充電システム、電子機器および充電装置
【課題】キャパシタの劣化の程度を精度よく判定することが可能な充電システム、電子機器および充電装置を提供する。
【解決手段】充電可能な内蔵電源24を内蔵する電子機器(放射線画像撮影装置1)と、内蔵電源24への充電を制御する充電制御回路81と、内蔵電源24の電圧を検出する電圧検出回路82と、内蔵電源24の劣化の程度を判定する判定部(本体制御部22a)と、充電制御回路81を介して内蔵電源24に電力を供給する充電装置(クレードル60)と、を備え、判定部は、充電制御回路81による定電流充電時に電圧検出回路82の検出結果に基づき内蔵電源24の電圧上昇率を取得するとともに、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した内蔵電源24の電圧上昇率と、設定した所定の閾値との比較により内蔵電源24の劣化の程度を判定するように構成されている。
【解決手段】充電可能な内蔵電源24を内蔵する電子機器(放射線画像撮影装置1)と、内蔵電源24への充電を制御する充電制御回路81と、内蔵電源24の電圧を検出する電圧検出回路82と、内蔵電源24の劣化の程度を判定する判定部(本体制御部22a)と、充電制御回路81を介して内蔵電源24に電力を供給する充電装置(クレードル60)と、を備え、判定部は、充電制御回路81による定電流充電時に電圧検出回路82の検出結果に基づき内蔵電源24の電圧上昇率を取得するとともに、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した内蔵電源24の電圧上昇率と、設定した所定の閾値との比較により内蔵電源24の劣化の程度を判定するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システム、電子機器および充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に内蔵された充電可能な内蔵電源(「キャパシタ」や「バッテリ」、「二次電池」、「蓄電デバイス」などともいう。)を充電するための充電装置や充電制御装置などが種々開発されている(例えば特許文献1〜4等参照)。
【0003】
このような充電装置等は、例えば図16(A),(B)に示すように、内蔵電源の電圧が目標電圧V1(以下「上限電圧V1」ともいう。)に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行うとともに、内蔵電源の電圧が目標電圧V1に達した場合に当該内蔵電源の電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、内部電源への充電を制御する充電制御部を備えるように構成されている場合がある。或いは、電子機器側に、このような充電制御部が設けられている場合もある。
【0004】
ところで、内蔵電源が劣化すると、内部抵抗が増加したり、満充電容量が減少したりする。そのため、内蔵電源は、その使用温度環境と使用する電圧と使用頻度から予め交換周期を予測し当該交換周期に応じて交換されたり、或いは、内蔵電源の劣化をリアルタイムで判定し当該判定結果に基づいて交換されたりしている(例えば特許文献5参照)。
【0005】
特許文献5には、内蔵電源(キャパシタ)の劣化をリアルタイムで判定する手法として、キャパシタの電圧(キャパシタ電圧)の上昇の傾きからキャパシタの劣化を判定する手法等が提案されている。
具体的には、劣化により満充電容量(キャパシタ容量)が低下すると充電できる電荷量が少なくなる。したがって、充電電流を同じとした場合には、例えば図16に破線で示すように、キャパシタ電圧の上昇が早くなる。そのため、キャパシタ電圧の電圧上昇の傾きが所定の閾値よりも大きいときはキャパシタが劣化していると判定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−77501号公報
【特許文献2】特開2008−104270号公報
【特許文献3】特開2007−306654号公報
【特許文献4】特開2006−33917号公報
【特許文献5】特開2008−43174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図16に破線で示すように、キャパシタが劣化すると、定電流充電時におけるキャパシタ電圧の電圧上昇の傾き、すなわち単位時間あたりの電圧上昇値である電圧上昇率が一定でなくなってくる。すなわち、キャパシタが劣化すると、キャパシタの電圧上昇率はキャパシタ電圧に応じて変化するようになる。そのため、キャパシタの劣化を判定するための閾値として、キャパシタ電圧によらず一定の閾値が設定されると、キャパシタの劣化を精度よく判定することができない。
【0008】
具体的には、例えば図17に示すように、キャパシタが劣化していない正常品である場合、すなわちキャパシタが新品または新品同様である場合には、キャパシタ電圧が下限電圧V0から上限電圧V1へと変化しても、キャパシタの電圧上昇率はほぼ一定である。
【0009】
一方、キャパシタが劣化して交換すべき状態となった交換必要品である場合、すなわちキャパシタの劣化が進行して交換時期に達した場合には、正常品の電圧上昇率よりも電圧上昇率が大きくなるが、キャパシタ電圧が高くなるほど、すなわち上限電圧V1に近づくほど、正常品との電圧上昇率の違いが小さくなる。
また、キャパシタがさらに劣化して使用不可能な状態となった故障品である場合、すなわちキャパシタの劣化がさらに進行して寿命に達した場合には、交換必要品の電圧上昇率よりも電圧上昇率が大きくなるが、キャパシタ電圧が高くなるほど、すなわちキャパシタ電圧が上限電圧V1に近づくほど、正常品や交換必要品との電圧上昇率の違いが小さくなる。
【0010】
そのため、キャパシタの劣化を判定するための閾値として、下限電圧V0での電圧上昇率を基準とした一定の閾値が設定されると、キャパシタが、下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合には、キャパシタの劣化を検出することができない。
具体的には、例えば図17に示すように、キャパシタが交換時期に達したことを判定するための閾値として、下限電圧V0での電圧上昇率を基準とした一定の閾値ΔVth1が設定されたとする。この場合、キャパシタが下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされていると、キャパシタが交換時期に達していることを検出することができない。
【0011】
また、下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような場合でもキャパシタの劣化を検出できるよう、キャパシタの劣化を判定するための閾値として、下限電圧V0での電圧上昇率を基準とした一定の閾値よりも小さい一定の閾値を設定すると、キャパシタの劣化が無駄に検出されてしまう場合がある。
具体的には、キャパシタが交換時期に達したことを判定するための閾値としてΔVth1よりも小さい一定の閾値が設定されたとする。この場合、キャパシタの電圧が小さい時には特に、キャパシタが交換時期に達していなくても交換時期に達したと検出されてしまう場合がある。
【0012】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、キャパシタの劣化の程度を精度よく判定することが可能な充電システム、電子機器および充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の問題を解決するために、本発明の充電システムは、
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器と、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、
前記充電制御部を介して前記内蔵電源に電力を供給する充電装置と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、取得した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電子機器は、
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器において、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、設定した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の充電装置は、
電子機器が内蔵する内蔵電源に電力を供給する充電装置において、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、設定した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のような方式の充電システム、電子機器および充電装置によれば、内蔵電源の電圧に応じて内蔵電源の劣化の程度を判定するための閾値を設定するので、内蔵電源の電圧によらず一定の閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源の劣化の程度を高精度に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電子機器の例としての放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】図1の放射線画像撮影装置の回路構成を表すブロック図である。
【図4】充電装置の例としてのクレードルの外観を示す斜視図である。
【図5】図4に示すクレードルに放射線画像撮影装置が挿入された状態を示した斜視図である。
【図6】図4のクレードルの内部構成を模式的に示した図であり、クレードルに放射線画像撮影装置を挿入しようとする状態を示している。
【図7】図4のクレードルの内部構成を模式的に示した図であり、クレードルに放射線画像撮影装置が挿入された状態を示している。
【図8】充電システムの構成を概略的に表すブロック図である。
【図9】使用不可能判定用閾値の設定の仕方の一例を示す図である。
【図10】使用不可能判定用閾値の設定の仕方の他の一例を示す図である。
【図11】交換判定用閾値の設定の仕方の一例を示す図である。
【図12】交換判定用閾値の設定の仕方の他の一例を示す図である。
【図13】第1実施形態における充電制御に関する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図14】第2実施形態における充電制御に関する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図15】充電システムの構成の変形例を概略的に表すブロック図であり、充電制御回路等を充電装置であるクレードルに設けた場合を示す図である。
【図16】定電流充電および定電圧充電について説明するための図である。
【図17】内蔵電源の劣化について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明を適用可能な実施形態はこれに限定されるものではない。また、本発明は図示例に限定されるものでもない。
【0019】
なお、以下では、電子機器が放射線画像撮影装置であり、充電装置がクレードルである場合について説明するが、本発明は、この形態に限定されない。
また、以下では、放射線画像撮影装置として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得る、いわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
また、放射線画像撮影装置が可搬型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明は、支持台等と一体的に形成された固定型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
【0020】
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態では、充電制御回路81(後述する図8参照)が、電子機器としての放射線画像撮影装置1に設けられている場合について説明する。
【0021】
[放射線画像撮影装置の構成例について]
まず、電子機器の一例である放射線画像撮影装置1の構成例について説明する。
図1は、放射線画像撮影装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。
本実施形態において、放射線画像撮影装置1は、いわゆるフラットパネルディテクタ(以下「FPD」という。)を可搬型に構成したカセッテ型FPDであり、放射線画像撮影に用いられ、放射線を検出して当該放射線の線量に応じた画像データを生成して取得するものである。
【0022】
放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4などで構成されるセンサパネルSPが収納されて構成されている。
【0023】
本実施形態において、筐体2のうち、放射線入射面Rを有する中空の角筒状のハウジング本体部2Aは、放射線を透過するカーボン板やプラスチックなどの材料で形成されている。このハウジング本体部2Aの両側の開口部を蓋部材2B、2Cで閉塞することで筐体2が形成されている。
なお、筐体2をこのようないわゆるモノコック型として形成する代わりに、例えば、フロント板とバック板とで形成された、いわゆる弁当箱型とすることも可能である。
【0024】
本実施形態において、筐体2の一方側の蓋部材2Bには、電源スイッチ37や切替スイッチ38などが配置されている。
また、本実施形態において、蓋部材2Bには、内蔵電源24(図2や後述する図3参照)の状態や放射線画像撮影装置1の稼働状態などを表示するLED等で構成されたインジケータ40が配置されている。
【0025】
また、本実施形態において、蓋部材2Bには、クレードル60のコネクタ71(後述する図6や図7参照)と接続可能なコネクタ39が配置されている。このコネクタ39が、クレードル60のコネクタ71と接続することで、充電装置としてのクレードル60から放射線画像撮影装置1に電力が供給されるようになっている。
【0026】
また、図示を省略するが、本実施形態において、筐体2の他方側の蓋部材2Cには、外部装置との間で無線通信を行うためのアンテナ装置41a(後述する図8参照)が、例えば蓋部材2Cに埋め込まれる等して設けられている。
【0027】
図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に鉛の薄板等(図示省略)を介して基台31が配置されている。この基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や内蔵電源24などが取り付けられている。
また、基板4やシンチレータ3の放射線入射面R側の面には、それらを保護するためのガラス基板34が配設されている。
また、本実施形態においては、センサパネルSPと筐体2の側面との間に、それらがぶつかり合うことを防止するための緩衝材35が設けられている。
【0028】
図示を省略するが、基板4の検出部P上には、フォトダイオード等からなる複数の放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列されている。各放射線検出素子7には、スイッチ素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下「TFT」という。)8や走査線5、信号線6、バイアス線9などが接続されている。
また、基板4の検出部Pは、シンチレータ3に対向するように設けられている。
【0029】
次に、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図である。
【0030】
複数の放射線検出素子7が基板4上に二次元状に配列されて検出部Pが形成されている。
また、各放射線検出素子7の第2電極7bにはそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。そして、バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極7bにそれぞれ逆バイアス電圧を印加する。
【0031】
走査駆動回路15では、電源回路15aからゲートドライバ15bに配線15cを介してオン電圧やオフ電圧が供給される。そして、ゲートドライバ15bで走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えて、各TFT8のオン状態とオフ状態とを切り替えることで、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理等を行うように構成されている。
【0032】
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。読み出し回路17は、増幅回路18や相関二重サンプリング回路19などで構成されている。
読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサ21が設けられている。また、読み出しIC16は、A/D変換部20を介して制御手段22に接続されている。
【0033】
そして、例えば、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理の際には、ゲートドライバ15bからオン電圧が印加された走査線5に接続されているTFT8がオン状態になり、オン状態になったTFT8に接続されている放射線検出素子7から信号線6に電荷が放出され、放出された電荷が読み出し回路17の増幅回路18で電荷電圧変換される。
【0034】
そして、増幅回路18の出力側に設けられた相関二重サンプリング回路19で、放射線検出素子7から電荷が放出される前後の増幅回路18からの出力値の差分を算出し、算出した差分をアナログ値の画像データとして出力する。そして、出力されたアナログ値の画像データが、アナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換部20に送信され、A/D変換部20で順次デジタル値の画像データに変換されて出力され、記憶手段23に順次保存される。このようにして、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が順次行われる。
【0035】
制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各機能部の動作等を制御する。
具体的には、制御手段22は、CPU(Central Processing Unit)等により構成される本体制御部22a(後述する図8参照)、ROM(Read Only Memory。図示省略)、RAM(Random Access Memory)22b(後述する図8参照)、入出力インターフェース(図示省略)等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)などにより構成されている。なお、制御手段22は、専用の制御回路で構成されていてもよい。
【0036】
また、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段23が接続されている。
また、本実施形態において、制御手段22には、アンテナ装置41aを有する通信部41(後述する図8参照)や信号処理部25(後述する図8参照)、電源スイッチ37、切替スイッチ38、コネクタ39、インジケータ40なども接続されている。
【0037】
ここで、通信部41は、コンソール101等の外部装置との間で各種信号の送受信を行う。
具体的には、通信部41は、アンテナ装置41aにより、無線アクセスポイント(図示省略)を介して無線方式でコンソール101等の外部装置との間で通信を行うことが可能となっている。
また、通信部41は、放射線画像撮影装置1のコネクタ39とクレードル60のコネクタ71とが接続されている場合に、クレードル60を介して有線方式でコンソール101等の外部装置との間で通信を行うことも可能となっている。
【0038】
また、信号処理部25は、各放射線検出素子7から読み出されA/D変換部20でアナログ値のデータからデジタル値のデータに変換された画像データに所定の信号処理を施すことによって、画像データを外部に送信するのに適した形式のデータに変換する。
すなわち、本実施形態において、各放射線検出素子7から読み出されA/D変換部20でアナログ値のデータからデジタル値のデータに変換された画像データは、信号処理部25で外部に送信するのに適した形式のデータに変換されて、その後、通信部41からコンソール101等の外部装置に送信されるようになっている。
【0039】
また、本実施形態において、制御手段22には、制御手段22や走査駆動回路15、読み出し回路17、記憶手段23、バイアス電源14などの各機能部に電力を供給するための内蔵電源24が接続されている。
なお、本実施形態では、内蔵電源24として、リチウムイオンキャパシタ(LIC)が用いられているが、本発明はこれに限定されるものではない。内蔵電源24は、充電可能な内蔵電源であれば、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスや通常のバッテリや二次電池などであってもよい。
【0040】
なお、図3では図示を省略したが、本実施形態において、内蔵電源24には、内蔵電源24への充電を制御する充電制御回路81(後述する図8参照)が接続されている。この点については、後で詳しく説明する。
【0041】
[クレードルの構成例について]
次に、充電装置の一例であるクレードル60の構成例について説明する。
図4は、クレードル60の外観を示す斜視図である。また、図5は、図4に示すクレードル60に放射線画像撮影装置1が挿入された状態を示した斜視図である。
また、図6および図7は、クレードル60の内部構成を模式的に示した図であり、図6はクレードル60に放射線画像撮影装置1を挿入しようとする状態を示しており、図7はクレードル60に放射線画像撮影装置1を挿入した状態を示している。
【0042】
図4や図5に示すように、クレードル60はほぼ直方体形状に形成され上面に開口部61aを有する筐体61と、この筐体61の開口部61aを被覆する被覆部材62とを備えている。また、筐体61の一端部には、クレードル60を動作させる各種のスイッチ63が設けられている。
【0043】
図6や図7に示すように、筐体61の内部には、筐体61の長手方向に延在し、放射線画像撮影装置1を鉛直方向に収容する装置収容部64が設けられている。また、筐体61には基板65上に配置された各種電子部品66が収納されている。
電子部品66には、例えば放射線画像撮影装置1の充電制御回路81(後述する図8参照)に一定の電圧の直流電圧を供給するために、外部の交流電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータ等を備えた安定化電源回路66a(後述する図8参照)等が含まれている。
【0044】
また、装置収容部64は、装置収容部64の側壁を構成する前側壁部材67と奥側壁部材68とを備えている。前側壁部材67の上端部と奥側壁部材68の上端部とによって放射線画像撮影装置1が挿入される挿入口69(図6参照)が形成されている。放射線画像撮影装置1は、挿入口69から前側壁部材67と奥側壁部材68の間に挿入されるように構成されている。
【0045】
前側壁部材67の内側部には、放射線画像撮影装置1を装置収容部64内部に案内する案内部材67aが取り付けられている。奥側壁部材68の内側面には、緩衝部材68aが長手方向の全面に亘って設けられている。
【0046】
