説明

個人識別データ登録方法

【課題】顔認証を行うと同時に個人識別データを登録することができ、顔認証における新たな利用価値を有した方法を提供する。
【解決手段】撮像手段により得られた人物の顔を示す画像データと、記憶手段に記憶された前記射影行列データとに基づいて、該人物の顔の特徴を示す成分値を算出し、算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、記憶手段に記憶されているか否かを判断し、撮像手段により撮像されている人物が同一であると判断した場合に、算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、記憶手段に記憶されていないと判断したとき、記憶手段に記憶された個人識別データの代わりに、新たに算出した成分値を示す成分値データを、新たな個人識別データとして記憶手段に上書きする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人識別データ登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、個人の顔を識別することが可能な顔認証の技術が開発され、入退室の管理や不審人物の監視をはじめとする様々な場面で利用されつつある。
一般に、顔認証装置には、予め個々の人物の顔画像を示すデータが当該人物固有のデータ(個人識別データ)として登録されている。そして、認証段階においては、新たに入力された画像と登録されている画像とを照合することによって、入力された画像の人物が、予め顔画像が登録されている人物であるか否かが判断される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−236244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の顔認証装置の役割は専ら、登録されている個人識別データと入力されたデータとの照合を行う点にある。すなわち、従来の顔認証装置は、予め登録されている人物と入力された画像の人物とが同一人物であるか否かを判断するのみであり、同一人物ではないと判断した場合に、新たな人物のデータを登録したりすることはない。
しかしながら、認証を行うと同時に新たな個人識別データを登録することができる装置を提供することにより、例えば、会員制を導入したサービスの提供において、会員と非会員とを識別するとともに、非会員を登録する等、新たな価値を生み出す可能性も存在する。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、顔認証を行うと同時に個人識別データを登録することが可能であり、顔認証における新たな利用価値を有した個人識別データ登録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下のような個人識別データ登録方法を提供する。

人物の顔を撮像するための撮像手段と、記憶手段と、演算処理手段とを使用した個人識別データ登録方法であって、
前記記憶手段は、複数人の顔が撮像されることにより得られた複数の画像データから生成された射影行列を示す射影行列データと、登録された人物の顔の特徴を示す成分値を示す個人識別データとを記憶するものであり、
前記演算処理手段は、以下(A)〜(D)の処理を1つのサイクルとして繰り返し実行し、更に、(E)或る時点から現時点までに前記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物であるか否かを所定の時間ごとに判断する処理を実行することを特徴とする個人識別データ登録方法。
(A)前記撮像手段により得られた人物の顔を示す画像データと、前記記憶手段に記憶された前記射影行列データとに基づいて、該人物の顔の特徴を示す成分値を算出する処理、
(B)前記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、前記記憶手段に記憶されているか否かを判断する処理、
(C)前記処理(E)において前記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物ではないと判断した後、前記処理(B)において、前記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、前記記憶手段に記憶されていないと判断した場合に、前記処理(A)により算出された成分値を示す成分値データを、個人識別データとして前記記憶手段に記憶する処理、及び、
(D)前記処理(C)の後、前記処理(E)において前記撮像手段により撮像されている人物が同一であると判断した場合に、前記処理(B)において、前記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、前記記憶手段に記憶されていないと判断したとき、前記処理(C)により記憶手段に記憶された前記個人識別データの代わりに、新たに前記処理(A)により算出した成分値を示す成分値データを、新たな個人識別データとして前記記憶手段に上書きして記憶する処理。
【0007】
上記の発明によれば、撮像手段により得られた人物の顔を示す画像データと、射影行列を示す射影行列データとに基づいて、該人物の顔の特徴を示す成分値が算出される。射影行列は、複数人の顔を示す画像データから生成されたものであり、予め記憶手段に記憶されている。
そして、算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、記憶手段に記憶されているか否かが判断される。個人識別データは、登録された人物の顔の特徴を示す成分値を示すデータとして、記憶手段に記憶されている。
上記誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが記憶手段に記憶されていないと判断された場合には、算出された成分値を示す成分値データが、新たな人物の個人識別データとして記憶手段に記憶される。
【0008】
このように、上記の発明によれば、撮像手段により撮像されている人物が予め登録されている人物ではないと判断された場合、撮像されている人物の顔の特徴を示す個人識別データが新たに登録される。すなわち、上記の発明によれば、認証を行うと同時に個人識別データを登録することが可能である。
従来の顔認証装置は、撮像手段により撮像されている人物が予め登録されている人物であると判断された場合に、初めて何らかの処理(例えば、開錠)が行われ、撮像手段により撮像されている人物が予め登録されている人物でないと判断された場合には、特別な処理が行われることはなかった。
これに対し、上記の発明によれば、撮像手段により撮像されている人物が予め登録されている人物でないと判断された場合に、個人識別データが新たに登録される。
【0009】
上記の発明は、とりわけ、以下のような場面に適用されることにより、絶大な効果を奏する。それは、撮像手段により撮像されている人物が予め登録されている人物であるか否かを判別すると同時に、予め登録されている人物ではないと判断された場合には、当該人物の個人識別データを新たに登録することが望まれる場面である。
そのような場面としては、例えば、遊技施設が挙げられる。
上記の発明の個人識別データ登録方法を遊技機に付属的に設置させることにより、該遊技機で遊技を行った遊技者の個人識別データを登録することができる。そして、登録された個人識別データは、遊技者に対する新たなサービス提供に活用することができる。
【0010】
さらに、本発明は、以下のような個人識別データ登録方法を提供してもよい。
(2) 上記の個人識別データ登録装置であって、
上記処理(B)は、
(B−1)上記処理(A)により算出された成分値と、上記記憶手段に記憶されている上記個人識別データの夫々とを比較して、誤差を夫々算出し、各誤差のうち最小の値を決定する処理、
(B−2)上記処理(B−1)により決定された上記最小の値が所定の閾値以上であるか否かを判断する処理、及び、
(B−3)上記処理(B−2)において上記最小の値が所定の閾値以上であると判断した場合に、上記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、上記記憶手段に記憶されていないと判断する処理
であることを特徴とする。
【0011】
(2)の発明によれば、撮像手段により得られた人物の顔を示す画像データと、射影行列を示す射影行列データとに基づいて、該人物の顔の特徴を示す成分値が算出される。射影行列は、複数人の顔を示す画像データから生成されたものであり、予め記憶手段に記憶されている。そして、算出された成分値と、記憶手段に記憶されている個人識別データの夫々とを比較して、誤差を夫々算出し、各誤差のうち最小の値が決定される。そして、決定された最小の値が所定の閾値以上であるか否かが判断される。
上記最小の値が所定の閾値以上であると判断された場合には、算出された成分値を示す成分値データが、新たな人物の個人識別データとして記憶手段に記憶される。
【0012】
このように、(2)の発明によれば、撮像手段により撮像されている人物が予め登録されている人物ではないと判断された場合、撮像されている人物の顔の特徴を示す個人識別データが新たに登録される。すなわち、(2)の発明によれば、認証を行うと同時に個人識別データを登録することが可能である。
従来の顔認証装置は、撮像手段により撮像されている人物が予め登録されている人物であると判断された場合に、初めて何らかの処理(例えば、開錠)が行われ、撮像手段により撮像されている人物が予め登録されている人物でないと判断された場合には、特別な処理が行われることはなかった。
これに対し、(2)の発明によれば、撮像手段により撮像されている人物が予め登録されている人物でないと判断された場合に、個人識別データが新たに登録される。
【0013】
さらに、本発明は、以下のような個人識別データ登録方法を提供してもよい。
(3) 上記(1)又は(2)の個人識別データ登録方法であって、
上記処理(A)は、
上記撮像手段が所定の時間間隔で撮像することにより得られた、人物の顔を示す複数の画像データと、上記射影行列データとに基づいて、該人物の顔の特徴を示す複数の成分値を算出する処理である
ことを特徴とする。
【0014】
(3)の発明によれば、複数の画像データに基づいて、複数の成分値が算出される。
従って、複数の成分値を示すデータに基づいて照合が行われるため、高精度の照合を実現することが可能である。
【0015】
さらに、本発明は、以下のような個人識別データ登録方法を提供してもよい。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1の個人識別データ登録方法であって、
上記演算処理手段は、更に、
(D)上記処理(B)において、上記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、上記記憶手段に記憶されていないと判断した場合に、上記撮像手段により得られた人物の顔を示す画像データに基づいて、個人識別用射影行列を生成する処理を実行し、
上記処理(C)は、
上記処理(B)において、上記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、上記記憶手段に記憶されていないと判断した場合に、上記処理(A)により算出された成分値を示す成分値データと、上記処理(D)により生成された個人識別用射影行列を示す個人識別用射影行列データとを、上記個人識別データとして上記記憶手段に記憶する処理である
ことを特徴とする。
【0016】
(4)の発明によれば、上記誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが記憶手段に記憶されていないと判断された場合、撮像手段により撮像された人物の顔を示す画像データに基づいて、個人識別用射影行列が生成される。そして、該個人識別用射影行列を示す個人識別用射影行列データが、成分値データとともに、個人識別データとして登録される。
個人識別用射影行列は、成分値と同様に個人の顔の特徴を示すものであるが、成分値とは異なるものである。従って、登録される個人識別データは、成分値と個人識別用射影行列という2種類の情報を含むため、それだけ個人の顔の特徴を的確に示すものとなる。
【0017】
さらに、本発明は、以下のような個人識別データ登録方法を提供してもよい。
(5) 上記(1)〜(3)のいずれか1の個人識別データ登録装置であって、
上記演算処理手段は、
上記(A)〜(C)の処理を1つのサイクルとして繰り返し実行し、更に、
(E)或る時点から現時点までに上記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物であるか否かを所定の時間ごとに判断する処理を実行し、
上記処理(C)は、
(C−1)上記処理(E)において上記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物ではないと判断した後、処理(B)において、上記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、上記記憶手段に記憶されていないと初めて判断した場合に、処理(A)により算出された成分値のうち最後に算出された成分値を示す成分値データを、個人識別データとして上記記憶手段に記憶する処理、及び、(C−2)上記処理(C−1)の後、上記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物ではないと判断されていない間に、処理(B)において、上記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、上記記憶手段に記憶されていないと判断した場合、上記記憶手段に記憶された個人識別データのうち最後に記憶された個人識別データの代わりに、処理(A)により算出された成分値のうち最後に算出された成分値を示す成分値データを、新たな個人識別データとして上記記憶手段に記憶する処理である
ことを特徴とする。
【0018】
(5)の発明によれば、撮像手段により撮像されている人物が同一の人物ではないと判断された後、すなわち、或る人物の撮像が開始された後、上記誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、記憶手段に記憶されていないと初めて判断された場合に、算出された成分値のうち最後に算出された成分値を示す成分値データが、個人識別データとして記憶手段に記憶される。
