説明

光学成形品の成形方法

【課題】発光製品の発光部に装着する光学レンズ(光学成形品)を成形する樹脂材料(成形材料)の製品化率を効率良く向上し得て、製品(光学成形品)の生産性を効率良く向上させる成形方法を提供する。
【解決手段】圧縮成形用金型1(上下両型)2、3を用いて、離型テープ12を載置した所要複数個の成形孔11を有するキャリア10を、下型3の所要位置に供給して上下両型2、3を型締めすると共に、離型フィルム8を被覆した下型キャビティ4(キャビティ4の底面に所要複数個の小キャビティ5)内で加熱溶融された樹脂材料9をキャビティ底面部材6で押圧することにより、成形孔11と小キャビティ5とから成る空間部で光学レンズ15を圧縮成形した光学レンズ15を所要複数個有する成形済キャリア13を形成し、更に、成形済キャリア13の成形孔11から光学レンズ15を突き出して分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズ等の光学成形品を樹脂材料(成形材料)にて成形する光学成形品の成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、光学レンズ(例えば、プラスチック製レンズ)をインジェクションモールド法(射出成形法)にて成形することが行われているが、この方法は、次のようにして行われている。
【0003】
即ち、まず、射出成形用金型に設けられたレンズ成形用のキャビティ(凹部)内に、射出機構から金型に設けたランナ、スプル、ゲート等の樹脂通路を通して、加熱溶融化された樹脂材料(成形材料)を射出して注入充填し、次に、金型キャビティ内に注入充填した加熱溶融化した樹脂材料を冷却して固化することにより、金型キャビティ内でキャビティの形状に対応した光学レンズ(光学成形品)を製品として成形するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−329176号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、樹脂材料をランナ、スプル、ゲート等の樹脂通路を通して金型キャビティ内に注入充填するために、この樹脂通路内で固化した樹脂材料が製品(光学成形品)としては不要な樹脂となり、所謂、製品の歩留まりが低い。
このため、樹脂材料の製品化率を効率良く向上させることができず、製品(光学成形品)の生産性を効率良く向上させることができない。
従って、樹脂材料(成形材料)の製品化率を効率良く向上させることができず、製品(光学成形品)の生産性を効率良く向上させることができないと云う弊害がある。
【0006】
従って、本発明は、樹脂材料(成形材料)の製品化率を効率良く向上し得て、製品(光学成形品)の生産性を効率良く向上させることを目的とする。
【0007】
なお、昨今、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等の発光素子を樹脂材料で封止成形したLED成形品(光学成形品)が用いられるようになってきている。
このLED成形品は、例えば、発光用LEDチップを樹脂封止成形した発光部と、その発光面側に取り付けられ且つ発光部からの発光を調整(集光、散乱など)する光学部(光学レンズ)とから構成されている。
本発明は、特に、LED成形品におけるは発光部の発光面に取り付けられる光学レンズ等の光学成形品に関連するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した技術的課題を解決するための本発明に係る光学成形品の成形方法は、まず、圧縮成形用の金型キャビティにおける個別キャビティとキャリアに設けた成形孔とから成る空間部にて光学成形品を圧縮成形することにより、所要複数個の光学成形品を有する成形済キャリアを形成し、次に、前記した成形済キャリアから前記した所要複数個の光学成形品を各別に突き出して個々の光学成形品を得ることを特徴とする。
【0009】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る光学成形品の成形方法は、前記した成形済キャリアにおける所要複数個の光学成形品に対して、圧縮成形用の金型キャビティにおける個別キャビティにて各別に圧縮成形して積層することにより、所要複数個の多層構造を有する光学成形品を備えた成形済キャリアを形成することを特徴とする。
【0010】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る光学成形品の成形方法は、上型と下型とを有し、且つ、前記した金型に設けた圧縮成形用キャビティと、前記した圧縮成形用キャビティの底面に設けた所要複数個の個別キャビティと、前記した所要複数個の個別キャビティを先端面とするキャビティ底面部材とを備えた光学成形品の圧縮成形用金型、及び、前記した圧縮成形用の金型キャビティ内を被覆する離型フィルムを用意する工程と、前記した所要複数個の個別キャビティに各別に対応した成形孔を有するキャリアと、前記したキャリアの上面に載置される離型テープとを用意する工程と、前記した離型フィルムを被覆した個別キャビティを有する圧縮成形用キャビティ内に樹脂材料を供給して加熱溶融化する工程と、前記した離型テープを載置したキャリアを、前記した個別キャビティの位置に前記した成形孔の位置を合致させた状態で供給セットする工程と、前記した上下両型を型締めする工程と、前記上下両型の型締時に、前記した金型キャビティ内の樹脂を前記したキャビティ底面部材にて押圧することにより、所要複数個の光学成形品を備えた成形済キャリアを圧縮成形する工程と、前記したキャビティ底面部材による樹脂押圧時に、前記したキャリア成形孔内に前記した金型キャビティ内の樹脂を各別に注入する工程と、前記したキャビティ底面部材による樹脂押圧時に、前記したキャリア成形孔と個別キャビティとから成る空間部で光学成形品を圧縮成形する工程と、前記した上下両型を型開きする工程と、前記上下両型の型開時に、前記した成形済キャリアを前記した離型テープを被覆した状態で取り出す工程と、前記した成形済キャリアに圧縮成形された所要複数個の光学成形品を前記した離型テープ載置側から各別にパンチで突き出すことにより、前記した成形済キャリアから前記した光学成形品を分離する工程とからなることを特徴とする。
【0011】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る光学成形品の成形方法は、前記したキャビティ底面部材による樹脂押圧時に、上型面にキャリア成形孔に対応して設けた座成形凹部内に離型テープを介して前記した成形孔から樹脂を注入して成形座部を成形する工程と、光学成形品の突き出し時に、前記成形座部にパンチを押圧して突き出すことにより、成形済キャリアから光学成形品を分離する工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る光学成形品の成形方法は、前記した上下両型の型締時に、上型に設けた突出部をキャリア成形孔と小キャビティ内に遊嵌する工程と、前記した上下両型の型締時に、前記した突出部にてキャリア上面に載置した離型テープを被覆する工程とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、圧縮成形用金型の樹脂成形用キャビティ内に樹脂材料(成形材料)を供給して圧縮成形する構成を採用したため、従来例に示す射出成形のような、ゲート、ランナ等の樹脂通路で硬化する製品としては不要な硬化樹脂が発生することがない。
即ち、本発明によれば、製品としては不要な硬化樹脂の量を効率良く低減することができるので、製品の歩留まりを効率良く向上させることができる。
従って、本発明によれば、樹脂材料の製品化率を効率良く向上し得て、製品(光学成形品)の生産性を効率良く向上させることができると云う優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、まず、「下型に設けた一括キャビティ(1個の大キャビティ)と、大キャビティ底面に設けられた所要複数個の個別キャビティ(小キャビティ)と、先端面に所要複数個の小キャビティを有するキャビティ底面部材とを備えた光学成形品(光学レンズ)の圧縮成形用金型(上下両型)」、及び、「所要複数個の小キャビティに各別に対応した成形孔(貫通孔)を有するキャリア(光学レンズの担体)」、更に、「小キャビティとキャリア成形孔とから成る空間部で圧縮成形された光学レンズを突き出す光学成形品(光学レンズ)の突出装置」を用意する。
