保護された共振器
コア共振器(42)を環境効果および経年劣化効果の両方から離隔するバルク音波共振器構造(52)。この構造は、少なくとも部分的に2つの電極(14、18)の間に配置された圧電層(16)を有する。この構造は、汚染、パッケージ漏れ、および外部効果による圧電材料(16)に対する変化に抗して保護されながら、依然として慣性抵抗をもたらす。この構造は、経年劣化効果を規定の閾値以下に制限する、1つまたは複数の保護要素を有する。共振器の挙動は、直列共振においてのみならず、共振の全帯域幅にわたって安定化される。保護要素の例は、周辺および縁部に関連する環境的現象および経年劣化現象をコア共振器から遠ざけておくようにコア共振器を取り巻く材料のカラー(44)と、圧電層の上または下に形成されたブラッグ反射器(34、48)と、圧電層を覆って形成されたキャップ(60)とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2009年1月26日に出願した「Protected Resonator」という名称の米国特許出願第12/321,860号の利益を主張するものである。
【0002】
環境効果(environmental effect)および経年劣化(aging)の影響をほとんど受けない高安定共振器、より詳細には薄膜バルク音波共振器が、本明細書で開示される。
【背景技術】
【0003】
バルク音波共振器(FBAR、SMR、HBAR、他)の応答は、その特性、とりわけ周波数において、長期にわたるドリフトを示す。この時間依存性の長期にわたる変化は、共振器のドリフトとして知られている。ドリフトは、内在的および外在的の両方の要因によって引き起こされ、内在的不安定性は、多くの場合、共振器の経年劣化と呼ばれる。経年劣化は、たとえ外部環境要因が一定に保たれるときでも発生する。従来技術によるSMR構造の一例を、図1に示す。
【0004】
文献では、WallsおよびVig、「Fundamental Limits on the Frequency Stabilities of Crystal Oscillators」、IEEE Transactions On Ultrasonics、Ferroelectrics、And Frequency Control、42(4):576−589頁、1995年7月(本明細書でWallsおよびVig、1995と呼ぶ)、ならびにVigおよびMeeker、「The Aging of Bulk Acoustic Wave Resonators,Filters,and Oscillators」、Proc.45th Ann.Symp.Frequency Control、IEEE Cat.No.91 CH2965−2、77−101頁、(1991年)(本明細書でVigおよびMeeker 1991と呼ぶ)が、共振器および発振器に経年劣化を引き起こすメカニズムの分類法を提示する。これらのメカニズムは、汚染物質の堆積もしくは剥離、結晶の取付構造における応力緩和、電極における変化、パッケージ内の漏れ、および圧電材料における変化による、共振器の表面を出入りする物質移動を含む。他のメカニズムは、温度と応力のサイクリング(ヒステリシス)および慣性効果などの外部環境効果を含む。
【0005】
全体的に、環境効果および経年劣化に抗して共振器を安定にするためのこれまでの試みは、周波数の安定に焦点をおいていた。この努力は、パッケージング設計および取付構造設計に焦点をおいてきた。
【0006】
通常、共振器のパッケージングは、汚染および漏れによって引き起こされる経年劣化に抗して共振器を保護する主要な方法であった。また、パッケージングは、共振器を外部環境効果から部分的に隔離する。
【0007】
水晶共振器を、ある経年劣化現象から保護するために、水晶共振器は、伝統的に、容器内にパッケージングされてきた。多くの例が、従来技術において存在する。例えば、1997年6月24日に発行されたKnechtらの「Method of Hermetically Encapsulating a Crystal Oscillator Using a Thermoplastic Shell」という名称の米国特許第5,640,746号を参照されたい。
【0008】
微小機械化薄膜共振器は、ウェーハ・スケールまたはデバイス・スケールのカプセル化技術を使用してパッケージングされる。多くの例が、従来技術において存在する。シリコン共振器および薄膜バルク音波共振器(FBAR)のような微小機械化薄膜共振器は、支柱および懸架器など、微小機械用支持構造を使用する。また、これらの構造は、結晶共振器に温度で誘発される応力を含む、応力の伝達を最小化するように設計される。例えば、Kimら、「Frequency stability of wafer−scale film encapsulated silicon−based MEMS resonators」、Sensors and Actuators A 136 (2007年) 125−131頁を参照されたい。また、2006年12月26日に発行されたCarleyらの「Encapsulation of MEMS Devices Using Pillar−Supported Caps」という名称の米国特許第7,153,717号を参照されたい。
【0009】
パッケージングの最近の方法は、高いプロフィール(水晶の場合)となってそれらを製品内に一体化することを困難にするか、あるいはそれらの方法は、拘束されない(released)慣性共振器もしくはFBARのような薄膜構造をカプセル化して、加速度もしくは衝撃など、他の形の不安定性の影響を受けやすいかのいずれかである。
【0010】
取付構造は、経年劣化の可能性のある別の場所である。パッケージングで誘発され、結晶に伝達される応力が長期にわたる周波数の経年劣化を引き起こす。
【0011】
水晶共振器は、キャップの下に封止される前は、支持脚を介して取り付けられていた。支持構造は、結晶への応力伝達(したがって、経年劣化)を最小化するために注意深く設計される。多くの例が、従来技術において存在する。例えば、1987年2月10日に発行されたYamashitaの「Mount for quartz crystal oscillator device」という名称の米国特許第4,642,510号を参照されたい。また、1991年7月9日に発行されたKnechtの「Sacrificial Quartz Crystal Mount」という名称の米国特許第5,030,875号を参照されたい。また、機械的取付構造に関連する経年劣化効果を最小化するように、静電浮揚を使用して結晶を浮揚させることが、提唱されてきた。WallおよびVig、1995を参照されたい。
【0012】
共振器の取り付けの最近の方法は、慣性疲労および熱疲労、したがって経年劣化の影響を受けやすい。しかし、これらのアプローチは、いずれも、結晶および/または電極材料自体の保護に対処していない。最近のアプローチは、結晶または電極材料を、経年劣化を含めた環境効果から保護していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,640,746号
【特許文献2】米国特許第7,153,717号
【特許文献3】米国特許第4,642,510号
【特許文献4】米国特許第5,030,875号
【特許文献5】米国特許出願第12/002,524号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】WallsおよびVig、「Fundamental Limits on the Frequency Stabilities of Crystal Oscillators」、IEEE Transactions On Ultrasonics、Ferroelectrics、And Frequency Control、42(4):576−589頁、1995年7月
【非特許文献2】VigおよびMeeker、「The Aging of Bulk Acoustic Wave Resonators,Filters,and Oscillators」、Proc.45th Ann.Symp.Frequency Control、IEEE Cat.No.91 CH2965−2、77−101頁、(1991年)
【非特許文献3】Kimら、「Frequency stability of wafer−scale film encapsulated silicon−based MEMS resonators」、Sensors and Actuators A 136 (2007年) 125−131頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
周波数安定性の持続期間(date)に研究の焦点をおくことは、ある用途に対して適切である。しかし、周波数(f)および時間の両方における、一次共振付近の共振器の全挙動に対してより全体的に焦点をおくことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、コア共振器を環境効果および経年劣化効果の両方から離隔するバルク音波共振器構造に関する。この構造は、汚染、パッケージ漏れ、ならびに電離放射線およびパッケージ応力のような外部効果による、圧電材料に対する変化に抗して保護しながら、依然として優れた慣性抵抗をもたらす。本発明の好ましい実施形態では、この構造は、経年劣化効果を規定の閾値以下に制限する1つまたは複数の保護要素を有する。その閾値は、本明細書では、周波数の関数としての共振器のインピーダンス応答における、ある値以下の転移(shift)として表される。音響共振器デバイスが、各周波数の値に対してインピーダンスの値を有することは、当業者に理解されている通りである。共振器が経年劣化するにつれて、周波数の値に関連するインピーダンスの値が、長期にわたって変化する可能性がある。したがって、設計された、音響共振器に対する周波数fに関連するインピーダンスの値(Z)は、長期にわたって値Ziに変化する可能性がある。本発明は、周波数の変化の速度を、ある水準以下に制限する。
【0017】
より具体的には、音響共振器は、発振器の中で構成されるとき、複素数値のインピーダンスZ=(Za、Zφ)と関連する周波数fOSCで発振する。この複素数値のインピーダンスは、関数g(Z)の値が規定の設計値g0に等しいときに、最初に確定される。その帯域幅内の共振器の挙動におけるドリフトが、複素数値のインピーダンスがg0に関連する値から変化するときに発生する。このドリフトは、複素数値のインピーダンスに関連する発振器周波数(fOSC)における、g0での複素数値のインピーダンスに関連する(fOSC)からの転移として現れる。fOSCにおけるドリフトは、本明細書では、単位時間当たりの特定の複素数値のインピーダンスに関連する周波数におけるppmの変化として表される。本明細書で使用するように、「ppm」は、MHzの尺度に対するHzである。すなわち、5Hzの変化は、1MHzのfOSCにおける5ppmの変化である。fOSCにおける変化の速度は、約5ppm/年以下である。
【0018】
他の実施形態では、このドリフトは、共振器の直列共振または並列共振の変化として測定されうる。共振器の帯域幅にわたって、インピーダンス応答が、特定の周波数に関連する振幅において最小を示すことは、当業者には理解されよう。この最小の振幅に関連する周波数が、直列共振と呼ばれる。最大の振幅に関連する周波数が、並列共振である。また、経年劣化の効果が、直列共振および並列共振に関連する周波数の変化として現れる。これらの好ましい実施形態では、デバイスの直列共振周波数または並列共振周波数のうちの少なくとも一方における転移は、約5ppm/年以下である。
【0019】
本明細書で説明される実施形態によれば、経年劣化を引き起こす効果の緩和は、直列共振または並列共振の周波数ドリフトを単に最小化すること以上のものである。例えば、直列共振周波数は、音響経路および任意の寄生体によって決まる。それゆえ、共振器材料の電気機械結合係数および誘電率(ならびに長期にわたる電気機械結合係数および誘電率の変化)は、直列共振周波数およびその周波数における後続のドリフトを確定することにおいて、影響を及ぼさない。
【0020】
その結果、ある実施形態では、共振器の挙動は、直列共振においてのみならず、共振器の全帯域幅にわたって安定化される。そのような安定性を達成するために、共振器材料の電気機械結合係数および誘電率は、長期にわたって安定でなければならない。本発明の実施形態は、周波数ドリフトの長期的な経年劣化効果のみならず、短期的に環境が引き起こす不安定にも対処する。しかし、ある好ましい実施形態では、共振器の挙動は、直列共振および並列共振の少なくとも一方に対する共振周波数における転移が、デバイスの動作の5ppm/年未満であるように、安定化される。
【0021】
