説明

付け爪、認証装置及び認証システム

【課題】従来よりセキュリティを強化することができる付け爪を提供する。
【解決手段】ドアロックシステム10は、装着者90の親指91の指紋の画像データを記憶した非接触型ICチップ31を有する付け爪30と、認証装置40とを備え、認証装置40は、親指91の指紋を読み取る指紋読取センサ41と、親指91に付けられた付け爪30の非接触型ICチップ31から指紋の画像データを読み取るチップ読取装置42と、装着者90の認証を行う指紋データ照合装置43とを有し、チップ読取装置42は、指紋読取センサ41によって指紋が読み取られるときの非接触型ICチップ31と通信可能な位置に配置され、指紋データ照合装置43は、指紋読取センサ41によって親指91から読み取られた指紋の画像データと、チップ読取装置42によって非接触型ICチップ31から読み取られた指紋の画像データとが一致していることを認証の要件とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型IC(Integrated Circuit)チップを有した付け爪に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ICチップを有した付け爪として、特定の個人を識別することができるものが提案されている(例えば、特許文献1−3参照。)。ICチップを有した付け爪は、装着者に常に一体化されているので、ICチップを有したカードと比較して、利用者による紛失や持ち忘れなどを抑制することができる。
【特許文献1】特開2000−311194号公報
【特許文献2】特開2003−6039号公報
【特許文献3】特開2006−92256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の技術においては、付け爪が盗難されるなどして他人に悪用される恐れがあるという問題があった。
【0004】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、従来よりセキュリティを強化することができる付け爪を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の付け爪は、指に付けられるための付け爪であって、前記指の指紋のデータを記憶したICチップを有することを特徴とする。
【0006】
この構成により、本発明の付け爪は、指紋によって持ち主を認証することができるので、従来よりセキュリティを強化することができる。
【0007】
また、本発明の付け爪の前記ICチップは、非接触型であることが好ましい。
【0008】
この構成により、本発明の付け爪は、ICチップが接触型である構成と比較して、端子を表面に出す必要がないので、ファッション性を向上することができる。
【0009】
また、本発明の付け爪の前記ICチップは、前記指紋のデータ以外に識別情報を記憶することが好ましい。
【0010】
この構成により、本発明の付け爪は、指紋による認証が成功したときに指紋のデータ以外の識別情報が使用されることが可能であり、汎用性を向上することができる。
【0011】
また、本発明の認証装置は、指の指紋を読み取る指紋読取部と、前記指に付けられた前記付け爪の前記ICチップからデータを読み取るIC読取部と、認証を行う認証部とを有する認証装置であって、前記IC読取部は、前記指紋読取部によって前記指紋が読み取られるときの前記ICチップと通信可能な位置に配置され、前記認証部は、前記指紋読取部によって前記指から読み取られた前記指紋のデータと、前記IC読取部によって前記ICチップから読み取られた前記指紋のデータとが一致していることを前記認証の要件の少なくとも1つとすることを特徴とする。
【0012】
この構成により、本発明の認証装置は、指紋によって付け爪の持ち主を認証することができるので、従来よりセキュリティを強化することができる。
【0013】
また、本発明の認証装置は、指の指紋を読み取る指紋読取部と、前記指に付けられた前記付け爪の前記ICチップからデータを読み取るIC読取部と、認証を行う認証部とを有し、前記IC読取部によって前記ICチップから読み取られた前記識別情報を前記認証が成功したときに出力する認証装置であって、前記IC読取部は、前記指紋読取部によって前記指紋が読み取られるときの前記ICチップと通信可能な位置に配置され、前記認証部は、前記指紋読取部によって前記指から読み取られた前記指紋のデータと、前記IC読取部によって前記ICチップから読み取られた前記指紋のデータとが一致していることを前記認証の要件の少なくとも1つとすることを特徴とする。
【0014】