装置収容部64は、その厚み方向の内寸法が放射線画像撮影装置1の厚み方向の外寸法に合わせた寸法となっている。また、装置収容部64内の挿入口69付近には、挿入口69から挿入された放射線画像撮影装置1を一時的に保持する装置保持手段70が配置されている。
【0047】
装置収容部64内の底部には、放射線画像撮影装置1側のコネクタ39と接続可能なクレードル60側のコネクタ71が配置されている。クレードル60側のコネクタ71は、ケーブル(図示省略)を介して電子部品66と電気的に接続されている。
【0048】
本実施形態では、図6に示すように、放射線画像撮影装置1がクレードル60に斜めに挿入されると、放射線画像撮影装置1に押されて挿入口69を被覆する蓋部材72が、被覆部材62に沿って奥側(図中では左側)に退避する。
【0049】
そして、略鉛直方向に向けられた放射線画像撮影装置1が挿入口69から挿入されると、放射線画像撮影装置1のコネクタ39が設けられた側の蓋部材2Bが一旦装置保持手段70に当接して保持された後、図7に示すように装置保持手段70が下方に回動することで、放射線画像撮影装置1が装置収容部64内に収容される。
【0050】
そして、前述したように、装置収容部64の厚み方向の内寸法が放射線画像撮影装置1の厚み方向の外寸法に合わせた寸法となっているため、装置収容部64内に収容された放射線画像撮影装置1側のコネクタ39が、自動的にクレードル60側のコネクタ71に接続可能な位置に適切に位置決めされた状態で接続されるように構成されている。
【0051】
[充電システムの構成例について]
次に、本実施形態に係る充電システム100の構成について説明する。
図8は、充電システム100の構成を概略的に表すブロック図である。
【0052】
図8に示すように、本実施形態において、放射線画像撮影装置1における内蔵電源24と各機能部との間には、電圧検出回路82と電源回路83とが設けられている。
電圧検出回路82は、内蔵電源24の電圧、すなわち内蔵電源24に充電されている充電電圧を検出する電圧検出部として機能する。
電源回路83は、内蔵電源24から供給される電力を供給先の各機能部に適するように、その電圧値等を適宜変換・調整する。
【0053】
また、図8に示すように、本実施形態において、放射線画像撮影装置1におけるコネクタ39と内蔵電源24との間には、充電制御回路81が設けられている。充電制御回路81は、内蔵電源24の電圧が目標電圧(例えば、内蔵電源24の定格電圧)に達するまで定電流充電を行うとともに、内蔵電源24の電圧が目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、内蔵電源24への充電を制御する充電制御部として機能する。
【0054】
また、本実施形態において、放射線画像撮影装置1が備える制御手段22の本体制御部22aは、充電制御回路81による定電流充電時に電圧検出回路82の検出結果に基づいて内蔵電源24の電圧上昇率、すなわち単位時間あたりの電圧上昇値を取得する。また、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて所定の閾値を設定する。そして、取得した内蔵電源24の電圧上昇率と、設定した所定の閾値との比較により内蔵電源24の劣化の程度を判定するように構成されている。
すなわち、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化の程度を判定する判定部として機能する。
【0055】
本実施形態において、所定の閾値は、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているか否かを判定するための使用不可能判定用閾値を含んでいる。
なお、「使用不可能な程度に劣化」とは、内蔵電源24の内部抵抗が増加したり満充電容量が減少したりして、例えば、内蔵電源24をこれ以上充電したり使用したりすると、内蔵電源24が膨らんだり高温になったりする等の危険な状態になる可能性がある程度に、内蔵電源24が劣化していることをいう。したがって、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化している場合、当該内蔵電源24は故障品であると言える。
【0056】
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値を上回る場合に、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定するように構成されている。
【0057】
また、充電制御回路81は、本体制御部22aにより内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定された場合に、内蔵電源24への充電を停止するように構成されている。
【0058】
ここで、使用不可能判定用閾値は、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて設定可能となっている。
具体的には、例えば、使用不可能判定用閾値として、図9等に示す「故障品」の電圧−電圧上昇率特性曲線を基準に決定したΔVth2a(V0≦Vbat<V2)と、ΔVth2aよりも小さいΔVth2b(V2≦Vbat≦V1)との2つの閾値をRAM22b等に予め記憶しておく。そして、例えば図9に示すように、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが下限電圧V0以上であり電圧V2未満であれば、使用不可能判定用閾値ΔVth2aを設定する。また、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが電圧V2以上であり上限電圧V1以下であれば、使用不可能判定用閾値ΔVth2bを設定するように構成することが可能である。この際、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値ΔVth2aまたは使用不可能判定用閾値ΔVth2bを上回る場合に、当該内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定する。
【0059】
なお、図9では、使用不可能判定用閾値としてΔVth2aおよびΔVth2bの2つを予め記憶しておき、当該2つの閾値の中から電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの閾値を選択して設定するように構成したが、これに限定されるものではない。複数の使用不可能判定用閾値の中から内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの閾値を選択して設定することができるのであれば、予め記憶されている使用不可能判定用閾値の個数は任意である。
【0060】
或いは、例えば、使用不可能判定用閾値を算出するための式として、図10等に示す「故障品」の電圧−電圧上昇率特性曲線を基準に決定したΔVth3a=−K3a×Vbat+S3a(V0≦Vbat<V3)と、ΔVth3aよりも傾きが緩やかなΔVth3b=−K3b×Vbat+S3b(V3≦Vbat≦V1)との2つの直線の式がRAM22b等に予め記憶されていてもよい。この場合、例えば図10に示すように、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが下限電圧V0以上であり電圧V3未満であれば、使用不可能判定用閾値を算出するための式ΔVth3a=−K3a×Vbat+S3aに電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatを代入して使用不可能判定用閾値ΔVth3aを算出し、算出した使用不可能判定用閾値ΔVth3aを設定する。また、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが電圧V3以上であり上限電圧V1以下であれば、使用不可能判定用閾値を算出するための式ΔVth3b=−K3b×Vbat+S3bに電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatを代入して使用不可能判定用閾値ΔVth3bを算出し、算出した使用不可能判定用閾値ΔVth3bを設定するように構成することが可能である。この際、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値ΔVth3aまたは使用不可能判定用閾値ΔVth3bを上回る場合に、当該内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定する。
【0061】
なお、図10では、使用不可能判定用閾値を算出するための式としてΔVth3a=−K3a×Vbat+S3aおよびΔVth3b=−K3b×Vbat+S3bの2つ、すなわち負の傾きを持つ直線の式2つを予め記憶しておき、当該2つの式の中から電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの式を選択し、選択した1つの式に基づき使用不可能判定用閾値を算出して設定するように構成したが、これに限定されるものではない。複数の直線の式の中から内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの式を選択し、選択した1つの式に基づき使用不可能判定用閾値を算出して設定することができるのであれば、予め記憶されている使用不可能判定用閾値を算出するための式の個数は任意である。
【0062】
また、使用不可能判定用閾値が、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて設定可能であれば、使用不可能判定用閾値を算出するための式の種類およびその個数は任意である。具体的には、使用不可能判定用閾値を算出するための式は、1つの直線の式(ただし、傾き≠0)であってもよいし、前述したように複数の直線の式の組み合わせであってもよいし、1つの曲線の式であってもよいし、複数の曲線の式の組み合わせであってもよい。
【0063】
また、本実施形態において、所定の閾値は、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているか否かを判定するための交換判定用閾値を含んでいる。
なお、「交換すべき程度に劣化」とは、内蔵電源24の内部抵抗が増加したり満充電容量が減少したりして、例えば、内蔵電源24をこれ以上充電したり使用したりすると、放射線画像撮影装置1の使用の仕方(例えば、使用頻度および1回に使用する時間)を同じとした場合に、内蔵電源24への充電頻度が高くなる等の効率の悪い状態になる可能性がある程度に、内蔵電源24が劣化していることをいう。したがって、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化している場合、当該内蔵電源24は交換必要品であると言える。
【0064】
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値を上回る場合に、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定するように構成されている。
【0065】
また、本体制御部22aは、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定した場合に、当該内蔵電源24が交換時期に達したことをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知するように構成されている。すなわち、インジケータ40は、内蔵電源24が交換時期に達したことを通知する交換時期通知部として機能する。
【0066】
なお、本実施形態では、内蔵電源24が交換時期に達したことをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知するように構成したが、内蔵電源24が交換時期に達したことを通知できるのであれば、これに限定されるものではない。具体的には、例えば、本体制御部22aは、内蔵電源24が交換時期に達したことを、通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。この場合、通信部41が交換時期通知部として機能する。また、コンソール101等の外部装置に、当該通知に応じて内蔵電源24が交換時期に達したことを報知するための報知手段(例えば、表示部等)を備えるように構成することも可能である。
【0067】
ここで、交換判定用閾値は、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて設定可能となっている。
具体的には、例えば、交換判定用閾値として、図11等に示す「交換必要品」の電圧−電圧上昇率特性曲線を基準に決定したΔVth4a(V0≦Vbat<V4)と、ΔVth4aよりも小さいΔVth4b(V4≦Vbat≦V1)との2つの閾値をRAM22b等に予め記憶しておく。そして、例えば図11に示すように、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが下限電圧V0以上であり電圧V4未満であれば、交換判定用閾値ΔVth4aを設定する。また、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが電圧V4以上であり上限電圧V1以下であれば、交換判定用閾値ΔVth4bを設定するように構成することが可能である。この際、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値ΔVth4aまたは交換判定用閾値ΔVth4bを上回る場合に、当該内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定する。
【0068】
なお、図11では、交換判定用閾値としてΔVth4aおよびΔVth4bの2つを予め記憶しておき、当該2つの閾値の中から電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの閾値を選択して設定するように構成したが、これに限定されるものではない。複数の交換判定用閾値の中から内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの閾値を選択して設定することができるのであれば、予め記憶されている交換判定用閾値の個数は任意である。
【0069】
或いは、例えば、交換判定用閾値を算出するための式として、図12等に示す「交換必要品」の電圧−電圧上昇率特性曲線を基準に決定したΔVth5a=−K5a×Vbat+S5a(V0≦Vbat<V5)と、ΔVth5aよりも傾きが緩やかなΔVth5b=−K5b×Vbat+S5b(V5≦Vbat≦V1)との2つの直線の式がRAM22b等に予め記憶されていてもよい。この場合、例えば図12に示すように、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが下限電圧V0以上であり電圧V5未満であれば、交換判定用閾値を算出するための式ΔVth5a=−K5a×Vbat+S5aに電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatを代入して交換判定用閾値ΔVth5aを算出し、算出した交換判定用閾値ΔVth5aを設定する。また、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが電圧V5以上であり上限電圧V1以下であれば、交換判定用閾値を算出するための式ΔVth5b=−K5b×Vbat+S5bに電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatを代入して交換判定用閾値ΔVth5bを算出し、算出した交換判定用閾値ΔVth5bを設定するように構成することが可能である。この際、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値ΔVth5aまたは交換判定用閾値ΔVth5bを上回る場合に、当該内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定する。
【0070】
なお、図12では、交換判定用閾値を算出するための式としてΔVth5a=−K5a×Vbat+S5aおよびΔVth5b=−K5b×Vbat+S5bの2つ、すなわち負の傾きを持つ直線の式2つを予め記憶しておき、当該2つの式の中から電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの式を選択し、選択した1つの式に基づき交換判定用閾値を算出して設定するように構成したが、これに限定されるものではない。複数の直線の式の中から内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの式を選択し、選択した1つの式に基づき交換判定用閾値を算出して設定することができるのであれば、予め記憶されている交換判定用閾値を算出するための式の個数は任意である。
【0071】
また、交換判定用閾値が、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて設定可能であれば、交換判定用閾値を算出するための式の種類およびその個数は任意である。具体的には、交換判定用閾値を算出するための式は、1つの直線の式(ただし、傾き≠0)であってもよいし、前述したように複数の直線の式の組み合わせであってもよいし、1つの曲線の式であってもよいし、複数の曲線の式の組み合わせであってもよい。
【0072】
以下、本実施形態に係る充電システム100および放射線画像撮影装置1の作用について、図13のフローチャートを参照して説明する。
図13は、本実施形態の放射線画像撮影装置1による充電制御に関する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0073】
まず、放射線画像撮影装置1が備える制御手段22の本体制御部22aは、充電制御回路81が定電流充電を行っているか否かを判断する(ステップS101)。
ステップS101で、充電制御回路81が定電流充電を行っていないと判断した場合(ステップS101;No)、本体制御部22aは、ステップS101の処理を繰り返して行う。
【0074】
一方、ステップS101で、充電制御回路81が定電流充電を行っていると判断した場合(ステップS101;Yes)、本体制御部22aは、電圧検出回路82の検出結果に基づいて、内蔵電源24の電圧上昇率および内蔵電源24の電圧を取得する(ステップS102)。
具体的には、本体制御部22aは、第1時点で電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧と、第1時点よりも後の第2時点で電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧と、第1時点から第2時点までに要する時間とに基づいて、単位時間あたりの電圧上昇値である電圧上昇率(=((第2時点での内蔵電源24の電圧)−(第1時点での内蔵電源24の電圧))/(第1時点から第2時点までの時間))を算出して取得する。
また、本体制御部22aは、第2時点で電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧(或いは、第1時点で電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧であってもよい。)を、内蔵電源24の電圧として取得する。
【0075】
次いで、本体制御部22aは、ステップS102で取得した内蔵電源24の電圧に応じて、使用不可能判定用閾値および交換判定用閾値を設定する(ステップS103)。
【0076】
具体的には、例えば、RAM22b等に複数の使用不可能判定用閾値が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の使用不可能判定用閾値のうちステップS102で取得した内蔵電源24の電圧に対応する閾値を設定する。
或いは、例えば、RAM22b等に複数の使用不可能判定用閾値を算出するための式が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の使用不可能判定用閾値を算出するための式のうちステップS102で取得した内蔵電源24の電圧に対応する式を選択し、選択した式に基づき使用不可能判定用閾値を算出して設定する。
【0077】
また、例えば、例えば、RAM22b等に複数の交換判定用閾値が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の交換判定用閾値のうちステップS102で取得した内蔵電源24の電圧に対応する閾値を設定する。
或いは、例えば、RAM22b等に複数の交換判定用閾値を算出するための式が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の交換判定用閾値を算出するための式のうちステップS102で取得した内蔵電源24の電圧に対応する式を選択し、選択した式に基づき交換判定用閾値を算出して設定する。
【0078】
このように、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値を設定するので、内蔵電源24の電圧によらず一定の使用不可能判定用閾値や一定の交換判定用閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているか否かや、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているか否かを、高精度に判定することが可能となる。
【0079】
図9等に示すように、内蔵電源24が劣化していない正常品である場合、すなわち内蔵電源24が新品または新品同様である場合には、内蔵電源24の電圧が下限電圧V0から上限電圧V1へと変化しても、内蔵電源24の電圧上昇率はほぼ一定である。
【0080】
一方、内蔵電源24が劣化して交換すべき状態となった交換必要品である場合、すなわち内蔵電源24の劣化が進行して交換時期に達した場合には、正常品の電圧上昇率よりも電圧上昇率が大きくなるが、内蔵電源24の電圧が高くなるほど、すなわち上限電圧V1に近づくほど、正常品との電圧上昇率の違いが小さくなる。
また、内蔵電源24がさらに劣化して使用不可能な状態となった故障品である場合、すなわち内蔵電源24の劣化がさらに進行して寿命に達した場合には、交換必要品の電圧上昇率よりも電圧上昇率が大きくなるが、内蔵電源24の電圧が高くなるほど、すなわち内蔵電源24の電圧が上限電圧V1に近づくほど、正常品や交換必要品との電圧上昇率の違いが小さくなる。
【0081】
そのため、例えば図17に示すように、交換判定用閾値として、下限電圧V0での電圧上昇率を基準とした一定の交換判定用閾値ΔVth1が設定されると、内蔵電源24が下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合には、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していることを検出することができない。
また、内蔵電源24が下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合でも内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していることを検出できるよう、交換判定用閾値としてΔVth1よりも小さい一定の交換判定用閾値を設定すると、内蔵電源24の電圧が小さい時には特に、内蔵電源24が交換すべき状態でなくても内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると検出されてしまう場合がある。
【0082】
