位置情報システム
【課題】
測位用識別情報を送信する測位情報送信装置と、測位用識別情報を位置情報へと変換する測位情報管理サーバからなる位置情報システムにおいて、
システム普及に向けたコストシェアリングの仕組みのため、測位情報送信装置のIDを秘匿・可変化し送信する。
この時、測位情報送信装置の装置IDのビット長が短い場合にも運用可能な方法が望まれる。
【解決手段】
屋内測位システムにおいて、コストシェアリングの仕組みを確立するために、測位情報送信装置は位置情報を直接送信せずに、装置IDを秘匿・可変化した後、送信し、測位情報管理サーバは装置IDと位置情報の関連付けを格納管理し、該関連付けに従い装置IDから位置情報への変換を実行する。さらに測位情報送信装置が測位用識別情報を秘匿化する際に全ての測位情報送信装置が同じ秘密鍵を使用することで秘匿化されたIDの衝突問題を解決し、装置IDのビット長が短い場合にも運用が可能となる。
測位用識別情報を送信する測位情報送信装置と、測位用識別情報を位置情報へと変換する測位情報管理サーバからなる位置情報システムにおいて、
システム普及に向けたコストシェアリングの仕組みのため、測位情報送信装置のIDを秘匿・可変化し送信する。
この時、測位情報送信装置の装置IDのビット長が短い場合にも運用可能な方法が望まれる。
【解決手段】
屋内測位システムにおいて、コストシェアリングの仕組みを確立するために、測位情報送信装置は位置情報を直接送信せずに、装置IDを秘匿・可変化した後、送信し、測位情報管理サーバは装置IDと位置情報の関連付けを格納管理し、該関連付けに従い装置IDから位置情報への変換を実行する。さらに測位情報送信装置が測位用識別情報を秘匿化する際に全ての測位情報送信装置が同じ秘密鍵を使用することで秘匿化されたIDの衝突問題を解決し、装置IDのビット長が短い場合にも運用が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全地球測位システム(GPS: Global Positioning System)を補完する屋内での測位システムを含む位置情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電波を用いた位置測定システムのなかで、最も広範に用いられているシステムとして、全地球測位システム(以下、GPSと呼ぶ)が挙げられる。GPSは地球の周回軌道を回る約30個の衛星から送信されるGPS測位信号を利用して、受信者とGPSの衛星の位置関係を測定し、現在地の緯度・経度・高度を計算するシステムである。GPSでは衛星からの測位信号を用いるため、屋内、地下空間での測位が出来なくなる問題がある。
【0003】
一方、屋内測位向け測位情報送信装置と地上補完信号を用いた屋内測位システム(Indoor Messaging System、IMESという)は、屋内での測位を可能とするために考案された測位システムである。地上補完信号(IMES信号)は、衛星測位信号と同じメッセージ構造を使用するが、衛星軌道データ(航法メッセージ)の代わりに、測位情報送信装置の装置設置場所の位置情報を送信する点に特徴がある。IMES信号受信による測位方法は、通常のGPS測位方法と異なり、IMES信号に重畳されている測位情報送信装置の装置設置場所の位置情報を復調・解読するだけで位置を特定できる極めて簡便な測位方法である。この方法によれば、既存のGPS受信機やGPS受信機能をもつ各種端末においても、ごく小規模の改修により、屋内測位への対応が可能となる。この衛星測位との相互運用性の高さにより、屋内測位向け測位情報送信装置と地上補完信号を用いた屋内測位システムは、将来有望と目されており、研究開発が進められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“Quasi-Zenith Satellite System Navigation Service Interface Specification for QZSS(IS-QZSS)”V1.1 Japan Aerospace Exploration Agency, July 31,2009 (http//qzss.jaxa.jp/is-qzss/index_e.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
屋内測位向け測位情報送信装置と地上補完信号を用いた屋内測位システム(IMES)は、衛星測位システムと異なる測位方法、機材、運用方法をとるため、下記に示す課題がある。
(1)インフラコストの課題
米国が軍事目的で打ち上げた測位衛星が送信する測位信号を利用する全地球測位システム(GPS)とは異なり、IMESでは、地上補完信号を送信する測位情報送信装置を民間負担により設置する必要がある。IMESを用いる位置情報サービスには、施設所有者、IMESインフラ事業者、移動通信事業者(キャリア)、サービス事業者、サービス利用者といった様々なステークホルダが関係する。IMES普及の上で、設備設置・運用コストをどの事業者が負担するかという問題は大きな課題である。
(2)地上補完信号の秘匿・可変化に対する課題
上述(1)「インフラコストの課題」に対して、測位情報送信装置の送信する地上補完信号を装置が設置されている位置情報から装置のIDに変更し、さらにそのIDを秘匿化し、一定時間毎に変更することでIMESインフラ事業者の所有するサーバのみが復号可能にする対策が考えられる(IDの秘匿・可変化)。この対策によって、サービス利用者は地上補完信号に対応する位置情報を得るために、IMESインフラ事業者のサーバに問い合わせを行うため、利用回数に応じた課金が可能である。利用者から徴収した料金は、設備設置・運用コストを負担した事業者に支払われる。また、IMESインフラ使用のサービス契約を結んでいない第3者は、地上補完信号から位置情報への変換を行うことが困難なため、IMESインフラの不正利用によりインフラコスト負担者が不利益を被ることがなくなる。
【0006】
しかし、地上補完信号の通信速度は50bpsと遅く、歩行中のサービス利用者が装置の信号受信可能なセル内で装置を捕捉した後、信号受信完了までの時間は限られている。よって、地上補完信号である装置の秘匿・可変化されたIDのビット長を可能な限り短くする必要がある。このため、短いビット長の地上補完信号に対して秘匿・可変化を行った際に、異なる装置間において秘匿・可変化したIDが偶然一致し、サーバ側で復号不能になる問題が発生する。例えば、1000台の装置が20ビットの秘匿・可変化IDをランダムに生成すると約50%の確率で異なる装置間でIDが一致し、IDが復号不能に陥る。当然、IDが復号不能となった場合、サービス利用者へ位置情報を提供することができず、インフラコスト負担者は、課金の機会を失う。また、サービス利用者のIMESインフラに対する信用を失う可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決し、屋内測位システムを広く普及させることを可能にするものであり、屋内測位用の測位信号である地上補完信号を送信する測位情報送信装置、地上補完信号を受信する測位受信機能を備え、かつ位置情報を活用した応用アプリケーションのクライアント機能を備えた移動通信端末、例えばGPS測位機能付き携帯電話、地上補完信号と位置情報の対応付けを管理する測位情報管理サーバ、からなる屋内測位システムの構成、および運用技術を提供する。
【0008】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、
上述(1)「インフラコストの課題」に対して、測位情報送信装置の送信する地上補完信号(以下、測位情報と称す)を位置情報から装置のIDに変更し、さらにそのIDを秘匿化し、一定時間毎に変更することでIMESインフラ事業者(以下、測位情報サービス事業者と称す)の所有する測位情報管理サーバに、復号可能にする権限を与える。
【0009】
これにより、サービスの利用契約を結んでいない第3者が測位情報と位置情報の対応テーブルを作成することによって不正に測位情報から位置情報への変換を行う課題を解決する。また、正規のサービス利用者は、測位情報から位置情報を得るために、測位情報管理サーバに問い合わせを行う必要があるため、利用回数に応じた課金が可能になる。
【0010】
上述(2)「地上補完信号の秘匿・可変化に対する課題」に対して、全ての測位情報送信装置が装置IDを秘匿・可変化する際に同時刻において同じ秘密鍵を使用することによって、異なる装置間において秘匿・可変化したIDが偶然一致する問題を解決し、さらに、一定時間毎に使用する秘密鍵を全ての装置が同期を取って変更することによって、IDの可変化を実現する。つまり、測位情報送信装置のIDを変更するのではなく、IDを秘匿化する秘密鍵を一定時間毎に変更することによって、各測位情報送信装置はIDの秘匿・可変化を行い、全ての測位情報送信装置が同一の秘密鍵で、異なる装置IDを暗号化することによってID衝突の問題を解決する。
【0011】
この時、装置IDは暗号化関数に対する入力平文となるので、そのビット長は暗号化関数に例えばストリーム暗号を利用した際には任意の長さで良い。さらに、測位情報送信装置は、送信するIDに装置の現在時刻から一意的に決まる時刻IDを付け加えることによって、秘匿・可変化IDの生成時刻と測位情報管理サーバが復号を行う復号開始時刻にずれが生じた場合や測位情報送信装置内部の時計に狂いが生じた場合にも秘匿化に使用された秘密鍵を特定することを可能にする。例えば、以下の実施例において、許容される時刻のずれは測位情報送信装置の内部時計が、時刻IDのビット長をTとするとき、2^(T-1)×(ID変更間隔)時間以内である。また、時刻IDは秘匿化しないため、時刻IDから装置IDを推測する攻撃が考えられるが、以下の実施例において、装置IDと時刻IDを含めた領域を秘匿化することによって、時刻IDから装置IDの推定を防ぐことが可能である。
【0012】
すなわち本発明は、測位情報送信装置を用いた位置情報システムにおいて、コストシェアリングの仕組みを確立するために、測位情報送信装置は位置情報を送信せずに、測位用に秘匿・可変化された装置IDである秘匿・可変化IDを送信し、測位情報管理サーバは装置IDと位置情報の関連付けを格納管理し、測位情報管理サーバは秘匿・可変化IDを伴った復号リクエストに対して該関連付けに従い位置情報への変換を実行し、位置情報を提供する。
【0013】
このように測位情報送信装置が送信する測位用識別情報を位置情報に変換するために、必ず測位情報管理サーバを経由することで、どの設置場所に設置された測位情報送信装置の送信する測位用識別情報を、どの移動通信端末が受信し、位置情報への変換を要求したかを、測位情報管理サーバが把握することが可能となる。その結果、測位用識別情報の利用回数に応じて、設置地点の地域所有者と、移動通信端末利用者と、その測位情報に連動したサービスを提供する応用アプリケーション事業者とが、位置情報システムの設置および運用コストを分担して負担するように、課金情報を生成することが可能となる。さらに測位情報送信装置が送信する測位用識別情報を一定時間で更新し変更することで、測位情報管理サーバは、測位用識別情報から位置情報への変換を実行可能であるが、サービス契約を結んでいない第3者には測位用識別情報の解読が困難となる。
【0014】
また、本発明によれば、装置IDを秘匿・可変化する際に同時刻において、各装置が同じ秘密鍵を使用するため、同時刻に異なる測位情報送信装置間で秘匿化されたIDが一致しない、さらに、測位情報送信装置が送信するIDに測位情報送信装置の内部時計の現在時刻から一意的に定まる時刻IDを付け加えることによって、時刻IDと時刻IDに関連付けられた秘密鍵をサーバが復号に使用することで、異なる時刻に異なる測位情報送信装置において秘匿化されたIDが一致した際にも、時刻IDを識別することにより復号が可能となる。以下の実施例において、許容される時刻のずれは測位情報送信装置の内部時計が、時刻IDのビット長をTとするとき、2^(T-1)×(ID変更間隔)時間以内である。
【0015】
より具体的な本発明の態様は、所定の広さを有する領域に対して、該領域内に複数の測位情報送信装置が設置され、各々が固有の測位用識別情報を送信する測位情報送信装置と、該送信された測位用識別情報を受信して、移動通信用無線情報として送信する、移動通信用無線通信手段を備えた、測位機能付き移動通信端末と、該送信された移動通信用無線情報から測位用識別情報を取り出し、前記所定の設置地点を表現する位置識別情報に変換し、該測位機能付き移動通信端末に移動通信用無線情報として返信する測位情報管理サーバと、を含む位置情報システムであって、
当該位置情報システムは、
前記所定の設置地点に対して、該地点固有の位置識別情報を割り当て、
前記測位情報送信装置に対して、該送信装置固有の送信装置固定識別情報を割り当て、
前記測位情報送信装置は、
該送信装置固定識別情報を格納し、
所定の送信装置固定識別情報に対する秘匿化処理を実行して、自身が格納する送信装置固定識別情報を秘匿化し、
秘匿化可変識別情報を生成し、該秘匿化処理に対する秘匿化鍵識別情報を生成し、
該秘匿化された秘匿化可変識別情報と秘匿化鍵識別情報とを含んで構成される前記測位用識別情報を生成して送信し、
前記測位情報管理サーバは、
測位情報送信装置の送信装置固定識別情報と位置識別情報との関連付けが記載された位置識別情報対応テーブルを備え、
測位情報送信装置から受信した測位用識別情報から秘匿化可変識別情報と秘匿化鍵識別情報を取り出し、
該取り出した秘匿化鍵識別情報を用いて、該秘匿化可変識別情報に対する復号処理を実行して、
該送信装置固有の送信装置固定識別情報を復号し、
該位置識別情報対応テーブルを検索し、該復号された送信装置固定識別情報と関連付けられた位置識別情報へと変換し、
該測位情報送信装置は、測位用識別情報の生成と送信を繰り返し、
測位情報管理サーバは、送信された測位用識別情報の復号を繰り返す、ことを特徴とするものである。
【0016】
さらに、上記態様において、
測位情報送信装置が格納する秘密鍵生成用シード情報を、ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出して、さらに該算出されたハッシュ値を前記ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出する処理を繰り返すことにより算出されるハッシュ値を秘密鍵とし、
前記送信装置固有の送信装置固定識別情報を平文とする共通鍵暗号方法関数により算出される暗号文を秘匿化可変識別情報とし、
該秘密鍵生成用シード情報に対して繰り返しハッシュ値を算出する回数は、該測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商である、ものであってもよい。
【0017】
さらに、上記態様において、
前記秘匿化鍵識別情報とは、前記測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を前記所定の第1の時間で割り算を行った際の商をある所定の第2の時間間隔で割り算を行った際の余りであり、
前記秘密鍵生成用シード情報とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報であり、
前記起動開始時刻とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報である、ものであってもよい。 さらに、上記態様において、
前記秘匿化可変識別情報に対する復号処理とは、
測位情報管理サーバが格納する秘密鍵生成用シード情報を、ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出して、さらに該算出されたハッシュ値を前記ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出する処理を繰り返すことにより算出されるハッシュ値を秘密鍵とし、
該秘匿化可変識別情報を暗号文とする共通鍵暗号方法関数により算出される平文を生成する処理とし、
該秘密鍵生成用シード情報に対して繰り返しハッシュ値を算出する回数は、測位情報管理サーバが格納する起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商に対してさらに、第2の時間間隔で割り算を行った際の商を算出し、該算出された商と第2の時間間隔の積を算出し、該算出した積に前記秘匿化鍵識別情報を加えた値とする、ものであってもよい。
【0018】
さらに、上記態様において、
前記秘匿化可変識別情報とは、測位情報送信装置が保持する乱数生成器を用いて、該測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商を入力とする所定のビット長の乱数を生成し、該生成されたビット列を秘密鍵とし、前記送信装置固有の送信装置固定識別情報を平文とする共通鍵暗号方法関数により算出される暗号文であってもよい。
【0019】
さらに、上記態様において、
前記秘匿化鍵識別情報とは、前記測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を前記所定の第1の時間で割り算を行った際の商をある所定の第2の時間間隔で割り算を行った際の余りであり、
前記起動開始時刻とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報であってもよい。
【0020】
さらに、上記態様において、
前記秘匿化可変識別情報に対する復号処理とは、測位情報管理サーバが保持する乱数生成器を用いて、測位情報管理サーバが格納する起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商に対してさらに、第2の時間間隔で割り算を行った際の商を算出し、該算出された商と第2の時間間隔の積を算出し、該算出した積に前記秘匿化鍵識別情報を加えた値を入力とする所定のビット長の乱数を生成し、該生成されたビット列を秘密鍵とし、前記秘匿化可変識別情報を暗号文とする共通鍵暗号方法関数により算出される平文を生成する処理であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、屋内測位システムを広く普及させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】測位システムの第1の実施例の構成を例示する。
【図2】測位情報送信装置10のハードウェア構成を例示する。
【図3】測位機能付き携帯電話20のハードウェア構成を例示する。
【図4】測位情報管理サーバのハードウェア構成を例示する。
【図5】処理フローを例示する。
【図6】測位情報送信装置10の秘匿・可変化ID生成処理(S100)フローを例示する。
【図7】時刻ID生成手段の処理フローを例示する。
【図8】秘匿ID生成手段の処理フローを例示する。
【図9】測位機能付き携帯電話20の復号リクエスト情報生成処理(S200)フローを例示する。
【図10】測位情報管理サーバ30の復号処理(S300)フローを例示する。
【図11】測位情報管理サーバ30の秘密鍵推測手段の処理フローを例示する。
【図12】測位情報管理サーバ30の復号ID生成手段の処理フローを例示する。
【図13】測位情報管理サーバ30の位置情報生成処理(S410)フローを例示する。
【図14】位置情報対応テーブル(D300)の内容を例示する。
【図15】測位情報送信装置に事前に与える秘匿・可変化IDを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一つの実施形態について図を参照して説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0024】
本実施例で使用する用語を定義する。
(1)位置情報とは、測位情報送信装置が設置されている場所の緯度経度高さ情報もしくは、設置場所の住所・地名もしくはその通称を指す。
(2)装置IDとは、装置製造時に各装置に付与される装置を識別するためのユニークな長さP(Pは1以上の任意の整数)のビット列を指す。
(3)時刻IDとは、現在時刻と装置運用開始時刻をコマンド引数とする時刻ID生成手段を用いて生成される長さT(Tは1以上の任意の整数)のビット列を指す。時刻ID生成手段は図7を用いて説明する。
(4)秘匿IDとは現在時刻と運用開始時刻と装置IDをコマンド引数とする秘匿ID生成手段を用いて生成される長さP(Pは1以上の任意の整数)のビット列を指す。秘匿ID生成手段は図8を用いて説明する。
(5)運用開始時刻とは、測位情報送信装置運用開始時に装置内部の補助記憶装置に書き込まれる本測位情報システムの運用開始時刻であり、
全ての装置に対して同じ運用開始時刻が書き込まれる。
(6)シード値とは、測位情報送信装置の運用開始時に装置内部の耐タンパ記憶装置に書き込まれる固定長のビット列であり
全ての測位情報送信装置に同じ値を書き込むものとする。
(7)ハッシュ関数とは、一方向性と耐衝突性とランダム性を持つ関数の総称であり(例:SHA256、SHA1など)、
本実施形態は特定のハッシュ関数の使用を限定としているものではない。
(8)共通鍵暗号方法とは、ストリーム暗号方法を指し、秘密鍵と平文の入力に対し、平文と同じ長さの暗号文を出力し、
秘密鍵と暗号文の入力に対し、元の平文を出力する。平文と暗号文のビット長は任意とし、秘密鍵のビット長は固定値とし、秘密鍵に使用するビット列の長さが固定値以上の場合にはビットを切り捨て、ビット長を秘密鍵長に合わせ、秘密鍵に使用するビット列の長さが固定値以下の場合には決められたビット列をパディングし、ビット長を秘密鍵長に合わせるものとする。
(9)移動通信用パケットとは、移動通信端末と測位情報管理サーバとが、移動通信事業者(キャリア)が所有するネットワークを利用して通信する際に使用する通信パケットを指し、本実施例では、移動通信用パケットを用いた通信には従来の携帯電話網を利用する。
(10)位置情報テーブルとは、測位情報管理サーバが格納管理し、測位情報送信装置の装置IDと位置情報の関連付けが記載された表(テーブル)を指す。
(11)推測鍵とは、測位情報管理サーバが、秘匿・可変化IDの復号処理中に呼び出す秘密鍵推測手段において、測位情報送信装置が装置IDの秘匿化に使用した秘密鍵を推測した値を指す。
(12)推測回数とは、測位情報管理サーバが、秘匿・可変化IDの復号処理中に呼び出す秘密鍵推測手段において、測位情報送信装置が装置IDの秘匿化に使用した秘密鍵を推測する際に利用する内部変数であり、具体的には、測位情報送信装置が秘密鍵を生成する際にハッシュ関数を適用した回数の推測値である。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態が適用された屋内測位情報システムの構成図である。
本実施形態の屋内測位情報システムは、図1に示すように、屋内施設00内に複数の測位情報送信装置101〜10n(以下,単に測位情報送信装置10とも称する)、が設置され、サービス利用者の持つ測位機能付き携帯電話20に測位用識別情報である秘匿・可変化ID40を送信する。
【0026】
測位機能付き携帯電話20は、測位情報送信装置が送信した秘匿・可変化ID情報40を受信し、ネットワーク50を経由して、測位情報サービス事業者の所有する測位情報管理サーバ30に復号リクエスト情報60を送信する。
【0027】
測位情報管理サーバ30は、測位機能付き携帯電話20が送信した復号リクエスト情報60を受信し、復号リクエストに対応する位置情報70に変換し、サービス利用者の持つ測位機能付き携帯電話20に位置情報70を送信する。
【0028】
次に、図2、3、4を用いて、本実施形態に登場する各装置、端末のハードウェア構成を説明する。
【0029】
図2は、測位情報送信装置10のハードウェア構成図である。測位情報送信装置10は、CPU10−1と、入出力装置10−2と、外部記憶媒体10−3と、外部インターフェース10−4と、送信装置10−5と、測位情報送信アンテナ10−6と、耐タンパ記憶装置10−7と、クロック装置10−8と、補助記憶装置10−9と、主記憶装置10−10と、がバスなどの内部信号線10−11で連結され構成される。
【0030】
また、補助記憶装置10−9には、図6、図7、図8において実行するプログラムコードと、図6、図8において実行するプログラム中で使用する内部変数:[装置ID]と、図7、図8において実行するプログラム中で使用する内部変数:[運用開始時刻]と、が格納されている。
【0031】
また、耐タンパ記憶装置10−7には、図8において実行するプログラム中で使用するシード値が格納されている。
【0032】
図3は、測位機能付き携帯電話20のハードウェア構成図である。測位機能付き携帯電話20は、CPU20−1と、入出力装置20−2と、移動通信送信・受信装置20−3と、移動通信送信・受信アンテナ20−4と、補助記憶装置20−5と、主記憶装置20−6と、測位情報受信装置20−7と、測位情報受信アンテナ20−8と、がバスなどの内部信号線20−9で連結され構成される。
【0033】
図4は、測位情報管理サーバ30のハードウェア構成図である。測位情報管理サーバ30は、CPU30−1と、入出力装置30−2と、ネットワーク通信装置30−3と、クロック装置30−4と、補助記憶装置30−5と、主記憶装置30−6と、がバスなどの内部信号線30−7で連結され構成される。
【0034】
また、補助記憶装置30−5には、図10、図11、図12、図13において実行するプログラムコードと、図10、図11において実行するプログラム中で使用する内部変数:[運用開始時刻]と、図11において実行するプログラム中で使用する内部変数:[シード]と、図13において実行するプログラム中で使用する位置情報テーブルと、が格納されている。
【0035】
次に、図5を用いて本実施形態に登場する各装置、端末の処理フローと各装置、端末が生成し送信する各種の情報の流れを説明する。
【0036】
図5は、本測位システムの処理フローである。
【0037】
測位情報送信装置10は、自身の装置IDに対して秘匿・可変化ID生成処理(S100)を行い、秘匿・可変化IDを生成し、秘匿・可変化ID情報40として測位機能付き携帯電話20に送信する。測位機能付き携帯電話20は、受信した秘匿・可変化ID情報40に対して復号リクエスト情報生成処理(S200)を行い、復号リクエスト情報60を生成し、測位情報管理サーバ30に送信する。
【0038】
測位情報管理サーバ30は、受信した復号リクエスト情報60に対して復号処理(S300)を行い秘匿化された装置IDを復号し、その後、位置情報生成処理(S410)を行い装置IDに対応した位置情報70を生成し、測位機能付き携帯電話20に送信する。その後、同様に測位情報送信装置10は秘匿・可変化ID生成処理(S100)と生成した秘匿・可変化ID情報40の送信を繰り返し、測位機能付き携帯電話20が秘匿・可変化ID情報40を受信し、測位情報管理サーバ30に復号リクエスト情報60送信する毎に、測位情報管理サーバ30は復号処理(S300)と位置情報生成処理(S410)と生成した位置情報70の測位機能付き携帯電話20への送信を繰り返す。
