説明

光反射基板およびその製造方法

【課題】発光素子の発光出力を向上させる光反射基板を提供する。
【解決手段】少なくとも、絶縁層と、該絶縁層と接して設けられる金属層とを有する光反射基板において、320nm超〜700nm波長光の全反射率が50%以上であって、且つ、300nm〜320nm波長光の全反射率が60%以上であることを特徴とする光反射基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子に用いられる絶縁層と金属層とを有する光反射基板に関する。より具体的には、発光ダイオード(以下、LEDという)発光素子に用いられる光反射基板に関するものであり、詳しくはLED発光素子の反射基板の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、白色系LED発光素子としては、RGBのカラーフイルタを用いてカラー表示を行う表示装置を照明するLED発光素子が一般的であり、多色混合型のLED発光素子が用いられている。この多色混合型のLED発光素子は、RGBの3色のLEDを同時に発光させることによって白色光を発光させ、この白色光と表示装置のカラーフイルタによってカラー表示を行うものである。
【0003】
しかし、この多色混合型のLED発光素子はRGBの各LEDが発光しているため、各色純度が高く演色性にも優れているが、反面、白色光を得るためにLEDの数を多く必要とし、価格が高くなるという問題がある。
【0004】
この多色混合型のLED発光素子の問題を解決する方式として、例えば、特許文献1、特許文献2等に開示されている蛍光体混色型のLED発光素子がある。図5は特許文献1、2に記載される蛍光体混色型の白色系LED発光素子の一構成例を示した模式図であり、本発明の発光素子においても構成の一部として用いられてもよいものである。図5において100は白色系LED発光ユニットであり、外部接続用の電極120,130を有する基板140に、青色LED110がフェースダウンボンディングされており、該青色LED110をYAG系の蛍光粒子150を混入した透明樹脂160でモールドしている。YAG系の蛍光粒子150によって励起された光と、青色LED110の残光により、白色系LED発光ユニット100から白色系光が発光面側の矢印方向に発光される。
【0005】
従来より用いられている青色LED110およびYAG系の蛍光粒子150による蛍光体混色型のLED発光ユニット100では、白色系の発光出力を高めるには、蛍光粒子150が混入された透明樹脂160の厚みを厚くする、あるいは該透明樹脂160の蛍光粒子150の含有量を増やす等の施策を施すことが好ましいと考えられている。しかしながら、これらの施策を施した場合、透明樹脂160の厚みや、該透明樹脂160の蛍光粒子150の含有量によっては、該青色LED110からの青色光の透過性が弱くなり、白色系の発光出力は向上しなくなる。このため、白色系の発光出力を向上させるために、蛍光体混色型の白色系発光ダイオード装置の改良がさらに望まれている。
【0006】
このように発光出力を向上させる目的で、例えば、特許文献3等に開示されているように、アルミの金属基板を光反射基板として用いることで、発光ロスを抑え、発光出力を向上させる方法が知られている。特に、特許文献3の図2を参照すると、金属基板11の上面を絶縁性樹脂13により被覆し、この絶縁性樹脂13の上面に形成された導電パターン14の上面に発光素子15を実装している。しかしながら、可視光の全領域にわたる反射率の向上や改良、具体的には反射基板自体の白色化が望まれている。特に白色樹脂を絶縁層として用いる場合は、発光素子の輝度そのものを向上させる際の高電流による発熱により、白色樹脂が劣化してしまう問題があった。
【0007】
また、LED発光部材は、発光面に対し、垂直方向への指向性を高める設計が求められており、視野角依存性の小さい反射特性が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2998696号明細書
【特許文献2】特開平11−87784号公報
【特許文献3】特開2006−100753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、より白色系の発光出力を向上させる光反射基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の大きさの凹凸を表面に有する絶縁層と金属層からなる光反射基板が、光反射性に極めて優れ、広い波長領域、広い視野角で光反射の視野角依存性が小さい。
即ち、本発明は、以下を提供する。
【0011】
(1)少なくとも、絶縁層と、該絶縁層に接して設けられた金属層とを有する光反射基板において、320nm超〜700nm波長光の全反射率が50%以上であって、且つ、300nm〜320nm波長光の全反射率が60%以上であることを特徴とする、光反射基板。
【0012】
(2)前記光反射基板の表面が、平均波長0.01〜100μmの凹凸であることを特徴とする、上記(1)に記載の光反射基板。
【0013】
(3)原子間力顕微鏡を用いて、前記光反射基板の前記表面の50μm×50μmの範囲を512×512点測定して得られる3次元データから近似三点法により求められる実面積Sxと、幾何学的測定面積S0とから、下記式(A)により求められる表面積差ΔSが5%以上90%以下である、上記(1)または(2)に記載の光反射基板。
ΔS=[(Sx−S0)/S0]×100(%) (A)
【0014】
(4)前記金属層がアルミニウムであり、前記絶縁層が該アルミニウムの陽極酸化皮膜である(1)〜(3)のいずれかに記載の光反射基板。
(5)前記光反射基板が、発光素子の発光を発光観測面側に反射する光反射基板である(1)〜(4)のいずれかに記載の光反射基板。
(6)前記金属層が窪みを持つ形状であり、前記絶縁層が窪みを持つ形状の表面に設けられている(1)〜(5)のいずれかに記載の光反射基板。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の光反射基板の製造方法であって、
アルミニウム板を用意し、
該アルミニウム板の表面を粗面化し、
該粗面化した表面を陽極酸化処理して絶縁層を形成する、
光反射基板の製造方法。
【0015】
(8)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の光反射基板の製造方法であって、少なくとも、アルミニウム板を用意し、
該アルミニウム板の表面を粗面化した後、以下の(a)および(b)工程を任意の順序で行う、
(a)発光素子を設けるための配線用スルーホールを形成し、および、基板をチップ化するためのルーティング加工を施す工程、
(b)粗面化した表面を陽極酸化処理して絶縁層を形成する工程、
とを有する光反射基板の製造方法。
(9)一方のアルミニウム基板は、少なくとも1つのスルーホールが形成され、他方のアルミニウム基板はスルーホールが形成されていない、(1)〜(4)のいずれかに記載の光反射基板を少なくとも2枚重ねることにより形成される(6)に記載の光反射基板。
(10)前記ルーティング加工において、複数のチップの周りにチップを個別に切り離すための切り離し部を設け、切り離し部の一部に複数のチップをアルミニウム板に連結する連結部を有するように加工する際に、予めアルミニウム板の連結部になる部分をチップとなる部分より板厚を薄く設計して、ルーティング加工でアルミニウム板に連結部を残して切り離し部を切り欠いて、その後アルミニウム板を陽極酸化処理した後に連結部を切り離して、切り離した後の個別のチップの厚さ方向に連結部が切り離された後に形成されるアルミニウム部分の面積を小さくし、または無くした、個別のチップを得るルーティング加工を有する(8)に記載の光反射基板の製造方法。
【0016】
(11)上記(8)または(10)に記載の工程を経た後、以下の(c)および(d)工程を任意の順序で行う、(8)または(10)に記載の光反射基板の製造方法:
(c)発光素子への電気信号伝送のための金属配線層を形成し、
上記金属配線層をパターン化する工程と;
(d)発光素子を実装する部分に相当する電極部に再度金属層を設ける加工を施す工程。
(12)(1)〜(6)のいずれかまたは(9)に記載の光反射基板の上層に青色発光素子を有し、その周りおよび/または上部に蛍光発光体を備える白色系発光ダイオード装置。
【発明の効果】
【0017】
以下に説明するように、本発明によれば、放熱性が高く、より発光出力を向上できる、光反射基板を提供することができる。本発明の光反射基板は広い波長領域、広い視野角で光反射の視野角依存性が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の光反射基板の作製における電気化学的粗面化処理に用いられる交番波形電流波形図の一例を示すグラフである。
【図2】本発明の光反射基板の作製における交流を用いた電気化学的粗面化処理におけるラジアル型セルの一例を示す概略図である。
【図3】本発明の光反射基板の作製における陽極酸化処理に用いられる陽極酸化処理装置の概略図である。
【図4】本発明の光反射基板の作製における機械的粗面化処理に用いられるブラシグレイニングの工程の概念を示す概略図である。
【図5】蛍光体混色型の白色系LED発光素子の一構成例を示す概略図である。
【図6】300〜700nmの全反射率を計測した結果を示すグラフである。
【図7】蛍光体混色型の白色系LED発光素子を説明する概略図である。
【図8】300〜700nmの全反射率を計測した結果を示すグラフである。
【図9】本発明の光反射基板を用いるLED発光素子の他の例を示す断面図である。
【図10】本発明の光反射基板の例を示す断面図である。図10(A)はアルミニウム板が平面状で絶縁層も平面状である光反射基板の断面図である。図10(B1)、(B2)、(B3)は、アルミニウム板が窪みを持つ形状であり、絶縁層も窪み形状の表面に形成されている光反射基板の断面図である。図10(C1)、(C2)、(C3)は、図10(B1)、(B2)、(B3)と同様の形状の光反射基板の他の例を示す断面図である。
【図11】本発明の光反射基板を製造するルーティング方法において、図11(A1)、(A2)、(A3)、(A4)は、ルーティング後に切り離された連結部が金属アルミニウム剥き出しとなり絶縁性が不十分になる状態を説明する模式図である。図11(B1)、(B2)は、切り離された連結部に陽極酸化皮膜をつけて絶縁性を保持するための陽極酸化前のアルミニウム板の連結部の形状、陽極酸化後の連結部の形状およびチップ化後の光反射基板チップの側面を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の光反射基板について詳細に説明する。
本発明の光反射基板は、絶縁層と、該絶縁層と接して設けられる金属層とを有する320nm超〜700nm波長光の光反射率が50%以上であって、且つ、300nm〜320nm波長の光反射率が60%以上、であることを特徴としている。ここで全反射率は例えば分光光度計で測定される。
【0020】
1.<表面形状>
本発明の光反射基板は、上記反射率を満たすべく、その表面が、平均波長0.01〜100μmの凹凸を有するのが好ましい。また、異なる波長の凹凸が重畳された形状をとっていてもよい。
本発明の光反射基板の表面がこのような凹凸を有すると、光拡散効果の向上、且つ、発光吸収効果/干渉効果(反射としてのロスとなりうる効果)を抑えることができると推定される。このため、本発明の光反射基板は、その反射性に優れる。
【0021】
平均波長5〜100μmの凹凸(以下「大波構造」ともいう。)は、光散乱性の効果がよりよくなる点で、平均波長7〜75μmであるのが好ましく、平均波長10〜50μmであるのがより好ましい。
本発明の光反射基板の表面は、上記凹凸か、以下の凹凸かのいずれかを有する構造であるのが好ましい。
平均波長0.5〜5μmの凹凸(以下「中波構造」ともいう。)は、光散乱性がより大きくなり、また、光吸収効果が抑えられる点で、平均波長0.7〜4μmであるのが好ましく、平均波長1〜3μmであるのがより好ましい。
