説明

作業車

【課題】複数の制御手段を備えた作業車において、各種の作業に対応するように制御手段を選択する場合、制御手段の選択が容易に行えるように構成する。
【解決手段】複数の制御手段と、制御手段の状態を人為的に変更可能な設定操作具とを備える。複数の制御モードM1,M2を備え、制御モードM1,M2の各々において制御手段の状態を記憶可能に構成し、制御モードM1,M2に記憶された状態を設定操作具により変更可能に構成する。複数の制御モードM1,M2のうちの一つを人為的に選択する選択手段67を備え、選択手段67により選択された制御モードM1,M2の状態に基づいて制御手段が作動するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の制御手段(例えば機体に連結された作業装置を昇降操作する制御手段等)を備えた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車の一例である農用トラクタでは、特許文献1に開示されているように、耕深制御系(作業装置の作業深さが設定深さに維持されるように、作業装置を昇降操作する制御手段)、ローリング制御系(水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、作業装置をローリング操作する制御手段)、オートアップ制御系(旋回時に自動的に作業装置を地面から上昇操作する制御手段)、バックアップ制御系(後進時に作業装置を地面から上昇操作する制御手段)等の複数の制御手段を備えている。
この場合、複数の制御手段のうちどの制御手段を作動させるのかを、作業者が任意に選択することができる。
【0003】
特許文献1では、例えば一つの制御手段が選択された状態において、別の制御手段に選択が変更された後に、エンジンの停止操作が行われると、前述の別の制御手段が選択された状態が記憶される。次にエンジンの始動操作が行われると、前述の別の制御手段が再び選択される。
これにより、一つの制御手段が選択された状態で、作業の中断等によりエンジンの停止操作が行われても、次にエンジンの始動操作が行われると、エンジンの停止操作が行われた際に選択されている制御手段が再び選択されて、エンジンの停止操作が行われる前の作業を再開することができる。
【0004】
【特許文献1】特許第4031700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
農用トラクタ等の作業車では一般に、一つの制御手段が選択されて状態で作業が行われた後、エンジンの停止操作を行わずに別の制御手段に選択が変更されて、別の作業が行われることがある。
特許文献1では、前述の状態においてエンジンの停止操作が行われると、前述の別の制御手段が選択された状態が記憶されるので、次にエンジンの始動操作が行われて、最初の作業を再び行う必要が生じた場合、最初の制御手段に選択を変更する必要がある。
【0006】
この場合、最初の作業において複数の制御手段が選択され、別の作業において別の複数の制御手段が選択されるような状態であると、最初の作業を再び行う際に、作業者はどの制御手段を選択するのか、どの制御手段は選択しないのかを、複数の制御手段の各々において判断(制御手段の状態に相当)する必要があるので、操作性と言う面で改善の余地がある。
本発明は、複数の制御手段を備えた作業車において、各種の作業に対応するように制御手段を選択する場合、制御手段の選択が容易に行えるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、作業車において次のように構成することにある。
複数の制御手段と、制御手段の状態を人為的に変更可能な設定操作具とを備える。複数の制御モードを備え、制御モードの各々において制御手段の状態を記憶可能に構成し、制御モードに記憶された状態を設定操作具により変更可能に構成する。複数の制御モードのうちの一つを人為的に選択する選択手段を備え、選択手段により選択された制御モードの状態に基づいて、制御手段が作動するように構成する。
【0008】
(作用)
本発明の第1特徴によれば、例えば複数の制御モードとして、第1制御モード及び第2制御モードが設定されていたとすると、例えば第1制御モードに制御手段の状態を記憶させ、第2制御モードに制御手段の別の状態を記憶させておくことができる。第1及び第2制御モードの制御手段の状態を設定操作具により任意に変更することができるのであり、例えば一つの作業に対応するように第1制御モードの制御手段の状態を事前に変更することができ、別の作業に対応するように第2制御モードの制御手段の状態を事前に変更することができる。
【0009】
これにより、本発明の第1特徴によると、選択手段により第1制御モードを選択し、第1制御モードの制御手段の状態に基づいて、制御手段を作動させて作業を行っていたとする。この状態で別の作業を行う必要が生じた場合、この別の作業に対応した第2制御モードを選択手段により選択すればよいのであり、第2制御モードの制御手段の状態に基づいて、制御手段を作動させて別の作業を行うことができる。
次に最初の作業を行う必要が生じた場合、選択手段により第1制御モードを選択すればよいのであり、第1制御モードの制御手段の状態に基づいて、制御手段を作動させて最初の作業を行うことができる。
【0010】
