光ファイバによる地震・津波計、地震・津波観測システム
【課題】廉価な費用で構築が可能な地震・津波観測システムを提案する。
【解決手段】グレーティング部の配列間隔を張力及び圧縮力によって変化させ、グレーティング部の配列間隔を変化させることにより反射光の波長乃至は周波数が変化する歪みセンサ用光ファイバを用いて加速度センサを構成し、この加速度センサを3個用いて地震計を構成し、更に歪みセンサ用光ファイバを防水ケースの内壁面に接着し、防水ケースの歪み量を計測する手段を構成し、この歪み計測手段により津波計を構成し、地震計及び津波計から反射して戻って来る反射光の周波数或いは波長の変化から地震の強度及び津波の強度を求める。
【解決手段】グレーティング部の配列間隔を張力及び圧縮力によって変化させ、グレーティング部の配列間隔を変化させることにより反射光の波長乃至は周波数が変化する歪みセンサ用光ファイバを用いて加速度センサを構成し、この加速度センサを3個用いて地震計を構成し、更に歪みセンサ用光ファイバを防水ケースの内壁面に接着し、防水ケースの歪み量を計測する手段を構成し、この歪み計測手段により津波計を構成し、地震計及び津波計から反射して戻って来る反射光の周波数或いは波長の変化から地震の強度及び津波の強度を求める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば海底地震及び津波観測網を構築する場合に適用して好適な地震・津波観測システム及びこの地震・津波観測システムに適用することにより地震・津波観測システムの構造を簡素化することができる光ファイバによる地震・津波計、地震・津波観測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震活動の前兆現象を的確に検知し、予告できれば災害の規模を縮小することができる。この目的を実現するために、従来より海底地震観測システム(非特許文献1)が構築されている。
図10に非特許文献1に開示された海底地震観測システムの概要を示す。海岸1に建てられた中継局2から引き出された海底ケーブル3は海底に敷設される。海底ケーブル3には複数の(この例では3個の場合を示す)海底地震計4A、4B、4Cが接続され、これらの海底地震計4A、4B、4Cが海底の所要位置に設置される。
【0003】
各海底地震計4A、4B、4Cで検知した地震データは中継局2で受信され、その受信データは観測局5に伝送されて記録される。また解析処理されて震源の位置、規模等の算出用データとして供される。
図11に従来の海底地震観測システムの信号系の概要を示す。中継局2には光パルス源2Aと、地震データ受信装置2Bと、給電装置2Cとが設けられる。光パルス源2Aからは所定の周期で光パルスが出射され、この光パルスが海底ケーブル3に設けられた光ファイバケーブル3Aを通じて各海底地震計4A、4B、4Cに送給される。
【0004】
各海底地震計4A、4B、4Cからの地震データは光ファイバケーブル3B、3C、3Dを通じて地震データ受信装置2Bに入力され受信処理される。
給電装置2Cは直流安定化電源装置で構成され、給電ケーブル3Eを通じて各海底地震計4A〜4Cで必要とする直流電力を給電する。
海底地震計4A〜4Cはそれぞれ、光−電気変換器4−1と、多軸加速度センサ4−2と、多重化装置4−3と、電気−光変換器4−4とを備えて構成される。
光−電気変換器4−1は光パルス源2Aから送られて来る光パルスを電気パルス信号に変換し、この電気パルス信号を多重化装置4−3に印加し、多重化のためのクロック信号として利用する。多軸加速度センサ4−2は例えば重りと力−電気変換器との組み合わせで構成される3個の加速度センサをそれぞれ加速度感知軸を水平面内において互いに直交するX、Y軸と上下方向をZ軸とする姿勢に配置して構成する。力−電気変換器としては例えば抵抗細線で構成されるストレンゲージ或いは半導体ストレンゲージのような歪みセンサを用いることができ、これらの歪みセンサは何れも電動型であり、電圧の印加を必要とし、加速度検出信号は電気信号で出力される。
【0005】
3軸方向の加速度検出信号は多重化装置4−3に入力され、この多重化装置4−3で周波数多重化され、その周波数多重化信号は電気−光変換器4−4で光信号に変換され、光ファイバケーブル3B、3C、3Dを通じて地震データ受信装置2Bに伝送される。
【非特許文献1】NEC技報第50巻第9号(通巻343号)1997年9月30〜37頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来の地震観測システムでは電動型の加速度センサを用いるため、この加速度センサには電力の印加を必要とする。更に、電動型加速度センサの出力は電気信号であるため、この電気信号を周波数多重化するための多重化装置4−3も電気回路で構成される。従って、多重化装置も電力を消費することになる。これらの電力を給電するために海底ケーブル3には給電ケーブル3Eが必要不可欠な構成要素となる。
また、光−電気変換器4−1、電気−光変換器4−4を必要とし、更に多重化4−3でもA/D変換器等を必要とし、部品点数が多いことからその構築には多大な費用負担が発生する。また、使用部品点数が多いことから故障発生率も高まり、信頼を維持することはむずかしい。更に、従来の地震観測システムでは地震の観測は可能であるものの、地震の発生に起因して発生する津波の観測は全く不能である。津波の発生を観波できれば更に災害規模抑制に大きく貢献することができる。
【0007】
本発明の目的は地震は元より津波の発生も観測することができる地震・津波計とこの地震・津波計を用いて構築する地震・津波観測システムを提供すると共に、部品点数を低減し、廉価な費用で構築を可能とし、更に使用部品点数が少ないことから故障発生率が低く、信頼性の高い地震・津波観測システムと、この地震・津波観測システムに用いる地震・津波計を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による地震・津波計はコア部の一部に光パルスの入射に対し、特定の波長の光を反射させ、光の伝搬方向に対する外力の印加量に応じて反射光の周波数を変移させるグレーティング部が設けられた歪みセンサ用光ファイバと、この歪みセンサ用光ファイバに所定の張力を与えた状態で歪みセンサ用光ファイバを架張支持する支持手段と、この支持手段に特定の軸線方向のみに揺動自在に支持した重りと、この重りの揺動エネルギを歪みセンサ用光ファイバに光の伝搬方向と一致する向の張力変化に変換して印加するための力変換手段とを備えた加速度センサが各加速度センサの重りの揺動方向が互に直交する向の姿勢で配置され、各加速度センサを構成する歪みセンサ用光ファイバの反射光の初期周波数が互いに異なる3個の加速度センサが共通の防水ケースに収納されて構成した地震計と、 防水ケースの内壁面に歪みセンサ用光ファイバを接着し、この接着した歪みセンサ用光ファイバにより防水ケースに掛かる水圧によって発生する歪みを検出して津波の発生を検知する構成の津波計とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明による地震・津波計は更に、上記した地震・津波計において、地震計と津波計を共通の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする。