また、下型キャビティ内を被覆する離型フィルムと、キャリアの上面に載置する離型テープとを用意する。
なお、本発明に用いられる離型フィルムと離型テープとは、圧縮成形された光学成形品(光学レンズ)の光透過性を良好することができるように、例えば、それらの表面は鏡面状に形成されている。
【0015】
即ち、キャリアを圧縮成形用金型で圧縮成形することにより、キャリア成形孔と小キャビティとから成る空間部で形成された光学レンズ(所要複数個の光学レンズ)を有する成形済キャリアを得ることができる。
また、この成形済キャリアの光学レンズ部に、圧縮成形用金型の小キャビティにて光学レンズ部を圧縮成形して積層することにより、二層構造を有する光学レンズを備えた成形済キャリアを形成することができる。
即ち、この圧縮成形による積層は、複数回(多数回)、行うことができので、一個のキャリアに、複数層構造(多層構造)の光学レンズ部を有する光学レンズを、所要複数個、形成することができる。
次に、突出装置にて、所要複数個の光学レンズを有するキャリアの成形孔から光学レンズを各別に突き出すことができる。
従って、この光学レンズを発光部に装着して発光製品を形成することができる。
【0016】
詳述すると、まず、圧縮成形用金型の下型キャビティ内に離型フィルムを被覆すると共に、離型フィルムを被覆した下型キャビティ内に樹脂材料を供給して加熱溶融化する。
次に、離型テープを上面に載置したキャリアを下型の所要位置に供給して上下両型を型締めする。
このとき、離型テープは上型の型面とキャリア上面との間に挟持されると共に、キャリアの成形孔と小キャビティとの位置は合致することになる。
次に、キャビティ底面部材を上動して下型キャビティ内の樹脂を押圧する。
このとき、下型キャビティ内の樹脂はキャリア成形孔内に注入充填されると共に、小キャビティと成形孔とから成る空間部に注入充填(圧入)される樹脂量は、小キャビティ(成形孔)間に形成される連通路(大キャビティ)を通して調整される。
硬化に必要な所要時間の経過後、上下両型を型開きすることにより、成形済キャリアを取り出して得ることができる。
この成形済キャリアには、成形孔と小キャビティとから成る空間部で圧縮成形された光学レンズが、所要複数個、形成されることになる。
なお、前述したように、この圧縮成形を、一つのキャリアを用いて、複数回、行うこと
により、所要複数個の多層構造を有する光学レンズを備えた成形済キャリアを形成することができる。
従って、次に、成形済キャリアの成形孔から光学レンズを突き出して分離することができる。
【0017】
即ち、本実施例によれば、圧縮成形用金型の樹脂成形用キャビティ(大小両キャビティ)内に樹脂材料(成形材料)を供給して光学レンズを圧縮成形する構成を採用したため、従来例に示す射出成形のような、ゲート、ランナ等の樹脂通路で硬化する製品としては不要な硬化樹脂が発生することがない。
このため、本発明によれば、製品(光学レンズ)としては不要な硬化樹脂の量を効率良く低減することができるため、製品の歩留まりを効率良く向上し得て、下型キャビティ、内に供給した樹脂材料を効率良く製品化することができる。
従って、本発明によれば、樹脂材料の製品化率を効率良く向上し得て、製品(光学レンズ)の生産性を効率良く向上させることができる。
【実施例1】
【0018】
まず、本発明に係る実施例1を、実施例図を用いて詳細に説明する。
図1、図2は、実施例1に係る光学成形品(光学レンズ)を有する成形済キャリアを成形する圧縮成形用金型である。
図3、図4は、成形済キャリア(光学成形品)の切断装置である。
図5(1)〜(3)は、発光部に光学成形品(光学レンズ)を装着してLED成形品を形成する工程である。
【0019】
(実施例1における光学成形品の圧縮成形用金型の構成について)
即ち、図1、図2に示すように、実施例1に用いられる光学成形品の圧縮成形用金型1には、固定上型2と、この上型2に対向位置した可動下型3とから構成されている。
また、下型3の型面には下型キャビティ(一括キャビティ)4が設けられると共に、キャビティ4の底面には所要複数個の個別キャビティ5が設けられて構成されている。
即ち、下型面に、大キャビティ開口部を有する圧縮成形用の大キャビティ4(一括キャビティ)が設けられて構成されると共に、大キャビティ4の底面には所要複数個の小キャビティ5(個別キャビティ)がマトリックス型状にて(縦横の2次元配置にて)設けられて構成されている。
従って、所要複数個の小キャビティ5(図例では半球状の凹部)と大キャビティ4(図例では平板状の凹部)とで下型キャビティ4、5が構成されることになる。
また、大キャビティ4の底面には、先端面に所要複数個の小キャビティ5(大キャビティ底面)を備えたキャビティ底面部材6が設けられて構成されると共に、下型3の本体に対してキャビティ底面部材6を上下動自在に設けられて構成されている。
なお、上型2の型面には、キャビティ底面部材6に設けられた小キャビティ5の位置に各別に対応して、後述する光学成形品(光学レンズ)を各別に突き出す光学成形品突出用の成形座部15bを成形する座成形凹部7が、所要複数個、マトリックス型状に設けられて構成されている。
【0020】
また、下型3には、下型3の型面及び所要複数個の小キャビティ5を含む大キャビティ4の底面を被覆する離型フィルム8が設けられて構成されている。
また、図示はしていないが、下型3の型面及び下型3における所要複数個の小キャビティ4を含む大キャビティ4の底面の所要個所には空気を強制的に吸引排出する吸着孔が設けられて構成されている。
従って、吸引孔から空気を強制的に吸引排出することにより、離型フィルム8を下型3の型面及び所要複数個の小キャビティ5を含む大キャビティ4底面の形状に沿って吸着被覆させることができるように構成されている。
【0021】
また、圧縮成形用金型1(2、3)には、図示はしていないが、金型1(2、3)を所要の樹脂成形温度にまで加熱する加熱手段と、離型フィルム8を被覆した大キャビティ4内に樹脂材料9を供給する樹脂材料の供給機構とが設けられて構成されている。
即ち、離型フィルム8を被覆した大キャビティ4内に所要量の樹脂材料9を供給して加熱溶融化することができるように構成されている。
また、光学成形品を圧縮成形するために用いられる樹脂材料9は光透過性(透明性)を有するものである。
従って、キャビティ底面部材6を上動することにより、キャビティ底面部材6にて離型フィルム8で被覆した大キャビティ4(小キャビティ5を含む)内の樹脂9を所要の押圧力にて押圧することができるように構成されている。
なお、図1において、離型フィルム8に所要量の樹脂材料9を供給セットし、この状態で、下型キャビティ4、5内に離型フィルム8を吸着被覆して樹脂材料9を供給する構成を採用することができる。
【0022】
(光学成形品成形用のキャリアの構成について)
また、実施例1において、図1に示すように、光学レンズ(光学成形品)を成形するために、光学成形品成形用のキャリア(光学成形品の担体)10が用いられる。
このキャリア10は平板状であって、このキャリア10には、下型3における所要複数個の小キャビティ5の位置に対応して、光学成形品成形用の成形孔(貫通孔)11が各別に設けて構成されている。
また、このキャリア10においては、小キャビティ5の配置に対応して、成形孔11がマトリックス型に各別に配置されて構成されている。
また、下型3の型面の所要位置にキャリア10を供給セットしたとき、(平面的に、)キャリア10の成形孔11の位置と、大キャビティ4の小キャビティ5の位置とが各別に合致するように構成されている。
従って、(平面的に、)キャリア10の下面における成形孔11の開口部の位置と、大キャビティ4底面における小キャビティ5の開口部の位置とが(大キャビティ4の空間部を介して)各別に合致するように構成されている。
【0023】
また、実施例1においては、このキャリア10の上面には離型テープ12を載置させることができるように構成されている。
また、キャリア10の上面に載置された離型テープ12で、少なくとも、キャリア10の上面側の所要複数個の成形孔11の開口部を被覆して塞ぐことができるように構成されている。
また、キャリア10の上面に離型テープ12を載置した状態で、キャリア10を下型3の型面の所要位置に供給セットして上下両型1(2、3)を型締めした場合、上型2の型面とキャリア10の上面との間に離型テープ12を挟持することができるように構成されている。
