説明

位置計測システム

【課題】 特定のカメラの撮影範囲外にある対象物であっても別のカメラを介することによりその対象物の位置を計測することができる位置計測システムを提供する。
【解決手段】 位置計測システムは、位置関係の分かっている3つ以上の基本標識を有する標識セット1と、標識セット1を撮像するカメラ10と、カメラ10に取り付けられる位置関係の分かっている4つ以上の基本標識を有する標識セット2と、標識セット2を撮像するカメラ20と、カメラ10で撮像した標識セット1の画像から標識セット1の位置を演算し、カメラ20で撮像した標識セット2の画像からカメラ10の位置と角度を演算し、このカメラ10の位置と角度に基づいて、カメラ10のカメラ座標15を基準とした標識セット1の位置をカメラ20のカメラ座標25を基準とした位置として演算する演算部30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物の3次元位置を計測する手段としては、デジタルカメラ2台で発光体を撮影し、カメラ2台間の距離を基線とした三角測量の原理で発光体の座標を算出する方法がよく用いられる。また、対象物の位置計測を高精度に行う方法として光干渉法がよく用いられる。代表的な光干渉法としては、レーザ光源から出た光をビームスプリッターなどを用いて2つに分割し、その一方を対象物に照射し、他方を参照光としてミラーに照射して元の光路に戻し、対象物からの反射光と参照光とを重ね合わせて干渉させる方法がある。
【0003】
特許文献1には、互いの位置関係が判明している4個以上の光源と、各光源からの光を透過して球面収差により光リング像を形成する光学レンズ系と、光学レンズ系により形成された光リング像を検出する撮像素子と、撮像素子により検出された光リング像の検出情報および各光源の位置関係に基づいて各光源の位置を計測する演算装置とを備えた位置計測システムが記載されている。
【特許文献1】特開2008−58204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなカメラを用いる位置計測システムにおいては、特定のカメラの撮影範囲内にある対象物だけでなくその撮影範囲外にある対象物であってもその位置を計測可能であることが望まれる。
本発明の目的は、特定のカメラの撮影範囲外にある対象物であっても別のカメラを介することによりその対象物の位置を計測することができる位置計測システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の位置計測システムを提供する。
(1)対象物に取り付けられる位置関係の分かっている3つ以上の基本標識を有する第1の標識セットと、前記第1の標識セットを撮像する2次元撮像素子を有する第1のカメラと、前記第1のカメラに取り付けられる位置関係の分かっている4つ以上の基本標識を有する第2の標識セットと、前記第2の標識セットを撮像する2次元撮像素子を有する第2のカメラと、前記第1のカメラで撮像した第1の標識セットの画像から前記第1の標識セットの位置を演算し、前記第2のカメラで撮像した前記第2の標識セットの画像から前記第1のカメラの位置と角度を演算し、前記第1のカメラの位置と角度に基づいて、前記第1のカメラのカメラ座標を基準とした前記第1の標識セットの位置を前記第2のカメラのカメラ座標を基準とした位置として演算する演算部とを備えた位置計測システム。
(2)前記第2の標識セットの4つ以上の基本標識のうち、少なくとも3つ以上の基本標識が同一平面上にあり、少なくとも1つ以上の基本標識が前記平面上から離隔した地点にある上記(1)記載の位置計測システム。
(3)前記第1の標識セットが、前記対象物を特定するための識別標識を有する上記(1)または(2)記載の位置計測システム。
(4)前記対象物と前記第1の標識セットの組が複数設けられる上記(3)記載の位置計測システム。
(5)前記第1のカメラが移動可能とされ、前記第2のカメラが固定される上記(1)〜(4)のいずれかに記載の位置計測システム。
(6)前記第1のカメラと前記第2の標識セットの組が多段に設けられる上記(1)〜(5)のいずれかに記載の位置計測システム。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る位置計測システムによれば、特定のカメラの撮影範囲外にある対象物であっても別のカメラを介することによりその対象物の位置を計測することができる。
請求項2に係る位置計測システムによれば、別のカメラに取り付ける標識セットの基本標識をすべて同一平面上に置く必要がなくなり、基本標識の取り付け位置の自由度を増すことができる。
