説明

光学検査システムおよびその使用方法

所望の光学特性を有する光ビームを発生し、アレー状に配された試料に照射できる光検査システムおよび方法である。1つの実施の形態において、光学検査システムは光源、回折素子、およびコリメート光学系(例えば、単レンズ、f−θレンズ、分割鏡、ファイバー・アレー)を含んでいる。光源から回折光学系に向けて光ビームが出射され、回折光学系は光ビームを受け、コリメート光学系に向け多数の光ビームを出射する。コリメート光学系は回折光学系から出射された光を受けて調整し、試料アレーに向け所望の光学特性を有する調整済み光ビームを出射する。光学検査システムの別の幾つかの実施の形態も記載されている。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は2003年6月24日付け、米国出願第10/602,304号の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は所望の光学特性を有する光ビームを発生し、アレー状に配された試料に照射できる光検査システムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
光検査システムの製造者にとって最も重要な課題の1つは、試料アレーに対し適切な空間、角度、および強度プロフィールのような所望の光学特性を有する光ビームを照射できる効率的かつ費用効率の高いシステムを設計することである。この課題は試料アレーの大きさおよび密度が大きくなるに従い一層重要になる。従来は光検査システムに小型レンズ・アレー、ファイバー・アレー、“投光照明”、および走査法を用いてこの問題に対処していた。残念ながら、適切な光学特性を有し、すべての試料に適した光ビームを発生させることが難しいため、このようなシステムは製造コストが嵩むと同時に使い勝手が悪い。効率的かつ費用効率の高いシステムの設計を困難にしている別の理由は、システム設計仕様に相反する要件が含まれていることである。以下、走査および非走査アプリケーションとその要件をいくつか列挙する。
【0004】
−アプリケーション:試料密度が高い
- 試料アレー全体を走査する上において移動回数を多くする必要がある。
【0005】
- 精密に機械加工され正確に配された複数の同様の光学部品を組み込む必要がある。
【0006】
−アプリケーション:試料アレー領域が広い
- 走査範囲を広くする必要がある。
【0007】
- 試料と試料との間を高速で移動させる必要がある。
【0008】
−アプリケーション:光ビームおよび/または試料アレーの正確な配置および再配置が必要
- 小さな刻み幅の分解能を持たせる必要がある。
【0009】
- 精密に機械加工された可動ハードウェアおよび光学部品を必要とする。
【0010】
- エンコーダーのフィードバック・ハードウェアを必要とする。
【0011】
- ゆっくり移動させ、各々の試料と正確に位置合せする必要がある。
【0012】
−アプリケーション:各々の試料の積分時間が長い
- データを積分するため、各々の試料位置において光ビームを長期間保持する必要がある。
【0013】
−アプリケーション:試料アレーを高速で繰返し走査する必要がある
- 試料と試料との間を高速で移動させる必要がある。
【0014】
- 各々の試料の検査時間を短くする必要がある。
【0015】
−アプリケーション:各々の試料に対し正確に制御されたビーム強度、空間および角度プロフィールが必要
- 光学系が正確な光学特性を有し正確に配された光学部品を必要とする。
【0016】
可動部品を殆んどまたはまったく使用せずに多数の光ビームを発生する光学検査システムには、小型レンズ・アレーまたはファイバー・アレーのような光学部品が組み込まれている。しかし、このような光学検査システムには幾つかの欠点がある。まず、1つ以上の小型レンズ、ファイバー、および/または試料に光ビームを伝達するための正確に設計され、正確に配された幾つかの光学素子を必要とする。この種の光学検査システムの別の欠点は、光ビームを各々の小型レンズ、ファイバー、あるいは試料に導く際に適切な光強度および強度プロフィールを持たせるための追加コンポーネントを必要とすることである。
【0017】
別の種類の光学検査システムには試料アレーに“投光照射する”ビーム拡大器のような装置を組み込むことができる。しかし、このような光学検査システムには(1)小型レンズ、ファイバー、あるいは試料の検査領域外に光ビームが当たり、そのために光強度が低下する(2)小型レンズ、ファイバー、あるいは試料アレーの好ましくない領域から光ビームが散乱することにより測定ノイズが増大し、それによりエラーも増大する(3)小型レンズ・アレー、ファイバー、あるいは試料のすべての要素に対し、強度、開口数等を含む適切な照明を確保できないことを始めとして幾つかの欠点がある。
【0018】
