光コネクタアダプタ
【課題】 光ファイバ通信網の加入者端末の識別等、多数本の光ファイバの識別のために光フィルタを利用する技術において、光線路に光フィルタを簡単に組み込むことができる技術の開発が求められていた。
【解決手段】 光コネクタプラグ6を挿入して接続するコネクタ受け部1Aと、光コネクタプラグ6を挿入して接続する受け側光コネクタ7に、光コネクタプラグ6と同様に、挿入して接続することができるプラグ部1Bとを具備し、しかも、光ファイバグレーティング82を内挿固定したフェルール8を内蔵する、光コネクタアダプタ1を提供する。
【解決手段】 光コネクタプラグ6を挿入して接続するコネクタ受け部1Aと、光コネクタプラグ6を挿入して接続する受け側光コネクタ7に、光コネクタプラグ6と同様に、挿入して接続することができるプラグ部1Bとを具備し、しかも、光ファイバグレーティング82を内挿固定したフェルール8を内蔵する、光コネクタアダプタ1を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光フィルタ入りの光コネクタに関し、特に、光フィルタ入りの光コネクタアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、FTTH(Fiber To The Home:光ファイバを家屋、マンション、ビル等まで引くこと)では、ユーザー識別用として、加入者端末に、誘電体多層膜フィルタあるいは光ファイバグレーティング(以下、FBGとも言う)をフェルールに組み込んだ光コネクタ(主としてSC形光コネクタ)が採用されている(例えば、特許文献1)。
誘電体多層膜フィルタ及びFBGは、いずれも、フェルールに組み込まれる光ファイバの、透過波長、遮断波長、反射波長等の波長選択性を決める光フィルタとして機能する。
前者の誘電体多層膜フィルタを組み込んだフェルールは、フェルールに切り込んだ斜め溝に、誘電体多層膜の膜形フィルタを挿入して、接着固定したものである。
光フィルタとして後者のFBG(以下、FBGフィルタとも言う)を組み込んだフェルールは、先端にグレーティングが形成されている光ファイバを用い、この光ファイバの先端を、フェルールの微細孔に挿入して接着固定したものが一般的である。
前記光コネクタは、フェルールに組み込んだ光フィルタが、誘電体多層膜フィルタ、FBGのいずれも場合でも、加入者宅にて、幹線ケーブルから引き落としたドロップケーブルの先端に、光フィルタ入りのフェルール(光コネクタ)から伸びる光ファイバピグテイルを融着接続等によって接続するという作業がある。
【特許文献1】特許第3615924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述の光フィルタ入りフェルールを内蔵した光コネクタには、以下のような問題があった。
(1)フィルタ特性が不良の場合には、光ファイバの先端を切断して、廃棄しなくてはならない。
(2)FBGフィルタの場合は、FBGフィルタの長さが遮断波長と関係する。SCフェルールの全長が規格化されているため、所望の遮断波長を得るための必要長のFBGフィルタをフェルールに収納できない場合がある。このため、FBGフィルタの場合は、遮断波長が、制約を受けることがあった。
【0004】
本発明は、前記課題に鑑みて、光コネクタ(光コネクタプラグ)と、この光コネクタが挿入して接続される受け側光コネクタとの間に簡単に割り入れることができ、また、光コネクタと受け側光コネクタとの間に割り入れることで、ハウジング本体内に組み込んだフェルールに内挿固定されている光ファイバグレーティングを、光線路に簡単に介在させることができる光コネクタアダプタの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所を有するコネクタ受け部と、前記光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所を有する受け側光コネクタに挿入可能なプラグ部とを具備し、さらに、光ファイバグレーティングが内挿固定されたグレーティング内蔵フェルールを内蔵して構成され、前記コネクタ受け部に挿入された光コネクタのフェルールと、前記プラグ部が挿入された受け側光コネクタに組み込まれているフェルールとが、前記グレーティング内蔵フェルールに両側から突き合わされることで、前記光コネクタ側の光ファイバと前記受け側光コネクタ側の光ファイバとが、前記グレーティング内蔵フェルール内の前記光ファイバグレーティングを介して光接続されるようになっていることを特徴とする光コネクタアダプタを提供する。
請求項2に係る発明は、フェルールを収納するハウジングの両側にラッチが突設されている光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所を有する雌形ハウジング部と、前記光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所を有する受け側光コネクタに挿入可能な雄形ハウジング部とを具備してなるハウジング本体内に、光ファイバグレーティングが内挿固定されたグレーティング内蔵フェルールが組み込まれ、前記雌形ハウジング部は前記コネクタ受け部、前記雄形ハウジング部は前記プラグ部に設けられており、前記雌形ハウジング部及び前記受け側光コネクタは、前記コネクタ収容凹所の両側の側壁部に、前記コネクタ収容凹所に収容された前記光コネクタの両側のラッチが係合される係止凹所を具備し、前記雄形ハウジング部は、前記受け側光コネクタの前記コネクタ収容凹所に挿入されて、前記受け側光コネクタの前記コネクタ収容凹所の両側の前記係止凹所に係止される一対のラッチを具備し、前記雌形ハウジング部に挿入された光コネクタのフェルールと、前記雄形ハウジング部が挿入された受け側光コネクタに組み込まれているフェルールとが、前記グレーティング内蔵フェルールに両側から突き合わされることで、前記光コネクタのフェルールに内挿されている光ファイバと、前記受け側光ファイバのフェルールに内挿されている光ファイバとが、前記グレーティング内蔵フェルール内の前記光ファイバグレーティングを介して光接続されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項3に係る発明は、雌形ハウジング部のコネクタ収容凹所の両側の側壁部の係止凹所から、前記雄形ハウジング部の一対のラッチの先端に突設されて、前記受け側光コネクタのコネクタ収容凹所の両側の側壁部の係止凹所に入り込んで前記受け側光コネクタに係合される係止爪までが、一体になっていることを特徴とする請求項2記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項4に係る発明は、前記雌形ハウジング部の前記係止凹所から前記係止爪までが、合成樹脂で一体成形された部材によって一体に形成されていることを特徴とする請求項3記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項5に係る発明は、前記雄形ハウジング部の一対のラッチの間に、前記グレーティング内蔵フェルールの前記雄形ハウジング部の一対のラッチの間に突出された部分を収納する、スリーブ状のプラグフレーム本体が組み込まれていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項6に係る発明は、前記グレーティング内蔵フェルールが、前記ハウジング本体内部にて前記雄形ハウジング部と前記雌形ハウジング部との境界位置に設けられた中央壁部に組み込まれた割りスリーブに収納され、前記グレーティング内蔵フェルールの一端部が、前記割りスリーブの軸方向中央部に配置され、前記グレーティング内蔵フェルールの他端部が、前記割りスリーブの前記雄形ハウジング部側の端部から突出されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項7に係る発明は、前記雌形ハウジング部のコネクタ収容凹所内に、光コネクタプラグに両側から係脱可能に係合する弾性爪を有する、爪付き部品が組み込み可能であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項8に係る発明は、前記グレーティング内蔵フェルール内に、前記光ファイバグレーティングのクラッドモード光を吸収するクラッドモード光吸収手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項9に係る発明は、前記クラッドモード光吸収手段が、前記グレーティング内蔵フェルールを貫通する微細孔内に収納された前記光ファイバグレーティング外周面を覆うように設けられた光吸収剤入り接着剤であることを特徴とする請求項8記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項10に係る発明は、前記グレーティング内蔵フェルール内に、前記クラッドモード光吸収手段として、モードフィールド径あるいはコア径に対応する透光孔を有し、かつ、クラッドモード光を遮蔽する遮蔽体が内蔵されていることを特徴とする請求項8記載の光コネクタアダプタを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る光コネクタアダプタは、光コネクタ(光コネクタプラグ)が挿入されるコネクタ受け部と、受け側光コネクタに挿入できるプラグ部とを具備しているため、光コネクタと受け側光コネクタとの間に簡単に割り入れることができる。そして、コネクタ受け部に挿入された光コネクタのフェルールと、プラグ部が挿入された受け側光コネクタに組み込まれているフェルールとが、ハウジング本体に組み込まれているグレーティング内蔵フェルールに両側から突き合わされることで、前記光コネクタのフェルールに内挿されている光ファイバと、前記受け側光コネクタのフェルールに内挿されている光ファイバとの間に、グレーティング内蔵フェルール内の光ファイバグレーティングを介在させることができ、例えば遮断波長等の、所望の波長選択性を簡単に付与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施した光コネクタアダプタについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の光コネクタアダプタ1と、光コネクタ6(光コネクタプラグ)及び該光コネクタ6を挿入して嵌合する受け側光コネクタ7との関係を示す図、図2は前記光コネクタアダプタ1の構造を模式的に示した拡大断面図である。
また、図3〜図8は、前記光コネクタアダプタ1の具体的構成例を示す図であって、図3は本発明に係る実施形態の光コネクタアダプタ1を示す全体斜視図、図4(a)〜(c)は光コネクタアダプタ1の構造を示す図、図6(a)、(b)は光コネクタアダプタ1のハウジング本体2と該ハウジング本体2の雄形ハウジング部5に組み込まれるプラグフレーム本体3との関係を示す断面図、図7は光コネクタアダプタ1のハウジング本体2を雌形ハウジング部4側から見た斜視図、図8は前記ハウジング本体2を雄形ハウジング部5側から見た斜視図である。
また、図9は図3〜図8に例示した光コネクタアダプタ1と、光コネクタ6(光コネクタプラグ)及び該光コネクタ6を挿入して嵌合する受け側光コネクタ7との関係を示す図である。
【0008】
図1、図2に示すように、本発明に係る光コネクタアダプタ1は、光コネクタ6が挿入され嵌合されるコネクタ受け部1Aと、受け側光コネクタ7に挿入して嵌合されるプラグ部1Bとを具備しており、光コネクタ6と受け側光コネクタ7の間に割り込ませるようにして設けることができるものである。
まず、光コネクタ6と受け側光コネクタ7とについて説明する。
図1に示すように、光コネクタ6は、フェルール61と、このフェルール61を収納するスリーブ状のハウジング本体62(以下、ハウジング本体)及び該ハウジング本体62の両側に突設された一対のラッチ63とを有してなるラッチ付きハウジング64とを具備し、光ファイバ101の先端に組み立てられている。
