光屈折部材、この光屈折部材を備える照明装置、この照明装置を備える遊技台
【課題】斬新で多彩な発光態様を実現可能な光屈折部材を提供する。
【解決手段】平板状の透明シート部材200の入射面には、四角錐形状の屈折素体211を入射側透過基準面201へ整列配置することで、各屈折素体211の傾斜屈折面の向きが縦横に揃う第1,第2整列配置ラインを形成した第1集光像生成手段21を設け、出射面には、四角錐形状の屈折素体221を出射側透過基準面202へ整列配置することで、各屈折素体221の傾斜屈折面の向きが縦横に揃う第1,第2整列配置ラインを形成した第2集光像生成手段22を設け、発光源23より光を照射すると、第1集光像生成手段21により出射側透過基準面202に生成された第1集光像の各高輝度領域の光が第2集光像生成手段22を透過することで、上下左右4箇所に第2集光像222が生じ、屈折素体221の整列配置ラインの向きを変えると、第2集光像222の発光態様が変化する。
【解決手段】平板状の透明シート部材200の入射面には、四角錐形状の屈折素体211を入射側透過基準面201へ整列配置することで、各屈折素体211の傾斜屈折面の向きが縦横に揃う第1,第2整列配置ラインを形成した第1集光像生成手段21を設け、出射面には、四角錐形状の屈折素体221を出射側透過基準面202へ整列配置することで、各屈折素体221の傾斜屈折面の向きが縦横に揃う第1,第2整列配置ラインを形成した第2集光像生成手段22を設け、発光源23より光を照射すると、第1集光像生成手段21により出射側透過基準面202に生成された第1集光像の各高輝度領域の光が第2集光像生成手段22を透過することで、上下左右4箇所に第2集光像222が生じ、屈折素体221の整列配置ラインの向きを変えると、第2集光像222の発光態様が変化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射面から出射面へ透過する光を屈折させる光屈折部材、この光屈折部材を備える照明装置、この照明装置を備える遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発光源からの光を屈折させて発光態様を多彩に変化させる光屈折部材(いわゆるレンズ部材)が装飾表示に用いられている。このようなレンズ部材を用いた照明装置は、視覚的効果を高めるために、パチンコ機やスロットマシン等の遊技台に用いられている。この種の照明装置における電飾構造として、透明なシート部材(プリズムシート)の片方の面に入射した光を所定の方向に屈折させるためのレンズ部(略三角錐状のプリズムを隙間なく複数配列)が設けて光屈折部材を構成したものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−325738号公報
【0004】
上記特許文献1に記載の電飾構造によれば、単一の光源を光屈折部材に照射すると、六角形を形成するように複数の光源像が観察され、面白みのある発光態様を実現できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の光屈折部材を用いた電飾構造では、一つの光源から複数の光源像が得られるものの、その発光態様は必ずしも多彩であるとは言えず、遊技台の照明装置として用いたときに十分に興趣を高め得る斬新なものではなかった。
【0006】
以上のような問題点に鑑み、本発明は、斬新で多彩な発光態様を実現可能な光屈折部材、この光屈折部材を備える照明装置、この照明装置を備える遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る光屈折部材は、入射面から出射面へ透過する光を屈折させる光屈折部材であって、前記入射面には、入射側透過基準面より突出する多面体形状の屈折素体を整列配置することで、各屈折素体の傾斜屈折面の向きが揃う入射側整列配置ラインを複数形成し、入射光が各屈折素体により屈折されて出射側透過基準面に集まることで複数の高輝度領域を含む第1集光像を生ぜしめる第1集光像生成手段を設け、前記出射面には、出射側透過基準面より突出する多面体形状の屈折素体を整列配置することで、各屈折素体の傾斜屈折面の向きが揃う出射側整列配置ラインを複数形成し、前記第1集光像生成手段により出射側透過基準面に生成された第1集光像の各高輝度領域の光が各屈折素体により屈折されて光屈折部材の出射側に分散形成される複数の第2集光像を生ぜしめる第2集光像生成手段を設け、前記第1集光像生成手段における入射側整列配置ラインに対して、第2集光像生成手段における出射側整列配置ラインの向きを相対的に変化させることにより、第2集光像の生成態様を変化させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1記載の光屈折部材において、前記第1集光像生成手段が備える屈折素体と、前記第2集光像生成手段が備える屈折素体とを同一形状としたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1記載の光屈折部材において、前記第1集光像生成手段が備える屈折素体と、前記第2集光像生成手段が備える屈折素体とを相似形状としたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の光屈折部材において、第1集光像生成手段及び/又は第2集光像生成手段が備える屈折素体は、三角形の傾斜屈折面を有する多角錘形状としたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項4記載の光屈折部材において、前記屈折素体は、底面が二等辺三角形である三角錐形状とし、三角錐の底面における底辺を一直線上に揃えて配置する第1群屈折素体と、該第1群屈折素体とは頂点の向きを180度回転させた第2群屈折素体とを交互に配すると共に、第1群屈折素体の底面における底辺と、第2群素体の底面における底辺とを一致させることで整列配置したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項5記載の光屈折部材において、前記第1集光像生成手段は、底面が正三角形で傾斜屈折面が二等辺三角形である三角錐形状の屈折素体で構成し、第1群屈折素体の各傾斜屈折面と第2群屈折素体の各傾斜屈折面との成す角度を120度とし、前記第2集光像生成手段は、底面が正三角形で傾斜屈折面が二等辺三角形である三角錐形状の屈折素体で構成し、第1群屈折素体の各傾斜屈折面と第2群屈折素体の各傾斜屈折面との成す角度を90度とし、第1集光像生成手段における屈折素体の突出高さと、第2集光像生成手段における屈折素体の突出高さが同一となるように、第1集光像生成手段の屈折素体と第2集光像生成手段の屈折素体の各底面の比率を設定したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の光屈折部材において、入射面または出射面の少なくとも一方を凹面形状としたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、前記請求項1〜請求項7の何れか1項記載の光屈折部材において、入射面または出射面の少なくとも一方を凸面形状としたことを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る照明装置は、前記請求項1〜請求項8の何れか1項記載の光屈折部材を備え、光屈折部材の出射面内に第2集光像を生成し得るように入射面を照明する発光源を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項10に係る遊技台は、前記請求項9に記載の照明装置を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に係る発明は、前記請求項10記載の遊技台であって、所定の入賞口を有する遊技盤を備え、前記所定の入賞口に遊技球が入球することにより、所定の特典を与えることを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に係る発明は、前記請求項11記載の遊技台において、遊技球を抜き取るために遊技者が操作する球抜きレバーを備え、該球抜きレバーに前記照明装置を設けたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項13に係る発明は、前記請求項11〜請求項12の何れか1項記載の遊技台において、始動口に入った遊技球により開始される遊技を保留していることを表示する複数の保留ランプを備え、これら保留ランプの何れかを前記照明装置で構成したことを特徴とする。
【0020】
また、請求項14に係る発明は、前記請求項10記載の遊技台であって、複数種類の絵柄が施された複数のリールと、前記複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチと、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、停止時の前記複数のリールにより表示された絵柄の組合せが、前記抽選手段により内部当選した入賞役の絵柄組合せであるか否かにより当該入賞役への入賞を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、従来にない面白みのある発光態様が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の最良の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