更に別の種類の光学検査システムは様々な走査方法を用いて試料に光を照射している。しかし、このような走査システムは正確に位置合せするためのハードウェアおよびソフトウェアを必要とする、各々の試料において積分時間を長く取れない等、幾つかの欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、前記の欠点および既存の光学検査システムのその他の欠点を克服した新しい光学検査システムの必要性が存在している。このような必要性およびその他の必要性は本発明の光学検査システムによって適えられる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は所望の光学特性を有する光ビームを発生し、アレー状に配された試料に照射できる光検査システムおよび方法を含んでいる。1つの実施の形態において、光学検査システムは光源、回折素子、およびコリメート光学系(例えば、単レンズ、f−θレンズ、分割鏡)を含んでいる。前記光源から前記回折光学系に向けて光ビームが出射され、前記回折光学系は前記光ビームを受け、前記コリメート光学系に向け多数の光ビームを出射する。前記コリメート光学系は前記回折光学系から出射された前記光を受けて調整し、試料アレーに向け所望の光学特性を有する調整済み光ビームを出射する。本明細書には光学検査システムの別の幾つかの実施の形態も記載されている。本発明の光学検査システムは試料アレーの検査および情報の受信に利用可能な様々な光信号変換方式(例えば、IR吸収、FTIRおよびその他の振動分光方式)に利用できることは勿論である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
添付図面を参照した以下の詳細な説明により本発明を完全に理解できる。
【0022】
本発明の光学検査システム100の9つの実施の形態、および本発明の光学検査システム100を用いて試料アレーの1つ以上の試料を検査する方法1000が図1〜10に開示されている。光学検査システム100を用いて試料アレーを検査し、その試料アレーのいずれか1つの試料に、例えば、細胞、分子、蛋白質、薬物、化合物、核酸、ペプチド、あるいは炭水化物のような生物学的物質が存在しているか否かを判定できることは当業者にとって容易に理解できる。また、光学検査システム100を用いて光ルミネッセンス測定、蛍光測定、散乱測定、吸収測定、細胞移動分析、薬物透過分析、薬物溶解度測定、病原体検出、および蛋白質分泌のような有標識または無標識調査も行うことができる。従って、光学検査システム100および方法1000、並びにその潜在的用途が限定されるものではない。
図1Aは光学検査システムの第1の実施の形態100aの概略図である。光学検査システム100aは試料アレー108に光を照射するための光源102、回折光学系104、およびコリメート光学系106を含んでいる。図示のように、光源102から回折光学系104に向けて光ビーム110が出射される。回折光学系104は光ビーム110を受け、コリメート光学系106に向け所望の空間および角強度分布を有する多数の光ビーム112を出射する。コリメート光学系106は光ビーム112を受け、試料アレー108に向け所望のビーム間隔および角度を有する多数の調整済み光ビーム114を出射する。これ等のコンポーネントの各々について、光学経路上に配された順に以下更に詳しく説明する。
【0023】
光源102は光ルミネッセンス測定、散乱測定、吸収測定のような光学測定に適した光110を発生できるものであればどのようなものであってもよい。例えば、光源102はレーザー、アーク灯、白熱灯、蛍光灯、エレクトロルミネセント素子、レーザー・ダイオード、発光ダイオード(LED)等であってよい。光源102は、連続モード、およびパルス・レーザー、波長掃引、帯域掃引のような時変モードを含む1つ以上の照射モードを有することができる。更に、光源102はコヒーレントまたはインコヒーレントおよび/または偏光または非偏光ビーム110を発生できる。
【0024】
回折光学系104は入射光ビーム110を予め選定した空間および角強度パターンを有する多数の光ビーム112に変換できるものであればどのようなものであってもよい。例えば、回折光学系104は、ホログラフィー、フォトリソグラフィー、スクライビング、モールディング、および/またはその他の方法によって図案化およびパターン化され、入射光110から所定の多数の光ビーム112を生成するガラス、プラスチックおよび/または溶融石英チップを含む回折(例えば、バイナリー)光学素子であってよい。
【0025】
コリメート光学系106は、試料アレー108に照射される前に、多数の光ビーム112が、例えば、ビーム間隔、角度等、所定の光学特性を有するよう調整できるものであればどのようなものであってもよい。例えば、コリメート光学系106は単レンズ、f−θレンズ、放物面鏡、分割鏡206(図2)、正確に配され正確な角度を成す一連の反射楔を含む反射“レンズ”、ファイバー・アレーまたは小型レンズ・アレー306(図3)、あるいはファイバー・アレーと小型レンズとから成る複合体406(図4)であってよい。単レンズ106を用いて多数の光ビーム114を試料アレー108に照射できるが、光ビーム114の入射角が光学収差により試料アレー108全体にわたり充分一様にならない。f−θレンズ106を用いることにより、多数の光ビーム114の入射角を試料アレー108全体にわたり一様にできる。放物面鏡106を用いて回折光学系104から受けた一様な角度を成す多数の光ビーム112を平行化できるが、ビーム間隔およびビームレットの特性が平行化した光ビーム114全体にわたり一定しない。放物面鏡106の代わりに、図2を参照して以下に詳細に説明する分割鏡206を用いることにより、この問題を解消できる。
【0026】
試料アレー108はサンプル、特に複数のサンプルを対応する複数の分析サンプル・サイトに担持できるものであればどのようなものであってもよい。例えば、試料アレー108はマイクロプレート、PCRプレート、細胞培養プレート、バイオチップ、交配室、クロマトグラフィー・プレート、または顕微鏡用スライドであってよい。試料アレー108がマイクロプレートの場合には、コリメート光学系106から出射した光ビーム114が照射されるウェルの底部にセンサー(例えば、格子をベースにした導波路センサー)を組み込むことができる。例えば、24、96、384、または1536ウェルのマイクロプレート108のウェルに光ビーム114が照射されるようコリメート光学系106を設計できる。米国特許第5,738,825明細書にマイクロプレートのウェルの底部にセンサーを組み込む方法が詳しく述べられている。前記引用により、前記明細書の内容が本明細書に組み込まれたものとする。
