説明

使用モードに基づいたアンテナ選択

【課題】無線通信機能を有する機器において、信号受信を改善し、無線通信をより確実にする。
【解決手段】無線通信機器の使用される向きや構成に基づいて無線通信機器の使用モードを判定し(704)、無線通信機器の4つのコーナーに配置された複数のアンテナのサブセットの中から、使用モードに対応する無線通信に対して、ユーザーから最も遠位な縁にある最良のアンテナのサブセットである、横のアレイ(706)あるいは縦のアレイ(708)を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機能を備えた機器に関する。
【背景技術】
【0002】
長い間、コンピュータに無線通信機能を装備することに関心が持たれてきたが、ごく最近になって、こうした機能は必要不可欠であるとみなされるようになった。強力な携帯電子機器が急激に増加することにより、それに比例してこれらの機器間の通信を容易にすることが必要になった。既存のインタフェースケーブルは、扱いにくく、制限があるので、システム設計者は、今ではほとんどの最新の携帯電子機器に対し無線通信機能を提供している。
【0003】
今日、(携帯)無線通信機能には5つの主なタイプがある。すなわち、赤外線ポート、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、セルラ又は無線広域ネットワーク(WWAN)及び衛星である。赤外線ポートを装備する機器は、赤外線信号を使用して通信し、他の4つの主なタイプの無線通信を使用する機器は、無線周波数(RF)信号を使用して通信する。赤外線信号は容易にブロックされ、通常の通信範囲は非常に限られている(たとえば約5m)。WPANは、一般に、非常に低出力のRF信号を使用し、それにより通常、通信範囲がおよそ10m辺りまでに制限される。(それらの目標となる用途はケーブルの代りである。)WLANは、有線ベースのローカルエリアネットワーク(LAN)に対する無線代替物であり、それらの範囲はおよそ100mである。セルラ機器の通信範囲は、実質的により広く(約20km)、それらは、電気通信ネットワークが到達すればいかなる場所で通信するためにもセルラ基地局のネットワークに依存する。同様に、衛星電話は、軌道衛星のネットワークを介して数千キロメートル離れた基地局にアクセスすることができ、電気通信ネットワークが到達すればいかなる場所でも通信することができる。
【0004】
無線通信では、受信側機器に送信されるエネルギーは、送信側機器からの距離が離れるに従って急速に低下する。送信側機器及び受信側機器の周囲の環境は、反射及び減衰をもたらすさまざまな物体を含む。こうした問題に対処する1つの確実な方法は、アンテナダイバーシティである。受信側機器にアンテナのアレイが設けられる場合、受信側機器は、場合によってはアレイを送信側機器に「集中させる」ような方法で、又は他の場合、単にいくつかの方向の感度を強化し他の方向の感度を抑制するような方法で、さまざまなアンテナからの信号を組み合わせることができる。アンテナアレイの指向性により、信号受信を改善し、無線通信をより確実にすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
不都合なことに、携帯機器にアンテナダイバーシティ技法を組み込むことに対し、いくつかの障害がある。こうした機器は、種々の向きにおいて使用される可能性があり、その場合、アンテナアレイの向きが望ましくない向きに変更される場合がある。また、機器のユーザの相対位置が変化する可能性があり、それによりアレイの1つ又は複数のアンテナの受信が影響を受ける。また、携帯機器の物理的なサイズは、通常最小化されており、アンテナの間隔は限られている。さらに、携帯機器は、リソースが限られている可能性があり、アンテナアレイの構成に対応する処理能力及び速度が限られる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本明細書では、使用モードに基づくアンテナ選択を採用した装置及び方法が開示されている。実施形態によっては、方法は、機器の使用モードを決定することと、機器において利用可能な複数のアンテナのサブセットを選択することとを含む。選択されるサブセットは使用モードに対応する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の例示的な実施形態の詳細な説明のために、ここで、添付図面を参照する。
【0008】
