説明

光学式測距センサ、物体検出装置、洗浄便座、および光学式測距センサの製造方法

【課題】小型化、高精度化、また、低消費電力化、低コスト化が可能な光学式測距センサ、このような光学式測距センサを適用した物体検出装置、洗浄便座、および光学式測距センサの製造方法を提供する。
【解決手段】光学式測距センサ1は、照射光Lsを発光する発光素子2と、照射光Lsを集光して測距対象物MOに照射する発光側レンズ3と、照射光Lsが測距対象物MOで反射した反射光Lrを集光する受光側レンズ5と、集光された反射光Lrを受光して測距対象物MOの位置を検出する位置検出受光素子4と、発光素子2の発光を制御し位置検出受光素子4の検出電流I1、I2を処理する制御処理用集積回路7とを備える。発光素子2は、面発光レーザで構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測距対象物までの距離を検出する光学式測距センサ、そのような光学式測距センサを適用した物体検出装置、洗浄便座、およびそのような光学式測距センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子から測距対象物へ照射光を照射し、測距対象物からの反射光の位置を位置検出受光素子で検出して、三角測量方式によって測距対象物までの距離を測定する光学式測距センサが知られている。
【0003】
図7は、従来の光学式測距センサの概略構造と作用を概念的に示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は透視的に示す側面図である。
【0004】
図8は、従来の光学式測距センサによる三角測量方式の概念を説明する概念図である。
【0005】
従来の光学式測距センサ101は、照射光Lsを発光する発光素子102と、照射光Lsを集光して測距対象物MOに照射する発光側レンズ103と、照射光Lsが測距対象物MOで反射した反射光Lrを集光する受光側レンズ105と、集光された反射光Lrを受光して測距対象物MOの位置を検出する位置検出受光素子104(PSD:Position Sensitive Detecter)と、発光素子102の発光を制御し位置検出受光素子104からの検出電流I1、I2を処理する制御処理用集積回路107とを備える。
【0006】
照射光Lsは、測距対象物MOで反射して反射光Lrとなり、反射光Lrは、位置検出受光素子104の受光面に光スポットを形成し、位置検出受光素子104の出力端子から検出電流I1、検出電流I2として検出される。
【0007】
従来の発光素子102は、半導体発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)で構成してある。半導体発光ダイオードは、素子の全方向へ照射光Lsを放射することから、測距対象物MOへ必要な照射光Lsを照射するために、発光素子102の発光量(照射光Lsの光量)を増大させ、発光側レンズ103の作用を増大させる必要がある。
【0008】
つまり、発光側レンズ103の焦点距離および直径は、半導体発光ダイオードから発光された照射光Lsを集光するためにかなり大きいものとなっており、受光側の位置検出受光素子104で測距に必要な光量を得るため発光側レンズ103の直径を大きくすることに加え半導体発光ダイオードをパルス駆動させるときの順方向電流と発光時間の積を大きくする必要があった。
【0009】
また、半導体発光ダイオードは上述したとおり、素子の全方向へ照射光Lsを放射することから、位置検出受光素子104、制御処理用集積回路107と同一の透光性樹脂封止パッケージに封止することはできなかった。
【0010】
つまり、発光素子2を樹脂封止する透光性樹脂封止パッケージ109eと、位置検出受光素子104および制御処理用集積回路107を樹脂封止する透光性樹脂封止パッケージ109rとは、それぞれ個別に形成され、透光性樹脂封止パッケージ109eおよび透光性樹脂封止パッケージ109rを遮光性封止樹脂で形成された遮光性樹脂封止パッケージ109sで連結/一体化した後、センサーケース101cに嵌合していた。
【0011】
図9は、従来の光学式測距センサの位置検出受光素子による測距対象物までの距離に対する検出出力の状態を概念的に示す特性グラフである。
【0012】
反射光Lrは、測距対象物MOの位置によって位置検出受光素子104での光スポットの位置を変動させ、検出電流I1、検出電流I2を変動させる。したがって、検出出力Ps=検出電流I1/(検出電流I1+検出電流I2)で定義される検出出力Ps(図9参照)を検出することによって、光学式測距センサ101から測距対象物MOまでの距離Disを検出する構成としてある。
【0013】
従来の位置検出受光素子4は、受光面(受光領域)が1つで、受光領域の抵抗値が均一であることから、距離Disに対して検出出力Psは反比例し、反比例曲線としての相関特性Creを示すこととなる。つまり、高精度に測距対象物MOの距離を測定することは困難である。
【0014】
図10は、従来の光学式測距センサの発光素子からの照射光の広がりによる測距誤差の発生を説明する説明図である。
【0015】
発光素子102(半導体発光ダイオード)からの照射光Lsを発光側レンズ103で集光して平行光にしようとしてあるが、半導体発光ダイオードは、点光源でないことから、照射光Lsは、ある程度の広がりを有する形態となる。
【0016】
発光素子102および発光側レンズ103によって画定されるセンサ光軸Laxに対して、測距対象物MOが、例えば位置検出受光素子104の反対側に離れて存在する場合、測距対象物MOからの反射光Lrが位置検出受光素子104へ入射して形成する光スポットの位置は、本来の距離Disより近い距離Disiにある測距対象物MOiに対応するものとして測距され、測距誤差を生じるという問題がある。
