位相比較器及び位相比較器を有する半導体装置
【課題】 位相比較器の位相差の検出精度を高めることである。
【解決手段】 位相差信号生成回路24は、エッジ検出フラグ生成回路22で検出される比較対象信号COMP1の立ち上がりに同期した信号と、エッジ検出フラグ生成回路23で検出される比較対象信号COMP2の立ち上がりに同期した信号から比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号C_SIGNALをトライステートバッファ12の制御端子に出力する。ステータス管理回路25は、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2位相の進みまたは遅れに応じた信号A_SIGNALをトライステートバッファ12の入力端子に出力する。
【解決手段】 位相差信号生成回路24は、エッジ検出フラグ生成回路22で検出される比較対象信号COMP1の立ち上がりに同期した信号と、エッジ検出フラグ生成回路23で検出される比較対象信号COMP2の立ち上がりに同期した信号から比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号C_SIGNALをトライステートバッファ12の制御端子に出力する。ステータス管理回路25は、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2位相の進みまたは遅れに応じた信号A_SIGNALをトライステートバッファ12の入力端子に出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相比較器及びその位相比較器が搭載された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PLL(Phase Locked Loop)回路では、基準周波数信号と制御対象信号の位相差を検出する位相比較器と、その位相比較器から出力されるUP信号、DOWN信号により直列に接続されたトランジスタがオン、オフされるチャージポンプと、ローパスフィルタ等が用いられる。
【0003】
特許文献1には、上記のPLL回路において、周波数位相比較器の出力パルスの幅を検出するパルス幅検出回路を設け、さらにチャージポンプのpチャネルMOSトランジスタとnチャネルMOSトランジスタを2個並列に接続して、チャージポンプのドライブ能力を大きくすることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2の発明は、上記特許文献1の発明を改良したものであり、位相誤差信号により出力電流特性を制御するものである。
特許文献3には、従来、2個の位相比較器を使用していたものを、2つの比較入力信号を切り換える回路を設けることで1つの位相比較器で電圧制御発振器の出力信号との位相差を検出できるようにすることが記載されている。
【0005】
図13は、特許文献3の発明の位相比較器の回路を簡略化した回路である。以下、この位相比較器のUP信号とDOWN信号を生成する回路について説明する。
D型フリップフロップFF1のクロック端子に比較対象信号Aが入力し、D型フリップフロップFF2のクロック端子に比較対象信号Bが入力している。
【0006】
比較対象信号Aがクロック信号として入力するD型フリップフロップFF1の反転Q出力(以下、Qバー出力という)とD型フリップフロップFF2のQバー出力は、ORゲートOR1に入力し、その出力はORゲートOR2に入力している。そして、そのORゲートOR2の出力と、D型フリップフロップFF1の出力QとがANDゲートAND1に入力している。このANDゲートAND1の出力信号は、チャージポンプの電源側のトランジスタをオンさせるUP信号として出力される。
【0007】
比較対象信号Bがクロック信号として入力するD型フリップフロップFF2のQ出力は、ANDゲートAND2に入力し、そのANDゲートAND2の他方の入力端子には、上述したORゲートOR2の出力信号が入力している。このANDゲートAND2の出力信号は、チャージポンプの接地側のトランジスタをオンさせるDOWN信号として出力される。
【0008】
ところで、図13に示すようなUP信号とDOWN信号を出力する非同期式の位相比較器を半導体集積回路上に形成した場合、位相比較器を構成する論理回路の配線長によりUP信号またはDOWN信号に遅延が生じ、チャージポンプの2個のトランジスタを同時にオンさせるような信号が出力され、2個のトランジスタに貫通電流が流れる可能性がある。貫通電流が流れると半導体集積回路のリーク電流が増加することになる。
【0009】
また、図13に示す位相比較器は、比較対象信号AがD型フリップフロップFF1と、2個のORゲートOR1、OR2と、ANDゲート1を通ってUP信号として出力されており、論理回路の段数が多いために遅延時間が大きくなっている。位相比較器内部の遅延時間が増加すると、位相差の検出精度が低下しPLL回路のロックタイムが長くなる。
【特許文献1】特開平4−241520号公報
【特許文献2】特開2001−7699号公報
【特許文献3】特開平3−101517号公報(特公平7−36515)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、位相比較器の位相差の検出精度を高めることである。また、他の課題は、出力側のチャージポンプ等の貫通電流を減らすことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の位相比較器は、第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える。
【0012】
例えば、第1及び第2のエッジ検出回路は、図5のエッジ検出フラグ生成回路22に対応する。また、位相差信号生成回路は、図5の位相差信号生成回路24に対応し、ステータス管理回路は、図5のステータス管理回路25に対応する。
【0013】
この発明によれば、位相比較器の回路を簡素化することで回路内部での信号の遅延を少なくし、比較対象信号の位相差の検出精度を高めることができる。
また、トライステート回路を出力側に使用することで貫通電流を減らし、回路のリーク電流を少なくできる。
【0014】
上記の位相比較器の他の態様は、前記第1または第2のエッジ検出回路は、第1の比較対象信号の立ち上がりに同期したタイミングで、自己の反転出力信号を保持する保持回路からなる。例えば、保持回路は、図5のD型フリップフロップFF11に対応する。
【0015】
このように構成することで、比較対象信号の立ち上がりエッジに同期した信号を生成することができる。
上記のステータス管理回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応した信号をトライステート回路の入力端子に出力する。
【0016】
このように構成することで、例えば、第1の比較対象信号の位相が第2の比較対象信号の位相に対して進んでいるか、あるいは遅れているかを示す信号を出力することができる。
【0017】
上記の位相比較器の他の態様は、前記ステータス管理回路は、第2の比較対象信号を反転した信号と第1の比較対象信号との論理和を取る第1のOR回路と、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の論理和を取る第2のOR回路と、前記第1のOR回路の出力信号を前記第2のOR回路の出力信号に同期したタイミングで保持する保持回路とからなる。
【0018】
このように構成することで、簡単な回路構成でステータス管理回路を構成できる。
上記の位相比較器の他の態様は、前記位相差信号生成回路は、前記第1のエッジ検出回路の検出信号の立ち上がりと前記第2のエッジ検出回路の検出信号の立ち上がりに同期して信号の状態が変化する信号を出力する。
【0019】
このように構成することで、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を生成することができる。
上記の位相比較器の他の態様は、前記ステータス管理回路は、第1のエッジ検出回路の検出信号の反転信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号の論理積を取る第1のAND回路と、前記第1のエッジ検出回路の検出信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号の反転信号の論理積を取る第2のAND回路と、前記第1及び第2のAND回路の出力信号の論理和を取るOR回路とからなる。
【0020】
このように構成することで、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号を生成することができる。
図1は、本発明の他の位相比較器の原理説明図である。図1において、第1のエッジ検出回路1は、第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出し、第2のエッジ検出回路2は、第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する。状態出力回路3は、前記第1及び第2のエッジ検出回路1,2の検出信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路5の制御端子に出力する。ステータス管理回路4は、前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた信号をトライステート回路5の入力端子に出力する。
【0021】
例えば、第1及び第2のエッジ検出回路1,2は、図8のエッジ検出回路32,33に対応し、状態出力回路3は、図8のステートマシン34及び位相差信号生成回路35に対応し、ステータス管理回路4は、図8のステータス管理回路36に対応し、トライステート回路5は、図8のトライステートバッファ12に対応する。
【0022】
この発明によれば、同期設計の位相比較器において、位相比較器の回路を簡素化して回路内部の信号の遅延を少なし、比較対象信号の位相差の検出精度を高めることができる。また、トライステート回路を出力側に使用することで貫通電流を減らし、回路のリーク電流を少なくできる。
【0023】
上記の発明の他の態様は、前記状態出力回路は、前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、少なくとも第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を出力する。
【0024】
このように構成することで、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を出力することができる。
上記の発明の他の態様は、前記状態出力回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号との位相差がないときには、前記トライステート回路をハイインピーダンスにする信号を前記トライステートバッファの制御端子に出力し、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号に位相差があるときには、位相差に応じた期間導通させる信号を前記トライステートバッファの制御端子に出力すると共に、前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた状態信号を前記ステータス管理回路に出力する。
【0025】
このように構成することで、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた期間トライステート回路を導通状態にし、位相差がないときには、トライステート回路をハイインピーダンスの状態に設定できる。これにより、トライステート回路のリーク電流を少なくできる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、位相比較器の回路を簡素化することで内部の信号の遅延を減らし、比較対象信号の位相差の検出精度を高めることができる。また、トライステート回路を出力側に使用することで貫通電流を減らし、回路のリーク電流を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図2は、実施の形態の位相比較器11と3stateバッファ(トライステートバッファ)12を示す図である。
この位相比較器11は、例えば、電圧制御発振器等の発振周波数を制御するPLL(Phase Locked Loop)回路に用いられ、半導体集積回路上に形成される。
【0028】
図2において、位相比較器11は、比較対象信号COMP1(第1の比較対象信号に対応する)と、比較対象信号COMP2(第2の比較対象信号に対応する)と、クロック信号(CLK)と、リセット信号(RESET)の入力端子を有する。また、位相比較器11は、トライステートバッファ12の制御端子に信号C_SIGNALを供給する出力端子と、トライステートバッファ12の入力端子に信号A_SIGNALを供給する出力端子とを有する。
【0029】
この位相比較器11の機能を、図3のタイミングチャートを参照して説明する。
比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、位相比較器11から、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差分の期間ハイレベルの信号C_SIGNAL(コントロール入力)がトライステートバッファ12の制御端子に出力される。このとき、位相比較器11か、ハイレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力される。
【0030】
従って、信号C_SIGNALがハイレベルの期間、トライステートバッファ12は導通状態となり、その間出力端子からハイレベルの信号が出力される。
他方、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、位相比較器11から位相差分の期間ハイレベルの信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に出力される。このとき、位相比較器11から、ローレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力される。
【0031】
従って、信号C_SIGNALがハイレベルの期間、トライステートバッファ12は導通状態となり、その間トライステートバッファ12の出力端子からローレベルの信号が出力される。
【0032】
なお、信号C_SIGNALがローレベルの間は、トライステートバッファ12の出力はハイインピーダンスとなる。
次に、図4は、トライステートバッファ12の一例を示す図である。図4において、位相比較器11から出力される信号A_SIGNALは、電源VDDと接地間に直列に接続されたpチャネルMOSトランジスタTR1とnチャネルMOSトランジスタTR2のゲートに入力されている。pチャネルMOSトランジスタTR1とnチャネルMOSトランジスタTR2の接続点は、次段のpチャネルMOSトランジスタTR3とnチャネルMOSトランジスタTR4のゲートに接続されている。
【0033】
