説明

光ファイバコイル

【課題】円柱や球体などの湾曲した面への設置を容易にした光ファイバコイルを提供する。
【解決手段】ポリイミド樹脂被覆を形成し次いで熱処理してポリイミド樹脂被覆の表面を炭素被覆とした被覆光ファイバを渦巻き形状に巻き、シリコン樹脂接着剤で渦巻き形状を固定した光ファイバコイル100を円柱Cyの周面に適合するように変形して接着により設置する。
【効果】橋桁やガスタンクなどの湾曲した面に好適に光ファイバコイルを設置できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバコイルに関し、さらに詳しくは、円柱や球体などの湾曲した面への設置を容易にした光ファイバコイルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバを渦巻き形状に巻いた光ファイバコイルを用いて、音響,振動,回転成分または温度を測定する技術が知られている(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照。)。
【0003】
【非特許文献1】鎌田弘志他著「沖テクニカルレビュー第189号 Vol.69 No.1」沖電気発行、2002年1月、p.80−83
【非特許文献2】武尾実、“地動の回転成分を観測する新しい地震計の開発”、[online]、平成12年10月18日、東京大学地震研究所、[平成14年9月28日検索]、インターネット<URL:http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/KOHO/KOHO/26/26-2.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来知られている光ファイバコイルは、平面状で且つ硬質ケースに納められているので、平面の壁などには好適に設置できる。
しかし、円柱や球体などの湾曲した面には設置しにくい問題点がある。
そこで、本発明の目的は、円柱や球体などの湾曲した面への設置を容易にした光ファイバコイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点では、本発明は、音響,振動,回転成分または温度を測定するための光ファイバコイルであって、UV硬化型樹脂被覆か、ポリイミド樹脂被覆か、ポリイミド樹脂被覆および炭素被覆かのいずれかを形成した被覆光ファイバを渦巻き形状に巻き、硬化後に弾力性または柔軟性を有する接着材料で渦巻き形状を固定し、シート基材は用いないことを特徴とする光ファイバコイルを提供する。
上記第1の観点による光ファイバコイルでは、設置対象物の湾曲した面に適合するように光ファイバコイルを変形することで、円柱や球体などの湾曲した面に好適に設置できる。
【0006】
第2の観点では、本発明は、上記構成の光ファイバコイルにおいて、前記接着材料が、シリコン樹脂接着剤またはゴムであることを特徴とする光ファイバコイルを提供する。
上記第2の観点による光ファイバコイルでは、シリコン樹脂接着剤またはゴムを接着材料として使用することで硬化後でも容易に変形でき、円柱や球体などの湾曲した面に好適に設置できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の光ファイバコイルによれば、円柱や球体などの湾曲した面に好適に設置することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図に示す本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0009】
図1は、実施例1にかかる光ファイバコイル100を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。図2は、図1(a)のA−A’断面図である。
この光ファイバコイル100は、ポリイミド樹脂被覆を形成し次いで熱処理してポリイミド樹脂被覆の表面を炭素被覆とした被覆光ファイバ1を渦巻き形状に巻き、シリコン樹脂接着剤3で渦巻き形状を固定した構成である。
【0010】
図3は、光ファイバコイル100を円柱Cy(例えば、橋桁)の周面に設置した状態を示す正面図である。図4は、同平面図である。
シリコン樹脂接着剤3は硬化後でも弾力性または柔軟性を有しているため、光ファイバコイル100を円柱Cyの周面に適合するように変形して接着により設置することが出来る。
また、同様に、球体(例えば、ガスタンク)にも光ファイバコイル100を好適に設置することが出来る。また、平板(例えば、壁)にも光ファイバコイル100を好適に設置することが出来る。
【0011】
なお、被覆光ファイバ1の被覆は、UV硬化型樹脂被覆やポリイミド樹脂被覆でもよい。
また、シリコン樹脂接着剤3の代わりにゴムで渦巻き形状を固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1にかかる光ファイバコイルを示す正面図および平面図である。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【図3】実施例1にかかる光ファイバコイルを円柱の周面に設置した状態を示す正面図である。
【図4】実施例1にかかる光ファイバコイルを円柱の周面に設置した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0013】
1 被覆光ファイバ
3 シリコン樹脂接着剤
100 光ファイバコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響,振動,回転成分または温度を測定するための光ファイバコイルであって、UV硬化型樹脂被覆か、ポリイミド樹脂被覆か、ポリイミド樹脂被覆および炭素被覆かのいずれかを形成した被覆光ファイバを渦巻き形状に巻き、硬化後に弾力性または柔軟性を有する接着材料で渦巻き形状を固定し、シート基材は用いないことを特徴とする光ファイバコイル。
【請求項2】
請求項1に記載の光ファイバコイルにおいて、前記接着材料が、シリコン樹脂接着剤またはゴムであることを特徴とする光ファイバコイル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−15536(P2008−15536A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189069(P2007−189069)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【分割の表示】特願2003−17569(P2003−17569)の分割
【原出願日】平成15年1月27日(2003.1.27)
【出願人】(000003414)東京特殊電線株式会社 (173)
【出願人】(504066081)株式会社レーザック (11)
【Fターム(参考)】