説明

充電制御方法、充電制御装置およびバッテリー充電システム

【課題】異常に起因する充電不足等が発生するリスクを低減する他、充電再開から完了迄の時間をより短縮可能な充電制御方法、充電制御装置およびバッテリー充電システムの提供。
【解決手段】充電器から電動車のバッテリーユニットへの充電に係る充電制御方法であって、充電器からバッテリーユニットへの出力が有る状態(S1)で異常が発生した際、充電器からの出力が無い状態(S2)へ一旦遷移させた後、待機状態(S3)へと遷移させ、所定時間以内に異常が復帰した際には、待機状態(S3)より充電器からの出力が有る状態(S1)へと遷移させ、異常が復帰した時点から充電を再開させる一方、異常が復帰しない状態で所定時間が経過した後は、待機状態(S3)より充電停止状態(S4)へと遷移させる充電制御方法、並びにこれを適用した充電制御装置およびバッテリー充電システムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御方法、充電制御装置およびバッテリー充電システムに関し、特に、電動車のバッテリーへの充電中に停電その他の異常が発生したとき、またそのような異常が復帰したときの充電制御に係る充電制御方法、充電制御装置およびバッテリー充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気自動車やプラグインハイブリッド車をはじめとする電動車の動力源としてのバッテリーの充電を行う充電器においては、例えば外部電源の電源電圧が所定範囲内に無く、正常でないと判定したとき、充電器、バッテリー、または外部電源等に損傷を与えることを防止すべく、制御上、充電を停止する判断を充電制御装置により行うこととしている。
【0003】
したがって、従来の充電器においては、例えば停電が発生したような場合、仮に停電が極く一時的なもので直後に復帰したケースであっても、停電発生時点以降は充電が行われず、結果として、僅かな時間しか充電できていない事態が生じる可能性があった。係る事態は、本来なら充電完了後の車両を利用できることを前提に、爾後のスケジュールを立てていたユーザーにとって不測の不利益をもたらすものであり、電動車の普及を図る上で万全な解決策を講じることが求められていた。
【0004】
そこで、一部先行技術においては、停電が発生したような場合であっても、復帰した後、的確な充電制御を再開させることができ、充電停止時間を可能な限り短くするようにしたものが提供されている(特許文献1)。
【0005】
その一方で、上記充電制御装置は制御上、停電が発生した場合だけでなく、充電器が違法無線等による高周波ノイズや雷サージ、または静電気の影響を受け誤動作する可能性がある場合、外乱を受けることによりコンタクト類にチャタリングが発生した場合、CAN等の通信異常が発生した場合等の異常が発生したときにも充電を停止することとしている。
それゆえ、外部電源の電源電圧が所定範囲内にあるにもかかわらず、CAN等の通信異常が発生した場合等の異常が発生したときには、充電制御装置は充電器が正常状態にないと判定して充電を停止してしまう場合があり、停電のケース同様、やはりユーザーに対し、未充電または充電不足により電動車を利用することができないという重大な不利益をもたらすおそれがあった。
【0006】
さらに、特許文献1等に記載の従来の充電器においては、例えば停電から復帰した後に充電を再開させる場合であっても、充電器の制御シーケンスとしては空のバッテリーを一から充電する場合等と全く変わらないものとなっていた。
しかしながら、充電器自体が致命的なトラブルを抱えている可能性が少ない、上記異常の発生から復帰までの時間が僅かなケースについてまで、充電再開時において空のバッテリーを一から充電する場合等と同じ制御シーケンスを一々繰り返すこととすると、充電制御装置が充電指示を受けた際、充電制御を行うに当たって必要となるバッテリーユニットの端子電圧、温度、またはバッテリーユニットの容量および充電量(SOC)等の各種データを一旦読み込んでから、これらを参考に充電器の制御状態を一々指示する時間が必要となる。
さらに、仮に充電器が電流増加率に基づいて初期値から目標値に到達するまで出力電流値を徐々に増加させる徐変電流制御による充電を行わせる制御シーケンスを有するものであれば、異常から復帰して充電を再開させる度に、再開時の充電出力が小さい時間を一々経ることを要するので、充電再開から充電完了までの時間の短縮化を図るに当たって妨げとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−290533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、充電ができていないか、または充電が不十分な状態が発生するリスクをより低減することが可能な充電制御方法、充電制御装置およびバッテリー充電システムを提供することを課題とする。
【0009】
また、本発明は、充電再開から充電完了までの時間をより短縮することが可能な充電制御方法、充電制御装置およびバッテリー充電システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決可能な本発明の充電制御方法は、
(1)充電器から電動車のバッテリーユニットへの充電に係る充電制御方法であって、