【0039】
次に、図6、7、8を用いて本実施形態における測位情報送信装置10が送信する秘匿・可変化ID情報40の生成処理(図5のS100)の詳細を説明する。以下に説明する処理フローは、測位情報送信装置10の補助記憶装置10―9に格納された複数のプログラムが主記憶装置10−10にロードされ,CPU10−1により実行されることによって、実現される。
【0040】
図6は、測位情報送信装置10の秘匿・可変化ID生成処理(S100)フローである。
以下、処理フローを説明する。
【0041】
測位情報送信装置10は、
内部変数:[時刻ID]を初期化し、
内部変数:[現在時刻]を初期化し、
内部変数:[秘匿ID]を初期化し、
内部変数:[秘匿・可変化ID]を初期化し、
内部変数:[装置ID]を装置固有の既定値にセットし、
内部変数:[運用開始時刻]を全ての装置に共通の既定値にセットする(S110、S120)。
【0042】
次に、測位情報送信装置10は、クロック装置10―8の出力する現在時刻を
内部変数:[現在時刻]にセットする(S130)。
【0043】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[現在時刻]と[運用開始時刻]をコマンド引数とする時刻ID生成手段を用いてビット長Tのデータを生成し、
その値を内部変数:[時刻ID]にセットする(S140)。
【0044】
次に、測位情報送信装置10は、
[現在時刻]と[運用開始時刻]と[装置ID]をコマンド引数とする秘匿ID生成手段を用いてビット長Pのデータを生成し、
その値を内部変数:[秘匿ID]にセットする(S150)。
【0045】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数[秘匿ID]と内部変数[時刻ID]をパディングし、ビット長T+Pのデータを生成し、
その値を内部変数:[秘匿・可変化ID]にセットし、
内部変数:[秘匿・可変化ID]を秘匿・可変化ID情報40として出力して処理を完了する(S160、S170)。
【0046】
図7は、測位情報送信装置10の秘匿・可変化ID生成処理(S100)中に呼び出される時刻ID生成手段の処理フローである。
以下、処理フローを説明する。
【0047】
測位情報送信装置10は、
内部変数:[現在時刻]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[運用開始時刻]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[運用時間]を初期化する(S141、S142)。
【0048】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[運用開始時刻]と内部変数:[現在時刻]の差分から装置が運用された時間を算出し、
算出した値の〜時間〜分〜秒から〜分以下の値を切り捨て、
その値を内部変数:[運用時間]にセットする。
【0049】
図中の具体例では、
[運用開始時刻]=2005年8月31日19時19分30秒、[現在時刻]=2006年3月3日10時30分50秒として、
差分6257時間21分20秒と求め、21分20秒を切り捨てた値[運用時間]=6257を例示している(S143)。
【0050】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[運用時間]を2のT乗で割った余りを長さTビットのビット列で表した値を出力し、処理を完了する(S144、S145)。
【0051】
図8は、測位情報送信装置10の秘匿・可変化ID生成処理(S100)中に呼び出される秘匿ID生成手段の処理フローである。以下、処理フローを説明する。
【0052】
測位情報送信装置10は、
内部変数:[現在時刻]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[運用開始時刻]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[装置ID]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[シード]を初期化し、
内部変数:[秘密鍵]を初期化し、
内部変数:[運用時間]を初期化する(S151、S152)。
【0053】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[運用開始時刻]と内部変数:[現在時刻]の差分から
装置が運用された時間を算出し、算出した値の〜時間〜分〜秒から〜分以下の値を切り捨て、その値を内部変数:[運用時間]にセットする(S153)。
図中の具体例では、
[運用開始時刻]=2005年8月31日19時19分30秒、[現在時刻]=2006年3月3日10時30分50秒として、
差分6257時間21分20秒と求め、21分20秒を切り捨てた値[運用時間]=6257を例示している(S153)。
【0054】
次に、測位情報送信装置10は、
耐タンパ領域10−7にアクセスし、格納されているシード値を内部変数:[シード]にセットする(S154)。
【0055】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[シード]に対して、ハッシュ値を計算し、
そのハッシュ値に対してさらにハッシュ値を計算し、
以下同様の操作を内部変数:[運用時間]の回数繰り返した出力値を内部変数:[秘密鍵]にセットする。
図中の具体例では
[運用時間]=6257、[秘密鍵]=H(H(H(・・・H([シード])))) ←6257回 ただし、H():ハッシュ関数 を例示している(S155)。
【0056】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[装置ID]を平文、内部変数:[秘密鍵]を秘密鍵とする共通鍵暗号化処理によってビット長Pの暗号文を生成し、
そのビット長Pの暗号文を出力して処理を完了する(S156、S157)。
【0057】
次に、図9を用いて本実施形態における測位機能付き携帯電話20が送信する復号リクエスト情報60生成処理フローの詳細を説明する。
【0058】
測位機能付き携帯電話20の補助記憶装置20―5に格納された複数のプログラムが主記憶装置20−6にロードされ,CPU20−1により実行されることによって、以下に説明する処理フローが実行される。
【0059】
以下、処理フローを説明する。
【0060】
測位機能付き携帯電話20は、
移動通信用パケット送信アプリケーションを起動し、
内部変数: [移動通信用パケット]を初期化する(S210、S220)。
【0061】
次に、測位機能付き携帯電話20は、
内部変数: [移動通信用パケット]を測位情報管理サーバ送信用にセットする(S230)。
【0062】
次に、測位機能付き携帯電話20は、
移動通信用パケットのデータ部に受信した秘匿・可変化ID情報40をセットし、
内部変数:[移動通信用パケット]を復号リクエスト情報60として出力して処理を完了する(S240、S250)。
【0063】
次に、図10、11、12を用いて本実施形態における測位情報管理サーバ30が行う復号処理(図5のS300)の詳細を説明する。以下に説明する処理フローは、測位情報管理サーバ30の補助記憶装置30―5に格納された複数のプログラムが主記憶装置30−6にロードされ,CPU30−1により実行されることによって、実現される。
【0064】
図10は、測位情報管理サーバ30の復号処理(S300)フローである。
以下、処理フローを説明する。
【0065】
測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[秘匿・可変化ID]を初期化し
内部変数:[復号ID]を初期化し、
内部変数:[現在時刻]を初期化し、
内部変数:[秘密鍵]を初期化し、
内部変数:[運用開始時刻]を全ての装置に共通の既定値にセットする(S310、S320)。
【0066】
次に、測位情報管理サーバ30は、受信した復号リクエスト情報60のデータ部分である秘匿・可変化ID情報を
内部変数:[秘匿・可変化ID]にセットする(S330)。
【0067】
次に、測位情報管理サーバ30は、クロック装置30―4の出力する現在時刻を
内部変数:[現在時刻]にセットする(S340)。
【0068】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[現在時刻]と内部変数:[運用開始時刻]と内部変数:[秘匿・可変化ID]をコマンド引数とする秘密鍵推測手段を用いて暗号化に使用された秘密鍵を特定し、
特定した秘密鍵を内部変数:[秘密鍵]にセットする(S350)。
【0069】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[秘匿・可変化ID]と内部変数:[秘密鍵]をコマンド引数とする復号ID生成手段を用いて、秘匿・可変化処理(S100)で暗号化された装置IDを復号し、
復号した値を内部変数:[復号ID]にセットし、
内部変数:[復号ID]を復号IDとして出力して処理を完了する(S360、S370)。
【0070】
図11は、測位情報管理サーバ30の復号処理(S300)中に呼び出される秘密鍵推測手段の処理フローである。
以下、処理フローを説明する。
【0071】
測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[秘匿・可変化ID]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[現在時刻]をコマンド引き数として受け取り、
内部変数:[運用開始時刻]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[シード]を初期化し、
内部変数:[運用時間]を初期化し、
内部変数:[推測鍵]を初期化し、
内部変数:[推測回数]を初期化する(S351、S352)。
【0072】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[運用開始時刻]と内部変数:[現在時刻]の差分から
装置が運用された時間を算出し、算出した値の〜時間〜分〜秒から〜分以下の値を切り捨て、
その値を内部変数:[運用時間]にセットする(S353)。
【0073】
次に、測位情報管理サーバ30は、
補助記憶装置30―5にアクセスし、
格納されているシード値を内部変数:[シード]にセットする(S354)。
【0074】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[運用時間]に対し±{2の(T-1)乗}の範囲の値で、
2のT乗で割った余りが内部変数:[秘匿・可変化ID]の時刻IDと
一致する値を内部変数:[推測回数]にセットする(S355)。
【0075】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[シード]に対して、ハッシュ値を計算し、
そのハッシュ値に対してさらにハッシュ値を計算し、
以下同様の操作を内部変数:[推測回数]の値だけ
繰り返した出力値を内部変数:[推測鍵]にセットし、
内部変数:[推測鍵]を秘匿・可変化ID生成処理で使用された秘密鍵とし、
内部変数:[推測鍵]として出力して処理を完了する(S356、S357)。
【0076】
図12は、測位情報管理サーバ30の復号処理(S300)中に呼び出される復号ID生成手段の処理フローである。
以下、処理フローを説明する。
【0077】
測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[秘匿・可変化ID]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[秘密鍵]をコマンド引き数として受け取り、
内部変数:[装置ID]を初期化する(S361、S362)。
【0078】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[秘匿・可変化ID]の秘匿ID部分を、
内部変数:[装置ID]にセットする(S363)。
【0079】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[装置ID]を暗号文、内部変数:[秘密鍵]を秘密鍵とする
共通鍵暗号化処理によってビット長Pの平文を生成し、
生成した平文を内部変数:[装置ID]にセットし、
内部変数:[装置ID]を復号IDとして出力して処理を完了する(S364、S365)。
【0080】
次に、図13を用いて本実施形態における測位情報管理サーバ30が行う位置情報生成処理(図5のS410)の詳細を説明する。以下に説明する処理フローは、測位情報管理サーバ30の補助記憶装置30―5に格納された複数のプログラムが主記憶装置30−6にロードされ,CPU30−1により実行されることによって、実現される。
【0081】
測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[復号ID]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[位置情報]を初期化し、