平均波長0.01〜0.5μmの凹凸(以下「小波構造」ともいう。)は、可視光の干渉効果が抑えられる点で、平均波長0.015〜0.4μmであるのが好ましく、平均波長0.02〜0.3μmであるのがより好ましい。
本発明の光反射基板の表面は、上述した大波構造、中波構造および小波構造からなる群から選ばれる少なくとも一つを有する。反射率をより高くすることができる点で、これらの二つ以上の凹凸構造を重畳して有するのが好ましく、三つすべてを重畳して有するのがより好ましい。
本発明の光反射基板は、上記の特定の凹凸を表面に有する場合は広い視野角で均一な光取り出しが可能となり、視野角依存性が小さい(視野角で反射率の差が小さい)。
本発明の光反射基板の表面が上記特定の凹凸を有する場合は、凹凸のアンカー効果により後に説明する蛍光発光体を有する透明樹脂との密着性が高いので放熱性に優れる。
【0022】
本発明の光反射基板は、原子間力顕微鏡を用いて、その表面の50μm×50μmの範囲を512×512点測定して得られる3次元データから近似三点法により求められる実面積Sxと、幾何学的測定面積(見掛け面積)S0とから、下記式(1)により求められる表面積差ΔSが、5%以上90%以下であるのが好ましく、10%以上80%以下であるのがより好ましく、20%以上70%以下であるのが、反射基板の白色性向上(散乱性向上)の観点から更に好ましい。
【0023】
ΔS=[(Sx−S0)/S0]×100(%) (1)
【0024】
表面積差ΔSは、反射基板表面の凹凸の程度を示すファクターの一つである。ΔSが大きいと、より光を散乱させることができる。
【0025】
本発明においては、ΔSを求めるために、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)により表面形状を測定し、3次元データを求める。測定は、例えば、以下の条件で行うことができる。
即ち、光反射基板を1cm角の大きさに切り取って、ピエゾスキャナー上の水平な試料台にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際、試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位でとらえる。ピエゾスキャナーは、XY方向について150μm、Z方向について10μm、走査可能なものを使用する。カンチレバーは共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜20N/mのもの(SI−DF20、NANOPROBE社製)を用い、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定する。また、求めた3次元データを最小二乗近似することにより試料のわずかな傾きを補正し基準面を求める。計測の際は、表面の50μm×50μmの範囲を512×512点測定する。XY方向の分解能は1.9μm、Z方向の分解能は1nm、スキャン速度は60μm/secとする。
【0026】
上記で求められた3次元データ(f(x,y))を用い、隣り合う3点を抽出し、その3点で形成される微小三角形の面積の総和を求め、実面積Sxとする。表面積差ΔSは、得られた実面積Sxと幾何学的測定面積S0とから、上記式(1)により求められる。
【0027】
<キャビテイ構造を有する光反射基板、および二枚の本発明の光反射基板を用いてキャビテイ構造を有する光反射基板を製造する方法>
本発明の光反射基板は、その形状は限定されない。例えば、図10(A)に示すように、金属層33であるアルミニウム板が平面状で絶縁層32も平面状である光反射基板30であってもよい。図10(B2)に示すように窪み34を有する形状であってもよい。窪み34内にLED素子を搭載すれば、光反射基板の窪みの側面の光反射も有効に利用することができる。図10(B2)、(B3)は、金属層であるアルミニウム板が窪み34(キャビティ)を持つ形状であり、絶縁層32も窪み形状の表面に形成されている光反射基板の断面図である。図10(B3)に示す本発明の光反射基板を製造する方法は限定されない。例えば図10(B1)、(B2)に示すように金型36を矢印方向にプレスしてアルミニウム板1に窪み34を持つ金属層33を形成してもよい。図10(B2)は、金属層33に窪み34が形成された状態の断面図を示し、図10(B2)に示すような形状のアルミニウム板を陽極酸化処理すれば、図10(B3)に示す絶縁層32と金属層33とを有する光反射基板30が製造できる。
図10(C1)、(C2)、(C3)は、図10(B1)、(B2)、(B3)と同様の形状の光反射基板の他の製造例を示す断面図である。この光反射基板は、図10(C2)に示す、スルーホールを有さず少なくとも絶縁層32と金属層33とを有する光反射基板30と、図10(C1)に示すように、スルーホール35を有し、絶縁層321と金属層331とを有する他の光反射基板301とを2枚用意する。次に、図10(C3)に示すように、2枚の光反射基板を重ねることにより窪み34を有する光反射基板303を形成する。2枚の光反射基板は接着してもよい。図10(C1)に示す光反射基板301は、アルミニウム板に予めスルーホール35をあけてから陽極酸化処理して絶縁層321を形成して製造してもよい。スルーホール加工は安価なドリル加工で形成でき、またスルーホール形状や大きさの制御も非常に簡便であるため、上記のように2枚の加工基板を重ねたり貼り合せる事で、従来と同じ形状のキャビティ構造を有する光反射基板を安価に製造できる。
【0028】
以下、本発明の光反射基板に好適な、アルミニウムを陽極酸化したアルマイト基板を用いた光反射基板について説明する。絶縁層として陽極酸化アルミニウムであるアルミナ層とそれに連続するアルミニウム金属層とを有する光反射基板は、光反射率が高く、耐熱性、耐候性に優れる。
【0029】
2.<アルミニウム板>
本発明の光反射基板の製造には、公知のアルミニウム板を用いることができる。本発明に用いられるアルミニウム板は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。純アルミニウム板のほか、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板を用いることもできる。
【0030】
本明細書においては、上述したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる各種の基板をアルミニウム板と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含まれてもよい異元素には、ケイ素、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等があり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。
【0031】
このように本発明に用いられるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、例えば、アルミニウムハンドブック第4版(1990年、軽金属協会発行)に記載されている従来公知の素材、例えば、JIS A1050、JIS A1100、JIS A1070、Mnを含むJIS A3004、国際登録合金 3103A等のAl−Mn系アルミニウム板を適宜利用することができる。また、引張強度を増す目的で、これらのアルミニウム合金に0.1質量%以上のマグネシウムを添加したAl−Mg系合金、Al−Mn−Mg系合金(JIS A3005)を用いることもできる。更に、ZrやSiを含むAl−Zr系合金やAl−Si系合金を用いることもできる。更に、Al−Mg−Si系合金を用いることもできる。
【0032】
JIS1050材に関しては、特開昭59−153861号、特開昭61−51395号、特開昭62−146694号、特開昭60−215725号、特開昭60−215726号、特開昭60−215727号、特開昭60−216728号、特開昭61−272367号、特開昭58−11759号、特開昭58−42493号、特開昭58−221254号、特開昭62−148295号、特開平4−254545号、特開平4−165041号、特公平3−68939号、特開平3−234594号、特公平1−47545号、特開昭62−140894号、特公平1−35910号および特公昭55−28874号の各公報に記載されている。
【0033】
JIS1070材に関しては、特開平7−81264号、特開平7−305133号、特開平8−49034号、特開平8−73974号、特開平8−108659号および特開平8−92679号の各公報に記載されている。
【0034】
Al−Mg系合金に関しては、特公昭62−5080号、特公昭63−60823号、特公平3−61753号、特開昭60−203496号、特開昭60−203497号、特公平3−11635号、特開昭61−274993号、特開昭62−23794号、特開昭63−47347号、特開昭63−47348号、特開昭63−47349号、特開昭64−1293号、特開昭63−135294号、特開昭63−87288号、特公平4−73392号、特公平7−100844号、特開昭62−149856号、特公平4−73394号、特開昭62−181191号、特公平5−76530号、特開昭63−30294号、特公平6−37116号、特開平2−215599号および特開昭61−201747号の各公報に記載されている。
【0035】
Al−Mn系合金に関しては、特開昭60−230951号、特開平1−306288号、特開平2−293189号、特公昭54−42284号、特公平4−19290号、特公平4−19291号、特公平4−19292号、特開昭61−35995号、特開昭64−51992号および特開平4−226394号の各公報、米国特許第5,009,722号明細書、同第5,028,276号明細書等に記載されている。
【0036】
Al−Mn−Mg系合金に関しては、特開昭62−86143号、特開平3−222796号、特公昭63−60824号、特開昭60−63346号、特開昭60−63347号および特開平1−293350号の各公報、欧州特許第223,737号、米国特許第4,818,300号、英国特許第1,222,777号の各明細書等に記載されている。
【0037】
Al−Zr系合金に関しては、特公昭63−15978号、特開昭61−51395号、特開昭63−143234号および特開昭63−143235号の各公報等に記載されている。
【0038】
Al−Mg−Si系合金に関しては、英国特許第1,421,710号明細書等に記載されている。
【0039】
アルミニウム合金を板材とするには、例えば、下記の方法を採用することができる。まず、所定の合金成分含有量に調整したアルミニウム合金溶湯に、常法に従い、清浄化処理を行い、鋳造する。清浄化処理には、溶湯中の水素等の不要ガスを除去するために、フラックス処理、アルゴンガス、塩素ガス等を用いる脱ガス処理、セラミックチューブフィルタ、セラミックフォームフィルタ等のいわゆるリジッドメディアフィルタや、アルミナフレーク、アルミナボール等をろ材とするフィルタや、グラスクロスフィルタ等を用いるフィルタリング処理、あるいは、脱ガス処理とフィルタリング処理を組み合わせた処理が行われる。
【0040】
これらの清浄化処理は、溶湯中の非金属介在物、酸化物等の異物による欠陥や、溶湯に溶け込んだガスによる欠陥を防ぐために実施されることが好ましい。溶湯のフィルタリングに関しては、特開平6−57432号、特開平3−162530号、特開平5−140659号、特開平4−231425号、特開平4−276031号、特開平5−311261号、特開平6−136466号の各公報等に記載されている。また、溶湯の脱ガスに関しては、特開平5−51659号公報、実開平5−49148号公報等に記載されている。本願出願人も、特開平7−40017号公報において、溶湯の脱ガスに関する技術を提案している。