これに対し、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて交換判定用閾値を設定するように構成されている。具体的には、内蔵電源24の電圧が比較的低い場合には、比較的大きな交換判定用閾値ΔVth4aまたはΔVth5aを設定し、内蔵電源24の電圧が比較的高い場合には、比較的小さな交換判定用閾値ΔVth4bまたはΔVth5bを設定するように構成されている。
【0083】
そのため、内蔵電源24の電圧によらず一定の交換判定用閾値が設定される場合に生じる問題、具体的には、内蔵電源24が下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合に内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していることを検出することができないという問題や、内蔵電源24の電圧が小さい場合に内蔵電源24が交換すべき状態でなくても内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると検出されてしまうという問題を、発生し難くすることが可能となる。そのため、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していることを精度良く判定することが可能となる。
【0084】
また、使用不可能判定用閾値として、下限電圧V0での電圧上昇率を基準とした一定の使用不可能判定用閾値(以下「使用不可能判定用閾値A」という。)が設定されると、内蔵電源24が、下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合には、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していることを検出することができない。
また、内蔵電源24が下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合でも内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していることを検出できるよう、使用不可能判定用閾値として使用不可能判定用閾値Aよりも小さい一定の使用不可能判定用閾値を設定すると、内蔵電源24の電圧が小さい時には特に、内蔵電源24が使用不可能な状態でなくても内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると検出されてしまう場合がある。
【0085】
これに対し、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて使用不可能判定用閾値を設定するように構成されている。具体的には、内蔵電源24の電圧が比較的低い場合には、比較的大きな使用不可能判定用閾値ΔVth2aまたはΔVth3aを設定し、内蔵電源24の電圧が比較的高い場合には、比較的小さな使用不可能判定用閾値ΔVth2bまたはΔVth3bを設定するように構成されている。
【0086】
そのため、内蔵電源24の電圧によらず一定の使用不可能判定用閾値が設定される場合に生じる問題、具体的には、内蔵電源24が下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合に内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していることを検出することができないという問題や、内蔵電源24の電圧が小さい場合に内蔵電源24が使用不可能な状態でなくても内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると検出されてしまうという問題を、発生し難くすることが可能となる。そのため、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していることを精度良く判定することが可能となる。
【0087】
次いで、本体制御部22aは、ステップS102で取得した内蔵電源24の電圧上昇率が、ステップS103で設定した使用不可能判定用閾値を上回るか否かを判定する(ステップS104)。
【0088】
ステップS104で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値を上回ると判定した場合(ステップS104;Yes)、本体制御部22aは、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定する(ステップS105)。
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24への充電を停止するよう充電制御回路81に指示するとともに(ステップS106)、内蔵電源24への充電を停止したことをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知して(ステップS107)、本処理を終了する。なお、本体制御部22aは、内蔵電源24への充電を停止したことを通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。
【0089】
前述したように、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて使用不可能判定用閾値を設定するように構成されており、内蔵電源24が使用不可能な状態でなくても内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると検出されてしまうという問題等が発生し難い。そのため、内蔵電源24が使用不可能な状態でないのに内蔵電源24への充電を停止してしまうことを抑制することができる。すなわち、内蔵電源24への充電を無駄に停止してしまうことが少なく、効率よく内蔵電源24への充電を行うことが可能となる。
【0090】
一方、ステップS104で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値を上回らないと判定した場合(ステップS104;No)、本体制御部22aは、ステップS102で取得した内蔵電源24の電圧上昇率が、ステップS103で設定した交換判定用閾値を上回るか否かを判定する(ステップS108)。
【0091】
ステップS108で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値を上回らないと判定した場合(ステップS108;No)、本体制御部22aは、ステップS101の処理に移行する。
【0092】
一方、ステップS108で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値を上回ると判定した場合(ステップS108;Yes)、本体制御部22aは、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定する(ステップS109)。
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24が交換時期に達したことをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知して(ステップS110)、本処理を終了する。なお、本体制御部22aは、内蔵電源24が交換時期に達したことを通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。
【0093】
前述したように、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて交換判定用閾値を設定するように構成されており、内蔵電源24が交換すべき状態でなくても内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると検出されてしまうという問題等が発生し難い。そのため、内蔵電源24が交換すべき状態ではないのに内蔵電源24が交換時期に達したと通知してしまうことを抑制することができる。すなわち、内蔵電源24が交換時期に達したことを無駄に通知してしまうことが少なく、内蔵電源24を無駄に交換してしまう等の問題が生じ難い。
【0094】
ここで、放射線画像撮影装置1に内蔵電源24が着脱自在であり、複数種類の内蔵電源24を放射線画像撮影装置1に着脱可能であれば、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類に応じて、使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値を設定するように構成することも可能である。
内蔵電源24は、その機種等に応じて、満充電容量や充電特性などが異なる場合が多い。そのため、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類(機種等)に応じて使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値を設定することで、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているか否かや、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているか否かを、より高精度に判定することが可能となる。
【0095】
具体的には、例えば、内蔵電源24に、当該内蔵電源24の種類を識別するための識別情報を担持するものを備え、放射線画像撮影装置1に、当該放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24から識別情報を取得するための識別情報取得手段を備えておく。また、放射線画像撮影装置1に着脱可能な内蔵電源24の識別情報や、当該識別情報に対応する使用不可能判定用閾値(或いは、使用不可能判定用閾値を算出するための式)や交換判定用閾値(或いは、交換判定用閾値を算出するための式)などの所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)をRAM22b等に予め記憶しておく。
そして、本体制御部22aは、識別情報取得手段により取得された識別情報に対応する使用不可能判定用閾値(或いは、使用不可能判定用閾値を算出するための式)や交換判定用閾値(或いは、交換判定用閾値を算出するための式)などをRAM22b等から抽出し、抽出した閾値(或いは、抽出した式)に基づいて、ステップS103で使用不可能判定用閾値および交換判定用閾値を設定するように構成することが可能である。
【0096】
なお、内蔵電源24における識別情報担持の構成や、放射線画像撮影装置1の識別情報取得手段の構成は、いかなる構成であってもよい。
例えば、内蔵電源24の外面に当該内蔵電源24の識別情報を担持するバーコードが印字されたバーコードシールを貼付しておけば、バーコード等を読み取って、当該内蔵電源24の識別情報を取得する構成とすることも可能である。また、例えば、内蔵電源24の外形、具体的には内蔵電源24のサイズや内蔵電源24外面に設けられた凹凸の位置・個数や内蔵電源24の外面に設けられた反射板等の位置・個数などを、当該内蔵電源24の識別情報と予め対応付けておけば、内蔵電源24の外形を読み取って、当該内蔵電源24の識別情報を取得する構成とすることも可能である。
【0097】
以上説明した本実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1によれば、放射線画像撮影装置1の本体制御部22aは、充電制御回路81による定電流充電時に電圧検出回路82の検出結果に基づき内蔵電源24の電圧上昇率を取得するとともに、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した内蔵電源24の電圧上昇率と、設定した所定の閾値との比較により内蔵電源24の劣化の程度を判定するように構成されている。
【0098】
したがって、内蔵電源24の電圧に応じて内蔵電源24の劣化の程度を判定するための閾値を設定するので、内蔵電源24の電圧によらず一定の閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24の劣化の程度を高精度に判定することが可能となる。
【0099】
また、以上説明した本実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1によれば、所定の閾値は、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているか否かを判定するための使用不可能判定用閾値を含み、放射線画像撮影装置1の本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値を上回る場合に、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定し、充電制御回路81は、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定された場合に、当該内蔵電源24への充電を停止するように構成されている。
【0100】
したがって、内蔵電源24の電圧に応じて使用不可能判定用閾値を設定するので、内蔵電源24の電圧によらず一定の使用不可能判定用閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているか否かを高精度に判定することが可能となる。
また、充電制御回路81は、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定された場合に、当該内蔵電源24への充電を停止するので、内蔵電源24が膨らんだり高温になったりする等の危険な状態になることを防止することが可能となる。
【0101】
また、以上説明した本実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1によれば、所定の閾値は、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているか否かを判定するための交換判定用閾値を含み、放射線画像撮影装置1の本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値を上回る場合に、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定し、交換時期通知部としてのインジケータ40(或いは、通信部41であってもよい。)は、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定された場合に、内蔵電源24が交換時期に達したことを通知するように構成されている。
【0102】
したがって、内蔵電源24の電圧に応じて交換判定用閾値を設定するので、内蔵電源24の電圧によらず一定の交換判定用閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているか否かを高精度に判定することが可能となる。
また、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定された場合に、内蔵電源24が交換時期に達したことを通知するので、放射線技師等の操作者(或いは、コンソール101等の外部装置)は、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していることを認識することが可能となる。これにより、内蔵電源24への充電頻度が高くなる等の効率の悪い状態になる前に、内蔵電源24を交換すること等が可能となる。
【0103】
また、以上説明した本実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1によれば、放射線画像撮影装置1の本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧と、内蔵電源24の種類との双方に応じて所定の閾値を設定可能である。
【0104】
内蔵電源24は、その種類(機種等)に応じて、満充電容量や充電特性などが異なる場合が多い。そのため、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類(機種等)に応じて使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値などの所定の閾値を設定可能とすることで、内蔵電源24の劣化の程度をより高精度に判定することが可能となる。
【0105】
なお、第1実施形態では、内蔵電源24の劣化の程度を判定するための所定の閾値に、使用不可能判定用閾値と交換判定用閾値との両方が含まれることとして説明したが、これに限定されるものではなく、所定の閾値には、使用不可能判定用閾値と交換判定用閾値とのうち少なくともいずれか一方が含まれていればよい。
すなわち、判定部としての本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化の程度として、使用不可能な程度に劣化していることと、交換すべき程度に劣化していることとのうち少なくともいずれか一方を判定できればよい。
【0106】
また、所定の閾値には、使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値以外の閾値が含まれていてもよい。無論、この場合、所定の閾値に含まれる使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値以外の閾値も、使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値と同様、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて、或いは、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧と、内蔵電源24の種類との双方に応じて設定される。
【0107】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1について説明する。
なお、第2実施形態においては、内蔵電源24の劣化レベルを判定する点が、第1実施形態と異なる。したがって、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0108】
本実施形態において、所定の閾値は、内蔵電源24の劣化レベルに応じた複数種類の劣化レベル判定用閾値を含んでいる。
なお、本実施形態では、内蔵電源24の劣化レベルとして劣化レベル1〜劣化レベル3の3つの劣化レベルを用いて説明するが、内蔵電源24の劣化レベルの個数は3つに限ることはなく、複数であれば任意である。
【0109】
具体的には、本実施形態において、所定の閾値は、劣化レベル1を判定するためを劣化レベル1判定用閾値と、劣化レベル1よりも劣化の進行度が高い劣化レベル2を判定するための劣化レベル2判定用閾値と、劣化レベル2よりも劣化の進行度が高い劣化レベル3を判定するための劣化レベル3判定用閾値とを含んでいる。
すなわち、複数の劣化レベル1判定用閾値、或いは1つまたは複数の劣化レベル1判定用閾値を算出するための式と、複数の劣化レベル2判定用閾値、或いは1つまたは複数の劣化レベル2判定用閾値を算出するための式と、複数の劣化レベル3判定用閾値、或いは1つまたは複数の劣化レベル3判定用閾値を算出するための式とが、RAM22b等に予め記憶されている。
【0110】
なお、本実施形態では、劣化レベル1を、内蔵電源24が交換すべき程度ではないが劣化しているレベル、劣化レベル2を、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているレベル、劣化レベル3を、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているレベルとするが、各劣化レベルは、これに限定されるものではない。
すなわち、本実施形態の場合、劣化レベル2判定用閾値は、第1実施形態の交換時期判定用閾値と同じであり、劣化レベル3判定用閾値は、第1実施形態の使用不可能判定用閾値と同じである。
【0111】
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率と、内蔵電源24の電圧に応じて設定した各種の劣化レベル判定用閾値との比較により、内蔵電源24の劣化の程度として該当する劣化レベルを判定するように構成されている。
【0112】
また、本体制御部22aは、判定した内蔵電源24の劣化レベルをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知するように構成されている。すなわち、インジケータ40は、内蔵電源24の劣化レベルを通知する劣化レベル通知部として機能する。
【0113】
なお、本実施形態では、内蔵電源24の劣化レベルをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知するように構成したが、内蔵電源24の劣化レベルを通知できるのであれば、これに限定されるものではない。具体的には、例えば、本体制御部22aは、判定した内蔵電源24の劣化レベルを、通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。この場合、通信部41が劣化レベル通知部として機能する。また、コンソール101等の外部装置に、当該通知に応じて内蔵電源24の劣化レベルを報知するための報知手段(例えば、表示部等)を備えるように構成することも可能である。
【0114】
以下、本実施形態に係る充電システム100および放射線画像撮影装置1の作用について、図14のフローチャートを参照して説明する。
図14は、本実施形態の放射線画像撮影装置1による充電制御に関する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0115】
まず、放射線画像撮影装置1が備える制御手段22の本体制御部22aは、充電制御回路81が定電流充電を行っているか否かを判断する(ステップS201)。
ステップS201で、充電制御回路81が定電流充電を行っていないと判断した場合(ステップS201;No)、本体制御部22aは、ステップS201の処理を繰り返して行う。
【0116】
一方、ステップS201で、充電制御回路81が定電流充電を行っていると判断した場合(ステップS201;Yes)、本体制御部22aは、電圧検出回路82の検出結果に基づいて、内蔵電源24の電圧上昇率および内蔵電源24の電圧を取得する(ステップS202)。
【0117】
次いで、本体制御部22aは、ステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に応じて、劣化レベル1判定用閾値、劣化レベル2判定用閾値および劣化レベル3判定用閾値を設定する(ステップS203)。
【0118】
具体的には、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル1判定用閾値が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル1判定用閾値のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する閾値を設定する。
或いは、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル1判定用閾値を算出するための式が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル1判定用閾値を算出するための式のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する式を選択し、選択した式に基づき劣化レベル1判定用閾値を算出して設定する。
