説明

位置決定技術における無線コンピューターネットワークの統合のためのシステムおよび方法

移動局(MS)として知られている無線通信装置は従来の無線通信システムを含み、さらに、無線コンピューターネットワーク通信サブシステムをさらに含み、またGPS能力を含んでいてもよい。MSのオペレーターは、これらのサブシステムのいずれかまたはすべてを利用してMSの現在の位置を決定してもよい。MSの現在位置に基づいて、ロケーションに基づいたサービスが、販売情報、スケジュール、価格、地図等としてMSに提供される。典型的な実施において、複数のコンピューターネットワークアクセスポイントまたはビーコンは、地理的領域にわたって分散され、合理的に高度の精度でMSの位置を決定するために使用される。MSの現在位置に基づいて、ビーコンはロケーションに基づいたサービスを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に位置決定における無線コンピューターネットワーク技術の統合に関し、特に、GPSのような伝統的な方法が低減された性能を呈示する環境において、GPSのようなより一般的な情報源により提供されるロケーション情報を補足するためまたは交換するためにロケーション情報のさらなる情報源としての無線コンピューターネットワークアクセスポイントの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の異なる技術がモバイル装置の位置決定のために使用される。既知の1つの技術は、全地球測位システム(GPS)コンステレーション(constellation)において衛星を利用する。GPSレシーバは、複数のGPS衛星からの信号を検出し、GPSレシーバの位置を計算する。十分な数の衛星が検出され、信号品質が良好なら、GPSレシーバは高度に正確な位置決定を行うことができる。
【0003】
ある条件の下では、受信されるGPS信号は、正確な位置決定のために不十分かもしれない。時としてモバイル支援位置決定と呼ばれる代替案において、GPSレシーバにより検出されたデータは、通信ネットワークを介して位置決めサーバーまたは位置決定エンティティ(PDE)に送信される。PDEは、他のロケーションに関連するデータと組み合わせてモバイルGPSレシーバにより提供されるデータを使用し、GPSレシーバによりデータが最初に提供された時刻にGPSレシーバの位置を決定する。PDEは、最適なGPS信号条件の下で、高い正確度でGPSレシーバの位置を決定することができる。
【0004】
逆の動作条件の下では、あるいは障害物がある状態で、GPSレシーバは、十分な数の衛星からの信号を検出することができないかもしれない。または、これらの信号は、信号マルチパスまたは精度の希釈のようなエラー源により影響され正確な位置決定を困難にさせるかもしれない。木や山のような自然の障害物は、GPS衛星からの信号を阻止し、または偏向させるかもしれない。ビルや橋のような人工的な障害物もまたGPS衛星からの信号に影響を与えるかもしれない。そのような状況の下では、GPSレシーバに基づく位置決めは重大なエラーを被るかもしれない。GPSレシーバが屋内に持ち込まれる場合は、この問題はさらに明白である。建築壁、金属構造および同種のものは、GPS衛星からの信号を大幅に減衰させることができ、従って、正確な位置決定を非常に困難にさせる。
【0005】
無線サービスプロバイダーは、GPS信号に依存しない位置決定のための代替技術を開発した。時々携帯電話システムと呼ばれる無線通信システムにおいて、モバイルユニットは、1つ以上のベーストランシーバーステーション(BTS)からの信号を受信する。典型的なBTSは、ほぼ円である、時々セルと呼ばれるサービスエリアを有し、BTSはほぼ円の中心に位置する、あるいは円のあるセクターに位置する。既知の技術を使用して、モバイルユニットが特定のBTSのサービスエリア内に、そしてある場合には1つ以上のBTSのレンジ内に位置することをPDEが決定することが可能である。サービスエリアのBTSエリアが大きいなら、位置決定は、それほど正確ではない。反対に、サービスエリアが小さい場合、位置決定はより正確である。
【0006】
典型的なBTSは複数のアンテナアレイを用いて、セルをセクターにさらに分割する。例えば、特定のセルは、ほぼ等しいサイズの3つのセクターを有していてもよい。上述した技術を用いて、モバイルユニットの位置を特定のセル内だけでなく、そのセルの特定のセクター内に配置することが可能である。さらに、受信される信号の信号強度または時間遅延のような要因に基づいてモバイルユニットとBTS間の距離のおおまかな決定をすることができる。
【0007】
例えば、符号分割多元接続(CDMA)無線システムのような1つの実施において、パイロットチャネルは各BTSによって送信される。パイロットチャネルは、無線携帯電話が適切なタイミングおよび周波数基準を得ることを可能にする。パイロット信号はまた、位相オフセットを計算するために使用することができる。位相オフセットは、遅延情報または複数のBTSからのオフセット情報と組み合わされると、位置を計算するために使用することができる。また、複数のBTS間の信号強度比較を用いていつモバイルユニットを他のBTSにハンドオフするかを決定する。また、モバイルユニットの位置を三辺測量するために、複数のパイロット信号を使用することができる。または、特定のセル内の位置および/またはそのセル内の特定のセクター内の位置を決定するために単一のパイロットを使用することができる。いくつかの技術において、受信された信号強度インデックス(RSSI)は、既知の技術を用いて計算してもよく、モバイルユニットとBTSとの間のおおよその距離を決定するために使用してもよい。しかしながら、そのような決定の精度は、上述した測定システムにおける固有の不正確により制限される。
【0008】
GPSロケーションシステムは高度に正確であるが、屋内のような、衛星信号のクリアな受信が可能でないエリアでは、信頼性のある決定を提供しない。上述したCDMAシステムのような無線通信システムは、信号の検出においてより良い信頼性を提供するかもしれないが、しばしばGPSシステムほど正確ではない。
【0009】
したがって、屋内で、信号の偏向、マルチパスおよび減衰による影響の少ない、改良された位置決定を可能にし、かつロケーションに基づいたサービスを消費者に提供することができる改良された位置決定システムのための技術的必要性がある。この発明は、この利点および以下の詳細な記載および添付図面から明白である他の利点を提供する。
【発明の概要】
【0010】
この開示は、モバイル通信装置を用いて位置決定とロケーションに基づいたサービスの配信のためのシステムと方法に関する。一実施形態において、システムは、ネットワーク無線アクセスポイントと通信するように構成された無線ネットワークトランシーバーを含む。トランシーバーは、アクセスポイントからのデータを受信する。位置決定エンティティは、アクセスポイントから受信したデータまたはそのデータとGPSのような他の情報源からのデータのある組み合わせに基づいてモバイル通信装置の位置を決定する。モバイル通信装置上のディスプレイは、決定された位置に基づいてデータを表示する。
【0011】
表示されるデータは、モバイル通信装置の位置に関する位置データであってもよい。あるいは、表示されるデータは、モバイル通信装置の決定された位置に隣接して位置する店に関連する販売情報、広告等のような非位置情報であってもよい。
【0012】
一実施形態において、トランシーバーは、モバイル通信装置の決定された位置に基づいた非位置情報のための無線アクセスポイントに対する要求を通信する。そのような情報は、一例として、モバイル通信装置の決定された位置に隣接して位置する店における販売情報または支援のための要求を含むことができる。
【0013】