移動通信用パケット送信アプリケーションを起動し、
内部変数:[移動通信用パケット]を初期化する(S411、S412)。
【0082】
次に、測位情報管理サーバ30は、
補助記憶装置30―5にアクセスし内部変数:[復号ID]を装置IDとみなし、装置IDに対応する
位置情報を位置情報テーブル(D300)から検索し、検索結果を内部変数:[位置情報]にセットする(S413)。
【0083】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数: [移動通信用パケット]を測位測位機能付き携帯電話20への送信用にセットする(S414)。
【0084】
次に、測位情報管理サーバ30は、
移動通信用パケットのデータ部に内部変数:[位置情報]をセットし、
内部変数:[移動通信用パケット]を位置情報70として出力して完了する(S415、S416)。
【0085】
次に、図14を用いて測位情報管理サーバ30の補助記憶装置30―5に格納されている位置情報テーブル(D300)の一例を示す。
図14では、装置ID:1234の測位情報送信装置が緯度○○経度△△高さ××に設置され、装置ID:5678の測位情報送信装置が緯度□□経度##高さ☆☆に設置されているとして、装置IDと装置の設置場所の対応関係を例示している。
【0086】
なお,本発明は,上述の実施形態に限定されるものではなく,その要旨の範囲内で様々な変形が可能である。
【0087】
例えば、図5、6、7、8において測位情報送信装置10は、装置内部のCPU10−1を用いて、秘匿・可変化ID生成処理を行っているが、予め、測位情報管理サーバ30で全ての測位情報送信装置に対して、秘匿・可変化ID生成処理を行い、生成した秘匿・可変化IDを測位情報送信装置10の外部インターフェース10−4から補助記憶装置10−9もしくは耐タンパ記憶装置10−7に格納し、秘匿・可変化ID情報40を生成する際に、逐次、補助記憶装置10−9もしくは耐タンパ記憶装置10−7にアクセスし、秘匿・可変化IDを取得しても良い。さらに、測位情報管理サーバ30が事前に計算した秘匿・可変化IDと装置IDの対応情報を保持することによって、図10,11,12の復号処理を経ずに装置IDを取得しても良い。さらに、測位情報管理サーバ30が秘匿・可変化IDを生成する代わりに、 (T+P)ビットの擬似乱数を全ての測位情報送信装置10に複数生成し、生成した各擬似乱数を秘匿・可変化IDとしてもよい、ただし、この場合、異なる測位情報送信装置が2^(T−1)時間以内に同じ秘匿・可変化IDを送信しないために、測位情報送信装置10に与えた各擬似乱数に対して、前後2^(T−1)時間は異なる擬似乱数を与える。
図15を用いて具体的な擬似乱数の与え方の一例を示す。
【0088】
図15では、例えば、装置ID:3の測位情報送信装置に運用時間:5において擬似乱数:abcを与えている、この時、前後2^(T-1)時間(図15ではT=2としている)は他の測位情報送信装置には、abcを与えていない。これにより、測位情報管理サーバ30は、運用時間3から運用時間7の間に秘匿・可変化ID:abcを受信した際に、秘匿・可変化ID:abcから装置ID:3を取得することが出来る。
【0089】
この場合、測位情報送信装置10の補助記憶装置10−9もしくは耐タンパ記憶装置10−7に装置IDを格納する必要はない。
【0090】
また、図8において測位情報送信装置10は、秘匿ID生成手段を実行する毎に、内部変数:[秘密鍵]のセッティングを行っているが(S155)、
一度、内部変数:[秘密鍵]のセッティングを行った後、内部変数:[秘密鍵]の値と内部変数:[運用時間]の値を補助記憶装置10−9、もしくは、主記憶装置10−10に格納し、
次に、内部変数:[秘密鍵]のセッティングを行う際に、セッティングした内部変数:[運用時間]が該格納されている内部変数:[運用時間]の値と一致しているならば、内部変数:[秘密鍵]のセッティングを行わずに、該格納されている内部変数:[秘密鍵]の値を内部変数:[秘密鍵]として読み込み再度利用しても良い。
【0091】
また、図11において測位情報管理サーバ30は、秘密鍵推測手段を実行する毎に、内部変数:[推測鍵]のセッティングを行っているが(S356)、一度、内部変数:[推測鍵]のセッティングを行った後、内部変数:[推測鍵]の値と内部変数:[推測回数]の値を補助記憶装置30−5、もしくは、主記憶装置30−6に格納し、
次に、内部変数:[推測鍵]のセッティングを行う際に、セッティングした内部変数:[推測回数]が該格納されている内部変数:[推測回数]の値と一致しているならば、内部変数:[推測鍵]のセッティングを行わずに、該格納されている内部変数:[推測鍵]の値を内部変数:[推測鍵]として読み込み再度利用しても良い。
【0092】
また、上述の実施形態では、秘匿・可変化IDの変更を1時間毎に行っているが、必ずしも、変更のタイミングは1時間に限定する必要はなく、任意で良い。特に全ての装置が時刻同期をとれる状況においては、全ての装置を同期させて、不定期に秘匿・可変化IDの変更を行っても良い。
【0093】
また、上述の実施形態では、共通鍵暗号アルゴリズムとしてストリーム暗号を用いているが、その他の暗号アルゴリズムを用いても良い。
【0094】
また、図8において測位情報送信装置10は、秘匿ID生成手段の処理フローにおいて、内部変数:[秘密鍵]をセッティングする際に、内部変数:[シード]に対して現在時刻に応じた回数ハッシュ値を算出した値を内部変数:[秘密鍵]としてセットしているが(S155)、必ずしも、内部変数:[秘密鍵]を上述の形態でセッティングする必要はない。より、一般に全ての装置が時刻同期をとった乱数生成器を保持し、全ての乱数生成器は同時刻には同じ乱数を生成し、生成された乱数を内部変数:[秘密鍵]にセッティングすることにより全ての装置が同時刻において同じ内部変数:[秘密鍵]を共有しても良い。
【0095】
また、図7、図8において測位情報送信装置10は、それぞれ、内部変数:[運用時間]のセッティングを行っているが(S143、S153)、図7でセッティングを行った内部変数:[運用時間]の値を補助記憶装置10−9、もしくは、主記憶装置10−10に格納し、図8において内部変数:[運用時間]のセッティングを行う際に、該格納されている内部変数:[運用時間]の値を読み込み再度、内部変数:[運用時間]の値として利用しても良い。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全地球測位システム(GPS: Global Positioning System)を補完する屋内での測位システムを含む位置情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電波を用いた位置測定システムのなかで、最も広範に用いられているシステムとして、全地球測位システム(以下、GPSと呼ぶ)が挙げられる。GPSは地球の周回軌道を回る約30個の衛星から送信されるGPS測位信号を利用して、受信者とGPSの衛星の位置関係を測定し、現在地の緯度・経度・高度を計算するシステムである。GPSでは衛星からの測位信号を用いるため、屋内、地下空間での測位が出来なくなる問題がある。
【0003】
一方、屋内測位向け測位情報送信装置と地上補完信号を用いた屋内測位システム(Indoor Messaging System、IMESという)は、屋内での測位を可能とするために考案された測位システムである。地上補完信号(IMES信号)は、衛星測位信号と同じメッセージ構造を使用するが、衛星軌道データ(航法メッセージ)の代わりに、測位情報送信装置の装置設置場所の位置情報を送信する点に特徴がある。IMES信号受信による測位方法は、通常のGPS測位方法と異なり、IMES信号に重畳されている測位情報送信装置の装置設置場所の位置情報を復調・解読するだけで位置を特定できる極めて簡便な測位方法である。この方法によれば、既存のGPS受信機やGPS受信機能をもつ各種端末においても、ごく小規模の改修により、屋内測位への対応が可能となる。この衛星測位との相互運用性の高さにより、屋内測位向け測位情報送信装置と地上補完信号を用いた屋内測位システムは、将来有望と目されており、研究開発が進められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“Quasi-Zenith Satellite System Navigation Service Interface Specification for QZSS(IS-QZSS)”V1.1 Japan Aerospace Exploration Agency, July 31,2009 (http//qzss.jaxa.jp/is-qzss/index_e.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
屋内測位向け測位情報送信装置と地上補完信号を用いた屋内測位システム(IMES)は、衛星測位システムと異なる測位方法、機材、運用方法をとるため、下記に示す課題がある。
(1)インフラコストの課題
米国が軍事目的で打ち上げた測位衛星が送信する測位信号を利用する全地球測位システム(GPS)とは異なり、IMESでは、地上補完信号を送信する測位情報送信装置を民間負担により設置する必要がある。IMESを用いる位置情報サービスには、施設所有者、IMESインフラ事業者、移動通信事業者(キャリア)、サービス事業者、サービス利用者といった様々なステークホルダが関係する。IMES普及の上で、設備設置・運用コストをどの事業者が負担するかという問題は大きな課題である。
(2)地上補完信号の秘匿・可変化に対する課題
上述(1)「インフラコストの課題」に対して、測位情報送信装置の送信する地上補完信号を装置が設置されている位置情報から装置のIDに変更し、さらにそのIDを秘匿化し、一定時間毎に変更することでIMESインフラ事業者の所有するサーバのみが復号可能にする対策が考えられる(IDの秘匿・可変化)。この対策によって、サービス利用者は地上補完信号に対応する位置情報を得るために、IMESインフラ事業者のサーバに問い合わせを行うため、利用回数に応じた課金が可能である。利用者から徴収した料金は、設備設置・運用コストを負担した事業者に支払われる。また、IMESインフラ使用のサービス契約を結んでいない第3者は、地上補完信号から位置情報への変換を行うことが困難なため、IMESインフラの不正利用によりインフラコスト負担者が不利益を被ることがなくなる。
【0006】
しかし、地上補完信号の通信速度は50bpsと遅く、歩行中のサービス利用者が装置の信号受信可能なセル内で装置を捕捉した後、信号受信完了までの時間は限られている。よって、地上補完信号である装置の秘匿・可変化されたIDのビット長を可能な限り短くする必要がある。このため、短いビット長の地上補完信号に対して秘匿・可変化を行った際に、異なる装置間において秘匿・可変化したIDが偶然一致し、サーバ側で復号不能になる問題が発生する。例えば、1000台の装置が20ビットの秘匿・可変化IDをランダムに生成すると約50%の確率で異なる装置間でIDが一致し、IDが復号不能に陥る。当然、IDが復号不能となった場合、サービス利用者へ位置情報を提供することができず、インフラコスト負担者は、課金の機会を失う。また、サービス利用者のIMESインフラに対する信用を失う可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決し、屋内測位システムを広く普及させることを可能にするものであり、屋内測位用の測位信号である地上補完信号を送信する測位情報送信装置、地上補完信号を受信する測位受信機能を備え、かつ位置情報を活用した応用アプリケーションのクライアント機能を備えた移動通信端末、例えばGPS測位機能付き携帯電話、地上補完信号と位置情報の対応付けを管理する測位情報管理サーバ、からなる屋内測位システムの構成、および運用技術を提供する。
【0008】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、
上述(1)「インフラコストの課題」に対して、測位情報送信装置の送信する地上補完信号(以下、測位情報と称す)を位置情報から装置のIDに変更し、さらにそのIDを秘匿化し、一定時間毎に変更することでIMESインフラ事業者(以下、測位情報サービス事業者と称す)の所有する測位情報管理サーバに、復号可能にする権限を与える。
【0009】
これにより、サービスの利用契約を結んでいない第3者が測位情報と位置情報の対応テーブルを作成することによって不正に測位情報から位置情報への変換を行う課題を解決する。また、正規のサービス利用者は、測位情報から位置情報を得るために、測位情報管理サーバに問い合わせを行う必要があるため、利用回数に応じた課金が可能になる。
【0010】
上述(2)「地上補完信号の秘匿・可変化に対する課題」に対して、全ての測位情報送信装置が装置IDを秘匿・可変化する際に同時刻において同じ秘密鍵を使用することによって、異なる装置間において秘匿・可変化したIDが偶然一致する問題を解決し、さらに、一定時間毎に使用する秘密鍵を全ての装置が同期を取って変更することによって、IDの可変化を実現する。つまり、測位情報送信装置のIDを変更するのではなく、IDを秘匿化する秘密鍵を一定時間毎に変更することによって、各測位情報送信装置はIDの秘匿・可変化を行い、全ての測位情報送信装置が同一の秘密鍵で、異なる装置IDを暗号化することによってID衝突の問題を解決する。