これに対し、或る人物の個人識別データが登録された後、撮像手段により撮像されている人物が同一の人物ではないと判断されていない間に、上記誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、記憶手段に記憶されていないと判断された場合、記憶手段に記憶された個人識別データのうち最後に記憶された個人識別データの代わりに、算出された成分値のうち最後に算出された成分値を示す成分値データが、新たな個人識別データとして記憶手段に記憶される。
【0019】
このように、(5)の発明によれば、或る人物の個人識別データがいったん登録された後、撮像手段により撮像されている人物は変わっていないと判断されるにもかかわらず、再度、上記誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、記憶手段に記憶されていないと判断された場合、新たな個人識別データが上書保存される。
従って、当該人物の個人識別データを、該人物の顔の特徴をより的確に示すデータに更新することができる。
【0020】
さらに、本発明は、以下のような個人識別データ登録方法を提供してもよい。
(6) 上記(4)の個人識別データ登録方法であって、
上記演算処理手段は、
上記(A)〜(D)の処理を1つのサイクルとして繰り返し実行し、更に、
(E)或る時点から現時点までに上記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物であるか否かを所定の時間ごとに判断する処理を実行し、
上記処理(C)は、
(C−1)上記処理(E)において上記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物ではないと判断した後、処理(B)において、上記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、上記記憶手段に記憶されていないと初めて判断した場合に、処理(A)により算出された成分値のうち最後に算出された成分値を示す成分値データ、及び、処理(E)により生成された個人識別用射影行列のうち最後に生成された個人識別用射影行列を示す個人識別用射影行列データを、個人識別データとして上記記憶手段に記憶する処理、並びに、
(C−2)上記処理(C−1)の後、上記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物ではないと判断されていない間に、処理(B)において、上記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、上記記憶手段に記憶されていないと判断した場合、上記記憶手段に記憶された個人識別データのうち最後に記憶された個人識別データの代わりに、処理(A)により算出された成分値のうち最後に算出された成分値を示す成分値データ、及び、処理(E)により生成された個人識別用射影行列のうち最後に生成された個人識別用射影行列を示す個人識別用射影行列データを、新たな個人識別データとして上記記憶手段に記憶する処理である
ことを特徴とする。
【0021】
(6)の発明によれば、撮像手段により撮像されている人物が同一の人物ではないと判断された後、すなわち、或る人物の撮像が開始された後、上記誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、記憶手段に記憶されていないと初めて判断された場合に、算出された成分値のうち最後に算出された成分値を示す成分値データ、及び、生成された個人識別用射影行列のうち最後に生成された個人識別用射影行列を示す個人識別用射影行列データが、個人識別データとして記憶手段に記憶される。
これに対し、或る人物の個人識別データが登録された後、撮像手段により撮像されている人物が同一の人物ではないと判断されていない間に、上記誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、記憶手段に記憶されていないと判断された場合、記憶手段に記憶された個人識別データのうち最後に記憶された個人識別データの代わりに、算出された成分値のうち最後に算出された成分値を示す成分値データ、及び、生成された個人識別用射影行列のうち最後に生成された個人識別用射影行列を示す個人識別用射影行列データが、新たな個人識別データとして記憶手段に記憶される。
【0022】
このように、(6)の発明によれば、或る人物の個人識別データがいったん登録された後、撮像手段により撮像されている人物は変わっていないと判断されるにもかかわらず、再度、上記誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、記憶手段に記憶されていないと判断された場合、新たな個人識別データが上書保存される。
従って、当該人物の個人識別データを、該人物の顔の特徴をより的確に示すデータに更新することができる。
【0023】
さらに、本発明は、以下のような個人識別データ登録方法を提供してもよい。
(7) 上記(5)又は(6)の個人識別データ登録方法であって、
上記演算処理手段は、更に、
(F)上記撮像手段により得られる画像データに人物の顔を示す情報が含まれるか否かを、所定の時間間隔で判断する処理を実行し、
上記処理(E)は、
上記処理(C−1)の時点から現時点までの間に、上記処理(F)により画像データに人物の顔を示す情報が含まれないと判断されていない場合に、上記処理(C−1)の時点から現時点までに上記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物であると判断する処理を含むことを特徴とする。
【0024】
(7)の発明によれば、処理(C−1)の時点から(或る人物の個人識別データがいったん登録された時点から)現時点までの間に、撮像手段により得られる全ての画像データに人物の顔を示す情報が含まれると判断された場合に、その期間に撮像手段により撮像されている人物は同一の人物であると判断される。画像データに人物の顔を示す情報が含まれないと判断されていない間は、同一の人物が撮像範囲内に継続して存在している可能性が高い。
従って、この判断に基づいて、上記上書保存に係る処理を行うことができる。
【0025】
さらに、本発明は、以下のような個人識別データ登録方法を提供してもよい。
(8) 上記(5)〜(7)のいずれか1の個人識別データ登録方法であって、
上記演算処理手段は、更に、
(G)上記撮像手段により撮像される人物が座るための椅子にかかる重量を計量する処理を実行し、
上記処理(E)は、
上記処理(G)により計量される重量に基づいて、或る時点から現時点までに撮像手段により撮像されている人物が同一の人物であるか否かを判断する処理を含む
ことを特徴とする。
【0026】
(8)の発明によれば、撮像手段により撮像される人物が座るための椅子にかかる重量が計量され、計量された重量に基づいて、或る人物の個人識別データがいったん登録された時点から現時点までに撮像手段により撮像されている人物が同一の人物であるか否かが判断される。椅子にかかる重量が変化等しない場合には、人物が椅子を離れた可能性も、他の人物が椅子に座った可能性も低い。従って、このような場合、撮像手段により撮像されている人物は変わっていないと判断することにより、上記上書保存に係る処理を行うことができる。
【0027】
さらに、本発明は、以下のような個人識別データ登録方法を提供してもよい。
(9) 上記(5)〜(8)のいずれか1の個人識別データ登録方法であって、
上記個人識別データ登録方法は、遊技機に付属して設置されるものであり、
上記処理(E)は、上記遊技機において実行される遊技として、遊技者にとって相対的に有利な遊技である特別遊技が実行されている場合に、該特別遊技が開始された時点から現時点までに撮像手段により撮像されている人物が同一の人物であると判断する処理を含む
ことを特徴とする。
【0028】
(9)の発明によれば、個人識別データ登録方法は、遊技機に付属して設置される。そして、遊技機において実行される遊技として、遊技者にとって相対的に有利な遊技である特別遊技が実行されている場合に、該特別遊技が開始された時点から現時点までに撮像手段により撮像されている人物が同一の人物であると判断される。特別遊技が実行されている間は、人物がその場を離れる可能性が低い。従って、このような場合、撮像手段により撮像されている人物は変わっていないと判断することにより、上記上書保存に係る処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、認証を行うと同時に個人識別データを登録することが可能であり、顔認証における新たな利用価値を有した個人識別データ登録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る個人識別データ登録装置及びパチスロ遊技装置を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示した個人識別データ登録装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したパチスロ遊技装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示した副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】個人識別データ登録装置において行われるメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】最小誤差決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】個人識別データ登録処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】顔検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】重量変化検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】(a)は、ボーナスゲーム開始設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。(b)は、ボーナスゲーム終了設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】パチスロ遊技装置の主制御回路において行われる遊技実行処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図12】パチスロ遊技装置の副制御回路において行われるコマンド受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る個人識別データ登録装置及びパチスロ遊技装置を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る個人識別データ登録装置10は、パチスロ遊技装置100の上部に設置されている。個人識別データ登録装置10は、CCDカメラ21を備えている。CCDカメラ21は、パチスロ遊技装置100で遊技を行っている遊技者の顔を撮像するためのものである。CCDカメラ21は、本発明における撮像手段に相当する。
【0032】
次に、本実施形態に係るパチスロ遊技装置100について説明する。
パチスロ遊技装置100は、本発明の遊技機に相当するものである。本発明の遊技機は、この例に限定されず、例えば、パチンコ遊技装置、スロットマシン等を挙げることができる。また、パチスロ遊技装置100は、コイン、メダル又はトークン等の他、遊技者に付与されたか、若しくは、付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であるが、以下においては、メダルを用いるものとして説明することとする。
【0033】
図1に示すように、パチスロ遊技装置100の全体を形成している筐体102の正面には、液晶表示装置105が設置されている。この液晶表示装置105は、透明液晶パネル134(図示せず)を備えており、この透明液晶パネル134は、その一部又は全部を透明/非透明の状態に切り替えることが可能であるとともに、2次元画像や立体視画像等を表示することが可能である。
【0034】
また、液晶表示装置105の背面側には、3個の回転リール103L、103C及び103Rが設けられている。3個の回転リール103L、103C及び103Rは、それぞれその外周面に複数の図柄等の識別情報が表示されており、回転可能に横一列に設けられている。
【0035】
液晶表示装置105の下方には、水平面を有する台座部110が形成されており、台座部110の右側には、メダル投入口122が設けられ、台座部110の左側には、1−BETスイッチ111及び最大BETスイッチ113が設けられている。
【0036】
台座部110の前面部の左寄りには、遊技者が遊技で獲得したメダルのクレジット/払い出しを押し操作により切り替える貯留メダル精算スイッチ114が設けられている。この貯留メダル精算スイッチ114の切り替えにより「払い出し」が選択された場合には、正面下部のメダル払出口115からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受部116に溜められる。一方、「クレジット」が選択された場合には、パチスロ遊技装置100が備えるメモリ(例えば、後述するRAM143等)にメダル数がクレジットとして記憶される。
【0037】
貯留メダル精算スイッチ114の右側には、遊技者の操作により回転リール103L、103C及び103Rを回転させるためのスタートレバー106が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。台座部110の前面部中央には、3個の回転リール103L、103R及び103Cの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン107L、107C及び107Rが設けられている。
【0038】
台座部110の前面部の右寄りには、決定ボタン126及び取消ボタン127が設けられている。この決定ボタン126及び取消ボタン127を操作することにより、液晶表示装置105の表示画面の切替や指示の入力等を行うことができる。