この構成により、本発明の認証装置は、指紋による認証が成功したときに指紋のデータ以外の識別情報を出力することが可能であり、汎用性を向上することができる。
【0015】
また、本発明の認証システムは、前記付け爪と、前記認証装置とを有することを特徴とする。
【0016】
この構成により、本発明の認証システムは、指紋によって付け爪の持ち主を認証することができるので、従来よりセキュリティを強化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来よりセキュリティを強化することができる付け爪を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る認証システムとしてのドアロックシステムの構成について説明する。
【0020】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るドアロックシステム10は、図示していない住居のドア20と、装着者90の親指91の指紋の画像データを記憶した非接触型ICチップ31を有して親指91に付けられた付け爪30と、ドア20に取り付けられて付け爪30の装着者90の認証を行う認証装置40とを備えている。
【0021】
ドア20は、室外側に取り付けられた取っ手21と、取っ手21と離隔した状態で室外側に取り付けられた突出部22と、側面に設けられて内部に入り込むことによって図示していないドア枠の図示していない穴から出てドア20を解錠するドアロック23と、室内側に取り付けられてドアロック23によるドア20の解錠の制御を行うドアロック制御装置24とを備えている。
【0022】
ドアロック制御装置24は、住居の全ての居住者のIDを記憶している。
【0023】
また、非接触型ICチップ31は、親指91の指紋の画像データ以外に、識別情報として装着者90のIDを記憶している。
【0024】
認証装置40は、取っ手21のうち突出部22と対向する部分に設けられて親指91の指紋を読み取る指紋読取部としての指紋読取センサ41と、突出部22のうち指紋読取センサ41と対向する部分に設けられて親指91に付けられた付け爪30の非接触型ICチップ31から指紋の画像データを読み取るIC読取部としてのチップ読取装置42と、室内側でドア20に取り付けられて装着者90の認証を行う認証部としての指紋データ照合装置43とを有している。
【0025】
チップ読取装置42は、指紋読取センサ41によって親指91の指紋が読み取られるときの非接触型ICチップ31と通信可能な位置に配置されている。
【0026】
指紋データ照合装置43は、指紋読取センサ41によって親指91から読み取られた指紋の画像データと、チップ読取装置42によって非接触型ICチップ31から読み取られた指紋の画像データとが一致していることを認証の要件としている。
【0027】
次に、ドアロックシステム10の動作について説明する。
【0028】
付け爪30の装着者90によって取っ手21が掴まれるなどして装着者90の親指91が指紋読取センサ41に触れると、指紋データ照合装置43は、図3に示すように、指紋読取センサ41によって親指91から指紋の画像データを読み取った後(S61)、チップ読取装置42によって非接触型ICチップ31から指紋の画像データを読み取り(S62)、S61において親指91から読み取った指紋の画像データと、S62において非接触型ICチップ31から読み取った指紋の画像データとが一致しているか否かを判断する(S63)。
【0029】
指紋データ照合装置43は、2つの指紋の画像データが一致していないとS63において判断すると、図3に示す処理を終了する。
【0030】
一方、指紋データ照合装置43は、2つの指紋の画像データが一致しているとS63において判断すると、チップ読取装置42によって非接触型ICチップ31から装着者90のIDを読み取った後(S64)、読み取ったIDをドアロック制御装置24に送信して(S65)、図3に示す処理を終了する。
【0031】
ドアロック制御装置24は、指紋データ照合装置43からIDが送信されると、図4に示すように、指紋データ照合装置43から送信された装着者90のIDが、予め記憶している居住者のIDに含まれているか否かを判断する(S71)。
【0032】
ドアロック制御装置24は、装着者90のIDが居住者のIDに含まれていないとS71において判断すると、図4に示す処理を終了する。
【0033】
一方、ドアロック制御装置24は、装着者90のIDが居住者のIDに含まれているとS71において判断すると、ドアロック23をドア20内に入り込ませることによってドア枠の穴からドアロック23を出してドア20を解錠し(S72)、図4に示す処理を終了する。