【0011】
この時、装置IDは暗号化関数に対する入力平文となるので、そのビット長は暗号化関数に例えばストリーム暗号を利用した際には任意の長さで良い。さらに、測位情報送信装置は、送信するIDに装置の現在時刻から一意的に決まる時刻IDを付け加えることによって、秘匿・可変化IDの生成時刻と測位情報管理サーバが復号を行う復号開始時刻にずれが生じた場合や測位情報送信装置内部の時計に狂いが生じた場合にも秘匿化に使用された秘密鍵を特定することを可能にする。例えば、以下の実施例において、許容される時刻のずれは測位情報送信装置の内部時計が、時刻IDのビット長をTとするとき、2^(T-1)×(ID変更間隔)時間以内である。また、時刻IDは秘匿化しないため、時刻IDから装置IDを推測する攻撃が考えられるが、以下の実施例において、装置IDと時刻IDを含めた領域を秘匿化することによって、時刻IDから装置IDの推定を防ぐことが可能である。
【0012】
すなわち本発明は、測位情報送信装置を用いた位置情報システムにおいて、コストシェアリングの仕組みを確立するために、測位情報送信装置は位置情報を送信せずに、測位用に秘匿・可変化された装置IDである秘匿・可変化IDを送信し、測位情報管理サーバは装置IDと位置情報の関連付けを格納管理し、測位情報管理サーバは秘匿・可変化IDを伴った復号リクエストに対して該関連付けに従い位置情報への変換を実行し、位置情報を提供する。
【0013】
このように測位情報送信装置が送信する測位用識別情報を位置情報に変換するために、必ず測位情報管理サーバを経由することで、どの設置場所に設置された測位情報送信装置の送信する測位用識別情報を、どの移動通信端末が受信し、位置情報への変換を要求したかを、測位情報管理サーバが把握することが可能となる。その結果、測位用識別情報の利用回数に応じて、設置地点の地域所有者と、移動通信端末利用者と、その測位情報に連動したサービスを提供する応用アプリケーション事業者とが、位置情報システムの設置および運用コストを分担して負担するように、課金情報を生成することが可能となる。さらに測位情報送信装置が送信する測位用識別情報を一定時間で更新し変更することで、測位情報管理サーバは、測位用識別情報から位置情報への変換を実行可能であるが、サービス契約を結んでいない第3者には測位用識別情報の解読が困難となる。
【0014】
また、本発明によれば、装置IDを秘匿・可変化する際に同時刻において、各装置が同じ秘密鍵を使用するため、同時刻に異なる測位情報送信装置間で秘匿化されたIDが一致しない、さらに、測位情報送信装置が送信するIDに測位情報送信装置の内部時計の現在時刻から一意的に定まる時刻IDを付け加えることによって、時刻IDと時刻IDに関連付けられた秘密鍵をサーバが復号に使用することで、異なる時刻に異なる測位情報送信装置において秘匿化されたIDが一致した際にも、時刻IDを識別することにより復号が可能となる。以下の実施例において、許容される時刻のずれは測位情報送信装置の内部時計が、時刻IDのビット長をTとするとき、2^(T-1)×(ID変更間隔)時間以内である。
【0015】
より具体的な本発明の態様は、所定の広さを有する領域に対して、該領域内に複数の測位情報送信装置が設置され、各々が固有の測位用識別情報を送信する測位情報送信装置と、該送信された測位用識別情報を受信して、移動通信用無線情報として送信する、移動通信用無線通信手段を備えた、測位機能付き移動通信端末と、該送信された移動通信用無線情報から測位用識別情報を取り出し、前記所定の設置地点を表現する位置識別情報に変換し、該測位機能付き移動通信端末に移動通信用無線情報として返信する測位情報管理サーバと、を含む位置情報システムであって、
当該位置情報システムは、
前記所定の設置地点に対して、該地点固有の位置識別情報を割り当て、
前記測位情報送信装置に対して、該送信装置固有の送信装置固定識別情報を割り当て、
前記測位情報送信装置は、
該送信装置固定識別情報を格納し、
所定の送信装置固定識別情報に対する秘匿化処理を実行して、自身が格納する送信装置固定識別情報を秘匿化し、
秘匿化可変識別情報を生成し、該秘匿化処理に対する秘匿化鍵識別情報を生成し、
該秘匿化された秘匿化可変識別情報と秘匿化鍵識別情報とを含んで構成される前記測位用識別情報を生成して送信し、
前記測位情報管理サーバは、
測位情報送信装置の送信装置固定識別情報と位置識別情報との関連付けが記載された位置識別情報対応テーブルを備え、
測位情報送信装置から受信した測位用識別情報から秘匿化可変識別情報と秘匿化鍵識別情報を取り出し、
該取り出した秘匿化鍵識別情報を用いて、該秘匿化可変識別情報に対する復号処理を実行して、
該送信装置固有の送信装置固定識別情報を復号し、
該位置識別情報対応テーブルを検索し、該復号された送信装置固定識別情報と関連付けられた位置識別情報へと変換し、
該測位情報送信装置は、測位用識別情報の生成と送信を繰り返し、
測位情報管理サーバは、送信された測位用識別情報の復号を繰り返す、ことを特徴とするものである。
【0016】
さらに、上記態様において、
測位情報送信装置が格納する秘密鍵生成用シード情報を、ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出して、さらに該算出されたハッシュ値を前記ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出する処理を繰り返すことにより算出されるハッシュ値を秘密鍵とし、
前記送信装置固有の送信装置固定識別情報を平文とする共通鍵暗号方法関数により算出される暗号文を秘匿化可変識別情報とし、
該秘密鍵生成用シード情報に対して繰り返しハッシュ値を算出する回数は、該測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商である、ものであってもよい。
【0017】
さらに、上記態様において、
前記秘匿化鍵識別情報とは、前記測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を前記所定の第1の時間で割り算を行った際の商をある所定の第2の時間間隔で割り算を行った際の余りであり、
前記秘密鍵生成用シード情報とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報であり、
前記起動開始時刻とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報である、ものであってもよい。 さらに、上記態様において、
前記秘匿化可変識別情報に対する復号処理とは、
測位情報管理サーバが格納する秘密鍵生成用シード情報を、ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出して、さらに該算出されたハッシュ値を前記ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出する処理を繰り返すことにより算出されるハッシュ値を秘密鍵とし、
該秘匿化可変識別情報を暗号文とする共通鍵暗号方法関数により算出される平文を生成する処理とし、
該秘密鍵生成用シード情報に対して繰り返しハッシュ値を算出する回数は、測位情報管理サーバが格納する起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商に対してさらに、第2の時間間隔で割り算を行った際の商を算出し、該算出された商と第2の時間間隔の積を算出し、該算出した積に前記秘匿化鍵識別情報を加えた値とする、ものであってもよい。
【0018】
さらに、上記態様において、
前記秘匿化可変識別情報とは、測位情報送信装置が保持する乱数生成器を用いて、該測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商を入力とする所定のビット長の乱数を生成し、該生成されたビット列を秘密鍵とし、前記送信装置固有の送信装置固定識別情報を平文とする共通鍵暗号方法関数により算出される暗号文であってもよい。
【0019】
さらに、上記態様において、
前記秘匿化鍵識別情報とは、前記測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を前記所定の第1の時間で割り算を行った際の商をある所定の第2の時間間隔で割り算を行った際の余りであり、
前記起動開始時刻とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報であってもよい。
【0020】
さらに、上記態様において、
前記秘匿化可変識別情報に対する復号処理とは、測位情報管理サーバが保持する乱数生成器を用いて、測位情報管理サーバが格納する起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商に対してさらに、第2の時間間隔で割り算を行った際の商を算出し、該算出された商と第2の時間間隔の積を算出し、該算出した積に前記秘匿化鍵識別情報を加えた値を入力とする所定のビット長の乱数を生成し、該生成されたビット列を秘密鍵とし、前記秘匿化可変識別情報を暗号文とする共通鍵暗号方法関数により算出される平文を生成する処理であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、屋内測位システムを広く普及させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】測位システムの第1の実施例の構成を例示する。
【図2】測位情報送信装置10のハードウェア構成を例示する。
【図3】測位機能付き携帯電話20のハードウェア構成を例示する。
【図4】測位情報管理サーバのハードウェア構成を例示する。
【図5】処理フローを例示する。
【図6】測位情報送信装置10の秘匿・可変化ID生成処理(S100)フローを例示する。
【図7】時刻ID生成手段の処理フローを例示する。
【図8】秘匿ID生成手段の処理フローを例示する。
【図9】測位機能付き携帯電話20の復号リクエスト情報生成処理(S200)フローを例示する。
【図10】測位情報管理サーバ30の復号処理(S300)フローを例示する。
【図11】測位情報管理サーバ30の秘密鍵推測手段の処理フローを例示する。
【図12】測位情報管理サーバ30の復号ID生成手段の処理フローを例示する。
【図13】測位情報管理サーバ30の位置情報生成処理(S410)フローを例示する。
【図14】位置情報対応テーブル(D300)の内容を例示する。
【図15】測位情報送信装置に事前に与える秘匿・可変化IDを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一つの実施形態について図を参照して説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0024】
本実施例で使用する用語を定義する。
(1)位置情報とは、測位情報送信装置が設置されている場所の緯度経度高さ情報もしくは、設置場所の住所・地名もしくはその通称を指す。
(2)装置IDとは、装置製造時に各装置に付与される装置を識別するためのユニークな長さP(Pは1以上の任意の整数)のビット列を指す。
(3)時刻IDとは、現在時刻と装置運用開始時刻をコマンド引数とする時刻ID生成手段を用いて生成される長さT(Tは1以上の任意の整数)のビット列を指す。時刻ID生成手段は図7を用いて説明する。
(4)秘匿IDとは現在時刻と運用開始時刻と装置IDをコマンド引数とする秘匿ID生成手段を用いて生成される長さP(Pは1以上の任意の整数)のビット列を指す。秘匿ID生成手段は図8を用いて説明する。
(5)運用開始時刻とは、測位情報送信装置運用開始時に装置内部の補助記憶装置に書き込まれる本測位情報システムの運用開始時刻であり、
全ての装置に対して同じ運用開始時刻が書き込まれる。
(6)シード値とは、測位情報送信装置の運用開始時に装置内部の耐タンパ記憶装置に書き込まれる固定長のビット列であり
全ての測位情報送信装置に同じ値を書き込むものとする。
(7)ハッシュ関数とは、一方向性と耐衝突性とランダム性を持つ関数の総称であり(例:SHA256、SHA1など)、
本実施形態は特定のハッシュ関数の使用を限定としているものではない。
(8)共通鍵暗号方法とは、ストリーム暗号方法を指し、秘密鍵と平文の入力に対し、平文と同じ長さの暗号文を出力し、
秘密鍵と暗号文の入力に対し、元の平文を出力する。平文と暗号文のビット長は任意とし、秘密鍵のビット長は固定値とし、秘密鍵に使用するビット列の長さが固定値以上の場合にはビットを切り捨て、ビット長を秘密鍵長に合わせ、秘密鍵に使用するビット列の長さが固定値以下の場合には決められたビット列をパディングし、ビット長を秘密鍵長に合わせるものとする。
(9)移動通信用パケットとは、移動通信端末と測位情報管理サーバとが、移動通信事業者(キャリア)が所有するネットワークを利用して通信する際に使用する通信パケットを指し、本実施例では、移動通信用パケットを用いた通信には従来の携帯電話網を利用する。
(10)位置情報テーブルとは、測位情報管理サーバが格納管理し、測位情報送信装置の装置IDと位置情報の関連付けが記載された表(テーブル)を指す。
(11)推測鍵とは、測位情報管理サーバが、秘匿・可変化IDの復号処理中に呼び出す秘密鍵推測手段において、測位情報送信装置が装置IDの秘匿化に使用した秘密鍵を推測した値を指す。