台座部110の前面部の右寄りには、さらに、ドア開閉及び打ち止め解除装置129が設けられている。このドア開閉及び打ち止め解除装置129は、所定の鍵を用いて、右に回すことにより前面ドアの開閉を行い、左に回すことにより打ち止め解除を行う。
【0039】
筐体102の上方の左右には、スピーカ121L及び121Rが設けられ、その2台のスピーカ121L及び121Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を示す配当表パネル123が設けられている。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態に係る個人識別データ登録装置の内部構成を示すブロック図である。
個人識別データ登録装置10は、CPU31、ROM32、及び、RAM33を備えている。
ROM32は、不揮発性メモリであり、CPU31によって実行されるプログラムや、CPU31が処理を行う際に用いられるデータ等を記憶している。
RAM33は、揮発性メモリであり、CPU31の処理結果等に応じたデータを一時的に記憶する。特に本実施形態において、RAM33は、個人識別データを記憶している。個人識別データは、個々の人物の顔画像の特徴を示すデータであり、当該人物固有のデータである。個人識別データについては、後に詳述することとする。
【0041】
CPU31には、CCDカメラ21及び画像処理部34が接続されている。
画像処理部34は、画像認識用LSI34a、SDRAM34b及びEEPROM34cを備えている。画像認識用LSI34aは、図示しないが、例えば、1命令に対して複数のデータを並列的に処理可能なコプロセッサを備えたモジュール、DRAM、DMAコントローラを備えている。SDRAM34bには、CCDカメラ21から出力された画像データが一時的に記憶される。
【0042】
EEPROM34cは、射影行列データを記憶している。射影行列データは、射影行列を示すデータであり、射影行列は、顔認証の分野において有名な固有顔の方法で用いられる行列である。
固有顔の方法では、サンプルとして集められた複数人の顔を示す画像(顔画像)を、画素の輝度値を成分とするベクトルとみなし(画素の輝度値を成分とするベクトルを、以下では輝度値ベクトルともいう)、主成分分析や独立成分分析を行うことにより、顔の特徴を示す部分空間が求められる。この部分空間は、様々な人物の顔画像に基づいて求められるものであり、人の顔の特徴を記述するものである。
射影行列は、上記輝度値ベクトルを当該部分空間に射影するための行列である。なお、固有顔の方法は、従来公知の技術であり、例えば、統計数理(2001)第49巻第1号23−42「パターン認識における主成分分析−顔画像認識を例として−」等に記載されているので、ここでの説明は省略することとする。
【0043】
RAM33及びEEPROM34cは、本発明における記憶手段を構成する。
本発明において、射影行列データと個人識別データとは、本実施形態のように、夫々異なるRAM又はROMに記憶されていてもよいし、単一のRAM又はROMに別個に設けられた記憶領域に記憶されていてもよい。
【0044】
画像処理部34は、CCDカメラ21により入力された画像データに対して前処理を行う(図5のステップS13参照)。また、画像処理部34は、成分値の算出に係る処理を行う。成分値は、上記射影行列を用いて、入力された画像データを示す上記輝度値ベクトルを上記部分空間に射影することにより得られるベクトルである。すなわち、成分値は、個人の顔の特徴を示す。
【0045】
CPU31には、さらに、通信用I/F50が接続されている。そして、通信用I/F50には、パチスロ遊技装置100及び椅子センサ101が接続されている。
椅子センサ101は、遊技者が座るための椅子が備えるものである。本実施形態において、椅子センサ101は、椅子にかかる重量が変化したときに、変化したことを感知し、通信用I/F50を介して、重量変化検出信号を送信するように構成されている。
【0046】
図3は、図1に示したパチスロ遊技装置の内部構成を示すブロック図である。
主制御回路181は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ140を主たる構成要素とするものである。マイクロコンピュータ140は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行う遊技装置制御用メインCPU141と、ROM142及びRAM143とを含む。遊技装置制御用メインCPU141には、基準クロックパルスを設定するクロックパルス発生回路244及び分周器245と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器246及びサンプリング回路247とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、遊技装置制御用メインCPU141の動作プログラム上で乱数のサンプリングを実行するように構成してもよい。
【0047】
ROM142には、副制御回路182へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。当該コマンドとしては、例えば、液晶表示装置105に対する表示制御に関するコマンド等が格納されている。
【0048】
液晶表示装置105に対する表示制御に関するコマンドとしては、例えば、演出開始コマンド、終了演出コマンド等を挙げることができる。
演出開始コマンドは、3つの回転リール103の回転開始時に液晶表示装置105に演出画像を表示させるためのコマンドである。終了演出コマンドは、3つの回転リール103が全て停止した際に液晶表示装置105に演出画像を表示させるためのコマンドである。また、RB、BBの設定又は解除に関するコマンドも、ROM142に格納されており、当該コマンドによってRB又はBBの設定又は解除が副制御回路182に通知される。なお、RB、BBの設定又は解除に関するコマンドにかえて、液晶表示装置105に対する表示制御に関する各種のコマンドに、RB又はBBの実行中であることを示すデータを含めることとしてもよい。
【0049】
上述したような各種のコマンドは、所定条件の成立を契機として遊技装置制御用メインCPU141によってROM142から呼び出されてRAM143にセットされる。そして、RAM143にセットされたコマンドは所定のタイミングで副制御回路182に供給される。副制御回路182は、供給されたコマンドに基づいて各種の処理を実行する。
【0050】
なお、副制御回路182が主制御回路181へコマンド等を入力することはなく、主制御回路181から副制御回路182への一方向で通信が行われる。また、ROM142には、回転リール103L、103C、103Rの回転位置と回転リール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図柄テーブルが格納されており、また、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応付けられた入賞図柄組合せテーブルや、内部当選役を決定する抽選を行うために必要な抽選確率テーブル等が格納される。
RAM143には、上述したコマンド以外に、例えば、メダルの数に相当するクレジット数等、遊技進行に係る変数やフラグ等が格納される。
【0051】
マイクロコンピュータ140からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置(アクチュエータ)としては、各種ランプ(1−BETランプ109a、2−BETランプ109b、最大BETランプ109c、WINランプ117、遊技メダル投入ランプ124、遊技開始表示ランプ125)と、各種表示部(払出枚数表示部118、メダル貯留枚数表示部119、役物作動回数表示部120)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路151の命令により所定枚数のメダルの払い出しを行うホッパー(払い出しのための駆動部を含む)150と、回転リール103L、103C、103Rを回転駆動するステッピングモータ159L、159C、159Rとがある。
【0052】
さらに、ステッピングモータ159L、159C、159Rを駆動制御するモータ駆動回路149、ホッパー150を駆動制御するホッパー駆動回路151、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路155、及び、各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路158が、I/Oポート148を介して遊技装置制御用メインCPU141の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれ遊技装置制御用メインCPU141から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0053】
また、マイクロコンピュータ140が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生させる主な入力信号発生装置としては、スタートスイッチ106S、1−BETスイッチ111、最大BETスイッチ113、貯留メダル精算スイッチ114、投入メダルセンサ122S、リセットスイッチ162、設定用鍵型スイッチ163、リール停止信号回路156、リール位置検出回路160、払い出し完了信号回路161がある。これらもI/Oポート148を介して遊技装置制御用メインCPU141に接続されている。
【0054】
スタートスイッチ106Sは、スタートレバー106の操作を検出する。投入メダルセンサ122Sは、メダル投入口122に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路156は、各停止ボタン107L、107C、107Rの操作に応じて停止信号を発生する。決定ボタン126及び取消ボタン127は、これらの操作により、液晶表示装置105の表示画面の切替や指示の入力等を行うことができる。
【0055】
リール位置検出回路160は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各回転リール103L、103C、103Rの位置を検出するための信号を遊技装置制御用メインCPU141に送信する。
払出完了信号回路161は、メダル検出部150Sの計数値(ホッパー150から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達したとき、メダル払出完了信号を発生する。遊技装置制御用メインCPU141がこのメダル払出完了信号を受信すると、ホッパー駆動回路151を介してホッパー150の駆動を停止し、メダルの払出を完了させる。このメダル検出部150Sは、ホッパー150から払い出されるメダルを検出するための物理センサ等からなるメダルセンサを備えており、このメダルセンサにより払い出されるメダルの枚数の計数を行うことができる。
【0056】
図3に示した回路において、乱数発生器246は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路247は、スタートレバー106が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM142内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
【0057】
リール103L、103C、103Rの回転が開始された後、ステッピングモータ159L、159C、159Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM143の所定エリアに書き込まれる。リール103L、103C、103Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路160を介して遊技装置制御用メインCPU141に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM143で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM143内には、各リール103L、103C、103Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0058】
上記のようなリール103L、103C、103Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM142内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール103L、103C、103Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0059】
更に、ROM142内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール103L、中央のリール103C、右のリール103Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0060】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、遊技装置制御用メインCPU141は、遊技者が停止ボタン107L、107C、107Rを操作したタイミングでリール停止信号回路156から送られる操作信号、及び、選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール103L、103C、103Rを停止制御する信号をモータ駆動回路149に送る。
【0061】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となった場合、貯留メダル精算スイッチ114の切り替えにより「払い出し」が選択されているときには、遊技装置制御用メインCPU141は、払い出し指令信号をホッパー駆動回路151に供給してホッパー150から所定個数のメダルの払い出しを行う。その際、メダル検出部150Sは、ホッパー150から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払い出し完了信号が遊技装置制御用メインCPU141に入力される。これにより、遊技装置制御用メインCPU141は、ホッパー駆動回路151を介してホッパー150の駆動を停止し、「メダルの払い出し処理」を終了する。