本発明による地震・津波計は更に、上記した地震・津波計において、地震計と津波計を別の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは中継局に設けられた光パルス源と、この光パルス源から出射される光パルスを被観測点に設置された請求項1記載の地震・津波計に伝達する通信用光ファイバケーブルと、この通信用光ファイバケーブルを通じて中継局に送られて来る反射光の周波数を計測し、地震計に与えられる地震の強度と津波の規模を測定する測定器とを備えた構成としたことを特徴とする。
【0010】
本発明による地震・津波観測システムは上記の地震・津波観測システムにおいて、通信用光ファイバケーブルには歪みセンサ用光ファイバの反射光の初期周波数が異なる地震計及び津波計が複数縦続接続されていることを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバは別々の通信用ファイバによって継続接続されていることを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバとは単一の通信用光ファイバによって、継続接続されていることを特徴とする。
【0011】
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、通信用光ファイバケーブルによって縦続接続された第1地震・津波計群と、第2地震・津波計群とを有し、これら第1地震・津波計群と第2地震・津波計群とを縦続接続し、平常時は一方の通信用光ファイバを通じて第1地震・津波鶏群と第2地震・津波計群に光パルスを供給し、異常時は他方の通信用光ファイバを通じて第2地震・津波計群と第1地震・津波計群に光パルスを供給することを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、地震・津波センサの設置時に地震センサを構成する各加速度センサの重りの初期荷重を地震計の各歪みセンサ用光ファイバからの反射光の周波数変移量により計測し、地震計の傾きに伴って発生する誤差値を測定し、この誤差値を用いて地震波の測定値を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による地震・津波センサによれば光パルスを印加するだけで地震の規模及び津波の規模に対応した周波数の反射光を発生し、その反射光の周波数変移量を計測すれば地震の規模及び津波の規模を測定することができる。
更に、本発明による地震・津波観測システムによれば、地震及び津波検知手段として歪みセンサ用光ファイバを用いることにより、地震・津波計では電力消費は全くなく、単に歪みセンサ用光ファイバと、重り及び重りの揺動エネルギを歪みセンサ用光ファイバの光伝搬方向の張力変化に変換する力変換手段と、歪みセンサ用光ファイバを所定の張力を維持して支持する支持手段とが存在するのみであり、更に津波センサにあっては防水ケースの内壁に歪みセンサ用光ファイバを接着するのみであるため、その構造は簡素であり、システム構築には膨大な費用の発生を抑えることができる。また構造が簡素で使用部品点数も少ないため故障発生率を低減することができ、信頼性の高い地震・津波観測システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明による地震・津波観測システムは同時に提案した光ファイバによる地震・津波計を海底に設置し、海底に設置した地震・津波計と陸上に設置した光パルス源との間を通信用光ファイバケーブルで接続し、光パルス源から海底に設置した地震・津波計に所定周期の光パルスを送給する。
地震・津波計に加速度(地震による振動)及び津波による水圧の変動が印加されない状態では地震・津波計から発生する反射光の周波数は初期値を維持するが、地震による加速度が印加された場合、又は津波による水圧の変動が与えられると、地震計及び津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバから発生する反射光の周波数は初期周波数から変移する。この反射光の周波数変移量を測定器により測定することにより地震計及び津波計に印加された地震の規模及び津波の規模を求める形態が最も望ましい実施形態である。
【実施例1】
【0014】
図1に本発明による地震計を構成するための加速度センサ100の概要を示す。図1に示す10は歪みセンサ用光ファイバ、11はこの歪みセンサ用光ファイバ10に連結された通信用光ファイバを示す。歪みセンサ用光ファイバ10は支持手段12に所定の張力が与えられた状態に支持されている。支持手段12はこの例ではケースで構成した場合を示す。ケースの側面板に貫通孔を形成し、この貫通孔に歪みセンサ用光ファイバ10を挿通し、貫通孔の内部で歪みセンサ用光ファイバ10を支持手段12へ接着する等して歪みセンサ用光ファイバ10に所望の初期張力を与えた状態で架張支持する。貫通孔の外部で歪みセンサ用光ファイバ10に通信用光ファイバ11を接続し、通信用光ファイバ11を通じて他の加速度センサ或いは中継局との接続が達せられる。尚、歪みセンサ用光ファイバ10は後に説明するように通信用光ファイバ11の一部にグレーティング部を形成して構成されるものであり、必ずしも貫通孔の外側で歪みセンサ用光ファイバ10と通信用光ファイバ11との接続が行われるとは限らない。
【0015】
支持手段12の内部には重り13が設けられる。重り13はバネ14によって揺動自在に支持される。重り13の揺動エネルギは力変換手段15を介して歪みセンサ用光ファイバ10に伝達される。力変換手段15はこの例ではテコを用いた場合を示す。つまり、歪みセンサ用光ファイバ10の軸線と平行する姿勢に配置したレバー15Aの一端を軸受15Cで軸受けし、レバー15Aを支持手段12に対して回動自在に支持する。レバー15Aの他端側に重り13を連結する。レバー15Aの軸受側に直交する方向に延長レバー15Bを突出させ、この延長レバー15Bの突出端を歪みセンサ用光ファイバ10に連結する。レバー15Aは重り13を矢示するM方向のみに揺動を許す方向に軸受される。
【0016】
このような構造とすることにより、支持手段12にM方向の加速度が与えられた場合にのみ、重り13はM方向に揺動し、重り13の揺動エネルギはレバー15Aと延長レバー15Bを介して歪みセンサ用光ファイバ10の軸線方向に圧縮力と引張力として与えられる。
ここで歪みセンサ用光ファイバ10の構造とその動作を説明する。図2に歪みセンサ用光ファイバ10の拡大断面を示す。歪みセンサ用光ファイバ10は通信用光ファイバ11と同様にクラッド部10Aとコア部10Bとを有し、コア部10Bの一部区間に屈折率が異なるグレーティング部10Cを軸線方向に所定の間隔A1で配列して構成される。
【0017】
グレーティング部10Cが所定の間隔A1で配列されて形成されることにより、光ファイバの一端側から光パルスを入射すると、特定の波長成分(ブラッグ波長)のみが共振反射する特性が得られる。グレーティング部10Cの配列間隔A1が変化すると共振反射する反射光の周波数(波長λ)が変化する。従って歪みセンサ用光ファイバ10に引張力が与えられるとグレーティング部10Cの配列間隔A1がわずかに拡がり、これにより共振周波数が低下し、反射光の波長λが長くなる方向に変化する。また歪みセンサ用光ファイバ10に圧縮力が与えられるとグレーティング部10Cの配列間隔A1がわずかに狭くなり、これにより共振周波数が高くなる方向に変化し、反射光の波長λは短くなる方向に変化する。
【0018】