〈パチンコ機の全体構成〉
図1は、本発明の実施形態に係る遊技台としてのパチンコ機1000の外観を示す正面図である。
【0024】
パチンコ機1000の遊技盤1100には、ほぼ円形に配設された外レール1210及び内レール1220によって遊技領域1300が形成され、この遊技領域1300の上方には天ランプ1410が配置されている。また、遊技領域1300の下方には、パチンコ球を溜めておく球皿1420が配置され、球抜きレバー1430を操作することによって球皿1420の球貯留部に貯留された遊技球を抜き出すことができる。更に、球皿1420の側方には、パチンコ球を発射し、飛距離を調整する発射ハンドル1440が配置してある。
【0025】
なお、球皿1420にの球貯留部に遊技球が満杯になって、遊技の続行に支障がある場合には、発射装置を強制的に停止させる等の制御が行われるため、球皿1420の貯留量が或る程度多くなると、遊技者に球抜き操作を促すような警告表示をおこなうことが望ましい。そこで、本実施形態のパチンコ機1000においては、球抜きレバー1430に照明装置(後に詳述)を設けておき、球皿1420の球貯留部の貯留量が危険域に達する前に遊技者への警告報知を効果的に行うものとした。
【0026】
遊技領域1300の略中央には、比較的大型の可変表示装置1500が配設され、この可変表示装置1500の左右には普通図柄始動ゲート1510が配設されている。また、可変表示装置1500の下方には、特別図柄始動口1520、可変入賞口1530、大入賞口1540、アウト口1550が、上下に並んで配設されている。更に、遊技領域1300の右側下方には、特別図柄表示器1560及び特別図柄保留ランプ1570、普通図柄表示器1580及び普通図柄保留ランプ1590、が配設されている。
【0027】
そして、遊技領域1300の適所には、遊技球が衝接することで流下方向に変化を与える遊技球衝接体として風車1310や障害釘1320が適宜配設されている。また、遊技領域1300には、入賞口1330が、適所に配置されている。なお、前記特別図柄表示器1560及び普通図柄表示器1580は、いわゆる7セグメント式表示器やドットマトリクス表示器等によって構成し、数字や記号等を可変表示できるものである。
【0028】
次に、パチンコ遊技の概略を説明する。遊技者が発射した打球は、外レール1210及び内レール1220により形成された発射球通路から球戻り防止部材1230を押し開いて、遊技領域1300へ飛入する。遊技領域1300に飛入した打球は、その発射勢や遊技球衝接体への衝接状態に応じて、遊技領域1300の下方へ流下して行く。
【0029】
そして、遊技球が運良く普通図柄始動ゲート1510を通過し、この球がセンサによって検出されると、普通図柄表示器1580が作動する。この普通図柄表示器1580の可変表示が停止したとき、その停止態様が所定の態様、例えば「7」が停止表示されると、当りとなって、可変入賞口1530が作動し、球が入賞し易い状態に変化する。なお、普通図柄始動ゲート1510の通過は、所定数、例えば4個まで記憶され、普通図柄保留ランプ1590によって表示される。
【0030】
一方、遊技領域1300を流下する打球が、特別図柄始動口1520へ入球し、この球がセンサによって検出されると、特別図柄表示器1560が作動する。なお、特別図柄表示器1560の表示動作は、より演出性の高い表示内容として、可変表示装置1500に表示させる。そして、特別図柄表示器1560の停止表示態様(実質的には、可変表示装置1500における停止表示態様)が所定の態様になると、いわゆる大当りとなって、大入賞口1540が開放され、大入賞口1540へ入球し易い大当たり遊技状態になる。
【0031】
なお、特別図柄始動口1520への入球は、所定数、例えば4個まで記憶され、特別図柄保留ランプ1570によって表示されるが、この特別図柄始動口1520への入球数の保留記憶は、遊技者にとって関心の高い情報であるから、例えは、遊技者の視認性が高い可変表示装置1500の近傍に特別図柄保留表示装置1600を設け、特別図柄始動口1520への入球数の保留記憶を効果的に表示できるようにした。この保留記憶数が上限値(例えば4つ)に達すると、その後に特別図柄始動口1520へ入球しても保留記憶には加算されず、入球に対する賞球が与えられるだけになるので、遊技者の判断により、保留記憶が減数されるまで発射操作を中断するような遊技進行を行い易くなる。