共振器は、周辺および縁部に関連する環境的現象および経年劣化現象をコア共振器から遠ざけておくように、材料、特定の一実施形態では圧電材料、のカラーである保護要素をコア共振器の周りに設けることによって、環境プロセスおよび/または経年劣化プロセスによる材料の劣化の影響から保護される。
【0022】
ある実施形態では、共振器は、複数のエネルギーを閉じ込めるブラッグ層である保護要素で共振器の全面を取り囲むことによって、表面の汚染の影響から保護される。
【0023】
ある実施形態では、パッケージ応力および環境的応力が減衰され、それにより、主たる共振器構造に到達するのが防止される。減衰は、共振器機能部位の上および周りに形成された1層または複数層の保護要素を設けることによって達成される。これらの層は、本明細書でより詳細に説明するように、ブラッグ層、スペーサ層、応力緩和層もしくは封止層、またはそれらの何らかの組合せである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】薄膜固体実装の従来技術のSMR(固体実装型共振器)の断面図である。
【図2】共振器の電気インピーダンスの周波数スペクトルである。
【図3】カラーで取り囲まれたコア共振器を有する、本発明の代替実施形態の断面図である。
【図4】カラーで取り囲まれたコア共振器を有する、代替実施形態の断面図である。
【図5】従来技術のSMR(図1)の周波数スペクトルの図である。
【図6】代替実施形態の周波数スペクトルの図である。
【図7】図5のSMRと同じ材料の従来技術のSMR(図1)の周波数スペクトルの図である。
【図8】図5のSMRと同じ材料の代替実施形態の周波数スペクトルの図である。
【図9】カラーで取り囲まれたコア共振器を有する代替実施形態の断面図である。
【図10】キャップの下にコア共振器、カラーおよびスペーサを有するFBAR構成の別の代替実施形態の断面図である。
【図11】キャップの下にコア共振器、カラーおよびスペーサを有するFBAR構成において、FBARが構造の中央で支持される代替実施形態の断面図である。
【図12】コア共振器およびカラーを有し、ブラッグ反射器として構築されたキャップの下にカプセル化された、反転式SMR構成を有する代替実施形態の断面図である。
【図13】コア共振器およびカラーを有し、代替電極構成を有するブラッグ反射器として構築されたキャップの下にカプセル化された、反転式SMR構成を有する代替実施形態の断面図である。
【図14】fOSCの関数としての共振器の複素インピーダンス応答を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
明確かつ簡潔にするために、諸図面を通して、同じ要素および部品は同じ記号および番号を有する。
【0026】
図1は、薄膜固体実装の従来技術のSMR(固体実装型共振器)10の断面図である。SMRは、下部ブラッグ反射器12、下部電極14、圧電16の層および上部電極18を有する。下部ブラッグ反射器12は、複数の高音響インピーダンス層24および低音響インピーダンス層22の対を有する。各層(22、24)は、材料中の動作モードの1/4音響波長の奇数倍にほぼ等しい厚さを有する。動作モードは、構造で支持され、厚み振動モード、厚みすべりモード、他を含むいくつかの共振モードのうちの1つである。これらのモードのそれぞれに対して、図2に示すような共振器スペクトルが、実現可能である。特定のモードに基づいて1/4音響波長の奇数倍の厚さを選択することで、そのモードにおける音響エネルギーの全反射の最大反射がもたらされる。また、2つ以上の異なるモードにおいて音響エネルギーの良好な反射を得るために、1/4波長の厚さと異なる値に厚さを最適化することが可能である。
【0027】
本発明の実施形態は、一次共振付近の全共振器のインピーダンスのドリフトを低減する。一次共振は、図2を参照して、デバイスの直列共振28の直前から並列共振30のピークの直後までのスペクトルの領域である。直列共振は、通常、インピーダンスが最小である周波数として定義される。並列共振は、多くの場合、インピーダンスが最大の周波数として定義される。両者の間の周波数の範囲は、共振器の帯域幅として知られる。
【0028】
本発明の実施形態は、直列共振および並列共振の少なくとも一方、好ましくは両方の、長期にわたるドリフトを緩和する保護要素を提供する。本発明の好ましい実施形態は、保護要素として一括して称される3つのフィーチャのうちの少なくとも1つを有し、保護要素は、直列共振および/または並列共振におけるこれらの望ましくない転移の主要因である、最も重要な環境効果および経年劣化のメカニズムのうちのいくつかに対処する。そのような実施形態の1つを、図3に示す。第1の例示的な保護要素は、コア共振器42の周りに形成されたカラー44である。図3に示すカラー44は、コア共振器を取り囲む領域であり、コア領域を形成する材料の層を含む。例えば、圧電層16の周辺部は、カラー44の中に延びて、その一部をなす。カラー44は、周辺および縁部に関連する環境的現象および経年劣化現象が、コア共振器42から遠ざけられることを確実にする。
【0029】
コア共振器42は、全側面をブラッグ層(22、24)で取り囲まれるので、汚染物質の堆積の影響を受けない。そのようなブラッグ層は、以前に引用された米国特許出願第12/002,524号に記載されている。
【0030】
代替の一実施形態(図4)では、全体構造52が、エアロゲルなどの低音響インピーダンスで低密度のカプセル材料50である保護要素の中にカプセル化される。この実施形態では、パッケージおよび外部の応力は、構造52に伝達されない。
【0031】
再び図3を参照すると、52の断面図は、カラー44で取り囲まれたコア共振器42を有する。構造52は、圧電層16の下(12)および上(40)の両方にエネルギーを閉じ込めるブラッグ反射器48を有する。また、構造は、下部電極14、スペーサ38の層、任意選択の温度補償層32、上部電極18、任意選択の相互接続34の層、および不動態36の層を有する。各反射器は、複数の高音響インピーダンス層24および低音響インピーダンス層22の対を有する。これらのブラッグ材料層(22、24)のそれぞれは、材料中の動作モードの1/4音響波長の奇数倍に等しい厚さを有する。スペーサ38の層は、材料中の動作モードの1/4音響波長の奇数倍に等しい厚さを有することができる。任意選択の相互接続34の層は、共振器の電極(14、18)をパッド(49)に、またはバイア46を通して下方の基板20内のCMOS回路(図示せず)に電気的に接続する。本発明は、シングルエンドおよび差動の両方の実施形態を企図する。本明細書で使用するように、シングルエンドの実施形態は、上部および下部の電極のそれぞれが、回路に電気的に接続される実施形態である。差動の実施形態では、回路につながる両方の電極が、デバイスの一方の面に配置される。他方の面の電極は、フローティングのままである。
【0032】
図3に示す構造は、以下に示すやり方で形成される。層状構造52は、以下のように、材料の層を堆積させるかまたはパターン形成することによって基板20上に形成される。層は、下部ブラッグ反射器12(高音響インピーダンス層24と低音響インピーダンス層22とを交互に重ねて形成される)および下部電極14を形成するように堆積される。圧電16の材料が、下部電極14の上に堆積される。圧電16の材料は、フォトリソグラフィおよびエッチングでパターン形成される。次いで、電極14、およびいくつかの場合には反射器12が、フォトリソグラフィおよび後続の1つまたは複数のエッチング・ステップによって、同様にパターン形成される。次いで、絶縁スペーサ38の層が堆積され、パターン形成され、それにより、圧電16の材料の部分の上のスペーサ材料が、デバイスが形成されるコア共振器領域42から除去される。それゆえ、スペーサ層は、この実施形態におけるコアおよびカラーの領域を画定する。上部電極18が、圧電16の材料の露出領域の上に形成され、デバイスの活性部が生成される。CMOSデバイスを有する基板上に共振器を一体化することが望まれる製品では、下部電極14へのオーム接点が設けられる。図示の実施形態では、フォトリソグラフィおよびエッチングによって、絶縁スペーサ層38の中を下方の下部電極14まで、バイア46が形成される。次いで、導電性相互接続34が形成されて、電極14および18が、必要に応じて基板内に形成されるCMOSデバイスと電気的に接続される。次いで、上部ブラッグ構造を形成する、エネルギーを閉じ込めるブラッグ反射器層22および24が順に堆積され、続いてパターン形成される。好ましくは、そのようなパターン形成は、後のパッケージングのために、相互接続層34へのアクセスを設ける。次いで、封止層36が構造の上に形成され、環境および環境の影響から活性構造をさらに保護し、離隔する。層36は、本明細書では不動態化層または封止層と呼ばれる。不動態化層または封止層として使用するのに適切な材料の例は、窒化ケイ素、ポリイミド、またはベンゾシクロブテン(BCB)を含む。
【0033】
図4は、保護要素のカラー44で取り囲まれたコア共振器42を有する構造52をやはり有する、本発明の好ましい実施形態の断面図である。低音響インピーダンス材料50である保護要素が、構造52全体を覆って設置される。この材料がデバイスをカプセル化し、外部応力およびパッケージ応力のデバイスへの伝達を減衰させる。図3に示す実施形態と同様に、この実施形態はまた、シングルエンドまたは差動であってよい。長期にわたって変化するパッケージの応力の伝達をさらに低減するために、共振器がパッケージの中に組み付けられた後で、パッケージをプラスティックでオーバーモールドする前に、一般に「グロップ・トップ(glop top)」として知られるカプセル化樹脂(例えば、シリコン)などの柔軟材料の追加層が、共振器の上に堆積されてよい。カプセル化樹脂は当業者によく知られており、本明細書では詳細に説明しない。
【0034】
構造52の上に形成される材料は、エアロゲルなどの低密度、低音響インピーダンスのカプセル化材料50である。層50は、プラスティック・パッケージングの前に構造52の上に堆積される。層52は、外部応力およびパッケージ応力がコア共振器構造42まで伝達されないことを確実にする。
【0035】
上述のように、図3および図4に示すコア共振器42の周りのカラー44は、コア共振器42を大部分の環境効果から離隔する。カラーは、熱、応力または経年劣化効果を、それらがコア共振器42に到達する前に減衰させる。出願者らは、特定の理論に拘束されることを望まないが、カラー44が、コア共振器42の寄生共振器のように働くものと考える。有利には、寄生共振の大きさは、製品の性能要求に適合するように、デバイス設計の間にカスタマイズすることができる。
【0036】
また、上述のように、エネルギーを閉じ込めるブラッグ反射器48の使用は、環境によって放出された外部汚染物質からコア共振器42を離隔するばかりでなく、温度効果および/または応力効果に抗して、コア共振器42のために付加的に封止することをもたらす保護要素である。保護要素50は、これらの応力がコア共振器42まで伝播するのを防ぐために、コア共振器を外部の源(例えば、パッケージ、環境)から保護する応力障壁である。
【0037】
スペーサ38は、環境効果を減衰させるために追加の材料をカラー44の領域内に供給することに加えて、下部電極14を上部電極18から電気的に絶縁するためにも使用される、別の保護要素である。この点で、スペーサ層38が誘電材料(例えば、二酸化ケイ素)であれば有利である。好ましい実施形態では、スペーサ38の層の厚さは、材料中のブラッグ波長の奇数倍にほぼ等しい。ブラッグ波長は、下式
v=v(c33/d) (1)
で定義され、ここで、vは材料中の音速であり、c33は波の伝播方向における材料の剛性係数であり、dは材料密度である。層厚さは、下式
t=Nx(v/f)/4 (2)
で計算され、ここで、tは層厚さであり、fはブラッグ中心周波数である。Nは1以上の奇数である。
【0038】
図14を参照すると、発振器に対するインピーダンス応答が、fOSCの関数として示される。インピーダンス応答は、発振器タイプの共振器デバイスに対して示される。デバイスは、複素数値のインピーダンスZ=(Za、Zφ)で確定される周波数fOSCで発振する。このインピーダンス値は、関数g(Z)の値が規定の設計値g0に等しいときに確定される。共振器の挙動におけるその帯域幅内のドリフトは、共振器のインピーダンスが(Za、Zφ)に等しくなるfOSCの値におけるドリフトをもたらす。fOSCにおけるドリフトは、ppm/時で定量化されうる。本発明によれば、経年劣化効果は、複素数値のインピーダンスZ=(Za、Zφ)に関連する周波数における変化が、5ppm/年以下の速度で変化するように制御される。
【0039】