【0119】
また、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル2判定用閾値が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル2判定用閾値のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する閾値を設定する。
或いは、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル2判定用閾値を算出するための式が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル2判定用閾値を算出するための式のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する式を選択し、選択した式に基づき劣化レベル2判定用閾値を算出して設定する。
【0120】
また、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル3判定用閾値が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル3判定用閾値のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する閾値を設定する。
或いは、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル3判定用閾値を算出するための式が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル3判定用閾値を算出するための式のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する式を選択し、選択した式に基づき劣化レベル3判定用閾値を算出して設定する。
【0121】
このように、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて劣化レベル1判定用閾値や劣化レベル2判定用閾値や劣化レベル3判定用閾値を設定するので、内蔵電源24の電圧によらず一定の劣化レベル1判定用閾値や一定の劣化レベル2判定用閾値や一定の劣化レベル3判定用閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24の劣化レベルを高精度に判定することが可能となる。
【0122】
次いで、本体制御部22aは、ステップS202で取得した内蔵電源24の電圧上昇率が、ステップS203で設定した劣化レベル3判定用閾値を上回るか否かを判定する(ステップS204)。
【0123】
ステップS204で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル3判定用閾値を上回ると判定した場合(ステップS204;Yes)、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル3であると判定する(ステップS205)。
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル3であることをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知して(ステップS206)、本処理を終了する。なお、本実施形態において、劣化レベル3は、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているレベルであるので、本体制御部22aは、劣化レベル3である旨の通知とともに、内蔵電源24への充電を停止するよう充電制御回路81に指示するように構成することも可能である。なお、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル3であることを通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。
【0124】
一方、ステップS204で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル3判定用閾値を上回らないと判定した場合(ステップS204;No)、本体制御部22aは、ステップS202で取得した内蔵電源24の電圧上昇率が、ステップS203で設定した劣化レベル2判定用閾値を上回るか否かを判定する(ステップS207)。
【0125】
ステップS207で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル2判定用閾値を上回ると判定した場合(ステップS207;Yes)、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル2であると判定する(ステップS208)。
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル2であることをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知して(ステップS209)、本処理を終了する。なお、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル2であることを通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。
【0126】
一方、ステップS207で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル2判定用閾値を上回らないと判定した場合(ステップS207;No)、本体制御部22aは、ステップS202で取得した内蔵電源24の電圧上昇率が、ステップS203で設定した劣化レベル1判定用閾値を上回るか否かを判定する(ステップS210)。
【0127】
ステップS210で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル1判定用閾値を上回らないと判定した場合(ステップS210;No)、本体制御部22aは、ステップS201の処理に移行する。
【0128】
一方、ステップS210で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル1判定用閾値を上回ると判定した場合(ステップS210;Yes)、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル1であると判定する(ステップS211)。
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル1であることをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知して(ステップS212)、本処理を終了する。なお、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル1であることを通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。
【0129】
ここで、放射線画像撮影装置1に内蔵電源24が着脱自在であり、複数種類の内蔵電源24を放射線画像撮影装置1に着脱可能であれば、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類に応じて、劣化レベル1判定用閾値や劣化レベル2判定用閾値や劣化レベル3判定用閾値を設定するように構成することも可能である。
このように、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類(機種等)に応じて劣化レベル1判定用閾値や劣化レベル2判定用閾値や劣化レベル3判定用閾値を設定することで、内蔵電源24の劣化レベルをより高精度に判定することが可能となる。
【0130】
なお、この他の点は第1実施形態で示した作用と同様であるので、その説明は省略する。
【0131】
以上説明した本実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1によれば、所定の閾値は、内蔵電源24の劣化レベルに応じた複数種類の劣化レベル判定用閾値を含み、放射線画像撮影装置1の本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率と、内蔵電源24の電圧に応じて設定した各種の劣化レベル判定用閾値との比較により、内蔵電源24の劣化の程度として該当する劣化レベルを判定し、劣化レベル通知部としてのインジケータ40(或いは、通信部41であってもよい。)は、判定された内蔵電源24の劣化レベルを通知するように構成されている。
【0132】
したがって、内蔵電源24の電圧に応じて各種の劣化レベル判定用閾値(本実施形態の場合、劣化レベル1判定用閾値〜劣化レベル3判定用閾値)を設定するので、各種の劣化レベル判定用閾値として内蔵電源24の電圧によらず一定の閾値がそれぞれ設定される場合と比較して、内蔵電源24の劣化レベルを高精度に判定することが可能となる。
また、判定された内蔵電源24の劣化レベルを通知するので、放射線技師等の操作者(或いは、コンソール101等の外部装置)は、内蔵電源24の劣化レベルを認識することが可能となる。
【0133】
なお、この他の点は第1実施形態で示した効果と同様であるので、その説明は省略する。
【0134】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨から逸脱しない限り、適宜変更可能であることはいうまでもない。
【0135】
例えば、上記の第1実施形態および第2実施形態では、充電制御部としての充電制御回路81を電子機器である放射線画像撮影装置1に設ける場合について説明したが、例えば図8に対応する図15に示すように、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置であるクレードル60に設けるように構成することも可能である。この場合、例えば、クレードル60の筐体61(図7等参照)内部の基板65上の、各種電子部品66が収納されている部分に充電制御回路81を設けることが可能である。
【0136】
このように、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置であるクレードル60に設ける場合、当該充電制御回路81が内蔵電源24の劣化の程度を判定する判定部としても機能するように構成することも可能であるし、判定部として機能する制御部等を充電装置であるクレードル60に別途備えるように構成することも可能である。
【0137】
また、図15では、電圧検出部としての電圧検出回路82も充電装置であるクレードル60に設けるように構成したが、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置であるクレードル60に設ける場合、電圧検出部としての電圧検出回路82は、電子機器である放射線画像撮影装置1に設けるように構成することも可能であるし、充電装置であるクレードル60に設けるように構成することも可能である。なお、電圧検出回路82をクレードル60に設ける場合、例えば、クレードル60の筐体61(図7等参照)内部の基板65上の、各種電子部品66が収納されている部分に電圧検出回路82を設けることが可能である。
【0138】
ここで、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置であるクレードル60に設ける場合、例えば、電子機器である放射線画像撮影装置1に、当該放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の種類を識別するための識別情報を担持するものを備え、クレードル60に、放射線画像撮影装置1から識別情報を取得するための識別情報取得手段を備えておく。また、クレードル60に、クレードル60に挿入可能な放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の識別情報や、当該識別情報に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)を予め記憶しておく。そして、クレードル60側で、識別情報取得手段により取得された識別情報に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)を抽出し、抽出した所定の閾値(或いは、抽出した式)に基づいて、所定の閾値を設定するように構成することも可能である。これにより、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類と、内蔵電源24の電圧との双方に応じて、所定の閾値を設定するように構成することが可能となる。
また、例えば、クレードル60が、クレードル60側のコネクタ71および放射線画像撮影装置1側のコネクタ39を介して放射線画像撮影装置1との間で通信を行って、当該放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の種類を識別するための識別情報を取得するように構成することも可能である。これにより、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類と、内蔵電源24の電圧との双方に応じて、所定の閾値を設定するように構成することが可能となる。
【0139】
また、電子機器である放射線画像撮影装置1や充電装置であるクレードル60とは別に、充電制御部としての充電制御回路81を備える充電制御装置を備えるように構成することも可能である。この場合、例えば、内蔵電源24の充電時に、充電制御部としての充電制御回路81を備える充電制御装置を、電子機器である放射線画像撮影装置1と充電装置であるクレードル60との間に配置等することによって、当該充電制御装置を介して充電装置であるクレードル60から電子機器である放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24へと電力が供給される。
この場合、電圧検出部としての電圧検出回路82は、充電制御部としての充電制御回路81を備える充電制御装置に設けるように構成することも可能であるし、電子機器である放射線画像撮影装置1に設けるように構成することも可能であるし、充電装置であるクレードル60に設けるように構成することも可能である。
【0140】
ここで、充電制御部としての充電制御回路81を備える充電制御装置を備える場合、例えば、電子機器である放射線画像撮影装置1に、当該放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の種類を識別するための識別情報を担持するものを備え、当該充電制御装置に、放射線画像撮影装置1から識別情報を取得するための識別情報取得手段を備えておく。また、当該充電制御装置に、当該充電制御装置に接続可能な放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の識別情報や、当該識別情報に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)を予め記憶しておく。そして、当該充電制御装置側で、識別情報取得手段により取得された識別情報に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)を抽出し、抽出した所定の閾値(或いは、抽出した式)に基づいて、所定の閾値を設定するように構成することも可能である。これにより、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類と、内蔵電源24の電圧との双方に応じて、所定の閾値を設定するように構成することが可能となる。
また、例えば、当該充電制御装置が、放射線画像撮影装置1との間で通信を行って、当該放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の種類を識別するための識別情報を取得するように構成することも可能である。これにより、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類と、内蔵電源24の電圧との双方に応じて、所定の閾値を設定するように構成することが可能となる。
【0141】
また、上記の各実施形態(第1実施形態、第2実施形態、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置に設けるように構成する実施形態)では、内蔵電源24の電圧が目標電圧に達すると同時に直ちに定電流充電から定電圧充電に切り替わるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、内蔵電源24の電圧が目標電圧に近づくにつれて徐々に充電電流を下げてゆき、緩やかに定電流充電から定電圧充電に切り替わるように構成することも可能である。
すなわち、本発明でいう「内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、内蔵電源の電圧が目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて」には、内蔵電源24の電圧が目標電圧に達すると同時に直ちに定電流充電から定電圧充電に切り替わる場合も、内蔵電源24の電圧が目標電圧に近づくにつれて徐々に充電電流を下げてゆき、緩やかに定電流充電から定電圧充電に切り替わる場合も含まれる。
【0142】
緩やかに定電流充電から定電圧充電に切り替わるように構成する場合、徐々に充電電流を下げていく段階で、電圧上昇率も徐々に低下していく。そのため、劣化の程度を判定するための所定の閾値(例えば、使用不可能判定用閾値、交換判定用閾値、劣化レベル1判定用閾値〜劣化レベル3判定用閾値等)として、内蔵電源24の電圧に応じた充電電流の低下に対応可能な所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)を記憶しておく。具体的には、例えば、各充電電流に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)をRAM22b等に予め記憶しておく。そして、ステップS102やステップS202で内蔵電源24の電圧として第2時点での内蔵電源24の電圧(或いは、第1時点での内蔵電源24の電圧であってもよい。)を取得する際に、第2時点での充電電流(或いは、第1時点での充電電流であってもよい。)も取得し、取得した充電電流に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)をRAM22b等から抽出する。そして、抽出した所定の閾値(或いは、抽出した式)に基づいて、所定の閾値を設定する。すなわち、所定の閾値を抽出した場合には、抽出した所定の閾値の中から内蔵電源24の電圧に応じた所定の閾値を選択して設定し、所定の閾値を算出するための式を抽出した場合には、抽出した式の中から内蔵電源24の電圧に応じた式を選択し、選択した式に基づき所定の閾値を算出して設定するように構成することも可能である。このように構成することで、内蔵電源24の電圧が目標電圧に近づいても、内蔵電源24の電圧によらず一定の閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24の劣化の程度を高精度に判定することが可能となる。
【0143】
また、上記の各実施形態(第1実施形態、第2実施形態、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置に設けるように構成する実施形態)では、電子機器が放射線画像撮影装置1であり、充電装置がクレードル60である場合について説明したが、この他にも、充電可能な内蔵電源24を内蔵する電子機器であれば、ノート型パソコンや携帯電話、携帯情報端末などについても本発明を適用することが可能である。また、それらの充電装置についても本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0144】
1 放射線画像撮影装置(電子機器)
22a 本体制御部(判定部)
24 内蔵電源
40 インジケータ(交換時期通知部、劣化レベル通知部)
60 クレードル(充電装置)
71 通信部(交換時期通知部、劣化レベル通知部)
81 充電制御回路(充電制御部)
82 電圧検出回路(電圧検出部)
100 充電システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システム、電子機器および充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に内蔵された充電可能な内蔵電源(「キャパシタ」や「バッテリ」、「二次電池」、「蓄電デバイス」などともいう。)を充電するための充電装置や充電制御装置などが種々開発されている(例えば特許文献1〜4等参照)。
【0003】
このような充電装置等は、例えば図16(A),(B)に示すように、内蔵電源の電圧が目標電圧V1(以下「上限電圧V1」ともいう。)に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行うとともに、内蔵電源の電圧が目標電圧V1に達した場合に当該内蔵電源の電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、内部電源への充電を制御する充電制御部を備えるように構成されている場合がある。或いは、電子機器側に、このような充電制御部が設けられている場合もある。
【0004】
ところで、内蔵電源が劣化すると、内部抵抗が増加したり、満充電容量が減少したりする。そのため、内蔵電源は、その使用温度環境と使用する電圧と使用頻度から予め交換周期を予測し当該交換周期に応じて交換されたり、或いは、内蔵電源の劣化をリアルタイムで判定し当該判定結果に基づいて交換されたりしている(例えば特許文献5参照)。
【0005】
特許文献5には、内蔵電源(キャパシタ)の劣化をリアルタイムで判定する手法として、キャパシタの電圧(キャパシタ電圧)の上昇の傾きからキャパシタの劣化を判定する手法等が提案されている。
具体的には、劣化により満充電容量(キャパシタ容量)が低下すると充電できる電荷量が少なくなる。したがって、充電電流を同じとした場合には、例えば図16に破線で示すように、キャパシタ電圧の上昇が早くなる。そのため、キャパシタ電圧の電圧上昇の傾きが所定の閾値よりも大きいときはキャパシタが劣化していると判定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−77501号公報
【特許文献2】特開2008−104270号公報
【特許文献3】特開2007−306654号公報
【特許文献4】特開2006−33917号公報
【特許文献5】特開2008−43174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図16に破線で示すように、キャパシタが劣化すると、定電流充電時におけるキャパシタ電圧の電圧上昇の傾き、すなわち単位時間あたりの電圧上昇値である電圧上昇率が一定でなくなってくる。すなわち、キャパシタが劣化すると、キャパシタの電圧上昇率はキャパシタ電圧に応じて変化するようになる。そのため、キャパシタの劣化を判定するための閾値として、キャパシタ電圧によらず一定の閾値が設定されると、キャパシタの劣化を精度よく判定することができない。
【0008】
具体的には、例えば図17に示すように、キャパシタが劣化していない正常品である場合、すなわちキャパシタが新品または新品同様である場合には、キャパシタ電圧が下限電圧V0から上限電圧V1へと変化しても、キャパシタの電圧上昇率はほぼ一定である。
【0009】
