器75内の圧力は保圧弁70により調整できる。耐圧容器75内の圧力は、再生塔5内の圧力と同程度に調整される。
【0033】
ここで再生塔5内の圧力と同程度の圧力とは、再生塔5内の圧力より僅かに低い圧力とする。再生塔5内のガスを耐圧容器75へ導くためである。耐圧容器75内の圧力を、例えば、再生塔5内の圧力の80〜98%程度とする。
【0034】
ヒータ71及び72は、耐圧容器75を加熱する。ヒータ73、74はそれぞれチューブ66、67を加熱する。耐圧容器75内の温度は、再生塔5内の温度以上に維持される。ヒータはガスライン51や排ガスライン68にも設けるようにしてもよい。ガスライン51を加熱することで、ガスが再生塔5から耐圧容器75に導かれる間に、温度が低下することを防止できる。また、排ガスライン68を加熱することで、排出ガスが凝縮し保圧弁70が詰まることを防止できる。
【0035】
耐圧容器75内の圧力を再生塔5内と同程度とし、温度を再生塔5内より高く保つことで、再生塔5内の気相中の水は凝縮することなく耐圧容器75まで導かれる。従って、耐圧容器75内のガスの気相中水濃度は、再生塔5内のガスライン51連結箇所周辺におけるガスの気相中水濃度と等しくなる。
【0036】
赤外光源61は赤外光を放射する。赤外光源61から放射された赤外光は、フィルタ(図示せず)により所望の波長(周波数)成分のみがレンズ63を通過して耐圧容器75内に入射する。赤外光は、フィルタ(バンドパスフィルタ)により、二酸化炭素又は水の吸収赤外波長に合わせたものとなる。二酸化炭素の吸収赤外波長は約4.26μmであり、水の吸収赤外波長は1.4〜2.0μmである。
【0037】
レンズ63は耐圧容器75の端部に設けられている。耐圧容器75にはレンズ63から一定距離離れた箇所に反射鏡64が設けられている。反射鏡64は支持部65により支持されており、耐圧容器75に入射した赤外光を反射する。反射鏡64により反射された赤外光はレンズ63を介して赤外光検出部62に導かれる。赤外光検出部62は、赤外光の強度を検出し、検出結果を算出部80(図1参照)に通知する。赤外光検出部62は例えばフォトディテクタである。
【0038】
耐圧容器75に二酸化炭素の吸収赤外波長に合わせた赤外光が入射された場合、赤外光検出部62には耐圧容器75内の二酸化炭素濃度に応じて強度が低下した赤外光が導かれる。また、耐圧容器75に水の吸収赤外波長に合わせた赤外光が入射された場合、赤外光検出部62には耐圧容器75内の水濃度に応じて強度が低下した赤外光が導かれる。
【0039】
算出部80は、赤外光検出部62から検出結果が通知され、赤外光の減衰の度合いに基づいて、耐圧容器75内の二酸化炭素濃度及び水濃度を算出する。耐圧容器75内の水濃度が再生塔5内のものと等しいため、耐圧容器75内の二酸化炭素濃度は、再生塔5内の二酸化炭素濃度と等しくなる。このように、赤外光検出部62の検出結果から、再生塔5内の二酸化炭素濃度や水濃度を実時間で、正確に取得できる。
【0040】
制御部81は、算出部80によって算出された再生塔5内の二酸化炭素濃度及び水濃度に基づいて、リボイラー6の入熱量、リーン液ポンプ15の流量、及リッチ液ポンプ12の流量の少なくともいずれか1つを制御する。例えば、水濃度が急上昇した場合、制御部81は蒸気バルブ6aの開度を下げてリボイラー6への蒸気流量を下げ、リボイラー6への入熱量を下げる。また、水濃度が上昇した場合、制御部81はリーン液ポンプ15の流量を上げ、再生塔タンク5aから引き抜かれるリーン液流量を上げることにより、再生塔タンク5a及びリボイラー6のリーン液レベルを下げ、再生塔タンク5aでリーン液から発生する水蒸気量を下げる。また、二酸化炭素濃度が増加した場合、制御部81はリッチ液ポンプ12の流量を下げ、再生塔5へのリッチ液供給量を減らす。
【0041】
再生塔5内気相の二酸化炭素濃度及び水濃度は、運転状態によって大きく変化する。これは、吸収液に含まれる二酸化炭素の量によって吸収液からの水の蒸発が大きく変化することが一因である。特に、二酸化炭素分離回収システムの立ち上げから定常運転への移行時には、リボイラー6によって加熱される再生塔5下部の吸収液は、ある温度、圧力の条件を境に著しい水の沸騰を生じることがある。このような著しい水の沸騰を生じると、再生塔充填層5bを上昇するガス流量が急増することにより、充填層5bの圧力損失が急増し、再生塔5内のガス通流が困難になり、安定的な運転が行えなくなるおそれがある。