【0027】
図1Aには示してないが、試料アレー108が回折光学系104を中心に適切な半径を成して湾曲している場合にはコリメート光学系106を必要としない。当然のことながら、必要があればビーム・スプリット光学系(図示ぜす)をビーム・アレー114と試料アレー108との間に配することにより略垂直に光を入射させ信号を検出することができる。更に、当然のことながら、1つ以上の光源102および光学系104、106のセットにより、試料アレー108の全体または部分に光を照射できる。この方法によって試料アレーのサブセクションに光を照射すれば、走査システムの移動回数を試料アレーにおけるビームレットの数だけ減らすことができるため有利である。
【0028】
図1Bは384マイクロ・アレー・ウェル・プレート108に光を照射するためのHe/Neレーザー102、2つのスポット/リニア・アレー変換回折光学系104、および平凸コリメート光学系106を用いた例示的な光学検査システム100a’を示す写真である。この例において、光源102はHe/Neレーザー102であり、2つの回折光学系104はそれぞれ11スポットの回折光学系104であって、扇角が直交するよう配することによりビーム間隔1.42°の121の光ビーム・アレー112を生成するものである。コリメート光学系106はビーム間隔4.5mmのビーム・アレー114を生成できる直径3インチ(約7.62cm)、焦点距離175インチ(4.445m)の平凸コリメート光学系106である。試料アレー108はウェルの中心間距離が4.5mmの384マイクロアレー・ウェル・プレート108である。各々のウェルは略2.5mm×2.5mmの開口部を有している。また、写真の符号109は各々の光ビーム114が384マイクロアレー・プレート108の各ウェルの開口部を通過した後の11×11の格子スポットを示している。
【0029】
図2は光学検査システムの第2の実施の形態100bの概略図である。光学検査システム100bは試料アレー208に光を照射するための光源202、回折光学系204、および分割鏡206を含んでいる。図示のように、光源202から回折光学系204に向けて光ビーム210が出射される。回折光学系204は光ビーム210を受け、分割鏡206に向け所望の空間および角強度分布を有する多数の光ビーム212を出射する。分割鏡206は光ビーム212を受け、試料アレー208に向け平行化された多数の光ビーム214を反射する。分割鏡206は一連の平面反射鏡207(5つのみ表示)によって画成され、試料アレー208の面と平行な面における平行光ビーム214のビーム間隔を一様にする光学面を有している。
【0030】
図から分かるように、幾つかの平行光ビーム214が分割鏡206によって遮断される可能性がある。回折光学系204の軸と異なる軸に分割鏡206を配することにより、平行光ビーム214の遮断を防止できる。説明の重複を避けるため、同様の構造および機能を有する光源102、202、および回折光学系104、204のような光学検査システムの第1、第2の実施の形態100a、100bにおける共通のコンポーネントについては詳細な説明を省略する。
【0031】
図3は光学検査システムの第3の実施の形態100cの概略図である。光学検査システム100cは試料アレー308に光を照射するための光源302、回折光学系304、およびファイバー・アレー306を含んでいる。図示のように、光源302から回折光学系304に向けて光ビーム310が出射される。回折光学系304は光ビーム310を受け、ファイバー・アレー306に向け、所望の空間および角強度分布を有する多数の光ビーム312を出射する。ファイバー・アレー306は一端が球面309aに配され、別の一端が格子309bに配された多数のファイバー307から成っている。球面309aが光ビーム312を受け、ファイバー307によって光ビーム312が調整され、調整済み光ビーム314が試料アレー308に向け格子309bから出射される。図示のように、光心が回折光学系304の位置にある球面309aの周縁部にファイバー307を配することができる。別の方法として、ファイバー307を球面309aの周縁部に配する代わりに、平面的に配することもできる。回折光学系304から出射された各々の光ビーム312の光学特性を個別に調整する必要がある場合にファイバー・アレー306を用いることができる。別の実施の形態において、ファイバー・アレー306の代わりに、小型レンズ・アレー(図示せず)を用いて、各々の光ビーム312の光学特性を所望の特性に調整し、調整済み光ビーム314を試料アレー308に向けて出射できる。
【0032】
