説明

光学上信頼できるナノ粒子を基礎とする高屈折率ナノ複合封止材料と光導波材料

【課題】光学上信頼できる高屈折率を備えるナノ粒子を基礎とするナノ複合封止材料と光導波材料を提供する。
【解決手段】主に発光ダイオード(LED)とLEDを基礎とする発光装置に用いる光学上信頼できる高屈折率(HRI)を備える封止材料で、該材料はポリマーを基礎とする光導波に使用可能で、さらには光通信と光インターコネクト応用に使用可能な光学上信頼できる高屈折率を備える光導波核心材料である。該封止材料は有機官能基にコーティングされ、エポキシ樹脂あるいはシリコーンポリマーに分散される被処理ナノ粒子を含み、RIが1.7あるいはそれ以上の屈折率を備え、波長525nmの時にα<0.5cm−1の低数値の光吸収係数を示す。封止材料は組成上修正された二酸化チタンナノ粒子を使用し、それは高屈折率封止材料により大きな光分解抗性を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に固体照明のアプリケーションに関し、特に発光ダイオード(LED)やLEDを基礎とする発光装置に用いる光学上信頼できる高屈折率(HRI)を有する封止材料に関する。本発明はまた、ポリマーを基礎とする光導波に用い、さらには光通信と光インターコネクトのアプリケーションに使用可能な光学上信頼できる高屈折率を有する光導(lightguiding)のコア材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LEDはそのエネルギー効率の高さにより照明に応用され始め、特に元々はエネルギー効率が悪い白熱灯とハロゲンランプ等が使われていた特殊照明にも応用されている。現在では、主要な三種の方法により「白色光」LEDが生産されている。第一種は赤、緑、青色光(RGB)LEDを使用し、これに混色用の次級光学システム(secondary-optics)を加え、白色光を発するものである。この方法は良好な白色光効果を提供可能で、演色性(color rendering index,CRI)は約85で、しかもエネルギー効率が高い。しかし、同時に三組の異なるLEDを駆動する必要があるため複雑で、またより高価な駆動回路を必要とする。該複雑性は温度が上昇すると、各赤、緑、青色光LEDはかなり異なる効率衰減程度を示し、赤、緑、青色光LED間の使用寿命にも差があることに関係する。この他、高輝度(5mW〜1000mWのLEDランプ)の青色光と緑色光LEDは最近ようやく開発されたもので、しかも赤色光LEDに比べ割高である。
【0003】
第二種のLEDで白色光を得る方法は、高輝度の青色光LED(450nm〜470nm)を利用し、セリウム(cerium)をドープするイットリウムアルミニウムガーネット(Yttriumaluminum garnet、YAlG:Ce、YAG)等の黄色蛍光粉体(phosphor)を励起するものである。この方法はエネルギー効率が高く、低コストで製造可能であるが、白色光の色温(CT)はわずかに約7000Kで、しかもCRIも約70〜75に過ぎないため、多くの高品質アプリケーションに適用することはできない。より厚い蛍光体層を使用し、より多くの青色光を吸収し下方へと転換することで、色温を低下させ、白色光照明の品質を向上させることができるが、これではエネルギー効率を低下させてしまう。反対に、もし単一あるいは多数の蛍光体を使用し赤色に対応し照射するなら、やや黄色を帯びた緑色光(あるいはやや緑色を帯びた黄色光)は演色性を向上させ、しかも白色光の色温を約4000Kまで、CRIは約80〜85まで向上させることができる。しかし、エネルギー効率は比較的劣り、しかもパッケージを含む蛍光体の光学効率はおよそ50%〜60%で、これでは上記の状況においてより少ない光しか発しない。
【0004】
第三種のLEDで白色光を得る方法は、高輝度UV/青紫光LED(波長は370−430nmの範囲)を使用しRGB蛍光体を励起するものである。この方法は高品質の白色光を提供可能で、そのCRIは約90あるいはそれ以上である。同時にコストも低く、しかも信頼性が高い。蛍光体とLEDチップ/ベアチップを含む/囲む封止材料(encapsulant)は、UV/青紫光照射において劣化しないからである。赤色光LEDチップとUV/青紫光あるいは青色光LEDチップを比較すると、使用寿命がより短く、しかも室温上昇時の効率減少がより多いため、色彩維持の問題が発生し、しかも駆動回路はより複雑である。しかし、現在この種の方法の効率は非常に低く、よってUV/青紫光が励起可能なRGB蛍光体はより低い光転換効率しか備えない。この他、パッケージを含む蛍光体の光効率も約50%〜60%に過ぎず、発する光も少なくなってしまう。
【特許文献1】米国特許第3,877,052号明細書
【特許文献2】米国特許第6,432,526号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は各種LED/蛍光体操作の方式に応用可能で、青色光LEDとやや黄色を帯びた(あるいはRG)蛍光体、RGB蛍光体と紫外光(UV)LED、及び深紫外光(deep UV)LEDと「白色」蛍光管型態の蛍光体、及び赤、緑、青色光LEDを集め形成する「白色光」ランプを含む。本発明は各種蛍光体サイズ、つまり「バルク(bulk)」ミクロンサイズ蛍光体、及びナノ結晶の蛍光体(「ナノ蛍光体(nanophosphor)」の直径は100nm以下、40nm以下が最適)に応用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
先ず、LEDは空気中で作動するが、1975年に提出された米国特許第3,877,052号(発明者はDixon氏等)は屈折率(RI)が空気より大きい光学透明封止材料で包むLEDを使用し、LEDランプの光出力を強化する構造を教示する。これに続き、業界ではほとんどがRIが1.5のエポキシ類封止材料を採用している。RIが1.5の封止材料を採用するLEDランプが提供する光出力は、封止を採用しないランプの1.7倍〜2.3倍前後の照射係数を示し、LEDチップとランプのパッケージの細部により決定する。
【0007】
RIが1.5の封止材料は一般に硬化したアロマチックエポキシアンハイドライド(aromaticepoxy-anhydride)、硬化したサイクロアリファチックエポキシアンハイドライド(cycloaliphaticepoxy-anhydride)あるいはそれらの組合せ、及び硬化したエポキシアミン(epoxy-amine)等の多くの化学物質を含む。最近では、RIが1.5のシリコーンサイクロアリファチックエポキシ合成物封止材料(Silicone-cycloaliphatic epoxy hybrid encapsulant)と反応性シリコーン(reactive-Silicone)を基礎とする弾性体(Silicone basedelastomer)あるいはジェル封止材料をさらに含み、青色光/青紫光/UV照射波長において、温度と光線が導致する変色により、最適の抗性を提供することができる。