一実施形態において、無線コンピューターネットワークトランシーバーは、工業規格IEEE802.11無線ネットワーク規格に従って動作するように構成される。通信装置はさらに全地球測位システム(GPS)レシーバを含み複数のGPS衛星からデータを受信してもよい。位置決定エンティティは、GPS衛星からの受信されたデータを用いてモバイル通信装置の位置を決定する。
【0014】
システムはさらに無線電話レシーバを含みベーストランシーバーステーションから通信信号を受信してもよい。位置決定エンティティは、ベーストランシーバーステーションからの通信信号を用いてモバイルの通信装置の位置を決定してもよいし、または決定を支援してもよい。一実施形態において、無線電話レシーバは、符号分割多元接続(CDMA)動作するように構成される。ベーストランシーバーステーションからの通信信号は、CDMAパイロットチャネル信号である。
【0015】
他の実施形態において、モバイル通信装置は、GPSレシーバ、無線電話レシーバおよび無線コンピューターネットワークトランシーバーを含む。位置決定エンティティは、受け入れ可能な誤差範囲で利用可能なら、GPSから受信したデータに基づいて、受け入れ可能な誤差範囲で利用可能なら、ベーストランシーバーステーションからの通信信号に基づいて、およびネットワーク無線アクセスポイントから受信したデータに基づいてモバイル通信装置の位置を決定する。一実施形態において、位置決定エンティティは、その情報源が最終位置計算のために最も信頼できると考えるかに基づいてすべての情報源からの位置データに重み付けをしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この開示は、位置決定のための、およびロケーションに基づいたサービスの配信のための無線コンピューターネットワーク通信システムの使用のための技術に向けられている。無線コンピューターネットワークシステムは、全地球測位システム(GPS)および通信ネットワーク三辺測量のような他の位置決定技術と統合してもよい。例示の実施は、図1の図に示されるシステム100において図解される。図1は、移動局(MS)102を有したシステム100の動作を図解する。MS102は、ときどき、無線通信装置、携帯電話、または他の位置可能装置と呼ばれる。以下により詳細に記載されるように、MS102は、一般的な携帯電話、GPSレシーバ、およびコンピューター無線ネットワークコンピューティングデバイスとして機能することができる。
【0017】
GPSレシーバとしての動作では、MS 102は、複数のGPS衛星ビークル(vehicle)(SV)103から通報信号を受信する従来の方法で動作する。
【0018】
無線ネットワークに基づいたコンピューティングデバイスとしての動作において、MS102は、時々ビーコンと呼ばれる無線コンピューターアクセスポイント104と通信する。典型的な実施において、アクセスポイントまたはビーコン104は、ローカルエリアネットワーク(LAN)106に接続される。LAN106は、ネットワーク接続108を介してインターネットまたは内蔵型のコンピューターネットワーク(図示せず)のようなコンピューターネットワークに接続される。
【0019】
図1に図解される実施形態において、MS102はまた携帯電話として機能し、ベーストランシーバーステーション(BTS)110と通信する。MS102は、符号分割多元接続(CDMA)、GSM、AMPS等のような種々の公知の通信プロトコルに使用するための従来の無線電話であってもよい。携帯電話としてのMS102の動作は、技術的によく知られており、それが位置決定およびロケーションに基づいたサービスの配信のための統合されたシステムに関連することを除いては、ここに記載する必要が無い。当業者が理解できるように、特定の地理的領域は、領域全体にわたり分散された複数のBTSを含み、携帯電話のサービスエリアを提供する。動作において、MS102は、1つ以上のBTSと通信してもよい。しかしながら、簡単のために、BTS110のみが図1に図解される。
【0020】
BTS110は、通信リンク114を介してモバイルスイッチングセンター(MSC)112に接続される。次に、MSC112は、既知の技術を用いて種々の他のシステムコンポーネントに接続される。例えば、MSC112は、通信リンク116を介して公衆交換電話網(PSTN)118に接続される。また、MSC112は、データネットワーク120に接続される。典型的な実施形態において、ネットワーク120は、技術的によく知られているインターネットプロトコル(IP)を使用してもよい。MSC112は、ときどきインターワーキングファンクション(IWF)124と呼ばれるネットワークインターフェース120に接続される。
【0021】
また、MSC112は、位置決定エンティティ(PDE)126に接続される。当業者は、ネットワーク支援されたMS支援されたまたはモバイル支援された位置決定として知られるプロセスにPDE126がしばしば使用されることを理解するであろう。この動作モードにおいて、PDE126は、MS102、BTS110およびMSC112からの位置に関連するデータを受信してもよい。MS102からのデータは、GPSデータまたは、パイロットチャネルから派生されたデータのような通信制御信号を含んでいてもよい。PDE126は、種々の位置に関連するデータを解析し、位置に関連するデータが発生された時刻にMS102の位置を決定する。PDEは、BTS110を介してMS102に位置決定を中継し、または位置決定データを適切なものとしてモバイルポジショニングセンター(MPC)128を介して他の要求しているエンティティに送信する。
【0022】
MPC128は、PDE126へのアクセス制御のためにおよび位置リクエストを認証するために周知の方法で動作する。PDE126は、MPC128を介してMSC112と通信してもよい。図1に図解される実施形態において、MPC128は、ネットワーク120に接続される。MPC128は、ネットワーク120を介してまたはダイレクト通信リンク(図示せず)を介してMSC112と通信することができる。
【0023】
また、図1には、ネットワーク120に接続される地理的情報システム(GIS)130が図解される。GIS130は、ロケーションに基づいたサービスのために情報をアクセスするためのデータベースである。以下にさらに詳細に記載されるように、MS102の位置は、PDE126を用いてまたはビーコン104に関連する位置データから決定してもよい。MS102の位置が決定されたとき、GIS130は、データベースをアクセスしてMS102の現在のロケーションに対してどんなサービスが利用可能かを決定することができる。ロケーションに基づいたサービスの例が以下に提供される。
【0024】
また、小売サービスサーバー132が図1に図解される。以下により詳細に記載するように、小売サービスサーバー132は、MS102のロケーションに隣接する小売サービスのためにMS102上のディスプレイに対して情報を供給してもよい。
【0025】
MS102は、図2の機能ブロック図にさらに詳細に図解される。典型的な実施において、MS102は、セルラ送信機140およびセルラ受信機142を含む。セルラ送信機140およびセルラ受信機142は、ときどき図2の破線で図解される単一のセルラトランシーバー144に結合してもよい。セルラアンテナ146は、セルラ送信機140およびセルラ受信機142に接続される。当業者は、「セルラ」という用語は包括的な意味で使用され、無線電話通信の周知の形態を含むことを意図していることを理解するであろう。例えば、アドバンストモバイルフォーンシステム(AMPS)は、ほぼ800メガヘルツ(MHz)で動作する周知のアナログ通信システムである。また、デジタル無線通信システムは、800MHzの領域で作動してもよい。時々パーソナル通信システム(PCS)デバイスと呼ばれる他の無線電話装置は、1900MHzの領域で動作するデジタル通信装置である。依然として、他の無線装置は、移動通信のためのグローバルシステム(GSM)として知られるデジタル通信規格を利用する。ここに使用されるように、セルラという用語は、これらの通信規格を含むとともに、任意の他の無線電話技術を含むことを意図している。