以下の説明及び特許請求の範囲を通して、特定のシステムコンポーネントを指すためにいくつかの用語を使用する。当業者は理解するように、会社によって、1つのコンポーネントを異なる名称で呼ぶ場合がある。この文書は、名称は異なるが機能は異ならないコンポーネントを区別することを意図していない。以下の論考において且つ特許請求の範囲において、「含む、有する」及び「具備する、備える」という用語は、限定的でないように使用されており、そのため、「含むが、それに限定されない」を意味するように解釈されなければならない。また、「結合する」という用語は、間接的な電気接続又は直接的な電気接続のいずれをも意味するように意図される。このため、第1の機器が第2の機器に結合する場合、その接続は、直接的な電気接続によるものであってもよく、又は他の機器及び接続を介して間接的な電気接続によるものであってもよい。
【0009】
以下の論考は、本発明のさまざまな実施形態に関する。これらの実施形態のうちの1つ又は複数は好ましい場合があるが、開示する実施形態は、本開示又は請求項の範囲を限定するものとして、解釈されるべきでも他の方法で使用されるべきでもない。さらに、当業者は、以下の説明は広く応用することができ、いかなる実施形態の論考も、単にその実施形態を例示することが意図されており、開示又は請求項の範囲はその実施形態に限定されることを示唆するようには意図されていない、ということを理解するであろう。
【0010】
図1は、キーボード構成で用いられるコンピュータ102(たとえば、タブレットポータブルコンピュータ)の例を示す。この構成では、モニタ104はキーボード106に対して垂直になるよう角度が調節され、ユーザは、ラップトップとほぼ同じようにコンピュータとやり取りを行うことができる。言い換えれば、ユーザは、モニタ104に情報を表示し、キーボード106を介して、且つ/又はキーボード106と一体化するか又はキーボード106の外部に取り付けられるポインティングデバイスを介して、コマンド又は他の情報を入力する。
【0011】
しかしながら、タブレットコンピュータには別の構成がある。モニタ104を、ピボット108で回転させ、ヒンジ110で平らになるよう角度を調整することができる。このようにモニタ104を移動させることにより、コンピュータは図2に示すようなタブレット構成になる。タブレット構成では、ユーザは、タッチセンシティブスクリーン112を介してコンピュータとやり取りを行う。タッチセンシティブスクリーンは、ユーザが選択できる動作及びオプションに関する視覚情報を提供する。ユーザは、その視覚情報が表示される画面に触れることにより、動作又はオプションを選択することができる。(実施態様によっては、ユーザは、スタイラス、一般的な先の尖った物体、さらには指を使用してもよい。)。実施形態によっては、ユーザは、テキスト又は形状を、単にタッチセンシティブスクリーン上で描くことによって入力してもよい。
【0012】
図3は、本発明のいくつかの実施形態による例示的な携帯コンピューティング機器のアンテナ構成を示す。4つのアンテナ152、154、156及び158がモニタ104の4つのコーナに配置されており、又はより一般的には、表示画面を有する略矩形の面の各コーナの近傍に配置される。実際には、より多くの数又はより少ない数のアンテナを採用してもよい。コンピューティング機器の向きに応じて、いくつかのアンテナは、他のアンテナよりよく受信するように期待される。あるいは、向きが異なると、アンテナの異なる組合せが所望の方向感受性を提供してもよい。
【0013】
したがって、携帯コンピューティング機器を、コンピューティング機器の構成に基づいて、無線通信のためにアンテナのいくつかのサブセットを自動的に選択するように構成する。たとえば、コンピュータ102は、図1に示すようなキーボード構成で用いられる場合、無線通信のために最上面に沿ったアンテナを自動的に選択する。したがって、この構成ではコーナアンテナ152及び154(図3)を選択する。逆に、コンピュータ102は、図2に示すようにタブレット構成で用いられる場合、ユーザから最も遠位な縁に沿ったアンテナを自動的に選択する。したがって、コンピュータスクリーン112が縦向きで動作している場合は、無線通信のためにアンテナ154及び156が選択される。あるいは、スクリーン112が反転した縦向きに配置される場合は、アンテナ158及び152が選択され、スクリーンが横向きに配置される場合は、アンテナ152及び154が選択され、スクリーンが反転した横向きに配置される場合は、アンテナ156及び158が選択される。
【0014】
上述した例において選択されるアンテナサブセットは、携帯コンピュータの構成の各々に対し予測される使用の向きに基づいて選択される。この手法は、無線通信に対し最良のアンテナサブセットを推定する高速かつ簡単な方法を提供する。アンテナサブセットを使用することにより、送受信機の設計をより簡単にすることができ、有利であり、高速に変化する通信環境における「アンテナホッピング」も低減する。