【0008】
RIが1.6以上の封止材料を製造するため、高屈折率酸化物(酸化チタン/酸化ビスマス及び酸化シリコン等)を含む合金のORMOCER(有機改良セラミック)に基づき、その中においてシリコンを含む分子のポリマー官能基が製造する封止材料に散布粘着し、RIが2.0の薄膜を得ることができる。しかし、厚み(1mmあるいはさらに厚く)の達成に問題がある。これは圧力が引き起こす破裂が薄膜厚を100ミクロン以下に抑えてしまうためである。さらに緑色光と青色光波長下の光学吸収係数は高いため、光学透明性を得ようとするなら、薄膜厚は数十ミクロンの範囲に留めなければならない。
【0009】
米国特許第6,432,526号が提出する高屈折率ナノ粒子を基礎とするナノ複合材料有機セラミック(Nanocomposite Ceramer)を有機母体(matrix)内に分散する方法は、そのRI値は1.65あるいは1.7より大きいが、光学透明性は劣る。しかし本発明は改良したナノ粒子合成製造工程、及び改良したナノ粒子官能基コーティング製造工程(functional group coating)の組合せにより、エポキシと反応性シリコーンを基礎とするナノ複合材料有機セラミック中においてより高い光学透明性を獲得した。
【0010】
我々は緑色光あるいは青色光に近いLEDチップの色飽和度の光衰減特性において、室温下1000時間で65%以上のルーメン(lumen)の信頼性要求を維持することはできないことを発見した。そのため、我々が開発した改良組成のナノ粒子(ナノ粒子合成製造工程あるいはナノ粒子官能基コーティング製造工程中に第二族(Group II)元素を加える)はナノ複合材料有機セラミックの光衰減抗性を強化することができる。この他、我々は以下の方法を開発した。すなわち、改良組成のナノ粒子(ナノ粒子合成製造工程あるいはナノ粒子官能基コーティング製造工程中に第二族(Group II)元素)を加え、ナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間において、より大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化アルミニウムあるいは酸化シリコン等)の外殻コーティングを備えるシリコーン母体を基礎とするナノ複合材料有機セラミックを特別に製造した。もしナノ粒子が組成の上で改良されていれば、ナノ粒子はナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間において、より大きなエネルギーバンドギャップ材料の外殻コーティング(酸化シリコン)を備え、シリコーン母体を基礎とし、しかも光学透明のナノ複合材料である有機セラミックを選択的に達成することができる。
【0011】
我々はナノ複合材料有機セラミックは100℃あるいはさらに高温度下(1000時間の放置信頼度テスト)のLEDランプルーメン出力の熱衰減度はかなりの程度で抑制されることを発見した。よって本発明の改良組成のナノ複合材料有機セラミックは強化された光熱衰減抗性を提供することができる。この他、シリコーン母体を基礎とする改良ナノ複合材料有機セラミックはエポキシ類母体を基礎とする改良ナノ複合材料有機セラミックに比べ、強化された光熱衰減抗性を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
上記のように、本発明は発光ダイオード(LED)とLEDを基礎とする発光装置に用いる光学上信頼できる高屈折率(HRI)を備える封止材料に関連し、同様にポリマーを基礎とする光導波に用い、さらには光通信と光インターコネクトのアプリケーションに使用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明への理解を深めるため、以下に図表と実施方式を合わせて説明する。
【0014】
本発明はコーティング有機官能基を含み、エポキシ樹脂あるいはシリコーンポリマーに分散される被処理ナノ粒子の製造と使用に関連し、RIが1.7あるいはそれ以上の屈折率を示し、波長が525nmの時α<0.5cm−1の低数値の光吸収係数を示す。高屈折率(high refractive index,HRI)封止材料は硬化時に80℃〜100℃において数時間アニーリングと高温放置信頼度テスト100℃下において数mmの層の厚みを達成し、破裂しない。これは文献中で言う光ナノ複合材料の硬化後にわずかに0.01mmのオーダーの厚みしか備えず、α>1cm−1の特性とは異なり、よって後者はLEDランプを使用することはできない。なぜならそのLEDチップの厚みは少なくとも0.1mmあるからである。
【0015】
本発明はまた組成上改良した二酸化チタン(TiO)ナノ粒子の製造と使用に関連し、HRI封止材料に525nmと460nmの波長下においてHRI封止材料に応用する従来のTiOナノ粒子に比べ大きい光衰減抗性(300倍以上)を与える。組成上改良したTiOナノ粒子は第二族(Group II)の原子/イオンをナノ粒子内(バルクドーピング)あるいはその表面(表面ドーピングあるいは表面コーティング)に備える。「ドーピング(doping)」が表面で発生したのか、あるいはナノ粒子を貫通したのかが不明であるため、ここでは「被処理(treated)」という言葉を用いこれら粒子を表現する。表面上の第二族原子は酸化物あるいは水素酸化物(例えば、下記に述べるMg濃度でのMgOアイランド)である。この他、組成上改良したナノ粒子(ナノ粒子合成製造工程あるいはナノ粒子官能基コーティング製造工程中に第二族元素を加える)はより大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化アルミニウムあるいは酸化シリコン)を備える外殻コーティングで、ナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間に位置し、シリコーン母体を基礎とするHRIナノ複合材料を特別に達成することができる。ここで言う酸化シリコンとは一般にSiOを指し、SiOあるいはSiOでも良く、これはナノサイズの範囲はどの種の酸化物であるかを決定することが難しいためである。
【0016】