【0017】
上述したとおり、従来の光学式測距センサ101は、発光素子102として半導体発光ダイオードを適用している。したがって、測距に必要な測距対象物MO方向への照射光Lsの光量が少ないことから、測距に必要な光量を実現するために、発光側レンズ103の焦点距離および発光側レンズ103の直径を大きくし、また、半導体発光ダイオードをパルス駆動するときの順方向電流と発光時間の積を大きくするなどの対策が必要であった。
【0018】
また、発光素子102を封止する透光性樹脂封止パッケージ109eおよび位置検出受光素子104を封止する透光性樹脂封止パッケージ109rの間にそれぞれを遮光する遮光性樹脂封止パッケージ109s(遮光部)を配置する必要があることから、光学式測距センサ101(センサーケース101c)を小型化することは困難であった。
【0019】
さらに、遠い位置にある黒い測距対象物MOを測距する場合、照射光Lsの光量不足に伴い、測距精度が低下するという問題があった。
【0020】
なお、位置検出受光素子を適用した光学式測距センサとして、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【特許文献1】特開平9−318315号公報
【特許文献2】特開昭63−198817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、照射光を発光する発光素子と、発光側レンズと、受光側レンズと、反射光を受光して測距対象物の位置を検出する位置検出受光素子と、発光素子の発光を制御し位置検出受光素子の検出電流を処理する制御処理用集積回路とを備える光学式測距センサであって、発光素子を面発光レーザとすることにより、小型化、高精度化、また、低消費電力化、低コスト化が可能な光学式測距センサを提供することを目的とする。
【0022】
また、本発明は、光学式測距センサを適用して被検出物体の存在を検出する物体検出装置であって、光学式測距センサを本発明に係る光学式測距センサで構成することにより、高精度に測距対象物の存在を検出することが可能で、小型化が可能な物体検出装置を提供することを他の目的とする。
【0023】
また、本発明は、物体検出装置によって便座の利用状態を検出し洗浄準備を行なう洗浄便座であって、物体検出装置を本発明に係る物体検出装置で構成することにより、高精度に機能させることが可能で利便性とデザイン性に優れた洗浄便座を提供することを他の目的とする。
【0024】
また、本発明は、光学式測距センサの製造方法であって、発光素子、位置検出受光素子、および制御処理用集積回路を透光性封止樹脂で一括封止して透光性樹脂封止パッケージを形成し、発光側レンズと受光側レンズを有するセンサーケースに透光性樹脂封止パッケージを嵌合することにより、発光側レンズ、受光側レンズ、および透光性樹脂封止パッケージを高精度に位置合わせして結合し、小型化、高精度化が可能な光学式測距センサを容易に形成することが可能な光学式測距センサの製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に係る光学式測距センサは、照射光を発光する発光素子と、照射光を集光して測距対象物に照射する発光側レンズと、照射光が測距対象物で反射した反射光を集光する受光側レンズと、集光された反射光を受光して測距対象物の位置を検出する位置検出受光素子と、前記発光素子の発光を制御し前記位置検出受光素子の検出電流を処理する制御処理用集積回路とを備える光学式測距センサであって、前記発光素子は、面発光レーザであることを特徴とする。
【0026】
この構成により、指向性の高い照射光を測距対象物へ照射して指向性の高い反射光を測距対象物から受光することが可能となることから、小さい駆動電流で測距に十分な発光量を確保し、位置検出受光素子での位置検出精度を向上させて光学系を小型化できるので、小型で優れた測距特性を有する光学式測距センサとすることが可能となる。
【0027】
また、本発明に係る光学式測距センサでは、前記発光素子、前記位置検出受光素子、および前記制御処理用集積回路は、単一の透光性樹脂封止パッケージで封止されていることを特徴とする。
【0028】
この構成により、発光素子と位置検出受光素子との間に遮光部を配置する必要がないことから、発光素子、位置検出受光素子、および制御処理用集積回路の実装密度を向上させることが可能となり、小型化した光学式測距センサとすることができる。
【0029】
また、本発明に係る光学式測距センサでは、前記発光素子、前記位置検出受光素子、および前記制御処理用集積回路は、リードフレームに実装してあることを特徴とする。
【0030】
この構成により、実装構造を簡略化できることから、信頼性が高く安価に製造できる光学式測距センサとすることが可能となる。
【0031】
また、本発明に係る光学式測距センサでは、前記透光性樹脂封止パッケージは、前記発光側レンズおよび前記受光側レンズを保持するセンサーケースに嵌合させてあることを特徴とする。
【0032】
この構成により、発光側レンズ、受光側レンズ、および透光性樹脂封止パッケージを高精度に位置合わせして結合することが可能となり、小型化、高精度化が容易となる。
【0033】
また、本発明に係る光学式測距センサでは、前記位置検出受光素子は、等しい面積で複数の受光領域に分割してあり、受光領域の分割数および各受光領域の抵抗値は、測距対象物までの距離と前記位置検出受光素子による検出出力との相関特性が直線状となるように構成してあることを特徴とする。
【0034】
