説明

光伝送基体および受光モジュール

【課題】 光学特性の優れた光伝送基板および受光モジュールを提供する。
【解決手段】 受光モジュール10は、第1基体20と、第1基体20の上に形成される光学層30とを有し、光学層30は、第1方向D1,D2に光が伝送される第1光導波路32aと、該第1光導波路32aの第1方向D1,D2における端部に位置し、上面より窪んでいる窪み部30aとを有し、窪み部30aは、第1光導波路32aの端部に接し、第1方向D1,D2と第2方向D3,D4との間で光路の変更を行う第1光路変更部32bと、第1光導波路32aと離隔して且つ第1光路変更部32bに対向して位置し、第1方向D1,D2と他の方向との間で光路の変更を行う第2光路変更部32cとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送基体および受光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理能力の向上を図るべく、集積回路素子などの電気素子の間の電気通信を光伝送に変更することが検討されている。例えば、特許文献1には、集積回路素子と、光導波路と、発光素子などの光電変換素子と、を具備する光伝送基板が開示されている。集積回路素子は、駆動素子などを介して光電変換素子に電気信号を伝送する機能を担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−120956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、光導波路を伝播する光の光路を変更する際に、意図しない箇所から光導波路に光が入射されてしまい、かかる不要光と、本来の光信号とが混ざってしまう場合があった。
【0005】
本発明は、上述の事情のもとで考え出されたものであって、光信号の信頼性が優れた光伝送基体および受光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光伝送基体は、基体と、該基体の上に形成される光学層とを有し、前記光学層は、第1方向に光が伝送される光導波路と、該光導波路の前記第1方向における端部に位置し、上面より窪んでいる窪み部とを有し、前記窪み部は、前記光導波路の端部に接し、前記第1方向と第2方向との間で光路の変更を行う第1光路変更部と、前記第1光導波路と離隔して且つ前記第1光路変更部に対向して位置し、前記第1方向と他の方向との間で光路の変更を行う第2光路変更部とを有する。
【0007】
本発明の受光モジュールは、本発明に係る光伝送基板と、前記第1光導波路を経て入力される光の光電変換を行う受光素子とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光信号の信頼性が優れた光伝送基体および受光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る受光モジュールの1つの実施形態の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1に示したII−II線に沿った要部断面図である。
【図3】図1に示した受光モジュールの構成の一部を省略した図である。
【図4】(a)図3に示したIVa−IVa線に沿った断面図であり、(b)図4(a)に示したIVb−IVb線に沿った断面図である。
【図5】図1に示した受光モジュールの構成の一部をさらに省略した図である。
【図6】(a)図5に示した要部を拡大した平面図であり、(b)図6(a)に示したVIb−VIb線に沿った断面図である。
【図7】図2に示した受光モジュールの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<光伝送基板および受光モジュール>
以下、本発明に係る光伝送基板および受光モジュールの一実施形態として光伝送基板11および受光モジュール10を例示し、図面を参照しつつ説明する。本発明でいう「受光モジュール」とは、受光する機能を有するモジュールの意味であり、受光する機能に加えて、発光する機能を有していてもよい。
【0011】
図1,2に示した受光モジュール10は、第1基体20と、光学層30と、第2基体40と、受光素子50と、回路素子60と、電気配線70とを備えている。この第2基体40と、光学層30とは、光伝送基板11として機能する。