一方、貯留メダル精算スイッチ114の切り替えにより「クレジット」が選択されているときには、払い出されるべきメダルの数がクレジットとしてRAM143に記憶されることになる。
【0062】
遊技装置制御用メインCPU141を備えた主制御回路181には、副制御回路182が接続されている。
副制御回路182は、主制御回路181からの制御指令(コマンド)に基づいて、液晶表示装置105の表示制御及びスピーカ121L、121Rからの音の出力制御を行う。
【0063】
図4は、図3に示した副制御回路の構成を示すブロック図である。
尚、本実施形態においては、主制御回路181から副制御回路182に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路182から主制御回路181に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路182から主制御回路181に対して信号を送信できるように構成してもよい。
【0064】
副制御回路182は、遊技装置制御用サブCPU306、プログラムROM308及びワークRAM310を備えている。また、副制御回路182には、インターフェイス回路340を介して、決定ボタン126及び取消ボタン127が接続されている。
また、副制御回路182は、液晶表示装置105における表示制御を行う表示制御回路350と、スピーカ121から発生させる音に関する制御を行う音声制御回路330とを備えている。
【0065】
遊技装置制御用サブCPU306には、プログラムROM308に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有し、遊技装置制御用メインCPU141から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路182の制御を行う。特に、遊技装置制御用サブCPU306は、表示制御回路350に対する表示制御を行う。
【0066】
プログラムROM308には、遊技装置制御用サブCPU306により、液晶表示装置105における遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。
また、プログラムROM308には、液晶表示装置105に表示される画面画像に対応した複数種類の演出パターンと、全てのリール103が停止した際に液晶表示装置105に表示される画面画像に対応した複数種類の終了演出パターンとが記憶されている。
【0067】
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶媒体としてプログラムROM308を用いるように構成したが、これに限らず、CPU等を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、プログラムROM308に記憶されるものをROM142に記憶することとしてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM310等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0068】
また、本実施形態において、遊技装置制御用メインCPU141及びROM142を含む主制御回路181と、遊技装置制御用サブCPU306及びプログラムROM308を含む副制御回路182と、を別々に構成したが、これに限らず、遊技装置制御用メインCPU141及びROM142を含む主制御回路181のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM308に記憶されているプログラムをROM142に記憶させ、遊技装置制御用メインCPU141により実行されるように構成してもよい。もちろん、遊技装置制御用サブCPU306及びプログラムROM308を含む副制御回路182のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したROM142に記憶されているプログラムをプログラムROM308に記憶させ、遊技装置制御用サブCPU306により実行されるように構成してもよい。
【0069】
ワークRAM310は、遊技装置制御用サブCPU306の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。尚、本実施形態においては、遊技装置制御用サブCPU306の一時記憶領域としてワークRAM310を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0070】
また、音声制御回路330は、音声に関する制御を行う音源IC332、各種の音声データを記憶する音声データROM334、音声信号を増幅するための増幅器336(以下、AMPと称する。)から構成されている。
【0071】
この音源IC332は、遊技装置制御用サブCPU306、音声データROM334、AMP336と接続されている。この音源IC332は、スピーカ121から発生させる音声の制御を行う。
【0072】
遊技装置制御用サブCPU306は、遊技装置制御用メインCPU141から供給される
コマンドに基づいて、音声データROM334に記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。その後、遊技装置制御用サブCPU306は、選択された音声データを音声データROM334から読み出し、音源IC332に供給する。音声データを受け取った音源IC332は、その音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMP336に供給する。AMP336は、音声信号を増幅させ、スピーカ121(121L及び121R)から音声を発生させる。
【0073】
表示制御回路350は、遊技装置制御用メインCPU141により決定された遊技結果、又は、各種ボタン126、127により入力された指示に応じて、画面画像を生成し、液晶表示装置105に上記画面画像を表示する制御を行うものであり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)312、各種の画像データを記憶する画像データROM316、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ318から構成されている。VDP312は、遊技装置制御用サブCPU306、画像データが記憶されている画像データROM316、画像データを画像信号に変換するD/Aコンバータ318と接続されている。
【0074】
このVDP312は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の各種の回路を含み、液晶表示装置105に画面画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP312は、液晶表示装置105に対する表示制御を行う。また、VDP312には、液晶表示装置105の透明液晶パネル134に画面画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置105の透明液晶パネル134に画面画像が表示されることとなる。
【0075】
画像データROM316は、例えば、背景画像、キャラクタを表すキャラクタ画像等を記憶する。
【0076】
VDP312は、遊技装置制御用サブCPU306から供給される画像表示命令(コマンド)に応じて、画像データROM316から、演出画像を抽出する。
【0077】
ここからは、図5〜図10に示すフローチャートに基づいて、個人識別データ登録装置10において行われる処理について説明する。
図5〜図10に示す処理は、CPU31と画像処理部34とが協働して実行する処理である。CPU31と画像処理部34とは、本発明における演算処理手段に相当する。
なお、図5〜図7に示す処理のうち下記の処理は、本発明における処理のうち下記の処理に相当する。
(I)図6のステップS30の処理・・・本発明における処理(A)
(II)図6のステップS31〜ステップS32の処理・・・本発明における処理(B−1)
(III)図5のステップS16の処理・・・本発明における処理(B−2)〜(B−3)
(IV)図5のステップS17の処理・・・本発明における処理(C)
(V)図7のステップS42の処理・・・本発明における処理(C−1)
(VI)図7のステップS55の処理・・・本発明における処理(C−2)
(VII)図7のステップS41又はステップS54の処理・・・本発明における処理(D)
(VIII)図7のステップS50〜ステップS53の処理・・・本発明における処理(E)以下、各処理について詳述する。
【0078】
図5は、個人識別データ登録装置において行われるメイン処理を示すフローチャートである。
まず、CPU31は、パチスロ遊技装置100の遊技装置制御用メインCPU141から、メダル検出信号を受信する(ステップS10)。メダル検出信号は、メダルが投入されたと判断した場合に(図11のステップS300及びステップS301参照)、遊技装置制御用メインCPU141が送信する信号であり、通信用I/F50を介して、CPU31に送信される。
【0079】
次に、CPU31は、CCDカメラ21に撮像開始信号を送信する(ステップS11)。
撮像開始信号は、撮像を開始する旨の信号である。該信号を受信すると、CCDカメラ21は、所定の時間間隔で撮像を行う。
【0080】
次に、CPU31は、CCDカメラ21から、撮像によって得られた画像データを受信する(ステップS12)。
【0081】
次に、CPU31は、画像処理部34に前処理を行わせる(ステップS13)。具体的には、画像処理部34は、以下の処理を行う。
(i)まず、画像処理部34は、受信した画像データを64×64以下の低解像度に落とし、ヒストグラム伸張及び平滑化を行う。
(ii)次に、画像処理部34は、(i)後の画像データに対して、8分の1ブロックごとに、輝度値が平均顔と等しくなるようにする。
(iii)次に、画像処理部34は、(ii)後の画像データに対して、平均顔との相関が最も高くなるように2次アフィン変換のパラメータを求める。
(iv)次に、画像処理部34は、(iii)で求めたパラメータにより画像データを2次アフィン変換し、16×16の領域を切り出す。
(v)次に、画像処理部34は、(iv)で切り出した領域に対して、ラプラシアンフィルタ及びガウシアンフィルタにより、エッジ強調を行う。
(vi)次に、画像処理部34は、(v)で偏った輝度値に対して、ヒストグラム伸張及び平滑化を行う。
(vii)次に、画像処理部34は、(iv)で切り出した領域の輝度値が、分散が1及び平均が0となるように正規化を行う。
【0082】
なお、本実施形態における射影行列は、サンプルとして集められた複数人の顔画像のデータに対して、(i)〜(vii)の処理を行った後、主成分分析を実行することにより算出されたものである。
また、本実施形態では、前処理として(i)〜(vii)の処理が行われることとしたが、前処理はこの例に限定されるものではなく、従来公知の処理を適宜採用することが可能である。
【0083】
次に、CPU31は、ステップS12で受信しステップS13で前処理を行った画像データが所定数(例えば、5)に達したか否かを判断する(ステップS14)。該画像データが所定数に達していないと判断した場合、CPU31は、ステップS12に処理を移す。
一方、該画像データが所定数に達したと判断した場合、CPU31は、ステップS15に処理を移す。
【0084】
ステップS15において、CPU31は、最小誤差決定処理を行う。ここで、図6を用いて、最小誤差決定処理について説明する。
【0085】
図6は、最小誤差決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU31は、画像処理部34に成分値算出処理を行わせる(ステップS30)。上述したように、成分値とは、射影行列を用いて、入力された画像データを示す上記輝度値ベクトルを上記部分空間に射影することにより得られるベクトルであり、個人の顔の特徴を示すものである。
すなわち、画像処理部34は、EEPROM34cに記憶されている射影行列データに基づいて、ステップS13の処理後の輝度値ベクトルを、上記部分空間に射影することにより、成分値を算出する。本実施形態では、所定数の画像データから成分値が算出される(ステップS14参照)ので、ステップS30で算出される成分値は、所定数の成分値からなるものである。
【0086】
次に、CPU31は、ステップS30で算出された成分値を示す成分値データと、RAM33に記憶されている個人識別データの夫々とを比較して、誤差を夫々算出する(ステップS31)。
ステップS31で算出される誤差は、個人識別データ登録装置に既に登録されている人物の顔の特徴と、新たにCCDカメラ21により撮像された人物の顔の特徴との差異を示す値である。
すなわち、後述するように、各誤差のうち最小の値(最小誤差)が所定の閾値以上の場合には、当該成分値データが、個人識別データとして登録される(ステップS16及びステップS17参照)。このように、個人識別データ登録装置に個人識別データとして記憶されているデータは、登録されている人物の顔の特徴を示す成分値を示すデータであることから、成分値データと個人識別データとを比較して得られる誤差は、登録されている人物の顔の特徴と、撮像された人物の顔の特徴との差異を示すものとなる。
【0087】
なお、本実施形態において、誤差としては、パターン認識の分野でマッチングの評価式として一般的に用いられる距離を採用する。もっとも、本発明において、マッチングの評価式としては、類似度を採用してもよい。
【0088】
次に、CPU31は、ステップS31で算出された各誤差のうち最小の値を、最小誤差として決定する(ステップS32)。
以上、図6を用いて、図5のステップS15における最小誤差決定処理について説明した。
【0089】