光ファイバ101としては、例えば、ドロップケーブル(光ファイバケーブル)である。ドロップケーブルは、光ファイバ素線を、抗張力体とともに樹脂被覆中に埋設した構造のものである。
フェルール61に収納されている光ファイバ65は、光ファイバ101側の光線路の一部を構成する。
光コネクタ6の、前記フェルール61先端の接合端面61a側である先端部とは反対側の後端部からは、前記光ファイバ101のピグテイルが延びている。
【0009】
光コネクタ6のハウジング本体62は、JIS C 5973に制定されるSC形光コネクタ(SC:Single fiberCoupling optical fiber connector)の光コネクタプラグのハウジングと同様の外形に形成されている。
ラッチ63は、ハウジング本体62の後端部から突設され、ハウジング本体62の両側面62bに沿って延在されている。
ここで例示した光コネクタ6のハウジング本体62はプラスチック製であり、前記ラッチ63は、ハウジング本体62に一体成形により形成されている。前記ラッチ63は、ハウジング本体62から突設された弾性片である。
【0010】
受け側光コネクタ7は、前記光コネクタ6が外側から挿入されるコネクタ収容凹所71を有する受けハウジング部73内にフェルール74が組み込まれた構造であり、光ファイバ102の先端に組み立てられている。
図1中、符号75は、光ファイバ102の先端部を引き留める引き留め部材(図示略)を収納した、引き留め用ハウジングである。引き留め用ハウジング75からは、光ファイバ102のピグテイルが延びている。
光ファイバ102としては、前述した光ファイバ101と同様に、光ファイバ素線を、抗張力体とともに樹脂被覆中に埋設した構造の光ファイバケーブル(例えば、いわゆるインドアケーブル)が採用されるが、例えば、光ファイバ心線、光ファイバ素線、光ファイバコード等も採用可能である。フェルール74に収納されている光ファイバ76は、光ファイバ102側の光線路の一部を構成する。
【0011】
前記フェルール74は、受け側光コネクタ7の受けハウジング部73内に組み込まれた割りスリーブ77に収納されている。フェルール74は、先端の接合端面74aが、割りスリーブ77の軸方向中央部となるようにして、割りスリーブ77に収納されている。
割りスリーブ77は、コネクタ収容凹所71の、該コネクタ収容凹所71内に光コネクタ6を挿入するための開口部72から見て奥側を塞ぐようにして受けハウジング部73に設けられている奥壁部78からコネクタ収容凹所71内に突出している。
受けハウジング部73の、割りスリーブ77を介して両側の側壁部73aには、前記コネクタ収容凹所71に挿入して収容された前記光コネクタ6の両側のラッチ63が係脱可能に係合される係止凹所73bが形成されている。図示例の受け側光コネクタ7において、前記係止凹所73bは、側壁部73aを貫通する窓状に形成されている。
【0012】
図10に示すように、光コネクタ6は、受け側光コネクタ7のコネクタ収容凹所71に押し込むようにして挿入することで、受け側光コネクタ7に嵌合され、受け側光コネクタ7に接続できる。
光コネクタ6を受け側光コネクタ7のコネクタ収容凹所71に押し込んでいくと、光コネクタ6のフェルール61が、受け側光コネクタ7の割りスリーブ77に挿入されて、割りスリーブ77内で、受け側光コネクタ7のフェルール74と突き合わせられる。これにより、フェルール61、74に内挿固定されている光ファイバ65、76同士が突き合わせ接続され、光コネクタ6側の光ファイバ101と受け側光コネクタ7の光ファイバ102とが光接続される。
【0013】
受け側光コネクタ7に押し込まれた光コネクタ6は、ラッチ63が受け側光コネクタ7の両側壁部73aに係合することで、光コネクタ6が受け側光コネクタ7に対して引き留められ、光コネクタ6及び受け側光コネクタ7のフェルール61、74同士の突き合わせ状態が維持される。
光コネクタ6の両側のラッチ63は、光コネクタ6を受け側光コネクタ7のコネクタ収容凹所71に押し込んで行くことで、まず、受け側光コネクタ7の両側壁部73a、73a間の離隔距離L1(図1参照)とラッチ63同士の離間距離L2(各ラッチ63の後述する係止爪66のラッチ63からの突出先端間の離間距離)との差(L1<L2の関係になっている)によって、ラッチ63同士が互いに若干接近するように弾性変形される。そして、光コネクタ6の受け側光コネクタ7への押し込みの継続によって、ラッチ63の先端からハウジング本体62とは逆の側に向けて突設されている係止爪66が、ラッチ63の弾性によって、受け側光コネクタ7の側壁部73aの係止凹所73bに入り込む(係止爪66が受け側光コネクタ7に係合する)ことで、受け側光コネクタ7の側壁部73aに対するラッチ63の係合が達成される。
【0014】
また、光コネクタ6が受け側光コネクタ7に押し込まれると、受け側光コネクタ7のコネクタ収容凹所71に組み込まれた爪付き部品79に突設されている一対の弾性爪79aが、光コネクタ6のハウジング本体62の両側部に形成されている係合凹所62bに係脱可能に係合され、光コネクタ6のハウジング本体62が、一対の弾性爪79a間に挟み込まれるようにして保持される。
前記爪付き部品79としては、例えば、図11(a)、(b)、(c)に示した、光コネクタアダプタ1用の爪付き部品9と同様のものを採用できる。
なお、
【0015】
図11(a)、(b)、(c)において、爪付き部品9は、プラスチック製の一体成形品であり、光コネクタ6のフェルール61が挿通される貫通孔であるフェルール挿通孔91aが中央部に形成されているプレート状(あるいは枠状)のベース部91と、このベース部91の両側からベース部91の片面側に立ち上げるようにして突設された一対の弾性爪92とを具備する。
弾性爪92は、図1、図9に例示した爪付き部品79の弾性爪79aに相当する。
この爪付き部品9は、受け側光コネクタ7のコネクタ収容凹所71の開口部72から、コネクタ収容凹所71に押し込むことで、受け側光コネクタ7内に組み込むことができる。この爪付き部品9は、コネクタ収容凹所71の最奥部に収納されたベース部91から、前記弾性爪92が、コネクタ収容凹所71の開口部72に向かって突出する向きで、コネクタ収容凹所71内に組み込まれる。また、この爪付き部品9は、前記開口部72からコネクタ収容凹所71内に押し込んだときに、ベース部91の両側から突出された小突起である係合爪93が、それぞれ、受け側光コネクタ7の側壁部73aの係止凹所73bに入り込んで側壁部73aに係合することで、爪付き部品9が、コネクタ収容凹所71の開口部72から抜け出ないように、受け側光コネクタ7(詳細には、受けハウジング部73)に対して係止される。
【0016】
なお、図11(b)、(c)に示すように、爪付き部品9の係合爪93は、ベース部91の両側に、それぞれ、2つずつ突設されている。ベース部91の同じ側に突設されている2つ一組の係合爪93の間には、光コネクタ6のラッチ63を入り込ませることができる、ラッチ収納溝94が確保されている。
受け側光コネクタ7の側壁部73aの係止凹所73bに入り込んで側壁部73aに係合する光コネクタ6のラッチ63(詳細には、係止爪66)は、係止凹所73bに係合されている一対の係合爪93の間のラッチ収納溝94に入り込んで、受け側光コネクタ7の側壁部73aに係合される。
【0017】
爪付き部品9の一対の弾性爪92は、光コネクタ6においてSC形光コネクタ(光コネクタプラグ)との係脱可能な係合にも対応できる。
この爪付き部品9を組み込んだ受け側光コネクタ7は、SC形光コネクタとの接続にも対応可能であり、SC形光コネクタが挿入によって嵌合される光コネクタレセプタクルとしても機能し得る。
なお、受け側光コネクタ7は、爪付き部品79の選択使用によって、SC形光コネクタ以外の光コネクタプラグ(ラッチ無しの光コネクタプラグ)との接続にも対応できる。
【0018】
受け側光コネクタ7の両側壁部73a、73aに対する光コネクタ6の一対のラッチ63の係合と、受け側光コネクタ7の爪付き部品79の一対の弾性爪79aによるハウジング本体62の係合及び保持、とが実現されることで、受け側光コネクタ7に対する光コネクタ6の嵌合が達成される。
受け側光コネクタ7に対して光コネクタ6が嵌合されると、光コネクタ6及び受け側光コネクタ7の一方又は両方に収納されたスプリング(図示略)によって、フェルール61、74同士の突き合わせ力が確保される。
【0019】
光コネクタ6と受け側光コネクタ7とが接続された状態において、受け側光コネクタ7の両側壁部73aに係合している両ラッチ63を互いに接近させるように操作することで(以下、この操作を、係合解除操作、とも言う)、受け側光コネクタ7の側壁部73aに対するラッチ63の係合を解除(係止凹所73bから係止爪66を抜き出す)でき、受け側光コネクタ7からの光コネクタ6の抜き去りが可能となる。
光コネクタ6と受け側光コネクタ7とが接続された状態においては、ラッチ63は、ハウジング本体62に沿って延在する部分の中央部から先端側(係止爪66側)が受け側光コネクタ7に収納され、前記中央部から、ハウジング本体62からの突出基端部までの部分は、受け側光コネクタ7内に収納されずに、受け側光コネクタ7の外に露出しているので、この露出部分を利用して、一対のラッチ63を互いに接近させるように弾性変形させることで、受け側光コネクタ7の側壁部73aに対するラッチ63の係合を解除できる。
なお、ラッチ63は、該ラッチ63の内、ハウジング本体62から外側に張り出すように突出された突出基端部63aの突出先端から延び、ハウジング本体62の側面62bに沿うようにして設けられた部分と、光コネクタ6のハウジング本体62の側面62bとの間に確保されたクリアランス67(図1等参照)によって、ハウジング本体62に接近させる方向への弾性変形が可能であり、この弾性変形によって、受け側光コネクタ7の側壁部73aに対する係合を解除できる。
【0020】
次に、光コネクタアダプタ1について説明する。
図1、図2は、光コネクタアダプタ1の構造を模式的に示す。
図1、図2に示すように、光コネクタアダプタ1は、光コネクタ6が挿入されるコネクタ収容凹所41を有する雌形ハウジング部4と、前記受け側光コネクタ7の光コネクタ6が挿入されるコネクタ収容凹所71に挿入可能な雄形ハウジング部5とを具備してなるハウジング本体2内に、フェルール8を組み込んだ概略構造になっている。
また、この光コネクタアダプタ1は、雌形ハウジング部4の内側(コネクタ収容凹所41)に組み込まれた爪付き部品9を具備している。
雌形ハウジング部4は、受け側光コネクタ7と同様の構造になっており、光コネクタ6を挿入して嵌合(接続)することができる。
雄形ハウジング部5は、一対のラッチ51(後述)の間に、光コネクタ6のハウジング本体62と似た形状のプラグフレーム本体3が設けられた構造になっている。この雄形ハウジング部4は、全体として光コネクタ6と似た構造になっており、光コネクタ6と同様に、受け側光コネクタ7に押し込むように挿入して嵌合(接続)することができる。
【0021】
図3〜図9に、光コネクタアダプタ1の具体的構造の一例を示す。
図3〜図9に例示した光コネクタアダプタ1のハウジング本体2は、フェルール8及び該フェルール8を収納する割りスリーブ81が組み込まれるスリーブ状のフェルール保持部21が形成されている中央壁部22を有する。
ハウジング本体2において、中央壁部22から一方の側が雌形ハウジング部4であり、他方の側が雄形ハウジング部5である。中央壁部22は、雌形ハウジング部4と雄形ハウジング部5との境界位置に位置している。
なお、光コネクタアダプタ1において、以下、中央壁部22から雌形ハウジング部4の側をコネクタ受け部1A、雄形ハウジング部5の側をプラグ部1Bと称して説明する場合がある。
【0022】
ハウジング本体2は、ここでは、プラスチック製の一体成形品である。但し、本発明においては、ハウジング本体2は樹脂製のものに限定されない。
雌形ハウジング部4は、中央壁部22の片面側に突設された四角枠状の突壁によって形成されている。