【0012】
第1基体20は、光学層30を支持する機能を担っている。この第1基体20の厚みとしては、例えば0.1〜2〔mm〕の範囲が挙げられる。この第1基体20としては、例えばガラス基材エポキシ樹脂基板、ガラス基材銅張基板、ポリイミド樹脂基板、セラミック基板などが使用される。
【0013】
この第1基体20の上面の所定領域には、光学層30が形成されている。この光学層30は、第1クラッド部31と、第1コア部32とを含んでいる。
【0014】
この第1クラッド部31は、光学層30の母材として機能している。この第1コア部32は、第1クラッド部31の中に形成されている。この第1コア部32の屈折率n32は、第1クラッド部31の屈折率n31に比べて大きくなっている。第1クラッド部31の屈折率n31に比べて第1コア部32の屈折率n32を大きくすることで、光学層30は、光信号を閉じ込めることができるようになり、光導波路として機能することができるようになる。本実施形態の第1コア部32は、一部が第1光導波路32aとして機能している。この第1光導波路32aでは、第1方向D1,D2におけるD1方向に向かって光が伝送される。この第1コア部32の屈折率n32としては、第1クラッド部31の屈折率n31に対しての比屈折率差が0.8〜3〔%〕の範囲内であることが好ましい。
【0015】
この第1コア部32は、第1クラッド部31の中に複数形成されており、各々が第1方向D1,D2に沿って延びている。この複数の第1コア部32は、第1方向D1,D2に交わる第3方向D5,D6に沿って配列されている。本実施形態では、第1方向D1,D2と、第3方向D5,D6とが直交している。本実施形態では、第1コア部32が延びている第1方向D1,D2が光伝送方向となり、第1コア部32が配列される第3方向D5,D6が配列方向となる。
【0016】
この第1コア部32の第3方向D5,D6における間隔としては、例えば25〜45〔μm〕の範囲が挙げられる。第1コア部32の大きさとしては、第2方向D3,D4と第3方向D5,D6とに広がる面方向D1,D2−D5,D6において、一辺の長さまたは直径が例えば20〜100〔μm〕の範囲が挙げられる。
【0017】
この第1クラッド部31と、第1コア部32とを形成する材料としては、例えば直接露光法が使用可能な樹脂、または屈折率変化法が使用可能な樹脂などが挙げられる。直接露光法が使用可能な樹脂としては、例えば感光性を有する樹脂が挙げられ、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などが含まれる。また、屈折率変化法が使用可能な樹脂としては、紫外線(Ultra-Violet radiation、UV線)の照射により屈折率が低下する特性を有する樹脂が挙げられ、例えばポリシランなどの樹脂が含まれる。
【0018】
なお、直接露光法とは、第1クラッド部31の下部を形成後、第1コア部32の材料を塗工してマスク露光により第1コア部32を形成し、その上面および側面にさらに第1クラッド部31の材料を塗工形成して光学層30を作製する方法である。また、屈折率変化法とは、第1コア部32となる部位以外にUV線の照射を行ない、第1コア部32となる部位以外の屈折率を低下させることによって光導波路を作製する方法である。
【0019】
この第1コア部32には、第1光路変更部32bと、第2光路変更部32cとが形成されている。第1光路変更部32bは、第1光導波路32aの第1方向D1,D2におけるD1方向側の端部に位置している。また、第2光路変更部32cは、第1光路変更部32bの第1方向D1,D2におけるD1方向側の端部に位置し、当該第1光路変更部32bと対向して形成されている。この第1光路変更部32bは、第1光導波路32aに接しており、この第2光路変更部32cは、第1光導波路32aと離隔している。
【0020】
この第1光路変更部32bは、第1光導波路32aの内をD1方向に伝送する光を、当該第1光導波路32aの外側に光路変更する機能を担っている。この第1光路変更部32bは、第1光導波路32aの内をD1方向に伝送する光を第2方向D3,D4に光路変更する機能を担っている。本実施形態では、第2方向D3,D4が第1方向D1,D2および第3方向D5,D6に直交している。つまり、この第1コア部32は、第1光路変更部32bよりも第1方向D1,D2におけるD2方向側に位置する部位が第1光導波路32aとして機能することとなり、第1光路変更部32bよりも第1方向D1,D2におけるD1方向側に位置する部位が第1光導波路32aとして機能しないこととなる。