【0032】
〈制御ブロック〉
次に、図2を用いて、パチンコ機1000の制御部の回路構成について説明する。パチンコ機1000の制御部は、遊技の中枢部分を制御する主制御部701と、主制御部701より送信された信号に応じて各種機器を制御する副制御部751と、から構成されている。
【0033】
主制御部701は、CPU713、ROM714、RAM715、I/O716、カウンタタイマ717を備える基本回路712、水晶発振器711、カウンタ回路718、センサ回路719、表示回路721,723,725、ソレノイド回路727、情報出力回路737を備えている。そして、この水晶発振器711及びカウンタ回路718により基本回路712の内部クロックを生成している。
【0034】
副制御部751は、CPU763、ROM764、RAM765、I/O766、カウンタタイマ767を備える基本回路762、水晶発振器761、音源IC770、表示回路772を備えている。
【0035】
前記した遊技盤1100に配置された各種始動口、入賞口、ゲート、可変入賞口、大入賞口等に設けた各種センサ720が、センサ回路719を介して基本回路712に接続されている。例えば、特別図柄始動口1520に遊技球が入賞した場合であれば、特別図柄始動口1520に設けた球検出センサ(各種センサ720の一例)が遊技球の通過を検出し、センサ回路719に信号を出力し、信号を入力したセンサ回路719は基本回路712に信号を出力する。また、特別図柄表示部722は、表示回路721を介して基本回路712に接続され、CPU713により、前記した特別図柄表示器1560が制御される。普通図柄表示部724は、表示回路723を介して基本回路712に接続され、CPU713により、前記した普通図柄表示器1580が制御される。後述する特図関連処理S205で特別図柄表示部722を変動表示すると決定した場合には、後述するポート出力S208で特別図柄表示器1560に出力するべき信号の内容を決定し、基本回路712のCPU713はI/O716及び表示回路721を介して必要な信号を特別図柄表示部722に出力する。
【0036】
特別図柄保留ランプ1570、普通図柄保留ランプ1590や球抜きレバー1430が内蔵する照明装置等の各種状態表示部726は、表示回路725を介して基本回路712に接続され、CPU713により制御される。大入賞口1540や可変入賞口1530に設けた各種ソレノイド728は、ソレノイド回路727を介して基本回路712に接続され、CPU713により制御される。例えば、後述する特図関連処理S205で大入賞口1540を開放する場合には、後述するポート出力S208で大入賞口を開閉駆動するソレノイド728を開放駆動する信号を生成し、基本回路712のCPU713はI/O716及びソレノイド回路727を介して生成した信号をソレノイド728に出力する。
【0037】
LCD769は、副制御部751とは別基板構成で、液晶制御回路768に接続され、この液晶制御回路768は、更に基本回路762に接続されて、CPU763により制御される。なお、このLCD769は、前記した可変表示装置1500が備えるものであり、副制御部751のCPU763からの制御信号に基づいて図柄や演出用キャラクタ等を表示する。
【0038】
スピーカ771は、CPU763の制御下に音源IC770に基づいて効果音を発声する。また、遊技盤1100に設けた天ランプ1410等の各種ランプ773は、表示回路772を介して基本回路762に接続され、CPU763により制御される。
【0039】
パチンコ機1000には、更に、球皿1420から供給される球を遊技領域に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられ、球の発射強度を遊技者に調節させる発射ハンドル1440、及び該発射ハンドル1440からの信号に応じた発射強度で駆動される発射モータ853が、発射制御部851を介して払出制御部801の制御下にある。また、発射制御部851には、球送り装置854が接続され、球皿1420の球を打球発射装置へ1発づつ供給する。
【0040】
また、払出制御部801には、払出装置802、払出センサ803が接続され、主制御部701からの払出個数命令信号により指定された個数の賞球を払出装置802から払い出す。また、過払い出し又は払い出し不足などの異常が発生していないかを確認するために払出センサ803により払い出し数をカウントする。なお、払出制御部801は、発射制御部851に接続され、打球発射装置を停止させる機能を有している。
【0041】