【0041】
ついで、上述したように清浄化処理を施された溶湯を用いて鋳造を行う。鋳造方法に関しては、DC鋳造法に代表される固定鋳型を用いる方法と、連続鋳造法に代表される駆動鋳型を用いる方法がある。
DC鋳造においては、冷却速度が0.5〜30℃/秒の範囲で凝固する。1℃未満であると粗大な金属間化合物が多数形成されることがある。DC鋳造を行った場合、板厚300〜800mmの鋳塊を製造することができる。その鋳塊を、常法に従い、必要に応じて面削を行い、通常、表層の1〜30mm、好ましくは1〜10mmを切削する。その前後において、必要に応じて、均熱化処理を行う。均熱化処理を行う場合、金属間化合物が粗大化しないように、450〜620℃で1〜48時間の熱処理を行う。熱処理が1時間より短い場合には、均熱化処理の効果が不十分となることがある。
【0042】
その後、熱間圧延、冷間圧延を行ってアルミニウム板の圧延板とする。熱間圧延の開始温度は350〜500℃が適当である。熱間圧延の前もしくは後、またはその途中において、中間焼鈍処理を行ってもよい。中間焼鈍処理の条件は、バッチ式焼鈍炉を用いて280〜600℃で2〜20時間、好ましくは350〜500℃で2〜10時間加熱するか、連続焼鈍炉を用いて400〜600℃で6分以下、好ましくは450〜550℃で2分以下加熱するかである。連続焼鈍炉を用いて10〜200℃/秒の昇温速度で加熱して、結晶組織を細かくすることもできる。
【0043】
以上の工程によって、所定の厚さ、例えば、0.1〜0.5mmに仕上げられたアルミニウム板は、更にローラレベラ、テンションレベラ等の矯正装置によって平面性を改善してもよい。平面性の改善は、アルミニウム板をシート状にカットした後に行ってもよいが、生産性を向上させるためには、連続したコイルの状態で行うことが好ましい。また、所定の板幅に加工するため、スリッタラインを通してもよい。また、アルミニウム板同士の摩擦による傷の発生を防止するために、アルミニウム板の表面に薄い油膜を設けてもよい。油膜には、必要に応じて、揮発性のものや、不揮発性のものが適宜用いられる。
【0044】
一方、連続鋳造法としては、双ロール法(ハンター法)、3C法に代表される冷却ロールを用いる方法、双ベルト法(ハズレー法)、アルスイスキャスターII型に代表される冷却ベルトや冷却ブロックを用いる方法が、工業的に行われている。連続鋳造法を用いる場合には、冷却速度が100〜1000℃/秒の範囲で凝固する。連続鋳造法は、一般的には、DC鋳造法に比べて冷却速度が速いため、アルミマトリックスに対する合金成分固溶度を高くすることができるという特徴を有する。連続鋳造法に関しては、本出願人によって提案された技術が、特開平3−79798号、特開平5−201166号、特開平5−156414号、特開平6−262203号、特開平6−122949号、特開平6−210406号、特開平6−26308号の各公報等に記載されている。
【0045】
連続鋳造を行った場合において、例えば、ハンター法等の冷却ロールを用いる方法を用いると、板厚1〜10mmの鋳造板を直接、連続鋳造することができ、熱間圧延の工程を省略することができるというメリットが得られる。また、ハズレー法等の冷却ベルトを用いる方法によれば、板厚10〜50mmの鋳造板を鋳造することができ、一般的に、鋳造直後に熱間圧延ロールを配置し連続的に圧延することで、板厚1〜10mmの連続鋳造圧延板が得られる。
【0046】
これらの連続鋳造圧延板は、DC鋳造について説明したのと同様に、冷間圧延、中間焼鈍、平面性の改善、スリット等の工程を経て、所定の厚さ、例えば、0.1〜0.5mmの板厚に仕上げられる。連続鋳造法を用いた場合の中間焼鈍条件および冷間圧延条件については、本願出願人によって提案された技術が、特開平6−220593号、特開平6−210308号、特開平7−54111号、特開平8−92709号の各公報等に記載されている。
【0047】
アルミニウム板の結晶組織は、化学的粗面化処理や電気化学的粗面化処理を行った場合、アルミニウム板の表面の結晶組織が面質不良の発生の原因となることがあるので、表面においてあまり粗大でないことが好ましい。アルミニウム板の表面の結晶組織は、幅が200μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのがより好ましく、50μm以下であるのが更に好ましく、また、結晶組織の長さが5000μm以下であるのが好ましく、1000μm以下であるのがより好ましく、500μm以下であるのが更に好ましい。これらに関して、本願出願人によって提案された技術が、特開平6−218495号、特開平7−39906号、特開平7−124609号の各公報等に記載されている。
【0048】
アルミニウム板の合金成分分布は、化学的粗面化処理や電気化学的粗面化処理を行った場合、アルミニウム板の表面の合金成分の不均一な分布に起因して面質不良が発生することがあるので、表面においてあまり不均一でないことが好ましい。これらに関して、本願出願人によって提案された技術が、特開平6−48058号、特開平5−301478号、特開平7−132689号の各公報等に記載されている。
【0049】
アルミニウム板の金属間化合物は、その金属間化合物のサイズや密度が、化学的粗面化処理や電気化学的粗面化処理に影響を与える場合がある。これらに関して、本出願人によって提案された技術が、特開平7−138687号、特開平4−254545号の各公報等に記載されている。
【0050】
本発明においては、上記に示されるようなアルミニウム板をその最終圧延工程等において、積層圧延、転写等により凹凸を形成させて用いることもできる。
【0051】
本発明に用いられるアルミニウム板は、アルミニウムウェブであってもよく、枚葉状シートであってもよい。
アルミニウムウェブの場合、アルミニウムの荷姿としては、例えば、鉄製パレットにハードボードとフェルトとを敷き、製品両端に段ボールドーナツ板を当て、ポリチュ−ブで全体を包み、コイル内径部に木製ドーナツを挿入し、コイル外周部にフェルトを当て、帯鉄で絞め、その外周部に表示を行う。また、包装材としては、ポリエチレンフィルム、緩衝材としては、ニードルフェルト、ハードボードを用いることができる。この他にもいろいろな形態があるが、安定して、キズも付かず運送等が可能であればこの方法に限るものではない。
【0052】
本発明に用いられるアルミニウム板の厚みは、0.1〜2.0mm程度であり、0.15〜1.5mmであるのが好ましく、0.2〜1.0mmであるのがより好ましい。この厚さは、ユーザーの希望等により適宜変更することができる。
【0053】
3.<表面処理>
本発明の反射基板を製造する際の表面処理は、粗面化処理および陽極酸化処理を含む。この多孔質アルミナ担体の製造工程は、粗面化処理および陽極酸化処理以外の各種の工程を含んでいてもよい。
上述した表面形状を形成させるための代表的方法として、アルミニウム板に機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法、アルミニウム板に機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および異なる電解液を用いた電気化学的粗面化処理を複数回施す方法、アルミニウム板にアルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法、アルミニウム板にアルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および異なる電解液を用いた電気化学的粗面化処理を複数回施す方法が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。これらの方法において、前記電気化学的粗面化処理の後、更に、アルカリエッチング処理および酸によるデスマット処理を施してもよい。
【0054】
中でも、他の処理(アルカリエッチング処理等)の条件にもよるが、大波構造、中波構造および小波構造が重畳した表面形状を形成させるには、機械的粗面化処理、硝酸を主体とする電解液を用いた電気化学的粗面化処理および塩酸を主体とする電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法が好適に挙げられる。また、大波構造および小波構造が重畳した表面形状を形成させるには、塩酸を主体とする電解液を用い、アノード反応にあずかる電気量の総和を大きくした電気化学的粗面化処理のみを施す方法が好適に挙げられる。
【0055】
以下、表面処理の各工程について、詳細に説明する。
【0056】
<機械的粗面化処理>
機械的粗面化処理は、電気化学的粗面化処理と比較して、より安価に、平均波長5〜100μmの凹凸のある表面を形成することができるため、大波構造を形成させる粗面化処理の手段として有効である。
機械的粗面化処理方法としては、例えば、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、特開平6−135175号公報および特公昭50−40047号公報に記載されているナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法を用いることができる。
また、凹凸面をアルミニウム板に圧接する転写方法を用いることもできる。即ち、特開昭55−74898号、特開昭60−36195号、特開昭60−203496号の各公報に記載されている方法のほか、転写を数回行うことを特徴とする特開平6−55871号公報、表面が弾性であることを特徴とする特開平6−24168号公報に記載されている方法も適用可能である。
また、放電加工、ショットブラスト、レーザ、プラズマエッチング等を用いて、微細な凹凸を食刻した転写ロールを用いて繰り返し転写を行う方法や、微細粒子を塗布した凹凸のある面を、アルミニウム板に接面させ、その上より複数回繰り返し圧力を加え、アルミニウム板に微細粒子の平均直径に相当する凹凸パターンを複数回繰り返し転写させる方法を用いることもできる。転写ロールへ微細な凹凸を付与する方法としては、特開平3−8635号、特開平3−66404号、特開昭63−65017号の各公報等に記載されている公知の方法を用いることができる。また、ロール表面にダイス、バイト、レーザ等を使って2方向から微細な溝を切り、表面に角形の凹凸をつけてもよい。このロール表面には、公知のエッチング処理等を行って、形成させた角形の凹凸が丸みを帯びるような処理を行ってもよい。
また、表面の硬度を上げるために、焼き入れ、ハードクロムメッキ等を行ってもよい。
そのほかにも、機械的粗面化処理としては、特開昭61−162351号、特開昭63−104889号等の公報に記載されている方法を用いることもできる。
本発明においては、生産性等を考慮して上述したそれぞれの方法を併用することもできる。これらの機械的粗面化処理は、電気化学的粗面化処理の前に行うのが好ましい。
【0057】
以下、機械的粗面化処理として好適に用いられるブラシグレイン法について説明する。ブラシグレイン法は、一般に、円柱状の胴の表面に、ナイロン(商標)、プロピレン、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる合成樹脂毛等のブラシ毛を多数植設したローラ状ブラシを用い、回転するローラ状ブラシに研磨剤を含有するスラリー液を噴きかけながら、上記アルミニウム板の表面の一方または両方を擦ることにより行う方法である。上記ローラ状ブラシおよびスラリー液の代わりに、表面に研磨層を設けたローラである研磨ローラを用いることもできる。ローラ状ブラシを用いる場合、曲げ弾性率が好ましくは10,000〜40,000kgf/cm2、より好ましくは15,000〜35,000kgf/cm2であり、かつ、毛腰の強さが好ましくは500gf以下、より好ましくは400gf以下であるブラシ毛を用いる。ブラシ毛の直径は、一般的には、0.2〜0.9mmである。ブラシ毛の長さは、ローラ状ブラシの外径および胴の直径に応じて適宜決定することができるが、一般的には、10〜100mmである。