図3にその様子を示す。図3では初期状態で(加速度が無の状態)で反射光の波長はλ0である。加速度の印加により重り13が図1の状態において上向に揺動したとすると、歪みセンサ用光ファイバ10には張力が与えられる。この張力により反射光の波長λはλ0からλ1へと波長が長くなる方向に変移する。また、重り13が下向に揺動した場合は歪みセンサ用光ファイバ10に圧縮力が与えられ、この圧縮力により反射光の波長λがλ0からλ2へと波長が短くなる方向に変移する。図1に示すM方向の振動(地震)が与えられると重り13は初期位置を中心に上下動する。この上下動により反射波の波長は初期波長λ0を中心にλ1とλ2の間を変化し、λ1−λ2の値により地震の強度を知ることができる。また波長λ1とλ2を往復する周期(時間)により地震波の周期を測定することができる。
【0019】
グレーティング部10Cの配列間隔A1を各種異なる歪みセンサ用光ファイバ10を用意することにより、反射光の初期波長λ0が異なる加速度センサを得ることができる。この結果、反射光の初期波長λ0が異なる複数の加速度センサを共通の通信用光ファイバによって縦続接続することにより、それぞれの加速度センサの検出結果を別々に反射光の波長(周波数)変化として光パルスの入射端側に出力することができる。
【実施例2】
【0020】
図4にこの発明で提案する地震計の実施例を示す。図1に示した構造の加速度センサ100を各加速度検知軸を互に直交するX、Y、Z方向に向けて一体化することにより3軸方向の加速度(振動)を検出することができる地震計300を得ることができる。ここでは100XをX軸方向の加速度(振動)を検知するための加速度センサ、100YをY軸方向の加速度を検知するための加速度センサ、100ZをZ軸方向の加速度を検知するための加速度センサであるものとして示す。各加速度センサ100X、100Y、100Zは通信用光ファイバ11によって縦続接続し、特に図4では開示しないが、防水ケースに格納し、防水ケースから加速度センサ100X、100Y、100Zを縦続接続した通信用光ファイバ11の両端を導出しておくことにより多軸検出型の海底用地震計を得ることができる。
【実施例3】
【0021】
図5にこの発明による地震・津波計の310の実施例を示す。この実施例では円筒状の防水ケースと200の内部に加速度センサ100X、100Y、100Zを配置し、これら加速度センサ100X、100Y、100Zによって地震計300を構成すると共に、防水ケース200内において歪みセンサ用光ファイバ10−1、10−2を防水ケース200の内壁面に接着する。
10−1は防水ケース200の軸線方向に接着した歪みセンサ用光ファイバを示し、10−2は円筒状の防水ケース200の周方向に接着した歪みセンサ用光ファイバを示す。これら歪みセンサ用光ファイバ10−1と10−2によって防水ケース200に発生する歪みを検出させる。つまり、円筒状の防水ケース200を海中に投入し、海底に達した状態では水深に応じた水圧が防水ケース200の周面に均等に印加される。この水圧により防水ケース200は径方向及び軸方向に均等に圧縮変形する。この圧縮変形した状態で津波が発生し、海面の水位が変動すると、防水ケース200の圧縮変形量が変動する。
【0022】
歪みセンサ用光ファイバ10−1と10−2がこの圧縮変動量に応じて反射周波数を変移させることにより、津波の通過を検知することができる。従って、歪みセンサ用光ファイバ10−1と10−2により津波計320が構成される。図5に示す実施例では地震計300と津波計320を構成する歪みセンサ用光ファイバは別々の通信用光ファイバ11と11’に接続されている状態を示しているが、防水ケース200内で地震計300と津波計320を直列に接続し、共通の通信用光ファイバ11で地震と津波を監視するように構成することもできる。
【0023】
また、図5に示した実施例では地震計300と津波計320とを同一の防水ケース200に収納した場合を示したが、地震計300と津波計320とを別々の防水ケースに収納して構成することもできる。この場合は、地震計300を収納した防水ケースと津波計320を収納した防水ケースの一対で地震・津波計が構成される。
【実施例4】
【0024】
図6に本発明による地震・津波観測システムの概要を示す。310A、310B、310Cはそれぞれ、図5に示した地震・津波計を示す。各地震・津波計310A、310B、310Cは所望の被観測点に設置され、それぞれは通信用光ファイバケーブル400によって縦続接続され、縦続接続の一端側は中継局2に導入される。中継局2には光パルス源2Aと、地震・津波計310A、310B、310Cから送られて来る反射光の波長乃至は周波数変移を計測し、地震及び津波の強度を測定する測定器2Dとが設けられる。尚、図6では通信用光ファイバケーブル400の端部に光分岐器2Eを設け、この光分岐器2Eによって光パルス源2Aから出射される光パルスを通信用光ファイバケーブル400へ入射させる動作と、通信用光パルスケーブル400から出射される反射光を測定器2Dに分岐させる動作とを行わせる構成とした場合を示す。図では通信用光ファイバケーブル400を1本の線で描いているが、通信用光ファイバケーブル400は数本乃至は数10本程度の光ファイバが収納されており、各光ファイバに地震・津波計310A〜310Cが縦続接続されてもよい。このためには、光パルス源2Aと測定器2Dは多チャンネルに対応する機種が用いられる。
【0025】
通信用光ファイバケーブル400の総延長は最大で約60km程度とされ、海底の60km程度の範囲内で無中継で光パルスの伝送と、反射光の伝送とを達することができる。中継局2は図9でも説明したように海岸1の近くに設置されるが、測定器2Dの測定結果は通信回線を通じて観測所5に送られ、地震及び津波の解析が行われる。
【実施例5】
【0026】
図6では単一の通信用光ファイバケーブル400を敷設した例を示したが、図7に示すように複数本の通信用光ファイバケーブル400を敷設し、各通信用光ファイバケーブル400のそれぞれに地震・津波計310A−1、・・・310C−1、310A−2、・・・310C−2、・・・を縦続接続する。このように構成すれば被観測点を面状に拡げることができる。
【実施例6】
【0027】
図8に示す実施例では通信用光ファイバケーブル400−1と400−2はそれぞれ第1地震・津波計群310−1と第2地震・津波計群310−2を縦続接続し、更に、これら通信用光ファイバケーブル400−1と400−2をそれぞれ先端側で渡り線500によって共通接続し、第1地震・津波計群310−1と第2地震・津波計群310−2を縦続接続する構成とした場合を示す。
このように2つの地震・津波計群310−1と310−2を縦続接続することにより、平常時は一方の通信用光ファイバケーブル400−1を通じて光パルスを第1地震・津波計群310−1と第2地震・津波計群310−2へ送給し、その反射光を同じく通信用光ファイバケーブル400−1を通じて受信することができる。
【0028】
この状態で通信用光ファイバケーブル400−1に不具合が生じた場合は、他方の通信用光ファイバケーブル400−2から光パルスを第2地震・津波計群310−2と第1地震・津波計群310−1に印加することにより、その反射光を通信用光ファイバケーブル400−2から受信することができる。2Fは、この切替を行うための光スイッチを示す。つまり平常時はこの光スイッチ2Fをオフしておき、通信用光ファイバケーブル400−2に光パルスが出射されることを阻止しておき、通信用光ファイバケーブル400−1に不具合が発生した場合は、この光スイッチ2Fをオンの状態にし、通信用光ファイバケーブル400−2へ光パルスを送給する状態に切替える。
【実施例7】
【0029】