次に、CPU31は、図5のステップS16において、ステップS15(図6のステップS32)で決定された最小誤差が所定の閾値以上であるか否かを判断する。最小誤差が所定の閾値以上であると判断した場合、CPU31は、ステップS17で個人識別データ登録処理を行う。一方、最小誤差が所定の閾値未満であると判断した場合、CPU31は、ステップS17の処理を行わずに、ステップS18に処理を移す。
【0090】
以上で述べたように、本実施形態では、最小誤差(距離の最小値)を求め、マッチングに係る処理として、該最小誤差が所定の閾値以上であるか否かが判断される。ここで、該最小誤差が所定の閾値以上であると判断されることは、CCDカメラ21で撮像されている人物が、個人識別データ登録装置10に既に登録されているいずれの人物とも異なる人物であると判断されることを意味する。従って、個人識別データ登録装置10は、最小誤差が所定の閾値以上であると判断した場合には、当該人物を新たな登録者として、該人物の個人識別データを記憶するように構成されているのである。
【0091】
ここで、図7を用いて、ステップS17で行われる個人識別データ登録処理について説明する。図7は、個人識別データ登録処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU31は、登録フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS40)。登録フラグは、ステップS11で撮像開始信号を受信したことを契機として、CCDカメラ21による撮像が開始した後、初めて個人識別データが記憶されたときにセットされるフラグである(ステップS43参照)。
登録フラグがセットされていないと判断した場合、CPU31は、ステップS41〜ステップS43の処理を実行する。一方、登録フラグがセットされていると判断した場合、CPU31は、ステップS50〜ステップS55の処理を実行する。
【0092】
まず、ステップS41〜ステップS43について説明する。
ステップS41において、CPU31は、個人識別用射影行列を生成する処理を行う。個人識別用射影行列は、上記射影行列とは異なり、個人の顔画像から生成されるものである。
CPU31は、ステップS13の処理後の所定数の画像データを示す輝度値ベクトルに対して、主成分分析を行うことにより、個人識別用射影行列を算出する。
【0093】
なお、本実施形態において、ステップS12〜ステップS17の処理は、パチスロ遊技装置100において遊技が終了するまで繰り返し実行されるものであり(ステップS18参照)、そのことに起因して、「ステップS13の処理後の所定数の画像データ」も複数存在する可能性がある。
ステップS41において、個人識別用射影行列を算出するために用いられる「ステップS13の処理後の所定数の画像データ」とは、複数存在し得る「ステップS13の処理後の所定数の画像データ」のうち、最も新しい「ステップS13の処理後の所定数の画像データ」である。
【0094】
また、本実施形態において、個人識別用射影行列は、主成分分析によって算出されることとしたが、本発明において、個人識別用射影行列の算出方法は、主成分分析に限定されるものではない。例えば、個人識別用射影行列は、独立成分分析等により算出されるように構成されていてもよい。
【0095】
なお、個人識別用射影行列は、個人の顔画像から生成されるものであり、個人の顔の特徴を示すものである。個人の顔の特徴を示すという点では、成分値と同様であるが、該特徴の表現方法が異なる。
すなわち、上述したように、成分値は、個人の画像データを示す輝度値ベクトルを、複数人の顔の特徴を記述する部分空間に射影することにより得られるベクトルである。これに対し、個人識別用射影行列は、個人の画像データを示す輝度値ベクトルを、該個人の顔の特徴を記述する部分空間に射影するための射影行列である。
このように、本実施形態では、個人の顔の特徴を、成分値と個人識別用射影行列という2つの要素によって示す。
【0096】
次に、CPU31は、ステップS30で算出された成分値を示す成分値データと、ステップS41で算出された個人識別用射影行列を示す個人識別用射影行列データとを、個人識別データとして、RAM33に記憶する(ステップS42)。
【0097】
なお、上述したように、本実施形態において、ステップS12〜ステップS17の処理は、パチスロ遊技装置100において遊技が終了するまで繰り返し実行されるものであり(ステップS18参照)、そのことに起因して、成分値も、繰り返し算出されている可能性がある。
ここで、ステップS42において、RAM33に記憶される個人識別データの基礎となる成分値は、最後に算出された(最も新しい)成分値である。
なお、ステップS42において個人識別データを記憶することを、以下では、「個人識別データの1回目の登録」ともいうこととする。後述するように、ステップS42で個人識別データが記憶された後も、記憶されている個人識別データが新たな個人識別データに上書保存される場合があるからである(ステップS55参照)。
【0098】
次に、CPU31は、登録フラグをセットする(ステップS43)。前述したように、登録フラグは、ステップS11で撮像開始信号を受信したことを契機として、CCDカメラ21による撮像が開始した後、初めて個人識別データが記憶されたときにセットされるフラグである。
ステップS43の処理を実行した後、CPU31は、本サブルーチンを終了する。
【0099】
以上、ステップS40で登録フラグがセットされていないと判断された場合に実行されるステップS41〜ステップS43の処理について説明した。
ここからは、テップS40で登録フラグがセットされていると判断された場合に実行されるステップS50〜ステップS55の処理について説明する。
【0100】
ステップS50において、CPU31は、個人識別データが1回目に登録された後、すなわち、ステップS42の処理を行った後にステップS12で受信する全ての画像データに、顔を示す情報が含まれていたか否かを判断する。
ステップS50の処理は、図8に示す顔検出処理の結果に基づいて、行われるものである。ここで、顔検出処理について説明する。
【0101】
図8は、顔検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
本実施形態において、CPU31は、登録フラグがセットされているとき、CCDカメラ21から画像データを受信する毎に、該画像データに人物の顔を示す情報が含まれているか否かを判断する処理(顔検出処理)を実行するように構成されている。
【0102】
まず、CPU31は、CCDカメラ21から画像データを受信する(ステップS12)。
次に、CPU31は、登録フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS61)。登録フラグがセットされていないと判断した場合、CPU31は、本サブルーチンを終了する。一方、登録フラグがセットされていると判断した場合、CPU31は、ステップS62に移行する。
【0103】
ステップS62において、CPU31は、ステップS12で受信した画像データに人物の顔を示す情報が含まれるか否かを判断する。
顔検出の手法としては、公知技術を適宜採用することが可能である。
もっとも、処理を迅速に行うためには、できるだけ計算量が少なくすむ方法を採用することが望ましい。そのような方法としては、例えば、画像の中に人間に特有の肌色の領域が含まれるか否かを判断することにより、顔検出を行う方法が挙げられる(例えば、特開2005−242582参照)。本実施形態においても、EEPROM34cに人間の肌色情報を記憶させておき、画像データに該肌色情報が含まれるか否かを画像処理部34が判断するという構成を採用することが可能である。
【0104】
ステップS62において、顔を示す情報が含まれると判断した場合、CPU31は、当該画像に顔を示す情報が含まれていたことを示す情報を、RAM33に記憶する(ステップS63)。一方、顔を示す情報が含まれていないと判断した場合、CPU31は、当該画像に顔を示す情報が含まれていなかったことを示す情報を、RAM33に記憶する(ステップS64)。ステップS63又はステップS64の処理を実行した後、CPU31は、本サブルーチンを終了する。
図7のステップS50は、以上の顔検出処理の結果に基づいて行われるものである。
【0105】
ステップS50において、ステップS42の処理を行った後にステップS12で受信する全ての画像データに顔を示す情報が含まれていたと判断した場合、CPU31は、ステップS54に処理を移す。一方、ステップS42の処理を行った後にステップS12で受信する画像データのなかに、顔を示す情報が含まれていない画像データが存在したと判断した場合、CPU31は、ステップS51に処理を移す。
【0106】
ステップS51において、CPU31は、個人識別データが1回目に登録された後、すなわち、ステップS42の処理を行った後に、遊技者が座るための椅子にかかる重量が変化したか否かを判断する。
前述したように、本実施形態において、CPU31は、通信用I/F50を介して、椅子センサ101と接続されている。そして、椅子センサ101は、圧力センサで構成されており、椅子にかかる重量が変化したときに、変化したことを感知し、通信用I/F50を介して、重量変化検出信号を送信するように構成されている。従って、CPU31は、該信号を受信したか否かを判断することにより、椅子にかかる重量が変化したか否かを判断する(重量変化検出処理を行う)ことが可能である。
【0107】
本実施形態では、椅子にかかる重量が変化したとき、椅子センサ101が変化したことを感知し、CPU31に信号を送信することとしている。しかし、本発明においては、椅子センサが個人識別データ登録装置のCPUに重量を示す情報(重量情報)を送信することとし、CPU31が受信した重量情報に基づき、重量が変化したことを検出することとしてもよい。
【0108】
ステップS51の処理について、図9を用いて説明する。
図9は、重量変化検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU31は、椅子センサ101から重量変化検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS70)。重量変化検出信号を受信していないと判断した場合、CPUU31は、ステップS70に処理を戻す。
一方、重量変化検出信号を受信したと判断した場合、CPU31は、登録フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS71)。登録フラグがセットされていないと判断した場合、CPU31は、本サブルーチンを終了する。
【0109】
一方、登録フラグがセットされていると判断した場合、CPU31は、重量変化フラグをセットする(ステップS72)。すなわち、重量変化フラグは、個人識別データが1回目に登録された後に重量変化検出信号を受信したことを示す。
ステップS72の処理を実行した後、CPU31は、本サブルーチンを終了する。
【0110】
図7のステップS51において、CPU31は、具体的に以下の処理を行う。
すなわち、ステップS51において、CPU31は、重量変化フラグがセットされているか否かを判断することにより、ステップS42の処理後に椅子にかかる重量が変化したか否かを判断するのである。椅子にかかる重量が変化していないと判断した場合、CPU31は、ステップS54に処理を移す。一方、椅子にかかる重量が変化したと判断した場合、CPU31は、ステップS52に処理を移す。
【0111】
ステップS52において、CPU31は、パチスロ遊技装置100においてBB又はRBが実行されているか否かを判断する。BBとRBとを、以下では、ボーナスゲームともいう。BB及びRB(ボーナスゲーム)は、本発明における特別遊技に相当する。
ボーナスゲームが実行されていると判断した場合、CPU31は、該ボーナスゲームが、個人識別データが1回目に登録された後、すなわち、ステップS42の処理を行った後に始まったか否かを判断する(ステップS53)。該ボーナスゲームが、ステップS42の処理を行った後に始まったのではないと判断した場合、CPU31は、ステップS54に処理を移す。
該ボーナスゲームがステップS42の処理を行った後に始まったと判断した場合、又は、ステップS52でパチスロ遊技装置においてボーナスゲームが実行されていないと判断した場合、CPU31は、本サブルーチンを終了する。
ここで、図10(a)及び図10(b)を用いて、ステップS52及びステップS53の処理について詳細に説明する。
【0112】
図10(a)は、ボーナスゲーム開始設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ボーナスゲーム開始設定処理は、パチスロ遊技装置100においてボーナスゲームが開始するときに、CPU31が実行する処理である。
まず、CPU31は、ボーナスゲーム開始信号を受信したか否かを判断する(ステップS80)。ボーナスゲーム開始信号は、ボーナスゲームが開始したことを契機として、遊技装置制御用メインCPU141が送信する信号である(図12のステップS330及びステップS340参照)。
ボーナスゲーム開始信号を受信していないと判断した場合、CPU31は、ステップS80に処理を戻す。一方、ボーナスゲーム開始信号を受信したと判断した場合、CPU31は、登録フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS81)。
【0113】
登録フラグがセットされていないと判断した場合、CPU31は、ボーナスゲームフラグ(1)をセットする(ステップS82)。一方、登録フラグがセットされていると判断した場合、CPU31は、ボーナスゲームフラグ(2)をセットする(ステップS83)。
すなわち、ボーナスゲームフラグ(1)は、個人識別データが1回目に登録された時点以前にボーナスゲームが開始したことを示す情報を含む。一方、ボーナスゲームフラグ(2)は、個人識別データが1回目に登録された時点以降にボーナスゲームが開始したことを示す情報を含む。
ステップS82又はステップS83の処理を実行した後、CPU31は、本サブルーチンを終了する。
【0114】
図10(b)は、ボーナスゲーム終了設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ボーナスゲーム終了設定処理は、パチスロ遊技装置100においてボーナスゲームが終了するときに、CPU31が実行する処理である。
