位置情報伝達システム、ナビゲーション装置
【課題】情報処理装置とナビゲーション装置の間での位置情報の伝達を容易とし、位置情報の有効利用を図る。
【解決手段】情報処理装置は、少なくとも位置情報を含む位置情報ファイルを格納する格納手段と、位置情報ファイルを記録媒体に記録する記録手段とを備える。ナビゲーション装置は、自己位置検出手段と、記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段と、表示手段と、自己位置に基づいて地図画像を表示させ、読出手段によって読み出される位置情報ファイルのうちで、位置情報が表示中の地図画像の範囲内に該当する位置情報ファイルに対応して、予め記憶された複数のアイコン画像のうちで一のアイコン画像を、その位置情報ファイルのカテゴリに応じて選択し、選択したアイコン画像を、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいて地図画像上に表示させる制御手段を備える。さらにアイコン画像に対する指定操作に応じて、位置情報ファイルに含まれる関連情報に基づいた画像を表示させる。
【解決手段】情報処理装置は、少なくとも位置情報を含む位置情報ファイルを格納する格納手段と、位置情報ファイルを記録媒体に記録する記録手段とを備える。ナビゲーション装置は、自己位置検出手段と、記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段と、表示手段と、自己位置に基づいて地図画像を表示させ、読出手段によって読み出される位置情報ファイルのうちで、位置情報が表示中の地図画像の範囲内に該当する位置情報ファイルに対応して、予め記憶された複数のアイコン画像のうちで一のアイコン画像を、その位置情報ファイルのカテゴリに応じて選択し、選択したアイコン画像を、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいて地図画像上に表示させる制御手段を備える。さらにアイコン画像に対する指定操作に応じて、位置情報ファイルに含まれる関連情報に基づいた画像を表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置と車載用などとされるナビゲーション装置を有して構成される位置情報伝達システム、さらにナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載用などのナビゲーション装置が普及しており、目的地への案内、現在位置の表示などの機能により、利用者に便利なものとなっている。
またユーザが、ナビゲーション装置により表示されている地図画像上などで、目的地やその他の覚えておきたい場所をマーキングすることで、道順案内表示を実行させたり、特定の場所や施設等についてのユーザの覚え書きとすることができるなど、利用範囲は広い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年のインターネット等の通信網やその他の情報伝達手段の発達に伴なって、一般ユーザーにとっての各種の情報の入手がより容易となり、また多様な情報を入手できるようになっている。
例えばインターネットに接続されたホームページなどから、自分がいってみたいレストラン、観光地、店などの情報を得ることもできる。
ここでユーザーが、自分のパーソナルコンピュータにより、インターネットで検索したホームページ等から或る目的地の情報、例えば住所や店名を入手したとする。この情報をナビゲーション装置に反映させて、目的地までの道順ガイドを実行させようとする場合、まずユーザーはパーソナルコンピュータに表示された住所や店名を紙にメモする。そしてナビゲーション装置において、メモした住所を含む範囲の地図を表示させ、目的地をマーキングする。また、マーキングの際には、マーキング位置を示すアイコンを選択したり、その場所の名称や住所を入力することも行う。
つまり、せっかく情報を入手しても、それをナビゲーション装置に反映させて有効に利用するには、はなはだ面倒な操作が必要となってしまう。
【0004】
また、ユーザーがドライブ中に見つけたレストラン等の場所をナビゲーション装置においてマーキングすることにより、そのナビゲーション装置では、その後マーキングした場所を表示させることなどが可能となるが、その場所の情報を自分のパーソナルコンピュータに反映させて利用するにも面倒な操作が必要となる。例えば自分で見つけたレストランや店等の位置や名称をパーソナルコンピュータ上でデータベース化して管理したり、パーソナルコンピュータ側で地図画像とともに表示させたい場合や、或いはそれらの情報を自分で開設しているホームページに載せて一般に提供したい場合などは、ナビゲーション装置でマーキングした位置を紙にメモしておいて、パーソナルコンピュータ側で入力していかなければならない。
【0005】
さらに、知人同士で或る目的地の情報を共有したい場合は、その情報を口頭或いは紙などで伝え、かつ教えられた側の人は、それを自分のナビゲーション装置やパーソナルコンピュータに入力しなければ利用できない。
【0006】
これらのように、ユーザーが自宅等に設置してあるパーソナルコンピュータと自家用車等に設置してあるナビゲーション装置、或いは友人同士で互いに所有する機器間などにおいて、或る目的地や施設等についての位置や名称等の情報を、そのデータのまま受け渡して共有することができないことから、1つのデータを有効利用することが制限されているという問題がある。
また、上記のようにデータの受け渡しに手動入力が介在することは、入力間違いが発生する可能性も高く、適切なデータ利用が阻害される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みて、位置情報や、その位置に関連する情報、例えば住所や名称などを、ユーザーが手間をかけずに有効に利用できるようにすることを目的とする。
【0008】
本発明の位置情報伝達システムは、位置情報ファイルを記録可能な記録媒体と、情報処理装置と、ナビゲーション装置とから成る位置情報伝達システムである。前記情報処理装置は、少なくとも位置情報及びその位置情報で表される位置に関連する関連情報を含み、かつ位置に関連するカテゴリが判別可能とされる位置情報ファイルを格納する格納手段と、前記格納手段に格納されている位置情報ファイルを記録媒体に記録する記録手段と、伝送路を介して位置情報ファイルの送受信を行うことのできる通信手段とを備える。前記ナビゲーション装置は、自己位置検出手段と、前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段と、表示手段と、前記自己位置検出手段の検出情報に基づいて前記表示手段上で地図画像を表示させるとともに、前記読出手段によって読み出される位置情報ファイルのうちで、位置情報が前記表示手段上で表示されている地図画像の範囲内に該当する位置情報ファイルに対応して、予め記憶された複数のアイコン画像のうちで一のアイコン画像を、その位置情報ファイルの前記カテゴリに応じて選択し、選択したアイコン画像を、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいて前記地図画像上に表示させ、さらに前記アイコン画像に対する指定操作に応じて、前記位置情報ファイルに含まれる前記関連情報に基づいた画像を、前記表示手段上で表示させる制御手段とを備える。
【0009】
また、位置情報ファイルを格納するデータベースを備えたサーバ装置をさらに備えるとともに、前記情報処理装置は、上記サーバ装置の上記データベースに格納された位置情報ファイルを前記通信手段により受信し、受信した位置情報ファイルを前記格納手段に格納できるようにする。
また前記ナビゲーション装置は、任意の位置を指定することのできる指定入力手段と、前記指定入力手段で指定された位置についての位置情報を含む位置情報ファイルを生成し、前記記録媒体に記録する記録手段とをさらに備えている。
また前記情報処理装置は、前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段をさらに備え、前記読出手段により読み出した位置情報ファイルを前記格納手段に格納できる。
また前記記録媒体に記録される位置情報ファイルは、XML形式で記録される。
【0010】
本発明のナビゲーション装置は、自己位置検出手段と、前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段と、表示手段と、前記自己位置検出手段の検出情報に基づいて前記表示手段上で地図画像を表示させるとともに、前記読出手段によって読み出される位置情報ファイルのうちで、位置情報が前記表示手段上で表示されている地図画像の範囲内に該当する位置情報ファイルに対応して、予め記憶された複数のアイコン画像のうちで一のアイコン画像を、その位置情報ファイルの前記カテゴリに応じて選択し、選択したアイコン画像を、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいて前記地図画像上に表示させ、さらに前記アイコン画像に対する指定操作に応じて、前記位置情報ファイルに含まれる前記関連情報に基づいた画像を、前記表示手段上で表示させる制御手段とを備える。
また任意の位置を指定することのできる指定入力手段と、前記指定入力手段で指定された位置についての位置情報を含む位置情報ファイルを生成し、前記記録媒体に記録する記録手段とをさらに備える。
【0011】
即ち本発明では、記録媒体を介して情報処理装置とナビゲーション装置の間で位置情報やその関連情報を共有できるようにし、相互に位置情報等を各種の態様で利用できるようにするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、記録媒体を介して情報処理装置とナビゲーション装置の間で位置情報やその関連情報を伝達して共有できるようにしたため、相互に位置情報等を各種の態様で利用できるという効果がある。しかも一方の機器側で得た位置情報等を他方の機器側で利用するために、ユーザーがメモ書きをして入力し直すなどといった煩雑な操作も不要であり、また入力間違えもない。
そしてこのように容易に位置情報が共有できることにより、各位置情報を最大限に有効利用できる環境をユーザーに提供できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態のシステム構成の説明図である。
【図2】実施の形態の位置情報ファイルのレコード内容例の説明図である。
【図3】実施の形態のパーソナルコンピュータのブロック図である。
【図4】実施の形態のナビゲーション装置のブロック図である。
【図5】実施の形態のメモリカードのディレクトリ構造の説明図である。
【図6】実施の形態のメモリカードに記録される位置情報ファイルのレコードの説明図である。
【図7】実施の形態の位置情報表示処理のフローチャートである。
【図8】実施の形態の位置情報表示例の説明図である。
【図9】実施の形態の位置情報ファイル記録処理のフローチャートである。
【図10】実施の形態のマーキング画面の説明図である。
【図11】実施の形態のナビゲーション装置間での位置情報伝達の説明図である。
【図12】実施の形態の各種機器間での位置情報伝達の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明していく。この実施の形態では、記録媒体の例としての不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)を搭載するメモリカードを挙げ、情報処理装置の例としてパーソナルコンピュータを、またナビゲーション装置の例として車載用のナビゲーション装置を例に挙げる。
説明は次の順序で行う。
1.システム構成及び動作態様
2.パーソナルコンピュータの構成
3.ナビゲーション装置の構成
4.メモリカード及び位置情報ファイル
5.位置情報表示処理
6.位置情報書込処理
7.各種利用例・変形例
【0015】
1.システム構成及び動作態様
図1に実施の形態のシステム例を示す。
本例の位置情報伝達システムは主に、パーソナルコンピュータ2、メモリカード1、ナビゲーション装置3から構成される。またパーソナルコンピュータ2と一般公衆回線等の伝送路5を介して接続可能なホームページサーバ4も本例のシステムに組み込むことができる。
【0016】
パーソナルコンピュータ2は、ユーザーが自宅等に設置して使用するものとしているが、もちろん携帯型のパーソナルコンピュータでもよい。