図9はこの発明の第6の実施例を示す。この発明の第6の実施例では海底などに設置した地震・津波計310が、どのような姿勢で設置されたかを予め測定し、その測定結果により姿勢の初期設定を行なう構成を付加した実施例を示す。
つまり、地震・津波計310は通信用光ファイバケーブル400に接続された状態で海中に投入される。各地震・津波計310に例えば局部的に浮等を装着することにより、浮によって海底に到着するまでの間所望の姿勢を維持させることができる。しかしながら海底への到着時には海底の状況によって予定した姿勢に設置されるとは限らない。
【0030】
このため本発明では、海底への設置時に初期姿勢を測定し、その測定結果に応じて姿勢による誤差値を求めておき、地震検知時はこの誤差を用いて地震の強度の測定値を補正する構成を提案するものである。
図9に示す例では、例えばY軸を検出する加速度センサ100Yが予定した設置位置からθ度傾むいて設置された場合を示す。この場合には予定した姿勢に対して誤差ΔYが発生する。この誤差ΔYは海中への投入前の正規の姿勢におけるY軸検出用加速度センサ100Yの測定値WY1と設置後の測定値WY2とを比較することのより求めることができる。誤差値を各軸X、Y、Zについて予め求め、記録しておくことにより、地震発生時に測定される地震波の測定値を補正することができる。
【0031】
尚、上述では主に海底を設置対象として説明したが、本発明では特に海底に限定するものでなく、例えば湖底、或いは砂漠、山岳地等を設置対象とすることも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明による地震計及び津波計は電力を全く必要としないから海底地震・津波観測システムに適用して好適である。更に、本発明による地震・津波観測システムは通信用光ファイバケーブルと地震・津波計のみで構成され、構築に要する費用は安価である。このために広い範囲を監視対象とする地震・津波監視網を構築することに利用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による地震計に用いる加速度センサの構造の一例を説明するための断面図。
【図2】本発明による地震計及び津波計に用いる歪みセンサ用光ファイバの構造を説明するための拡大断面図。
【図3】図2に示した歪みセンサ用光ファイバの動作を説明するためのグラフ。
【図4】図1に示した加速度センサを複数結合し、地震計を構成した実施例を説明するための斜視図。
【図5】本発明による地震・津波計を説明するための側面図。
【図6】本発明の地震・津波観測システムの概要を説明するための系統図。
【図7】図6に示した地震・津波観測システムの他の例を示す系統図。
【図8】図7に示した実施例の変形実施例を説明するための系統図。
【図9】本発明で提案する地震計の誤差補正機能を説明するための図。
【図10】従来の海底地震観測システムの概要を説明するための系統図。
【図11】従来の海底地震観測システムの信号系の概要を説明するための系統図。
【符号の説明】
【0034】
2 中継局 14 バネ
2A 光パルス源 15 力変換手段
2D 測定器 15A レバー
2E 光分岐器 15B 延長レバー
2F 光スイッチ 15C 軸受
10、10−1、10−2 歪みセンサ用光ファイバ 100 加速度センサ
10A クラッド部 200 防水ケース
10B コア部 300 地震計
10C グレーティング部 310 地震・津波計
11、11’ 通信用光ファイバ 310−1 第1地震・津波計
12 支持手段 310−2 第2地震・津波計
13 重り 320 津波計
400 通信用光ファイバケーブル
500 渡り線
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば海底地震及び津波観測網を構築する場合に適用して好適な地震・津波観測システム及びこの地震・津波観測システムに適用することにより地震・津波観測システムの構造を簡素化することができる光ファイバによる地震・津波計、地震・津波観測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震活動の前兆現象を的確に検知し、予告できれば災害の規模を縮小することができる。この目的を実現するために、従来より海底地震観測システム(非特許文献1)が構築されている。
図10に非特許文献1に開示された海底地震観測システムの概要を示す。海岸1に建てられた中継局2から引き出された海底ケーブル3は海底に敷設される。海底ケーブル3には複数の(この例では3個の場合を示す)海底地震計4A、4B、4Cが接続され、これらの海底地震計4A、4B、4Cが海底の所要位置に設置される。
【0003】
各海底地震計4A、4B、4Cで検知した地震データは中継局2で受信され、その受信データは観測局5に伝送されて記録される。また解析処理されて震源の位置、規模等の算出用データとして供される。
図11に従来の海底地震観測システムの信号系の概要を示す。中継局2には光パルス源2Aと、地震データ受信装置2Bと、給電装置2Cとが設けられる。光パルス源2Aからは所定の周期で光パルスが出射され、この光パルスが海底ケーブル3に設けられた光ファイバケーブル3Aを通じて各海底地震計4A、4B、4Cに送給される。
【0004】
各海底地震計4A、4B、4Cからの地震データは光ファイバケーブル3B、3C、3Dを通じて地震データ受信装置2Bに入力され受信処理される。
給電装置2Cは直流安定化電源装置で構成され、給電ケーブル3Eを通じて各海底地震計4A〜4Cで必要とする直流電力を給電する。
海底地震計4A〜4Cはそれぞれ、光−電気変換器4−1と、多軸加速度センサ4−2と、多重化装置4−3と、電気−光変換器4−4とを備えて構成される。
光−電気変換器4−1は光パルス源2Aから送られて来る光パルスを電気パルス信号に変換し、この電気パルス信号を多重化装置4−3に印加し、多重化のためのクロック信号として利用する。多軸加速度センサ4−2は例えば重りと力−電気変換器との組み合わせで構成される3個の加速度センサをそれぞれ加速度感知軸を水平面内において互いに直交するX、Y軸と上下方向をZ軸とする姿勢に配置して構成する。力−電気変換器としては例えば抵抗細線で構成されるストレンゲージ或いは半導体ストレンゲージのような歪みセンサを用いることができ、これらの歪みセンサは何れも電動型であり、電圧の印加を必要とし、加速度検出信号は電気信号で出力される。
【0005】
3軸方向の加速度検出信号は多重化装置4−3に入力され、この多重化装置4−3で周波数多重化され、その周波数多重化信号は電気−光変換器4−4で光信号に変換され、光ファイバケーブル3B、3C、3Dを通じて地震データ受信装置2Bに伝送される。
【非特許文献1】NEC技報第50巻第9号(通巻343号)1997年9月30〜37頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来の地震観測システムでは電動型の加速度センサを用いるため、この加速度センサには電力の印加を必要とする。更に、電動型加速度センサの出力は電気信号であるため、この電気信号を周波数多重化するための多重化装置4−3も電気回路で構成される。従って、多重化装置も電力を消費することになる。これらの電力を給電するために海底ケーブル3には給電ケーブル3Eが必要不可欠な構成要素となる。