このpチャネルMOSトランジスタTR3とnチャネルMOSトランジスタTR4の接続点は、並列に接続されたnチャネルMOSトランジスタTR5のドレインとpチャネルMOSトランジスタTR6のソースに接続されている。そして、位相比較器11から出力される信号C_SIGNALが、pチャネルMOSトランジスタTR5のゲートに供給され、その信号をインバータINV1で反転した信号がpチャネルMOSトランジスタTR6のゲートに供給されている。
【0034】
従って、信号C_SIGNALがハイレベルで、かつ信号A_SIGNALがハイレベルの期間、期待値出力としてハイレベルの信号が出力され、信号C_SIGNALがローレベルとなると、期待値出力はハイインピーダンスとなる。また、信号C_SIGNALがハイレベルで、かつ信号A_SIGNALがローレベルの期間、期待値出力としてローレベルの信号が出力される。
【0035】
次に、図5は、非同期設計位相比較器21の回路ブロック図である。図5において、エッジ検出フラグ生成回路22は、比較対象信号COMP1の立ち上がりエッジを検出し、比較対象信号COMP1の立ち上がりに同期した検出信号を位相差信号生成回路24に出力する。
【0036】
エッジ検出フラグ生成回路23は、比較対象信号COMP2の立ち上がりエッジを検出し、比較対象信号COMP2の立ち上がりに同期した検出信号を位相差信号生成回路24に出力する。
【0037】
位相差信号生成回路24は、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号C_SIGNALをトライステートバッファ12の制御端子に出力する。
【0038】
ステータス管理回路25は、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2と一方の信号を基準とした位相の進みまたは遅れに応じた信号A_SIGNALを、トライステートバッファ12の入力端子に出力する。
【0039】
次に、図6は、非同期設計位相比較器21の回路の一例を示す図である。
エッジ検出フラグ生成回路22は、D入力端子が反転出力(以下、Qバー出力という)に接続されたD型フリップフロップFF11からなる。このD型フリップフロップFF11のクロック端子には比較対象信号COMP1が入力している。
【0040】
エッジ検出フラグ生成回路23は、D入力端子がQバー出力に接続されたD型フリップフロップFF12からなる。このD型フリップフロップFF12のクロック端子には比較対象信号COMP2が入力している。
【0041】
位相差信号生成回路24は、2個のAND回路AND11,12と、それらのAND回路11,12の出力が入力されるOR回路OR11とからなる。AND回路AND11には、D型フリップフロップFF11のQバー出力(以下、Q1バー出力という)と、D型フリップフロップFF12のQ出力(以下、Q2出力という)が入力している。また、AND回路AND12には、D型フリップフロップFF12のQバー出力(Q2バー出力)と、D型フリップフロップFF11のQ出力(Q1出力)が入力している。そして、OR回路OR11から、それらの信号の論理和を取った信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に出力される。
【0042】
ステータス管理回路25は、インバータINV11と2個のOR回路OR12、OR13と、D型フリップフロップFF13とからなる。
OR回路OR12は、比較対象信号COMP2をインバータINV11で反転した信号と、比較対象信号COMP1との論理和を取った信号をD型フリップフロップFF13のD入力端子に出力する。また、OR回路OR13は、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の論理和を取った信号をD型フリップフロップFF13のクロック端子に供給する。D型フリップフロップFF13は、D入力端子に入力するOR回路OR12の出力信号を、OR回路OR13の出力信号の立ち上がりに同期したタイミングでラッチし、ラッチした信号を信号A_SIGNALとしてトライステートバッファ12の入力端子に出力する。
【0043】
ここで、図6の非同期設計位相比較器21の回路動作を、図7のタイミングチャートを参照して説明する。なお、図7には、従来の位相比較器から出力されるUP信号とDOWN信号も併せて示してある。従来の位相比較器では、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相に対して進んでいるときには、UP信号が出力され、遅れているときにはDOWN信号が出力される。
【0044】
最初に、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合の非同期設計位相比較器21の動作を説明する。
初期状態において、エッジ検出フラグ生成回路22のD型フリップフロップFF11のQ1出力がローレベルに設定されているとすると、クロック端子に供給される比較対象信号COMP1の立ち上がりエッジで、Q1出力はハイレベルに変化し、比較対象信号COMP1の次の立ち上がりエッジでローレベルに変化する。
【0045】
同様に、初期状態において、D型フリップフロップFF12のQ2出力がローレベルに設定されているとすると、クロック端子に供給される比較対象信号COMP2の立ち上がりエッジで、Q2出力はハイレベルに変化し、比較対象信号COMP2の次の立ち上がりエッジでローレベルとなる。
【0046】
AND回路AND12の出力は、D型フリップフロップFF11のQ1出力がハイレベルで、かつD型フリップフロップFF2のQ2バー出力がハイレベルの期間のみハイレベルとなる。よって、OR回路11から出力される信号C_SIGNALは、図7に示すように、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差分の期間ハイレベルとなる信号となる。
【0047】
このとき、ステータス管理回路25のOR回路OR12の出力は、比較対象信号COMP1がハイレベルであるのでハイレベルとなり、そのハイレベルの信号がD型フリップフロップFF13のD入力端子に出力される。このとき、OR回路OR13の出力は、比較対象信号COMP1の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、その信号がD型フリップフロップFF13のクロック端子に出力される。
【0048】
よって、ステータス管理回路25のD型フリップフロップFF13のQ出力からは、ハイレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力される。
【0049】
従って、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相に対して進んでいる場合には、図7に示すように、位相比較器21からハイレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力され、かつ比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差分の期間だけハイレベルとなる信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に供給される。これにより、信号C_SIGNALがハイレベルの期間だけトライステートバッファ12の出力はハイレベル、つまり電源電位となる。トライステートバッファ12の出力が電源電位となると、例えば、トライステートバッファ12に接続されるPLL回路のコンデンサがチャージされる。その後、信号C_SIGNALがローレベルとなると、トライステートバッファ12の出力はハイインピーダンスとなる。
【0050】
次に、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相に対して進んでいる場合(比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より遅れている場合)について説明する。
【0051】
この場合、D型フリップフロップFF12のQ2出力は、比較対象信号COMP2の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、比較対象信号COMP2の次の立ち上がりエッジでローレベルとなる。一方、D型フリップフロップFF11のQ1バー出力は、比較対象信号COMP1の立ち上がりエッジでローレベルとなる。
【0052】
従って、位相差信号生成回路24からは、比較対象信号COMP2の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、比較対象信号COMP1の立ち上がりエッジでローレベルとなる信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に出力される。
【0053】
このとき、ステータス管理回路35のD型フリップフロップFF13のD入力はローレベルであるので、比較対象信号COMP2の立ち上がりエッジに同期して、D入力信号がラッチされる。そして、そのローレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力される。
【0054】
従って、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、図7に示すように、位相比較器21からローレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力され、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差分の期間だけハイレベルとなる信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に出力される。よって、位相差分の期間だけトライステートバッファ12の出力はローレベル、つまり接地電位となる。これにより、例えば、トライステートバッファ12に接続されるPLL回路のコンデンサがディスチャージされる。そして、信号C_SIGNALがローレベルとなると、トライステートバッファ12の出力はハイインピーダンスとなる。
【0055】
上述した非同期設計位相比較器によれば、回路構成を簡素にし、論理回路での信号の遅延を少なくできるので、比較対象信号の位相差の検出精度を高めることができる。また、出力側にトライステートバッファ12を用いることで貫通電流が流れるのを防止できる。
【0056】
次に、図8は、同期設計位相比較器31の回路ブロック図である。図8において、エッジ検出回路32は、比較対象信号COMP1をクロック信号に同期したタイミングで検出し、検出信号をステートマシン34に出力する。
【0057】
エッジ検出回路33は、比較対象信号COMP2をクロック信号に同期したタイミングで検出し、検出信号をステートマシン34に出力する。
ステートマシン34は、エッジ検出回路32から出力される検出信号に基づいて比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に応じた信号を位相差信号生成回路35に出力すると共に、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相の進みまたは遅れを示す状態信号をステータス管理回路36に出力する。
【0058】
ステータス管理回路36は、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の信号位相の進みまたは遅れに応じてハイレベルまたはローレベルとなる信号A_SIGNALをトライステートバッファ12の入力端子に出力する。
【0059】
図9は、比較対象信号COMP1、COMP2と、トライステートバッファ12の出力を示す図である。
比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、図9に示すように、比較対象信号COMP1がハイレベルの期間で、かつクロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期したタイミングで、トライステートバッファ12の出力がハイレベル(電源電位)となる。そして、比較対象信号COMP2がハイレベルの期間で、クロック信号の立ち上がりエッジに同期したタイミングで、トライステートバッファ12の出力がハイインピーダンスとなる。
【0060】
また、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より遅れている場合には、図9に示すように比較対象信号COMP2がハイレベルの期間で、かつクロック信号の立ち上がりエッジに同期したタイミングで、トライステートバッファ12の出力がローレベル(接地電位)となる。そして、比較対象信号COMP1がハイレベルの期間で、かつクロック信号の立ち上がりエッジに同期したタイミングで、トライステートバッファ12の出力がハイインピーダンスとなる。
【0061】
次に、図10は、同期設計位相比較器31の回路図である。図10において、エッジ検出回路32は、比較対象信号COMP1がD入力端子に入力するD型フリップフロップFF21と、そのD型フリップフロップFF21のQ出力がD入力端子に入力するD型フリップフロップFF22と、D型フリップフロップFF21のQ出力とD型フリップフロップFF22のQバー出力とが入力するAND回路AND21とからなる。
【0062】
このエッジ検出回路32のD型フリップフロップFF21は、比較対象信号COMP1をクロック信号CLKの立ち上がりエッジでラッチする。D型フリップフロップFF22は、そのラッチした信号をクロック信号の次の立ち上がりエッジでラッチする。AND回路AND21は、D型フリップフロップFF21のQ出力と、D型フリップフロップFF22のQバー出力の論理積を取った信号を検出信号gとして出力する。
【0063】
従って、AND回路AND21からは、比較対象信号COMP1がハイレベルとなったとき、クロック信号の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、次のクロック信号の立ち上がりエッジでローレベルとなる検出信号gが出力される。
【0064】
エッジ検出回路32は、エッジ検出回路32と同一の回路で構成されており、2個のD型フリップフロップFF23、FF24と、AND回路AND22からなる。
このエッジ検出回路33のAND回路AND22からは、比較対象信号COMP2がハイレベルとなったとき、クロック信号の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、次のクロック信号の立ち上がりエッジでローレベルとなる検出信号hが出力される。
【0065】
エッジ検出回路32の検出信号gは、ステートマシン34のOR回路OR21と、インバータINV21と、3入力NAND回路NAND24に入力している。
NAND回路NAND21の一方の入力にはインバータ21の出力が入力し、他方の入力には、D型フリップフロップFF25のQ出力が入力している。このD型フリップフロップFF25のQ出力はインバータINV22を介して3入力NAND回路NAND23及びNAND24にも入力している。
【0066】
NAND回路NAND21の出力は、NAND回路NAND22に入力し、さらに、状態信号dとしてステータス管理回路36へ出力されている。
NAND回路NAND22の出力は、D型フリップフロップFF25のD入力端子に入力している。D型フリップフロップFF25は、D入力端子に入力する信号を、クロック信号の立ち上がりエッジでラッチし、ラッチした信号を信号flag1として位相差信号生成回路35に出力する。