請求項3に係る位置計測システムによれば、位置を計測した対象物の内容が何であるかを知ることができる。
請求項4に係る位置計測システムによれば、位置を計測した複数の対象物の内容がそれぞれ何であるかを知ることができる。
請求項5に係る位置計測システムによれば、対象物が撮影範囲に入るように別のカメラを動かすことで、特定のカメラは動かす必要がなくなる。
請求項6に係る位置計測システムによれば、対象物が複雑な経路の奥まったところにあっても、複数の別のカメラを介して特定のカメラのカメラ座標で位置計測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明に係る位置計測システムの一実施例を示す図である。本実施例は、図示のように、対象物3に取り付けられる位置関係の分かっている3つの基本標識(基本マーカー)a1,a2,a3を有する標識セット1と、標識セット1を撮像するレンズ12および2次元撮像素子14を有するカメラ10と、カメラ10に取り付けられる位置関係の分かっている4つの基本標識a1,a2,a3,a4を有する標識セット2と、標識セット2を撮像するレンズ22および2次元撮像素子24を有するカメラ20と、カメラ10で撮像した標識セット1の画像から標識セット1の位置を演算し、カメラ20で撮像した標識セット2の画像からカメラ10の位置と角度を演算し、このカメラ10の位置と角度に基づいて、カメラ10のカメラ座標15を基準とした標識セット1の位置をカメラ20のカメラ座標25を基準とした位置として演算する演算部30とを備える。これにより、カメラ座標25において標識セット1の位置が特定される。すなわち、固定されたカメラ20の撮影範囲外にある対象物3の位置計測が、移動可能なカメラ10を介することで可能となる。
【0008】
本実施例では、標識セット1の基本標識数は3つとしたが3つ以上でもよく、標識セット2の基本標識数は4つとしたが4つ以上でもよい。また、標識セット1,2を構成する各基本標識は、例えば発光ダイオード(LED)等の光源を用いることができる。この場合、光源の発光を制御する発光制御装置18(配線は図示省略)が対象物3に配置される。また、図示はしないが、上述の光源の代わりに再帰反射板を用い、その再帰反射板を照明するための照明装置を備えるようにしてもよい。しかし基本標識は、LED等の光源や再帰反射板に限定されず、これ以外のものを用いてもよい。また、カメラ10,20は、例えばCCDやCMOSセンサ等を搭載したデジタルカメラが用いられるが、これに限定されない。演算部30は、図示のように、カメラ10(2次元撮像素子14)およびカメラ20(2次元撮像素子24)と有線あるいは無線で接続され、カメラ10および20で撮像された画像を受信できるように構成される。演算部30は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータが用いられるが、これに限定されない。
【0009】
以下、カメラ10で撮像した標識セット1の画像から標識セット1の位置を演算し、カメラ20で撮像した標識セット2の画像からカメラ10の位置と角度を演算し、このカメラ10の位置と角度に基づいて、カメラ10のカメラ座標15を基準とした標識セット1の位置をカメラ20のカメラ座標25を基準とした位置として演算する方法について説明する。
【0010】
カメラ10のカメラ座標15を基準とした標識セット1の位置をカメラ20のカメラ座標25を基準とした位置として演算するには、座標系の回転r(角度θ)と平行移動tを組み合わせた座標変換行列Mrt(式1)を用いる。本実施例のカメラ座標25とカメラ座標15との間の座標変換行列Mrtは、標識セット2の位置と角度から求めることができる。これを用いると、カメラ座標15を基準とした標識セット1の各基本標識の位置(x1,y1,z1)と、カメラ座標25を基準とした位置(x2、y2、z2)との関係は、座標変換行列Mrtを用いて式2のように表される。
【0011】
【数1】

【0012】
図2は、3つの基本標識を有する標識セットの3次元位置の演算方法の一例を示す図である。図において、基本標識a1,a2,a3の画像面27上の画像位置c1,c2,c3とカメラの光学中心28との関係から、カメラ座標系における基本標識位置の方向ベクトルdi(i=1,2,3)を算出する。diは規格化した単位ベクトルとする。
【0013】
基本標識a1,a2,a3の空間の位置ベクトルをp1,p2,p3とすると、これらはdiの延長線上に存在するので、その係数をt1,t2,t3として、
