個別容量の複合液体を分離するための装置および方法
少なくとも2つの個別容量の複合液体を、少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離するための方法。それぞれ2つの個別容量の複合液体を含む少なくとも2つの分離バッグを遠心分離し、これの中に第1の成分と第2の成分とを分離するようにすること、第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を、それぞれ分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すこと、各分離バッグの決定された場所で成分の特性を検出すること、決定された場所での成分の特性の検出時に、第1の成分の少なくとも1つの画分を各分離バッグからこれに接続された第1のサテライトバッグ内に移すのを停止すること、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの個別容量の複合液体を少なくとも2つの成分に分離するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の装置および方法は、水性成分および1つまたはそれ以上の細胞成分を備える生体液を分離するのに特に適切である。たとえば、本発明の使用の可能性は、下記を含む。すなわち、一定容量の全血から血漿成分および細胞成分(血小板、白血球および赤血球を含む)を抽出し、細胞成分を、その後、赤血球から血小板および白血球を除去するように濾過することと、一定容量の全血から、中に相当量の白血球が浮遊している血漿成分と赤血球成分とを抽出し、白血球を、その後、血小板成分および赤血球成分から濾過によって除去することと、一定容量の全血から、血漿成分、血小板成分および赤血球成分を抽出し、白血球を、その後、血小板成分および赤血球成分から濾過によって除去することと、である。
【0003】
血液成分を処理するための装置は、国際特許出願公開第WO03/089027号明細書から公知である。この装置は、少なくとも1つの生成物バッグ、たとえば、血小板成分バッグに接続された環状分離バッグと協働するように適合された遠心分離機を備える。遠心分離機は、
分離バッグを支持するためのターンテーブルと分離バッグに接続された生成物バッグを含むための中心コンパートメントとを有するロータと、
分離バッグを圧搾して、分離された成分(たとえば、血漿に浮遊している血小板)を分離バッグから生成物バッグ内に移させる圧搾システムと、
を含む。
【0004】
この装置では、単一の個別容量の血液が一度に処理される。
【特許文献1】国際特許出願公開第WO03/089027号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、少なくとも2つの個別容量の複合液体を、特に、同一でないことがある個別容量を、個別容量によって変動することがある複合液体の様々な成分の割合で、一度に処理することができる分離装置を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にしたがった、少なくとも2つの個別容量の複合液体を、少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離するための方法は、
ロータに装着された少なくとも2つの分離セルに、それぞれ、2つの個別容量の複合液体を含む少なくとも2つの分離バッグを入れることと、
ロータに含まれた少なくとも1つの容器に、それぞれ、少なくとも2つの分離バッグに接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグを保管することと、
少なくとも第1および第2の成分が分離バッグの各々に沈殿する沈殿スピードでロータを回転することと、
第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を、それぞれ、少なくとも2つの分離バッグからこれに接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグ内に移すことと、
各分離バッグの第1の決定された場所で成分の特性を検出することと、
第1の決定された場所での成分の特性の検出時に、第1の成分の少なくとも1つの画分を各分離バッグからこれに接続された第1のサテライトバッグ内に移すのを停止することと、
を備える。
【0007】
本発明にしたがった方法の他の特徴は、下記の通りである。
【0008】
第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を少なくとも2つの第1のサテライトバッグ内に移すことは、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの分離バッグを圧搾して、これに接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグ内に第1の成分の少なくとも1つの画分を移させるようにすることを備える。
【0009】
方法は、分離バッグの第1の決定された場所で成分の特性を検出し、そのような検出が最後に発生した後に、ロータのスピードを変えることをさらに備える。
【0010】
方法は、少なくとも2つの分離バッグの1つの第1の決定された場所で成分の特性を検出した後所定の時間期間後に、ロータのスピードを変えることをさらに備える。
【0011】
方法は、第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を少なくとも2つの第1のサテライトバッグ内に移すことによって生じたロータのアンバランスのバランスを取ることをさらに備える。
【0012】
第1の分離された成分を少なくとも2つの第1のサテライト成分バッグ内に移すことによって生じたロータのアンバランスのバランスを取ることは、それぞれ、少なくとも1つの容器の少なくとも2つの第1のサテライトバッグを、少なくとも1つの容器の壁に固定された一定容量の液体を含む少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチに対して保管することを備え、これによって、少なくとも2つの第1のサテライトバッグは、遠心力下で少なくとも2つのパウチに対して押圧し、ロータのバランスを取るように少なくとも2つのパウチに一定容量の液体を分布する。
【0013】
方法は、各分離バッグを、これに接続された第1のサテライト成分バッグへ接続するチューブを封止し切断することをさらに備える。
【0014】
方法は、第2の分離された成分を、それぞれ、少なくとも2つの分離バッグからこれに接続された少なくとも2つの第2のサテライトバッグ内に移すことをさらに備える。
【0015】
第2の分離された成分を、それぞれ、少なくとも2つの分離バッグからこれに接続された少なくとも2つの第2のサテライトバッグ内に移すことは、
第2の分離された成分を少なくとも2つの分離バッグの1つからこれに接続された第2のサテライトバッグ内に移すことと、
第2の成分が移される分離バッグかまたは第2の成分が移される分離バッグへ第2のサテライトバッグを接続するチューブかのいずれかの第2の決定された場所で成分の特性を検出することと、
第2の決定された場所での成分の特性の検出時に、第2の成分を移送するのを停止することと、
少なくとも2つの分離バッグの各分離バッグで上記ステップを連続して繰り返すことと、
を備える。
【0016】
第2の分離された成分を少なくとも2つの分離バッグからこれに接続された第2のサテライトバッグ内に移すことは、少なくとも2つの分離セル内の分離バッグを圧搾して、これに接続された少なくとも2つの第2のサテライトバッグ内に第2の成分を移させるようにすることを備える。
【0017】
方法は、分離バッグかまたはこれに接続されたチューブの第2の決定された場所で成分の特性を検出し、そのような検出が最後に発生した後に、ロータを回転するのを停止することをさらに備える。
【0018】
方法は、少なくとも2つの分離バッグの1つまたはこれに接続されたチューブの第2の決定された場所で成分の特性を検出した後所定の時間期間後に、ロータを回転するのを停止することをさらに備える。
【0019】
方法は、第2の分離された成分を少なくとも2つの第2のサテライトバッグ内に移すことによって生じたロータのアンバランスのバランスを取ることをさらに備える。
【0020】
第2の分離された成分を少なくとも2つの第2のサテライト成分バッグ内に移すことによって生じたロータのアンバランスのバランスを取ることは、それぞれ、少なくとも1つの容器の少なくとも2つの第2のサテライトバッグを、少なくとも1つの容器の壁に固定された一定容量の液体を含む少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチに対して保管することを備え、これによって、少なくとも2つの第2のサテライトバッグは、遠心力下で少なくとも2つのパウチに対して押圧し、ロータのバランスを取るように少なくとも2つのパウチに一定容量の液体を分布する。
【0021】
方法は、各分離バッグを、これに接続された第2のサテライト成分バッグへ接続するチューブを封止し切断することをさらに備える。
【0022】
方法は、一定容量の油圧液体を、それぞれ、少なくとも2つの分離セルに位置する少なくとも2つの相互接続された膨張可能な油圧チャンバ内に移すことをさらに備え、これによって、油圧液体は、実質的にロータのバランスを取るように、遠心力下で少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバに分布される。
【0023】
一定容量の油圧液体を少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移すことは、所定容量の油圧液体を移すことを備える。
【0024】
一定容量の油圧液体を少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移すことは、少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に油圧液体をポンプ注入することを備える。
【0025】
一定容量の油圧液体を少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移すことは、少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバに油圧液体の源を接続することを備え、このため、ロータの回転が油圧液体を油圧液体の源から少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移させる。
【0026】
本発明にしたがった、少なくとも2つの個別容量の複合液体を少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離するための装置は、遠心分離機であって、
回転軸を有するロータであって、
少なくとも2つの分離セルであって、各々が、一定容量の複合液体を含む分離バッグを含むためのものである分離セルと、
分離セル内の分離バッグに分離された成分の特性に関する情報を生成するために各分離セルに連結された少なくとも1つのセンサと、
を備えるロータと、
ロータの回転スピードの少なくとも1つの変化を格納するためのメモリユニットと、
制御ユニットであって、
メモリから、回転スピードの少なくとも1つの変化と、各分離セルに連結された少なくとも1つのセンサによって生成された情報と、を受け取るように、且つ、
少なくとも2つの分離セルの各々に連結された少なくとも1つのセンサの1つによって生成された情報を考慮して回転スピードの少なくとも1つの変化を生じさせるように、プログラムされた制御ユニットと、
を備える遠心分離機を備える。
【0027】
本発明にしたがった装置の他の特徴は、下記の通りである。
【0028】
制御ユニットは、分離セル内の分離バッグに分離された成分の特性を検出する少なくとも2つの分離セルに連結された少なくとも1つのセンサの第1のものによって生成された情報を考慮して回転スピードの少なくとも1つの変化を生じさせるように、プログラムされている。
【0029】
制御ユニットは、分離セル内の分離バッグに分離された成分の特性を検出する少なくとも2つの分離セルに連結された少なくとも1つのセンサの最後のものによって生成された情報を考慮して回転スピードの少なくとも1つの変化を生じさせるように、プログラムされている。
【0030】
装置は、分離セル内の分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材をさらに備える。
【0031】
制御ユニットは、分離プロセスで少なくとも1回、分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材に、同一の分離セルに連結された少なくとも1つのセンサによる分離された成分の特性の検出に続いて、分離セル内の分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを阻止させるように、さらにプログラムされている。
【0032】
制御ユニットは、分離プロセスで少なくとも1回、分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材に、別の分離セルに連結された少なくとも1つのセンサによる分離された成分の特性の検出に続いて、分離セル内の分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にさせるように、さらにプログラムされている。
【0033】
少なくとも1つのセンサは、分離セル内の分離バッグの分離された成分の特性を検出するための第1のセンサを備える。
【0034】
少なくとも1つの弁部材は、分離バッグとこれに接続された第1のサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための第1の弁部材を備える。
【0035】
制御ユニットは、第1のセンサからの情報を考慮して第1の弁部材の作動を制御するようにさらにプログラムされている。
【0036】
少なくとも1つのセンサは、分離バッグを第2のサテライトバッグに接続するチューブの分離された成分の特性を検出するための第2のセンサを備える。
【0037】
少なくとも1つの弁部材は、分離バッグとこれに接続された第2のサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための第2の弁部材を備える。
【0038】
制御ユニットは、第2のセンサからの情報を考慮して第2の弁部材の作動を制御するようにさらにプログラムされている。
【0039】
装置は、少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すための成分移送手段をさらに備える。
【0040】
制御ユニットは、
少なくとも2つの成分を、それぞれ、少なくとも2つの分離セルに含まれた少なくとも2つの分離バッグに分離するための沈殿スピードでロータを回転させ、
各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材に、各分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にさせ、
成分移送手段に、分離された成分の少なくとも一部を少なくとも2つの分離バッグの各々からこれに接続されたサテライトバッグ内に移させ、
各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材に、分離セルに連結されたセンサが分離された成分の特性を検出するときに、分離セル内の分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを阻止させるようにさらにプログラムされている。
【0041】
制御ユニットは、
成分移送手段に、少なくとも2つの分離セルの1つに連結された1つのセンサが分離された成分の特性を検出したときに、成分移送手段に、分離された成分を少なくとも2つの分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すのを停止させ、
成分移送手段に、分離された成分の特性を検出したセンサに連結された分離セルに連結された弁部材が分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを阻止した後に、分離された成分を少なくとも2つの分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移させるようにさらにプログラムされている。
【0042】
装置は、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの分離バッグのそれぞれの重量が異なるときに、ロータのバランスを取るための第1のバランス手段をさらに備える。
【0043】
第1のバランス手段は、
それぞれ、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの膨張可能な油圧チャンバであって、流体的に相互接続されている少なくとも2つの油圧チャンバと、
少なくとも2つの油圧チャンバに流体的に接続された油圧液体の源と、
少なくとも2つの異なる分離セルにそれぞれ含まれた2つの分離バッグが異なる重量を有するときに実質的にロータのバランスを取るように、一定容量の油圧液体を油圧液体源から少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移すための液体移送手段と、
を備える。
【0044】
制御ユニットは、液体移送手段に、所定容量の油圧液体を油圧液体源から少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移させるようにプログラムされ、所定容量の油圧液体は、少なくとも2つの異なる分離セルにそれぞれ含まれた2つの分離バッグの重量に関わらず実質的にロータのバランスを取るように、選択される。
【0045】
液体移送手段は、一定容量の油圧流体を少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内にポンプ注入するためのポンプ手段を備える。
【0046】
油圧液体の源は、ロータに対して固定され、ロータリーシールを通して少なくとも2つの油圧チャンバに流体的に接続されている。
【0047】
液体移送手段は、ロータを駆動して回転させるモータを備え、油圧液体の源は、少なくとも2つの分離セルより下で、ロータに対して固定され、ロータリーシールを通して油圧チャンバに流体的に接続され、これによって、ロータの回転が一定容量の油圧液体を油圧液体源から油圧チャンバ内に移させる。
【0048】
第1のバランス手段は、ロータのバランスを取るために所定容量の油圧液体を油圧チャンバ内に移すのを制御するために、油圧液体の源とロータリーシールとの間のコンジットに嵌められた弁をさらに備える。
【0049】
少なくとも2つの油圧チャンバは、回転軸に中心をおいた円形コンジットによって相互接続され、円形コンジットは、各油圧チャンバに、回転軸よりもロータの周囲により近いこれの区域に、接続されている。
【0050】
液体移送手段は、ロータを駆動して回転させるモータを備え、油圧液体の源は、ロータに装着されている油圧液体の溜を備え、ロータの回転が油圧液体を溜から少なくとも2つの油圧チャンバ内に移させるように設計され、少なくとも2つの油圧チャンバに流体的に接続されている。
【0051】
溜は、回転軸に対して対称である内部容量を画成するハウジングと、回転軸にもっとも遠い円形内側区域を備え、少なくとも2つの油圧チャンバは、溜のこの円形区域に流体連通する。
【0052】
装置は、
少なくとも2つの分離セルに含まれた少なくとも2つの分離バッグにそれぞれ接続された少なくとも2つのサテライトバッグを保管するためにロータに含まれた保管手段と、
少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すための成分移送手段と、
をさらに備える。
【0053】
成分移送手段は、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの分離バッグを圧搾し、中に分離された成分を各分離バッグに接続されたサテライトバッグ内に流れさせるように、油圧液体を油圧液体の源から少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内にポンプ注入するためのポンプ手段を備える。
【0054】
油圧液体の源は、少なくとも2つの分離セルより下で、ロータに対して固定され、ロータリーシールを通して少なくとも2つの油圧チャンバに流体的に接続され、成分移送手段は、
ロータを駆動して回転させるモータと、
分離バッグとサテライトバッグとの間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材と、
を備え、
これによって、ロータの回転が油圧液体を油圧液体源から少なくとも2つの油圧チャンバ内に移させ、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの分離バッグを圧搾させ、これが、分離バッグとサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための弁部材が開いているときに、分離バッグに分離された成分をこれに接続されたサテライトバッグ内に流れさせる。
【0055】
油圧液体の源は、ロータに装着され少なくとも2つの油圧チャンバに流体的に接続されている油圧液体用の溜を備え、成分移送手段は、
ロータを駆動して回転させるモータと、
分離バッグとサテライトバッグとの間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材と、
を備え、
これによって、ロータの回転が油圧液体を溜から少なくとも2つの油圧チャンバ内に移させ、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの分離バッグを圧搾させ、これが、分離バッグとサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための弁部材が開いているときに、分離バッグに分離された成分をこれに接続されたサテライトバッグ内に流れさせる。
【0056】
装置は、保管手段に保管された少なくとも2つのサテライトバッグがロータのアンバランスを生じさせるときに、ロータのバランスを取るための第2のバランス手段をさらに備える。
【0057】
保管手段は、中心容器を備え、これのまわりに少なくとも2つの分離セルが、回転軸に対して対称的に配列されている。
【0058】
第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチを備え、パウチは、中心容器の壁に対して配列され、このため、各分離バッグに接続された少なくとも1つのサテライトバッグが遠心分離中にパウチを押圧する。
【0059】
保管手段は、中心容器を備え、これのまわりに少なくとも2つの分離セルが、回転軸に対して対称的に配列されている。
【0060】
第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた円筒形の可撓性のあるパウチを備え、中心容器の壁をライニングし、このため、各分離バッグに接続された少なくとも1つのサテライトバッグが遠心分離中にパウチを押圧する。
【0061】
保管手段は、各分離セルに連結された1つの容器を備え、容器は、分離セルと回転軸との間に位置する。
【0062】
第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた1つの可撓性のあるパウチを備え、各容器の壁に対して配列され、このため、容器に保管されたサテライトバッグが遠心分離中にパウチを押圧し、1つの容器の可撓性のあるパウチが、別の容器のパウチに流体的に相互接続されている。
【0063】
装置は、
少なくとも2つの分離セルに含まれた少なくとも2つの分離バッグにそれぞれ接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグを保管するためにロータに含まれた保管手段と、
分離バッグと第1のサテライトバッグとの間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材であって、連結された分離セルと保管手段との間にあるように、回転軸に対して、ロータに装着されている少なくとも1つの弁部材と、
をさらに備える。
【0064】
装置は、
少なくとも2つの分離セルに含まれた少なくとも2つの分離バッグにそれぞれ接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグを保管するためにロータに含まれた保管手段と、
分離バッグと第1のサテライトバッグとの間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材であって、保管手段が少なくとも1つの弁部材と連結された分離セルとの間にあるように、回転軸に対して、ロータに装着されている少なくとも1つの弁部材と、
をさらに備える。
【0065】
少なくとも1つのセンサは、連結された分離セルに含まれた分離バッグ内の成分の特性を検出するようにロータに装着されている。
【0066】
少なくとも1つのセンサは、連結された分離セルに含まれた分離バッグに接続されたチューブ内の成分の特性を検出するようにロータに装着されている。
【0067】
各分離セルは、ロータの回転軸に交差する長手方向軸を有する実質的に閉鎖したキャビティを備え、キャビティの長手方向軸へ向けて収束する4つの壁によって画成されるロータの回転軸により近い部分を備える。
【0068】
各分離セルのキャビティの長手方向軸は、鋭角でロータの回転軸に交差する。
【0069】
各分離セルは、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティを備え、油圧チャンバは、キャビティの上部壁または下部壁のいずれかの少なくとも一部をライニングする膜の下にある。
【0070】
各分離セルは、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティを備え、油圧チャンバは、少なくとも一部が下部壁に載置する可撓性のあるパウチを備える。
【0071】
油圧液体の密度は、もっとも高い密度を有する成分の密度よりも高くなるように、選択される。
【0072】
各分離セルは、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティを備え、油圧チャンバは、上部壁と下部壁との間に延出するように分離セルに固定される弾性ソケットによって画成される。
【0073】
油圧液体の密度は、第1の成分の密度と第2の成分の密度との間になるように、選択される。
【0074】
各分離セルは、分離バッグの上部縁を固定するための固定手段を備え、上部縁が回転軸にもっとも近い分離バッグの部分であるようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0075】
本発明の他の特徴および利点は、下記の説明および添付の図面から明らかであり、これらは、例としてのみみなされるものである。
【0076】
明瞭化のために、本発明は、特定の使用に関して説明する。すなわち、全血を少なくとも2つの成分に、特に、血漿成分と赤血球成分とに、または、血漿成分と血小板成分と赤血球成分とに、分離することに関して説明する。下記に述べられる個別容量は、典型的に、献血の容量である。献血の容量は、献血者によって変動することがある(450mlプラスマイナス10%)。血液の成分の割合は、通常、献血者によって変動し、特に、赤血球成分の容量の、考慮される試料の容量に対する割合であるヘマトクリット値がそうであることもまた想定される。言い換えると、血液の密度は、献血者によってわずかに変動することがある。しかし、この特定の使用は、例示的なものにすぎないことを理解すべきである。
【0077】
図1は、複合液体(たとえば、全血)を、第1の成分(たとえば、相当量の浮遊血小板を含むかまたは含まない血漿成分)と、第2の成分(たとえば、赤血球成分)と、に分離するように適合されたバッグのセットの例である。このバッグセットは、可撓性のある分離バッグ1と、これに接続された2つの可撓性のあるサテライトバッグ2、3と、を備える。
【0078】
複合液体が全血であるときには、分離バッグ1は、2つの目的を有し、収集バッグとして且つ分離バッグとして連続して使用される。これは、当初、献血者から個別容量の全血(通常、約450ml)を受け取り、後に、分離装置の分離チャンバとして使用されることを意図するものである。分離バッグ1は、平らで略矩形である。これは、溶接された2枚のプラスチック材料の矩形シートから作られ、それらの間に、三角形頂部下流部分に接続された主要矩形部分を有する内部空間を画成するようにする。第1のチューブ4は、三角形部分の先端に接続され、第2および第3のチューブ5、6は、それぞれ、三角形部分のいずれかの側方向縁に接続されている。3本のチューブ4、5、6の近位端は、平行になるように、2枚のプラスチック材料のシートの間に包埋されている。分離バッグ1は、3本のチューブ4、5、6に隣接するこれの隅の各々に、穴8をさらに備える。穴8は、後述されるように、分離バッグを分離セルに固定するのに使用される。
【0079】
分離バッグは、当初、抗凝固溶液(典型的に、約450mlの献血用には、クエン酸リン酸デキストロースの約63mlの溶液)を含み、第1および第3のチューブ4、6は、これらの近位端で、それぞれ、壊すことのできるストッパー9、10に嵌められ、これを通る液体の流れを阻止する。
【0080】
第2のチューブ5は、遠位端に接続された針12を有する収集チューブである。献血の開始時に、針12は、献血者の血管内に挿入され、血液は、収集(分離)バッグ1内に流れる。所望の容量の血液が収集(分離)バッグ1に収集された後に、収集チューブ5は封止され切断される。
【0081】
第1のサテライトバッグ2は、血漿成分を受け取るように意図されている。これは平らであり、実質的に矩形である。これは、第1のチューブ4の遠位端に接続されている。
【0082】
第2のサテライトバッグ3は、赤血球成分を受け取るように意図されている。これは平らであり、実質的に矩形である。これは、第3のチューブ6の遠位端に接続されている。第3のチューブ6は、白血球除去フィルタ13の入口および出口にそれぞれ接続された2つのセグメントを備える。第2のサテライトバッグ3は、赤血球用に一定容量の保存溶液を含み、第3のチューブ6は、これの遠位端で、壊すことのできるストッパー14に嵌められ、これを通る液体の流れを阻止する。