高RIとLED放射波長より大きいエネルギーバンドギャップを備えるその他材料(酸化物、窒化物あるいは硫化物)のナノ粒子は使用可能であるが、硫化物、セレン化物(Selenide)とテルル化物(Telluride、つまりChalcogenide)等のナノ粒子は、光化作用により衰減し易い(より大きなエネルギーバンドギャップ材料である酸化アルミニウムあるいは酸化シリコンの内の一つの外殻コーティングを、ナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間に配置する必要がある)。
【0017】
図1は、NLCの改良組成のTiOナノ粒子とNLCの従来のTiOナノ粒子を基礎とするエポキシ類母体を基礎とするナノ複合HRI封止材料のルーメン維持特性を比較する。525nm低電力LEDランプにおいて、それぞれ1000ワットと3時間以下の90%ルーメンを維持する。比較的高い光衰減抗性は525nm以下に低下した光吸収率を結合したためである。図中、二種のTiOナノ粒子サンプルのUV−可視光反射スペクトラムから分かるように、なお光を発生する電子−正孔対の再結合ライフサイクルが低下するためである。この二つの効果はナノ粒子表面上で反応を引き起こす光発生キャリア濃度を低下させ、ナノ複合材料の光暗化(optical darkening)結果の原因となる。
【0018】
ナノ粒子成長の過程において、第二族を含む化合物を備える組成上改良したTiOナノ粒子を反応物に加え、あるいはナノ粒子の有機官能基コーティングの過程において第二族を含む化合物を反応物に加え、この二者のルーメン維持特性と第二族とTiO分子の比率の数値は相互に近接する。
【0019】
ナノ粒子成長の過程において第二族を含む化合物を反応物に加える製造工程は、ナノ粒子の有機官能基コーティングの過程において第二族を含む化合物を反応物に加える製造工程と比較すると、前者は第二族の濃度が増加する中、さらに再度製造可能で、さらに高い透明性を備えるHRI材料を提供することができる。これは第二族を含む化合物のその他化学成分は有機官能基コーティング製造工程をかく乱するためで、第二族を含む化合物の濃度が比較的高い状況において溶液のpH値を改変する。
【0020】
図2は、NLCの現行エポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料の525nm波長の低電力LED照射下における、及び現行エポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料の460nm波長の低電力白色光LED照射下におけるルーメン維持特性を示す。現行エポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料は525nm波長の低電力LED照射下で90%のルーメン維持特性を1000時間超えていることを示す。これと、現行エポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料の460nm波長の低電力白色光LED照射下におけるわずか20時間の90%ルーメン維持特性と対比を形成する。これはTiOナノ粒子は460nm波長下で525nmに比べ比較的高い光吸収性を備えるためで、エポキシ類母体の化学反応はナノ粒子が引き起こす光催化作用により光学吸収発色団(chromophore)を発生する。
【0021】
注意を要する点は、組成上改良したTiOナノ粒子を基礎とするエポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料は、460nm波長のルーメン維持において、従来のTiOナノ粒子を基礎とするエポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料の525nm波長下のルーメン維持より優れ(90%ルーメン維持20時間より3時間少ない)。従来のTiOナノ粒子を基礎とするエポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料は460nm波長下の90%ルーメン維持は5分間に満たない。HRIナノ複合封止材料は525nm波長LED(SMD)ランプに用い、約25%のLED特性向上を提供することができ、さらにプラグ効率(wall-plug efficiency,WPE)と光電力出力を向上させることができる。
【0022】
図3は、NLCの現行シリコーン母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料の460nm波長の高効率低電力青色光LED照射下のルーメン維持特性を示す。現行シリコーン母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料は460nm波長の高効率低電力青色光LED照射下において、1000時間を超過する95%以上ルーメン維持特性を示す。図中では、初期150時間だけを示す。これと類似の状況において、NLCの現行エポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料の460nm波長の低電力青色光LED照射下の90%ルーメン維持が1時間以下であることを対比を形成する。シリコーン母体の化学不活性はエポキシ類母体のそれと比較すると、ナノ複合材料中において光学吸収発色団発生の可能性をより予防することができる。前記のように、従来のTiOナノ粒子を基礎とするエポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料の460nm波長下の90%ルーメン維持は5分間に満たない。
【0023】
現行シリコーン母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料は525nm波長の高効率低電力青色光LED照射下では、1000時間を超過する95%以上ルーメン維持特性を示す。
【0024】
注意を要する点は、より大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化アルミニウムあるいは酸化シリコン)の一つの外殻コーティングをナノ粒子とカプラー/分散剤コーティングとの間に有しても、従来のTiOナノ粒子が光学透明のシリコーン母体を基礎とするナノ複合材料を発生しないことである。光学透明のシリコーン母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料を得るために、ナノ粒子は組成上改良したナノ粒子でなければならない他、しかも(ここでは強調)ナノ粒子はより大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化シリコン)である外殻コーティングをナノ粒子とカプラー/分散剤コーティングの間に有することが必要である。
【0025】
注意を要する点は、青色光LEDランプに用いる460nmチップは図2中の白色光LEDチップに用いる対応する460nmチップに比べより高い効率を備えるため、図3のHRI封止材料は比較的高い460nm光強度に耐えることである。