前述のように、本発明の第1特徴によると、各種の作業を行う際、各種の作業に対応する制御モードを選択するだけで、制御モードに記憶された制御手段の状態が自動的に設定される(選択された制御モードの制御手段の状態に基づいて、制御手段が作動する)のであり、作業を変更する際に制御手段の状態を設定操作具により一つずつ変更するような操作を行う必要がない。
【0011】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、複数の制御手段を備えた作業車において、各種の作業を行う際に、各種の作業に対応する制御モードを選択するだけで、制御モードに記憶された制御手段の状態が自動的に設定されるようになり、作業を変更する際に制御手段の状態を設定操作具により一つずつ変更するような操作を行う必要がなくなって、作業車の操作性を向上させることができた。
【0012】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車において次のように構成することにある。
選択手段により選択された制御モードの状態を表示する表示手段を備える。
【0013】
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、前項[I]に記載のように、選択手段により一つの制御モードを選択すると、選択手段により選択された制御モードの制御手段の状態が表示手段により表示されるので、作業者は表示手段の表示を目視することにより、選択手段により選択された制御モードの制御手段の状態の内容を認識することができる。
【0014】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、表示手段の表示を目視することにより、選択手段により選択された制御モードの制御手段の状態の内容を認識することができるようになって、選択手段により選択された制御モードの制御手段の状態の内容を、作業者が誤解すると言うようなことがなく、選択手段により間違った制御モードを選択しても、作業者が間違いに容易に気づくことができるようになった。
【0015】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の作業車において次のように構成することにある。
選択手段により選択された制御モードの状態を、事前に設定された初期状態に変更可能な変更手段を備える。
【0016】
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[I]に記載のように、制御モードの制御手段の状態を設定操作具により変更可能に構成する場合、一般に最初の状態において、制御モードの制御手段の状態は標準的なものや、特定の作業に対応したものに設定されており(初期状態)、この後に各種の作業に対応して、制御モードの制御手段の状態を設定操作具により変更していく。
【0017】
本発明の第3特徴によると、制御モードの制御手段の状態を設定操作具により変更することを繰り返したり、制御モードの制御手段の状態を設定操作具により変更してから長時間が経過したりした後に、制御モードの制御手段の状態を初期状態に戻す必要が生じた場合、制御モードの制御手段の状態を初期状態に一度に変更することができるのであり、制御モードの制御手段の状態を、設定操作具により一つずつ初期状態に変更するような操作を行う必要がない。
【0018】
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、制御モードの制御手段の状態を、設定操作具により一つずつ初期状態に変更するような操作を行わなくても、制御モードの制御手段の状態を初期状態に一度に変更することができるようになって、作業車の操作性を向上させることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[1]
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の前部にエンジン10が備えられ、機体の後部にミッションケース3が備えられて、作業車の一例である四輪駆動型の農用トラクタが構成されている。
【0020】
図2に示すように、パワーステアリング用の操作シリンダ23が備えられ、右及び左の前輪1のナックルアーム24と操作シリンダ23とに亘って、右及び左のタイロッド25が接続されて、全油圧式のパワーステアリング機構が構成されており、図1に示す操縦ハンドル26の操作により操作シリンダ23が右又は左に作動して、右及び左の前輪1が右又は左に操向操作される。図2及び図6に示すように、ナックルアーム24の基部に、前輪1の操向角度(直進位置から右の操向角度、又は直進位置から左の操向角度)を検出する操向角度センサー35が備えられており、操向角度センサー35の検出値が制御装置18に入力されている。
【0021】
図2に示すように、エンジン10の動力がミッションケース3に伝達され、ミッションケース3の内部の主変速装置(図示せず)及び副変速装置(図示せず)から、後輪デフ装置4を介して、右及び左の後輪2に伝達される。後輪デフ装置4の直前から分岐した動力が、前輪変速装置5、前輪伝動軸6及び前輪デフ装置7を介して、右及び左の前輪1に伝達される。前輪及び後輪デフ装置4,7はデフロック機能を備えており、前輪及び後輪デフ装置4,7を、デフ作動状態及びデフロック状態に任意に操作することができる。