【0083】
図2は、複合液体(たとえば、全血)を、第1の成分(たとえば、血漿成分)と、中間成分(たとえば、血小板成分)と、第2の成分(たとえば、赤血球成分)と、に分離するように適合されたバッグのセットの例を示す。このバッグセットは、可撓性のある分離バッグ1と、これに接続された3つの可撓性のあるサテライトバッグ2、3、15と、を備える。
【0084】
この第2のバッグのセットは、血小板成分を受け取るように意図されている第3のサテライトバッグ15と、第1のチューブ4によって分離バッグ1に接続されたレッグ、第4のチューブ17によって第1のサテライトバッグ2(血漿成分バッグ)に接続された第1のアーム、および、第5のチューブ18によって第3のサテライトバッグ15(血小板成分バッグ)に接続された第2のアームを有するT字形3方向コネクタ16と、を備えることが、図1のバッグのセットとは異なる。第1および第2のサテライトバッグ2、3と同様に、第3のサテライトバッグ15は、平らであり、実質的に矩形である。
【0085】
図3a、3bは、図2のバッグセットのT字形3方向コネクタ16の2つの変形例を示す。
【0086】
図3aに示された3方向コネクタ16aは、規則的な3点星の形状を有し、約120度の角度で入口チャネル20に接続されている第1の出口チャネル21と第2の出口チャネル22とを有する。
【0087】
図3bに示された3方向コネクタ16bは、入口チャネル20に垂直に接続され入口チャネル20に沿ってずれている第1の出口チャネル21と第2の出口チャネル22とを画成し、このため、第1の出口チャネル21は、第2の出口チャネル22よりも、第1のチューブ4に接続されている入口チャネル20の端から離れている。
【0088】
図2の分離バッグ(または、図3a、3bに表されている変形例のいずれかのもの)が分離装置(下記に詳細に説明する)に装着されるときに、分離バッグ1用の分離セル、サテライトバッグ2、3、15用の保管容器、および、第4および第5のチューブ17、18に液体が流れるのを可能にするか停止するための第1および第2のピンチ弁部材が、分離装置の回転軸から半径方向に沿ってこの順序で配列され、ピンチ弁部材は回転軸にもっとも近いように、3方向コネクタ16、16a、16bは配列される。この特定の構成において、第4および第5のチューブ16、17は、図2、3a、3bに示されるように、第1および第2のピンチ弁部材に係合すると、次いで、3方向コネクタ16、16bが、または、図3aのコネクタの場合には第4および第5のチューブ17、18のカーブが、全バッグセットの回転軸にもっとも近い部分となる。この配置の結果、分離装置が回転するときには、バッグセット内の空気が、回転軸にもっとも近い区域のコネクタ(図2、3bに示されたコネクタの3つのチャネル20、21、22の接合点)に集まるか、または、使用されるコネクタが図3aのコネクタであるときには、コネクタとピンチ弁部材17、18との間の第4および第5のチューブ17、18のカーブに集まるということになる。分離バッグとサテライトバッグとの間のこの空気バッファは、遠心力下でサテライトバッグの内容物が分離バッグ内に望ましくなく吸い上げられるのを防止する。
【0089】
3方向コネクタ16bは、図2のバッグセットを使用して血漿成分と血小板成分とを分離するときに、特定の利点を呈する。血漿成分が第1のサテライトバッグ2内に移され、血小板成分が第3のサテライトバッグ15内に移されたときには、図3bに示されたコネクタ16bは、第2のチャネル22を洗い流すのを可能にし、それは残っている血小板を含むこともあり、少量の血漿が、コネクタ16bと第1のピンチ弁部材との間の第4のチューブ17に、捉えられている。
【0090】
図4、5、6、8は、遠心分離によって、4つの個別容量の複合液体を同時に分離するための装置の第1の実施形態を示す。装置は、
図1および2に示されたいずれかのバッグのセットの4つを受け取るように適合された遠心分離機であって、複合液体の4つの個別容量が4つの分離バッグに含まれた遠心分離機と、
少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すための成分移送手段と、
4つの分離バッグの重量が異なるときに、最初にロータのバランスを取るための第1のバランス手段と、
サテライトバッグ内に移された分離された成分の重量がロータのアンバランスを生じさせるときに、ロータのバランスを取るための第2のバランス手段と、
を備える。
【0091】
遠心分離機は、軸受アセンブリ30によって支持されるロータを備え、ロータが回転軸31を中心にして回転するのを可能にする。ロータは、
プーリー33が接続されている円筒形ロータシャフト32と、
サテライトバッグを含むために中心円筒形容器34を備える保管手段であって、それは、ロータシャフト32に上部端で接続されており、このため、ロータシャフト32の長手方向軸および容器34の長手方向軸は、回転軸31に一致する保管手段と、
中心軸が回転軸31に一致するように中心容器34の上部部分に接続された円錐台ターンテーブル35と、
を備える。円錐台ターンテーブル35は、容器34の開口の下でフレア状になる。4つの同一分離セル40がターンテーブル35に装着され、回転軸31に対して対称配列を形成するようにする。
【0092】
遠心分離機は、プーリー33の溝に係合したベルト37によってロータに連結されたモータ36をさらに備え、回転軸31を中心にしてロータを回転するようにする。
【0093】
各分離セル40は、略直方体の形状を有する容器41を備える。分離セル40は、それぞれの中央長手方向軸42が回転軸31に交差するように、ターンテーブル35に装着され、このため、回転軸31から実質的に同一の距離に位置し、このため、中央長手方向軸42の間の角度が実質的に同一(すなわち、90度)である。ターンテーブル35上の分離セル40の正確な位置は、分離セル40が空のときにはターンテーブル上の重量が等しく分布されるように、すなわち、ロータのバランスを取るように、調整される。これは、分離セル40が回転軸31に対して、ターンテーブル35を幾何学的に画成する円錐の錐台の角度に等しい鋭角で傾斜するというターンテーブル35上の分離セル40の配列から生じる。
【0094】
各容器41は、図1および2に示されたタイプの、液体でいっぱいの分離バッグ1をゆるく収容するように形状づけられ寸法づけられているキャビティ43を備える。キャビティ43(後に「分離コンパートメント」と称されることもある)は、回転軸31からもっとも遠い底壁と、ターンテーブル35にもっとも近い下部壁と、下部壁に対向する上部壁と、2枚の側方向壁と、によって画成される。キャビティ43は、実質的に、丸みを帯びた角度で直方体の形状を有する底壁から延出する主要部分と、実質的に、収束三角形基部を有する円柱の形状を有する上部部分と、を備える。言い換えると、キャビティ43の上部部分は、キャビティ43の中心中央軸42へ向けて収束する2組の対向する壁によって画成されている。この設計の1つの利点は、遠心分離による分離後に複合流体の軽微な成分(たとえば、全血の血小板)の薄い層の半径方向拡張を生じさせ、分離バッグの上部部分をより容易に検出可能にすることである。分離セル40の上部部分の2組の対向する壁は、容器41の頂部で開口した3つの円筒形平行チャネル44、45、46へ向けて収束し、この中で、分離バッグ1が容器41に設定されるときに、3本のチューブ4、5、6は延出する。
【0095】
容器41はまた、蝶番側方向蓋47も備え、これは、容器41の外壁の上部部分から構成され、すなわち、ターンテーブル35に対向する壁である。蓋47は、開いたときには、液体でいっぱいの分離バッグ1を分離セル40内に容易に搭載するのを可能にするように寸法づけられている。容器41は、高速係止手段(図示せず)を備え、これによって、蓋47を、容器41の残りの部分に係止することができる。
【0096】
容器41はまた、分離バッグ1を分離セル40内に固定するための固定手段も備える。バッグ固定手段は、分離セル40の頂部近くに、蓋47の内側表面に突出する2本のピン48と、容器41の上部部分に2つの対応する窪み49と、を備える。2本のピン48は、分離バッグ1の上部隅の2つの穴8内に嵌るように離間され寸法づけられている。
【0097】
分離装置は、少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すための成分移送手段をさらに備える。成分移送手段は、分離コンパートメント43内の分離バッグ1を圧搾し分離された成分をサテライトバッグ2、3、15内に移させるための圧搾システムを備える。
【0098】
圧搾システムは、各容器41に固定されている可撓性のあるダイヤフラム50を備え、キャビティ内に膨張可能なチャンバ51を画成するようにする。より具体的には、ダイヤフラム50は、キャビティ43の底壁およびターンテーブル35にもっとも近いキャビティ43の下部壁の大部分をライニングするように寸法づけられている。
【0099】
圧搾システムは、ターンテーブル35内に、ターンテーブル35の周囲近くへ延出するリングを形成する周囲円形マニホールド52をさらに備える。各膨張チャンバ51は、それぞれの容器41の壁を通って底近くへ延出する供給チャネル53によってマニホールド52に接続されている。
【0100】
圧搾システムは、分離セル40内の膨張可能チャンバ51に油圧液体をポンプ注入出するための油圧ポンプステーション60をさらに備える。油圧液体は、分離すべき複合液体の成分のより密度が高いもの(たとえば、複合液体が血液であるときには、赤血球)の密度よりもわずかに高い密度を有するように選択される。結果として、遠心分離中に、膨張可能チャンバ51内の油圧液体は、容量に関わらず、一般に、分離セル40のもっとも外側の部分にとどまる。ポンプステーション60は、ダクト56によって、ロータリーシール69を通して膨張可能チャンバ51に接続され、ダクト56は、ロータシャフト32、中心容器34の底および側壁を通り、中心容器34のへりから半径方向に、マニホールド52に接続するターンテーブル35を通って延出する。
【0101】
ポンプステーション60は、回転式流体カップリング63を経由してロータダクト54に流体的に接続された油圧シリンダ62内を動くことができるピストン61を有するピストンポンプを備える。ピストン61は、ピストンロッドに連結された親ねじ15を動かすステッピングモータ64によって作動される。油圧シリンダ62は、油圧液体溜66にも接続され、油圧シリンダ62、ロータダクト56および膨張可能油圧チャンバ51を含む油圧回路内に且つこれから、油圧液体を導入するか回収するのを選択的に可能にするための、弁67によって制御されるアクセスを有する。圧力ゲージ68は、中の油圧を測定するために油圧回路に接続されている。
【0102】
分離装置は、中心容器34の開口のまわりでロータに装着されている4対の第1および第2のピンチ弁部材70、71をさらに備える。ピンチ弁部材70、71の各対は、1つの分離セル40に面し、これに連結されている。ピンチ弁部材70、71は、可撓性のあるプラスチックチューブを通る液体の流れを選択的に阻止するかまたは可能にし、且つ、プラスチックチューブを選択的に封止し切断するように設計されている。各ピンチ弁部材70、71は、細長い円筒形本体と、静止上部ジョーおよび開位置と閉位置との間を動くことができる下部ジョーによって画成される溝72を有する頭部と、を備える。溝72は、下部ジョーが開位置にあるときに、図1および2に示されたバッグセットのチューブ4、17、18の1本が中に滑り係合することができるように、寸法づけられている。細長い本体は、下部ジョーを動かすための機構を含み、プラスチックチューブを封止し切断するのに必要なエネルギを供給する高周波ジェネレータに接続されている。ピンチ弁部材70、71は、中心容器34の内部に、内部表面に隣接して装着されており、このため、長手方向軸は回転軸31に平行であり、頭部は、容器34のへりより上に突出する。分離バッグ1がこの対のピンチ弁部材70、71を連結した分離セル40に載置するときに、分離バッグ1およびこれに接続されたチューブ4、17、18に対する1対のピンチ弁部材70、71の位置が、図1および2に点線で示されている。ロータシャフト32の下部部分のまわりに装着されているスリップリングアレイ38を通って電力がピンチ弁部材70、71に供給される。
【0103】
分離装置は、分離装置が作動しているときに各分離バッグ内で発生する様々な成分の分離をモニタするために、4対のセンサ73、74をさらに備える。センサ73、74の各対は、容器41の中央長手方向軸42に沿って各分離セル40の容器41の蓋47に包埋されており、第1のセンサ73は回転軸31にもっとも遠く位置し、第2のセンサ74は回転軸31にもっとも近くに位置する。分離バッグ1が容器41に載置し蓋47が閉じているときには、第1のセンサ73(後にバッグセンサ)は分離バッグ1の上部三角形部分に面し、第2のセンサ74(後にチューブセンサ)は第1のチューブ4の近位端に面する。バッグセンサ73は、液体の血球を検出することができる。チューブセンサ74は、チューブ4に液体の有無を検出することができ且つ液体中の血球を検出することができる。各センサ73、74は、赤外線LEDおよびフォトディテクタを含むフォトセルを備えてもよい。ロータシャフト32の下部部分のまわりに装着されているスリップリングアレイ38を通って電力がセンサ73、74に供給される。
【0104】
分離装置は、分離セル40に含まれた4つの分離バッグ1の重量が異なるときに、最初にロータのバランスを取るための第1のバランス手段をさらに備える。第1のバランス手段は、実質的に、上述の成分移送手段の要素と同一の構造要素を備え、すなわち、周囲円形マニホールド52によって相互接続された4つの膨張可能な油圧チャンバ51と、ロータダクト56を通って油圧チャンバ51内に油圧液体をポンプ注入するための油圧液体ポンプステーション60と、であり、これは、円形マニホールド52に接続されている。4つの分離セル40が同一の重量を有しないことがある4つの個別容量の複合液体を含む(4つの容量は等しくないことがあり、且つ/または、液体の密度が容量によってわずかに異なることがあるため)ロータのバランスを最初に取るために、ポンプステーション60は、分離プロセスの開始時に、もっともバランスの取れていない状況でロータのバランスを取るように選択される所定容量の油圧液体を、相互接続された油圧チャンバ51内にポンプ注入するように制御される。全血では、このバランスを取る容量の決定は、2つの献血の間の容量の最大差、および、2つの献血の間のヘマトクリット(すなわち、密度)の最大差を考慮に入れる。遠心力下で、油圧液体は、分離バッグ1の重量の差に依存して4つの分離セル40に不均一に分布し、ロータのバランスを取る。最初に最適にバランスを取るために、分離セル40のキャビティ43の容量は、中に含まれた分離バッグ1の容量に関わらず、相互接続された膨張チャンバ51内に決定された量の油圧液体がポンプ注入された後に、キャビティ43がいっぱいではないように、選択されなければならない。
【0105】
分離装置は、中心容器34のサテライトバッグ2、3、15内に移された成分の重量が異なるときに、ロータのバランスを取るための第2のバランス手段をさらに備える。たとえば、2つの献血が同一のヘマトクリットを有し異なる容量を有するときには、各献血から抽出された血漿の容量は異なり、2つの献血が同一の容量を有し異なるヘマトクリットを有するときも同様である。図4、5、6に示されるように、第2のバランス手段は、4つの可撓性のある矩形パウチ81、82、83、84を備え、これらは、4つのチューブセクション85、86、87、88によって相互接続されており、各チューブセクションは、2つの隣接するパウチをこれの底部によって接続する。パウチ81、82、83、84は、複合液体の密度に近い密度を有する一定容量のバランス液体を含む。バランス液体の容量は、もっともバランスの取れていない状況でロータのバランスを取るように選択される。4つのパウチ81、82、83、84は、中心容器34の内側表面をライニングするように且つバランス液体の容量よりも大きい内部体積を有するように寸法づけられ、このため、バランス液体は、パウチ81、82、83、84のいずれでも自由に膨張することができる。操作において、たとえば、4つのパウチ81、82、83、84にそれぞれ隣接する4つのサテライトバッグ2が異なる容量の血漿成分を受け取る場合には、4つのサテライトバッグ2は、遠心力下で、4つのパウチ81、82、83、84を不均一に押圧し、これは、結果として、バランス液体が4つのパウチ81、82、83、84に不均一に分布され、サテライトバッグ2の重量の差を補正することになる。
【0106】
分離装置は、様々な分離プロトコル(たとえば、血漿成分および赤血球成分を分離するためのプロトコル、または、血漿成分、血小板成分および赤血球成分を分離するためのプロトコル)に対して、および、そのような分離プロトコルにしたがった装置の操作に対して、情報およびプログラムされた指令を提供するために、制御ユニット(たとえば、マイクロプロセッサ)およびメモリユニットを含むコントローラ90をさらに備える。特に、マイクロプロセッサは、分離プロセスの様々な段階(たとえば、成分分離の段階、血漿成分発現の段階、血漿画分に血小板が浮遊する段階、血小板成分発現の段階、等)中にロータが回転すべき遠心分離スピードに関連する情報、および、分離された成分が分離バッグ1からサテライトバッグ2、3、15内に移されるべき様々な移送流量に関連する情報を受け取るようにプログラムされている。様々な移送流量に関連する情報は、たとえば、油圧回路の油圧液体流量として、または、油圧ポンプステーション60のステッピングモータ64の回転スピードとして、表すことができる。マイクロプロセッサは、圧力ゲージ68からおよび4対のフォトセル73、74から、直接にまたはメモリを通して、情報を受け取るように、且つ、選択された分離プロトコルに沿って分離装置を操作させるために、遠心分離機モータ36、ポンプステーション60のステッピングモータ64、および4対のピンチ弁部材70、71を制御するように、さらにプログラムされている。
【0107】
上述の分離装置の第1の実施形態の変形例は、下記の通りである。
【0108】
上述の中央の油圧圧搾システムの代わりに、分離装置は、分離セル40と同数の独立した圧搾手段を嵌め込むことができる。独立した圧搾手段は、たとえば、分離バッグを分離セル40の容器41のキャビティ43の壁に対して圧搾するように、任意の電磁気機構、電気機械機構または油圧機構によって動くことができるプレートから構成されてもよい。
【0109】
相互接続された油圧チャンバまたはパウチのシステムの代わりに第1および/または第2のバランス手段は、重いボールが自由に動くことができる円形ケージを含むボールバランサーを備えることができる。円形ケージは、回転軸31上に中心が来るようにロータに装着されている。
【0110】
分離バッグ1に接続された全サテライトバッグ2、3、15を含むための中心容器34の代わりに、分離装置は、分離セルと同数のサテライトバッグ容器を備えることができる。図9は、そのような分離装置に使用することができる容器配列を示す。図9の容器配列は、サテライトバッグ容器54に接続されているかまたはこれと一体的に作られている分離バッグ容器41を備える。サテライトバッグ容器54は、直方体の形状を有するキャビティ55を備え、これは、図6に示されたようなバランスアセンブリのパウチ81を含む。分離バッグ容器41は、サテライトバッグ容器54の上に置かれ、このため、両方の容器の開口は同一平面にあり、容器配列がロータターンテーブル35に装着されるときには、回転軸31に面する。
【0111】
第2のセンサ74は、第1のチューブ4への接続に近い分離バッグ1の上部部分に面するように、容器41の蓋47に包埋されることができる。
【0112】
ダイヤフラム50は、キャビティ43の下部壁の一部をライニングするように容器41に固定される代わりに、キャビティ43の上部壁の一部をライニングするように容器41に固定されることができる。
【0113】
各分離セル40において、油圧チャンバ51は、キャビティ43の底壁およびキャビティ43の下部壁の大部分をライニングする可撓性のあるダイヤフラム50によって画成される代わりに、第2のバランス手段のパウチに類似した可撓性のあるパウチを備えることができる。
【0114】
第2のバランス手段は、図6に示されたような4つの相互接続されたパウチ81、82、83、84を備える代わりに、図7に示されたような2つの同心の壁を有する可撓性のある管状パウチ80を備えることができる。パウチ80は、中心容器34の内側表面をライニングするように且つバランス液体の容量よりも大きい内部体積を有するように寸法づけられ、このため、バランス液体は、パウチの1つの区域または別の区域に自由に膨張することができる。
【0115】
ポンプステーション60は、ピストンポンプ61、62の代わりに、十分な正確さで出力を制御することができる任意のポンプ(たとえば、容積移送式ポンプ)を備えることができる。
【0116】
図10、11、12は、4つの個別容量の複合液体用の分離装置の第2の実施形態のロータを示す。
【0117】
この第2の実施形態のロータは、ピンチ弁部材70、71の空間配列において、且つ、分離セル40に対するサテライトバッグ用の保管手段の空間配列において、図4および5の実施形態のロータとは、本質的に異なる。この実施形態では、保管手段は、中心容器を備える代わりに、中心円筒形キャビティ340のまわりに配列されている4つのサテライト容器341、342、343、344を備え、これの中に4対のピンチ弁部材70、71が、回転軸31に平行な長手方向軸に装着されている。サテライト容器341、342、343、344のキャビティ43は、規則的な豆状の断面を有し、中心長手方向軸は、回転軸31に平行であり、連結された分離セル40の長手方向軸42と交差する。
【0118】
図2、3a、3bに示されたバッグのセットが図11〜12のロータに装着されるときには、分離バッグ1およびサテライトバッグ2、3、15は、回転軸31に対して連結されたピンチ弁部材70、71を越えて位置する。チューブ4、17、18およびバッグを接続する3方向コネクタ16、16a、16bは、図2、3a、3bに示された位置にある。
【0119】
図3および4の分離装置の操作を、第1および第2の例示的な分離プロトコルにしたがって、次に説明する。
【0120】
第1の分離プロトコルにしたがって、4つの個別容量の血液が、血漿成分、血小板、白血球、いくらかの赤血球、および、少量の血漿(後に「軟膜」成分)を含む第1の細胞成分、および、主に赤血球を含む第2の細胞成分に分離される。各容量の血液は、図2に表されたバッグセットの分離バッグ1に含まれ、これは、予め、収集チューブ5を使用して献血者から収集された。血液収集後に、収集チューブ5は、分離バッグ近くで封止され、切断された。典型的に、血液の容量は、4つの分離バッグ1で同一ではなく、ヘマトクリットは、分離バッグ1によって変動する。結果として、分離バッグ1は、わずかに異なる重量を有する。
【0121】
第1段階(第1のプロトコル):4つのバッグセットを分離装置に設定する
4つの分離バッグ1が、4つの分離セル40に装填される。蓋47は、閉じられ係止され、これによって、分離バッグ1は、上部縁によって容器41に固定される(固定手段のピン48が、次いで、分離バッグ1の上部隅の穴8を通って進み、窪み49または固定手段に係合する)。
【0122】
Tコネクタ16を通って、分離バッグ1を血漿成分バッグ2に接続するチューブ17は、第1のピンチ弁部材70の溝72に挿入される。Tコネクタ16を通って、分離バッグ1を軟膜成分バッグ15に接続するチューブ18は、第2のピンチ弁部材71の溝72に挿入される。4つの血漿成分バッグ2、4つの軟膜成分バッグ15、4つの赤血球成分バッグ3、および、4つの白血球除去フィルタ13が、ロータの中心コンパートメント34に挿入される。4つの血漿成分バッグ2は、それぞれ、第2のバランス手段のパウチ81〜84に直接接触して置かれる。ピンチ弁部材70、71は閉じられ、分離バッグ1をTコネクタ16に接続するチューブ4の壊すことのできるストッパー9は、手で壊される。
【0123】
第2段階(第1のプロトコル):分離バッグの重量の差を補正するために、ロータのバランスを取る
第2段階の開始時に、すべてのピンチ弁部材70、71は、閉じられる。ロータは、遠心分離機モータ36によって発動され、回転スピードは、第1の遠心分離スピードで回転するまで次第に増加する。ポンプステーション60は、一定の流量で、所定の全容量の油圧液体を4つの油圧チャンバ51内にポンプ注入するように作動される。この全容量の液体は、献血の間の重量の最大変化を考慮に入れて予め決定され、このため、第2段階の最後で、様々な分離セル40の重量は実質的に等しく、分離セル40に搭載される分離バッグ1の具体的な重量に関わらず、ロータは実質的にバランスを取られる。これは、分離セル40の内部キャビティ43がバランスを取る段階の最後で満たされなければならないことを意味しないことに注意されたい。ロータのバランスを取る目的のために、中の重量を均等化するために分離セル40に十分な油圧液体があることで十分であり、空の空間が各分離セル40に残っていても構わない(この空の空間のサイズは本質的に、分離セル40の内部キャビティ43の容量および献血の平均容量に依存する)。油圧チャンバ51が相互接続されているため、分離チャンバ40の間に油圧液体の容量全体を分布することは、単に、ロータの回転から生じる。分離バッグ1の重量が同一であるときには、油圧液体の分布は均一である。同一ではないときには、油圧液体の分布は不均一であり、特定の分離バッグ1の重量が小さければ小さいほど、連結された油圧チャンバ51の油圧液体の容量は大きくなる。
【0124】
第3段階(第1のプロトコル):分離バッグ1内の血液が、所望のレベルまで沈殿される
この段階の開始時に、すべてのピンチ弁部材70、71は、閉じられる。ロータは、そのように選択された所定の期間の間、第2の遠心分離スピード(高沈殿スピードまたは「ハードスピン」)で回転され、分離バッグ1の血液のヘマトクリットに関わらず、血液は、選択された期間の最後に、分離バッグ1の各々で、外側赤血球層のヘマトクリットが約90であり内側血漿層が実質的にもはや細胞を含まない点まで沈殿し、次いで血小板および白血球は赤血球層と血漿層との間で中間層を形成する。
【0125】
第4段階(第1のプロトコル):血漿成分は血漿成分バッグ2内に移される
この段階の開始時に、回転スピードは、第3の遠心分離スピードまで減少され、血漿成分バッグ2へのアクセスを制御する4つの第1のピンチ弁部材70が開けられ、次いで、ポンプステーション60が、油圧液体を第1の一定の流量で油圧チャンバ51内にポンプ注入し、その結果として、分離バッグ1を圧搾して、血漿を血漿成分バッグ2内に移させるように、作動される。
【0126】
血球が分離セル40のバッグセンサ73によって検出されこの検出が最初に発生するときには、即座に、または、次の段階で表されるべき軟膜成分に望ましい血漿の量を考慮して選択された所定の量の時間後のいずれかで、ポンプステーション60は停止され、対応する第1のピンチ弁部材70が閉じられる。
【0127】
第1の(第1の)ピンチ弁部材70(すなわち、第1のピンチ弁部材70のグループの第1のピンチ弁)の閉鎖に続いて、ポンプステーション60は、油圧液体を、第2のより低い流量で油圧チャンバ51内にポンプ注入し、その結果として、対応する第1のピンチ弁部材70によって出口が閉じられていない3つの分離バッグ1を圧搾するように、新たに作動される。
【0128】
血球が分離セル40のバッグセンサ73によって検出されこの検出が2番目に発生するときには、ポンプステーション60は停止され、対応する第1のピンチ弁部材70は閉じられる(閉じるべき第1の(第1の)ピンチ弁部材の閉鎖と同一のタイミング)。
【0129】
閉じるべき第2の(第1の)ピンチ弁部材70の閉鎖に続いて、ポンプステーション60は、油圧液体を、第2の流量で油圧チャンバ51内にポンプ注入し、その結果として、対応する第1のピンチ弁部材70によって出口が閉じられていない2つの分離バッグ1を圧搾するように、新たに作動される。
【0130】
血球が分離セル40のバッグセンサ73によって検出されこの検出が3番目に発生するときには、ポンプステーション60は停止され、対応する第1のピンチ弁部材70は閉じられる(閉じるべき第1の(第1の)ピンチ弁部材の閉鎖と同一のタイミング)。
【0131】
閉じるべき第3の(第1の)ピンチ弁部材70の閉鎖に続いて、ポンプステーション60は、油圧液体を、第2の流量で油圧チャンバ51内にポンプ注入し、その結果として、対応する第1のピンチ弁部材70によって出口がまだ閉じられていない分離バッグ1を圧搾するように、新たに作動される。
【0132】
血球が分離セル40のバッグセンサ73によって検出されこの検出が最後に発生するときには、ポンプステーション60は停止され、対応する第1のピンチ弁部材70は閉じられる(閉じるべき第1のピンチ弁部材の閉鎖と同一のタイミング)。
【0133】
上述の血漿成分移送プロセスにおいて、4つの血漿成分の移送は同一時に開始し、ある程度同時に行われ、各分離バッグにおける特定の事象の発生(バッグセンサによる血球の検出)時に、互いとは無関係に、停止する。
【0134】
変形例として、第2の流量が十分に低く、第1のピンチ弁部材の閉鎖が分離バッグにおける血球の検出とほぼ同時に発生するときには、ポンプステーションは、第4段階中、継続して作動されることができる。
【0135】
第4段階は、4つの第1のピンチ弁部材70が閉じたときに、終了する。
【0136】
第5段階(第1のプロトコル):軟膜成分が軟膜成分バッグ15内に移される
制御ユニット90は、4つの第1のピンチ弁部材70が閉じた後に、血球を検出すべき最後のバッグセンサ73から情報を受け取ったときに、第5段階を開始するようにプログラムされている。
【0137】
この段階の開始時に、回転スピードは、同一(第3の遠心分離スピード)のままであり、軟膜成分バッグ15へのアクセスを制御する4つの第2のピンチ弁部材71の第1のものが開けられ、ポンプステーション60は、油圧液体を第3の一定の流量で油圧チャンバ51内にポンプ注入し、その結果として、開いた第2のピンチ弁部材71に連結された分離セル40の分離バッグ1を圧搾して、この分離バッグ1に接続された軟膜成分バッグ2内に軟膜成分を移させるように、作動される。
【0138】
開いた第2のピンチ弁部材71に連結された分離セル40のチューブセンサ74によって血球が検出された後所定の時間期間後に、ポンプステーション60は停止され、第2のピンチ弁部材71は閉じられる。
【0139】
第1の(第2の)ピンチ弁部材71(すなわち、第2のピンチ弁部材71のグループの第1のピンチ弁)が閉じた後に、第2の(第2の)ピンチ弁部材71が開き、上述のようなやり方で、第2の軟膜成分が軟膜成分バッグ2内に移される。