p1=t1・d1
p2=t2・d2 式3
p3=t3・d3
で表すことができる。
【0014】
三角形の形状は最初からわかっており、その長さを各々
p1p2=L1
p2p3=L2 式4
p3p1=L3
とすると次式が得られる。式中「^」は累乗を表す。
(t1x1-t2x2)^2+(t1y1-t2y2)^2+(t1z1-t2z2)^2=L1^2
(t2x2-t3x3)^2+(t2y2-t3y3)^2+(t2z2-t3z3)^2=L2^2 式5
(t3x3-t1x1)^2+(t3y3-t1y1)^2+(t3z3-t1z1)^2=L3^2
【0015】
整理すると
t1^2-2t1t2(x1x2+y1y2+z1z2)+t2^2-L1^2=0
t2^2-2t2t3(x2x3+y2y3+z2z3)+t3^2-L2^2=0 式6
t3^2-2t3t1(x3x1+y3y1+z3z1)+t1^2-L3^2=0
が得られ、次式となる。式中「sqrt」は平方根を表す。
t1=A1・t2±sqrt((A1^2-1)・t2^2+L1^2)
t2=A2・t3±sqrt((A2^2-1)・t3^2+L2^2) 式7
t3=A3・t1±sqrt((A3^2-1)・t1^2+L3^2)
ここで、A1,A2,A3は次式のとおりである。
A1=x1x2+y1y2+z1z2
A2=x2x3+y2y3+z2z3 式8
A3=x3x1+y3y1+z3z1
【0016】
実数解を持つために、式7の平方根の中が正になる。
t1≦ sqrt(L3^2/(1-A3^2))
t2≦ sqrt(L1^2/(1-A1^2)) 式9
t3≦ sqrt(L2^2/(1-A2^2))
【0017】
この条件を満たす実数t1、t2、t3を順次、式7に代入し、式7が成立するすべてのt1,t2,t3を算出する。次に上記の式3からp1,p2,p3を、即ち、基本標識の3次元位置を算出する。
上述の計算方法に従って実際に計測した結果を以下の表に示す。表1は、基本標識ai(i=1〜3)の座標系を示す。
【0018】
【表1】

【0019】
表1中の基本標識a1,a2,a3は、図3に示すように、a2を直角の頂点とし、a1,a3が他の2つの頂点となる直角二等辺三角形を形成する。即ち、標識座標系において、
a1=(50,0,0)
a2=(0,0,0)
a3=(0,50,0)
となる。これは線分a1a2とa2a3の長さが50mmであることを意味する。
【0020】
これをある空間位置に配置し、カメラで撮像した。この時のaiの画像点の位置を表2に示す。この画像は通常のカメラの画像を左右反転させているので注意を要する。カメラとしては、640画素×480画素のCMOSセンサを搭載した1394カメラ(IEEE1394でPCと接続可能なデジタルカメラ)を使用した。
【0021】
【表2】

【0022】
この画像点の位置を用いて式3〜式9から解を求めると、基本標識の空間位置として二つの解Q1,Q2がカメラ座標15の値として得られる。これらを表3と表4に示す。第1の解Q1と第2の解Q2のどちらが正解であるかは不明であるが、これらの値の差は比較的小さい。よって、その平均値を基本標識の空間位置として近似することができる。このように本例では、3つの基本標識の場合、二つの解の平均値を基本標識の位置とする。
【0023】
【表3】

【0024】
【表4】

【0025】
表3,4に示すように、基本標識が3つの場合には、空間位置として解が二つできたが、基本標識が正方形を形成するように配置された場合などでは、その空間位置として、最大4個でてくることがある。しかし、この場合も各々の値の平均値を空間位置として近似することができる。
【0026】
基本標識が3つの場合には、上述のとおり二つの解ができたが、基本標識が4つある場合には、正解を一つに特定することができる。その方法は、4つの基本標識から3点を選ぶ組み合わせを2つ考える。各々の3点を用いて、前述と同様の計算から2つの解を導出する。その2つの解の内一つは基本標識位置が全く同じ値を示すので、それを正解とする。このように、基本標識が4点以上ある場合には、答えを一つに同定することができるので、4つの基本標識a1,a2,a3,a4を有する標識セットの位置と角度を決定することができる。この位置と角度は、カメラ座標25とカメラ座標15の間の上記式1に示す座標変換行列Mrtのrijとti(i,j = 1〜3の整数)を示している。そして上記式2を用いて、カメラ座標15を基準とした標識セット1の各基本標識の位置(x1,y1,z1)を、カメラ座標25を基準とした位置(x2、y2、z2)として演算する。これにより、カメラ20のカメラ座標25において標識セット1の位置、すなわちそれを取り付けた対象物3の位置を計測することができる。