【0026】
典型的な実施形態において、MS102はまたGPSレシーバ150を含む。GPSレシーバ150は、GPSアンテナ152に接続される。GPSレシーバ150およびGPSレシーバ152は、複数のGPS SVs 103(図1参照)から信号を受信するための周知の方法で動作する。位置決定のためのGPS信号の使用は、技術的に良く知られており、ここに詳細に記載する必要は無い。当業者は、GPSレシーバ150により実行される位置決定は、GPSレシーバが十分な数のSVs103から適切な信号を受信するなら高度に正確であることを理解するであろう。
【0027】
MS102はまた無線コンピューターネットワーク送信機154および無線コンピューターネットワーク受信機156を含む。無線コンピューターネットワーク送信機154および無線コンピューターネットワーク受信機156は、図2の中の破線によって図解される無線コンピューターネットワークトランシーバー158を形成するために結合されてもよい。無線コンピューターネットワーク送信機154および無線コンピューターネットワーク受信機156は、無線コンピューターネットワークアンテナ160に接続される。
【0028】
当業者は、セルラアンテナ146、GPSアンテナ152および無線コンピューターネットワークアンテナ160は、図2に図解するように別個のアンテナとして実施してもよいし、または周知の技術を用いて単一のアンテナに結合してもよい。
【0029】
1つの実施において、無線コンピューターネットワークトランシーバー158は、時々「WIFI」規格と呼ばれる無線コンピューターネットワーク規格IEEE 802.11に従って動作する。以下に非常に詳しく記載されるように、無線コンピューターネットワークトランシーバー158は適切な位置決定をなすためにSVs103からGPSレシーバ150が適切な信号を受け取らない設定において位置情報を供給するまたは補うために使用することができる。
【0030】
あるいは、無線コンピューターネットワークトランシーバー158はブルートゥース(登録商標)通信規格に従って動作するように構成してもよい。当業者は、ブルートゥース(登録商標)規格が2.4ギガヘルツISM(工業・科学・医療)帯域で動作する無線通信インターフェースを定義することを理解するであろう。ブルートゥース(登録商標)仕様は、周波数ホッピング実施を要求し、2.4GHzのISM帯域で動作する他のデバイスに対する干渉を縮小する。ブルートゥース(登録商標)技術を利用する通信の技術的詳細は技術的に良く知られており、ここでさらに詳細に記載する必要はない。
【0031】
MS102内には、MS102の動作を制御する中央処理装置(CPU)164がある。当業者は、CPU164が、MS102およびその種々の通信サブシステムを動作することができる任意の処理装置(複数の場合もある)を含むことを意図していることを理解するであろう。これはマイクロプロセッサー、エンベデッドコントローラ、特定用途向けIC(ASICs)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ステートマシン、専用離散ハードウェア等を含む。この発明は特定のハードウエアコンポーネントまたはCPUを実施するように選択されたコンポーネントにより制限されない。
【0032】
また、システムはメモリ166を含む。メモリは、リードオンリメモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含んでいてもよい。メモリ166はCPU164に命令とデータを提供する。また、メモリ166の一部は不揮発性ランダムアクセスメモリを含んでいてもよい。
【0033】
位置決定エンティティ(PDE)168は、MS102の現在の位置を決定する。PDE168の動作は、以下にさらに詳細に議論されるであろう。他の実施形態において、PDE168の少なくとも一部は、MS102から遠隔に位置していてもよい。この実施形態において、遠隔PDE(例えば、図1のPDE126)は、位置決定を行い、位置情報および/または位置に関連するデータをMS102または他の要求するエンティティに送信する。
【0034】
また、図2の機能ブロック図には、入力装置170、ディスプレイ172およびオーディオ出力装置174のような入力/出力(I/O)装置が図解される。典型的な実施において、入力装置170はキーパッドである。一実施形態において、キーパッドは、典型的な携帯電話に見られるように英数字キーを含む。位置決定を開始するためにさらなるキーを使用してもよいし、ディスプレイ172またはオーディオ出力装置174を制御するための他のキーを使用してもよい。
【0035】
ディスプレイ172は液晶ディスプレイのような従来のディスプレイであってもよいし、モノクロまたはカラーのディスプレイであってもよい。ディスプレイ172の動作の詳細は、技術的に良く知られており、ここでさらに詳細に記載する必要はない。以下に記載されるように、ディスプレイ172は、ロケーションに基づいたサービスをMS102のユーザーに提供してもよい。
【0036】
音声出力装置174は従来の携帯電話スピーカーによって実施してもよい。当業者は、任意の従来の音声出力装置が音声出力装置174として満足に使用されてもよいことを認識するだろう。
【0037】
上述した種々のコンポーネントは、バスシステム176により一緒に接続される。バスシステム176はデータバス、電力バス、制御バス等を含んでいてもよい。しかしながら、明瞭さのために、種々のバスは、図2では、バスシステム176として図解される。
【0038】
当業者は、図2の機能ブロック図が機能レベルでMS102を図解するように意図され、いくつかの機能ブロック図またはそれらの一部分は、メモリ166により記憶され、CPU164により実行されるソフトウエア命令のセットにより実行してもよいことを理解するであろう。例えば、PDE168は、実際に、ソフトウエアにより実施され、CPU164により実行されてもよい。しかしながら、PDE168は別個の機能を実行するので、図2の機能ブロック図において、別個のブロックとして図解される。
【0039】
動作において、MS102の種々の位置決定コンポーネントは、単独で使用されまたは互いに一緒に使用され、MS102の現在の位置を決定する。以前に言及したように、GPSレシーバ150は、位置決定を実行するために十分な数のSVs130(図1参照)が検出され、十分な信号品質を有するなら、非常に正確な位置決定を提供する。GPSレシーバ150が満足な位置決定を行なうことができないいくつかの状況において、セルラー通信システムは、GPSレシーバ150の代わりにまたはGPSレシーバと一緒に使用してMS102の現在位置を決定してもよい。上述するように、GPSレシーバ150が位置決定を実行できないとき、携帯電話システムからの信号を周知の方法で使用してMS102の位置を決定することができる。しかしながら、上述したように、携帯電話システムにより位置決定は、GPSレシーバ150の位置決定より精度が劣る。
【0040】
他の動作条件の下では、GPSレシーバ150またはセルラ通信は、受け入れ可能な位置決定を発生することができない。これは、特に、ビル、金属構造等がSVs130(図1参照)からの信号並びにBTS110からの信号を阻止するエリアにおいて、真実である。そのような動作条件の下では、無線コンピューターネットワークトランシーバー150を用いて、ネットワーク三辺測量あるいはGPSを介して入手可能な精度よりも高い精度を提供してもよい。
【0041】