【0140】
同一のプロセスが連続して行われて、軟膜成分を2つの残っている分離バッグ1からこれに接続された軟膜成分バッグ2内に移す。
【0141】
上述の軟膜成分移送プロセスにおいて、4つの軟膜成分の移送は連続しており、連続の順序は予め決定されている。しかし、第2、第3および第4の移送の各々は、先の移送の最後で特定の事象の発生に続いて開始する(チューブセンサ74による血球の検出または第2のピンチ弁部材71の閉鎖)。
【0142】
変形例として、第3の流量が十分に低く、第2のピンチ弁部材71の閉鎖がチューブ4の血球の検出とほぼ同時に発生するときには、ポンプステーションは、第4段階中、継続して作動されることができる。
【0143】
変形例として、制御ユニット90は、所定の時間期間後に、血球を検出すべき第1の(または第2のまたは第3の)バッグセンサ73から情報を受け取った後に、第5段階を開始するようにプログラムされる。時間期間は、統計的にまたは経験的に決定され、このため、実行を開始する事象が何であれ(血球を検出すべき第1、第2および第3のバッグセンサ73のいずれかの1つによる血球の検出)、4つの第1のピンチ弁部材70は、それが終わったときに閉鎖される。
【0144】
第5段階は、4つの第2のピンチ弁部材71が閉じたときに、終了する。
【0145】
第6段階(第1のプロトコル):遠心分離プロセスが終了する
制御ユニット90は、4つの(第2の)ピンチ弁部材71が閉じた後に、血球を検出すべき最後のチューブセンサ74から情報を受け取ったときに、第6段階を開始するようにプログラムされている。
【0146】
ロータの回転スピードは、ロータが停止するまで減少し、ポンプステーション60は、油圧チャンバ51が空になるまで高流量で油圧チャンバ51から油圧液体をポンプ注出するように作動され、第1および第2のピンチ弁部材70、71はチューブ17、18を封止し切断するように作動される。血球は、分離バッグ1にあるままである。
【0147】
第5段階が完了したときには、4つのバッグセットは分離装置から取り外され、各バッグセットは、別個に手で取り扱われる。
【0148】
分離バッグ1とこれに接続されたチューブ6との間の連通を阻止する壊すことのできるストッパー10が壊され、第2のサテライトバッグ3とチューブ6との間の連通を阻止する壊すことのできるストッパー14も同様である。第2のサテライトバッグ3に含まれた保存溶液は、重力によって、白血球除去フィルタ13を通って分離バッグ1内に流れることができ、そこで、粘度を下げるように赤血球と混合される。分離バッグ1の内容物は、次いで、重力によってフィルタ13を通って第2のサテライトバッグ3内に流れることができる。白血球はフィルタ13によって捉えられ、このため、実質的に、赤血球のみが第2のサテライトバッグ3内に収集される。
【0149】
変形例として、制御ユニット90は、所定の時間期間後に、血球を検出すべき第1の(または第2のまたは第3の)チューブセンサ74から情報を受け取った後に、第6段階を開始するようにプログラムされる。時間期間は、統計的にまたは経験的に決定され、このため、実行を開始する事象が何であれ(血球を検出すべき第1、第2および第3のチューブセンサ74のいずれかの1つによる血球の検出)、4つの第2のピンチ弁部材71は、それが終わったときに閉鎖される。
【0150】
第2の分離プロトコルにしたがって、4つの個別容量の血液が、血漿成分、血小板成分、および、赤血球成分に分離される。各容量の血液は、図2に表されたバッグセットの分離バッグ1に含まれ、これは、先に、収集チューブ5を使用して献血者から収集された。血液収集後に、収集チューブ5は、分離バッグ近くで封止され、切断された。典型的に、血液の容量は、4つの分離バッグ1で同一ではなく、結果として、わずかに異なる重量を有する。また、典型的に、ヘマトクリットは、分離バッグ1によって変動する。
【0151】
第1段階(第2のプロトコル):4つのバッグセットを分離装置に設定する
この段階は、第1のプロトコルの第1段階と同一である。
【0152】
第2段階(第2のプロトコル):分離バッグの重量の差を補正するために、ロータのバランスを取る
この段階は、第1のプロトコルの第2段階と同一である。
【0153】
第3段階(第2のプロトコル):分離バッグ1内の血液が、所望のレベルまで沈殿される
この段階は、第1のプロトコルの第3段階と同一である。
【0154】
第4段階(第2のプロトコル):血漿の第1の大きな部分が血漿バッグ2内に移され、一方、血漿の第2の小さな部分は分離バッグ1にあるままである。
【0155】
この段階は、実質的に第1のプロトコルの第4段階と同一である。しかし、各分離バッグ1から連結された血漿成分バッグ2内への血漿の表れは、対応するバッグセンサ73が血球を検出した直後に停止され、このため、分離バッグ1に残っている血漿の容量は、血小板がこれの中で再浮遊することができるほど十分に大きい。
【0156】
第5段階(第2のプロトコル):血小板成分が分離バッグ1で準備される
この段階の開始時に、第1および第2のピンチ弁部材70、71は、閉じられる。ロータは停止され、ポンプステーション60は、一定容量の油圧液体を高流量で油圧チャンバ51から注出するように作動される。ロータは、次いで、所定の時間期間の間、回転軸31を中心にして前後に振動するように制御され、その最後に、分離バッグ1の細胞は血漿に実質的に浮遊する。ロータは、次いで、遠心分離機モータ36によって再度発動され、このため、これの回転スピードは、第4の遠心分離スピード(低沈殿スピードまたは「ソフトスピン」)に到達するまで次第に増加する。ロータは、選択された所定の時間期間の間、第4の回転スピードで回転され、このため、血液は、選択された期間の最後に、分離バッグ1で、分離バッグ1が濃厚赤血球成分を備える外側層および血漿に浮遊する血小板を実質的に備える内側環状層を呈する点まで沈殿する。
【0157】
第6段階(第2のプロトコル):血小板成分が血小板バッグ15内に移される
この段階は、実質的に第1のプロトコルの第5段階と同一である(軟膜発現)。
【0158】
第7段階(第2のプロトコル):遠心分離プロセスが終了する
この段階は、実質的に第1のプロトコルの第6段階と同一である。
【0159】
図13〜18は、4つの個別容量の複合液体用の分離装置の第3の実施形態を示す。
【0160】
図13〜18の分離装置は、複合液体を2つの成分に分離するのに特に適合され、たとえば、全血を細胞成分(赤血球、白血球および血小板)と実質的に細胞がない血漿成分とに分離するか、または、全血を細胞成分(赤血球、白血球および少量の血小板)と浮遊している大量の血小板を含む血漿成分とに分離する。
【0161】
図4および5に示された第1の分離装置と図13〜18に示された第3の分離装置との間の主な差は、下記の通りである。
【0162】
第3の分離装置の分離セル100の形状は、第1の分離装置の分離装置の分離セル40の形状とは異なる。
【0163】
第3の分離装置の分離セル100の各々には、1つのピンチ弁部材70および1つのチューブセンサ74が連結されている。
【0164】
第3の分離装置は、分離セル100の油圧チャンバに且つこれから油圧液体をポンプ注入出するためのポンプステーションを備えない。
【0165】
より詳細には、第3の分離装置用の分離セル100は、略直方体の形状を有する容器101を備える。容器101のキャビティ(「分離コンパートメント」とも称される)は、略直方体の形状を有し、図2に示されたタイプの、液体でいっぱいの分離バッグ1をゆるく収容するように寸法づけられている。分離セル100は、弾性ダイヤフラム110をさらに備え、これは、容器101のキャビティ内に、分離バッグ1を受け取るための第1のチャンバ102と、容器101の底に近い入口開口部104を通って周囲マニホールド52に接続される第2の油圧チャンバ103と、を画成する。分離セル100は、容器101の開口のより長い平行側部に蝶番で留められた2つのフラップ105、106を有する蓋をさらに備える。2つのフラップ105、106は、係止手段(図示せず)によって閉位置に係止することができる。分離セル100は、分離バッグ1を分離セル100内に固定するための固定手段をさらに備える。バッグ固定手段は、2本のピン107および2つの対応する窪み108を備え、これらはそれぞれ、蓋を閉じたときに互いに面するフラップ105、106の縁に突出するかまたは開口する。2本のピン107は、分離バッグ1の上部隅の2つの穴8内に嵌るように離間され寸法づけられている。2つのフラップ105、106はまた、直面する縁に、分離バッグ1の上部区域に包埋された3本のチューブ4、5、6の近位端を収容するために3つの半円筒形穴109も備える。外側フラップ106は、バッグセンサ74を含むために、中央半円筒形穴109に面するキャビティを含む。
【0166】
図15〜18に示されるように、ダイヤフラム110は、分離セル100とほぼ同じ幅の平らな矩形ソケット111を備える。ダイヤフラム110は、ソケット111の口のまわりに、ダイヤフラム110が分離バッグ1によって変形されず直立位置に保持されるときには(図15)ソケット111に垂直に延出する大きな矩形の接続部分112をさらに備える。ソケット111は、長手方向中央軸に沿って接続部分112に接続される。接続部分112は、容器101のキャビティの横方向断面よりもわずかに大きい表面を有する。ダイヤフラム110は、接続部分112の周囲区域によって容器101の頂部にしっかり取り付けられる。ダイヤフラム110は、図16〜18に示されるように、遠心分離前に且つ遠心分離中にダイヤフラム110が分離バッグ1の形状に非常に密接に従うように選択された弾性があり変形可能なエラストマー材料から作られる。
【0167】
上述のように、図13に示された分離装置は、油圧チャンバ103に且つこれから油圧液体をポンプ注入出するためのポンプステーションを備えない。代わりに、油圧液体用の溜120を備え、これは、ロータに対して固定され、コンジット121およびロータリーシール122によってロータダクト56に直接接続されている。コンジット121には、弁123が嵌められる。溜120は、4つの分離セル100よりも低くなるように分離装置のフレームに固定される。分離装置が赤血球を血漿(浮遊血小板があろうとなかろうと)から分離するのに使用されるときには、油圧液体の密度は、下記に説明する理由のために、濃厚赤血球の密度と血漿の密度との間になるように選択される。
【0168】
第3の分離装置の成分移送手段は、本質的に、ロータリーシール122によってロータダクト56に直接接続される溜120と、油圧チャンバ103と、ロータを駆動して回転させるモータ36と、を備える。弁123が開き、溜120と分離セル100との間の高さおよび回転軸31と分離セル100との間の距離に依存する決定された閾値にロータの回転スピードが到達したときには、油圧液体は、油圧チャンバ103を満たし、分離バッグ1の容量/重量に関わらず、中の分離バッグ1を圧搾するように、溜120から油圧チャンバ103内に流れる。スピード閾値は、実質的に、血液成分を分離するためにロータが回転する回転スピード(「高スピン」および「ソフトスピン」)よりも低い。分離された成分を分離バッグ1からサテライトバッグ2内に移すことは、次いで、2つのバッグを接続するチューブ4が挿入されるピンチ弁部材70の開/閉によって制御される。
【0169】
第3の分離装置の第1のバランス手段は、本質的に、ロータリーシール122を通してロータダクト56に直接接続される溜120と、油圧チャンバ103と、ロータを駆動して回転させるモータ36と、弁123と、を備える。分離プロセスの開始時に、弁123は、もっともバランスの取れていない状況でロータのバランスを取るように選択される所定容量の油圧液体を、相互接続された油圧チャンバ103内に移すのを可能にするように、所定の時間期間の間、開いている。全血では、このバランスを取る容量の決定は、2つの献血の間の容量の最大差、および、2つの献血の間のヘマトクリット(すなわち、密度)の最大差を考慮に入れる。
【0170】
分離装置の第3の実施形態の変形例は、溜120をロータダクト56に接続するコンジット121に弁123を備えない。結果として、閾値スピードに到達したときには、油圧液体は、分離セル100内に蓄積している圧力がさらなるポンプ注入を妨げるまで、溜120から油圧チャンバ103内にポンプ注入される。しかし、分離セル100の利用可能な空間を油圧液体で満たすことは、特に、分離バッグ1の重量の差に、これの容量に、および、油圧液体の密度の差に依存して、最適にロータのバランスを取ることにならないこともある。
【0171】
第3の分離装置の操作を、第3の例示的な分離プロトコルにしたがって、下記に説明する。
【0172】
第3の分離プロトコルにしたがって、4つの個別容量の血液が、血漿成分(相当な量の血小板を含むかまたは含まない)、および、血球成分(血小板、または、残留血小板、白血球および赤血球を含む)に分離される。各容量の血液は、図1に表されたバッグセットの分離バッグ1に含まれ、これは、先に、収集チューブ5を使用して献血者から収集された。血液収集後に、収集チューブ5は、分離バッグ近くで封止され、切断された。典型的に、血液の容量は、4つの分離バッグ1で同一ではなく、ヘマトクリットは、分離バッグ1によって変動する。結果として、分離バッグは、わずかに異なる重量を有する。
【0173】
第1段階(第3のプロトコル):4つのバッグセットを分離装置に設定する
4つの分離バッグ1が、図16に示されたように4つの分離セル100内のダイヤフラム110のソケット111内に挿入される。分離セル100の蓋の2つのフラップ105、106は閉じられ、結果として、分離バッグ1の頂部を分離セル100に固定する。蓋の外側フラップ106に包埋されたチューブセンサ74が、今や、分離バッグ1を血漿成分バッグ2に接続するチューブ4の近位端に面する。チューブ4は、ピンチ弁部材70の溝72に挿入される。4つの血漿成分バッグ2、4つの赤血球成分バッグ3および4つの白血球除去フィルタ13が、ロータの中心コンパートメント34に挿入される。ピンチ弁部材70は閉じられ、血漿成分バッグ2に接続されたチューブ4の壊すことのできるストッパー9が、手で壊される。
【0174】
第2段階(第3のプロトコル):分離バッグの重量の差を補正するために、ロータのバランスを取る
この第2段階の開始時に、チューブ4が係合されるピンチ弁部材70は、閉じられる。溜120をロータダクト56に接続するコンジット121の弁123は、開けられる。ロータは、遠心分離機モータ36によって発動され、回転スピードは、所定の沈殿スピードで回転するまで次第に増加する。沈殿スピードで回転する前に、ロータは閾値スピードに到達し、そこで、これの回転が、油圧液体を溜120から分離セル100の相互接続された油圧チャンバ103内にポンプ注入させる。ロータのバランスを取るのに十分な所定の量の油圧流体が油圧チャンバ103に移された後に、弁は閉じられる123。油圧チャンバ103は周囲マニホールド52によって相互接続されるため、油圧液体は、ロータのバランスを取るように、分離セル100に自動的に分布される。分離バッグ1の重量が同一であるときには、油圧液体の分布は均一である。同一ではないときには、油圧液体の分布は不均一であり、特定の分離バッグ1の重量が小さければ小さいほど、連結された油圧チャンバ103の油圧流体の容量は大きくなる。
【0175】
第3段階(第3のプロトコル):分離バッグ1内の血液は、所望のレベルまで沈殿される
大量の浮遊血小板を含む血漿成分(「血小板リッチ血漿」)、および、主に赤血球および白血球を含む細胞成分を分離するのが望ましいときには、ロータは、第1の沈殿スピード(約2000RPM、通常、「ソフトスピン」と称される)で回転する。
【0176】
実質的に細胞がない血漿成分(「血小板プア血漿」)、および、主に赤血球、白血球および血小板を含む細胞成分を分離するのが望ましいときには、ロータは、第2の沈殿スピード(約3200RPM、通常、「ハードスピン」と称される)で回転する。
【0177】
ロータは、分離バッグ1の血液のヘマトクリットに関わらず、血液が、選択された期間の最後に分離バッグ1の各々で所望のレベルに沈殿するように選択された所定の時間期間の間、選択された沈殿スピードで回転する。上述のように、油圧液体の密度は、濃厚赤血球の密度と血漿の密度との間になるように選択されるため、分離バッグ1は、図17に示されるように、沈殿段階の最後には、砂時計の形状を取る。
【0178】
第4段階(第3のプロトコル):血漿成分がサテライトバッグ2内に移される
この段階の開始時に、血漿成分バッグ2へのアクセスを制御する4つのピンチ弁部材70が開けられる。これは、分離セル100内の圧力を減少させ、油圧液体は、再度、油圧チャンバ103内に流れ始める。油圧チャンバ103の油圧流体の上昇する容量は、分離バッグ1を圧搾し、血漿成分を第1のサテライトバッグ2内に移させる。油圧液体は、濃厚赤血球の密度よりも低い密度を有するため、赤血球は、分離セル100の底にあるままであり、分離バッグ1は、図18に示されるように、赤血球より上で徐々に折り畳まれる。
【0179】
各チューブセンサ74が血球を検出したときに、連結されたピンチ弁部材70は、閉じられる。4つの分離バッグ1の血液の容量が異なるときには、および/または、4つの分離バッグ1の血液のヘマトクリットが異なるときには(一般にそうである)、4つのピンチ弁部材70は、次々に閉じる。
【0180】
第4段階は、4つの第1のピンチ弁部材70が閉じたときに、終了する。
【0181】
第5段階(第3のプロトコル):遠心分離プロセスが終了する
最後のピンチ弁部材70が閉じるときに、ロータの回転スピードは、ロータが停止するまで減少する。油圧液体は、同時に油圧チャンバ103から溜120内に排出する。赤血球および白血球は、分離バッグ1にあるままである(収集された血漿成分が「血小板プア血漿」であるときには、血小板も同様である)。
【0182】
第5段階が完了したときには、4つのバッグセットは分離装置から取り外され、各バッグセットは、別個に手で取り扱われる。
【0183】
分離バッグ1とこれに接続されたチューブ6との間の連通を阻止する壊すことのできるストッパー10が壊され、第2のサテライトバッグ3とチューブ6との間の連通を阻止する壊すことのできるストッパー14も同様である。第2のサテライトバッグ3に含まれた保存溶液は、重力によって、白血球除去フィルタ13を通って分離バッグ1内に流れることができ、そこで、粘度を下げるように血球と混合される。分離バッグ1の内容物は、次いで、重力によってフィルタ13を通って第2のサテライトバッグ3内に流れることができる。白血球および血小板はフィルタ13によって捉えられ、このため、実質的に、赤血球のみが第2のサテライトバッグ3内に収集される。
【0184】
図19は、4つの個別容量の複合液体用の分離装置の第4の実施形態を示す。
【0185】
図13〜18に示された第3の分離装置と図19に示された第4の分離装置との間の主な差は、下記の通りである。
【0186】
第4の分離装置は、コンジット、ロータリーシールおよびロータダクトを経由して分離チャンバに直接接続された固定溜を備えない。
【0187】
第4の分離装置は、ロータに装着される油圧液体溜130を備える。
【0188】
図19の装置のロータは、下記を備える。
【0189】
サテライトバッグ用の中心容器34、円筒形バケットの形状を有する。
【0190】
回転軸31に対して傾斜して4つの分離セル100を支持する円錐台の壁を有するターンテーブル35。ターンテーブル35は、中心容器34のへりの下でフレア状になるように、より小さな直径セクションによって中心容器34の上部へりに接続される。
【0191】
油圧液体用の溜130、これは、円形底壁131と、より小さな直径セクションによって円形底壁131に接続されより大きな直径セクションによってターンテーブル35の下部へり(すなわち、より大きな直径を有するターンテーブルのセクション)に接続された円錐台壁132と、を備える。言い換えると、溜130の内部は、複雑な幾何学量を有し、これは、回転軸31に対して対称であり、外部表面または中心容器34、ターンテーブル35の内側表面、溜の円錐台壁132の内側表面、および、溜の底壁131の内側表面、によって画成される。
【0192】
ロータシャフト32、これは、溜130の底壁に接続されている。
【0193】
溜130は、油圧チャンバ103の入口開口部104に一致するターンテーブル35を通る出口開口部133によって、各分離セル100の油圧チャンバ103に流体式に接続されている。図示のように、出口開口部133は、回転軸31からもっとも遠くに位置する。この配列で、油圧液体は、ロータが回転し始めるとすぐに遠心力下で溜130から分離セル100の油圧チャンバ103内に流れる。分離装置が血漿(浮遊血小板があろうとなかろうと)から赤血球を分離するために使用されるべきときには、油圧流体の密度は、濃厚赤血球の密度と血漿の密度との間になるように選択される。
【0194】
この分離装置の第4の実施形態において、成分移送手段は、本質的に、溜130と、油圧チャンバ103と、ロータを駆動して回転させるモータ36と、を備える。ロータが回転するときには、油圧液体は、遠心力下で溜130から油圧チャンバ103内に排出し、弾性ダイヤフラム110を通って分離セル100内の分離バッグ1を押圧する。分離された成分を分離バッグ1からサテライトバッグ2内に移すことは、2つのバッグを接続するチューブ4が挿入されるピンチ弁部材70の開/閉によって制御される。
【0195】
第1のバランス手段は、本質的に、溜130と、油圧チャンバ103と、ロータを駆動して回転させるモータ36と、を備える。ロータが回転し始めるとすぐに、油圧流体は、分離バッグ1によって分離セル100内の空になっていた空間を完全に満たすまで、溜130から油圧チャンバ103内に流れ、これは、ロータが所望の沈殿スピードに到達する前に発生する。しかし、分離セル100の利用可能な空間を油圧液体で満たすことは、特に、分離バッグ1の重量の差に、これの容量に、および、油圧液体の密度に依存して、最適にロータのバランスを取ることにならないこともある。
【0196】
ここに述べられた装置および方向に対して様々な修正を行うことができることは、当業者には明らかである。したがって、本発明は、明細書に検討された主題に限定されないことを理解すべきである。むしろ、本発明は、修正例および変形例をカバーすることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】分離装置と協働するように設計された第1のバッグのセットの概略図である。
【図2】分離装置と協働するように設計された第2のバッグのセットの概略図である。
【図3a】図2のバッグのセットの詳細の2つの変形例の概略図である。
【図3b】図2のバッグのセットの詳細の2つの変形例の概略図である。
【図4】分離装置の第1の実施形態の、部分的に直径面に沿った断面の、概略図である。
【図5】図4の分離装置のロータの上面図である。
【図6】分離装置用の受動バランスユニットの第1の実施形態の斜視図である。
【図7】分離装置用の受動バランスユニットの第2の実施形態の斜視図である。
【図8】図4および5の分離装置の分離セルの、部分的に半径面に沿った断面の、概略図である。
【図9】保管容器に隣接した分離セルの実施形態の、半径面に沿った断面の、概略図である。
【図10】分離装置の第2の実施形態のロータの斜視図である。
【図11】直径面に沿った、図10のロータの断面図である。
【図12】図10のロータの上面図である。
【図13】分離装置の第3の実施形態の、直径面に沿った断面の、概略図である。
【図14】図13の分離装置の分離セルの、半径面に沿った断面の、概略図である。
【図15】図14の分離セルの可撓性のあるダイヤフラムの斜視図である。
【図16】分離プロセスの異なる段階で分離バッグを含む図14の分離セルの、半径面に沿った断面の、概略図である。
【図17】分離プロセスの異なる段階で分離バッグを含む図14の分離セルの、半径面に沿った断面の、概略図である。
【図18】分離プロセスの異なる段階で分離バッグを含む図14の分離セルの、半径面に沿った断面の、概略図である。
【図19】分離装置の第4の実施形態の、直径面に沿った断面の、概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの個別容量の複合液体を少なくとも2つの成分に分離するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の装置および方法は、水性成分および1つまたはそれ以上の細胞成分を備える生体液を分離するのに特に適切である。たとえば、本発明の使用の可能性は、下記を含む。すなわち、一定容量の全血から血漿成分および細胞成分(血小板、白血球および赤血球を含む)を抽出し、細胞成分を、その後、赤血球から血小板および白血球を除去するように濾過することと、一定容量の全血から、中に相当量の白血球が浮遊している血漿成分と赤血球成分とを抽出し、白血球を、その後、血小板成分および赤血球成分から濾過によって除去することと、一定容量の全血から、血漿成分、血小板成分および赤血球成分を抽出し、白血球を、その後、血小板成分および赤血球成分から濾過によって除去することと、である。
【0003】
血液成分を処理するための装置は、国際特許出願公開第WO03/089027号明細書から公知である。この装置は、少なくとも1つの生成物バッグ、たとえば、血小板成分バッグに接続された環状分離バッグと協働するように適合された遠心分離機を備える。遠心分離機は、
分離バッグを支持するためのターンテーブルと分離バッグに接続された生成物バッグを含むための中心コンパートメントとを有するロータと、
分離バッグを圧搾して、分離された成分(たとえば、血漿に浮遊している血小板)を分離バッグから生成物バッグ内に移させる圧搾システムと、
を含む。
【0004】
この装置では、単一の個別容量の血液が一度に処理される。
【特許文献1】国際特許出願公開第WO03/089027号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、少なくとも2つの個別容量の複合液体を、特に、同一でないことがある個別容量を、個別容量によって変動することがある複合液体の様々な成分の割合で、一度に処理することができる分離装置を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にしたがった、少なくとも2つの個別容量の複合液体を、少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離するための方法は、
ロータに装着された少なくとも2つの分離セルに、それぞれ、2つの個別容量の複合液体を含む少なくとも2つの分離バッグを入れることと、
ロータに含まれた少なくとも1つの容器に、それぞれ、少なくとも2つの分離バッグに接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグを保管することと、
少なくとも第1および第2の成分が分離バッグの各々に沈殿する沈殿スピードでロータを回転することと、
第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を、それぞれ、少なくとも2つの分離バッグからこれに接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグ内に移すことと、
各分離バッグの第1の決定された場所で成分の特性を検出することと、
第1の決定された場所での成分の特性の検出時に、第1の成分の少なくとも1つの画分を各分離バッグからこれに接続された第1のサテライトバッグ内に移すのを停止することと、
を備える。
【0007】
本発明にしたがった方法の他の特徴は、下記の通りである。
【0008】
第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を少なくとも2つの第1のサテライトバッグ内に移すことは、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの分離バッグを圧搾して、これに接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグ内に第1の成分の少なくとも1つの画分を移させるようにすることを備える。
【0009】
方法は、分離バッグの第1の決定された場所で成分の特性を検出し、そのような検出が最後に発生した後に、ロータのスピードを変えることをさらに備える。
【0010】
方法は、少なくとも2つの分離バッグの1つの第1の決定された場所で成分の特性を検出した後所定の時間期間後に、ロータのスピードを変えることをさらに備える。
【0011】
方法は、第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を少なくとも2つの第1のサテライトバッグ内に移すことによって生じたロータのアンバランスのバランスを取ることをさらに備える。
【0012】
第1の分離された成分を少なくとも2つの第1のサテライト成分バッグ内に移すことによって生じたロータのアンバランスのバランスを取ることは、それぞれ、少なくとも1つの容器の少なくとも2つの第1のサテライトバッグを、少なくとも1つの容器の壁に固定された一定容量の液体を含む少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチに対して保管することを備え、これによって、少なくとも2つの第1のサテライトバッグは、遠心力下で少なくとも2つのパウチに対して押圧し、ロータのバランスを取るように少なくとも2つのパウチに一定容量の液体を分布する。
【0013】
方法は、各分離バッグを、これに接続された第1のサテライト成分バッグへ接続するチューブを封止し切断することをさらに備える。
【0014】
方法は、第2の分離された成分を、それぞれ、少なくとも2つの分離バッグからこれに接続された少なくとも2つの第2のサテライトバッグ内に移すことをさらに備える。
【0015】
第2の分離された成分を、それぞれ、少なくとも2つの分離バッグからこれに接続された少なくとも2つの第2のサテライトバッグ内に移すことは、
第2の分離された成分を少なくとも2つの分離バッグの1つからこれに接続された第2のサテライトバッグ内に移すことと、
第2の成分が移される分離バッグかまたは第2の成分が移される分離バッグへ第2のサテライトバッグを接続するチューブかのいずれかの第2の決定された場所で成分の特性を検出することと、
第2の決定された場所での成分の特性の検出時に、第2の成分を移送するのを停止することと、
少なくとも2つの分離バッグの各分離バッグで上記ステップを連続して繰り返すことと、
を備える。
【0016】
第2の分離された成分を少なくとも2つの分離バッグからこれに接続された第2のサテライトバッグ内に移すことは、少なくとも2つの分離セル内の分離バッグを圧搾して、これに接続された少なくとも2つの第2のサテライトバッグ内に第2の成分を移させるようにすることを備える。