【0021】
また、第2光路変更部32cは、第1光導波路32aの内をD1方向に伝送する光を、当該第1光導波路32aの外側に光路変更する機能を担っている。この第2光路変更部32cは、第1光導波路32aの内をD1方向に伝送する光を第2方向D3,D4以外の方向に光路変更する機能を担っている。
【0022】
本実施形態の光学層30には、D4方向側の上面からD3方向に窪んでいる窪み部30aが形成されている。この窪み部30aは、内部が中空になっており、第1クラッド部31および第1コア部32が内周面に現れている。この窪み部30aの内部は、充填物があってもよく、窪み部の内周面のみに表面層が形成されていてもよい。
【0023】
この窪み部30aは、第2方向D3,D4に沿って広がっており、当該第1方向D1,D2において第1コア部32を分断している。つまり、本実施形態では、窪み部30aによって、1つの第1コア部32が2つに分かれている。本実施形態では、この窪み部30aの内面に現れている第1コア部32のうち、D2方向側の一方が第1光路変更部32bとして機能し、D1方向側の他方が第2光路変更部32cとして機能している。この窪み部30aは、1つの窪み部が1つの第1コア部32を分断しても、1つの窪み部が複数の第1コア部32を分断してもよい。本実施形態では、窪み部30aが広がっている第2方向D3,D4が上下方向となっている。
【0024】
本実施形態では、第1光路変更部32bとして光反射面が形成されている。この光反射面は、第1光導波路32aの光軸に対して傾斜しており、光の反射によって光路変更が可能となっている。この第1光路変更部32bでは、屈折率の異なる界面における光反射を利用して、第1光導波路32aを伝搬する光の大部分を反射している。この光反射面の傾斜角は、第1光導波路32aの光軸方向と、光路変更する方向との二等分角θであることが好ましく、この二等分角θから±3度の範囲に形成される。本実施形態では、第1方向D1,D2と第2方向D3,D4とが直交しているので、光反射面が当該2つの方向に対して45°の角度で傾斜している。
【0025】
この第1コア部32を形成する材料としては、窪み部30aの内部の屈折率nに比べて屈折率n32の大きいものが挙げられる。このような屈折率を有する材料を採用することで、第1コア部32は、第1光路変更部32bにおいて効率的に光を反射することができる。この第1コア部32は、第1光路変更部32bにおいて全反射が生じる条件を満たす材料を採用するのが好ましい。この全反射が生じる条件は、スネルの法則によって求めることができる。つまり、第1コア部32を構成する材料としては、窪み部30aの内部の屈折率nに、sinθを乗じた値よりも大きい屈折率n32を有する材料が好ましい。本実施形態の場合、n≒1であり、θ=45°であることから、第1コア部32は、√2以上の屈折率を有することが好ましい。
【0026】
本実施形態では、第2光路変更部32cとして光屈折面が形成されている。この光屈折面は、第1光導波路32aの光軸に対して傾斜しており、光の屈折によって光路変更が可能となっている。この第2光路変更部32cでは、屈折率の異なる界面における光屈折を利用して、第1光導波路32aを伝搬する光のうち、第1光路変更部32bを透過した光の大部分を屈折させている。この光屈折面の傾斜角は、第1光導波路32aの光軸方向と、光路変更する方向との二等分角θよりも小さいことが好ましい。本実施形態では、第1方向D1,D2と第2方向D3,D4とが直交しているので、光屈折面が第1方向D1,D2に対して45°よりも小さい角度で傾斜している。
【0027】
この窪み部30aを形成する方法としては、例えばレーザ加工、ドリル加工、およびダイシング加工などが挙げられる。レーザ加工、ドリル加工、ダイシング加工を採用する場合は、例えば第1光路変更部32bとなる面と、第2光路変更部32cとなる面とを異なる角度で加工することで、窪み部30aを形成することができる。また、ダイシング加工を採用する場合は、例えば面方向D1,D2−D3,D4における窪み部30aの形状と、同形状の切り刃を採用して加工することで、窪み部30aを形成することができる。レーザ加工、ドリル加工、およびダイシング加工を採用する場合は、第3方向D5,D6に沿って走査する距離を制御することで、当該第3方向D5,D6における窪み部30aの長さを制御して形成することができる。