このパーソナルコンピュータ2は伝送路5により例えばインターネットのホームページなどから各種の情報をダウンロードすることができる。
【0017】
ホームページサーバ4は、例えば各種の位置情報ファイルについてのデータベース4aを備えたものとしており、このデータベース4aに格納されている情報を一般に提供できる部位である。
本例でいう位置情報ファイルに関するデータベースとしては、例えばレストランデータベース、ホテルデータベース、駐車場データベースなど、ナビゲーション装置3での利用に適したデータベースの例をあげている。
パーソナルコンピュータ2では、このようなデータベース4aの情報をダウンロードすることで、例えば内部のハードディスク内などに、そのユーザーにとって必要な位置情報ファイルを集めたデータベース24aを構築することができる。
【0018】
例えばデータベース4aに格納されている全ての位置情報ファイルをダウンロードしてデータベース24aとしてもよいし、レストラン、ホテル・・・など、必要な分野の位置情報ファイルを格納したデータベース単位でダウンロードしてデータベース24aとしてもよい。
もちろん、ホームページサーバ4以外のホームページ、例えばデータベース4aのような機能を有しないホームページ、その他のサーバからの情報に基づいて、パーソナルコンピュータ2側で位置情報ファイルを作成し、データベース24aに格納できるようにしてもよい。
さらにはユーザーがパーソナルコンピュータ2で位置情報ファイルを個々に入力してデータベース24aを作成してもよい。
もちろんデータベース24aに登録された個々の位置情報ファイルの内容の追加などの編集も可能である。
【0019】
さらには、CD−ROM、フロッピーディスク等で提供される(販売される)位置情報ファイルをデータベース24aに登録してもよい。或いは、それらのCD−ROM、フロッピーディスク等をそのままデータベース24aとして用いる場合もある。
【0020】
データベース24aに格納される個々の位置情報ファイルのレコード内容例を図2に示す。
なお、レコードとは位置情報ファイル内の1つのデータ単位であり、1つの位置情報に相当する内容である。
位置情報ファイルは1又は複数のレコードにより形成される。
レコードには、位置情報として、緯度、経度の値が記録されるとともに、その位置に関連する情報として、名称、読み、住所、郵便番号、カテゴリなどが記録されている例である。
もちろん関連する情報としては、他に、電話番号、メールアドレス、店等の紹介文やメニュー、周辺情報、標高、作成日時、その位置までの道順、店等の施設の写真データ、音声データなど、多様に考えられる。
【0021】
なお、データベースがカテゴリ毎に構築される場合、或いは位置情報ファイル内の各レコードが同一のカテゴリに限定される場合は、個々のレコードにはカテゴリ情報を含む必要はないが、後述するようにカテゴリに応じたアイコンをナビゲーション装置3において表示するなどの必要性から、位置情報ファイルがナビゲーション装置3に伝達される際には、ナビゲーション装置3が個々のレコードについてカテゴリを判別できるようにする必要がある。
【0022】
またこの例では1つの位置情報ファイルに複数のレコード(つまり複数の位置情報)を含むことが可能としているが、1つの位置情報ファイルには1つのレコード(1つの位置情報)しか含まれないようなファイル形態を採用することも考えられる。
【0023】
本例のパーソナルコンピュータ2及びナビゲーション装置3は、ともに、メモリカード1に対する記録/再生が可能なカードドライブ部を有するものとしている。
即ちパーソナルコンピュータ2にはメモリカードスロット2aが設けられ、またナビゲーション装置3にもメモリカードスロット3aが設けられている。そしてパーソナルコンピュータ2及びナビゲーション装置3は、メモリカードスロット2a又は3aに装填されたメモリカード1に対して記録/再生を行うことができる。
このメモリカード1の構造や記録される情報については後述するが、メモリカード1は、内部にフラッシュメモリを有するものとされ、本例では特に位置情報ファイルが記録再生可能な記録媒体として用いられる。
【0024】
パーソナルコンピュータ2では、データベース24aに格納してある位置情報ファイルをメモリカード1に記録することができる。またパーソナルコンピュータ2では、メモリカード1に記録されている位置情報ファイルを読み出して、データベース24aに格納することができる。
【0025】
ナビゲーション装置3では、メモリカード1にに記録されている位置情報ファイルを読み出して、表示画面上で、地図画像と合わせて位置情報ファイルの内容を表示することができる。またその位置情報ファイルによる位置情報をマーキング位置として、各種のナビゲーション動作、例えば道順案内等の動作を実行することができる。
さらにナビゲーション装置3では、ユーザーのマーキング操作などに応じて、位置情報ファイルを生成し、メモリカード1に記録することもできる。
【0026】
このようなシステムによって実行可能な動作態様を、メモリカード1を介した位置情報ファイルの伝達という観点でいえば、例えば次のようになる。
【0027】
(1)パーソナルコンピュータ2からナビゲーション装置3への位置情報の伝達
ユーザーは、上述のように何らかの方法で入手した各種位置情報ファイルが格納されたデータベース24aを用いて、所望の目的地等を含む位置情報ファイルを選択してメモリカード1に記録する。
そのメモリカード1をナビゲーション装置3に装填して位置情報ファイルを読み出させ、ナビゲーション画面上に位置情報ファイルに基づく表示も実行させる。また特定の位置情報ファイルに示される位置を目的地としてのナビゲーション動作(道順表示や右折、左折等の案内の表示や音声によるガイドなど)を実行させる。
【0028】
(2)ナビゲーション装置3からパーソナルコンピュータ2への位置情報の伝達
ユーザーはナビゲーション装置3において表示されている地図画像上で任意の位置をマーキングする。ナビゲーション装置3はそのマーキング位置に基づいて位置情報ファイルを生成し、メモリカード1に記録する。
そのメモリカード1をパーソナルコンピュータ2に装填して位置情報ファイルを読み出させ、データベース24aに登録したり、或いは作成文書、画像、電子メール等に位置情報ファイルの内容を添付して出力(送信出力、印刷出力、画像出力など)するなどを実行させる。
【0029】
(3)ナビゲーション装置3又はパーソナルコンピュータ2から、他のナビゲーション装置又は他のパーソナルコンピュータへの位置情報の伝達
或るユーザーがナビゲーション装置3又はパーソナルコンピュータ2によりメモリカード1に位置情報ファイルを記録する。そのメモリカード1を例えば知人が所有するナビゲーション装置やパーソナルコンピュータに装填して位置情報ファイルを読み出させ、ナビゲーション動作や各種情報処理動作に利用できるようにする。
【0030】
なおメモリカード1を介さない位置情報の伝達という観点でいえば、上述のようにホームページサーバ4等からパーソナルコンピュータ2に位置情報ファイルをダウンロードすることや、逆にパーソナルコンピュータ2から伝送路5を介して位置情報ファイルを特定の情報処理装置又は不特定多数に対して送信するという動作態様も考えられる。
【0031】
以上のような動作態様がそれぞれユーザーの事情に応じて行われることにより、ユーザーはインターネット等で一般に提供されている位置情報や、何らかの手法でパーソナルコンピュータ2に入力した位置情報を、容易にナビゲーション装置3の動作に反映させることができる。
またナビゲーション装置3を位置情報の発生源として用いて、その位置情報をパーソナルコンピュータ2で利用したり、知人、或いは一般に提供することなども容易に可能となる。
【0032】
2.パーソナルコンピュータの構成
図3にパーソナルコンピュータ2の構成を示す。
パーソナルコンピュータ2は、内部にプログラムROM、ワークRAM等を備えた中央制御部となるCPU21を備えるとともに、主記憶領域となるRAM23や、例えばハードディスクドライブなどとしての不揮発性メモリ24を備えている。
上述したデータベース24aは、例えばこの不揮発性メモリ24内に構築されるものとなる。
【0033】
また例えばCRT或いは液晶ディスプレイなどによるモニタ表示部27が接続され(又は一体化され)るが、CPU21の制御に基づいてモニタ表示部27に対して映像信号を供給し、表示動作を実行させる表示ドライブ部25が設けられる。
また、キーボードやマウスなどの操作部28が接続され、操作入力情報がCPU21に供給される。
通信部26は、公衆回線等の伝送路5に接続され、外部装置との情報の送受信を行う部位である。CPU21は通信部26を介して、ホームページサーバ4などに接続可能となる。
【0034】
本例の場合パーソナルコンピュータ2には、メモリカード1に対して情報の記録/再生を行うインターフェース部22が設けられる。
例えば図1に示したメモリカードスロット2aにメモリカード1が装着されることで、CPU21はインターフェース部22を介してメモリカード1にアクセスし、情報の記録又は再生を行なうことができる。
【0035】
なおメモリカード1には図示するように、パーソナルコンピュータ2のインターフェース部22及び後述するナビゲーション装置3のインターフェース32との間で情報の送受信を行うインターフェース部11と、フラッシュメモリによる記憶部11が設けられている。
【0036】
CPU21がメモリカード1に位置情報ファイルの記録を行う場合は、例えばデータベース24aの中から記録すべき位置情報ファイルを読み出し、インターフェース部22を介してメモリカード1に送信する。メモリカード1はインターフェース部12により位置情報ファイルを受け取り、記憶部11に記録する。
CPU21がメモリカード1から位置情報ファイルの再生を行う場合は、CPU21はインターフェース部22を介してメモリカード1に読出要求を送信する。メモリカード1では、インターフェース部12が読出要求に応じて記憶部11から位置情報ファイルを読み出し、インターフェース部22を介してCPU21に送信する。CPU21はこのようにして読み出された位置情報ファイルを、データベース24aに登録したり、表示ドライブ部25によりモニタ表示部27に表示させたり、或いは通信部26から送信することができる。
【0037】
なお、図示していないが、CD−ROMドライブ、フロッピーディスクドライブなどの部位が形成されてもよい。さらに、IEEE1394、USB、SCSI、パラレルポート、シリアルポートなどの外部機器とのインターフェース部位も当然搭載可能である。
そして位置情報ファイルの伝送という点においては、これらの部位を利用することも考えられる。
【0038】
3.ナビゲーション装置の構成
図4にナビゲーション装置3の構成を示す。
ナビゲーション装置3は、内部にプログラムROM、ワークRAM等を備えた中央制御部となるCPU31を備えるとともに、主記憶領域となるRAM33や、例えばS−RAM又はフラッシュメモリ等による不揮発性メモリ36を備えている。
この不揮発性メモリ36は、ナビゲーション装置3に対してユーザーが行ったマーキングの位置情報や、過去の走行経路情報などが記憶される。
【0039】
また例えば液晶ディスプレイ(LCD)によるモニタ表示部40が接続される。LCD表示ドライブ部35は、このモニタ表示部40に対して、CPU31からの表示指令及び表示内容に基づに映像信号を供給し、表示動作を実行させる。
【0040】
CD−ROMドライブ34は、CPU31の制御に基づいてCD−ROMの再生動作を行なう部位である。CD−ROMドライブ34に装填されるCD−ROMには地図情報や地図上の各地点に対する名称などの付加情報が記録されている。CD−ROMから再生された情報はCPU31に供給される。
なお、地図情報はCD−ROMではなく、DVD、ハードディスク、ICカードなど他のメディアに記録されるものであってもよい。
【0041】
GPS受信部37は、いわゆるGPS(グローバルポジショニングシステム:広域測位システム)による現在位置情報を得るための部位である。このGPS受信機3からは位置情報(緯度/経度)、絶対方位情報、速度情報が得られ、これらの情報はCPU31に入力される。
ジャイロ38は、いわゆる自律航法による走行位置検出を行うための部位であり、自動車の加速、減速、右左折等の挙動を検出する。ジャイロ38の検出情報はCPU31に入力される。
CPU31は、これらGPS受信部37、ジャイロ38からの入力情報により、自動車の現在位置を正確に測定することができる。
【0042】