【0017】
方法は、分離バッグかまたはこれに接続されたチューブの第2の決定された場所で成分の特性を検出し、そのような検出が最後に発生した後に、ロータを回転するのを停止することをさらに備える。
【0018】
方法は、少なくとも2つの分離バッグの1つまたはこれに接続されたチューブの第2の決定された場所で成分の特性を検出した後所定の時間期間後に、ロータを回転するのを停止することをさらに備える。
【0019】
方法は、第2の分離された成分を少なくとも2つの第2のサテライトバッグ内に移すことによって生じたロータのアンバランスのバランスを取ることをさらに備える。
【0020】
第2の分離された成分を少なくとも2つの第2のサテライト成分バッグ内に移すことによって生じたロータのアンバランスのバランスを取ることは、それぞれ、少なくとも1つの容器の少なくとも2つの第2のサテライトバッグを、少なくとも1つの容器の壁に固定された一定容量の液体を含む少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチに対して保管することを備え、これによって、少なくとも2つの第2のサテライトバッグは、遠心力下で少なくとも2つのパウチに対して押圧し、ロータのバランスを取るように少なくとも2つのパウチに一定容量の液体を分布する。
【0021】
方法は、各分離バッグを、これに接続された第2のサテライト成分バッグへ接続するチューブを封止し切断することをさらに備える。
【0022】
方法は、一定容量の油圧液体を、それぞれ、少なくとも2つの分離セルに位置する少なくとも2つの相互接続された膨張可能な油圧チャンバ内に移すことをさらに備え、これによって、油圧液体は、実質的にロータのバランスを取るように、遠心力下で少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバに分布される。
【0023】
一定容量の油圧液体を少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移すことは、所定容量の油圧液体を移すことを備える。
【0024】
一定容量の油圧液体を少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移すことは、少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に油圧液体をポンプ注入することを備える。
【0025】
一定容量の油圧液体を少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移すことは、少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバに油圧液体の源を接続することを備え、このため、ロータの回転が油圧液体を油圧液体の源から少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移させる。
【0026】
本発明にしたがった、少なくとも2つの個別容量の複合液体を少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離するための装置は、遠心分離機であって、
回転軸を有するロータであって、
少なくとも2つの分離セルであって、各々が、一定容量の複合液体を含む分離バッグを含むためのものである分離セルと、
分離セル内の分離バッグに分離された成分の特性に関する情報を生成するために各分離セルに連結された少なくとも1つのセンサと、
を備えるロータと、
ロータの回転スピードの少なくとも1つの変化を格納するためのメモリユニットと、
制御ユニットであって、
メモリから、回転スピードの少なくとも1つの変化と、各分離セルに連結された少なくとも1つのセンサによって生成された情報と、を受け取るように、且つ、
少なくとも2つの分離セルの各々に連結された少なくとも1つのセンサの1つによって生成された情報を考慮して回転スピードの少なくとも1つの変化を生じさせるように、プログラムされた制御ユニットと、
を備える遠心分離機を備える。
【0027】
本発明にしたがった装置の他の特徴は、下記の通りである。
【0028】
制御ユニットは、分離セル内の分離バッグに分離された成分の特性を検出する少なくとも2つの分離セルに連結された少なくとも1つのセンサの第1のものによって生成された情報を考慮して回転スピードの少なくとも1つの変化を生じさせるように、プログラムされている。
【0029】
制御ユニットは、分離セル内の分離バッグに分離された成分の特性を検出する少なくとも2つの分離セルに連結された少なくとも1つのセンサの最後のものによって生成された情報を考慮して回転スピードの少なくとも1つの変化を生じさせるように、プログラムされている。
【0030】
装置は、分離セル内の分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材をさらに備える。
【0031】
制御ユニットは、分離プロセスで少なくとも1回、分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材に、同一の分離セルに連結された少なくとも1つのセンサによる分離された成分の特性の検出に続いて、分離セル内の分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを阻止させるように、さらにプログラムされている。
【0032】
制御ユニットは、分離プロセスで少なくとも1回、分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材に、別の分離セルに連結された少なくとも1つのセンサによる分離された成分の特性の検出に続いて、分離セル内の分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にさせるように、さらにプログラムされている。
【0033】
少なくとも1つのセンサは、分離セル内の分離バッグの分離された成分の特性を検出するための第1のセンサを備える。
【0034】
少なくとも1つの弁部材は、分離バッグとこれに接続された第1のサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための第1の弁部材を備える。
【0035】
制御ユニットは、第1のセンサからの情報を考慮して第1の弁部材の作動を制御するようにさらにプログラムされている。
【0036】
少なくとも1つのセンサは、分離バッグを第2のサテライトバッグに接続するチューブの分離された成分の特性を検出するための第2のセンサを備える。
【0037】
少なくとも1つの弁部材は、分離バッグとこれに接続された第2のサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための第2の弁部材を備える。
【0038】
制御ユニットは、第2のセンサからの情報を考慮して第2の弁部材の作動を制御するようにさらにプログラムされている。
【0039】
装置は、少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すための成分移送手段をさらに備える。
【0040】
制御ユニットは、
少なくとも2つの成分を、それぞれ、少なくとも2つの分離セルに含まれた少なくとも2つの分離バッグに分離するための沈殿スピードでロータを回転させ、
各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材に、各分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にさせ、
成分移送手段に、分離された成分の少なくとも一部を少なくとも2つの分離バッグの各々からこれに接続されたサテライトバッグ内に移させ、
各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材に、分離セルに連結されたセンサが分離された成分の特性を検出するときに、分離セル内の分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを阻止させるようにさらにプログラムされている。
【0041】
制御ユニットは、
成分移送手段に、少なくとも2つの分離セルの1つに連結された1つのセンサが分離された成分の特性を検出したときに、成分移送手段に、分離された成分を少なくとも2つの分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すのを停止させ、
成分移送手段に、分離された成分の特性を検出したセンサに連結された分離セルに連結された弁部材が分離バッグとこれに接続されたサテライトバッグとの間の流体の流れを阻止した後に、分離された成分を少なくとも2つの分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移させるようにさらにプログラムされている。
【0042】
装置は、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの分離バッグのそれぞれの重量が異なるときに、ロータのバランスを取るための第1のバランス手段をさらに備える。
【0043】
第1のバランス手段は、
それぞれ、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの膨張可能な油圧チャンバであって、流体的に相互接続されている少なくとも2つの油圧チャンバと、
少なくとも2つの油圧チャンバに流体的に接続された油圧液体の源と、
少なくとも2つの異なる分離セルにそれぞれ含まれた2つの分離バッグが異なる重量を有するときに実質的にロータのバランスを取るように、一定容量の油圧液体を油圧液体源から少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移すための液体移送手段と、
を備える。
【0044】
制御ユニットは、液体移送手段に、所定容量の油圧液体を油圧液体源から少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内に移させるようにプログラムされ、所定容量の油圧液体は、少なくとも2つの異なる分離セルにそれぞれ含まれた2つの分離バッグの重量に関わらず実質的にロータのバランスを取るように、選択される。
【0045】
液体移送手段は、一定容量の油圧流体を少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内にポンプ注入するためのポンプ手段を備える。
【0046】
油圧液体の源は、ロータに対して固定され、ロータリーシールを通して少なくとも2つの油圧チャンバに流体的に接続されている。
【0047】
液体移送手段は、ロータを駆動して回転させるモータを備え、油圧液体の源は、少なくとも2つの分離セルより下で、ロータに対して固定され、ロータリーシールを通して油圧チャンバに流体的に接続され、これによって、ロータの回転が一定容量の油圧液体を油圧液体源から油圧チャンバ内に移させる。
【0048】
第1のバランス手段は、ロータのバランスを取るために所定容量の油圧液体を油圧チャンバ内に移すのを制御するために、油圧液体の源とロータリーシールとの間のコンジットに嵌められた弁をさらに備える。
【0049】
少なくとも2つの油圧チャンバは、回転軸に中心をおいた円形コンジットによって相互接続され、円形コンジットは、各油圧チャンバに、回転軸よりもロータの周囲により近いこれの区域に、接続されている。
【0050】
液体移送手段は、ロータを駆動して回転させるモータを備え、油圧液体の源は、ロータに装着されている油圧液体の溜を備え、ロータの回転が油圧液体を溜から少なくとも2つの油圧チャンバ内に移させるように設計され、少なくとも2つの油圧チャンバに流体的に接続されている。
【0051】
溜は、回転軸に対して対称である内部容量を画成するハウジングと、回転軸にもっとも遠い円形内側区域を備え、少なくとも2つの油圧チャンバは、溜のこの円形区域に流体連通する。
【0052】
装置は、
少なくとも2つの分離セルに含まれた少なくとも2つの分離バッグにそれぞれ接続された少なくとも2つのサテライトバッグを保管するためにロータに含まれた保管手段と、
少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すための成分移送手段と、
をさらに備える。
【0053】
成分移送手段は、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの分離バッグを圧搾し、中に分離された成分を各分離バッグに接続されたサテライトバッグ内に流れさせるように、油圧液体を油圧液体の源から少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ内にポンプ注入するためのポンプ手段を備える。
【0054】
油圧液体の源は、少なくとも2つの分離セルより下で、ロータに対して固定され、ロータリーシールを通して少なくとも2つの油圧チャンバに流体的に接続され、成分移送手段は、
ロータを駆動して回転させるモータと、
分離バッグとサテライトバッグとの間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材と、
を備え、
これによって、ロータの回転が油圧液体を油圧液体源から少なくとも2つの油圧チャンバ内に移させ、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの分離バッグを圧搾させ、これが、分離バッグとサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための弁部材が開いているときに、分離バッグに分離された成分をこれに接続されたサテライトバッグ内に流れさせる。
【0055】
油圧液体の源は、ロータに装着され少なくとも2つの油圧チャンバに流体的に接続されている油圧液体用の溜を備え、成分移送手段は、
ロータを駆動して回転させるモータと、
分離バッグとサテライトバッグとの間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材と、
を備え、
これによって、ロータの回転が油圧液体を溜から少なくとも2つの油圧チャンバ内に移させ、少なくとも2つの分離セル内の少なくとも2つの分離バッグを圧搾させ、これが、分離バッグとサテライトバッグとの間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための弁部材が開いているときに、分離バッグに分離された成分をこれに接続されたサテライトバッグ内に流れさせる。
【0056】
装置は、保管手段に保管された少なくとも2つのサテライトバッグがロータのアンバランスを生じさせるときに、ロータのバランスを取るための第2のバランス手段をさらに備える。
【0057】
保管手段は、中心容器を備え、これのまわりに少なくとも2つの分離セルが、回転軸に対して対称的に配列されている。
【0058】
第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチを備え、パウチは、中心容器の壁に対して配列され、このため、各分離バッグに接続された少なくとも1つのサテライトバッグが遠心分離中にパウチを押圧する。
【0059】
保管手段は、中心容器を備え、これのまわりに少なくとも2つの分離セルが、回転軸に対して対称的に配列されている。
【0060】
第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた円筒形の可撓性のあるパウチを備え、中心容器の壁をライニングし、このため、各分離バッグに接続された少なくとも1つのサテライトバッグが遠心分離中にパウチを押圧する。
【0061】
保管手段は、各分離セルに連結された1つの容器を備え、容器は、分離セルと回転軸との間に位置する。
【0062】
第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた1つの可撓性のあるパウチを備え、各容器の壁に対して配列され、このため、容器に保管されたサテライトバッグが遠心分離中にパウチを押圧し、1つの容器の可撓性のあるパウチが、別の容器のパウチに流体的に相互接続されている。
【0063】
装置は、
少なくとも2つの分離セルに含まれた少なくとも2つの分離バッグにそれぞれ接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグを保管するためにロータに含まれた保管手段と、
分離バッグと第1のサテライトバッグとの間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材であって、連結された分離セルと保管手段との間にあるように、回転軸に対して、ロータに装着されている少なくとも1つの弁部材と、
をさらに備える。
【0064】
装置は、
少なくとも2つの分離セルに含まれた少なくとも2つの分離バッグにそれぞれ接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグを保管するためにロータに含まれた保管手段と、
分離バッグと第1のサテライトバッグとの間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セルに連結された少なくとも1つの弁部材であって、保管手段が少なくとも1つの弁部材と連結された分離セルとの間にあるように、回転軸に対して、ロータに装着されている少なくとも1つの弁部材と、
をさらに備える。
【0065】
少なくとも1つのセンサは、連結された分離セルに含まれた分離バッグ内の成分の特性を検出するようにロータに装着されている。
【0066】
少なくとも1つのセンサは、連結された分離セルに含まれた分離バッグに接続されたチューブ内の成分の特性を検出するようにロータに装着されている。
【0067】
各分離セルは、ロータの回転軸に交差する長手方向軸を有する実質的に閉鎖したキャビティを備え、キャビティの長手方向軸へ向けて収束する4つの壁によって画成されるロータの回転軸により近い部分を備える。
【0068】
各分離セルのキャビティの長手方向軸は、鋭角でロータの回転軸に交差する。
【0069】
各分離セルは、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティを備え、油圧チャンバは、キャビティの上部壁または下部壁のいずれかの少なくとも一部をライニングする膜の下にある。
【0070】
各分離セルは、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティを備え、油圧チャンバは、少なくとも一部が下部壁に載置する可撓性のあるパウチを備える。
【0071】
油圧液体の密度は、もっとも高い密度を有する成分の密度よりも高くなるように、選択される。
【0072】
各分離セルは、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティを備え、油圧チャンバは、上部壁と下部壁との間に延出するように分離セルに固定される弾性ソケットによって画成される。
【0073】
油圧液体の密度は、第1の成分の密度と第2の成分の密度との間になるように、選択される。
【0074】
各分離セルは、分離バッグの上部縁を固定するための固定手段を備え、上部縁が回転軸にもっとも近い分離バッグの部分であるようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0075】
本発明の他の特徴および利点は、下記の説明および添付の図面から明らかであり、これらは、例としてのみみなされるものである。
【0076】
明瞭化のために、本発明は、特定の使用に関して説明する。すなわち、全血を少なくとも2つの成分に、特に、血漿成分と赤血球成分とに、または、血漿成分と血小板成分と赤血球成分とに、分離することに関して説明する。下記に述べられる個別容量は、典型的に、献血の容量である。献血の容量は、献血者によって変動することがある(450mlプラスマイナス10%)。血液の成分の割合は、通常、献血者によって変動し、特に、赤血球成分の容量の、考慮される試料の容量に対する割合であるヘマトクリット値がそうであることもまた想定される。言い換えると、血液の密度は、献血者によってわずかに変動することがある。しかし、この特定の使用は、例示的なものにすぎないことを理解すべきである。
【0077】
図1は、複合液体(たとえば、全血)を、第1の成分(たとえば、相当量の浮遊血小板を含むかまたは含まない血漿成分)と、第2の成分(たとえば、赤血球成分)と、に分離するように適合されたバッグのセットの例である。このバッグセットは、可撓性のある分離バッグ1と、これに接続された2つの可撓性のあるサテライトバッグ2、3と、を備える。
【0078】
複合液体が全血であるときには、分離バッグ1は、2つの目的を有し、収集バッグとして且つ分離バッグとして連続して使用される。これは、当初、献血者から個別容量の全血(通常、約450ml)を受け取り、後に、分離装置の分離チャンバとして使用されることを意図するものである。分離バッグ1は、平らで略矩形である。これは、溶接された2枚のプラスチック材料の矩形シートから作られ、それらの間に、三角形頂部下流部分に接続された主要矩形部分を有する内部空間を画成するようにする。第1のチューブ4は、三角形部分の先端に接続され、第2および第3のチューブ5、6は、それぞれ、三角形部分のいずれかの側方向縁に接続されている。3本のチューブ4、5、6の近位端は、平行になるように、2枚のプラスチック材料のシートの間に包埋されている。分離バッグ1は、3本のチューブ4、5、6に隣接するこれの隅の各々に、穴8をさらに備える。穴8は、後述されるように、分離バッグを分離セルに固定するのに使用される。
【0079】
分離バッグは、当初、抗凝固溶液(典型的に、約450mlの献血用には、クエン酸リン酸デキストロースの約63mlの溶液)を含み、第1および第3のチューブ4、6は、これらの近位端で、それぞれ、壊すことのできるストッパー9、10に嵌められ、これを通る液体の流れを阻止する。
【0080】
第2のチューブ5は、遠位端に接続された針12を有する収集チューブである。献血の開始時に、針12は、献血者の血管内に挿入され、血液は、収集(分離)バッグ1内に流れる。所望の容量の血液が収集(分離)バッグ1に収集された後に、収集チューブ5は封止され切断される。
【0081】
第1のサテライトバッグ2は、血漿成分を受け取るように意図されている。これは平らであり、実質的に矩形である。これは、第1のチューブ4の遠位端に接続されている。
【0082】
第2のサテライトバッグ3は、赤血球成分を受け取るように意図されている。これは平らであり、実質的に矩形である。これは、第3のチューブ6の遠位端に接続されている。第3のチューブ6は、白血球除去フィルタ13の入口および出口にそれぞれ接続された2つのセグメントを備える。第2のサテライトバッグ3は、赤血球用に一定容量の保存溶液を含み、第3のチューブ6は、これの遠位端で、壊すことのできるストッパー14に嵌められ、これを通る液体の流れを阻止する。
【0083】
図2は、複合液体(たとえば、全血)を、第1の成分(たとえば、血漿成分)と、中間成分(たとえば、血小板成分)と、第2の成分(たとえば、赤血球成分)と、に分離するように適合されたバッグのセットの例を示す。このバッグセットは、可撓性のある分離バッグ1と、これに接続された3つの可撓性のあるサテライトバッグ2、3、15と、を備える。
【0084】
この第2のバッグのセットは、血小板成分を受け取るように意図されている第3のサテライトバッグ15と、第1のチューブ4によって分離バッグ1に接続されたレッグ、第4のチューブ17によって第1のサテライトバッグ2(血漿成分バッグ)に接続された第1のアーム、および、第5のチューブ18によって第3のサテライトバッグ15(血小板成分バッグ)に接続された第2のアームを有するT字形3方向コネクタ16と、を備えることが、図1のバッグのセットとは異なる。第1および第2のサテライトバッグ2、3と同様に、第3のサテライトバッグ15は、平らであり、実質的に矩形である。
【0085】
図3a、3bは、図2のバッグセットのT字形3方向コネクタ16の2つの変形例を示す。
【0086】
図3aに示された3方向コネクタ16aは、規則的な3点星の形状を有し、約120度の角度で入口チャネル20に接続されている第1の出口チャネル21と第2の出口チャネル22とを有する。
【0087】
図3bに示された3方向コネクタ16bは、入口チャネル20に垂直に接続され入口チャネル20に沿ってずれている第1の出口チャネル21と第2の出口チャネル22とを画成し、このため、第1の出口チャネル21は、第2の出口チャネル22よりも、第1のチューブ4に接続されている入口チャネル20の端から離れている。
【0088】
図2の分離バッグ(または、図3a、3bに表されている変形例のいずれかのもの)が分離装置(下記に詳細に説明する)に装着されるときに、分離バッグ1用の分離セル、サテライトバッグ2、3、15用の保管容器、および、第4および第5のチューブ17、18に液体が流れるのを可能にするか停止するための第1および第2のピンチ弁部材が、分離装置の回転軸から半径方向に沿ってこの順序で配列され、ピンチ弁部材は回転軸にもっとも近いように、3方向コネクタ16、16a、16bは配列される。この特定の構成において、第4および第5のチューブ16、17は、図2、3a、3bに示されるように、第1および第2のピンチ弁部材に係合すると、次いで、3方向コネクタ16、16bが、または、図3aのコネクタの場合には第4および第5のチューブ17、18のカーブが、全バッグセットの回転軸にもっとも近い部分となる。この配置の結果、分離装置が回転するときには、バッグセット内の空気が、回転軸にもっとも近い区域のコネクタ(図2、3bに示されたコネクタの3つのチャネル20、21、22の接合点)に集まるか、または、使用されるコネクタが図3aのコネクタであるときには、コネクタとピンチ弁部材17、18との間の第4および第5のチューブ17、18のカーブに集まるということになる。分離バッグとサテライトバッグとの間のこの空気バッファは、遠心力下でサテライトバッグの内容物が分離バッグ内に望ましくなく吸い上げられるのを防止する。
【0089】
3方向コネクタ16bは、図2のバッグセットを使用して血漿成分と血小板成分とを分離するときに、特定の利点を呈する。血漿成分が第1のサテライトバッグ2内に移され、血小板成分が第3のサテライトバッグ15内に移されたときには、図3bに示されたコネクタ16bは、第2のチャネル22を洗い流すのを可能にし、それは残っている血小板を含むこともあり、少量の血漿が、コネクタ16bと第1のピンチ弁部材との間の第4のチューブ17に、捉えられている。
【0090】
図4、5、6、8は、遠心分離によって、4つの個別容量の複合液体を同時に分離するための装置の第1の実施形態を示す。装置は、
図1および2に示されたいずれかのバッグのセットの4つを受け取るように適合された遠心分離機であって、複合液体の4つの個別容量が4つの分離バッグに含まれた遠心分離機と、
少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すための成分移送手段と、
4つの分離バッグの重量が異なるときに、最初にロータのバランスを取るための第1のバランス手段と、
サテライトバッグ内に移された分離された成分の重量がロータのアンバランスを生じさせるときに、ロータのバランスを取るための第2のバランス手段と、
を備える。
【0091】
遠心分離機は、軸受アセンブリ30によって支持されるロータを備え、ロータが回転軸31を中心にして回転するのを可能にする。ロータは、
プーリー33が接続されている円筒形ロータシャフト32と、
サテライトバッグを含むために中心円筒形容器34を備える保管手段であって、それは、ロータシャフト32に上部端で接続されており、このため、ロータシャフト32の長手方向軸および容器34の長手方向軸は、回転軸31に一致する保管手段と、
中心軸が回転軸31に一致するように中心容器34の上部部分に接続された円錐台ターンテーブル35と、
を備える。円錐台ターンテーブル35は、容器34の開口の下でフレア状になる。4つの同一分離セル40がターンテーブル35に装着され、回転軸31に対して対称配列を形成するようにする。
【0092】
遠心分離機は、プーリー33の溝に係合したベルト37によってロータに連結されたモータ36をさらに備え、回転軸31を中心にしてロータを回転するようにする。
【0093】
各分離セル40は、略直方体の形状を有する容器41を備える。分離セル40は、それぞれの中央長手方向軸42が回転軸31に交差するように、ターンテーブル35に装着され、このため、回転軸31から実質的に同一の距離に位置し、このため、中央長手方向軸42の間の角度が実質的に同一(すなわち、90度)である。ターンテーブル35上の分離セル40の正確な位置は、分離セル40が空のときにはターンテーブル上の重量が等しく分布されるように、すなわち、ロータのバランスを取るように、調整される。これは、分離セル40が回転軸31に対して、ターンテーブル35を幾何学的に画成する円錐の錐台の角度に等しい鋭角で傾斜するというターンテーブル35上の分離セル40の配列から生じる。
【0094】
各容器41は、図1および2に示されたタイプの、液体でいっぱいの分離バッグ1をゆるく収容するように形状づけられ寸法づけられているキャビティ43を備える。キャビティ43(後に「分離コンパートメント」と称されることもある)は、回転軸31からもっとも遠い底壁と、ターンテーブル35にもっとも近い下部壁と、下部壁に対向する上部壁と、2枚の側方向壁と、によって画成される。キャビティ43は、実質的に、丸みを帯びた角度で直方体の形状を有する底壁から延出する主要部分と、実質的に、収束三角形基部を有する円柱の形状を有する上部部分と、を備える。言い換えると、キャビティ43の上部部分は、キャビティ43の中心中央軸42へ向けて収束する2組の対向する壁によって画成されている。この設計の1つの利点は、遠心分離による分離後に複合流体の軽微な成分(たとえば、全血の血小板)の薄い層の半径方向拡張を生じさせ、分離バッグの上部部分をより容易に検出可能にすることである。分離セル40の上部部分の2組の対向する壁は、容器41の頂部で開口した3つの円筒形平行チャネル44、45、46へ向けて収束し、この中で、分離バッグ1が容器41に設定されるときに、3本のチューブ4、5、6は延出する。
【0095】
容器41はまた、蝶番側方向蓋47も備え、これは、容器41の外壁の上部部分から構成され、すなわち、ターンテーブル35に対向する壁である。蓋47は、開いたときには、液体でいっぱいの分離バッグ1を分離セル40内に容易に搭載するのを可能にするように寸法づけられている。容器41は、高速係止手段(図示せず)を備え、これによって、蓋47を、容器41の残りの部分に係止することができる。