【0028】
第1光路変更部32bを透過した光は、第1光路変更部32bで光路変更した光と光路距離が異なっている。そのため、かかる2つの光が合わさると第2光導波路42aに入射されると、光信号の信頼性が低下してしまう場合がある。この光伝送基板11では、第1光路変更部32bの傾斜角度に比べて第2光路変更部32cの傾斜角度が小さくなっているので、第1光路変更部32bを透過した光が合わさって伝送される第2光導波路42aに入射されるのを抑えることができる。ひいては、この光伝送基板11では、光信号の信頼性を高めることができる。
【0029】
この光伝送基板11では、第1基体20と、第1クラッド部31との間に導電体層33が形成されている。この導電体層33は、第1基体20と光学層30との密着性を高める機能を担っている。また、この導電体層33は、例えば窪み部30aを形成する手段としてレーザ加工を採用した際に、第1基体20にレーザ光が照射され、第1基体20に変形が生じるのを防いでいる。本実施形態では、導電体層33が窪み部30aの底面を構成している。この導電体層33が窪み部30aから露出している領域は、第2基体40のコア部22のD3方向側に位置している。この導電体層33の当該領域と、コア部22との間に第1光路変更部32bが位置している。
【0030】
第2基体40は、受光素子50と、回路素子60と、電気配線70とを支持する機能を担っている。この第2基体40の厚みとしては、例えば0.2〜1.5〔mm〕の範囲が挙げられる。この第2基体40としては、例えばガラス基材エポキシ樹脂基板、ガラス基
材銅張基板、ポリイミド樹脂基板、セラミック基板などが使用される。この第2基体40は、単層の基板、または複数の基板を積層した積層体として形成される。
【0031】
この第2基体40としては、ベース基体とビルドアップ層とから構成され、貫通導体を有するビルドアップ基板が好適に用いられる。この貫通導体としては、中央が中空となった形状でも、また中央が導電ペーストなどにより埋められた構成でもかまわない。この貫通導体は、めっき法、金属膜の蒸着法、導電性樹脂の注入法などの方法を用いて形成できる。このようにビルドアップ基板に貫通導体が設けることによって、貫通導体を介して良好な放熱が可能となる。このビルドアップ層は、樹脂絶縁層と導電層とから構成される。樹脂絶縁層としては、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂などが使用される。この樹脂絶縁層の厚みとしては、例えば10〜70〔μm〕の範囲が挙げられる。この樹脂絶縁層は、レーザで微細な穴あけが可能であることが好ましい。この樹脂絶縁層によってビルドアップ層は、積層して複雑な電気配線パターンを引き回したり、狭い範囲に集約したりすることができる。このビルドアップ層の導電層は、種々の電極に電気的に接続されており、一部が電気配線70にも電気的に接続されている。
【0032】
また、この第2基体40には、第2方向D3,D4に貫通して形成されている貫通孔40aが形成されている。この貫通孔40aは、受光素子50が配置される領域のD3方向側に位置し、第3方向D5,D6に沿って並んでいる。この貫通孔40aは、光学層30と、受光素子50との間の光路として機能する。
【0033】
貫通孔40aには、第2クラッド部41と、第2コア部42とが形成されている。この第2クラッド部41は、この貫通孔40aを第2方向D3,D4に貫通して形成されている。この第2コア部42は、第2クラッド部41を第2方向D3,D4に貫通して形成されている。この第2コア部42の屈折率n42は、第2クラッド部41の屈折率n41に比べて大きくなっている。第2クラッド部41の屈折率n41に比べて第2コア部42の屈折率n42を大きくすることで、第2コア部42は、光信号を閉じ込めることができるようになり、第2光導波路42aとして機能することができるようになる。この第2コア部42の屈折率n42としては、第2クラッド部41の屈折率n41に対しての比屈折率差が0.8〜3〔%〕の範囲内であることが好ましい。なお、この貫通孔40aは、中空の貫通孔であってもよいが、光を効率的に導く観点から、第2クラッド部41および第2コア部42を有することが好ましい。