【0015】
ハンドヘルド機器には関連する問題点がある。図4〜図6は、3つのそれぞれの向きにあるハンドヘルド機器202を示す。すなわち左手操作用の横向き(図4)、縦向き(図5)及び右手操作用の横向き(図6)である。ハンドヘルド機器202はまた、第4の「反転した縦」向きで動作可能であってもよい。
【0016】
ハンドヘルド機器202は、縦モード及び横モードで表示することができるグラフィカルユーザインタフェースを提供するように構成される表示画面206を備える。ユーザは、表示画面206にオプションを表示し、表示したオプションのうちの1つ又は複数を、制御部208を用いて選択することにより、又はタッチセンシティブの表示画面206上で所望のオプションに触れることにより、ハンドヘルド機器202とやり取りを行う。ハンドヘルド機器202のタッチセンシティブエリアで選択を行い、又は直接情報を入力するために、ハンドヘルド機器202にスタイラス210を設けてもよい。表示画面206によって提供されるオプションは、ハンドヘルド機器202がとるべき動作を表してもよい。たとえば、ハンドヘルド機器202は、実行されるべきソフトウェアを表すアイコン、開かれるべきファイル、又は取り込まれるべき情報を表示してもよい。制御部208を、制御部が押下された時にハンドヘルド機器202がとるべきさまざまな動作と、プログラム可能に関連付けしてもよい。こうした動作は、選択されるべき異なるオプションを強調表示すること、特定のソフトウェアを実行すること、又はネットワーク若しくは別の機器へのリモート接続を確立することであってもよい。
【0017】
多くのハンドヘルド機器は、2400〜2483.5MHzの産業、科学及び医療用(ISM)周波数帯域を採用する。この周波数範囲には、水分子の共振周波数が含まれるので、この周波数範囲は、一般に、電子レンジに採用される。非常に多くの干渉源があることから、FCCはこの周波数帯域を無免許で使用することを認め、ISM帯域はハンドヘルド機器のメーカが一般に選択する帯域となった。不都合なことに、人間の身体の大部分が水でできているため、ユーザの手は減衰の著しい原因となる。ユーザは、ハンドヘルド機器を保持している際、1つ又は複数のアンテナを覆っている場合があり、それによりこれらのアンテナが無線通信に適当でなくなる。
【0018】
たとえば、ハンドヘルド機器202が左手操作用の横位置で使用される場合(図4)、アンテナ156及び158(図3)がユーザの手で覆われる可能性がある。同様に、ハンドヘルド機器202が縦向きで使用される場合(図5)、アンテナ152及び158(図3)が覆われる可能性がある。ハンドヘルド機器202が右手操作用の横向きで使用される場合、アンテナ152及び154が覆われる可能性があり、ハンドヘルド機器202が反転した縦向きで使用される場合、アンテナ154及び156が覆われる可能性がある。
【0019】
コンピュータ102及びハンドヘルド機器202等の機器は1つ又は2つのみでなくそれより多くの位置で動作可能なことが多い。それは、ユーザがさらなる向きのうちの1つがより適当であると感じる場合があるためである。たとえば、左利きのユーザは、制御部208が左手で容易に操作することができるので、左手操作用の横向き(図4)を好む場合があり、右利きのユーザは右手でのより容易な使用のために右手操作用の横向きを好む場合がある。他の考慮事項には、デバイスポート、電源及び赤外線通信の利用し易さが含まれてもよい。
【0020】
図7は、例示的なコンピュータアーキテクチャ600のブロック図を示す。この図は、コンピュータ102の極めて典型的なものであり得るが、ハンドヘルド機器にはより単純なアーキテクチャが考えられる。コンピュータアーキテクチャ600は、CPUバスを介してブリッジロジックデバイス606に結合されたプロセッサ(CPU)602を備える。ブリッジロジックデバイス606は、単に、コンピュータシステム図面の上端に示されることが多いという理由で、「ノースブリッジ」と呼ばれる場合がある。ノースブリッジ606はまた、メモリバスを介してメインメモリアレイ604に結合し、さらに、アクセラレイテッドグラフィックポート(AGP)バスを介してグラフィックスコントローラ608に結合してもよい。ノースブリッジ606は、CPU602、メモリ604及びグラフィックスコントローラ608を、PCIバス又はEISAバス等の一次拡張バス(BUS A)を通してシステムの他の周辺デバイスに結合する。オーディオデバイス614、ネットワークインタフェースカード(NIC)616及び無線通信モジュール618等、BUS Aのバスプロトコルに準拠するさまざまなコンポーネントがこのバス上に存在してもよい。これらのコンポーネントを、図示するようにマザーボード上に統合してもよく、又はそれらをBUS Aに接続される拡張スロット610にプラグ接続してもよい。技術が進歩し、より高性能のシステムがますます求められるに従い、以前は別々のプラグインコンポーネントであったデバイスの多くを、マザーボードに統合する傾向が高まっている。