この構成により、測距対象物までの距離が遠い場合でも距離の変動に対する検出出力の変動を大きくすることが可能となることから、発光素子と位置検出受光素子との間隔を小さくした場合でも、遠距離に対する高精度の測距を行なうことができる。
【0035】
また、本発明に係る光学式測距センサでは、前記分割数は、3以上としてあることを特徴とする。
【0036】
この構成により、測距対象物までの距離と位置検出受光素子による検出出力との相関特性を確実に直線状とすることが可能となる。
【0037】
また、本発明に係る光学式測距センサでは、前記面発光レーザの指向角は、5度ないし25度としてあることを特徴とする。
【0038】
この構成により、発光側レンズを小型化した状態で遠距離にある測距対象物への照射光の集光を十分に行なうことが可能となり、小型化した高精度の光学式測距センサとすることが可能となる。
【0039】
また、本発明に係る光学式測距センサでは、前記発光側レンズの焦点距離は、1mmないし4mmとしてあることを特徴とする。
【0040】
この構成により、小型化と高精度化の両立を図ることが可能となる。
【0041】
また、本発明に係る光学式測距センサでは、前記発光側レンズの直径は、0.5mmないし2mmとしてあることを特徴とする。
【0042】
この構成により、小型化と高精度化の両立を図ることが可能となる。
【0043】
また、本発明に係る光学式測距センサでは、前記面発光レーザの発光波長は、赤外領域の波長であることを特徴とする。
【0044】
この構成により、可視光によるノイズの影響を排除できることから、高精度で信頼性の高い測距を行なうことが可能となる。
【0045】
また、本発明に係る光学式測距センサでは、前記面発光レーザは、パルス駆動してあり、前記制御処理用集積回路は、前記面発光レーザの順方向電流と発光時間の積を調整して前記位置検出受光素子からの検出電流を処理する構成としてあることを特徴とする。
【0046】
この構成により、測距対象物への距離に対応させた照射光を発光し、検出可能な反射光を得ることが可能となる。
【0047】
本発明に係る物体検出装置は、光学式測距センサを適用して被検出物体の存在を検出する物体検出装置であって、前記光学式測距センサは、本発明に係る光学式測距センサであることを特徴とする。
【0048】
この構成により、高精度に被検出物体の存在を検出することが可能で、小型化が可能な物体検出装置とすることができる。
【0049】
本発明に係る洗浄便座は、物体検出装置によって便座の利用状態を検出し洗浄準備を行なう洗浄便座であって、前記物体検出装置は、本発明に係る物体検出装置であることを特徴とする。
【0050】
この構成により、高精度に機能させることが可能で利便性とデザイン性に優れた洗浄便座を提供することができる。
【0051】
本発明に係る光学式測距センサの製造方法は、照射光を発光する発光素子と、照射光を集光して測距対象物に照射する発光側レンズと、照射光が測距対象物で反射した反射光を集光する受光側レンズと、集光された反射光を受光して測距対象物の位置を検出する位置検出受光素子と、前記発光素子の発光を制御し前記位置検出受光素子の検出電流を処理する制御処理用集積回路とを備える光学式測距センサの製造方法であって、前記発光素子、前記位置検出受光素子、および前記制御処理用集積回路を実装するためのリードフレームを準備するリードフレーム準備工程と、前記発光素子、前記位置検出受光素子、および前記制御処理用集積回路を前記リードフレームに実装する素子実装工程と、前記発光素子、前記位置検出受光素子、および前記制御処理用集積回路を透光性封止樹脂で一括封止して透光性樹脂封止パッケージを形成するパッケージ形成工程と、前記発光側レンズと前記受光側レンズを有するセンサーケースに前記透光性樹脂封止パッケージを嵌合するパッケージ嵌合工程とを備えることを特徴とする。
【0052】
この構成により、発光側レンズ、受光側レンズ、および透光性樹脂封止パッケージを高精度に位置合わせして結合することが可能となり、小型化、高精度化が可能な光学式測距センサを容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0053】
本発明に係る光学式測距センサによれば、照射光を発光する発光素子と、発光側レンズと、受光側レンズと、反射光を受光して測距対象物の位置を検出する位置検出受光素子と、発光素子の発光を制御し位置検出受光素子の検出電流を処理する制御処理用集積回路とを備え、発光素子を面発光レーザとすることから、小型化、高精度化、また、低消費電力化、低コスト化が可能な光学式測距センサを実現することが可能となるという効果を奏する。
【0054】
また、本発明に係る物体検出装置によれば、本発明に係る光学式測距センサを適用して被検出物体の存在を検出する物体検出装置とすることから、高精度に測距対象物の存在を検出することが可能で、小型化が可能な物体検出装置を実現することが可能となるという効果を奏する。
【0055】
また、本発明に係る洗浄便座によれば、本発明に係る物体検出装置によって便座の利用状態を検出することから、高精度に機能し、利便性とデザイン請求項に優れた洗浄便座を実現することが可能となるという効果を奏する。
【0056】
また、本発明に係る光学式測距センサの製造方法によれば、発光素子、位置検出受光素子、および制御処理用集積回路を透光性封止樹脂で一括封止して透光性樹脂封止パッケージを形成し、発光側レンズと受光側レンズを有するセンサーケースに透光性樹脂封止パッケージを嵌合することから、小型化、高精度化が可能な光学式測距センサを容易に形成することが可能な光学式測距センサの製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0058】