図示例のハウジング本体2の雄形ハウジング部5は、中央壁部22の前記雌形ハウジング部4とは反対側に突設された一対のラッチ51によって形成されている。
なお、雄形ハウジング部5は、例えば、図中符号52の係合解除レバー等、一対のラッチ51にそれぞれ突設されている突起等を含む。
【0023】
中央壁部22に突設されているフェルール保持部22は、中央壁部22から両側、すなわち、コネクタ受け部1A側と、プラグ部1B側とに突出している。
フェルール保持部22は、コネクタ受け部1Aでは、雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41内に突出し、プラグ部1Bでは、一対のラッチ51の間に突出している。
【0024】
図5に示すように、フェルール8は、プラグ部1B側の端部を、フェルール保持部22に収納された割りスリーブ81に挿入してある。
割りスリーブ81は、フェルール保持部21にプラグ部1Bから挿入される。そして、この割りスリーブ81は、フェルール保持部21のコネクタ受け部1A側の先端内側に突設されている抜け止め突起24と、フェルール保持部22にプラグ部1Bから挿入されるフェルール8の軸方向中央部に外挿固定されているフランジ部品8a(図12(a)、(b)参照)との間に保持される。具体的には、割りスリーブ81は、フェルール保持部21のコネクタ受け部1A側先端内側の前記抜け止め突起24と、前記フランジ部品8aの内、フェルール8の軸方向中央部を収納してフェルール8に固定されているスリーブ状部分である固定スリーブ部8bのコネクタ受け部1A側の端部との間に収納される。
なお、フランジ部品8aについては、後に詳述する。
【0025】
フェルール8は、一端部が、割りスリーブ81のコネクタ受け部1A側の端部よりもプラグ部1B側にずれた位置(割りスリーブ81の長手方向中央部)に配置され、他端部が、割りスリーブ81のプラグ部1B側の端部から突出されている。
フェルール8の他端部は、光コネクタアダプタ1のプラグ部1Bを受け側光コネクタ7に挿入したときに、受け側光コネクタ7の割りスリーブ77に挿入されてフェルール74に突き合わせ接続される部分である。
【0026】
フェルール8は、例えば、ジルコニアのセラミックで形成されたものが採用可能であるが、形成材質については、フェルールに用いられる周知のものであれば良く、特に限定は無い。
フェルール8には、光ファイバグレーティング82が内挿固定されている。
フェルール8の両側の接合端面83、84には、光ファイバグレーティング82の長手方向の端部が露出されている。
以下、フェルール8を、グレーティング内蔵フェルールとも言う。
【0027】
雌形ハウジング部4の、コネクタ収容凹所41を介して対向する一対の側壁部42には、前記コネクタ収容凹所41に挿入して収容された前記光コネクタ6の両側のラッチ63が係脱可能に係合される係止凹所43が形成されている。図示例の光コネクタアダプタ1において、前記係止凹所43は、側壁部42を貫通する窓状に形成されている。
【0028】
前記爪付き部品9は、既述のように、光コネクタ6のハウジング本体2の両側部に係合する一対の弾性爪92が突設された、小ブロック状の部品である。
この爪付き部品9の弾性爪92は、SC形光コネクタ(光コネクタプラグ)に両側から係脱可能に係合してSC形光コネクタプラグを保持することにも機能するため、雌形ハウジング部4(コネクタ受け部1A)は、この爪付き部品9の組み込みによって、SC形光コネクタの光コネクタレセプタクルとして機能させることができる。
爪付き部品9は、両側に突設された係合爪93を、雌形ハウジング部4の一対の側壁部42の係止凹所43に嵌め込むようにして係合させることで、ハウジング本体2に組み付けられて、コネクタ受け部1Aからの脱落が規制される。
コネクタ受け部1Aは、爪付き部品9の選択使用によって、SC形光コネクタ以外の光コネクタプラグ(ラッチ無しの光コネクタプラグ)との接続にも対応できる。
爪付き部品9の一対の弾性爪92は、光コネクタプラグにおけるフェルールを収納するスリーブ状のハウジングの側壁部に両側から係合して、光コネクタプラグを保持するものである。
【0029】
コネクタ受け部1Aの構造は、受け側光コネクタ7の受けハウジング部73と似ており、光コネクタ6をコネクタ収容凹所41に押し込むだけで、光コネクタ6の一対のラッチ62の雌形ハウジング部4に対する係脱可能な係合と、割りスリーブ81へのフェルール66の挿入及び光コネクタアダプタ1のフェルール8との突き合わせとを実現でき、光コネクタアダプタ1に対する光コネクタ6の接続を達成できる。
コネクタ受け部1Aに接続された光コネクタ6の一対のラッチ66を係合解除操作すれば、コネクタ受け部1Aからの光コネクタ6の抜き去りが可能となる。
係止凹所43が形成されている一対の側壁部42間の離間距離L3(図6(a)参照)は、係止凹所43付近から、コネクタ収容凹所41の開口部側(奥壁部78とは逆の側)へ行くにしたがって、緩やかに増大するようになっている。離間距離L3は、係止凹所43付近では、光コネクタ6のラッチ63間距離L2よりも僅かに小さい。
【0030】
プラグ部1Bの構造は、光コネクタ6と似たものになっており、受け側光コネクタ7の受けハウジング部73に押し込むだけで、一対のラッチ51の受けハウジング部73に対する係合と、受け側光コネクタ7の割りスリーブ81へのフェルール8の挿入及びフェルール74との突き合わせとを実現でき、受け側光コネクタ7に対する接続を達成できる。
一対のラッチ51の受けハウジング部73に対する係合は、各ラッチ51の先端から、ラッチ51間に位置するフェルール8とは逆の側に向けて突設されている係止爪53が、ラッチ51の弾性によって、受け側光コネクタ7の側壁部73aの係止凹所73bに入り込む(係止爪53が受け側光コネクタ7に係合する)ことで達成される。
プラグ部1Bのラッチ51間の離間距離L4(係止爪53のラッチ63からの突出先端同士の離間距離)は、受け側光コネクタ7の両側壁部73a、73a間の離間距離L1よりも僅かに大きい。
【0031】
図5等に示すように、プラグ部1Bの、一対のラッチ51の間には、ハウジング本体2とは別体のプラグフレーム本体3が、ハウジング本体2に対して組み付けて設けられている。
図示例の光コネクタアダプタ1では、図6等に示すように、プラグフレーム本体3は、スリーブ部31と、このスリーブ部31の外側に突設された突片32とを具備している。 このプラグフレーム本体3は、スリーブ部31を、ハウジング本体2の中央壁部22から一対のラッチ51の間に突出されたフェルール保持部21に外挿し、フェルール保持部21との凹凸嵌合によって、ハウジング本体2に対して組み付けられる。具体的には、プラグフレーム本体3のスリーブ31に形成されている係止穴33を、フェルール保持部21の中央壁部22からプラグ部1B側に突出された部分の外周面に突出されている係止突起23に嵌め込んで、しっかりと組み付けられる。但し、これに限定されず、例えば、中央壁部22に凹凸嵌合によって組み付ける構造等であっても良い。
ここでは、プラグフレーム本体3のスリーブ部31の外形は、SC形光コネクタのプラグフレームと同様になっている。また、突片32は板状に形成されており、スリーブ部31に対して、SC形光コネクタのつまみ(カップリング)の側壁部に相当する位置に配置される。
【0032】
グレーティング内蔵フェルール8のプラグ部1B側の端部(他端部)は、割りスリーブ81のプラグ部1B側の端部から突出されており、ハウジング本体2に組み付けたプラグフレーム本体3のスリーブ部31を貫通して、スリーブ部31先端から突出している。
図12(a)、(b)に示すように、グレーティング内蔵フェルール8の軸方向中央部には、金属製のフランジ部品8aが固定されている。このフランジ部品8aは、グレーティング内蔵フェルール8の軸方向中央部を収納してフェルール8に固定された固定スリーブ部8bと、この固定スリーブ部8bの軸方向片端(プラグ部1B側の端部)に該スリーブ部8bの外周全周に亘って突設されたフランジ部8cとを具備する。
【0033】
図5に示すように、このグレーティング内蔵フェルール8に固定されているフランジ部品8aのフランジ部8cの外径は、フェルール保持部21のプラグ部1B側の開口端の内径よりも大きい。このフランジ部8cは、フェルール保持部21のプラグ部1B側の開口端と、プラグフレーム本体3のスリーブ部31内側に突設されたストッパ壁35との間に確保された空間36内に収納される。図12(a)、(b)に示すように、フランジ部品8aは、フランジ部8cの外周方向の複数箇所に形成されたキー溝8dに、プラグフレーム本体3のスリーブ部31内面から前記空間36に突出されたキー37が収納されて回り止めされており、フェルール8の軸回りの回り止めの機能を果たす。
【0034】
フェルール8は、フランジ部8cが、プラグフレーム本体3のスリーブ部31内側に突設されたストッパ壁35に突き当たることで、それ以上のプラグ部1B側への移動が規制される。ストッパ壁35は、フェルール保持部21に挿入した割りスリーブ81及びフェルール8が、フェルール保持部21からプラグ部1B側に抜け出ることを規制する抜け止めストッパとしての機能を果たす。
図5に示すように、割りスリーブ81が、フェルール保持部21のコネクタ受け部1A側先端内側の前記抜け止め突起24と、固定スリーブ部8bのコネクタ受け部1A側先端との間に挟み込まれたときのフェルール8の位置(図5に示す位置)は、フランジ部品8aのフランジ部8cがプラグフレーム本体3のスリーブ部31内側のストッパ壁35に突き当たったときのフェルール8の位置に比べて、コネクタ受け部1A側に僅かにずれている。このずれの範囲(図5の符号ΔL)で、フェルール8には、フェルール保持部21の軸方向に微動が許容されている。
このフェルール8の微動は、光コネクタ6と受け側光コネクタ7とを光コネクタアダプタ1を介して接続する際に、光コネクタ6のフェルール61とフェルール8との突き合わせ、及び、受け側光コネクタ7のフェルール74とフェルール8との突き合わせを確実に実現することに寄与する。しかも、光コネクタ6及び受け側光コネクタ7の一方又は両方に組み込まれている、突き合わせ力発生用のスプリングの付勢力が、フェルール61とフェルール8との間の突き合わせ力、フェルール74とフェルール8との間の突き合わせ力として、フェルール8の両端でバランス良く作用することとなり、接続損失等の所望の光特性の安定確保に有効に寄与する。
【0035】
プラグ部1Bを受け側光コネクタ7に挿入して接続状態とする際、フェルール8が受け側光コネクタ7の割りスリーブ74に挿入されるとともに、プラグフレーム本体3のスリーブ部31とフェルール8との間の隙間34に、受け側光コネクタ7の割りスリーブ74が入り込み、プラグフレーム本体3のスリーブ部31が受け側光コネクタ7の割りスリーブ74に外挿される。
【0036】
この光コネクタアダプタ1では、雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41の両側の側壁部42の係止凹所43から、プラグ部1Bの一対のラッチ51の先端に突設されている係止爪53までが、一体になっている。雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41の両側の側壁部42と、プラグ部1Bの一対のラッチ51とが、樹脂一体成形品のハウジング本体2によって、一体の構造になっている。このため、この光コネクタアダプタ1では、雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41の両側の側壁部42の係止凹所43から、プラグ部1Bの一対のラッチ51の先端に突設されている係止爪53までの寸法精度を確実に確保することができるといった利点がある。
