説明

充電コネクタの取付構造

【課題】本発明は、作業性、設計自由度が低下することを防止しつつ、コスト高騰を抑えて充電コネクタが被水することを抑制できる充電コネクタの取付構造を提供する。
【解決手段】充電コネクタの取付構造50は、第1,2の固定部61,62を備えるブラケット60を備える。第1の固定部61は、底壁部47の車内側の第1の面47bに固定される。第2の固定部62は、第1の固定部61を挟んで第1の面47bと反対側に位置する。ブラケット60は、第2のヒンジ23が底壁部47の車外側の第2の面47aよりも車外側に位置するとともに開口から車内側に離れた所定位置と、充電コネクタ20の第2のヒンジ23を有する側が第2の面47aから離れる方向にコネクタ本体21の軸心線29が第2の面47aに対して傾斜する所定姿勢とに充電コネクタ20を位置決める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車の電源として用いられるバッテリユニットを充電する際に用いられる充電コネクタの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、モータ等の電動機を駆動して走行するための電源として、バッテリユニットを搭載している。バッテリユニットは、バッテリセルと、当該バッテリセルを収容するバッテリケースとなどを備えている。
【0003】
走行等に用いられたバッテリセルは、充電される必要がある。このため、車体には、給電装置が電気的に接続される充電コネクタが設けられている。一般に、充電コネクタは、車体の外壁に形成される凹部内に設けられている。この凹部は、車体外側に開口するとともに、リッドによって覆われている。リッドは、凹部の周縁部に設けられるヒンジによって車体に連結されており、ヒンジの回転軸回りに回動することによって、凹部を開閉可能に覆っている。
【0004】
充電コネクタは、給電装置の端子と電気的に接続される端子を備えるコネクタ本体と、コネクタ本体に設けられる端子を開閉可能に覆うコネクタキャップとを備えている。コネクタキャップは、コネクタ本体にヒンジによって連結されている。コネクタキャップは、ヒンジの回転軸回りに回動することによって、端子を覆う全閉位置と、端子を開放する全開位置との間で移動可能となっている。
【0005】
コネクタ本体は、凹部の底壁部に固定されている。固定構造としては、収容凹部の底壁部には、コネクタの一部を車内側に通す貫通孔が形成されている。そして、コネクタ本体の周面には、周外側に広がるフラン部が形成されている。
【0006】
コネクタ本体は、その一部を、フランジ部が貫通孔の周縁部に当接するまで、車外から車内へ向かう方向に貫通孔に通す。そして、フランジ部と貫通孔の周縁部とを固定することによって、コネクタ本体を凹部内に固定している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平6−325819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、凹部内に雨水などが浸入することによって、充電コネクタは、被水することが考えられる。上記したように、充電コネクタは、端子を備えているので、被水することは好ましくない。
【0008】
このため、充電コネクタを、開口から離すとともに端子ができるだけ収容凹部の底壁に近い位置に配置されるように設けることが望まれる。
【0009】
特許文献1に開示されている充電コネクタを、当該充電コネクタが開口から離れるとともに車内側に寄せて配置する場合、コネクタ本体に対するフランジの位置を変えることが考えられる。
【0010】
しかしながら、上記のようにコネクタ本体に対するフランジの位置を凹部に合わせて変化させると、充電コネクタを形成する手間がかかり、それゆえ、コストが高くなることが考えられる。
【0011】
また、コネクタ本体を車内側に寄せて配置させることによって、コネクタキャップが開きにくくなることが考えられる。
【0012】
この点について具体的に説明する。コネクタキャップは、コネクタ本体にヒンジによって連結されている。このため、コネクタキャップが全開位置まで開いた状態、言い換えると、給電装置と端子とを電気的に接続すべく端子が露出するようにコネクタキャップをヒンジの回転軸回りに回動すると、コネクタキャップにおいてヒンジの回転軸の周囲にある角部(コネクタキャップの上端面の周縁のうちヒンジの回転軸の近傍の部分)は、収容凹部の底壁部に近づくように移動する。
【0013】
しかしながら、充電コネクタを車内側に寄せて配置すると、全開位置まで開いたコネクタキャップに対する凹部の底壁部および周壁部との相対位置が変化する。それゆえ、上記のようにコネクタキャップが底壁部に近づくと、コネクタキャップが全開位置まで開く前の状態においてコネクタキャップの角部が底壁部にぶつかるなどしてしまうことが考えられる。または、コネクタキャップが凹部の周壁部にぶつかることが考えられる。
【0014】
コネクタキャップが開く動作の途中にその一部が底壁部や周壁部にぶつかるなどすると、コネクタキャップが充分開かなくなり、それゆえ、給電装置を凹部内に差し込む(給電装置とコネクタの端子とを電気的に接続する)作業が行いにくくなることが考えられる。つまり、充電作業の効率が低下することが考えられる。
【0015】
さらに、特許文献1のようにフランジ部を貫通孔の車外側に向く周縁部に固定する場合、収容凹部の底壁部の周縁から立ち上がる周壁がフランジ部と干渉することを避けるために、底壁部の周縁は、フランジ部の周縁よりも外側に位置しなければならない。つまり、底壁部を大きくとらなければならない。その結果、車体外側に開口する凹部のサイズが大きくなり、それゆえ開口が大きくなるので、防水性確保が困難になるとともに、車体の設計自由度も低くなることが考えられる。
【0016】