【0058】
研磨剤は公知の物を用いることができる。例えば、パミストン、ケイ砂、水酸化アルミニウム、アルミナ粉、炭化ケイ素、窒化ケイ素、火山灰、カーボランダム、金剛砂等の研磨剤;これらの混合物を用いることができる。中でも、パミストン、ケイ砂が好ましい。特に、ケイ砂は、パミストンに比べて硬く、壊れにくいので粗面化効率に優れる点で好ましい。研磨剤の平均粒径は、粗面化効率に優れ、かつ、砂目立てピッチを狭くすることができる点で、3〜50μmであるのが好ましく、6〜45μmであるのがより好ましい。研磨剤は、例えば、水中に懸濁させて、スラリー液として用いる。スラリー液には、研磨剤のほかに、増粘剤、分散剤(例えば、界面活性剤)、防腐剤等を含有させることができる。スラリー液の比重は0.5〜2であるのが好ましい。
【0059】
機械的粗面化処理に適した装置としては、例えば、特公昭50−40047号公報に記載された装置を挙げることができる。
【0060】
<電気化学的粗面化処理>
電気化学的粗面化処理(以下「電解粗面化処理」ともいう。)には、通常の交流を用いた電気化学的粗面化処理に用いられる電解液を用いることができる。中でも、塩酸または硝酸を主体とする電解液を用いるのが、上述した表面形状を得やすいので好ましい。
【0061】
電解粗面化処理は、例えば、特公昭48−28123号公報および英国特許第896,563号明細書に記載されている電気化学的グレイン法(電解グレイン法)に従うことができる。この電解グレイン法は、正弦波形の交流電流を用いるものであるが、特開昭52−58602号公報に記載されているような特殊な波形を用いて行ってもよい。また、特開平3−79799号公報に記載されている波形を用いることもできる。また、特開昭55−158298号、特開昭56−28898号、特開昭52−58602号、特開昭52−152302号、特開昭54−85802号、特開昭60−190392号、特開昭58−120531号、特開昭63−176187号、特開平1−5889号、特開平1−280590号、特開平1−118489号、特開平1−148592号、特開平1−178496号、特開平1−188315号、特開平1−154797号、特開平2−235794号、特開平3−260100号、特開平3−253600号、特開平4−72079号、特開平4−72098号、特開平3−267400号、特開平1−141094の各公報に記載されている方法も適用できる。また、前述のほかに、電解コンデンサーの製造方法として提案されている特殊な周波数の交番電流を用いて電解することも可能である。例えば、米国特許第4,276,129号明細書および同第4,676,879号明細書に記載されている。
【0062】
電解槽および電源については、種々提案されているが、米国特許第4203637号明細書、特開昭56−123400号、特開昭57−59770号、特開昭53−12738号、特開昭53−32821号、特開昭53−32822号、特開昭53−32823号、特開昭55−122896号、特開昭55−132884号、特開昭62−127500号、特開平1−52100号、特開平1−52098号、特開昭60−67700号、特開平1−230800号、特開平3−257199号の各公報等に記載されているものを用いることができる。また、特開昭52−58602号、特開昭52−152302号、特開昭53−12738号、特開昭53−12739号、特開昭53−32821号、特開昭53−32822号、特開昭53−32833号、特開昭53−32824号、特開昭53−32825号、特開昭54−85802号、特開昭55−122896号、特開昭55−132884号、特公昭48−28123号、特公昭51−7081号、特開昭52−133838号、特開昭52−133840号、特開昭52−133844号、特開昭52−133845号、特開昭53−149135号、特開昭54−146234号の各公報等に記載されているもの等も用いることができる。
【0063】
電解液である酸性水溶液としては、硝酸、塩酸のほかに、米国特許第4,671,859号、同第4,661,219号、同第4,618,405号、同第4,600,482号、同第4,566,960号、同第4,566,958号、同第4,566,959号、同第4,416,972号、同第4,374,710号、同第4,336,113号、同第4,184,932号の各明細書等に記載されている電解液を用いることもできる。
【0064】
酸性水溶液の濃度は0.5〜2.5質量%であるのが好ましいが、上記のスマット除去処理での使用を考慮すると、0.7〜2.0質量%であるのが特に好ましい。また、液温は20〜80℃であるのが好ましく、30〜60℃であるのがより好ましい。
【0065】
塩酸または硝酸を主体とする水溶液は、濃度1〜100g/Lの塩酸または硝酸の水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸イオンを有する硝酸化合物または塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸イオンを有する塩酸化合物の少なくとも一つを1g/Lから飽和するまでの範囲で添加して使用することができる。また、塩酸または硝酸を主体とする水溶液には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。好ましくは、塩酸または硝酸の濃度0.5〜2質量%の水溶液にアルミニウムイオンが3〜50g/Lとなるように、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等を添加した液を用いることが好ましい。
【0066】
更に、Cuと錯体を形成しうる化合物を添加して使用することによりCuを多く含有するアルミニウム板に対しても均一な砂目立てが可能になる。Cuと錯体を形成しうる化合物としては、例えば、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)等のアンモニアの水素原子を炭化水素基(脂肪族、芳香族等)等で置換して得られるアミン類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩類が挙げられる。また、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩も挙げられる。温度は10〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。
【0067】
電気化学的粗面化処理に用いられる交流電源波は、特に限定されず、サイン波、矩形波、台形波、三角波等が用いられるが、矩形波または台形波が好ましく、台形波が特に好ましい。台形波とは、図1に示したものをいう。この台形波において電流がゼロからピークに達するまでの時間(TP)は1〜3msecであるのが好ましい。1msec未満であると、アルミニウム板の進行方向と垂直に発生するチャタマークという処理ムラが発生しやすい。TPが3msecを超えると、特に硝酸電解液を用いる場合、電解処理で自然発生的に増加するアンモニウムイオン等に代表される電解液中の微量成分の影響を受けやすくなり、均一な砂目立てが行われにくくなる。
【0068】
台形波交流のduty比は1:2〜2:1のものが使用可能であるが、特開平5−195300号公報に記載されているように、アルミニウムにコンダクタロールを用いない間接給電方式においてはduty比が1:1のものが好ましい。台形波交流の周波数は0.1〜120Hzのものを用いることが可能であるが、50〜70Hzが設備上好ましい。50Hzよりも低いと、主極のカーボン電極が溶解しやすくなり、また、70Hzよりも高いと、電源回路上のインダクタンス成分の影響を受けやすくなり、電源コストが高くなる。
【0069】
電解槽には1個以上の交流電源を接続することができる。主極に対向するアルミニウム板に加わる交流の陽極と陰極との電流比をコントロールし、均一な砂目立てを行うことと、主極のカーボンを溶解することとを目的として、図2に示したように、補助陽極18を設置し、交流電流の一部を分流させることが好ましい。図2において、11はアルミニウム板であり、12はラジアルドラムローラであり、13aおよび13bは主極であり、14は電解処理液であり、15は電解液供給口であり、16はスリットであり、17は電解液通路であり、18は補助陽極であり、19aおよび19bはサイリスタであり、20は交流電源であり、40は主電解槽であり、50は補助陽極槽である。整流素子またはスイッチング素子を介して電流値の一部を二つの主電極とは別の槽に設けた補助陽極に直流電流として分流させることにより、主極に対向するアルミニウム板上で作用するアノード反応にあずかる電流値と、カソード反応にあずかる電流値との比を制御することができる。主極に対向するアルミニウム板上で、陰極反応と陽極反応とにあずかる電気量の比(陰極時電気量/陽極時電気量)は、0.3〜0.95であるのが好ましい。
【0070】
電解槽は、縦型、フラット型、ラジアル型等の公知の表面処理に用いる電解槽が使用可能であるが、特開平5−195300号公報に記載されているようなラジアル型電解槽が特に好ましい。電解槽内を通過する電解液は、アルミニウムウェブの進行方向に対してパラレルであってもカウンターであってもよい。
【0071】
(硝酸電解)
硝酸を主体とする電解液を用いた電気化学的粗面化処理により、平均波長0.5〜5μmの凹凸を形成させることができる。ただし、電気量を比較的多くしたときは、電解反応が集中し、波長5μmを超える凹凸も生成する。
このような表面形状を得るためには、電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、1〜1000C/dm2であるのが好ましく、50〜300C/dm2であるのがより好ましい。この際の電流密度は20〜100A/dm2であるのが好ましい。
また、例えば、高濃度、例えば、硝酸濃度15〜35質量%の硝酸電解液を用いて30〜60℃で電解を行ったり、硝酸濃度0.7〜2質量%の硝酸電解液を用いて高温、例えば、80℃以上で電解を行ったりすることで、平均波長0.20μm以下の小波構造を形成させることもできる。その結果、ΔSを大きくすることができる。
【0072】
(塩酸電解)
塩酸はそれ自身のアルミニウム溶解力が強いため、わずかな電解を加えるだけで表面に微細な凹凸を形成させることが可能である。この微細な凹凸は、平均波長が0.01〜0.2μmであり、アルミニウム板の表面の全面に均一に生成する。
このような表面形状を得るためには電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、1〜100C/dm2であるのが好ましく、20〜70C/dm2であるのがより好ましい。この際の電流密度は20〜50A/dm2であるのが好ましい。
【0073】
このような塩酸を主体とする電解液での電気化学的粗面化処理では、アノード反応にあずかる電気量の総和を400〜2000C/dm2と大きくすることでクレーター状の大きなうねりを同時に形成することも可能である。この場合は平均波長10〜30μmのクレーター状のうねりに重畳して平均波長0.01〜0.4μmの微細な凹凸が全面に生成する。この場合、平均波長0.5〜5μmの中波構造は生成しない。
【0074】
ΔSを大きくするには、小さな凹凸を表面に多数設けることが有効である。このように小さな凹凸を表面に多数設ける方法としては、例えば、塩酸を主体とする電解液を用いた電解粗面化処理、高濃度かつ高温の硝酸を主体とする電解液を用いた電解粗面化処理が好適に挙げられる。機械的粗面化処理や、通常の硝酸を主体とする電解液を用いた電解粗面化処理によってもΔSは大きくなるが、その程度は小さい。
【0075】
上記の硝酸、塩酸等の電解液中で行われる電解粗面化処理の前および/または後に、アルミニウム板に陰極電解処理を行うことが好ましい。この陰極電解処理により、アルミニウム板表面にスマットが生成するとともに、水素ガスが発生してより均一な電解粗面化処理が可能となる。