前記充電器から前記バッテリーユニットへの出力が有る状態で異常が発生した際には、前記充電器からの出力が無い状態へ一旦遷移させた後、待機状態へと遷移させ、
所定時間以内に前記異常が復帰した際には、前記待機状態より前記充電器からの出力が有る状態へと遷移させ、前記異常が復帰した時点から前記充電を再開させる一方、
前記異常が復帰しない状態で前記所定時間が経過した後は、前記待機状態より充電停止状態へと遷移させる、
ことを特徴とするものである。
【0011】
上記(1)に係る本発明の充電制御方法においては、
(2)前記所定時間以内に前記異常が復帰し、前記待機状態より前記充電器からの出力が有る状態へと遷移させる際、前記充電器からの最大出力で充電を再開させることが好ましい。
【0012】
また、上記(2)に係る本発明の充電制御方法においては、
(3)前記所定時間以内に前記異常が復帰し、前記待機状態より前記充電器からの出力が有る状態へと遷移させる際、さらに、当該復帰時点における前記バッテリーユニットの内部充電電圧値または充電量が規定値以上であるか否かを判定し、
前記内部充電電圧値または前記充電量が規定値以上である場合には、前記充電器からの最大出力で充電を再開させる一方、
前記内部充電電圧値または前記充電量が規定値未満である場合には、徐変電流制御により前記充電を再開させることが好ましい。
【0013】
また、上記(1)に係る本発明の充電制御方法においては、
(4)前記異常が発生した際、その時点における充電状態を記憶させ、前記所定時間以内に前記異常が復帰した際には、当該記憶させておいた前記異常発生時点における充電状態から充電を再開させることが好ましい。
【0014】
また、上記(1)に係る本発明の充電制御方法においては、
(5)前記所定時間経過後に前記異常が復帰した際、前記バッテリーユニットの充電を新たに開始させるのと同一要領で前記充電を再開させることが好ましい。
【0015】
また、上記(1)ないし(5)のいずれかに係る本発明の充電制御方法においては、
(6)前記所定時間が0<t≦5[min](t:時間)であることが好ましい。
【0016】
さらに、上記課題を解決可能な本発明の充電制御装置は、
(7)電動車のバッテリーユニットを充電する充電器の充電制御装置であって、中央処理装置と、ROMおよびRAMからなるメモリと、計時用タイマと、A/D変換器およびD/A変換器からなる入出力インタフェースとを含むマイクロコンピュータより構成され、前記バッテリーユニット内のバッテリー制御ユニット、前記充電器、そして前記電動車を制御する車両制御ユニットと接続されており、さらに、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の充電制御方法により前記充電器の制御を行うよう構成されていることを特徴とするものである。
【0017】
さらに、上記課題を解決可能な本発明のバッテリー充電システムは、
(8)電動車のバッテリーユニットを充電するバッテリー充電システムであって、
前記電動車を制御する車両制御ユニットと、
前記バッテリーユニットを充電する充電器と、
前記充電器に前記バッテリーユニット充電用の電力を供給する外部電源と、
前記充電器の動作を制御する、上記(7)に記載の充電制御装置と、
からなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、一定時間待機させることで、充電できていない状態が発生するリスクを減らすことができる。すなわち、本発明によれば、充電ができていない、または充電が不十分な状態が生じにくくなる。
また本発明によれば、所定時間以内に異常が復帰した際には、直ちに充電出力有り状態へ遷移させて充電を再開させることが可能であり、充電再開から充電完了までの時間をより短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る充電制御装置を用いたバッテリー充電システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明により行われる充電制御に伴い変化する各状態を示す状態遷移図である。
【図3】本発明の充電制御方法の概略を示すフローチャートである。
【図4】本発明の充電制御方法の詳細な流れを説明するフローチャートである。
【図5】出力電流とバッテリー電圧との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の充電制御方法の変形例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の充電制御方法の変形例における出力電流とバッテリー電圧との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る充電制御方法、充電制御装置およびバッテリー充電システムの詳細に付き、実施例を用いて説明する。なお、各図面に関し、同一箇所については同一の参照符を用いるものとする。
【実施例1】
【0021】
[充電制御装置の構成]
図1に、本発明に係る充電制御装置1を備え、本発明に係る充電制御方法によって制御されるバッテリー充電システム10の一実施例に係るブロック図を示す。
本実施例に係るバッテリー充電システム10は、充電制御装置1と、車載充電器2と、バッテリーおよびバッテリー制御ユニットを含むバッテリーユニット3と、車両制御ユニット(EV−ECU)4とからなっている。充電制御装置1と、車載充電器2と、バッテリーユニット3と、車両制御ユニット4とは、CAN(Controller Area Network )を介して相互通信可能に接続されている。