したがって、本発明の目的は、充電作業の作業効率が低下することを抑制しつつ、コストを抑えて充電コネクタが被水することを抑制し設計自由度の低下を抑えることができる充電コネクタの取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の充電コネクタの取付構造は、電動機によって走行可能であり前記電動機を駆動するバッテリを搭載する車両に設けられ、前記バッテリを充電する給電装置に接続可能な充電コネクタの取付構造である。前記充電コネクタの取付構造は、前記車両の車体の外壁に形成される開口を通して車外に向かって開口するとともに前記外壁の外面よりも車内側に所定の空間を有する凹部と、前記凹部を開閉可能に覆うリッドと、前記リッドを前記車体に連結するとともに、第1の回転軸を有して当該第1の回転軸回りに前記リッドを、前記開口を塞ぐ全閉位置と前記開口を開放する全開位置との間で回動可能とする第1のヒンジと、前記給電装置と電気的に着脱可能に接続される端子を備えて当該端子が一端から外部に露出するとともに周面から外側に広がるフランジ部が設けられるコネクタ本体と、前記端子を露出して前記給電装置と前記端子とが電気的に接続可能な充電可能開位置と前記端子を覆う全閉位置との間で移動可能なコネクタキャップと、前記コネクタ本体の前記一端の縁部に前記コネクタキャップを連結するとともに、第2の回転軸を有して当該第2の回転軸回りに前記コネクタキャップを前記充電可能開位置と前記全閉位置との間で回動可能とする第2のヒンジとを備え、前記凹部内に収容される充電コネクタと、前記凹部の底壁部に固定される第1の固定部と、前記フランジ部が固定される第2の固定部とを備え、前記充電コネクタを前記車体に固定するブラケットとを備える。前記第1の固定部は、前記底壁部の車内側の第1の面に固定さる。前記第2の固定部は、前記第1の固定部を挟んで前記第1の面と反対側に位置する。前記ブラケットは、前記第2のヒンジが前記底壁部の車外側の第2の面よりも車外側に位置するとともに前記開口から車内側に離れた所定位置と、前記第2の回転軸が前記第1の回転軸と対向していて前記第2の回転軸と前記第1の回転軸との間の範囲に前記端子が位置しかつ前記充電コネクタの前記第2のヒンジを有する側が前記第2の面から離れる方向に前記コネクタ本体の軸心線が前記第2の面に対して傾斜する所定姿勢とに前記充電コネクタを位置決める。
【0018】
この構造によれば、充電コネクタをブラケットに固定すると、充電コネクタは、ブラケットの第1の固定部と第2の固定部との隔たり分車内側に位置する。この隔たり(第1の固定部と第2の固定部との間の距離)を調整することによって、充電コネクタ20を凹部の開口から離した所定位置、例えば充電コネクタが被水することが抑制される位置に固定することができる。
【0019】
また、第1の固定部が車内側の第1の面に固定されることによって、底壁部の大きさを、底壁部とフランジ部との干渉を考慮して大きく形成することがない。それゆえ、収容凹部の底壁部を小さくすることができ、結果として車体外側に開口する凹部のサイズを小さくすることができる。
【0020】
また、充電コネクタは、当該充電コネクタの軸心線が底壁部の第2の面に対して第2のヒンジを有する側が車外側に離れるように傾斜するので、コネクタキャップと収容凹部の底壁部および周壁部との間の空間を大きくすることができるので、コネクタキャップが開きにくくなることが抑制される。
【0021】
または、本発明の充電コネクタの取付構造は、電動機によって走行可能であり前記電動機を駆動するバッテリを搭載する車両に設けられ、前記バッテリを充電する給電装置に接続可能な充電コネクタの取付構造である。前記充電コネクタの取付構造は、前記車両の車体の外壁に形成される開口を通して車外に向かって開口するとともに前記外壁の外面よりも車内側に所定の空間を有する凹部と、前記凹部を開閉可能に覆うリッドと、前記リッドを前記車体に連結するとともに、第1の回転軸を有して当該第1の回転軸回りに前記リッドを、前記開口を塞ぐ全閉位置と前記開口を開放する全開位置との間で回動可能とする第1のヒンジと、前記給電装置と電気的に着脱可能に接続される端子を備えて当該端子が一端から外部に露出するとともに周面から外側に広がるフランジ部が設けられるコネクタ本体と、前記端子を露出して前記給電装置と前記端子とが電気的に接続可能な充電可能開位置と前記端子を覆う全閉位置との間で移動可能なコネクタキャップと、前記コネクタ本体の前記一端の縁部に前記コネクタキャップを連結するとともに、第2の回転軸を有して当該第2の回転軸回りに前記コネクタキャップを前記充電可能開位置と前記全閉位置との間で回動可能とする第2のヒンジとを備え、前記凹部内に収容される充電コネクタと、前記底壁部に固定される第1の固定部と、前記フランジ部が固定される第2の固定部とを備え、前記充電コネクタを前記車体に固定するブラケットとを備える。前記第1の固定部は、前記底壁部の車内側の第1の面に固定される。前記第2の固定部は、前記第1の固定部を挟んで前記第1の面と反対側に位置する。前記ブラケットは、前記第2のヒンジが前記第1の面よりも車内側に位置するとともに前記開口から車内側に離れた所定位置と、前記第2の回転軸が前記第1の回転軸と対向していて前記第2の回転軸と前記第1の回転軸との間の範囲に前記端子が位置しかつ前記充電コネクタの前記第2のヒンジを有する側が前記第1の面に近づく方向に前記コネクタ本体の軸心線が前記底壁部の車外側の第2の面に対して傾斜する所定姿勢とに前記充電コネクタを位置決める。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、作業性、設計自由度が低下することを防止しつつ、コストが高くなることを抑えて充電コネクタが被水することを抑制できる充電コネクタの取付構造を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の第1の実施形態に係る充電コネクタの取付構造を、図1〜6を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る充電コネクタの取付構造を備える電気自動車10の一例と、後述されるバッテリセル300を充電する給電装置400とを示している。