【0034】
装着者90は、ドア20が解錠されると、ドア20を開けて住居の中に入ることができる。
【0035】
以上に説明したように、ドアロックシステム10は、指紋によって付け爪30の持ち主である装着者90を認証することができるので、従来よりセキュリティを強化することができる。したがって、ドアロックシステム10は、例えば付け爪30が紛失されたとしても安心である。付け爪は、一般的に消耗品であり、一度に複数個作成されることもあるので、紛失等に強いことは非常に有効である。
【0036】
また、ドアロックシステム10は、付け爪30が付けられている親指91の指紋の画像データを非接触型ICチップ31が記憶しており、指紋読取センサ41によって親指91の指紋が読み取られるときの非接触型ICチップ31と通信可能な位置にチップ読取装置42が配置されているので、指紋読取センサ41によって親指91から指紋の画像データを読み取るときに、チップ読取装置42によって非接触型ICチップ31から指紋の画像データを読み取ることも同時に実行することができる。
【0037】
また、ドアロックシステム10は、指紋による認証が成功したときに指紋データ照合装置43からドアロック制御装置24に装着者90のIDを出力することが可能であるので、指紋データ照合装置43からドアロック制御装置24に親指91の指紋の画像データを出力する場合と比較して、ドアロック制御装置24の記憶容量を低減することができる。
【0038】
また、ドアロックシステム10は、指紋による認証が成功したときに指紋データ照合装置43からドアロック制御装置24に親指91の指紋の画像データ以外の識別情報を出力することが可能であるので、指紋データ照合装置43からドアロック制御装置24に親指91の指紋の画像データを出力する場合と比較して、汎用性を向上することができる。即ち、ドアロックシステム10は、認証装置40の代わりに例えばカードキーの読取装置がドア20に取り付けられている場合に、カードキーの読取装置がカードキーから読み取ってドアロック制御装置24に出力する識別情報と同一の識別情報を付け爪30の非接触型ICチップ31が記憶し、その識別情報を認証装置40がドアロック制御装置24に出力するようにすれば、カードキーの読取装置と、認証装置40とを交換するだけで簡単に構築することができる。
【0039】
なお、ドアロックシステム10は、ドアロック制御装置24が装着者90のIDではなく親指91の指紋の画像データによってドア20の解錠を許可するか否かを判断するようになっていても良い。その場合、ドアロックシステム10は、付け爪30の非接触型ICチップ31に装着者90のIDが記憶されていなくても良い。
【0040】
また、ドアロックシステム10は、ドア20の解錠の許可を行うようになっているが、同様の方法によって、ドア20の施錠の許可を行うようになっていても良い。
【0041】
(第2の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る認証システムとしての改札システムの構成について説明する。
【0042】
図5及び図6に示すように、本実施の形態に係る改札システム110は、駅に設置された自動改札機120と、装着者190の指191の指紋の画像データを記憶した非接触型ICチップ131を有して指191に付けられた付け爪130と、自動改札機120に取り付けられて付け爪130の装着者190の認証を行う認証装置140とを備えている。
【0043】
自動改札機120は、側面に設けられて装着者190の通路を開閉するドア121と、内部に設けられてドア121の開閉の制御などを行う改札制御装置122とを備えている。
【0044】
改札制御装置122は、利用者のIDを記憶している。
【0045】
また、非接触型ICチップ131は、指191の指紋の画像データ以外に、識別情報として装着者190のIDを記憶している。また、非接触型ICチップ131は、運賃の利用可能額や、乗車駅などのデータも記憶可能になっている。
【0046】
認証装置140は、自動改札機120の上部に設けられて指191の指紋を読み取る指紋読取部としての指紋読取センサ141と、自動改札機120の上部に設けられて指191に付けられた付け爪130の非接触型ICチップ131から指紋の画像データを読み取るIC読取部としてのチップ読書装置142と、自動改札機120の内部に設けられて装着者190の認証を行う認証部としての指紋データ照合装置143とを有している。
【0047】
チップ読書装置142は、指紋読取センサ141によって指191の指紋が読み取られるときの非接触型ICチップ131と通信可能な位置に配置されている。
【0048】