陰極電解処理は、酸性溶液中で陰極電気量が好ましくは3〜80C/dm2、より好ましくは5〜30C/dm2で行われる。陰極電気量が3C/dm2未満であると、スマット付着量が不足する場合があり、また、80C/dm2を超えると、スマット付着量が過剰となる場合がある。電解液は、電解粗面化処理で使用する溶液と同一であっても異なっていてもよい。
【0076】
<アルカリエッチング処理>
アルカリエッチング処理は、上記アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより、表層を溶解させる処理である。
電解粗面化処理より前に行われるアルカリエッチング処理は、機械的粗面化処理を行っていない場合には、アルミニウム板(圧延アルミ)の表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等を除去することを目的として、また、既に機械的粗面化処理を行っている場合には、機械的粗面化処理によって生成した凹凸のエッジ部分を溶解させ、急峻な凹凸を滑らかなうねりを持つ表面に変えることを目的として行われる。
【0077】
アルカリエッチング処理の前に機械的粗面化処理を行わない場合、エッチング量は、0.1〜10g/m2であるのが好ましく、1〜5g/m2であるのがより好ましい。エッチング量が0.1g/m2未満であると、表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等が残存する場合があるため、後段の電解粗面化処理において均一な凹凸生成ができずムラが発生してしまう場合がある。一方、エッチング量が1〜10g/m2であると、表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等の除去が十分に行われる。上記範囲を超えるエッチング量とするのは、経済的に不利となる。
【0078】
アルカリエッチング処理の前に機械的粗面化処理を行う場合、エッチング量は、3〜20g/m2であるのが好ましく、5〜15g/m2であるのがより好ましい。エッチング量が3g/m2未満であると、機械的粗面化処理等によって形成された凹凸を平滑化できない場合があり、後段の電解粗面化処理において均一な凹凸形成ができない場合がある。一方、エッチング量が20g/m2を超えると、凹凸構造が消滅してしまう場合がある。
【0079】
電解粗面化処理の直後に行うアルカリエッチング処理は、酸性電解液中で生成したスマットを溶解させることと、電解粗面化処理により形成された凹凸のエッジ部分を溶解させることを目的として行われる。電解粗面化処理で形成される凹凸は電解液の種類によって異なるためにその最適なエッチング量も異なるが、電解粗面化処理後に行うアルカリエッチング処理のエッチング量は、0.1〜5g/m2であるのが好ましい。硝酸電解液を用いた場合、塩酸電解液を用いた場合よりもエッチング量は多めに設定する必要がある。電解粗面化処理が複数回行われる場合には、それぞれの処理後に、必要に応じてアルカリエッチング処理を行うことができる。
【0080】
アルカリ水溶液に用いられるアルカリとしては、例えば、カセイアルカリ、アルカリ金属塩が挙げられる。具体的には、カセイアルカリとしては、例えば、カセイソーダ、カセイカリが挙げられる。また、アルカリ金属塩としては、例えば、メタケイ酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸カリ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩;炭酸ソーダ、炭酸カリ等のアルカリ金属炭酸塩;アルミン酸ソーダ、アルミン酸カリ等のアルカリ金属アルミン酸塩;グルコン酸ソーダ、グルコン酸カリ等のアルカリ金属アルドン酸塩;第二リン酸ソーダ、第二リン酸カリ、第三リン酸ソーダ、第三リン酸カリ等のアルカリ金属リン酸水素塩が挙げられる。中でも、エッチング速度が速い点および安価である点から、カセイアルカリの溶液、および、カセイアルカリとアルカリ金属アルミン酸塩との両者を含有する溶液が好ましい。特に、カセイソーダの水溶液が好ましい。
【0081】
アルカリ溶液の濃度は、エッチング量に応じて決定することができるが、1〜50質量%であるのが好ましく、10〜35質量%であるのがより好ましい。アルカリ溶液中にアルミニウムイオンが溶解している場合には、アルミニウムイオンの濃度は、0.01〜10質量%であるのが好ましく、3〜8質量%であるのがより好ましい。アルカリ溶液の温度は20〜90℃であるのが好ましい。処理時間は1〜120秒であるのが好ましい。
【0082】
アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板をアルカリ溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板をアルカリ溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、アルカリ溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。
【0083】
<デスマット処理>
電解粗面化処理またはアルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(デスマット処理)が行われるのが好ましい。
用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。上記デスマット処理は、例えば、上記アルミニウム板を塩酸、硝酸、硫酸等の濃度0.5〜30質量%の酸性溶液(アルミニウムイオン0.01〜5質量%を含有する。)に接触させることにより行う。アルミニウム板を酸性溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板を酸性水溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、酸性溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。デスマット処理においては、酸性溶液として、上述した電解粗面化処理において排出される硝酸を主体とする水溶液もしくは塩酸を主体とする水溶液の廃液、または、後述する陽極酸化処理において排出される硫酸を主体とする水溶液の廃液を用いることができる。デスマット処理の液温は、25〜90℃であるのが好ましい。また、処理時間は、1〜180秒であるのが好ましい。デスマット処理に用いられる酸性溶液には、アルミニウムおよびアルミニウム合金成分が溶け込んでいてもよい。
【0084】
4.<スルーホール加工並びにルーティング加工>
本発明の光反射基板においては、発光素子を実装するにあたり、適宜配線部を設けるためのスルーホール加工、並びに、最終製品を想定してのチップ化を行うためのルーティング加工(最終製品に個別化するための加工)を行うこともできる。スルーホール加工は陽極酸化工程の前に行っても後に行ってもよい。後述する陽極酸化による絶縁層形成前に上記加工を行うと、陽極酸化で形成される絶縁層への亀裂を防ぐ観点、及び、上記加工により生じる基板端面部への絶縁性を保持することができる。陽極酸化工程の後で行えば、陽極酸化処理工程の効率を上げられ、また最終製品のサイズに精度よく加工することができる。
【0085】
スルーホール加工は、必要な個所への穴あけ加工であるが、加工されるスルーホールの形状については、配線が必要な複数の層の間の長さで、その断面は必要な配線をその中に入れて確保できる大きさ/形状であれば特に制限されないが、最終的なチップの大きさ、及び、確実な配線の形成を考えると、円形であることが好ましく、大きさは、0.01mmφ〜2mmφが好ましく、0.05mmφ〜1mmφがより好ましく、0.1mmφ〜0.8mmφが特に好ましい。
【0086】
ルーティング加工は、図11(A1)〜(A4)に示すように、最終製品に個別化された光反射基板(以下チップという)の大きさ(最終製品に必要な加工シロを加えたもの、または陽極酸化による体積膨張を加味して予め必要なサイズとする)に切り離す個別切り離し加工であり、パターン加工、チップ化ともいう。ルーティング加工は陽極酸化工程の前に行っても後に行ってもよい。後述する陽極酸化による絶縁層形成前に上記加工を行うと、陽極酸化で形成される絶縁層への亀裂を防ぐ観点、及び、上記加工により生じる基板端面部への絶縁性を保持することができる。陽極酸化工程の後で行えば、陽極酸化処理工程の効率を上げられ、また最終製品のサイズに精度よく加工することができる。
ルーティング加工については、最終的なチップの大きさ/形状を考慮する必要があるが、方形型のチップを想定した場合、チップのコンパクト性、及び、加工適性の観点から、1辺が0.1mm〜50mmが好ましく、0.2mm〜40mmがより好ましく、0.4mm〜30mmが特に好ましい。特に、メインパッケージ用の光反射基板を想定する場合には、現在の形状規格例である、3.2mm×2.8mm、1.6mm×0.8mm、等の大きさにルーティングすることが好ましい。
また、ルーティングしたあとの素子搭載部(図示しない、後に素子が搭載される部分)には、後述する陽極酸化処理により絶縁層を設けるために、素子部(図示しない、素子と電気的接続がされる部分)への電気導通性を施す形状に加工しておくことが好ましい。好適な方法としては、導通部を設けた状態でルーティング加工する方法、導通ワイヤ等により素子部を接続しておく方法、等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0087】
以上の、スルーホール加工、ルーティング加工を施す、好適な方法としては、ドリル加工、金型によるプレス加工、ダイサーによるダイシング加工、レーザー加工、等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
<ルーティング加工で切り離す前には個々のチップ相当部分にさらに連結部を有して連結された形状とし、連結部で個々のチップを切り離した後に個別のチップの厚さ方向にできる金属アルミニウム剥き出しの部分を絶縁性とする方法>
ルーティング加工は、限定されないが、例えば図11(A1)に示すような金属板であるアルミニウム板1を、図11(A2)に示すように個別の光反射基板となるチップ41の部分を取り囲む切り離し部43をアルミニウム板1の底面まで切り欠くが、その際チップ同士またはチップをアルミニウム板1に連結する連結部42を残しておくとチップ41がばらばらにならずにアルミニウム板として一体として扱えるので好適である。その後図11(A3)に示すように陽極酸化処理等の必要な処理をした後に、図11(A4)に示すように連結部42を切り離して個別のチップ41とする。ところがその際切り離された後のチップ側面の連結部42の切り離し跡45に、陽極酸化されていない金属アルミニウムが剥き出しになるので得られる個別のチップ41の側面の絶縁性が不十分になる。
これを防ぐために、本発明のルーティング加工では、図11(B1)、(B2)の左端に断面図で示すように金属板であるアルミニウム板1の状態で予め連結部42になる部分をチップ41となる部分より薄く設計する。好ましくは予め連結部分の厚みを、陽極酸化により形成する酸化皮膜厚みの2倍以下に設計する。薄く設計する、または陽極酸化により形成する酸化皮膜厚みの2倍以下にするには、ルーティング加工と同様の各種の加工方法を行うことができる。連結部42になる部分を薄く設計しておけば、図11(B1)、(B2)の中央に断面図で示すように、陽極酸化処理後は、陽極酸化皮膜である絶縁膜は連結部の厚さのほとんどの部分を占めるように陽極酸化することができる。例えば図11(B1)、中央の図で示すように切り離し跡45のアルミニウム部分はごくわずかな厚さとなる。また、図11(B2)、中央の図で示すように連結部はその厚さのすべてが陽極酸化される。このような連結部を切り離すと、図11(B1)、(B2)の右端の図に示すように、個別のチップの切り離し跡45の陽極酸化されていない部分はごく少し[図11(B1)右端]になるか、全くない[図11(B2)右端]個別のチップ41が得られる。