図4は光学検査システムの第4の実施の形態100dの概略図である。光学検査システム100dは試料アレー408に光を照射するための光源402、回折光学系404、およびファイバー・アレーと小型レンズ・アレーとから成る複合体406を含んでいる。図示のように、光源402から回折光学系404に向けて光ビーム410が出射される。回折光学系404は光ビーム410を受け、ファイバー・アレー406aに向け所望の空間および角強度分布を有する多数の光ビーム412を出射する。ファイバー・アレー406aは一端が球面409aに配され、別の一端が格子409bに配された多数のファイバー407から成っている。球面409aが光ビーム412を受け、ファイバー407によって光ビーム412が調整され、調整済み光ビーム414が小型レンズ・アレー406bに向け格子409bから出射される。光ビーム414は小型レンズ・アレー406bによって更に調整され、調整済み光ビーム416が試料アレー408に向けて出射される。図示のように、光心が回折光学系404の位置にある球面409aの周縁部にファイバー407を配することができる。別の方法として、ファイバー407を球面409aの周縁部に配する代わりに、平面的に配することもできる。回折光学系404から出射された各々の光ビーム412の光学特性を個別に調整する必要がある場合にファイバー・アレーと小型レンズ・アレーとから成る複合体406を用いることができる。別の実施の形態において、1つ以上のファイバー・アレー406aおよび/または小型レンズ・アレー406bを用いて、試料アレー408に到達する前に光ビーム412を調整できる。
【0033】
図5は光学検査システムの第5の実施の形態100eの概略図である。光学検査システム100eは、第1の実施の形態には含まれていない調整光学系503を含んでいる点を除けば、第1の実施の形態と同様である。説明の重複を避けるため、同様の構造および機能を有する光源102、502、回折光学系104、504、およびコリメート光学系106、506のような光学検査システムの第1、第5の実施の形態100a、100eにおける共通のコンポーネントについては詳細な説明を省略する。
【0034】
光学検査システム100eは試料アレー508に光を照射するための光源502、回折光学系504、およびコリメート光学系506を含んでいる。本実施の形態では、光源502から調整光学系503に向けて光ビーム510が出射される。調整光学系503は光ビーム510を受け、回折光学系504に向けて調整済み光ビーム511を出射する。回折光学系504は調整済み光ビーム511を受け、コリメート光学系506に向け所望の空間および角強度分布を有する多数の光ビーム512を出射する。コリメート光学系506は光ビーム512を受け、試料アレー508に向け所望のビーム間隔および角度を有する調整済み光ビーム514を出射する。
【0035】
調整光学系503により、試料アレー508の面に入射する各々の光ビーム514のスポット径および開口数を調整できる。試料アレーに格子型導波路センサーおよび蛍光センサーが配されている場合、適切に機能し正しく測定が行われるようにするためには、試料アレー508に向かう各々の光ビーム514の入射角のみならず開口数を調整することが重要である。更に、調整光学系503により、試料アレー508全体にわたり一様な光学検査特性を有する光ビーム514を生成できるため、試料アレー508内の位置によって特定のセンサーの応答が影響を受けることはない。
【0036】
図6は光学検査システムの第6の実施の形態100fの概略図である。光学検査システム100eは、第1の実施の形態には含まれていない波長可変フィルター603を含んでいる点を除けば、第1の実施の形態と同様である。説明の重複を避けるため、同様の構造および機能を有する光源102、602、回折光学系104、604、およびコリメート光学系106、606のような光学検査システムの第1、第6の実施の形態100a、100fにおける共通のコンポーネントについては詳細な説明を省略する。
【0037】
光学検査システム100fは試料アレー608に光を照射するための光源602、波長可変フィルター603、回折光学系604、およびコリメート光学系606を含んでいる。図示のように、光源602から波長可変フィルター603に向けて光ビーム610が出射される。波長可変フィルター603は光ビーム610を受け、回折光学系604に向け、所望の帯域内の周波数を有するフィルター処理した光ビーム611を出射する。回折光学系604はフィルター処理された光ビーム611を受け、コリメート光学系606に向け所望の空間および角強度分布を有する多数の光ビーム612を出射する。コリメート光学系606は光ビーム612を受け、試料アレー608に向け所望のビーム間隔および角度を有する調整済み光ビーム614を出射する。
【0038】
波長可変フィルター603により、所望の波長を有する光ビーム614によって試料アレー608を走査できる。従って、波長可変フィルター603により、高価な分光器および信号収集装置を必要とせず、各々の試料に対し所望の光学的性能を有する光ビーム614による試料アレー608の波長検査が可能になる。一般に、回折光学系604は35nm以下の設計波長帯域を有しているため、試料アレー608における光ビーム614のビーム品質が低下しない範囲における波長可変フィルター603の波長調整可能範囲は有限である。しかし、扇状に広がる光ビーム612を生成する上において、回折光学系604に入射する光ビーム611を回折光学系604に正確に位置合せする必要がないため、多数の回折光学系604を用いることができる。高い位置合せ精度を必要としない切換式または移動式の多数の回折光学系604を使用することにより、1つの回折光学系604に比べてより広い波長範囲わたり試料アレーを検査できる。