つまり、雌形ハウジング部4に挿入して接続した光コネクタ6のラッチ63の係止爪66がコネクタ受け部1Aの側壁部42に係合する位置と、プラグ部1Bのラッチ51の係止爪53が受け側光コネクタ7に係合する位置との間の離間距離L5を、精度良く確保することができる。これにより、光コネクタ6のフェルール61及び受け側光コネクタ7のフェルール74の、グレーティング内蔵フェルール8に対する突き合わせを確実に行え、突き合わせたフェルール同士の間に、所望の接合状態が確実に得られる。
【0037】
この光コネクタアダプタ1では、前記雌形ハウジング部4に前記光コネクタ6を挿入して接続し、前記プラグ部1Bを前記受け側光コネクタ7に挿入して接続することで、光コネクタ6に組み込まれているフェルール61と、受け側光コネクタ7に組み込まれているフェルール74とが、グレーティング内蔵フェルール8に両側から突き合わされる。そして、前記光コネクタ6のフェルール61に内挿されている光ファイバ65と、前記受け側光コネクタ7のフェルール74に内挿されている光ファイバ76とが、前記グレーティング内蔵フェルール8内の前記光ファイバグレーティング82を介して光接続される。
これにより、光コネクタ6側の光ファイバ101と受け側光コネクタ7側の光ファイバ102との間に、グレーティング内蔵フェルール8内の前記光ファイバグレーティング82が介在配置されることになり、光ファイバグレーティング82によって、遮断波長等の、所望の波長選択性を与えることができる。
【0038】
図13、図14は、光ファイバグレーティング82のクラッドモード光を吸収するクラッドモード光吸収手段の一例を示す。
図13は、グレーティング内蔵フェルール8を貫通する微細孔85内に収納された光ファイバグレーティング82を接着固定する接着剤86として、例えばカーボンブラック等の光吸収剤入り接着剤を採用した構造を示す。なお、符号821は、光ファイバグレーティング82のコア、822はクラッドである。
この場合、光吸収剤入り接着剤が、クラッドモード光を吸収するクラッドモード光吸収手段として機能するため、遮断特性が向上する。
グレーティング内蔵フェルール8に突き合わせ接続されるフェルールに、グレーティング内蔵フェルール8に対する微小な光軸のずれが存在する場合でも、所望の遮断特性が確実に得られる。
【0039】
図14は、モードフィールド径あるいはコア径に対応する透光孔87aを有する遮蔽体87を、グレーティング内蔵フェルール8の微細孔85内に組み込み、この遮蔽体87を両側から挟み込むようにして、微細孔85内に2本の光ファイバグレーティング82a(82)、82b(82)を収納し、固定したものである。遮蔽体87、光ファイバグレーティング82a、82bの微細孔85内での固定は、例えば接着剤による接着固定で行う。
遮蔽体87は、クラッドモード光を遮蔽する機能を果たす。
この構造でも、図13に例示した構造と同様に、遮断特性を向上し、特定の遮断波長の光の伝送を確実に遮断できる。
【0040】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、様々な変更が可能である。
(1)上述の実施形態では、ラッチ付きの光コネクタ6と、該光コネクタ6を挿入して接続する受け側光コネクタ7とに対応する構造の光コネクタアダプタを例示したが、本発明は、これに限定されず、様々な種類の光コネクタに対応して、光コネクタ(光コネクタプラグ)と受け側光コネクタとの間に適用できる。
(2)雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41の両側の側壁部42の係止凹所43から、プラグ部1Bの一対のラッチ51の先端に突設されている係止爪53までの寸法精度の確保の点では、ハウジング本体2の内、雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41の両側の側壁部42の係止凹所43から、プラグ部1Bの一対のラッチ51の先端に突設されている係止爪53までが、一体になっている構造が好ましいが、必ずしも、上述の実施形態のように、フェルール保持部21等も含んで全体が一体成形されているハウジング本体2を採用する必要は無い。
例えば、フェルール保持部がハウジング本体とは別体で、ハウジング本体に対して別途組み込まれる構造であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る実施形態の光コネクタアダプタと、光コネクタ(光コネクタプラグ)及び該光コネクタを挿入して嵌合する受け側光コネクタとの関係を示す図である。
【図2】図1の光コネクタアダプタの構造を模式的に示した拡大断面図である。
【図3】本発明に係る実施形態の光コネクタアダプタを示す全体斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は光コネクタアダプタの構造を示す図である。
【図5】本発明に係る実施形態の光コネクタアダプタの内部構造を示す正断面図である。
【図6】(a)、(b)は光コネクタアダプタのハウジング本体と該ハウジング本体の雄形ハウジング部に組み込まれるプラグフレーム本体との関係を示す断面図であり、(a)はプラグフレーム本体の組み込み前、(b)は組み込み後を示す。
【図7】光コネクタアダプタのハウジング本体を雌形ハウジング部側から見た斜視図である。
【図8】ハウジング本体を雄形ハウジング部側から見た斜視図である。
【図9】光コネクタアダプタと、光コネクタ(光コネクタプラグ)及び該光コネクタを挿入して嵌合する受け側光コネクタとの関係を示す図である。
【図10】受け側光コネクタに光コネクタを嵌合して接続した状態を示す図である。
【図11】(a)〜(c)は、光コネクタアダプタの雌側ハウジング部に組み込まれる爪付き部品を示す図である。
【図12】(a)、(b)は、光コネクタアダプタに組み込まれるフェルール及びフランジ部品を示す図である。
【図13】光ファイバグレーティングを光吸収剤入り接着剤でフェルール内に固定した状態を示す図である。
【図14】フェルール内にクラッドモード光を遮蔽する遮蔽体を組み込んだ状態を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1…光コネクタアダプタ、1A…コネクタ受け部、1B…プラグ部、2…ハウジング本体、22…中央壁部、3…プラグフレーム本体、4…雌形ハウジング部、41…コネクタ収容凹所、42…側壁部、43…係止凹所、5…雄形ハウジング部、51…ラッチ、53…係止爪、6…光コネクタ(光コネクタプラグ)、61…フェルール、62…ハウジング(ハウジング本体)、63…ラッチ、64…ラッチ付きハウジング、7…受け側光コネクタ、71…コネクタ収容凹所、73a…側壁部、73b…係止凹所、74…フェルール、8…グレーティング内蔵フェルール、81…割りスリーブ、82…光ファイバグレーティング、86…クラッドモード光吸収手段、接着剤、87…クラッドモード光吸収手段、遮蔽体、9…爪付き部品、92…弾性爪、101、102…光ファイバ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光フィルタ入りの光コネクタに関し、特に、光フィルタ入りの光コネクタアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、FTTH(Fiber To The Home:光ファイバを家屋、マンション、ビル等まで引くこと)では、ユーザー識別用として、加入者端末に、誘電体多層膜フィルタあるいは光ファイバグレーティング(以下、FBGとも言う)をフェルールに組み込んだ光コネクタ(主としてSC形光コネクタ)が採用されている(例えば、特許文献1)。
誘電体多層膜フィルタ及びFBGは、いずれも、フェルールに組み込まれる光ファイバの、透過波長、遮断波長、反射波長等の波長選択性を決める光フィルタとして機能する。
前者の誘電体多層膜フィルタを組み込んだフェルールは、フェルールに切り込んだ斜め溝に、誘電体多層膜の膜形フィルタを挿入して、接着固定したものである。
光フィルタとして後者のFBG(以下、FBGフィルタとも言う)を組み込んだフェルールは、先端にグレーティングが形成されている光ファイバを用い、この光ファイバの先端を、フェルールの微細孔に挿入して接着固定したものが一般的である。
前記光コネクタは、フェルールに組み込んだ光フィルタが、誘電体多層膜フィルタ、FBGのいずれも場合でも、加入者宅にて、幹線ケーブルから引き落としたドロップケーブルの先端に、光フィルタ入りのフェルール(光コネクタ)から伸びる光ファイバピグテイルを融着接続等によって接続するという作業がある。
【特許文献1】特許第3615924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述の光フィルタ入りフェルールを内蔵した光コネクタには、以下のような問題があった。
(1)フィルタ特性が不良の場合には、光ファイバの先端を切断して、廃棄しなくてはならない。
(2)FBGフィルタの場合は、FBGフィルタの長さが遮断波長と関係する。SCフェルールの全長が規格化されているため、所望の遮断波長を得るための必要長のFBGフィルタをフェルールに収納できない場合がある。このため、FBGフィルタの場合は、遮断波長が、制約を受けることがあった。
【0004】
本発明は、前記課題に鑑みて、光コネクタ(光コネクタプラグ)と、この光コネクタが挿入して接続される受け側光コネクタとの間に簡単に割り入れることができ、また、光コネクタと受け側光コネクタとの間に割り入れることで、ハウジング本体内に組み込んだフェルールに内挿固定されている光ファイバグレーティングを、光線路に簡単に介在させることができる光コネクタアダプタの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所を有するコネクタ受け部と、前記光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所を有する受け側光コネクタに挿入可能なプラグ部とを具備し、さらに、光ファイバグレーティングが内挿固定されたグレーティング内蔵フェルールを内蔵して構成され、前記コネクタ受け部に挿入された光コネクタのフェルールと、前記プラグ部が挿入された受け側光コネクタに組み込まれているフェルールとが、前記グレーティング内蔵フェルールに両側から突き合わされることで、前記光コネクタ側の光ファイバと前記受け側光コネクタ側の光ファイバとが、前記グレーティング内蔵フェルール内の前記光ファイバグレーティングを介して光接続されるようになっていることを特徴とする光コネクタアダプタを提供する。