【0042】
本実施形態では、再生塔5内ガスの二酸化炭素濃度、水濃度の変化を、ガス分析器60により実時間で、正確に計測できるため、吸収液からの急激な水の沸騰が生じそうな場合にも、その予兆をとらえることができる。制御部81が、リボイラー6の入熱量を下げ、急激な水の沸騰を防止するため、二酸化炭素分離回収システムは安定的に運転を行うことができる。また、制御部81はリーン液ポンプ15の流量を上げ、再生塔タンク5aから引き抜かれるリーン液流量を上げることにより、再生塔タンク5a及びリボイラー6のリーン液レベルを下げ、再生塔タンク5aでリーン液から発生する水蒸気量を下げるため、二酸化炭素分離回収システムは安定的に運転を行うことができる。
【0043】
再生塔5上部から供給されるリッチ液が再生塔5を流下する間に、リッチ液に含まれる二酸化炭素をどれだけ分離し、気相へ移動させられるかが二酸化炭素分離回収システムの性能に大きく影響する。本実施形態では、再生塔5の高さ方向に複数連結されたガス分析器60により、再生塔5内におけるガスの二酸化炭素濃度、水濃度の変化を実時間で、正確に計測することができる。そのため、再生塔5を流下するリッチ液からの二酸化炭素の分離、気相への移動を最適化する運転条件を探索し、二酸化炭素分離回収システムを最も高い性能を引き出す条件のもとに運転することができる。
【0044】
このように、本実施形態では、再生塔5内のガスのサンプル点(ガスライン51連結箇所)と温度及び圧力が同程度である分析点(耐圧容器75)において、ガスの二酸化炭素濃度及び水濃度を正確かつ迅速に測定できる。そして、測定した二酸化炭素濃度及び水濃度に基づいてリボイラー入熱量等の運転条件を制御することで、二酸化炭素分離回収システムを安定的に運転できる。
【0045】
(第2の実施形態)図4に本発明の第2の実施形態に係る二酸化炭素分離回収システムの概略構成を示す。本実施形態は、図1に示す第1の実施形態と比較して、ガス分析器60が再生塔5の塔頂から排出された排出ガス2dの分析を行う点が異なる。図4において、図1に示す第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
ガスライン35における二酸化炭素濃度は、その後の水分凝縮を経て最終的に回収される二酸化炭素濃度となるため、二酸化炭素分離回収システムの性能を示す要素となる。また、排出ガス2dに含まれる水分、アミン等は、その後の二酸化炭素の気液分離処理に影響する。従って、再生塔の塔頂に連結されるガスライン35を流れる排出ガス2dの二酸化炭素濃度、水濃度を分析することは重要である。
【0047】
ガスライン51はガスライン35に連結され、排出ガス2dの一部をガス分析器60に供給する。ガス分析器60及び算出部80は、上記第1の実施形態で説明したのと同様の手法で、排ガス2d中の二酸化炭素濃度及び水濃度を正確かつ迅速に測定する。なお、上記第1の実施形態と同様に、ガス分析器60の耐圧容器75内の温度は再生塔5内の温度以上とし、圧力は再生塔5内の圧力と同程度に調整する。
【0048】
制御部81は、算出部80により算出された二酸化炭素濃度及び水濃度の変化に基づいて、回収される二酸化炭素濃度を最適化する運転条件を探索し、二酸化炭素分離回収システムを最も高い性能を引き出す条件のもとで運転させる。例えば、制御部81は、排ガス2d中の二酸化炭素濃度及び水濃度に基づいて、リボイラー6への蒸気流量、ポンプ12、16の流量、ブロア9の燃焼排ガス2a流量などを調節して、回収される二酸化炭素濃度を最適化する。
【0049】
このように、本実施形態では、排出ガス2dのサンプル点と温度及び圧力が同程度である分析点(耐圧容器75)で、ガスの二酸化炭素濃度及び水濃度を正確かつ迅速に測定できる。そして、測定した二酸化炭素濃度及び水濃度に基づいて運転条件を制御し、二酸化炭素分離回収システムを安定的に運転できる。
【0050】