一般に、従来の分光器および検査システムが一度にサンプリングできるのは略10〜20(またはそれ以下)の試料からの信号のみであることは当業者周知のとおりである。そのため、走査方式または多重化方式を採用し、試料アレーから光ビームを受け、各々の試料からの光ビームを切り換えて分光器に入力する必要があった。しかし、波長可変フィルター603および回折光学系604を光出射端に有する光学検査システム100fにより、フォトダイオード・アレーまたはCCDのような安価でより多くの並行検出が可能な方式を採用できる。CCDまたはフォトダイオード・アレーの1つの軸を波長検出軸として用いる必要がないため、試料アレーの密集したセンサーからの信号をCCDまたは検出アレーに導くことができる。これにより、光学検査システム100fの受光端における必要な検出器および光学系の数を減らすことができる。本発明に使用できる別の種類の検出器については、図7Bおよび7Cに関連して詳しく説明する。
【0039】
図7Aは光学検査システムの第7の実施の形態100gの概略図である。光学検査システム100gは、第1の実施の形態には含まれていないマスク707を含んでいる点を除けば、第1の実施の形態と同様である。説明の重複を避けるため、同様の構造および機能を有する光源102、702、回折光学系104、704、およびコリメート光学系106、706のような光学検査システムの第1、第7の実施の形態100a、100gにおける共通のコンポーネントについては詳細な説明を省略する。
【0040】
光学検査システム100gは試料アレー708の所定の試料に光を照射するための光源702、回折光学系704、コリメート光学系706、およびマスク707を含んでいる。図示のように、光源702から回折光学系704に向けて光ビーム710が出射される。回折光学系704は光ビーム710を受け、コリメート光学系706に向け所望の空間および角強度分布を有する多数の光ビーム712を出射する。コリメート光学系706は光ビーム712を受け、各々の光ビーム712が所望のビーム間隔および角度を成すよう調整する。次いで、コリメート光学系706から調整済み光ビーム714が出射され、そのうちの幾つかの光ビーム714がマスク707を通過して試料アレー708に向かう。マスク707を粗く配するか、または連続移動することにより、特定の光ビーム714が試料アレーの選択されたセンサー708a(1つのみ図示)に到達しないよう遮断できる。マスク707により試料アレー708のセンサー間、および検出器(図7B、7C)の“クロストーク”が防止される。図では、マスク707が試料アレー708手前の光学経路上に配されているが、試料アレー708の後方の光学経路上に配することもできる。また、このようにマスクを配することにより、アレー708の複数の試料からの信号を受光光学系により検出面の同じ位置に向けることができるため、検出器を小型化および/または検出器の数を減らすことができる。このように、マスク707によって検査しない試料からの光信号が遮断される。
【0041】
図7Bは試料アレー708から反射された光ビーム718を受けるよう設計された検出器716を含む、光学検査システムの第7の実施の形態100gの概略図である。検出器716は検出素子および信号処理コンポーネントの数が少なくて済む一次元または二次元状に配列した検出器722の使用を可能にする結像光学系720を含んでいる。それぞれの光学検出システム100gの検出要件に応じ、結像光学系720を円筒または球状に設計できる。検出器716および別の型の検出器を本発明の別の実施の形態に使用できることは言うまでもない。
【0042】
図7Cは試料アレー708から反射された光ビーム718を受けるよう設計された角度掃引型検出システム724を含む光学検査システムの第7の実施の形態100gの概略図である。角度掃引型検出システム724は回転鏡726、開口アレー728、光検出器アレー730、および時間/角度ベースのデータ収集システム732を含んでいる。定速移動または角度調整可能な回転鏡726が、試料アレー708から出射された光ビーム718を受けて反射する。光検出器アレー730の手前に配された開口アレー728により、試料アレー708から出射され回転鏡726によって反射された光ビーム718の狭い角度範囲が選択されてそこを通過する。開口アレー728の孔の大きさを変えることにより、光ビーム718の角度分解能および/または信号強度を向上できる。また、開口アレー728を回転鏡726の方向または離間する方向に移動することによってもビーム718の角度分解能を変更できる。開口アレー728を通過した光ビーム718はデータ収集システム732に接続されている光検出器730に整合する。回転鏡726の掃引速度をあげることにより、データ収集システム732が1回の走査に要する時間を短縮できる。また、マスク707を使用することにより、試料アレー708の隣接センサーからのクロストークを除去できる。
【0043】
角度掃引型検出システム724により、容易に入手できる市販の高利得/広帯域の検出器730および高速時分割信号処理ハードウェアを使用できる。更に、角度掃引型検出システム724により、光検出器730の出力を時間ベースの信号処理ハードウェアに切り換える高速リレーを用いた電子的に多重可能な時分割法が採用でき、それによりデータ収集システム732のコストを低減できる。前記検出器716同様、角度掃引型検出システム724および別の型の検出器を本発明の別の実施の形態に使用できることは言うまでもない。
【0044】
図8は光学検査システムの第8の実施の形態100hの概略図である。光学検査システム100hは、第1の実施の形態には含まれていない電子制御式液晶マスク807を含んでいる点を除けば、第1の実施の形態と同様である。説明の重複を避けるため、同様の構造および機能を有する光源102、802、回折光学系104、804、およびコリメート光学系106、806のような光学検査システムの第1、第8の実施の形態100a、100hにおける共通のコンポーネントについては詳細な説明を省略する。