一方、キャパシタが劣化して交換すべき状態となった交換必要品である場合、すなわちキャパシタの劣化が進行して交換時期に達した場合には、正常品の電圧上昇率よりも電圧上昇率が大きくなるが、キャパシタ電圧が高くなるほど、すなわち上限電圧V1に近づくほど、正常品との電圧上昇率の違いが小さくなる。
また、キャパシタがさらに劣化して使用不可能な状態となった故障品である場合、すなわちキャパシタの劣化がさらに進行して寿命に達した場合には、交換必要品の電圧上昇率よりも電圧上昇率が大きくなるが、キャパシタ電圧が高くなるほど、すなわちキャパシタ電圧が上限電圧V1に近づくほど、正常品や交換必要品との電圧上昇率の違いが小さくなる。
【0010】
そのため、キャパシタの劣化を判定するための閾値として、下限電圧V0での電圧上昇率を基準とした一定の閾値が設定されると、キャパシタが、下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合には、キャパシタの劣化を検出することができない。
具体的には、例えば図17に示すように、キャパシタが交換時期に達したことを判定するための閾値として、下限電圧V0での電圧上昇率を基準とした一定の閾値ΔVth1が設定されたとする。この場合、キャパシタが下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされていると、キャパシタが交換時期に達していることを検出することができない。
【0011】
また、下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような場合でもキャパシタの劣化を検出できるよう、キャパシタの劣化を判定するための閾値として、下限電圧V0での電圧上昇率を基準とした一定の閾値よりも小さい一定の閾値を設定すると、キャパシタの劣化が無駄に検出されてしまう場合がある。
具体的には、キャパシタが交換時期に達したことを判定するための閾値としてΔVth1よりも小さい一定の閾値が設定されたとする。この場合、キャパシタの電圧が小さい時には特に、キャパシタが交換時期に達していなくても交換時期に達したと検出されてしまう場合がある。
【0012】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、キャパシタの劣化の程度を精度よく判定することが可能な充電システム、電子機器および充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の問題を解決するために、本発明の充電システムは、
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器と、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、
前記充電制御部を介して前記内蔵電源に電力を供給する充電装置と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、取得した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電子機器は、
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器において、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、設定した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の充電装置は、
電子機器が内蔵する内蔵電源に電力を供給する充電装置において、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、設定した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のような方式の充電システム、電子機器および充電装置によれば、内蔵電源の電圧に応じて内蔵電源の劣化の程度を判定するための閾値を設定するので、内蔵電源の電圧によらず一定の閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源の劣化の程度を高精度に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電子機器の例としての放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】図1の放射線画像撮影装置の回路構成を表すブロック図である。
【図4】充電装置の例としてのクレードルの外観を示す斜視図である。
【図5】図4に示すクレードルに放射線画像撮影装置が挿入された状態を示した斜視図である。
【図6】図4のクレードルの内部構成を模式的に示した図であり、クレードルに放射線画像撮影装置を挿入しようとする状態を示している。
【図7】図4のクレードルの内部構成を模式的に示した図であり、クレードルに放射線画像撮影装置が挿入された状態を示している。
【図8】充電システムの構成を概略的に表すブロック図である。
【図9】使用不可能判定用閾値の設定の仕方の一例を示す図である。
【図10】使用不可能判定用閾値の設定の仕方の他の一例を示す図である。
【図11】交換判定用閾値の設定の仕方の一例を示す図である。
【図12】交換判定用閾値の設定の仕方の他の一例を示す図である。
【図13】第1実施形態における充電制御に関する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図14】第2実施形態における充電制御に関する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図15】充電システムの構成の変形例を概略的に表すブロック図であり、充電制御回路等を充電装置であるクレードルに設けた場合を示す図である。
【図16】定電流充電および定電圧充電について説明するための図である。
【図17】内蔵電源の劣化について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明を適用可能な実施形態はこれに限定されるものではない。また、本発明は図示例に限定されるものでもない。
【0019】
なお、以下では、電子機器が放射線画像撮影装置であり、充電装置がクレードルである場合について説明するが、本発明は、この形態に限定されない。
また、以下では、放射線画像撮影装置として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得る、いわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
また、放射線画像撮影装置が可搬型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明は、支持台等と一体的に形成された固定型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
【0020】
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態では、充電制御回路81(後述する図8参照)が、電子機器としての放射線画像撮影装置1に設けられている場合について説明する。
【0021】
[放射線画像撮影装置の構成例について]
まず、電子機器の一例である放射線画像撮影装置1の構成例について説明する。
図1は、放射線画像撮影装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。
本実施形態において、放射線画像撮影装置1は、いわゆるフラットパネルディテクタ(以下「FPD」という。)を可搬型に構成したカセッテ型FPDであり、放射線画像撮影に用いられ、放射線を検出して当該放射線の線量に応じた画像データを生成して取得するものである。
【0022】
放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4などで構成されるセンサパネルSPが収納されて構成されている。
【0023】
本実施形態において、筐体2のうち、放射線入射面Rを有する中空の角筒状のハウジング本体部2Aは、放射線を透過するカーボン板やプラスチックなどの材料で形成されている。このハウジング本体部2Aの両側の開口部を蓋部材2B、2Cで閉塞することで筐体2が形成されている。
なお、筐体2をこのようないわゆるモノコック型として形成する代わりに、例えば、フロント板とバック板とで形成された、いわゆる弁当箱型とすることも可能である。
【0024】
本実施形態において、筐体2の一方側の蓋部材2Bには、電源スイッチ37や切替スイッチ38などが配置されている。
また、本実施形態において、蓋部材2Bには、内蔵電源24(図2や後述する図3参照)の状態や放射線画像撮影装置1の稼働状態などを表示するLED等で構成されたインジケータ40が配置されている。
【0025】
また、本実施形態において、蓋部材2Bには、クレードル60のコネクタ71(後述する図6や図7参照)と接続可能なコネクタ39が配置されている。このコネクタ39が、クレードル60のコネクタ71と接続することで、充電装置としてのクレードル60から放射線画像撮影装置1に電力が供給されるようになっている。
【0026】
また、図示を省略するが、本実施形態において、筐体2の他方側の蓋部材2Cには、外部装置との間で無線通信を行うためのアンテナ装置41a(後述する図8参照)が、例えば蓋部材2Cに埋め込まれる等して設けられている。
【0027】
図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に鉛の薄板等(図示省略)を介して基台31が配置されている。この基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や内蔵電源24などが取り付けられている。
また、基板4やシンチレータ3の放射線入射面R側の面には、それらを保護するためのガラス基板34が配設されている。
また、本実施形態においては、センサパネルSPと筐体2の側面との間に、それらがぶつかり合うことを防止するための緩衝材35が設けられている。
【0028】
図示を省略するが、基板4の検出部P上には、フォトダイオード等からなる複数の放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列されている。各放射線検出素子7には、スイッチ素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下「TFT」という。)8や走査線5、信号線6、バイアス線9などが接続されている。
また、基板4の検出部Pは、シンチレータ3に対向するように設けられている。
【0029】
次に、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図である。
【0030】
複数の放射線検出素子7が基板4上に二次元状に配列されて検出部Pが形成されている。
また、各放射線検出素子7の第2電極7bにはそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。そして、バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極7bにそれぞれ逆バイアス電圧を印加する。
【0031】
走査駆動回路15では、電源回路15aからゲートドライバ15bに配線15cを介してオン電圧やオフ電圧が供給される。そして、ゲートドライバ15bで走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えて、各TFT8のオン状態とオフ状態とを切り替えることで、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理等を行うように構成されている。
【0032】
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。読み出し回路17は、増幅回路18や相関二重サンプリング回路19などで構成されている。
読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサ21が設けられている。また、読み出しIC16は、A/D変換部20を介して制御手段22に接続されている。
【0033】
そして、例えば、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理の際には、ゲートドライバ15bからオン電圧が印加された走査線5に接続されているTFT8がオン状態になり、オン状態になったTFT8に接続されている放射線検出素子7から信号線6に電荷が放出され、放出された電荷が読み出し回路17の増幅回路18で電荷電圧変換される。
【0034】
そして、増幅回路18の出力側に設けられた相関二重サンプリング回路19で、放射線検出素子7から電荷が放出される前後の増幅回路18からの出力値の差分を算出し、算出した差分をアナログ値の画像データとして出力する。そして、出力されたアナログ値の画像データが、アナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換部20に送信され、A/D変換部20で順次デジタル値の画像データに変換されて出力され、記憶手段23に順次保存される。このようにして、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が順次行われる。
【0035】
制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各機能部の動作等を制御する。
具体的には、制御手段22は、CPU(Central Processing Unit)等により構成される本体制御部22a(後述する図8参照)、ROM(Read Only Memory。図示省略)、RAM(Random Access Memory)22b(後述する図8参照)、入出力インターフェース(図示省略)等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)などにより構成されている。なお、制御手段22は、専用の制御回路で構成されていてもよい。
【0036】
また、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段23が接続されている。
また、本実施形態において、制御手段22には、アンテナ装置41aを有する通信部41(後述する図8参照)や信号処理部25(後述する図8参照)、電源スイッチ37、切替スイッチ38、コネクタ39、インジケータ40なども接続されている。
【0037】
ここで、通信部41は、コンソール101等の外部装置との間で各種信号の送受信を行う。
具体的には、通信部41は、アンテナ装置41aにより、無線アクセスポイント(図示省略)を介して無線方式でコンソール101等の外部装置との間で通信を行うことが可能となっている。
また、通信部41は、放射線画像撮影装置1のコネクタ39とクレードル60のコネクタ71とが接続されている場合に、クレードル60を介して有線方式でコンソール101等の外部装置との間で通信を行うことも可能となっている。
【0038】
また、信号処理部25は、各放射線検出素子7から読み出されA/D変換部20でアナログ値のデータからデジタル値のデータに変換された画像データに所定の信号処理を施すことによって、画像データを外部に送信するのに適した形式のデータに変換する。
すなわち、本実施形態において、各放射線検出素子7から読み出されA/D変換部20でアナログ値のデータからデジタル値のデータに変換された画像データは、信号処理部25で外部に送信するのに適した形式のデータに変換されて、その後、通信部41からコンソール101等の外部装置に送信されるようになっている。
【0039】
また、本実施形態において、制御手段22には、制御手段22や走査駆動回路15、読み出し回路17、記憶手段23、バイアス電源14などの各機能部に電力を供給するための内蔵電源24が接続されている。
なお、本実施形態では、内蔵電源24として、リチウムイオンキャパシタ(LIC)が用いられているが、本発明はこれに限定されるものではない。内蔵電源24は、充電可能な内蔵電源であれば、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスや通常のバッテリや二次電池などであってもよい。
【0040】
なお、図3では図示を省略したが、本実施形態において、内蔵電源24には、内蔵電源24への充電を制御する充電制御回路81(後述する図8参照)が接続されている。この点については、後で詳しく説明する。
【0041】
[クレードルの構成例について]
次に、充電装置の一例であるクレードル60の構成例について説明する。
図4は、クレードル60の外観を示す斜視図である。また、図5は、図4に示すクレードル60に放射線画像撮影装置1が挿入された状態を示した斜視図である。
また、図6および図7は、クレードル60の内部構成を模式的に示した図であり、図6はクレードル60に放射線画像撮影装置1を挿入しようとする状態を示しており、図7はクレードル60に放射線画像撮影装置1を挿入した状態を示している。
【0042】
図4や図5に示すように、クレードル60はほぼ直方体形状に形成され上面に開口部61aを有する筐体61と、この筐体61の開口部61aを被覆する被覆部材62とを備えている。また、筐体61の一端部には、クレードル60を動作させる各種のスイッチ63が設けられている。
【0043】
図6や図7に示すように、筐体61の内部には、筐体61の長手方向に延在し、放射線画像撮影装置1を鉛直方向に収容する装置収容部64が設けられている。また、筐体61には基板65上に配置された各種電子部品66が収納されている。
電子部品66には、例えば放射線画像撮影装置1の充電制御回路81(後述する図8参照)に一定の電圧の直流電圧を供給するために、外部の交流電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータ等を備えた安定化電源回路66a(後述する図8参照)等が含まれている。
【0044】
また、装置収容部64は、装置収容部64の側壁を構成する前側壁部材67と奥側壁部材68とを備えている。前側壁部材67の上端部と奥側壁部材68の上端部とによって放射線画像撮影装置1が挿入される挿入口69(図6参照)が形成されている。放射線画像撮影装置1は、挿入口69から前側壁部材67と奥側壁部材68の間に挿入されるように構成されている。
【0045】
前側壁部材67の内側部には、放射線画像撮影装置1を装置収容部64内部に案内する案内部材67aが取り付けられている。奥側壁部材68の内側面には、緩衝部材68aが長手方向の全面に亘って設けられている。
【0046】
装置収容部64は、その厚み方向の内寸法が放射線画像撮影装置1の厚み方向の外寸法に合わせた寸法となっている。また、装置収容部64内の挿入口69付近には、挿入口69から挿入された放射線画像撮影装置1を一時的に保持する装置保持手段70が配置されている。
【0047】
装置収容部64内の底部には、放射線画像撮影装置1側のコネクタ39と接続可能なクレードル60側のコネクタ71が配置されている。クレードル60側のコネクタ71は、ケーブル(図示省略)を介して電子部品66と電気的に接続されている。
【0048】
本実施形態では、図6に示すように、放射線画像撮影装置1がクレードル60に斜めに挿入されると、放射線画像撮影装置1に押されて挿入口69を被覆する蓋部材72が、被覆部材62に沿って奥側(図中では左側)に退避する。
【0049】
そして、略鉛直方向に向けられた放射線画像撮影装置1が挿入口69から挿入されると、放射線画像撮影装置1のコネクタ39が設けられた側の蓋部材2Bが一旦装置保持手段70に当接して保持された後、図7に示すように装置保持手段70が下方に回動することで、放射線画像撮影装置1が装置収容部64内に収容される。
【0050】
そして、前述したように、装置収容部64の厚み方向の内寸法が放射線画像撮影装置1の厚み方向の外寸法に合わせた寸法となっているため、装置収容部64内に収容された放射線画像撮影装置1側のコネクタ39が、自動的にクレードル60側のコネクタ71に接続可能な位置に適切に位置決めされた状態で接続されるように構成されている。
【0051】
[充電システムの構成例について]
次に、本実施形態に係る充電システム100の構成について説明する。
図8は、充電システム100の構成を概略的に表すブロック図である。
【0052】
図8に示すように、本実施形態において、放射線画像撮影装置1における内蔵電源24と各機能部との間には、電圧検出回路82と電源回路83とが設けられている。
電圧検出回路82は、内蔵電源24の電圧、すなわち内蔵電源24に充電されている充電電圧を検出する電圧検出部として機能する。
電源回路83は、内蔵電源24から供給される電力を供給先の各機能部に適するように、その電圧値等を適宜変換・調整する。
【0053】
また、図8に示すように、本実施形態において、放射線画像撮影装置1におけるコネクタ39と内蔵電源24との間には、充電制御回路81が設けられている。充電制御回路81は、内蔵電源24の電圧が目標電圧(例えば、内蔵電源24の定格電圧)に達するまで定電流充電を行うとともに、内蔵電源24の電圧が目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、内蔵電源24への充電を制御する充電制御部として機能する。
【0054】
また、本実施形態において、放射線画像撮影装置1が備える制御手段22の本体制御部22aは、充電制御回路81による定電流充電時に電圧検出回路82の検出結果に基づいて内蔵電源24の電圧上昇率、すなわち単位時間あたりの電圧上昇値を取得する。また、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて所定の閾値を設定する。そして、取得した内蔵電源24の電圧上昇率と、設定した所定の閾値との比較により内蔵電源24の劣化の程度を判定するように構成されている。
すなわち、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化の程度を判定する判定部として機能する。
【0055】
本実施形態において、所定の閾値は、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているか否かを判定するための使用不可能判定用閾値を含んでいる。
なお、「使用不可能な程度に劣化」とは、内蔵電源24の内部抵抗が増加したり満充電容量が減少したりして、例えば、内蔵電源24をこれ以上充電したり使用したりすると、内蔵電源24が膨らんだり高温になったりする等の危険な状態になる可能性がある程度に、内蔵電源24が劣化していることをいう。したがって、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化している場合、当該内蔵電源24は故障品であると言える。
【0056】
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値を上回る場合に、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定するように構成されている。
【0057】
また、充電制御回路81は、本体制御部22aにより内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定された場合に、内蔵電源24への充電を停止するように構成されている。
【0058】
ここで、使用不可能判定用閾値は、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて設定可能となっている。