【0022】
バッテリーユニット3は、給電ステーション等に設置されている不図示の設置型充電器によって充電されるか、電動車内に搭載されている車載充電器2によって充電される。設置型充電器は、高電圧(例えば、DC400V)の直流電力をバッテリーユニット3に供給する。
一方、車載充電器2は、外部電源5から供給される低電圧(例えばAC100VまたはAC200V)の交流電力を、上記高電圧の直流電力に変換してバッテリーユニット3に供給する。
なお、本発明の制御方法の適用対象は車載充電器2であっても、上記不図示の設置型充電器であっても良く、以下、特に断りのない限り、両者を充電器2と総称して説明を進めることとする。
【0023】
本実施例において、バッテリーユニット3には、そのバッテリー電圧を検出する電圧センサのほか、バッテリーユニット3の温度を検出する温度センサが備えられている。バッテリーユニット3には、当該バッテリーユニット3に出入する充放電電流を検出する電流センサが挿入されている。
バッテリーユニット3の正負端子は、充電器2に接続されるほか、不図示の走行用モータ駆動用インバータに接続されている。インバータはバッテリーユニット3を電源として、車両制御ユニットからの指令に従い走行用モータを駆動する。
【0024】
充電制御装置1は、制御、判断、処理、計算、計時、記憶その他の機能を有しており、バッテリーユニット3内のバッテリー制御ユニット、車両制御ユニット4、そして充電器2と必要に応じて通信を行いながら充電器2の動作を制御する。
【0025】
上記充電制御装置1、バッテリー制御ユニット、車両制御ユニット4は、それぞれ、中央処理装置としてのCPUと、システムプログラムや異常が発生した際および異常が復帰した際の制御を行うための制御プログラム等が記憶されるROM並びに一時記憶に使用されるRAMからなるメモリと、計時用タイマ、A/D変換器、D/A変換器等の入出力インタフェース等が含まれるマイクロコンピュータより構成される。充電器2にも、同様のマイクロコンピュータが備えられている。
【0026】
[充電制御方法]
次に、図2〜5を用いて、本実施例により行われる充電制御につき説明する。図2は、本実施例により行われる充電制御に伴い変化する各状態を示す状態遷移図、図3は本実施例の充電制御方法の概略を示すフローチャート、図4は本実施例の充電制御方法の詳細な流れを説明するフローチャート、そして図5は本実施例の充電制御方法を適用した場合における出力電流とバッテリー電圧との関係を示すグラフである。
図5に示す通り、本実施例では、充電器2の制御状態は定電流制御と定電力制御と定電圧制御とに分けられる。これらの制御状態は、充電制御装置1の制御下で切り替えられる。
【0027】
なお、引用文献1は、停電の検知を停電オンオフ信号Siのレベルにより行う構成となっているほか、停電中における補助バッテリー24の使用を最小限にすることを発明の主たる課題または効果としている。
しかしながら、本願発明は、以下に説明する通り、停電オンオフ信号Siのようなものを利用せず、また停電中における補助バッテリー24の使用を最小限にすることを発明の課題または効果とするものではない。さらに本願発明は、停電以外の異常についても対応可能であり、この点からも、両者の発想の原点が異なるものであることは明白である。
【0028】
はじめに、図2に示す状態遷移図に基づき、本実施例により行われる充電制御に伴い変化する各状態につき説明する。なお、各状態へと遷移させる充電制御そのものについては、後に図3および図4を用いて説明する。
【0029】
図2は、充電開始後に発生した異常が復帰し、充電を再開させる際における場合分けを示す状態遷移図である。本実施例は、以下のS1〜S4の4つの状態からなっている。
S1(充電中、出力あり)とは、充電開始後、文字通り充電中、すなわち充電器2からの出力が有る状態を指すものとする。
S2(充電中、出力無し)とは、充電器2のステータス、つまり充電状態としては正常状態(=充電中)のままであるが、その時点における充電目標値がゼロを指している、すなわち出力無しの状態を指すものとする。
S3(充電待機)とは、充電器2のステータス、つまり充電状態を充電中から解除して、充電準備をしている状態(充電器の電源オン)を指すものとする。
S4(充電停止)とは、充電器2のステータス、つまり充電状態を充電準備から解除して、充電機能を完全に停止させた状態(充電器の電源オフ)を指すものとする。
【0030】
本実施例では、各状態へと遷移(T12、T21、T23、T32、T31、T34、T42、T14)するに当たっては、以下の遷移条件が設けられている。なお、以下の「1」はハイレベル、「0」はローレベルの信号出力を例示している。
i)充電条件:1
このケースは、下記がすべて成立するときに該当する。
・AC接続:1(あり)
・充電指示:1(あり)
・異常検出:0(無し)
そして、充電条件:1に該当したことをトリガとして、T21、T32またはT42の各遷移が生じる。
【0031】
ii)充電条件:1※
このケースは、下記がすべて成立するときに該当する。
・AC接続:1(あり)
・充電指示:1(あり)
・異常検出:0(無し)
・復帰時点の内部充電電圧値またはSOCが規定値未満