操作部39は、ユーザーがナビゲーションシステムを使用する際に各種の操作入力を行なう部位である。
例えばドライブに際して目的地までの好適な経路を知りたい場合には、現在位置、目的地を入力する。また上述しているマーキングのように、任意の位置を指定する操作を行うこともできる。
さらに画面表示のスクロールや縮尺変更、各種情報の提示などを求める操作を行なうことができる。
これらの操作部39からの操作情報はCPU31に入力される。CPU31は入力された操作情報及び内部ROMに保持する動作プログラムに従って各部に対して所要の制御を行なうことになる。
【0043】
このようなナビゲーション装置3では、CPU31はCD−ROMドライブ34によるCD−ROMの再生動作を実行させ、地図情報を得る。そして再生された地図情報をLCD表示ドライブ部35に供給し、モニタ表示部40において地図画像の表示を実行させる。
【0044】
またCPU31は、GPS受信部37,ジャイロ38からの入力情報により検出した現在位置情報を、LCD表示ドライブ部35に供給する。するとLCD表示ドライブ部35はその位置に対応してモニタ表示部40に表示された地図上で現在位置を示す画像が表示されるように映像信号を生成する。
さらにユーザーが操作部39を用いてモニタ表示部40における地図画像の縮尺変更やスクロール表示などの要求を行なった場合は、CPU31は、その操作に基づいてLCD表示ドライブ部35を制御し、モニタ表示部40において要求された画像表示を実行させることになる。
【0045】
また、ユーザーが目的地までの最短経路を知りたいとして現在位置、目的位置を入力した場合は、CPU31は考えられる経路の中から最適な経路を判別し、その経路がモニタ表示部40における地図画像上で表示されるようにするなどの処理を行なう。
【0046】
本例の場合、ナビゲーション装置3には、メモリカード1に対して情報の記録/再生を行うインターフェース部32が設けられている。
例えば図1に示したメモリカードスロット3aにメモリカード1が装着されることで、CPU31はインターフェース部32を介してメモリカード1にアクセスし、情報の記録又は再生を行なうことができる。
【0047】
CPU31がメモリカード1から位置情報ファイルの再生を行う場合は、CPU31はインターフェース部32を介してメモリカード1に読出要求を送信する。メモリカード1では、インターフェース部12が読出要求に応じて記憶部11から位置情報ファイルを読み出し、インターフェース部32を介してCPU31に送信する。CPU31はこのようにして読み出された位置情報ファイルを、不揮発性メモリ36又はRAM33に記憶する。そして、その位置情報ファイルに含まれる位置情報(緯度、経度)に応じて、地図画像上でアイコンや名称等を表示することができる。また、その位置情報を目的地として、上記の経路表示などを行うことができる。
【0048】
CPU31がメモリカード1に位置情報ファイルの記録を行う場合は、CPU31は例えば不揮発性メモリ36に記憶されているマーキング位置情報を用いて、位置情報ファイルを生成する。そしてその位置情報ファイルをインターフェース部32を介してメモリカード1に送信する。メモリカード1はインターフェース部12により位置情報ファイルを受け取り、記憶部11に記録する。
【0049】
4.メモリカード及び位置情報ファイル
図3、図4に示したように、メモリカード1はインターフェース部12と記憶部11により構成される。フラッシュメモリによる記憶部11と、そのフラッシュメモリに対するアクセス及び外部装置(パーソナルコンピュータ2やナビゲーション装置3)とのデータの送受信を行う機能を持つインターフェース部12は、例えば1チップICとして形成される。
【0050】
メモリカード1の外形は、例えば図1に示したような板状のカード筐体により形成される。筐体は例えばプラスチックモールドにより形成され、サイズの具体例としては、60mm×20mm×2.8mmとなる。
【0051】
このようなメモリカード1においては、フラッシュメモリ容量としては、4MB(メガバイト),8MB,16MB,32MB,64MB,128MBの何れかであるものとして規定されている。
またデータ記録/再生のためのファイルシステムとして、いわゆるFAT(File Allocation Table)システムが用いられている。
【0052】
書込速度は1500KByte/sec〜330KByte/sec、読出速度は2.45MByte/secとされ、書込単位は512バイト、消去ブロックサイズは8KB又は16KBとされる。
また電源電圧Vccは2.7〜3.6V、クロックは最高20MHzとされる。
【0053】
このメモリカード1は、上述した位置情報ファイルだけでなく、オーディオデータやビデオデータ等のコンテンツも記録可能なものとされている。
図5に、本例のメモリカード1で規定されているディレクトリ構成を示す。
図示するようにルートディレクトリから、静止画用ディレクトリ(DCIM)、動画用ディレクトリ(MOxxxxnn)、音声用ディレクトリ(VOICE)、制御用ディレクトリ(AVCTL)、音楽用ディレクトリ(HIFI)、位置情報ディレクトリ(POSITION)を形成することができる。
【0054】
本例の場合は、位置情報ディレクトリ(POSITION)が用いられ、記録される位置情報ファイル(POSFILE#1、#2・・・)はこの位置情報ディレクトリにおかれることとなる。
或いは、さらに位置情報フォルダ(FOL#1・・)がおかれ、その位置情報フォルダ(FOL#1・・)内に位置情報ファイルがおかれるようにされてもよい。
【0055】
メモリカード1に記録された1つの位置情報ファイルの例を図6に示す。
例えば図2で示したような位置情報ファイルの内容としての1つのレコードが、図6に示す記述様式でメモリカード1に記録されるものとなる。
即ちデータはXML(Extensible Markup Language)で記述されており、1つのレコードには1つの位置情報として、緯度、経度が記録される。
この場合、<pos>〜</pos>というタグの範囲で、緯度「35度10分25秒」が<lat>35.62511</lat>として記述され、また経度「139度19分05秒」が<lon>139.74700</lon>として記述されている。
【0056】
またこの位置情報についての関連情報として、その位置情報における店、施設の名称と読み、例えばこの例では、<nb>イタリアグリル</nb>及び<rt>いたりあぐりる</rt>が記述されている。
同様にして関連情報として、所要のタグにより、住所、郵便番号が記述され、さらにカテゴリが記述されている。
【0057】
即ち本例では、メモリカード1にこのようなレコードを1又は複数個含む位置情報ファイルを記録できることで、パーソナルコンピュータ2とナビゲーション装置3の間で、これらの情報を互いに受け渡し、互いに利用できるものとなる。
なお、上記したメモリカード1のディレクトリ構成、位置情報ファイルの形式、レコードの記述内容や記述言語等は、一例にすぎないことはいうまでもない。
【0058】
5.位置情報表示処理
続いて、上述した動作態様(1)として説明したように、パーソナルコンピュータ2からナビゲーション装置3への位置情報の伝達を行い、ナビゲーション装置3においてその位置情報を利用する場合の処理例を図7、図8で説明する。
【0059】
上述したようにユーザーは、パーソナルコンピュータ2においてデータベース24aに格納されている位置情報ファイルを任意に選択してメモリカード1に記録することができ、それによってメモリカード1には1つの位置情報としてのレコードが図6のように記録される状態となる。
ユーザーはそのメモリカード1をナビゲーション装置3に装填して位置情報ファイルを読み出させることで、データベース24aに格納してあった位置情報をナビゲーション装置3で利用できる。
【0060】
図7はナビゲーション装置3においてメモリカード1が装着されている状態で、ナビゲーション装置3のCPU31が、そのメモリカード1に記録されている位置情報に基づいた表示を実行する場合の処理を示している。
CPU31は、ナビゲーション装置としての基本的な動作処理として、ステップF101,F102の処理を行う。即ち、CPU31は、GPS受信部37,ジャイロ38からの入力情報により現在位置を検出する。
またCPU31はCD−ROMドライブ34によるCD−ROMの再生動作を実行させ、現在位置近辺の地図情報を得る。
そして再生された地図情報をLCD表示ドライブ部35に供給し、モニタ表示部40において地図画像の表示を実行させるとともに、検出された現在位置を自車位置として地図画像上で表示させる。
【0061】
ここで1又は複数の位置情報ファイル(1又は複数のレコード)が記録されたメモリカード1が装填されている場合は、CPU31は処理をステップF103からF104に進め、メモリカード1に記憶されている1つ目の位置情報(即ち1つ目のレコード)を取得する。
続いてステップF105で、取得した位置情報としての緯度、経度が、現在モニタ表示部40に表示されている地図画像の範囲内であるか否かを判別する。
【0062】
範囲内であった場合は、CPU31はステップF106においてその取得したレコードのカテゴリの情報から、表示用のアイコンを選定する。
例えばCPU31は予めレストラン、ホテル、駐車場などのカテゴリ毎にそれぞれアイコンを設定し、不揮発性メモリ36などに記憶しておく。もちろんユーザーが各カテゴリに応じてアイコンを選択したり、追加したり、或いはアイコン自体をデザインすることができるようにしてもよい。
このステップF106の時点では、これらのようにして用意されている各種アイコンから、カテゴリに応じた1つのアイコンを選択するものとなる。
【0063】
続いてCPU31はステップF107で、位置情報及び選択したアイコンの画像データをLCD表示ドライブ部35に送り、モニタ表示部40の地図画像上で、位置情報に相当する位置に、アイコンを表示させる。
【0064】
これによって、例えば図6のようなレコードを取得し、しかもその近辺の地図画像が表示されている場合は、モニタ表示部40において例えば図8(a)のような表示が実行されることになる。
この場合、当該レコードに記されている緯度・経度の位置に、レストランに対応するアイコン51が表示される。
【0065】
なお、ステップF105において、位置情報としての緯度・経度が現在表示されている地図画像の範囲内ではない場合は、ステップF106,F107の表示処理は実行しない。
【0066】
1つのレコードについての処理が終わったら、CPU31はステップF108で、メモリカード1に他の位置情報(レコード)が記録されているか否かを判断し、他に位置情報が記録されていれば、ステップF109で、その位置情報(レコード)を取得する。そしてステップF105から同様の処理を繰り返す。
以上の処理をステップF108で、次の位置情報が存在しないと判断されるまで繰り返されることにより、現在表示されている地図画像上で、メモリカード1に記録されたレコードの情報を反映させて表示させる処理が完了する。
【0067】
この図7の一連の処理は自車位置を中心とした地図表示を実行するモードの際において、繰り返し実行される。
そして当然ながら、自動車の移動に伴って、算出される自車位置や、その自車位置を中心とした地図画像は刻々と変化していくものとなる。
従って、位置情報ファイルの記録されたメモリカード1が装着されている場合においては、メモリカード1に記録されている各位置情報については、各位置情報がモニタ表示部40に表示されている地図画像範囲内に入った時点で、その位置情報(レコード)に基づくアイコンの表示が行われることになる。
【0068】
ところで本例では、この図7の処理によりメモリカード7に記録された各位置情報(レコード)に対応してアイコンが表示されるようにしているが、ユーザーは操作部39から、表示されているアイコンを指定する操作を行うことで、そのアイコンに関するより詳しい情報を表示させることができる。
即ちCPU31は、或るアイコンについての指定操作が検出された場合は、そのアイコンの表示の元となったレコードに記録されている関連情報の全部又は一部を取得し、その関連情報に対応する画像データをLCD表示ドライブ部35に供給する。これによって、モニタ表示部40に、アイコンが表示された位置に関してより詳しい情報を表示させる。
例えば図8(b)のようにアイコン51に対応させて、名称や住所などの関連情報の表示52を実行させる。
これにより、ユーザーは任意に、各位置情報に対する詳しい情報を得ることができ、メモリカード1に記録された情報をより有効に利用できる。
【0069】