指紋データ照合装置143は、指紋読取センサ141によって指191から読み取られた指紋の画像データと、チップ読書装置142によって非接触型ICチップ131から読み取られた指紋の画像データとが一致していることを認証の要件としている。
【0049】
次に、改札システム110の動作について説明する。
【0050】
乗車駅の改札に入る装着者190の指191が指紋読取センサ141に触れると、指紋データ照合装置143は、第1の実施の形態に係る指紋データ照合装置43(図2参照。)と同様に、指紋読取センサ141によって指191から読み取った指紋の画像データと、チップ読書装置142によって非接触型ICチップ131から読み取った指紋の画像データとが一致している場合に、チップ読書装置142によって非接触型ICチップ131から読み取った装着者190のIDを改札制御装置122に送信する。
【0051】
改札制御装置122は、指紋データ照合装置143からIDが送信されると、図7に示すように、指紋データ照合装置143から送信された装着者190のIDが、予め記憶している利用者のIDに含まれているか否かを判断する(S171)。
【0052】
改札制御装置122は、装着者190のIDが利用者のIDに含まれていないとS171において判断すると、アラーム音やランプの点灯などによって報知し(S172)、図7に示す処理を終了する。
【0053】
一方、改札制御装置122は、装着者190のIDが利用者のIDに含まれているとS171において判断すると、乗車駅の情報をチップ読書装置142によって非接触型ICチップ131に書き込んだ後(S173)、ドア121を開いて(S174)、図7に示す処理を終了する。
【0054】
装着者190は、ドア121が開かれると、乗車駅の改札を通過して電車に乗って降車駅に到着することができる。
【0055】
降車駅の改札から出る装着者190の指191が指紋読取センサ141に触れると、指紋データ照合装置143は、第1の実施の形態に係る指紋データ照合装置43(図2参照。)と同様に、指紋読取センサ141によって指191から読み取った指紋の画像データと、チップ読書装置142によって非接触型ICチップ131から読み取った指紋の画像データとが一致している場合に、チップ読書装置142によって非接触型ICチップ131から読み取った装着者190のIDを改札制御装置122に送信する。
【0056】
そして、改札制御装置122は、指紋データ照合装置143からIDが送信されると、図8に示すように、チップ読書装置142によって非接触型ICチップ131から乗車駅の情報と、利用可能額とを読み取った後(S181)、読み取った乗車駅の情報を使用して降車駅までの運賃を計算して(S182)、S181において読み取った利用可能額がS182において計算した運賃以上であるか否かを判断する(S183)。
【0057】
改札制御装置122は、利用可能額が運賃未満であるとS183において判断すると、アラーム音やランプの点灯などによって報知し(S184)、図8に示す処理を終了する。
【0058】
一方、改札制御装置122は、利用可能額が運賃以上であるとS183において判断すると、S181において読み取った利用可能額からS182において計算した運賃を差し引いた新たな利用可能額をチップ読書装置142によって非接触型ICチップ131に書き込んだ後(S185)、ドア121を開いて(S186)、図8に示す処理を終了する。
【0059】
装着者190は、ドア121が開かれると、降車駅の改札を通過して駅から出ることができる。
【0060】
以上に説明したように、改札システム110は、指紋によって付け爪130の持ち主である装着者190を認証することができるので、従来よりセキュリティを強化することができる。したがって、改札システム110は、例えば付け爪130が紛失されたとしても安心である。付け爪は、一般的に消耗品であり、一度に複数個作成されることもあるので、紛失等に強いことは非常に有効である。
【0061】
また、改札システム110は、付け爪130が付けられている指191の指紋の画像データを非接触型ICチップ131が記憶しており、指紋読取センサ141によって指191の指紋が読み取られるときの非接触型ICチップ131と通信可能な位置にチップ読書装置142が配置されているので、指紋読取センサ141によって指191から指紋の画像データを読み取るときに、チップ読書装置142によって非接触型ICチップ131から指紋の画像データを読み取ることも同時に実行することができる。
【0062】