また、このとき、成形孔11の開口部と座成形凹部7の開口部とが離型テープ12を挟んで対向配置するように構成されている。
従って、(平面的に、)キャリア10の上面における成形孔11の開口部の位置と、上型2の型面における座成形凹部7の開口部の位置とが(離型テープ12を介して)各別に合致するように構成されている。
【0024】
また、実施例1において、上下両型1(2、3)の型締時に、下型3の小キャビティ(凹部)5と、キャリア10の成形孔(貫通孔)11と、上型2の座成形凹部7とは、上下垂直方向に一列に配置することができるように構成されている。
また、小キャビティ5(大キャビティ4を含む)と成形孔11とは連通した状態で構成されている。
従って、実施例1において、後述するように、小キャビティ4(大キャビティ4の一部を含む)とキャリア成形孔11と座成形凹部7とから成る空間部で、光学レンズ(光学成形品)15を圧縮成形することができるように構成されている。
【0025】
(離型フィルムと離型テープとについて)
即ち、本発明に用いられる離型フィルム8と離型テープ12とは、圧縮成形用金型1の金型面(キャビティ面、型面等)と樹脂9とが密着しないように構成するために用いられるものであり、特に、離型テープ12は上型2の型面に設けた座成形凹部7内で硬化した樹脂(成形座部15a)を座成形凹部7から効率良く離型するために用いられるものである。
また、本発明に用いられる離型フィルムと離型テープとは、圧縮成形された光学成形品(光学レンズ)の光透過性を良好することができるように、例えば、それらの表面は鏡面状に形成されている。
【0026】
(成形済キャリアについて)
実施例1において、成形済キャリア13は、圧縮成形用金型1(2、3)を用いて、成形前キャリア10を樹脂材料9で圧縮成形して形成したものである。
即ち、圧縮成形用金型1(2、3)において、離型フィルム8を介して、小キャビティ5を含む大キャビティ4内で加熱溶融化された樹脂材料(溶融樹脂)9を、キャビティ底面部材6を上動して所要の押圧力にて押圧することにより、所要の樹脂圧にて、まず、大キャビティ4内の溶融樹脂9をキャリア成形孔11内に注入充填する(圧入する)ことができる。
また、次に、成形孔11を通して、溶融樹脂9を、離型テープ12を介して座成形凹部7に注入充填することができる。
このとき、成形孔11内からの溶融樹脂9による所要の樹脂圧にて、離型テープ12を座成形凹部7側に押圧することにより、離型テープ12を座成形凹部7の形状に対応して被覆させることができる。
なお、このとき、大キャビティ4の一部となる連通路4aを通して、小キャビティ5と成形孔11と座成形凹部7とから成る圧縮成形用の空間部に注入充填される樹脂量を過不足なく調整することができるように構成されている。
【0027】
即ち、圧縮成形用金型1(2、3)と成形前キャリア10とを用いることによって、所要複数個の小キャビティ5を含む大キャビティ4(連通部4aを含む)と成形孔11及び座成形凹部7とで一括して硬化した樹脂14、及び、キャリア10とから成形済キャリア13を形成することができる。
また、一括硬化樹脂14は、大キャビティ4の一部である連通路4aで硬化した製品(光学レンズ15)としては不要な薄膜状の硬化樹脂14aと、下型3の小キャビティ5(詳述すると、大キャビティ4の一部を含む)とキャリア10の成形孔11と上型2の座成形凹部7とで硬化した樹脂、即ち、所要複数個の光学レンズ15(製品)とで構成されている。
また、連通路4a内で硬化した薄膜状の硬化樹脂14aはキャリア10の下面に付着した状態で形成され、このキャリア10の下面において、薄膜状の硬化樹脂14aは個々の光学レンズ(製品)15の周囲に形成されることになる。
従って、成形済キャリア13において、一括硬化樹脂14から、製品としては不要な薄膜状の硬化樹脂14aを除いたものが光学レンズ(製品)15となるものであり、光学レンズ15はキャリア10の成形孔11内に付着した状態で各別に形成されて構成されることになる。
なお、光学レンズ15は、座成形凹部7で硬化した成形座部15bと、その他の部分とから構成され、即ち、大キャビティ4の連通路4aを除く部分を含む小キャビティ5と成形孔11とから成る空間部で硬化した樹脂(光学レンズの本体15a)とから構成されている。
【0028】
また、圧縮成形用金型1(2、3)で圧縮成形して上下両型1(2、3)を型開きすることにより、上下両型1(2、3)から成形済キャリア13を取り出すことができるように構成されている。
このとき、成形済キャリア13の上面において、離型テープ12をキャリア13(10)の上面と成形座部15bとの形状に沿って被覆させた状態で形成することができる。
また、前述したように、実施例1によれば、キャリア10を用いて光学レンズ15を圧縮成形することができる。
また、実施例1において、製品(光学レンズ15)としては不要な硬化樹脂となる連通路4a内で硬化する樹脂14aの量を効率良く低減することができるように構成されている。
なお、後述するように、薄膜状の硬化樹脂14aを残存させた状態で、成形済キャリア13から各成形孔11内に配置された樹脂部(光学レンズ15)を各別に突き出すことにより(或いは、打ち抜くことにより)、光学レンズ(製品)15を得ることができる。
【0029】
(実施例1における光学成形品の突出装置の構成について)
即ち、図3に示すように、光学成形品の突出装置16には、(成形済キャリア13の上面に離型テープ12を載置した状態で)成形済キャリア13を載置する受台(ダイ)17と、成形済キャリア13の所要個所を押圧した状態で、成形済キャリア13における成形孔11に配置された光学成形品(光学レンズ15)を突き出す突出機構18とが設けられて構成されている。
受台17は、成形済キャリア13に付着して配設された光学成形品(光学レンズ15)に対応する突出孔17aが、所要数個、設けられて構成されると共に、成形済キャリア13を受台17に供給セットしたとき、成形済キャリア13(成形孔11)に付着した状態で形成した光学レンズ15の位置を、突出孔17aの位置に配置させることができるように構成されている。
また、突出機構18には、成形済キャリア13の所要個所(離型テープ12を含み成形孔11を除く)を押圧する押圧部材18aと、成形済キャリア13の成形孔11に配置された光学レンズ15(光学成形品)を各別に突き出すパンチ18bと、所要複数個のパンチ18bの基端側を固設する固設部材(図示なし)とが設けられて構成されている。
従って、成形済キャリア13の所要個所を押圧部材18aで押圧した状態で、成形済キャリア13の所要個所を、即ち、キャリア成形孔11に配設した光学レンズ15の成形座部15b側をパンチ18bにて押圧することにより、光学レンズ15をキャリア成形孔11から各別に突き出して受台17の突出孔17aから排出することができるように構成されている。
このとき、成形済キャリア13の下面には連通路4aで硬化した薄膜状樹脂14aが(成形孔11の開口部を除いた状態で)付着残存することになる。
なお、図4に示す図例においては、向かって左から順に、光学レンズ15をキャリア成形孔11(成形済キャリア13)から突き出す状態を順番に示している。
【0030】
ここで、光学レンズ15をキャリア成形孔11(成形済キャリア13)から突き出す場合における離型テープ12の状態について説明する。
例えば、図4の右側に示すように、離型テープ12を受台17側に残すことができる。
この場合、パンチ18bによる突出しと同時に、離型テープ12から光学レンズ15の成形座部15b側が離脱することにより、離型テープ12と光学レンズ15とが分離することになる。
また、例えば、離型テープ12をパンチ18bで切断することにより、離型テープ12を付着した状態で光学レンズ15を突き出すことができる。
この場合、突き出された光学レンズ15の成形座部15b側に被覆した離型テープ12を光学レンズ15から取り除くことになる。
なお、成形済キャリア13から離型テープ12を除去した状態で、成形済キャリア13から光学レンズ15を突き出す構成を採用することができる。
【0031】
(実施例1における光学成形品の成形方法について)
即ち、図1に示すように、まず、所要複数個の小キャビティ5を含む下型キャビティ(大キャビティ4)内に離型フィルム8を吸着被覆すると共に、離型フィルム8を被覆した下型キャビティ4、5内に樹脂材料9を供給して加熱溶融化する。