【0024】
図1に示すように、電気自動車10は、本発明で言う車両の一例である。電気自動車10は、車体11の後部に配置された走行用のモータ12および充電装置13と、車体11の床下に配置されるバッテリユニット14などを備えている。モータ12は、本発明で言う電動機の一例である。
【0025】
給電装置400は、充電機本体401と、充電ケーブル402と、充電ガン26とを備えている。充電ケーブル402の一端は、充電機本体401に接続されている。充電ガン26は、充電ケーブル402の他端に接続されている。
【0026】
図1は、車体11からバッテリユニット14が取り外された状態を示している。点線で示されるバッテリユニット14は、車体11に搭載された状態を示している。バッテリユニット14は、ハウジングとしてのバッテリケース15と、当該バッテリケース15内に収容される複数のバッテリセル300(図中1部を示す)からなるバッテリモジュール16となどを備えている。なお、各バッテリセル300は、図中点線で示されている。
【0027】
バッテリセル300は、充電される必要がある。このため、車体11の後部の側壁部には、充電コネクタ20が設けられている。充電コネクタ20は、後述される収容部40内に収容されている。このため、電気自動車10には、充電コネクタの取付構造50が採用されている。
【0028】
充電コネクタの取付構造50は、収容部40と、充電コネクタ20と、ブラケット60とを備えている。
【0029】
図2は、図1中に示されるF2の範囲を拡大して示している。図2は、収容部40を車外側から見た平面図である。図3は、図2中に示されるF3−F3線に沿う収容部40の断面図である。図2,3に示すように、収容部40は、凹部41と、リッド42と、第1のヒンジ70とを備えている。なお、図中、電気自動車10の前後方向のうち前方を矢印で示している。
【0030】
図3に示すように、凹部41は、車体11の外側に開口するとともに、車体11の内側に空間43を有している。具体的には、凹部41は、車体11の外面を規定する第1のパネル部材44に開口45が形成されるとともに、開口45と連通する空間43を規定する第2のパネル部材46とによって形成されている。第2のパネル部材46は、空間43を規定すべく断面凹状に形成されている。凹部41の底壁部47のうち車外側に向く第2の面47aは、平面である。
【0031】
第2のパネル部材46は、第1のパネル部材44に固定されている。第1のパネル部材44は、車体11の外面11aを規定するアウタパネルである。第1のパネル部材44は、本発明で言う外壁の一例である。第1のパネル部材44の内側(第2のパネル部材46よりも内側)には、図示しないインナパネルがあり、当該インナパネルと第1のパネル部材44とによって、車体11の側壁部が形成されている。
【0032】
なお、車体11において凹部41が形成される部位は、例えばホイールハウスの上方部である。さらに具体的には、凹部41がある箇所は、ホイールハウスとボデーの空間(第1のパネル部材44と図示しない上記インナパネルとによって規定される空間)としては繋がっているが、ホイールハウスと凹部41がある空間とでは、樹脂製のスプラッシュシールドで区切られている。
【0033】
リッド42は、開口45を覆う大きさを有している。図2に示すように、開口45は、例えば略円形であり、それゆえ、リッド42も円形である。なお、開口45の形状は、円に限定されない。リッド42は、開口45の縁部45aに第1のヒンジ70によって連結されている。
【0034】
第1のヒンジ70は、開口45の縁部45aのうち車体前方側の部位に配置されている。第1のヒンジ70は、リッド42に固定されるリッド側アーム部71と、第1の回転軸72と、車体11側に固定されて第1の回転軸72を支持する車体側固定部73(図4に示す)とを備えている。
【0035】
図3に示すように、リッド側アーム部71は、例えばリッド42を構成する内側壁部42aと一体に形成されている。車体側固定部73は、第1の回転軸72を支持している。リッド側アーム部71の先端部には、内側に第1の回転軸72を支持する支持部74が形成されている。
【0036】
支持部74内に第1の回転軸72が収容されて支持されるとともに、第1の回転軸72が車体側固定部73に支持されることによって、リッド側アーム部71言い換えるとリッド42は、第1のヒンジ70を介して車体11に連結されることになる。
【0037】
なお、車体側固定部73は、例えば第1のパネル部材44の内面に固定されている。しかしながら、車体側固定部73の固定箇所は、第1のパネル部材44に限定されない。要は、車体側固定部73は、当該車体側固定部73が固定されることによって、第1のヒンジ70を介してリッド42が車体11に連結されればよい。
【0038】
リッド42は、上記したように、第1のヒンジ70を介して車体11、詳細には開口45の縁部45aに固定されることによって、第1の回転軸72回りに回動可能となる。図3に示すように、リッド42は、第1の回転軸72回りに回動することによって、開口45を塞ぐ全閉位置P1と、開口45を開放する全開位置P2との間でその位置を変位する。図3中実線で描かれているリッド42は、開口45を開放する全開位置P2にある。図3中2点鎖線で示されるリッド42は、開口45を塞ぐ全閉位置P1にある。
【0039】
縁部45aの略全域には、シール部材500が設けられている。リッド42が全閉位置P1にある状態では、シール部材500によって、開口45とリッド42との間がシールされる。