【0096】
容器41はまた、分離バッグ1を分離セル40内に固定するための固定手段も備える。バッグ固定手段は、分離セル40の頂部近くに、蓋47の内側表面に突出する2本のピン48と、容器41の上部部分に2つの対応する窪み49と、を備える。2本のピン48は、分離バッグ1の上部隅の2つの穴8内に嵌るように離間され寸法づけられている。
【0097】
分離装置は、少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグからこれに接続されたサテライトバッグ内に移すための成分移送手段をさらに備える。成分移送手段は、分離コンパートメント43内の分離バッグ1を圧搾し分離された成分をサテライトバッグ2、3、15内に移させるための圧搾システムを備える。
【0098】
圧搾システムは、各容器41に固定されている可撓性のあるダイヤフラム50を備え、キャビティ内に膨張可能なチャンバ51を画成するようにする。より具体的には、ダイヤフラム50は、キャビティ43の底壁およびターンテーブル35にもっとも近いキャビティ43の下部壁の大部分をライニングするように寸法づけられている。
【0099】
圧搾システムは、ターンテーブル35内に、ターンテーブル35の周囲近くへ延出するリングを形成する周囲円形マニホールド52をさらに備える。各膨張チャンバ51は、それぞれの容器41の壁を通って底近くへ延出する供給チャネル53によってマニホールド52に接続されている。
【0100】
圧搾システムは、分離セル40内の膨張可能チャンバ51に油圧液体をポンプ注入出するための油圧ポンプステーション60をさらに備える。油圧液体は、分離すべき複合液体の成分のより密度が高いもの(たとえば、複合液体が血液であるときには、赤血球)の密度よりもわずかに高い密度を有するように選択される。結果として、遠心分離中に、膨張可能チャンバ51内の油圧液体は、容量に関わらず、一般に、分離セル40のもっとも外側の部分にとどまる。ポンプステーション60は、ダクト56によって、ロータリーシール69を通して膨張可能チャンバ51に接続され、ダクト56は、ロータシャフト32、中心容器34の底および側壁を通り、中心容器34のへりから半径方向に、マニホールド52に接続するターンテーブル35を通って延出する。
【0101】
ポンプステーション60は、回転式流体カップリング63を経由してロータダクト54に流体的に接続された油圧シリンダ62内を動くことができるピストン61を有するピストンポンプを備える。ピストン61は、ピストンロッドに連結された親ねじ15を動かすステッピングモータ64によって作動される。油圧シリンダ62は、油圧液体溜66にも接続され、油圧シリンダ62、ロータダクト56および膨張可能油圧チャンバ51を含む油圧回路内に且つこれから、油圧液体を導入するか回収するのを選択的に可能にするための、弁67によって制御されるアクセスを有する。圧力ゲージ68は、中の油圧を測定するために油圧回路に接続されている。
【0102】
分離装置は、中心容器34の開口のまわりでロータに装着されている4対の第1および第2のピンチ弁部材70、71をさらに備える。ピンチ弁部材70、71の各対は、1つの分離セル40に面し、これに連結されている。ピンチ弁部材70、71は、可撓性のあるプラスチックチューブを通る液体の流れを選択的に阻止するかまたは可能にし、且つ、プラスチックチューブを選択的に封止し切断するように設計されている。各ピンチ弁部材70、71は、細長い円筒形本体と、静止上部ジョーおよび開位置と閉位置との間を動くことができる下部ジョーによって画成される溝72を有する頭部と、を備える。溝72は、下部ジョーが開位置にあるときに、図1および2に示されたバッグセットのチューブ4、17、18の1本が中に滑り係合することができるように、寸法づけられている。細長い本体は、下部ジョーを動かすための機構を含み、プラスチックチューブを封止し切断するのに必要なエネルギを供給する高周波ジェネレータに接続されている。ピンチ弁部材70、71は、中心容器34の内部に、内部表面に隣接して装着されており、このため、長手方向軸は回転軸31に平行であり、頭部は、容器34のへりより上に突出する。分離バッグ1がこの対のピンチ弁部材70、71を連結した分離セル40に載置するときに、分離バッグ1およびこれに接続されたチューブ4、17、18に対する1対のピンチ弁部材70、71の位置が、図1および2に点線で示されている。ロータシャフト32の下部部分のまわりに装着されているスリップリングアレイ38を通って電力がピンチ弁部材70、71に供給される。
【0103】
分離装置は、分離装置が作動しているときに各分離バッグ内で発生する様々な成分の分離をモニタするために、4対のセンサ73、74をさらに備える。センサ73、74の各対は、容器41の中央長手方向軸42に沿って各分離セル40の容器41の蓋47に包埋されており、第1のセンサ73は回転軸31にもっとも遠く位置し、第2のセンサ74は回転軸31にもっとも近くに位置する。分離バッグ1が容器41に載置し蓋47が閉じているときには、第1のセンサ73(後にバッグセンサ)は分離バッグ1の上部三角形部分に面し、第2のセンサ74(後にチューブセンサ)は第1のチューブ4の近位端に面する。バッグセンサ73は、液体の血球を検出することができる。チューブセンサ74は、チューブ4に液体の有無を検出することができ且つ液体中の血球を検出することができる。各センサ73、74は、赤外線LEDおよびフォトディテクタを含むフォトセルを備えてもよい。ロータシャフト32の下部部分のまわりに装着されているスリップリングアレイ38を通って電力がセンサ73、74に供給される。
【0104】
分離装置は、分離セル40に含まれた4つの分離バッグ1の重量が異なるときに、最初にロータのバランスを取るための第1のバランス手段をさらに備える。第1のバランス手段は、実質的に、上述の成分移送手段の要素と同一の構造要素を備え、すなわち、周囲円形マニホールド52によって相互接続された4つの膨張可能な油圧チャンバ51と、ロータダクト56を通って油圧チャンバ51内に油圧液体をポンプ注入するための油圧液体ポンプステーション60と、であり、これは、円形マニホールド52に接続されている。4つの分離セル40が同一の重量を有しないことがある4つの個別容量の複合液体を含む(4つの容量は等しくないことがあり、且つ/または、液体の密度が容量によってわずかに異なることがあるため)ロータのバランスを最初に取るために、ポンプステーション60は、分離プロセスの開始時に、もっともバランスの取れていない状況でロータのバランスを取るように選択される所定容量の油圧液体を、相互接続された油圧チャンバ51内にポンプ注入するように制御される。全血では、このバランスを取る容量の決定は、2つの献血の間の容量の最大差、および、2つの献血の間のヘマトクリット(すなわち、密度)の最大差を考慮に入れる。遠心力下で、油圧液体は、分離バッグ1の重量の差に依存して4つの分離セル40に不均一に分布し、ロータのバランスを取る。最初に最適にバランスを取るために、分離セル40のキャビティ43の容量は、中に含まれた分離バッグ1の容量に関わらず、相互接続された膨張チャンバ51内に決定された量の油圧液体がポンプ注入された後に、キャビティ43がいっぱいではないように、選択されなければならない。
【0105】
分離装置は、中心容器34のサテライトバッグ2、3、15内に移された成分の重量が異なるときに、ロータのバランスを取るための第2のバランス手段をさらに備える。たとえば、2つの献血が同一のヘマトクリットを有し異なる容量を有するときには、各献血から抽出された血漿の容量は異なり、2つの献血が同一の容量を有し異なるヘマトクリットを有するときも同様である。図4、5、6に示されるように、第2のバランス手段は、4つの可撓性のある矩形パウチ81、82、83、84を備え、これらは、4つのチューブセクション85、86、87、88によって相互接続されており、各チューブセクションは、2つの隣接するパウチをこれの底部によって接続する。パウチ81、82、83、84は、複合液体の密度に近い密度を有する一定容量のバランス液体を含む。バランス液体の容量は、もっともバランスの取れていない状況でロータのバランスを取るように選択される。4つのパウチ81、82、83、84は、中心容器34の内側表面をライニングするように且つバランス液体の容量よりも大きい内部体積を有するように寸法づけられ、このため、バランス液体は、パウチ81、82、83、84のいずれでも自由に膨張することができる。操作において、たとえば、4つのパウチ81、82、83、84にそれぞれ隣接する4つのサテライトバッグ2が異なる容量の血漿成分を受け取る場合には、4つのサテライトバッグ2は、遠心力下で、4つのパウチ81、82、83、84を不均一に押圧し、これは、結果として、バランス液体が4つのパウチ81、82、83、84に不均一に分布され、サテライトバッグ2の重量の差を補正することになる。
【0106】
分離装置は、様々な分離プロトコル(たとえば、血漿成分および赤血球成分を分離するためのプロトコル、または、血漿成分、血小板成分および赤血球成分を分離するためのプロトコル)に対して、および、そのような分離プロトコルにしたがった装置の操作に対して、情報およびプログラムされた指令を提供するために、制御ユニット(たとえば、マイクロプロセッサ)およびメモリユニットを含むコントローラ90をさらに備える。特に、マイクロプロセッサは、分離プロセスの様々な段階(たとえば、成分分離の段階、血漿成分発現の段階、血漿画分に血小板が浮遊する段階、血小板成分発現の段階、等)中にロータが回転すべき遠心分離スピードに関連する情報、および、分離された成分が分離バッグ1からサテライトバッグ2、3、15内に移されるべき様々な移送流量に関連する情報を受け取るようにプログラムされている。様々な移送流量に関連する情報は、たとえば、油圧回路の油圧液体流量として、または、油圧ポンプステーション60のステッピングモータ64の回転スピードとして、表すことができる。マイクロプロセッサは、圧力ゲージ68からおよび4対のフォトセル73、74から、直接にまたはメモリを通して、情報を受け取るように、且つ、選択された分離プロトコルに沿って分離装置を操作させるために、遠心分離機モータ36、ポンプステーション60のステッピングモータ64、および4対のピンチ弁部材70、71を制御するように、さらにプログラムされている。
【0107】
上述の分離装置の第1の実施形態の変形例は、下記の通りである。
【0108】
上述の中央の油圧圧搾システムの代わりに、分離装置は、分離セル40と同数の独立した圧搾手段を嵌め込むことができる。独立した圧搾手段は、たとえば、分離バッグを分離セル40の容器41のキャビティ43の壁に対して圧搾するように、任意の電磁気機構、電気機械機構または油圧機構によって動くことができるプレートから構成されてもよい。
【0109】
相互接続された油圧チャンバまたはパウチのシステムの代わりに第1および/または第2のバランス手段は、重いボールが自由に動くことができる円形ケージを含むボールバランサーを備えることができる。円形ケージは、回転軸31上に中心が来るようにロータに装着されている。
【0110】
分離バッグ1に接続された全サテライトバッグ2、3、15を含むための中心容器34の代わりに、分離装置は、分離セルと同数のサテライトバッグ容器を備えることができる。図9は、そのような分離装置に使用することができる容器配列を示す。図9の容器配列は、サテライトバッグ容器54に接続されているかまたはこれと一体的に作られている分離バッグ容器41を備える。サテライトバッグ容器54は、直方体の形状を有するキャビティ55を備え、これは、図6に示されたようなバランスアセンブリのパウチ81を含む。分離バッグ容器41は、サテライトバッグ容器54の上に置かれ、このため、両方の容器の開口は同一平面にあり、容器配列がロータターンテーブル35に装着されるときには、回転軸31に面する。
【0111】
第2のセンサ74は、第1のチューブ4への接続に近い分離バッグ1の上部部分に面するように、容器41の蓋47に包埋されることができる。
【0112】
ダイヤフラム50は、キャビティ43の下部壁の一部をライニングするように容器41に固定される代わりに、キャビティ43の上部壁の一部をライニングするように容器41に固定されることができる。
【0113】
各分離セル40において、油圧チャンバ51は、キャビティ43の底壁およびキャビティ43の下部壁の大部分をライニングする可撓性のあるダイヤフラム50によって画成される代わりに、第2のバランス手段のパウチに類似した可撓性のあるパウチを備えることができる。
【0114】
第2のバランス手段は、図6に示されたような4つの相互接続されたパウチ81、82、83、84を備える代わりに、図7に示されたような2つの同心の壁を有する可撓性のある管状パウチ80を備えることができる。パウチ80は、中心容器34の内側表面をライニングするように且つバランス液体の容量よりも大きい内部体積を有するように寸法づけられ、このため、バランス液体は、パウチの1つの区域または別の区域に自由に膨張することができる。
【0115】
ポンプステーション60は、ピストンポンプ61、62の代わりに、十分な正確さで出力を制御することができる任意のポンプ(たとえば、容積移送式ポンプ)を備えることができる。
【0116】
図10、11、12は、4つの個別容量の複合液体用の分離装置の第2の実施形態のロータを示す。
【0117】
この第2の実施形態のロータは、ピンチ弁部材70、71の空間配列において、且つ、分離セル40に対するサテライトバッグ用の保管手段の空間配列において、図4および5の実施形態のロータとは、本質的に異なる。この実施形態では、保管手段は、中心容器を備える代わりに、中心円筒形キャビティ340のまわりに配列されている4つのサテライト容器341、342、343、344を備え、これの中に4対のピンチ弁部材70、71が、回転軸31に平行な長手方向軸に装着されている。サテライト容器341、342、343、344のキャビティ43は、規則的な豆状の断面を有し、中心長手方向軸は、回転軸31に平行であり、連結された分離セル40の長手方向軸42と交差する。
【0118】
図2、3a、3bに示されたバッグのセットが図11〜12のロータに装着されるときには、分離バッグ1およびサテライトバッグ2、3、15は、回転軸31に対して連結されたピンチ弁部材70、71を越えて位置する。チューブ4、17、18およびバッグを接続する3方向コネクタ16、16a、16bは、図2、3a、3bに示された位置にある。
【0119】
図3および4の分離装置の操作を、第1および第2の例示的な分離プロトコルにしたがって、次に説明する。
【0120】
第1の分離プロトコルにしたがって、4つの個別容量の血液が、血漿成分、血小板、白血球、いくらかの赤血球、および、少量の血漿(後に「軟膜」成分)を含む第1の細胞成分、および、主に赤血球を含む第2の細胞成分に分離される。各容量の血液は、図2に表されたバッグセットの分離バッグ1に含まれ、これは、予め、収集チューブ5を使用して献血者から収集された。血液収集後に、収集チューブ5は、分離バッグ近くで封止され、切断された。典型的に、血液の容量は、4つの分離バッグ1で同一ではなく、ヘマトクリットは、分離バッグ1によって変動する。結果として、分離バッグ1は、わずかに異なる重量を有する。
【0121】
第1段階(第1のプロトコル):4つのバッグセットを分離装置に設定する
4つの分離バッグ1が、4つの分離セル40に装填される。蓋47は、閉じられ係止され、これによって、分離バッグ1は、上部縁によって容器41に固定される(固定手段のピン48が、次いで、分離バッグ1の上部隅の穴8を通って進み、窪み49または固定手段に係合する)。
【0122】
Tコネクタ16を通って、分離バッグ1を血漿成分バッグ2に接続するチューブ17は、第1のピンチ弁部材70の溝72に挿入される。Tコネクタ16を通って、分離バッグ1を軟膜成分バッグ15に接続するチューブ18は、第2のピンチ弁部材71の溝72に挿入される。4つの血漿成分バッグ2、4つの軟膜成分バッグ15、4つの赤血球成分バッグ3、および、4つの白血球除去フィルタ13が、ロータの中心コンパートメント34に挿入される。4つの血漿成分バッグ2は、それぞれ、第2のバランス手段のパウチ81〜84に直接接触して置かれる。ピンチ弁部材70、71は閉じられ、分離バッグ1をTコネクタ16に接続するチューブ4の壊すことのできるストッパー9は、手で壊される。
【0123】
第2段階(第1のプロトコル):分離バッグの重量の差を補正するために、ロータのバランスを取る
第2段階の開始時に、すべてのピンチ弁部材70、71は、閉じられる。ロータは、遠心分離機モータ36によって発動され、回転スピードは、第1の遠心分離スピードで回転するまで次第に増加する。ポンプステーション60は、一定の流量で、所定の全容量の油圧液体を4つの油圧チャンバ51内にポンプ注入するように作動される。この全容量の液体は、献血の間の重量の最大変化を考慮に入れて予め決定され、このため、第2段階の最後で、様々な分離セル40の重量は実質的に等しく、分離セル40に搭載される分離バッグ1の具体的な重量に関わらず、ロータは実質的にバランスを取られる。これは、分離セル40の内部キャビティ43がバランスを取る段階の最後で満たされなければならないことを意味しないことに注意されたい。ロータのバランスを取る目的のために、中の重量を均等化するために分離セル40に十分な油圧液体があることで十分であり、空の空間が各分離セル40に残っていても構わない(この空の空間のサイズは本質的に、分離セル40の内部キャビティ43の容量および献血の平均容量に依存する)。油圧チャンバ51が相互接続されているため、分離チャンバ40の間に油圧液体の容量全体を分布することは、単に、ロータの回転から生じる。分離バッグ1の重量が同一であるときには、油圧液体の分布は均一である。同一ではないときには、油圧液体の分布は不均一であり、特定の分離バッグ1の重量が小さければ小さいほど、連結された油圧チャンバ51の油圧液体の容量は大きくなる。
【0124】
第3段階(第1のプロトコル):分離バッグ1内の血液が、所望のレベルまで沈殿される
この段階の開始時に、すべてのピンチ弁部材70、71は、閉じられる。ロータは、そのように選択された所定の期間の間、第2の遠心分離スピード(高沈殿スピードまたは「ハードスピン」)で回転され、分離バッグ1の血液のヘマトクリットに関わらず、血液は、選択された期間の最後に、分離バッグ1の各々で、外側赤血球層のヘマトクリットが約90であり内側血漿層が実質的にもはや細胞を含まない点まで沈殿し、次いで血小板および白血球は赤血球層と血漿層との間で中間層を形成する。
【0125】
第4段階(第1のプロトコル):血漿成分は血漿成分バッグ2内に移される
この段階の開始時に、回転スピードは、第3の遠心分離スピードまで減少され、血漿成分バッグ2へのアクセスを制御する4つの第1のピンチ弁部材70が開けられ、次いで、ポンプステーション60が、油圧液体を第1の一定の流量で油圧チャンバ51内にポンプ注入し、その結果として、分離バッグ1を圧搾して、血漿を血漿成分バッグ2内に移させるように、作動される。
【0126】
血球が分離セル40のバッグセンサ73によって検出されこの検出が最初に発生するときには、即座に、または、次の段階で表されるべき軟膜成分に望ましい血漿の量を考慮して選択された所定の量の時間後のいずれかで、ポンプステーション60は停止され、対応する第1のピンチ弁部材70が閉じられる。
【0127】
第1の(第1の)ピンチ弁部材70(すなわち、第1のピンチ弁部材70のグループの第1のピンチ弁)の閉鎖に続いて、ポンプステーション60は、油圧液体を、第2のより低い流量で油圧チャンバ51内にポンプ注入し、その結果として、対応する第1のピンチ弁部材70によって出口が閉じられていない3つの分離バッグ1を圧搾するように、新たに作動される。
【0128】
血球が分離セル40のバッグセンサ73によって検出されこの検出が2番目に発生するときには、ポンプステーション60は停止され、対応する第1のピンチ弁部材70は閉じられる(閉じるべき第1の(第1の)ピンチ弁部材の閉鎖と同一のタイミング)。
【0129】
閉じるべき第2の(第1の)ピンチ弁部材70の閉鎖に続いて、ポンプステーション60は、油圧液体を、第2の流量で油圧チャンバ51内にポンプ注入し、その結果として、対応する第1のピンチ弁部材70によって出口が閉じられていない2つの分離バッグ1を圧搾するように、新たに作動される。
【0130】
血球が分離セル40のバッグセンサ73によって検出されこの検出が3番目に発生するときには、ポンプステーション60は停止され、対応する第1のピンチ弁部材70は閉じられる(閉じるべき第1の(第1の)ピンチ弁部材の閉鎖と同一のタイミング)。
【0131】
閉じるべき第3の(第1の)ピンチ弁部材70の閉鎖に続いて、ポンプステーション60は、油圧液体を、第2の流量で油圧チャンバ51内にポンプ注入し、その結果として、対応する第1のピンチ弁部材70によって出口がまだ閉じられていない分離バッグ1を圧搾するように、新たに作動される。
【0132】
血球が分離セル40のバッグセンサ73によって検出されこの検出が最後に発生するときには、ポンプステーション60は停止され、対応する第1のピンチ弁部材70は閉じられる(閉じるべき第1のピンチ弁部材の閉鎖と同一のタイミング)。
【0133】
上述の血漿成分移送プロセスにおいて、4つの血漿成分の移送は同一時に開始し、ある程度同時に行われ、各分離バッグにおける特定の事象の発生(バッグセンサによる血球の検出)時に、互いとは無関係に、停止する。
【0134】
変形例として、第2の流量が十分に低く、第1のピンチ弁部材の閉鎖が分離バッグにおける血球の検出とほぼ同時に発生するときには、ポンプステーションは、第4段階中、継続して作動されることができる。
【0135】
第4段階は、4つの第1のピンチ弁部材70が閉じたときに、終了する。
【0136】
第5段階(第1のプロトコル):軟膜成分が軟膜成分バッグ15内に移される
制御ユニット90は、4つの第1のピンチ弁部材70が閉じた後に、血球を検出すべき最後のバッグセンサ73から情報を受け取ったときに、第5段階を開始するようにプログラムされている。
【0137】
この段階の開始時に、回転スピードは、同一(第3の遠心分離スピード)のままであり、軟膜成分バッグ15へのアクセスを制御する4つの第2のピンチ弁部材71の第1のものが開けられ、ポンプステーション60は、油圧液体を第3の一定の流量で油圧チャンバ51内にポンプ注入し、その結果として、開いた第2のピンチ弁部材71に連結された分離セル40の分離バッグ1を圧搾して、この分離バッグ1に接続された軟膜成分バッグ2内に軟膜成分を移させるように、作動される。
【0138】
開いた第2のピンチ弁部材71に連結された分離セル40のチューブセンサ74によって血球が検出された後所定の時間期間後に、ポンプステーション60は停止され、第2のピンチ弁部材71は閉じられる。
【0139】
第1の(第2の)ピンチ弁部材71(すなわち、第2のピンチ弁部材71のグループの第1のピンチ弁)が閉じた後に、第2の(第2の)ピンチ弁部材71が開き、上述のようなやり方で、第2の軟膜成分が軟膜成分バッグ2内に移される。
【0140】
同一のプロセスが連続して行われて、軟膜成分を2つの残っている分離バッグ1からこれに接続された軟膜成分バッグ2内に移す。
【0141】
上述の軟膜成分移送プロセスにおいて、4つの軟膜成分の移送は連続しており、連続の順序は予め決定されている。しかし、第2、第3および第4の移送の各々は、先の移送の最後で特定の事象の発生に続いて開始する(チューブセンサ74による血球の検出または第2のピンチ弁部材71の閉鎖)。
【0142】
変形例として、第3の流量が十分に低く、第2のピンチ弁部材71の閉鎖がチューブ4の血球の検出とほぼ同時に発生するときには、ポンプステーションは、第4段階中、継続して作動されることができる。
【0143】
変形例として、制御ユニット90は、所定の時間期間後に、血球を検出すべき第1の(または第2のまたは第3の)バッグセンサ73から情報を受け取った後に、第5段階を開始するようにプログラムされる。時間期間は、統計的にまたは経験的に決定され、このため、実行を開始する事象が何であれ(血球を検出すべき第1、第2および第3のバッグセンサ73のいずれかの1つによる血球の検出)、4つの第1のピンチ弁部材70は、それが終わったときに閉鎖される。
【0144】
第5段階は、4つの第2のピンチ弁部材71が閉じたときに、終了する。
【0145】
第6段階(第1のプロトコル):遠心分離プロセスが終了する
制御ユニット90は、4つの(第2の)ピンチ弁部材71が閉じた後に、血球を検出すべき最後のチューブセンサ74から情報を受け取ったときに、第6段階を開始するようにプログラムされている。
【0146】
ロータの回転スピードは、ロータが停止するまで減少し、ポンプステーション60は、油圧チャンバ51が空になるまで高流量で油圧チャンバ51から油圧液体をポンプ注出するように作動され、第1および第2のピンチ弁部材70、71はチューブ17、18を封止し切断するように作動される。血球は、分離バッグ1にあるままである。
【0147】
第5段階が完了したときには、4つのバッグセットは分離装置から取り外され、各バッグセットは、別個に手で取り扱われる。
【0148】
分離バッグ1とこれに接続されたチューブ6との間の連通を阻止する壊すことのできるストッパー10が壊され、第2のサテライトバッグ3とチューブ6との間の連通を阻止する壊すことのできるストッパー14も同様である。第2のサテライトバッグ3に含まれた保存溶液は、重力によって、白血球除去フィルタ13を通って分離バッグ1内に流れることができ、そこで、粘度を下げるように赤血球と混合される。分離バッグ1の内容物は、次いで、重力によってフィルタ13を通って第2のサテライトバッグ3内に流れることができる。白血球はフィルタ13によって捉えられ、このため、実質的に、赤血球のみが第2のサテライトバッグ3内に収集される。
【0149】
変形例として、制御ユニット90は、所定の時間期間後に、血球を検出すべき第1の(または第2のまたは第3の)チューブセンサ74から情報を受け取った後に、第6段階を開始するようにプログラムされる。時間期間は、統計的にまたは経験的に決定され、このため、実行を開始する事象が何であれ(血球を検出すべき第1、第2および第3のチューブセンサ74のいずれかの1つによる血球の検出)、4つの第2のピンチ弁部材71は、それが終わったときに閉鎖される。
【0150】
第2の分離プロトコルにしたがって、4つの個別容量の血液が、血漿成分、血小板成分、および、赤血球成分に分離される。各容量の血液は、図2に表されたバッグセットの分離バッグ1に含まれ、これは、先に、収集チューブ5を使用して献血者から収集された。血液収集後に、収集チューブ5は、分離バッグ近くで封止され、切断された。典型的に、血液の容量は、4つの分離バッグ1で同一ではなく、結果として、わずかに異なる重量を有する。また、典型的に、ヘマトクリットは、分離バッグ1によって変動する。
【0151】
第1段階(第2のプロトコル):4つのバッグセットを分離装置に設定する
この段階は、第1のプロトコルの第1段階と同一である。
【0152】
第2段階(第2のプロトコル):分離バッグの重量の差を補正するために、ロータのバランスを取る
この段階は、第1のプロトコルの第2段階と同一である。
【0153】
第3段階(第2のプロトコル):分離バッグ1内の血液が、所望のレベルまで沈殿される
この段階は、第1のプロトコルの第3段階と同一である。
【0154】
第4段階(第2のプロトコル):血漿の第1の大きな部分が血漿バッグ2内に移され、一方、血漿の第2の小さな部分は分離バッグ1にあるままである。
【0155】
この段階は、実質的に第1のプロトコルの第4段階と同一である。しかし、各分離バッグ1から連結された血漿成分バッグ2内への血漿の表れは、対応するバッグセンサ73が血球を検出した直後に停止され、このため、分離バッグ1に残っている血漿の容量は、血小板がこれの中で再浮遊することができるほど十分に大きい。
【0156】
第5段階(第2のプロトコル):血小板成分が分離バッグ1で準備される
この段階の開始時に、第1および第2のピンチ弁部材70、71は、閉じられる。ロータは停止され、ポンプステーション60は、一定容量の油圧液体を高流量で油圧チャンバ51から注出するように作動される。ロータは、次いで、所定の時間期間の間、回転軸31を中心にして前後に振動するように制御され、その最後に、分離バッグ1の細胞は血漿に実質的に浮遊する。ロータは、次いで、遠心分離機モータ36によって再度発動され、このため、これの回転スピードは、第4の遠心分離スピード(低沈殿スピードまたは「ソフトスピン」)に到達するまで次第に増加する。ロータは、選択された所定の時間期間の間、第4の回転スピードで回転され、このため、血液は、選択された期間の最後に、分離バッグ1で、分離バッグ1が濃厚赤血球成分を備える外側層および血漿に浮遊する血小板を実質的に備える内側環状層を呈する点まで沈殿する。
【0157】
第6段階(第2のプロトコル):血小板成分が血小板バッグ15内に移される
この段階は、実質的に第1のプロトコルの第5段階と同一である(軟膜発現)。
【0158】
第7段階(第2のプロトコル):遠心分離プロセスが終了する
この段階は、実質的に第1のプロトコルの第6段階と同一である。
【0159】
図13〜18は、4つの個別容量の複合液体用の分離装置の第3の実施形態を示す。
【0160】
図13〜18の分離装置は、複合液体を2つの成分に分離するのに特に適合され、たとえば、全血を細胞成分(赤血球、白血球および血小板)と実質的に細胞がない血漿成分とに分離するか、または、全血を細胞成分(赤血球、白血球および少量の血小板)と浮遊している大量の血小板を含む血漿成分とに分離する。
【0161】
図4および5に示された第1の分離装置と図13〜18に示された第3の分離装置との間の主な差は、下記の通りである。
【0162】
第3の分離装置の分離セル100の形状は、第1の分離装置の分離装置の分離セル40の形状とは異なる。
【0163】
第3の分離装置の分離セル100の各々には、1つのピンチ弁部材70および1つのチューブセンサ74が連結されている。
【0164】
第3の分離装置は、分離セル100の油圧チャンバに且つこれから油圧液体をポンプ注入出するためのポンプステーションを備えない。
【0165】