また、光−電気変換器4−1、電気−光変換器4−4を必要とし、更に多重化4−3でもA/D変換器等を必要とし、部品点数が多いことからその構築には多大な費用負担が発生する。また、使用部品点数が多いことから故障発生率も高まり、信頼を維持することはむずかしい。更に、従来の地震観測システムでは地震の観測は可能であるものの、地震の発生に起因して発生する津波の観測は全く不能である。津波の発生を観波できれば更に災害規模抑制に大きく貢献することができる。
【0007】
本発明の目的は地震は元より津波の発生も観測することができる地震・津波計とこの地震・津波計を用いて構築する地震・津波観測システムを提供すると共に、部品点数を低減し、廉価な費用で構築を可能とし、更に使用部品点数が少ないことから故障発生率が低く、信頼性の高い地震・津波観測システムと、この地震・津波観測システムに用いる地震・津波計を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による地震・津波計はコア部の一部に光パルスの入射に対し、特定の波長の光を反射させ、光の伝搬方向に対する外力の印加量に応じて反射光の周波数を変移させるグレーティング部が設けられた歪みセンサ用光ファイバと、この歪みセンサ用光ファイバに所定の張力を与えた状態で歪みセンサ用光ファイバを架張支持する支持手段と、この支持手段に特定の軸線方向のみに揺動自在に支持した重りと、この重りの揺動エネルギを歪みセンサ用光ファイバに光の伝搬方向と一致する向の張力変化に変換して印加するための力変換手段とを備えた加速度センサが各加速度センサの重りの揺動方向が互に直交する向の姿勢で配置され、各加速度センサを構成する歪みセンサ用光ファイバの反射光の初期周波数が互いに異なる3個の加速度センサが共通の防水ケースに収納されて構成した地震計と、 防水ケースの内壁面に歪みセンサ用光ファイバを接着し、この接着した歪みセンサ用光ファイバにより防水ケースに掛かる水圧によって発生する歪みを検出して津波の発生を検知する構成の津波計とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明による地震・津波計は更に、上記した地震・津波計において、地震計と津波計を共通の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする。
本発明による地震・津波計は更に、上記した地震・津波計において、地震計と津波計を別の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは中継局に設けられた光パルス源と、この光パルス源から出射される光パルスを被観測点に設置された請求項1記載の地震・津波計に伝達する通信用光ファイバケーブルと、この通信用光ファイバケーブルを通じて中継局に送られて来る反射光の周波数を計測し、地震計に与えられる地震の強度と津波の規模を測定する測定器とを備えた構成としたことを特徴とする。
【0010】
本発明による地震・津波観測システムは上記の地震・津波観測システムにおいて、通信用光ファイバケーブルには歪みセンサ用光ファイバの反射光の初期周波数が異なる地震計及び津波計が複数縦続接続されていることを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバは別々の通信用ファイバによって継続接続されていることを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバとは単一の通信用光ファイバによって、継続接続されていることを特徴とする。
【0011】
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、通信用光ファイバケーブルによって縦続接続された第1地震・津波計群と、第2地震・津波計群とを有し、これら第1地震・津波計群と第2地震・津波計群とを縦続接続し、平常時は一方の通信用光ファイバを通じて第1地震・津波鶏群と第2地震・津波計群に光パルスを供給し、異常時は他方の通信用光ファイバを通じて第2地震・津波計群と第1地震・津波計群に光パルスを供給することを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、地震・津波センサの設置時に地震センサを構成する各加速度センサの重りの初期荷重を地震計の各歪みセンサ用光ファイバからの反射光の周波数変移量により計測し、地震計の傾きに伴って発生する誤差値を測定し、この誤差値を用いて地震波の測定値を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による地震・津波センサによれば光パルスを印加するだけで地震の規模及び津波の規模に対応した周波数の反射光を発生し、その反射光の周波数変移量を計測すれば地震の規模及び津波の規模を測定することができる。
更に、本発明による地震・津波観測システムによれば、地震及び津波検知手段として歪みセンサ用光ファイバを用いることにより、地震・津波計では電力消費は全くなく、単に歪みセンサ用光ファイバと、重り及び重りの揺動エネルギを歪みセンサ用光ファイバの光伝搬方向の張力変化に変換する力変換手段と、歪みセンサ用光ファイバを所定の張力を維持して支持する支持手段とが存在するのみであり、更に津波センサにあっては防水ケースの内壁に歪みセンサ用光ファイバを接着するのみであるため、その構造は簡素であり、システム構築には膨大な費用の発生を抑えることができる。また構造が簡素で使用部品点数も少ないため故障発生率を低減することができ、信頼性の高い地震・津波観測システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明による地震・津波観測システムは同時に提案した光ファイバによる地震・津波計を海底に設置し、海底に設置した地震・津波計と陸上に設置した光パルス源との間を通信用光ファイバケーブルで接続し、光パルス源から海底に設置した地震・津波計に所定周期の光パルスを送給する。
地震・津波計に加速度(地震による振動)及び津波による水圧の変動が印加されない状態では地震・津波計から発生する反射光の周波数は初期値を維持するが、地震による加速度が印加された場合、又は津波による水圧の変動が与えられると、地震計及び津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバから発生する反射光の周波数は初期周波数から変移する。この反射光の周波数変移量を測定器により測定することにより地震計及び津波計に印加された地震の規模及び津波の規模を求める形態が最も望ましい実施形態である。
【実施例1】
【0014】
図1に本発明による地震計を構成するための加速度センサ100の概要を示す。図1に示す10は歪みセンサ用光ファイバ、11はこの歪みセンサ用光ファイバ10に連結された通信用光ファイバを示す。歪みセンサ用光ファイバ10は支持手段12に所定の張力が与えられた状態に支持されている。支持手段12はこの例ではケースで構成した場合を示す。ケースの側面板に貫通孔を形成し、この貫通孔に歪みセンサ用光ファイバ10を挿通し、貫通孔の内部で歪みセンサ用光ファイバ10を支持手段12へ接着する等して歪みセンサ用光ファイバ10に所望の初期張力を与えた状態で架張支持する。貫通孔の外部で歪みセンサ用光ファイバ10に通信用光ファイバ11を接続し、通信用光ファイバ11を通じて他の加速度センサ或いは中継局との接続が達せられる。尚、歪みセンサ用光ファイバ10は後に説明するように通信用光ファイバ11の一部にグレーティング部を形成して構成されるものであり、必ずしも貫通孔の外側で歪みセンサ用光ファイバ10と通信用光ファイバ11との接続が行われるとは限らない。