【0040】
充電コネクタ20は、凹部41内に収容されている。充電コネクタ20は、コネクタ本体21と、コネクタキャップ22と、第2のヒンジ23と、ロック機構24とを備えている。
【0041】
コネクタ本体21は、例えば外観形状が略円柱状である。コネクタ本体21は、端子25を備えている。端子25は、バッテリセル300を充電する際に凹部41内に挿入される充電ガン26(図3中一部を2点鎖線で示す)の端子と電気的に接続される。充電ガン26の端子が端子25に電気的に接続されることによって、バッテリセル300が充電される。
【0042】
図4は、リッド42が全開位置P2にある状態での、凹部41内を車外側から見た平面図である。図4に示すように、端子25は、一対設けられており、コネクタ本体21の一端面27から露出している。なお、一端面27は、コネクタ本体21において車外側に向く端面である。また、コネクタ本体21は、充電ガン26の端子と充電コネクタ20の端子25とが電気的に接続しているかどうかを検出するスイッチ28とを備えている。スイッチ28も、一端面27から露出している。端子25とスイッチ28とは、一端面27の例えば中央付近に配置されている。一端面27は、例えば、コネクタ本体21の軸心線29に垂直な平面である。または、一端面27は、コネクタ本体21の軸心線29に略垂直な平面である。(図3に点線で示す。)。
【0043】
コネクタキャップ22は、第2のヒンジ23によって、コネクタ本体21に連結されている。コネクタキャップ22は、端子25を覆う全閉位置P3と、端子25を外部へ露出する全開位置P4との間で移動可能である。全閉位置P3にあるコネクタキャップ22の車外側の面30は、軸心線29に垂直な平面である。または、全閉位置P3にあるコネクタキャップ22の面30は、軸心線29に略垂直である。
【0044】
コネクタキャップ22は、第2のヒンジ23によって、コネクタ本体21の一端面27側の周縁部31に連結されている。第2のヒンジ23は、本体側固定部32と、キャップ側固定部33と、第2の回転軸34とを備えている。
【0045】
図4に示すように、本体側固定部32は、コネクタ本体21の一端面27側の周縁部31に設けられている。本体側固定部32は、コネクタ本体21の外側に突出する形状である。キャップ側固定部33は、コネクタキャップ22に設けられている。キャップ側固定部33は、コネクタキャップ22の周縁部35に配置されている。
【0046】
本体側固定部32とキャップ側固定部33とは、お互いが嵌り合う形状となっている。一例としては、図4に示すように、本体側固定部32は、外側に突出するとともにお互いに離間する一対の腕部36を有している。キャップ側固定部33は、これら腕部36間に嵌る。
【0047】
第2の回転軸34は、腕部36間にキャップ側固定部33が嵌った状態において、腕部36とキャップ側固定部33とを貫通するように、本体側固定部32とキャップ側固定部33とに支持されている。
【0048】
第2のヒンジ23は、上記の構造によって、コネクタキャップ22をコネクタ本体21に第2の回転軸34回りに回動可能に支持している。第2のヒンジ23が上記のような構造を有することによって、コネクタキャップ22は、図3中実線で示す全閉位置P3と2点鎖線で示す全開位置P4との間で回動可能となる。全開位置P4は、本発明で言う充電可能開位置の一例である。しかしながら、コネクタキャップ22は、全開位置まで開かなくてもよい。コネクタキャップ22は、充電ガン26を凹部41内に挿入するとともに当該充電ガン26を端子25と電気的に接続するに差し支えない位置まで開けばよい。この位置が、充電可能開位置である。それゆえ、全開位置P4は、充電可能位置の一例である。
【0049】
なお、第2のヒンジ23の構造は、上記に限定されない。要するに、第2のヒンジ23は、第2の回転軸34回りにコネクタキャップ22を回動可能に支持できればよい。
【0050】
ロック機構24は、コネクタキャップ22を全閉位置P3に保持する機能を有している。ロック機構24は、コネクタ本体21において第2のヒンジ23と端子部を挟んで反対側に設けられている。
【0051】
ロック機構24は、コネクタ本体21に設けられる第3のヒンジ37と、ロック用アーム38とを備えている。
【0052】
第3のヒンジ37は、第2のヒンジ23と端子部を挟んで反対側に配置されており、第3の回転軸39回りにロック用アーム38を回動可能に支持している。第3の回転軸39は、第2のヒンジ23の第2の回転軸34と対向して配置されている。ロック用アーム38は、図3中に2点鎖線と実線とで示すように、ロック位置P5と解除位置P6との間で回動自由となる。なお、解除位置P6は、ロック位置P5に対して外側に開いた位置である。ロック位置P5にあるロック用アーム38は、実線で示されている。解除位置P6にあるロック用アーム38は、2点鎖線で示されている。
【0053】
ロック用アーム38の先端部には、当該ロック用アーム38がロック位置P5にある状態(閉じている状態)において全閉位置P3にあるコネクタキャップ22の縁に係合する係合部38aが設けられている。ロック用アーム38が解除位置P6まで回動すると、係合部38aとコネクタキャップ22の周縁との係合が解除される。なお、コネクタキャップ22の上面30(車外側に向く面)には、係合部38aが係合しやすいように、段差部22aが形成されている。
【0054】
ブラケット60は、充電コネクタ20を車体11に固定するとともに、充電コネクタ20を予め設定された所定位置と所定姿勢とに位置決める。ついで、ブラケット60の構造と、ブラケット60を用いて固定された充電コネクタ20の位置と姿勢とについて説明する。
【0055】