次に、成形前キャリア10の上面に離型テープ12を載置した状態で、キャリア10を下型3の所要位置に供給セットして上下両型1(2、3)を型締めする。
このとき、小キャビティ5(詳述すると、大キャビティ4の一部を含む)と成形孔11と座成形凹部7とは上下垂直方向に一列に配置して構成されると共に、小キャビティ5(大キャビティ4を含む)と成形孔11とは連通した状態に構成され、小キャビティ5と成形孔11とから圧縮成形用の空間部が形成されることになる。
次に、キャビティ底面部材6を上動することにより、下型キャビティ4、5内で加熱溶融化した樹脂材料9を成形孔11内に各別に注入充填する。
このとき、成形孔11を通して座成形凹部7の内部に、離型テープ12を所要の樹脂圧で押圧した状態で、溶融樹脂9を注入充填することにより、離型テープ12を所要の樹脂圧にて座成形凹部7の形状に沿って被覆させることができる。
従って、離型テープ12を被覆した座成形凹部7内に溶融樹脂9を注入充填して硬化させることにより、座成形凹部7内で、座成形凹部7の形状に対応した成形座部15bを成形することができる。
このとき、所要複数個の小キャビティ5を有する大キャビティ4内と成形孔11内と座成形凹部7内とにおいて、所要複数個の光学レンズ15(光学レンズ部)を含む一括硬化樹脂14を成形することができると共に、一括硬化樹脂14(所要複数個の光学レンズ部15)を有する成形済キャリア13を得ることができる。
即ち、圧縮成形用金型1(2、3)にて成形済キャリア13を圧縮成形することができるように構成されている。
このため、硬化に必要な所要時間の経過後、上下両型1(2、3)を型開きすることにより、離型テープ12がキャリア上面に付着した状態の成形済キャリア13を得ることができる。
【0032】
次に、図3に示すように、離型テープ12を付着した状態の(或いは離型テープ12を除去した状態の)成形済キャリア13を、突出装置16における受台17に供給セットする。
このとき、成形済キャリア13の成形孔11に形成された(一括硬化樹脂14の)光学レンズ部15を突出孔17aの位置に合致させることになる。
また、次に、成形済キャリア13の所要個所を押圧部材18aで押圧することにより、成形済キャリア13を受台17に固定する。
従って、次に、この状態で、パンチ18bを下動して光学レンズ15の成形座部15b側を押圧することにより、成形済キャリア13の成形孔11内から光学レンズ15を各別に突き出して分離することができる。
このとき、光学レンズ15に離型テープ12が付着している場合もあれば、光学レンズ15に離型テープ12が付着していない場合がある(図4を参照)。
なお、光学レンズ15の成形座部15b側に離型テープ12が付着している場合は、離型テープ12を取り除いて光学レンズ15を得ることができる。
【0033】
即ち、実施例1によれば、圧縮成形用金型の圧縮成形用金型キャビティ(大小両キャビティ)4、5内に樹脂材料(成形材料)9を供給して光学レンズ15を圧縮成形する構成を採用したため、従来例に示す射出成形のような、ゲート、ランナ等の樹脂通路で硬化する製品としては不要な硬化樹脂が発生することがない。
このため、本発明によれば、製品(光学レンズ15)としては不要な硬化樹脂の量を効率良く低減することができるため、製品の歩留まりを効率良く向上し得て、下型キャビティ4、5内に供給した樹脂材料9を効率良く製品化することができる。
従って、実施例1によれば、樹脂材料9の製品化率を効率良く向上し得て、製品(光学レンズ15)の生産性を効率良く向上させることができる。
なお、この光学レンズ15を発光部に装着することによって発光製品を形成することができる。
【0034】
(実施例1おける光学レンズの発光部への装着について)
図5(1)〜(3)を用いて、図1〜図4で成形した光学レンズ15を発光部に装着して発光製品(例えば、LED製品)を形成する方法の一例について説明する。
【0035】
即ち、まず、図5(1)に示すように、LED等の発光素子101を反射凹部102内に装着した発光基台103における反射凹部102内にディスペンサ104から透明性を有する液状の樹脂材料105(例えば、シリコーン樹脂)を滴下して充填することによって、図5(2)に示すような発光部106を形成する。
次に、図5(2)に示すように、光学レンズ15を、その成形座部15b側で、液状樹脂材料105を充填した(未硬化)の反射凹部102(発光部106)に装着する。
次に、図5(3)に示すように、光学レンズ15を装着した反射凹部102を加熱して液状の樹脂材料105を反射凹部102内で硬化させることにより、光学レンズ15(成形座部15b)を固定して装着して発光製品107を形成することができる。
【0036】
即ち、実施例1において、まず、圧縮成形用金型1(2、3)とキャリア10とを用いて、光学レンズ15を圧縮成形し、次に、発光部106に光学レンズ15を装着して発光製品を形成することができる。
このため、実施例1によれば、発光部106に光学レンズ15を装着した発光製品を効率良く形成することができる。
【実施例2】
【0037】
次に、本発明に係る実施例2を、実施例図を用いて詳細に説明する
図6、図7は、実施例2に係る光学成形品(キャップ状の光学レンズ)を有する成形済キャリアを成形する光学成形品の圧縮成形用金型である。
図8、成形済キャリア(光学成形品)の切断装置である。
図9(1)、図9(2)は、発光部に光学成形品(光学レンズ)を装着してLED成形品を形成する工程である。
なお、実施例2において、実施例1と同じ構成部材には同じ符号を付すものである。
また、実施例2において、実施例1と同じ構成部材についてはその説明を省略するものである。
【0038】
(実施例2における光学成形品の圧縮成形用金型の構成について)
即ち、図6、図7に示すように、実施例2に用いられる光学成形品の圧縮成形用金型21には、実施例1と同様に、固定上型22と、この上型22に対向位置した可動下型23とから構成されている。
また、実施例2に示す金型21(22、23)には、実施例1と同様に、圧縮成形用の下型キャビティ(大キャビティ4)と、大キャビティ4(一括キャビティ)の底面に設けられた所要複数個の小キャビティ5(個別キャビティ)と、先端面に所要複数個の小キャビティ5を有するキャビティ底面部材6とが設けられて構成されている。
また、上型22の型面には、下型23における小キャビティ5の位置に対応して突出部(凸部)24が各別に設けられて構成されている。
即ち、図7に示すように、金型21(上下両型22、23)の型締時に、後述するキャリア10の成形孔11に対して突出部24が接触しない状態で貫通するように(遊嵌するように)構成されると共に、成形孔11の内面と突出部24の外面との間に所要の間隔(距離)が保持形成され、成形孔11内に所要の空間部が形成されることになる。
また、このとき、小キャビティ5内に突出部24の先端側が小キャビティ5の内面と接触しないように配置されて構成されている。
即ち、小キャビティ5の内面と突出部24の先端外面(表面)との間に所要の間隔(距離)が保持形成され、小キャビティ5内に所要の空間部が形成されることになる。
従って、総じて、金型21(上下両型22、23)の型締時に、小キャビティ5及び成形孔11に突出部24を(接触しない状態で)遊嵌することができるように構成され、小キャビティ5内と成形孔11内に突出部24の部分を除く圧縮成形用の空間部が形成されることになる。
なお、後述するように、突出部24に対して、キャップ状の光学レンズ27における開口部27bを有する中空部27aが対応することになる。
【0039】
また、図6に示すように、例えば、下型23の型面と下型キャビティ4、5内とに吸着して被覆する離型フィルム25が設けられて構成されると共に、離型フィルム25の中央部には樹脂材料9を収容する収容凹部25aが設けられて構成されている。
即ち、収容凹部25aに樹脂材料9を供給した状態で、下型キャビティ(大小キャビティ)4、5内に収容凹部25aを嵌装セットすると共に、離型フィルム25を下型キャビティ4、5と下型23の型面の形状に沿って吸着被覆することができるように構成されている。
従って、下型キャビティ4、5内で加熱溶融化された樹脂材料(溶融樹脂)9を、離型フィルム25(25a)を介して、キャビティ底面部材6にて所要の押圧力で押圧することができるように構成されている。