【0045】
光学検査システム100hは試料アレー808の所定の試料に光を照射するための光源802、回折光学系804、コリメート光学系806、および電子制御式液晶マスク807を含んでいる。図示のように、光源802から回折光学系804に向けて光ビーム810が出射される。回折光学系804は光ビーム810を受け、コリメート光学系806に向け所望の空間および角強度分布を有する多数の光ビーム812を出射する。コリメート光学系806は光ビーム812を受け、各々の光ビーム812が所望のビーム間隔および角度を成すよう調整する。次いで、コリメート光学系806から調整済み光ビーム814が出射され、そのうちの幾つかが電子制御式液晶マスク807を通過して試料アレー808に向かう。電子制御式液晶マスク807により、所定の光ビーム814の透過または遮断を選択的に制御できる。更に、電子制御式液晶マスク807を粗く配するか、または連続移動することにより、特定の光ビーム814が試料アレーの選択されたセンサー808a(1つのみ図示)に到達しないよう遮断できる。従って、電子制御式液晶マスク807により、いつでも制御可能な空間パターンを成して試料アレー808の所望の位置に光を照射できる。マスク707同様、電子制御式液晶マスク807により、試料アレー808のセンサー間、および検出器(図7B、7C)の“クロストーク”が防止される。図では電子制御式液晶マスク807が試料アレー808手前の光学経路上に配されているが、試料アレー808の後方の光学経路上に配することもできる。
【0046】
図9は光学検査システムの第9の実施の形態100iの概略図である。光学検査システム100iは、第7の実施の形態には含まれていない角度掃引型出射システム903を含んでいる点を除けば、第7の実施の形態と同様である(図7参照)。光学検査システム100iは試料アレー908の所定の試料に光を照射するための光源902、角度掃引型出射システム903、回折光学系904、コリメート光学系906、およびマスク907を含んでいる。図示のように、光源902から回折光学系904に向かう光ビーム910bの入射角を制御するためのビーム偏光器905を含む角度掃引型出射システム903に向けて光ビーム910aが出射される。回折光学系904は光ビーム910bを受け、コリメート光学系906に向け所望の空間および角強度分布を有する多数の光ビーム912を出射する。コリメート光学系906は光ビーム912を受け、各々の光ビーム912が所望のビーム間隔および角度を成すよう調整する。次いで、コリメート光学系906から調整済み光ビーム914が出射され、そのうちの幾つかがマスク907を通過して試料アレー908に向かう。マスク907は図7Aおよび図8に関連して説明したマスク707および807と同様のものでよい。
【0047】
角度掃引型出射システム903には、(例えば)以下を含む幾つかの特徴および利点がある。
【0048】
−光の入射角および/または広がり角に敏感な信号を測定できる。
【0049】
−実際には検出器アレーから成る高価なCCDの代わりに、広域検出器920が使用できる。これは、角度掃引における各々の測定点に関し、試料アレー908のセンサーに入射する光ビーム914の入射角が分かっているからである。
【0050】
−光学検査システム100iに位相敏感検波/ロッキング技術を組み込むことができ、それによりノイズを大幅に低減でき信号感度を桁違いに向上できる。
【0051】
−広角よび/またはスポット径のおおきい光ビームが試料アレー908のセンサーの1つに同時に入射すると発生する検出器920における干渉縞問題に対応できる。この厄介な干渉縞はセンサー908からの検出器920への反射に起因する光ビームの干渉によるものである。センサー908に到達する光ビームの入射角範囲が同時に縮小するにつれ、検出器920における干渉縞の数も減少する。従って、光ビームの入射角範囲が充分狭ければ、干渉縞問題を起こすセンサーの2つの面、即ち、ウェルの底部およびセンサーそのものからの反射が検出器において重複しない。角度掃引型出射システム903により、センサー908に入射する光ビームの入射角範囲が縮小されるため、好ましくない干渉縞効果をほとんど低減できる。同時に、角度掃引型出射システム903によりセンサー908全体にわたり光ビーム角を掃引することにより、測定に必要な動的角度範囲の全角度を完全にカバーできる。
図10は前記光学検査システム100を用いて試料アレーの1つ以上の試料を検査するための好ましい方法1000の基本ステップを示すフローチャートである。最初のステップ1002において、光源102を用いて1つ以上の光学素子によって調整可能な光ビーム110を発生する。ステップ1004において、回折光学系104を用いて前記光ビーム110を受け、多数の光ビーム112を出射する。ステップ1006において、コリメート光学系106(例えば、単レンズ、f−θレンズ、分割鏡、ファイバー・アレー)を用いて、前記多数の光ビーム112を受けて調整した後、試料アレー107に向け所望の光学特性を有する調整済みの多数の光ビーム114を出射する。マスク707および807を使用して一部の光ビーム114が試料アレー108の特定の試料に到達しないようにすることもできる。最後のステップ1008において、検出器により試料アレー108から出射された光ビーム114を受けて分析する。光学検査システムの第1の実施の形態100aに関連したコンポーネントを引用して好ましい方法1000について説明したが、基本的なステップは光学検査システムの前記すべての実施の形態に適用できる。