(第3の実施形態)図5に本発明の第3の実施形態に係る二酸化炭素分離回収システムの概略構成を示す。本実施形態は、図1に示す第1の実施形態と比較して、ガス分析器60が吸収塔3内のガスの分析を行う点が異なる。図5において、図1に示す第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0051】
ガス分析器60の排ガスライン68には圧力調節弁76及び真空ポンプ77が設けられている。一般に、吸収塔3内の圧力はほぼ大気圧に等しい。真空ポンプ77により、吸収塔3内のガスをガス分析器60へ導入する。ガス分析器60の耐圧容器75内の圧力及び温度は、ヒータ71〜74及び圧力調節弁76により、吸収塔3内と同程度の圧力、吸収塔3内より高い温度に保たれる。耐圧容器75内の圧力は、例えば、吸収塔3内の圧力の80〜98%程度とする。
【0052】
吸収塔3内の気相中の水は凝縮することなく耐圧容器75まで導かれる。従って、耐圧容器75内のガスの気相中水濃度は、吸収塔3内のガスライン51連結箇所周辺におけるガスの気相中水濃度と等しくなる。
【0053】
ガス分析器60及び算出部80は、上記第1の実施形態で説明したのと同様の手法で、吸収塔3内ガスの二酸化炭素濃度及び水濃度を求める。
【0054】
図5では吸収塔3にガス分析器60が1つ連結されているが、実際には、異なる高さに複数のガス分析器60が連結される。吸収塔3には高さ方向に複数の充填層3bが設けられており、ガスライン51の一端は、充填層3b同士の間に連結される。
【0055】
アミン系の吸収液の粘度は、含まれる二酸化炭素の濃度によって大きく変化し、二酸化炭素濃度が高いほど吸収液の粘度は高くなる。
【0056】
吸収塔3内の液相および気相中の二酸化炭素濃度は、燃焼排ガス2aの上昇とリーン液の流化に伴う物質交換により、吸収塔3の下部ほど高くなる。吸収液の粘度が上昇すると、吸収液の自然な流化が困難になり、安定的な運転が行えなくなるおそれがある。吸収液中の二酸化炭素濃度の変化を実時間で計測できれば、このような現象の予兆をとらえ、対策をとることができる。しかし、一般に、液中の二酸化炭素濃度は滴定法のような時間のかかる手法によらなければ計測できないため、対策をとることは困難であった。
【0057】
しかし、本実施形態によるガス分析器60によれば、吸収塔3内ガスの二酸化炭素濃度、水濃度の変化を実時間で、正確に計測できる。従って、吸収塔3内の物質移動の類推から吸収液中の二酸化炭素濃度を容易に把握することができ、吸収液の粘度が増加し、吸収液の自然な流化が困難になる現象の予兆をとらえることができる。これにより、例えば、制御部81が、吸収液の流下流量(ポンプ16の流量)、ブロア9の燃焼排ガス流量、ポンプ12の流量などを制御することで、吸収液の自然な流下を保ち、二酸化炭素分離回収システムを安定的に運転できる。
【0058】
また、吸収塔3の高さ方向にガス分析器60を複数設けることで、吸収塔3内におけるガスの二酸化炭素濃度、水濃度の変化を実時間で、かつ正確に計測できる。計測結果を用いて、吸収塔3を上昇する燃焼排ガスからの二酸化炭素の液相への移動を最適化する運転条件を探索し、二酸化炭素分離回収システムを最も高い性能を引き出す条件のもとに運転することができる。
【0059】
このように、本実施形態では、吸収塔3内のガスのサンプル点(ガスライン51連結箇所)と温度及び圧力が同程度である分析点(耐圧容器75)で、ガスの二酸化炭素濃度及び水濃度を正確かつ迅速に測定できる。そして、測定した二酸化炭素濃度及び水濃度に基づいてシステムの運転条件を制御することで、二酸化炭素分離回収システムを安定的に運転できる。
【0060】
(第4の実施形態)図6に本発明の第4の実施形態に係る二酸化炭素分離回収システムの概略構成を示す。本実施形態は、図5に示す第3の実施形態と比較して、ガス分析器60が吸収塔3の塔頂から排出された燃焼排ガス2bの分析を行う点が異なる。図6において、図5に示す第3の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0061】
燃焼排ガス2bの二酸化炭素濃度は、回収される二酸化炭素の残余の濃度となるため、二酸化炭素分離回収システムの性能を示す要素となる。