【0040】
(キャリアと離型テープとについて)
実施例2において、実施例1と同様に、成形前キャリア10と離型テープ12とが用いられる。
キャリア10には、所要複数個の小キャビティ5の位置に各別に対応して形成された所要複数個の成形孔(貫通孔)11と、キャリア10の上面に形成される所要複数個の成形孔11の開口部を被覆する離型テープ12を止着するテープ止着部26とが設けられて構成されている。
即ち、キャリア10の上面に離型テープ12を所要の引張力にて被覆することができるように構成されている。
従って、下型23の所要位置に離型テープ12を止着被覆したキャリア10を供給セットして金型21(上下両型22、23)の型締した場合、上型22の突出部24の先端で離型テープ12を下方向に押圧することにより、当該突出部24の表面に(突出部24の表面に沿って)引張された離型テープ12を被覆させることができるように構成されている。
このとき、前述したように、離型テープ12を被覆した突出部24は、成形孔11内と小キャビティ5内とに対して所要の間隔で保持した状態で配置されるように構成され、成形孔11内と小キャビティ5内とに突出部24を除く圧縮成形用の空間部を形成することができるように構成されている。
【0041】
即ち、金型21(上下両型22、23)の型締時に、小キャビティ5を含む大キャビティ4内で加熱溶融化された樹脂材料9は、キャリア成形孔11内と小キャビティ5内とにおいて、突出部24を除いた空間部に充填されることになる。
このとき、実施例2において、実施例1と同様に、キャリア成形孔11内及び小キャビティ5内における突出部24を除いた空間部の樹脂量を大キャビティ4の一部となる連通路4aで調整することができるように構成されている。
また、実施例2においては、所要複数個の「突出部24を配置した成形孔11内と小キャビティ4内とで硬化した光学レンズ27」と、連通路4a内で硬化した薄膜状の硬化樹脂28aとで、一括硬化樹脂28が形成されることになる。
また、光学レンズ27には突出部24に対応した中空部27aが存在する。
更に、一括硬化樹脂28とキャリア10とで成形済キャリア29が形成され、光学レンズ27の中空部27aの内面には離型テープ12が被覆した状態に形成され、光学レンズ27の基端側に中空部27aの開口部27bが設けられて構成されている。
【0042】
(実施例2における光学成形品の突出装置の構成について)
即ち、実施例2における光学成形品の突出装置30には、実施例1と同様に、(成形済キャリア29に離型テープ12を止着した状態で)成形済キャリア29を載置する受台(ダイ)17と、成形済キャリア29の所要個所を押圧した状態で、成形済キャリア29における成形孔11に配置された光学成形品(光学レンズ)を突き出す突出機構18とが設けられて構成されている。
また、実施例1と同様に、受台17には突出孔17aが所要数個設けられて構成されると共に、突出機構18にはパンチ18bが設けられて構成されている。
従って、成形済キャリア29における成形孔11に配設した光学レンズ27をパンチ18bにて押圧することにより、光学レンズ27をキャリア成形孔11から各別に突き出して受台17の突出孔17aから排出することができるように構成されている。
このとき、成形済キャリア29の下面には連通路4aで硬化した薄膜状樹脂28aが(成形孔11の開口部を除いた状態で)付着残存することになる。
なお、図8に示す図例においては、向かって左側に、離型テープ12が中空部27aに付着した状態の光学レンズ27を離型テープ12と一体となって突き出す(打ち抜く)場合を示し、図8に示す図例における中央部に、離型テープ12を除去した光学レンズ27を突き出す状態を示している。
【0043】
(実施例2における光学成形品の成形方法について)
図6に示すように、まず、離型フィルム25の収容凹部25aに樹脂材料9を供給セットし、この状態で、樹脂材料9を供給セットした収容凹部25aを下型キャビティ(大キャビティ4)内に嵌装セットする。
このとき、収容凹部25aを含む離型フィルム25は小キャビティ5を含む下型キャビティ(大キャビティ4)の形状に沿って吸着被覆されると共に、離型フィルム25を被覆した下型キャビティ4、5内で樹脂材料は加熱溶融化されることになる。
次に、キャリア10の上面に離型テープ12を止着部26で止着し、この状態で、離型テープ12を止着したキャリア10を下型23の所要位置に供給セットする。
次に、図7に示すように、上下両型21(22、23)を型締めする。
このとき、離型テープ12を突出部24にて下型23方向に伸長させた状態で被覆することができる。
このとき、上型22に設けられた離型テープ12を被覆した突出部24が、キャリア10の成形孔11内と小キャビティ5(詳述すると、大キャビティ4の一部を含む)内とに順番に接触しない状態で進入して遊嵌することになり、小キャビティ5を含む成形孔11内に圧縮成形用の空間部が形成されることになる。
従って、次に、キャビティ底面部材6で下型キャビティ4、5内の樹脂9を、離型フィルム8を介して押圧することになる。
即ち、圧縮成形用金型21(22、23)にて成形済キャリア29を成形することができるように構成されている。
このため、硬化に必要な所要時間の経過後、金型21(上下両型22、23)を型開きすることにより、離型テープ12が付着した状態の成形済キャリア29を得ることができる。
なお、実施例2において、実施例1と同様に、連通路4aで硬化した薄膜状の樹脂28aはキャリア10(29)の下面に付着することになり、後述する突出装置30にて、薄膜状の樹脂28aと光学レンズ27とは分離されることになる。
【0044】
次に、図8に示すように、離型テープ12を付着した状態の(或いは離型テープ12を除去した状態の)成形済キャリア29を、突出装置30における受台17に供給セットする。
このとき、成形孔11に配置した光学レンズ27を突出孔17aの位置に合致させることになる。
また、次に、成形済キャリア29の所要個所を押圧して成形済キャリア29を受台17に固定する。
従って、次に、この状態で、パンチ18bで光学レンズ27を押圧することにより、成形済キャリア29の成形孔11内から光学レンズ27を各別に突き出して分離することができる。
図8に示す図例では、向かって左側に、光学レンズ27に離型テープ12が付着した状態で突き出す場合を例示し、図例の中央部に光学レンズ27から離型テープ12を除去して突き出す場合を例示している。
【0045】
即ち、実施例2によれば、圧縮成形用金型21の樹脂成形用キャビティ(大小両キャビティ)4、5内に樹脂材料(成形材料)9を供給して(キャップ状の)光学レンズ29を圧縮成形する構成を採用したため、従来例に示す射出成形のような、ゲート、ランナ等の樹脂通路で硬化する製品としては不要な硬化樹脂が発生することがない。
このため、本発明によれば、製品(光学レンズ29)としては不要な硬化樹脂の量を効率良く低減することができるため、製品の歩留まりを効率良く向上し得て、下型キャビティ4、5内に供給した樹脂材料9を効率良く製品化することができる。
従って、実施例1によれば、樹脂材料9の製品化率を効率良く向上し得て、製品(光学レンズ29)の生産性を効率良く向上させることができる。
なお、キャップ状の中空部27aを有する光学レンズ29(の開口部27b側)を発光部に装着する(被せる)ことによって発光製品を形成することができる。
【0046】
(実施例2おける光学レンズの発光部への装着について)
次に、図9(1)〜(2)を用いて、図6〜図8で成形した光学レンズ27を発光部に装着して発光製品(例えば、LED製品)を形成する方法の一例について説明する。
【0047】
即ち、実施例2において、図9(1)に示すように、発光部111には、LED等の発光素子112と、LED等の発光素子112を装着した反射凹部113を有する発光基台114と、反射凹部113内に充填された透明性を有する樹脂115(例えば、シリコーン樹脂)と、発光基台114の反射凹部113に設けられた発光レンズ116(凸部)とから構成されている。
従って、図9(2)に示すように、発光部111の発光レンズ116(凸部)に、キャップ状の光学レンズ(光学成形品)27を、その中空部(凹部)27aの開口部24b側から覆い被せて発光製品117を形成することができる。
【0048】