<実施の形態1>
図1ないし図5に基づいて、本発明の実施の形態1に係る光学式測距センサおよびその製造方法について説明する。
【0059】
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式測距センサの概略構造と作用を概念的に示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は透視的に示す側面図である。
【0060】
本実施の形態に係る光学式測距センサ1は、照射光Lsを発光する発光素子2と、照射光Lsを集光して測距対象物MOに照射する発光側レンズ3と、照射光Lsが測距対象物MOで反射した反射光Lrを集光する受光側レンズ5と、集光された反射光Lrを受光して測距対象物MOの位置を検出する位置検出受光素子4(PSD:Position Sensitive Detecter)と、発光素子2の発光を制御し位置検出受光素子4の検出電流I1、I2(図3参照)を処理する制御処理用集積回路7とを備える。
【0061】
発光素子2、発光側レンズ3、位置検出受光素子4、受光側レンズ5、制御処理用集積回路7は、センサーケース1cに収納してある。したがって、機構的強度を向上させて外部からの影響を排除することが可能となり、高精度の測距特性を得ることができる。
【0062】
本実施の形態では、発光素子2は、面発光レーザで構成してある。したがって、指向性の高い照射光Lsを測距対象物MOへ照射して指向性の高い反射光Lrを測距対象物MOから受光することが可能となることから、小さい駆動電流で測距に十分な発光量を確保し、位置検出受光素子4での位置検出精度を向上させて光学系を小型化できるので、小型で優れた測距特性を有する光学式測距センサ1とすることが可能となる。
【0063】
発光素子2、位置検出受光素子4、および制御処理用集積回路7は、単一の透光性樹脂封止パッケージ9で封止されている。
【0064】
本実施の形態では、発光素子2として従来の半導体発光ダイオード(LED)ではなく面発光レーザを使用しているので、照射光Lsは指向性が高く、素子の全方向へ照射されることはない。つまり、発光素子2を位置検出受光素子4と同一の透光性樹脂で封止しても面発光レーザから出射した照射光Lsが位置検出受光素子4に直接入射することは無い。
【0065】
したがって、発光素子2と位置検出受光素子4との間に遮光部を設ける必要がないことから、発光素子2、位置検出受光素子4、および制御処理用集積回路7の実装密度を向上させることが可能となり、小型化した光学式測距センサ1を生産性良く安価に製造することができる。
【0066】
発光素子2、位置検出受光素子4、および制御処理用集積回路7は、リードフレーム10に実装してある。したがって、実装構造を簡略化できることから、信頼性が高く安価に製造できる光学式測距センサ1とすることが可能となる。発光素子2、位置検出受光素子4、および制御処理用集積回路7は、適宜のパターンにレイアウトされたリードフレーム10に対する実装(ダイボンディング、ワイヤボンディング)を併せて実行した後、単一の透光性樹脂封止パッケージ9で実装する。透光性樹脂封止パッケージ9は、トランスファーモールドを適用して形成することが可能である。
【0067】
透光性樹脂封止パッケージ9は、発光側レンズ3および受光側レンズ5を保持するセンサーケース1cに嵌合させてある。したがって、発光側レンズ3および受光側レンズ5に対して透光性樹脂封止パッケージ9を高精度に位置合わせすることが可能となり、小型化、高精度化が容易となる。透光性樹脂封止パッケージ9をセンサーケース1cに嵌合するときに、適宜の接着剤を用いることも可能である。
【0068】
発光側レンズ3、受光側レンズ5は、センサーケース1cを2色成形で一体成形することにより同時に形成してある。つまり、センサーケース1cは、発光側レンズ3、受光側レンズ5を備えるレンズケースともなっている。
【0069】
発光側レンズ3、受光側レンズ5は、可視光をカットする材質で形成してあり、外乱光としての可視光が照射されても位置検出受光素子4に影響を及ぼすことはない。また、発光側レンズ3、受光側レンズ5を除いた部分のセンサーケース1cは、可視光および赤外光ともに遮光する材質で形成してある。
【0070】
発光素子2(面発光レーザ)の発光波長は、赤外領域の波長(例えば、0.75〜1μm程度)としてある。したがって、可視光によるノイズの影響を排除できることから、高精度で信頼性の高い測距を行なうことが可能となる。また、位置検出受光素子4は、発光素子2の発光波長に対応させて赤外領域の波長に受光波長のピーク感度を有している。つまり、可視光によるノイズを発光側、受光側で共に排除することが可能であるので、高精度で信頼性の高い光学式測距センサ1とすることができる。
【0071】
光学式測距センサ1は、発光素子2(発光側レンズ3)、測距対象物MO、位置検出受光素子4(受光側レンズ5)で三角形を構成することとなるので、位置検出受光素子4で検出される反射光Lrの位置(光スポット位置)に応じた値となる位置検出受光素子4からの検出電流I1、検出電流I2(図3参照)を適用して、いわゆる三角測量方式による測距(距離検出)を行なうことが可能となる。
【0072】
図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式測距センサの発光素子および発光側レンズの概略構造と作用を概念的に示す説明図である。
【0073】
本実施の形態に係る面発光レーザ(発光素子2)の指向角θは、発光素子2および発光側レンズ3によって画定されるセンサ光軸Laxを中心として5度ないし25度としてあることが望ましい。