【0026】
HRIナノ複合封止材料を基礎とする白色光LEDランプをYAG:Ce蛍光体に加え、広い角度(すなわち、すべての角度において)で比較的高い全体光電力が測定され、よって比較的高い発光効率(Luminous Efficacy)がある。この点は既に積分球面測定(integratingsphere measurement)により証明されており、比較的高い輝度を表示することができる(すなわち、キャンドルパワーレベルの輝度)。HRI封止材料を基礎とするランプは従来の封止材料を基礎とするランプより、類似の白色光放射下において、少なくとも40%高い光電力を呈する。
【0027】
マグネシウムにより処理されたTiO粒子の製造
一回の量が10gmのTiO粒子を製造するため、四本の小さなガラス瓶を使用し、該各本はAlfa(99%)の10gmのチタン酸ブトキシド(Titanium(IV)Butoxide,TBT)とAldrichの3.5gmの氷酢酸(Glacial Acetic Acid)を含む。該各本のガラス瓶は2〜3分間回転され、均一な溶液となる。これらガラス瓶はParr Instrumentの高圧反応器(reactor)内に入れる。マグネシウム(magnesium)処理済みのサンプルに対して、マグネシウム塩は先に酢酸内で溶解され、次にTBTを加える。60mlのブタノール(Butanol)は反応器内のガラス瓶外に置かれ、反応中の副産品とする。もしブタノールが反応器内のガラス瓶外に置かれなければ、TiO粒子が出て来る時は乾燥しており、硬質塊の粒度分布を備え、コーティング不能で、しかも光学非散乱色散(non-scattering dispersion)を達成する。しかし、もしより多くの反応物を使用するなら、外部のブタノールは不要である。例えば、100gmのTBTと相対比例量のその他反応物等。反応器は閉鎖され、気体窒素により2分間洗浄され空気を除去される。続いて反応器初期圧力が200〜300psiの気体窒素を充填され、しかも230℃で2.5〜5時間加熱される。しかし、もしより多くの反応物を使用するなら、初期圧力がより低い気体窒素を使用することができる。例えば、100gmのTBTと相対比例量のその他反応物等。粒子が反応器を離れる時には、ヘキサン/ヘプタンにより洗浄し反応中に発生した副産品を除去する。粒子は遠心作用を経た後、2−ブタノン(2-Butanone)内に浮遊し、続いてコーティングの準備を行う。
【0028】
「実施例A」を製造するために、ここでは2wt%のマグネシウム(Mg)処理済みのTiOを指し、反応物の量は10gmのTBTで、Aldrich提供の99.999%の440mg酢酸マグネシウム(MagnesiumAcetate)、及び3.5gm氷酢酸である。「実施例B」を製造するため、ここでは3wt%Mg処理済みのTiOを指し、反応物の量は10gmのTBTで、Aldrich提供の99.999%の660mg酢酸マグネシウム(MagnesiumAcetate)、及び3.5gm氷酢酸である。Mg処理済みのTiO粒子の最大粒径は25nm以下で、こうして粒子は光学的に「目に見えない(非散乱)」であることを保証可能で、それらはLED放射の光の波長に比べ非常に小さく、同時に封止材料は高粒子「ローディング係数(loading factor)」を備える。この他、個別処理のTiO粒子は集合し、塊になったグループはかなり小さく(30−35nmあるいはさらに小さい)、完成した封止材料は光学非散乱で、該封止材料を採用するLEDランプは、光電力と実際効率強化された効果を達成することができる。
【0029】
Mg処理済みのTiOナノ粒子、より大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化アルミニウムあるいは酸化シリコン)を備える外殻コーティング(すなわち、コアシェルのナノ粒子で、Mg処理済みのTiO「コア」と酸化アルミニウムあるいは酸化シリコン「シェル」を備える)を製造するため、二段階の成長製造工程を採用する。上記反応物を含む高圧反応器は230℃で2.5〜5時間加熱され、Mg処理済みのTiOナノ粒子を成長させ、次に室温まで冷却する。続いて反応器を開け、アルミニウムブトキシド(Aluminum Butoxide)あるいはシリコンブトキシド(SiliconButoxide)を加え、均一に撹拌/混合し、これにより該各小ガラス瓶内にはTiOナノ粒子を含む。該各小ガラス瓶内に加えるアルミニウムブトキシド(Aluminum Butoxide)あるいはシリコンブトキシド(SiliconButoxide)の量はおよそ該各瓶中TBTの量の20〜40wt%である。反応器が閉鎖され、窒素により2分間洗浄され空気を除去され、続いて反応器に初期圧力が200〜300psiの気体窒素を充填され、しかも230℃で2.5〜5時間加熱される。しかし、もしより多くの反応物を使用するなら、初期圧力がより低い気体窒素を使用することができる。例えば、100gmのTBTと相対比例量のその他反応物等。Mg処理済みのTiOコア−シェルのナノ粒子が反応器を離れる時、ヘキサン/ヘプタンにより洗浄し反応中に発生した副産品を除去する。粒子は遠心作用を経た後、2−ブタノン(2-Butanone)内において浮遊し、次にコーティングの準備を行い、より大きなエネルギーバンドギャップ材料の外殻コーティングは性能を改善する。
【0030】
カプラー/分散剤により被処理TiOナノ粒子をコーティング
相対極性のメタクリレート官能基(Methacrylatefunctional-group)によりコーティングを行う。
【0031】
一般に被処理TiO粒子をコーティングする一回の作業中において、2個の小ガラス瓶のTiO粒子は結合され、およそ80mlの2−ブタノン内に5gmを有し、超音波振動を一時間行う。非プロトン性溶媒であるブタノン(Butanone)は本実施例において使用され、ここではアルコールと水の混合物のような水溶液を使用することができる。250μLの水及び続いて1.76mlのカプラー/分散剤(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(Methacryloxypropyltrimethoxysilane))を加えた後、70〜80℃で2時間撹拌する。この後、pH3〜4の125μlの酢酸を加えると、溶液は透明になる。代わりに、水酸化アンモニウム(Ammonium Hydroxide)を加え基本のpH値を得ることもできる。この溶液は室温下で、12〜24時間撹拌される。溶剤は回転濃縮機(rotovap)を利用し、70〜80℃において溶液から除去する。コーティングのTiO粒子は続いてヘプタン洗浄により残留しているカプラー/分散剤を除去する。洗浄後の粒子は続いて2−ブタノン内に分散され、全体積は50mlとなる。