【0062】
ガスライン51は燃焼排ガス2bの一部をガス分析器60に導く。ガス分析器60及び算出部80は、上記第1の実施形態で説明したのと同様の手法で、燃焼排ガス2b中の二酸化炭素濃度及び水濃度を正確かつ迅速に測定する。なお、ガス分析器60の耐圧容器75内の温度は吸収塔3内の温度より高く、圧力は吸収塔3内と同程度に調整される。
【0063】
制御部81は、算出部80により算出された二酸化炭素濃度及び水濃度の変化に基づいて、回収される二酸化炭素濃度を最適化する運転条件を探索し、二酸化炭素分離回収システムを最も高い性能を引き出す条件のもとで運転させる。例えば、制御部81は、燃焼排ガス2b中の二酸化炭素濃度及び水濃度に基づいて、リボイラー6への蒸気流量、ポンプ12、16の流量、吸収塔3への燃焼排ガス2a流量などを調節して、回収される二酸化炭素濃度を最適化する。
【0064】
このように、本実施形態では、燃焼排ガス2bのサンプル点と温度及び圧力が同程度である分析点(耐圧容器75)で、ガスの二酸化炭素濃度及び水濃度を正確かつ迅速に測定できる。そして、測定した二酸化炭素濃度及び水濃度に基づいて運転条件を制御し、二酸化炭素分離回収システムを安定的に運転できる。
【0065】
上記実施形態では、ガス分析器60は二酸化炭素濃度及び水濃度を分析対象としていたが、同様の計測手法で、その他の成分の濃度を求めることもできる。その場合、ガス分析器60のフィルタにより、測定対象の成分に対応した吸収赤外波長の赤外光が耐圧容器75に入射される。
【0066】
上記実施形態のガス分析器60において、赤外光検出部62は赤外光の反射光の強度を検出していたが、耐圧容器75を透過した透過光の強度を検出するようにしてもよい。
【0067】
上記実施形態において、ガス分析器60に、固体電解質型の電気化学式センサを用いてもよい。固体電解質には、例えばLiイオン伝導体である炭酸リチウムを用いることができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 二酸化炭素分離回収システム
3 吸収塔
5 再生塔
6 リボイラー
7 再生熱交換器
60 ガス分析器
80 算出部
81 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させ、二酸化炭素を含む吸収液を排出する吸収塔と、
前記吸収塔から排出された吸収液が供給され、当該吸収液から水蒸気を含む二酸化炭素ガスを除去し、当該吸収液を再生して排出する再生塔と、
前記再生塔に連結され、前記再生塔内の吸収液を加熱するリボイラーと、
前記吸収塔と前記再生塔との間に設けられ、前記再生塔から排出されて前記吸収塔に供給される吸収液を熱源として、前記吸収塔から排出されて前記再生塔に供給される吸収液を加熱する再生熱交換器と、
前記吸収塔から排出された吸収液を前記再生塔へ送り込む第1ポンプと、
前記再生塔から排出され、前記再生熱交換器を通過した吸収液を貯留する緩衝タンクと、
前記緩衝タンクに貯留されている吸収液を前記吸収塔へ送り込む第2ポンプと、
前記再生塔内の温度以上の温度、前記再生塔内の圧力に対応した圧力を有し、前記再生塔内のガスが導かれる容器を含み、当該ガスに含まれる複数の成分の濃度を分析するガス分析器と、
前記ガス分析器により分析された濃度に基づいて、前記リボイラーへの蒸気流量及び/又は前記第1ポンプの流量を制御する制御部と、
を備える二酸化炭素分離回収システム。
【請求項2】
前記ガス分析器を複数備え、
前記複数のガス分析器はそれぞれ前記再生塔の異なる高さに連結されることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素分離回収システム。
【請求項3】
前記容器に導かれるガスは、前記再生塔の塔頂部から排出されたガスであることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素分離回収システム。
【請求項4】
燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させ、二酸化炭素を含む吸収液を排出する吸収塔と、