【0074】
つまり、面発光レーザ(発光素子2)の指向角θを5度ないし25度の範囲内とすることによって、発光側レンズ3を小型化した状態で遠距離にある測距対象物MOへの照射光Lsの集光を十分に行なうことが可能となり、小型化した高精度の光学式測距センサ1とすることが可能となる。
【0075】
指向角θに上限、下限を設定して限定する理由は、次のとおりである。つまり、指向角θが5度より小さい場合では、照射光Lsのビームが細くなりすぎて測距対象物MOに対して想定外の影響が生じる恐れがあり、あるいは、測距対象物MOに対して高精度の位置合わせが必要になるという問題を生じる恐れがある。また、指向角θが25度より大きい場合では、照射光Lsのビームが太くなりすぎて測距対象物MOからの反射光Lrの分布位置(集光位置)がばらつき、高精度の測距が困難となる恐れがある。
【0076】
発光側レンズ3の焦点距離Disfは、1mmないし4mmとしてあることが望ましい。
【0077】
つまり、発光素子2の指向角θに対応させて発光側レンズ3の焦点距離Disfを設定することにより、光学式測距センサ1の小型化と高精度化の両立を図ることが可能となる。
【0078】
発光側レンズ3の直径φは、0.5mmないし2mmとしてあることが望ましい。
【0079】
つまり、発光素子2の指向角θおよび発光側レンズ3の焦点距離Disfに対応させて発光側レンズ3の直径φを設定することにより、光学式測距センサ1の小型化と高精度化の両立を図ることが可能となる。
【0080】
指向角θは発光素子2(面発光レーザ)を選択して設定することが可能である。また、焦点距離Disf、直径φは、指向角θに基づいて光学的に適宜調整することが可能であり、上述した数値に設定することにより、発光側レンズ3から測距対象物MOへ照射される照射光Lsは平行光とすることが可能となり、小型化、高精度化を容易に実現することができる。
【0081】
図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式測距センサの位置検出受光素子の概略平面構造と作用を概念的に示す説明図である。
【0082】
位置検出受光素子4の受光面は、等しい面積で複数の受光領域4rに分割してある。例えば、受光領域4rは、5つに分割され、発光素子2に対して遠い方から順に第1受光領域4ra、第2受光領域4rb、第3受光領域4rc、第4受光領域4rd、第5受光領域4reで構成してある。以下、第1受光領域4ra、第2受光領域4rb、第3受光領域4rc、第4受光領域4rd、第5受光領域4reを区別する必要が無い場合は、単に受光領域4rとすることがある。
【0083】
また、出力端子4tfおよび出力端子4tsから見た各受光領域4rの抵抗値Rは、それぞれ異なる値としてある。つまり、第1受光領域4raは第1抵抗値R1を、第2受光領域4rbは第2抵抗値R2を、第3受光領域4rcは第3抵抗値R3を、第4受光領域4rdは第4抵抗値R4を、第5受光領域4reは第5抵抗値R5をそれぞれ有する。以下、第1抵抗値R1、第2抵抗値R2、第3抵抗値R3、第4抵抗値R4、第5抵抗値R5を区別する必要が無い場合は、単に抵抗値Rとすることがある。
【0084】
例えば、第1抵抗値R1、第2抵抗値R2、第3抵抗値R3、第4抵抗値R4、第5抵抗値R5を合計した合計抵抗値Rtを100(出力端子4tf、出力端子4ts間での抵抗値)とした場合に、本実施の形態では、第1抵抗値R1=2、第2抵抗値R2=3、第3抵抗値R3=5、第4抵抗値R4=10、第5抵抗値R5=80としてある。
【0085】
つまり、受光領域4rの配置に従って抵抗値Rを順次徐々に変化させてある。上述した数値での抵抗値Rの変化の状態を、受光領域4rの配置状態(第1受光領域4ra、第2受光領域4rb、第3受光領域4rc、第4受光領域4rd、第5受光領域4re)に対応させて図3のグラフで示してある。
【0086】
受光領域4rの配置方向の両端で位置検出受光素子4は、受光領域4rの光電変換効果により出力端子4tf(発光素子2から遠い側に配置)で検出電流I1を検出し、出力端子4ts(発光素子2に近い側に配置)で検出電流I2を検出する。
【0087】
発光素子2から発光された照射光Lsは、発光側レンズ3で集光され測距対象物MOに照射される。測距対象物MOに照射された照射光Lsは、測距対象物MOによって反射光Lrを生じる。光学式測距センサ1は、測距対象物MOから反射された反射光Lrを受光側レンズ5によって集光することにより、位置検出受光素子4の受光領域4rに光スポット(反射光Lrの入射位置)を形成させる。
【0088】
つまり、光学式測距センサ1から測距対象物MOまでの距離Disが変動すると受光領域4rでの光スポットの位置が変わるので、検出電流I1および検出電流I2に対して、検出出力Ps=検出電流I1/(検出電流I1+検出電流I2)で定義した検出出力Psを求めることにより、距離Disを測定することが可能となる。
【0089】
受光領域4r(受光面)が1つで抵抗値Rが単一としてある場合、検出出力Psは光学式測距センサ1から測距対象物MOまでの距離Disに反比例する(従来例の図9参照)。しかし、本実施の形態では、上述したとおり、受光領域4rを複数として受光領域4rの抵抗値Rを順次、徐々に異ならせてある。
【0090】
すなわち、発光素子2に近い側、つまり測距対象物MOが遠いところにある場合に反射光Lrが入射する位置(例えば受光領域4re)のほうが大きい抵抗値Rで、発光素子2から遠い側、つまり測距対象物MOが近いところにある場合に反射光Lrが入射する位置(例えば受光領域4ra)のほうが小さい抵抗値Rとしてある。
【0091】