【0032】
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(Methacryloxypropyltrimethoxysilane)以外に、その他のカプラー/分散に適した被処理TiO粒子は光学上透明なエポキシあるいは反応性シリコーンがあり、これらカプラー/分散剤はプロピルトリメトキシシラン(PropylTrimethoxySilane)、ブチルトリメトキシシラン(ButylTrimethoxySilane)、オクチルトリメトキシシラン(OctylTrimethoxysilane)、ドデシルトリエトキシラン(DodecylTriethoxysilane)、フェニル終端(Phenyl-terminated)のアルコキシラン類、アリル終端(Allyl-terminated)のアルコキシラン類、ビニル終端(Vinyl-terminated)のアルコキシラン類、オクチレン終端のアルコキシラン類(Octenyl-terminated)、プロペン終端のアルコキシラン類(Glycidyl-terminated)及びヘクサメチルジシラザーネ(HexaMethylDiSilazane)等のアルキル終端(Alkyl-terminated)のアルコキシシラン(AlkoxySilane)類である。上記製造工程はMg処理済みのコア−シェルのナノ粒子を用いることができ、Mg処理済みのTiO「コア」と酸化アルミニウムあるいは酸化シリコン「シェル」を備える。
【0033】
相対非極性のアルキル官能基(Alkyl functional-group)によりコーティングを行う。
【0034】
一般の相対非極性のアルキル官能基コーティングMg処理済みのコア−シェルのナノ粒子において、Mg処理済みのTiO「コア」と酸化アルミニウムあるいは酸化シリコン「シェル」の一回の作業中には2個の小ガラス瓶のTiO粒子は結合され、およそ80mlの2−ブタノン内に5gmを有し、超音波振動を一時間行う。非プロトン性溶媒であるブタノンは本実施例において使用され、ここではアルコールと水の混合物のような水溶液を使用することができる。250μLの水及び1.76mlのカプラー/分散剤(オクチルトリメトキシシラン(Octyltrimethoxysilane))を加えた後、70〜80℃下で2時間撹拌する。この後、pH3〜4の125μlの酢酸を加え、溶液を不透明に維持する。代わりに、水酸化アンモニウム(Ammonium Hydroxide)を加え基本のpH値を得ることもできる。この溶液は室温下で、12〜24時間撹拌される。溶剤は回転濃縮機を利用し70〜80℃において溶液から除去する。コーティングのTiO粒子はメタノール洗浄により残留しているカプラー/分散剤を除去する。洗浄後の粒子は続いてトルエン(Toluene)内に分散され、全体積は50mlとなる。
【0035】
高屈折率(HRI)封止材料
実施例A:4%Mg処理済みのコーティングTiOによりHRIエポキシ封止材料を生成する
10mlの2−ブタノン中において、4%Mg処理済みのメタクリレート官能基(Methacrylatefunctional-group)によりコーティングしたTiO粒子(1.00g)は0.58gのエポキシ基(Loctite OS 4000 part A)とビーカー中において混合し、混合物は3時間逆流(reflux)される。冷却時に、溶液は50℃の真空中において回転濃縮機上で体積が5mlになるまで濃縮される。続いてAldrich Chemical Coの1mlの4−メチル−2−ペンタノン(4-methyl-2-pentanone)は混合物中に加えられ、遠心管に移され、3000rpmの回転速度で15分間遠心処理する。遠心後、液体は回転濃縮機に入れ濃縮され、必要な濃度を備えるHRIエポキシ封止材料を得る。
【0036】
実施例B:4%Mg処理済みのコーティングTiOによりHRIエポキシ終端の反応性シリコーン封止材料を生成する
10mlのトルエン中において、4%Mg処理済みのオクチル官能基(Octylfunctional-group)によりコーティングされたTiO粒子(1.00g)は0.58gのエポキシ基終端のシリコーンとビーカー中で混合される。該溶液は50℃の真空中において必要な濃度を備えるHRIエポキシ基終端のシリコーン封止材料を獲得するまで回転濃縮機上で濃縮される。
【0037】
エポキシプロポキシプロピル終端(EpoxyPropoxyPropyl-Terminated)のジメチルシロキサン(DiMethylSiloxane)(あるいはエポキシプロポキシプロピル終端のジフェニルジメチルシロキサン(DiPhenylDiMethylSiloxane)あるいはエポキシプロポキシプロピル終端のポリフェニルメチルシロキサン(PolyPhenylMethylSiloxane))は光学応用においてシリコーンを基礎とする弾性体の組成成分の一つで、エポキシ基終端のシリコーンを基礎とするHRI封止材料の生産に用いる。同様に、エポキシプロポキシプロピル終端のシロキサン(Siloxane)はビニル終端のシロキサン(30%以下の体積部分はビニル終端)と混合する。混合エポキシ基終端とビニル終端のシリコーンを母体とする時、シリコーンの連結力量あるいはシロキサン重複単元の数は重合程度(Degree of Polymerization,DP)により表示することができ、それはDPが70より小さい。
【0038】
実施例C:Mg処理済みのコーティングTiOによりHRIビニル終端の反応性シリコーン封止材料を生成する
10mlの1−ブタノール中において、4%Mg処理済みのアリル官能基(Allylfunctional-group)によりコーティングするTiO粒子(1.00g)は0.5gのビニル終端のシリコーンとビーカー中において混合する。該溶液は50℃の真空中において回転濃縮機上で必要な濃度を備えるHRIビニル終端のシリコーン封止材料を得るまで濃縮される。
【0039】
ビニル終端(Vinyl-Terminated)のポリフェニルメチルシロキサン(PolyPhenylMethylSiloxane)(あるいはビニル終端のジフェニルジメチルシロキサン(DiPhenylDiMethylSiloxane)あるいはビニル終端のジメチルシロキサン(DiMethylSiloxane))は光学応用中ではシリコーンを基礎とする弾性体の組成成分の一つで、ビニル終端のシリコーンを基礎とするHRI封止材料製造に用いる。
【0040】
単色と白色光のLED(SMD)ランプにおける分配