後に説明する変形例では、充電条件:1※に該当したことをトリガとしてT31の遷移が生じ、充電再開時に徐変電流制御が行われる。なお、T31の遷移が無い本実施例にはこの条件は適用されない。
【0032】
iii)充電条件:0
このケースは、下記のいずれかが成立するときに該当する。
・AC接続:0(無し)
・充電指示:0(無し)
・通信異常:1(あり)
そして、充電条件:0に該当したことをトリガとして、T12およびT23の遷移が生じる。
【0033】
iv)充電停止条件:1
このケースは、下記のいずれかが成立するときに該当する。
・充電停止指示:1
・異常検出:1
・充電完了:1
そして、充電停止条件:1に該当したことをトリガとして、T34またはT14の遷移が生じる。
【0034】
上記した、各状態S1〜S4自体、並びに各状態へ遷移(T12、T21、T23、T32、T31、T34、T42、T14)するための条件の説明を踏まえ、本実施例において各状態へ遷移して行く一連の流れにつき順を追って説明すると、充電中、すなわち充電器2からの出力が有る状態(S1:充電中、出力あり)から異常が発生した際には、一旦、充電器2からの出力が無い状態(S2:充電中、出力無し)として(T12)、そのままアイドリングすなわち待機状態(S3:充電待機)にする(T23、S3:充電待機)。
【0035】
そして、所定時間以内に異常が復帰した際(充電条件:1)には、異常が復帰した時点から直ちに、充電目標値すなわち充電電圧を最大値に設定し、充電器2から出力し得る最大電力で充電を再開(T32、T21)させ、充電器2からの出力が有る状態(S1:充電中、出力あり)に戻す。
または、後記変形例に示すように、徐変電流制御も利用して充電制御を行うケース等では、復帰時点におけるバッテリーユニット3の内部充電電圧値またはSOCが規定値以上であるか否かを判定し、復帰時点の内部充電電圧値またはSOCが規定値未満である場合には(充電条件:1※)、徐変電流制御により充電を再開させる(T31)。
このように、T21とT31とは、充電を再開させるという遷移状況は同じであっても、T21は徐変電流制御を行うことなく直ちに充電再開を行うことを意図しているのに対し、T31は復帰時点の内部充電電圧値またはSOCの値次第で徐変電流制御を行うことを意図している点で相違する。
【0036】
なお、後に説明する実施例2では、異常が発生した際、その時点における充電状態を充電制御装置1内のメモリに記憶させるとともにS2へと遷移させ(T12)、待機(T23、S3)後、所定時間以内に異常が復帰した際(充電条件:1)には、当該メモリに記憶させておいた異常発生時点における充電状態から充電を再開させ(T32、T21)、充電器2からの出力が有る状態(S1:充電中、出力あり)に戻す制御を行っている。
【0037】
一方、所定時間経過後は、充電を一旦停止させる(T34、S4:充電停止)。なお、本実施例では、所定時間、すなわち異常を検知してからS3の待機時間tは0<t≦5[min]程度とされ、所定時間以内に異常が復帰しなかった場合には、S4の充電停止状態へと遷移させている(T34)。
なお、待機時間tは任意に設定されるが、あまり長く設定すると異常以外の充電器トラブルや外部要因等により充電停止させたケースをも包含する可能性があるため、運用状況に応じ適宜調整することが好ましい。
S4の充電停止状態へと遷移した後は、異常が復帰して充電可能条件が揃い次第(充電条件:1)、充電を再開する(T42、T21)。しかしながら、このケースでは空のバッテリーを一から充電する場合等と同様の制御シーケンスを経由させて充電を再開させるため、所定時間以内に異常が復帰して充電再開されるケース(T32、T21)のように直ちに充電出力が再開されるとは限らない。
【0038】
最後に、T14は、上記異常のケースとは別に、過電圧、過電流、または温度異常等の理由で充電を緊急停止させる場合が該当する。そのほか、T14は、充電開始後または充電再開後、異常なく実際に充電を行っている積算充電時間が所定の目標時間に達して充電完了に到達したと判断された際に充電を終了させる場合も該当する。
【0039】
以上のように、各状態を適宜遷移させることにより、本実施例では、充電停止時間を最小にし、充電出力をしている時間を少しでも長くしている。
【0040】
次に、図3のフローチャート100に基づき本実施例の充電制御方法の概略を説明する。
充電指示が充電制御装置1に与えられたとき、充電制御装置1はバッテリーユニット3の端子電圧、温度、またはバッテリーユニット3の容量およびSOC等、充電制御を行うに当たって必要となる各種データを自身のRAM内に読み込む(ステップS101)。
充電制御装置1は、読み込んだ各種データを参考に、充電器2の制御状態を定電流制御、定電力制御、そして定電圧制御と順次切り替えてバッテリーユニット3の充電を行うように構成されている。
【0041】
停電その他の異常が発生していない場合には(ステップS102:NO)、充電指示装置1は、上記の通り読み込んだ各種データを参考に、充電完了に到達するまで充電器2の制御状態を定電流制御、定電力制御、そして定電圧制御と順次切り替えてバッテリーユニット3の充電を行う。
本実施例では、実際に充電を行っている積算充電時間が所定の目標時間に達したときに充電完了に到達したと判断する充電制御が行われる。積算充電時間の計時は充電制御装置1内のタイマにより行われる。また本実施例では、バッテリーユニット3の端子電圧や温度の変化の割合を監視すること等を通じて充電器2の制御状態の切り替えを行っている。