なお、図7のステップF107で、或るレコードについてのアイコンを表示させる時点で、そのレコードから名称や住所などの関連情報を取得し、例えば図8(b)のような表示を行うようにしてもよい。
また、そのようにユーザーの指定操作に関係なく関連情報を表示させる場合は、例えば図8(b)の状態で一定時間表示させた後に、関連情報に関する表示を52を終了させ、図8(a)の状態とするようにしてもよい。
【0070】
以上のようにメモリカード1に記録された位置情報ファイルに基づくアイコンや関連情報の表示が実行されることで、ユーザーから見れば、単に任意の位置情報ファイルをメモリカード1に記録し、ナビゲーション装置3に装填しておくだけで、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいた画像をモニタ表示部40で確認できるるものとなり、運転に役立てることができる。もちろん、わざわざ目的地などとして特定の場所をナビゲーション装置3においてマーキングするなどの操作は不要となるため、操作が面倒となるものではない。
【0071】
またこの図7は、自車位置を中心とした地図表示を行うの場合の処理として説明したが、ユーザーが操作により任意に地図画像をスクロールする場合もある。
その場合も同様にCPU31は、メモリカード1に記録された位置情報が、表示されている地図画像の範囲内に入った時点で、アイコン及び関連情報の表示を行うようにすればよい。
【0072】
6.位置情報書込処理
続いて、上述した動作態様(2)として説明したようにナビゲーション装置3からパーソナルコンピュータ2への位置情報の伝達を行う場合において、ナビゲーション装置3側で位置情報ファイルをメモリカード1に記録する場合の処理を説明する。
【0073】
ユーザーはナビゲーション装置3において表示されている地図画像上、即ち自車位置を中心とした地図画像、もしくはユーザーがスクロールさせて表示させている任意の地域の地図画像などにおいて、或る任意の位置をマーキングすることができ、その後、マーキング位置をナビゲーション動作に利用できる。
例えばマーキングを行うと、その位置情報(緯度、経度)は不揮発性メモリ36に記憶されるとともに、その後は、図10に示すようにマーク表示53が行われる。つまり、ユーザーがマーキングを行ったある位置の近辺の地図画像が表示される時点で、ユーザーが過去に行ったマーキング位置が図10のように提示されるものとなる。
【0074】
本例では例えば、このようにマーキングが行われた位置についての位置情報をメモリカード1に記録できるようにする。
つまりCPU31は、或るマーキング位置に基づいて位置情報ファイルを生成し、メモリカード1に記録することができる。
【0075】
図9はこのCPU31の処理を示しており、ステップF201でユーザーの操作に応じて或るマーキング位置が選択されると、CPU31は、そのマーキング位置としての位置情報、即ち緯度・経度を判別する。
ユーザーによるマーキング位置の選択とは、過去に、マーキングを行って図10のように表示される位置の中で、ユーザーが或る1つのマーキング位置を選択する操作となる。
但し、このステップF201の時点でユーザーが新たにマーキングを行って、そのマーキング位置が指定されるものとしてもよい。
【0076】
或るマーキング位置が選択されたら、CPU31はステップF202で、そのマーキング位置としてナビゲーション装置3内でのデータ形式により不揮発性メモリ36に記憶されている緯度・経度のデータを、図6に示したような記述形式の位置情報ファイルにおける緯度・経度のデータに変換する。つまり1つのマーキング位置に応じて1つの位置情報ファイルのレコードを生成する。
なお、選択されたマーキング位置について、ユーザーが名称や住所等の登録操作を行っており、それらが不揮発性メモリ36に記憶されていた場合は、それらの情報も、図6のようにレコードに含めるようにする。
【0077】
そしてステップF203で、その位置情報ファイルをインターフェース部32を介してメモリカード1に送信し、記録させる。
【0078】
ユーザーがさらに他の位置のマーキング操作を続行する場合は、ステップF204からF201に戻って処理を繰り返す。
ユーザーの終了操作が行われた場合は、ステップF204から処理を終了する。
【0079】
このような処理により、ナビゲーション装置3内で設定された位置情報に基づく位置情報ファイルをメモリカード1に記憶させることができ、その位置情報ファイルとしてのデータをナビゲーション装置3以外で利用できるものとなる。
例えば上述したように、そのメモリカード1をパーソナルコンピュータ2に装填して位置情報ファイルを読み出させることで、ユーザーが個々の位置情報に関する入力操作を行わなくとも、個々の位置情報及び関連情報を、データベース24aに登録したり、或いは作成文書、画像、電子メール等に位置情報ファイルの内容を添付して出力(送信出力、印刷出力、画像出力など)するなどを実行させることができる。
例えばパーソナルコンピュータ2側で地図画像が表示可能とされている場合は、パーソナルコンピュータ2におけるモニタ表示部27において、地図画像上で位置情報に相当する位置にアイコンや関連情報を表示させるようなこと、つまり図8に示したようなナビゲーション装置3での表示画像と同様の表示を実行させることもできる。
【0080】
7.各種利用例・変形例
以上の例のように、本例によればメモリカード1を介してパーソナルコンピュータ2とナビゲーション装置3の間で位置情報ファイルを伝達できるため、ユーザーが個々の位置情報を紙にメモしたり、メモを見ながら各装置側で入力したりしなくても、各位置情報をデータとして共有できる。
また上記動作態様(3)として説明したように、ナビゲーション装置3又はパーソナルコンピュータ2から、他のナビゲーション装置又は他のパーソナルコンピュータへの位置情報の伝達も可能である。
【0081】
例えば図11は、車載用のナビゲーション装置3A、3Bが位置情報ファイルを共有できることを模式的に示している。
例えば友人同士で同じ場所に行く場合に、一方のナビゲーション装置3Aにより目的地をマーキングした上で、その位置情報ファイルをメモリカード1に記録する。そしてそのメモリカード1を友人に渡せば、ナビゲーション装置3B側でマーキング位置を表示させることができるため、2台の自動車が非常に簡単に共通の目的地の情報を共有できることになる。
【0082】
さらにこのような本例の場合は、パーソナルコンピュータ2やナビゲーション装置3に限らず、メモリカード1に対して記録再生が可能な機器であれば、記録されている位置情報ファイルを利用できる。
図12は、パーソナルコンピュータ2、ナビゲーション装置3の他に、ポータブル情報端末6、デジタルカメラ7などの機器間で、メモリカード1に記録された位置情報ファイルを共有できることを模式的に示している。
この場合、ポータブル情報端末6、デジタルカメラ7において、メモリカード1に記録された位置情報ファイルを読み出せば、或る位置についての名称や住所等を表示させることができる。またこれらの機器が地図画像を表示可能とされていれば、図8に示したような表示を実行させることもできる。さらにこれらの機器にGPS受信部等の現在位置検出手段を備えていれば、携帯型のナビゲーション装置として利用できる上で、上述のナビゲーション装置3と同様に位置情報ファイルを利用できるものとなる。
もちろん、ポータブル情報端末6、デジタルカメラ7以外に、ポータブルナビゲーション装置、携帯電話装置、ワークステーション端末、その他多様な装置において本発明を適用できる。
【0083】
なお本発明としては、以上説明してきた実施の形態の例に関わらず、各種の変形例が考えられる。
上記例では記録媒体としてメモリカード1を用いたが、これに限られるものではない。例えばカード型以外の半導体メモリメディアや、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどのディスクメディアなどを本システムにおける記録媒体として採用することも可能である。
また記録される位置情報ファイルの形態、データ形式等はシステム設計等の都合により決められればよい。
【0084】
また、上記例ではパーソナルコンピュータ2内の不揮発性メモリ24(ハードディスク等)内においてデータベース24aを構築するものとしたが、必ずしもこれに限られない。例えばデータベースがナビゲーション装置3側に構築されてもよいし、他の情報機器に構築されてもよい。
さらに、必ずしも位置情報ファイルがデータベース化されて管理されなければならないものでもない。
【符号の説明】
【0085】
1 メモリカード、2 パーソナルコンピュータ、2a,3a メモリカードスロット、3 ナビゲーション装置、4 ホームページサーバ、11 記憶部、21,31 CPU、12,22,32 インターフェース部、23,33 RAM、24 不揮発性メモリ、24a データベース、25 表示ドライブ部、26 通信部、27,40 モニタ表示部、28,39 操作部、34 CD−ROMドライブ部、35 LCD表示ドライブ部、36 不揮発性メモリ、37 GPS受信部、38 ジャイロ、51 アイコン、52 関連情報表示、53 マーキング表示
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置と車載用などとされるナビゲーション装置を有して構成される位置情報伝達システム、さらにナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載用などのナビゲーション装置が普及しており、目的地への案内、現在位置の表示などの機能により、利用者に便利なものとなっている。
またユーザが、ナビゲーション装置により表示されている地図画像上などで、目的地やその他の覚えておきたい場所をマーキングすることで、道順案内表示を実行させたり、特定の場所や施設等についてのユーザの覚え書きとすることができるなど、利用範囲は広い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年のインターネット等の通信網やその他の情報伝達手段の発達に伴なって、一般ユーザーにとっての各種の情報の入手がより容易となり、また多様な情報を入手できるようになっている。
例えばインターネットに接続されたホームページなどから、自分がいってみたいレストラン、観光地、店などの情報を得ることもできる。
ここでユーザーが、自分のパーソナルコンピュータにより、インターネットで検索したホームページ等から或る目的地の情報、例えば住所や店名を入手したとする。この情報をナビゲーション装置に反映させて、目的地までの道順ガイドを実行させようとする場合、まずユーザーはパーソナルコンピュータに表示された住所や店名を紙にメモする。そしてナビゲーション装置において、メモした住所を含む範囲の地図を表示させ、目的地をマーキングする。また、マーキングの際には、マーキング位置を示すアイコンを選択したり、その場所の名称や住所を入力することも行う。
つまり、せっかく情報を入手しても、それをナビゲーション装置に反映させて有効に利用するには、はなはだ面倒な操作が必要となってしまう。
【0004】
また、ユーザーがドライブ中に見つけたレストラン等の場所をナビゲーション装置においてマーキングすることにより、そのナビゲーション装置では、その後マーキングした場所を表示させることなどが可能となるが、その場所の情報を自分のパーソナルコンピュータに反映させて利用するにも面倒な操作が必要となる。例えば自分で見つけたレストランや店等の位置や名称をパーソナルコンピュータ上でデータベース化して管理したり、パーソナルコンピュータ側で地図画像とともに表示させたい場合や、或いはそれらの情報を自分で開設しているホームページに載せて一般に提供したい場合などは、ナビゲーション装置でマーキングした位置を紙にメモしておいて、パーソナルコンピュータ側で入力していかなければならない。
【0005】
さらに、知人同士で或る目的地の情報を共有したい場合は、その情報を口頭或いは紙などで伝え、かつ教えられた側の人は、それを自分のナビゲーション装置やパーソナルコンピュータに入力しなければ利用できない。
【0006】
これらのように、ユーザーが自宅等に設置してあるパーソナルコンピュータと自家用車等に設置してあるナビゲーション装置、或いは友人同士で互いに所有する機器間などにおいて、或る目的地や施設等についての位置や名称等の情報を、そのデータのまま受け渡して共有することができないことから、1つのデータを有効利用することが制限されているという問題がある。