図3に示すように、充電コネクタ20は、コネクタ本体21が凹部41の底壁部47を貫通して一端面27に対して反対側の部分つまり他端側204が底壁部47よりも車内側に位置した状態で、ブラケット60を介して車体11に固定されている。このため、図3,4に示すように、底壁部47には、コネクタ本体21が挿通可能な貫通孔48が形成されている。
【0056】
ブラケット60と充電コネクタ20とは、互いに固定されることによってユニット90を構成しており、このユニット90が車体11に固定される。具体的には、ブラケット60が後述されるように凹部41の底壁部47に固定されることによって、充電コネクタ20が車体11に固定されるようになる。図5は、ユニット90を示す斜視図である。
【0057】
図5に示すように、ブラケット60は、内側に充電コネクタ20を通す例えば薄板状の環状の部材である。ブラケット60は、底壁部47に固定される第1の固定部61と、充電コネクタ20が固定される第2の固定部62とを備えている。
【0058】
ブラケット60は、上方から見た形状が、例えば略四角形である。そして、ブラケット60の四隅に位置する部位が第1の固定部61となっている。ブラケット60において互いに隣り合う第1の固定部61間は、第1の固定部61よりも一方向(例えば図中下方)に突出するように屈曲している。このように第1の固定部61に挟まれるとともに第1の固定部61に対して屈曲して突出する部分が第2の固定部62となっている。
【0059】
第1の固定部61において底壁部47に固定される際に底壁部47に当接する車室外側の面63は、平面であって、各々の延長面が同一である。つまり、4つの第1の固定部61は、同一の仮想平面上に位置する。第2の固定部62は、平面状である。第2の固定部62は、後で詳細に説明される。
【0060】
図5に示すように、コネクタ本体21は、フランジ部80が設けられている。フランジ部80は、コネクタ本体21の周面200から周方向に広がっている。周面200は、コネクタ本体21の軸心線29に沿う面である。フランジ部80の平面形状(軸心線29に沿う方向に見た形状)は、略四角形である。フランジ部80は、例えば略正方形である。
【0061】
フランジ部80は、第2の固定部62に固定される。図5に示すように、フランジ部80の四隅には、ボルト64が通る貫通孔66が形成されている。そして、各第2の固定部62には、1つずつボルト64が通る貫通孔65が形成されている。貫通孔65は、例えば第2の固定部62において第1の固定部61間の中間位置に配置されている。
【0062】
フランジ部80は、第2の固定部62に第1の固定部61と反対側から貫通孔65,66どうしが重なるように位置決めされた後、ボルト64とナット67とによって固定される。ブラケット60と充電コネクタ20とがボルト64とナット67とによって固定されることによって、ユニット90が形成される。
【0063】
なお、フランジ部80は、上記のように、第2の固定部62に第1の固定部61と反対側から重ねられることに限定されない。例えば、フランジ部80は、第1の固定部61側から第2の固定部62に重ねられてもよい。つまり、フランジ部80は、第2の固定部62の車外側の面85に固定されてもよい。
【0064】
各第1の固定部61には、ボルト69a(図3に示す)が通る貫通孔68が形成されている。図6は、ブラケット60と充電コネクタ20とによって形成されるユニット90が底壁部47に固定される様子を示している。図6に示すように、ブラケット60の第1の固定部61の車室外側の面63は、底壁部47において車内側に面する第1の面47bに車内側から当接する。第1の面47bは、平面である。また、本実施形態では、第2の面47aと第1の面47bとは、互いに平行な平面である。第1の面47bは平面であるので、第1の固定部61の車室外側の面63は、第1の面47bに面接触する。このとき、図3に示すように、充電コネクタ20は、底壁部47に形成される貫通孔48を通っている。
【0065】
底壁部47には、第1の固定部61に形成された貫通孔68と対向する部位に、貫通孔(図示せず)が形成されている。図6に示すように、ボルト69aが貫通孔68と底壁部47に形成された貫通孔とを貫通するとともに当該ボルト69aがナット69bと螺合することによって、ユニット90が底壁部47に固定される。
【0066】
ついで、充電コネクタ20の位置(本発明で言う所定位置)について説明する。開口45に対する充電コネクタ20の相対位置は、図3中に示される全開位置P4にあるコネクタキャップ22が第2の面47aに当接することがない位置を保ちつつ可能な限り端子25が車内側に位置する位置である。つまり、ブラケット60は、コネクタキャップ22の開閉動作が阻害されない位置を保ちつつ充電コネクタ20を車内側によせられるように考慮されて形成されている。
【0067】
このとき、本実施形態では、第2のヒンジ23は、第2の面47aよりも車外側に位置している。
【0068】
なお、全開位置P4にあるコネクタキャップ22が第2の面47aに当接することがない位置を保ちつつ可能な限り端子25が車内側に位置する位置は、本発明で言う、予め設定された所定の位置の一例である。しかしながら、充電コネクタ20の位置は、全開位置P4にあるコネクタキャップ22が第2の面47aに当接することがない位置を保ちつつ可能な限り端子25が車内側に位置する位置に限定されない。充電コネクタ20の位置は、当該充電コネクタ20が被水することが抑制される位置であればよい。当該被水しない位置は、実験などによって求められる。
【0069】
ブラケット60において、第1の固定部61に対する第2の固定部62の位置は、充電コネクタ20が上記された所定位置に位置するように、考慮されて形成されている。
【0070】