具体的には、例えば、使用不可能判定用閾値として、図9等に示す「故障品」の電圧−電圧上昇率特性曲線を基準に決定したΔVth2a(V0≦Vbat<V2)と、ΔVth2aよりも小さいΔVth2b(V2≦Vbat≦V1)との2つの閾値をRAM22b等に予め記憶しておく。そして、例えば図9に示すように、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが下限電圧V0以上であり電圧V2未満であれば、使用不可能判定用閾値ΔVth2aを設定する。また、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが電圧V2以上であり上限電圧V1以下であれば、使用不可能判定用閾値ΔVth2bを設定するように構成することが可能である。この際、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値ΔVth2aまたは使用不可能判定用閾値ΔVth2bを上回る場合に、当該内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定する。
【0059】
なお、図9では、使用不可能判定用閾値としてΔVth2aおよびΔVth2bの2つを予め記憶しておき、当該2つの閾値の中から電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの閾値を選択して設定するように構成したが、これに限定されるものではない。複数の使用不可能判定用閾値の中から内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの閾値を選択して設定することができるのであれば、予め記憶されている使用不可能判定用閾値の個数は任意である。
【0060】
或いは、例えば、使用不可能判定用閾値を算出するための式として、図10等に示す「故障品」の電圧−電圧上昇率特性曲線を基準に決定したΔVth3a=−K3a×Vbat+S3a(V0≦Vbat<V3)と、ΔVth3aよりも傾きが緩やかなΔVth3b=−K3b×Vbat+S3b(V3≦Vbat≦V1)との2つの直線の式がRAM22b等に予め記憶されていてもよい。この場合、例えば図10に示すように、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが下限電圧V0以上であり電圧V3未満であれば、使用不可能判定用閾値を算出するための式ΔVth3a=−K3a×Vbat+S3aに電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatを代入して使用不可能判定用閾値ΔVth3aを算出し、算出した使用不可能判定用閾値ΔVth3aを設定する。また、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが電圧V3以上であり上限電圧V1以下であれば、使用不可能判定用閾値を算出するための式ΔVth3b=−K3b×Vbat+S3bに電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatを代入して使用不可能判定用閾値ΔVth3bを算出し、算出した使用不可能判定用閾値ΔVth3bを設定するように構成することが可能である。この際、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値ΔVth3aまたは使用不可能判定用閾値ΔVth3bを上回る場合に、当該内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定する。
【0061】
なお、図10では、使用不可能判定用閾値を算出するための式としてΔVth3a=−K3a×Vbat+S3aおよびΔVth3b=−K3b×Vbat+S3bの2つ、すなわち負の傾きを持つ直線の式2つを予め記憶しておき、当該2つの式の中から電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの式を選択し、選択した1つの式に基づき使用不可能判定用閾値を算出して設定するように構成したが、これに限定されるものではない。複数の直線の式の中から内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの式を選択し、選択した1つの式に基づき使用不可能判定用閾値を算出して設定することができるのであれば、予め記憶されている使用不可能判定用閾値を算出するための式の個数は任意である。
【0062】
また、使用不可能判定用閾値が、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて設定可能であれば、使用不可能判定用閾値を算出するための式の種類およびその個数は任意である。具体的には、使用不可能判定用閾値を算出するための式は、1つの直線の式(ただし、傾き≠0)であってもよいし、前述したように複数の直線の式の組み合わせであってもよいし、1つの曲線の式であってもよいし、複数の曲線の式の組み合わせであってもよい。
【0063】
また、本実施形態において、所定の閾値は、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているか否かを判定するための交換判定用閾値を含んでいる。
なお、「交換すべき程度に劣化」とは、内蔵電源24の内部抵抗が増加したり満充電容量が減少したりして、例えば、内蔵電源24をこれ以上充電したり使用したりすると、放射線画像撮影装置1の使用の仕方(例えば、使用頻度および1回に使用する時間)を同じとした場合に、内蔵電源24への充電頻度が高くなる等の効率の悪い状態になる可能性がある程度に、内蔵電源24が劣化していることをいう。したがって、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化している場合、当該内蔵電源24は交換必要品であると言える。
【0064】
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値を上回る場合に、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定するように構成されている。
【0065】
また、本体制御部22aは、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定した場合に、当該内蔵電源24が交換時期に達したことをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知するように構成されている。すなわち、インジケータ40は、内蔵電源24が交換時期に達したことを通知する交換時期通知部として機能する。
【0066】
なお、本実施形態では、内蔵電源24が交換時期に達したことをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知するように構成したが、内蔵電源24が交換時期に達したことを通知できるのであれば、これに限定されるものではない。具体的には、例えば、本体制御部22aは、内蔵電源24が交換時期に達したことを、通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。この場合、通信部41が交換時期通知部として機能する。また、コンソール101等の外部装置に、当該通知に応じて内蔵電源24が交換時期に達したことを報知するための報知手段(例えば、表示部等)を備えるように構成することも可能である。
【0067】
ここで、交換判定用閾値は、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて設定可能となっている。
具体的には、例えば、交換判定用閾値として、図11等に示す「交換必要品」の電圧−電圧上昇率特性曲線を基準に決定したΔVth4a(V0≦Vbat<V4)と、ΔVth4aよりも小さいΔVth4b(V4≦Vbat≦V1)との2つの閾値をRAM22b等に予め記憶しておく。そして、例えば図11に示すように、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが下限電圧V0以上であり電圧V4未満であれば、交換判定用閾値ΔVth4aを設定する。また、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが電圧V4以上であり上限電圧V1以下であれば、交換判定用閾値ΔVth4bを設定するように構成することが可能である。この際、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値ΔVth4aまたは交換判定用閾値ΔVth4bを上回る場合に、当該内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定する。
【0068】
なお、図11では、交換判定用閾値としてΔVth4aおよびΔVth4bの2つを予め記憶しておき、当該2つの閾値の中から電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの閾値を選択して設定するように構成したが、これに限定されるものではない。複数の交換判定用閾値の中から内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの閾値を選択して設定することができるのであれば、予め記憶されている交換判定用閾値の個数は任意である。
【0069】
或いは、例えば、交換判定用閾値を算出するための式として、図12等に示す「交換必要品」の電圧−電圧上昇率特性曲線を基準に決定したΔVth5a=−K5a×Vbat+S5a(V0≦Vbat<V5)と、ΔVth5aよりも傾きが緩やかなΔVth5b=−K5b×Vbat+S5b(V5≦Vbat≦V1)との2つの直線の式がRAM22b等に予め記憶されていてもよい。この場合、例えば図12に示すように、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが下限電圧V0以上であり電圧V5未満であれば、交換判定用閾値を算出するための式ΔVth5a=−K5a×Vbat+S5aに電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatを代入して交換判定用閾値ΔVth5aを算出し、算出した交換判定用閾値ΔVth5aを設定する。また、本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatが電圧V5以上であり上限電圧V1以下であれば、交換判定用閾値を算出するための式ΔVth5b=−K5b×Vbat+S5bに電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧Vbatを代入して交換判定用閾値ΔVth5bを算出し、算出した交換判定用閾値ΔVth5bを設定するように構成することが可能である。この際、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値ΔVth5aまたは交換判定用閾値ΔVth5bを上回る場合に、当該内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定する。
【0070】
なお、図12では、交換判定用閾値を算出するための式としてΔVth5a=−K5a×Vbat+S5aおよびΔVth5b=−K5b×Vbat+S5bの2つ、すなわち負の傾きを持つ直線の式2つを予め記憶しておき、当該2つの式の中から電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの式を選択し、選択した1つの式に基づき交換判定用閾値を算出して設定するように構成したが、これに限定されるものではない。複数の直線の式の中から内蔵電源24の電圧Vbatに応じて1つの式を選択し、選択した1つの式に基づき交換判定用閾値を算出して設定することができるのであれば、予め記憶されている交換判定用閾値を算出するための式の個数は任意である。
【0071】
また、交換判定用閾値が、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて設定可能であれば、交換判定用閾値を算出するための式の種類およびその個数は任意である。具体的には、交換判定用閾値を算出するための式は、1つの直線の式(ただし、傾き≠0)であってもよいし、前述したように複数の直線の式の組み合わせであってもよいし、1つの曲線の式であってもよいし、複数の曲線の式の組み合わせであってもよい。
【0072】
以下、本実施形態に係る充電システム100および放射線画像撮影装置1の作用について、図13のフローチャートを参照して説明する。
図13は、本実施形態の放射線画像撮影装置1による充電制御に関する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0073】
まず、放射線画像撮影装置1が備える制御手段22の本体制御部22aは、充電制御回路81が定電流充電を行っているか否かを判断する(ステップS101)。
ステップS101で、充電制御回路81が定電流充電を行っていないと判断した場合(ステップS101;No)、本体制御部22aは、ステップS101の処理を繰り返して行う。
【0074】
一方、ステップS101で、充電制御回路81が定電流充電を行っていると判断した場合(ステップS101;Yes)、本体制御部22aは、電圧検出回路82の検出結果に基づいて、内蔵電源24の電圧上昇率および内蔵電源24の電圧を取得する(ステップS102)。
具体的には、本体制御部22aは、第1時点で電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧と、第1時点よりも後の第2時点で電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧と、第1時点から第2時点までに要する時間とに基づいて、単位時間あたりの電圧上昇値である電圧上昇率(=((第2時点での内蔵電源24の電圧)−(第1時点での内蔵電源24の電圧))/(第1時点から第2時点までの時間))を算出して取得する。
また、本体制御部22aは、第2時点で電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧(或いは、第1時点で電圧検出回路82により検出された内蔵電源24の電圧であってもよい。)を、内蔵電源24の電圧として取得する。
【0075】
次いで、本体制御部22aは、ステップS102で取得した内蔵電源24の電圧に応じて、使用不可能判定用閾値および交換判定用閾値を設定する(ステップS103)。
【0076】
具体的には、例えば、RAM22b等に複数の使用不可能判定用閾値が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の使用不可能判定用閾値のうちステップS102で取得した内蔵電源24の電圧に対応する閾値を設定する。
或いは、例えば、RAM22b等に複数の使用不可能判定用閾値を算出するための式が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の使用不可能判定用閾値を算出するための式のうちステップS102で取得した内蔵電源24の電圧に対応する式を選択し、選択した式に基づき使用不可能判定用閾値を算出して設定する。
【0077】
また、例えば、例えば、RAM22b等に複数の交換判定用閾値が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の交換判定用閾値のうちステップS102で取得した内蔵電源24の電圧に対応する閾値を設定する。
或いは、例えば、RAM22b等に複数の交換判定用閾値を算出するための式が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の交換判定用閾値を算出するための式のうちステップS102で取得した内蔵電源24の電圧に対応する式を選択し、選択した式に基づき交換判定用閾値を算出して設定する。
【0078】
このように、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値を設定するので、内蔵電源24の電圧によらず一定の使用不可能判定用閾値や一定の交換判定用閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているか否かや、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているか否かを、高精度に判定することが可能となる。
【0079】
図9等に示すように、内蔵電源24が劣化していない正常品である場合、すなわち内蔵電源24が新品または新品同様である場合には、内蔵電源24の電圧が下限電圧V0から上限電圧V1へと変化しても、内蔵電源24の電圧上昇率はほぼ一定である。
【0080】
一方、内蔵電源24が劣化して交換すべき状態となった交換必要品である場合、すなわち内蔵電源24の劣化が進行して交換時期に達した場合には、正常品の電圧上昇率よりも電圧上昇率が大きくなるが、内蔵電源24の電圧が高くなるほど、すなわち上限電圧V1に近づくほど、正常品との電圧上昇率の違いが小さくなる。
また、内蔵電源24がさらに劣化して使用不可能な状態となった故障品である場合、すなわち内蔵電源24の劣化がさらに進行して寿命に達した場合には、交換必要品の電圧上昇率よりも電圧上昇率が大きくなるが、内蔵電源24の電圧が高くなるほど、すなわち内蔵電源24の電圧が上限電圧V1に近づくほど、正常品や交換必要品との電圧上昇率の違いが小さくなる。
【0081】
そのため、例えば図17に示すように、交換判定用閾値として、下限電圧V0での電圧上昇率を基準とした一定の交換判定用閾値ΔVth1が設定されると、内蔵電源24が下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合には、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していることを検出することができない。
また、内蔵電源24が下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合でも内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していることを検出できるよう、交換判定用閾値としてΔVth1よりも小さい一定の交換判定用閾値を設定すると、内蔵電源24の電圧が小さい時には特に、内蔵電源24が交換すべき状態でなくても内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると検出されてしまう場合がある。
【0082】
これに対し、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて交換判定用閾値を設定するように構成されている。具体的には、内蔵電源24の電圧が比較的低い場合には、比較的大きな交換判定用閾値ΔVth4aまたはΔVth5aを設定し、内蔵電源24の電圧が比較的高い場合には、比較的小さな交換判定用閾値ΔVth4bまたはΔVth5bを設定するように構成されている。
【0083】
そのため、内蔵電源24の電圧によらず一定の交換判定用閾値が設定される場合に生じる問題、具体的には、内蔵電源24が下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合に内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していることを検出することができないという問題や、内蔵電源24の電圧が小さい場合に内蔵電源24が交換すべき状態でなくても内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると検出されてしまうという問題を、発生し難くすることが可能となる。そのため、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していることを精度良く判定することが可能となる。
【0084】
また、使用不可能判定用閾値として、下限電圧V0での電圧上昇率を基準とした一定の使用不可能判定用閾値(以下「使用不可能判定用閾値A」という。)が設定されると、内蔵電源24が、下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合には、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していることを検出することができない。
また、内蔵電源24が下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合でも内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していることを検出できるよう、使用不可能判定用閾値として使用不可能判定用閾値Aよりも小さい一定の使用不可能判定用閾値を設定すると、内蔵電源24の電圧が小さい時には特に、内蔵電源24が使用不可能な状態でなくても内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると検出されてしまう場合がある。
【0085】
これに対し、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて使用不可能判定用閾値を設定するように構成されている。具体的には、内蔵電源24の電圧が比較的低い場合には、比較的大きな使用不可能判定用閾値ΔVth2aまたはΔVth3aを設定し、内蔵電源24の電圧が比較的高い場合には、比較的小さな使用不可能判定用閾値ΔVth2bまたはΔVth3bを設定するように構成されている。
【0086】
そのため、内蔵電源24の電圧によらず一定の使用不可能判定用閾値が設定される場合に生じる問題、具体的には、内蔵電源24が下限電圧V0まで使い切らずに充電を繰り返すような使い方をされている場合に内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していることを検出することができないという問題や、内蔵電源24の電圧が小さい場合に内蔵電源24が使用不可能な状態でなくても内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると検出されてしまうという問題を、発生し難くすることが可能となる。そのため、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していることを精度良く判定することが可能となる。
【0087】
次いで、本体制御部22aは、ステップS102で取得した内蔵電源24の電圧上昇率が、ステップS103で設定した使用不可能判定用閾値を上回るか否かを判定する(ステップS104)。
【0088】
ステップS104で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値を上回ると判定した場合(ステップS104;Yes)、本体制御部22aは、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定する(ステップS105)。
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24への充電を停止するよう充電制御回路81に指示するとともに(ステップS106)、内蔵電源24への充電を停止したことをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知して(ステップS107)、本処理を終了する。なお、本体制御部22aは、内蔵電源24への充電を停止したことを通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。
【0089】