まず、CPU31は、ボーナスゲーム終了信号を受信したか否かを判断する(ステップS90)。ボーナスゲーム終了信号は、ボーナスゲーム(BBとRBとの双方)が終了したことを契機として、遊技装置制御用メインCPU141が送信する信号である(図12のステップS351参照)。
ボーナスゲーム終了信号を受信していないと判断した場合、CPU31は、ステップS90に処理を戻す。一方、ボーナスゲーム終了信号を受信したと判断した場合、CPU31は、ボーナスゲームフラグ(1)及びボーナスゲームフラグ(2)をクリアする(ステップS91)。
ステップS91の処理を実行した後、CPU31は、本サブルーチンを終了する。
【0115】
以上、図10を用いて、ボーナスゲーム開始設定処理及びボーナスゲーム終了設定処理について説明した。
ボーナスゲーム開始設定処理及びボーナスゲーム終了設定処理の結果に基づいて、ステップS52とステップS53とにおいて、CPU31は、具体的に以下の処理を行う。
【0116】
ステップS52において、CPU31は、ボーナスゲームフラグ(1)又はボーナスゲームフラグ(2)がセットされているか否かを判断する。
そして、CPU31がボーナスゲームフラグ(1)又はボーナスゲームフラグ(2)がセットされていると判断することは、パチスロ遊技装置100においてボーナスゲームが実行されていると判断することに相当する。一方、CPU31がボーナスゲームフラグ(1)もボーナスゲームフラグ(2)もセットされていないと判断することは、パチスロ遊技装置100においてボーナスゲームが実行されていないと判断することに相当する。
【0117】
ステップS53において、CPU31は、ボーナスゲームフラグ(1)とボーナスゲームフラグ(2)のうちいずれがセットされているのかを判断する。
そして、CPU31がボーナスゲームフラグ(1)がセットされていると判断することは、当該ボーナスゲームがステップS42の処理を行った後に始まったのではないと判断することに相当する。一方、CPU31がボーナスゲームフラグ(2)がセットされていると判断することは、当該ボーナスゲームがステップS42の処理を行った後に始まったと判断することに相当する。
【0118】
ステップS53において、ボーナスゲームがステップS42の処理を行った後に始まったのではないと判断した場合、CPU31は、個人識別用射影行列を生成する処理を行う(ステップS54)。個人識別用射影行列については、ステップS41において説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。
【0119】
次に、CPU31は、ステップS43又はステップS55でRAM33に記憶された個人識別データのうち最後に記憶された個人識別データの代わりに、ステップS30で算出された成分値を示す成分値データと、ステップS54で算出された個人識別用射影行列を示す個人識別用射影行列データとを、新たな個人識別データとして、RAM33に記憶する(ステップS55)。
【0120】
なお、前述したように、本実施形態において、ステップS12〜ステップS17の処理は、パチスロ遊技装置100において遊技が終了するまで繰り返し実行されるものであり(ステップS18参照)、そのことに起因して、成分値及び個人識別用射影行列も、繰り返し算出されている可能性がある。
ここで、ステップS55において、RAM33に記憶される個人識別データの基礎となる成分値及び個人識別用射影行列は、最後に算出された(最も新しい)成分値及び個人識別用射影行列である。
すなわち、ステップS55において、CPU31は、個人識別データを、最新の成分値及び個人識別用射影行列に、上書保存する処理(上書保存処理)を行うのである。
ステップS55の処理を実行した後、CPU31は、本サブルーチンを終了する。
【0121】
以上で説明したように、ステップS55の上書保存処理が行われるのは、ステップS42でいったん個人識別データが登録された後に再度最小誤差が所定の閾値以上であると判断された場合であり、且つ、以下の3つの条件のうちいずれか1を満たした場合である。
<1>1回目の個人識別データの登録後に受信する全ての画像データに顔を示す情報が含まれていること
<2>1回目の個人識別データの登録後に重量変化が検知されなかったこと
<3>1回目の個人識別データの登録以降ボーナスゲームが継続していたこと
すなわち、<1>〜<3>の条件が満たされるとき、CCDカメラ21によって撮像される人物が同一人物である蓋然性が高い状況にある。このように、本発明では、1回目の個人識別データの登録以降にCCDカメラ21で撮像されている人物が同一人物である蓋然性が高い状況である場合に、新たに算出した成分値を示す成分値データを上書き保存することとしている。これは、該状況において新たに撮像された人物は個人識別データ登録装置に登録された人物のいずれでもないと判断されたということは、先に登録された成分値よりも、新たに算出した成分値(及び個人識別用射影行列)の方が、当該人物の顔の特徴をより的確に表現するものであることを示すからである。
【0122】
これに対応して、本実施形態では、以下の<1>〜<3>のいずれか1の場合に、CPU31がCCDカメラ21によって撮像されている人物が同一の人物であると判断し(本発明における処理(E))、個人識別データの書き換えを行う(本発明における処理(C−2))という構成を採用しているのである。
<1>ステップS42の処理を行った後にステップS12で受信する全ての画像データに、顔を示す情報が含まれていたと判断した場合(ステップS50:YES)
<2>ステップS42の処理を行った後に、遊技者が座るための椅子にかかる重量が変化しなかったと判断した場合(ステップS51:NO)
<3>パチスロ遊技装置100においてボーナスゲームが実行されていると判断し(ステップS52:YES)、且つ、該ボーナスゲームがステップS42の処理を行った後に始まったのではないと判断した(ステップS53:NO)場合
【0123】
本実施形態において、ステップS50では、「ステップS42の処理を行った後」にステップS12で受信する全ての画像データに、顔を示す情報が含まれていたか否かが判断され、ステップS51では、「ステップS42の処理を行った後」に、遊技者が座るための椅子にかかる重量が変化したか否かが判断され、ステップS53では、ボーナスゲームが「ステップS42の処理を行った後」に始まったか否かが判断されることとしている。もっとも、本発明において、これらの判断の基準時は、ステップS42の処理の時点に限定されない。例えば、ステップS42より前であって最後にCCDカメラ21による撮像が行われた時点をこれらの判断の基準時としてもよい。
この場合、例えば、ステップS50の処理は以下のようになる。
すなわち、CPU31は、ステップS42より前であって最後にCCDカメラ21による撮像が行われた時点以降にステップS12で受信する全ての画像データに、顔を示す情報が含まれていたか否かを判断する。
【0124】
以上、図7を用いて、図5のステップS17の処理について説明した。
ステップS17の処理を実行した後、又は、ステップS16で最小誤差が所定の閾値以上であると判断した場合、CPU31は、遊技終了信号を受信したか否かを判断する(ステップS18)。遊技終了信号は、パチスロ遊技装置100において、クレジットが0の状態で所定の期間が経過した場合、又は、スタートレバーがONにされない状態で所定の期間が経過した場合に、遊技装置制御用メインCPU141が送信する信号である(図11のステップS312及びステップS321参照)。
遊技終了信号を受信していないと判断した場合、CPU31は、ステップS12に処理を移す。
【0125】
一方、遊技終了信号を受信したと判断した場合、CPU31は、登録フラグをクリアし(ステップS19)、重量変化フラグをクリアする(ステップS20)。そして、CCDカメラ21に撮像終了信号を送信する(ステップS21)。該信号を受信すると、CCDカメラ21は、撮像を終了する。
ステップS21の処理を実行した後、CPU31は、メイン処理を終了する。
【0126】
ここまで、個人識別データ登録装置10において行われる処理について説明した。
以下では、パチスロ遊技装置100において行われる処理について説明する。
【0127】
図11は、主制御回路において行われる遊技実行処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【0128】
まず、遊技装置制御用メインCPU141は、メダルの自動投入の要求があるか否かを判断する(ステップS120)。なお、自動投入の要求がある場合とは、先の遊技において再遊技(リプレイ)の入賞が成立した場合である。メダルの自動投入の要求があるときには、投入要求分のメダルを自動投入し(ステップS122)、副制御回路182にメダル投入コマンドを送信する(ステップS123)。
【0129】
一方、ステップS120において、メダルの自動投入の要求がないと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、メダルが投入されたか否かを判断する(ステップS300)。すなわち、遊技装置制御用メインCPU141は、メダル投入口122にメダルが投入されたことを検知した投入メダルセンサ122Sにより発せられる検知信号を受信したか否か、又は、BETスイッチ(1−BETスイッチ111又は最大BETスイッチ113)により発せられる検知信号を受信したか否かを判断することにより、メダルが投入されたか否かを判断する。なお、BETスイッチ(1−BETスイッチ111又は最大BETスイッチ113)により発せられる検出信号を受信したと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、RAM143に記憶されたクレジット数から、BETされたメダルの数に相当するクレジット数を減算する処理を行う。
【0130】
ステップS300において、メダルが投入されたと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、個人識別データ登録装置10のCPU31に対して、メダル検出信号を送信する(ステップS301)。メダル検出信号は、メダルが投入されたことを示す信号である。前述したように、CPU31は、メダル検出信号を受信したことを契機として、図5に示したメイン処理を開始する。
【0131】
ステップS300において、メダルが投入されていないと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS310に移す。
ステップS310において、遊技装置制御用メインCPU141は、RAM143に記憶されたクレジット数が0であるか否かを判断する。クレジット数が0でないと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS120に戻す。一方、クレジット数が0であると判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS311に移す。
ステップS311において、遊技装置制御用メインCPU141は、回転リール103L、103C、103Rの回転が停止した後、所定期間が経過したか否かを判断する。所定期間が経過していないと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS300に戻す。一方、所定期間が経過したと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS312に移す。
ステップS312において、遊技装置制御用メインCPU141は、個人識別データ登録装置10のCPU31に対して、遊技終了信号を送信する。遊技終了信号は、パチスロ遊技装置100において遊技が終了したことを示す信号である。前述したように、CPU31は、遊技終了信号を受信したことを契機として、図5のメイン処理を終了する。
ステップS312の処理を実行した後、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS120に戻す。
【0132】
ステップS301の処理を実行した後、又は、ステップS123の処理を実行した後、遊技装置制御用メインCPU141は、スタートレバー106が操作されたか否かを判断する(ステップS124)。すなわち、遊技装置制御用メインCPU141は、スタートスイッチ106Sからの入力信号を受信したか否かを判断するのである。
【0133】
ステップS124において、スタートレバー106が操作されていないと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS320に移す。
ステップS320において、遊技装置制御用メインCPU141は、回転リール103L、103C、103Rの回転が停止した時点から、所定期間が経過したか否かを判断する。所定期間が経過していないと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS124に戻す。一方、所定期間が経過したと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS321に移す。
ステップS321において、遊技装置制御用メインCPU141は、個人識別データ登録装置10のCPU31に対して、遊技終了信号を送信する。遊技終了信号は、パチスロ遊技装置100において遊技が終了したことを示す信号である。前述したように、CPU31は、遊技終了信号を受信したことを契機として、図5のメイン処理を終了する。ステップS321の処理を実行した後、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS120に戻す。
【0134】
ステップS124において、スタートレバー106が操作されたと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、各種設定に係る処理を行う(ステップS125)。この各種設定処理では、スタートレバー106が操作されたタイミングで、乱数発生器246から乱数のサンプリングを行い、当該サンプリングされた乱数値と、RAM143に設定されている抽選確率テーブルとに基づいて内部当選役(当選フラグ)を生成する抽選処理が行われる。また、この各種設定処理では、例えば、WINランプ点灯抽選処理、回転リールを停止させるための停止制御テーブルの選択に係る処理、リール回転用に初期化する処理等を行い、回転リール103(103L、103C、103R)の回転を開始させる。