【0015】
支持手段12の内部には重り13が設けられる。重り13はバネ14によって揺動自在に支持される。重り13の揺動エネルギは力変換手段15を介して歪みセンサ用光ファイバ10に伝達される。力変換手段15はこの例ではテコを用いた場合を示す。つまり、歪みセンサ用光ファイバ10の軸線と平行する姿勢に配置したレバー15Aの一端を軸受15Cで軸受けし、レバー15Aを支持手段12に対して回動自在に支持する。レバー15Aの他端側に重り13を連結する。レバー15Aの軸受側に直交する方向に延長レバー15Bを突出させ、この延長レバー15Bの突出端を歪みセンサ用光ファイバ10に連結する。レバー15Aは重り13を矢示するM方向のみに揺動を許す方向に軸受される。
【0016】
このような構造とすることにより、支持手段12にM方向の加速度が与えられた場合にのみ、重り13はM方向に揺動し、重り13の揺動エネルギはレバー15Aと延長レバー15Bを介して歪みセンサ用光ファイバ10の軸線方向に圧縮力と引張力として与えられる。
ここで歪みセンサ用光ファイバ10の構造とその動作を説明する。図2に歪みセンサ用光ファイバ10の拡大断面を示す。歪みセンサ用光ファイバ10は通信用光ファイバ11と同様にクラッド部10Aとコア部10Bとを有し、コア部10Bの一部区間に屈折率が異なるグレーティング部10Cを軸線方向に所定の間隔A1で配列して構成される。
【0017】
グレーティング部10Cが所定の間隔A1で配列されて形成されることにより、光ファイバの一端側から光パルスを入射すると、特定の波長成分(ブラッグ波長)のみが共振反射する特性が得られる。グレーティング部10Cの配列間隔A1が変化すると共振反射する反射光の周波数(波長λ)が変化する。従って歪みセンサ用光ファイバ10に引張力が与えられるとグレーティング部10Cの配列間隔A1がわずかに拡がり、これにより共振周波数が低下し、反射光の波長λが長くなる方向に変化する。また歪みセンサ用光ファイバ10に圧縮力が与えられるとグレーティング部10Cの配列間隔A1がわずかに狭くなり、これにより共振周波数が高くなる方向に変化し、反射光の波長λは短くなる方向に変化する。
【0018】
図3にその様子を示す。図3では初期状態で(加速度が無の状態)で反射光の波長はλ0である。加速度の印加により重り13が図1の状態において上向に揺動したとすると、歪みセンサ用光ファイバ10には張力が与えられる。この張力により反射光の波長λはλ0からλ1へと波長が長くなる方向に変移する。また、重り13が下向に揺動した場合は歪みセンサ用光ファイバ10に圧縮力が与えられ、この圧縮力により反射光の波長λがλ0からλ2へと波長が短くなる方向に変移する。図1に示すM方向の振動(地震)が与えられると重り13は初期位置を中心に上下動する。この上下動により反射波の波長は初期波長λ0を中心にλ1とλ2の間を変化し、λ1−λ2の値により地震の強度を知ることができる。また波長λ1とλ2を往復する周期(時間)により地震波の周期を測定することができる。
【0019】
グレーティング部10Cの配列間隔A1を各種異なる歪みセンサ用光ファイバ10を用意することにより、反射光の初期波長λ0が異なる加速度センサを得ることができる。この結果、反射光の初期波長λ0が異なる複数の加速度センサを共通の通信用光ファイバによって縦続接続することにより、それぞれの加速度センサの検出結果を別々に反射光の波長(周波数)変化として光パルスの入射端側に出力することができる。
【実施例2】
【0020】
図4にこの発明で提案する地震計の実施例を示す。図1に示した構造の加速度センサ100を各加速度検知軸を互に直交するX、Y、Z方向に向けて一体化することにより3軸方向の加速度(振動)を検出することができる地震計300を得ることができる。ここでは100XをX軸方向の加速度(振動)を検知するための加速度センサ、100YをY軸方向の加速度を検知するための加速度センサ、100ZをZ軸方向の加速度を検知するための加速度センサであるものとして示す。各加速度センサ100X、100Y、100Zは通信用光ファイバ11によって縦続接続し、特に図4では開示しないが、防水ケースに格納し、防水ケースから加速度センサ100X、100Y、100Zを縦続接続した通信用光ファイバ11の両端を導出しておくことにより多軸検出型の海底用地震計を得ることができる。
【実施例3】
【0021】
図5にこの発明による地震・津波計の310の実施例を示す。この実施例では円筒状の防水ケースと200の内部に加速度センサ100X、100Y、100Zを配置し、これら加速度センサ100X、100Y、100Zによって地震計300を構成すると共に、防水ケース200内において歪みセンサ用光ファイバ10−1、10−2を防水ケース200の内壁面に接着する。
10−1は防水ケース200の軸線方向に接着した歪みセンサ用光ファイバを示し、10−2は円筒状の防水ケース200の周方向に接着した歪みセンサ用光ファイバを示す。これら歪みセンサ用光ファイバ10−1と10−2によって防水ケース200に発生する歪みを検出させる。つまり、円筒状の防水ケース200を海中に投入し、海底に達した状態では水深に応じた水圧が防水ケース200の周面に均等に印加される。この水圧により防水ケース200は径方向及び軸方向に均等に圧縮変形する。この圧縮変形した状態で津波が発生し、海面の水位が変動すると、防水ケース200の圧縮変形量が変動する。
【0022】
歪みセンサ用光ファイバ10−1と10−2がこの圧縮変動量に応じて反射周波数を変移させることにより、津波の通過を検知することができる。従って、歪みセンサ用光ファイバ10−1と10−2により津波計320が構成される。図5に示す実施例では地震計300と津波計320を構成する歪みセンサ用光ファイバは別々の通信用光ファイバ11と11’に接続されている状態を示しているが、防水ケース200内で地震計300と津波計320を直列に接続し、共通の通信用光ファイバ11で地震と津波を監視するように構成することもできる。
【0023】
また、図5に示した実施例では地震計300と津波計320とを同一の防水ケース200に収納した場合を示したが、地震計300と津波計320とを別々の防水ケースに収納して構成することもできる。この場合は、地震計300を収納した防水ケースと津波計320を収納した防水ケースの一対で地震・津波計が構成される。
【実施例4】
【0024】
図6に本発明による地震・津波観測システムの概要を示す。310A、310B、310Cはそれぞれ、図5に示した地震・津波計を示す。各地震・津波計310A、310B、310Cは所望の被観測点に設置され、それぞれは通信用光ファイバケーブル400によって縦続接続され、縦続接続の一端側は中継局2に導入される。中継局2には光パルス源2Aと、地震・津波計310A、310B、310Cから送られて来る反射光の波長乃至は周波数変移を計測し、地震及び津波の強度を測定する測定器2Dとが設けられる。尚、図6では通信用光ファイバケーブル400の端部に光分岐器2Eを設け、この光分岐器2Eによって光パルス源2Aから出射される光パルスを通信用光ファイバケーブル400へ入射させる動作と、通信用光パルスケーブル400から出射される反射光を測定器2Dに分岐させる動作とを行わせる構成とした場合を示す。図では通信用光ファイバケーブル400を1本の線で描いているが、通信用光ファイバケーブル400は数本乃至は数10本程度の光ファイバが収納されており、各光ファイバに地震・津波計310A〜310Cが縦続接続されてもよい。このためには、光パルス源2Aと測定器2Dは多チャンネルに対応する機種が用いられる。