より詳細には、第3の分離装置用の分離セル100は、略直方体の形状を有する容器101を備える。容器101のキャビティ(「分離コンパートメント」とも称される)は、略直方体の形状を有し、図2に示されたタイプの、液体でいっぱいの分離バッグ1をゆるく収容するように寸法づけられている。分離セル100は、弾性ダイヤフラム110をさらに備え、これは、容器101のキャビティ内に、分離バッグ1を受け取るための第1のチャンバ102と、容器101の底に近い入口開口部104を通って周囲マニホールド52に接続される第2の油圧チャンバ103と、を画成する。分離セル100は、容器101の開口のより長い平行側部に蝶番で留められた2つのフラップ105、106を有する蓋をさらに備える。2つのフラップ105、106は、係止手段(図示せず)によって閉位置に係止することができる。分離セル100は、分離バッグ1を分離セル100内に固定するための固定手段をさらに備える。バッグ固定手段は、2本のピン107および2つの対応する窪み108を備え、これらはそれぞれ、蓋を閉じたときに互いに面するフラップ105、106の縁に突出するかまたは開口する。2本のピン107は、分離バッグ1の上部隅の2つの穴8内に嵌るように離間され寸法づけられている。2つのフラップ105、106はまた、直面する縁に、分離バッグ1の上部区域に包埋された3本のチューブ4、5、6の近位端を収容するために3つの半円筒形穴109も備える。外側フラップ106は、バッグセンサ74を含むために、中央半円筒形穴109に面するキャビティを含む。
【0166】
図15〜18に示されるように、ダイヤフラム110は、分離セル100とほぼ同じ幅の平らな矩形ソケット111を備える。ダイヤフラム110は、ソケット111の口のまわりに、ダイヤフラム110が分離バッグ1によって変形されず直立位置に保持されるときには(図15)ソケット111に垂直に延出する大きな矩形の接続部分112をさらに備える。ソケット111は、長手方向中央軸に沿って接続部分112に接続される。接続部分112は、容器101のキャビティの横方向断面よりもわずかに大きい表面を有する。ダイヤフラム110は、接続部分112の周囲区域によって容器101の頂部にしっかり取り付けられる。ダイヤフラム110は、図16〜18に示されるように、遠心分離前に且つ遠心分離中にダイヤフラム110が分離バッグ1の形状に非常に密接に従うように選択された弾性があり変形可能なエラストマー材料から作られる。
【0167】
上述のように、図13に示された分離装置は、油圧チャンバ103に且つこれから油圧液体をポンプ注入出するためのポンプステーションを備えない。代わりに、油圧液体用の溜120を備え、これは、ロータに対して固定され、コンジット121およびロータリーシール122によってロータダクト56に直接接続されている。コンジット121には、弁123が嵌められる。溜120は、4つの分離セル100よりも低くなるように分離装置のフレームに固定される。分離装置が赤血球を血漿(浮遊血小板があろうとなかろうと)から分離するのに使用されるときには、油圧液体の密度は、下記に説明する理由のために、濃厚赤血球の密度と血漿の密度との間になるように選択される。
【0168】
第3の分離装置の成分移送手段は、本質的に、ロータリーシール122によってロータダクト56に直接接続される溜120と、油圧チャンバ103と、ロータを駆動して回転させるモータ36と、を備える。弁123が開き、溜120と分離セル100との間の高さおよび回転軸31と分離セル100との間の距離に依存する決定された閾値にロータの回転スピードが到達したときには、油圧液体は、油圧チャンバ103を満たし、分離バッグ1の容量/重量に関わらず、中の分離バッグ1を圧搾するように、溜120から油圧チャンバ103内に流れる。スピード閾値は、実質的に、血液成分を分離するためにロータが回転する回転スピード(「高スピン」および「ソフトスピン」)よりも低い。分離された成分を分離バッグ1からサテライトバッグ2内に移すことは、次いで、2つのバッグを接続するチューブ4が挿入されるピンチ弁部材70の開/閉によって制御される。
【0169】
第3の分離装置の第1のバランス手段は、本質的に、ロータリーシール122を通してロータダクト56に直接接続される溜120と、油圧チャンバ103と、ロータを駆動して回転させるモータ36と、弁123と、を備える。分離プロセスの開始時に、弁123は、もっともバランスの取れていない状況でロータのバランスを取るように選択される所定容量の油圧液体を、相互接続された油圧チャンバ103内に移すのを可能にするように、所定の時間期間の間、開いている。全血では、このバランスを取る容量の決定は、2つの献血の間の容量の最大差、および、2つの献血の間のヘマトクリット(すなわち、密度)の最大差を考慮に入れる。
【0170】
分離装置の第3の実施形態の変形例は、溜120をロータダクト56に接続するコンジット121に弁123を備えない。結果として、閾値スピードに到達したときには、油圧液体は、分離セル100内に蓄積している圧力がさらなるポンプ注入を妨げるまで、溜120から油圧チャンバ103内にポンプ注入される。しかし、分離セル100の利用可能な空間を油圧液体で満たすことは、特に、分離バッグ1の重量の差に、これの容量に、および、油圧液体の密度の差に依存して、最適にロータのバランスを取ることにならないこともある。
【0171】
第3の分離装置の操作を、第3の例示的な分離プロトコルにしたがって、下記に説明する。
【0172】
第3の分離プロトコルにしたがって、4つの個別容量の血液が、血漿成分(相当な量の血小板を含むかまたは含まない)、および、血球成分(血小板、または、残留血小板、白血球および赤血球を含む)に分離される。各容量の血液は、図1に表されたバッグセットの分離バッグ1に含まれ、これは、先に、収集チューブ5を使用して献血者から収集された。血液収集後に、収集チューブ5は、分離バッグ近くで封止され、切断された。典型的に、血液の容量は、4つの分離バッグ1で同一ではなく、ヘマトクリットは、分離バッグ1によって変動する。結果として、分離バッグは、わずかに異なる重量を有する。
【0173】
第1段階(第3のプロトコル):4つのバッグセットを分離装置に設定する
4つの分離バッグ1が、図16に示されたように4つの分離セル100内のダイヤフラム110のソケット111内に挿入される。分離セル100の蓋の2つのフラップ105、106は閉じられ、結果として、分離バッグ1の頂部を分離セル100に固定する。蓋の外側フラップ106に包埋されたチューブセンサ74が、今や、分離バッグ1を血漿成分バッグ2に接続するチューブ4の近位端に面する。チューブ4は、ピンチ弁部材70の溝72に挿入される。4つの血漿成分バッグ2、4つの赤血球成分バッグ3および4つの白血球除去フィルタ13が、ロータの中心コンパートメント34に挿入される。ピンチ弁部材70は閉じられ、血漿成分バッグ2に接続されたチューブ4の壊すことのできるストッパー9が、手で壊される。
【0174】
第2段階(第3のプロトコル):分離バッグの重量の差を補正するために、ロータのバランスを取る
この第2段階の開始時に、チューブ4が係合されるピンチ弁部材70は、閉じられる。溜120をロータダクト56に接続するコンジット121の弁123は、開けられる。ロータは、遠心分離機モータ36によって発動され、回転スピードは、所定の沈殿スピードで回転するまで次第に増加する。沈殿スピードで回転する前に、ロータは閾値スピードに到達し、そこで、これの回転が、油圧液体を溜120から分離セル100の相互接続された油圧チャンバ103内にポンプ注入させる。ロータのバランスを取るのに十分な所定の量の油圧流体が油圧チャンバ103に移された後に、弁は閉じられる123。油圧チャンバ103は周囲マニホールド52によって相互接続されるため、油圧液体は、ロータのバランスを取るように、分離セル100に自動的に分布される。分離バッグ1の重量が同一であるときには、油圧液体の分布は均一である。同一ではないときには、油圧液体の分布は不均一であり、特定の分離バッグ1の重量が小さければ小さいほど、連結された油圧チャンバ103の油圧流体の容量は大きくなる。
【0175】
第3段階(第3のプロトコル):分離バッグ1内の血液は、所望のレベルまで沈殿される
大量の浮遊血小板を含む血漿成分(「血小板リッチ血漿」)、および、主に赤血球および白血球を含む細胞成分を分離するのが望ましいときには、ロータは、第1の沈殿スピード(約2000RPM、通常、「ソフトスピン」と称される)で回転する。
【0176】
実質的に細胞がない血漿成分(「血小板プア血漿」)、および、主に赤血球、白血球および血小板を含む細胞成分を分離するのが望ましいときには、ロータは、第2の沈殿スピード(約3200RPM、通常、「ハードスピン」と称される)で回転する。
【0177】
ロータは、分離バッグ1の血液のヘマトクリットに関わらず、血液が、選択された期間の最後に分離バッグ1の各々で所望のレベルに沈殿するように選択された所定の時間期間の間、選択された沈殿スピードで回転する。上述のように、油圧液体の密度は、濃厚赤血球の密度と血漿の密度との間になるように選択されるため、分離バッグ1は、図17に示されるように、沈殿段階の最後には、砂時計の形状を取る。
【0178】
第4段階(第3のプロトコル):血漿成分がサテライトバッグ2内に移される
この段階の開始時に、血漿成分バッグ2へのアクセスを制御する4つのピンチ弁部材70が開けられる。これは、分離セル100内の圧力を減少させ、油圧液体は、再度、油圧チャンバ103内に流れ始める。油圧チャンバ103の油圧流体の上昇する容量は、分離バッグ1を圧搾し、血漿成分を第1のサテライトバッグ2内に移させる。油圧液体は、濃厚赤血球の密度よりも低い密度を有するため、赤血球は、分離セル100の底にあるままであり、分離バッグ1は、図18に示されるように、赤血球より上で徐々に折り畳まれる。
【0179】
各チューブセンサ74が血球を検出したときに、連結されたピンチ弁部材70は、閉じられる。4つの分離バッグ1の血液の容量が異なるときには、および/または、4つの分離バッグ1の血液のヘマトクリットが異なるときには(一般にそうである)、4つのピンチ弁部材70は、次々に閉じる。
【0180】
第4段階は、4つの第1のピンチ弁部材70が閉じたときに、終了する。
【0181】
第5段階(第3のプロトコル):遠心分離プロセスが終了する
最後のピンチ弁部材70が閉じるときに、ロータの回転スピードは、ロータが停止するまで減少する。油圧液体は、同時に油圧チャンバ103から溜120内に排出する。赤血球および白血球は、分離バッグ1にあるままである(収集された血漿成分が「血小板プア血漿」であるときには、血小板も同様である)。
【0182】
第5段階が完了したときには、4つのバッグセットは分離装置から取り外され、各バッグセットは、別個に手で取り扱われる。
【0183】
分離バッグ1とこれに接続されたチューブ6との間の連通を阻止する壊すことのできるストッパー10が壊され、第2のサテライトバッグ3とチューブ6との間の連通を阻止する壊すことのできるストッパー14も同様である。第2のサテライトバッグ3に含まれた保存溶液は、重力によって、白血球除去フィルタ13を通って分離バッグ1内に流れることができ、そこで、粘度を下げるように血球と混合される。分離バッグ1の内容物は、次いで、重力によってフィルタ13を通って第2のサテライトバッグ3内に流れることができる。白血球および血小板はフィルタ13によって捉えられ、このため、実質的に、赤血球のみが第2のサテライトバッグ3内に収集される。
【0184】
図19は、4つの個別容量の複合液体用の分離装置の第4の実施形態を示す。
【0185】
図13〜18に示された第3の分離装置と図19に示された第4の分離装置との間の主な差は、下記の通りである。
【0186】
第4の分離装置は、コンジット、ロータリーシールおよびロータダクトを経由して分離チャンバに直接接続された固定溜を備えない。
【0187】
第4の分離装置は、ロータに装着される油圧液体溜130を備える。
【0188】
図19の装置のロータは、下記を備える。
【0189】
サテライトバッグ用の中心容器34、円筒形バケットの形状を有する。
【0190】
回転軸31に対して傾斜して4つの分離セル100を支持する円錐台の壁を有するターンテーブル35。ターンテーブル35は、中心容器34のへりの下でフレア状になるように、より小さな直径セクションによって中心容器34の上部へりに接続される。
【0191】
油圧液体用の溜130、これは、円形底壁131と、より小さな直径セクションによって円形底壁131に接続されより大きな直径セクションによってターンテーブル35の下部へり(すなわち、より大きな直径を有するターンテーブルのセクション)に接続された円錐台壁132と、を備える。言い換えると、溜130の内部は、複雑な幾何学量を有し、これは、回転軸31に対して対称であり、外部表面または中心容器34、ターンテーブル35の内側表面、溜の円錐台壁132の内側表面、および、溜の底壁131の内側表面、によって画成される。
【0192】
ロータシャフト32、これは、溜130の底壁に接続されている。
【0193】
溜130は、油圧チャンバ103の入口開口部104に一致するターンテーブル35を通る出口開口部133によって、各分離セル100の油圧チャンバ103に流体式に接続されている。図示のように、出口開口部133は、回転軸31からもっとも遠くに位置する。この配列で、油圧液体は、ロータが回転し始めるとすぐに遠心力下で溜130から分離セル100の油圧チャンバ103内に流れる。分離装置が血漿(浮遊血小板があろうとなかろうと)から赤血球を分離するために使用されるべきときには、油圧流体の密度は、濃厚赤血球の密度と血漿の密度との間になるように選択される。
【0194】
この分離装置の第4の実施形態において、成分移送手段は、本質的に、溜130と、油圧チャンバ103と、ロータを駆動して回転させるモータ36と、を備える。ロータが回転するときには、油圧液体は、遠心力下で溜130から油圧チャンバ103内に排出し、弾性ダイヤフラム110を通って分離セル100内の分離バッグ1を押圧する。分離された成分を分離バッグ1からサテライトバッグ2内に移すことは、2つのバッグを接続するチューブ4が挿入されるピンチ弁部材70の開/閉によって制御される。
【0195】
第1のバランス手段は、本質的に、溜130と、油圧チャンバ103と、ロータを駆動して回転させるモータ36と、を備える。ロータが回転し始めるとすぐに、油圧流体は、分離バッグ1によって分離セル100内の空になっていた空間を完全に満たすまで、溜130から油圧チャンバ103内に流れ、これは、ロータが所望の沈殿スピードに到達する前に発生する。しかし、分離セル100の利用可能な空間を油圧液体で満たすことは、特に、分離バッグ1の重量の差に、これの容量に、および、油圧液体の密度に依存して、最適にロータのバランスを取ることにならないこともある。
【0196】
ここに述べられた装置および方向に対して様々な修正を行うことができることは、当業者には明らかである。したがって、本発明は、明細書に検討された主題に限定されないことを理解すべきである。むしろ、本発明は、修正例および変形例をカバーすることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】分離装置と協働するように設計された第1のバッグのセットの概略図である。
【図2】分離装置と協働するように設計された第2のバッグのセットの概略図である。
【図3a】図2のバッグのセットの詳細の2つの変形例の概略図である。
【図3b】図2のバッグのセットの詳細の2つの変形例の概略図である。
【図4】分離装置の第1の実施形態の、部分的に直径面に沿った断面の、概略図である。
【図5】図4の分離装置のロータの上面図である。
【図6】分離装置用の受動バランスユニットの第1の実施形態の斜視図である。
【図7】分離装置用の受動バランスユニットの第2の実施形態の斜視図である。
【図8】図4および5の分離装置の分離セルの、部分的に半径面に沿った断面の、概略図である。
【図9】保管容器に隣接した分離セルの実施形態の、半径面に沿った断面の、概略図である。
【図10】分離装置の第2の実施形態のロータの斜視図である。
【図11】直径面に沿った、図10のロータの断面図である。
【図12】図10のロータの上面図である。
【図13】分離装置の第3の実施形態の、直径面に沿った断面の、概略図である。
【図14】図13の分離装置の分離セルの、半径面に沿った断面の、概略図である。
【図15】図14の分離セルの可撓性のあるダイヤフラムの斜視図である。
【図16】分離プロセスの異なる段階で分離バッグを含む図14の分離セルの、半径面に沿った断面の、概略図である。
【図17】分離プロセスの異なる段階で分離バッグを含む図14の分離セルの、半径面に沿った断面の、概略図である。
【図18】分離プロセスの異なる段階で分離バッグを含む図14の分離セルの、半径面に沿った断面の、概略図である。
【図19】分離装置の第4の実施形態の、直径面に沿った断面の、概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの個別容量の複合液体を、少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離するための方法であって、
ロータ(32、34、35)に装着された少なくとも2つの分離セル(40;100)に、それぞれ、2つの個別容量の複合液体を含む少なくとも2つの分離バッグ(1)を入れることと、
前記ロータ(32、34、35)に含まれた少なくとも1つの容器(34;341、342、343、344)に、それぞれ、前記少なくとも2つの分離バッグ(1)に接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)を保管することと、
前記少なくとも第1および第2の成分が前記分離バッグ(1)の各々に沈殿する沈殿スピードで前記ロータ(32、34、35)を回転することと、
第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を、それぞれ、前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)内に移すことと、
各分離バッグ(1)の第1の決定された場所で成分の特性を検出することと、
前記第1の決定された場所での成分の特性の検出時に、前記第1の成分の前記少なくとも1つの画分を各分離バッグ(1)からこれに接続された前記第1のサテライトバッグ(2)内に移すのを停止することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)内に移すことは、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)内の前記少なくとも2つの分離バッグ(1)を圧搾して、これに接続された前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)内に前記第1の成分の少なくとも1つの画分を移させるようにすることを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分離バッグ(1)の前記第1の決定された場所で成分の特性を検出し、そのような検出が最後に発生した後に、前記ロータ(32、34、35)のスピードを変えることをさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも2つの分離バッグ(1)の1つの第1の決定された場所で成分の特性を検出した後所定の時間期間後に、前記ロータ(32、34、35)のスピードを変えることをさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の分離された成分の前記少なくとも1つの画分を前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)内に移すことによって生じた前記ロータ(32、34、35)のアンバランスのバランスを取ることをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
第1の分離された成分を前記少なくとも2つの第1のサテライト成分バッグ(2)内に移すことによって生じた前記ロータ(32、34、35)のアンバランスのバランスを取ることは、それぞれ、前記少なくとも1つの容器(34;341、342、343、344)の前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグを、前記少なくとも1つの容器(34;341、342、343、344)の壁に固定された一定容量の液体を含む少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチ(80;81、82、83、84)に対して保管することを備え、これによって、前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグは、遠心力下で前記少なくとも2つのパウチ(80;81、82、83、84)に対して押圧し、前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るように前記少なくとも2つのパウチ(80;81、82、83、84)に前記一定容量の液体を分布する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各分離バッグ(1)を、これに接続された前記第1のサテライト成分バッグ(2)へ接続するチューブ(17)を封止し切断することをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
第2の分離された成分を、それぞれ、前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された少なくとも2つの第2のサテライトバッグ(2)内に移すことをさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第2の分離された成分を、それぞれ、前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された前記少なくとも2つの第2のサテライトバッグ(2)内に移すことは、
第2の分離された成分を前記少なくとも2つの分離バッグ(1)の1つからこれに接続された前記第2のサテライトバッグ(15)内に移すことと、
前記第2の成分が移される前記分離バッグ(1)かまたは前記第2の成分が移される前記分離バッグ(1)へ前記第2のサテライトバッグ(15)を接続するチューブ(4)かのいずれかの第2の決定された場所で成分の特性を検出することと、
前記第2の決定された場所での成分の特性の検出時に、前記第2の成分を移送するのを停止することと、
前記少なくとも2つの分離バッグ(1)の各分離バッグ(1)で上記ステップを連続して繰り返すことと、
を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第2の分離された成分を前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された前記第2のサテライトバッグ(15)内に移すことは、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)内の前記分離バッグ(1)を圧搾して、これに接続された前記少なくとも2つの第2のサテライトバッグ(15)内に前記第2の成分を移させるようにすることを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記分離バッグ(1)かまたはこれに接続された前記チューブ(4)の前記第2の決定された場所で成分の特性を検出し、そのような検出が最後に発生した後に、前記ロータ(32、34、35)を回転するのを停止することをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも2つの分離バッグ(1)の1つまたはこれに接続された前記チューブ(4)の前記第2の決定された場所で成分の特性を検出した後所定の時間期間後に、前記ロータ(32、34、35)を回転するのを停止することをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の分離された成分を前記少なくとも2つの第2のサテライトバッグ(15)内に移すことによって生じた前記ロータ(32、34、35)のアンバランスのバランスを取ることをさらに備える、請求項8〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の分離された成分を前記少なくとも2つの第2のサテライト成分バッグ(15)内に移すことによって生じた前記ロータ(32、34、35)のアンバランスのバランスを取ることは、それぞれ、前記少なくとも1つの容器(34;341、342、343、344)の前記少なくとも2つの第2のサテライトバッグ(15)を、前記少なくとも1つの容器(34;341、342、343、344)の壁に固定された一定容量の液体を含む少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチに対して保管することを備え、これによって、前記少なくとも2つの第2のサテライトバッグは、遠心力下で前記少なくとも2つのパウチ(80;81、82、83、84)に対して押圧し、前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るように前記少なくとも2つのパウチ(80;81、82、83、84)に前記一定容量の液体を分布する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記各分離バッグ(1)を、これに接続された前記第2のサテライト成分バッグ(15)へ接続するチューブ(18)を封止し切断することをさらに備える、請求項8〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
一定容量の油圧液体を、それぞれ、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に位置する少なくとも2つの相互接続された膨張可能な油圧チャンバ(51;103)内に移すことをさらに備え、これによって、前記油圧液体は、実質的に前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るように、遠心力下で前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)に分布される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
一定容量の油圧液体を前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移すことは、所定容量の油圧液体を移すことを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
一定容量の油圧液体を前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移すことは、前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に油圧液体をポンプ注入することを備える、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
一定容量の油圧液体を前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移すことは、前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)に油圧液体の源(120、130)を接続することを備え、このため、前記ロータ(32、34、35)の回転が油圧液体を前記油圧液体の源から前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移させる、請求項16または17に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも2つの個別容量の複合液体を少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離するための装置であって、これによって、前記少なくとも2つの個別容量は異なる重量を有することができ、前記装置は、遠心分離機であって、
回転軸(31)を有するロータ(32、34、35)であって、
少なくとも2つの分離セル(40;100)であって、各々が、一定容量の複合液体を含む分離バッグ(1)を含むためのものである分離セルと、
前記分離セル(40;100)内で分離バッグ(1)に分離された成分の特性に関する情報を生成するために各分離セル(40;100)に連結された少なくとも1つのセンサ(73、74)と、
を備えるロータと、
−前記ロータ(32、34、35)の回転スピードの少なくとも1つの変化を格納するためのメモリユニットと、
制御ユニット(90)であって、
前記メモリから、回転スピードの前記少なくとも1つの変化と、各分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つのセンサ(73、74)によって生成された情報と、を受け取るように、且つ、
前記少なくとも2つの分離セル(40;100)の各々に連結された少なくとも1つのセンサ(73、74)の1つによって生成された情報を考慮して回転スピードの前記少なくとも1つの変化を生じさせるように、
プログラムされた制御ユニットと、
を備える遠心分離機を備える装置。
【請求項21】
前記制御ユニット(90)は、分離セル(40;100)内の分離バッグ(1)に分離された成分の特性を検出する前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つのセンサ(73、74)の第1のものによって生成された情報を考慮して回転スピードの前記少なくとも1つの変化を生じさせるように、プログラムされている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記制御ユニット(90)は、分離セル(40;100)内の分離バッグ(1)に分離された成分の特性を検出する前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つのセンサ(73、74)の最後のものによって生成された情報を考慮して回転スピードの前記少なくとも1つの変化を生じさせるように、プログラムされている、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記分離セル(40;100)内の分離バッグ(1)とこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セル(40;100)に連結された少なくとも1つの弁部材(70、71)をさらに備える、請求項20〜22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記制御ユニット(90)は、分離プロセスで少なくとも1回、分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つの弁部材(70、71)に、同一の分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つのセンサ(73、74)による分離された成分の特性の検出に続いて、前記分離セル(40;100)内の分離バッグ(1)とこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを阻止させるように、さらにプログラムされている、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記制御ユニット(90)は、分離プロセスで少なくとも1回、分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つの弁部材(70、71)に、別の分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つのセンサ(73、74)による分離された成分の特性の検出に続いて、前記分離セル(40;100)内の分離バッグ(1)とこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを可能にさせるように、さらにプログラムされている、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つのセンサは、分離セル(40)内の分離バッグ(1)の分離された成分の特性を検出するための第1のセンサ(73)を備え、