無線コンピューターネットワークトランシーバー158は、時々ビーコンと呼ばれる無線通信ネットワークアクセスポイント104と通信する。図1は、MS102とビーコン104の間の通信リンクを図解する。しかしながら、典型的な実施において、図3に図解するように、複数のビーコン104が地理的な領域全体にわたって分散される。図3に図解するように、ビーコン104の各々は、ビーコンに関連するサービスエリア180を有する。各ビーコン104からの無線周波数(RF)信号はすべての方向において等しく放射するので、各ビーコンのためのサービスエリア180は、図3の2次元形状においておおよそ円の形状として図解される。実際には、サービスエリアは、すべての方向に外に向かって放射状に拡張し、おおよそ球状のサービスエリア180を提供する。各ビーコン104のサービスエリア180は、ビーコンの送信電力並びに無線信号を阻止または減衰する傾向がある障害物に応じて多少大きくてもまたは小さくてもよい。さらに、障害物は、サービスエリア180の形状を多少変更するかもしれない。しかしながら、便宜のために、図3の各ビーコン104のサービスエリア180は、一連のわずかに重畳する円として図解される。
【0042】
各ビーコン104のためのサービスエリア180は、「マイクロセル」として考えてもよい。MS102の位置は、特定の1つ以上のビーコン104と通信するMSの能力により決定してもよい。典型的な実施において、サービスエリア180は、IEEE802.11に従って構成されるなら、ほぼ15−20メートルの半径を有する。ビーコン104がブルートゥース(登録商標)基準に従って実施されるなら、サービスエリア180は、低電力モードで動作するなら、ほぼ10メートルの半径を有し、高電力モードで動作するならほぼ100メートルの半径を有する。比較として、十分な数の衛星を検出することができると仮定するとGPS位置決定はほぼ5メートル以内の精度であり得る。ビーコン104を用いた位置決定は、GPSより精度が多少落ちるけれども、屋内でよく動作するという利点を有する。更に、ビーコン/マイクロセルの近似により、ビーコン104を用いた位置決定は、密集した都市または奥行きがある室内のシナリオにおいて、複数のBTSs110により検出された信号を用いた従来の三辺測量技術より精度を高くすることができる。BTS三辺測量の精度は地形と形状によって変化するが、公のファイリングでは(in public filings)、ほぼ500メートルであった。IEEE802.11(WIFI)またはブルートゥース(登録商標)のような無線データ通信信号を用いた位置決定は、信号のレンジにより境界のある精度を有する。それゆえ、10メートルのレンジを有したビーコン104は、検出されたなら、ほぼ10メートルまたはそれより良いロケーション精度を提供しなければならない。従って、MS102の位置は、ビーコン104の特定の1つと通信する能力に基づいて合理的な正確度で容易に決定することができる。
【0043】
一実施形態において、MS102は1つ以上のビーコン104と通信してもよい。PDE168は、様々な要因に基づいてMS102の位置を決定してもよい。例えば、MS102が唯一つのビーコンと通信することができるなら、MS102は、その特定のビーコンのサービスエリア180内にある。MS102が複数のビーコン104と通信するなら、PDE168は、多数の代替基準に基づいて位置決定を行ってよい。例えば、PDE168は、PDEが通信しているビーコンの各々から信号の相対的電力と、任意のビーコンの所定のレンジを決定してもよく、最大の信号強度を有すること、最小のレンジを有することまたはその2つのある組み合わせに基づいて最も小さい予測された誤差を有するビーコンを選択してもよい。それゆえ、MS102の位置は、選択されたビーコン104のサービスエリア180内にあると推測される。さらに他の代案において、PDE168は、数学的計算を実行しMS102の位置を決定してもよい。例えば、MS102が2つのビーコン104と通信するなら、ビーコン104間の途中のあるポイントにMS102の位置を決定してもよいし、各ビーコンの予測されるレンジおよび信号強度に基づいて適切に重み付けされてもよい。さらに他の実施形態において、信号強度は、待ち要因として用いてもよい。例えば、MS102が2つのビーコン104と通信していて、一方のビーコンは2倍の信号強度を有し、レンジ能力が等しければ、PDE168は、ビーコン104に、より近い位置はより大きな信号強度を有すると決定してもよい。多数の他の代替計算はPDE168により実行されてもよい。
【0044】
上述した実施は、MS102の一部としてPDEを図解する。他のアプリケーションにおいて、PDEは、MS102から遠隔に位置している。例えば、図1はネットワーク120に接続されたPDE168を図解する。ビーコン104は、ネットワーク120を介してPDE126と通信し、MS102の位置を決定してもよい。他の代替実施形態において、PDEはより密接にビーコンと関係していてもよい。例えば、PDEは、LAN106と接続し、より局所的な基準で位置決定を実行してもよい。PDEをMS102から遠く離れて位置させる利点は、ソフトウエアが更新し、新しい位置決定アルゴリズムがより容易に実施してもよく、コンピューターネットワークに基づいたサーバーを介して更新してもよいことである。MS102内のPDE168の実施は、周期的なソフトウエア更新を必要とするかもしれない。これらの更新は、従来の無線を介したプログラミングを介して実行されるかもしれないし、またはユーザーが再プログラミングのためにMS102をサービスプロバイダーに返却する必要があるかもしれない。
【0045】
図1の例示実施形態で図解するように、各ビーコン104は直接またはLAN106を介してネットワーク接続108に接続される。実際の実施は特定のアプリケーションに依存する。例えば、システム100は、一連のビーコン104がモール全体にわたって分散されているショッピングモールにおいて実施するということもあり得る。消費者は、ショッピングモール内でのロケーションを正確に決定するためにMS102を使用してもよい。次に、MS102が通信しているビーコン104は、決定された位置に基づいて、ロケーションに基づいたサービス(LBS)を配信することができる。例えば、ビーコン104は、ショッピングモールの地図をディスプレイ172上に供給することができる(図2参照)。一実施形態において、ディスプレイ172は、ショッピングモール内のMS102の現在の位置を示すインジケータを有していてもよい。
【0046】
各ビーコン104の位置は、技術的に知られた、ネットワーク支援された位置決定技術により正確に決定し、各ビーコンに対して正確な位置データ(すなわち、緯度、経度、および高度)を供給することができる。または、正確なロケーションは、アドレスに基づいたゲオコードルックアップ(geocode lookup)に基づくことができる。この実施形態において、ビーコン104は、PDE126に位置決定要求を行うことができる。PDE126は位置データをネットワーク120を介してビーコンに配信してもよい。あるいは、ビーコン104の正確な緯度、経度および高度は、インストール時に決定してもよく、一例として、ビーコン自身の管理情報ベース(MIB)を用いてビーコン104に事前プログラムしてもよい。当業者は、MIBが典型的には、ネットワーク情報、ユーザー情報、ログインステータス等を記憶することを認識するであろう。この実施形態において、MIBはビーコン104の緯度、経度および高度および/またはアドレスを示すデータを含むように拡張される。
【0047】