外部応力および/または電離放射線は、共振器の材料特性を変える可能性がある環境条件の例である。とりわけ、圧電16の特性は、外部要因による変化の影響を受けやすい。図5は、従来技術(図1に示すSMR)によるSMRの共振スペクトルを示す。上述のように、電離放射線または他の外部プロセスが、共振器層の材料構造を、それゆえ共振器層の電気機械特性を、変える可能性がある。これらの変化は、共振器スペクトルにおける変化または転移として現れる。図1に示すようなSMRにおける圧電16の結合係数に10%の減少が存在するとき、共振スペクトルに大きな転移が存在する。図1の構造は、タングステン/酸化物の3.5対のブラッグ反射器層と、AlN(窒化アルミニウム)圧電層16と、モリブデン(MO)電極(14、18)とを有する。直列共振および並列共振は、Agilent Advanced Design System(ADS)2006で実施された1−D音響モデルおよび3−D電気モデルを使用して、この構造に対する長期にわたるモデルを作成された。図1に示す従来技術の構造に対して、共振スペクトルの結合係数における10%の減少の影響が、モデル化された。この図1の構造に対して、図5に示すように、図5は、直列共振54において−510ppmの転移(すなわち、870,570Hzの下方への転移)、および並列共振56において−2200ppmの転移(すなわち、3,790,600Hzの下方への転移)が存在することを示す。直列共振28に比べてより大きな並列共振30の減少は、共振器に対して引き下げられたk2または帯域幅をもたらす。多くの用途に対して、挙動におけるそのような転移は、性能に重大な悪影響を与える可能性がある。
【0040】
図6は、ブラッグ層、圧電層および電極に対して、図5の従来技術の例と同じ材料を有するが、カラー44の材料の圧電16の結合において10%の減少を有する構造52(例えば、図3および図4)の周波数スペクトルの図を示す。図5に示す転移を引き起こしたのと同じ環境条件によって引き起こされたこの変化は、共振スペクトルにおいて、並列共振56における+32ppmの転移(すなわち、54,624Hzの上向きの転移)および直列共振28における0ppmの転移(0転移)の、無視できる転移を結果としてもたらす。2つのデバイスの周波数転移に対する結合係数の影響において観察された差の理由は、図3および図4のデバイスでは、圧電材料の結合係数の変化が、大部分、カラー領域42に閉じ込められたからである。コア共振器44内の圧電材料は、結合係数において、極めてわずかな変化であった。
【0041】
図6に示す例では、共振の転移は、狭帯域の周波数の掃引においてかろうじて見ることができる。極めて狭い帯域を掃引することは、並列共振56において無視できる転移が存在し、直列共振28において転移が存在しないことを明示する。このことは、材料特性に対する環境の悪影響を緩和するカラー44を設けることによって、コア共振器42の性能に影響を与えることなくコア共振器42を保護する、本明細書で説明する構造の能力を示す。
【0042】
図7は、図5の考察(discussion)で特定される(identified)ものと同じ材料を使用する、図1のSMRの周波数スペクトルの図である。図7は、デバイスの頂面(図1の圧電層16)上の0.1μmの厚さの酸化物汚染層による、SMRの共振スペクトルにおける転移を示す。直列共振および並列共振は、上で説明したソフトウェア・ツールを使用して、この構造に対する長期にわたるモデルを作成された。図1に示す従来技術の構造に対して、1つのシナリオにおける経年劣化の物理的効果の一例として、デバイスの頂面上の0.1μmの厚さの酸化物汚染層が、使用の最初の1年にわたって形成されることが予測される。汚染物質は、何らかの期間にわたって任意の速度で堆積する任意の材料であってよい。これは、単に、上部ブラッグの概念および利点を説明するために使用された。これは、直列共振54において−1143ppmの転移(すなわち、1,939,671Hzの下向きの転移)および並列共振56において−2461ppmの転移(すなわち、4,199,697Hzの下向きの転移)を引き起こす。さらに、スプリアス・モード58が、スペクトルの主共振の付近で誘発される。
【0043】
図7は、構造の上に汚染物質が堆積した結果として共振器の応答に発生する大きな変化を示す。直列共振54における大きな負の転移および並列共振56におけるさらに大きな負の転移が、共振器に対して引き下げられたk2または帯域幅をもたらす。さらに、スプリアス・モード58が主共振の付近で誘発されて、挙動をベースラインからさらに変化させる。多くの用途に対して、性能におけるそのような転移は、受け入れがたい。
【0044】
図8は、図5で説明したのと同じ材料で作製された構造52に対する周波数スペクトルの図である。構造は、デバイスの頂面上に、0.1μmの厚さの酸化物汚染層を有する。従来技術のデバイス上のこの層で引き起こされたスペクトルの転移とは対照的に、酸化物汚染は、構造52を有するデバイスの共振スペクトルに、無視できる転移を引き起こす。
【0045】
具体的には、構造52が図1の従来技術の構造と同じ環境汚染の影響を受けるとき、共振の転移は、狭帯域の周波数掃引においてかろうじて見ることができる。図8に示すように、直列共振54において+1ppmの転移(すなわち、1,697Hzの上向きの転移)、および並列共振56において+1.2ppmの転移(すなわち、2,047.8Hzの上向きの転移)が存在する。このことは、共振器が、デバイスの表面に堆積する汚染物質の音響的および電気的効果を減衰させる、エネルギーを閉じ込めるブラッグ構造によって保護されることを示す。
【0046】
付加的な保護要素としてデバイス(図4)の周りにエアロゲル状のカプセル材料50を導入することで、パッケージ応力および慣性応力を共振器デバイスからより遠ざけることによって、両応力をさらに減衰させる。
【0047】
図9は、本発明の別の実施形態である。また、この実施形態は、外部応力から共振器を保護するように構成される。SMR構造が、前に説明したように、保護要素であるカラー44を装備される。次いで、結果としてもたらされた構造が、別の保護要素で覆われる。その保護要素は、汚染物質の影響から共振器を離隔するばかりでなく、パッケージ応力をも減衰させることができるデバイス・レベルの薄膜キャップ60の構造である。この構造では、構造の応力管理機能は、音響共振器の機能と分離される。
【0048】
図9の構造は、以下の順序で作製される。下部ブラッグ反射器12(高音響インピーダンス層24と低音響インピーダンス層22との交互の積み重ね)は、基板20上に層22および層24が複数、交互に積み重なって堆積することによって形成される。下部電極14および圧電16の材料層が、ブラッグ反射器12の上に堆積される。圧電16の材料が、フォトリソグラフィおよびエッチングでパターン形成される。次いで、電極14、およびいくつかの実施形態では反射器12が、フォトリソグラフィおよび1つまたは複数のエッチング・ステップによってパターン形成される。次いで、絶縁スペーサ38の層が堆積され、領域42内の圧電16の材料の部分から絶縁スペーサ38の層を除去するためにパターン形成される。上部電極18が、圧電材料16の露出された領域の上に形成され、デバイスの活性部を生成する。共振器をCMOSデバイスと一体化することが望まれる(それゆえ、下部電極14へのオーム接点を必要とする)製品では、バイア46が、フォトリソグラフィおよびエッチングによって、絶縁層の中を下部電極14まで形成される。導電性相互接続層34が、電極のそれぞれに電気的に接続するために形成される。この点まで、図3および図4に示す実施形態に対して説明された製造プロセスが続く。
【0049】
犠牲層を構造の上に最初に堆積させ、その上にキャップ60の構造を形成し、次いで犠牲層を除去するために構造をパターン形成することによって、保護要素であるキャップ60の構造が、上で説明した構造の上に形成される。もたらされた空間は、完成したデバイスにおいて、真空または希ガスを収容する。犠牲層は、下層にある露出した材料をエッチ・ストップとして使用できる任意の材料で作製されてよい。シリコンは、適切な犠牲層の一例である。図示したようなキャップ層は、内部保護層62および外部封止層64の2層構造である。内部保護層62は、上で説明した犠牲層の上に堆積される。犠牲層は、その中に形成されたバイアを有し、バイアは、保護層が犠牲層の上に形成されるときに保護層の材料で満たされる。これらのバイアは保護層の材料で満たされるので、保護層の材料は、犠牲層が除去されるときに残留する。内部の保護層は、犠牲層が除去された後に残留する保護層の材料によって基板20に固定されたデバイス領域42の上に残留するようにパターン形成される。次いで、犠牲層が完全にエッチング除去され、デバイスおよび保護層62が、支持なしに立つ(freestanding)拘束されない構造として残される。このことは、デバイス構造と保護層62との間のすき間63によって観察される。封止層64は構造の上に堆積され、キャップ60の下に、デバイスをカプセル化する。層62は、アルミナ、窒化ケイ素、金、他など、任意の構造的に堅い材料であってよい。ある実施形態では、層62は、上で説明したようなブラッグ構造として構成される。層64は、下層の構造に対して気密封止をもたらす材料であってよい。アルミナおよび窒化ケイ素が、適切な材料の例である。
【0050】
図9は、カラー44で取り囲まれたコア共振器42を有する、上で説明した代替実施形態66の断面図である。構造66は、下部ブラッグ反射器12、下部電極14、圧電16の層、スペーサ38の層、任意選択の温度補償層32、上部電極18、および任意選択の相互接続34の層を有する。ブラッグ反射器12は、高音響インピーダンス層24および低音響インピーダンス層22が交互に重なる層を有する。ブラッグ反射器は、複数のこれらの層の対を有する。これらの材料層のそれぞれは、材料中の動作モードの1/4音響波長に等しい厚さを有する。共振器構造の上に形成されたキャップ60は、内部保護層62および外被の封止層64を有する。本明細書で説明した他の実施形態と同様に、図9の構造は、シングルエンドでよく、または差動でよい。
【0051】
ある用途に対して、たとえ拘束されない(FBAR)構造が、低減された慣性抵抗を示すとしても、ウェーハ自体に起因する応力が、拘束されない(FBAR)構造を必要とすることを十分に示唆する。図10および図11は、別の代替実施形態66を示す。拘束されないFBARは、コア共振器42を保護するカラー44およびスペーサ38を有する。FBARは、図9に対して上で説明したように、キャップ60の構造で覆われる。
【0052】
図10および図11に示す構造は、以下のように形成される。犠牲剥離層が堆積され、デバイス領域42の下に残留するようにパターン形成される。基板20の上に、温度補償層32、下部電極14、圧電16の材料、および上部電極18が形成される。上部電極18が、フォトリソグラフィおよびエッチングでパターン形成される。圧電16の材料、下部電極14および温度補償層がすべて、フォトリソグラフィおよび一連のエッチングを使用して、(好ましくは同じマスクで)パターン形成される。第2の温度補償層32が堆積され、パターン形成されて、デバイスの42および44の両領域が、上部電極18への電気的相互接続を除いて封止される。次いで、デバイスを電気的に接続し、剥離後の構造を機械的に支持する導電層70が堆積され、パターン形成される。
【0053】
キャップ60の構造が、上の構造を覆って形成される。第2の犠牲層(図示せず)が堆積され、パターン形成される。内部保護層62が堆積され、デバイス領域の上に残留し、第2の犠牲層の中だけの穴を通して基板20に固定されるようにパターン形成される。犠牲層がエッチング除去され、デバイスおよび保護層が、支持なしに立つ拘束されない構造として残される。封止層64が堆積され、保護膜の下にデバイスがカプセル化される。
【0054】
図10を参照すると、構造は、キャップ60の下に、コア共振器42、カラー44、およびスペーサ38を有する。構造66は、下部電極14、圧電16の層、スペーサ38の層、任意選択の温度補償層32、上部電極18、および相互接続層70を有する。また、相互接続70の層は、懸架支持である。懸架器70は、FBARを支持し、固定具(anchor)72で基板20に接続される。相互接続/懸架器70は、アルミニウムまたは銅などの金属で作製される。共振器が、前に作製された回路ウェーハの上面に直接築かれる状況では、固定具72の材料は、下層にある回路との相互接続を容易にするために、やはり金属である。共振器構造の上に形成されるキャップ60は、内部保護層62および封止層64からなる。
【0055】
図11は、図10に示すFBARの実施形態の一変形を示し、そこにおいて、FBARは、側部支持物の代わりに中柱72で支持される。この実施形態の利点は、温度関連の応力および他の環境効果(デバイスの経年劣化の主要因の1つ)が、FBARの性能に変化を誘発しないことである。このことは、共振器構造内の異なる材料、とりわけ圧電物質および酸化物、の温度係数の不適合が、材料の界面に応力を引き起こすことができないためである。