【0067】
NAND回路NAND22の他方の入力には、3入力OR回路21の出力が入力している。3入力OR回路OR21には、上述したエッジ検出回路32の検出信号gと、エッジ検出回路33の検出信号hをインバータINV24で反転した信号と、D型フリップフロップFF26のQ出力とが入力している。
【0068】
3入力NAND回路NAND23には、D型フリップフロップFF25のQ出力をインバータINV22で反転した信号と、エッジ検出回路33の検出信号hを反転した信号と、D型フリップフロップFF26のQ出力とが入力している。この3入力NAND回路NAND23の出力は、3入力NAND回路NAND25に入力し、さらに、状態信号cとしてステータス管理回路36に出力されている。
【0069】
3入力NAND回路NAND25の出力は、D型フリップフロップFF26のD入力端子に入力している。D型フリップフロップFF26は、クロック信号の立ち上がりエッジでD入力端子の入力信号をラッチし、ラッチした信号を信号flag2として位相差信号生成回路35に出力する。この信号flag2は、状態信号fとしてステータス管理回路36に出力されている。
【0070】
3入力NAND回路NAND25の他の入力には、3入力NAND回路NAND24の出力と、OR回路OR22の出力が入力している。OR回路OR22には、上述したNAND回路NAND21の出力と、D型フリップフロップFF26のQ出力をインバータINV23で反転した信号が入力する。
【0071】
3入力NAND回路NAND24には、エッジ検出回路32の検出信号gと、D型フリップフロップFF25のQ出力をインバータINV22で反転した信号と、エッジ検出回路33の検出信号hをインバータINV24で反転した信号とが入力する。このNAND回路NAND24の出力は、状態信号eとしてステータス管理回路36に出力されている。
【0072】
位相差信号生成回路35は、排他論理和回路EXOR21で構成されており、ステートマシン34から出力される信号flag1とflag2の排他論理和を取った信号を信号C_SIGNALとしてトライステートバッファ12の制御端子に出力する。
【0073】
なお、位相差信号生成回路35の排他論理和回路EXOR21をステートマシン34に組み入れ、それらを1つのステートマシン34として構成しても良い。
ステータス管理回路36のインバータINV25には、ステートマシン34から出力される状態信号dが入力し、インバータINV26には、状態信号cが入力している。インバータINV25及び26の出力は、OR回路OR23に入力し、OR回路OR23の出力はNAND回路NAND26に入力している。NAND回路NAND26の出力は、NAND回路NAND27に入力している。
【0074】
OR回路OR24には、ステートマシン34から出力される状態信号eと状態信号fが入力し、その出力はNAND回路NAND27に入力している。
D型フリップフロップFF27は、NAND回路NAND27の出力信号を、クロック信号の立ち上がりエッジでラッチし、ラッチしたQ出力信号を信号A_SIGNALとしてトライステートバッファ12の入力端子に出力する。また、Q出力をNAND回路NAND26に出力する。
【0075】
次に、以上のような構成の同期設計位相比較器31の動作を、図11のタイミングチャートを参照して説明する。
最初に、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合(比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2に対して遅れている場合)のステートマシン31の動作を説明する。
【0076】
この場合、エッジ検出回路33からは、比較対象信号COMP2のハイレベルの期間に、クロック信号の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、次のクロック信号の立ち上がりエッジでローレベルとなる検出信号hが出力される。このときエッジ検出回路32の検出信号gはローレベルとなっている。
【0077】
エッジ検出回路33の検出信号hがローレベルからハイレベルに変化すると、その信号がインバータINV24で反転され、ローレベルの信号として3入力OR回路OR21に入力する。このとき、3入力OR回路OR21の他の2つの入力はローレベルになっているので、そのときOR回路OR21の出力はローレベルに変化する。
【0078】
OR回路OR21の出力がローレベルに変化すると、NAND回路NAND22の出がハイレベルに変化する。なお、NAND回路NAND22の出力は、比較対象信号COMP1、COMP2の位相差がないときにはローレベルとなっている。
【0079】
NAND回路NAND22の出力はD型フリップフロップFF25のD入力端子に入力しているので、NAND回路NAND22の出力がハイレベルとなると、そのハイレベルの信号がクロック信号の立ち上がりエッジでラッチされ、D型フリップフロップFF25のQ出力がハイレベルに変化する。
【0080】
比較対象信号COMP2と比較対象信号COMP1の位相差分の時間が経過して比較対象信号COMP1がハイレベルに変化すると、その信号の変化がエッジ検出回路32で検出され、検出信号gがハイレベルに変化する。その結果、NAND回路NAND21の出力がハイレベルに変化し、NAND回路NAND22の出力がローレベルに変化する。D型フリップフロップFF25のD入力端子の入力信号がローレベルに変化すると、そのローレベルの信号が次のクロック信号の立ち上がりエッジでラッチされ、Q出力(信号flag1)がローレベルに変化する。
【0081】
すなわち、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、比較対象信号COMP2と比較対象信号COMP1の位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号flag1がステートマシン34から排他論理和回路EXOR21に出力される(図11参照)。このとき、D型フリップフロップFF26のQ出力はローレベルを維持するので、信号flag2はローレベルを維持する。
【0082】
従って、排他論理和回路EXOR21からは、図11に示すように、比較対象信号COMP2と比較対象信号COMP1の位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号C_SIGNALが出力される。このハイレベルの信号C_SIGNALにより、トライステートバッファ12は導通状態となる。
【0083】
次に、上記の場合に、ステートマシン34からステータス管理回路36に出力される状態信号c,d,e,fについて説明する。
エッジ検出回路33の検出信号gが変化しても、3入力NAND回路NAND23の出力はハイレベルのまま変化しない。このとき、状態信号cは、図11に示すように、ハイレベルを維持する。
【0084】
D型フリップフロップFF25のQ出力がハイレベルに変化すると、NAND回路NAND21の出力がローレベルに変化する。このとき、状態信号dは、図11に示すように、信号flag1がハイレベルの期間だけローレベルとなる。
【0085】
エッジ検出回路33の検出信号が変化しても、3入力NAND回路NAND24の出力はハイレベルのまま変化しないので、状態信号eは、図11に示すように、ハイレベルの状態を維持する。
【0086】
また、D型フリップフロップFF26のQ出力、すなわち、信号flag2はローレベルのまま変化しないので、状態信号fは、図11に示すようにローレベルを維持する。
次に、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合のステータス管理回路36の動作を説明する。
【0087】
状態信号c、dがハイレベルのとき、ステータス管理回路36のOR回路OR23の出力はローレベル、NAND回路NAND26の出力はハイレベルとなっている。また、状態信号eがハイレベルで、状態信号fがローレベルのとき、OR回路OR24の出力はハイレベルになっている。このとき、D型フリップフロップFF27のQ出力はローレベルになっている。
【0088】
この状態で、状態信号dがローレベルに変化しても、NAND回路NAND26の出力はハイレベルを維持するので、D型フリップフロップFF27のQ出力である信号A_SIGNALはローレベルを維持する。
【0089】
従って、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、図11に示すように、ステータス管理回路36から出力される信号A_SIGNALはローレベルとなる。
【0090】
以上のことから、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、位相差信号生成回路35からは、位相差に対応する期間だけハイレベルの信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に出力され、同時に、ステータス管理回路36から、ローレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力される。これにより、トライステートバッファ12からはローレベルの信号が出力される。
【0091】
次に、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合のステートマシン34の動作を説明する。
この場合、比較対象信号COMP1のハイレベルの期間に、クロック信号の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、次のクロック信号の立ち上がエッジでローレベルとなる検出信号gがエッジ検出回路32から出力される。このとき、エッジ検出回路33の検出信号hはローレベルとなっている。
【0092】
エッジ検出回路32の検出信号gがハイレベルに変化すると、3入力NAND回路NAND24の入力がハイレベルに変化し、その出力がローレベルに変化する。3入力NAND回路NAND24の出力がローレベルに変化すると、3入力NAND回路NAND25の出力がハイレベルに変化する。この3入力NAND回路NAND25の出力は、D型フリップフロップFF26のD入力端子に入力しているので、そのハイレベルの信号がクロック信号の立ち上がりエッジでラッチされ、D型フリップフロップFF26のQ出力、つまり、信号flag2がハイレベルに変化する。
【0093】
D型フリップフロップFF26のQ出力がハイレベルに変化すると、3入力NAND回路NAND23の入力が全てハイレベルとなり、その出力がローレベルとなる。そして、NAND回路NAND25の出力がハイレベルとなり、D型フリップフロップFF26のQ出力はハイレベルを維持する。
【0094】
次に、比較対象信号COMP2と比較対象信号COMP1の位相差分の時間が経過して比較対象信号COMP2がハイレベルに変化すると、その信号の変化がエッジ検出回路33で検出され、検出信号hがハイレベルに変化する。
【0095】
検出信号hがハイレベルになると、3入力NAND回路NAND23の出力がハイレベルに、NAND回路NAND25の出力、つまりD型フリップフロップFF26のD入力信号がローレベルに変化し、D型フリップフロップFF26のQ出力がローレベルとなる。これにより、信号flag2がローレベルに変化する。
【0096】
従って、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、ステートマシン34からは、図11に示すように、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に対応する期間ハイレベルとなる信号flag2が出力される。このとき信号flag1はローレベルを維持する。
【0097】
これにより、排他論理和回路EXOR21からは、図11に示すように、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2と位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号C_SIGNALが出力される。このハイレベルの信号C_SIGNALによりトライステートバッファ12は導通状態となる。
【0098】
次に、上記の場合に、ステートマシン34からステータス管理回路36に出力される状態信号c,d,e,fについて説明する。
最初に状態信号eについて説明する。エッジ検出回路32の検出信号gが1クロック周期の間ハイレベルに変化すると、3入力NAND回路NAND24の出力はローレベルに変化し、検出信号gがローレベルとなるとハイレベルに変化する。
【0099】
従って、3入力NAND回路NAND24の出力信号である状態信号eは、図11に示すように、エッジ検出回路32の検出信号gがハイレベルの期間だけローレベルとなる。
状態信号fは、上述したD型フリップフロップFF26の出力信号flag2と同じ信号であり、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に応じた期間ハイレベルとなる。
【0100】
状態信号cは、3入力NAND回路NAND23の出力信号と同じ信号であり、通常ハイレベルになっている。3入力NAND回路NAND23の出力は、D型フリップフロップFF26の出力信号flag2がハイレベルに変化すると、ローレベルに変化する。そして、エッジ検出回路33の検出信号hがハイレベルに変化したときハイレベルに変化する。また、状態信号dは、図11に示すようにハイレベルを維持する。
【0101】
次に、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合のステータス管理回路36の動作を説明する。
状態信号eがローレベルに変化すると、OR回路OR24の出力がローレベルに変化し、D型フリップフロップFF27のD入力信号がハイレベルに変化する。そのハイレベルの入力信号がクロック信号の立ち上がりエッジでラッチされ、Q出力信号A_SIGNALがハイレベルに変化する。
【0102】
次に、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差分の時間が経過して、エッジ検出回路33の検出信号hがハイレベルに変化すると、状態信号cがハイレベルになり、OR回路OR23の出力がローレベルに変化する。これにより、NAND回路NAND26の出力がハイレベルになる。また、NAND回路NAND27の出力がローレベルに変化し、そのローレベルの信号がクロック信号の立ち上がりエッジでD型フリップフロップFF27にラッチされる。その結果、D型フリップフロップFF27のQ出力信号A_SIGNALはローレベルに変化する。
【0103】
従って、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、ステータス管理回路36からは、図11に示すように、位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号A_SIGNALが出力される。
【0104】