[0052]IEEE802.11に従って、各ビーコン104は、識別名および/または識別番号を有する。MS102は、ビーコン104と通信するために適切な識別情報を有さなければならない。図3に図解するような実施において、MS102は、各ビーコン104のための識別データを有さなければならない。MS102とビーコン104との間の有効な通信を可能にするために、多数の可能な解決法をシステム100により提供してもよい。従って一実施形態において、このタイプのすべてのビーコン104は、任意のMS102が任意のビーコン104と有効に通信することを可能にする共通名を有していてもよい。代替実施形態において、MA102は、ビーコン104の名前を見つけ出して検索する「スニファ(sniffer)」プログラムを有していてもよい。スニファは一般的には、MS102のような商業上の大量市場無線通信装置には使用されないけれども、スニファは、コンピュータが通信する無線LANの名前を見つけ出して検索するために無線LANに使用するために技術的に知られている。MS102における類似の実施は、各ビーコン104のための検索を可能にするであろう。
【0048】
他の可能な代案はIEEE802.11の下でビーコンの特別のクラスを作成することである。ビーコン104の特別クラスはすべてのユーザーに利用可能になり得る。MS102によって送信された識別情報は、コンピューターの認められていない部分へのアクセスを認めるまたは防止するために使用することができる。例えば、システム100のビーコン104を利用したインターネットアクセスを防止することは可能である。
【0049】
図4は位置決定のためにシステム100に使用する通信プロトコルを図解する。200において、クライアントまたはサーバー上のアプリケーションプログラムは、緯度と経度に対する要求をMS102に送信する。その要求は典型的には、最大の許容可能なロケーションエラーを指定してもよい。アプリケーションプログラムは、MS102内のCPU164により実行されてもよいし、またはLAN106に接続されたサーバーのような外部装置上で実行していてもよい(図1参照)ことに留意する必要がある。202において、MSは、位置決定支援のための要求を送信する。上述するように、支援は、ネットワーク支援された位置決定の形態であってもよい。204において、通信規格IS801.11(または後継者)に従ってBTS110(図1参照)とMS102との間で通信が生じる。通信規格IS801.11は、図1のPDE126のような外部PDEによる位置決定のためのプロトコルである。
【0050】
206において、PDE(例えば、PDE126)は、位置情報とエラー値を戻す。エラー値は、PDEにより実行される位置決定におけるエラーレンジを示す。
【0051】
208において、MS102は、206において送信された位置エラーがある所定の値Xを超えるなら、アドレスまたは位置決め要求をビーコン104に送信する。アドレスのための要求に応答して、ビーコン104は、ビーコン緯度およびビーコン経度および/または所在地住所をMS102に提供する。多くの場合、所在地住所は、ユーザーに対して十分な位置決定情報である。ユーザーが一例としてショッピングモールのような内部エリアにいるなら、所在地住所の代わりに他の位置情報を提供してもよい。例えば、店名、数あるいは他の識別をユーザーに提供してもよい。
【0052】
[0057] アドレス情報を用いて、MS102は、212において特定の位置情報を要求することができる。要求はセルラ送信機140(図2参照)を介してBTS110に成され、ネットワーク120を経由してGIS130に中継される。あるいは、MS102は、ビーコン104と通信するために無線コンピューター送信機154を用いて、アドレスおよび要求位置情報(例えば、緯度、経度、および高度)を送信してもよい。ビーコン104は、ネットワーク接続108(もし存在するならオプションのLAN106を用いて)を介して要求を送信する。要求は、ネットワーク120を介してGIS130に送られる。要求に応答して、GIS130は、214において位置情報をMS102に送信する。ステップ216において、MS102は、ロケーションに基づいたサービスを要求するために小売サービスサーバー132のようなアプリケーションに位置情報を中継してもよい。
【0053】
当業者は、図4に図解される通信プロトコルは、位置情報とロケーションに基づいたサービスをMS102が得ることを可能にするために使用されてもよい多くの異なるタイプの通信プロトコルの単なる例であることを認識するであろう。上で述べたように、ビーコン104は位置情報を用いて事前にプログラムしてもよい。その場合、ビーコン104は、210においてアドレス並びに位置情報(例えば、緯度、経度および高度)を供給してもよく、従って、212−214の通信プロトコルのための必要性を消去する。他の変形は、当業者にとって容易に明白であろう。
【0054】
他の実施形態において、MS102はビーコン104と直接通信し、PDE(例えば、図1のPDE126)による外部位置決定のための必要性なしにロケーションに基づいたサービスを得てもよい。そのような通信プロトコルの一例は、図5に図解される。図5のステップ220において、MS102は、アドレス要求をビーコン104に送信する。アドレス要求に加えて、またはアドレス要求の代わりとして、MS102は、MS102の現在位置に関連する情報を単に要求してもよい。アドレス要求に加えて、またはアドレス要求の代わりとして、MS102は、MS102の現在位置と関連する情報のための要求を単に送信してもよい。例えば、消費者は、現在の位置をすでに知っているが、一例としてMS102の位置にいるまたはその付近にいる小売サービスプロバイダーに関連する情報を単に要求してもよい。例えば、ユーザーは大型店内にいて、その小売店の販売アイテムに関する情報を要求するかもしれない。別の例において、ユーザーは、映画劇場あるいは列車駅の近くにいて、スケジュール情報を要求するかもしれない。
【0055】
222において、ビーコン104は、要求されたアドレス情報を提供する。224において、MS102はアドレスおよび関連する情報のための要求をGIS130および/または小売サービスサーバー132に転送する。226において、情報はGIS130および/または小売サービスサーバー132からMS102に返送される。その情報は、位置情報(すなわち、緯度、経度および高度)または店情報、販売クーポン、スケジュール等のようなロケーションに基づいたサービスの形態であってもよい。他の代替実施形態において、関連する情報のための要求は、一例として、人員によるサービスのための要求を含んでいてもよい。例えば、小売店の消費者は、システム100を使用して、MS102を介して販売代理人の支援を要求してもよい。
【0056】
当業者は、図5の通信プロトコルが単に例であって、他の代替通信プロトコルをシステム100によって満足に実施してもよいことを認識するであろう。例えば、消費者は、MS102の現在の位置をすでに知っており、単にその現在の位置に基づいてロケーションに基づいたサービスを望んでいるのかもしれない。その場合には、図5のステップ220において、通信は、アドレス要求および/またはMS102の現在の位置のためのロケーションに基づいたサービスのための要求を含んでいてもよい。そのような実施において、ビーコン104は、アドレス情報をGIS130および小売サービスサーバー132に供給してもよい。次に、GIS130と小売サービスサーバー132は226において要求された情報を返送する。この例示プロトコル実施は、222において通信プロトコルを除去し、ビーコンからGIS130および小売サービスサーバー132にロケーションに基づいたサービスのための要求を直接通信する際に224において通信プロトコルのエレメントを結合する。通信プロトコルの他の代替実施は、当業者にとって容易に明白であろう。
【0057】