前記吸収塔から排出された吸収液が供給され、当該吸収液から水蒸気を含む二酸化炭素ガスを除去し、当該吸収液を再生して排出する再生塔と、
前記再生塔に連結され、前記再生塔内の吸収液を加熱するリボイラーと、
前記吸収塔と前記再生塔との間に設けられ、前記再生塔から排出されて前記吸収塔に供給される吸収液を熱源として、前記吸収塔から排出されて前記再生塔に供給される吸収液を加熱する再生熱交換器と、
前記吸収塔から排出された吸収液を前記再生塔へ送り込む第1ポンプと、
前記再生塔から排出され、前記再生熱交換器を通過した吸収液を貯留する緩衝タンクと、
前記緩衝タンクに貯留されている吸収液を前記吸収塔へ送り込む第2ポンプと、
前記吸収塔内の温度以上の温度、前記吸収塔内の圧力に対応した圧力を有し、前記吸収塔内のガスが導かれる容器を含み、当該ガスに含まれる複数の成分の濃度を分析するガス分析器と、
前記ガス分析器により分析された濃度に基づいて、前記吸収塔への前記燃焼排ガス流量及び/又は前記第2ポンプの流量を制御する制御部と、
を備える二酸化炭素分離回収システム。
【請求項5】
前記ガス分析器を複数備え、
前記複数のガス分析器はそれぞれ前記吸収塔の異なる高さに連結されることを特徴とする請求項4に記載の二酸化炭素分離回収システム。
【請求項6】
前記容器に導かれるガスは、前記吸収塔の塔頂部から排出されたガスであることを特徴とする請求項4に記載の二酸化炭素分離回収システム。
【請求項7】
燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させ、二酸化炭素を含む吸収液を排出する吸収塔と、
前記吸収塔から排出された吸収液が供給され、当該吸収液から水蒸気を含む二酸化炭素ガスを除去し、当該吸収液を再生して排出する再生塔と、
前記再生塔に連結され、前記再生塔内の吸収液を加熱するリボイラーと、
前記吸収塔と前記再生塔との間に設けられ、前記再生塔から排出されて前記吸収塔に供給される吸収液を熱源として、前記吸収塔から排出されて前記再生塔に供給される吸収液を加熱する再生熱交換器と、
前記吸収塔から排出された吸収液を前記再生塔へ送り込む第1ポンプと、
前記再生塔から排出され、前記再生熱交換器を通過した吸収液を貯留する緩衝タンクと、
前記緩衝タンクに貯留されている吸収液を前記吸収塔へ送り込む第2ポンプと、
前記再生塔内の温度以上の温度、前記再生塔内の圧力に対応した圧力を有し、前記再生塔内のガスが導かれる第1容器を含み、当該ガスに含まれる複数の成分の濃度を分析する第1ガス分析器と、
前記吸収塔内の温度以上の温度、前記吸収塔内の圧力に対応した圧力を有し、前記吸収塔内のガスが導かれる第2容器を含み、当該ガスに含まれる複数の成分の濃度を分析する第2ガス分析器と、
前記第1ガス分析器により分析された濃度に基づいて、前記リボイラーへの蒸気流量及び/又は前記第1ポンプの流量を制御し、前記第2ガス分析器により分析された濃度に基づいて、前記吸収塔への前記燃焼排ガス流量及び/又は前記第2ポンプの流量を制御する制御部と、
を備える二酸化炭素分離回収システム。
【請求項8】
前記ガス分析器は、前記容器内のガスの二酸化炭素濃度及び水濃度を分析することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の二酸化炭素分離回収システム。
【請求項9】
前記ガス分析器は、
前記容器へ赤外光を放射する光源と、
前記容器内を伝播した赤外光の強度を検出する検出部と、
前記検出部により検出された強度に基づいて前記容器内のガスに含まれる成分の濃度を算出する算出部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の二酸化炭素分離回収システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−177684(P2011−177684A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46625(P2010−46625)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】