(12)推測回数とは、測位情報管理サーバが、秘匿・可変化IDの復号処理中に呼び出す秘密鍵推測手段において、測位情報送信装置が装置IDの秘匿化に使用した秘密鍵を推測する際に利用する内部変数であり、具体的には、測位情報送信装置が秘密鍵を生成する際にハッシュ関数を適用した回数の推測値である。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態が適用された屋内測位情報システムの構成図である。
本実施形態の屋内測位情報システムは、図1に示すように、屋内施設00内に複数の測位情報送信装置101〜10n(以下,単に測位情報送信装置10とも称する)、が設置され、サービス利用者の持つ測位機能付き携帯電話20に測位用識別情報である秘匿・可変化ID40を送信する。
【0026】
測位機能付き携帯電話20は、測位情報送信装置が送信した秘匿・可変化ID情報40を受信し、ネットワーク50を経由して、測位情報サービス事業者の所有する測位情報管理サーバ30に復号リクエスト情報60を送信する。
【0027】
測位情報管理サーバ30は、測位機能付き携帯電話20が送信した復号リクエスト情報60を受信し、復号リクエストに対応する位置情報70に変換し、サービス利用者の持つ測位機能付き携帯電話20に位置情報70を送信する。
【0028】
次に、図2、3、4を用いて、本実施形態に登場する各装置、端末のハードウェア構成を説明する。
【0029】
図2は、測位情報送信装置10のハードウェア構成図である。測位情報送信装置10は、CPU10−1と、入出力装置10−2と、外部記憶媒体10−3と、外部インターフェース10−4と、送信装置10−5と、測位情報送信アンテナ10−6と、耐タンパ記憶装置10−7と、クロック装置10−8と、補助記憶装置10−9と、主記憶装置10−10と、がバスなどの内部信号線10−11で連結され構成される。
【0030】
また、補助記憶装置10−9には、図6、図7、図8において実行するプログラムコードと、図6、図8において実行するプログラム中で使用する内部変数:[装置ID]と、図7、図8において実行するプログラム中で使用する内部変数:[運用開始時刻]と、が格納されている。
【0031】
また、耐タンパ記憶装置10−7には、図8において実行するプログラム中で使用するシード値が格納されている。
【0032】
図3は、測位機能付き携帯電話20のハードウェア構成図である。測位機能付き携帯電話20は、CPU20−1と、入出力装置20−2と、移動通信送信・受信装置20−3と、移動通信送信・受信アンテナ20−4と、補助記憶装置20−5と、主記憶装置20−6と、測位情報受信装置20−7と、測位情報受信アンテナ20−8と、がバスなどの内部信号線20−9で連結され構成される。
【0033】
図4は、測位情報管理サーバ30のハードウェア構成図である。測位情報管理サーバ30は、CPU30−1と、入出力装置30−2と、ネットワーク通信装置30−3と、クロック装置30−4と、補助記憶装置30−5と、主記憶装置30−6と、がバスなどの内部信号線30−7で連結され構成される。
【0034】
また、補助記憶装置30−5には、図10、図11、図12、図13において実行するプログラムコードと、図10、図11において実行するプログラム中で使用する内部変数:[運用開始時刻]と、図11において実行するプログラム中で使用する内部変数:[シード]と、図13において実行するプログラム中で使用する位置情報テーブルと、が格納されている。
【0035】
次に、図5を用いて本実施形態に登場する各装置、端末の処理フローと各装置、端末が生成し送信する各種の情報の流れを説明する。
【0036】
図5は、本測位システムの処理フローである。
【0037】
測位情報送信装置10は、自身の装置IDに対して秘匿・可変化ID生成処理(S100)を行い、秘匿・可変化IDを生成し、秘匿・可変化ID情報40として測位機能付き携帯電話20に送信する。測位機能付き携帯電話20は、受信した秘匿・可変化ID情報40に対して復号リクエスト情報生成処理(S200)を行い、復号リクエスト情報60を生成し、測位情報管理サーバ30に送信する。
【0038】
測位情報管理サーバ30は、受信した復号リクエスト情報60に対して復号処理(S300)を行い秘匿化された装置IDを復号し、その後、位置情報生成処理(S410)を行い装置IDに対応した位置情報70を生成し、測位機能付き携帯電話20に送信する。その後、同様に測位情報送信装置10は秘匿・可変化ID生成処理(S100)と生成した秘匿・可変化ID情報40の送信を繰り返し、測位機能付き携帯電話20が秘匿・可変化ID情報40を受信し、測位情報管理サーバ30に復号リクエスト情報60送信する毎に、測位情報管理サーバ30は復号処理(S300)と位置情報生成処理(S410)と生成した位置情報70の測位機能付き携帯電話20への送信を繰り返す。
【0039】
次に、図6、7、8を用いて本実施形態における測位情報送信装置10が送信する秘匿・可変化ID情報40の生成処理(図5のS100)の詳細を説明する。以下に説明する処理フローは、測位情報送信装置10の補助記憶装置10―9に格納された複数のプログラムが主記憶装置10−10にロードされ,CPU10−1により実行されることによって、実現される。
【0040】
図6は、測位情報送信装置10の秘匿・可変化ID生成処理(S100)フローである。
以下、処理フローを説明する。
【0041】
測位情報送信装置10は、
内部変数:[時刻ID]を初期化し、
内部変数:[現在時刻]を初期化し、
内部変数:[秘匿ID]を初期化し、
内部変数:[秘匿・可変化ID]を初期化し、
内部変数:[装置ID]を装置固有の既定値にセットし、
内部変数:[運用開始時刻]を全ての装置に共通の既定値にセットする(S110、S120)。
【0042】
次に、測位情報送信装置10は、クロック装置10―8の出力する現在時刻を
内部変数:[現在時刻]にセットする(S130)。
【0043】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[現在時刻]と[運用開始時刻]をコマンド引数とする時刻ID生成手段を用いてビット長Tのデータを生成し、
その値を内部変数:[時刻ID]にセットする(S140)。
【0044】
次に、測位情報送信装置10は、
[現在時刻]と[運用開始時刻]と[装置ID]をコマンド引数とする秘匿ID生成手段を用いてビット長Pのデータを生成し、
その値を内部変数:[秘匿ID]にセットする(S150)。
【0045】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数[秘匿ID]と内部変数[時刻ID]をパディングし、ビット長T+Pのデータを生成し、
その値を内部変数:[秘匿・可変化ID]にセットし、
内部変数:[秘匿・可変化ID]を秘匿・可変化ID情報40として出力して処理を完了する(S160、S170)。
【0046】
図7は、測位情報送信装置10の秘匿・可変化ID生成処理(S100)中に呼び出される時刻ID生成手段の処理フローである。
以下、処理フローを説明する。
【0047】
測位情報送信装置10は、
内部変数:[現在時刻]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[運用開始時刻]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[運用時間]を初期化する(S141、S142)。
【0048】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[運用開始時刻]と内部変数:[現在時刻]の差分から装置が運用された時間を算出し、
算出した値の〜時間〜分〜秒から〜分以下の値を切り捨て、
その値を内部変数:[運用時間]にセットする。
【0049】
図中の具体例では、
[運用開始時刻]=2005年8月31日19時19分30秒、[現在時刻]=2006年3月3日10時30分50秒として、
差分6257時間21分20秒と求め、21分20秒を切り捨てた値[運用時間]=6257を例示している(S143)。
【0050】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[運用時間]を2のT乗で割った余りを長さTビットのビット列で表した値を出力し、処理を完了する(S144、S145)。
【0051】
図8は、測位情報送信装置10の秘匿・可変化ID生成処理(S100)中に呼び出される秘匿ID生成手段の処理フローである。以下、処理フローを説明する。
【0052】
測位情報送信装置10は、
内部変数:[現在時刻]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[運用開始時刻]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[装置ID]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[シード]を初期化し、
内部変数:[秘密鍵]を初期化し、
内部変数:[運用時間]を初期化する(S151、S152)。
【0053】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[運用開始時刻]と内部変数:[現在時刻]の差分から
装置が運用された時間を算出し、算出した値の〜時間〜分〜秒から〜分以下の値を切り捨て、その値を内部変数:[運用時間]にセットする(S153)。
図中の具体例では、
[運用開始時刻]=2005年8月31日19時19分30秒、[現在時刻]=2006年3月3日10時30分50秒として、
差分6257時間21分20秒と求め、21分20秒を切り捨てた値[運用時間]=6257を例示している(S153)。
【0054】
次に、測位情報送信装置10は、
耐タンパ領域10−7にアクセスし、格納されているシード値を内部変数:[シード]にセットする(S154)。
【0055】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[シード]に対して、ハッシュ値を計算し、
そのハッシュ値に対してさらにハッシュ値を計算し、
以下同様の操作を内部変数:[運用時間]の回数繰り返した出力値を内部変数:[秘密鍵]にセットする。
図中の具体例では
[運用時間]=6257、[秘密鍵]=H(H(H(・・・H([シード])))) ←6257回 ただし、H():ハッシュ関数 を例示している(S155)。
【0056】
次に、測位情報送信装置10は、
内部変数:[装置ID]を平文、内部変数:[秘密鍵]を秘密鍵とする共通鍵暗号化処理によってビット長Pの暗号文を生成し、
そのビット長Pの暗号文を出力して処理を完了する(S156、S157)。
【0057】
次に、図9を用いて本実施形態における測位機能付き携帯電話20が送信する復号リクエスト情報60生成処理フローの詳細を説明する。
【0058】
測位機能付き携帯電話20の補助記憶装置20―5に格納された複数のプログラムが主記憶装置20−6にロードされ,CPU20−1により実行されることによって、以下に説明する処理フローが実行される。
【0059】
以下、処理フローを説明する。
【0060】
測位機能付き携帯電話20は、
移動通信用パケット送信アプリケーションを起動し、
内部変数: [移動通信用パケット]を初期化する(S210、S220)。
【0061】
次に、測位機能付き携帯電話20は、
内部変数: [移動通信用パケット]を測位情報管理サーバ送信用にセットする(S230)。
【0062】
次に、測位機能付き携帯電話20は、
移動通信用パケットのデータ部に受信した秘匿・可変化ID情報40をセットし、
内部変数:[移動通信用パケット]を復号リクエスト情報60として出力して処理を完了する(S240、S250)。
【0063】
次に、図10、11、12を用いて本実施形態における測位情報管理サーバ30が行う復号処理(図5のS300)の詳細を説明する。以下に説明する処理フローは、測位情報管理サーバ30の補助記憶装置30―5に格納された複数のプログラムが主記憶装置30−6にロードされ,CPU30−1により実行されることによって、実現される。
【0064】
図10は、測位情報管理サーバ30の復号処理(S300)フローである。
以下、処理フローを説明する。
【0065】
測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[秘匿・可変化ID]を初期化し
内部変数:[復号ID]を初期化し、
内部変数:[現在時刻]を初期化し、
内部変数:[秘密鍵]を初期化し、
内部変数:[運用開始時刻]を全ての装置に共通の既定値にセットする(S310、S320)。
【0066】
次に、測位情報管理サーバ30は、受信した復号リクエスト情報60のデータ部分である秘匿・可変化ID情報を
内部変数:[秘匿・可変化ID]にセットする(S330)。
【0067】
次に、測位情報管理サーバ30は、クロック装置30―4の出力する現在時刻を
内部変数:[現在時刻]にセットする(S340)。
【0068】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[現在時刻]と内部変数:[運用開始時刻]と内部変数:[秘匿・可変化ID]をコマンド引数とする秘密鍵推測手段を用いて暗号化に使用された秘密鍵を特定し、
特定した秘密鍵を内部変数:[秘密鍵]にセットする(S350)。