図4および図5の通信プロトコルの例は、図4におけるような位置情報または図5におけるようなロケーションに基づいたサービスを要求するために消費者によるさらなるアクションを必要としないことに留意する必要がある。例えば、図5において、消費者は、220においてアドレスのための要求を実施するために典型的にはある行動を取る。220においてアドレス要求を開始するためにMS102に対する単一のユーザー行動に応答して、222−224において図解される通信プロトコルおよび226における応答はすべて自動的に生じる。従って、消費者に透明な多数の送信が生じ、所望のロケーションに基づいたサービスを提供する。同様に、通信プロトコルにおいて図解された種々のエンティティ間で自動通信が生じ、消費者にMS102のための現在の位置情報を供給する。
【0058】
システム100の動作は、図6乃至7のフローチャートに図解される。図6で図解される開始230において、MS102は、電力を受けている。ステップ232において、MS102は、位置情報および/またはロケーションに基づいたサービスのための要求を開始する。その要求は、入力装置170を動かすユーザーにより手動で開始してもよい(図2参照)。あるいは、その要求は自動的に開始されてもよい。例えば、要求は、ユーザーの介在の必要なしで周期的に送信してもよい。
【0059】
ステップ234において、MS102は、GPS位置決定を試みるであろう。ステップ236において、システム100は、受け入れ可能なエラーレンジでGPS位置決定が可能かどうか決定する。エラーレンジが受け入れ可能なら、判断236の結果はYESであり、システム図7に図解されるステップ250に進む。
【0060】
GPSエラー決定が受け入れ可能でないなら、判断236の結果はNOであり、MS102は、セルラ位置決定を試みる。セルラ位置決定は、一例として、通信規格IS−801により定義される通信プロトコルを利用してもよい。あるいは、MS102の位置は、上述したようにパイロットチャネル信号のような通信信号を用いて決定してもよく、特定のセルまたはセル内の特定のセクター内のMS102の位置を決定してもよい。
【0061】
判断242において、システム100は、セルラ技術を用いた位置決定が受け入れ可能なエラーレンジを有するかどうかを決定する。エラーレンジが受け入れ可能なら、判断242の結果はYESであり、システムは図7のステップ250に移動する。エラーレンジが受け入れ可能でないなら、判断242の結果はNOであり、ステップ244において、MS102は、ここに記載されるコンピューターネットワーク位置決定技術を利用してMS102の位置を決定する。ステップ244における位置の決定(または、ステップ244またはステップ230における以前の決定)に続いて、システムは、図7に図解されるステップ250に移動し、ロケーションに基づいたサービスのための要求を送信する。ステップ252において、MS102は、ロケーションに基づいたサービスを受信し、プロセスは254において終了する。当業者は、様々な代替実施が可能であることを認識するであろう。例えば、位置決定は、各情報源に関連した知覚されたエラーに従って重み付けされた種々の情報源からの位置データの重み付けされた組み合わせに基づいていてもよい。他の例示代替実施において、消費者は、位置にのみ関心があり、ロケーションに基づいたサービスには関心がないかもしれない。その場合には、ステップ250および252は、消去してもよく、位置データがディスプレイ172を介してユーザーに供給される(図2参照)。
【0062】
一実施形態において、MS102は、単一装置(例えば、MS102)に統合されたGPSレシーバサブシステム、セルラ通信サブシステム、および無線コンピューターネットワーク通信サブシステムを有利に統合し、様々な条件下において位置決定能力ならびにロケーションに基づいたサービスを提供する。しかしながら、また、システム100は、単一の装置に統合された3つのサブシステムなしに実施してもよい。例えば、MS102はGPSレシーバ150を含まなくてもよい(図2を参照)。その場合に、関連する判断236へのステップ234における通信は、図6のフローチャートから削除してもよい。他の代替実施形態において、MS102は、セルラ通信能力を含まなくてもよい。その場合に、ステップ240およびその関連する判断242は、図6のフローチャートから削除してもよい。従って、システム100を用いた多数の異なる代替実施形態が可能である。
【0063】
複数の動作モードの満足のできる実施は、MS102の位置を決定するための多数の代替経路を消費者に供給するように機能する。そのような装置は、イェローページ情報および商人に基づいたクーポン並びに正確なマッピング情報を商人の店先に供給することのような行動のための新しいマーケットを作成する。またシステム102は、位置情報の情報源を提供する。そのようなロケーションに基づいたサービスの配信は、携帯電話会社のような、サービスプロバイダーによりインフラストラクチャの購入なしに、システム104の実施を可能にするビーコンを商人が供給することを促進するかもしれない。
【0064】
システム100は、小さな商人並びに大型のマルチチェーン商人にサービスするためにさまざまな実施を供給する。小さな商人のための実施においては、図1のLAN106は削除してもよく、ビーコン104は、ネットワーク接続108を介してインターネットのようなネットワークに直説接続される。上述したように、GIS130と小売サービスサーバー132のような種々のコンポーネントは、ネットワーク接続108およびビーコン104を介して、またはBTS110を介して必要な情報をMS102に供給する。
【0065】
大きな商人は、小売りサイトの至る所で分散された複数のビーコン104を使用してもよい。そのような実施において、複数のビーコンは、LAN 106に典型的に接続されてもよく、ネットワーク接続108を介してネットワーク120接続される。ネットワーク接続は、インターネットを介していてもよい。または大きな商人は、ネットワーク120とのより高速な接続のために、帰路プライベートネットワーク接続を有していてもよい。
【0066】
さらに他の実施形態において、非常に大きな商人は、複数のビーコン104が小売サイトの至る所に分散され、LAN106を介して中央コンピューターに接続される内蔵型のシステムを有していてもよい。そのような実施は、ネットワーク接続のための必要性を削除する。そのような実施において、GIS130と小売サービスサーバー132は、非常に大きな商人の内部システムの一部である。そのような商人によるロケーションに基づいたサービスの配信はビーコン104を介してまたはBTS110へのネットワーク接続を介して生じてもよい。
【0067】
システム100は、消費者にロケーションに基づいたサービスを提供するための多数の異なる通信コンポーネントを有利に統合する。システムは、ビーコンをインストールするためにおよび消費者に豊富な情報を供給するために経済的誘因を商人に提供する。
【0068】
上述の実施形態は、異なる他のコンポーネント内に含まれる、またはそれと接続される異なるコンポーネントを表現する。そのような描写されたアーキテクチャは単に例示であり、事実、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャを実施することができる。概念の感覚において、同じ機能性を達成するためのコンポーネントの任意の構成は、所望の機能性が達成するように有効に「関連づけられている」。それゆえ、特定の機能性を達成するためにここに結合された任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは相互中間のコンポーネントに関係なく、所望の機能性が達成されるように互いに「関連されている」としてみることができる。また、同様にそのように関連した任意の2つのコンポーネントは、所望の機能性を達成するために互いに「動作可能に接続される」または「動作可能に連結される」としてみることもできる。
【0069】