現行のHRI封止材料は各種広いランプ構造中に用いられる。2004年5月4日発表の米国特許第6,734,465号は「固体照明に用いるナノ結晶を基礎とする蛍光体と光子構造(Nanocrystalline Based Phosphors And Photonic Structures For SolidState Lighting)」で、及びPCT特許申請案第PCT/US2004/029201号では、その内容を参考として引用しており、その内から特別に適した光子構造を探すことができる。ペンタノン(pentanone)あるいはトルエン溶剤は濃縮後、40%〜60%の体積に減少することを考慮し、およそ6〜7マイクロリットル(micro-liter)の上記混合物は頂端放射(Top-Emitting)のSMD単色ランプ(SMD monochrome lamp)に分配される。分配される体積と混合物のレオロジー(rheology)は一般には調整され硬化後HRI−空気界面が必要とする特殊形状を得る。一般には、硬化は室温下で24時間処理し、あるいは80℃下では数時間に短縮することができる。注意を要する点は、しばしば硬化剤(すなわち、エポキシあるいはシリコーンのB部分(Part B))を加える必要がない状況があるため、TiOの表面コーティングも硬化剤とすることができる。
【0041】
白色光ランプにおいては、約20mg〜50mgの商用YAG:Ceバルク蛍光体は約1gmのHRI混合物(溶剤重量として計算しない)を加え、各1mlのHRI(溶剤除去後)はおよそ35mg〜85mgのYAG:Ceに対応する。蛍光体載入量(各1mlのHRIのYAG:Ceのmg数)は変化させ、必要な彩度座標(chromaticity-coordinate)を獲得し、及びLEDチップと封止形状の細部に応じて決定する。同様に単色ランプ中においても体積縮減の問題にぶつかり、分配中では考慮しなければならない。
【0042】
高電力LEDランプあるいは低電力SMDランプ中において、一部のリフレクターカップだけにHRI材料を加える方式は、半球状のHRI「滴(blob)」を利用し、LEDチップを覆う。残りのリフレクターカップ体積は従来の封止材料(RIが1.5)により充填され、必要であれば、予め鋳造したレンズ(RIが1.5)を加える。HRI封止材料全体の体積は、1〜2マイクロリットル(micro-liter)の間で、リフレクターカップすべてと高電力ランプを充填した場合と比べると、残りのランプ体積が必要な10〜20マイクロリットル(microliter)のHRI体積より非常に少ない。HRI「滴」方式はかなり少量のHRI混合物を必要とするだけで、およそ2〜4マイクロリットル(micro-liter)の間において、リフレクターカップに充填する方式は、弾丸型(Bullet-shaped)5mmのLEDランプ上に使用することができる。分配するHRI体積は約2マイクロリットル(micro-liter)で、硬化後は約1マイクロリットル(micro-liter)(弾丸型5mmレンズでは100マイクロリットル(micro-liter)以上の体積が必要)である。
【0043】
ポリマーを基礎とする光導波中への統合
現行HRIナノ複合材料は各種ポリマーを基礎とする光導波(polymer-basedphotonic waveguide)構造中に使用可能で、より高い屈折率の光拘束コアガイド領域(photon-confiningcore/guiding region)とすることができる。当業者が理解できるように、ポリマーを基礎とする光導波構造は既に光ファイバー通信あるいは光インターコネクトの平面光波導(Planar Lightwave Circuit,PLC)に応用されている。これら応用中において、光波導内を伝送される光波長は780nm〜1600nm(可視光LEDの波長はもっと長い)の間で、コアガイド領域の強度レベルは1〜数100キロワット/cmまで様々である。現行HRIナノ複合材料は高HRIを備える他に、増強した光熱安定性を備え、この応用に対しては長所である。
【0044】
ポリマー波導はスピンコーティング(spin-coating)の技術を使用しポリマーを基礎とするクラッド層(cladding)、コアガイド層(標準のシリコン製造工程技術のCVDと熱アニールではなく、それらは比較的高い熱エネルギーと製造コストが必要)を製造するため、低製造コストの優位を提供することができる。一般には、ポリマー波導が必要な処理温度は150℃以下で、その他材料を基礎とする波導を採用すれば300℃を超える処理温度が必要である。
【0045】
従来、屈折率1.4〜1.5の間を備えるシリコーンポリマーあるいはその他ポリマーは、スピンコーティング、フォトリソグラフィックパターン形成(photolithographic patterning)、ある状況下ではエッチングを使用し、クラッド層(cladding layer)及びコアガイド領域を製造する。一般的には、RIが1.45のシリコーンポリマーはクラッド層に用いられ、比較的高いRIが1.5のシリコーンポリマーは波導のコアガイド領域に用いられる。クラッド層とコアガイド領域の厚みは一般には1〜数10ミクロンのオーダーで、コアガイド領域は一般には隆起(クラッド層によって囲まれる)し、その幅は5〜数10ミクロンのオーダーの間である。クラッド層とコアガイド領域の間の約2%のRI差異は約2mmの湾曲半径を備える波導を製造することができ、コアガイド領域の光局限損失(あるいは波導の漏光)を招くことはない。波導の包装密度(packing-density)を引き上げ、ウエハ上において各単位面積がさらに高い機能性を達成し、あるいは代わりにある特殊な機能の光学パーツコストを引き下げ、さらに湾曲半径を低下させる必要がある。これはクラッド層とコアガイド領域の間の比較的高いRI差異によってのみ達成することができる。RI差異は20%で、つまりRIが1.45のクラッド層とRIが1.74のコアガイド領域は約0.1mmの波導湾曲半径を製造することができる。これにより大幅に該各パーツの機能性を引き上げ、あるいは該各パーツのコストを低下させることができる。
【0046】
窒酸化シリコン(SiliconOxyNitride)、その他混合酸化物等の薄膜HRI材料とORMOCERを比較すると、本発明のシリコーンを基礎とするHRIナノ複合材料の必要な処理温度は150℃(あるいは100℃以下)以下で、その他材料を基礎とする波導は300℃を超える処理温度が必要である(同時に、窒酸化シリコンと比較すると、より厚い薄膜と比較的高いRI対比が必要である)。
【0047】