【0042】
一方、異常が発生した場合(ステップS102:YES)には、図4のステップS203以降の制御処理が行われる。これについては図4を用いて後述する。
【0043】
本実施例では、停電その他の異常が発生していない場合(ステップS102:NO)には次のステップS108に進む。
本実施例では、実際に充電を行っている積算充電時間が所定の目標時間に達していないと判断された場合(ステップS108:NO)には、再びステップS102へと戻り、異常が発生していないか否か監視されるよう構成されている。
そして、異常が復帰するまで、ステップS103の判断ループが繰り返され(ステップS103:NO)、異常が復帰した場合(ステップS103:YES)、充電が再開される(ステップS104)。
このときの充電器2の制御状態は、異常が発生してから復帰するまでの時間の長短により、異常が復帰した時点から直ちに、充電目標値すなわち充電電圧を最大値に設定し、充電器から出力し得る最大電力で充電を再開するか、または空のバッテリーを一から充電する場合等と同様に、再度、充電指示装置1がステップS101を経て読み込んだ各種データを参考に充電器2の制御状態を一々判断する制御シーケンスを採るかのいずれかが選ばれる。このあたりの詳細についても、図4を用いて後述する。
【0044】
充電再開後(ステップS104)は、再び積算充電時間を監視して充電完了に到達したか判断(ステップS108)し、充電完了に到達していない場合(ステップS108:NO)には再び異常が発生するかどうかを監視する(ステップS102)。
【0045】
一方、充電再開後、そのまま異常が発生せずに充電積算時間が所定の目標時間に達した場合(ステップS108:YES)には、ステップS2の段階で異常が発生せずに充電積算時間が所定の目標時間に達した場合と同様に充電完了と判断し、充電を停止する。
【0046】
以上の通り、充電制御装置1は、バッテリーユニット3への充電制御中に異常が発生するか否かを監視する。そして、異常が復帰した場合、充電制御装置1は充電器2に対し充電再開を指令し、充電ができていないか、または充電が不十分な状態が発生するリスクを低減することとしている。
【0047】
また本実施例によれば、異常が発生してから所定時間以内に異常が復帰した場合には、異常が復帰した時点から直ちに、充電目標値すなわち充電電圧を最大値に設定し、充電器から出力し得る最大電力で充電が再開されるので、充電指示装置1がステップS101を経て読み込んだ各種データを参考に充電器2の制御状態を一々判断する時間を省略することができ、充電再開から充電完了までの時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0048】
さらに、図4のフローチャート200に基づき本実施例の充電制御方法の詳細な流れを説明する。
充電指示が充電制御装置1に与えられたとき、充電制御装置1はバッテリーユニット3の端子電圧、温度、またはバッテリーユニット3の容量およびSOC等、充電制御を行うに当たって必要となる各種データを自身のRAM内に読み込んだ後、充電を開始する(ステップS201)。充電指示装置1は、読み込んだ各種データを参考に、充電完了に到達するまで充電器2の制御状態を定電流制御、定電力制御、そして定電圧制御と順次切り替えてバッテリーユニット3の充電を行う。
【0049】
停電その他の異常が発生していない場合(ステップS202:NO)には次のステップS207に進む。
本実施例では、実際に充電を行っている積算充電時間が所定の目標時間に達していないと判断された場合(ステップS207:NO)には、再びステップS202へと戻り、異常が発生していないか否か監視されるよう構成されている。
【0050】
一方、異常が発生した場合(ステップS202:YES)には、一旦、充電器2からの出力がない状態(T12、S2)としてから充電待機(T23、S3)となり、ステップS203以降の制御処理が行われる。すなわち、ステップS203で充電制御装置1のタイマがt=0にされたのち、待機時間tが所定時間を経過するまでの間(ステップS204:NO)、異常が復帰するまで、ステップS204−S205の判断ループが繰り返される(ステップS205:NO)。
【0051】
ここで、待機時間tが所定時間を経過すれば(ステップS204:YES)、ステップS208へと進み、一旦充電は停止(T34、S4)する。その後、異常が復帰したときには、空のバッテリーを一から充電する場合等と同様に、充電制御装置1は再度、ステップS201よりスタートし、充電制御を行うに当たって必要となる各種データを自身のRAM内に読み込んだのち、これらを参考に充電器2の制御状態を判断して充電を再開する制御シーケンスが採られる。
【0052】
他方、待機時間t=所定時間以内に異常が復帰したときには(ステップS204:NO、S205:YES)、ステップS206へと進み、充電が再開される。ステップS206へと進んだ場合、充電待機(S3)から充電器2からの出力がない状態(T32、S2)となり、充電制御装置1は異常が復帰した時点から、充電目標値すなわち充電電圧を最大値に設定し、充電器2から出力し得る最大電力で充電を再開(T21、S1)するように制御される。
【0053】