【0022】
図2及び図6に示すように、油圧多板型式の標準クラッチ8及び増速クラッチ9が並列的に備えられて、前輪変速装置5が構成されており、標準及び増速クラッチ8,9は遮断状態に付勢されて、作動油が供給されることにより伝動状態に操作される。標準クラッチ8に作動油を給排操作する制御弁19、増速クラッチ9に作動油を給排操作する制御弁20が備えられており、制御装置18によって制御弁19,20が操作される。
【0023】
図2及び図6に示すように、制御弁19により標準クラッチ8を伝動状態に操作し、制御弁20により増速クラッチ9を遮断状態に操作すると、前輪1及び後輪2が略同じ速度で駆動されるように前輪1及び後輪2に動力が伝達される標準四輪駆動状態が得られる。制御弁19により標準クラッチ8を遮断状態に操作し、制御弁20により増速クラッチ9を伝動状態に操作すると、前輪1が後輪2よりも高速で駆動されるように前輪1及び後輪2に動力が伝達される増速四輪駆動状態が得られる。制御弁19,20により標準及び増速クラッチ8,9を遮断状態に操作すると、右及び左の前輪1への動力が遮断され(右及び左の前輪1が自由回転状態)、右及び左の後輪2に動力が伝達される後二輪駆動状態が得られる。
【0024】
[2]
次に、右及び左のサイドブレーキ11に関する構成について説明する。
図2及び図3に示すように、右及び左の後輪2を独立に制動可能な右及び左のサイドブレーキ11が備えられ、右及び左のサイドブレーキペダル12が備えられている。右のサイドブレーキ11と右のサイドブレーキペダル12とが、右の操作シリンダ13及び右の連係ロッド14を介して接続されて、左のサイドブレーキ11と左のサイドブレーキペダル12とが、左の操作シリンダ13及び左の連係ロッド14を介して接続されている。
【0025】
図3及び図6に示すように、右及び左の操作シリンダ13は内装されたバネ15により伸張側に付勢されており、作動油が供給されることで収縮作動する。右及び左のサイドブレーキペダル12を解除位置側に付勢するバネ16、右及び左のサイドブレーキペダル12を解除位置で止めるストッパー17が備えられている。右の操作シリンダ13に作動油を給排操作する制御弁21、左の操作シリンダ13に作動油を給排操作する制御弁22が備えられており、制御装置18によって制御弁21,22が操作される。
【0026】
これにより、図2,3,6に示すように、右(左)のサイドブレーキペダル12を踏み操作すると、右(左)の操作シリンダ13及び右(左)の連係ロッド14を介して右(左)のサイドブレーキ11が制動状態に操作される。右(左)のサイドブレーキペダル12を踏み操作していない状態において、制御弁21,22により右(左)の操作シリンダ13に作動油を供給して、右(左)の操作シリンダ13を収縮作動させると、右(左)の連係ロッド14を介して右(左)のサイドブレーキ11が制動状態に操作されるのであり、制御弁21,22により右(左)の操作シリンダ13の作動油を排出して、右(左)の操作シリンダ13を伸張作動させると、右(左)の連係ロッド14を介して右(左)のサイドブレーキ11が解除状態に操作される。
【0027】
[3]
次に、ロータリ耕耘装置37に関する構成について説明する。
図1及び図4に示すように、ミッションケース3の後部にトップリンク27、右及び左のロアリンク28が上下に揺動自在に支持され、右及び左のリフトアーム29が上下に揺動自在に支持されている。右及び左のリフトアーム29を上下に揺動駆動する単動型の右及び左のリフトシリンダ30が備えられており、右のリフトアーム29と右のロアリンク28とに亘って複動型のローリングシリンダ31が接続され、左のリフトアーム29と左のロアリンク28とに連係ロッド32が接続されている。
【0028】
図6に示すように、リフトシリンダ30及びローリングシリンダ31に作動油を給排操作する制御弁33,34が備えられており、制御装置18によって制御弁33,34が操作される。機体に対する右及び左のリフトアーム29の上下角度を検出する角度センサー36が備えられており、角度センサー36の検出値が制御装置18に入力されている。
【0029】
図1及び図4に示すように、トップリンク27、右及び左のロアリンク28にロータリ耕耘装置37が連結されている。ロータリ耕耘装置37に後部カバー37aが上下に揺動自在に支持され、バネ37bにより下方に付勢されており、ロータリ耕耘装置37に対する後部カバー37aの上下角度を検出する角度センサー38が備えられて、角度センサー38の検出値が制御装置18に入力されている。
【0030】
図1,4,6に示すように、エンジン10の動力がPTOクラッチ39及びPTO軸40を介してロータリ耕耘装置37に伝達されている。PTOクラッチ39は遮断状態に付勢されて、作動油が供給されることにより伝動状態に操作されるように構成されており、PTOクラッチ39に作動油を給排操作する制御弁41が備えられて、制御装置18によって制御弁41が操作される。
【0031】
以上の構造により、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30を伸縮作動させると、右及び左のリフトアーム29によりロータリ耕耘装置37が昇降操作される。制御弁34によりローリングシリンダ31を伸縮作動させると、左のロアリンク28を支点としてロータリ耕耘装置37がローリング操作される。