【0089】
5.<陽極酸化処理>
以上のように表面処理され、加工されたアルミニウム板に、更に、陽極酸化処理を施す。陽極酸化処理により、アルミナからなる陽極酸化皮膜がアルミニウム板の表面に形成され、多孔質、あるいは、非孔質の表面絶縁層が得られる。
【0090】
陽極酸化処理は、従来行われている方法で行うことができる。この場合、例えば、硫酸濃度50〜300g/Lで、アルミニウム濃度5質量%以下の水溶液中で、アルミニウム板を陽極として通電して陽極酸化皮膜を形成させることができる。陽極酸化処理に用いられる溶液としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、ホウ酸、等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0091】
この際、少なくともアルミニウム板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分が電解液中に含まれていても構わない。更には、第2、第3の成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、第3の成分としては、例えば、Na、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオン;アンモニウムイオン等の陽イオン;硝酸イオン、炭酸イオン、塩化物イオン、リン酸イオン、フッ化物イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、ホウ酸イオン等の陰イオンが挙げられ、0〜10000ppm程度の濃度で含まれていてもよい。
【0092】
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間15秒〜50分であるのが適当であり、所望の陽極酸化皮膜量となるように調整される。
【0093】
また、特開昭54−81133号、特開昭57−47894号、特開昭57−51289号、特開昭57−51290号、特開昭57−54300号、特開昭57−136596号、特開昭58−107498号、特開昭60−200256号、特開昭62−136596号、特開昭63−176494号、特開平4−176897号、特開平4−280997号、特開平6−207299号、特開平5−24377号、特開平5−32083号、特開平5−125597号、特開平5−195291号の各公報等に記載されている方法を使用することもできる。
【0094】
中でも、特開昭54−12853号公報および特開昭48−45303号公報に記載されているように、電解液として硫酸水溶液を用いるのが好ましい。電解液中の硫酸濃度は、10〜300g/Lであるのが好ましく、また、アルミニウムイオン濃度は、1〜25g/Lであるのが好ましく、2〜10g/Lであるのがより好ましい。このような電解液は、例えば、硫酸濃度が50〜200g/Lである希硫酸に硫酸アルミニウム等を添加することにより調製することができる。
【0095】
硫酸を含有する電解液中で陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板と対極との間に直流を印加してもよく、交流を印加してもよい。アルミニウム板に直流を印加する場合においては、電流密度は、1〜60A/dm2であるのが好ましく、5〜40A/dm2であるのがより好ましい。連続的に陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板の一部に電流が集中していわゆる「焼け」が生じないように、陽極酸化処理の開始当初は、5〜10A/dm2の低電流密度で電流を流し、陽極酸化処理が進行するにつれ、30〜50A/dm2またはそれ以上に電流密度を増加させるのが好ましい。連続的に陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板に、電解液を介して給電する液給電方式により行うのが好ましい。
【0096】
陽極酸化皮膜が多孔質である場合、その平均ポア径が5〜1000nm程度であり、平均ポア密度が1×106〜1×1010/mm2程度である。
【0097】
陽極酸化皮膜の厚さは1〜200μmであるのが好ましい。1μm未満であると絶縁性に乏しく耐電圧が低下し、一方、200μmを超えると製造に多大な電力が必要となり、経済的に不利となる。陽極酸化皮膜の厚さは、2〜100μmであるのがより好ましい。
【0098】
陽極酸化処理に用いられる電解装置としては、特開昭48−26638号、特開昭47−18739号、特公昭58−24517号の各公報等に記載されているものを用いることができる。中でも、図3に示す装置が好適に用いられる。図3は、アルミニウム板の表面を陽極酸化処理する装置の一例を示す概略図である。陽極酸化処理装置410において、アルミニウム板416は、図3中矢印で示すように搬送される。電解液418が貯溜された給電槽412にてアルミニウム板416は給電電極420によって(+)に荷電される。そして、アルミニウム板416は、給電槽412においてローラ422によって上方に搬送され、ニップローラ424によって下方に方向変換された後、電解液426が貯溜された電解処理槽414に向けて搬送され、ローラ428によって水平方向に方向転換される。ついで、アルミニウム板416は、電解電極430によって(−)に荷電されることにより、その表面に陽極酸化皮膜が形成され、電解処理槽414を出たアルミニウム板416は後工程に搬送される。前記陽極酸化処理装置410において、ローラ422、ニップローラ424およびローラ428によって方向転換手段が構成され、アルミニウム板416は、給電槽412と電解処理槽414との槽間部において、前記ローラ422、424および428により、山型および逆U字型に搬送される。給電電極420と電解電極430とは、直流電源434に接続されている。
【0099】
図3の陽極酸化処理装置410の特徴は、給電槽412と電解処理槽414とを1枚の槽壁432で仕切り、アルミニウム板416を槽間部において山型および逆U字型に搬送したことにある。これによって、槽間部におけるアルミニウム板416の長さを最短にすることができる。よって、陽極酸化処理装置410の全体長を短くできるので、設備費を低減することができる。また、アルミニウム板416を山型および逆U字型に搬送することによって、各槽412および414の槽壁432にアルミニウム板416を通過させるための開口部を形成する必要がなくなる。よって、各槽412および414内の液面高さを必要レベルに維持するのに要する送液量を抑えることができるので、稼働費を低減することができる。
【0100】
<封孔処理>
本発明においては、必要に応じて陽極酸化皮膜が多孔質の場合、存在するマイクロポアを封じる封孔処理を行ってもよい。封孔処理は、沸騰水処理、熱水処理、蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等の公知の方法に従って行うことができる。例えば、特公昭56−12518号、特開平4−4194号、特開平5−202496号、特開平5−179482号の各公報等に記載されている装置および方法で封孔処理を行ってもよい。
【0101】
<水洗処理>
上述した各処理の工程終了後には水洗を行うのが好ましい。水洗には、純水、井水、水道水等を用いることができる。処理液の次工程への持ち込みを防ぐためにニップ装置を用いてもよい。
【0102】
6.<その他>
その他、本発明の光反射基板においては、必要に応じて表面に種々の処理を施すことができる。
例えば、反射基板の白色性を高めるために、酸化チタン等の白色性絶縁性材料からなる無機絶縁層、白色レジスト等の有機絶縁層を設けても良い。
また、上記白色以外にも、例えば電着処理により、アルミナよりなる絶縁層に所望の色を着色することができる。具体的には、「陽極酸化」金属表面技術協会編.金属表面技術講座B(1969 PP.195〜207)、「新アルマイト理論」カロス出版(1997 PP.95〜96)等に記載されているような有色染色性のイオン種、具体的には、Coイオン、Feイオン、Auイオン、Pbイオン、Agイオン、Seイオン、Snイオン、Niイオン、Cuイオン、Biイオン、Moイオン、Sbイオン、Cdイオン、および・またはAsイオンを電解液に混入して、電解処理することにより、着色が施される。
【0103】
また、同様にアルミナよりなる絶縁層に、更に絶縁性及び高反射性を高めるため、例えば、特開平6−35174号公報の段落[0016]〜[0035]に記載されているような、ゾルゲル法による層を設けることもできる。ゾルゲル法とは、一般に金属アルコキシドからなるゾルを加水分解・重縮合反応により、流動性を失ったゲルとし、このゲルを加熱して酸化物層(セラミック層)を形成する方法である。
本発明において用いられる金属アルコキシドは、特に限定されないが、厚さが均一性の良い層を形成させる観点から、Al(O−R)n、Ba(O−R)n、B(O−R)n、Bi(O−R)n、Ca(O−R)n、Fe(O−R)n、Ga(O−R)n、Ge(O−R)n、Hf(O−R)n、In(O−R)n、K(O−R)n、La(O−R)n、Li(O−R)n、Mg(O−R)n、Mo(O−R)n、Na(O−R)n、Nb(O−R)n、Pb(O−R)n、Po(O−R)n、Po(O−R)n、P(O−R)n、Sb(O−R)n、Si(O−R)n、Sn(O−R)n、Sr(O−R)n、Ta(O−R)n、Ti(O−R)n、V(O−R)n、W(O−R)n、Y(O−R)n、Zn(O−R)n、Zr(O−R)n、等が挙げられる(文章中Rは、置換基を有してもよい、鎖状、分枝状、または、環状の、炭化水素基、nは任意の自然数を示す。)。中でも、本発明の好ましい態様として、絶縁層がアルミニウムの陽極酸化層であるので、アルミナとの反応性に優れ、ゾルゲル層形成性に優れた、Si(O−R)n系がより好ましい。
なお、ゾルゲル層を形成する方法としては特に限定されないが、層の厚さを制御する観点から、ゾル液を塗布して加熱する方法が好ましい。また、ゾル液の濃度としては、0.1〜90質量%が好ましく、1〜80質量%がより好ましく、5〜70質量%が特に好ましい。なお、層を厚くするために、繰り返し重ねて塗布しても良い。
また、本発明においてゾルゲル層を形成する際には、その厚さは、高反射率、絶縁性の観点から、0.01μm〜20μmが好ましく、0.05μm〜15μmがより好ましく、0.1μm〜10μmが特に好ましい。この範囲より厚くなると、高反射率の観点から好ましくなく、この範囲より薄くなると絶縁性の観点から好ましくない。
【0104】
7.<光反射基板の利用>
本発明の光反射基板は、用いるLEDの種類、及び発光素子の形状、等に特に限定はなく、種々の用途に用いることができる。また、従来公知のLEDを用いる発光装置の光反射基板として用いることができる。
例えば、図5に示す基板140の代わりに本発明の光反射基板30を用いることで発光ユニット100の輝度を向上させることができる。
また、図7に示すように、本発明の絶縁層32と金属層33とを有する光反射基板30上に青色LED22を設置し、公知の樹脂24で封止し、その上部に蛍光発光体を有するバルブ金属の陽極酸化層である微細構造体26(蛍光発光ユニット)を備える構成の蛍光発光素子としてもよい。これらの蛍光発光素子については、特願2009−134007号明細書、特願2009−139261号明細書に記載されている。