また、上記のようにデータの受け渡しに手動入力が介在することは、入力間違いが発生する可能性も高く、適切なデータ利用が阻害される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みて、位置情報や、その位置に関連する情報、例えば住所や名称などを、ユーザーが手間をかけずに有効に利用できるようにすることを目的とする。
【0008】
本発明の位置情報伝達システムは、位置情報ファイルを記録可能な記録媒体と、情報処理装置と、ナビゲーション装置とから成る位置情報伝達システムである。前記情報処理装置は、少なくとも位置情報及びその位置情報で表される位置に関連する関連情報を含み、かつ位置に関連するカテゴリが判別可能とされる位置情報ファイルを格納する格納手段と、前記格納手段に格納されている位置情報ファイルを記録媒体に記録する記録手段と、伝送路を介して位置情報ファイルの送受信を行うことのできる通信手段とを備える。前記ナビゲーション装置は、自己位置検出手段と、前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段と、表示手段と、前記自己位置検出手段の検出情報に基づいて前記表示手段上で地図画像を表示させるとともに、前記読出手段によって読み出される位置情報ファイルのうちで、位置情報が前記表示手段上で表示されている地図画像の範囲内に該当する位置情報ファイルに対応して、予め記憶された複数のアイコン画像のうちで一のアイコン画像を、その位置情報ファイルの前記カテゴリに応じて選択し、選択したアイコン画像を、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいて前記地図画像上に表示させ、さらに前記アイコン画像に対する指定操作に応じて、前記位置情報ファイルに含まれる前記関連情報に基づいた画像を、前記表示手段上で表示させる制御手段とを備える。
【0009】
また、位置情報ファイルを格納するデータベースを備えたサーバ装置をさらに備えるとともに、前記情報処理装置は、上記サーバ装置の上記データベースに格納された位置情報ファイルを前記通信手段により受信し、受信した位置情報ファイルを前記格納手段に格納できるようにする。
また前記ナビゲーション装置は、任意の位置を指定することのできる指定入力手段と、前記指定入力手段で指定された位置についての位置情報を含む位置情報ファイルを生成し、前記記録媒体に記録する記録手段とをさらに備えている。
また前記情報処理装置は、前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段をさらに備え、前記読出手段により読み出した位置情報ファイルを前記格納手段に格納できる。
また前記記録媒体に記録される位置情報ファイルは、XML形式で記録される。
【0010】
本発明のナビゲーション装置は、自己位置検出手段と、前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段と、表示手段と、前記自己位置検出手段の検出情報に基づいて前記表示手段上で地図画像を表示させるとともに、前記読出手段によって読み出される位置情報ファイルのうちで、位置情報が前記表示手段上で表示されている地図画像の範囲内に該当する位置情報ファイルに対応して、予め記憶された複数のアイコン画像のうちで一のアイコン画像を、その位置情報ファイルの前記カテゴリに応じて選択し、選択したアイコン画像を、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいて前記地図画像上に表示させ、さらに前記アイコン画像に対する指定操作に応じて、前記位置情報ファイルに含まれる前記関連情報に基づいた画像を、前記表示手段上で表示させる制御手段とを備える。
また任意の位置を指定することのできる指定入力手段と、前記指定入力手段で指定された位置についての位置情報を含む位置情報ファイルを生成し、前記記録媒体に記録する記録手段とをさらに備える。
【0011】
即ち本発明では、記録媒体を介して情報処理装置とナビゲーション装置の間で位置情報やその関連情報を共有できるようにし、相互に位置情報等を各種の態様で利用できるようにするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、記録媒体を介して情報処理装置とナビゲーション装置の間で位置情報やその関連情報を伝達して共有できるようにしたため、相互に位置情報等を各種の態様で利用できるという効果がある。しかも一方の機器側で得た位置情報等を他方の機器側で利用するために、ユーザーがメモ書きをして入力し直すなどといった煩雑な操作も不要であり、また入力間違えもない。
そしてこのように容易に位置情報が共有できることにより、各位置情報を最大限に有効利用できる環境をユーザーに提供できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態のシステム構成の説明図である。
【図2】実施の形態の位置情報ファイルのレコード内容例の説明図である。
【図3】実施の形態のパーソナルコンピュータのブロック図である。
【図4】実施の形態のナビゲーション装置のブロック図である。
【図5】実施の形態のメモリカードのディレクトリ構造の説明図である。
【図6】実施の形態のメモリカードに記録される位置情報ファイルのレコードの説明図である。
【図7】実施の形態の位置情報表示処理のフローチャートである。
【図8】実施の形態の位置情報表示例の説明図である。
【図9】実施の形態の位置情報ファイル記録処理のフローチャートである。
【図10】実施の形態のマーキング画面の説明図である。
【図11】実施の形態のナビゲーション装置間での位置情報伝達の説明図である。
【図12】実施の形態の各種機器間での位置情報伝達の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明していく。この実施の形態では、記録媒体の例としての不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)を搭載するメモリカードを挙げ、情報処理装置の例としてパーソナルコンピュータを、またナビゲーション装置の例として車載用のナビゲーション装置を例に挙げる。
説明は次の順序で行う。
1.システム構成及び動作態様
2.パーソナルコンピュータの構成
3.ナビゲーション装置の構成
4.メモリカード及び位置情報ファイル
5.位置情報表示処理
6.位置情報書込処理
7.各種利用例・変形例
【0015】
1.システム構成及び動作態様
図1に実施の形態のシステム例を示す。
本例の位置情報伝達システムは主に、パーソナルコンピュータ2、メモリカード1、ナビゲーション装置3から構成される。またパーソナルコンピュータ2と一般公衆回線等の伝送路5を介して接続可能なホームページサーバ4も本例のシステムに組み込むことができる。
【0016】
パーソナルコンピュータ2は、ユーザーが自宅等に設置して使用するものとしているが、もちろん携帯型のパーソナルコンピュータでもよい。
このパーソナルコンピュータ2は伝送路5により例えばインターネットのホームページなどから各種の情報をダウンロードすることができる。
【0017】
ホームページサーバ4は、例えば各種の位置情報ファイルについてのデータベース4aを備えたものとしており、このデータベース4aに格納されている情報を一般に提供できる部位である。
本例でいう位置情報ファイルに関するデータベースとしては、例えばレストランデータベース、ホテルデータベース、駐車場データベースなど、ナビゲーション装置3での利用に適したデータベースの例をあげている。
パーソナルコンピュータ2では、このようなデータベース4aの情報をダウンロードすることで、例えば内部のハードディスク内などに、そのユーザーにとって必要な位置情報ファイルを集めたデータベース24aを構築することができる。
【0018】
例えばデータベース4aに格納されている全ての位置情報ファイルをダウンロードしてデータベース24aとしてもよいし、レストラン、ホテル・・・など、必要な分野の位置情報ファイルを格納したデータベース単位でダウンロードしてデータベース24aとしてもよい。
もちろん、ホームページサーバ4以外のホームページ、例えばデータベース4aのような機能を有しないホームページ、その他のサーバからの情報に基づいて、パーソナルコンピュータ2側で位置情報ファイルを作成し、データベース24aに格納できるようにしてもよい。
さらにはユーザーがパーソナルコンピュータ2で位置情報ファイルを個々に入力してデータベース24aを作成してもよい。
もちろんデータベース24aに登録された個々の位置情報ファイルの内容の追加などの編集も可能である。
【0019】
さらには、CD−ROM、フロッピーディスク等で提供される(販売される)位置情報ファイルをデータベース24aに登録してもよい。或いは、それらのCD−ROM、フロッピーディスク等をそのままデータベース24aとして用いる場合もある。
【0020】
データベース24aに格納される個々の位置情報ファイルのレコード内容例を図2に示す。
なお、レコードとは位置情報ファイル内の1つのデータ単位であり、1つの位置情報に相当する内容である。
位置情報ファイルは1又は複数のレコードにより形成される。
レコードには、位置情報として、緯度、経度の値が記録されるとともに、その位置に関連する情報として、名称、読み、住所、郵便番号、カテゴリなどが記録されている例である。
もちろん関連する情報としては、他に、電話番号、メールアドレス、店等の紹介文やメニュー、周辺情報、標高、作成日時、その位置までの道順、店等の施設の写真データ、音声データなど、多様に考えられる。
【0021】
なお、データベースがカテゴリ毎に構築される場合、或いは位置情報ファイル内の各レコードが同一のカテゴリに限定される場合は、個々のレコードにはカテゴリ情報を含む必要はないが、後述するようにカテゴリに応じたアイコンをナビゲーション装置3において表示するなどの必要性から、位置情報ファイルがナビゲーション装置3に伝達される際には、ナビゲーション装置3が個々のレコードについてカテゴリを判別できるようにする必要がある。
【0022】
またこの例では1つの位置情報ファイルに複数のレコード(つまり複数の位置情報)を含むことが可能としているが、1つの位置情報ファイルには1つのレコード(1つの位置情報)しか含まれないようなファイル形態を採用することも考えられる。
【0023】
本例のパーソナルコンピュータ2及びナビゲーション装置3は、ともに、メモリカード1に対する記録/再生が可能なカードドライブ部を有するものとしている。
即ちパーソナルコンピュータ2にはメモリカードスロット2aが設けられ、またナビゲーション装置3にもメモリカードスロット3aが設けられている。そしてパーソナルコンピュータ2及びナビゲーション装置3は、メモリカードスロット2a又は3aに装填されたメモリカード1に対して記録/再生を行うことができる。
このメモリカード1の構造や記録される情報については後述するが、メモリカード1は、内部にフラッシュメモリを有するものとされ、本例では特に位置情報ファイルが記録再生可能な記録媒体として用いられる。
【0024】
パーソナルコンピュータ2では、データベース24aに格納してある位置情報ファイルをメモリカード1に記録することができる。またパーソナルコンピュータ2では、メモリカード1に記録されている位置情報ファイルを読み出して、データベース24aに格納することができる。
【0025】
ナビゲーション装置3では、メモリカード1にに記録されている位置情報ファイルを読み出して、表示画面上で、地図画像と合わせて位置情報ファイルの内容を表示することができる。またその位置情報ファイルによる位置情報をマーキング位置として、各種のナビゲーション動作、例えば道順案内等の動作を実行することができる。
さらにナビゲーション装置3では、ユーザーのマーキング操作などに応じて、位置情報ファイルを生成し、メモリカード1に記録することもできる。
【0026】
このようなシステムによって実行可能な動作態様を、メモリカード1を介した位置情報ファイルの伝達という観点でいえば、例えば次のようになる。
【0027】
(1)パーソナルコンピュータ2からナビゲーション装置3への位置情報の伝達
ユーザーは、上述のように何らかの方法で入手した各種位置情報ファイルが格納されたデータベース24aを用いて、所望の目的地等を含む位置情報ファイルを選択してメモリカード1に記録する。