また、改札システム110は、指紋による認証が成功したときに指紋データ照合装置143から改札制御装置122に装着者190のIDを出力することが可能であるので、指紋データ照合装置143から改札制御装置122に指191の指紋の画像データを出力する場合と比較して、改札制御装置122の記憶容量を低減することができる。
【0063】
また、改札システム110は、指紋による認証が成功したときに指紋データ照合装置143から改札制御装置122に指191の指紋の画像データ以外の識別情報を出力することが可能であるので、指紋データ照合装置143から改札制御装置122に指191の指紋の画像データを出力する場合と比較して、汎用性を向上することができる。即ち、改札システム110は、認証装置140の代わりに例えばICカードの読取装置が自動改札機120に取り付けられている場合に、ICカードの読取装置がICカードから読み取って改札制御装置122に出力する識別情報と同一の識別情報を付け爪130の非接触型ICチップ131が記憶し、その識別情報を認証装置140が改札制御装置122に出力するようにすれば、ICカードの読取装置と、認証装置140とを交換するだけで簡単に構築することができる。
【0064】
なお、改札システム110は、改札制御装置122が装着者190のIDではなく指191の指紋の画像データによって利用者か否かの判断を行うようになっていても良い。その場合、改札システム110は、付け爪130の非接触型ICチップ131に装着者190のIDが記憶されていなくても良い。
【0065】
(第3の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る認証システムとしてのATM(Automated Teller Machine)システムの構成について説明する。
【0066】
図9及び図10に示すように、本実施の形態に係るATMシステム210は、コンビニや銀行などに設置されたATM220と、装着者290の指291の指紋の画像データを記憶した非接触型ICチップ231を有して指291に付けられた付け爪230と、ATM220に取り付けられて付け爪230の装着者290の認証を行う認証装置240と、ネットワーク211を介してATM220と通信を行うサーバー250とを備えている。
【0067】
ATM220は、正面に設けられたタッチパネル221と、タッチパネル221の横側に設けられて人間の指が挿入されるための指挿入穴222と、タッチパネル221の下側に設けられて金銭の出し入れが行われるための金銭出入口223と、内部に設けられてATM220の制御を行うATM制御装置224とを備えている。
【0068】
非接触型ICチップ231は、指291の指紋の画像データ以外に、識別情報として装着者290のIDを記憶している。
【0069】
認証装置240は、指挿入穴222内の下部に設けられて指291の指紋を読み取る指紋読取部としての指紋読取センサ241と、指挿入穴222内の指紋読取センサ241と対向する部分に設けられて指291に付けられた付け爪230の非接触型ICチップ231から指紋の画像データを読み取るIC読取部としてのチップ読取装置242と、ATM220の内部に設けられて装着者290の認証を行う認証部としての指紋データ照合装置243とを有している。
【0070】
チップ読取装置242は、指紋読取センサ241によって指291の指紋が読み取られるときの非接触型ICチップ231と通信可能な位置に配置されている。
【0071】
指紋データ照合装置243は、指紋読取センサ241によって指291から読み取られた指紋の画像データと、チップ読取装置242によって非接触型ICチップ231から読み取られた指紋の画像データとが一致していることを認証の要件としている。
【0072】
サーバー250は、利用者のIDと、暗証番号とを記憶している。
【0073】
次に、ATMシステム210の動作について説明する。
【0074】
装着者290の指291が指挿入穴222内に挿入されて指紋読取センサ241に触れると、指紋データ照合装置243は、第1の実施の形態に係る指紋データ照合装置43(図2参照。)と同様に、指紋読取センサ241によって指291から読み取った指紋の画像データと、チップ読取装置242によって非接触型ICチップ231から読み取った指紋の画像データとが一致している場合に、チップ読取装置242によって非接触型ICチップ231から読み取った装着者290のIDをATM制御装置224に送信する。
【0075】
ATM制御装置224は、指紋データ照合装置243からIDが送信されると、図11に示すように、タッチパネル221に画像を表示するなどして装着者290にタッチパネル221への暗証番号の入力を要求し(S271)、暗証番号が入力されるまで待機する(S272)。
【0076】