充電再開後は、再び積算充電時間を監視して充電完了に到達したか判断(ステップS207)し、充電完了に到達していない場合(ステップS207:NO)には再び異常が発生するかどうかを監視する(ステップS202)。
【0054】
なお、充電再開後、そのまま異常が発生せずに充電積算時間が所定の目標時間に達した場合(ステップS207:YES)には、異常が発生せずに充電積算時間が所定の目標時間に達した場合と同様に充電完了と判断し、ステップS208の終了処理を経たのち、充電を停止(T14、S4)する。
【0055】
[作用]
ここで、上記した本実施例の充電制御方法、充電制御装置およびバッテリー充電システムの作用につき説明する。
本実施例によれば、異常が発生した場合であっても、所定時間内に異常が復帰した場合には充電を再開でき、充電指示装置1がステップS101を経て読み込んだ各種データを参考に充電器2の制御状態を一々判断する時間を省略することが可能となる。
すなわち、本実施例によれば、充電停止時間を最小にし、充電出力をしている時間を少しでも長くすることが可能となり、充電再開から充電完了までの時間の短縮化を図ることができる。
【0056】
さらに、本実施例によれば、仮に充電器2が電流増加率に基づいて初期値から目標値に到達するまで出力電流値を徐々に増加させる、徐変電流制御による充電を行わせる制御シーケンスを有するものであっても、所定時間以内に異常が復帰した場合には充電を再開させる度に再開時の充電出力が小さい時間を一々経ることを省略できるので、充電再開から充電完了までの時間の短縮化をより図ることができる。
【実施例2】
【0057】
以下、本発明の別の実施例に係る充電制御方法につき説明する。
ここで、実施例1と実施例2の違いにつき予備的に説明すると、実施例1においては、異常が発生してから所定時間以内に異常が復帰した場合、充電制御装置1は充電目標値すなわち充電電圧を最大値に設定し、充電器から出力し得る最大電力で充電を再開する構成となっている。
他方、本実施例では、異常が発生した場合、充電制御装置1には、異常が発生した時点における充電器2の制御状態が記憶される(下記参照)。そして、異常が発生してから所定時間以内に異常が復帰した場合には、充電制御装置1に記憶された異常が発生した時点における充電器2の制御状態で充電再開する構成となっている。この点が実施例1の場合と異なる点である。
【0058】
実施例1と実施例2の違いは以上の点にあり、実施例2に係る充電制御方法の概略自体は、実施例1同様、図3のフローチャート100に基づいて説明される。したがって、以下の実施例1に係る上記説明と重複する部分については、その詳細な説明を省略する。
【0059】
充電指示が充電制御装置1に与えられたとき、充電制御装置1はバッテリーユニット3の端子電圧、温度、またはバッテリーユニット3の容量およびSOC等、充電制御を行うに当たって必要となる各種データを自身のRAM内に読み込む(ステップS101)。充電制御装置1は、読み込んだ各種データを参考に、充電器2の制御状態を定電流制御、定電力制御、そして定電圧制御と順次切り替えてバッテリーユニット3の充電を行うように構成されている。
【0060】
停電その他の異常が発生していない場合には(ステップS102:NO)、充電指示装置1は、上記の通り読み込んだ各種データを参考に、充電完了に到達するまで充電器2の制御状態を定電流制御、定電力制御、そして定電圧制御と順次切り替えてバッテリーユニット3の充電を行う。
本実施例では、実際に充電を行っている積算充電時間が所定の目標時間に達したときに充電完了に到達したと判断する充電制御が行われる。積算充電時間の計時は充電制御装置1内のタイマにより行われる。本実施例では、バッテリーユニット3の端子電圧や温度の変化の割合を監視すること等を通じて充電器2の制御状態の切り替えを行っている。
【0061】
一方、異常が発生した場合(ステップS102:YES)には、一旦、充電器2からの出力がない状態(T12、S2)としてから充電待機(T23、S3)となり、図4のステップS203以降の制御処理が行われる。
なお、本実施例では、異常が発生した場合、充電制御装置1には異常が発生した時点における充電器2の制御状態が記憶される。
【0062】
本実施例においても、異常が復帰するまで、ステップS103の判断ループが繰り返される(ステップS103:NO)。そして、異常が復帰した場合(ステップS103:YES)、充電が再開される(ステップS104)。
このときの充電器2の制御状態は、異常が発生してから復帰するまでの時間の長短により、充電制御装置1に記憶された異常が発生した時点における充電器2の制御状態(T32、S2、T21、S1)とされるか、または空のバッテリーを一から充電する場合等と同様に、再度、充電指示装置1がステップS101を経て読み込んだ各種データを参考に充電器2の制御状態を一々判断する制御シーケンス(T34、S4、T42、S2、T21、S1)を採るかのいずれかが選ばれる。
【0063】
充電再開後は、再び積算充電時間を監視して充電完了に到達したか判断(ステップS108)し、充電完了に到達していない場合(ステップS108:NO)には、再び異常が発生するかどうかを監視する(ステップS102)。
【0064】
一方、充電再開後、そのまま異常が発生せずに充電積算時間が所定の目標時間に達した場合(ステップS108:YES)には、ステップS2の段階で異常が発生せずに充電積算時間が所定の目標時間に達した場合と同様に充電完了と判断し、充電を停止(T14、S4)する。