【0025】
通信用光ファイバケーブル400の総延長は最大で約60km程度とされ、海底の60km程度の範囲内で無中継で光パルスの伝送と、反射光の伝送とを達することができる。中継局2は図9でも説明したように海岸1の近くに設置されるが、測定器2Dの測定結果は通信回線を通じて観測所5に送られ、地震及び津波の解析が行われる。
【実施例5】
【0026】
図6では単一の通信用光ファイバケーブル400を敷設した例を示したが、図7に示すように複数本の通信用光ファイバケーブル400を敷設し、各通信用光ファイバケーブル400のそれぞれに地震・津波計310A−1、・・・310C−1、310A−2、・・・310C−2、・・・を縦続接続する。このように構成すれば被観測点を面状に拡げることができる。
【実施例6】
【0027】
図8に示す実施例では通信用光ファイバケーブル400−1と400−2はそれぞれ第1地震・津波計群310−1と第2地震・津波計群310−2を縦続接続し、更に、これら通信用光ファイバケーブル400−1と400−2をそれぞれ先端側で渡り線500によって共通接続し、第1地震・津波計群310−1と第2地震・津波計群310−2を縦続接続する構成とした場合を示す。
このように2つの地震・津波計群310−1と310−2を縦続接続することにより、平常時は一方の通信用光ファイバケーブル400−1を通じて光パルスを第1地震・津波計群310−1と第2地震・津波計群310−2へ送給し、その反射光を同じく通信用光ファイバケーブル400−1を通じて受信することができる。
【0028】
この状態で通信用光ファイバケーブル400−1に不具合が生じた場合は、他方の通信用光ファイバケーブル400−2から光パルスを第2地震・津波計群310−2と第1地震・津波計群310−1に印加することにより、その反射光を通信用光ファイバケーブル400−2から受信することができる。2Fは、この切替を行うための光スイッチを示す。つまり平常時はこの光スイッチ2Fをオフしておき、通信用光ファイバケーブル400−2に光パルスが出射されることを阻止しておき、通信用光ファイバケーブル400−1に不具合が発生した場合は、この光スイッチ2Fをオンの状態にし、通信用光ファイバケーブル400−2へ光パルスを送給する状態に切替える。
【実施例7】
【0029】
図9はこの発明の第6の実施例を示す。この発明の第6の実施例では海底などに設置した地震・津波計310が、どのような姿勢で設置されたかを予め測定し、その測定結果により姿勢の初期設定を行なう構成を付加した実施例を示す。
つまり、地震・津波計310は通信用光ファイバケーブル400に接続された状態で海中に投入される。各地震・津波計310に例えば局部的に浮等を装着することにより、浮によって海底に到着するまでの間所望の姿勢を維持させることができる。しかしながら海底への到着時には海底の状況によって予定した姿勢に設置されるとは限らない。
【0030】
このため本発明では、海底への設置時に初期姿勢を測定し、その測定結果に応じて姿勢による誤差値を求めておき、地震検知時はこの誤差を用いて地震の強度の測定値を補正する構成を提案するものである。
図9に示す例では、例えばY軸を検出する加速度センサ100Yが予定した設置位置からθ度傾むいて設置された場合を示す。この場合には予定した姿勢に対して誤差ΔYが発生する。この誤差ΔYは海中への投入前の正規の姿勢におけるY軸検出用加速度センサ100Yの測定値WY1と設置後の測定値WY2とを比較することのより求めることができる。誤差値を各軸X、Y、Zについて予め求め、記録しておくことにより、地震発生時に測定される地震波の測定値を補正することができる。
【0031】
尚、上述では主に海底を設置対象として説明したが、本発明では特に海底に限定するものでなく、例えば湖底、或いは砂漠、山岳地等を設置対象とすることも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明による地震計及び津波計は電力を全く必要としないから海底地震・津波観測システムに適用して好適である。更に、本発明による地震・津波観測システムは通信用光ファイバケーブルと地震・津波計のみで構成され、構築に要する費用は安価である。このために広い範囲を監視対象とする地震・津波監視網を構築することに利用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による地震計に用いる加速度センサの構造の一例を説明するための断面図。
【図2】本発明による地震計及び津波計に用いる歪みセンサ用光ファイバの構造を説明するための拡大断面図。
【図3】図2に示した歪みセンサ用光ファイバの動作を説明するためのグラフ。
【図4】図1に示した加速度センサを複数結合し、地震計を構成した実施例を説明するための斜視図。
【図5】本発明による地震・津波計を説明するための側面図。
【図6】本発明の地震・津波観測システムの概要を説明するための系統図。
【図7】図6に示した地震・津波観測システムの他の例を示す系統図。
【図8】図7に示した実施例の変形実施例を説明するための系統図。
【図9】本発明で提案する地震計の誤差補正機能を説明するための図。
【図10】従来の海底地震観測システムの概要を説明するための系統図。
【図11】従来の海底地震観測システムの信号系の概要を説明するための系統図。
【符号の説明】
【0034】
2 中継局 14 バネ
2A 光パルス源 15 力変換手段
2D 測定器 15A レバー
2E 光分岐器 15B 延長レバー
2F 光スイッチ 15C 軸受
10、10−1、10−2 歪みセンサ用光ファイバ 100 加速度センサ
10A クラッド部 200 防水ケース
10B コア部 300 地震計
10C グレーティング部 310 地震・津波計
11、11’ 通信用光ファイバ 310−1 第1地震・津波計
12 支持手段 310−2 第2地震・津波計
13 重り 320 津波計
400 通信用光ファイバケーブル
500 渡り線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア部の一部に光パルスの入射に対し、特定の波長の光を反射させ、光の伝搬方向に対する外力の印加量に応じて反射光の周波数を変移させるグレーティング部が設けられた歪みセンサ用光ファイバと、この歪みセンサ用光ファイバに所定の張力を与えた状態で歪みセンサ用光ファイバを架張支持する支持手段と、この支持手段に特定の軸線方向のみに揺動自在に支持した重りと、この重りの揺動エネルギを上記歪みセンサ用光ファイバに光の伝搬方向と一致する向の張力変化に変換して印加するための力変換手段とを備えた加速度センサが各加速度センサの重りの揺動方向が互に直交する向の姿勢で配置され、各加速度センサを構成する歪みセンサ用光ファイバの反射光の初期周波数が互いに異なる3個の加速度センサが共通の防水ケースに収納されて構成された地震計と、
防水ケースの内壁面に上記歪みセンサ用光ファイバと同等の構造を持つ歪みセンサ用光ファイバを接着し、この接着した歪みセンサ用光ファイバにより上記防水ケースに掛かる水圧によって発生する防水ケースの歪みを検出して津波の発生を検知する構成の津波計と、を備えることを特徴とする光ファイバによる地震・津波計。
【請求項2】
請求項1記載の地震・津波計において、上記地震計と津波計を共通の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする光ファイバによる地震・津波計。