以上のことから、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、位相差信号生成回路35から位相差に対応する期間だけハイレベルの制御信号C_SIGNALが、トライステートバッファ12の制御端子に出力される、また、ステータス管理回路36からハイレベルの信号A_SIGNALが、トライステートバッファ12の入力端子に出力される。これにより、トライステートバッファ12からは、2つの比較対象信号の位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号が出力される。
【0105】
なお、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相が一致している場合には、信号flag1,flag2は共にローレベルとなり、状態信号c、d,eはハイレベル、状態信号fはローレベルになる。
【0106】
従って、排他論理和回路EXOR21の出力はローレベルとなり、ステータス管理回路36の出力はローレベルとなる。よって、トライステートバッファ12の出力はハイインピーダンスとなる。
【0107】
ここで、図12の状態遷移図を参照してステートマシン34の状態について説明する。
比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差がないときには、エッジ検出回路32,33から同時に検出信号g、hが出力されるので信号flag1,flag2は共にローレベルを維持する。
【0108】
比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、比較対象信号COMP2がローレベルからハイレベルに変化したとき、クロック信号の立ち上がりエッジでエッジ検出回路33の検出信号hがハイレベル(”1”)に変化する。そのときエッジ検出回路32の検出信号gはローレベル(”0”)のままであるので、ステートマシン34から出力される信号flag1はハイレベル、信号flag2はローレベルとなる。そして、エッジ検出回路32で比較対象信号COMP1の変化が検出され、検出信号gがハイレベル(”1”)に変化すると、信号flag1がローレベルに変化する。
【0109】
次に、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、比較対象信号COMP1がローレベルからハイレベルに変化したとき、クロック信号の立ち上がりエッジでエッジ検出回路32の検出信号gがハイレベル(”1”)に変化する。そのときエッジ検出回路33の検出信号gはローレベル(”0”)のままである。その結果、ステートマシン34からは、ローレベルの信号flag1と、ハイレベルの信号flag2が出力される。
【0110】
2つの信号の位相差分の時間が経過して、エッジ検出回路33で比較対象信号COMP2の変化が検出され、検出信号hがハイレベル(”1”)に変化すると、信号flag2がローレベルに変化する。
【0111】
上述した同期設計位相比較器31によれば、論理段数の少ない回路構成で、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に対応する信号C_SIGNALと、比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じてハイレベルまたはローレベルとなる信号A_SIGNALを生成し、トライステートバッファ12に供給することができる。この同期設計位相比較器は論理回路の構成を簡素にできるので、位相比較器内部での信号遅延を少なくし、位相差の検出精度を高めることができる。さらに、トライステートバッファ12を使用することで、チャージポンプのトランジスタに貫通電流が流れるの防止できる。これにより、回路のリーク電流を減らすことができる。
【0112】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
非同期設計位相比較器及び同期設計位相比較器の回路は、実施の形態に示した回路に限らず、トライステート回路に目的の信号を供給できる回路であればどのような論理回路の構成でも良い。
【0113】
また、ステートマシン34からステータス管理回路36に出力する状態信号は4周類の信号に限らず、それより少ない信号数であっても良い。あるいは、ステートマシン34から状態信号を供給するのではなく、ステータス管理回路36が、エッジ検出回路32,33から出力される検出信号に基づいて比較対象信号の位相の進みまたは遅れを判定するようにしても良い。
【0114】
位相比較器が制御する回路は、トライステートバッファ12に限らず、ハイインピーダンスを含む3つの状態を切り換えることのできる回路であれば良い。
(付記1) 第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【0115】
(付記2) 前記第1または第2のエッジ検出回路は、第1の比較対象信号の立ち上がりに同期したタイミングで、自己の反転出力信号を保持する第1の保持回路からなる付記1記載の位相比較器。
【0116】
(付記3) 上記のステータス管理回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応した信号をトライステート回路の入力端子に出力する付記1または2記載の位相比較器。
【0117】
(付記4) 前記ステータス管理回路は、第2の比較対象信号を反転した信号と第1の比較対象信号との論理和を取る第1のOR回路と、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の論理和を取る第2のOR回路と、前記第1のOR回路の出力信号を前記第2のOR回路の出力信号に同期したタイミングで保持する保持回路とからなる付記1、2または3記載の位相比較回路。
【0118】
(付記5) 前記位相差信号生成回路は、前記第1のエッジ検出回路の検出信号と、前記第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて状態が決定される信号を出力する付記1乃至4のいずれか1項に記載の位相比較器。
【0119】
(付記6) 前記ステータス管理回路は、第1のエッジ検出回路の検出信号の反転信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号の論理積を取る第1のAND回路と、前記第1のエッジ検出回路の検出信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号の反転信号の論理積を取る第2のAND回路と、前記第1及び第2のAND回路の出力信号の論理和を取るOR回路とからなる付記1乃至5のいずれか1項に記載の位相比較器。
【0120】
(付記7) 第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する状態出力回路と、
前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【0121】
(付記8) 前記状態出力回路は、前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、少なくとも第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を出力する付記7記載の位相比較器。
【0122】
(付記9) 前記状態出力回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号との位相差がないときには、前記トライステート回路をハイインピーダンスにする信号を前記トライステートバッファの制御端子に出力し、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号に位相差があるときには、位相差に応じた期間導通させる信号を前記トライステートバッファの制御端子に出力すると共に、前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた状態信号を前記ステータス管理回路に出力する付記7または8記載の位相比較器。
【0123】
(付記10) 前記第1または第2のエッジ検出回路は、第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで保持する第1の保持回路と、該第1の保持回路の出力信号をクロック信号に同期したタイミングで保持する第2の保持回路と、前記第1の保持回路の出力信号と、前記第2の保持回路の反転出力信号との論理積を取るAND回路とからなる付記7、8または9記載の位相比較器。
【0124】
(付記11) 前記ステータス管理回路は、前記状態出力回路から出力される状態信号に基づいて第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れを示す信号を前記トライステート回路の入力端子に出力する付記7、8、9または10記載の位相比較器。
【0125】
(付記12) 第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1のエッジ検出回路の検出信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて位相差に応じた信号を生成すると共に、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れを示す状態信号を生成して出力する状態出力回路と、
前記状態出力回路から出力される位相差に応じた信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
前記状態出力回路から出力される状態信号に基づいて、第1の比較対象信号の第2の比較対象信号に対する位相の進みまたは遅れを示す信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【0126】
(付記13) 前記状態出力回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号との位相差がないときには、前記トライステート回路の出力をハイインピーダンスにする信号を前記トライステート回路の制御端子に出力し、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号に位相差があるときには、前記トライステート回路を導通させる信号を前記トライステートバッファの制御端子に出力する付記12記載の位相比較器。
【0127】
(付記14) 第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器を半導体集積回路基板上に形成した半導体装置。
【0128】
(付記15) 第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する状態出力回路と、
前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器を半導体集積回路基板上に形成した半導体装置。
【0129】
(付記16) トライステート回路と、
第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を前記トライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号を前記トライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の位相比較器の原理説明図である。
【図2】実施の形態の位相比較器を示す図である。
【図3】位相比較器のタイミングチャートである。
【図4】トライステートバッファの一例を示す図である。
【図5】非同期設計位相比較器の回路ブロック図である。
【図6】非同期設計位相比較器の回路図である。
【図7】非同期設計位相比較器のタイミングチャートである。
【図8】同期設計位相比較器の回路ブロック図である。
【図9】比較対象信号とトライステートバッファの出力を示す図である。
【図10】同期設計位相比較器の回路図である。
【図11】同期設計位相比較器のタイミングチャートである。
【図12】ステートマシンの状態遷移図である。
【図13】従来の位相比較器の回路図である。
【符号の説明】
【0131】
1 第1のエッジ検出回路
2 第2のエッジ検出回路
3 状態出力回路
4 ステータス管理回路
5 トライステート回路
11,21、31 位相比較器
12 トライステートバッファ
22、23 エッジ検出フラグ生成回路
24 位相差信号生成回路
25 ステータス管理回路
32,33 エッジ検出回路
34 ステートマシン
35 位相差信号生成回路
36 ステータス管理回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相比較器及びその位相比較器が搭載された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PLL(Phase Locked Loop)回路では、基準周波数信号と制御対象信号の位相差を検出する位相比較器と、その位相比較器から出力されるUP信号、DOWN信号により直列に接続されたトランジスタがオン、オフされるチャージポンプと、ローパスフィルタ等が用いられる。
【0003】
特許文献1には、上記のPLL回路において、周波数位相比較器の出力パルスの幅を検出するパルス幅検出回路を設け、さらにチャージポンプのpチャネルMOSトランジスタとnチャネルMOSトランジスタを2個並列に接続して、チャージポンプのドライブ能力を大きくすることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2の発明は、上記特許文献1の発明を改良したものであり、位相誤差信号により出力電流特性を制御するものである。
特許文献3には、従来、2個の位相比較器を使用していたものを、2つの比較入力信号を切り換える回路を設けることで1つの位相比較器で電圧制御発振器の出力信号との位相差を検出できるようにすることが記載されている。
【0005】
図13は、特許文献3の発明の位相比較器の回路を簡略化した回路である。以下、この位相比較器のUP信号とDOWN信号を生成する回路について説明する。
D型フリップフロップFF1のクロック端子に比較対象信号Aが入力し、D型フリップフロップFF2のクロック端子に比較対象信号Bが入力している。
【0006】
比較対象信号Aがクロック信号として入力するD型フリップフロップFF1の反転Q出力(以下、Qバー出力という)とD型フリップフロップFF2のQバー出力は、ORゲートOR1に入力し、その出力はORゲートOR2に入力している。そして、そのORゲートOR2の出力と、D型フリップフロップFF1の出力QとがANDゲートAND1に入力している。このANDゲートAND1の出力信号は、チャージポンプの電源側のトランジスタをオンさせるUP信号として出力される。
【0007】
比較対象信号Bがクロック信号として入力するD型フリップフロップFF2のQ出力は、ANDゲートAND2に入力し、そのANDゲートAND2の他方の入力端子には、上述したORゲートOR2の出力信号が入力している。このANDゲートAND2の出力信号は、チャージポンプの接地側のトランジスタをオンさせるDOWN信号として出力される。
【0008】
ところで、図13に示すようなUP信号とDOWN信号を出力する非同期式の位相比較器を半導体集積回路上に形成した場合、位相比較器を構成する論理回路の配線長によりUP信号またはDOWN信号に遅延が生じ、チャージポンプの2個のトランジスタを同時にオンさせるような信号が出力され、2個のトランジスタに貫通電流が流れる可能性がある。貫通電流が流れると半導体集積回路のリーク電流が増加することになる。