前記少なくとも1つの弁部材は、分離バッグ(1)とこれに接続された第1のサテライトバッグ(2)との間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための第1の弁部材(70)を備え、
前記制御ユニット(90)は、前記第1のセンサ(73)からの情報を考慮して前記第1の弁部材(70)の作動を制御するようにさらにプログラムされている、請求項23〜25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つのセンサは、分離バッグ(1)を第2のサテライトバッグ(15)に接続するチューブの分離された成分の特性を検出するための第2のセンサ(74)を備え、
前記少なくとも1つの弁部材は、分離バッグ(1)とこれに接続された第2のサテライトバッグ(15)との間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための第2の弁部材(71)を備え、
前記制御ユニット(90)は、前記第2のセンサ(74)からの情報を考慮して第2の弁部材(71)の作動を制御するようにさらにプログラムされている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグ(1)からこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)内に移すための成分移送手段をさらに備える、請求項20〜27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記制御ユニット(90)は、
少なくとも2つの成分を、それぞれ、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に含まれた少なくとも2つの分離バッグ(1)に分離するための沈殿スピードで前記ロータ(32、34、35)を回転させ、
各分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つの弁部材(70、71)に、各分離バッグ(1)とこれに接続された前記サテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを可能にさせ、
前記成分移送手段に、分離された成分の少なくとも一部を前記少なくとも2つの分離バッグ(1)の各々からこれに接続された前記サテライトバッグ(2;3;15)内に移させ、
各分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つの弁部材(70、71)に、前記分離セル(40;100)に連結された前記センサ(73、74)が分離された成分の特性を検出するときに、前記分離セル(40;100)内の前記分離バッグ(1)とこれに接続された前記サテライトバッグとの間の流体の流れを阻止させるようにさらにプログラムされている、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記制御ユニット(90)は、
前記成分移送手段に、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)の1つに連結された1つのセンサ(73、74)が分離された成分の特性を検出したときに、分離された成分を前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された前記サテライトバッグ(2;3;15)内に移すのを停止させ、
前記成分移送手段に、分離された成分の特性を検出した前記センサ(73、74)に連結された前記分離セル(40;100)に連結された前記弁部材(70、71)が前記分離バッグ(1)とこれに接続された前記サテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを阻止した後に、分離された成分を前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された前記サテライトバッグ(2;3;15)内に移させるようにさらにプログラムされている、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記少なくとも2つの分離セル(40;100)内の前記少なくとも2つの分離バッグ(1)のそれぞれの重量が異なるときに、前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るための第1のバランス手段をさらに備える、請求項20〜27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記第1のバランス手段は、
それぞれ、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)内の少なくとも2つの膨張可能な油圧チャンバ(51;103)であって、流体的に相互接続されている少なくとも2つの油圧チャンバ(51;103)と、
前記少なくとも2つの油圧チャンバ(51;103)に流体的に接続された油圧液体の源(66;120;130)と、
前記少なくとも2つの異なる分離セル(40;100)にそれぞれ含まれた2つの分離バッグ(1)が異なる重量を有するときに実質的に前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るように、一定容量の油圧液体を前記油圧液体源から前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移すための液体移送手段と、
を備える、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記制御ユニット(90)は、前記液体移送手段に、所定容量の油圧液体を前記油圧液体源から前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移させるようにプログラムされ、前記所定容量の油圧液体は、前記少なくとも2つの異なる分離セル(40;100)にそれぞれ含まれた2つの分離バッグ(1)の重量に関わらず実質的に前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るように、選択される、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記液体移送手段は、一定容量の油圧流体を前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51)内にポンプ注入するためのポンプ手段(60)を備える、請求項32または33に記載の装置。
【請求項35】
前記油圧液体の源(66、120)は、前記ロータ(32、34、35)に対して固定され、ロータリーシール(69、122)を通して前記少なくとも2つの油圧チャンバ(51;103)に流体的に接続されている、請求項32〜34のいずれか1項に記載の装置。
【請求項36】
前記液体移送手段は、前記ロータ(32、34、35)を駆動して回転させるモータ(36)を備え、前記油圧液体の源(120)は、前記少なくとも2つの分離セル(100)より下で、前記ロータ(32、34、35)に対して固定され、ロータリーシール(122)を通して前記油圧チャンバ(103)に流体的に接続され、これによって、前記ロータ(32、34、35)の回転が前記一定容量の油圧液体を前記油圧液体源(120)から前記油圧チャンバ(103)内に移させる、請求項32に記載の装置。
【請求項37】
前記第1のバランス手段は、前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るために所定容量の油圧液体を前記油圧チャンバ(103)内に移すのを制御するために、前記油圧液体の源(120)と前記ロータリーシール(122)との間のコンジット(121)に嵌められた弁(123)をさらに備える、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記少なくとも2つの油圧チャンバ(51;103)は、前記回転軸(31)に中心をおいた円形コンジット(52)によって相互接続され、前記円形コンジット(52)は、各油圧チャンバ(51;103)に、前記回転軸(31)よりも前記ロータ(32、34、35)の周囲により近いこれの区域に、接続されている、請求項32〜37のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記液体移送手段は、前記ロータ(32、34、35)を駆動して回転させるモータ(36)を備え、前記油圧液体の源は、前記ロータ(32、34、35)に装着されている油圧液体の溜(130)を備え、前記ロータ(32、34、35)の回転が油圧液体を前記溜から前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)内に移させるように設計され、前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)に流体的に接続されている、請求項32に記載の装置。
【請求項40】
前記溜(130)は、前記回転軸(31)に対して対称である内部容量を画成するハウジングと、前記回転軸(31)にもっとも遠い円形内側区域を備え、前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)は、前記溜(103)のこの円形区域に流体連通する、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に含まれた少なくとも2つの分離バッグ(1)にそれぞれ接続された少なくとも2つのサテライトバッグ(2;3;15)を保管するために前記ロータ(32、34、35)に含まれた保管手段(34;341、342、343、344)と、
少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグ(1)からこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)内に移すための成分移送手段と、
をさらに備える、請求項32〜41のいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
前記成分移送手段は、前記少なくとも2つの分離セル(40)内の前記少なくとも2つの分離バッグ(1)を圧搾し、中に分離された成分を各分離バッグ(1)に接続されたサテライトバッグ(2、3、15)内に流れさせるように、油圧液体を前記油圧液体の源(66)から前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51)内にポンプ注入するためのポンプ手段(60)を備える、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記油圧液体の源(120)は、前記少なくとも2つの分離セル(100)より下で、前記ロータ(32、34、35)に対して固定され、ロータリーシール(122)を通して前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)に流体的に接続され、前記成分移送手段は、
前記ロータ(32、34、35)を駆動して回転させるモータ(36)と、
分離バッグ(1)とサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セル(40;100)に連結された少なくとも1つの弁部材(70、71)と、
を備え、
これによって、前記ロータ(32、34、35)の回転が油圧液体を前記油圧液体源(120)から前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)内に移させ、前記少なくとも2つの分離セル(100)内の前記少なくとも2つの分離バッグ(1)を圧搾させ、これが、前記分離バッグ(1)と前記サテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための前記弁部材(70、71)が開いているときに、分離バッグ(1)に分離された成分をこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)内に流れさせる、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
油圧液体の源(130)は、前記ロータ(32、34、35)に装着され前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)に流体的に接続されている油圧液体用の溜を備え、前記成分移送手段は、
前記ロータ(32、34、35)を駆動して回転させるモータ(36)と、
分離バッグ(1)とサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セル(100)に連結された少なくとも1つの弁部材(70、71)と、
を備え、
これによって、前記ロータ(32、34、35)の回転が油圧液体を前記溜から前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)内に移させ、前記少なくとも2つの分離セル(100)内の前記少なくとも2つの分離バッグ(1)を圧搾させ、これが、分離バッグ(1)とサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための前記弁部材(70、71)が開いているときに、分離バッグ(1)に分離された成分をこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)内に流れさせる、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記保管手段(35、341、342、343、344)に保管された前記少なくとも2つのサテライトバッグ(2;3;15)が前記ロータ(32、34、35)のアンバランスを生じさせるときに、前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るための第2のバランス手段(80;81、82、83、84)をさらに備える、請求項41〜44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記保管手段は、中心容器(34)を備え、これのまわりに前記少なくとも2つの分離セル(40;100)が、前記回転軸(31)に対して対称的に配列され、
前記第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチ(81、82、83、84)を備え、前記パウチ(81、82、83、84)は、前記中心容器(34;341、342、343、344)の壁に対して配列され、このため、各分離バッグ(1)に接続された前記少なくとも1つのサテライトバッグ(2;3;15)が遠心分離中にパウチ(81、82、83、84)を押圧する、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記保管手段は、中心容器(34)を備え、これのまわりに前記少なくとも2つの分離セル(40;100)が、前記回転軸(31)に対して対称的に配列され、
前記第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた円筒形の可撓性のあるパウチ(80)を備え、前記中心容器(34)の壁をライニングし、このため、各分離バッグ(1)に接続された前記少なくとも1つのサテライトバッグ(2;3;15)が遠心分離中に前記パウチを押圧する、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記保管手段は、各分離セル(40)に連結された1つの容器(341、342、343、344)を備え、前記容器(341、342、343、344)は、前記分離セル(40)と前記回転軸(31)との間に位置し、
前記第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた1つの可撓性のあるパウチ(81、82、83、84)を備え、各容器(341、342、343、344)の壁に対して配列され、このため、前記容器(341、342、343、344)に保管されたサテライトバッグ(2;3;15)が遠心分離中にパウチを押圧し、1つの容器(341、342、343、344)の可撓性のあるパウチ(81、82、83、84)が、別の容器(341、342、343、344)のパウチ(81、82、83、84)に流体的に相互接続されている、請求項45に記載の装置。
【請求項49】
前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に含まれた少なくとも2つの分離バッグ(1)にそれぞれ接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)を保管するために前記ロータ(32、34、35)に含まれた保管手段(34)と、
分離バッグ(1)と第1のサテライトバッグ(2)との間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セル(40;100)に連結された少なくとも1つの弁部材(70、71)であって、前記連結された分離セル(40;100)と前記保管手段(34)との間にあるように、前記回転軸(31)に対して、前記ロータ(32、34、35)に装着されている少なくとも1つの弁部材(70、71)と、
をさらに備える、請求項20〜40のいずれか1項に記載の装置。
【請求項50】
前記少なくとも2つの分離セル(40)に含まれた少なくとも2つの分離バッグ(1)にそれぞれ接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)を保管するために前記ロータ(32、34、35)に含まれた保管手段(341、342、343、344)と、
分離バッグ(1)と第1のサテライトバッグ(2)との間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セル(40;100)に連結された少なくとも1つの弁部材(70、71)であって、前記保管手段(341、342、343、344)が前記少なくとも1つの弁部材(70、71)と前記連結された分離セル(40)との間にあるように、前記回転軸(31)に対して、前記ロータに装着されている少なくとも1つの弁部材(70、71)と、
をさらに備える、請求項20〜40のいずれか1項に記載の装置。
【請求項51】
前記少なくとも1つのセンサ(73、74)は、前記連結された分離セル(40;100)に含まれた分離バッグ(1)内の成分の特性を検出するように前記ロータ(32、34、35)に装着されている、請求項20〜50のいずれか1項に記載の装置。
【請求項52】
前記少なくとも1つのセンサ(73、74)は、前記連結された分離セル(40;100)に含まれた分離バッグ(1)に接続されたチューブ内の成分の特性を検出するように前記ロータ(32、34、35)に装着されている、請求項20〜50のいずれか1項に記載の装置。
【請求項53】
各分離セル(40)は、前記ロータ(32、34、35)の前記回転軸(31)に交差する長手方向軸(42)を有する実質的に閉鎖したキャビティ(43)を備え、前記キャビティの前記長手方向軸(42)へ向けて収束する4つの壁によって画成される前記ロータ(32、34、35)の前記回転軸(31)により近い部分を備える、請求項20〜52のいずれか1項に記載の装置。
【請求項54】
各分離セル(40)の前記キャビティの前記長手方向軸(42)は、鋭角で前記ロータ(32、34、35)の前記回転軸(31)に交差する、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
各分離セル(40)は、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティ(43)を備え、前記油圧チャンバ(51)は、前記キャビティ(43)の上部壁または下部壁のいずれかの少なくとも一部をライニングする膜(50)の下にある、請求項20〜54のいずれか1項に記載の装置。
【請求項56】
各分離セル(40)は、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティ(43)を備え、前記油圧チャンバは、少なくとも一部が前記下部壁に載置する可撓性のあるパウチを備える、請求項20〜54のいずれか1項に記載の装置。
【請求項57】
前記油圧液体の密度は、もっとも高い密度を有する成分の密度よりも高くなるように、選択される、請求項55または56に記載の装置。
【請求項58】
各分離セル(100)は、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティを備え、前記油圧チャンバは、前記上部壁と前記下部壁との間に延出するように前記分離セル(100)に固定される弾性ソケット(110)によって画成される、請求項20〜54のいずれか1項に記載の装置。
【請求項59】
前記油圧液体の密度は、第1の成分の密度と第2の成分の密度との間になるように、選択される、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
各分離セル(40;100)は、分離バッグ(1)の上部縁を固定するための固定手段(48,49;107,108)を備え、前記上部縁が前記回転軸(31)にもっとも近い前記分離バッグ(1)の部分であるようにする、請求項20〜59のいずれか1項に記載の装置。
【請求項1】
少なくとも2つの個別容量の複合液体を、少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離するための方法であって、
ロータ(32、34、35)に装着された少なくとも2つの分離セル(40;100)に、それぞれ、2つの個別容量の複合液体を含む少なくとも2つの分離バッグ(1)を入れることと、
前記ロータ(32、34、35)に含まれた少なくとも1つの容器(34;341、342、343、344)に、それぞれ、前記少なくとも2つの分離バッグ(1)に接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)を保管することと、
前記少なくとも第1および第2の成分が前記分離バッグ(1)の各々に沈殿する沈殿スピードで前記ロータ(32、34、35)を回転することと、
第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を、それぞれ、前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)内に移すことと、
各分離バッグ(1)の第1の決定された場所で成分の特性を検出することと、
前記第1の決定された場所での成分の特性の検出時に、前記第1の成分の前記少なくとも1つの画分を各分離バッグ(1)からこれに接続された前記第1のサテライトバッグ(2)内に移すのを停止することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記第1の分離された成分の少なくとも1つの画分を前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)内に移すことは、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)内の前記少なくとも2つの分離バッグ(1)を圧搾して、これに接続された前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)内に前記第1の成分の少なくとも1つの画分を移させるようにすることを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分離バッグ(1)の前記第1の決定された場所で成分の特性を検出し、そのような検出が最後に発生した後に、前記ロータ(32、34、35)のスピードを変えることをさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも2つの分離バッグ(1)の1つの第1の決定された場所で成分の特性を検出した後所定の時間期間後に、前記ロータ(32、34、35)のスピードを変えることをさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の分離された成分の前記少なくとも1つの画分を前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)内に移すことによって生じた前記ロータ(32、34、35)のアンバランスのバランスを取ることをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
第1の分離された成分を前記少なくとも2つの第1のサテライト成分バッグ(2)内に移すことによって生じた前記ロータ(32、34、35)のアンバランスのバランスを取ることは、それぞれ、前記少なくとも1つの容器(34;341、342、343、344)の前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグを、前記少なくとも1つの容器(34;341、342、343、344)の壁に固定された一定容量の液体を含む少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチ(80;81、82、83、84)に対して保管することを備え、これによって、前記少なくとも2つの第1のサテライトバッグは、遠心力下で前記少なくとも2つのパウチ(80;81、82、83、84)に対して押圧し、前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るように前記少なくとも2つのパウチ(80;81、82、83、84)に前記一定容量の液体を分布する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各分離バッグ(1)を、これに接続された前記第1のサテライト成分バッグ(2)へ接続するチューブ(17)を封止し切断することをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
第2の分離された成分を、それぞれ、前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された少なくとも2つの第2のサテライトバッグ(2)内に移すことをさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第2の分離された成分を、それぞれ、前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された前記少なくとも2つの第2のサテライトバッグ(2)内に移すことは、
第2の分離された成分を前記少なくとも2つの分離バッグ(1)の1つからこれに接続された前記第2のサテライトバッグ(15)内に移すことと、
前記第2の成分が移される前記分離バッグ(1)かまたは前記第2の成分が移される前記分離バッグ(1)へ前記第2のサテライトバッグ(15)を接続するチューブ(4)かのいずれかの第2の決定された場所で成分の特性を検出することと、
前記第2の決定された場所での成分の特性の検出時に、前記第2の成分を移送するのを停止することと、
前記少なくとも2つの分離バッグ(1)の各分離バッグ(1)で上記ステップを連続して繰り返すことと、
を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第2の分離された成分を前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された前記第2のサテライトバッグ(15)内に移すことは、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)内の前記分離バッグ(1)を圧搾して、これに接続された前記少なくとも2つの第2のサテライトバッグ(15)内に前記第2の成分を移させるようにすることを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記分離バッグ(1)かまたはこれに接続された前記チューブ(4)の前記第2の決定された場所で成分の特性を検出し、そのような検出が最後に発生した後に、前記ロータ(32、34、35)を回転するのを停止することをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも2つの分離バッグ(1)の1つまたはこれに接続された前記チューブ(4)の前記第2の決定された場所で成分の特性を検出した後所定の時間期間後に、前記ロータ(32、34、35)を回転するのを停止することをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の分離された成分を前記少なくとも2つの第2のサテライトバッグ(15)内に移すことによって生じた前記ロータ(32、34、35)のアンバランスのバランスを取ることをさらに備える、請求項8〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の分離された成分を前記少なくとも2つの第2のサテライト成分バッグ(15)内に移すことによって生じた前記ロータ(32、34、35)のアンバランスのバランスを取ることは、それぞれ、前記少なくとも1つの容器(34;341、342、343、344)の前記少なくとも2つの第2のサテライトバッグ(15)を、前記少なくとも1つの容器(34;341、342、343、344)の壁に固定された一定容量の液体を含む少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチに対して保管することを備え、これによって、前記少なくとも2つの第2のサテライトバッグは、遠心力下で前記少なくとも2つのパウチ(80;81、82、83、84)に対して押圧し、前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るように前記少なくとも2つのパウチ(80;81、82、83、84)に前記一定容量の液体を分布する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記各分離バッグ(1)を、これに接続された前記第2のサテライト成分バッグ(15)へ接続するチューブ(18)を封止し切断することをさらに備える、請求項8〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