前述したように、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて使用不可能判定用閾値を設定するように構成されており、内蔵電源24が使用不可能な状態でなくても内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると検出されてしまうという問題等が発生し難い。そのため、内蔵電源24が使用不可能な状態でないのに内蔵電源24への充電を停止してしまうことを抑制することができる。すなわち、内蔵電源24への充電を無駄に停止してしまうことが少なく、効率よく内蔵電源24への充電を行うことが可能となる。
【0090】
一方、ステップS104で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値を上回らないと判定した場合(ステップS104;No)、本体制御部22aは、ステップS102で取得した内蔵電源24の電圧上昇率が、ステップS103で設定した交換判定用閾値を上回るか否かを判定する(ステップS108)。
【0091】
ステップS108で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値を上回らないと判定した場合(ステップS108;No)、本体制御部22aは、ステップS101の処理に移行する。
【0092】
一方、ステップS108で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値を上回ると判定した場合(ステップS108;Yes)、本体制御部22aは、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定する(ステップS109)。
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24が交換時期に達したことをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知して(ステップS110)、本処理を終了する。なお、本体制御部22aは、内蔵電源24が交換時期に達したことを通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。
【0093】
前述したように、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて交換判定用閾値を設定するように構成されており、内蔵電源24が交換すべき状態でなくても内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると検出されてしまうという問題等が発生し難い。そのため、内蔵電源24が交換すべき状態ではないのに内蔵電源24が交換時期に達したと通知してしまうことを抑制することができる。すなわち、内蔵電源24が交換時期に達したことを無駄に通知してしまうことが少なく、内蔵電源24を無駄に交換してしまう等の問題が生じ難い。
【0094】
ここで、放射線画像撮影装置1に内蔵電源24が着脱自在であり、複数種類の内蔵電源24を放射線画像撮影装置1に着脱可能であれば、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類に応じて、使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値を設定するように構成することも可能である。
内蔵電源24は、その機種等に応じて、満充電容量や充電特性などが異なる場合が多い。そのため、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類(機種等)に応じて使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値を設定することで、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているか否かや、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているか否かを、より高精度に判定することが可能となる。
【0095】
具体的には、例えば、内蔵電源24に、当該内蔵電源24の種類を識別するための識別情報を担持するものを備え、放射線画像撮影装置1に、当該放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24から識別情報を取得するための識別情報取得手段を備えておく。また、放射線画像撮影装置1に着脱可能な内蔵電源24の識別情報や、当該識別情報に対応する使用不可能判定用閾値(或いは、使用不可能判定用閾値を算出するための式)や交換判定用閾値(或いは、交換判定用閾値を算出するための式)などの所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)をRAM22b等に予め記憶しておく。
そして、本体制御部22aは、識別情報取得手段により取得された識別情報に対応する使用不可能判定用閾値(或いは、使用不可能判定用閾値を算出するための式)や交換判定用閾値(或いは、交換判定用閾値を算出するための式)などをRAM22b等から抽出し、抽出した閾値(或いは、抽出した式)に基づいて、ステップS103で使用不可能判定用閾値および交換判定用閾値を設定するように構成することが可能である。
【0096】
なお、内蔵電源24における識別情報担持の構成や、放射線画像撮影装置1の識別情報取得手段の構成は、いかなる構成であってもよい。
例えば、内蔵電源24の外面に当該内蔵電源24の識別情報を担持するバーコードが印字されたバーコードシールを貼付しておけば、バーコード等を読み取って、当該内蔵電源24の識別情報を取得する構成とすることも可能である。また、例えば、内蔵電源24の外形、具体的には内蔵電源24のサイズや内蔵電源24外面に設けられた凹凸の位置・個数や内蔵電源24の外面に設けられた反射板等の位置・個数などを、当該内蔵電源24の識別情報と予め対応付けておけば、内蔵電源24の外形を読み取って、当該内蔵電源24の識別情報を取得する構成とすることも可能である。
【0097】
以上説明した本実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1によれば、放射線画像撮影装置1の本体制御部22aは、充電制御回路81による定電流充電時に電圧検出回路82の検出結果に基づき内蔵電源24の電圧上昇率を取得するとともに、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した内蔵電源24の電圧上昇率と、設定した所定の閾値との比較により内蔵電源24の劣化の程度を判定するように構成されている。
【0098】
したがって、内蔵電源24の電圧に応じて内蔵電源24の劣化の程度を判定するための閾値を設定するので、内蔵電源24の電圧によらず一定の閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24の劣化の程度を高精度に判定することが可能となる。
【0099】
また、以上説明した本実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1によれば、所定の閾値は、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているか否かを判定するための使用不可能判定用閾値を含み、放射線画像撮影装置1の本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した使用不可能判定用閾値を上回る場合に、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定し、充電制御回路81は、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定された場合に、当該内蔵電源24への充電を停止するように構成されている。
【0100】
したがって、内蔵電源24の電圧に応じて使用不可能判定用閾値を設定するので、内蔵電源24の電圧によらず一定の使用不可能判定用閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているか否かを高精度に判定することが可能となる。
また、充電制御回路81は、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化していると判定された場合に、当該内蔵電源24への充電を停止するので、内蔵電源24が膨らんだり高温になったりする等の危険な状態になることを防止することが可能となる。
【0101】
また、以上説明した本実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1によれば、所定の閾値は、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているか否かを判定するための交換判定用閾値を含み、放射線画像撮影装置1の本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した交換判定用閾値を上回る場合に、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定し、交換時期通知部としてのインジケータ40(或いは、通信部41であってもよい。)は、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定された場合に、内蔵電源24が交換時期に達したことを通知するように構成されている。
【0102】
したがって、内蔵電源24の電圧に応じて交換判定用閾値を設定するので、内蔵電源24の電圧によらず一定の交換判定用閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているか否かを高精度に判定することが可能となる。
また、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していると判定された場合に、内蔵電源24が交換時期に達したことを通知するので、放射線技師等の操作者(或いは、コンソール101等の外部装置)は、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化していることを認識することが可能となる。これにより、内蔵電源24への充電頻度が高くなる等の効率の悪い状態になる前に、内蔵電源24を交換すること等が可能となる。
【0103】
また、以上説明した本実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1によれば、放射線画像撮影装置1の本体制御部22aは、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧と、内蔵電源24の種類との双方に応じて所定の閾値を設定可能である。
【0104】
内蔵電源24は、その種類(機種等)に応じて、満充電容量や充電特性などが異なる場合が多い。そのため、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類(機種等)に応じて使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値などの所定の閾値を設定可能とすることで、内蔵電源24の劣化の程度をより高精度に判定することが可能となる。
【0105】
なお、第1実施形態では、内蔵電源24の劣化の程度を判定するための所定の閾値に、使用不可能判定用閾値と交換判定用閾値との両方が含まれることとして説明したが、これに限定されるものではなく、所定の閾値には、使用不可能判定用閾値と交換判定用閾値とのうち少なくともいずれか一方が含まれていればよい。
すなわち、判定部としての本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化の程度として、使用不可能な程度に劣化していることと、交換すべき程度に劣化していることとのうち少なくともいずれか一方を判定できればよい。
【0106】
また、所定の閾値には、使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値以外の閾値が含まれていてもよい。無論、この場合、所定の閾値に含まれる使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値以外の閾値も、使用不可能判定用閾値や交換判定用閾値と同様、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧に応じて、或いは、電圧検出回路82により検出される内蔵電源24の電圧と、内蔵電源24の種類との双方に応じて設定される。
【0107】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1について説明する。
なお、第2実施形態においては、内蔵電源24の劣化レベルを判定する点が、第1実施形態と異なる。したがって、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0108】
本実施形態において、所定の閾値は、内蔵電源24の劣化レベルに応じた複数種類の劣化レベル判定用閾値を含んでいる。
なお、本実施形態では、内蔵電源24の劣化レベルとして劣化レベル1〜劣化レベル3の3つの劣化レベルを用いて説明するが、内蔵電源24の劣化レベルの個数は3つに限ることはなく、複数であれば任意である。
【0109】
具体的には、本実施形態において、所定の閾値は、劣化レベル1を判定するためを劣化レベル1判定用閾値と、劣化レベル1よりも劣化の進行度が高い劣化レベル2を判定するための劣化レベル2判定用閾値と、劣化レベル2よりも劣化の進行度が高い劣化レベル3を判定するための劣化レベル3判定用閾値とを含んでいる。
すなわち、複数の劣化レベル1判定用閾値、或いは1つまたは複数の劣化レベル1判定用閾値を算出するための式と、複数の劣化レベル2判定用閾値、或いは1つまたは複数の劣化レベル2判定用閾値を算出するための式と、複数の劣化レベル3判定用閾値、或いは1つまたは複数の劣化レベル3判定用閾値を算出するための式とが、RAM22b等に予め記憶されている。
【0110】
なお、本実施形態では、劣化レベル1を、内蔵電源24が交換すべき程度ではないが劣化しているレベル、劣化レベル2を、内蔵電源24が交換すべき程度に劣化しているレベル、劣化レベル3を、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているレベルとするが、各劣化レベルは、これに限定されるものではない。
すなわち、本実施形態の場合、劣化レベル2判定用閾値は、第1実施形態の交換時期判定用閾値と同じであり、劣化レベル3判定用閾値は、第1実施形態の使用不可能判定用閾値と同じである。
【0111】
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率と、内蔵電源24の電圧に応じて設定した各種の劣化レベル判定用閾値との比較により、内蔵電源24の劣化の程度として該当する劣化レベルを判定するように構成されている。
【0112】
また、本体制御部22aは、判定した内蔵電源24の劣化レベルをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知するように構成されている。すなわち、インジケータ40は、内蔵電源24の劣化レベルを通知する劣化レベル通知部として機能する。
【0113】
なお、本実施形態では、内蔵電源24の劣化レベルをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知するように構成したが、内蔵電源24の劣化レベルを通知できるのであれば、これに限定されるものではない。具体的には、例えば、本体制御部22aは、判定した内蔵電源24の劣化レベルを、通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。この場合、通信部41が劣化レベル通知部として機能する。また、コンソール101等の外部装置に、当該通知に応じて内蔵電源24の劣化レベルを報知するための報知手段(例えば、表示部等)を備えるように構成することも可能である。
【0114】
以下、本実施形態に係る充電システム100および放射線画像撮影装置1の作用について、図14のフローチャートを参照して説明する。
図14は、本実施形態の放射線画像撮影装置1による充電制御に関する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0115】
まず、放射線画像撮影装置1が備える制御手段22の本体制御部22aは、充電制御回路81が定電流充電を行っているか否かを判断する(ステップS201)。
ステップS201で、充電制御回路81が定電流充電を行っていないと判断した場合(ステップS201;No)、本体制御部22aは、ステップS201の処理を繰り返して行う。
【0116】
一方、ステップS201で、充電制御回路81が定電流充電を行っていると判断した場合(ステップS201;Yes)、本体制御部22aは、電圧検出回路82の検出結果に基づいて、内蔵電源24の電圧上昇率および内蔵電源24の電圧を取得する(ステップS202)。
【0117】
次いで、本体制御部22aは、ステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に応じて、劣化レベル1判定用閾値、劣化レベル2判定用閾値および劣化レベル3判定用閾値を設定する(ステップS203)。
【0118】
具体的には、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル1判定用閾値が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル1判定用閾値のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する閾値を設定する。
或いは、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル1判定用閾値を算出するための式が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル1判定用閾値を算出するための式のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する式を選択し、選択した式に基づき劣化レベル1判定用閾値を算出して設定する。
【0119】
また、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル2判定用閾値が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル2判定用閾値のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する閾値を設定する。
或いは、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル2判定用閾値を算出するための式が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル2判定用閾値を算出するための式のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する式を選択し、選択した式に基づき劣化レベル2判定用閾値を算出して設定する。
【0120】
また、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル3判定用閾値が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル3判定用閾値のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する閾値を設定する。
或いは、例えば、RAM22b等に複数の劣化レベル3判定用閾値を算出するための式が記憶されている場合には、本体制御部22aは、複数の劣化レベル3判定用閾値を算出するための式のうちステップS202で取得した内蔵電源24の電圧に対応する式を選択し、選択した式に基づき劣化レベル3判定用閾値を算出して設定する。
【0121】
このように、本実施形態においては、内蔵電源24の電圧に応じて劣化レベル1判定用閾値や劣化レベル2判定用閾値や劣化レベル3判定用閾値を設定するので、内蔵電源24の電圧によらず一定の劣化レベル1判定用閾値や一定の劣化レベル2判定用閾値や一定の劣化レベル3判定用閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24の劣化レベルを高精度に判定することが可能となる。
【0122】
次いで、本体制御部22aは、ステップS202で取得した内蔵電源24の電圧上昇率が、ステップS203で設定した劣化レベル3判定用閾値を上回るか否かを判定する(ステップS204)。
【0123】
ステップS204で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル3判定用閾値を上回ると判定した場合(ステップS204;Yes)、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル3であると判定する(ステップS205)。
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル3であることをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知して(ステップS206)、本処理を終了する。なお、本実施形態において、劣化レベル3は、内蔵電源24が使用不可能な程度に劣化しているレベルであるので、本体制御部22aは、劣化レベル3である旨の通知とともに、内蔵電源24への充電を停止するよう充電制御回路81に指示するように構成することも可能である。なお、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル3であることを通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。
【0124】
一方、ステップS204で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル3判定用閾値を上回らないと判定した場合(ステップS204;No)、本体制御部22aは、ステップS202で取得した内蔵電源24の電圧上昇率が、ステップS203で設定した劣化レベル2判定用閾値を上回るか否かを判定する(ステップS207)。
【0125】
ステップS207で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル2判定用閾値を上回ると判定した場合(ステップS207;Yes)、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル2であると判定する(ステップS208)。
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル2であることをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知して(ステップS209)、本処理を終了する。なお、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル2であることを通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。
【0126】