そのメモリカード1をナビゲーション装置3に装填して位置情報ファイルを読み出させ、ナビゲーション画面上に位置情報ファイルに基づく表示も実行させる。また特定の位置情報ファイルに示される位置を目的地としてのナビゲーション動作(道順表示や右折、左折等の案内の表示や音声によるガイドなど)を実行させる。
【0028】
(2)ナビゲーション装置3からパーソナルコンピュータ2への位置情報の伝達
ユーザーはナビゲーション装置3において表示されている地図画像上で任意の位置をマーキングする。ナビゲーション装置3はそのマーキング位置に基づいて位置情報ファイルを生成し、メモリカード1に記録する。
そのメモリカード1をパーソナルコンピュータ2に装填して位置情報ファイルを読み出させ、データベース24aに登録したり、或いは作成文書、画像、電子メール等に位置情報ファイルの内容を添付して出力(送信出力、印刷出力、画像出力など)するなどを実行させる。
【0029】
(3)ナビゲーション装置3又はパーソナルコンピュータ2から、他のナビゲーション装置又は他のパーソナルコンピュータへの位置情報の伝達
或るユーザーがナビゲーション装置3又はパーソナルコンピュータ2によりメモリカード1に位置情報ファイルを記録する。そのメモリカード1を例えば知人が所有するナビゲーション装置やパーソナルコンピュータに装填して位置情報ファイルを読み出させ、ナビゲーション動作や各種情報処理動作に利用できるようにする。
【0030】
なおメモリカード1を介さない位置情報の伝達という観点でいえば、上述のようにホームページサーバ4等からパーソナルコンピュータ2に位置情報ファイルをダウンロードすることや、逆にパーソナルコンピュータ2から伝送路5を介して位置情報ファイルを特定の情報処理装置又は不特定多数に対して送信するという動作態様も考えられる。
【0031】
以上のような動作態様がそれぞれユーザーの事情に応じて行われることにより、ユーザーはインターネット等で一般に提供されている位置情報や、何らかの手法でパーソナルコンピュータ2に入力した位置情報を、容易にナビゲーション装置3の動作に反映させることができる。
またナビゲーション装置3を位置情報の発生源として用いて、その位置情報をパーソナルコンピュータ2で利用したり、知人、或いは一般に提供することなども容易に可能となる。
【0032】
2.パーソナルコンピュータの構成
図3にパーソナルコンピュータ2の構成を示す。
パーソナルコンピュータ2は、内部にプログラムROM、ワークRAM等を備えた中央制御部となるCPU21を備えるとともに、主記憶領域となるRAM23や、例えばハードディスクドライブなどとしての不揮発性メモリ24を備えている。
上述したデータベース24aは、例えばこの不揮発性メモリ24内に構築されるものとなる。
【0033】
また例えばCRT或いは液晶ディスプレイなどによるモニタ表示部27が接続され(又は一体化され)るが、CPU21の制御に基づいてモニタ表示部27に対して映像信号を供給し、表示動作を実行させる表示ドライブ部25が設けられる。
また、キーボードやマウスなどの操作部28が接続され、操作入力情報がCPU21に供給される。
通信部26は、公衆回線等の伝送路5に接続され、外部装置との情報の送受信を行う部位である。CPU21は通信部26を介して、ホームページサーバ4などに接続可能となる。
【0034】
本例の場合パーソナルコンピュータ2には、メモリカード1に対して情報の記録/再生を行うインターフェース部22が設けられる。
例えば図1に示したメモリカードスロット2aにメモリカード1が装着されることで、CPU21はインターフェース部22を介してメモリカード1にアクセスし、情報の記録又は再生を行なうことができる。
【0035】
なおメモリカード1には図示するように、パーソナルコンピュータ2のインターフェース部22及び後述するナビゲーション装置3のインターフェース32との間で情報の送受信を行うインターフェース部11と、フラッシュメモリによる記憶部11が設けられている。
【0036】
CPU21がメモリカード1に位置情報ファイルの記録を行う場合は、例えばデータベース24aの中から記録すべき位置情報ファイルを読み出し、インターフェース部22を介してメモリカード1に送信する。メモリカード1はインターフェース部12により位置情報ファイルを受け取り、記憶部11に記録する。
CPU21がメモリカード1から位置情報ファイルの再生を行う場合は、CPU21はインターフェース部22を介してメモリカード1に読出要求を送信する。メモリカード1では、インターフェース部12が読出要求に応じて記憶部11から位置情報ファイルを読み出し、インターフェース部22を介してCPU21に送信する。CPU21はこのようにして読み出された位置情報ファイルを、データベース24aに登録したり、表示ドライブ部25によりモニタ表示部27に表示させたり、或いは通信部26から送信することができる。
【0037】
なお、図示していないが、CD−ROMドライブ、フロッピーディスクドライブなどの部位が形成されてもよい。さらに、IEEE1394、USB、SCSI、パラレルポート、シリアルポートなどの外部機器とのインターフェース部位も当然搭載可能である。
そして位置情報ファイルの伝送という点においては、これらの部位を利用することも考えられる。
【0038】
3.ナビゲーション装置の構成
図4にナビゲーション装置3の構成を示す。
ナビゲーション装置3は、内部にプログラムROM、ワークRAM等を備えた中央制御部となるCPU31を備えるとともに、主記憶領域となるRAM33や、例えばS−RAM又はフラッシュメモリ等による不揮発性メモリ36を備えている。
この不揮発性メモリ36は、ナビゲーション装置3に対してユーザーが行ったマーキングの位置情報や、過去の走行経路情報などが記憶される。
【0039】
また例えば液晶ディスプレイ(LCD)によるモニタ表示部40が接続される。LCD表示ドライブ部35は、このモニタ表示部40に対して、CPU31からの表示指令及び表示内容に基づに映像信号を供給し、表示動作を実行させる。
【0040】
CD−ROMドライブ34は、CPU31の制御に基づいてCD−ROMの再生動作を行なう部位である。CD−ROMドライブ34に装填されるCD−ROMには地図情報や地図上の各地点に対する名称などの付加情報が記録されている。CD−ROMから再生された情報はCPU31に供給される。
なお、地図情報はCD−ROMではなく、DVD、ハードディスク、ICカードなど他のメディアに記録されるものであってもよい。
【0041】
GPS受信部37は、いわゆるGPS(グローバルポジショニングシステム:広域測位システム)による現在位置情報を得るための部位である。このGPS受信機3からは位置情報(緯度/経度)、絶対方位情報、速度情報が得られ、これらの情報はCPU31に入力される。
ジャイロ38は、いわゆる自律航法による走行位置検出を行うための部位であり、自動車の加速、減速、右左折等の挙動を検出する。ジャイロ38の検出情報はCPU31に入力される。
CPU31は、これらGPS受信部37、ジャイロ38からの入力情報により、自動車の現在位置を正確に測定することができる。
【0042】
操作部39は、ユーザーがナビゲーションシステムを使用する際に各種の操作入力を行なう部位である。
例えばドライブに際して目的地までの好適な経路を知りたい場合には、現在位置、目的地を入力する。また上述しているマーキングのように、任意の位置を指定する操作を行うこともできる。
さらに画面表示のスクロールや縮尺変更、各種情報の提示などを求める操作を行なうことができる。
これらの操作部39からの操作情報はCPU31に入力される。CPU31は入力された操作情報及び内部ROMに保持する動作プログラムに従って各部に対して所要の制御を行なうことになる。
【0043】
このようなナビゲーション装置3では、CPU31はCD−ROMドライブ34によるCD−ROMの再生動作を実行させ、地図情報を得る。そして再生された地図情報をLCD表示ドライブ部35に供給し、モニタ表示部40において地図画像の表示を実行させる。
【0044】
またCPU31は、GPS受信部37,ジャイロ38からの入力情報により検出した現在位置情報を、LCD表示ドライブ部35に供給する。するとLCD表示ドライブ部35はその位置に対応してモニタ表示部40に表示された地図上で現在位置を示す画像が表示されるように映像信号を生成する。
さらにユーザーが操作部39を用いてモニタ表示部40における地図画像の縮尺変更やスクロール表示などの要求を行なった場合は、CPU31は、その操作に基づいてLCD表示ドライブ部35を制御し、モニタ表示部40において要求された画像表示を実行させることになる。
【0045】
また、ユーザーが目的地までの最短経路を知りたいとして現在位置、目的位置を入力した場合は、CPU31は考えられる経路の中から最適な経路を判別し、その経路がモニタ表示部40における地図画像上で表示されるようにするなどの処理を行なう。
【0046】
本例の場合、ナビゲーション装置3には、メモリカード1に対して情報の記録/再生を行うインターフェース部32が設けられている。
例えば図1に示したメモリカードスロット3aにメモリカード1が装着されることで、CPU31はインターフェース部32を介してメモリカード1にアクセスし、情報の記録又は再生を行なうことができる。
【0047】
CPU31がメモリカード1から位置情報ファイルの再生を行う場合は、CPU31はインターフェース部32を介してメモリカード1に読出要求を送信する。メモリカード1では、インターフェース部12が読出要求に応じて記憶部11から位置情報ファイルを読み出し、インターフェース部32を介してCPU31に送信する。CPU31はこのようにして読み出された位置情報ファイルを、不揮発性メモリ36又はRAM33に記憶する。そして、その位置情報ファイルに含まれる位置情報(緯度、経度)に応じて、地図画像上でアイコンや名称等を表示することができる。また、その位置情報を目的地として、上記の経路表示などを行うことができる。
【0048】
CPU31がメモリカード1に位置情報ファイルの記録を行う場合は、CPU31は例えば不揮発性メモリ36に記憶されているマーキング位置情報を用いて、位置情報ファイルを生成する。そしてその位置情報ファイルをインターフェース部32を介してメモリカード1に送信する。メモリカード1はインターフェース部12により位置情報ファイルを受け取り、記憶部11に記録する。
【0049】
4.メモリカード及び位置情報ファイル
図3、図4に示したように、メモリカード1はインターフェース部12と記憶部11により構成される。フラッシュメモリによる記憶部11と、そのフラッシュメモリに対するアクセス及び外部装置(パーソナルコンピュータ2やナビゲーション装置3)とのデータの送受信を行う機能を持つインターフェース部12は、例えば1チップICとして形成される。
【0050】
メモリカード1の外形は、例えば図1に示したような板状のカード筐体により形成される。筐体は例えばプラスチックモールドにより形成され、サイズの具体例としては、60mm×20mm×2.8mmとなる。
【0051】
このようなメモリカード1においては、フラッシュメモリ容量としては、4MB(メガバイト),8MB,16MB,32MB,64MB,128MBの何れかであるものとして規定されている。
またデータ記録/再生のためのファイルシステムとして、いわゆるFAT(File Allocation Table)システムが用いられている。
【0052】
書込速度は1500KByte/sec〜330KByte/sec、読出速度は2.45MByte/secとされ、書込単位は512バイト、消去ブロックサイズは8KB又は16KBとされる。
また電源電圧Vccは2.7〜3.6V、クロックは最高20MHzとされる。
【0053】
このメモリカード1は、上述した位置情報ファイルだけでなく、オーディオデータやビデオデータ等のコンテンツも記録可能なものとされている。
図5に、本例のメモリカード1で規定されているディレクトリ構成を示す。
図示するようにルートディレクトリから、静止画用ディレクトリ(DCIM)、動画用ディレクトリ(MOxxxxnn)、音声用ディレクトリ(VOICE)、制御用ディレクトリ(AVCTL)、音楽用ディレクトリ(HIFI)、位置情報ディレクトリ(POSITION)を形成することができる。
【0054】
本例の場合は、位置情報ディレクトリ(POSITION)が用いられ、記録される位置情報ファイル(POSFILE#1、#2・・・)はこの位置情報ディレクトリにおかれることとなる。
或いは、さらに位置情報フォルダ(FOL#1・・)がおかれ、その位置情報フォルダ(FOL#1・・)内に位置情報ファイルがおかれるようにされてもよい。