この発明の特定の実施形態が示され記載されたが、この発明およびそのより広い観点から逸脱することなく変更および変形してもよく、それゆえ、添付されたクレームはその範囲内に、この発明の真の精神と範囲内にあるそのようなすべての変更および変形を含むことが、本明細書の開示に基づいて当業者には明白であろう。さらに、この発明は、添付されたクレームにより単独に定義されることが理解されるべきである。
【0070】
一般に、ここに使用される用語、特に添付されたクレームにおける用語(例えば、添付されたクレームの主部)は、一般的に「オープン」用語(例えば、「含んでいる」という用語は、含むが限定されないと解釈されるべきであり、「有している」という用語は少なくとも有していると解釈されるべきであり、「含む」という用語、含むが限定されないと解釈されるべきである等)を意図していることは当業者により理解されるであろう。
【0071】
さらに、導入されたクレーム記載の固有の数が意図されるなら、そのような意図は明示的にクレームに記載され、そのような記載が無い場合、そのような意図は存在しないことは当業者により理解されるであろう。例えば、理解のための助けとして、以下の添付されたクレームは、クレームの記載を導入するために「少なくとも1つ」および「1つ以上」という導入フレーズの使用を含んでいてもよい。しかしながら、そのようなフレーズの使用は、たとえ、同じクレームが「1つ以上の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」のような不定冠詞を含むときでさえも、不定冠詞「a」または「an」によるクレーム記載の導入は、そのような導入されたクレーム記載を含む任意の特定のクレームを、唯一つのそのような記載を含む発明に限定することを意味するように解釈されるべきでない(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」または「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである。クレーム記載を導入するために使用される定冠詞の使用にも同じことが言える。さらに、特定数の導入されたクレーム記載が明示的に記載されているとしても、当業者は、そのような記載は典型的には、少なくとも記載された数を意味するように解釈されなければならないことを認識するであろう(例えば、他の修飾語句を伴うことなく、「2つの記載」の最低限の記載は典型的に少なくとも2つの記載、または2以上の記載を意味する)。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1はここに記載された通信システムのアーキテクチャを図解する図である。
【図2】図2は、ここに記載された通信システムを実施する典型的な移動局の機能ブロック図である。
【図3】図3は、複数の無線コンピューターネットワークアクセスポイントのサービスエリアを図解する図である。
【図4】図4は、位置決定のための通信プロトコルを図解する。
【図5】図5は、ロケーションに基づいたサービスの配信のための通信プロトコルを図解する。
【図6】図6は、ここに記載されたシステムの例示実施形態の動作を図解するフローチャートを形成する。
【図7】図7は、ここに記載されたシステムの例示実施形態の動作を図解するフローチャートを形成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決定システムにおいて、
ネットワーク無線アクセスポイントと通信するように構成された無線コンピューターネットワークトランシーバーであって、前記アクセスポイントからデータを受信する無線コンピューターネットワークトランシーバーと、
前記アクセスポイントから受信された前記データに基づいてモバイル通信装置の位置を決定するための位置決定エンティティと、
前記決定された位置に基づいてデータを表示するためのディスプレイとを備えた、位置決定システム。
【請求項2】
前記無線コンピューターネットワークトランシーバーおよび前記ディスプレイは、ポータブル装置に組み込まれ、前記位置決定エンティティは、前記ポータブル装置から離れて位置する、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記無線コンピューターネットワークトランシーバーは、IEEE802.11無線ネットワーク規格に従って動作するように構成される、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記決定された位置に基づいて前記表示されたデータは位置情報である、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記位置情報はアドレスである、請求項4のシステム。
【請求項6】
前記無線アクセスポイントの位置に関連する位置データは、前記無線アクセスポイントの一部として管理情報ベースに記憶され、前記決定された位置に基づいて前記表示された位置は、前記無線アクセスポイントの位置データである、請求項1のシステム。
【請求項7】
前記位置データは、前記無線アクセスポイントのロケーションデータまたはアドレスである、請求項6のシステム。
【請求項8】
位置データはさらに前記無線アクセスポイントの予測されたレンジを含む、請求項6のシステム。
【請求項9】
前記無線アクセスポイントの位置に関連する位置データは、遠隔位置決定エンティティにより決定され、前記決定された位置に基づいて前記表示されたデータは、前記遠隔位置決定エンティティにより決定される前記無線アクセスポイントの位置データである、請求項1のシステム。
【請求項10】
前記決定された位置に基づいた前記表示されたデータは、非位置情報である、請求項1のシステム。
【請求項11】
前記非位置情報は、前記モバイル通信装置の前記決定された位置の近傍に位置する店に関連する情報である、請求項10のシステム。
【請求項12】
前記トランシーバーは、前記モバイル通信装置の前記決定された位置に基づいて非位置情報のために前記無線アクセスポイントに要求を通信する、請求項1のシステム。
【請求項13】
前記非位置情報は、前記無線アクセスポイントと関連する商人識別である、請求項12のシステム。
【請求項14】
前記トランシーバーは、前記モバイル通信装置の前記決定された位置の近傍に位置する店の販売情報または支援のために前記無線アクセスポイントに要求を通信する、請求項1のシステム。
【請求項15】
複数の全地球測位システム(GPS)衛星からデータを受信するためのGPSレシーバをさらに備え、前記位置決定エンティティは、前記GPS衛星から受信されたデータを用いて前記モバイル通信装置の位置を決定する、請求項1のシステム。
【請求項16】
前記位置決定エンティティは前記GPS衛星からのデータと前記無線アクセスポイントからのデータの重み付けされた組み合わせを発生し、前記モバイル通信装置の位置を決定する、請求項15のシステム。
【請求項17】
ベーストランシーバーステーションからの通信信号を受信するための無線電話レシーバをさらに備え、前記位置決定エンティティは、前記ベーストランシーバーステーションからの前記通信信号を用いて前記モバイル通信装置の位置を決定する、請求項1のシステム。
【請求項18】
前記位置決定エンティティは前記ベーストランシーバーステーションからの前記通信信号と前記無線アクセスポイントからのデータとの重み付けされた組み合わせを発生し、前記モバイル通信装置の位置を決定する、請求項17のシステム。
【請求項19】
前記無線電話レシーバは、符号分割多元接続(CDMA)動作のために構成され、ベーストランシーバーステーションからの前記通信信号はCDMAパイロット信号である、請求項17のシステム。
【請求項20】
位置決定システムにおいて、
複数の全地球測位システム(GPS)衛星からデータを受信するためのGPSレシーバと、