【0009】
また、図13に示す位相比較器は、比較対象信号AがD型フリップフロップFF1と、2個のORゲートOR1、OR2と、ANDゲート1を通ってUP信号として出力されており、論理回路の段数が多いために遅延時間が大きくなっている。位相比較器内部の遅延時間が増加すると、位相差の検出精度が低下しPLL回路のロックタイムが長くなる。
【特許文献1】特開平4−241520号公報
【特許文献2】特開2001−7699号公報
【特許文献3】特開平3−101517号公報(特公平7−36515)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、位相比較器の位相差の検出精度を高めることである。また、他の課題は、出力側のチャージポンプ等の貫通電流を減らすことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の位相比較器は、第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える。
【0012】
例えば、第1及び第2のエッジ検出回路は、図5のエッジ検出フラグ生成回路22に対応する。また、位相差信号生成回路は、図5の位相差信号生成回路24に対応し、ステータス管理回路は、図5のステータス管理回路25に対応する。
【0013】
この発明によれば、位相比較器の回路を簡素化することで回路内部での信号の遅延を少なくし、比較対象信号の位相差の検出精度を高めることができる。
また、トライステート回路を出力側に使用することで貫通電流を減らし、回路のリーク電流を少なくできる。
【0014】
上記の位相比較器の他の態様は、前記第1または第2のエッジ検出回路は、第1の比較対象信号の立ち上がりに同期したタイミングで、自己の反転出力信号を保持する保持回路からなる。例えば、保持回路は、図5のD型フリップフロップFF11に対応する。
【0015】
このように構成することで、比較対象信号の立ち上がりエッジに同期した信号を生成することができる。
上記のステータス管理回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応した信号をトライステート回路の入力端子に出力する。
【0016】
このように構成することで、例えば、第1の比較対象信号の位相が第2の比較対象信号の位相に対して進んでいるか、あるいは遅れているかを示す信号を出力することができる。
【0017】
上記の位相比較器の他の態様は、前記ステータス管理回路は、第2の比較対象信号を反転した信号と第1の比較対象信号との論理和を取る第1のOR回路と、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の論理和を取る第2のOR回路と、前記第1のOR回路の出力信号を前記第2のOR回路の出力信号に同期したタイミングで保持する保持回路とからなる。
【0018】
このように構成することで、簡単な回路構成でステータス管理回路を構成できる。
上記の位相比較器の他の態様は、前記位相差信号生成回路は、前記第1のエッジ検出回路の検出信号の立ち上がりと前記第2のエッジ検出回路の検出信号の立ち上がりに同期して信号の状態が変化する信号を出力する。
【0019】
このように構成することで、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を生成することができる。
上記の位相比較器の他の態様は、前記ステータス管理回路は、第1のエッジ検出回路の検出信号の反転信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号の論理積を取る第1のAND回路と、前記第1のエッジ検出回路の検出信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号の反転信号の論理積を取る第2のAND回路と、前記第1及び第2のAND回路の出力信号の論理和を取るOR回路とからなる。
【0020】
このように構成することで、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号を生成することができる。
図1は、本発明の他の位相比較器の原理説明図である。図1において、第1のエッジ検出回路1は、第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出し、第2のエッジ検出回路2は、第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する。状態出力回路3は、前記第1及び第2のエッジ検出回路1,2の検出信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路5の制御端子に出力する。ステータス管理回路4は、前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた信号をトライステート回路5の入力端子に出力する。
【0021】
例えば、第1及び第2のエッジ検出回路1,2は、図8のエッジ検出回路32,33に対応し、状態出力回路3は、図8のステートマシン34及び位相差信号生成回路35に対応し、ステータス管理回路4は、図8のステータス管理回路36に対応し、トライステート回路5は、図8のトライステートバッファ12に対応する。
【0022】
この発明によれば、同期設計の位相比較器において、位相比較器の回路を簡素化して回路内部の信号の遅延を少なし、比較対象信号の位相差の検出精度を高めることができる。また、トライステート回路を出力側に使用することで貫通電流を減らし、回路のリーク電流を少なくできる。
【0023】
上記の発明の他の態様は、前記状態出力回路は、前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、少なくとも第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を出力する。
【0024】
このように構成することで、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を出力することができる。
上記の発明の他の態様は、前記状態出力回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号との位相差がないときには、前記トライステート回路をハイインピーダンスにする信号を前記トライステートバッファの制御端子に出力し、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号に位相差があるときには、位相差に応じた期間導通させる信号を前記トライステートバッファの制御端子に出力すると共に、前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた状態信号を前記ステータス管理回路に出力する。
【0025】
このように構成することで、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた期間トライステート回路を導通状態にし、位相差がないときには、トライステート回路をハイインピーダンスの状態に設定できる。これにより、トライステート回路のリーク電流を少なくできる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、位相比較器の回路を簡素化することで内部の信号の遅延を減らし、比較対象信号の位相差の検出精度を高めることができる。また、トライステート回路を出力側に使用することで貫通電流を減らし、回路のリーク電流を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図2は、実施の形態の位相比較器11と3stateバッファ(トライステートバッファ)12を示す図である。
この位相比較器11は、例えば、電圧制御発振器等の発振周波数を制御するPLL(Phase Locked Loop)回路に用いられ、半導体集積回路上に形成される。
【0028】
図2において、位相比較器11は、比較対象信号COMP1(第1の比較対象信号に対応する)と、比較対象信号COMP2(第2の比較対象信号に対応する)と、クロック信号(CLK)と、リセット信号(RESET)の入力端子を有する。また、位相比較器11は、トライステートバッファ12の制御端子に信号C_SIGNALを供給する出力端子と、トライステートバッファ12の入力端子に信号A_SIGNALを供給する出力端子とを有する。
【0029】
この位相比較器11の機能を、図3のタイミングチャートを参照して説明する。
比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、位相比較器11から、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差分の期間ハイレベルの信号C_SIGNAL(コントロール入力)がトライステートバッファ12の制御端子に出力される。このとき、位相比較器11か、ハイレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力される。
【0030】
従って、信号C_SIGNALがハイレベルの期間、トライステートバッファ12は導通状態となり、その間出力端子からハイレベルの信号が出力される。
他方、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、位相比較器11から位相差分の期間ハイレベルの信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に出力される。このとき、位相比較器11から、ローレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力される。
【0031】
従って、信号C_SIGNALがハイレベルの期間、トライステートバッファ12は導通状態となり、その間トライステートバッファ12の出力端子からローレベルの信号が出力される。
【0032】
なお、信号C_SIGNALがローレベルの間は、トライステートバッファ12の出力はハイインピーダンスとなる。
次に、図4は、トライステートバッファ12の一例を示す図である。図4において、位相比較器11から出力される信号A_SIGNALは、電源VDDと接地間に直列に接続されたpチャネルMOSトランジスタTR1とnチャネルMOSトランジスタTR2のゲートに入力されている。pチャネルMOSトランジスタTR1とnチャネルMOSトランジスタTR2の接続点は、次段のpチャネルMOSトランジスタTR3とnチャネルMOSトランジスタTR4のゲートに接続されている。
【0033】
このpチャネルMOSトランジスタTR3とnチャネルMOSトランジスタTR4の接続点は、並列に接続されたnチャネルMOSトランジスタTR5のドレインとpチャネルMOSトランジスタTR6のソースに接続されている。そして、位相比較器11から出力される信号C_SIGNALが、pチャネルMOSトランジスタTR5のゲートに供給され、その信号をインバータINV1で反転した信号がpチャネルMOSトランジスタTR6のゲートに供給されている。
【0034】
従って、信号C_SIGNALがハイレベルで、かつ信号A_SIGNALがハイレベルの期間、期待値出力としてハイレベルの信号が出力され、信号C_SIGNALがローレベルとなると、期待値出力はハイインピーダンスとなる。また、信号C_SIGNALがハイレベルで、かつ信号A_SIGNALがローレベルの期間、期待値出力としてローレベルの信号が出力される。
【0035】
次に、図5は、非同期設計位相比較器21の回路ブロック図である。図5において、エッジ検出フラグ生成回路22は、比較対象信号COMP1の立ち上がりエッジを検出し、比較対象信号COMP1の立ち上がりに同期した検出信号を位相差信号生成回路24に出力する。
【0036】
エッジ検出フラグ生成回路23は、比較対象信号COMP2の立ち上がりエッジを検出し、比較対象信号COMP2の立ち上がりに同期した検出信号を位相差信号生成回路24に出力する。
【0037】
位相差信号生成回路24は、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号C_SIGNALをトライステートバッファ12の制御端子に出力する。
【0038】
ステータス管理回路25は、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2と一方の信号を基準とした位相の進みまたは遅れに応じた信号A_SIGNALを、トライステートバッファ12の入力端子に出力する。
【0039】
次に、図6は、非同期設計位相比較器21の回路の一例を示す図である。
エッジ検出フラグ生成回路22は、D入力端子が反転出力(以下、Qバー出力という)に接続されたD型フリップフロップFF11からなる。このD型フリップフロップFF11のクロック端子には比較対象信号COMP1が入力している。
【0040】
エッジ検出フラグ生成回路23は、D入力端子がQバー出力に接続されたD型フリップフロップFF12からなる。このD型フリップフロップFF12のクロック端子には比較対象信号COMP2が入力している。
【0041】
位相差信号生成回路24は、2個のAND回路AND11,12と、それらのAND回路11,12の出力が入力されるOR回路OR11とからなる。AND回路AND11には、D型フリップフロップFF11のQバー出力(以下、Q1バー出力という)と、D型フリップフロップFF12のQ出力(以下、Q2出力という)が入力している。また、AND回路AND12には、D型フリップフロップFF12のQバー出力(Q2バー出力)と、D型フリップフロップFF11のQ出力(Q1出力)が入力している。そして、OR回路OR11から、それらの信号の論理和を取った信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に出力される。
【0042】
ステータス管理回路25は、インバータINV11と2個のOR回路OR12、OR13と、D型フリップフロップFF13とからなる。
OR回路OR12は、比較対象信号COMP2をインバータINV11で反転した信号と、比較対象信号COMP1との論理和を取った信号をD型フリップフロップFF13のD入力端子に出力する。また、OR回路OR13は、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の論理和を取った信号をD型フリップフロップFF13のクロック端子に供給する。D型フリップフロップFF13は、D入力端子に入力するOR回路OR12の出力信号を、OR回路OR13の出力信号の立ち上がりに同期したタイミングでラッチし、ラッチした信号を信号A_SIGNALとしてトライステートバッファ12の入力端子に出力する。
【0043】
ここで、図6の非同期設計位相比較器21の回路動作を、図7のタイミングチャートを参照して説明する。なお、図7には、従来の位相比較器から出力されるUP信号とDOWN信号も併せて示してある。従来の位相比較器では、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相に対して進んでいるときには、UP信号が出力され、遅れているときにはDOWN信号が出力される。
【0044】