装着者290がタッチパネル221によって暗証番号を入力すると、ATM制御装置224は、指紋データ照合装置243から送信された装着者290のIDと、S271において取得した暗証番号とをサーバー250に送信し(S273)、取り引きの許可又は不許可をサーバー250から指示されるまで待機する(S274)。
【0077】
ここで、サーバー250は、ATM制御装置224から送信された装着者290のID及び暗証番号の組み合わせが、予め記憶している利用者のID及び暗証番号の組み合わせに含まれているか判断する。そして、サーバー250は、装着者290のID及び暗証番号の組み合わせが利用者のID及び暗証番号の組み合わせに含まれている場合に、取り引きの許可をATM制御装置224に指示する。一方、サーバー250は、装着者290のID及び暗証番号の組み合わせが利用者のID及び暗証番号の組み合わせに含まれていない場合に、取り引きの不許可をATM制御装置224に指示する。
【0078】
ATM制御装置224は、取り引きの許可又は不許可についての指示をサーバー250から受けると、サーバー250から受けた指示が取り引きの許可であるか否かを判断する(S275)。
【0079】
ATM制御装置224は、サーバー250から受けた指示が取り引きの不許可であるとS275において判断すると、取り引きが不許可である旨をタッチパネル221に表示して(S276)、図11に示す処理を終了する。
【0080】
一方、ATM制御装置224は、サーバー250から受けた指示が取り引きの許可であるとS275において判断すると、サーバー250と通信を行いながらタッチパネル221や金銭出入口223の動作を制御して入金や出金などの取り引きを装着者290と行って(S277)、図11に示す処理を終了する。
【0081】
以上に説明したように、ATMシステム210は、指紋によって付け爪230の持ち主である装着者290を認証することができるので、従来よりセキュリティを強化することができる。したがって、ATMシステム210は、例えば付け爪230が紛失されたとしても安心である。付け爪は、一般的に消耗品であり、一度に複数個作成されることもあるので、紛失等に強いことは非常に有効である。
【0082】
また、ATMシステム210は、付け爪230が付けられている指291の指紋の画像データを非接触型ICチップ231が記憶しており、指紋読取センサ241によって指291の指紋が読み取られるときの非接触型ICチップ231と通信可能な位置にチップ読取装置242が配置されているので、指紋読取センサ241によって指291から指紋の画像データを読み取るときに、チップ読取装置242によって非接触型ICチップ231から指紋の画像データを読み取ることも同時に実行することができる。
【0083】
また、ATMシステム210は、指紋による認証が成功したときに指紋データ照合装置243からATM制御装置224に装着者290のIDを出力することが可能であるので、指紋データ照合装置243からATM制御装置224に指291の指紋の画像データを出力してATM制御装置224からサーバー250に指紋の画像データが送信される場合と比較して、サーバー250の記憶容量を低減することができる。
【0084】
また、ATMシステム210は、指紋による認証が成功したときに指紋データ照合装置243からATM制御装置224に指291の指紋の画像データ以外の識別情報を出力することが可能であるので、指紋データ照合装置243からATM制御装置224に指291の指紋の画像データを出力する場合と比較して、汎用性を向上することができる。即ち、ATMシステム210は、認証装置240の代わりに例えばキャッシュカードの読取装置がATM220に取り付けられている場合に、キャッシュカードの読取装置がキャッシュカードから読み取ってATM制御装置224に出力する識別情報と同一の識別情報を付け爪230の非接触型ICチップ231が記憶し、その識別情報を認証装置240がATM制御装置224に出力するようにすれば、キャッシュカードの読取装置と、認証装置240とを交換するだけで簡単に構築することができる。
【0085】
なお、ATMシステム210は、ATM制御装置224が装着者290のIDではなく指291の指紋の画像データによって取り引きの許可又は不許可をサーバー250に問うようになっていても良い。その場合、ATMシステム210は、付け爪230の非接触型ICチップ231に装着者290のIDが記憶されていなくても良い。
【0086】