【0056】
図11は、この代替の中柱の実施形態の断面図である。図11は、キャップ60の下に形成されたコア共振器42、カラー44およびスペーサ38を示し、FBARは構造の中央で支持される。構造は、下部電極14、圧電16の層、スペーサ38の層、任意選択の温度補償層32、上部電極18、および相互接続(図示せず)層を有する。上部電極18および相互接続34の層は、図示の実施形態の中で懸架器70を形成する。懸架器70は、FBARを支持し、固定具72で基板20に接続される。基板20は、その上に形成された障壁層78を有する。障壁層は、例えば窒化ケイ素など、任意の適切な材料である。キャップ60は、共振器構造の上に形成される。キャップ60は、内部保護層62および封止層64を有する。
【0057】
代替のFBAR構成を、図13に示す。この実施形態では、相互接続76が、キャップ60の下、とりわけキャップ60の保護層62の下に配置される。この実施形態では、上部電極18は、キャップの下に配置された相互接続76に容量結合または誘導結合される。相互接続76が障壁層78上に配置される代替構成は、図示していない。この構成では、下部電極14は、相互接続76に容量結合または誘導結合される。それゆえ、下部電極14は、この代替構成では、2つの部分の電極である。代替構成における上部電極は、(図13に示す下部電極14のように)1つの部分である。また、相互接続は、この代替構成では2つの部分であり、それぞれの1つの部分は、障壁層に配置された温度補償層のいずれかの側に配置される。この構造の利点は、下部電極14と上部電極のどちらも支持機能を実施していないことである。それゆえ、環境効果または経年劣化による、それらの機械的特性の劣化は、共振器の性能に影響を与えない。
【0058】
図12は、代替実施形態74の断面図である。この実施形態は、コア共振器42およびカラー44を有する反転されたSMRであり、コア共振器42およびカラー44の両方が、ブラッグ反射器として構築されたキャップ40の下にカプセル化される。構造74は、下部電極14、圧電16の層、および上部電極18を有する。温度補償層は任意選択であり、図示されない。共振器構造の上に形成されたキャップ40は、内部保護層62および封止層64からなる。封止層64は、エネルギーを閉じ込める上部ブラッグ反射器として構成される。上で説明したように、そのような層は複数の層の対を有し、各対は、高音響インピーダンス層24および低音響インピーダンス層22を有する。上で説明したように、これらの材料のそれぞれは、材料中の動作モードの1/4音響波長に等しい厚さを有する。個々の反射器層は図示しないが、1つのモノリシック層40として図示する。他の実施形態と同様に、この実施形態は、シングルエンドであってよく、または差動であってよい。
【0059】
この実施形態は、ブラッグ反射器として構築されたキャップ40からぶら下がる、反転されたSMRと考えられる。下部ブラッグ反射器(例えば、図9に示す構造における12)はなく、代わりに、犠牲層が剥離プロセスでエッチング除去されるときに生成される空洞80が存在する。
【0060】
極めて低いプロフィールのパッケージングを必要とする製品に対して、他の実施形態におけるエアロゲル状のカプセル材料は、適切でない可能性がある。高度の慣性衝撃抵抗を必要とする他の製品に対して、拘束されないFBAR構造は、適切でない可能性がある。キャップ40は、デバイス42をパッケージ応力および外部応力から保護することが可能でありながら、依然として極めて低いプロフィールを提供する。共振器は、キャップ40の一部であるので、キャップ40の機械的強度によって恩恵を受けながら、依然としてキャップ40のブラッグ反射器特性によって、環境から音響的に離隔される。
【0061】
本明細書における本発明を、特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理および用途の単なる例示であることを理解されたい。それゆえ、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、多数の改変形態が例示的実施形態に対して作成可能であり、他の構造が想起されうることを理解されたい。
【0062】
特定の動作要求および動作環境に適合するように変更された他の改変形態および変更形態は、当業者には明らかであるので、本発明は、開示のために選択された例に限定されるとはみなされず、本発明の真の趣旨および範囲を逸脱しないすべての変更形態および改変形態を包含するものである。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2009年1月26日に出願した「Protected Resonator」という名称の米国特許出願第12/321,860号の利益を主張するものである。
【0002】
環境効果(environmental effect)および経年劣化(aging)の影響をほとんど受けない高安定共振器、より詳細には薄膜バルク音波共振器が、本明細書で開示される。
【背景技術】
【0003】
バルク音波共振器(FBAR、SMR、HBAR、他)の応答は、その特性、とりわけ周波数において、長期にわたるドリフトを示す。この時間依存性の長期にわたる変化は、共振器のドリフトとして知られている。ドリフトは、内在的および外在的の両方の要因によって引き起こされ、内在的不安定性は、多くの場合、共振器の経年劣化と呼ばれる。経年劣化は、たとえ外部環境要因が一定に保たれるときでも発生する。従来技術によるSMR構造の一例を、図1に示す。
【0004】
文献では、WallsおよびVig、「Fundamental Limits on the Frequency Stabilities of Crystal Oscillators」、IEEE Transactions On Ultrasonics、Ferroelectrics、And Frequency Control、42(4):576−589頁、1995年7月(本明細書でWallsおよびVig、1995と呼ぶ)、ならびにVigおよびMeeker、「The Aging of Bulk Acoustic Wave Resonators,Filters,and Oscillators」、Proc.45th Ann.Symp.Frequency Control、IEEE Cat.No.91 CH2965−2、77−101頁、(1991年)(本明細書でVigおよびMeeker 1991と呼ぶ)が、共振器および発振器に経年劣化を引き起こすメカニズムの分類法を提示する。これらのメカニズムは、汚染物質の堆積もしくは剥離、結晶の取付構造における応力緩和、電極における変化、パッケージ内の漏れ、および圧電材料における変化による、共振器の表面を出入りする物質移動を含む。他のメカニズムは、温度と応力のサイクリング(ヒステリシス)および慣性効果などの外部環境効果を含む。
【0005】
全体的に、環境効果および経年劣化に抗して共振器を安定にするためのこれまでの試みは、周波数の安定に焦点をおいていた。この努力は、パッケージング設計および取付構造設計に焦点をおいてきた。
【0006】
通常、共振器のパッケージングは、汚染および漏れによって引き起こされる経年劣化に抗して共振器を保護する主要な方法であった。また、パッケージングは、共振器を外部環境効果から部分的に隔離する。
【0007】
水晶共振器を、ある経年劣化現象から保護するために、水晶共振器は、伝統的に、容器内にパッケージングされてきた。多くの例が、従来技術において存在する。例えば、1997年6月24日に発行されたKnechtらの「Method of Hermetically Encapsulating a Crystal Oscillator Using a Thermoplastic Shell」という名称の米国特許第5,640,746号を参照されたい。
【0008】
微小機械化薄膜共振器は、ウェーハ・スケールまたはデバイス・スケールのカプセル化技術を使用してパッケージングされる。多くの例が、従来技術において存在する。シリコン共振器および薄膜バルク音波共振器(FBAR)のような微小機械化薄膜共振器は、支柱および懸架器など、微小機械用支持構造を使用する。また、これらの構造は、結晶共振器に温度で誘発される応力を含む、応力の伝達を最小化するように設計される。例えば、Kimら、「Frequency stability of wafer−scale film encapsulated silicon−based MEMS resonators」、Sensors and Actuators A 136 (2007年) 125−131頁を参照されたい。また、2006年12月26日に発行されたCarleyらの「Encapsulation of MEMS Devices Using Pillar−Supported Caps」という名称の米国特許第7,153,717号を参照されたい。
【0009】
パッケージングの最近の方法は、高いプロフィール(水晶の場合)となってそれらを製品内に一体化することを困難にするか、あるいはそれらの方法は、拘束されない(released)慣性共振器もしくはFBARのような薄膜構造をカプセル化して、加速度もしくは衝撃など、他の形の不安定性の影響を受けやすいかのいずれかである。
【0010】
取付構造は、経年劣化の可能性のある別の場所である。パッケージングで誘発され、結晶に伝達される応力が長期にわたる周波数の経年劣化を引き起こす。
【0011】
水晶共振器は、キャップの下に封止される前は、支持脚を介して取り付けられていた。支持構造は、結晶への応力伝達(したがって、経年劣化)を最小化するために注意深く設計される。多くの例が、従来技術において存在する。例えば、1987年2月10日に発行されたYamashitaの「Mount for quartz crystal oscillator device」という名称の米国特許第4,642,510号を参照されたい。また、1991年7月9日に発行されたKnechtの「Sacrificial Quartz Crystal Mount」という名称の米国特許第5,030,875号を参照されたい。また、機械的取付構造に関連する経年劣化効果を最小化するように、静電浮揚を使用して結晶を浮揚させることが、提唱されてきた。WallおよびVig、1995を参照されたい。
【0012】
共振器の取り付けの最近の方法は、慣性疲労および熱疲労、したがって経年劣化の影響を受けやすい。しかし、これらのアプローチは、いずれも、結晶および/または電極材料自体の保護に対処していない。最近のアプローチは、結晶または電極材料を、経年劣化を含めた環境効果から保護していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,640,746号
【特許文献2】米国特許第7,153,717号
【特許文献3】米国特許第4,642,510号
【特許文献4】米国特許第5,030,875号
【特許文献5】米国特許出願第12/002,524号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】WallsおよびVig、「Fundamental Limits on the Frequency Stabilities of Crystal Oscillators」、IEEE Transactions On Ultrasonics、Ferroelectrics、And Frequency Control、42(4):576−589頁、1995年7月
【非特許文献2】VigおよびMeeker、「The Aging of Bulk Acoustic Wave Resonators,Filters,and Oscillators」、Proc.45th Ann.Symp.Frequency Control、IEEE Cat.No.91 CH2965−2、77−101頁、(1991年)
【非特許文献3】Kimら、「Frequency stability of wafer−scale film encapsulated silicon−based MEMS resonators」、Sensors and Actuators A 136 (2007年) 125−131頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