【0052】
以下は本発明の光学検査システム100および方法1000の効果および用途を幾つか列挙したものである。
【0053】
−光学検査システム100により試料アレーにおいて正確に調整された間隔および光学特性を有する多数のビームを発生させる簡単かつ効果的手段が提供される。
【0054】
−光学検査システム100は可動部品を殆ど、またはまったく有していない。
【0055】
−光学検査システム100は試料アレーのセンサー列および/または個別センサーを光学的に検査する際、コンポーネントを正確に移動または位置合せする必要がない。
【0056】
−光学検査システム100により多数の試料を同時に検査できる。
【0057】
−光学検査システム100は(例えば)以下の用途に適用できる。
【0058】
‐格子をベースとしたセンサーおよびベースとしないセンサー。
【0059】
‐赤外および紫外吸収分光方式、フーリエ変換赤外(FTIR)分光方式、ラマン分光方式、反射分光方式、蛍光分光方式、蛍光寿命分光方式、および表面プラズモン共鳴分光方式。
【0060】
‐光学検査システム100は利用可能な電磁波周波数スペクトラム全体にわたる光周波数を供給できる。
【0061】
添付図面を参照して本発明の幾つかの実施の形態について説明したが、本発明はここに開示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に明示する本発明の精神から逸脱することなく様々な再配列、変更、および置換が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1A】本発明に従って試料アレーに光を照射するための光源、回折光学系、およびコリメート光学系を用いた光学検査システムの第1の実施の形態の概略図。
【図1B】本発明に従って384マイクロ・アレー・ウェル・プレートに光を照射するためのHe/Neレーザー、直交配置された2つのスポット/リニア・アレー変換回折光学系(二次元格子のビームレットを生成)、および平凸コリメート・レンズを用いた図1と同様の光学検査システムの例を示す写真。
【図2】本発明に従って試料アレーに光を照射するための光源、回折光学系、および分割鏡として構成されたコリメート光学系を用いた光学検査システムの第2の実施の形態の概略図。
【図3】本発明に従って試料アレーに光を照射するための光源、回折光学系、および光ファイバー・アレーとして構成されたコリメート光学系を用いた光学検査システムの第3の実施の形態の概略図。
【図4】本発明に従って試料アレーに光を照射するための光源、回折光学系、および光ファイバー・アレーと小型レンズ・アレーとから成る複合体として構成されたコリメート光学系を用いた光学検査システムの第4の実施の形態の概略図。
【図5】本発明に従って試料アレーの各々の試料に所望のスポット・サイズおよび開口数を有する光を照射するための光源、ビームレット調整光学系、回折光学系、およびコリメート光学系を用いた光学検査システムの第5の実施の形態の概略図。
【図6】本発明に従って試料アレーに光を照射するための光源、波長可変フィルター、回折光学系、およびコリメート光学系を用いた光学検査システムの第6の実施の形態の概略図。
【図7A】本発明に従って試料アレーの所定の試料に光を照射するための光源、回折光学系、コリメート光学系、および可動マスクを用いた光学検査システムの第7の実施の形態の概略図。
【図7B】試料アレーの所定の試料から反射された多数の光ビームを受けるよう設計された検出器を含む図7Aに示す本発明の光学検査システムの概略図。
【図7C】試料アレーの所定の試料から反射された多数の光ビームを受けるよう設計された角度掃引型検出システムを含む図7Aに示す本発明の光学検査システムの概略図。
【図8】本発明に従って光源、回折光学系、コリメート光学系、および試料アレーの所定の試料に光を照射するための電子制御式液晶マスクを用いた光学検査システムの第8の実施の形態の概略図。
【図9】本発明に従って試料アレーの所定の試料に光を照射するための光源、角度掃引型出射システム、回折光学系、コリメート光学系、およびマスクを用いた光学検査システムの第9の実施の形態の概略図。
【図10】本発明による前記光学検査システムを用いて試料アレーの1つ以上の試料を検査するための好ましい方法の基本ステップを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0063】
102〜902 光源
104〜904 回折光学系
106〜906 コリメート光学系
108〜908 試料アレー
207 平面反射鏡
307 ファイバー
503 調整光学系
603 波長可変フィルター
707 マスク
716 検出器
720 結像光学系
724 角度掃引型検出システム
726 回転鏡
728 開口アレー
730 光検出器アレー
732 データ収集システム
807 電子制御式液晶マスク
903 角度掃引型出射システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームを出射する光源、
前記光ビームを受け、多数の光ビームを出射する回折光学系、
前記多数の光ビームを受けて調整し、試料アレーに向け所望の光学特性を有する調整済み光ビームを出射するコリメート光学系
を有して成ることを特徴とする光学検査システム。
【請求項2】