【0032】
[4]
次に、前輪変速装置5、右及び左のサイドブレーキ11に関する機能及び操作系について説明する。
制御装置18において、二輪駆動制御手段(制御手段に相当)、標準四輪駆動制御手段(制御手段に相当)、増速四輪駆動制御手段(制御手段に相当)、自動ブレーキ制御手段(制御手段に相当)が備えられている。
【0033】
二輪駆動制御手段は、前輪1の操向角度がどのようなものであっても(直進状態及び旋回状態であっても)、制御弁19,20により前輪変速装置5(標準及び増速クラッチ8,9)を後二輪駆動状態に操作するものである。
標準四輪駆動制御手段は、前輪1の操向角度がどのようなものであっても(直進状態及び旋回状態であっても)、制御弁19,20により前輪変速装置5(標準及び増速クラッチ8,9)を標準四輪駆動状態に操作するものである。
【0034】
増速四輪駆動制御手段は、前輪1の操向角度が直進位置から右又は左の設定角度内であると(直進状態又は前輪1を少し操向操作した状態)、制御弁19,20により前輪変速装置5(標準及び増速クラッチ8,9)を標準四輪駆動状態に操作し、前輪1の操向角度が右又は左の設定角度を超えると(旋回状態)、制御弁19,20により前輪変速装置5(標準及び増速クラッチ8,9)を増速四輪駆動状態に操作するものである。
【0035】
自動ブレーキ制御手段は、二輪駆動制御手段の作動状態、標準四輪駆動制御手段の作動状態及び増速四輪駆動制御手段の作動状態において、前輪1の操向角度が直進位置から右又は左の設定角度内であると(直進状態又は前輪1を少し操向操作した状態)、制御弁21,22により右及び左のサイドブレーキ11を解除状態に操作し、前輪1の操向角度が右又は左の設定角度を超えると(旋回状態)、制御弁21,22により旋回中心側のサイドブレーキ11を制動状態に操作するものである。
【0036】
図6に示すように、操縦ハンドル26の右横側に、押しボタン型式の第1走行選択スイッチ45(設定操作具に相当)、押しボタン型式の第2走行選択スイッチ46(設定操作具に相当)が備えられており、第1及び第2走行選択スイッチ45,46の操作信号が制御装置18に入力されている。
【0037】
図6に示すように、第1走行選択スイッチ45を押し操作するごとに、二輪駆動制御手段の作動状態、標準四輪駆動制御手段の作動状態、増速四輪駆動制御手段の作動状態のうちの一つが順番に選択される。第2走行選択スイッチ46を押し操作するごとに、自動ブレーキ制御手段の作動状態及び停止状態が交互に選択される(制御手段の状態に相当)。二輪駆動制御手段の作動状態、標準四輪駆動制御手段の作動状態、増速四輪駆動制御手段の作動状態のうちのどれが選択されたかを表示するランプ(図示せず)が、第1走行選択スイッチ45の近傍に備えられている。自動ブレーキ制御手段の作動状態及び停止状態のどちらが選択されたかを表示するランプ(図示せず)が、第2走行選択スイッチ46の近傍に備えられている。
【0038】
[5]
次に、ロータリ耕耘装置37に関する機能及び操作系について説明する。
制御装置18において、ポジション制御手段(制御手段に相当)、第1昇降制御手段(制御手段に相当)、第2昇降制御手段(制御手段に相当)、ドラフト制御手段(制御手段に相当)、レーザー制御手段(制御手段に相当)、ローリング制御手段(制御手段に相当)、オートアップ制御手段(制御手段に相当)、バックアップ制御手段(制御手段に相当)、手動ローリング操作手段が備えられている。
【0039】
図1及び図6に示すように、運転座席42の右横側の前側に昇降レバー43が備えられて、昇降レバー43は最高位置A1及び最低位置A2の範囲で操作自在で、最高及び最低位置A1,A2の範囲内の任意の操作位置に保持可能に構成されており、昇降レバー43の操作位置が制御装置18に入力されている。
【0040】
図6に示すように、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する重垂型式の傾斜センサー44、エンジン10の回転数を検出する回転数センサー60、右及び左のロアリンク28の基部に掛かる牽引負荷を検出する牽引負荷センサー61、ローリングシリンダ31の伸縮長さを検出するストロークセンサー63が備えられている。傾斜センサー44の検出値、回転数センサー60の検出値、牽引負荷センサー61、ストロークセンサー63の検出値が制御装置18に入力されている。
【0041】
図5及び図6に示すように、運転座席42の右横側で昇降レバー43の後側に操作パネル47が備えられており、操作パネル47の操作信号が制御装置18に入力されている。操作パネル47に、ダイヤル操作型式の耕深スイッチ48、押しボタン型式の昇降切換スイッチ49(設定操作具に相当)、押しボタン型式のローリング切換スイッチ50(設定操作具に相当)、ダイヤル操作型式の設定角度スイッチ51、ダイヤル操作型式の落下速度スイッチ52、ダイヤル操作型式の感度スイッチ53、ダイヤル操作型式の高さ規制スイッチ54、押しボタン型式のオートアップスイッチ55(設定操作具に相当)、押しボタン型式のバックアップスイッチ56(設定操作具に相当)、押しボタン型式の右下さがりスイッチ57、押しボタン型式の左下さがりスイッチ58、押しボタン型式の平行スイッチ59が備えられている。