図9は、絶縁層32とそれに接して設けられる金属層33を有する本発明の光反射基板30上に載置された発光ダイオード等の素子37を蛍光粒子150を有する透明樹脂160で封止した蛍光発光ユニット100を示す断面図である。素子37は光反射基板30上にダイボンデイング等で載置され、光反射基板30にはスルーホール35が設けられ、素子37の下部に位置する金属層33は、他の基板部分より厚みがある形状に成型されヒートシンク39としてもよい。好ましくは絶縁層32はアルミニウム金属層33の陽極酸化被膜であり、スルーホール内部も陽極酸化されて絶縁層を形成する。素子37はワイヤボンデイングされて外部電極120,130と電気的に接続する。本発明の光反射基板30は、特定の波長における全反射率が高いので、これを基板として用いる蛍光発光ユニット100の輝度が高い。
【0105】
発光ダイオード素子37は、基板上にGaAlN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として形成させたものが用いられる。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やPN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構造のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を紫外光から赤外光まで種々選択することができる。
透明樹脂160の材質は熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂のうち、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種により形成することが好ましく、特にエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂が好ましい。透明樹脂160は、素子37を保護するため硬質のものが好ましい。また、透明樹脂160は、耐熱性、耐候性、耐光性に優れた樹脂を用いることが好ましい。透明樹脂160は、所定の機能を持たせるため、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、紫外線吸収剤、酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種を混合することもできる。
蛍光粒子150は、素子37からの光を吸収し異なる波長の光に波長変換するものであればよい。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体・βサイアロン系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類硫化物蛍光体、アルカリ土類チオガレート蛍光体、アルカリ土類窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。
【0106】
上記のように、本発明の光反射基板は、紫外〜青色LEDとそれを吸収し可視光領域で蛍光を発する蛍光発光体とを用いた蛍光体混色型白色系LED発光素子の光反射基板として用いることもできる。
これらの蛍光発光体が青色LEDからの青色光を吸収して蛍光(黄色系蛍光)を生じ、この蛍光と青色LEDの残光とにより、発光素子から白色系光が発光される。
上述した方式は、青色LED光源1チップと黄色蛍光体1種とを組み合わせたいわゆる「擬似白色発光型」であるが、このほかにも、例えば紫外〜近紫外LED光源1チップと赤色/緑色/青色蛍光体等を数種組み合わせた「紫外〜近紫外光源型」、及び、赤色/緑色/青色3光源で白色発光させる「RGB光源型」、等の公知の発光方法を用いる発光ユニットの発光素子の基板に本発明の光反射基板を用いることができる。
【0107】
また、本発明の基板は、後述するLEDへの電気信号伝送のための金属配線層形成加工、パターン加工、LED実装部への金属層形成加工等、後処理にて使用する各種溶剤に対応させるべく、保護処理を施すことができる。
【0108】
具体的には、保護処理は、特開2008−93652号公報、特開2009−68076号公報等に記載のように、陽極酸化皮膜表面の親/疎水性(親/疎油性)の性質を適宜変えることができるほか、酸/アルカリ等に耐性を付与する方法も、適宜用いることができる。
【0109】
8.<金属配線層の形成>
本発明に関わる反射基板においては、LEDを実装するにあたり、実際にLEDへ電気信号を伝送するための金属配線層を設けることができる。
【0110】
材料としては、電気を通す素材であれば特に制限はなく、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、等の金属素材が好ましく、単独種類で使用してもよく複数素材で使用してもよい。
【0111】
金属層の厚さとしては、導通信頼性及び、パッケージのコンパクト性の観点から、厚みは0.5μm〜1000μmが好ましく、1μm〜500μmがより好ましく、5μm〜250μmが特に好ましい。
【0112】
上述した金属層の形成方法としては、電解めっき処理、無電解めっき処理、置換めっき処理、等の種々めっき処理、スパッタリング処理、蒸着処理、金属箔の真空貼付処理、接着層を設けての接着処理、等が挙げられるが、耐熱性が高い観点から、金属のみの層形成であることが好ましく、厚膜/均一形成化、及び高密着性の観点から、めっき処理による層形成が特に好ましい。
【0113】
こうして形成された金属配線層は、LED実装の設計に応じ、公知の方法でパターン形成される。また、実際にLEDが実装される箇所には、再度金属層(半田も含む)を設け、熱圧着や、フリップチップ、ワイヤボンディング等で、接続しやすいように適宜加工することができる。
好適な金属層としては、半田、あるいは、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、等の金属素材が好ましく、加熱によるLEDの実装の観点では、半田、あるいは、Niを介してのAu、Agを設ける方法が、接続信頼性の観点から好ましい。
【0114】
また、これらの実装方法は加熱による実装を伴うが、半田リフローを含めての熱圧着、およびフリップチップによる実装方法では、均一かつ確実な実装を施す観点から、最高到達温度は220〜350℃が好ましく、240〜320℃がより好ましく、260〜300℃が特に好ましい。またこれらの最高到達温度を維持する時間としては、同観点から2秒〜10分が好ましく、5秒〜5分がより好ましく、10秒〜3分が特に好ましい。
また同加熱処理における本発明基板の、アルミ層とアルミ陽極酸化層の熱膨張率差に起因するアルミ陽極酸化層へのクラック発生を抑止する観点から、上記最高到達温度に到達する前に、所望の一定温度で5秒〜10分、より好ましくは10秒〜5分、特に好ましくは20秒〜3分、の熱処理を施す方法をとることもできる。この場合所望の一定温度としては、80〜200℃であることが好ましく、100〜180℃がより好ましく、120〜160℃が特に好ましい。これらの温度・時間未満であると素子の実装が不十分となる恐れがあり、これらの温度・時間超であると基板が劣化する恐れがある。
【0115】
またワイヤボンディングでの実装時の温度としては、上述同様に確実な実装を施す観点から、80〜300℃が好ましく、90〜250℃がより好ましく、100〜200℃が特に好ましい。加熱時間としては、2秒〜10分が好ましく、5秒〜5分がより好ましく、10秒〜3分が特に好ましい。これらの温度・時間未満であるとワイヤボンディングが不十分となる恐れがあり、これらの温度・時間超であると基板が劣化する恐れがある。
【実施例】
【0116】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1〜6ならびに比較例1)
1.アルミ反射基板の作製
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.005質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理に供し、アルミ反射基板を得た。
【0117】
表面処理は、以下の(a)〜(j)の各種処理のうち、第1表(その1)に「○」で示されるものを第1表の左から順に連続的に行うことにより行った。なお、各処理および水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
【0118】
(a)機械的粗面化処理
図4に示したような装置を使って、研磨剤(パミス)と水との懸濁液(比重1.12)を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図4において、1はアルミニウム板、2および4はローラ状ブラシ、3は研磨スラリー液、5、6、7および8は支持ローラである。研磨剤の平均粒径は40μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
【0119】
(b)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0120】
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0121】
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図1に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図2に示すものを使用した。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0122】
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を1.0g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成した凹凸のエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0123】
(f)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0124】
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は図1に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図2に示すものを使用した。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0125】
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.1g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成した凹凸のエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0126】
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
【0127】
得られた表面処理アルミニウム板に、ドリルでスルーホール加工し、また、ルーティング加工で、最終サイズ3.2mm×2.8mmの個片とした。各サイズはその後の陽極酸化による体積膨張分を予め測定しておき、その分を加味して加工した。
【0128】
(j)陽極酸化処理
図3に示す構造の陽極酸化装置を用いて陽極酸化処理を行った。第1および第2電解部に供給した電解液としては、シュウ酸を用いた。電解液は、いずれも、シュウ酸濃度60g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度38℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜の厚さは10μmであった。
【0129】
(実施例7)
上記1.アルミ反射基板の作製 において、(j)陽極酸化処理を、以下の方法とした以外は、実施例6と同様の処理を施した。
すなわち、硫酸濃度60g/L、温度15℃で、25V定電圧にて70分間処理を施し、その後、濃度30g/Lのホウ酸、濃度20g/Lの四ホウ酸ナトリウム、の混合水溶液にて、温度20℃で5分間処理し、厚さ9μm厚さの陽極酸化皮膜を形成した。