【0065】
以上の通り、充電制御装置1は、バッテリーユニット3への充電制御中に異常が発生するか否かを監視する。そして、異常が復帰した場合、充電制御装置1は充電器2に対し充電再開を指令し、充電ができていない、または充電が不十分な状態が発生するリスクを低減することとしている。
【0066】
本実施例によれば、異常が発生してから所定時間内に異常が復帰した場合には、充電制御装置1に記憶された異常が発生した時点における充電器2の制御状態で直ちに充電再開されるので、充電指示装置1がステップS101を経て読み込んだ各種データを参考に充電器2の制御状態を一々判断する時間を省略することができ、充電再開から充電完了までの時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0067】
[変形例]
以上、一実施例に基づき本発明の充電制御方法、充電制御装置およびバッテリー充電システムに付き説明してきたが、本発明は上記実施例記載の構成に限定されず、種々変形実施することが可能である。
【0068】
例えば、本実施例においては、充電器2の制御状態は定電流制御と定電力制御と定電圧制御とに分けられるものとしたが、これに限られず、上記制御状態が図7に示すように徐変電流制御と定電流制御と定電力制御と定電圧制御とに分けられるものとし、それらの制御状態が、充電制御装置1の制御下で切り替えられるものとしても差し支えない。この場合における充電制御方法の概略を、図6のフローチャート100’に基づいて説明する。
なお、図7に示すように、徐変電流制御を行う際には、充電制御装置1は、定電流制御時における充電器2の出力電流値である目標値Iと、(徐変電流制御による)充電開始時における出力電流値である初期値Iと、初期値Iから目標値Iまでの電流増加率とからなる制御条件を設定する。
以下、図6のフローチャート100’に基づきこの変形例に係る充電制御方法の概略を説明する。図6は、図3のステップS104の後処理としてステップS105〜S107の処理が追加されたものである。したがって、以下では、上記した本実施例に係る説明と重複する部分については、その詳細な説明を省略する。
【0069】
はじめに、充電指示が充電制御装置1に与えられたとき、充電制御装置1はバッテリーユニット3の端子電圧、温度、またはバッテリーユニット3の容量およびSOC等、充電制御を行うに当たって必要となる各種データを自身のRAM内に読み込む(ステップS101)。充電指示装置1は、読み込んだ各種データを参考に、充電器2の制御状態を徐変電流制御、定電流制御、定電力制御、そして定電圧制御と順次切り替えてバッテリーユニット3の充電を行うように構成されている。
【0070】
停電その他の異常が発生していない場合には(ステップS102:NO)、充電制御装置1は、上記の通り読み込んだ各種データを参考に、充電完了に到達するまで充電器2の制御状態を徐変電流制御、定電流制御、定電力制御、そして定電圧制御と順次切り替えてバッテリーユニット3の充電を行う。
一方、異常が発生した場合(ステップS102:YES)には、一旦、充電器2からの出力がない状態(T12、S2)としてから充電待機(T23、S3)となり、図4のステップS203以降の制御処理が行われる。
【0071】
異常が発生した場合は、上記各実施例同様、異常が復帰するまで、ステップS103の判断ループが繰り返される(ステップS103:NO)。
異常が復帰した場合(ステップS103:YES)、充電が再開され(ステップS104)、後述するステップS105〜S107の処理が行われる。
【0072】
この変形例では、異常が発生してから所定時間以内に異常が復帰した場合、図6に示される通り、異常が復帰した時点におけるバッテリーユニット3の内部充電電圧値が規定値以上であるか否かが判定される。なお、バッテリーユニット3の内部充電電圧値に代えてSOCであっても差し支えない。
内部充電電圧値、またはSOCが規定値(例えば300V、SOC:60%)以上である場合(ステップS105:YES)には、充電待機(S3)から充電器2からの出力がない状態(T32、S2)となり、充電目標値を再開用定数に設定、すなわち、充電電圧を最大値に設定し、充電器から出力し得る最大電力で直ちに充電を再開(T21、S1)する(ステップS106)。
一方、内部充電電圧値、またはSOCが規定値未満である場合(ステップS105:NO)には、充電制御装置1は、充電器2の制御状態を徐変電流制御に切り替えてバッテリーユニット3の充電を再開(T31、S1)する(ステップS107)。
【0073】
充電再開後は、再び積算充電時間を監視して充電完了に到達したか判断(ステップS108)し、充電完了に到達していない場合(ステップS108:NO)には、再び異常が発生するかどうかを監視する(ステップS102)。
【0074】
一方、充電再開後、そのまま異常が発生せずに充電積算時間が所定の目標時間に達した場合(ステップS108:YES)には、ステップS2の段階で異常が発生せずに充電積算時間が所定の目標時間に達した場合と同様に充電完了と判断し、充電を停止(T34、S4)する。
【0075】
このように、充電制御装置1は、バッテリーユニット3への充電制御中に異常が発生するか否かを監視する。そして、異常が復帰した場合、充電制御装置1は充電器2に対し充電再開を指令し、充電ができていない、または充電が不十分な状態が発生するリスクを低減することとしている。