【0042】
[6]
次にポジション制御手段、第1昇降制御手段、第2昇降制御手段、ドラフト制御手段、レーザー制御手段について説明する。
【0043】
ポジション制御手段は、右及び左のリフトアーム29の上下角度が、昇降レバー43の操作位置に対応する上下角度となるように、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30を伸縮作動させるものである。
この場合、図6に示すように、昇降レバー43の最高位置A1が右及び左のリフトアーム29の機械的な上限に対応し、昇降レバー43の最低位置A2が右及び左のリフトアーム29の機械的な下限に対応している。昇降レバー43の最高位置A1よりも少し下側に予め設定位置が設定されており、昇降レバー43が最低位置A2と設定位置との間の範囲に操作されていると、制御弁41によりPTOクラッチ39が伝動状態に操作され、昇降レバー43が設定位置と最高位置A1との間の範囲に操作されていると、制御弁41によりPTOクラッチ39が遮断状態に操作される。
【0044】
第1昇降制御手段は、ロータリ耕耘装置37の後部カバー37aの上下角度が設定角度に維持されるように、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30を伸縮作動させるものである。
この場合、図1,4,5に示すように、ロータリ耕耘装置37の後部カバー37aの上下角度がロータリ耕耘装置37の耕耘深さに相当しており、ロータリ耕耘装置37の後部カバー37aの上下角度が設定角度に維持されることにより、ロータリ耕耘装置37の耕耘深さが設定深さに維持される。耕深スイッチ48を操作することにより、設定深さを「浅」及び「深」側に変更することができる。
【0045】
第2昇降制御手段は、ロータリ耕耘装置37の後部カバー37aを上方に持ち上げた状態(地面に接地しない状態)において、回転数センサー60の検出値に基づいてエンジン10に掛かる負荷を検出し、エンジン10に掛かる負荷が設定値に維持されるように、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30を伸縮作動させるものである。これによって、ロータリ耕耘装置37による地面の荒起こし作業が行える。
【0046】
ドラフト制御手段は、ロータリ耕耘装置37に代えて、プラウ(図示せず)をトップリンク27、右及び左のロアリンク28に連結した状態において、牽引負荷センサー61の検出値が設定値に維持されるように、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30を伸縮作動させるものである。
【0047】
レーザー制御手段は、ロータリ耕耘装置37に代えて、レーザー受信機を備えた均平装置(レーザーレベラー)(図示せず)をトップリンク27、右及び左のロアリンク28に連結した状態において、圃場の端部に備えられたレーザー発信機(図示せず)のレーザーをレーザー受信機が受信するように、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30を伸縮作動させるものである。これによって、均平装置により地面を高精度で均平にすることができる。
【0048】
図5に示すように、昇降切換スイッチ49を押し操作するごとに、ポジション制御手段の作動状態、第1昇降制御手段の作動状態、第2昇降制御手段の作動状態、ドラフト制御手段の作動状態、レーザー制御手段の作動状態のうちの一つが順番に選択される(制御手段の状態に相当)。ポジション制御手段の作動状態〜レーザー制御手段の作動状態のうちのどれが選択されたかを表示するランプ62が、操作パネル47に備えられている。
【0049】
第1昇降制御手段、第2昇降制御手段、ドラフト制御手段、レーザー制御手段が作動する状態において、昇降レバー43を最低位置A2から上方に操作すると、第1昇降制御手段、第2昇降制御手段、ドラフト制御手段、レーザー制御手段に優先して、ポジション制御手段によって制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30が伸張作動する。昇降レバー43を最低位置A2に操作すると、第1昇降制御手段、第2昇降制御手段、ドラフト制御手段、レーザー制御手段が作動する。
【0050】
これにより、ポジション制御手段の作動状態とは、ポジション制御手段のみが作動する状態であり、第1昇降制御手段、第2昇降制御手段、ドラフト制御手段、レーザー制御手段が停止した状態である。第1昇降制御手段、第2昇降制御手段、ドラフト制御手段、レーザー制御手段の作動状態とは、第1昇降制御手段及びポジション制御手段(第2昇降制御手段及びポジション制御手段)(ドラフト制御手段及びポジション制御手段)(レーザー制御手段及びポジション制御手段)が作動する状態である。
【0051】
図5に示すように、感度スイッチ53を操作することにより、第1昇降制御手段、第2昇降制御手段、ドラフト制御手段、レーザー制御手段の昇降感度を、「敏感」及び「鈍感」側に変更することができる。
ポジション制御手段、第1昇降制御手段、第2昇降制御手段、ドラフト制御手段、レーザー制御手段において、落下速度スイッチ52を操作することによって、トップリンク27、右及び左のロアリンク28に連結される作業装置に応じて、制御弁33による右及び左のリフトシリンダ30の収縮速度を変更することができる。