請求項2に係る発明は、フェルールを収納するハウジングの両側にラッチが突設されている光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所を有する雌形ハウジング部と、前記光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所を有する受け側光コネクタに挿入可能な雄形ハウジング部とを具備してなるハウジング本体内に、光ファイバグレーティングが内挿固定されたグレーティング内蔵フェルールが組み込まれ、前記雌形ハウジング部は前記コネクタ受け部、前記雄形ハウジング部は前記プラグ部に設けられており、前記雌形ハウジング部及び前記受け側光コネクタは、前記コネクタ収容凹所の両側の側壁部に、前記コネクタ収容凹所に収容された前記光コネクタの両側のラッチが係合される係止凹所を具備し、前記雄形ハウジング部は、前記受け側光コネクタの前記コネクタ収容凹所に挿入されて、前記受け側光コネクタの前記コネクタ収容凹所の両側の前記係止凹所に係止される一対のラッチを具備し、前記雌形ハウジング部に挿入された光コネクタのフェルールと、前記雄形ハウジング部が挿入された受け側光コネクタに組み込まれているフェルールとが、前記グレーティング内蔵フェルールに両側から突き合わされることで、前記光コネクタのフェルールに内挿されている光ファイバと、前記受け側光ファイバのフェルールに内挿されている光ファイバとが、前記グレーティング内蔵フェルール内の前記光ファイバグレーティングを介して光接続されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項3に係る発明は、雌形ハウジング部のコネクタ収容凹所の両側の側壁部の係止凹所から、前記雄形ハウジング部の一対のラッチの先端に突設されて、前記受け側光コネクタのコネクタ収容凹所の両側の側壁部の係止凹所に入り込んで前記受け側光コネクタに係合される係止爪までが、一体になっていることを特徴とする請求項2記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項4に係る発明は、前記雌形ハウジング部の前記係止凹所から前記係止爪までが、合成樹脂で一体成形された部材によって一体に形成されていることを特徴とする請求項3記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項5に係る発明は、前記雄形ハウジング部の一対のラッチの間に、前記グレーティング内蔵フェルールの前記雄形ハウジング部の一対のラッチの間に突出された部分を収納する、スリーブ状のプラグフレーム本体が組み込まれていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項6に係る発明は、前記グレーティング内蔵フェルールが、前記ハウジング本体内部にて前記雄形ハウジング部と前記雌形ハウジング部との境界位置に設けられた中央壁部に組み込まれた割りスリーブに収納され、前記グレーティング内蔵フェルールの一端部が、前記割りスリーブの軸方向中央部に配置され、前記グレーティング内蔵フェルールの他端部が、前記割りスリーブの前記雄形ハウジング部側の端部から突出されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項7に係る発明は、前記雌形ハウジング部のコネクタ収容凹所内に、光コネクタプラグに両側から係脱可能に係合する弾性爪を有する、爪付き部品が組み込み可能であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項8に係る発明は、前記グレーティング内蔵フェルール内に、前記光ファイバグレーティングのクラッドモード光を吸収するクラッドモード光吸収手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項9に係る発明は、前記クラッドモード光吸収手段が、前記グレーティング内蔵フェルールを貫通する微細孔内に収納された前記光ファイバグレーティング外周面を覆うように設けられた光吸収剤入り接着剤であることを特徴とする請求項8記載の光コネクタアダプタを提供する。
請求項10に係る発明は、前記グレーティング内蔵フェルール内に、前記クラッドモード光吸収手段として、モードフィールド径あるいはコア径に対応する透光孔を有し、かつ、クラッドモード光を遮蔽する遮蔽体が内蔵されていることを特徴とする請求項8記載の光コネクタアダプタを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る光コネクタアダプタは、光コネクタ(光コネクタプラグ)が挿入されるコネクタ受け部と、受け側光コネクタに挿入できるプラグ部とを具備しているため、光コネクタと受け側光コネクタとの間に簡単に割り入れることができる。そして、コネクタ受け部に挿入された光コネクタのフェルールと、プラグ部が挿入された受け側光コネクタに組み込まれているフェルールとが、ハウジング本体に組み込まれているグレーティング内蔵フェルールに両側から突き合わされることで、前記光コネクタのフェルールに内挿されている光ファイバと、前記受け側光コネクタのフェルールに内挿されている光ファイバとの間に、グレーティング内蔵フェルール内の光ファイバグレーティングを介在させることができ、例えば遮断波長等の、所望の波長選択性を簡単に付与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施した光コネクタアダプタについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の光コネクタアダプタ1と、光コネクタ6(光コネクタプラグ)及び該光コネクタ6を挿入して嵌合する受け側光コネクタ7との関係を示す図、図2は前記光コネクタアダプタ1の構造を模式的に示した拡大断面図である。
また、図3〜図8は、前記光コネクタアダプタ1の具体的構成例を示す図であって、図3は本発明に係る実施形態の光コネクタアダプタ1を示す全体斜視図、図4(a)〜(c)は光コネクタアダプタ1の構造を示す図、図6(a)、(b)は光コネクタアダプタ1のハウジング本体2と該ハウジング本体2の雄形ハウジング部5に組み込まれるプラグフレーム本体3との関係を示す断面図、図7は光コネクタアダプタ1のハウジング本体2を雌形ハウジング部4側から見た斜視図、図8は前記ハウジング本体2を雄形ハウジング部5側から見た斜視図である。
また、図9は図3〜図8に例示した光コネクタアダプタ1と、光コネクタ6(光コネクタプラグ)及び該光コネクタ6を挿入して嵌合する受け側光コネクタ7との関係を示す図である。
【0008】
図1、図2に示すように、本発明に係る光コネクタアダプタ1は、光コネクタ6が挿入され嵌合されるコネクタ受け部1Aと、受け側光コネクタ7に挿入して嵌合されるプラグ部1Bとを具備しており、光コネクタ6と受け側光コネクタ7の間に割り込ませるようにして設けることができるものである。
まず、光コネクタ6と受け側光コネクタ7とについて説明する。
図1に示すように、光コネクタ6は、フェルール61と、このフェルール61を収納するスリーブ状のハウジング本体62(以下、ハウジング本体)及び該ハウジング本体62の両側に突設された一対のラッチ63とを有してなるラッチ付きハウジング64とを具備し、光ファイバ101の先端に組み立てられている。
光ファイバ101としては、例えば、ドロップケーブル(光ファイバケーブル)である。ドロップケーブルは、光ファイバ素線を、抗張力体とともに樹脂被覆中に埋設した構造のものである。
フェルール61に収納されている光ファイバ65は、光ファイバ101側の光線路の一部を構成する。
光コネクタ6の、前記フェルール61先端の接合端面61a側である先端部とは反対側の後端部からは、前記光ファイバ101のピグテイルが延びている。
【0009】
光コネクタ6のハウジング本体62は、JIS C 5973に制定されるSC形光コネクタ(SC:Single fiberCoupling optical fiber connector)の光コネクタプラグのハウジングと同様の外形に形成されている。
ラッチ63は、ハウジング本体62の後端部から突設され、ハウジング本体62の両側面62bに沿って延在されている。
ここで例示した光コネクタ6のハウジング本体62はプラスチック製であり、前記ラッチ63は、ハウジング本体62に一体成形により形成されている。前記ラッチ63は、ハウジング本体62から突設された弾性片である。
【0010】
受け側光コネクタ7は、前記光コネクタ6が外側から挿入されるコネクタ収容凹所71を有する受けハウジング部73内にフェルール74が組み込まれた構造であり、光ファイバ102の先端に組み立てられている。
図1中、符号75は、光ファイバ102の先端部を引き留める引き留め部材(図示略)を収納した、引き留め用ハウジングである。引き留め用ハウジング75からは、光ファイバ102のピグテイルが延びている。
光ファイバ102としては、前述した光ファイバ101と同様に、光ファイバ素線を、抗張力体とともに樹脂被覆中に埋設した構造の光ファイバケーブル(例えば、いわゆるインドアケーブル)が採用されるが、例えば、光ファイバ心線、光ファイバ素線、光ファイバコード等も採用可能である。フェルール74に収納されている光ファイバ76は、光ファイバ102側の光線路の一部を構成する。
【0011】
前記フェルール74は、受け側光コネクタ7の受けハウジング部73内に組み込まれた割りスリーブ77に収納されている。フェルール74は、先端の接合端面74aが、割りスリーブ77の軸方向中央部となるようにして、割りスリーブ77に収納されている。
割りスリーブ77は、コネクタ収容凹所71の、該コネクタ収容凹所71内に光コネクタ6を挿入するための開口部72から見て奥側を塞ぐようにして受けハウジング部73に設けられている奥壁部78からコネクタ収容凹所71内に突出している。
受けハウジング部73の、割りスリーブ77を介して両側の側壁部73aには、前記コネクタ収容凹所71に挿入して収容された前記光コネクタ6の両側のラッチ63が係脱可能に係合される係止凹所73bが形成されている。図示例の受け側光コネクタ7において、前記係止凹所73bは、側壁部73aを貫通する窓状に形成されている。
【0012】
図10に示すように、光コネクタ6は、受け側光コネクタ7のコネクタ収容凹所71に押し込むようにして挿入することで、受け側光コネクタ7に嵌合され、受け側光コネクタ7に接続できる。
光コネクタ6を受け側光コネクタ7のコネクタ収容凹所71に押し込んでいくと、光コネクタ6のフェルール61が、受け側光コネクタ7の割りスリーブ77に挿入されて、割りスリーブ77内で、受け側光コネクタ7のフェルール74と突き合わせられる。これにより、フェルール61、74に内挿固定されている光ファイバ65、76同士が突き合わせ接続され、光コネクタ6側の光ファイバ101と受け側光コネクタ7の光ファイバ102とが光接続される。
【0013】
受け側光コネクタ7に押し込まれた光コネクタ6は、ラッチ63が受け側光コネクタ7の両側壁部73aに係合することで、光コネクタ6が受け側光コネクタ7に対して引き留められ、光コネクタ6及び受け側光コネクタ7のフェルール61、74同士の突き合わせ状態が維持される。
光コネクタ6の両側のラッチ63は、光コネクタ6を受け側光コネクタ7のコネクタ収容凹所71に押し込んで行くことで、まず、受け側光コネクタ7の両側壁部73a、73a間の離隔距離L1(図1参照)とラッチ63同士の離間距離L2(各ラッチ63の後述する係止爪66のラッチ63からの突出先端間の離間距離)との差(L1<L2の関係になっている)によって、ラッチ63同士が互いに若干接近するように弾性変形される。そして、光コネクタ6の受け側光コネクタ7への押し込みの継続によって、ラッチ63の先端からハウジング本体62とは逆の側に向けて突設されている係止爪66が、ラッチ63の弾性によって、受け側光コネクタ7の側壁部73aの係止凹所73bに入り込む(係止爪66が受け側光コネクタ7に係合する)ことで、受け側光コネクタ7の側壁部73aに対するラッチ63の係合が達成される。
【0014】
また、光コネクタ6が受け側光コネクタ7に押し込まれると、受け側光コネクタ7のコネクタ収容凹所71に組み込まれた爪付き部品79に突設されている一対の弾性爪79aが、光コネクタ6のハウジング本体62の両側部に形成されている係合凹所62bに係脱可能に係合され、光コネクタ6のハウジング本体62が、一対の弾性爪79a間に挟み込まれるようにして保持される。
前記爪付き部品79としては、例えば、図11(a)、(b)、(c)に示した、光コネクタアダプタ1用の爪付き部品9と同様のものを採用できる。
なお、
【0015】
図11(a)、(b)、(c)において、爪付き部品9は、プラスチック製の一体成形品であり、光コネクタ6のフェルール61が挿通される貫通孔であるフェルール挿通孔91aが中央部に形成されているプレート状(あるいは枠状)のベース部91と、このベース部91の両側からベース部91の片面側に立ち上げるようにして突設された一対の弾性爪92とを具備する。
弾性爪92は、図1、図9に例示した爪付き部品79の弾性爪79aに相当する。
この爪付き部品9は、受け側光コネクタ7のコネクタ収容凹所71の開口部72から、コネクタ収容凹所71に押し込むことで、受け側光コネクタ7内に組み込むことができる。この爪付き部品9は、コネクタ収容凹所71の最奥部に収納されたベース部91から、前記弾性爪92が、コネクタ収容凹所71の開口部72に向かって突出する向きで、コネクタ収容凹所71内に組み込まれる。また、この爪付き部品9は、前記開口部72からコネクタ収容凹所71内に押し込んだときに、ベース部91の両側から突出された小突起である係合爪93が、それぞれ、受け側光コネクタ7の側壁部73aの係止凹所73bに入り込んで側壁部73aに係合することで、爪付き部品9が、コネクタ収容凹所71の開口部72から抜け出ないように、受け側光コネクタ7(詳細には、受けハウジング部73)に対して係止される。