即ち、実施例2において、まず、圧縮成形用金型21(22、23)とキャリア10とを用いて、光学レンズ27を圧縮成形し、次に、発光部111にキャップ状の光学レンズ27を装着して発光製品117を形成することができる。
このため、実施例2によれば、発光部111に光学レンズ27を装着した発光製品117を効率良く形成することができる。
【実施例3】
【0049】
次に、本発明に係る実施例3を、実施例図を用いて詳細に説明する
図10、図11は、実施例3に係る光学成形品(二層構造を有する光学レンズ)を有する成形済キャリアを成形する光学成形品の圧縮成形用金型である。
図12、成形済キャリア(光学成形品)の切断装置である。
図13(1)、図13(2)、図13(3)は、発光部に光学成形品(二層構造を有する光学レンズ)を装着してLED成形品を形成する工程である。
なお、実施例3において、実施例1(実施例2)と同じ構成部材には同じ符号を付すものである。
また、実施例3において、実施例1(実施例2)と同じ構成部材についてはその説明を省略するものである。
【0050】
即ち、実施例3は、基本的に、実施例1で圧縮成形された(第1の)成形済キャリア13の光学レンズ(光学レンズ部)15を、更に、第2の小キャビティ45で圧縮成形する構成である。
また、実施例3は、二段の圧縮成形によって「二層構造を有する光学レンズ55(第2の成形済キャリア53)」を形成するものである。
なお、後述するように、実施例3において、二段成形された「二層構造を有する光学レンズ55」の基本構造は、キャリア10と第1の圧縮成形用金型1と第2の圧縮成形用金型41と第2の突出装置56とによって、第1の光学レンズ部15に第2の光学レンズ部55aが積層した構成となるものである。
【0051】
(実施例3に用いられる成形済キャリアの構成について)
即ち、実施例3における第1の圧縮成形で成形される第1の成形済キャリア(成形済キャリア13)は、実施例1に示す圧縮成形用金型1(上下両型2、3)で圧縮成形されるものであり、実施例3において、第1の成形済キャリア13を圧縮成形する構成の説明は省略するものである。
また、実施例1に関連する構成には「第1の」を付し、実施例3における第2の圧縮成形に関連する構成には「第2の」を付すものである。
なお、図10に示すように、(実施例1と同様に、)第1の成形済キャリア13には、成形前キャリア10と、第1の一括硬化樹脂14とが設けられ、第1の一括硬化樹脂14は、連通路4aで硬化した薄膜状の硬化樹脂14aと、第1の光学レンズ15とが設けられ、第1の光学レンズ15には、第1の小キャビティ5(第1の大キャビティ4の一部)と第1の成形孔11とで成形された第1のレンズ本体15aと、第1の座成形凹部7内で成形された成形座部15bとから構成され、第1の成形済キャリア13の上面には離型テープ12が付着して構成されている。
【0052】
(実施例3における光学成形品の圧縮成形用金型の構成について)
即ち、図10、図11に示すように、実施例3(第2の圧縮成形)に用いられる第2の光学成形品の圧縮成形用金型41には、第2の固定上型42と、この第2の上型42に対向位置した第2の可動下型43とから構成されている。
また、第2の下型43の型面には第2の大キャビティ44(一括キャビティ)が設けられて構成されると共に、第2の大キャビティ44の底面には所要複数個の第2の小キャビティ45(個別キャビティ)が第1の成形済キャリア13の第1の光学レンズ15(第1の光学レンズ部15)の位置に各別に対応して設けられて構成されている。
従って、所要複数個の第2の小キャビティ45(図例では、種々の形状を有する凹部)と第2の大キャビティ4(図例では平板状の凹部)とで第2の下型キャビティ44、45が構成されることになる。
【0053】
また、第2の大キャビティ44の底面には、先端面に所要複数個の第2の小キャビティ45(第2の大キャビティ底面)を備えた第2のキャビティ底面部材46が設けられて構成されると共に、第2の離型フィルム48を吸着被覆した第2の下型キャビティ44、45内で加熱溶融化した樹脂材料47をキャビティ底面部材46にて所要の押圧力にて押圧することができるように構成されている。
また、第2の上型42の型面には、第2のキャビティ底面部材46に設けられた第2の小キャビティ45の位置に対応して、後述する光学成形品(二層構造を有する光学レンズ、即ち、第1の光学レンズ15を第2の圧縮成形用金型41で圧縮成形した光学レンズ55)を各別に突き出す第1の光学成形品突出用の成形座部15bを(成形するのではなく)嵌装する第2の座成形凹部47(嵌装凹部)が、所要複数個、設けられて構成されている。
また、第1の成形座部15b(第1の成形済キャリア13)には第1の離型テープ12が被覆されて構成されている。
また、第2の金型41の連通路44a内では第2の薄膜状の硬化樹脂54aが形成されるように構成されている。
【0054】
即ち、図10に示すように、まず、第2の離型フィルム48を被覆した第2の小キャビティ45内(第2の大キャビティ44内)に所要量の樹脂材料49を供給して加熱溶融化すると共に、第1の成形済キャリア13を、第1の光学レンズ部15を第2の小キャビティ45の位置に合致させた状態で供給セットして第2の上下両型41(42、43)を型締めし、第2の離型フィルム48を介してキャビティ底面部材46にて第2の小キャビティ45内の溶融樹脂49を所要の押圧力にて押圧することができる。
次に、図11に示すように、第1の成形済キャリア13における光学レンズ部15の上に、第2の小キャビティ45内(詳述すると、第2の大キャビティ44における連通路44aを除いた部分を含む)で硬化した第2の光学レンズ部55bを圧縮成形することができる。
【0055】
即ち、第1の光学レンズ部15と、第1の薄膜状の硬化樹脂14a(詳述すると、第1の薄膜状の硬化樹脂の一部14a)と、第2の光学レンズ部55aとで、二層構造を有する光学レンズ55を成形することができる。
従って、キャリア10を、第1の圧縮成形用金型1と第2の圧縮成形用金型41とで、二回圧縮成形することにより、二層構造を有する光学レンズ55を有する第2の成形済キャリア53を成形することができる。
この第2の成形済キャリア53は、第1の成形済キャリア13と、第2の一括硬化樹脂54(第2の薄膜状の硬化樹脂54aと第2の光学レンズ部55a)とから構成されている。
なお、詳述すると、第2の光学レンズ部55aは、第2の小キャビティ45内で、第1の光学レンズ部15における第1の小キャビティ5内で成形された部分と、キャリア10に付着した第1の薄膜状の硬化樹脂の一部14aとの上に、成形されるものである。
【0056】
(実施例3における光学成形品の突出装置の構成について)
即ち、実施例3における光学成形品の突出装置56には、実施例1と同様に、(第2の成形済キャリア53に離型テープ12を付着した状態で)第2の成形済キャリア53を載置する第2の受台(ダイ)57と、第2の成形済キャリア53の所要個所を押圧した状態で、第2の成形済キャリア53における成形孔11に配置された光学成形品(二層構造を有する光学レンズ55)を突き出す突出機構58とが設けられて構成されている。
また、実施例1と同様に、受台57には突出孔57aが所要数個設けられて構成されると共に、突出機構58にはパンチ58bが設けられて構成されている。
従って、第2の成形済キャリア53における成形孔11に配設した光学レンズ55をパンチ58bにて押圧することにより、二層構造を有する光学レンズ55(製品)をキャリア成形孔11から各別に突き出して受台57の突出孔57aから排出することができるように構成されている。
【0057】
なお、図12に示す図例においては、向かって左側に、離型テープ12を介して二層構造の光学レンズ55を突き出す(打ち抜く)場合を示している。
この場合、通常、離型フィルム12は光学レンズ55に付着しないが、パンチ58bのサイズや形状等によって、離型テープ12が切断され、切断された離型テープ12の一部が光学レンズ55の成形座部15b側に付着した状態で突き出されることがある。
また、図12に示す図例において、向かって右側に、離型テープ12を取り除いた状態で、二層構造の光学レンズ55を突き出す(打ち抜く)場合を示している。
また、図12に示す図例において、その中央部に、離型テープ12を除去した(また、突出用の成形座部15bが形成されていない)光学レンズ55を突き出す場合を示している。
【0058】
(実施例3における光学成形品の成形方法について)