周波数安定性の持続期間(date)に研究の焦点をおくことは、ある用途に対して適切である。しかし、周波数(f)および時間の両方における、一次共振付近の共振器の全挙動に対してより全体的に焦点をおくことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、コア共振器を環境効果および経年劣化効果の両方から離隔するバルク音波共振器構造に関する。この構造は、汚染、パッケージ漏れ、ならびに電離放射線およびパッケージ応力のような外部効果による、圧電材料に対する変化に抗して保護しながら、依然として優れた慣性抵抗をもたらす。本発明の好ましい実施形態では、この構造は、経年劣化効果を規定の閾値以下に制限する1つまたは複数の保護要素を有する。その閾値は、本明細書では、周波数の関数としての共振器のインピーダンス応答における、ある値以下の転移(shift)として表される。音響共振器デバイスが、各周波数の値に対してインピーダンスの値を有することは、当業者に理解されている通りである。共振器が経年劣化するにつれて、周波数の値に関連するインピーダンスの値が、長期にわたって変化する可能性がある。したがって、設計された、音響共振器に対する周波数fに関連するインピーダンスの値(Z)は、長期にわたって値Ziに変化する可能性がある。本発明は、周波数の変化の速度を、ある水準以下に制限する。
【0017】
より具体的には、音響共振器は、発振器の中で構成されるとき、複素数値のインピーダンスZ=(Za、Zφ)と関連する周波数fOSCで発振する。この複素数値のインピーダンスは、関数g(Z)の値が規定の設計値g0に等しいときに、最初に確定される。その帯域幅内の共振器の挙動におけるドリフトが、複素数値のインピーダンスがg0に関連する値から変化するときに発生する。このドリフトは、複素数値のインピーダンスに関連する発振器周波数(fOSC)における、g0での複素数値のインピーダンスに関連する(fOSC)からの転移として現れる。fOSCにおけるドリフトは、本明細書では、単位時間当たりの特定の複素数値のインピーダンスに関連する周波数におけるppmの変化として表される。本明細書で使用するように、「ppm」は、MHzの尺度に対するHzである。すなわち、5Hzの変化は、1MHzのfOSCにおける5ppmの変化である。fOSCにおける変化の速度は、約5ppm/年以下である。
【0018】
他の実施形態では、このドリフトは、共振器の直列共振または並列共振の変化として測定されうる。共振器の帯域幅にわたって、インピーダンス応答が、特定の周波数に関連する振幅において最小を示すことは、当業者には理解されよう。この最小の振幅に関連する周波数が、直列共振と呼ばれる。最大の振幅に関連する周波数が、並列共振である。また、経年劣化の効果が、直列共振および並列共振に関連する周波数の変化として現れる。これらの好ましい実施形態では、デバイスの直列共振周波数または並列共振周波数のうちの少なくとも一方における転移は、約5ppm/年以下である。
【0019】
本明細書で説明される実施形態によれば、経年劣化を引き起こす効果の緩和は、直列共振または並列共振の周波数ドリフトを単に最小化すること以上のものである。例えば、直列共振周波数は、音響経路および任意の寄生体によって決まる。それゆえ、共振器材料の電気機械結合係数および誘電率(ならびに長期にわたる電気機械結合係数および誘電率の変化)は、直列共振周波数およびその周波数における後続のドリフトを確定することにおいて、影響を及ぼさない。
【0020】
その結果、ある実施形態では、共振器の挙動は、直列共振においてのみならず、共振器の全帯域幅にわたって安定化される。そのような安定性を達成するために、共振器材料の電気機械結合係数および誘電率は、長期にわたって安定でなければならない。本発明の実施形態は、周波数ドリフトの長期的な経年劣化効果のみならず、短期的に環境が引き起こす不安定にも対処する。しかし、ある好ましい実施形態では、共振器の挙動は、直列共振および並列共振の少なくとも一方に対する共振周波数における転移が、デバイスの動作の5ppm/年未満であるように、安定化される。
【0021】
共振器は、周辺および縁部に関連する環境的現象および経年劣化現象をコア共振器から遠ざけておくように、材料、特定の一実施形態では圧電材料、のカラーである保護要素をコア共振器の周りに設けることによって、環境プロセスおよび/または経年劣化プロセスによる材料の劣化の影響から保護される。
【0022】
ある実施形態では、共振器は、複数のエネルギーを閉じ込めるブラッグ層である保護要素で共振器の全面を取り囲むことによって、表面の汚染の影響から保護される。
【0023】
ある実施形態では、パッケージ応力および環境的応力が減衰され、それにより、主たる共振器構造に到達するのが防止される。減衰は、共振器機能部位の上および周りに形成された1層または複数層の保護要素を設けることによって達成される。これらの層は、本明細書でより詳細に説明するように、ブラッグ層、スペーサ層、応力緩和層もしくは封止層、またはそれらの何らかの組合せである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】薄膜固体実装の従来技術のSMR(固体実装型共振器)の断面図である。
【図2】共振器の電気インピーダンスの周波数スペクトルである。
【図3】カラーで取り囲まれたコア共振器を有する、本発明の代替実施形態の断面図である。
【図4】カラーで取り囲まれたコア共振器を有する、代替実施形態の断面図である。
【図5】従来技術のSMR(図1)の周波数スペクトルの図である。
【図6】代替実施形態の周波数スペクトルの図である。
【図7】図5のSMRと同じ材料の従来技術のSMR(図1)の周波数スペクトルの図である。
【図8】図5のSMRと同じ材料の代替実施形態の周波数スペクトルの図である。
【図9】カラーで取り囲まれたコア共振器を有する代替実施形態の断面図である。
【図10】キャップの下にコア共振器、カラーおよびスペーサを有するFBAR構成の別の代替実施形態の断面図である。
【図11】キャップの下にコア共振器、カラーおよびスペーサを有するFBAR構成において、FBARが構造の中央で支持される代替実施形態の断面図である。
【図12】コア共振器およびカラーを有し、ブラッグ反射器として構築されたキャップの下にカプセル化された、反転式SMR構成を有する代替実施形態の断面図である。
【図13】コア共振器およびカラーを有し、代替電極構成を有するブラッグ反射器として構築されたキャップの下にカプセル化された、反転式SMR構成を有する代替実施形態の断面図である。
【図14】fOSCの関数としての共振器の複素インピーダンス応答を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
明確かつ簡潔にするために、諸図面を通して、同じ要素および部品は同じ記号および番号を有する。
【0026】
図1は、薄膜固体実装の従来技術のSMR(固体実装型共振器)10の断面図である。SMRは、下部ブラッグ反射器12、下部電極14、圧電16の層および上部電極18を有する。下部ブラッグ反射器12は、複数の高音響インピーダンス層24および低音響インピーダンス層22の対を有する。各層(22、24)は、材料中の動作モードの1/4音響波長の奇数倍にほぼ等しい厚さを有する。動作モードは、構造で支持され、厚み振動モード、厚みすべりモード、他を含むいくつかの共振モードのうちの1つである。これらのモードのそれぞれに対して、図2に示すような共振器スペクトルが、実現可能である。特定のモードに基づいて1/4音響波長の奇数倍の厚さを選択することで、そのモードにおける音響エネルギーの全反射の最大反射がもたらされる。また、2つ以上の異なるモードにおいて音響エネルギーの良好な反射を得るために、1/4波長の厚さと異なる値に厚さを最適化することが可能である。
【0027】
本発明の実施形態は、一次共振付近の全共振器のインピーダンスのドリフトを低減する。一次共振は、図2を参照して、デバイスの直列共振28の直前から並列共振30のピークの直後までのスペクトルの領域である。直列共振は、通常、インピーダンスが最小である周波数として定義される。並列共振は、多くの場合、インピーダンスが最大の周波数として定義される。両者の間の周波数の範囲は、共振器の帯域幅として知られる。
【0028】
本発明の実施形態は、直列共振および並列共振の少なくとも一方、好ましくは両方の、長期にわたるドリフトを緩和する保護要素を提供する。本発明の好ましい実施形態は、保護要素として一括して称される3つのフィーチャのうちの少なくとも1つを有し、保護要素は、直列共振および/または並列共振におけるこれらの望ましくない転移の主要因である、最も重要な環境効果および経年劣化のメカニズムのうちのいくつかに対処する。そのような実施形態の1つを、図3に示す。第1の例示的な保護要素は、コア共振器42の周りに形成されたカラー44である。図3に示すカラー44は、コア共振器を取り囲む領域であり、コア領域を形成する材料の層を含む。例えば、圧電層16の周辺部は、カラー44の中に延びて、その一部をなす。カラー44は、周辺および縁部に関連する環境的現象および経年劣化現象が、コア共振器42から遠ざけられることを確実にする。
【0029】
コア共振器42は、全側面をブラッグ層(22、24)で取り囲まれるので、汚染物質の堆積の影響を受けない。そのようなブラッグ層は、以前に引用された米国特許出願第12/002,524号に記載されている。
【0030】
代替の一実施形態(図4)では、全体構造52が、エアロゲルなどの低音響インピーダンスで低密度のカプセル材料50である保護要素の中にカプセル化される。この実施形態では、パッケージおよび外部の応力は、構造52に伝達されない。
【0031】
再び図3を参照すると、52の断面図は、カラー44で取り囲まれたコア共振器42を有する。構造52は、圧電層16の下(12)および上(40)の両方にエネルギーを閉じ込めるブラッグ反射器48を有する。また、構造は、下部電極14、スペーサ38の層、任意選択の温度補償層32、上部電極18、任意選択の相互接続34の層、および不動態36の層を有する。各反射器は、複数の高音響インピーダンス層24および低音響インピーダンス層22の対を有する。これらのブラッグ材料層(22、24)のそれぞれは、材料中の動作モードの1/4音響波長の奇数倍に等しい厚さを有する。スペーサ38の層は、材料中の動作モードの1/4音響波長の奇数倍に等しい厚さを有することができる。任意選択の相互接続34の層は、共振器の電極(14、18)をパッド(49)に、またはバイア46を通して下方の基板20内のCMOS回路(図示せず)に電気的に接続する。本発明は、シングルエンドおよび差動の両方の実施形態を企図する。本明細書で使用するように、シングルエンドの実施形態は、上部および下部の電極のそれぞれが、回路に電気的に接続される実施形態である。差動の実施形態では、回路につながる両方の電極が、デバイスの一方の面に配置される。他方の面の電極は、フローティングのままである。
【0032】
図3に示す構造は、以下に示すやり方で形成される。層状構造52は、以下のように、材料の層を堆積させるかまたはパターン形成することによって基板20上に形成される。層は、下部ブラッグ反射器12(高音響インピーダンス層24と低音響インピーダンス層22とを交互に重ねて形成される)および下部電極14を形成するように堆積される。圧電16の材料が、下部電極14の上に堆積される。圧電16の材料は、フォトリソグラフィおよびエッチングでパターン形成される。次いで、電極14、およびいくつかの場合には反射器12が、フォトリソグラフィおよび後続の1つまたは複数のエッチング・ステップによって、同様にパターン形成される。次いで、絶縁スペーサ38の層が堆積され、パターン形成され、それにより、圧電16の材料の部分の上のスペーサ材料が、デバイスが形成されるコア共振器領域42から除去される。それゆえ、スペーサ層は、この実施形態におけるコアおよびカラーの領域を画定する。上部電極18が、圧電16の材料の露出領域の上に形成され、デバイスの活性部が生成される。CMOSデバイスを有する基板上に共振器を一体化することが望まれる製品では、下部電極14へのオーム接点が設けられる。図示の実施形態では、フォトリソグラフィおよびエッチングによって、絶縁スペーサ層38の中を下方の下部電極14まで、バイア46が形成される。次いで、導電性相互接続34が形成されて、電極14および18が、必要に応じて基板内に形成されるCMOSデバイスと電気的に接続される。次いで、上部ブラッグ構造を形成する、エネルギーを閉じ込めるブラッグ反射器層22および24が順に堆積され、続いてパターン形成される。好ましくは、そのようなパターン形成は、後のパッケージングのために、相互接続層34へのアクセスを設ける。次いで、封止層36が構造の上に形成され、環境および環境の影響から活性構造をさらに保護し、離隔する。層36は、本明細書では不動態化層または封止層と呼ばれる。不動態化層または封止層として使用するのに適切な材料の例は、窒化ケイ素、ポリイミド、またはベンゾシクロブテン(BCB)を含む。
【0033】