最初に、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合の非同期設計位相比較器21の動作を説明する。
初期状態において、エッジ検出フラグ生成回路22のD型フリップフロップFF11のQ1出力がローレベルに設定されているとすると、クロック端子に供給される比較対象信号COMP1の立ち上がりエッジで、Q1出力はハイレベルに変化し、比較対象信号COMP1の次の立ち上がりエッジでローレベルに変化する。
【0045】
同様に、初期状態において、D型フリップフロップFF12のQ2出力がローレベルに設定されているとすると、クロック端子に供給される比較対象信号COMP2の立ち上がりエッジで、Q2出力はハイレベルに変化し、比較対象信号COMP2の次の立ち上がりエッジでローレベルとなる。
【0046】
AND回路AND12の出力は、D型フリップフロップFF11のQ1出力がハイレベルで、かつD型フリップフロップFF2のQ2バー出力がハイレベルの期間のみハイレベルとなる。よって、OR回路11から出力される信号C_SIGNALは、図7に示すように、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差分の期間ハイレベルとなる信号となる。
【0047】
このとき、ステータス管理回路25のOR回路OR12の出力は、比較対象信号COMP1がハイレベルであるのでハイレベルとなり、そのハイレベルの信号がD型フリップフロップFF13のD入力端子に出力される。このとき、OR回路OR13の出力は、比較対象信号COMP1の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、その信号がD型フリップフロップFF13のクロック端子に出力される。
【0048】
よって、ステータス管理回路25のD型フリップフロップFF13のQ出力からは、ハイレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力される。
【0049】
従って、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相に対して進んでいる場合には、図7に示すように、位相比較器21からハイレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力され、かつ比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差分の期間だけハイレベルとなる信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に供給される。これにより、信号C_SIGNALがハイレベルの期間だけトライステートバッファ12の出力はハイレベル、つまり電源電位となる。トライステートバッファ12の出力が電源電位となると、例えば、トライステートバッファ12に接続されるPLL回路のコンデンサがチャージされる。その後、信号C_SIGNALがローレベルとなると、トライステートバッファ12の出力はハイインピーダンスとなる。
【0050】
次に、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相に対して進んでいる場合(比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より遅れている場合)について説明する。
【0051】
この場合、D型フリップフロップFF12のQ2出力は、比較対象信号COMP2の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、比較対象信号COMP2の次の立ち上がりエッジでローレベルとなる。一方、D型フリップフロップFF11のQ1バー出力は、比較対象信号COMP1の立ち上がりエッジでローレベルとなる。
【0052】
従って、位相差信号生成回路24からは、比較対象信号COMP2の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、比較対象信号COMP1の立ち上がりエッジでローレベルとなる信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に出力される。
【0053】
このとき、ステータス管理回路35のD型フリップフロップFF13のD入力はローレベルであるので、比較対象信号COMP2の立ち上がりエッジに同期して、D入力信号がラッチされる。そして、そのローレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力される。
【0054】
従って、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、図7に示すように、位相比較器21からローレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力され、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差分の期間だけハイレベルとなる信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に出力される。よって、位相差分の期間だけトライステートバッファ12の出力はローレベル、つまり接地電位となる。これにより、例えば、トライステートバッファ12に接続されるPLL回路のコンデンサがディスチャージされる。そして、信号C_SIGNALがローレベルとなると、トライステートバッファ12の出力はハイインピーダンスとなる。
【0055】
上述した非同期設計位相比較器によれば、回路構成を簡素にし、論理回路での信号の遅延を少なくできるので、比較対象信号の位相差の検出精度を高めることができる。また、出力側にトライステートバッファ12を用いることで貫通電流が流れるのを防止できる。
【0056】
次に、図8は、同期設計位相比較器31の回路ブロック図である。図8において、エッジ検出回路32は、比較対象信号COMP1をクロック信号に同期したタイミングで検出し、検出信号をステートマシン34に出力する。
【0057】
エッジ検出回路33は、比較対象信号COMP2をクロック信号に同期したタイミングで検出し、検出信号をステートマシン34に出力する。
ステートマシン34は、エッジ検出回路32から出力される検出信号に基づいて比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に応じた信号を位相差信号生成回路35に出力すると共に、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相の進みまたは遅れを示す状態信号をステータス管理回路36に出力する。
【0058】
ステータス管理回路36は、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の信号位相の進みまたは遅れに応じてハイレベルまたはローレベルとなる信号A_SIGNALをトライステートバッファ12の入力端子に出力する。
【0059】
図9は、比較対象信号COMP1、COMP2と、トライステートバッファ12の出力を示す図である。
比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、図9に示すように、比較対象信号COMP1がハイレベルの期間で、かつクロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期したタイミングで、トライステートバッファ12の出力がハイレベル(電源電位)となる。そして、比較対象信号COMP2がハイレベルの期間で、クロック信号の立ち上がりエッジに同期したタイミングで、トライステートバッファ12の出力がハイインピーダンスとなる。
【0060】
また、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より遅れている場合には、図9に示すように比較対象信号COMP2がハイレベルの期間で、かつクロック信号の立ち上がりエッジに同期したタイミングで、トライステートバッファ12の出力がローレベル(接地電位)となる。そして、比較対象信号COMP1がハイレベルの期間で、かつクロック信号の立ち上がりエッジに同期したタイミングで、トライステートバッファ12の出力がハイインピーダンスとなる。
【0061】
次に、図10は、同期設計位相比較器31の回路図である。図10において、エッジ検出回路32は、比較対象信号COMP1がD入力端子に入力するD型フリップフロップFF21と、そのD型フリップフロップFF21のQ出力がD入力端子に入力するD型フリップフロップFF22と、D型フリップフロップFF21のQ出力とD型フリップフロップFF22のQバー出力とが入力するAND回路AND21とからなる。
【0062】
このエッジ検出回路32のD型フリップフロップFF21は、比較対象信号COMP1をクロック信号CLKの立ち上がりエッジでラッチする。D型フリップフロップFF22は、そのラッチした信号をクロック信号の次の立ち上がりエッジでラッチする。AND回路AND21は、D型フリップフロップFF21のQ出力と、D型フリップフロップFF22のQバー出力の論理積を取った信号を検出信号gとして出力する。
【0063】
従って、AND回路AND21からは、比較対象信号COMP1がハイレベルとなったとき、クロック信号の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、次のクロック信号の立ち上がりエッジでローレベルとなる検出信号gが出力される。
【0064】
エッジ検出回路32は、エッジ検出回路32と同一の回路で構成されており、2個のD型フリップフロップFF23、FF24と、AND回路AND22からなる。
このエッジ検出回路33のAND回路AND22からは、比較対象信号COMP2がハイレベルとなったとき、クロック信号の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、次のクロック信号の立ち上がりエッジでローレベルとなる検出信号hが出力される。
【0065】
エッジ検出回路32の検出信号gは、ステートマシン34のOR回路OR21と、インバータINV21と、3入力NAND回路NAND24に入力している。
NAND回路NAND21の一方の入力にはインバータ21の出力が入力し、他方の入力には、D型フリップフロップFF25のQ出力が入力している。このD型フリップフロップFF25のQ出力はインバータINV22を介して3入力NAND回路NAND23及びNAND24にも入力している。
【0066】
NAND回路NAND21の出力は、NAND回路NAND22に入力し、さらに、状態信号dとしてステータス管理回路36へ出力されている。
NAND回路NAND22の出力は、D型フリップフロップFF25のD入力端子に入力している。D型フリップフロップFF25は、D入力端子に入力する信号を、クロック信号の立ち上がりエッジでラッチし、ラッチした信号を信号flag1として位相差信号生成回路35に出力する。
【0067】
NAND回路NAND22の他方の入力には、3入力OR回路21の出力が入力している。3入力OR回路OR21には、上述したエッジ検出回路32の検出信号gと、エッジ検出回路33の検出信号hをインバータINV24で反転した信号と、D型フリップフロップFF26のQ出力とが入力している。
【0068】
3入力NAND回路NAND23には、D型フリップフロップFF25のQ出力をインバータINV22で反転した信号と、エッジ検出回路33の検出信号hを反転した信号と、D型フリップフロップFF26のQ出力とが入力している。この3入力NAND回路NAND23の出力は、3入力NAND回路NAND25に入力し、さらに、状態信号cとしてステータス管理回路36に出力されている。
【0069】
3入力NAND回路NAND25の出力は、D型フリップフロップFF26のD入力端子に入力している。D型フリップフロップFF26は、クロック信号の立ち上がりエッジでD入力端子の入力信号をラッチし、ラッチした信号を信号flag2として位相差信号生成回路35に出力する。この信号flag2は、状態信号fとしてステータス管理回路36に出力されている。
【0070】
3入力NAND回路NAND25の他の入力には、3入力NAND回路NAND24の出力と、OR回路OR22の出力が入力している。OR回路OR22には、上述したNAND回路NAND21の出力と、D型フリップフロップFF26のQ出力をインバータINV23で反転した信号が入力する。
【0071】
3入力NAND回路NAND24には、エッジ検出回路32の検出信号gと、D型フリップフロップFF25のQ出力をインバータINV22で反転した信号と、エッジ検出回路33の検出信号hをインバータINV24で反転した信号とが入力する。このNAND回路NAND24の出力は、状態信号eとしてステータス管理回路36に出力されている。
【0072】
位相差信号生成回路35は、排他論理和回路EXOR21で構成されており、ステートマシン34から出力される信号flag1とflag2の排他論理和を取った信号を信号C_SIGNALとしてトライステートバッファ12の制御端子に出力する。
【0073】
なお、位相差信号生成回路35の排他論理和回路EXOR21をステートマシン34に組み入れ、それらを1つのステートマシン34として構成しても良い。
ステータス管理回路36のインバータINV25には、ステートマシン34から出力される状態信号dが入力し、インバータINV26には、状態信号cが入力している。インバータINV25及び26の出力は、OR回路OR23に入力し、OR回路OR23の出力はNAND回路NAND26に入力している。NAND回路NAND26の出力は、NAND回路NAND27に入力している。
【0074】
OR回路OR24には、ステートマシン34から出力される状態信号eと状態信号fが入力し、その出力はNAND回路NAND27に入力している。
D型フリップフロップFF27は、NAND回路NAND27の出力信号を、クロック信号の立ち上がりエッジでラッチし、ラッチしたQ出力信号を信号A_SIGNALとしてトライステートバッファ12の入力端子に出力する。また、Q出力をNAND回路NAND26に出力する。
【0075】
次に、以上のような構成の同期設計位相比較器31の動作を、図11のタイミングチャートを参照して説明する。
最初に、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合(比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2に対して遅れている場合)のステートマシン31の動作を説明する。
【0076】
この場合、エッジ検出回路33からは、比較対象信号COMP2のハイレベルの期間に、クロック信号の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、次のクロック信号の立ち上がりエッジでローレベルとなる検出信号hが出力される。このときエッジ検出回路32の検出信号gはローレベルとなっている。
【0077】
エッジ検出回路33の検出信号hがローレベルからハイレベルに変化すると、その信号がインバータINV24で反転され、ローレベルの信号として3入力OR回路OR21に入力する。このとき、3入力OR回路OR21の他の2つの入力はローレベルになっているので、そのときOR回路OR21の出力はローレベルに変化する。