【0027】
4つ以上の基本標識がある場合の上記説明はそれらが同一平面上にある場合を想定して記述したが、4つ以上の基本標識のうち、少なくとも3つ以上の基本標識が同一平面上にあり、少なくとも1つ以上の基本標識がその平面上から離隔した地点にある場合も同様に演算することができる。図4は、3つの基本標識a1,a2,a3が同一平面上にあり、1つの基本標識a4’がその平面上から離隔した地点にある場合の一例を示す図である。基本標識a4’は、例えばカメラ10に取り付けられた標識セット2の平面上から突出する突出部19の先端に設けられる。この突出部19の位置と高さは既知で、例えば3つの基本標識a1,a2,a3の重心に置くことができるが、これに限定されない。この場合も、同一平面上の3つの基本標識a1,a2,a3を用いて、前述と同様の計算を行い2つの解を導出する。そして、この2つの解の基本標識a1,a2,a3の位置から基本標識a4’のそれぞれの位置を計算する。この計算値とカメラで撮影した基本標識a4’の画像面上の位置の実際値とを比較し、この計算値と実際値とが対応する解を正解とする。このような方法を用いても、上述のような座標変換行列Mrtを決定することができる。
【0028】
図5は、本発明に係る位置計測システムの他の実施例を示す図である。本実施例が図1の実施例と異なる点は、識別標識(IDマーカー)付きの標識セット1’をそれぞれ付けた複数の荷物31の位置とそのID番号を特定可能とするように構成したところにあり、その他の点は図1の実施例の場合と同様である。
【0029】
本実施例では、図5に示すように、荷物を特定するための識別標識付きの標識セット1’をそれぞれ付けた複数の荷物31(すなわち、荷物と標識セット1の複数の組)が棚32に配置されている。各識別標識は対応する標識セット1’内の3つの基本標識との位置関係からID番号が付与され、荷物31の中身と関連付けられてPCの記憶装置に保存されている。この識別標識付きの標識セット1を例えば移動可能なカメラ10で撮影し、その位置とID番号を算出する。カメラ10には、実施例1の場合と同様に4つの標識を有する標識セット2が付いており、これを例えば天井に固定したカメラ20で撮影する。これにより、カメラ20のカメラ座標25における各荷物31の位置とそのID番号を求める。荷物(標識セット1’)の位置の演算方法は上述したとおりである。以下、ID番号の求め方について述べる。
【0030】
図6は、標識セット1内の識別標識に係るID番号の算出方法の一例を説明するための図である。本実施例では、3つの基本標識と1つの識別標識は同一平面上にあるものとする。標識セット1’の3つの基本標識a1,a2,a3は、図6に示すように、a2を直角の頂点とし、a1,a3が他の2つの頂点となる直角二等辺三角形を形成する。即ち、標識座標系において、
a1=(50,0,0)
a2=(0,0,0)
a3=(0,50,0)
となる。これは線分a1a2とa2a3の長さが50mmであることを意味する。
【0031】
図中のb1は識別標識であり、基本標識がなす平面と同一平面にある。a2b1とa1a3との交点をwとし、sとtを以下とする。
a2w:wb1=s:1-s
a1w:wa3=t:1-t
【0032】
この時、b1は例えばs<0.47、t<0.47、s<tを満足するような位置に配置する。これを満足するb1領域を図7に示す。この標識セットを撮像した4つの画像点はアフィン変換で近似できるので、これらの画像点の交点で分けられる直線上の線分比を出す。2本の直線におけるそれぞれ短い方の線分であるa2wとa1wを検出する。この2本の線分比の内のさらに小さい方がs、即ちa2wであるので、そこから反時計回りにa2,a1,b1,a3を検出することができる。ID番号付与には、s:tの比率を用いる。この比率に対して予めID番号を対応させPCの記憶装置に保存しておくことで、容易にID番号を取得することができる。
【0033】