【0055】
メモリカード1に記録された1つの位置情報ファイルの例を図6に示す。
例えば図2で示したような位置情報ファイルの内容としての1つのレコードが、図6に示す記述様式でメモリカード1に記録されるものとなる。
即ちデータはXML(Extensible Markup Language)で記述されており、1つのレコードには1つの位置情報として、緯度、経度が記録される。
この場合、<pos>〜</pos>というタグの範囲で、緯度「35度10分25秒」が<lat>35.62511</lat>として記述され、また経度「139度19分05秒」が<lon>139.74700</lon>として記述されている。
【0056】
またこの位置情報についての関連情報として、その位置情報における店、施設の名称と読み、例えばこの例では、<nb>イタリアグリル</nb>及び<rt>いたりあぐりる</rt>が記述されている。
同様にして関連情報として、所要のタグにより、住所、郵便番号が記述され、さらにカテゴリが記述されている。
【0057】
即ち本例では、メモリカード1にこのようなレコードを1又は複数個含む位置情報ファイルを記録できることで、パーソナルコンピュータ2とナビゲーション装置3の間で、これらの情報を互いに受け渡し、互いに利用できるものとなる。
なお、上記したメモリカード1のディレクトリ構成、位置情報ファイルの形式、レコードの記述内容や記述言語等は、一例にすぎないことはいうまでもない。
【0058】
5.位置情報表示処理
続いて、上述した動作態様(1)として説明したように、パーソナルコンピュータ2からナビゲーション装置3への位置情報の伝達を行い、ナビゲーション装置3においてその位置情報を利用する場合の処理例を図7、図8で説明する。
【0059】
上述したようにユーザーは、パーソナルコンピュータ2においてデータベース24aに格納されている位置情報ファイルを任意に選択してメモリカード1に記録することができ、それによってメモリカード1には1つの位置情報としてのレコードが図6のように記録される状態となる。
ユーザーはそのメモリカード1をナビゲーション装置3に装填して位置情報ファイルを読み出させることで、データベース24aに格納してあった位置情報をナビゲーション装置3で利用できる。
【0060】
図7はナビゲーション装置3においてメモリカード1が装着されている状態で、ナビゲーション装置3のCPU31が、そのメモリカード1に記録されている位置情報に基づいた表示を実行する場合の処理を示している。
CPU31は、ナビゲーション装置としての基本的な動作処理として、ステップF101,F102の処理を行う。即ち、CPU31は、GPS受信部37,ジャイロ38からの入力情報により現在位置を検出する。
またCPU31はCD−ROMドライブ34によるCD−ROMの再生動作を実行させ、現在位置近辺の地図情報を得る。
そして再生された地図情報をLCD表示ドライブ部35に供給し、モニタ表示部40において地図画像の表示を実行させるとともに、検出された現在位置を自車位置として地図画像上で表示させる。
【0061】
ここで1又は複数の位置情報ファイル(1又は複数のレコード)が記録されたメモリカード1が装填されている場合は、CPU31は処理をステップF103からF104に進め、メモリカード1に記憶されている1つ目の位置情報(即ち1つ目のレコード)を取得する。
続いてステップF105で、取得した位置情報としての緯度、経度が、現在モニタ表示部40に表示されている地図画像の範囲内であるか否かを判別する。
【0062】
範囲内であった場合は、CPU31はステップF106においてその取得したレコードのカテゴリの情報から、表示用のアイコンを選定する。
例えばCPU31は予めレストラン、ホテル、駐車場などのカテゴリ毎にそれぞれアイコンを設定し、不揮発性メモリ36などに記憶しておく。もちろんユーザーが各カテゴリに応じてアイコンを選択したり、追加したり、或いはアイコン自体をデザインすることができるようにしてもよい。
このステップF106の時点では、これらのようにして用意されている各種アイコンから、カテゴリに応じた1つのアイコンを選択するものとなる。
【0063】
続いてCPU31はステップF107で、位置情報及び選択したアイコンの画像データをLCD表示ドライブ部35に送り、モニタ表示部40の地図画像上で、位置情報に相当する位置に、アイコンを表示させる。
【0064】
これによって、例えば図6のようなレコードを取得し、しかもその近辺の地図画像が表示されている場合は、モニタ表示部40において例えば図8(a)のような表示が実行されることになる。
この場合、当該レコードに記されている緯度・経度の位置に、レストランに対応するアイコン51が表示される。
【0065】
なお、ステップF105において、位置情報としての緯度・経度が現在表示されている地図画像の範囲内ではない場合は、ステップF106,F107の表示処理は実行しない。
【0066】
1つのレコードについての処理が終わったら、CPU31はステップF108で、メモリカード1に他の位置情報(レコード)が記録されているか否かを判断し、他に位置情報が記録されていれば、ステップF109で、その位置情報(レコード)を取得する。そしてステップF105から同様の処理を繰り返す。
以上の処理をステップF108で、次の位置情報が存在しないと判断されるまで繰り返されることにより、現在表示されている地図画像上で、メモリカード1に記録されたレコードの情報を反映させて表示させる処理が完了する。
【0067】
この図7の一連の処理は自車位置を中心とした地図表示を実行するモードの際において、繰り返し実行される。
そして当然ながら、自動車の移動に伴って、算出される自車位置や、その自車位置を中心とした地図画像は刻々と変化していくものとなる。
従って、位置情報ファイルの記録されたメモリカード1が装着されている場合においては、メモリカード1に記録されている各位置情報については、各位置情報がモニタ表示部40に表示されている地図画像範囲内に入った時点で、その位置情報(レコード)に基づくアイコンの表示が行われることになる。
【0068】
ところで本例では、この図7の処理によりメモリカード7に記録された各位置情報(レコード)に対応してアイコンが表示されるようにしているが、ユーザーは操作部39から、表示されているアイコンを指定する操作を行うことで、そのアイコンに関するより詳しい情報を表示させることができる。
即ちCPU31は、或るアイコンについての指定操作が検出された場合は、そのアイコンの表示の元となったレコードに記録されている関連情報の全部又は一部を取得し、その関連情報に対応する画像データをLCD表示ドライブ部35に供給する。これによって、モニタ表示部40に、アイコンが表示された位置に関してより詳しい情報を表示させる。
例えば図8(b)のようにアイコン51に対応させて、名称や住所などの関連情報の表示52を実行させる。
これにより、ユーザーは任意に、各位置情報に対する詳しい情報を得ることができ、メモリカード1に記録された情報をより有効に利用できる。
【0069】
なお、図7のステップF107で、或るレコードについてのアイコンを表示させる時点で、そのレコードから名称や住所などの関連情報を取得し、例えば図8(b)のような表示を行うようにしてもよい。
また、そのようにユーザーの指定操作に関係なく関連情報を表示させる場合は、例えば図8(b)の状態で一定時間表示させた後に、関連情報に関する表示を52を終了させ、図8(a)の状態とするようにしてもよい。
【0070】
以上のようにメモリカード1に記録された位置情報ファイルに基づくアイコンや関連情報の表示が実行されることで、ユーザーから見れば、単に任意の位置情報ファイルをメモリカード1に記録し、ナビゲーション装置3に装填しておくだけで、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいた画像をモニタ表示部40で確認できるるものとなり、運転に役立てることができる。もちろん、わざわざ目的地などとして特定の場所をナビゲーション装置3においてマーキングするなどの操作は不要となるため、操作が面倒となるものではない。
【0071】
またこの図7は、自車位置を中心とした地図表示を行うの場合の処理として説明したが、ユーザーが操作により任意に地図画像をスクロールする場合もある。
その場合も同様にCPU31は、メモリカード1に記録された位置情報が、表示されている地図画像の範囲内に入った時点で、アイコン及び関連情報の表示を行うようにすればよい。
【0072】
6.位置情報書込処理
続いて、上述した動作態様(2)として説明したようにナビゲーション装置3からパーソナルコンピュータ2への位置情報の伝達を行う場合において、ナビゲーション装置3側で位置情報ファイルをメモリカード1に記録する場合の処理を説明する。
【0073】
ユーザーはナビゲーション装置3において表示されている地図画像上、即ち自車位置を中心とした地図画像、もしくはユーザーがスクロールさせて表示させている任意の地域の地図画像などにおいて、或る任意の位置をマーキングすることができ、その後、マーキング位置をナビゲーション動作に利用できる。
例えばマーキングを行うと、その位置情報(緯度、経度)は不揮発性メモリ36に記憶されるとともに、その後は、図10に示すようにマーク表示53が行われる。つまり、ユーザーがマーキングを行ったある位置の近辺の地図画像が表示される時点で、ユーザーが過去に行ったマーキング位置が図10のように提示されるものとなる。
【0074】
本例では例えば、このようにマーキングが行われた位置についての位置情報をメモリカード1に記録できるようにする。
つまりCPU31は、或るマーキング位置に基づいて位置情報ファイルを生成し、メモリカード1に記録することができる。
【0075】
図9はこのCPU31の処理を示しており、ステップF201でユーザーの操作に応じて或るマーキング位置が選択されると、CPU31は、そのマーキング位置としての位置情報、即ち緯度・経度を判別する。
ユーザーによるマーキング位置の選択とは、過去に、マーキングを行って図10のように表示される位置の中で、ユーザーが或る1つのマーキング位置を選択する操作となる。
但し、このステップF201の時点でユーザーが新たにマーキングを行って、そのマーキング位置が指定されるものとしてもよい。
【0076】
或るマーキング位置が選択されたら、CPU31はステップF202で、そのマーキング位置としてナビゲーション装置3内でのデータ形式により不揮発性メモリ36に記憶されている緯度・経度のデータを、図6に示したような記述形式の位置情報ファイルにおける緯度・経度のデータに変換する。つまり1つのマーキング位置に応じて1つの位置情報ファイルのレコードを生成する。
なお、選択されたマーキング位置について、ユーザーが名称や住所等の登録操作を行っており、それらが不揮発性メモリ36に記憶されていた場合は、それらの情報も、図6のようにレコードに含めるようにする。
【0077】
そしてステップF203で、その位置情報ファイルをインターフェース部32を介してメモリカード1に送信し、記録させる。
【0078】
ユーザーがさらに他の位置のマーキング操作を続行する場合は、ステップF204からF201に戻って処理を繰り返す。
ユーザーの終了操作が行われた場合は、ステップF204から処理を終了する。
【0079】
このような処理により、ナビゲーション装置3内で設定された位置情報に基づく位置情報ファイルをメモリカード1に記憶させることができ、その位置情報ファイルとしてのデータをナビゲーション装置3以外で利用できるものとなる。
例えば上述したように、そのメモリカード1をパーソナルコンピュータ2に装填して位置情報ファイルを読み出させることで、ユーザーが個々の位置情報に関する入力操作を行わなくとも、個々の位置情報及び関連情報を、データベース24aに登録したり、或いは作成文書、画像、電子メール等に位置情報ファイルの内容を添付して出力(送信出力、印刷出力、画像出力など)するなどを実行させることができる。
例えばパーソナルコンピュータ2側で地図画像が表示可能とされている場合は、パーソナルコンピュータ2におけるモニタ表示部27において、地図画像上で位置情報に相当する位置にアイコンや関連情報を表示させるようなこと、つまり図8に示したようなナビゲーション装置3での表示画像と同様の表示を実行させることもできる。
【0080】
7.各種利用例・変形例
以上の例のように、本例によればメモリカード1を介してパーソナルコンピュータ2とナビゲーション装置3の間で位置情報ファイルを伝達できるため、ユーザーが個々の位置情報を紙にメモしたり、メモを見ながら各装置側で入力したりしなくても、各位置情報をデータとして共有できる。