【請求項3】
請求項1記載の地震・津波計において、上記地震計と津波計を別の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする光ファイバによる地震・津波計。
【請求項4】
中継局に設けられた光パルス源と、
この光パルス源から出射される光パルスを被観測点に設置された請求項1乃至3の何れかに記載の地震・津波計に伝達する通信用光ファイバケーブルと、
この通信用光ファイバケーブルを通じて上記中継局に送られて来る反射光の周波数を計測し、上記地震計に与えられる地震の強度と津波の規模を測定する測定器と、
を備えた構成としたことを特徴とする地震・津波観測システム。
【請求項5】
請求項4記載の地震・津波観測システムにおいて、上記通信用光ファイバケーブルには上記歪みセンサ用光ファイバの反射光の初期周波数が異なる地震計及び津波計が複数縦続接続されていることを特徴とする地震・津波観測システム。
【請求項6】
請求項4又は5の何れかに記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバは別々の通信用ファイバによって継続接続されていることを特徴とする光ファイバによる地震・津波観測システム。
【請求項7】
請求項4又は5の何れかに記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバとは単一の通信用光ファイバによって、継続接続されていることを特徴とする光ファイバによる地震・津波観測システム。
【請求項8】
請求項4乃至7記載の地震・津波観測システムにおいて、上記通信用光ファイバケーブルによって縦続接続された第1地震・津波計群と、第2地震・津波計群とを有し、これら第1地震・津波計群と第2地震・津波計群とを縦続接続し、平常時は一方の通信用光ファイバを通じて上記第1地震・津波鶏群と第2地震・津波計群に光パルスを供給し、異常時は他方の通信用光ファイバを通じて上記第2地震・津波計群と第1地震・津波計群に光パルスを供給することを特徴とする地震・津波観測システム。
【請求項9】
請求項4乃至8の何れかに記載の地震・津波観測システムにおいて、上記地震・津波センサの設置時に地震センサを構成する各加速度センサの重りの初期荷重を上記地震計の各歪みセンサ用光ファイバからの反射光の周波数変移量により計測し、上記地震計の傾きに伴って発生する誤差値を測定し、この誤差値を用いて地震波の測定値を補正することを特徴とする地震・津波観測システム。
【請求項1】
コア部の一部に光パルスの入射に対し、特定の波長の光を反射させ、光の伝搬方向に対する外力の印加量に応じて反射光の周波数を変移させるグレーティング部が設けられた歪みセンサ用光ファイバと、この歪みセンサ用光ファイバに所定の張力を与えた状態で歪みセンサ用光ファイバを架張支持する支持手段と、この支持手段に特定の軸線方向のみに揺動自在に支持した重りと、この重りの揺動エネルギを上記歪みセンサ用光ファイバに光の伝搬方向と一致する向の張力変化に変換して印加するための力変換手段とを備えた加速度センサが各加速度センサの重りの揺動方向が互に直交する向の姿勢で配置され、各加速度センサを構成する歪みセンサ用光ファイバの反射光の初期周波数が互いに異なる3個の加速度センサが共通の防水ケースに収納されて構成された地震計と、
防水ケースの内壁面に上記歪みセンサ用光ファイバと同等の構造を持つ歪みセンサ用光ファイバを接着し、この接着した歪みセンサ用光ファイバにより上記防水ケースに掛かる水圧によって発生する防水ケースの歪みを検出して津波の発生を検知する構成の津波計と、を備えることを特徴とする光ファイバによる地震・津波計。
【請求項2】
請求項1記載の地震・津波計において、上記地震計と津波計を共通の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする光ファイバによる地震・津波計。
【請求項3】
請求項1記載の地震・津波計において、上記地震計と津波計を別の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする光ファイバによる地震・津波計。
【請求項4】
中継局に設けられた光パルス源と、
この光パルス源から出射される光パルスを被観測点に設置された請求項1乃至3の何れかに記載の地震・津波計に伝達する通信用光ファイバケーブルと、
この通信用光ファイバケーブルを通じて上記中継局に送られて来る反射光の周波数を計測し、上記地震計に与えられる地震の強度と津波の規模を測定する測定器と、
を備えた構成としたことを特徴とする地震・津波観測システム。
【請求項5】
請求項4記載の地震・津波観測システムにおいて、上記通信用光ファイバケーブルには上記歪みセンサ用光ファイバの反射光の初期周波数が異なる地震計及び津波計が複数縦続接続されていることを特徴とする地震・津波観測システム。
【請求項6】
請求項4又は5の何れかに記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバは別々の通信用ファイバによって継続接続されていることを特徴とする光ファイバによる地震・津波観測システム。
【請求項7】
請求項4又は5の何れかに記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバとは単一の通信用光ファイバによって、継続接続されていることを特徴とする光ファイバによる地震・津波観測システム。
【請求項8】
請求項4乃至7記載の地震・津波観測システムにおいて、上記通信用光ファイバケーブルによって縦続接続された第1地震・津波計群と、第2地震・津波計群とを有し、これら第1地震・津波計群と第2地震・津波計群とを縦続接続し、平常時は一方の通信用光ファイバを通じて上記第1地震・津波鶏群と第2地震・津波計群に光パルスを供給し、異常時は他方の通信用光ファイバを通じて上記第2地震・津波計群と第1地震・津波計群に光パルスを供給することを特徴とする地震・津波観測システム。
【請求項9】
請求項4乃至8の何れかに記載の地震・津波観測システムにおいて、上記地震・津波センサの設置時に地震センサを構成する各加速度センサの重りの初期荷重を上記地震計の各歪みセンサ用光ファイバからの反射光の周波数変移量により計測し、上記地震計の傾きに伴って発生する誤差値を測定し、この誤差値を用いて地震波の測定値を補正することを特徴とする地震・津波観測システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−121008(P2007−121008A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−310972(P2005−310972)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(500140127)エヌ・ティ・ティ・インフラネット株式会社 (61)
【出願人】(303053530)特定非営利活動法人リアルタイム地震情報利用協議会 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(500140127)エヌ・ティ・ティ・インフラネット株式会社 (61)
【出願人】(303053530)特定非営利活動法人リアルタイム地震情報利用協議会 (13)
【Fターム(参考)】
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