ベーストランシーバーステーションから通信信号を受信するための無線電話レシーバと、
ネットワークアクセスポイントと通信するように構成され、前記ネットワークアクセスポイントからデータを受信する無線コンピューターネットワークトランシーバーと、
GPS衛星から受信したデータに基づいて、受け入れ可能なエラーレンジで利用可能なら前記ベーストランシーバーステーションからの前記通信信号に基づいて、および受け入れ可能なエラーレンジで利用可能なら前記ネットワーク無線アクセスポイントから受信したデータに基づいて、前記モバイル通信装置の位置を決定するための位置決定エンティティとを備えた、位置決定システム。
【請求項21】
前記位置決定エンティティは、前記GPS衛星から受信したデータ、前記ベーストランシーバーステーションからの前記通信信号、および前記ネットワーク無線アクセスポイントから受信したデータを含む少なくとも2つの位置データ情報源の重み付けされた組み合わせを発生する、請求項20のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも2つの位置データ情報源の重み付けされた組み合わせは前記位置データ情報源の予測された精度に基づく、請求項21のシステム。
【請求項23】
前記無線コンピューターネットワークトランシーバーは、IEEE802.11無線ネットワーク規格に従って動作するように構成される、請求項20のシステム。
【請求項24】
前記決定された位置に基づいて前記表示されたデータは位置情報である、請求項20のシステム。
【請求項25】
前記決定された位置に基づいて前記表示されたデータは非位置情報である、請求項20のシステム。
【請求項26】
前記トランシーバーは、前記モバイル通信装置の前記決定された位置に基づいて非位置情報のために前記無線アクセスポイントに要求を通信する、請求項20のシステム。
【請求項27】
前記無線電話レシーバは、符号分割多元接続(CDMA)動作のために構成され、ベーストランシーバーステーションからの前記無線信号はCDMAパイロット信号である、請求項20のシステム。
【請求項28】
前記GPSレシーバ、前記無線電話レシーバおよび無線コンピューターネットワークトランシーバーは、ポータブル装置に組み込まれ、前記位置決定エンティティは、前記ポータブル装置から遠隔の位置にある、請求項20のシステム。
【請求項29】
ポータブル位置決定システムにおいて、
コンピューターネットワーク無線アクセスポイントと通信し、前記アクセスポイントからデータを受信する手段と、
前記アクセスポイントから受信したデータに基づいて前記ポータブル位置決定システムの位置を決定する手段と、
前記決定された位置に基づいてデータを表示するための手段とを備えたポータブル位置決定システム。
【請求項30】
前記コンピューター無線アクセスポイントと通信する手段と、前記データを表示する手段は、ポータブル装置に組み込まれ、前記ポータブル位置決定システムの位置を決定するための手段は、前記ポータブル装置から遠隔の位置にある、請求項29のシステム。
【請求項31】
前記コンピューターネットワーク無線アクセスポイントと通信する手段は、IEEE802.11無線ネットワーク規格に従って動作するように構成される、請求項29のシステム。
【請求項32】
前記決定された位置に基づいて前記表示されたデータは位置情報である、請求項29のシステム。
【請求項33】
前記決定された位置に基づいて前記表示されたデータは、非位置情報である、請求項29のシステム。
【請求項34】
前記非位置情報は、前記モバイル装置の前記決定された位置の近傍に位置する店に関連する情報である、請求項33のシステム。
【請求項35】
前記コンピューターネットワーク無線アクセスポイントと通信する手段は、前記モバイル装置の前記決定された位置に基づいて非位置情報のために前記無線アクセスポイントに要求を通信する、請求項29のシステム。
【請求項36】
複数の全地球測位システム(GPS)衛星からデータを受信する手段をさらに備え、前記モバイル装置の位置を決定する手段は、前記GPS衛星から受信したデータを用いて前記モバイル通信装置の位置を決定する、請求項29のシステム。
【請求項37】
前記ポータブル位置決定システムのための位置を決定するための手段は、前記GPS衛星から受信されたデータと前記アクセスポイントから受信されたデータの重みづけされた組み合わせを発生し、前記モバイル装置の位置を決定する、請求項36のシステム。
【請求項38】
無線電話システムベーストランシーバーステーションから通信信号を受信する手段をさらに備え、前記モバイル装置の位置を決定する手段は、前記ベーストランシーバーステーションからの通信信号を用いて前記モバイル装置の位置を決定する、請求項29のシステム。
【請求項39】
前記ポータブル位置決定システムの位置を決定するための手段は、前記ベーストランシーバーステーションからの通信信号と、前記アクセスポイントからの受信したデータとの重み付けされた組み合わせを発生し、前記モバイル装置の位置を決定する、請求項38のシステム。
【請求項40】
モバイル装置における位置決定方法において、
コンピューターネットワーク無線アクセスポイントからデータを受信することと、
前記アクセスポイントから受信されたデータに基づいて前記モバイル通信装置の位置を決定することと、
前記決定された位置に基づいてデータを表示することとを備えた方法。
【請求項41】
前記コンピューターネットワーク無線アクセスポイントと通信することは、IEEE802.11無線ネットワーク規格に従う、請求項40の方法。
【請求項42】
前記決定された位置に基づいて前記表示されたデータは位置情報である、請求項40の方法。
【請求項43】
前記決定された位置に基づいて前記表示されたデータは非位置情報である、請求項40の方法。
【請求項44】
前記非位置情報は、前記モバイル装置の前記決定された位置の近傍に位置する店に関連する情報である、請求項43の方法。
【請求項45】
前記モバイル装置の前記決定された位置に基づいて非位置情報のための要求を前記モバイル通信装置から前記コンピューターネットワーク無線アクセスポイントに送信することをさらに具備する、請求項40の方法。
【請求項46】
複数の全地球測位システム(GPS)衛星からのデータを受信することをさらに備え、前記モバイル装置の位置を決定することは、前記GPS衛星から受信したデータを用いて前記モバイル装置の位置を決定する、請求項40の方法。
【請求項47】
前記GPS衛星から受信したデータと前記アクセスポイントから受信したデータの重み付けされた組み合わせを発生し、前記モバイル装置の位置を決定する、請求項46の方法。
【請求項48】
無線電話システムベーストランシーバーステーションからの通信信号を受信することをさらに備え、前記モバイル通信装置の位置を決定することは、前記ベーストランシーバーステーションからの前記通信信号を使用して前記モバイル通信装置の前記位置を決定する、請求項40の方法。
【請求項49】
前記ベーストランシーバーステーションからの前記通信信号と、前記アクセスポイントから受信された前記データの重み付けされた組み合わせを発生することをさらに備え、前記モバイル装置の前記位置を決定する、請求項48の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−506105(P2007−506105A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527119(P2006−527119)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030797
【国際公開番号】WO2005/029120
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】