以上の各実施の形態において、付け爪のICチップは、非接触型のICチップであったので、接触型のICチップのように端子を表面に出さなくても良く、接触型のICチップと比較してファッション性を向上することができるが、もちろん接触型のICチップであっても良い。また、指紋読取センサは、接触式の指紋センサであったが、もちろん非接触式の指紋センサであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るドアロックシステムの側面図
【図2】図1に示すドアロックシステムのブロック図
【図3】図1に示すドアロックシステムの指紋データ照合装置の動作のフローチャート
【図4】図1に示すドアロックシステムのドアロック制御装置の動作のフローチャート
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る改札システムの斜視図
【図6】図5に示す改札システムのブロック図
【図7】乗車駅での図5に示す改札システムの改札制御装置の動作のフローチャート
【図8】降車駅での図5に示す改札システムの改札制御装置の動作のフローチャート
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るATMシステムの斜視図
【図10】図9に示すATMシステムのブロック図
【図11】図9に示すATMシステムのATM制御装置の動作のフローチャート
【符号の説明】
【0088】
10 ドアロックシステム(認証システム)
30 付け爪
31 非接触型ICチップ
40 認証装置
41 指紋読取センサ(指紋読取部)
42 チップ読取装置(IC読取部)
43 指紋データ照合装置(認証部)
91 親指
110 改札システム(認証システム)
130 付け爪
131 非接触型ICチップ
140 認証装置
141 指紋読取センサ(指紋読取部)
142 チップ読書装置(IC読取部)
143 指紋データ照合装置(認証部)
191 指
210 ATMシステム(認証システム)
230 付け爪
231 非接触型ICチップ
240 認証装置
241 指紋読取センサ(指紋読取部)
242 チップ読取装置(IC読取部)
243 指紋データ照合装置(認証部)
291 指


【特許請求の範囲】
【請求項1】
指に付けられるための付け爪であって、
前記指の指紋のデータを記憶したICチップを有することを特徴とする付け爪。
【請求項2】
前記ICチップは、非接触型であることを特徴とする請求項1に記載の付け爪。
【請求項3】
前記ICチップは、前記指紋のデータ以外に識別情報を記憶することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の付け爪。
【請求項4】
指の指紋を読み取る指紋読取部と、前記指に付けられた請求項1又は請求項2に記載の前記付け爪の前記ICチップからデータを読み取るIC読取部と、認証を行う認証部とを有する認証装置であって、
前記IC読取部は、前記指紋読取部によって前記指紋が読み取られるときの前記ICチップと通信可能な位置に配置され、
前記認証部は、前記指紋読取部によって前記指から読み取られた前記指紋のデータと、前記IC読取部によって前記ICチップから読み取られた前記指紋のデータとが一致していることを前記認証の要件の少なくとも1つとすることを特徴とする認証装置。
【請求項5】
指の指紋を読み取る指紋読取部と、前記指に付けられた請求項2に記載の前記付け爪の前記ICチップからデータを読み取るIC読取部と、認証を行う認証部とを有し、前記IC読取部によって前記ICチップから読み取られた前記識別情報を前記認証が成功したときに出力する認証装置であって、
前記IC読取部は、前記指紋読取部によって前記指紋が読み取られるときの前記ICチップと通信可能な位置に配置され、
前記認証部は、前記指紋読取部によって前記指から読み取られた前記指紋のデータと、前記IC読取部によって前記ICチップから読み取られた前記指紋のデータとが一致していることを前記認証の要件の少なくとも1つとすることを特徴とする認証装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の前記付け爪と、請求項4に記載の前記認証装置とを有することを特徴とする認証システム。
【請求項7】
請求項3に記載の前記付け爪と、請求項5に記載の前記認証装置とを有することを特徴とする認証システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−46922(P2008−46922A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222614(P2006−222614)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(306027840)
【Fターム(参考)】