【0034】
本実施形態では、第1光導波路22aの中を伝送される光が第1光路変更部22bによって光路変換され、第2光導波路42aに入射されるように構成されている。つまり、第1光路変更部22bは、第1光導波路32aと、第2光導波路42aとを光学的に連結している。また、第2光路変更部22cは、第1光導波路22aの中を伝送される光が第2光導波路42aの内に伝送しないように光路変更する機能を担っている。この第2光路変更部32cは、第1光導波路32aを伝送する光のうち、第1光路変更部32bで光路を変更することができなかった光が、第2光導波路42aに入射されないように設けられている。つまり、第2光路変更部22cは、第1光路変更部32bで光路変更した光と光路距離が異なる光が第2光導波路42aに入射されるのを抑えている。
【0035】
受光素子50は、第2光導波路42aから照射される光を受けて電気信号に変換する機能を担っている。光を受ける受光素子50としては、例えばフォトディテクタ(PD;Photo Diode)など種々の受光素子が適用できる。この受光素子としてPDを採用する場合
は、応答速度の速い素子が好ましく、例えばPIN−PDなどが挙げられる。この受光素子50としては、面方向D3,D4−D5,D6に実装することができ、D6方向に伝播する光を受けて光電変換をする受光素子が好ましい。かかる受光素子では、第2光導波路42aに良好に光を入射することができる。
【0036】
受光素子50は、1つの素子に1つの光電変換部を有していても、1つの素子に複数の光電変換部を有していてもよい。本実施形態の受光素子50は、1つの素子に1つの光電変換部を有している。1つの光電変換部は、1つの貫通孔40aに対応して配置される。つまり、この1つの光電変換部は、1つの第2光導波路42aに対応して配置される。
【0037】
回路素子60は、受光素子50と電気的に接続されている。この回路素子60は、受光素子50で受光する光信号強度に応じて出力される電流信号を電圧信号に変換して出力している。また、この回路素子60は、信号の波形を制御したり、ノイズ成分を除去したりする機能を併せ持っていてもよい。なお、受光素子50で発する電気信号の出力が小さい場合、信号を増幅する機能を担っていても良い。この信号増幅機能は、受光素子50自体が有していてもよい。また、この回路素子60は、論理演算および数値計算を行う機能を有していてもよい。
【0038】
電気配線70は、第1電気配線71、第2電気配線72、第3電気配線73、第4電気配線74、接続導体75を有している。
【0039】
第1電気配線71および第2電気配線72は、光伝送基板11において、受光素子50と回路素子60とを電気的に接続する機能を担っている。
【0040】
第1電気配線71は、第2基体40の上面に形成されている。この第1電気配線71は、第1端部が受光素子50に接続され、第2端部が回路素子60または基準電位に電気的に接続されている。第2電気配線72は、第2基体40の上面に形成されている。この第2電気配線72は、第1端部が回路素子60に接続され、第2端部が受光素子50および基準電位を含む種々の部位に電気的に接続されている。この第1電気配線72の一部は、第2基体40の内部または上面などに設けられる導体を介して、第1電気配線71に電気的に接続されている。
【0041】
第3電気配線73および第4電気配線74は、第2基体40と第2基体40とを電気的に接続する機能を担っている。第3電気配線73は、第2基体40の下面に形成されている。この第3電気配線73は、第1端部が第2基体40の内部または上面などに設けられる導体を介して、第1電気配線71および第2電気配線73を含む種々の部位に電気的に接続されている。この第3電気配線73は、第2端部が第4電気配線74に接続されている。この第4電気配線74は、第2基体40の上面に形成されている。この第4電気配線74は、第3電気配線73と対向して配置されている。この第4電気配線74は、第1端部が第3電気配線73に接続され、第2端部が電源および基準電位を含む種々の部位に電気的に接続されている。
【0042】
第1電気配線71と第2電気配線72との接続、および第3電気配線73と第4電気配線74との接続は、接続導体75を介して行われている。この接続導体75としては、例えば金属バンプ、導電性接着剤、異方性導電材料などが挙げられる。