【0016】
なお、図11(b)、(c)に示すように、爪付き部品9の係合爪93は、ベース部91の両側に、それぞれ、2つずつ突設されている。ベース部91の同じ側に突設されている2つ一組の係合爪93の間には、光コネクタ6のラッチ63を入り込ませることができる、ラッチ収納溝94が確保されている。
受け側光コネクタ7の側壁部73aの係止凹所73bに入り込んで側壁部73aに係合する光コネクタ6のラッチ63(詳細には、係止爪66)は、係止凹所73bに係合されている一対の係合爪93の間のラッチ収納溝94に入り込んで、受け側光コネクタ7の側壁部73aに係合される。
【0017】
爪付き部品9の一対の弾性爪92は、光コネクタ6においてSC形光コネクタ(光コネクタプラグ)との係脱可能な係合にも対応できる。
この爪付き部品9を組み込んだ受け側光コネクタ7は、SC形光コネクタとの接続にも対応可能であり、SC形光コネクタが挿入によって嵌合される光コネクタレセプタクルとしても機能し得る。
なお、受け側光コネクタ7は、爪付き部品79の選択使用によって、SC形光コネクタ以外の光コネクタプラグ(ラッチ無しの光コネクタプラグ)との接続にも対応できる。
【0018】
受け側光コネクタ7の両側壁部73a、73aに対する光コネクタ6の一対のラッチ63の係合と、受け側光コネクタ7の爪付き部品79の一対の弾性爪79aによるハウジング本体62の係合及び保持、とが実現されることで、受け側光コネクタ7に対する光コネクタ6の嵌合が達成される。
受け側光コネクタ7に対して光コネクタ6が嵌合されると、光コネクタ6及び受け側光コネクタ7の一方又は両方に収納されたスプリング(図示略)によって、フェルール61、74同士の突き合わせ力が確保される。
【0019】
光コネクタ6と受け側光コネクタ7とが接続された状態において、受け側光コネクタ7の両側壁部73aに係合している両ラッチ63を互いに接近させるように操作することで(以下、この操作を、係合解除操作、とも言う)、受け側光コネクタ7の側壁部73aに対するラッチ63の係合を解除(係止凹所73bから係止爪66を抜き出す)でき、受け側光コネクタ7からの光コネクタ6の抜き去りが可能となる。
光コネクタ6と受け側光コネクタ7とが接続された状態においては、ラッチ63は、ハウジング本体62に沿って延在する部分の中央部から先端側(係止爪66側)が受け側光コネクタ7に収納され、前記中央部から、ハウジング本体62からの突出基端部までの部分は、受け側光コネクタ7内に収納されずに、受け側光コネクタ7の外に露出しているので、この露出部分を利用して、一対のラッチ63を互いに接近させるように弾性変形させることで、受け側光コネクタ7の側壁部73aに対するラッチ63の係合を解除できる。
なお、ラッチ63は、該ラッチ63の内、ハウジング本体62から外側に張り出すように突出された突出基端部63aの突出先端から延び、ハウジング本体62の側面62bに沿うようにして設けられた部分と、光コネクタ6のハウジング本体62の側面62bとの間に確保されたクリアランス67(図1等参照)によって、ハウジング本体62に接近させる方向への弾性変形が可能であり、この弾性変形によって、受け側光コネクタ7の側壁部73aに対する係合を解除できる。
【0020】
次に、光コネクタアダプタ1について説明する。
図1、図2は、光コネクタアダプタ1の構造を模式的に示す。
図1、図2に示すように、光コネクタアダプタ1は、光コネクタ6が挿入されるコネクタ収容凹所41を有する雌形ハウジング部4と、前記受け側光コネクタ7の光コネクタ6が挿入されるコネクタ収容凹所71に挿入可能な雄形ハウジング部5とを具備してなるハウジング本体2内に、フェルール8を組み込んだ概略構造になっている。
また、この光コネクタアダプタ1は、雌形ハウジング部4の内側(コネクタ収容凹所41)に組み込まれた爪付き部品9を具備している。
雌形ハウジング部4は、受け側光コネクタ7と同様の構造になっており、光コネクタ6を挿入して嵌合(接続)することができる。
雄形ハウジング部5は、一対のラッチ51(後述)の間に、光コネクタ6のハウジング本体62と似た形状のプラグフレーム本体3が設けられた構造になっている。この雄形ハウジング部4は、全体として光コネクタ6と似た構造になっており、光コネクタ6と同様に、受け側光コネクタ7に押し込むように挿入して嵌合(接続)することができる。
【0021】
図3〜図9に、光コネクタアダプタ1の具体的構造の一例を示す。
図3〜図9に例示した光コネクタアダプタ1のハウジング本体2は、フェルール8及び該フェルール8を収納する割りスリーブ81が組み込まれるスリーブ状のフェルール保持部21が形成されている中央壁部22を有する。
ハウジング本体2において、中央壁部22から一方の側が雌形ハウジング部4であり、他方の側が雄形ハウジング部5である。中央壁部22は、雌形ハウジング部4と雄形ハウジング部5との境界位置に位置している。
なお、光コネクタアダプタ1において、以下、中央壁部22から雌形ハウジング部4の側をコネクタ受け部1A、雄形ハウジング部5の側をプラグ部1Bと称して説明する場合がある。
【0022】
ハウジング本体2は、ここでは、プラスチック製の一体成形品である。但し、本発明においては、ハウジング本体2は樹脂製のものに限定されない。
雌形ハウジング部4は、中央壁部22の片面側に突設された四角枠状の突壁によって形成されている。
図示例のハウジング本体2の雄形ハウジング部5は、中央壁部22の前記雌形ハウジング部4とは反対側に突設された一対のラッチ51によって形成されている。
なお、雄形ハウジング部5は、例えば、図中符号52の係合解除レバー等、一対のラッチ51にそれぞれ突設されている突起等を含む。
【0023】
中央壁部22に突設されているフェルール保持部22は、中央壁部22から両側、すなわち、コネクタ受け部1A側と、プラグ部1B側とに突出している。
フェルール保持部22は、コネクタ受け部1Aでは、雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41内に突出し、プラグ部1Bでは、一対のラッチ51の間に突出している。
【0024】
図5に示すように、フェルール8は、プラグ部1B側の端部を、フェルール保持部22に収納された割りスリーブ81に挿入してある。
割りスリーブ81は、フェルール保持部21にプラグ部1Bから挿入される。そして、この割りスリーブ81は、フェルール保持部21のコネクタ受け部1A側の先端内側に突設されている抜け止め突起24と、フェルール保持部22にプラグ部1Bから挿入されるフェルール8の軸方向中央部に外挿固定されているフランジ部品8a(図12(a)、(b)参照)との間に保持される。具体的には、割りスリーブ81は、フェルール保持部21のコネクタ受け部1A側先端内側の前記抜け止め突起24と、前記フランジ部品8aの内、フェルール8の軸方向中央部を収納してフェルール8に固定されているスリーブ状部分である固定スリーブ部8bのコネクタ受け部1A側の端部との間に収納される。
なお、フランジ部品8aについては、後に詳述する。
【0025】
フェルール8は、一端部が、割りスリーブ81のコネクタ受け部1A側の端部よりもプラグ部1B側にずれた位置(割りスリーブ81の長手方向中央部)に配置され、他端部が、割りスリーブ81のプラグ部1B側の端部から突出されている。
フェルール8の他端部は、光コネクタアダプタ1のプラグ部1Bを受け側光コネクタ7に挿入したときに、受け側光コネクタ7の割りスリーブ77に挿入されてフェルール74に突き合わせ接続される部分である。
【0026】
フェルール8は、例えば、ジルコニアのセラミックで形成されたものが採用可能であるが、形成材質については、フェルールに用いられる周知のものであれば良く、特に限定は無い。
フェルール8には、光ファイバグレーティング82が内挿固定されている。
フェルール8の両側の接合端面83、84には、光ファイバグレーティング82の長手方向の端部が露出されている。
以下、フェルール8を、グレーティング内蔵フェルールとも言う。
【0027】
雌形ハウジング部4の、コネクタ収容凹所41を介して対向する一対の側壁部42には、前記コネクタ収容凹所41に挿入して収容された前記光コネクタ6の両側のラッチ63が係脱可能に係合される係止凹所43が形成されている。図示例の光コネクタアダプタ1において、前記係止凹所43は、側壁部42を貫通する窓状に形成されている。
【0028】
前記爪付き部品9は、既述のように、光コネクタ6のハウジング本体2の両側部に係合する一対の弾性爪92が突設された、小ブロック状の部品である。
この爪付き部品9の弾性爪92は、SC形光コネクタ(光コネクタプラグ)に両側から係脱可能に係合してSC形光コネクタプラグを保持することにも機能するため、雌形ハウジング部4(コネクタ受け部1A)は、この爪付き部品9の組み込みによって、SC形光コネクタの光コネクタレセプタクルとして機能させることができる。
爪付き部品9は、両側に突設された係合爪93を、雌形ハウジング部4の一対の側壁部42の係止凹所43に嵌め込むようにして係合させることで、ハウジング本体2に組み付けられて、コネクタ受け部1Aからの脱落が規制される。
コネクタ受け部1Aは、爪付き部品9の選択使用によって、SC形光コネクタ以外の光コネクタプラグ(ラッチ無しの光コネクタプラグ)との接続にも対応できる。
爪付き部品9の一対の弾性爪92は、光コネクタプラグにおけるフェルールを収納するスリーブ状のハウジングの側壁部に両側から係合して、光コネクタプラグを保持するものである。
【0029】
コネクタ受け部1Aの構造は、受け側光コネクタ7の受けハウジング部73と似ており、光コネクタ6をコネクタ収容凹所41に押し込むだけで、光コネクタ6の一対のラッチ62の雌形ハウジング部4に対する係脱可能な係合と、割りスリーブ81へのフェルール66の挿入及び光コネクタアダプタ1のフェルール8との突き合わせとを実現でき、光コネクタアダプタ1に対する光コネクタ6の接続を達成できる。
コネクタ受け部1Aに接続された光コネクタ6の一対のラッチ66を係合解除操作すれば、コネクタ受け部1Aからの光コネクタ6の抜き去りが可能となる。
係止凹所43が形成されている一対の側壁部42間の離間距離L3(図6(a)参照)は、係止凹所43付近から、コネクタ収容凹所41の開口部側(奥壁部78とは逆の側)へ行くにしたがって、緩やかに増大するようになっている。離間距離L3は、係止凹所43付近では、光コネクタ6のラッチ63間距離L2よりも僅かに小さい。
【0030】
プラグ部1Bの構造は、光コネクタ6と似たものになっており、受け側光コネクタ7の受けハウジング部73に押し込むだけで、一対のラッチ51の受けハウジング部73に対する係合と、受け側光コネクタ7の割りスリーブ81へのフェルール8の挿入及びフェルール74との突き合わせとを実現でき、受け側光コネクタ7に対する接続を達成できる。
一対のラッチ51の受けハウジング部73に対する係合は、各ラッチ51の先端から、ラッチ51間に位置するフェルール8とは逆の側に向けて突設されている係止爪53が、ラッチ51の弾性によって、受け側光コネクタ7の側壁部73aの係止凹所73bに入り込む(係止爪53が受け側光コネクタ7に係合する)ことで達成される。
プラグ部1Bのラッチ51間の離間距離L4(係止爪53のラッチ63からの突出先端同士の離間距離)は、受け側光コネクタ7の両側壁部73a、73a間の離間距離L1よりも僅かに大きい。
【0031】
図5等に示すように、プラグ部1Bの、一対のラッチ51の間には、ハウジング本体2とは別体のプラグフレーム本体3が、ハウジング本体2に対して組み付けて設けられている。