【0135】
回転リール103L、103C、103Rの回転が開始された後、ステッピングモータ159L、159C、159Rの各々に送信される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM143に記憶される。回転リール103L、103C、103Rから一回転ごとにリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路160を介して遊技装置制御用メインCPU141に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM143で計数されている駆動パルスに計数値が「0」にクリアされる。このようにすることにより、RAM143内には、各回転リール103L、103C、103Rについての一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0136】
また、回転リール103L、103C、103Rの回転位置と回転リール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるためにROM142に格納された図柄テーブルでは、上述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各回転リール103L、103C、103Rの一定の回転ピッチごとに順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバーごとに対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応付けられている。また、ROM142に格納された入賞図柄組合せテーブルは、各回転リール103L、103C、103Rの停止制御時、及び、全回転リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。ステップS125の処理を実行した後、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS126に移す。
【0137】
ステップS126において、遊技装置制御用メインCPU141は、RAM143に演出開始コマンドをセットする。この演出開始コマンドは、液晶表示装置105への所定の演出画像の表示を開始させるためのコマンドであり、上記抽選処理により決定された内部当選役に関するデータを含んでいる。演出開始コマンドは、所定のタイミングで副制御回路182に供給される。
ステップS126の処理を実行した後、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS128に移す。
【0138】
ステップS128において、遊技装置制御用メインCPU141は、リール停止信号回路156からの入力信号の有無により、停止ボタン107(107L、107C、107R)が「オン」であるか否かを判断する(ステップS128)。停止ボタン7が「オン」ではないと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、自動停止タイマの値が「0」であるか否かを判断し(ステップS129)、「0」ではないと判断した場合には、処理をステップS128に戻す。
【0139】
一方、ステップS128において、停止ボタン107が「オン」であると判断した場合、又は、ステップS129において、自動停止タイマの値が「0」であると判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、停止ボタン107に対応した回転リール103の回転を停止させるのであるが、その際、当選要求(内部当選役のこと)、図柄位置(操作時における回転リール103の回転位置)、選択されている停止制御テーブル等から滑りコマ数を決定する(ステップS130)。
【0140】
次に、遊技装置制御用メインCPU141は、ステップS130において決定された滑りコマ数分、回転リール103を回転させて停止させる処理を行い(ステップS131)、一の回転リール103についての停止要求をセットする(ステップS132)。
【0141】
次に、遊技装置制御用メインCPU141は、3つの回転リール103(103L、103C、103R)の全てが停止したか否かを判断する(ステップS135)。全ての回転リール103が停止していないと判断した場合、処理をステップS128に戻す。一方、全ての回転リール103が停止したと判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は入賞検索を行う(ステップS136)。このとき、ROM142に格納された入賞図柄組合せテーブル等が参照されることになる。また、入賞フラグが正常であるか否かを判断し、正常でない場合には、イリーガルエラーの表示を行って処理を中断することとしてもよい。
【0142】
次に、遊技装置制御用メインCPU141は、RAM143に終了演出コマンドをセットする(ステップS137)。この終了演出コマンドは、遊技結果に応じた遊技終了時の演出画像を表示させるためのコマンドであり、ステップS136における入賞検索の結果に関するデータを含む。終了演出コマンドは、所定のタイミングで副制御回路182に供給される。
【0143】
次に、遊技装置制御用メインCPU141は、メダルの払出があるか否か、すなわち、入賞枚数の有無を判断する(ステップS138)。
メダルの払出があると判断した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、遊技状態及び入賞役に応じた枚数のメダルの貯留又は払出を行う(ステップS139)。メダルの貯留を行う場合には、遊技装置制御用メインCPU141は、RAM143に記憶されたクレジット数を加算する処理を行う。一方、メダルの払出を行う場合には、遊技装置制御用メインCPU141は、払出指令信号をホッパー駆動回路151に送信してホッパー150から所定枚数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部150Sは、ホッパー150から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払出完了信号が遊技装置制御用メインCPU141に入力される。これにより、遊技装置制御用メインCPU141は、ホッパー駆動回路151を介してホッパー150の駆動を停止し、メダルの払出処理を終了する。
【0144】
次に、遊技装置制御用メインCPU141は、RBに入賞したか否かを判断する(ステップS140)。RBに入賞したと判断すると、遊技装置制御用メインCPU141は、RB設定に係る処理を行う(ステップS141)。このステップS141において、遊技装置制御用メインCPU141は、RB用の抽選確率テーブルや、RB用の入賞図柄組合せテーブルの設定に係る処理を行う。また、このステップS141において、遊技装置制御用メインCPU141は、RBゲーム入賞回数等の計数を開始し、その計数値を役物作動回数表示部120に表示させる処理を開始する。ステップS141の処理を実行した後、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS142に移す。
【0145】
ステップS142において、遊技装置制御用メインCPU141は、RAM143にRB設定コマンドをセットする。RB設定コマンドは、画面画像としてのRB用の演出画像を液晶表示装置105に表示させるためのコマンドであり、所定のタイミングで副制御回路182に供給される。
【0146】
ステップS140においてRBに入賞していないと判断された場合、又は、ステップS142の処理が実行された場合、遊技装置制御用メインCPU141は、BBに入賞したか否かを判断する(ステップS143)。BBに入賞したと判断すると、遊技装置制御用メインCPU141は、BB設定に係る処理を行う(ステップS144)。このステップS144において、遊技装置制御用メインCPU141は、BB用の抽選確率テーブルや、BB用の入賞図柄組合せテーブル等の設定に係る処理を行う。また、このステップS144において、遊技装置制御用メインCPU141は、BBゲーム消化回数等の計数や、その計数値の役物動作回数表示部120への表示や、払い出されたメダルの計数等を開始する。
その後、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS145へ移す。
【0147】
ステップS145において、遊技装置制御用メインCPU141は、RAM143にBB設定コマンドをセットする。BB設定コマンドは、画面画像としてのBB用の演出画像を液晶表示装置105に表示させるためのコマンドであり、所定のタイミングで副制御回路182に供給される。
【0148】
ステップS143において、BBに入賞していないと判断された場合、又は、ステップS145の処理を実行した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、RBが終了したか否かを判断する(ステップS146)。RBが終了したと判断すると、次に、遊技装置制御用メインCPU141は、RB設定解除に係る処理を行う(ステップS147)。ステップS147において、遊技装置制御用メインCPU141は、ステップS141の処理で設定したRB用の抽選確率テーブルや、RB用の入賞図柄組合せテーブル等から、通常の遊技状態(RB又はBB以外)に用いられる抽選確率テーブルへの設定変更に係る処理を行う。その後、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS148へ移す。
【0149】
ステップS148において、遊技装置制御用メインCPU141は、RAM143にRB解除コマンドをセットする。RB解除コマンドは、画面画像としてのRB用の演出画像の表示を停止し、通常(RB又はBB以外)の演出画像を液晶表示装置105に表示させるためのコマンドである。RB解除コマンドは、所定のタイミングで副制御回路182に供給される。
【0150】
ステップS146において、RBが終了したと判断されなかった場合、又は、ステップS148の処理を実行した場合、遊技装置制御用メインCPU141は、BBが終了したか否かを判断する(ステップS149)。BBが終了したと判断すると、次に、遊技装置制御用メインCPU141は、BB設定解除に係る処理を行う(ステップS150)。ステップS150において、遊技装置制御用メインCPU141は、ステップS144の処理で設定したBB用の抽選テーブルや、BB用の入賞図柄組合せテーブル等から、通常の遊技状態(RB又はBB以外)に用いられる抽選確率テーブルへの設定変更に係る処理を行う。
その後、遊技装置制御用メインCPU141は、処理をステップS151へ移す。
【0151】
ステップS151において、遊技装置制御用メインCPU141は、RAM143にBB解除コマンドをセットする。BB解除コマンドは、画面画像としてのBB用の演出画像の表示を停止し、通常(RB又はBB以外)の演出画像を液晶表示装置105に表示させるためのコマンドである。BB解除コマンドは、所定のタイミングで副制御回路182に供給される。
【0152】
ステップS149において、BBが終了していないと判断した場合、又は、ステップS151の処理を実行した場合、本サブルーチンを終了する。
【0153】
図12は、副制御回路において行われるコマンド受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップS200において、遊技装置制御用サブCPU306は、演出開始コマンドを受信したか否かを判断する。演出開始コマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS210に移す。
一方、演出開始コマンドを受信したと判断した場合、ステップS201において、遊技装置制御用サブCPU306は、プログラムROM308に記憶された複数種類の演出パターンのなかから、当該コマンドに対応した演出パターンを選択する。
演出パターンには、演出画像の種類や表示期間等、液晶表示装置105に演出画像を表示させるための各種のデータが含まれる。例えば、通常遊技状態(BB又はRB以外の遊技状態)においては、通常時の演出画像を表示させるための演出パターンを選択する。
また、遊技装置制御用サブCPU306は、RBフラグがセットされている場合には、RB中の演出画像を表示させるための演出パターンを選択する。また、BBフラグがセットされている場合には、BB中の演出画像を表示させるための演出パターンを選択する。
【0154】
次に、ステップS202において、遊技装置制御用サブCPU306は、演出パターンを示すデータを表示制御回路350に供給する。
【0155】
ステップS200において演出開始コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS202の処理を実行した場合、遊技装置制御用サブCPU306は、終了演出コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS210)。
終了演出コマンドを受信していないと判断した場合、ステップS220に処理を移す。
一方、終了演出コマンドを受信したと判断した場合、ステップS211において、遊技装置制御用サブCPU306は、プログラムROM308に記憶された複数種類の終了演出パターンのなかから、当該コマンドに対応した終了演出パターンを選択する。
終了演出パターンには、演出画像の種類や表示期間等、液晶表示装置105に演出画像を表示させるための各種のデータが含まれる。例えば、BB入賞時には、BB入賞時の演出画像を表示させるための終了演出パターンを選択する。また、小役入賞時には、小役入賞時の演出画像を表示させるための終了演出パターンを選択する。
【0156】
次に、ステップS212において、遊技装置制御用サブCPU306は、終了演出パターンを示すデータを表示制御回路350に供給する。
【0157】