また上記動作態様(3)として説明したように、ナビゲーション装置3又はパーソナルコンピュータ2から、他のナビゲーション装置又は他のパーソナルコンピュータへの位置情報の伝達も可能である。
【0081】
例えば図11は、車載用のナビゲーション装置3A、3Bが位置情報ファイルを共有できることを模式的に示している。
例えば友人同士で同じ場所に行く場合に、一方のナビゲーション装置3Aにより目的地をマーキングした上で、その位置情報ファイルをメモリカード1に記録する。そしてそのメモリカード1を友人に渡せば、ナビゲーション装置3B側でマーキング位置を表示させることができるため、2台の自動車が非常に簡単に共通の目的地の情報を共有できることになる。
【0082】
さらにこのような本例の場合は、パーソナルコンピュータ2やナビゲーション装置3に限らず、メモリカード1に対して記録再生が可能な機器であれば、記録されている位置情報ファイルを利用できる。
図12は、パーソナルコンピュータ2、ナビゲーション装置3の他に、ポータブル情報端末6、デジタルカメラ7などの機器間で、メモリカード1に記録された位置情報ファイルを共有できることを模式的に示している。
この場合、ポータブル情報端末6、デジタルカメラ7において、メモリカード1に記録された位置情報ファイルを読み出せば、或る位置についての名称や住所等を表示させることができる。またこれらの機器が地図画像を表示可能とされていれば、図8に示したような表示を実行させることもできる。さらにこれらの機器にGPS受信部等の現在位置検出手段を備えていれば、携帯型のナビゲーション装置として利用できる上で、上述のナビゲーション装置3と同様に位置情報ファイルを利用できるものとなる。
もちろん、ポータブル情報端末6、デジタルカメラ7以外に、ポータブルナビゲーション装置、携帯電話装置、ワークステーション端末、その他多様な装置において本発明を適用できる。
【0083】
なお本発明としては、以上説明してきた実施の形態の例に関わらず、各種の変形例が考えられる。
上記例では記録媒体としてメモリカード1を用いたが、これに限られるものではない。例えばカード型以外の半導体メモリメディアや、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどのディスクメディアなどを本システムにおける記録媒体として採用することも可能である。
また記録される位置情報ファイルの形態、データ形式等はシステム設計等の都合により決められればよい。
【0084】
また、上記例ではパーソナルコンピュータ2内の不揮発性メモリ24(ハードディスク等)内においてデータベース24aを構築するものとしたが、必ずしもこれに限られない。例えばデータベースがナビゲーション装置3側に構築されてもよいし、他の情報機器に構築されてもよい。
さらに、必ずしも位置情報ファイルがデータベース化されて管理されなければならないものでもない。
【符号の説明】
【0085】
1 メモリカード、2 パーソナルコンピュータ、2a,3a メモリカードスロット、3 ナビゲーション装置、4 ホームページサーバ、11 記憶部、21,31 CPU、12,22,32 インターフェース部、23,33 RAM、24 不揮発性メモリ、24a データベース、25 表示ドライブ部、26 通信部、27,40 モニタ表示部、28,39 操作部、34 CD−ROMドライブ部、35 LCD表示ドライブ部、36 不揮発性メモリ、37 GPS受信部、38 ジャイロ、51 アイコン、52 関連情報表示、53 マーキング表示
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報ファイルを記録可能な記録媒体と、情報処理装置と、ナビゲーション装置とから成る位置情報伝達システムであって、
前記情報処理装置は、
少なくとも位置情報及びその位置情報で表される位置に関連する関連情報を含み、かつ位置に関連するカテゴリが判別可能とされる位置情報ファイルを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納されている位置情報ファイルを記録媒体に記録する記録手段と、
伝送路を介して位置情報ファイルの送受信を行うことのできる通信手段と、
を備え、
前記ナビゲーション装置は、
自己位置検出手段と、
前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段と、
表示手段と、
前記自己位置検出手段の検出情報に基づいて前記表示手段上で地図画像を表示させるとともに、前記読出手段によって読み出される位置情報ファイルのうちで、位置情報が前記表示手段上で表示されている地図画像の範囲内に該当する位置情報ファイルに対応して、予め記憶された複数のアイコン画像のうちで一のアイコン画像を、その位置情報ファイルの前記カテゴリに応じて選択し、選択したアイコン画像を、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいて前記地図画像上に表示させ、さらに前記アイコン画像に対する指定操作に応じて、前記位置情報ファイルに含まれる前記関連情報に基づいた画像を、前記表示手段上で表示させる制御手段と、
を備え位置情報伝達システム。
【請求項2】
位置情報ファイルを格納するデータベースを備えたサーバ装置を、さらに備えるとともに、
前記情報処理装置は、上記サーバ装置の上記データベースに格納された位置情報ファイルを前記通信手段により受信し、受信した位置情報ファイルを前記格納手段に格納できる請求項1に記載の位置情報伝達システム。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、
任意の位置を指定することのできる指定入力手段と、
前記指定入力手段で指定された位置についての位置情報を含む位置情報ファイルを生成し、前記記録媒体に記録する記録手段と、
をさらに備えている請求項1に記載の位置情報伝達システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段をさらに備え、
前記読出手段により読み出した位置情報ファイルを前記格納手段に格納できる請求項1に記載の位置情報伝達システム。
【請求項5】
前記記録媒体に記録される位置情報ファイルは、XML形式で記録される請求項1に記載の位置情報伝達システム。
【請求項6】
自己位置検出手段と、
前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段と、
表示手段と、
前記自己位置検出手段の検出情報に基づいて前記表示手段上で地図画像を表示させるとともに、前記読出手段によって読み出される位置情報ファイルのうちで、位置情報が前記表示手段上で表示されている地図画像の範囲内に該当する位置情報ファイルに対応して、予め記憶された複数のアイコン画像のうちで一のアイコン画像を、その位置情報ファイルの前記カテゴリに応じて選択し、選択したアイコン画像を、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいて前記地図画像上に表示させ、さらに前記アイコン画像に対する指定操作に応じて、前記位置情報ファイルに含まれる前記関連情報に基づいた画像を、前記表示手段上で表示させる制御手段と、
を備えたナビゲーション装置。
【請求項7】
任意の位置を指定することのできる指定入力手段と、
前記指定入力手段で指定された位置についての位置情報を含む位置情報ファイルを生成し、前記記録媒体に記録する記録手段と、
をさらに備えている請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
位置情報ファイルを記録可能な記録媒体と、情報処理装置と、ナビゲーション装置とから成る位置情報伝達システムであって、
前記情報処理装置は、
少なくとも位置情報及びその位置情報で表される位置に関連する関連情報を含み、かつ位置に関連するカテゴリが判別可能とされる位置情報ファイルを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納されている位置情報ファイルを記録媒体に記録する記録手段と、
伝送路を介して位置情報ファイルの送受信を行うことのできる通信手段と、
を備え、
前記ナビゲーション装置は、
自己位置検出手段と、
前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段と、
表示手段と、
前記自己位置検出手段の検出情報に基づいて前記表示手段上で地図画像を表示させるとともに、前記読出手段によって読み出される位置情報ファイルのうちで、位置情報が前記表示手段上で表示されている地図画像の範囲内に該当する位置情報ファイルに対応して、予め記憶された複数のアイコン画像のうちで一のアイコン画像を、その位置情報ファイルの前記カテゴリに応じて選択し、選択したアイコン画像を、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいて前記地図画像上に表示させ、さらに前記アイコン画像に対する指定操作に応じて、前記位置情報ファイルに含まれる前記関連情報に基づいた画像を、前記表示手段上で表示させる制御手段と、
を備え位置情報伝達システム。
【請求項2】
位置情報ファイルを格納するデータベースを備えたサーバ装置を、さらに備えるとともに、
前記情報処理装置は、上記サーバ装置の上記データベースに格納された位置情報ファイルを前記通信手段により受信し、受信した位置情報ファイルを前記格納手段に格納できる請求項1に記載の位置情報伝達システム。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、
任意の位置を指定することのできる指定入力手段と、
前記指定入力手段で指定された位置についての位置情報を含む位置情報ファイルを生成し、前記記録媒体に記録する記録手段と、
をさらに備えている請求項1に記載の位置情報伝達システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段をさらに備え、
前記読出手段により読み出した位置情報ファイルを前記格納手段に格納できる請求項1に記載の位置情報伝達システム。
【請求項5】
前記記録媒体に記録される位置情報ファイルは、XML形式で記録される請求項1に記載の位置情報伝達システム。
【請求項6】
自己位置検出手段と、
前記記録媒体から位置情報ファイルを読み出すことのできる読出手段と、
表示手段と、
前記自己位置検出手段の検出情報に基づいて前記表示手段上で地図画像を表示させるとともに、前記読出手段によって読み出される位置情報ファイルのうちで、位置情報が前記表示手段上で表示されている地図画像の範囲内に該当する位置情報ファイルに対応して、予め記憶された複数のアイコン画像のうちで一のアイコン画像を、その位置情報ファイルの前記カテゴリに応じて選択し、選択したアイコン画像を、その位置情報ファイルに含まれる位置情報に基づいて前記地図画像上に表示させ、さらに前記アイコン画像に対する指定操作に応じて、前記位置情報ファイルに含まれる前記関連情報に基づいた画像を、前記表示手段上で表示させる制御手段と、
を備えたナビゲーション装置。
【請求項7】
任意の位置を指定することのできる指定入力手段と、
前記指定入力手段で指定された位置についての位置情報を含む位置情報ファイルを生成し、前記記録媒体に記録する記録手段と、
をさらに備えている請求項6に記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−180736(P2009−180736A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92068(P2009−92068)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【分割の表示】特願平11−369283の分割
【原出願日】平成11年12月27日(1999.12.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【分割の表示】特願平11−369283の分割
【原出願日】平成11年12月27日(1999.12.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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