【0078】
OR回路OR21の出力がローレベルに変化すると、NAND回路NAND22の出がハイレベルに変化する。なお、NAND回路NAND22の出力は、比較対象信号COMP1、COMP2の位相差がないときにはローレベルとなっている。
【0079】
NAND回路NAND22の出力はD型フリップフロップFF25のD入力端子に入力しているので、NAND回路NAND22の出力がハイレベルとなると、そのハイレベルの信号がクロック信号の立ち上がりエッジでラッチされ、D型フリップフロップFF25のQ出力がハイレベルに変化する。
【0080】
比較対象信号COMP2と比較対象信号COMP1の位相差分の時間が経過して比較対象信号COMP1がハイレベルに変化すると、その信号の変化がエッジ検出回路32で検出され、検出信号gがハイレベルに変化する。その結果、NAND回路NAND21の出力がハイレベルに変化し、NAND回路NAND22の出力がローレベルに変化する。D型フリップフロップFF25のD入力端子の入力信号がローレベルに変化すると、そのローレベルの信号が次のクロック信号の立ち上がりエッジでラッチされ、Q出力(信号flag1)がローレベルに変化する。
【0081】
すなわち、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、比較対象信号COMP2と比較対象信号COMP1の位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号flag1がステートマシン34から排他論理和回路EXOR21に出力される(図11参照)。このとき、D型フリップフロップFF26のQ出力はローレベルを維持するので、信号flag2はローレベルを維持する。
【0082】
従って、排他論理和回路EXOR21からは、図11に示すように、比較対象信号COMP2と比較対象信号COMP1の位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号C_SIGNALが出力される。このハイレベルの信号C_SIGNALにより、トライステートバッファ12は導通状態となる。
【0083】
次に、上記の場合に、ステートマシン34からステータス管理回路36に出力される状態信号c,d,e,fについて説明する。
エッジ検出回路33の検出信号gが変化しても、3入力NAND回路NAND23の出力はハイレベルのまま変化しない。このとき、状態信号cは、図11に示すように、ハイレベルを維持する。
【0084】
D型フリップフロップFF25のQ出力がハイレベルに変化すると、NAND回路NAND21の出力がローレベルに変化する。このとき、状態信号dは、図11に示すように、信号flag1がハイレベルの期間だけローレベルとなる。
【0085】
エッジ検出回路33の検出信号が変化しても、3入力NAND回路NAND24の出力はハイレベルのまま変化しないので、状態信号eは、図11に示すように、ハイレベルの状態を維持する。
【0086】
また、D型フリップフロップFF26のQ出力、すなわち、信号flag2はローレベルのまま変化しないので、状態信号fは、図11に示すようにローレベルを維持する。
次に、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合のステータス管理回路36の動作を説明する。
【0087】
状態信号c、dがハイレベルのとき、ステータス管理回路36のOR回路OR23の出力はローレベル、NAND回路NAND26の出力はハイレベルとなっている。また、状態信号eがハイレベルで、状態信号fがローレベルのとき、OR回路OR24の出力はハイレベルになっている。このとき、D型フリップフロップFF27のQ出力はローレベルになっている。
【0088】
この状態で、状態信号dがローレベルに変化しても、NAND回路NAND26の出力はハイレベルを維持するので、D型フリップフロップFF27のQ出力である信号A_SIGNALはローレベルを維持する。
【0089】
従って、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、図11に示すように、ステータス管理回路36から出力される信号A_SIGNALはローレベルとなる。
【0090】
以上のことから、比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、位相差信号生成回路35からは、位相差に対応する期間だけハイレベルの信号C_SIGNALがトライステートバッファ12の制御端子に出力され、同時に、ステータス管理回路36から、ローレベルの信号A_SIGNALがトライステートバッファ12の入力端子に出力される。これにより、トライステートバッファ12からはローレベルの信号が出力される。
【0091】
次に、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合のステートマシン34の動作を説明する。
この場合、比較対象信号COMP1のハイレベルの期間に、クロック信号の立ち上がりエッジでハイレベルとなり、次のクロック信号の立ち上がエッジでローレベルとなる検出信号gがエッジ検出回路32から出力される。このとき、エッジ検出回路33の検出信号hはローレベルとなっている。
【0092】
エッジ検出回路32の検出信号gがハイレベルに変化すると、3入力NAND回路NAND24の入力がハイレベルに変化し、その出力がローレベルに変化する。3入力NAND回路NAND24の出力がローレベルに変化すると、3入力NAND回路NAND25の出力がハイレベルに変化する。この3入力NAND回路NAND25の出力は、D型フリップフロップFF26のD入力端子に入力しているので、そのハイレベルの信号がクロック信号の立ち上がりエッジでラッチされ、D型フリップフロップFF26のQ出力、つまり、信号flag2がハイレベルに変化する。
【0093】
D型フリップフロップFF26のQ出力がハイレベルに変化すると、3入力NAND回路NAND23の入力が全てハイレベルとなり、その出力がローレベルとなる。そして、NAND回路NAND25の出力がハイレベルとなり、D型フリップフロップFF26のQ出力はハイレベルを維持する。
【0094】
次に、比較対象信号COMP2と比較対象信号COMP1の位相差分の時間が経過して比較対象信号COMP2がハイレベルに変化すると、その信号の変化がエッジ検出回路33で検出され、検出信号hがハイレベルに変化する。
【0095】
検出信号hがハイレベルになると、3入力NAND回路NAND23の出力がハイレベルに、NAND回路NAND25の出力、つまりD型フリップフロップFF26のD入力信号がローレベルに変化し、D型フリップフロップFF26のQ出力がローレベルとなる。これにより、信号flag2がローレベルに変化する。
【0096】
従って、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、ステートマシン34からは、図11に示すように、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に対応する期間ハイレベルとなる信号flag2が出力される。このとき信号flag1はローレベルを維持する。
【0097】
これにより、排他論理和回路EXOR21からは、図11に示すように、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2と位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号C_SIGNALが出力される。このハイレベルの信号C_SIGNALによりトライステートバッファ12は導通状態となる。
【0098】
次に、上記の場合に、ステートマシン34からステータス管理回路36に出力される状態信号c,d,e,fについて説明する。
最初に状態信号eについて説明する。エッジ検出回路32の検出信号gが1クロック周期の間ハイレベルに変化すると、3入力NAND回路NAND24の出力はローレベルに変化し、検出信号gがローレベルとなるとハイレベルに変化する。
【0099】
従って、3入力NAND回路NAND24の出力信号である状態信号eは、図11に示すように、エッジ検出回路32の検出信号gがハイレベルの期間だけローレベルとなる。
状態信号fは、上述したD型フリップフロップFF26の出力信号flag2と同じ信号であり、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に応じた期間ハイレベルとなる。
【0100】
状態信号cは、3入力NAND回路NAND23の出力信号と同じ信号であり、通常ハイレベルになっている。3入力NAND回路NAND23の出力は、D型フリップフロップFF26の出力信号flag2がハイレベルに変化すると、ローレベルに変化する。そして、エッジ検出回路33の検出信号hがハイレベルに変化したときハイレベルに変化する。また、状態信号dは、図11に示すようにハイレベルを維持する。
【0101】
次に、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合のステータス管理回路36の動作を説明する。
状態信号eがローレベルに変化すると、OR回路OR24の出力がローレベルに変化し、D型フリップフロップFF27のD入力信号がハイレベルに変化する。そのハイレベルの入力信号がクロック信号の立ち上がりエッジでラッチされ、Q出力信号A_SIGNALがハイレベルに変化する。
【0102】
次に、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差分の時間が経過して、エッジ検出回路33の検出信号hがハイレベルに変化すると、状態信号cがハイレベルになり、OR回路OR23の出力がローレベルに変化する。これにより、NAND回路NAND26の出力がハイレベルになる。また、NAND回路NAND27の出力がローレベルに変化し、そのローレベルの信号がクロック信号の立ち上がりエッジでD型フリップフロップFF27にラッチされる。その結果、D型フリップフロップFF27のQ出力信号A_SIGNALはローレベルに変化する。
【0103】
従って、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、ステータス管理回路36からは、図11に示すように、位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号A_SIGNALが出力される。
【0104】
以上のことから、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、位相差信号生成回路35から位相差に対応する期間だけハイレベルの制御信号C_SIGNALが、トライステートバッファ12の制御端子に出力される、また、ステータス管理回路36からハイレベルの信号A_SIGNALが、トライステートバッファ12の入力端子に出力される。これにより、トライステートバッファ12からは、2つの比較対象信号の位相差に応じた期間ハイレベルとなる信号が出力される。
【0105】
なお、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相が一致している場合には、信号flag1,flag2は共にローレベルとなり、状態信号c、d,eはハイレベル、状態信号fはローレベルになる。
【0106】
従って、排他論理和回路EXOR21の出力はローレベルとなり、ステータス管理回路36の出力はローレベルとなる。よって、トライステートバッファ12の出力はハイインピーダンスとなる。
【0107】
ここで、図12の状態遷移図を参照してステートマシン34の状態について説明する。
比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差がないときには、エッジ検出回路32,33から同時に検出信号g、hが出力されるので信号flag1,flag2は共にローレベルを維持する。
【0108】
比較対象信号COMP2の位相が比較対象信号COMP1の位相より進んでいる場合には、比較対象信号COMP2がローレベルからハイレベルに変化したとき、クロック信号の立ち上がりエッジでエッジ検出回路33の検出信号hがハイレベル(”1”)に変化する。そのときエッジ検出回路32の検出信号gはローレベル(”0”)のままであるので、ステートマシン34から出力される信号flag1はハイレベル、信号flag2はローレベルとなる。そして、エッジ検出回路32で比較対象信号COMP1の変化が検出され、検出信号gがハイレベル(”1”)に変化すると、信号flag1がローレベルに変化する。
【0109】
次に、比較対象信号COMP1の位相が比較対象信号COMP2の位相より進んでいる場合には、比較対象信号COMP1がローレベルからハイレベルに変化したとき、クロック信号の立ち上がりエッジでエッジ検出回路32の検出信号gがハイレベル(”1”)に変化する。そのときエッジ検出回路33の検出信号gはローレベル(”0”)のままである。その結果、ステートマシン34からは、ローレベルの信号flag1と、ハイレベルの信号flag2が出力される。
【0110】
2つの信号の位相差分の時間が経過して、エッジ検出回路33で比較対象信号COMP2の変化が検出され、検出信号hがハイレベル(”1”)に変化すると、信号flag2がローレベルに変化する。
【0111】
上述した同期設計位相比較器31によれば、論理段数の少ない回路構成で、比較対象信号COMP1と比較対象信号COMP2の位相差に対応する信号C_SIGNALと、比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じてハイレベルまたはローレベルとなる信号A_SIGNALを生成し、トライステートバッファ12に供給することができる。この同期設計位相比較器は論理回路の構成を簡素にできるので、位相比較器内部での信号遅延を少なくし、位相差の検出精度を高めることができる。さらに、トライステートバッファ12を使用することで、チャージポンプのトランジスタに貫通電流が流れるの防止できる。これにより、回路のリーク電流を減らすことができる。
【0112】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
非同期設計位相比較器及び同期設計位相比較器の回路は、実施の形態に示した回路に限らず、トライステート回路に目的の信号を供給できる回路であればどのような論理回路の構成でも良い。
【0113】
また、ステートマシン34からステータス管理回路36に出力する状態信号は4周類の信号に限らず、それより少ない信号数であっても良い。あるいは、ステートマシン34から状態信号を供給するのではなく、ステータス管理回路36が、エッジ検出回路32,33から出力される検出信号に基づいて比較対象信号の位相の進みまたは遅れを判定するようにしても良い。
【0114】
位相比較器が制御する回路は、トライステートバッファ12に限らず、ハイインピーダンスを含む3つの状態を切り換えることのできる回路であれば良い。
(付記1) 第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【0115】
(付記2) 前記第1または第2のエッジ検出回路は、第1の比較対象信号の立ち上がりに同期したタイミングで、自己の反転出力信号を保持する第1の保持回路からなる付記1記載の位相比較器。
【0116】