【0069】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[秘匿・可変化ID]と内部変数:[秘密鍵]をコマンド引数とする復号ID生成手段を用いて、秘匿・可変化処理(S100)で暗号化された装置IDを復号し、
復号した値を内部変数:[復号ID]にセットし、
内部変数:[復号ID]を復号IDとして出力して処理を完了する(S360、S370)。
【0070】
図11は、測位情報管理サーバ30の復号処理(S300)中に呼び出される秘密鍵推測手段の処理フローである。
以下、処理フローを説明する。
【0071】
測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[秘匿・可変化ID]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[現在時刻]をコマンド引き数として受け取り、
内部変数:[運用開始時刻]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[シード]を初期化し、
内部変数:[運用時間]を初期化し、
内部変数:[推測鍵]を初期化し、
内部変数:[推測回数]を初期化する(S351、S352)。
【0072】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[運用開始時刻]と内部変数:[現在時刻]の差分から
装置が運用された時間を算出し、算出した値の〜時間〜分〜秒から〜分以下の値を切り捨て、
その値を内部変数:[運用時間]にセットする(S353)。
【0073】
次に、測位情報管理サーバ30は、
補助記憶装置30―5にアクセスし、
格納されているシード値を内部変数:[シード]にセットする(S354)。
【0074】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[運用時間]に対し±{2の(T-1)乗}の範囲の値で、
2のT乗で割った余りが内部変数:[秘匿・可変化ID]の時刻IDと
一致する値を内部変数:[推測回数]にセットする(S355)。
【0075】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[シード]に対して、ハッシュ値を計算し、
そのハッシュ値に対してさらにハッシュ値を計算し、
以下同様の操作を内部変数:[推測回数]の値だけ
繰り返した出力値を内部変数:[推測鍵]にセットし、
内部変数:[推測鍵]を秘匿・可変化ID生成処理で使用された秘密鍵とし、
内部変数:[推測鍵]として出力して処理を完了する(S356、S357)。
【0076】
図12は、測位情報管理サーバ30の復号処理(S300)中に呼び出される復号ID生成手段の処理フローである。
以下、処理フローを説明する。
【0077】
測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[秘匿・可変化ID]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[秘密鍵]をコマンド引き数として受け取り、
内部変数:[装置ID]を初期化する(S361、S362)。
【0078】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[秘匿・可変化ID]の秘匿ID部分を、
内部変数:[装置ID]にセットする(S363)。
【0079】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[装置ID]を暗号文、内部変数:[秘密鍵]を秘密鍵とする
共通鍵暗号化処理によってビット長Pの平文を生成し、
生成した平文を内部変数:[装置ID]にセットし、
内部変数:[装置ID]を復号IDとして出力して処理を完了する(S364、S365)。
【0080】
次に、図13を用いて本実施形態における測位情報管理サーバ30が行う位置情報生成処理(図5のS410)の詳細を説明する。以下に説明する処理フローは、測位情報管理サーバ30の補助記憶装置30―5に格納された複数のプログラムが主記憶装置30−6にロードされ,CPU30−1により実行されることによって、実現される。
【0081】
測位情報管理サーバ30は、
内部変数:[復号ID]をコマンド引数として受け取り、
内部変数:[位置情報]を初期化し、
移動通信用パケット送信アプリケーションを起動し、
内部変数:[移動通信用パケット]を初期化する(S411、S412)。
【0082】
次に、測位情報管理サーバ30は、
補助記憶装置30―5にアクセスし内部変数:[復号ID]を装置IDとみなし、装置IDに対応する
位置情報を位置情報テーブル(D300)から検索し、検索結果を内部変数:[位置情報]にセットする(S413)。
【0083】
次に、測位情報管理サーバ30は、
内部変数: [移動通信用パケット]を測位測位機能付き携帯電話20への送信用にセットする(S414)。
【0084】
次に、測位情報管理サーバ30は、
移動通信用パケットのデータ部に内部変数:[位置情報]をセットし、
内部変数:[移動通信用パケット]を位置情報70として出力して完了する(S415、S416)。
【0085】
次に、図14を用いて測位情報管理サーバ30の補助記憶装置30―5に格納されている位置情報テーブル(D300)の一例を示す。
図14では、装置ID:1234の測位情報送信装置が緯度○○経度△△高さ××に設置され、装置ID:5678の測位情報送信装置が緯度□□経度##高さ☆☆に設置されているとして、装置IDと装置の設置場所の対応関係を例示している。
【0086】
なお,本発明は,上述の実施形態に限定されるものではなく,その要旨の範囲内で様々な変形が可能である。
【0087】
例えば、図5、6、7、8において測位情報送信装置10は、装置内部のCPU10−1を用いて、秘匿・可変化ID生成処理を行っているが、予め、測位情報管理サーバ30で全ての測位情報送信装置に対して、秘匿・可変化ID生成処理を行い、生成した秘匿・可変化IDを測位情報送信装置10の外部インターフェース10−4から補助記憶装置10−9もしくは耐タンパ記憶装置10−7に格納し、秘匿・可変化ID情報40を生成する際に、逐次、補助記憶装置10−9もしくは耐タンパ記憶装置10−7にアクセスし、秘匿・可変化IDを取得しても良い。さらに、測位情報管理サーバ30が事前に計算した秘匿・可変化IDと装置IDの対応情報を保持することによって、図10,11,12の復号処理を経ずに装置IDを取得しても良い。さらに、測位情報管理サーバ30が秘匿・可変化IDを生成する代わりに、 (T+P)ビットの擬似乱数を全ての測位情報送信装置10に複数生成し、生成した各擬似乱数を秘匿・可変化IDとしてもよい、ただし、この場合、異なる測位情報送信装置が2^(T−1)時間以内に同じ秘匿・可変化IDを送信しないために、測位情報送信装置10に与えた各擬似乱数に対して、前後2^(T−1)時間は異なる擬似乱数を与える。
図15を用いて具体的な擬似乱数の与え方の一例を示す。
【0088】
図15では、例えば、装置ID:3の測位情報送信装置に運用時間:5において擬似乱数:abcを与えている、この時、前後2^(T-1)時間(図15ではT=2としている)は他の測位情報送信装置には、abcを与えていない。これにより、測位情報管理サーバ30は、運用時間3から運用時間7の間に秘匿・可変化ID:abcを受信した際に、秘匿・可変化ID:abcから装置ID:3を取得することが出来る。
【0089】
この場合、測位情報送信装置10の補助記憶装置10−9もしくは耐タンパ記憶装置10−7に装置IDを格納する必要はない。
【0090】
また、図8において測位情報送信装置10は、秘匿ID生成手段を実行する毎に、内部変数:[秘密鍵]のセッティングを行っているが(S155)、
一度、内部変数:[秘密鍵]のセッティングを行った後、内部変数:[秘密鍵]の値と内部変数:[運用時間]の値を補助記憶装置10−9、もしくは、主記憶装置10−10に格納し、
次に、内部変数:[秘密鍵]のセッティングを行う際に、セッティングした内部変数:[運用時間]が該格納されている内部変数:[運用時間]の値と一致しているならば、内部変数:[秘密鍵]のセッティングを行わずに、該格納されている内部変数:[秘密鍵]の値を内部変数:[秘密鍵]として読み込み再度利用しても良い。
【0091】
また、図11において測位情報管理サーバ30は、秘密鍵推測手段を実行する毎に、内部変数:[推測鍵]のセッティングを行っているが(S356)、一度、内部変数:[推測鍵]のセッティングを行った後、内部変数:[推測鍵]の値と内部変数:[推測回数]の値を補助記憶装置30−5、もしくは、主記憶装置30−6に格納し、
次に、内部変数:[推測鍵]のセッティングを行う際に、セッティングした内部変数:[推測回数]が該格納されている内部変数:[推測回数]の値と一致しているならば、内部変数:[推測鍵]のセッティングを行わずに、該格納されている内部変数:[推測鍵]の値を内部変数:[推測鍵]として読み込み再度利用しても良い。
【0092】
また、上述の実施形態では、秘匿・可変化IDの変更を1時間毎に行っているが、必ずしも、変更のタイミングは1時間に限定する必要はなく、任意で良い。特に全ての装置が時刻同期をとれる状況においては、全ての装置を同期させて、不定期に秘匿・可変化IDの変更を行っても良い。
【0093】
また、上述の実施形態では、共通鍵暗号アルゴリズムとしてストリーム暗号を用いているが、その他の暗号アルゴリズムを用いても良い。
【0094】
また、図8において測位情報送信装置10は、秘匿ID生成手段の処理フローにおいて、内部変数:[秘密鍵]をセッティングする際に、内部変数:[シード]に対して現在時刻に応じた回数ハッシュ値を算出した値を内部変数:[秘密鍵]としてセットしているが(S155)、必ずしも、内部変数:[秘密鍵]を上述の形態でセッティングする必要はない。より、一般に全ての装置が時刻同期をとった乱数生成器を保持し、全ての乱数生成器は同時刻には同じ乱数を生成し、生成された乱数を内部変数:[秘密鍵]にセッティングすることにより全ての装置が同時刻において同じ内部変数:[秘密鍵]を共有しても良い。
【0095】
また、図7、図8において測位情報送信装置10は、それぞれ、内部変数:[運用時間]のセッティングを行っているが(S143、S153)、図7でセッティングを行った内部変数:[運用時間]の値を補助記憶装置10−9、もしくは、主記憶装置10−10に格納し、図8において内部変数:[運用時間]のセッティングを行う際に、該格納されている内部変数:[運用時間]の値を読み込み再度、内部変数:[運用時間]の値として利用しても良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の広さを有する領域に対して、該領域内に複数の測位情報送信装置が設置され、各々が固有の測位用識別情報を送信する測位情報送信装置と、該送信された測位用識別情報を受信して、移動通信用無線情報として送信する、移動通信用無線通信手段を備えた、測位機能付き移動通信端末と、該送信された移動通信用無線情報から測位用識別情報を取り出し、前記所定の設置地点を表現する位置識別情報に変換し、該測位機能付き移動通信端末に移動通信用無線情報として返信する測位情報管理サーバと、を含む位置情報システムにおいて、
前記所定の設置地点に対して、該地点固有の位置識別情報を割り当て、
前記測位情報送信装置に対して、該送信装置固有の送信装置固定識別情報を割り当て、
前記測位情報送信装置は、
該送信装置固定識別情報を格納し、
該送信装置固定識別情報に対応した前記測位用識別情報を送信し、
前記測位情報管理サーバは、
測位情報送信装置の送信装置固定識別情報と位置識別情報との関連付けが記載された位置識別情報対応テーブルを備え、
測位情報送信装置から受信した測位用識別情報から秘匿化可変識別情報と秘匿化鍵識別情報を取り出し、
該取り出した秘匿化鍵識別情報を用いて、該秘匿化可変識別情報に対する復号処理を実行して、
該送信装置固有の送信装置固定識別情報を復号し、
該位置識別情報対応テーブルを検索し、該復号された送信装置固定識別情報と関連付けられた位置識別情報へと変換し、
該測位情報送信装置は、測位用識別情報の生成と送信を繰り返し、
測位情報管理サーバは、送信された測位用識別情報の復号を繰り返す
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項2】
請求項1に記載の位置情報システムであって、
前記測位用識別情報とは、所定の前記送信装置固定識別情報に対する秘匿化処理を実行して、自身が格納する該送信装置固定識別情報を秘匿化し、
秘匿化可変識別情報を生成し、該秘匿化処理に対する秘匿化鍵識別情報を生成し、
該秘匿化された秘匿化可変識別情報と秘匿化鍵識別情報とを含んで構成される
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項3】
請求項2に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化可変識別情報とは、測位情報送信装置が格納する秘密鍵生成用シード情報を、ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出して、さらに該算出されたハッシュ値を前記ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出する処理を繰り返すことにより算出されるハッシュ値を秘密鍵とし、