図4は、保護要素のカラー44で取り囲まれたコア共振器42を有する構造52をやはり有する、本発明の好ましい実施形態の断面図である。低音響インピーダンス材料50である保護要素が、構造52全体を覆って設置される。この材料がデバイスをカプセル化し、外部応力およびパッケージ応力のデバイスへの伝達を減衰させる。図3に示す実施形態と同様に、この実施形態はまた、シングルエンドまたは差動であってよい。長期にわたって変化するパッケージの応力の伝達をさらに低減するために、共振器がパッケージの中に組み付けられた後で、パッケージをプラスティックでオーバーモールドする前に、一般に「グロップ・トップ(glop top)」として知られるカプセル化樹脂(例えば、シリコン)などの柔軟材料の追加層が、共振器の上に堆積されてよい。カプセル化樹脂は当業者によく知られており、本明細書では詳細に説明しない。
【0034】
構造52の上に形成される材料は、エアロゲルなどの低密度、低音響インピーダンスのカプセル化材料50である。層50は、プラスティック・パッケージングの前に構造52の上に堆積される。層52は、外部応力およびパッケージ応力がコア共振器構造42まで伝達されないことを確実にする。
【0035】
上述のように、図3および図4に示すコア共振器42の周りのカラー44は、コア共振器42を大部分の環境効果から離隔する。カラーは、熱、応力または経年劣化効果を、それらがコア共振器42に到達する前に減衰させる。出願者らは、特定の理論に拘束されることを望まないが、カラー44が、コア共振器42の寄生共振器のように働くものと考える。有利には、寄生共振の大きさは、製品の性能要求に適合するように、デバイス設計の間にカスタマイズすることができる。
【0036】
また、上述のように、エネルギーを閉じ込めるブラッグ反射器48の使用は、環境によって放出された外部汚染物質からコア共振器42を離隔するばかりでなく、温度効果および/または応力効果に抗して、コア共振器42のために付加的に封止することをもたらす保護要素である。保護要素50は、これらの応力がコア共振器42まで伝播するのを防ぐために、コア共振器を外部の源(例えば、パッケージ、環境)から保護する応力障壁である。
【0037】
スペーサ38は、環境効果を減衰させるために追加の材料をカラー44の領域内に供給することに加えて、下部電極14を上部電極18から電気的に絶縁するためにも使用される、別の保護要素である。この点で、スペーサ層38が誘電材料(例えば、二酸化ケイ素)であれば有利である。好ましい実施形態では、スペーサ38の層の厚さは、材料中のブラッグ波長の奇数倍にほぼ等しい。ブラッグ波長は、下式
v=v(c33/d) (1)
で定義され、ここで、vは材料中の音速であり、c33は波の伝播方向における材料の剛性係数であり、dは材料密度である。層厚さは、下式
t=Nx(v/f)/4 (2)
で計算され、ここで、tは層厚さであり、fはブラッグ中心周波数である。Nは1以上の奇数である。
【0038】
図14を参照すると、発振器に対するインピーダンス応答が、fOSCの関数として示される。インピーダンス応答は、発振器タイプの共振器デバイスに対して示される。デバイスは、複素数値のインピーダンスZ=(Za、Zφ)で確定される周波数fOSCで発振する。このインピーダンス値は、関数g(Z)の値が規定の設計値g0に等しいときに確定される。共振器の挙動におけるその帯域幅内のドリフトは、共振器のインピーダンスが(Za、Zφ)に等しくなるfOSCの値におけるドリフトをもたらす。fOSCにおけるドリフトは、ppm/時で定量化されうる。本発明によれば、経年劣化効果は、複素数値のインピーダンスZ=(Za、Zφ)に関連する周波数における変化が、5ppm/年以下の速度で変化するように制御される。
【0039】
外部応力および/または電離放射線は、共振器の材料特性を変える可能性がある環境条件の例である。とりわけ、圧電16の特性は、外部要因による変化の影響を受けやすい。図5は、従来技術(図1に示すSMR)によるSMRの共振スペクトルを示す。上述のように、電離放射線または他の外部プロセスが、共振器層の材料構造を、それゆえ共振器層の電気機械特性を、変える可能性がある。これらの変化は、共振器スペクトルにおける変化または転移として現れる。図1に示すようなSMRにおける圧電16の結合係数に10%の減少が存在するとき、共振スペクトルに大きな転移が存在する。図1の構造は、タングステン/酸化物の3.5対のブラッグ反射器層と、AlN(窒化アルミニウム)圧電層16と、モリブデン(MO)電極(14、18)とを有する。直列共振および並列共振は、Agilent Advanced Design System(ADS)2006で実施された1−D音響モデルおよび3−D電気モデルを使用して、この構造に対する長期にわたるモデルを作成された。図1に示す従来技術の構造に対して、共振スペクトルの結合係数における10%の減少の影響が、モデル化された。この図1の構造に対して、図5に示すように、図5は、直列共振54において−510ppmの転移(すなわち、870,570Hzの下方への転移)、および並列共振56において−2200ppmの転移(すなわち、3,790,600Hzの下方への転移)が存在することを示す。直列共振28に比べてより大きな並列共振30の減少は、共振器に対して引き下げられたk2または帯域幅をもたらす。多くの用途に対して、挙動におけるそのような転移は、性能に重大な悪影響を与える可能性がある。
【0040】
図6は、ブラッグ層、圧電層および電極に対して、図5の従来技術の例と同じ材料を有するが、カラー44の材料の圧電16の結合において10%の減少を有する構造52(例えば、図3および図4)の周波数スペクトルの図を示す。図5に示す転移を引き起こしたのと同じ環境条件によって引き起こされたこの変化は、共振スペクトルにおいて、並列共振56における+32ppmの転移(すなわち、54,624Hzの上向きの転移)および直列共振28における0ppmの転移(0転移)の、無視できる転移を結果としてもたらす。2つのデバイスの周波数転移に対する結合係数の影響において観察された差の理由は、図3および図4のデバイスでは、圧電材料の結合係数の変化が、大部分、カラー領域42に閉じ込められたからである。コア共振器44内の圧電材料は、結合係数において、極めてわずかな変化であった。
【0041】
図6に示す例では、共振の転移は、狭帯域の周波数の掃引においてかろうじて見ることができる。極めて狭い帯域を掃引することは、並列共振56において無視できる転移が存在し、直列共振28において転移が存在しないことを明示する。このことは、材料特性に対する環境の悪影響を緩和するカラー44を設けることによって、コア共振器42の性能に影響を与えることなくコア共振器42を保護する、本明細書で説明する構造の能力を示す。
【0042】
図7は、図5の考察(discussion)で特定される(identified)ものと同じ材料を使用する、図1のSMRの周波数スペクトルの図である。図7は、デバイスの頂面(図1の圧電層16)上の0.1μmの厚さの酸化物汚染層による、SMRの共振スペクトルにおける転移を示す。直列共振および並列共振は、上で説明したソフトウェア・ツールを使用して、この構造に対する長期にわたるモデルを作成された。図1に示す従来技術の構造に対して、1つのシナリオにおける経年劣化の物理的効果の一例として、デバイスの頂面上の0.1μmの厚さの酸化物汚染層が、使用の最初の1年にわたって形成されることが予測される。汚染物質は、何らかの期間にわたって任意の速度で堆積する任意の材料であってよい。これは、単に、上部ブラッグの概念および利点を説明するために使用された。これは、直列共振54において−1143ppmの転移(すなわち、1,939,671Hzの下向きの転移)および並列共振56において−2461ppmの転移(すなわち、4,199,697Hzの下向きの転移)を引き起こす。さらに、スプリアス・モード58が、スペクトルの主共振の付近で誘発される。
【0043】
図7は、構造の上に汚染物質が堆積した結果として共振器の応答に発生する大きな変化を示す。直列共振54における大きな負の転移および並列共振56におけるさらに大きな負の転移が、共振器に対して引き下げられたk2または帯域幅をもたらす。さらに、スプリアス・モード58が主共振の付近で誘発されて、挙動をベースラインからさらに変化させる。多くの用途に対して、性能におけるそのような転移は、受け入れがたい。
【0044】
図8は、図5で説明したのと同じ材料で作製された構造52に対する周波数スペクトルの図である。構造は、デバイスの頂面上に、0.1μmの厚さの酸化物汚染層を有する。従来技術のデバイス上のこの層で引き起こされたスペクトルの転移とは対照的に、酸化物汚染は、構造52を有するデバイスの共振スペクトルに、無視できる転移を引き起こす。
【0045】
具体的には、構造52が図1の従来技術の構造と同じ環境汚染の影響を受けるとき、共振の転移は、狭帯域の周波数掃引においてかろうじて見ることができる。図8に示すように、直列共振54において+1ppmの転移(すなわち、1,697Hzの上向きの転移)、および並列共振56において+1.2ppmの転移(すなわち、2,047.8Hzの上向きの転移)が存在する。このことは、共振器が、デバイスの表面に堆積する汚染物質の音響的および電気的効果を減衰させる、エネルギーを閉じ込めるブラッグ構造によって保護されることを示す。
【0046】
付加的な保護要素としてデバイス(図4)の周りにエアロゲル状のカプセル材料50を導入することで、パッケージ応力および慣性応力を共振器デバイスからより遠ざけることによって、両応力をさらに減衰させる。
【0047】
図9は、本発明の別の実施形態である。また、この実施形態は、外部応力から共振器を保護するように構成される。SMR構造が、前に説明したように、保護要素であるカラー44を装備される。次いで、結果としてもたらされた構造が、別の保護要素で覆われる。その保護要素は、汚染物質の影響から共振器を離隔するばかりでなく、パッケージ応力をも減衰させることができるデバイス・レベルの薄膜キャップ60の構造である。この構造では、構造の応力管理機能は、音響共振器の機能と分離される。
【0048】
図9の構造は、以下の順序で作製される。下部ブラッグ反射器12(高音響インピーダンス層24と低音響インピーダンス層22との交互の積み重ね)は、基板20上に層22および層24が複数、交互に積み重なって堆積することによって形成される。下部電極14および圧電16の材料層が、ブラッグ反射器12の上に堆積される。圧電16の材料が、フォトリソグラフィおよびエッチングでパターン形成される。次いで、電極14、およびいくつかの実施形態では反射器12が、フォトリソグラフィおよび1つまたは複数のエッチング・ステップによってパターン形成される。次いで、絶縁スペーサ38の層が堆積され、領域42内の圧電16の材料の部分から絶縁スペーサ38の層を除去するためにパターン形成される。上部電極18が、圧電材料16の露出された領域の上に形成され、デバイスの活性部を生成する。共振器をCMOSデバイスと一体化することが望まれる(それゆえ、下部電極14へのオーム接点を必要とする)製品では、バイア46が、フォトリソグラフィおよびエッチングによって、絶縁層の中を下部電極14まで形成される。導電性相互接続層34が、電極のそれぞれに電気的に接続するために形成される。この点まで、図3および図4に示す実施形態に対して説明された製造プロセスが続く。
【0049】
犠牲層を構造の上に最初に堆積させ、その上にキャップ60の構造を形成し、次いで犠牲層を除去するために構造をパターン形成することによって、保護要素であるキャップ60の構造が、上で説明した構造の上に形成される。もたらされた空間は、完成したデバイスにおいて、真空または希ガスを収容する。犠牲層は、下層にある露出した材料をエッチ・ストップとして使用できる任意の材料で作製されてよい。シリコンは、適切な犠牲層の一例である。図示したようなキャップ層は、内部保護層62および外部封止層64の2層構造である。内部保護層62は、上で説明した犠牲層の上に堆積される。犠牲層は、その中に形成されたバイアを有し、バイアは、保護層が犠牲層の上に形成されるときに保護層の材料で満たされる。これらのバイアは保護層の材料で満たされるので、保護層の材料は、犠牲層が除去されるときに残留する。内部の保護層は、犠牲層が除去された後に残留する保護層の材料によって基板20に固定されたデバイス領域42の上に残留するようにパターン形成される。次いで、犠牲層が完全にエッチング除去され、デバイスおよび保護層62が、支持なしに立つ(freestanding)拘束されない構造として残される。このことは、デバイス構造と保護層62との間のすき間63によって観察される。封止層64は構造の上に堆積され、キャップ60の下に、デバイスをカプセル化する。層62は、アルミナ、窒化ケイ素、金、他など、任意の構造的に堅い材料であってよい。ある実施形態では、層62は、上で説明したようなブラッグ構造として構成される。層64は、下層の構造に対して気密封止をもたらす材料であってよい。アルミナおよび窒化ケイ素が、適切な材料の例である。