更に、払出制御部801はインターフェース部899を介してパチンコ機1000とは別体のカードユニット998と接続している。カードユニット998からインターフェース部899を介して球貸し指令信号を受信した場合には直ちに、所定数(例えば25球)の貸し球を遊技者に払い出す。
【0042】
主制御部701が備える情報出力回路737は、普通図柄表示部724、特別図柄表示部722に図柄を確定表示するごと、払出センサ803が賞球の通過を確認するごとに、遊技店の管理装置が備える情報入力回路999に出力している。
【0043】
そして、パチンコ機1000には、電源制御部871が設けられ、各制御部や諸装置に電源を供給すると共に、電源電圧の低下や電断が発生した場合に、始動記憶や賞球数等の遊技情報をバックアップするために、主制御部701のRAM715及び払出制御部のRAMに主電源がオフの場合に電源を供給するバックアップ電源を備えている。
【0044】
〈遊技制御処理〉
次に、図3によって、主制御部701による遊技制御処理の概要を説明する。図3(a)は、リセット割り込みに関するフローチャートであり、図3(b)は、タイマ割り込みに関するフローチャートである。
【0045】
先ず、図3(a)において、パチンコ機1000に最初に電源を投入すると、ステップ101(以下、S101と略記する。)で、各ポートの初期化やメモリーのチェック等の初期設定を実行する。また、この初期設定における判定結果に基づく条件分岐により、以降の各処理へすすむ。
【0046】
S102において、電源断から正常に復帰した場合には、S103で、電源が遮断される前の状態に復帰させる。
【0047】
S104では、前述の初期化処理S101中に電源制御部871に設けたRAMクリアボタンが操作されていることを検出した場合、又は、電源が遮断される前のRAMに復帰させることが不可能と判断された場合に、RAMを強制的にクリアして、前回のデータを全て消去する。S105では、主制御部701に供給される電源の電圧が特定の値未満にまで低下した場合に、電源監視手段から電源異常信号が発生していないかを検出している。電源異常信号を検知した場合には、電断処理、例えばポートの初期化等を実行する。S106では、ソフト乱数を更新し、これらの処理をループする。
【0048】
ソフト乱数には、普通図柄の当り又は外れを決定する乱数カウンタの初期値を決定する、いわゆる初期値乱数のカウンタが含まれる。その他、特別図柄表示装置722において演出表示する時間を決定する乱数の初期値乱数のカウンタ、特別図柄を大当りとして停止表示する場合に、停止表示させる図柄の種類を決定するための特図乱数用の乱数カウンタ等が含まれる。
【0049】
RAMエラーであるS107においては、適正な遊技進行を期せないので、パチンコ機1000は非稼働状態のままとなる。
【0050】
次に、図3(b)におけるタイマ割り込み処理について簡単に説明する。このタイマ割り込み処理は、パチンコ機1000における遊技の基本的制御を示すものである。
【0051】
先ず、S201では、レジスタ退避処理として、レジスタの内容をRAMに退避させる。
【0052】
S202では、入力ポート取得処理として、各入力ポートデータを取得する。例えば、普通図柄始動ゲート1510や特別図柄始動口1520等に設けたセンサの検出状態を取得するのである。
【0053】
S203では、ソフト乱数更新処理を実行する。このソフト乱数更新は、前記したように、乱数の初期値、乱数のカウンタの更新に加え、普通図柄の当り又は外れを決定する乱数のカウンタ、特別図柄表示装置722の演出表示する時間を決定する乱数のカウンタ、特別図柄を大当りとして停止表示する場合に、停止表示させる図柄の種類を決定するための特図乱数カウンタを更新するものである。また、所定の乱数カウンタが初期値に達した場合には、その所定の乱数カウンタの値を、対応する初期値乱数カウンタの値に置き換えるものである。
【0054】
S204では、入賞検出処理を実行して、始動口(特別図柄始動口1520)や入賞口(入賞口1330、可変入賞口1530、大入賞口1540)に入賞があるか否かを監視する。そして、入賞口に入賞があった場合には、賞球数をカウントアップする。具体的には、入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞口に対して予め定められた賞球数をRAM715に設けた賞球数カウンタに加算する。また、特別図柄始動口1520に入賞があり、保留数が4未満の場合には、カウンタ回路718をラッチして、このカウンタ回路718からの出力値を特図大当乱数値として取得し、前述のソフト乱数更新S203で更新された乱数カウンタに含まれる特図乱数カウンタ、特図演出タイマ乱数カウンタから、特図乱数値、特図演出乱数値を取得し、保留する。更に、普通図柄始動ゲート1510を球が通過し、保留数が4未満の場合には、前述のソフト乱数更新S203で更新された乱数カウンタに含まれる普図当乱数カウンタから、普図当乱数値を取得し、保留する。