前記送信装置固有の送信装置固定識別情報を平文とする共通鍵暗号方法関数により算出される暗号文を秘匿化可変識別情報とし、
該秘密鍵生成用シード情報に対して繰り返しハッシュ値を算出する回数は、該測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商である
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項4】
請求項3に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化鍵識別情報とは、前記測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を前記所定の第1の時間で割り算を行った際の商をある所定の第2の時間間隔で割り算を行った際の余りであり、
前記秘密鍵生成用シード情報とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報であり、
前記起動開始時刻とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報である
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項5】
請求項4に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化可変識別情報に対する復号処理とは、
測位情報管理サーバが格納する秘密鍵生成用シード情報を、ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出して、さらに該算出されたハッシュ値を前記ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出する処理を繰り返すことにより算出されるハッシュ値を秘密鍵とし、
該秘匿化可変識別情報を暗号文とする共通鍵暗号方法関数により算出される平文を生成する処理とし、
該秘密鍵生成用シード情報に対して繰り返しハッシュ値を算出する回数は、測位情報管理サーバが格納する起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商に対してさらに、第2の時間間隔で割り算を行った際の商を算出し、該算出された商と第2の時間間隔の積を算出し、該算出した積に前記秘匿化鍵識別情報を加えた値とする
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項6】
請求項1に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化可変識別情報とは、測位情報送信装置が保持する乱数生成器を用いて、該測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商を入力とする所定のビット長の乱数を生成し、該生成されたビット列を秘密鍵とし、前記送信装置固有の送信装置固定識別情報を平文とする共通鍵暗号方法関数により算出される暗号文である
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項7】
請求項6に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化鍵識別情報とは、前記測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を前記所定の第1の時間で割り算を行った際の商をある所定の第2の時間間隔で割り算を行った際の余りであり、
前記起動開始時刻とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報である
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項8】
請求項7に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化可変識別情報に対する復号処理とは、測位情報管理サーバが保持する乱数生成器を用いて、測位情報管理サーバが格納する起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商に対してさらに、第2の時間間隔で割り算を行った際の商を算出し、該算出された商と第2の時間間隔の積を算出し、該算出した積に前記秘匿化鍵識別情報を加えた値を入力とする所定のビット長の乱数を生成し、該生成されたビット列を秘密鍵とし、前記秘匿化可変識別情報を暗号文とする共通鍵暗号方法関数により算出される平文を生成する処理とする
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項9】
請求項1に記載の位置情報システムであって、
前記測位用識別情報とは、該測位情報送信装置を活性化し運用を開始する前に、前記測位情報管理サーバが、
所定の前記送信装置固定識別情報に対する秘匿化処理を実行して算出し、該送信装置固定識別情報を持つ装置に格納することを特徴とする位置情報システム。
【請求項1】
所定の広さを有する領域に対して、該領域内に複数の測位情報送信装置が設置され、各々が固有の測位用識別情報を送信する測位情報送信装置と、該送信された測位用識別情報を受信して、移動通信用無線情報として送信する、移動通信用無線通信手段を備えた、測位機能付き移動通信端末と、該送信された移動通信用無線情報から測位用識別情報を取り出し、前記所定の設置地点を表現する位置識別情報に変換し、該測位機能付き移動通信端末に移動通信用無線情報として返信する測位情報管理サーバと、を含む位置情報システムにおいて、
前記所定の設置地点に対して、該地点固有の位置識別情報を割り当て、
前記測位情報送信装置に対して、該送信装置固有の送信装置固定識別情報を割り当て、
前記測位情報送信装置は、
該送信装置固定識別情報を格納し、
該送信装置固定識別情報に対応した前記測位用識別情報を送信し、
前記測位情報管理サーバは、
測位情報送信装置の送信装置固定識別情報と位置識別情報との関連付けが記載された位置識別情報対応テーブルを備え、
測位情報送信装置から受信した測位用識別情報から秘匿化可変識別情報と秘匿化鍵識別情報を取り出し、
該取り出した秘匿化鍵識別情報を用いて、該秘匿化可変識別情報に対する復号処理を実行して、
該送信装置固有の送信装置固定識別情報を復号し、
該位置識別情報対応テーブルを検索し、該復号された送信装置固定識別情報と関連付けられた位置識別情報へと変換し、
該測位情報送信装置は、測位用識別情報の生成と送信を繰り返し、
測位情報管理サーバは、送信された測位用識別情報の復号を繰り返す
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項2】
請求項1に記載の位置情報システムであって、
前記測位用識別情報とは、所定の前記送信装置固定識別情報に対する秘匿化処理を実行して、自身が格納する該送信装置固定識別情報を秘匿化し、
秘匿化可変識別情報を生成し、該秘匿化処理に対する秘匿化鍵識別情報を生成し、
該秘匿化された秘匿化可変識別情報と秘匿化鍵識別情報とを含んで構成される
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項3】
請求項2に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化可変識別情報とは、測位情報送信装置が格納する秘密鍵生成用シード情報を、ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出して、さらに該算出されたハッシュ値を前記ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出する処理を繰り返すことにより算出されるハッシュ値を秘密鍵とし、
前記送信装置固有の送信装置固定識別情報を平文とする共通鍵暗号方法関数により算出される暗号文を秘匿化可変識別情報とし、
該秘密鍵生成用シード情報に対して繰り返しハッシュ値を算出する回数は、該測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商である
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項4】
請求項3に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化鍵識別情報とは、前記測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を前記所定の第1の時間で割り算を行った際の商をある所定の第2の時間間隔で割り算を行った際の余りであり、
前記秘密鍵生成用シード情報とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報であり、
前記起動開始時刻とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報である
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項5】
請求項4に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化可変識別情報に対する復号処理とは、
測位情報管理サーバが格納する秘密鍵生成用シード情報を、ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出して、さらに該算出されたハッシュ値を前記ハッシュ関数に入力して、ハッシュ値を算出する処理を繰り返すことにより算出されるハッシュ値を秘密鍵とし、
該秘匿化可変識別情報を暗号文とする共通鍵暗号方法関数により算出される平文を生成する処理とし、
該秘密鍵生成用シード情報に対して繰り返しハッシュ値を算出する回数は、測位情報管理サーバが格納する起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商に対してさらに、第2の時間間隔で割り算を行った際の商を算出し、該算出された商と第2の時間間隔の積を算出し、該算出した積に前記秘匿化鍵識別情報を加えた値とする
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項6】
請求項1に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化可変識別情報とは、測位情報送信装置が保持する乱数生成器を用いて、該測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商を入力とする所定のビット長の乱数を生成し、該生成されたビット列を秘密鍵とし、前記送信装置固有の送信装置固定識別情報を平文とする共通鍵暗号方法関数により算出される暗号文である
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項7】
請求項6に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化鍵識別情報とは、前記測位情報送信装置を活性化し運用を開始した、起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を前記所定の第1の時間で割り算を行った際の商をある所定の第2の時間間隔で割り算を行った際の余りであり、
前記起動開始時刻とは、前記所定の広さを有する領域に対して、該領域内に設置されている全ての測位情報送信装置と測位情報管理サーバに対して共通の情報である
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項8】
請求項7に記載の位置情報システムであって、
前記秘匿化可変識別情報に対する復号処理とは、測位情報管理サーバが保持する乱数生成器を用いて、測位情報管理サーバが格納する起動開始時刻から現在時刻の差分である運用時間を所定の第1の時間間隔で割り算を行った際の商に対してさらに、第2の時間間隔で割り算を行った際の商を算出し、該算出された商と第2の時間間隔の積を算出し、該算出した積に前記秘匿化鍵識別情報を加えた値を入力とする所定のビット長の乱数を生成し、該生成されたビット列を秘密鍵とし、前記秘匿化可変識別情報を暗号文とする共通鍵暗号方法関数により算出される平文を生成する処理とする
ことを特徴とする位置情報システム。
【請求項9】
請求項1に記載の位置情報システムであって、
前記測位用識別情報とは、該測位情報送信装置を活性化し運用を開始する前に、前記測位情報管理サーバが、
所定の前記送信装置固定識別情報に対する秘匿化処理を実行して算出し、該送信装置固定識別情報を持つ装置に格納することを特徴とする位置情報システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−226707(P2010−226707A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32434(P2010−32434)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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