【0050】
図9は、カラー44で取り囲まれたコア共振器42を有する、上で説明した代替実施形態66の断面図である。構造66は、下部ブラッグ反射器12、下部電極14、圧電16の層、スペーサ38の層、任意選択の温度補償層32、上部電極18、および任意選択の相互接続34の層を有する。ブラッグ反射器12は、高音響インピーダンス層24および低音響インピーダンス層22が交互に重なる層を有する。ブラッグ反射器は、複数のこれらの層の対を有する。これらの材料層のそれぞれは、材料中の動作モードの1/4音響波長に等しい厚さを有する。共振器構造の上に形成されたキャップ60は、内部保護層62および外被の封止層64を有する。本明細書で説明した他の実施形態と同様に、図9の構造は、シングルエンドでよく、または差動でよい。
【0051】
ある用途に対して、たとえ拘束されない(FBAR)構造が、低減された慣性抵抗を示すとしても、ウェーハ自体に起因する応力が、拘束されない(FBAR)構造を必要とすることを十分に示唆する。図10および図11は、別の代替実施形態66を示す。拘束されないFBARは、コア共振器42を保護するカラー44およびスペーサ38を有する。FBARは、図9に対して上で説明したように、キャップ60の構造で覆われる。
【0052】
図10および図11に示す構造は、以下のように形成される。犠牲剥離層が堆積され、デバイス領域42の下に残留するようにパターン形成される。基板20の上に、温度補償層32、下部電極14、圧電16の材料、および上部電極18が形成される。上部電極18が、フォトリソグラフィおよびエッチングでパターン形成される。圧電16の材料、下部電極14および温度補償層がすべて、フォトリソグラフィおよび一連のエッチングを使用して、(好ましくは同じマスクで)パターン形成される。第2の温度補償層32が堆積され、パターン形成されて、デバイスの42および44の両領域が、上部電極18への電気的相互接続を除いて封止される。次いで、デバイスを電気的に接続し、剥離後の構造を機械的に支持する導電層70が堆積され、パターン形成される。
【0053】
キャップ60の構造が、上の構造を覆って形成される。第2の犠牲層(図示せず)が堆積され、パターン形成される。内部保護層62が堆積され、デバイス領域の上に残留し、第2の犠牲層の中だけの穴を通して基板20に固定されるようにパターン形成される。犠牲層がエッチング除去され、デバイスおよび保護層が、支持なしに立つ拘束されない構造として残される。封止層64が堆積され、保護膜の下にデバイスがカプセル化される。
【0054】
図10を参照すると、構造は、キャップ60の下に、コア共振器42、カラー44、およびスペーサ38を有する。構造66は、下部電極14、圧電16の層、スペーサ38の層、任意選択の温度補償層32、上部電極18、および相互接続層70を有する。また、相互接続70の層は、懸架支持である。懸架器70は、FBARを支持し、固定具(anchor)72で基板20に接続される。相互接続/懸架器70は、アルミニウムまたは銅などの金属で作製される。共振器が、前に作製された回路ウェーハの上面に直接築かれる状況では、固定具72の材料は、下層にある回路との相互接続を容易にするために、やはり金属である。共振器構造の上に形成されるキャップ60は、内部保護層62および封止層64からなる。
【0055】
図11は、図10に示すFBARの実施形態の一変形を示し、そこにおいて、FBARは、側部支持物の代わりに中柱72で支持される。この実施形態の利点は、温度関連の応力および他の環境効果(デバイスの経年劣化の主要因の1つ)が、FBARの性能に変化を誘発しないことである。このことは、共振器構造内の異なる材料、とりわけ圧電物質および酸化物、の温度係数の不適合が、材料の界面に応力を引き起こすことができないためである。
【0056】
図11は、この代替の中柱の実施形態の断面図である。図11は、キャップ60の下に形成されたコア共振器42、カラー44およびスペーサ38を示し、FBARは構造の中央で支持される。構造は、下部電極14、圧電16の層、スペーサ38の層、任意選択の温度補償層32、上部電極18、および相互接続(図示せず)層を有する。上部電極18および相互接続34の層は、図示の実施形態の中で懸架器70を形成する。懸架器70は、FBARを支持し、固定具72で基板20に接続される。基板20は、その上に形成された障壁層78を有する。障壁層は、例えば窒化ケイ素など、任意の適切な材料である。キャップ60は、共振器構造の上に形成される。キャップ60は、内部保護層62および封止層64を有する。
【0057】
代替のFBAR構成を、図13に示す。この実施形態では、相互接続76が、キャップ60の下、とりわけキャップ60の保護層62の下に配置される。この実施形態では、上部電極18は、キャップの下に配置された相互接続76に容量結合または誘導結合される。相互接続76が障壁層78上に配置される代替構成は、図示していない。この構成では、下部電極14は、相互接続76に容量結合または誘導結合される。それゆえ、下部電極14は、この代替構成では、2つの部分の電極である。代替構成における上部電極は、(図13に示す下部電極14のように)1つの部分である。また、相互接続は、この代替構成では2つの部分であり、それぞれの1つの部分は、障壁層に配置された温度補償層のいずれかの側に配置される。この構造の利点は、下部電極14と上部電極のどちらも支持機能を実施していないことである。それゆえ、環境効果または経年劣化による、それらの機械的特性の劣化は、共振器の性能に影響を与えない。
【0058】
図12は、代替実施形態74の断面図である。この実施形態は、コア共振器42およびカラー44を有する反転されたSMRであり、コア共振器42およびカラー44の両方が、ブラッグ反射器として構築されたキャップ40の下にカプセル化される。構造74は、下部電極14、圧電16の層、および上部電極18を有する。温度補償層は任意選択であり、図示されない。共振器構造の上に形成されたキャップ40は、内部保護層62および封止層64からなる。封止層64は、エネルギーを閉じ込める上部ブラッグ反射器として構成される。上で説明したように、そのような層は複数の層の対を有し、各対は、高音響インピーダンス層24および低音響インピーダンス層22を有する。上で説明したように、これらの材料のそれぞれは、材料中の動作モードの1/4音響波長に等しい厚さを有する。個々の反射器層は図示しないが、1つのモノリシック層40として図示する。他の実施形態と同様に、この実施形態は、シングルエンドであってよく、または差動であってよい。
【0059】
この実施形態は、ブラッグ反射器として構築されたキャップ40からぶら下がる、反転されたSMRと考えられる。下部ブラッグ反射器(例えば、図9に示す構造における12)はなく、代わりに、犠牲層が剥離プロセスでエッチング除去されるときに生成される空洞80が存在する。
【0060】
極めて低いプロフィールのパッケージングを必要とする製品に対して、他の実施形態におけるエアロゲル状のカプセル材料は、適切でない可能性がある。高度の慣性衝撃抵抗を必要とする他の製品に対して、拘束されないFBAR構造は、適切でない可能性がある。キャップ40は、デバイス42をパッケージ応力および外部応力から保護することが可能でありながら、依然として極めて低いプロフィールを提供する。共振器は、キャップ40の一部であるので、キャップ40の機械的強度によって恩恵を受けながら、依然としてキャップ40のブラッグ反射器特性によって、環境から音響的に離隔される。
【0061】
本明細書における本発明を、特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理および用途の単なる例示であることを理解されたい。それゆえ、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、多数の改変形態が例示的実施形態に対して作成可能であり、他の構造が想起されうることを理解されたい。
【0062】
特定の動作要求および動作環境に適合するように変更された他の改変形態および変更形態は、当業者には明らかであるので、本発明は、開示のために選択された例に限定されるとはみなされず、本発明の真の趣旨および範囲を逸脱しないすべての変更形態および改変形態を包含するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に形成された圧電層であって、前記圧電層の少なくとも一部が2つの電極の間に配置され、前記圧電層が、活性的内部領域および周辺のカラー領域の2つの画定された領域を有する、圧電層と、
前記圧電層の上、前記圧電層の下、または前記圧電層の上および下の両方のいずれかに形成され、前記圧電層と少なくとも同一の広がりを持つ横方向の広がりを有するブラッグ構造と、
前記活性的内部領域の前記横方向の広がりを画定する誘電体スペーサと
を備える、共振器。
【請求項2】
前記スペーサが前記圧電層の前記周辺に隣接する、請求項1に記載の共振器。
【請求項3】
窓が、下部の前記電極で終端する前記スペーサの中に形成される、請求項2に記載の共振器。
【請求項4】
導電性材料が、前記窓の中に配置される、請求項3に記載の共振器。
【請求項5】
前記導電性材料が、前記下部電極と前記基板上に形成された接触パッドとの間、および上部の前記電極と前記基板上に形成された接触パッドとの間の電気的相互接続をもたらす、請求項4に記載の共振器。
【請求項6】
前記導電性材料が、前記下部電極と前記基板に形成された活性的デバイスとの間に電気的相互接続をもたらす、請求項4に記載の共振器。
【請求項7】
前記導電性材料が、同様に、上部の前記ブラッグ構造と接触する、請求項4に記載の共振器。
【請求項8】
前記上部ブラッグ層および導電性材料の上に形成された不動態化層をさらに備える、請求項7に記載の共振器。
【請求項9】
絶縁材料が前記不動態化層の上に形成される、請求項8に記載の共振器。
【請求項10】
前記カラー領域、ブラッグ構造、不動態化層、および絶縁材料が共に、前記共振器の前記活性領域内の前記圧電材料を、外部環境から隔離する、請求項9に記載の共振器。
【請求項11】
前記共振器が配置されるプラスティック・パッケージをさらに備える、請求項10に記載の共振器。
【請求項12】
前記上部電極から空隙で分離されるキャップ構造をさらに備える、請求項4に記載の共振器。
【請求項13】
前記上部ブラッグ構造が、前記基板から延びる柱で支持される、請求項12に記載の共振器。
【請求項14】
前記上部ブラッグ構造が、その上に形成されたキャップ層を有する、請求項13に記載の共振器。
【請求項15】
前記圧電層上に形成された温度補償層をさらに備える、請求項1に記載の共振器。
【請求項16】
動作中に、周波数の関数としての前記共振器のインピーダンス応答において、約5ppm/年以下の速度で転移を示す、請求項1に記載の共振器。
【請求項17】
基板と、
前記基板の上に形成された圧電層であって、前記圧電層の少なくとも一部が2つの電極の間に配置される、圧電層と、
前記圧電層および電極を取り囲む温度補償層であって、前記圧電材料が、接触パッドまたは前記基板上の半導体デバイスの一方を上部の前記電極と電気的に相互接続させる導電性材料構造によって前記基板上に支持される、温度補償層と、
前記温度補償層で取り囲まれた前記圧電材料の上に形成されるが前記圧電材料と接触しないキャップ層と
を備える、共振器。
【請求項18】
前記キャップ層がブラッグ層として構築される、請求項17に記載の共振器。
【請求項19】
動作中に、周波数の関数としての前記共振器のインピーダンス応答において約5ppm/年以下の速度で転移を示す、請求項17に記載の共振器。
【請求項20】
前記キャップ層が、前記導電層から隔置され、前記共振器が、前記基板と圧電層との間の前記基板かまたは前記キャップ層の下側のいずれかに接して配置され、かつ前記キャップ層と前記圧電材料との間に配置された導電層をさらに備える、請求項17に記載の共振器。
【請求項21】
前記導電層が、前記キャップ層の下側に接して形成され、容量結合および誘導結合からなる群から選択されるやり方で前記上部電極に電気的に結合される、請求項20に記載の共振器。
【請求項22】
前記導電層が、前記基板の上に形成され、容量結合および誘導結合からなる前記群から選択されるやり方で前記下部電極に電気的に結合される、請求項20に記載の共振器。
【請求項23】
基板と、
前記基板の上に形成された圧電層であって、前記圧電層の少なくとも一部が2つの電極の間に配置される、圧電層と、
前記圧電層および電極を実質的に取り囲む温度補償層であって、前記上部電極が、前記温度補償材料の中の窓を通して前記基板上の接触パッドまたは半導体デバイスの一方と電気的に相互接続され、前記圧電材料が、前記圧電層と横方向の完全に同一の広がりより狭い支柱で基板上に支持される、温度補償層と、