【0021】
通常の場合のように、コンピュータに他の二次拡張バスが設けられる場合、一次拡張バス(BUS A)を二次拡張バス(BUS B)に結合するために別のブリッジロジックデバイス612が使用される。このブリッジロジック612は、通常のコンピュータシステム図面におけるノースブリッジ606に対する位置を反映して「サウスブリッジ」と呼ばれる場合がある。ハードディスクコントローラ622、フラッシュROM624及びスーパーI/Oコントローラ626等、BUS Bのバスプロトコルに準拠するさまざまなコンポーネントがこのバス上に存在してもよい。
【0022】
スーパーI/Oコントローラ626は、通常、キーボード630、マウス632、フロッピー(登録商標、以下同じ)ディスクドライブ628、パラレルポート、シリアルポート及びJTAGインタフェース等の基本入出力デバイスとインタフェースする。JTAGは、ジョイントテストアクショングループを表し、統合されたコンポーネントの試験及び構成のためのIEEE標準である。
【0023】
無線通信モジュール618は2つのアンテナポートを有する。これら2つのアンテナポートは、スイッチ619及び620を介して4つのアンテナに結合される。スイッチ619は、アンテナANT1及びANT3のうちの選択可能な方をモジュール618の第1のアンテナポートに結合する。これらのアンテナは、図3に示すように、ポータブルコンピュータの斜め向かいのコーナにあってもよい。同様に、スイッチ620は、アンテナANT2及びANT4のうちの選択可能な方をモジュール619の第2のアンテナポートに結合する。これらのアンテナもまた、図3に示すように斜め向かいのコーナにあってもよい。この構成により、2つのアンテナポートをコンピュータ102の任意の縁の隣接するアンテナに結合することができる。
【0024】
情報搬送媒体により、ソフトウェアが、プロセッサ602によって実行することができるようになる。情報搬送媒体の例には、フロッピーディスク、光ディスク、ポータブルハードディスク、不揮発性集積回路メモリ、コンピュータネットワーク及び無線リンクが含まれる。プロセッサ602は、ソフトウェアを、実行する際にメモリ604に格納する。メモリ604のソフトウェアは、プロセッサ602を、コンピュータの使用モードを監視し、選択されたアンテナサブセットをコンピュータの構成及び/又は向きに対応するように調整するように構成する。図示する実施形態では、プロセッサ602は、JTAGインタフェース627のレジスタにアクセスすることによりアンテナサブセット選択を調整する。これらのレジスタを介して、プロセッサ602は、スイッチ619及び620を含むさまざまなデジタル制御されるスイッチを構成する。このように、プロセッサ602は、コンピュータ600のハードウェア構成を調整し、特に、無線モジュール618に結合されるアンテナを選択する。プロセッサ602によって適当に構成されると、無線モジュール618は、それが結合される1つ又は複数のアンテナを使用して無線通信リンクを確立し維持する。
【0025】
図8は、例示的なアンテナ選択方法のフローチャートである。この方法は、汎用プロセッサによって実行されるソフトウェアルーチンの形態をとってもよく、あるいは、専用ハードウェアの形態をとってもよい。そのソフトウェアの実施形態では、プロセスを磁気ディスク又は光ディスクに格納してもよく、あるいは、コンピュータ間の通信リンクのネットワークを介してコンピュータに利用可能としてもよい。(本明細書では、「情報搬送媒体」という用語を使用して、コンピュータが実行すべきソフトウェアを取得することができる情報源を指す。たとえば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク(「DVD」)、インターネット、イーサネット(登録商標)リンク及び無線リンクがある。)コンピュータは、情報搬送媒体から方法ソフトウェアを取得し、そのソフトウェアのすべて又は一部を迅速にアクセスするためにメモリ604に格納してもよい。
【0026】