図8は、本発明に係る位置計測システムのさらに他の実施例を示す図である。本実施例が図5の実施例と異なる点は、4つの基本標識を有する標識セット2を取り付けたカメラ10の他に、それと同様の4つの基本標識を有する標識セット2’を取り付けた別のカメラ10’を設けたところにあり、その他の点は図5の実施例の場合と同様である。本実施例の場合、カメラ10で撮像した複数の識別標識付きの標識セット1’の画像から標識セット1’の位置を演算し、そして次段のカメラ10’で撮像した標識セット2の画像からカメラ10の位置と角度を演算し、このカメラ10の位置と角度に基づいて、カメラ10のカメラ座標15を基準とした標識セット1’の位置をカメラ10’のカメラ座標を基準とした位置として演算し、さらにカメラ20で撮像した標識セット2’の画像からカメラ10’の位置と角度を演算し、このカメラ10’の位置と角度に基づいて、カメラ10’のカメラ座標15’を基準とした標識セット1’の位置をカメラ20のカメラ座標25を基準とした位置として演算する。これにより、カメラ20のカメラ座標25で標識セット1’を取り付けた荷物31の位置が特定される。本実施例では、4つの基本標識を有する標識セットを取り付けたカメラを2つとしたが、上述の2つのカメラ10,10’の関係にならって3つ以上の同様なカメラを多段に設けることもできる。
【0034】
以上の実施例では、標識セット1の基本標識(基本マーカー)数は3つとしたが、これに限定されず、4つ以上でもよく、また識別標識(IDマーカー)数は1つとしたが、2つ以上でもよい。また、標識セット2の基本標識(基本マーカー)数は4つとしたが、これに限定されず、5つ以上でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る位置計測システムの一実施例を示す図である。
【図2】3つの基本標識を有する標識セットの3次元位置の演算方法の一例を示す図である。
【図3】基本標識a1,a2,a3の配置関係の一例を示す図である。
【図4】3つの基本標識a1,a2,a3が同一平面上にあり、1つの基本標識a4’がその平面上から離隔した地点にある場合の一例を示す図である。
【図5】本発明に係る位置計測システムの他の実施例を示す図である。
【図6】標識セット1内の識別標識に係るID番号の算出方法の一例を説明するための図である。
【図7】標識セット1内の識別標識の配置領域の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る位置計測システムのさらに他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1、2 識別セット
3 対象物
10、20 カメラ
12、22 レンズ
14、24 2次元撮像素子
15、25 カメラ座標
18 発光制御装置
19 突起部
27 画像面
28 カメラの光学中心
30 演算部(PC)
31 荷物
32 棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に取り付けられる位置関係の分かっている3つ以上の基本標識を有する第1の標識セットと、前記第1の標識セットを撮像する2次元撮像素子を有する第1のカメラと、前記第1のカメラに取り付けられる位置関係の分かっている4つ以上の基本標識を有する第2の標識セットと、前記第2の標識セットを撮像する2次元撮像素子を有する第2のカメラと、前記第1のカメラで撮像した第1の標識セットの画像から前記第1の標識セットの位置を演算し、前記第2のカメラで撮像した前記第2の標識セットの画像から前記第1のカメラの位置と角度を演算し、前記第1のカメラの位置と角度に基づいて、前記第1のカメラのカメラ座標を基準とした前記第1の標識セットの位置を前記第2のカメラのカメラ座標を基準とした位置として演算する演算部とを備えた位置計測システム。
【請求項2】
前記第2の標識セットの4つ以上の基本標識のうち、少なくとも3つ以上の基本標識が同一平面上にあり、少なくとも1つ以上の基本標識が前記平面上から離隔した地点にある請求項1記載の位置計測システム。
【請求項3】
前記第1の標識セットが、前記対象物を特定するための識別標識を有する請求項1または2記載の位置計測システム。
【請求項4】
前記対象物と前記第1の標識セットの組が複数設けられる請求項3記載の位置計測システム。
【請求項5】
前記第1のカメラが移動可能とされ、前記第2のカメラが固定される請求項1〜4のいずれかに記載の位置計測システム。
【請求項6】
前記第1のカメラと前記第2の標識セットの組が多段に設けられる請求項1〜5のいずれかに記載の位置計測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−71677(P2010−71677A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236498(P2008−236498)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】