図示例の光コネクタアダプタ1では、図6等に示すように、プラグフレーム本体3は、スリーブ部31と、このスリーブ部31の外側に突設された突片32とを具備している。 このプラグフレーム本体3は、スリーブ部31を、ハウジング本体2の中央壁部22から一対のラッチ51の間に突出されたフェルール保持部21に外挿し、フェルール保持部21との凹凸嵌合によって、ハウジング本体2に対して組み付けられる。具体的には、プラグフレーム本体3のスリーブ31に形成されている係止穴33を、フェルール保持部21の中央壁部22からプラグ部1B側に突出された部分の外周面に突出されている係止突起23に嵌め込んで、しっかりと組み付けられる。但し、これに限定されず、例えば、中央壁部22に凹凸嵌合によって組み付ける構造等であっても良い。
ここでは、プラグフレーム本体3のスリーブ部31の外形は、SC形光コネクタのプラグフレームと同様になっている。また、突片32は板状に形成されており、スリーブ部31に対して、SC形光コネクタのつまみ(カップリング)の側壁部に相当する位置に配置される。
【0032】
グレーティング内蔵フェルール8のプラグ部1B側の端部(他端部)は、割りスリーブ81のプラグ部1B側の端部から突出されており、ハウジング本体2に組み付けたプラグフレーム本体3のスリーブ部31を貫通して、スリーブ部31先端から突出している。
図12(a)、(b)に示すように、グレーティング内蔵フェルール8の軸方向中央部には、金属製のフランジ部品8aが固定されている。このフランジ部品8aは、グレーティング内蔵フェルール8の軸方向中央部を収納してフェルール8に固定された固定スリーブ部8bと、この固定スリーブ部8bの軸方向片端(プラグ部1B側の端部)に該スリーブ部8bの外周全周に亘って突設されたフランジ部8cとを具備する。
【0033】
図5に示すように、このグレーティング内蔵フェルール8に固定されているフランジ部品8aのフランジ部8cの外径は、フェルール保持部21のプラグ部1B側の開口端の内径よりも大きい。このフランジ部8cは、フェルール保持部21のプラグ部1B側の開口端と、プラグフレーム本体3のスリーブ部31内側に突設されたストッパ壁35との間に確保された空間36内に収納される。図12(a)、(b)に示すように、フランジ部品8aは、フランジ部8cの外周方向の複数箇所に形成されたキー溝8dに、プラグフレーム本体3のスリーブ部31内面から前記空間36に突出されたキー37が収納されて回り止めされており、フェルール8の軸回りの回り止めの機能を果たす。
【0034】
フェルール8は、フランジ部8cが、プラグフレーム本体3のスリーブ部31内側に突設されたストッパ壁35に突き当たることで、それ以上のプラグ部1B側への移動が規制される。ストッパ壁35は、フェルール保持部21に挿入した割りスリーブ81及びフェルール8が、フェルール保持部21からプラグ部1B側に抜け出ることを規制する抜け止めストッパとしての機能を果たす。
図5に示すように、割りスリーブ81が、フェルール保持部21のコネクタ受け部1A側先端内側の前記抜け止め突起24と、固定スリーブ部8bのコネクタ受け部1A側先端との間に挟み込まれたときのフェルール8の位置(図5に示す位置)は、フランジ部品8aのフランジ部8cがプラグフレーム本体3のスリーブ部31内側のストッパ壁35に突き当たったときのフェルール8の位置に比べて、コネクタ受け部1A側に僅かにずれている。このずれの範囲(図5の符号ΔL)で、フェルール8には、フェルール保持部21の軸方向に微動が許容されている。
このフェルール8の微動は、光コネクタ6と受け側光コネクタ7とを光コネクタアダプタ1を介して接続する際に、光コネクタ6のフェルール61とフェルール8との突き合わせ、及び、受け側光コネクタ7のフェルール74とフェルール8との突き合わせを確実に実現することに寄与する。しかも、光コネクタ6及び受け側光コネクタ7の一方又は両方に組み込まれている、突き合わせ力発生用のスプリングの付勢力が、フェルール61とフェルール8との間の突き合わせ力、フェルール74とフェルール8との間の突き合わせ力として、フェルール8の両端でバランス良く作用することとなり、接続損失等の所望の光特性の安定確保に有効に寄与する。
【0035】
プラグ部1Bを受け側光コネクタ7に挿入して接続状態とする際、フェルール8が受け側光コネクタ7の割りスリーブ74に挿入されるとともに、プラグフレーム本体3のスリーブ部31とフェルール8との間の隙間34に、受け側光コネクタ7の割りスリーブ74が入り込み、プラグフレーム本体3のスリーブ部31が受け側光コネクタ7の割りスリーブ74に外挿される。
【0036】
この光コネクタアダプタ1では、雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41の両側の側壁部42の係止凹所43から、プラグ部1Bの一対のラッチ51の先端に突設されている係止爪53までが、一体になっている。雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41の両側の側壁部42と、プラグ部1Bの一対のラッチ51とが、樹脂一体成形品のハウジング本体2によって、一体の構造になっている。このため、この光コネクタアダプタ1では、雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41の両側の側壁部42の係止凹所43から、プラグ部1Bの一対のラッチ51の先端に突設されている係止爪53までの寸法精度を確実に確保することができるといった利点がある。
つまり、雌形ハウジング部4に挿入して接続した光コネクタ6のラッチ63の係止爪66がコネクタ受け部1Aの側壁部42に係合する位置と、プラグ部1Bのラッチ51の係止爪53が受け側光コネクタ7に係合する位置との間の離間距離L5を、精度良く確保することができる。これにより、光コネクタ6のフェルール61及び受け側光コネクタ7のフェルール74の、グレーティング内蔵フェルール8に対する突き合わせを確実に行え、突き合わせたフェルール同士の間に、所望の接合状態が確実に得られる。
【0037】
この光コネクタアダプタ1では、前記雌形ハウジング部4に前記光コネクタ6を挿入して接続し、前記プラグ部1Bを前記受け側光コネクタ7に挿入して接続することで、光コネクタ6に組み込まれているフェルール61と、受け側光コネクタ7に組み込まれているフェルール74とが、グレーティング内蔵フェルール8に両側から突き合わされる。そして、前記光コネクタ6のフェルール61に内挿されている光ファイバ65と、前記受け側光コネクタ7のフェルール74に内挿されている光ファイバ76とが、前記グレーティング内蔵フェルール8内の前記光ファイバグレーティング82を介して光接続される。
これにより、光コネクタ6側の光ファイバ101と受け側光コネクタ7側の光ファイバ102との間に、グレーティング内蔵フェルール8内の前記光ファイバグレーティング82が介在配置されることになり、光ファイバグレーティング82によって、遮断波長等の、所望の波長選択性を与えることができる。
【0038】
図13、図14は、光ファイバグレーティング82のクラッドモード光を吸収するクラッドモード光吸収手段の一例を示す。
図13は、グレーティング内蔵フェルール8を貫通する微細孔85内に収納された光ファイバグレーティング82を接着固定する接着剤86として、例えばカーボンブラック等の光吸収剤入り接着剤を採用した構造を示す。なお、符号821は、光ファイバグレーティング82のコア、822はクラッドである。
この場合、光吸収剤入り接着剤が、クラッドモード光を吸収するクラッドモード光吸収手段として機能するため、遮断特性が向上する。
グレーティング内蔵フェルール8に突き合わせ接続されるフェルールに、グレーティング内蔵フェルール8に対する微小な光軸のずれが存在する場合でも、所望の遮断特性が確実に得られる。
【0039】
図14は、モードフィールド径あるいはコア径に対応する透光孔87aを有する遮蔽体87を、グレーティング内蔵フェルール8の微細孔85内に組み込み、この遮蔽体87を両側から挟み込むようにして、微細孔85内に2本の光ファイバグレーティング82a(82)、82b(82)を収納し、固定したものである。遮蔽体87、光ファイバグレーティング82a、82bの微細孔85内での固定は、例えば接着剤による接着固定で行う。
遮蔽体87は、クラッドモード光を遮蔽する機能を果たす。
この構造でも、図13に例示した構造と同様に、遮断特性を向上し、特定の遮断波長の光の伝送を確実に遮断できる。
【0040】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、様々な変更が可能である。
(1)上述の実施形態では、ラッチ付きの光コネクタ6と、該光コネクタ6を挿入して接続する受け側光コネクタ7とに対応する構造の光コネクタアダプタを例示したが、本発明は、これに限定されず、様々な種類の光コネクタに対応して、光コネクタ(光コネクタプラグ)と受け側光コネクタとの間に適用できる。
(2)雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41の両側の側壁部42の係止凹所43から、プラグ部1Bの一対のラッチ51の先端に突設されている係止爪53までの寸法精度の確保の点では、ハウジング本体2の内、雌形ハウジング部4のコネクタ収容凹所41の両側の側壁部42の係止凹所43から、プラグ部1Bの一対のラッチ51の先端に突設されている係止爪53までが、一体になっている構造が好ましいが、必ずしも、上述の実施形態のように、フェルール保持部21等も含んで全体が一体成形されているハウジング本体2を採用する必要は無い。
例えば、フェルール保持部がハウジング本体とは別体で、ハウジング本体に対して別途組み込まれる構造であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る実施形態の光コネクタアダプタと、光コネクタ(光コネクタプラグ)及び該光コネクタを挿入して嵌合する受け側光コネクタとの関係を示す図である。
【図2】図1の光コネクタアダプタの構造を模式的に示した拡大断面図である。
【図3】本発明に係る実施形態の光コネクタアダプタを示す全体斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は光コネクタアダプタの構造を示す図である。
【図5】本発明に係る実施形態の光コネクタアダプタの内部構造を示す正断面図である。
【図6】(a)、(b)は光コネクタアダプタのハウジング本体と該ハウジング本体の雄形ハウジング部に組み込まれるプラグフレーム本体との関係を示す断面図であり、(a)はプラグフレーム本体の組み込み前、(b)は組み込み後を示す。
【図7】光コネクタアダプタのハウジング本体を雌形ハウジング部側から見た斜視図である。
【図8】ハウジング本体を雄形ハウジング部側から見た斜視図である。
【図9】光コネクタアダプタと、光コネクタ(光コネクタプラグ)及び該光コネクタを挿入して嵌合する受け側光コネクタとの関係を示す図である。
【図10】受け側光コネクタに光コネクタを嵌合して接続した状態を示す図である。
【図11】(a)〜(c)は、光コネクタアダプタの雌側ハウジング部に組み込まれる爪付き部品を示す図である。
【図12】(a)、(b)は、光コネクタアダプタに組み込まれるフェルール及びフランジ部品を示す図である。
【図13】光ファイバグレーティングを光吸収剤入り接着剤でフェルール内に固定した状態を示す図である。