ついで、充電コネクタ20の姿勢(本発明で言う所定姿勢)について説明する。図2,4中、第1のヒンジ70の第1の回転軸72と、第2のヒンジ23の第2の回転軸34とは、点線で示されている。図2,4に示すように、充電コネクタ20は、第1の回転軸72と第2の回転軸34とが互いに平行となる姿勢である。本実施形態では、第3のヒンジ37の第3の回転軸39も第1の回転軸72と平行であるとともに、第3の回転軸39が第1の回転軸72と対向するように配置されている。
【0071】
また、図3に示すように、充電コネクタ20は、ブラケット60を介して車体11に固定された状態において、コネクタ本体21の軸心線29が底壁部47の第2の面47aに対して傾斜している。具体的には、充電コネクタ20の第2の回転軸34を有する側が、第2の面47aから車外側に離れるように傾斜している。
【0072】
充電コネクタ20において第2の回転軸34が設けられる部位近傍が最も車外側へ向かって、本実施形態では第2の面47aから最も離れるように、傾斜している。図6に示すように第2の面47aと軸心線29との間に規定される角度αは、90度未満である。なお、実際には、充電コネクタ20は、底壁部47に形成された貫通孔48を通っているので、軸心線29は、第2の面47aを延長した仮想平面に対して傾斜する。
【0073】
上記のように軸心線29が第2の面47aに対して傾斜することによって、充電コネクタ20において第1の回転軸72と対向する部分(充電コネクタ20において第2の回転軸34と反対側の部分)が車内側に近づくようになる。本実施形態では、充電コネクタ20においてロック機構24が設けられる部位が車内側に近づくようになる。充電コネクタ20は、ロック機構24のロック用アーム38が第1のヒンジ70に干渉しない位置まで傾斜している。
【0074】
言い換えると、第2の面47aに対する第2の回転軸34の位置を図3に示される位置に保ったまま充電コネクタ20の軸心線29を第2の面47aに垂直とした際の充電コネクタ20において第1の回転軸72と対向する部分(ロック機構24)に対して、軸心線29が角度α傾斜した場合では、充電コネクタ20において第1の回転軸72と対向する部分が車内側に向かって近づくようになる。
【0075】
開口45に対する充電コネクタ20の所定位置と、充電コネクタ20の所定の姿勢とは、お互いに考慮されている。具体的には、所定位置とは、充電コネクタ20が傾斜することを考慮して決定される(傾斜することによって、充電コネクタ20が車内側に入り込むので)。同様に、充電コネクタ20の傾斜は、所定の位置を受けて決定されたりする。
【0076】
ここで、ブラケット60の第2の固定部62について説明する。上記したように充電コネクタ20は、傾斜した姿勢で車体11に対して固定される。このため、図3に示すように、第2の固定部62は、充電コネクタ20を傾斜した姿勢で車体11に固定すべく、第1の固定部61に対して傾斜している。
【0077】
具体的には、第2の固定部62の車内側に向く面81にフランジ部80の車室外側に向く面82が固定される。フランジ部80の車室外側の面82は、例えば平面である。第2の固定部62の面81は、平面であり、かつ、各面81は、同一仮想平面上に位置する。そして、第2の固定部62の面81は、第1の固定部61の車室外側の面63に対して、軸心線29が第2の面47aに対して傾斜するように、傾斜している。この結果、第1の固定部61を底壁部47の第1の面47bに固定すると、充電コネクタ20が傾斜した姿勢で車体11に固定される。
【0078】
なお、第1の面47bと面63aと面81と面82とは、ともに平面であるが、これに限定されない。第1の面47bと面63aと面81と面82との関係は、第2の面47aに対する充電コネクタ20の姿勢が上記された所定の姿勢になるように傾斜できればよい。
【0079】
上記のように充電コネクタ20が傾斜することによって、図3に示すように、フランジ部80の面82と底壁部47の第2の面47aとは平行ではなくなり、それゆえ、それぞれの延長面100,101が位置X1で交差する。同様に、コネクタキャップ22の上面30の延長面102と第2の面47aの延長面101とは位置X2で交差する。一端面27の延長面103と第2の面47aの延長面101とは位置X3で交差する。
【0080】
また、充電コネクタ20が傾斜することによって、全開位置P4にあるコネクタキャップ22と第2の面47aと凹部41の周壁部201との間の空間202が大きくなる。このため、コネクタキャップ22の開閉動作が妨げられないようになる。充電コネクタ20の傾斜角αは、コネクタキャップ22が、全開位置P4まで開くように考慮されている。または、少なくとも、充電可能開位置まで開くように考慮されている。
【0081】
このように構成される充電コネクタの取付構造50では、ブラケット60を介して車体11に充電コネクタ20を固定することによって、充電コネクタ20を被水しない位置に配置することができるので、充電コネクタ20が被水することを抑制できる。
【0082】
さらに、充電コネクタ20の位置は、ブラケット60によって決定される。具体的には、第1の固定部61と第2の固定部62との間の距離、第1の固定部61と第2の固定部62との相対位置によって、決定される。このため、充電コネクタ20を凹部41に合わせて変形(コネクタ本体22に対するフランジ部80の位置を変化させるなど)するなどしなくて済むので、取付構造50のコストが高くなることを抑制することができる。
【0083】
さらに、本実施例ではコネクタ本体21は、第2の回転軸34が底壁部47の第2の面47aから車外側へ向かって離れるように傾斜している。このため、空間202を大きくすることができるので、コネクタキャップ22の全閉位置P3と全開位置P4との間の開閉動作がしにくくなることが抑制される。この結果、充電ガン26による充電作業の効率が低下することが抑制される。また、充電コネクタ20が傾斜することによって、充電コネクタ20がさらに車内側に入り込むようになる。つまり、充電コネクタ20が被水することが抑制される。