前記温度補償層で取り囲まれた前記圧電材料の上に形成されるが前記圧電材料と接触しないキャップ層と
を備える、共振器。
【請求項24】
動作中に、周波数の関数としての前記共振器のインピーダンス応答において約5ppm/年以下の速度で転移を示す、請求項23に記載の共振器。
【請求項25】
前記キャップ層がブラッグ層として構築される、請求項24に記載の共振器。
【請求項26】
基板と、
前記基板の上に形成された圧電層であって、前記圧電層の少なくとも一部が2つの電極の間に配置され、前記圧電層が、活性的内部領域および周辺のカラー領域の2つの画定された領域を有し、前記領域がスペーサで画定される、圧電層と、
前記圧電層の上に形成されたキャップ層であって、前記圧電層が前記基板と分離され、前記キャップ層で前記基板上に支持される、キャップ層と
を備える、共振器。
【請求項27】
前記キャップ層がブラッグ層として構築される、請求項26に記載の共振器。
【請求項28】
動作中に、周波数の関数としての前記共振器のインピーダンス応答において、約5ppm/年以下の速度で転移を示す、請求項26に記載の共振器。
【請求項29】
基板と、
前記基板の上に形成された圧電層であって、前記圧電層の少なくとも一部が2つの電極の間に配置される、圧電層と、
前記圧電層およびその関連する電極の上に形成された保護要素であって、共振器が動作中に並列共振および直列共振の両方を有し、前記保護要素が、前記共振器が動作中に周波数の関数としての前記共振器のインピーダンス応答において約5ppm/年以下の速度で転移を示すように構成される、保護要素と
を備える、共振器。
【請求項30】
前記保護要素が、圧電材料の活性的内部領域を取り囲む前記圧電材料のカラーである、請求項29に記載の共振器。
【請求項31】
前記圧電層の上、前記圧電層の下、または前記圧電層の上および下の両方のいずれかに形成され、前記圧電層と少なくとも同一の広がりを持つ横方向の広がりを有するブラッグ構造をさらに備える、請求項29に記載の共振器。
【請求項32】
前記圧電材料の前記活性的内部領域の前記横方向の広がりを画定する誘電体スペーサをさらに備える、請求項29に記載の共振器。
【請求項33】
前記圧電層および電極を取り囲む温度補償層をさらに備え、前記圧電材料が、接触パッドまたは前記基板上の半導体デバイスの一方を前記上部電極と電気的に相互接続させる導電性材料構造によって前記基板上に支持される、請求項29に記載の共振器。
【請求項34】
前記温度補償層で取り囲まれた前記圧電材料の上に形成されるが前記圧電材料と接触しないキャップ層をさらに備える、請求項29に記載の共振器。
【請求項35】
前記圧電層の上に形成されたキャップ層をさらに備え、前記圧電層が前記基板と分離され、前記キャップ層で前記基板上に支持される、請求項29に記載の共振器。
【請求項36】
前記キャップ層がブラッグ層として構築される、請求項29に記載の共振器。
【請求項37】
前記共振器の上に形成された低音響インピーダンス材料の層をさらに備える、請求項29に記載の共振器。
【請求項38】
不動態化層が、前記共振器と低音響インピーダンス材料の前記層との間に介挿される、請求項37に記載の共振器。
【請求項39】
前記圧電層を覆って形成された前記電極に隣接する温度補償層をさらに備える、請求項29に記載の共振器。
【請求項40】
動作中に、並列共振および直列共振の両方を有し、前記並列共振および前記直列共振の少なくとも一方が、長期にわたって約5ppm/年以下の速度で変化する、請求項29に記載の共振器。
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に形成された圧電層であって、前記圧電層の少なくとも一部が2つの電極の間に配置され、前記圧電層が、活性的内部領域および周辺のカラー領域の2つの画定された領域を有する、圧電層と、
前記圧電層の上、前記圧電層の下、または前記圧電層の上および下の両方のいずれかに形成され、前記圧電層と少なくとも同一の広がりを持つ横方向の広がりを有するブラッグ構造と、
前記活性的内部領域の前記横方向の広がりを画定する誘電体スペーサと
を備える、共振器。
【請求項2】
前記スペーサが前記圧電層の前記周辺に隣接する、請求項1に記載の共振器。
【請求項3】
窓が、下部の前記電極で終端する前記スペーサの中に形成される、請求項2に記載の共振器。
【請求項4】
導電性材料が、前記窓の中に配置される、請求項3に記載の共振器。
【請求項5】
前記導電性材料が、前記下部電極と前記基板上に形成された接触パッドとの間、および上部の前記電極と前記基板上に形成された接触パッドとの間の電気的相互接続をもたらす、請求項4に記載の共振器。
【請求項6】
前記導電性材料が、前記下部電極と前記基板に形成された活性的デバイスとの間に電気的相互接続をもたらす、請求項4に記載の共振器。
【請求項7】
前記導電性材料が、同様に、上部の前記ブラッグ構造と接触する、請求項4に記載の共振器。
【請求項8】
前記上部ブラッグ層および導電性材料の上に形成された不動態化層をさらに備える、請求項7に記載の共振器。
【請求項9】
絶縁材料が前記不動態化層の上に形成される、請求項8に記載の共振器。
【請求項10】
前記カラー領域、ブラッグ構造、不動態化層、および絶縁材料が共に、前記共振器の前記活性領域内の前記圧電材料を、外部環境から隔離する、請求項9に記載の共振器。
【請求項11】
前記共振器が配置されるプラスティック・パッケージをさらに備える、請求項10に記載の共振器。
【請求項12】
前記上部電極から空隙で分離されるキャップ構造をさらに備える、請求項4に記載の共振器。
【請求項13】
前記上部ブラッグ構造が、前記基板から延びる柱で支持される、請求項12に記載の共振器。
【請求項14】
前記上部ブラッグ構造が、その上に形成されたキャップ層を有する、請求項13に記載の共振器。
【請求項15】
前記圧電層上に形成された温度補償層をさらに備える、請求項1に記載の共振器。
【請求項16】
動作中に、周波数の関数としての前記共振器のインピーダンス応答において、約5ppm/年以下の速度で転移を示す、請求項1に記載の共振器。
【請求項17】
基板と、
前記基板の上に形成された圧電層であって、前記圧電層の少なくとも一部が2つの電極の間に配置される、圧電層と、
前記圧電層および電極を取り囲む温度補償層であって、前記圧電材料が、接触パッドまたは前記基板上の半導体デバイスの一方を上部の前記電極と電気的に相互接続させる導電性材料構造によって前記基板上に支持される、温度補償層と、
前記温度補償層で取り囲まれた前記圧電材料の上に形成されるが前記圧電材料と接触しないキャップ層と
を備える、共振器。
【請求項18】
前記キャップ層がブラッグ層として構築される、請求項17に記載の共振器。
【請求項19】
動作中に、周波数の関数としての前記共振器のインピーダンス応答において約5ppm/年以下の速度で転移を示す、請求項17に記載の共振器。
【請求項20】
前記キャップ層が、前記導電層から隔置され、前記共振器が、前記基板と圧電層との間の前記基板かまたは前記キャップ層の下側のいずれかに接して配置され、かつ前記キャップ層と前記圧電材料との間に配置された導電層をさらに備える、請求項17に記載の共振器。
【請求項21】
前記導電層が、前記キャップ層の下側に接して形成され、容量結合および誘導結合からなる群から選択されるやり方で前記上部電極に電気的に結合される、請求項20に記載の共振器。
【請求項22】
前記導電層が、前記基板の上に形成され、容量結合および誘導結合からなる前記群から選択されるやり方で前記下部電極に電気的に結合される、請求項20に記載の共振器。
【請求項23】
基板と、
前記基板の上に形成された圧電層であって、前記圧電層の少なくとも一部が2つの電極の間に配置される、圧電層と、
前記圧電層および電極を実質的に取り囲む温度補償層であって、前記上部電極が、前記温度補償材料の中の窓を通して前記基板上の接触パッドまたは半導体デバイスの一方と電気的に相互接続され、前記圧電材料が、前記圧電層と横方向の完全に同一の広がりより狭い支柱で基板上に支持される、温度補償層と、
前記温度補償層で取り囲まれた前記圧電材料の上に形成されるが前記圧電材料と接触しないキャップ層と
を備える、共振器。
【請求項24】
動作中に、周波数の関数としての前記共振器のインピーダンス応答において約5ppm/年以下の速度で転移を示す、請求項23に記載の共振器。
【請求項25】
前記キャップ層がブラッグ層として構築される、請求項24に記載の共振器。
【請求項26】
基板と、
前記基板の上に形成された圧電層であって、前記圧電層の少なくとも一部が2つの電極の間に配置され、前記圧電層が、活性的内部領域および周辺のカラー領域の2つの画定された領域を有し、前記領域がスペーサで画定される、圧電層と、
前記圧電層の上に形成されたキャップ層であって、前記圧電層が前記基板と分離され、前記キャップ層で前記基板上に支持される、キャップ層と
を備える、共振器。
【請求項27】
前記キャップ層がブラッグ層として構築される、請求項26に記載の共振器。
【請求項28】
動作中に、周波数の関数としての前記共振器のインピーダンス応答において、約5ppm/年以下の速度で転移を示す、請求項26に記載の共振器。
【請求項29】
基板と、
前記基板の上に形成された圧電層であって、前記圧電層の少なくとも一部が2つの電極の間に配置される、圧電層と、
前記圧電層およびその関連する電極の上に形成された保護要素であって、共振器が動作中に並列共振および直列共振の両方を有し、前記保護要素が、前記共振器が動作中に周波数の関数としての前記共振器のインピーダンス応答において約5ppm/年以下の速度で転移を示すように構成される、保護要素と
を備える、共振器。
【請求項30】
前記保護要素が、圧電材料の活性的内部領域を取り囲む前記圧電材料のカラーである、請求項29に記載の共振器。
【請求項31】
前記圧電層の上、前記圧電層の下、または前記圧電層の上および下の両方のいずれかに形成され、前記圧電層と少なくとも同一の広がりを持つ横方向の広がりを有するブラッグ構造をさらに備える、請求項29に記載の共振器。
【請求項32】
前記圧電材料の前記活性的内部領域の前記横方向の広がりを画定する誘電体スペーサをさらに備える、請求項29に記載の共振器。
【請求項33】
前記圧電層および電極を取り囲む温度補償層をさらに備え、前記圧電材料が、接触パッドまたは前記基板上の半導体デバイスの一方を前記上部電極と電気的に相互接続させる導電性材料構造によって前記基板上に支持される、請求項29に記載の共振器。
【請求項34】
前記温度補償層で取り囲まれた前記圧電材料の上に形成されるが前記圧電材料と接触しないキャップ層をさらに備える、請求項29に記載の共振器。
【請求項35】
前記圧電層の上に形成されたキャップ層をさらに備え、前記圧電層が前記基板と分離され、前記キャップ層で前記基板上に支持される、請求項29に記載の共振器。
【請求項36】
前記キャップ層がブラッグ層として構築される、請求項29に記載の共振器。
【請求項37】
前記共振器の上に形成された低音響インピーダンス材料の層をさらに備える、請求項29に記載の共振器。
【請求項38】
不動態化層が、前記共振器と低音響インピーダンス材料の前記層との間に介挿される、請求項37に記載の共振器。
【請求項39】
前記圧電層を覆って形成された前記電極に隣接する温度補償層をさらに備える、請求項29に記載の共振器。
【請求項40】
動作中に、並列共振および直列共振の両方を有し、前記並列共振および前記直列共振の少なくとも一方が、長期にわたって約5ppm/年以下の速度で変化する、請求項29に記載の共振器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−516120(P2012−516120A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548189(P2011−548189)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/021975
【国際公開番号】WO2010/085743
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(511181511)サイマティクス ラボラトリーズ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/021975
【国際公開番号】WO2010/085743
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(511181511)サイマティクス ラボラトリーズ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
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