【0130】
(実施例8)
上記で得られた実施例7の基板の陽極酸化皮膜上に、(k)酸化物層形成処理として、更に以下記載の塗布液(A)を塗布厚1μmとなるように塗布し、100℃で1分間加熱処理を施しゾルゲル層を形成した。
塗布液(A)
・テトラエチルオルソシリケート 50.00g
・濃硝酸 0.05g
・純水 21.60g
・メタノール 10.80g
【0131】
(実施例9)
上記で得られた実施例7の基板の陽極酸化皮膜上に、(k)酸化物層形成処理として、更に以下記載の塗布液(B)を塗布厚1μmとなるように塗布し、100℃で1分間加熱処理を施しゾルゲル層を形成した。
塗布液(B)
・テトラエチルオルソシリケート 50.00g
・濃硝酸 0.05g
・酸化チタン 1.00g
・純水 21.60g
・メタノール 10.80g
【0132】
(比較例1)
実施例1で用いたアルミニウム板を用い、(j)の陽極酸化処理のみを行った。
【0133】
2.多孔質アルミナ光反射基板の表面形状の測定
上記で得られた光反射基板の表面の凹凸について、下記(1)〜(3)の測定を行い、大波構造、中波構造および小波構造の各平均波長を算出した。
結果を第1表に示す。なお、第1表中、「−」は、該当する平均波長の凹凸がなかったことを示す。
【0134】
(1)大波構造の平均波長
触針式粗さ計(sufcom575、東京精密社製)で2次元粗さ測定を行い、ISO4287に規定されている平均山間隔Smを5回測定し、その平均値を平均波長とした。
2次元粗さ測定は、以下の条件で行った。
<測定条件>
カットオフ値0.8mm、傾斜補正FLAT−ML、測定長3mm、縦倍率10000倍、走査速度0.3mm/sec、触針先端径2μm
【0135】
(2)中波構造の平均波長 SEMを用いて多孔質アルミナ担体の表面を真上から倍率2000倍で撮影し、得られたSEM写真において凹凸の周囲が環状に連なっている中波構造の凹凸を50個抽出し、その直径を読み取って波長とし、平均波長を算出した。
【0136】
(3)小波構造の平均波長
高分解能SEMを用いて多孔質アルミナ担体の表面を真上から倍率50000倍で撮影し、得られたSEM写真において小波構造の凹凸を50個抽出し、その直径を読み取って波長とし、平均波長を算出した。
【0137】
3.多孔質アルミナ光反射基板の表面形状のファクターの算出
上記で得られた多孔質アルミナの表面についてΔSを求めるために、原子間力顕微鏡(SP13700、セイコー電子工業社製)により表面形状を測定し、3次元データを求めた。以下、具体的な手順を説明する。
多孔質アルミナを1cm角の大きさで、ピエゾスキャナー上の水平な試料台にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際、試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位でとらえた。ピエゾスキャナーは、XY方向について150μm、Z方向について10μm、走査可能なものを使用した。カンチレバーは共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜20N/mのもの(SI−DF20、NANOPROBE社製)を用い、DFMモード(DynamicForce Mode)で測定した。また、求めた3次元データを最小二乗近似することにより試料のわずかな傾きを補正し基準面を求めた。
計測の際は、表面の50μm□を512×512点測定した。XY方向の分解能は1.9μm、Z方向の分解能は1nm、スキャン速度は60μm/secとした。
上記で求められた3次元データ(f(x,y))を用い、隣り合う3点を抽出し、その3点で形成される微小三角形の面積の総和を求め、実面積Sxとした。表面積差ΔSは、得られた実面積Sxと幾何学的測定面積S0(50μm×50μm)とから、上記式(1)により求めた。
結果を第1表(その2)に示す。
【0138】
4.光反射率の測定
得られた実施例、比較例の光反射基板は、300〜700nmの全反射率を計測するため、エックスライト社製SP60を用いて10nm毎に計測した。結果を図6および図8に示す。
【0139】
5.LED素子実装ユニットでの輝度評価
上記のようにして得られた実施例、比較例の光反射基板を用いて、以下のようにして、蛍光体混色型の白色系LED発光ユニットの輝度評価を行なった。
すなわち、図5に示す発光ユニット100の青色LED110に接する形で、各実施例、比較例の光反射基板を、光反射基板140として設け、青色LED110を6Vで駆動させた際の各発光ユニットの輝度を比較した。
その結果、実施例1の微細構造体を光反射基板として用いた発光ユニットは、比較例1の基板を用いた発光ユニットと比較して、1.1〜1.3倍の輝度向上効果が得られた。
【0140】
【表1】

【0141】
【表2】

【0142】
6.LED素子実装ユニットでの光指向性評価
上記5と同様に、得られた実施例、比較例の光反射基板を用いて、蛍光体混色型の白色系LED発光ユニットを製造し、光反射基板の光指向性評価を行った。すなわち、マルチ分光ゴニオフォトメータを用いて、反射光測定視野角を175度、および、120度とした際の400〜700nmの反射率の平均を求めた。結果を表3に示す。一般にLED発光部材は、発光面に対し、垂直方向への指向性を高める設計が求められており、本発明の実施例の光反射基板を用いた発光ユニットは、視野角度依存性が小さく(視野角で反射率の差が小さい)光反射特性に優れている。
【0143】
【表3】


(実施例10)
6.LED実装用(下層)基板とスルーホール(上層)基板とを作成し2枚の基板を重ねたLED素子実装ユニットの作成
LED実装用(下層)基板としては実施例1で製造した光反射基板を用いた。
スルーホール(上層)基板は、予めアルミニウム板に、ドリル加工によりスルーホール形成加工を行った以外は実施例1と同様の表面処理および陽極酸化処理を行ってスルーホール(上層)基板とした。具体的には、炭化タングステン素材のドリルを用い、1500rpm、加工時間20秒で厚さ0.24mmのアルミ材に0.5mmφのスルーホールを形成した。
上記で得た、2枚のアルミニウム光反射基板を、エポキシ系接着剤にて貼り合せた、その後、上記0.5mmφのスルーホールを中心に、3.2×2.8mmとなるようにダイシング処理により切り出し、キャビティ構造の実装基板を作成した。
上記キャビティ構造の実装基板のスルーホール内に0.3mm□の青色LED、及びこのLEDに電気信号を送付するための100μm幅の電気配線を設け、ワイヤボンディングにより接続し、LED素子実装ユニットを得た。
【符号の説明】
【0144】
1、11 アルミニウム板
2、4 ローラ状ブラシ
3 研磨スラリー液
5、6、7、8 支持ローラ
12 ラジアルドラムローラ
13a、13b 主極
14 電解処理液
15 電解液供給口
16 スリット
17 電解液通路
18 補助陽極
19a、19b サイリスタ
20 交流電源
22 青色LED
24 樹脂
26 蛍光発光ユニット
30、301、303 光反射基板
32、321 絶縁層
33、331 金属層
34 窪み(キャビティ)
35 スルーホール
36 金型
37 素子
39 ヒートシンク
40 主電解槽
41 チップ
42 連結部
43 切り離し部
45 切り離し跡
50 補助陽極槽
410 陽極酸化処理装置
412 給電槽
414 電解処理槽
416 アルミニウム板
418、426 電解液
420 給電電極
422、428 ローラ
424 ニップローラ
430 電解電極
432 槽壁
434 直流電源
100 発光ユニット
110 青色LED
120,130 電極
140 光反射基板
150 蛍光粒子
160 透明樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、絶縁層と、該絶縁層と接して設けられる金属層とを有する光反射基板において、320nm超〜700nm波長光の全反射率が50%以上であって、且つ、300nm〜320nm波長光の全反射率が60%以上であることを特徴とする、光反射基板。
【請求項2】
前記光反射基板の表面が、平均波長0.01〜100μmの凹凸を有する請求項1に記載の光反射基板。
【請求項3】
原子間力顕微鏡を用いて、前記光反射基板の前記表面の50μm×50μmの範囲を512×512点測定して得られる3次元データから近似三点法により求められる実面積Sxと、幾何学的測定面積S0とから、下記式(1)により求められる表面積差ΔSが5%以上90%以下である、請求項1または2に記載の光反射基板。
ΔS=[(Sx−S0)/S0]×100(%) (1)
【請求項4】
前記金属層がアルミニウムであり、前記絶縁層が該アルミニウムの陽極酸化皮膜である請求項1〜3のいずれかに記載の光反射基板。
【請求項5】
前記光反射基板が、発光素子の発光を発光観測面側に反射する光反射基板である請求項1〜4のいずれかに記載の光反射基板。
【請求項6】
前記金属層が窪みを持つ形状であり、前記絶縁層が窪みを持つ形状の表面に設けられている請求項1〜5のいずれかに記載の光反射基板。
【請求項7】
前記請求項1〜6のいずれかに記載の光反射基板の製造方法であって、
アルミニウム板を用意し、
該アルミニウム板の表面を粗面化し、
該粗面化した表面を陽極酸化処理して絶縁層を形成する、
光反射基板の製造方法。
【請求項8】
前記請求項1〜6のいずれかに記載の光反射基板の製造方法であって、少なくとも、
アルミニウム板を用意し、
該アルミニウム板の表面を粗面化した後、以下の(a)および(b)工程を任意の順序で行う、
(a)発光素子を設けるための配線用スルーホールを形成し、および、基板をチップ化するためのルーティング加工を施す工程、
(b)粗面化した表面を陽極酸化処理して絶縁層を形成する工程、
を有する光反射基板の製造方法。
【請求項9】
一方のアルミニウム基板は、少なくとも1つのスルーホールが形成され、他方のアルミニウム基板はスルーホールが形成されていない、請求項1〜4のいずれかに記載の光反射基板を少なくとも2枚重ねることにより形成される請求項6に記載の光反射基板。
【請求項10】
前記ルーティング加工において、複数のチップの周りにチップを個別に切り離すための切り離し部を設け、切り離し部の一部に複数のチップをアルミニウム板に連結する連結部を有するように加工する際に、予めアルミニウム板の連結部になる部分をチップとなる部分より板厚を薄く設計して、ルーティング加工でアルミニウム板に連結部を残して切り離し部を切り欠いて、その後アルミニウム板を陽極酸化処理した後に連結部を切り離して、切り離した後の個別のチップの厚さ方向に連結部が切り離された後に形成されるアルミニウム部分の面積を小さくし、または無くした、個別のチップを得るルーティング加工を有する請求項8に記載の光反射基板の製造方法。
【請求項11】
請求項8または10に記載の工程を経た後、以下の(c)および(d)工程を任意の順序で行う、請求項8または10に記載の光反射基板の製造方法:
(c)発光素子への電気信号伝送のための金属配線層を形成し、上記金属配線層をパターン化する工程と、
(d)発光素子を実装する部分に相当する電極部に再度金属層を設ける加工を施す工程。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれかまたは9に記載の光反射基板の上層に青色発光素子を有し、その周りおよび/または上部に蛍光発光体を備える白色系発光ダイオード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図6】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−205051(P2011−205051A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142402(P2010−142402)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】