ステップS210において終了演出コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS212の処理を実行した場合、遊技装置制御用サブCPU306は、RB設定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS220)。RB設定コマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS230に移す。一方、RB設定コマンドを受信したと判断した場合、遊技装置制御用サブCPU306は、ステップS221において、RBフラグをセットする。RBフラグは、RB開始時にセットされ、RB終了時にクリアされるフラグである。
そして、遊技装置制御用サブCPU306は、個人識別データ登録装置10のCPU31に対して、ボーナスゲーム開始信号を送信する(ステップS330)。ボーナスゲーム開始信号は、ボーナスゲームが開始したことを示す信号である。
ステップS330の処理を実行した後、処理をステップS230に移す。
【0158】
ステップS230において、遊技装置制御用サブCPU306は、BB設定コマンドを受信したか否かを判断する。BB設定コマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS240に移す。一方、BB設定コマンドを受信したと判断した場合、遊技装置制御用サブCPU306は、ステップS231において、BBフラグをセットする。BBフラグは、BB開始時にセットされ、BB終了時にクリアされるフラグである。
そして、遊技装置制御用サブCPU306は、個人識別データ登録装置10のCPU31に対して、ボーナスゲーム開始信号を送信する(ステップS340)。
ステップS340の処理を実行した後、ステップS240に処理を移す。
【0159】
ステップS230において、BB設定コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS340の処理を実行した場合、遊技装置制御用サブCPU306は、RB解除コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS240)。RB解除コマンドを受信したと判断した場合、RBフラグをクリアする(ステップS241)。
【0160】
ステップS240において、RB解除コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS241の処理を実行した場合、遊技装置制御用サブCPU306は、BB解除コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS250)。BB解除コマンドを受信したと判断した場合、遊技装置制御用サブCPU306は、BBフラグをクリアする(ステップS251)。
ステップS251の処理を実行した後、又は、ステップS250においてBB解除コマンドを受信していないと判断した場合、遊技装置制御用サブCPU306は、BBフラグとRBフラグとがともにクリアされたか否かを判断する(ステップS350)。BBフラグとRBフラグとがともにクリアされたと判断した場合、遊技装置制御用サブCPU306は、個人識別データ登録装置のCPU31に対して、ボーナスゲーム終了信号を送信する(ステップS351)。ボーナスゲーム終了信号は、ボーナスゲームが終了したことを示す信号である。
ステップS351の処理を実行した後、又は、ステップS350においてBBフラグとRBフラグのうち少なくとも一方がセットされていると判断した場合、遊技装置制御用サブCPU306は、本サブルーチンを終了する。
【0161】
以上、本実施形態について説明した。
本実施形態に係る個人識別データ登録装置10によれば、CCDカメラ21により撮像されている人物が予め登録されている人物ではないと判断された場合、撮像されている人物の顔の特徴を示す個人識別データが新たに登録される。すなわち、本実施形態に係る個人識別データ登録装置10によれば、認証を行うと同時に個人識別データを登録することが可能である。
従来の顔認証装置は、カメラにより撮像されている人物が予め登録されている人物であると判断された場合に、初めて何らかの処理(例えば、開錠)が行われ、カメラにより撮像されている人物が予め登録されている人物でないと判断された場合には、特別な処理が行われることはなかった。
これに対し、本実施形態に係る個人識別データ登録装置10によれば、CCDカメラ21により撮像されている人物が予め登録されている人物でないと判断された場合に、個人識別データが新たに登録される。
【0162】
また、本実施形態に係る個人識別データ登録装置10によれば、複数の画像データに基づいて、複数の成分値が算出される。
従って、複数の成分値を示すデータに基づいて照合が行われるため、高精度の照合を実現することが可能である。
【0163】
また、本実施形態に係る個人識別データ登録装置10によれば、上記誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが記憶装置に記憶されていないと判断された場合、CCDカメラ21により撮像された人物の顔を示す画像データに基づいて、個人識別用射影行列が生成される。そして、該個人識別用射影行列を示す個人識別用射影行列データが、成分値データとともに、個人識別データとして登録される。
個人識別用射影行列は、成分値と同様に個人の顔の特徴を示すものであるが、成分値とは異なるものである。従って、登録される個人識別データは、成分値と個人識別用射影行列という2種類の情報を含むため、それだけ個人の顔の特徴を的確に示すものとなる。
【0164】
また、本実施形態に係る個人識別データ登録装置10によれば、或る人物の個人識別データがいったん登録された後、CCDカメラ21により撮像されている人物は変わっていないと判断されるにもかかわらず、再度、上記誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、記憶装置に記憶されていないと判断された場合、新たな個人識別データが上書保存される。
従って、当該人物の個人識別データを、該人物の顔の特徴をより的確に示すデータに更新することができる。
【0165】
また、本実施形態に係る個人識別データ登録装置10によれば、或る人物の個人識別データがいったん登録された時点から現時点までの間に、CCDカメラ21により得られる全ての画像データに人物の顔を示す情報が含まれると判断された場合に、その期間にCCDカメラ21により撮像されている人物は同一の人物であると判断される。画像データに人物の顔を示す情報が含まれないと判断されていない間は、同一の人物が撮像範囲内に継続して存在している可能性が高い。従って、この判断に基づいて、上書保存処理を行うことができる。
【0166】
また、本実施形態に係る個人識別データ登録装置10によれば、CCDカメラ21により撮像される人物が座るための椅子にかかる重量が計量され、計量された重量に基づいて、或る人物の個人識別データがいったん登録された時点から現時点までにCCDカメラ21により撮像されている人物が同一の人物であるか否かが判断される。椅子にかかる重量が変化等しない場合には、人物が椅子を離れた可能性も、他の人物が椅子に座った可能性も低い。従って、このような場合、CCDカメラ21により撮像されている人物は変わっていないと判断することにより、上書保存処理を行うことができる。
【0167】
また、本実施形態に係る個人識別データ登録装置10は、パチスロ遊技装置100に付属的に設置される。そして、パチスロ遊技装置100において実行される遊技として、遊技者にとって相対的に有利な遊技であるボーナスゲームが実行されている場合に、該ボーナスゲームが開始された時点から現時点までにCCDカメラ21により撮像されている人物が同一の人物であると判断される。ボーナスゲームが実行されている間は、遊技者がその場を離れる可能性が低い。従って、このような場合、CCDカメラ21により撮像されている人物は変わっていないと判断することにより、上書保存処理を行うことができる。
【0168】
また、本実施形態のように、個人識別データ登録装置10をパチスロ遊技装置100に付属的に設置させるという構成を採用することにより、以下のような利益を享受することができる。
【0169】
まず、本実施形態によれば、個人識別データ登録装置10を備えるパチスロ遊技装置100において、或る遊技者が初めて遊技を行った場合、該遊技者の個人識別データが登録される。従って、当該パチスロ遊技装置100で遊技を行った遊技者の人数をカウントすることが可能である。係る人数を示す情報は、例えば、マーケティング情報等にも役立てることができるものであり、非常に有用である。個人識別データ登録装置10をパチスロ遊技装置100に付属的に設置させることにより、このような有用な情報を獲得することができる。
【0170】
また、一般に、パチスロ遊技装置等の遊技機で遊技を行う遊技者は、遊技に対して固有の好みを有している。例えば、遊技機で使用される画像や音楽に関して、特にお気に入りの画像や音楽があるという遊技者も多い。そのような遊技者のなかには、目当ての画像や音楽を楽しむことを期待して遊技施設に足繁く通う人もいる。
このような遊技者の傾向からすると、遊技者ごとに、遊技者の好みに合わせた遊技を提供することのできる遊技機は極めて魅力的である。このような遊技機は、例えば、遊技者にIDカード等の遊技者情報を入力させるという方法によっても提供することができる。
しかしながら、遊技者ごとのサービスを提供する際に、顔認証を利用することができれば、遊技機に対して異なる魅力を付与することができる。なぜなら、顔認証は、通常、入退室の管理や不審人物の監視等に利用されるものであり、遊技機における遊技の場面に利用される類のものではないため、顔認証を行い得る遊技機というのは、該遊技機を備える遊技施設に異質且つ魅力的な空間を創出することができるからである。
【0171】
このような遊技機を提供するためには、個人識別データ登録装置を例えば以下のような構成にすればよい。
すなわち、個人識別データ登録装置は、新たな遊技者の個人識別データを登録するとき、該遊技者の遊技や遊技に係る演出画像の好みを示す情報(好み情報)を、個人識別データと対応付けて記憶する。
そして、認証の段階において、カメラにより撮像されている遊技者が既に登録されている遊技者であると判断した場合には、遊技機に対して、該遊技者の個人識別データに対応する好み情報を示す信号を送信する。該信号を受信したことを契機として、遊技機では、該遊技者の好みに応じた遊技を実行する。
【0172】
遊技機での遊技の場面に顔認証を利用するというのは、極めて斬新な発想である。これにより、個人識別データ登録装置を備える遊技機を大きなエンタテイメント性に溢れた遊技機とすることができるのは、間違いない。
【0173】
なお、以上の説明は、本発明の個人識別データ登録装置を遊技機に付属させた場合に奏する本発明特有の効果についての説明であり、あくまでも本発明に係る一実施形態についての説明である。本発明における個人識別データ登録装置は、遊技機に付属させなければならないことを意味するものではない。
【0174】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0175】
10 顔認証装置
21 CCDカメラ
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 画像処理部
50 通信用I/F
100 パチスロ遊技装置
101 椅子センサ
141 遊技装置制御用メインCPU
181 主制御回路
182 副制御回路
306 遊技装置制御用サブCPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物の顔を撮像するための撮像手段と、記憶手段と、演算処理手段とを使用した個人識別データ登録方法であって、
前記記憶手段は、複数人の顔が撮像されることにより得られた複数の画像データから生成された射影行列を示す射影行列データと、登録された人物の顔の特徴を示す成分値を示す個人識別データとを記憶するものであり、
前記演算処理手段は、以下(A)〜(D)の処理を1つのサイクルとして繰り返し実行し、更に、(E)或る時点から現時点までに前記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物であるか否かを所定の時間ごとに判断する処理を実行することを特徴とする個人識別データ登録方法。
(A)前記撮像手段により得られた人物の顔を示す画像データと、前記記憶手段に記憶された前記射影行列データとに基づいて、該人物の顔の特徴を示す成分値を算出する処理、
(B)前記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、前記記憶手段に記憶されているか否かを判断する処理、
(C)前記処理(E)において前記撮像手段により撮像されている人物が同一の人物ではないと判断した後、前記処理(B)において、前記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、前記記憶手段に記憶されていないと判断した場合に、前記処理(A)により算出された成分値を示す成分値データを、個人識別データとして前記記憶手段に記憶する処理、及び、
(D)前記処理(C)の後、前記処理(E)において前記撮像手段により撮像されている人物が同一であると判断した場合に、前記処理(B)において、前記処理(A)により算出された成分値との誤差が所定の閾値未満となる成分値を示す個人識別データが、前記記憶手段に記憶されていないと判断したとき、前記処理(C)により記憶手段に記憶された前記個人識別データの代わりに、新たに前記処理(A)により算出した成分値を示す成分値データを、新たな個人識別データとして前記記憶手段に上書きして記憶する処理。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−138132(P2012−138132A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−98900(P2012−98900)
【出願日】平成24年4月24日(2012.4.24)
【分割の表示】特願2007−151961(P2007−151961)の分割
【原出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】