【0052】
[7]
次に、ローリング制御手段、手動ローリング操作手段について説明する。
図6に示すように、ストロークセンサー63によりローリングシリンダ31の伸縮長さを検出することにより、機体に対するロータリ耕耘装置37の機体の左右方向の傾斜角度を検出することができ、傾斜センサー44により水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出することによって、水平面に対するロータリ耕耘装置37の左右方向の傾斜角度を検出することができる。
【0053】
ローリング制御手段は、前述のようにして検出された水平面に対するロータリ耕耘装置37の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、制御弁34によりローリングシリンダ31を伸縮作動させるものである。
この場合、図5に示すように、設定角度スイッチ51を操作することにより、設定角度を「水平」から「右下」及び「左下」側に変更することができる。
【0054】
図1及び図4に示すように、トップリンク27、右及び左のロアリンク28に各種の作業装置を連結する場合、右及び左のロアリンク28の作業装置への連結点の位置が異なることがあり、右及び左のロアリンク28へのローリングシリンダ31及び連係ロッド32の連結点を変更する必要が生じることがある。この場合、ストロークセンサー63によりローリングシリンダ31の伸縮長さを検出して、機体に対するロータリ耕耘装置37の機体の左右方向の傾斜角度を検出する際に、補正が必要になる。
【0055】
図5に示すように、制御装置18に各種の作業装置に対応した複数の補正値(係数)が記憶されており、ローリング切換スイッチ50を押し操作するごとに、複数の補正値(係数)の一つが順番に選択される(制御手段の状態に相当)。複数の補正値(係数)のうちのどれが選択されたかを表示するランプ64が、操作パネル47に備えられている。
【0056】
手動ローリング操作手段は、前述のローリング制御手段が作動する状態において、右下がりスイッチ57(左下がりスイッチ58)を押し操作している間だけ、ローリング制御手段に優先して、ロータリ耕耘装置37の右側が下降するように(左側が下降するように)、制御弁34によりローリングシリンダ31を伸張(収縮)作動させるものであり、右下がりスイッチ57(左下がりスイッチ58)の押し操作が終わると、ローリング制御手段が作動する状態とするものである。
【0057】
手動ローリング操作手段は、前述のローリング制御手段が作動する状態において、平行スイッチ59を押し操作している間だけ、ローリング制御手段に優先して、ローリングシリンダ31が連係ロッド32と同じ長さになるように(ロータリ耕耘装置37が機体と平行になる状態)、制御弁34によりローリングシリンダ31が伸縮作動させるのであり、平行スイッチ59の押し操作が終わると、ローリング制御手段が作動する状態とするものである。
【0058】
図5に示すように、ローリング切換スイッチ50を押し操作することによって、補正値(係数)の選択以外に、位置制御モードも設定することができる(制御手段の状態に相当)。
位置制御モードが設定されると、設定角度スイッチ51の設定角度が無視されて、位置制御モードが設定された瞬間のストロークセンサー63の検出値が記憶されるのであり、ロータリ耕耘装置37に外力が作用しても、記憶されたストロークセンサー63の検出値が維持されるように、制御弁34によりローリングシリンダ31が伸縮作動する。
【0059】
位置制御モードにおいて、右下がりスイッチ57(左下がりスイッチ58)を押し操作すると、記憶されたストロークセンサー63の検出値が消去されて、手動ローリング操作手段に従って、制御弁34によりローリングシリンダ31が伸張(収縮)作動する。右下がりスイッチ57(左下がりスイッチ58)の押し操作が終わると、その瞬間のストロークセンサー63の検出値が新たに記憶されて、記憶されたストロークセンサー63の検出値が維持されるように、制御弁34によりローリングシリンダ31が伸縮作動する。
【0060】
[8]
次に、オートアップ制御手段、バックアップ制御手段について説明する。
オートアップ制御手段は、前輪1の操向角度が直進位置から右又は左の設定角度内であると(直進状態又は前輪1を少し操向操作した状態)、前項[6]に記載のポジション制御手段〜レーザー制御手段、及び前項[7]に記載のローリング制御手段を作動させ、制御弁41によりPTOクラッチ39を伝動状態に操作し、前輪1の操向角度が右又は左の設定角度を超えると(旋回状態)、前項[6]に記載のポジション制御手段〜レーザー制御手段、及び前項[7]に記載のローリング制御手段を停止させ、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30を伸張作動させて、ロータリ耕耘装置37を地面から大きく上昇させて、制御弁41によりPTOクラッチ39を遮断状態に操作するものである。
【0061】