【0043】
なお、電気配線70の上には、樹脂絶縁層としてソルダレジスト層が設けられていてもよい。ソルダレジスト層は、電気配線70を含む領域の上面に、ラミネート法、またはスピンコートおよびドクターブレードに代表される塗布法を用いることで作製することができる。
【0044】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
【0045】
本実施形態では、第2基体40に第2光導波路42aが形成されている。しかし、このような形態に限られない。例えば、図7に示したように、第1基体20Aに貫通孔20Aaが形成され、この貫通孔20Aaに第2光導波路22Aaが形成されていてもよい。この貫通孔20Aaには、第2クラッド部21および第2コア部22が設けられている。この場合には、第1基体20Aの上に光電変換素子50、駆動素子60、電気配線70などが形成され、かかる第1基体20Aが第2基体40の代替機能を奏する。
【0046】
また、第1光路変更部22bが光学的に結合されるのは、第2光導波路42aに限られない。例えば、光電変換素子50に光学的に直接結合していてもよいし、他の光路変更部に光学的に結合していてもよく、種々の光学的な構成への結合が考慮される。
【符号の説明】
【0047】
10、10A・・・受光モジュール
11・・・光伝送基板
20、20A・・・第1基体(基体)
20Aa・・・貫通孔
22Aa・・・第2光導波路
30・・・光学層
30a・・・窪み部
31・・・第2クラッド部
32・・・第2コア部
32a・・・第1光導波路(光導波路)
32b・・・第1光路変更部
32c・・・第2光路変更部
33・・・導電体層
40・・・第2基体(第2の基体)
40a・・・貫通孔
41・・・第1クラッド部
42・・・第1コア部
42a・・・第2光導波路(第2の光導波路)
50・・・光電変換素子
60・・・駆動素子
70・・・電気配線
71・・・第1電気配線
72・・・第2電気配線
73・・・第3電気配線
74・・・第4電気配線
75・・・接続導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、該基体の上に形成される光学層とを有し、
前記光学層は、第1方向に光が伝送される光導波路と、該光導波路の前記第1方向における端部に位置し、上面より窪んでいる窪み部とを有し、
前記窪み部は、前記光導波路の端部に接し、前記第1方向と第2方向との間で光路の変更を行う第1光路変更部と、前記第1光導波路と離隔して且つ前記第1光路変更部に対向して位置し、前記第1方向と他の方向との間で光路の変更を行う第2光路変更部とを有する、光伝送基体。
【請求項2】
前記第2光路変更部の傾斜角度は、前記第1光路変更部の傾斜角度に比べて小さい、請求項1に記載の光伝送基体。
【請求項3】
前記第2方向に貫通して形成され、当該第2方向に光が伝送される第2の光導波路が形成されている第2の基体をさらに有する、請求項1または2に記載の光伝送基体。
【請求項4】
前記光学層の下に形成された導電体層をさらに有する、請求項3に記載の光伝送基体。
【請求項5】
前記導電体層は、前記窪み部の底面を構成している、請求項4に記載の光伝送基体。
【請求項6】
前記基体は、前記第2方向に貫通して形成され、当該第2方向に光が伝送される第3の光導波路が形成されている、請求項1または2に記載の光伝送基体。
【請求項7】
前記光学層は、樹脂材料によって形成されており、
前記窪み部は、レーザを用いて形成される、請求項1から6のいずれかに記載の光伝送基体。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の光伝送基体と、
前記第2の光導波路を経て入力される光の光電変換を行う受光素子とを有する、受光モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−13819(P2012−13819A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148629(P2010−148629)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】