位置検出受光素子4では、第5受光領域4reが発光素子2に最も近く、第1受光領域4raが発光素子2から最も遠い。つまり、上述したとおり、第5抵抗値R5(=80)>第4抵抗値R4(=10)、第4抵抗値R4(=10)>第3抵抗値R3(=5)、第3抵抗値R3(=5)>第2抵抗値R2(=3)、第2抵抗値R2(=3)>第1抵抗値R1(=2)としてある。
【0092】
光学式測距センサ1から測距対象物MOまでの距離Disが一定の距離変動する場合、測距対象物MOが遠いところにある場合より近いところにある場合の方が位置検出受光素子4(受光領域4r)の光スポットの位置変化量が大きい(従来例の図9参照)。
【0093】
したがって、光スポットの位置変化量が大きいところの抵抗値Rを小さく、光スポットの位置変化量が小さいところの抵抗値Rを大きく構成する(例えば、上述したとおり、第5抵抗値R5を80、第1抵抗値R1を2としてある。)。
【0094】
図4は、図3に示した位置検出受光素子による測距対象物までの距離に対する検出出力の状態を概念的に示す特性グラフである。
【0095】
図4は、横軸に光学式測距センサ1から測距対象物MOまでの距離Dis(つまり、距離Disに対応した光スポット位置となる第1受光領域4ra〜第5受光領域4re)を、縦軸に検出出力Psを示している。
【0096】
上述したとおり、本実施の形態に係る光学式測距センサ1が備える位置検出受光素子4は、等しい面積で複数の受光領域4rに分割してあり、受光領域4rの分割数および各受光領域4rの抵抗値Rは、測距対象物MOまでの距離Disと位置検出受光素子4による検出出力Psとの相関特性Creが直線状となるように構成してある。
【0097】
つまり、位置検出受光素子4を図3で示した構成とすることによって、光学式測距センサ1が有する「距離Disと検出出力Psとの相関関係」は、ほぼ正比例することとなり、直線状の相関特性Creで表される。なお、相関特性Creが直線状であることを示すために、直線である参考直線Cimを併せて図示してある。
【0098】
したがって、測距対象物MOまでの距離Disが比較的遠い場合でも距離Disの変動に対する検出出力Psの変動を大きくすることが可能となる。つまり、測距対象物MOまでの距離Disが近い場合と同様の直線状とすることが可能となることから、発光素子2と位置検出受光素子4との間隔を小さくした場合でも、遠い位置の距離Disに対する高精度の測距を行なうことができる。
【0099】
本実施の形態に係る位置検出受光素子4を適用しない場合(従来例の位置検出受光素子104)は比較的遠い測距対象物MOまでの距離Disを測定するためには光学式測距センサ101を構成する発光素子102と位置検出受光素子104との間隔を大きくとる必要があり、光学式測距センサの大型化が避けられなかったが、本実施の形態に係る位置検出受光素子4を適用することにより発光素子2と位置検出受光素子4との間隔を小さくしても遠距離まで精度の良い測距特性を実現することが可能となる。
【0100】
なお、位置検出受光素子4の受光面の分割数は、3以上としてあることが望ましい。つまり、少なくとも遠い距離/中間の距離/近い距離に対して相関特性Creの直線性を実現することが可能となり、測距対象物MOまでの距離Disと位置検出受光素子4による検出出力Psとについての直線状の相関特性を確実に実現することが可能となる。
【0101】
図5は、本発明の実施の形態1に係る光学式測距センサの発光素子を駆動する駆動波形を示す波形図である。
【0102】
制御処理用集積回路7は、適宜の期間内で適宜の回数だけ発光素子2をパルス駆動することによってパルス発光させ、また、発光素子2の発光タイミングに同期して位置検出受光素子4から出力される検出電流I1、I2を処理して求めた検出出力Psを有効信号として抽出しパルス発光回数分の平均値として出力する。
【0103】
したがって、定常的な外乱光が位置検出受光素子4に入射しても、外乱光による影響を排除し、高精度の測距(測距対象物MOの検出)が可能となる。
【0104】
発光素子2として従来のLED(半導体発光ダイオード)を使用した場合、半導体発光ダイオードは素子の全方向へ照射光Lsが放射されることから測距に必要な測距対象物MOの方向への光量が少なくなり、順方向電流Ifと発光時間Tonを大きくする必要があった。例えば、測距範囲の最大距離が1.5mの場合、順方向電流If=300mA、発光時間Ton=120μs、つまり、順方向電流Ifと発光時間Tonの積は36μs・Aが必要であった。
【0105】
これに対し、本実施の形態では、測距範囲の最大距離が1.5mの場合、例えば、面発光レーザをパルス駆動するときの順方向電流Ifと発光時間Tonの積(測距に必要なトータル光量に対応する。)は5μsec・A以下とすることが可能であった(この積は最大距離が変化すればその2乗に比例して変化する)。
【0106】
つまり、発光素子2を面発光レーザで構成した場合、照射光Lsの指向性は例えば5度ないし25度(全放射ビームが5度ないし25度の範囲内に入る)程度とすることが可能であることから、ほぼ全ての照射光Lsを効率よく集光して利用することができる。したがって、順方向電流Ifと発光時間Tonの積を小さくでき、結果として消費電流を低減することが可能となる。
【0107】
上述したとおり、発光素子2(面発光レーザ)は、パルス駆動してあり、制御処理用集積回路7は、面発光レーザの順方向電流Ifと発光時間Tonの積を調整して位置検出受光素子4からの検出電流I1、I2を処理する構成としてある。したがって、測距対象物MOへの距離に対応させた照射光Lsを発光し、検出可能な反射光Lrを得ることが可能となる。
【0108】