バックアップ制御手段は、機体が前進状態であると、前項[6]に記載のポジション制御手段〜レーザー制御手段、及び前項[7]に記載のローリング制御手段を作動させ、制御弁41によりPTOクラッチ39を伝動状態に操作し、機体が後進状態であると、前項[6]に記載のポジション制御手段〜レーザー制御手段、及び前項[7]に記載のローリング制御手段を停止させ、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30を伸張作動させて、ロータリ耕耘装置37を地面から大きく上昇させて、制御弁41によりPTOクラッチ39を遮断状態に操作するものである。
【0062】
図5に示すように、オートアップスイッチ55を押し操作するごとに、オートアップ制御手段の作動状態及び停止状態が交互に選択されるのであり(制御手段の状態に相当)、オートアップ制御手段の作動状態及び停止状態のどちらが選択されたかを表示するランプ65が、操作パネル47に備えられている。
バックアップスイッチ56を押し操作するごとに、バックアップ制御手段の作動状態及び停止状態が交互に選択されるのであり(制御手段の状態に相当)、バックアップ制御手段の作動状態及び停止状態のどちらが選択されたかを表示するランプ66が、操作パネル47に備えられている。
【0063】
前項[6]に記載のポジション制御手段、オートアップ制御手段、バックアップ制御手段において、高さ規制スイッチ54を操作することにより、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30を伸張作動させて、右及び左のリフトアーム29を上方に揺動駆動する際の上限位置を設定及び変更することができる。
高さ規制スイッチ54により、上限位置に対応する右及び左のリフトアーム29の上下角度を設定するのであり、ポジション制御手段、オートアップ制御手段、バックアップ制御手段において、角度センサー36の検出値が上限位置に対応する右及び左のリフトアーム29の上下角度に達すると、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30が停止する。前述のように右及び左のリフトシリンダ30が停止した状態において、高さ規制スイッチ54により上限位置を「高」及び「低」側に変更すると、角度センサー36の検出値が上限位置に対応する右及び左のリフトアーム29の上下角度に維持されるように、制御弁33により右及び左のリフトシリンダ30が伸縮作動する。
【0064】
[9]
次に、制御装置18に備えられる第1制御モード、及び第2制御モードについて説明する。
図6及び図7に示すように、押しボタン型式の選択スイッチ67(選択手段に相当)(変更手段に相当)が備えられて、選択スイッチ67の操作信号が制御装置18に入力されている。図1及び図6に示すように、操縦ハンドル26の前方に備えられる操縦パネル69に、複数の表示ランプで構成された表示パネル68(表示手段に相当)が備えられており、制御装置18により表示パネル68が操作される。
【0065】
図7に示すように、第1制御モードM1において以下の項目が記憶される。
昇降切換スイッチ49の状態(ポジション制御手段の作動状態、第1昇降制御手段の作動状態、第2昇降制御手段の作動状態、ドラフト制御手段の作動状態、レーザー制御手段の作動状態のうちのどれが選択されているのか)。
ローリング切換スイッチ50の状態(複数の補正値(係数)のうちのどれが選択されているのか、位置制御モードが選択されているのか)。
オートアップスイッチ55の状態(オートアップ制御手段の作動状態及び停止状態のどちらが選択されているのか)。
バックアップスイッチ56の状態(バックアップ制御手段の作動状態及び停止状態のどちらが選択されているのか)。
第1走行選択スイッチ45の状態(二輪駆動制御手段の作動状態、標準四輪駆動制御手段の作動状態、増速四輪駆動制御手段の作動状態のうちのどれが選択されているのか)。 第2走行選択スイッチ46の状態(自動ブレーキ制御手段の作動状態及び停止状態のどちらが選択されているのか)。
【0066】
第2制御モードM2において、第1制御モードM1とは異なる昇降切換スイッチ49の状態、ローリング切換スイッチ50の状態、オートアップスイッチ55の状態、バックアップスイッチ56の状態、第1走行選択スイッチ45の状態、第2走行選択スイッチ46の状態が記憶される。
【0067】
図6及び図7に示すように、選択スイッチ67を押し操作するごとに、第1制御モードM1及び第2制御モードM2が交互に選択される。第1制御モードM1が選択されると、第1制御モードM1の状態(昇降切換スイッチ49〜第2走行選択スイッチ46)が表示パネル68に表示されるのであり、第2制御モードM2が選択されると、第2制御モードM2の状態(昇降切換スイッチ49〜第2走行選択スイッチ46)が表示パネル68に表示される。
第1制御モードM1(第2制御モードM2)が選択された状態において、昇降切換スイッチ49、ローリング切換スイッチ50、オートアップスイッチ55、バックアップスイッチ56、第1走行選択スイッチ45、第2走行選択スイッチ46を操作すると、操作後の状態が表示パネル68に表示されて、第1制御モードM1(第2制御モードM2)に記憶される。
【0068】