シリコーンを基礎とするHRIナノ複合材料混合はスピンコーティング(spin-coated)の方式によりクラッド層上に塗布される。クラッド層はシリコンウエハ上の二酸化シリコンを含み(成長あるいは堆積の方式を用い)、あるいはスピンコーティングはウエハ上の従来のRIが1.4〜1.5のシリコーンポリマー層である。HRIナノ複合材料混合物の粘性は、溶剤の濃度を制御し調整することができ、ウエハ上に均一な約10ミクロン厚の層を形成することができる。波導の光学設定に応じて決定し、HRI混合物を薄くし、回転速度を増す組合せを通して層の厚みを1〜10ミクロンの間に制御することができる。より厚い層は多重スピンコーティングステップにより達成する。HRIナノ複合材料層はインプリントリソグラフィあるいはフォトリソグラフィ(photolithography)/フォトパターニング(photopatterning)を利用しパターンを形成し、約10ミクロン幅の隆起物を形成する。HRIナノ複合材料隆起物は続いて約10ミクロンあるいはさらに厚いRIが1.4〜1.5の従来のシリコーンポリマー層をコーティングされ、上クラッド層を形成する。
【0048】
これらの例において示したカプラー/分散剤及びシリコーンポリマーは既に市販されており、Gelest社(ペンシルバニア州モリスヴィル(Morrisville)市)等を通して購入することができる。
【0049】
本発明は好ましい実施例に関して記述された。当業者が既知のように、上記説明の特定細部、数量及び製造工程ステップ等は本発明の精神と範疇を離脱しないとの条件において各種修正と変化を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の改良組成のナノ粒子と従来のナノ粒子を基礎とするエポキシ類母体を基礎とするナノ複合高屈折率(HRI)封止材料のルーメン維持特性(lumen-maintenance characteristics)を比較する表である。改良組成のナノ粒子のHRIナノ複合材料は300倍以上の持続時間の90%ルーメン維持である。
【図2】本発明のエポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料の525nm波長の低電力LED照射下における、及び本発明のエポキシ類母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料の460nm波長の低電力白色光LED照射下におけるルーメン維持特性を示す。
【図3】本発明のシリコーン母体を基礎とするHRIナノ複合封止材料の460nm波長の高効率低電力青色光LED照射下でのルーメン維持特性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主に発光装置に用いる信頼できる高屈折率封止材料において、
a)25nm以下の主要粒子サイズを有し、1〜5wt%の第二族元素により処理されたTiOナノ粒子と、
b)処理されたTiOナノ粒子をコーティングするカプラー/分散剤と、
c)コーティングされ処理された多くのTiOナノ粒子が分散される光学的に透明なエポキシ樹脂とを含むことを特徴とする高屈折率封止材料。
【請求項2】
前記第二族元素はマグネシウムであることを特徴とする請求項1記載の高屈折率封止材料。
【請求項3】
前記カプラー/分散剤はメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(Methacryloxypropyltrimethoxysilane)であることを特徴とする請求項1記載の高屈折率封止材料。
【請求項4】
前記封止材料は1.6以上の屈折率を有していることを特徴とする請求項1記載の高屈折率封止材料。
【請求項5】
前記封止材料は1.8以上の屈折率を有していることを特徴とする請求項1記載の高屈折率封止材料。
【請求項6】
前記TiOナノ粒子は、より大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化アルミニウム又は酸化シリコン)の外殻コーティングを、TiOナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間に有していることを特徴とする請求項1記載の高屈折率封止材料。
【請求項7】
主に発光装置に用いる信頼できる高屈折率封止材料において、
a)25nm以下の主要粒子サイズを有し、1〜5wt%の第二族元素により処理されたTiOナノ粒子と、
b)処理されたTiOナノ粒子をコーティングするカプラー/分散剤と、
c)コーティングされ処理された多くのTiOナノ粒子が分散される光学的に透明な反応性シリコーン樹脂とを含むことを特徴とする高屈折率封止材料。
【請求項8】
前記第二族元素はマグネシウムであることを特徴とする請求項7記載の高屈折率封止材料。
【請求項9】
前記カプラー/分散剤はオクチルトリメトキシシラン(Octyltrimethoxysilane)であることを特徴とする請求項7記載の高屈折率封止材料。
【請求項10】
前記カプラー/分散剤はアリルトリメトキシシラン(Allyltrimethoxysilane)であることを特徴とする請求項7記載の高屈折率封止材料。
【請求項11】
前記封止材料は1.6以上の屈折率を有していることを特徴とする請求項7記載の高屈折率封止材料。
【請求項12】
前記封止材料は1.8以上の屈折率を有していることを特徴とする請求項7記載の高屈折率封止材料。
【請求項13】
前記TiOナノ粒子は、より大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化シリコン)の外殻コーティングを、TiOナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間に有していることを特徴とする請求項7記載の高屈折率封止材料。
【請求項14】
a)リフレクターカップと、
b)該リフレクターカップ内に設置される発光ダイオードと、
c)25nm以下の主要粒子サイズを有し、1〜5wt%の第二族元素により処理されたTiOナノ粒子と、処理されたTiOナノ粒子をコーティングするカプラー/分散剤と、コーティングされ処理された多くのTiOナノ粒子が分散される光学的に透明なエポキシ樹脂とを含む高屈折率封止材料とを備えていることを特徴とする発光装置。
【請求項15】
前記第二族元素はマグネシウムであることを特徴とする請求項14記載の発光装置。
【請求項16】
前記カプラー/分散剤はメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(Methacryloxypropyltrimethoxysilane)であることを特徴とする請求項14記載の発光装置。
【請求項17】
前記封止材料は1.6以上の屈折率を有していることを特徴とする請求項14記載の発光装置。
【請求項18】
前記封止材料は1.8以上の屈折率を有していることを特徴とする請求項14記載の発光装置。
【請求項19】