【0076】
以上の通り、この変形例に係る充電制御方法によれば、異常が発生してから所定時間以内に異常が復帰した場合、その時点におけるバッテリーユニット3の内部充電電圧値またはSOCが規定値以上であるか否かが判定され、規定値以上である場合(ステップS105:YES)には、充電目標値を再開用定数に設定、すなわち、充電電圧を最大値に設定し、充電器から出力し得る最大電力で直ちに充電が再開される(ステップS106)。一方、規定値未満である場合(ステップS105:NO)には、徐変電流制御に制御状態が切り替えられてバッテリーユニット3の充電が再開される(ステップS107)。
すなわち、この変形例に係る充電制御方法によれば、異常が発生してから所定時間以内に復帰した場合における充電再開時に全て徐変電流制御を行うのではなく、充電再開時における出力電流の増加が急激となるケースに限って徐変電流制御が適用されるよう構成されているので、バッテリーユニット3の劣化防止と、充電再開から充電完了までの時間の短縮化という相反する要求を両立させることが可能となる。
【0077】
以上の通り、本発明は、充電ができていないか、または充電が不十分な状態が発生するリスクをより低減することができるほか、充電再開から充電完了までの時間をより短縮することが可能な充電制御方法、充電制御装置およびバッテリー充電システムを提供する新規かつ有用なるものであることが明らかである。
【符号の説明】
【0078】
1 充電制御装置
2 車載充電器
3 バッテリーユニット
4 車両制御ユニット
5 外部電源
10 バッテリー充電システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器から電動車のバッテリーユニットへの充電に係る充電制御方法であって、
前記充電器から前記バッテリーユニットへの出力が有る状態で異常が発生した際、前記充電器からの出力が無い状態へ一旦遷移させた後、待機状態へと遷移させ、
所定時間以内に前記異常が復帰した際には、前記待機状態より前記充電器からの出力が有る状態へと遷移させ、前記異常が復帰した時点から前記充電を再開させる一方、
前記異常が復帰しない状態で前記所定時間が経過した後は、前記待機状態より充電停止状態へと遷移させる、
ことを特徴とする充電制御方法。
【請求項2】
前記所定時間以内に前記異常が復帰し、前記待機状態より前記充電器からの出力が有る状態へと遷移させる際、前記充電器からの最大出力で充電を再開させることを特徴とする請求項1に記載の充電制御方法。
【請求項3】
前記所定時間以内に前記異常が復帰し、前記待機状態より前記充電器からの出力が有る状態へと遷移させる際、さらに、当該復帰時点における前記バッテリーユニットの内部充電電圧値または充電量が規定値以上であるか否かを判定し、
前記内部充電電圧値または前記充電量が規定値以上である場合には、前記充電器からの最大出力で充電を再開させる一方、
前記内部充電電圧値または前記充電量が規定値未満である場合には、徐変電流制御により前記充電を再開させることを特徴とする請求項2に記載の充電制御方法。
【請求項4】
前記異常が発生した際、その時点における充電状態を記憶させ、前記所定時間以内に異常が復帰した際には、当該記憶させておいた前記異常発生時点における充電状態から充電を再開させることを特徴とする請求項1に記載の充電制御方法。
【請求項5】
前記所定時間経過後に前記異常が復帰した際、前記バッテリーユニットの充電を新たに開始させるのと同一要領で前記充電を再開させることを特徴とする請求項1に記載の充電制御方法。
【請求項6】
前記所定時間が0<t≦5[min](t:時間)であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の充電制御方法。
【請求項7】
電動車のバッテリーユニットを充電する充電器の充電制御装置であって、中央処理装置と、ROMおよびRAMからなるメモリと、計時用タイマと、A/D変換器およびD/A変換器からなる入出力インタフェースとを含むマイクロコンピュータより構成され、前記バッテリーユニット内のバッテリー制御ユニット、前記充電器、そして前記電動車を制御する車両制御ユニットと接続されており、さらに、請求項1〜6のいずれかに記載の充電制御方法により前記充電器の制御を行うよう構成されていることを特徴とする充電制御装置。
【請求項8】
電動車のバッテリーユニットを充電するバッテリー充電システムであって、
前記電動車を制御する車両制御ユニットと、
前記バッテリーユニットを充電する充電器と、
前記充電器に前記バッテリーユニット充電用の電力を供給する外部電源と、
前記充電器の動作を制御する、請求項7に記載の充電制御装置と、
からなることを特徴とするバッテリー充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−100382(P2012−100382A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244163(P2010−244163)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000004606)ニチコン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】