(付記3) 上記のステータス管理回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応した信号をトライステート回路の入力端子に出力する付記1または2記載の位相比較器。
【0117】
(付記4) 前記ステータス管理回路は、第2の比較対象信号を反転した信号と第1の比較対象信号との論理和を取る第1のOR回路と、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の論理和を取る第2のOR回路と、前記第1のOR回路の出力信号を前記第2のOR回路の出力信号に同期したタイミングで保持する保持回路とからなる付記1、2または3記載の位相比較回路。
【0118】
(付記5) 前記位相差信号生成回路は、前記第1のエッジ検出回路の検出信号と、前記第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて状態が決定される信号を出力する付記1乃至4のいずれか1項に記載の位相比較器。
【0119】
(付記6) 前記ステータス管理回路は、第1のエッジ検出回路の検出信号の反転信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号の論理積を取る第1のAND回路と、前記第1のエッジ検出回路の検出信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号の反転信号の論理積を取る第2のAND回路と、前記第1及び第2のAND回路の出力信号の論理和を取るOR回路とからなる付記1乃至5のいずれか1項に記載の位相比較器。
【0120】
(付記7) 第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する状態出力回路と、
前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【0121】
(付記8) 前記状態出力回路は、前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、少なくとも第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を出力する付記7記載の位相比較器。
【0122】
(付記9) 前記状態出力回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号との位相差がないときには、前記トライステート回路をハイインピーダンスにする信号を前記トライステートバッファの制御端子に出力し、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号に位相差があるときには、位相差に応じた期間導通させる信号を前記トライステートバッファの制御端子に出力すると共に、前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた状態信号を前記ステータス管理回路に出力する付記7または8記載の位相比較器。
【0123】
(付記10) 前記第1または第2のエッジ検出回路は、第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで保持する第1の保持回路と、該第1の保持回路の出力信号をクロック信号に同期したタイミングで保持する第2の保持回路と、前記第1の保持回路の出力信号と、前記第2の保持回路の反転出力信号との論理積を取るAND回路とからなる付記7、8または9記載の位相比較器。
【0124】
(付記11) 前記ステータス管理回路は、前記状態出力回路から出力される状態信号に基づいて第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れを示す信号を前記トライステート回路の入力端子に出力する付記7、8、9または10記載の位相比較器。
【0125】
(付記12) 第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1のエッジ検出回路の検出信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて位相差に応じた信号を生成すると共に、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れを示す状態信号を生成して出力する状態出力回路と、
前記状態出力回路から出力される位相差に応じた信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
前記状態出力回路から出力される状態信号に基づいて、第1の比較対象信号の第2の比較対象信号に対する位相の進みまたは遅れを示す信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【0126】
(付記13) 前記状態出力回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号との位相差がないときには、前記トライステート回路の出力をハイインピーダンスにする信号を前記トライステート回路の制御端子に出力し、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号に位相差があるときには、前記トライステート回路を導通させる信号を前記トライステートバッファの制御端子に出力する付記12記載の位相比較器。
【0127】
(付記14) 第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器を半導体集積回路基板上に形成した半導体装置。
【0128】
(付記15) 第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する状態出力回路と、
前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器を半導体集積回路基板上に形成した半導体装置。
【0129】
(付記16) トライステート回路と、
第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を前記トライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号を前記トライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の位相比較器の原理説明図である。
【図2】実施の形態の位相比較器を示す図である。
【図3】位相比較器のタイミングチャートである。
【図4】トライステートバッファの一例を示す図である。
【図5】非同期設計位相比較器の回路ブロック図である。
【図6】非同期設計位相比較器の回路図である。
【図7】非同期設計位相比較器のタイミングチャートである。
【図8】同期設計位相比較器の回路ブロック図である。
【図9】比較対象信号とトライステートバッファの出力を示す図である。
【図10】同期設計位相比較器の回路図である。
【図11】同期設計位相比較器のタイミングチャートである。
【図12】ステートマシンの状態遷移図である。
【図13】従来の位相比較器の回路図である。
【符号の説明】
【0131】
1 第1のエッジ検出回路
2 第2のエッジ検出回路
3 状態出力回路
4 ステータス管理回路
5 トライステート回路
11,21、31 位相比較器
12 トライステートバッファ
22、23 エッジ検出フラグ生成回路
24 位相差信号生成回路
25 ステータス管理回路
32,33 エッジ検出回路
34 ステートマシン
35 位相差信号生成回路
36 ステータス管理回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【請求項2】
前記第1または第2のエッジ検出回路は、第1の比較対象信号の立ち上がりに同期したタイミングで、自己の反転出力信号を保持する第1の保持回路からなる請求項1記載の位相比較器。
【請求項3】
前記位相差信号生成回路は、前記第1のエッジ検出回路の検出信号の立ち上がりと前記第2のエッジ検出回路の検出信号の立ち上がりに同期して信号の状態が変化する信号を出力する請求項1または2記載の位相比較器。
【請求項4】
前記ステータス管理回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応した信号をトライステート回路の入力端子に出力する請求項1または2記載の位相比較器。
【請求項5】
第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する状態出力回路と、
前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【請求項6】
前記状態出力回路は、前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、少なくとも第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を出力する請求項5記載の位相比較器。
【請求項7】
第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器を半導体集積回路基板上に形成した半導体装置。
【請求項8】
第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1のエッジ検出回路の検出信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて位相差に応じた信号を生成すると共に、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れを示す状態信号を生成して出力する状態出力回路と、
前記状態出力回路から出力される位相差に応じた信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
前記状態出力回路から出力される状態信号に基づいて、第1の比較対象信号の第2の比較対象信号に対する位相の進みまたは遅れを示す信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【請求項9】
第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する状態出力回路と、
前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器を半導体集積回路基板上に形成した半導体装置。
【請求項10】
トライステート回路と、
第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を前記トライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号を前記トライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器。
【請求項1】
第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【請求項2】
前記第1または第2のエッジ検出回路は、第1の比較対象信号の立ち上がりに同期したタイミングで、自己の反転出力信号を保持する第1の保持回路からなる請求項1記載の位相比較器。
【請求項3】
前記位相差信号生成回路は、前記第1のエッジ検出回路の検出信号の立ち上がりと前記第2のエッジ検出回路の検出信号の立ち上がりに同期して信号の状態が変化する信号を出力する請求項1または2記載の位相比較器。
【請求項4】
前記ステータス管理回路は、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応した信号をトライステート回路の入力端子に出力する請求項1または2記載の位相比較器。
【請求項5】
第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する状態出力回路と、
前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【請求項6】
前記状態出力回路は、前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、少なくとも第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を出力する請求項5記載の位相比較器。
【請求項7】
第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器を半導体集積回路基板上に形成した半導体装置。
【請求項8】
第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1のエッジ検出回路の検出信号と前記第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて位相差に応じた信号を生成すると共に、第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れを示す状態信号を生成して出力する状態出力回路と、
前記状態出力回路から出力される位相差に応じた信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
前記状態出力回路から出力される状態信号に基づいて、第1の比較対象信号の第2の比較対象信号に対する位相の進みまたは遅れを示す信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とを備える位相比較器。
【請求項9】
第1の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号をクロック信号に同期したタイミングで検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号をトライステート回路の制御端子に出力する状態出力回路と、
前記第1及び第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに応じた信号をトライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器を半導体集積回路基板上に形成した半導体装置。
【請求項10】
トライステート回路と、
第1の比較対象信号のエッジを検出する第1のエッジ検出回路と、
第2の比較対象信号のエッジを検出する第2のエッジ検出回路と、
前記第1及び第2のエッジ検出回路の検出信号に基づいて、第1及び第2の比較対象信号の位相差に応じた信号を前記トライステート回路の制御端子に出力する位相差信号生成回路と、
第1の比較対象信号と第2の比較対象信号の位相の進みまたは遅れに対応する信号を前記トライステート回路の入力端子に出力するステータス管理回路とからなる位相比較器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−135758(P2006−135758A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323766(P2004−323766)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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