前記TiOナノ粒子は、より大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化アルミニウム又は酸化シリコン)の外殻コーティングを、TiOナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間に有していることを特徴とする請求項14記載の発光装置。
【請求項20】
a)リフレクターカップと、
b)該リフレクターカップ内に設置される発光ダイオードと、
c)25nm以下の主要粒子サイズを有し、1〜5wt%の第二族元素により処理されたTiOナノ粒子と、処理されたTiOナノ粒子をコーティングするカプラー/分散剤と、コーティングされ処理されたTiOナノ粒子が分散される光学的に透明な反応性シリコーン樹脂とを含む高屈折率封止材料とを備えていることを特徴とする発光装置。
【請求項21】
前記第二族元素はマグネシウムであることを特徴とする請求項20記載の発光装置。
【請求項22】
前記カプラー/分散剤はオクチルトリメトキシシラン(Octyltrimethoxysilane)であることを特徴とする請求項20記載の発光装置。
【請求項23】
前記カプラー/分散剤はアリルトリメトキシシラン(Allyltrimethoxysilane)であることを特徴とする請求項20記載の発光装置。
【請求項24】
前記封止材料は1.6以上の屈折率を有していることを特徴とする請求項20記載の発光装置。
【請求項25】
前記封止材料は1.8以上の屈折率を有していることを特徴とする請求項20記載の発光装置。
【請求項26】
前記TiOナノ粒子は、より大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化シリコン)の外殻コーティングを、TiOナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間に有していることを特徴とする請求項20記載の発光装置。
【請求項27】
主に発光装置に用いる信頼できる高屈折率封止材料の製造方法であって、
a)第二族元素によりTiOナノ粒子を処理するステップと、
b)処理されたTiOナノ粒子をカプラー/分散剤によりコーティングするステップと、
c)コーティングされ処理されたTiOナノ粒子を光学的に透明なエポキシ樹脂中に分散させて封止材料を形成するステップと、を含むことを特徴とする信頼できる高屈折率封止材料の製造方法。
【請求項28】
前記TiOは製造と処理が同時に行われることを特徴とする請求項27記載の信頼できる高屈折率封止材料の製造方法。
【請求項29】
前記第二族元素はマグネシウムであることを特徴とする請求項27記載の信頼できる高屈折率封止材料の製造方法。
【請求項30】
前記TiOナノ粒子は、より大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化アルミニウム又は酸化シリコン)の外殻コーティングを、TiOナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間に有していることを特徴とする請求項27記載の信頼できる高屈折率封止材料の製造方法。
【請求項31】
主に発光装置に用いる信頼できる高屈折率封止材料の製造方法であって、
a)第二族元素によりTiOナノ粒子を処理するステップと、
b)処理されたTiOナノ粒子をカプラー/分散剤によりコーティングするステップと、
c)コーティングされ処理されたTiOナノ粒子を光学的に透明な反応性シリコーン樹脂中に分散させて封止材料を形成するステップと、を含むことを特徴とする信頼できる高屈折率封止材料の製造方法。
【請求項32】
前記TiOは製造と処理が同時に行われることを特徴とする請求項31記載の信頼できる高屈折率封止材料の製造方法。
【請求項33】
前記第二族元素はマグネシウムであることを特徴とする請求項31記載の信頼できる高屈折率封止材料の製造方法。
【請求項34】
前記TiOナノ粒子は、より大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化シリコン)の外殻コーティングを、TiOナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間に有していることを特徴とする請求項31記載の信頼できる高屈折率封止材料の製造方法。
【請求項35】
a)第一クラッド層と、
b)第二クラッド層と、
c)高屈折率ナノ複合材料により組成され、第一クラッド層と第二クラッド層により囲まれる光拘束コアガイド領域とを含み、
該高屈折率ナノ複合材料は、25nm以下の主要粒子サイズを有し、1〜5wt%の第二族元素により処理されたTiOナノ粒子と、処理されたTiOナノ粒子をコーティングするカプラー/分散剤と、コーティングされ処理されたTiOナノ粒子が分散される光学的に透明な反応性シリコーン樹脂とを含むことを特徴とする請求項35記載の光導波装置。
【請求項36】
前記第二族元素はマグネシウムであることを特徴とする請求項35記載の光導波装置。
【請求項37】
前記カプラー/分散剤はオクチルトリメトキシシラン(Octyltrimethoxysilane)であることを特徴とする請求項35記載の光導波装置。
【請求項38】
前記カプラー/分散剤はアリルトリメトキシシラン(Allyltrimethoxysilane)であることを特徴とする請求項35記載の光導波装置。
【請求項39】
前記高屈折率ナノ複合材料は1.6以上の屈折率を有していることを特徴とする請求項35記載の光導波装置。
【請求項40】
前記高屈折率ナノ複合材料は1.8以上の屈折率を有していることを特徴とする請求項35記載の光導波装置。
【請求項41】
前記TiOナノ粒子は、より大きなエネルギーバンドギャップ材料(酸化シリコン)の外殻コーティングを、TiOナノ粒子とカプラー/分散剤のコーティングとの間に有していることを特徴とする請求項35記載の光導波装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−520810(P2008−520810A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543139(P2007−543139)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/040991
【国際公開番号】WO2006/060141
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(506079700)ナノクリスタル・ライティング・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】