【0084】
さらに、ブラケット60の第1の固定部61が、底壁部47の第1の面47bに固定されることによって、凹部41の周壁部201とフランジ部80の周縁421と干渉することがないので、底壁部47の周縁420がフランジ部80の周縁421の外側に配置するように底壁部47を大きく形成することがなくなる。同様に、周縁421が第1の固定部61の周縁430の外側に位置するように底壁部47を大きく形成する必要もなくなる。底壁部47は、第1の面47bに第1の固定部61を固定できるだけの大きさを有していればよく、それゆえ、底壁部47を小さくすることができる。
【0085】
この結果、凹部41の開口45を小さくすることができるので、凹部41内に水が浸入する際に当該水が通る開口45とリッド42との間の全周(開口45の周囲の距離)を短くすることができるので、開口45とリッド42からの水の浸入に対する防水構造(例えばシール材500を開口45の縁部45aに設ける構造など)を設けやすくなる。それゆえ、防水性を確保しやすくなる。
【0086】
また、凹部41が小さくなることによって、車体11の設計の自由度も向上する。
【0087】
このように、充電コネクタの取付構造50によれば、充電作業の作業効率が低下することを抑制しつつ、コストを抑えて充電コネクタが被水することを抑制し、さらに設計自由度の低下を抑えることができる。
【0088】
また、充電コネクタ20は、フランジ部80の車外側に向く面82が第2の固定部62の車内側に向く面81に固定されることによって、フランジ部80の厚み分車内側にずれることになる。このため、充電コネクタ20を開口45から所定の位置に位置づけるために用いられるブラケット60を大きくすることがない。つまり、充電コネクタ20の形状はそのまま用いるとともにブラケット60を大きくすることがないので、コストが小さくなる。
【0089】
また、ブラケット60の第1の固定部61が底壁部47の第1の面47bに固定されることによって、充電コネクタ20は、第1の固定部61の厚み分車内側に移動することになる。この結果、充電コネクタ20を車内側に入り込ませることができるので、ブラケット60をさらに小さくるすことができる。この結果、コストを小さくすることができる。
【0090】
また、例えば従来のガソリンなどを燃料とする自動車に用いられる給油口構造の収容部を充電コネクタの取付構造の収容部に利用した際に、充電コネクタ20が収容部の凹部に対して比較的大きい場合であっても(充電コネクタ20に凹部が比較的小さい場合であっても)、ブラケット60を用いて充電コネクタ20を傾斜させることによって、充電コネクタ20を凹部内に収容することができるようになる。
【0091】
それゆえ、電気自動車10に既存の収容部と既存の充電コネクタとを用いることができる。
【0092】
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る充電コネクタの取付構造を、図7を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様な機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0093】
本実施形態は、底壁部47に対する充電コネクタ20の位置が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる点について、具体的に説明する。
【0094】
図7は、本実施形態の充電コネクタの取付構造50を示している。図7に示すように、本実施形態では、充電コネクタ20の第2のヒンジ23は、底壁部47の第1の面47bよりも車内側に位置している。
【0095】
本実施形態では、コネクタ本体21の軸心線29(図中、一点鎖線で示す)は、第2のヒンジ23が、充電コネクタ20において第2のヒンジ23の反対側の部位(本実施形態では、ロック機構37が設けられる部位)よりも底壁部47の第2の面47aに近づくように、底壁部47の第2面47aに対して、傾斜している。
【0096】
第1の実施形態と同様に、第2の面47aと軸心線29となす角度αは、90度未満である。本実施形態のように、充電コネクタ20が、第2の回転軸34が底壁部47の第1の面47bよりも車内側に位置するように配設される場合は、充電コネクタ20において第2の回転軸34が設けられる部位近傍が底壁部47に最も近づくように傾斜していることが好ましい。
【0097】
本実施形態のように、第2のヒンジ23が第1の面47bよりも車内側に配置される場合であっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0098】
なお、第1,2の実施形態では、フランジ部80が第2の固定部62の車内側の面82に固定される構造を説明したが、これに限定されない。フランジ部80は、上記したように、充電コネクタ20が所定姿勢になるように、第2の固定部62の面85に固定されてもよい。
【0099】
また、第1,2の実施形態では、電気自動車について説明したが、第1,2の実施形態で説明された給電装置400などの外部の充電装置によってバッテリセルが充電可能であれば、当該バッテリセルによって駆動するモータ以外にエンジン等の走行手段を有するハイブリッド車であってもよい。また本発明を実施するに当たって、車体、モータ、バッテリ、コネクタ、ヒンジ、リッド、ブラケットをはじめとして、発明の構成要素の構造及び配置を適宜に変更して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る充電コネクタの取付構造を備える電気自動車の一例を示す斜視図。
【図2】図1中に示されるF2の範囲を拡大して示す平面図。
【図3】図2中に示されるF3−F3線に沿う収容部の断面図。