図6及び図7に示すように、第1制御モードM1が選択された状態において、選択スイッチ67を設定時間以上に押し続けると、第1制御モードM1が後述する初期モードM3に変更されて、初期モードM3の状態が表示パネル68に表示される。再び選択スイッチ67を設定時間以上に押し続けると、初期モードM3に変更される前の第1制御モードM1に復帰し、初期モードM3に変更される前の第1制御モードM1の状態(昇降切換スイッチ49〜第2走行選択スイッチ46)が表示パネル68に表示される。
【0069】
図6及び図7に示すように、第2制御モードM2が選択された状態において、選択スイッチ67を設定時間以上に押し続けると、第2制御モードM2が後述する初期モードM3に変更されて、初期モードM3の状態が表示パネル68に表示される。再び選択スイッチ67を設定時間以上に押し続けると、初期モードM3に変更される前の第2制御モードM2に復帰し、初期モードM3に変更される前の第2制御モードM2の状態(昇降切換スイッチ49〜第2走行選択スイッチ46)が表示パネル68に表示される。
【0070】
図7に示すように、初期モードM3は農用トラクタの工場出荷時に事前に設定されているものであり、初期モードM3において以下のように第1制御モードM1(第2制御モードM2)が変更される。
昇降切換スイッチ49の状態(ポジション制御手段の作動状態)。
ローリング切換スイッチ50の状態(位置制御モード)。
オートアップスイッチ55の状態(オートアップ制御手段の停止状態)。
バックアップスイッチ56の状態(バックアップ制御手段の停止状態)。
第1走行選択スイッチ45の状態(二輪駆動制御手段の作動状態)。
第2走行選択スイッチ46の状態(自動ブレーキ制御手段の停止状態)。
【0071】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、第1制御モードM1(第2制御モードM2)が選択された状態で、選択スイッチ67を設定時間以上に押し続けて、第1制御モードM1(第2制御モードM2)が初期モードM3に変更された場合、この後に再び選択スイッチ67を設定時間以上に押し続けても、初期モードM3に変更される前の第1制御モードM1(第2制御モードM2)に復帰できないように構成してもよい。
この場合、再び選択スイッチ67を設定時間以上に押し続けても、第1制御モードM1(第2制御モードM2)が初期モードM3から変更されないので、昇降切換スイッチ49〜第2走行選択スイッチ46を操作することにより、第1制御モードM1(第2制御モードM2)の状態(昇降切換スイッチ49〜第2走行選択スイッチ46)を変更する。
【0072】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、押しボタン型式の選択スイッチ67に代えて、シーソー型式の揺動型式の選択スイッチ(図示せず)を使用してもよい。この場合、第1制御モードM1(第2制御モードM2)を初期モードM3に変更する為の別の操作スイッチ(図示せず)(変更手段に相当)を備えてもよい。
【0073】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、第1制御モードM1及び第2制御モードM2ばかりではなく、3個以上の制御モードが記憶されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】農用トラクタ及びロータリ耕耘装置の全体側面図
【図2】走行系の伝動構造を示す概略図
【図3】右及び左のサイドブレーキペダル、右及び左のサイドブレーキ、右及び左の操作シリンダ、右及び左の連係ロッドの構成を示す図
【図4】農用トラクタの後部及びロータリ耕耘装置の斜視図
【図5】操作パネルの平面図
【図6】前輪変速装置、右及び左の操作シリンダ(右及び左のサイドブレーキ)、右及び左のリフトシリンダ、ローリングシリンダ、PTOクラッチ等の連係状態を示す図
【図7】第1制御モード及び第2制御モード、初期モードの関係を示す図
【符号の説明】
【0075】
45,46,49,50,55,56 設定操作具
67 選択手段、変更手段
68 表示手段
M1,M2 制御モード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御手段と、前記制御手段の状態を人為的に変更可能な設定操作具とを備えて、 複数の制御モードを備え、前記制御モードの各々において制御手段の状態を記憶可能に構成し、前記制御モードに記憶された状態を設定操作具により変更可能に構成して、
前記複数の制御モードのうちの一つを人為的に選択する選択手段を備え、
前記選択手段により選択された制御モードの状態に基づいて、前記制御手段が作動するように構成してある作業車。
【請求項2】
前記選択手段により選択された制御モードの状態を表示する表示手段を備えてある請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記選択手段により選択された制御モードの状態を、事前に設定された初期状態に変更可能な変更手段を備えてある請求項1又は2に記載の作業車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−11811(P2010−11811A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−175974(P2008−175974)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】