例示的な選択方法の実施形態は、無線ネットワークが無線通信リンクを確立するために利用可能であるか否かを監視する監視状態702から始まる。監視を、任意のアンテナに対して実行してもよく、監視には、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の存在を示すビーコンフレーム又は他のブロードキャストIDを監視することが含まれてもよい。あるいは、監視は、ユーザ構成可能パラメータの監視であってもよいという点においてユーザ指向であってもよい。パラメータが、無線通信が望まれていないことを示すように設定されている場合、機器は、WLANを検出するように又は無線接続を確立するように試みない。しかしながら、パラメータが、無線接続が望まれていることを示すように設定されている場合、機器はブロック704に進む。
【0027】
ブロック704において、機器は、使用モードを決定する試験を実行する。図示する実施形態では、使用モードは、画面の向きが横であるか縦であるかによって決定される。しかしながら、他の使用モードがあってもよく、画面の向き及び/又はさらなるパラメータに基づいて決定されてもよい。たとえば、機器はキーボードが利用可能であってもよく、使用モードの決定は、少なくとも、キーボードが用いられているか否かに基づいてもよい。すなわち、1つの使用モードは、キーボードが広げられたデバイス構成に対応し、別の使用モードは、キーボードが収容されたデバイス構成に対応してもよい。同様に、機器はスタイラス又は他のポインティングデバイスを有してもよく、使用モードは、少なくとも、そのスタイラス又は他のポインティングデバイスが使用中であるか否かに基づいてもよい。ユーザが左利きであるか右利きであるかの情報を機器に与えてもよく、それを使用モードの決定の際の1つのパラメータとして使用してもよい。使用モードのセットのいくつかを例として以下に示す。
【0028】
{横、縦}
{横、反転横、縦、反転縦}
{タブレットモード、キーボードモード}
{クリップボードモード、ラップモード、デスクモード、ウォールマウントモード}
{左手操作用横、縦、右手操作用横}
{ドッキング、非ドッキング}
図示する実施形態では、機器は、使用モードが横である場合、ブロック706に進み、使用モードが縦である場合、ブロック708に進む。ブロック706において、機器は横モード用のアンテナサブセットを選択する。横モードのアンテナサブセットは、ディスプレイが横向きに構成されるとき、機器の上縁の近傍にあると予測されるアンテナを含む。ブロック708において、機器は縦モード用のアンテナサブセットを選択する。縦モードのアンテナサブセットは、同様に、ディスプレイが縦向きに構成されるとき、機器の上縁の近傍にあると予測されるアンテナである。
【0029】
ブロック706及びブロック708から、機器はブロック710に入る。ブロック710は、使用モードの変化が検出されるまでプロセスが待機する監視状態を表している。検出には、画面の向きが変化したという判断、キーボードが用いられている又は格納されているという判断、ポインティングデバイスが移動したという判断、ユーザ制御パラメータが変化したという判断、又は使用モードが変化したことを示す別の事象が発生したという判断を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】キーボード構成での例示的なタブレットコンピュータを示す図である。
【図2】タブレット構成での例示的なタブレットコンピュータを示す図である。
【図3】いくつかの実施形態による例示的なアンテナ構成を示す図である。
【図4】左手操作用の横向きでの例示的なハンドヘルドコンピュータを示す図である。
【図5】縦向きでの例示的なハンドヘルドコンピュータを示す図である。
【図6】右手操作用の横向きでの例示的なハンドヘルドコンピュータを示す図である。
【図7】いくつかの実施形態による例示的なコンピュータのブロック図である。
【図8】いくつかの実施形態による例示的なアンテナ選択方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
104 モニタ
106 キーボード
152〜158 アンテナ
619、620 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を構成する方法であって、
前記機器の少なくとも4つのコーナーの近くにアンテナを配置し、
前記機器の横向きの使用モード及び前記機器の縦向きの使用モードでの使用のために前記コーナーのアンテナのサブセットであって、前記サブセットの各々が前記コーナーの少なくとも2つの前記アンテナ有する前記サブセットを予め決め、
前記機器が前記横向きの使用モード又は前記縦向きの使用モードのいずれであるかを動的に検出し、