一定容量の油圧液体を、それぞれ、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に位置する少なくとも2つの相互接続された膨張可能な油圧チャンバ(51;103)内に移すことをさらに備え、これによって、前記油圧液体は、実質的に前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るように、遠心力下で前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)に分布される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
一定容量の油圧液体を前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移すことは、所定容量の油圧液体を移すことを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
一定容量の油圧液体を前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移すことは、前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に油圧液体をポンプ注入することを備える、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
一定容量の油圧液体を前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移すことは、前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)に油圧液体の源(120、130)を接続することを備え、このため、前記ロータ(32、34、35)の回転が油圧液体を前記油圧液体の源から前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移させる、請求項16または17に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも2つの個別容量の複合液体を少なくとも第1の成分と第2の成分とに分離するための装置であって、これによって、前記少なくとも2つの個別容量は異なる重量を有することができ、前記装置は、遠心分離機であって、
回転軸(31)を有するロータ(32、34、35)であって、
少なくとも2つの分離セル(40;100)であって、各々が、一定容量の複合液体を含む分離バッグ(1)を含むためのものである分離セルと、
前記分離セル(40;100)内で分離バッグ(1)に分離された成分の特性に関する情報を生成するために各分離セル(40;100)に連結された少なくとも1つのセンサ(73、74)と、
を備えるロータと、
−前記ロータ(32、34、35)の回転スピードの少なくとも1つの変化を格納するためのメモリユニットと、
制御ユニット(90)であって、
前記メモリから、回転スピードの前記少なくとも1つの変化と、各分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つのセンサ(73、74)によって生成された情報と、を受け取るように、且つ、
前記少なくとも2つの分離セル(40;100)の各々に連結された少なくとも1つのセンサ(73、74)の1つによって生成された情報を考慮して回転スピードの前記少なくとも1つの変化を生じさせるように、
プログラムされた制御ユニットと、
を備える遠心分離機を備える装置。
【請求項21】
前記制御ユニット(90)は、分離セル(40;100)内の分離バッグ(1)に分離された成分の特性を検出する前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つのセンサ(73、74)の第1のものによって生成された情報を考慮して回転スピードの前記少なくとも1つの変化を生じさせるように、プログラムされている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記制御ユニット(90)は、分離セル(40;100)内の分離バッグ(1)に分離された成分の特性を検出する前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つのセンサ(73、74)の最後のものによって生成された情報を考慮して回転スピードの前記少なくとも1つの変化を生じさせるように、プログラムされている、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記分離セル(40;100)内の分離バッグ(1)とこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セル(40;100)に連結された少なくとも1つの弁部材(70、71)をさらに備える、請求項20〜22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記制御ユニット(90)は、分離プロセスで少なくとも1回、分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つの弁部材(70、71)に、同一の分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つのセンサ(73、74)による分離された成分の特性の検出に続いて、前記分離セル(40;100)内の分離バッグ(1)とこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを阻止させるように、さらにプログラムされている、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記制御ユニット(90)は、分離プロセスで少なくとも1回、分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つの弁部材(70、71)に、別の分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つのセンサ(73、74)による分離された成分の特性の検出に続いて、前記分離セル(40;100)内の分離バッグ(1)とこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを可能にさせるように、さらにプログラムされている、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つのセンサは、分離セル(40)内の分離バッグ(1)の分離された成分の特性を検出するための第1のセンサ(73)を備え、
前記少なくとも1つの弁部材は、分離バッグ(1)とこれに接続された第1のサテライトバッグ(2)との間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための第1の弁部材(70)を備え、
前記制御ユニット(90)は、前記第1のセンサ(73)からの情報を考慮して前記第1の弁部材(70)の作動を制御するようにさらにプログラムされている、請求項23〜25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つのセンサは、分離バッグ(1)を第2のサテライトバッグ(15)に接続するチューブの分離された成分の特性を検出するための第2のセンサ(74)を備え、
前記少なくとも1つの弁部材は、分離バッグ(1)とこれに接続された第2のサテライトバッグ(15)との間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための第2の弁部材(71)を備え、
前記制御ユニット(90)は、前記第2のセンサ(74)からの情報を考慮して第2の弁部材(71)の作動を制御するようにさらにプログラムされている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグ(1)からこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)内に移すための成分移送手段をさらに備える、請求項20〜27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記制御ユニット(90)は、
少なくとも2つの成分を、それぞれ、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に含まれた少なくとも2つの分離バッグ(1)に分離するための沈殿スピードで前記ロータ(32、34、35)を回転させ、
各分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つの弁部材(70、71)に、各分離バッグ(1)とこれに接続された前記サテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを可能にさせ、
前記成分移送手段に、分離された成分の少なくとも一部を前記少なくとも2つの分離バッグ(1)の各々からこれに接続された前記サテライトバッグ(2;3;15)内に移させ、
各分離セル(40;100)に連結された前記少なくとも1つの弁部材(70、71)に、前記分離セル(40;100)に連結された前記センサ(73、74)が分離された成分の特性を検出するときに、前記分離セル(40;100)内の前記分離バッグ(1)とこれに接続された前記サテライトバッグとの間の流体の流れを阻止させるようにさらにプログラムされている、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記制御ユニット(90)は、
前記成分移送手段に、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)の1つに連結された1つのセンサ(73、74)が分離された成分の特性を検出したときに、分離された成分を前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された前記サテライトバッグ(2;3;15)内に移すのを停止させ、
前記成分移送手段に、分離された成分の特性を検出した前記センサ(73、74)に連結された前記分離セル(40;100)に連結された前記弁部材(70、71)が前記分離バッグ(1)とこれに接続された前記サテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを阻止した後に、分離された成分を前記少なくとも2つの分離バッグ(1)からこれに接続された前記サテライトバッグ(2;3;15)内に移させるようにさらにプログラムされている、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記少なくとも2つの分離セル(40;100)内の前記少なくとも2つの分離バッグ(1)のそれぞれの重量が異なるときに、前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るための第1のバランス手段をさらに備える、請求項20〜27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記第1のバランス手段は、
それぞれ、前記少なくとも2つの分離セル(40;100)内の少なくとも2つの膨張可能な油圧チャンバ(51;103)であって、流体的に相互接続されている少なくとも2つの油圧チャンバ(51;103)と、
前記少なくとも2つの油圧チャンバ(51;103)に流体的に接続された油圧液体の源(66;120;130)と、
前記少なくとも2つの異なる分離セル(40;100)にそれぞれ含まれた2つの分離バッグ(1)が異なる重量を有するときに実質的に前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るように、一定容量の油圧液体を前記油圧液体源から前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移すための液体移送手段と、
を備える、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記制御ユニット(90)は、前記液体移送手段に、所定容量の油圧液体を前記油圧液体源から前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51;103)内に移させるようにプログラムされ、前記所定容量の油圧液体は、前記少なくとも2つの異なる分離セル(40;100)にそれぞれ含まれた2つの分離バッグ(1)の重量に関わらず実質的に前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るように、選択される、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記液体移送手段は、一定容量の油圧流体を前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51)内にポンプ注入するためのポンプ手段(60)を備える、請求項32または33に記載の装置。
【請求項35】
前記油圧液体の源(66、120)は、前記ロータ(32、34、35)に対して固定され、ロータリーシール(69、122)を通して前記少なくとも2つの油圧チャンバ(51;103)に流体的に接続されている、請求項32〜34のいずれか1項に記載の装置。
【請求項36】
前記液体移送手段は、前記ロータ(32、34、35)を駆動して回転させるモータ(36)を備え、前記油圧液体の源(120)は、前記少なくとも2つの分離セル(100)より下で、前記ロータ(32、34、35)に対して固定され、ロータリーシール(122)を通して前記油圧チャンバ(103)に流体的に接続され、これによって、前記ロータ(32、34、35)の回転が前記一定容量の油圧液体を前記油圧液体源(120)から前記油圧チャンバ(103)内に移させる、請求項32に記載の装置。
【請求項37】
前記第1のバランス手段は、前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るために所定容量の油圧液体を前記油圧チャンバ(103)内に移すのを制御するために、前記油圧液体の源(120)と前記ロータリーシール(122)との間のコンジット(121)に嵌められた弁(123)をさらに備える、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記少なくとも2つの油圧チャンバ(51;103)は、前記回転軸(31)に中心をおいた円形コンジット(52)によって相互接続され、前記円形コンジット(52)は、各油圧チャンバ(51;103)に、前記回転軸(31)よりも前記ロータ(32、34、35)の周囲により近いこれの区域に、接続されている、請求項32〜37のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記液体移送手段は、前記ロータ(32、34、35)を駆動して回転させるモータ(36)を備え、前記油圧液体の源は、前記ロータ(32、34、35)に装着されている油圧液体の溜(130)を備え、前記ロータ(32、34、35)の回転が油圧液体を前記溜から前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)内に移させるように設計され、前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)に流体的に接続されている、請求項32に記載の装置。
【請求項40】
前記溜(130)は、前記回転軸(31)に対して対称である内部容量を画成するハウジングと、前記回転軸(31)にもっとも遠い円形内側区域を備え、前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)は、前記溜(103)のこの円形区域に流体連通する、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に含まれた少なくとも2つの分離バッグ(1)にそれぞれ接続された少なくとも2つのサテライトバッグ(2;3;15)を保管するために前記ロータ(32、34、35)に含まれた保管手段(34;341、342、343、344)と、
少なくとも1つの分離された成分を各分離バッグ(1)からこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)内に移すための成分移送手段と、
をさらに備える、請求項32〜41のいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
前記成分移送手段は、前記少なくとも2つの分離セル(40)内の前記少なくとも2つの分離バッグ(1)を圧搾し、中に分離された成分を各分離バッグ(1)に接続されたサテライトバッグ(2、3、15)内に流れさせるように、油圧液体を前記油圧液体の源(66)から前記少なくとも2つの相互接続された油圧チャンバ(51)内にポンプ注入するためのポンプ手段(60)を備える、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記油圧液体の源(120)は、前記少なくとも2つの分離セル(100)より下で、前記ロータ(32、34、35)に対して固定され、ロータリーシール(122)を通して前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)に流体的に接続され、前記成分移送手段は、
前記ロータ(32、34、35)を駆動して回転させるモータ(36)と、
分離バッグ(1)とサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セル(40;100)に連結された少なくとも1つの弁部材(70、71)と、
を備え、
これによって、前記ロータ(32、34、35)の回転が油圧液体を前記油圧液体源(120)から前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)内に移させ、前記少なくとも2つの分離セル(100)内の前記少なくとも2つの分離バッグ(1)を圧搾させ、これが、前記分離バッグ(1)と前記サテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための前記弁部材(70、71)が開いているときに、分離バッグ(1)に分離された成分をこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)内に流れさせる、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
油圧液体の源(130)は、前記ロータ(32、34、35)に装着され前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)に流体的に接続されている油圧液体用の溜を備え、前記成分移送手段は、
前記ロータ(32、34、35)を駆動して回転させるモータ(36)と、
分離バッグ(1)とサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セル(100)に連結された少なくとも1つの弁部材(70、71)と、
を備え、
これによって、前記ロータ(32、34、35)の回転が油圧液体を前記溜から前記少なくとも2つの油圧チャンバ(103)内に移させ、前記少なくとも2つの分離セル(100)内の前記少なくとも2つの分離バッグ(1)を圧搾させ、これが、分離バッグ(1)とサテライトバッグ(2;3;15)との間の流体の流れを可能にするかまたは阻止するための前記弁部材(70、71)が開いているときに、分離バッグ(1)に分離された成分をこれに接続されたサテライトバッグ(2;3;15)内に流れさせる、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記保管手段(35、341、342、343、344)に保管された前記少なくとも2つのサテライトバッグ(2;3;15)が前記ロータ(32、34、35)のアンバランスを生じさせるときに、前記ロータ(32、34、35)のバランスを取るための第2のバランス手段(80;81、82、83、84)をさらに備える、請求項41〜44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記保管手段は、中心容器(34)を備え、これのまわりに前記少なくとも2つの分離セル(40;100)が、前記回転軸(31)に対して対称的に配列され、
前記第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた少なくとも2つの相互接続された可撓性のあるパウチ(81、82、83、84)を備え、前記パウチ(81、82、83、84)は、前記中心容器(34;341、342、343、344)の壁に対して配列され、このため、各分離バッグ(1)に接続された前記少なくとも1つのサテライトバッグ(2;3;15)が遠心分離中にパウチ(81、82、83、84)を押圧する、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記保管手段は、中心容器(34)を備え、これのまわりに前記少なくとも2つの分離セル(40;100)が、前記回転軸(31)に対して対称的に配列され、
前記第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた円筒形の可撓性のあるパウチ(80)を備え、前記中心容器(34)の壁をライニングし、このため、各分離バッグ(1)に接続された前記少なくとも1つのサテライトバッグ(2;3;15)が遠心分離中に前記パウチを押圧する、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記保管手段は、各分離セル(40)に連結された1つの容器(341、342、343、344)を備え、前記容器(341、342、343、344)は、前記分離セル(40)と前記回転軸(31)との間に位置し、
前記第2のバランス手段は、部分的に液体で満たされた1つの可撓性のあるパウチ(81、82、83、84)を備え、各容器(341、342、343、344)の壁に対して配列され、このため、前記容器(341、342、343、344)に保管されたサテライトバッグ(2;3;15)が遠心分離中にパウチを押圧し、1つの容器(341、342、343、344)の可撓性のあるパウチ(81、82、83、84)が、別の容器(341、342、343、344)のパウチ(81、82、83、84)に流体的に相互接続されている、請求項45に記載の装置。
【請求項49】
前記少なくとも2つの分離セル(40;100)に含まれた少なくとも2つの分離バッグ(1)にそれぞれ接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)を保管するために前記ロータ(32、34、35)に含まれた保管手段(34)と、
分離バッグ(1)と第1のサテライトバッグ(2)との間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セル(40;100)に連結された少なくとも1つの弁部材(70、71)であって、前記連結された分離セル(40;100)と前記保管手段(34)との間にあるように、前記回転軸(31)に対して、前記ロータ(32、34、35)に装着されている少なくとも1つの弁部材(70、71)と、
をさらに備える、請求項20〜40のいずれか1項に記載の装置。
【請求項50】
前記少なくとも2つの分離セル(40)に含まれた少なくとも2つの分離バッグ(1)にそれぞれ接続された少なくとも2つの第1のサテライトバッグ(2)を保管するために前記ロータ(32、34、35)に含まれた保管手段(341、342、343、344)と、
分離バッグ(1)と第1のサテライトバッグ(2)との間の流体の流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために、各分離セル(40;100)に連結された少なくとも1つの弁部材(70、71)であって、前記保管手段(341、342、343、344)が前記少なくとも1つの弁部材(70、71)と前記連結された分離セル(40)との間にあるように、前記回転軸(31)に対して、前記ロータに装着されている少なくとも1つの弁部材(70、71)と、
をさらに備える、請求項20〜40のいずれか1項に記載の装置。
【請求項51】
前記少なくとも1つのセンサ(73、74)は、前記連結された分離セル(40;100)に含まれた分離バッグ(1)内の成分の特性を検出するように前記ロータ(32、34、35)に装着されている、請求項20〜50のいずれか1項に記載の装置。
【請求項52】
前記少なくとも1つのセンサ(73、74)は、前記連結された分離セル(40;100)に含まれた分離バッグ(1)に接続されたチューブ内の成分の特性を検出するように前記ロータ(32、34、35)に装着されている、請求項20〜50のいずれか1項に記載の装置。
【請求項53】
各分離セル(40)は、前記ロータ(32、34、35)の前記回転軸(31)に交差する長手方向軸(42)を有する実質的に閉鎖したキャビティ(43)を備え、前記キャビティの前記長手方向軸(42)へ向けて収束する4つの壁によって画成される前記ロータ(32、34、35)の前記回転軸(31)により近い部分を備える、請求項20〜52のいずれか1項に記載の装置。
【請求項54】
各分離セル(40)の前記キャビティの前記長手方向軸(42)は、鋭角で前記ロータ(32、34、35)の前記回転軸(31)に交差する、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
各分離セル(40)は、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティ(43)を備え、前記油圧チャンバ(51)は、前記キャビティ(43)の上部壁または下部壁のいずれかの少なくとも一部をライニングする膜(50)の下にある、請求項20〜54のいずれか1項に記載の装置。
【請求項56】
各分離セル(40)は、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティ(43)を備え、前記油圧チャンバは、少なくとも一部が前記下部壁に載置する可撓性のあるパウチを備える、請求項20〜54のいずれか1項に記載の装置。
【請求項57】
前記油圧液体の密度は、もっとも高い密度を有する成分の密度よりも高くなるように、選択される、請求項55または56に記載の装置。
【請求項58】
各分離セル(100)は、底壁と、上部壁と、下部壁とを有するキャビティを備え、前記油圧チャンバは、前記上部壁と前記下部壁との間に延出するように前記分離セル(100)に固定される弾性ソケット(110)によって画成される、請求項20〜54のいずれか1項に記載の装置。
【請求項59】
前記油圧液体の密度は、第1の成分の密度と第2の成分の密度との間になるように、選択される、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
各分離セル(40;100)は、分離バッグ(1)の上部縁を固定するための固定手段(48,49;107,108)を備え、前記上部縁が前記回転軸(31)にもっとも近い前記分離バッグ(1)の部分であるようにする、請求項20〜59のいずれか1項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2008−547020(P2008−547020A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518187(P2008−518187)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/021674
【国際公開番号】WO2007/001739
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507114521)ガンブロ・ビーシーティー、インコーポレーテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】Gambro BCT, Inc.
【住所又は居所原語表記】10811 West Collins Avenue, Lakewood, Colorado 80215, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/021674
【国際公開番号】WO2007/001739
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507114521)ガンブロ・ビーシーティー、インコーポレーテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】Gambro BCT, Inc.
【住所又は居所原語表記】10811 West Collins Avenue, Lakewood, Colorado 80215, U.S.A.
【Fターム(参考)】
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