なお、本実施の形態に係る光学式測距センサ1は、上述した構成から明らかなように次に示す、リードフレーム準備工程、素子実装工程、パッケージ形成工程、パッケージ嵌合工程を主要工程として製造することが可能である。
【0109】
つまり、本実施の形態に係る光学式測距センサ1の製造方法は、照射光Lsを発光する発光素子2と、照射光Lsを集光して測距対象物MOに照射する発光側レンズ3と、照射光Lsが測距対象物MOで反射した反射光Lrを集光する受光側レンズ5と、集光された反射光Lrを受光して測距対象物MOの位置を検出する位置検出受光素子4と、発光素子2の発光を制御し位置検出受光素子4の検出電流I1、I2を処理する制御処理用集積回路7とを備える光学式測距センサ1の製造方法である。
【0110】
また、発光素子2、位置検出受光素子4、および制御処理用集積回路7を実装するためのリードフレーム10を準備するリードフレーム準備工程と、発光素子2、位置検出受光素子4、および制御処理用集積回路7をリードフレーム10に実装する素子実装工程と、発光素子2、位置検出受光素子4、および制御処理用集積回路7を透光性封止樹脂で一括封止して透光性樹脂封止パッケージ9を形成するパッケージ形成工程と、発光側レンズ3と受光側レンズ5を有するセンサーケース1cに透光性樹脂封止パッケージ9を嵌合するパッケージ嵌合工程とを備える。
【0111】
この構成により、発光側レンズ3、受光側レンズ5、および透光性樹脂封止パッケージ9を高精度に位置合わせして結合することが可能となり、小型化、高精度化が可能な光学式測距センサ1を容易に形成することができる。
【0112】
<実施の形態2>
実施の形態1に係る光学式測距センサ1は、測距対象物MOからの反射光Lrを検出して光学式測距センサ1から測距対象物MOまでの距離を検出することから、そのままで、所定の距離の範囲内に測距対象物MO(被検出物体)が存在するか否かを検出する物体検出装置21(図6参照)としても適用することが可能となる。
【0113】
つまり、実施の形態1に係る光学式測距センサ1を適用した物体検出装置21は、高精度に被検出物体の存在を検出することが可能で、小型化が可能な物体検出装置21とすることができる。
【0114】
<実施の形態3>
図6に基づいて、本発明の実施の形態3に係る洗浄便座について説明する。
【0115】
図6は、本発明の実施の形態3に係る洗浄便座を概念的に示す斜視図である。
【0116】
本実施の形態に係る洗浄便座30では、実施の形態2に係る物体検出装置21(実施の形態1に係る光学式測距センサ1)は、例えば、洗浄便座30の本体部31に装着してある。洗浄便座30(特に温水洗浄便座)は、便座に人が座っているかどうかを検出し人が座っていれば所定の機能(例えば、洗浄水を温める。)を動作させるシステムとしてある。
【0117】
つまり、本実施の形態に係る洗浄便座30は、物体検出装置21によって便座の利用状態を検出し洗浄準備を行なう洗浄便座であって、物体検出装置21は、実施の形態2に係る物体検出装置21であることを特徴とする。
【0118】
実施の形態1、実施の形態2で示したとおり、光学式測距センサ1、物体検出装置21は、小型化、高精度化することか可能である。したがって、本実施の形態に係る洗浄便座30は、高精度に機能させることが可能で利便性とデザイン性に優れた洗浄便座30とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式測距センサの概略構造と作用を概念的に示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は透視的に示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式測距センサの発光素子および発光側レンズの概略構造と作用を概念的に示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式測距センサの位置検出受光素子の概略平面構造と作用を概念的に示す説明図である。
【図4】図3に示した位置検出受光素子による測距対象物までの距離に対する検出出力の状態を概念的に示す特性グラフである。
【図5】本発明の実施の形態1に係る光学式測距センサの発光素子を駆動する駆動波形を示す波形図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態3に係る洗浄便座を概念的に示す斜視図である。
【図7】従来の光学式測距センサの概略構造と作用を概念的に示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は透視的に示す側面図である。
【図8】従来の光学式測距センサによる三角測量方式の概念を説明する概念図である。
【図9】従来の光学式測距センサの位置検出受光素子による測距対象物までの距離に対する検出出力の状態を概念的に示す特性グラフである。
【図10】従来の光学式測距センサの発光素子からの照射光の広がりによる測距誤差の発生を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0120】
1 光学式測距センサ
1c センサーケース
2 発光素子(面発光レーザ)
3 発光側レンズ
4 位置検出受光素子
4r 受光領域
4ra 第1受光領域
4rb 第2受光領域
4rc 第3受光領域
4rd 第4受光領域
4re 第5受光領域
4tf 出力端子
4ts 出力端子
5 受光側レンズ
7 制御処理用集積回路
9 透光性樹脂封止パッケージ
10 リードフレーム
21 物体検出装置
30 洗浄便座
31 本体部
Cim 参考直線
Cre 相関特性
Dis 距離
Disf 焦点距離
I1 検出電流
I2 検出電流