【図4】図2に示されたリッドとコネクタキャップとが全開位置にある状態での凹部内を車外側から見た平面図。
【図5】図3に示されたユニットを示す斜視図。
【図6】図5に示されたユニットが底壁部に固定される様子を示す断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る充電コネクタの取付構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0101】
10…電気自動車(車両)、11…車体、11a…外面、12…(電動機)、14…バッテリユニット(バッテリ)、20…充電コネクタ、21…コネクタ本体、22…コネクタキャップ、23…第2のヒンジ、25…端子、27…一端面(一端)、29…軸心線、34…第2の回転軸、41…凹部、42…リッド、43…空間、44…第1のパネル部材、45…開口、47a…第2の面、47b…第1の面、60…ブラケット、61…第1の固定部、62…第2の固定部、70…第1のヒンジ、72…第1の回転軸、80…フランジ部、200…周面、400…給電装置、P1…全閉位置、P2…全開位置、P3…全閉位置、P4…全開位置(充電可能位置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機によって走行可能であり前記電動機を駆動するバッテリを搭載する車両に設けられ、前記バッテリを充電する給電装置に接続可能な充電コネクタの取付構造において、
前記車両の車体の外壁に形成される開口を通して車外に向かって開口するとともに前記外壁の外面よりも車内側に所定の空間を有する凹部と、
前記凹部を開閉可能に覆うリッドと、
前記リッドを前記車体に連結するとともに、第1の回転軸を有して当該第1の回転軸回りに前記リッドを、前記開口を塞ぐ全閉位置と前記開口を開放する全開位置との間で回動可能とする第1のヒンジと、前記給電装置と電気的に着脱可能に接続される端子を備えて当該端子が一端から外部に露出するとともに周面から外側に広がるフランジ部が設けられるコネクタ本体と、前記端子を露出して前記給電装置と前記端子とが電気的に接続可能な充電可能開位置と前記端子を覆う全閉位置との間で移動可能なコネクタキャップと、前記コネクタ本体の前記一端の縁部に前記コネクタキャップを連結するとともに、第2の回転軸を有して当該第2の回転軸回りに前記コネクタキャップを前記充電可能開位置と前記全閉位置との間で回動可能とする第2のヒンジとを備え、前記凹部内に収容される充電コネクタと、
前記凹部の底壁部に固定される第1の固定部と、前記フランジ部が固定される第2の固定部とを備え、前記充電コネクタを前記車体に固定するブラケットと
を具備し、
前記第1の固定部は、前記底壁部の車内側の第1の面に固定され、
前記第2の固定部は、前記第1の固定部を挟んで前記第1の面と反対側に位置し、
前記ブラケットは、前記第2のヒンジが前記底壁部の車外側の第2の面よりも車外側に位置するとともに前記開口から車内側に離れた所定位置と、前記第2の回転軸が前記第1の回転軸と対向していて前記第2の回転軸と前記第1の回転軸との間の範囲に前記端子が位置しかつ前記充電コネクタの前記第2のヒンジを有する側が前記第2の面から離れる方向に前記コネクタ本体の軸心線が前記第2の面に対して傾斜する所定姿勢とに前記充電コネクタを位置決めること特徴とする充電コネクタの取付構造。
【請求項2】
電動機によって走行可能であり前記電動機を駆動するバッテリを搭載する車両に設けられ、前記バッテリを充電する給電装置に接続可能な充電コネクタの取付構造において、
前記車両の車体の外壁に形成される開口を通して車外に向かって開口するとともに前記外壁の外面よりも車内側に所定の空間を有する凹部と、
前記凹部を開閉可能に覆うリッドと、
前記リッドを前記車体に連結するとともに、第1の回転軸を有して当該第1の回転軸回りに前記リッドを、前記開口を塞ぐ全閉位置と前記開口を開放する全開位置との間で回動可能とする第1のヒンジと、前記給電装置と電気的に着脱可能に接続される端子を備えて当該端子が一端から外部に露出するとともに周面から外側に広がるフランジ部が設けられるコネクタ本体と、前記端子を露出して前記給電装置と前記端子とが電気的に接続可能な充電可能開位置と前記端子を覆う全閉位置との間で移動可能なコネクタキャップと、前記コネクタ本体の前記一端の縁部に前記コネクタキャップを連結するとともに、第2の回転軸を有して当該第2の回転軸回りに前記コネクタキャップを前記充電可能開位置と前記全閉位置との間で回動可能とする第2のヒンジとを備え、前記凹部内に収容される充電コネクタと、
前記底壁部に固定される第1の固定部と、前記フランジ部が固定される第2の固定部とを備え、前記充電コネクタを前記車体に固定するブラケットと
を具備し、
前記第1の固定部は、前記底壁部の車内側の第1の面に固定され、
前記第2の固定部は、前記第1の固定部を挟んで前記第1の面と反対側に位置し、
前記ブラケットは、前記第2のヒンジが前記第1の面よりも車内側に位置するとともに前記開口から車内側に離れた所定位置と、前記第2の回転軸が前記第1の回転軸と対向していて前記第2の回転軸と前記第1の回転軸との間の範囲に前記端子が位置しかつ前記充電コネクタの前記第2のヒンジを有する側が前記第1の面に近づく方向に前記コネクタ本体の軸心線が前記底壁部の車外側の第2の面に対して傾斜する所定姿勢とに前記充電コネクタを位置決めること特徴とする充電コネクタの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−146711(P2009−146711A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322463(P2007−322463)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【Fターム(参考)】