一方、ステップS207で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル2判定用閾値を上回らないと判定した場合(ステップS207;No)、本体制御部22aは、ステップS202で取得した内蔵電源24の電圧上昇率が、ステップS203で設定した劣化レベル1判定用閾値を上回るか否かを判定する(ステップS210)。
【0127】
ステップS210で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル1判定用閾値を上回らないと判定した場合(ステップS210;No)、本体制御部22aは、ステップS201の処理に移行する。
【0128】
一方、ステップS210で、内蔵電源24の電圧上昇率が、内蔵電源24の電圧に応じて設定した劣化レベル1判定用閾値を上回ると判定した場合(ステップS210;Yes)、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル1であると判定する(ステップS211)。
そして、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル1であることをインジケータ40によって放射線技師等の操作者に通知して(ステップS212)、本処理を終了する。なお、本体制御部22aは、内蔵電源24の劣化レベルが劣化レベル1であることを通信部41によって有線方式または無線方式でコンソール101等の外部装置に通知するように構成することも可能である。
【0129】
ここで、放射線画像撮影装置1に内蔵電源24が着脱自在であり、複数種類の内蔵電源24を放射線画像撮影装置1に着脱可能であれば、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類に応じて、劣化レベル1判定用閾値や劣化レベル2判定用閾値や劣化レベル3判定用閾値を設定するように構成することも可能である。
このように、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類(機種等)に応じて劣化レベル1判定用閾値や劣化レベル2判定用閾値や劣化レベル3判定用閾値を設定することで、内蔵電源24の劣化レベルをより高精度に判定することが可能となる。
【0130】
なお、この他の点は第1実施形態で示した作用と同様であるので、その説明は省略する。
【0131】
以上説明した本実施形態に係る充電システム100および電子機器としての放射線画像撮影装置1によれば、所定の閾値は、内蔵電源24の劣化レベルに応じた複数種類の劣化レベル判定用閾値を含み、放射線画像撮影装置1の本体制御部22aは、内蔵電源24の電圧上昇率と、内蔵電源24の電圧に応じて設定した各種の劣化レベル判定用閾値との比較により、内蔵電源24の劣化の程度として該当する劣化レベルを判定し、劣化レベル通知部としてのインジケータ40(或いは、通信部41であってもよい。)は、判定された内蔵電源24の劣化レベルを通知するように構成されている。
【0132】
したがって、内蔵電源24の電圧に応じて各種の劣化レベル判定用閾値(本実施形態の場合、劣化レベル1判定用閾値〜劣化レベル3判定用閾値)を設定するので、各種の劣化レベル判定用閾値として内蔵電源24の電圧によらず一定の閾値がそれぞれ設定される場合と比較して、内蔵電源24の劣化レベルを高精度に判定することが可能となる。
また、判定された内蔵電源24の劣化レベルを通知するので、放射線技師等の操作者(或いは、コンソール101等の外部装置)は、内蔵電源24の劣化レベルを認識することが可能となる。
【0133】
なお、この他の点は第1実施形態で示した効果と同様であるので、その説明は省略する。
【0134】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨から逸脱しない限り、適宜変更可能であることはいうまでもない。
【0135】
例えば、上記の第1実施形態および第2実施形態では、充電制御部としての充電制御回路81を電子機器である放射線画像撮影装置1に設ける場合について説明したが、例えば図8に対応する図15に示すように、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置であるクレードル60に設けるように構成することも可能である。この場合、例えば、クレードル60の筐体61(図7等参照)内部の基板65上の、各種電子部品66が収納されている部分に充電制御回路81を設けることが可能である。
【0136】
このように、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置であるクレードル60に設ける場合、当該充電制御回路81が内蔵電源24の劣化の程度を判定する判定部としても機能するように構成することも可能であるし、判定部として機能する制御部等を充電装置であるクレードル60に別途備えるように構成することも可能である。
【0137】
また、図15では、電圧検出部としての電圧検出回路82も充電装置であるクレードル60に設けるように構成したが、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置であるクレードル60に設ける場合、電圧検出部としての電圧検出回路82は、電子機器である放射線画像撮影装置1に設けるように構成することも可能であるし、充電装置であるクレードル60に設けるように構成することも可能である。なお、電圧検出回路82をクレードル60に設ける場合、例えば、クレードル60の筐体61(図7等参照)内部の基板65上の、各種電子部品66が収納されている部分に電圧検出回路82を設けることが可能である。
【0138】
ここで、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置であるクレードル60に設ける場合、例えば、電子機器である放射線画像撮影装置1に、当該放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の種類を識別するための識別情報を担持するものを備え、クレードル60に、放射線画像撮影装置1から識別情報を取得するための識別情報取得手段を備えておく。また、クレードル60に、クレードル60に挿入可能な放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の識別情報や、当該識別情報に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)を予め記憶しておく。そして、クレードル60側で、識別情報取得手段により取得された識別情報に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)を抽出し、抽出した所定の閾値(或いは、抽出した式)に基づいて、所定の閾値を設定するように構成することも可能である。これにより、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類と、内蔵電源24の電圧との双方に応じて、所定の閾値を設定するように構成することが可能となる。
また、例えば、クレードル60が、クレードル60側のコネクタ71および放射線画像撮影装置1側のコネクタ39を介して放射線画像撮影装置1との間で通信を行って、当該放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の種類を識別するための識別情報を取得するように構成することも可能である。これにより、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類と、内蔵電源24の電圧との双方に応じて、所定の閾値を設定するように構成することが可能となる。
【0139】
また、電子機器である放射線画像撮影装置1や充電装置であるクレードル60とは別に、充電制御部としての充電制御回路81を備える充電制御装置を備えるように構成することも可能である。この場合、例えば、内蔵電源24の充電時に、充電制御部としての充電制御回路81を備える充電制御装置を、電子機器である放射線画像撮影装置1と充電装置であるクレードル60との間に配置等することによって、当該充電制御装置を介して充電装置であるクレードル60から電子機器である放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24へと電力が供給される。
この場合、電圧検出部としての電圧検出回路82は、充電制御部としての充電制御回路81を備える充電制御装置に設けるように構成することも可能であるし、電子機器である放射線画像撮影装置1に設けるように構成することも可能であるし、充電装置であるクレードル60に設けるように構成することも可能である。
【0140】
ここで、充電制御部としての充電制御回路81を備える充電制御装置を備える場合、例えば、電子機器である放射線画像撮影装置1に、当該放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の種類を識別するための識別情報を担持するものを備え、当該充電制御装置に、放射線画像撮影装置1から識別情報を取得するための識別情報取得手段を備えておく。また、当該充電制御装置に、当該充電制御装置に接続可能な放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の識別情報や、当該識別情報に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)を予め記憶しておく。そして、当該充電制御装置側で、識別情報取得手段により取得された識別情報に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)を抽出し、抽出した所定の閾値(或いは、抽出した式)に基づいて、所定の閾値を設定するように構成することも可能である。これにより、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類と、内蔵電源24の電圧との双方に応じて、所定の閾値を設定するように構成することが可能となる。
また、例えば、当該充電制御装置が、放射線画像撮影装置1との間で通信を行って、当該放射線画像撮影装置1が内蔵する内蔵電源24の種類を識別するための識別情報を取得するように構成することも可能である。これにより、放射線画像撮影装置1に内蔵されている内蔵電源24の種類と、内蔵電源24の電圧との双方に応じて、所定の閾値を設定するように構成することが可能となる。
【0141】
また、上記の各実施形態(第1実施形態、第2実施形態、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置に設けるように構成する実施形態)では、内蔵電源24の電圧が目標電圧に達すると同時に直ちに定電流充電から定電圧充電に切り替わるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、内蔵電源24の電圧が目標電圧に近づくにつれて徐々に充電電流を下げてゆき、緩やかに定電流充電から定電圧充電に切り替わるように構成することも可能である。
すなわち、本発明でいう「内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、内蔵電源の電圧が目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて」には、内蔵電源24の電圧が目標電圧に達すると同時に直ちに定電流充電から定電圧充電に切り替わる場合も、内蔵電源24の電圧が目標電圧に近づくにつれて徐々に充電電流を下げてゆき、緩やかに定電流充電から定電圧充電に切り替わる場合も含まれる。
【0142】
緩やかに定電流充電から定電圧充電に切り替わるように構成する場合、徐々に充電電流を下げていく段階で、電圧上昇率も徐々に低下していく。そのため、劣化の程度を判定するための所定の閾値(例えば、使用不可能判定用閾値、交換判定用閾値、劣化レベル1判定用閾値〜劣化レベル3判定用閾値等)として、内蔵電源24の電圧に応じた充電電流の低下に対応可能な所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)を記憶しておく。具体的には、例えば、各充電電流に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)をRAM22b等に予め記憶しておく。そして、ステップS102やステップS202で内蔵電源24の電圧として第2時点での内蔵電源24の電圧(或いは、第1時点での内蔵電源24の電圧であってもよい。)を取得する際に、第2時点での充電電流(或いは、第1時点での充電電流であってもよい。)も取得し、取得した充電電流に対応する所定の閾値(或いは、所定の閾値を算出するための式)をRAM22b等から抽出する。そして、抽出した所定の閾値(或いは、抽出した式)に基づいて、所定の閾値を設定する。すなわち、所定の閾値を抽出した場合には、抽出した所定の閾値の中から内蔵電源24の電圧に応じた所定の閾値を選択して設定し、所定の閾値を算出するための式を抽出した場合には、抽出した式の中から内蔵電源24の電圧に応じた式を選択し、選択した式に基づき所定の閾値を算出して設定するように構成することも可能である。このように構成することで、内蔵電源24の電圧が目標電圧に近づいても、内蔵電源24の電圧によらず一定の閾値が設定される場合と比較して、内蔵電源24の劣化の程度を高精度に判定することが可能となる。
【0143】
また、上記の各実施形態(第1実施形態、第2実施形態、充電制御部としての充電制御回路81を充電装置に設けるように構成する実施形態)では、電子機器が放射線画像撮影装置1であり、充電装置がクレードル60である場合について説明したが、この他にも、充電可能な内蔵電源24を内蔵する電子機器であれば、ノート型パソコンや携帯電話、携帯情報端末などについても本発明を適用することが可能である。また、それらの充電装置についても本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0144】
1 放射線画像撮影装置(電子機器)
22a 本体制御部(判定部)
24 内蔵電源
40 インジケータ(交換時期通知部、劣化レベル通知部)
60 クレードル(充電装置)
71 通信部(交換時期通知部、劣化レベル通知部)
81 充電制御回路(充電制御部)
82 電圧検出回路(電圧検出部)
100 充電システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器と、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、
前記充電制御部を介して前記内蔵電源に電力を供給する充電装置と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、設定した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記所定の閾値は、前記内蔵電源が使用不可能な程度に劣化しているか否かを判定するための使用不可能判定用閾値を含み、
前記判定部は、前記内蔵電源の電圧上昇率が、前記内蔵電源の電圧に応じて設定した前記使用不可能判定用閾値を上回る場合に、前記内蔵電源が使用不可能な程度に劣化していると判定し、
前記充電制御部は、前記判定部により前記内蔵電源が使用不可能な程度に劣化していると判定された場合に、前記内蔵電源への充電を停止することを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記内蔵電源が交換時期に達したことを通知する交換時期通知部を備え、
前記所定の閾値は、前記内蔵電源が交換すべき程度に劣化しているか否かを判定するための交換判定用閾値を含み、
前記判定部は、前記内蔵電源の電圧上昇率が、前記内蔵電源の電圧に応じて設定した前記交換判定用閾値を上回る場合に、前記内蔵電源が交換すべき程度に劣化していると判定し、
前記交換時期通知部は、前記判定部により前記内蔵電源が交換すべき程度に劣化していると判定された場合に、前記内蔵電源が交換時期に達したことを通知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記内蔵電源の劣化レベルを通知する劣化レベル通知部を備え、
前記所定の閾値は、前記内蔵電源の劣化レベルに応じた複数種類の劣化レベル判定用閾値を含み、
前記判定部は、前記内蔵電源の電圧上昇率と、前記内蔵電源の電圧に応じて設定した前記各種の劣化レベル判定用閾値との比較により、前記内蔵電源の劣化の程度として該当する劣化レベルを判定し、
前記劣化レベル通知部は、前記判定部により判定された前記内蔵電源の劣化レベルを通知することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項5】
前記判定部は、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧と、前記内蔵電源の種類との双方に応じて前記所定の閾値を設定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項6】
前記充電制御部は、前記電子機器に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項7】
前記充電制御部は、前記充電装置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項8】
前記内蔵電源は、リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項9】
前記電子機器は放射線画像撮影装置であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項10】
前記充電装置はクレードルであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項11】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器において、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、設定した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
電子機器が内蔵する内蔵電源に電力を供給する充電装置において、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、設定した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする充電装置。
【請求項1】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器と、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、
前記充電制御部を介して前記内蔵電源に電力を供給する充電装置と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、設定した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記所定の閾値は、前記内蔵電源が使用不可能な程度に劣化しているか否かを判定するための使用不可能判定用閾値を含み、
前記判定部は、前記内蔵電源の電圧上昇率が、前記内蔵電源の電圧に応じて設定した前記使用不可能判定用閾値を上回る場合に、前記内蔵電源が使用不可能な程度に劣化していると判定し、
前記充電制御部は、前記判定部により前記内蔵電源が使用不可能な程度に劣化していると判定された場合に、前記内蔵電源への充電を停止することを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記内蔵電源が交換時期に達したことを通知する交換時期通知部を備え、
前記所定の閾値は、前記内蔵電源が交換すべき程度に劣化しているか否かを判定するための交換判定用閾値を含み、
前記判定部は、前記内蔵電源の電圧上昇率が、前記内蔵電源の電圧に応じて設定した前記交換判定用閾値を上回る場合に、前記内蔵電源が交換すべき程度に劣化していると判定し、
前記交換時期通知部は、前記判定部により前記内蔵電源が交換すべき程度に劣化していると判定された場合に、前記内蔵電源が交換時期に達したことを通知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記内蔵電源の劣化レベルを通知する劣化レベル通知部を備え、
前記所定の閾値は、前記内蔵電源の劣化レベルに応じた複数種類の劣化レベル判定用閾値を含み、
前記判定部は、前記内蔵電源の電圧上昇率と、前記内蔵電源の電圧に応じて設定した前記各種の劣化レベル判定用閾値との比較により、前記内蔵電源の劣化の程度として該当する劣化レベルを判定し、
前記劣化レベル通知部は、前記判定部により判定された前記内蔵電源の劣化レベルを通知することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項5】
前記判定部は、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧と、前記内蔵電源の種類との双方に応じて前記所定の閾値を設定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項6】
前記充電制御部は、前記電子機器に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項7】
前記充電制御部は、前記充電装置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項8】
前記内蔵電源は、リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項9】
前記電子機器は放射線画像撮影装置であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項10】
前記充電装置はクレードルであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項11】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器において、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、設定した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
電子機器が内蔵する内蔵電源に電力を供給する充電装置において、
前記内蔵電源の電圧が目標電圧に達するまで定電流充電を行うとともに、前記内蔵電源の電圧が前記目標電圧に達した場合に定電圧充電に切り替えて、前記内蔵電源への充電を制御する充電制御部と、
前記内蔵電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記内蔵電源の劣化の程度を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、前記充電制御部による前記定電流充電時に前記電圧検出部の検出結果に基づき前記内蔵電源の電圧上昇率を取得するとともに、前記電圧検出部により検出される前記内蔵電源の電圧に応じて所定の閾値を設定し、取得した前記内蔵電源の電圧上昇率と、設定した前記所定の閾値との比較により前記内蔵電源の劣化の程度を判定することを特徴とする充電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−182958(P2012−182958A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45831(P2011−45831)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]