前記検出に基づいて、前記コーナーの前記アンテナの前記予め決められたサブセット間でスイッチすることを含むことを特徴とする機器を構成する方法。
【請求項2】
前記機器の反転した横向きの使用モード及び前記機器の反転した縦向きの使用モードでの使用のために前記コーナーの複数のアンテナのサブセットであって、前記サブセットの各々が前記コーナーの少なくとも2つのアンテナ有する前記サブセットを予め決め、
前記機器が前記反転した横向きの使用モード又は前記反転した縦向きの使用モードのいずれであるかを動的に検出し、
前記検出に基づいて、前記コーナーの前記アンテナの前記予め決められたサブセット間でスイッチすることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各使用モードの前記サブセットは、前記機器の前記ディスプレイがその使用モードの向きで使用されるとき、前記機器の、ユーザから最も遠位の縁の近傍にあると予測される前記コーナーのアンテナを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各使用モードの前記サブセットは、前記機器の前記ディスプレイがその使用モードの向きで使用されるとき、前記機器の最上縁の近傍にあると予測される前記コーナーのアンテナを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記機器のキーボード使用モード及び前記機器のタブレット使用モードでの使用のために前記コーナーのアンテナのサブセットであって、前記サブセットの各々が前記コーナーの少なくとも2つのアンテナ有する前記サブセットを予め決め、
前記機器が前記キーボード使用モード又は前記タブレット使用モードのいずれであるかを動的に検出し、
前記検出に基づいて、前記コーナーの前記アンテナの前記予め決められたサブセット間でスイッチすることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
携帯コンピューティング機器であって、
異なる複数のアンテナダイバーシティ構成を提供する少なくとも4つのコーナーのアンテナと、
無線モジュールと、
前記機器の横向きの使用モードのときに、前記無線モジュールに前記コーナーのアンテナの第1の予め決められたサブセットを選択的に結合し、前記機器の縦向きの使用モードのときに、前記無線モジュールに前記コーナーのアンテナの第2の予め決められたサブセットを選択的に結合する少なくとも1つのスイッチとを備えることを特徴とする携帯コンピューティング機器。
【請求項7】
前記機器の前記使用モードを動的に決定するように構成されるプロセッサをさらに備え、
前記少なくとも1つのスイッチを適宜にセットするようにさらに構成されていることを特徴とする請求項6に記載の機器。
【請求項8】
利用可能なキーボードをさらに備え、
キーボード使用モードのときに、前記スイッチは、前記コーナーのアンテナの第3の予め決められたサブセットを選択的に結合することを特徴とする請求項6に記載の機器。
【請求項9】
前記機器はタブレット使用モード及びキーボード使用モードを有するタブレットコンピュータであり、
前記タブレット使用モード及び前記キーボード使用モードの間に、前記スイッチは、前記コーナーのアンテナの予め決められた異なるサブセットを選択的に結合することを特徴とする請求項6に記載の機器。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスイッチは、前記コーナーのアンテナのうちの2つを前記無線モジュールに結合する第1のスイッチを含み、
前記機器は、前記コーナーのアンテナのうちの別の2つを前記無線モジュールに結合する第2のスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の機器。
【請求項11】
前記第1のスイッチによって前記無線モジュールに結合される前記コーナーのアンテナは、前記タブレットコンピュータの斜め向かいのコーナーの近傍にあることを特徴とする請求項9に記載の機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−112024(P2009−112024A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310753(P2008−310753)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【分割の表示】特願2006−149586(P2006−149586)の分割
【原出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】