【図14】フェルール内にクラッドモード光を遮蔽する遮蔽体を組み込んだ状態を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1…光コネクタアダプタ、1A…コネクタ受け部、1B…プラグ部、2…ハウジング本体、22…中央壁部、3…プラグフレーム本体、4…雌形ハウジング部、41…コネクタ収容凹所、42…側壁部、43…係止凹所、5…雄形ハウジング部、51…ラッチ、53…係止爪、6…光コネクタ(光コネクタプラグ)、61…フェルール、62…ハウジング(ハウジング本体)、63…ラッチ、64…ラッチ付きハウジング、7…受け側光コネクタ、71…コネクタ収容凹所、73a…側壁部、73b…係止凹所、74…フェルール、8…グレーティング内蔵フェルール、81…割りスリーブ、82…光ファイバグレーティング、86…クラッドモード光吸収手段、接着剤、87…クラッドモード光吸収手段、遮蔽体、9…爪付き部品、92…弾性爪、101、102…光ファイバ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光コネクタ(6)が挿入されるコネクタ収容凹所(41)を有するコネクタ受け部(1A)と、
前記光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所(71)を有する受け側光コネクタ(7)に挿入可能なプラグ部(1B)とを具備し、
さらに、光ファイバグレーティング(82)が内挿固定されたグレーティング内蔵フェルール(8)を内蔵して構成され、
前記コネクタ受け部に挿入された光コネクタのフェルール(74)と、前記プラグ部が挿入された受け側光コネクタに組み込まれているフェルール(61)とが、前記グレーティング内蔵フェルールに両側から突き合わされることで、前記光コネクタ側の光ファイバ(101)と前記受け側光コネクタ側の光ファイバ(102)とが、前記グレーティング内蔵フェルール内の前記光ファイバグレーティングを介して光接続されるようになっていることを特徴とする光コネクタアダプタ(1)。
【請求項2】
フェルール(61)を収納するハウジング(62)の両側にラッチ(63)が突設されている光コネクタ(6)が挿入されるコネクタ収容凹所(41)を有する雌形ハウジング部(4)と、前記光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所(71)を有する受け側光コネクタ(7)に挿入可能な雄形ハウジング部(5)とを具備してなるハウジング本体(2)内に、光ファイバグレーティング(82)が内挿固定されたグレーティング内蔵フェルール(8)が組み込まれ、
前記雌形ハウジング部は前記コネクタ受け部(1A)、前記雄形ハウジング部は前記プラグ部(1B)に設けられており、
前記雌形ハウジング部及び前記受け側光コネクタは、前記コネクタ収容凹所の両側の側壁部(42、73a)に、前記コネクタ収容凹所に収容された前記光コネクタの両側のラッチが係合される係止凹所(43、73b)を具備し、
前記雄形ハウジング部は、前記受け側光コネクタの前記コネクタ収容凹所に挿入されて、前記受け側光コネクタの前記コネクタ収容凹所の両側の前記係止凹所に係止される一対のラッチ(51)を具備し、
前記雌形ハウジング部に挿入された光コネクタのフェルールと、前記雄形ハウジング部が挿入された受け側光コネクタに組み込まれているフェルールとが、前記グレーティング内蔵フェルールに両側から突き合わされることで、前記光コネクタのフェルールに内挿されている光ファイバと、前記受け側光ファイバのフェルールに内挿されている光ファイバとが、前記グレーティング内蔵フェルール内の前記光ファイバグレーティングを介して光接続されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタアダプタ。
【請求項3】
雌形ハウジング部のコネクタ収容凹所の両側の側壁部の係止凹所から、前記雄形ハウジング部の一対のラッチの先端に突設されて、前記受け側光コネクタのコネクタ収容凹所の両側の側壁部の係止凹所に入り込んで前記受け側光コネクタに係合される係止爪(53)までが、一体になっていることを特徴とする請求項2記載の光コネクタアダプタ。
【請求項4】
前記雌形ハウジング部の前記係止凹所から前記係止爪までが、合成樹脂で一体成形された部材によって一体に形成されていることを特徴とする請求項3記載の光コネクタアダプタ。
【請求項5】
前記雄形ハウジング部の一対のラッチの間に、前記グレーティング内蔵フェルールの前記雄形ハウジング部の一対のラッチの間に突出された部分を収納する、スリーブ状のプラグフレーム本体(3)が組み込まれていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の光コネクタアダプタ。
【請求項6】
前記グレーティング内蔵フェルールが、前記ハウジング本体内部にて前記雄形ハウジング部と前記雌形ハウジング部との境界位置に設けられた中央壁部(22)に組み込まれた割りスリーブ(81)に収納され、
前記グレーティング内蔵フェルールの一端部が、前記割りスリーブの軸方向中央部に配置され、前記グレーティング内蔵フェルールの他端部が、前記割りスリーブの前記雄形ハウジング部側の端部から突出されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の光コネクタアダプタ。
【請求項7】
前記雌形ハウジング部のコネクタ収容凹所内に、光コネクタプラグに両側から係脱可能に係合する弾性爪(92)を有する、爪付き部品(9)が組み込み可能であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の光コネクタアダプタ。
【請求項8】
前記グレーティング内蔵フェルール内に、前記光ファイバグレーティングのクラッドモード光を吸収するクラッドモード光吸収手段(86、87)が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光コネクタアダプタ。
【請求項9】
前記クラッドモード光吸収手段が、前記グレーティング内蔵フェルールを貫通する微細孔内に収納された前記光ファイバグレーティング外周面を覆うように設けられた光吸収剤入り接着剤(86)であることを特徴とする請求項8記載の光コネクタアダプタ。
【請求項10】
前記グレーティング内蔵フェルール内に、前記クラッドモード光吸収手段として、モードフィールド径あるいはコア径に対応する透光孔を有し、かつ、クラッドモード光を遮蔽する遮蔽体(87)が内蔵されていることを特徴とする請求項8記載の光コネクタアダプタ。
【請求項1】
光コネクタ(6)が挿入されるコネクタ収容凹所(41)を有するコネクタ受け部(1A)と、
前記光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所(71)を有する受け側光コネクタ(7)に挿入可能なプラグ部(1B)とを具備し、
さらに、光ファイバグレーティング(82)が内挿固定されたグレーティング内蔵フェルール(8)を内蔵して構成され、
前記コネクタ受け部に挿入された光コネクタのフェルール(74)と、前記プラグ部が挿入された受け側光コネクタに組み込まれているフェルール(61)とが、前記グレーティング内蔵フェルールに両側から突き合わされることで、前記光コネクタ側の光ファイバ(101)と前記受け側光コネクタ側の光ファイバ(102)とが、前記グレーティング内蔵フェルール内の前記光ファイバグレーティングを介して光接続されるようになっていることを特徴とする光コネクタアダプタ(1)。
【請求項2】
フェルール(61)を収納するハウジング(62)の両側にラッチ(63)が突設されている光コネクタ(6)が挿入されるコネクタ収容凹所(41)を有する雌形ハウジング部(4)と、前記光コネクタが挿入されるコネクタ収容凹所(71)を有する受け側光コネクタ(7)に挿入可能な雄形ハウジング部(5)とを具備してなるハウジング本体(2)内に、光ファイバグレーティング(82)が内挿固定されたグレーティング内蔵フェルール(8)が組み込まれ、
前記雌形ハウジング部は前記コネクタ受け部(1A)、前記雄形ハウジング部は前記プラグ部(1B)に設けられており、
前記雌形ハウジング部及び前記受け側光コネクタは、前記コネクタ収容凹所の両側の側壁部(42、73a)に、前記コネクタ収容凹所に収容された前記光コネクタの両側のラッチが係合される係止凹所(43、73b)を具備し、
前記雄形ハウジング部は、前記受け側光コネクタの前記コネクタ収容凹所に挿入されて、前記受け側光コネクタの前記コネクタ収容凹所の両側の前記係止凹所に係止される一対のラッチ(51)を具備し、
前記雌形ハウジング部に挿入された光コネクタのフェルールと、前記雄形ハウジング部が挿入された受け側光コネクタに組み込まれているフェルールとが、前記グレーティング内蔵フェルールに両側から突き合わされることで、前記光コネクタのフェルールに内挿されている光ファイバと、前記受け側光ファイバのフェルールに内挿されている光ファイバとが、前記グレーティング内蔵フェルール内の前記光ファイバグレーティングを介して光接続されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタアダプタ。
【請求項3】
雌形ハウジング部のコネクタ収容凹所の両側の側壁部の係止凹所から、前記雄形ハウジング部の一対のラッチの先端に突設されて、前記受け側光コネクタのコネクタ収容凹所の両側の側壁部の係止凹所に入り込んで前記受け側光コネクタに係合される係止爪(53)までが、一体になっていることを特徴とする請求項2記載の光コネクタアダプタ。
【請求項4】
前記雌形ハウジング部の前記係止凹所から前記係止爪までが、合成樹脂で一体成形された部材によって一体に形成されていることを特徴とする請求項3記載の光コネクタアダプタ。
【請求項5】
前記雄形ハウジング部の一対のラッチの間に、前記グレーティング内蔵フェルールの前記雄形ハウジング部の一対のラッチの間に突出された部分を収納する、スリーブ状のプラグフレーム本体(3)が組み込まれていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の光コネクタアダプタ。
【請求項6】
前記グレーティング内蔵フェルールが、前記ハウジング本体内部にて前記雄形ハウジング部と前記雌形ハウジング部との境界位置に設けられた中央壁部(22)に組み込まれた割りスリーブ(81)に収納され、
前記グレーティング内蔵フェルールの一端部が、前記割りスリーブの軸方向中央部に配置され、前記グレーティング内蔵フェルールの他端部が、前記割りスリーブの前記雄形ハウジング部側の端部から突出されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の光コネクタアダプタ。
【請求項7】
前記雌形ハウジング部のコネクタ収容凹所内に、光コネクタプラグに両側から係脱可能に係合する弾性爪(92)を有する、爪付き部品(9)が組み込み可能であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の光コネクタアダプタ。
【請求項8】
前記グレーティング内蔵フェルール内に、前記光ファイバグレーティングのクラッドモード光を吸収するクラッドモード光吸収手段(86、87)が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光コネクタアダプタ。
【請求項9】
前記クラッドモード光吸収手段が、前記グレーティング内蔵フェルールを貫通する微細孔内に収納された前記光ファイバグレーティング外周面を覆うように設けられた光吸収剤入り接着剤(86)であることを特徴とする請求項8記載の光コネクタアダプタ。
【請求項10】
前記グレーティング内蔵フェルール内に、前記クラッドモード光吸収手段として、モードフィールド径あるいはコア径に対応する透光孔を有し、かつ、クラッドモード光を遮蔽する遮蔽体(87)が内蔵されていることを特徴とする請求項8記載の光コネクタアダプタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−52250(P2007−52250A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237522(P2005−237522)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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