まず、実施例3において、実施例1に示すように、第1の圧縮成形用金型1(上下両型2、3)を用いて、キャリア10を圧縮成形して第1の成形済キャリア13を形成する。
このとき、実施例1と同様に、第1の成形済キャリア13上面には離型テープ12が付着した状態で設けられて構成されている。
また、この第1の成形済キャリア13には、第1の小キャビティ5内(詳述すれば、第1の大キャビティ4内の一部を含む)とキャリア成形孔11内と第1の座成形用凹部7内とで成形した第1の光学レンズ部15(レンズ本体15aと成形座部15b)と、連通路4a内で硬化した薄膜状の樹脂14aとが形成されて構成されている。
また、次に、実施例3に示す第2の圧縮成形用金型21(上下両型22、23)を用いて、第1の成形済キャリア13を圧縮成形して第2の成形済キャリア53を形成することができる。
【0059】
即ち、図10に示すように、次に、第2の圧縮成形用金型21の下型43の下型キャビティ44、45内に第2の離型フィルム48を吸着被覆させると共に、第2の離型フィルム48を被覆した下型キャビティ44、45内に所要量の樹脂材料49を供給して加熱溶融化する。
次に、図11に示すように、第1の成形済キャリア13を下型43の所要位置に供給セットして上下両型22、23)を型締めする。
このとき、第1の成形済キャリア13の上面側に形成した成形座部7を、離型テープ12に被覆した状態で、第2の上型42に設けた座成形凹部47内に嵌装セットすることができる。
また、次に、第2のキャビティ底面部材46にて下型キャビティ44、45内の樹脂49を所要の押圧力にて押圧する。
このとき、第2の大キャビティ44内を含む第2の小キャビティ45内で第2の光学レンズ部55aを圧縮成形することができると共に、第2の連通路44a(第2の大キャビティ44)で第2の硬化した薄膜状の樹脂54aが成形される。
また、この薄膜状の硬化樹脂54aと第2の小キャビティ45内で硬化した第2の光学レンズ部55aとで第2の一括硬化樹脂54を構成することができる。
即ち、第1の光学レンズ部15に対して第2の光学レンズ部55aを被せた状態で二層構造を備えた第2の光学レンズ55を成形することができる。
従って、第2の金型21(上下両型22、23)を型開きすることにより、二層構造を備えた第2の光学レンズ55を有する第2の成形済キャリア53を得ることができる。
【0060】
次に、図12に示すように、第2の突出装置56における所要位置に二層構造を備えた第2の光学レンズ55を有する第2の成形済キャリア53を供給セットする。
このとき、第2の成形済キャリア53に形成された二層構造を備えた第2の光学レンズ55は受台57の突出孔57aに供給セットされることになる。
次に、突出機構58のパンチ58bを下動して離型テープ12が付着した成形座部15bを押圧することにより、二層構造を備えた第2の光学レンズ55(の第1の光学レンズ部15)を第2の成形済キャリア53(の成形孔11内)から突き出して(打ち抜いて)分離することになる。
【0061】
なお、二層構造を備えた第2の光学レンズ55に離型テープ12が付着している場合には、離型テープ12を取り除くことになる。
また、例えば、図12の中央部に示すように、成形座部15bが形成されていない二層構造を備えた第2の光学レンズ55を突き出す場合には、成形孔11内を挿通するパンチ58bを用いて突き出すことができる。
【0062】
即ち、実施例3に係る二層構造を備えた第2の光学レンズ55(光学成形品)は、キャリア10を用いて、基端側の内側から、第1段の圧縮成形で第1の光学レンズ部15を形成し、次に、第1の光学レンズ部15の外側に、第2段の圧縮成形で第2の光学レンズ部55aを形成したものであり、この状態で、キャリア10(の成形孔11)から第2の光学レンズ55を突き出して分離されるものである。
なお、実施例3は、2段階の圧縮成形で二層構造を備えた第2の光学レンズ55(光学成形品)を形成する構成であるが、本発明においては、多段の圧縮成形で多層構造を備えた光学レンズを形成する構成を採用することができる。
【0063】
即ち、実施例3によれば、キャリア10と第1の圧縮成形用金型1と第2の圧縮成形用金型41とを用いて、二層構造を有する光学レンズ55を(2段で)圧縮成形する構成を採用したため、従来例に示す射出成形のような、ゲート、ランナ等の樹脂通路で硬化する製品としては不要な硬化樹脂が発生することがない。
このため、本発明によれば、製品(二層構造を有する光学レンズ55)としては不要な硬化樹脂の量を効率良く低減することができるため、製品の歩留まりを効率良く向上し得て、樹脂材料9、49を効率良く製品化することができる。
従って、実施例3によれば、樹脂材料9、49の製品化率を効率良く向上し得て、製品(二層構造を有する光学レンズ55)の生産性を効率良く向上させることができる。
なお、この二層構造を有する光学レンズ55を発光部に装着することによって発光製品を形成することができる。
【0064】
(実施例3おける光学レンズの発光部への装着について)
図13(1)〜(3)を用いて、図10〜図12で成形した二層構造を有する光学レンズ55を発光部に装着して発光製品(例えば、LED製品)を形成する方法の一例について説明する。
【0065】
即ち、まず、図13(1)に示すように、LED等の発光素子121を反射凹部122内に装着した発光基台123における反射凹部122内にディスペンサ124から透明性を有する液状の樹脂材料125(例えば、シリコーン樹脂)を滴下して発光素子121を少量の樹脂材料125で被覆することによって、図13(2)に示すような発光部126を形成する。
次に、図13(2)に示すように、二層構造を有する光学レンズ55を反射凹部122(発光部126)に装着する。
このとき、成形座部15b側で、即ち、第1の光学レンズ部15における成形孔11内で硬化した部分を発光部126の反射凹部122内に嵌装することができる。
従って、次に、図13(3)に示すように、光学レンズ55を装着した反射凹部122を加熱して液状の樹脂材料125を反射凹部122内で硬化させることにより、光学レンズ15(成形座部15b)を固定して装着して発光製品107を形成することができる。
【0066】
即ち、実施例3において、圧縮成形用金型1、41とキャリア10とを用いて、2段にて圧縮成形して光学レンズ55を形成し、次に、発光部126に光学レンズ55を(嵌装)装着して発光製品を形成することができる。
このため、実施例3によれば、発光部126に光学レンズ55を装着した発光製品を効率良く形成することができる。
【0067】
本発明は、前述した実施例のものに限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意且つ適宜に変更・選択して採用できるものである。
【0068】
また、前記した各実施例で用いられる樹脂材料9、49は、透明性を有する樹脂材料であって、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。
また、前記した各実施例で用いられる樹脂材料9、49には、顆粒状、粉末状、液状、シート状などの形態が用いられる。
【0069】
また、前記した各実施例において、光学レンズ15、27、55、55a(樹脂材料9、49中)に、燐光物質や着色物質等を混合することができる。
【0070】
また、前記した各実施例において、1個の大キャビティと所要複数個の小キャビティとを設ける構成を例示したが、所要複数個の小キャビティ(個別キャビティ)のみの構成を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、本発明に係る光学成形品の圧縮成形方法を説明する光学成形品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した金型の型開状態を示している(実施例1)。
【図2】図2は、図1に示す金型に対応する光学成形品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した金型の型締状態を示している(実施例1)。
【図3】図3は、本発明に係る光学成形品の圧縮成形方法を説明する光学成形品の突出装置を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した装置に光学成形品(成形済キャリア)を供給セットする状態を示している(実施例1)。