If 順方向電流
Lax センサ光軸
Lr 反射光
Ls 照射光
MO 測距対象物(被検出物体)
Ps 検出出力
R 抵抗値
Rt 合計抵抗値
R1 第1抵抗値
R2 第2抵抗値
R3 第3抵抗値
R4 第4抵抗値
R5 第5抵抗値
Ton 発光時間
θ 指向角
φ 直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射光を発光する発光素子と、照射光を集光して測距対象物に照射する発光側レンズと、照射光が測距対象物で反射した反射光を集光する受光側レンズと、集光された反射光を受光して測距対象物の位置を検出する位置検出受光素子と、前記発光素子の発光を制御し前記位置検出受光素子の検出電流を処理する制御処理用集積回路とを備える光学式測距センサであって、
前記発光素子は、面発光レーザであること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項2】
前記請求項1に記載の光学式測距センサであって、
前記発光素子、前記位置検出受光素子、および前記制御処理用集積回路は、単一の透光性樹脂封止パッケージで封止されていること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項3】
請求項2に記載の光学式測距センサであって、
前記発光素子、前記位置検出受光素子、および前記制御処理用集積回路は、リードフレームに実装してあること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の光学式測距センサであって、
前記透光性樹脂封止パッケージは、前記発光側レンズおよび前記受光側レンズを保持するセンサーケースに嵌合させてあること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載の光学式測距センサであって、
前記位置検出受光素子は、等しい面積で複数の受光領域に分割してあり、受光領域の分割数および各受光領域の抵抗値は、測距対象物までの距離と前記位置検出受光素子による検出出力との相関特性が直線状となるように構成してあること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項6】
請求項5に記載の光学式測距センサであって、
前記分割数は、3以上としてあること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の光学式測距センサであって、
前記面発光レーザの指向角は、5度ないし25度としてあること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項8】
請求項7に記載の光学式測距センサであって、
前記発光側レンズの焦点距離は、1mmないし4mmとしてあること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項9】
請求項8に記載の光学式測距センサであって、
前記発光側レンズの直径は、0.5mmないし2mmとしてあること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか一つに記載の光学式測距センサであって、
前記面発光レーザの発光波長は、赤外領域の波長であること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれか一つに記載の光学式測距センサであって、
前記面発光レーザは、パルス駆動してあり、前記制御処理用集積回路は、前記面発光レーザの順方向電流と発光時間の積を調整して前記位置検出受光素子からの検出電流を処理する構成としてあること
を特徴とする光学式測距センサ。
【請求項12】
光学式測距センサを適用して被検出物体の存在を検出する物体検出装置であって、
前記光学式測距センサは、請求項1ないし請求項11のいずれか一つに記載の光学式測距センサであること
を特徴とする物体検出装置。
【請求項13】
物体検出装置によって便座の利用状態を検出し洗浄準備を行なう洗浄便座であって、
前記物体検出装置は、請求項12に記載の物体検出装置であること
を特徴とする洗浄便座。
【請求項14】
照射光を発光する発光素子と、照射光を集光して測距対象物に照射する発光側レンズと、照射光が測距対象物で反射した反射光を集光する受光側レンズと、集光された反射光を受光して測距対象物の位置を検出する位置検出受光素子と、前記発光素子の発光を制御し前記位置検出受光素子の検出電流を処理する制御処理用集積回路とを備える光学式測距センサの製造方法であって、
前記発光素子、前記位置検出受光素子、および前記制御処理用集積回路を実装するためのリードフレームを準備するリードフレーム準備工程と、
前記発光素子、前記位置検出受光素子、および前記制御処理用集積回路を前記リードフレームに実装する素子実装工程と、
前記発光素子、前記位置検出受光素子、および前記制御処理用集積回路を透光性封止樹脂で一括封止して透光性樹脂封止パッケージを形成するパッケージ形成工程と、
前記発光側レンズと前記受光側レンズを有するセンサーケースに前記透光性樹脂封止パッケージを嵌合するパッケージ嵌合工程と
を備えることを特徴とする光学式測距センサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−97872(P2009−97872A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266752(P2007−266752)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】