前記試料アレーから反射された多数の光ビームを受ける検出器を更に有して成ることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記コリメート光学系が単レンズ、多数の単レンズ、f−θレンズ、放物面鏡、分割鏡、または正確に配され正確な角度を成す一連の反射楔から成る反射レンズであることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記コリメート光学系が分割鏡から成り、該分割鏡の各々の部分が、反射光ビームが前記試料アレーの面に入射するとき隣接する反射光ビームと等距離を成すよう、前記回折光学系から出射された光ビームの1つをそれぞれ反射することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記コリメート光学系が前記回折光学系から出射された各々の光ビームを調整するファイバー・アレーであることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記ファイバー・アレーが、一端が球面の縁部に配され、別の一端が格子に接続されている複数のファイバーを有して成ることを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記コリメート光学系が前記回折光学系から出射された各々の光ビームを調整する小型レンズ・アレーであることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記コリメート光学系が前記回折光学系から出射された各々の光ビームを調整するファイバー・アレーと小型レンズ・アレーとから成る複合体であることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記光源と前記回折光学系との間に配され、前記コリメート光学系から出射されて前記試料アレーの面に入射する各々の光ビームの開口数、スポット径、および入射角を調整するビーム調整光学系を更に有して成ることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記光源と前記回折光学系との間に配され、前記コリメート光学系から出射される各々の光ビームを調整し、前記試料アレーの波長検査を可能にする波長可変フィルターを更に有して成ることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記コリメート光学系と前記試料アレーとの間に配され、所定の調整済み光ビームが該試料アレーの選択された試料に到達しないよう遮断するマスクを更に有して成ることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記マスクが電子制御式液晶マスクであることを特徴とする請求項11記載のシステム。
【請求項13】
検出器と前記試料アレーとの間に配され、該試料アレーの選択された試料から反射された所定の光ビームを遮断するマスクを更に有して成ることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項14】
前記マスクが電子制御式液晶マスクであることを特徴とする請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記試料アレーから反射された多数の光ビームを受ける角度掃引型検出システムを更に有して成ることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項16】
前記角度掃引型検出システムが、
前記試料アレーから反射された多数の光ビームを反射する回転鏡、
前記回転鏡から反射された光ビームのうち選択された光ビームを通す1つ以上の孔を有して成る開口プレート、
前記開口プレートを通過した光ビームを受ける光検出器アレー、および
前記光検出器アレーから受信したデータを分析するデータ収集システム
を有して成ることを特徴とする請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記光源と前記回折光学系との間に配され、該回折光学系に向かう光ビームの入射角を調整する回転式ビーム偏光器を含む角度掃引型出射システムを更に有して成ることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項18】
試料アレーの1つ以上の試料を検査する方法であって、
光源を用いて光ビームを発生するステップ、
回折光学系を用いて前記光ビームを受け、多数の光ビームを出射するステップ、
コリメート光学系を用いて前記多数の光ビームを受けて調整し、試料アレーに向け所望の光学特性を有する調整済みの多数の光ビームを出射するステップ
の各ステップを有して成ることを特徴とする方法。
【請求項19】
検出器を用いて前記試料アレーから反射された多数の光ビームを受けるステップを更に有して成ることを特徴とする請求項18記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−521482(P2007−521482A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517126(P2006−517126)
【出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/015726
【国際公開番号】WO2005/006055
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】