【図4】図4は、図3に示す装置に対応する光学成形品の突出装置を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した装置から光学成形品を突き出した状態を示している(実施例1)。
【図5】図5(1)、図5(2)、図5(3)は、本発明に係る光学成形品の圧縮成形方法で成形された光学成形品を発光部に装着して発光製品を形成する工程図である(実施例1)。
【図6】図6は、他の本発明に係る光学成形品の圧縮成形方法を説明する光学成形品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した金型の型開状態を示している(実施例2)。
【図7】図7は、図6に示す金型に対応する光学成形品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した金型の型締状態を示している(実施例2)。
【図8】図8は、他の本発明に係る光学成形品の圧縮成形方法を説明する光学成形品の突出装置を概略的に示す概略縦断面図である(実施例2)。
【図9】図9(1)、図9(2)は、他の本発明に係る光学成形品の圧縮成形方法で成形された光学成形品を発光部に装着して発光製品を形成する工程図である(実施例2)。
【図10】図10は、他の本発明に係る光学成形品の圧縮成形方法を説明する光学成形品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した金型の型開状態を示している(実施例3)。
【図11】図11は、図10に示す金型に対応する光学成形品の圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した金型の型締状態を示している(実施例3)。
【図12】図12は、他の本発明に係る光学成形品の圧縮成形方法を説明する光学成形品の突出装置を概略的に示す概略縦断面図である(実施例3)。
【図13】図13(1)、図13(2)、図13(3)は、他の本発明に係る光学成形品の圧縮成形方法で成形された光学成形品を発光部に装着して発光製品を形成する工程図である(実施例3)。
【符号の説明】
【0072】
1 (第1の)光学成形品の圧縮成形用金型
2 (第1の)固定上型
3 (第1の)可動下型
4 (第1の)大キャビティ(一括キャビティ)
4a (第1の)連通路
5 (第1の)小キャビティ(個別キャビティ)
6 (第1の)キャビティ底面部材
7 (第1の)座成形凹部
8 (第1の)離型フィルム
9 樹脂材料(溶融樹脂)
10 (第1の)成形前キャリア
11 (第1の)成形孔(貫通孔)
12 離型テープ
13 (第1の)成形済キャリア
14 (第1の)一括硬化樹脂
14a 薄膜状の硬化樹脂(第1の薄膜状の硬化樹脂の一部)
15 (第1の)光学レンズ(光学成形品)
15a (第1の)光学レンズ本体
15b (第1の)成形座部
16 突出装置
17 受台(ダイ)
17a 突出孔
18 突出機構
18a 押圧部材
18b パンチ
21 光学成形品の圧縮成形用金型
22 固定上型
23 可動下型
24 突出部(凸部)
25 離型フィルム
25a 収容凹部
26 テープ止着部
27 光学レンズ
27a 中空部
27b 開口部
28 一括硬化樹脂
28a 薄膜状の硬化樹脂
29 成形済キャリア
30 突出装置
41 第2の光学成形品の圧縮成形用金型
42 第2の固定上型
43 第2の可動下型
44 第2の大キャビティ
45 第2の小キャビティ
46 第2のキャビティ底面部材
47 第2の座成形凹部(嵌装凹部)
48 第2の離型フィルム
49 樹脂材料
53 第2の成形済キャリア
54 第2の一括硬化樹脂
54a 第2の薄膜状の硬化樹脂
55 第2の光学レンズ(二層構造を有する第2の光学レンズ)
55a 第2の光学レンズ部
56 突出装置(第2の突出装置)
57 受台
57a 突出孔
58 突出機構
58b パンチ
101 発光素子
102 反射凹部
103 発光基台
104 ディスペンサ
105 液状の樹脂材料(樹脂)
106 発光部
107 発光製品
111 発光部
112 発光素子
113 反射凹部
114 発光基台
115 樹脂
116 発光レンズ
117 発光製品
121 発光素子
122 反射凹部
123 発光基台
124 ディスペンサ
125 液状の樹脂材料(樹脂)
126 発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
まず、圧縮成形用の金型キャビティにおける個別キャビティとキャリアに設けた成形孔とから成る空間部にて光学成形品を圧縮成形することにより、所要複数個の光学成形品を有する成形済キャリアを形成し、
次に、前記した成形済キャリアから前記した所要複数個の光学成形品を各別に突き出して個々の光学成形品を得ることを特徴とする光学成形品の成形方法。
【請求項2】
成形済キャリアにおける所要複数個の光学成形品に対して、圧縮成形用の金型キャビティにおける個別キャビティにて各別に圧縮成形して積層することにより、所要複数個の多層構造を有する光学成形品を備えた成形済キャリアを形成することを特徴とする請求項1に記載の光学成形品の成形方法。
【請求項3】
上型と下型とを有し、且つ、前記した金型に設けた圧縮成形用キャビティと、前記した圧縮成形用キャビティの底面に設けた所要複数個の個別キャビティと、前記した所要複数個の個別キャビティを先端面とするキャビティ底面部材とを備えた光学成形品の圧縮成形用金型、及び、前記した圧縮成形用の金型キャビティ内を被覆する離型フィルムを用意する工程と、
前記した所要複数個の個別キャビティに各別に対応した成形孔を有するキャリアと、前記したキャリアの上面に載置される離型テープとを用意する工程と、
前記した離型フィルムを被覆した個別キャビティを有する圧縮成形用キャビティ内に樹脂材料を供給して加熱溶融化する工程と、
前記した離型テープを載置したキャリアを、前記した個別キャビティの位置に前記した成形孔の位置を合致させた状態で供給セットする工程と、
前記した上下両型を型締めする工程と、
前記上下両型の型締時に、前記した金型キャビティ内の樹脂を前記したキャビティ底面部材にて押圧することにより、所要複数個の光学成形品を備えた成形済キャリアを圧縮成形する工程と、
前記したキャビティ底面部材による樹脂押圧時に、前記したキャリア成形孔内に前記した金型キャビティ内の樹脂を各別に注入する工程と、
前記したキャビティ底面部材による樹脂押圧時に、前記したキャリア成形孔と個別キャビティとから成る空間部で光学成形品を圧縮成形する工程と、
前記した上下両型を型開きする工程と、
前記上下両型の型開時に、前記した成形済キャリアを前記した離型テープを被覆した状態で取り出す工程と、
前記した成形済キャリアに圧縮成形された所要複数個の光学成形品を前記した離型テープ載置側から各別にパンチで突き出すことにより、前記した成形済キャリアから前記した光学成形品を分離する工程とからなることを特徴とする光学成形品の成形方法。
【請求項4】
キャビティ底面部材による樹脂押圧時に、上型面にキャリア成形孔に対応して設けた座成形凹部内に離型テープを介して前記した成形孔から樹脂を注入して成形座部を成形する工程と、
光学成形品の突き出し時に、前記成形座部にパンチを押圧して突き出すことにより、成形済キャリアから光学成形品を分離する工程とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光学成形品の成形方法。
【請求項5】
上下両型の型締時に、上型に設けた突出部をキャリア成形孔と小キャビティ内に遊嵌する工程と、
前記した上下両型の型締時に、前記した突出部にてキャリア上面に載置した離型テープを
被覆する工程とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光学成形品の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−279849(P2009−279849A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134752(P2008−134752)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(390002473)TOWA株式会社 (192)
【Fターム(参考)】