【0055】
S205では、特図関連処理を実行する。この特図関連処理では、特別図柄表示部722に図柄を停止表示してから所定の停止表示時間および所定の抽選間隔時間を経過しており、また大当り中ではなく、かつ前述の入賞検出S204で特図に関する乱数を保留した場合に、その保留している乱数を用いて特別図柄関連の処理を行なう。まず特図大当乱数値が所定の大当り判定値と一致するか否かを判定し、一致する場合には大当りフラグを立てる。すなわちRAM715の大当り判定結果記憶領域に、大当りとなることを示す情報を記憶する。一致しない場合には、大当り判定結果記憶領域に、ハズレとなることを示す情報を記憶する。もし大当りフラグを立てた場合には、特図乱数値が特定の値である場合には、特別図柄表示部722を停止表示させ、大当り動作を開始・終了した後で、特別図柄表示部722が再度大当りしやすい確率変動状態にすることを示す情報をRAM715に記憶する。これを確変フラグを立てると呼ぶこととする。また特定の値で無い場合には、確率変動状態にしないことを示す情報をRAM715に記憶する。大当りフラグが立っているか否か、確変フラグが立っているか否か、および特図演出乱数値の値に基づいて特別図柄表示部722の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間を決定し、RAM715に記憶する。これを変動時間と呼ぶこととする。また、特図関連処理は、保留数等の更新作業を行う。
【0056】
S206では、普図関連処理を実行する。この普図関連処理では、普通図柄表示部724に図柄を停止表示してから所定の停止表示時間および所定の抽選間隔時間を経過しており、また当り中ではなく、かつ前述の入賞検出S204で普図に関する乱数を保留した場合に、その保留している乱数を用いて普通図柄関連の処理を行なう。まず普図当乱数値が所定の当り判定値と一致するか否かを判定し、一致する場合には当りフラグを立てる。すなわちRAM715の当り判定結果記憶領域に、当りとなることを示す情報を記憶する。一致しない場合には、当り判定結果記憶領域に、ハズレとなることを示す情報を記憶する。また、普図関連処理は、保留数等の更新作業を行う。
【0057】
S207では、制御コマンド送信処理を実行する。制御コマンドは、払出コマンド及び演出コマンドを示す。払出コマンドについては、前述のS204の処理で賞球数がカウントアップされていれば、すなわちRAM715に設けた賞球数カウンタがゼロでなければ、その賞球数カウンタの値を払出コマンドに含めて、払出制御部801に送信する。その払出コマンドを受信した払出制御部801は、そのコマンドに含まれる賞球数分払出されるように払出装置802を駆動制御する。演出コマンドは、前述の変動時間などを含むコマンド、変動停止コマンド、副制御部751に送信する。具体的には、主制御部701は大当りフラグ、確変フラグ、および変動時間の値を含む信号を副制御部751に出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することでLCD769に図柄の変動表示を開始する。また、後述するタイマ更新S209で変動時間を経過したことを示す情報をRAM715に書き込んだ次の割り込み処理における、当該制御コマンド送信処理S207では、変動停止の処理を開始する。すなわち副制御部751に変動を停止させることを指令する情報を含んだ信号を出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することでLCD769に特別図柄が停止したことを演出する画像の表示を開始する。また、後述するタイマ更新S209で大当りを開始するタイミングに設定された次の割り込み処理における、当該制御コマンド送信処理S207では、大当り処理を開始する。すなわち副制御部751に大当りを開始することを示す情報を出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することでLCD769に大当り開始を演出する画像の表示を開始する。
【0058】
S208では、ポート出力処理を実行する。このポート出力処理では、各種表示器(例えば、特別図柄表示部724や普通図柄表示部724など)の表示制御信号、大入賞口1540の扉や可変入賞口1530の羽根を開閉駆動するソレノイド728を開駆動または閉駆動するための信号を出力するとともに、遊技店の管理装置が備える情報入力回路999に外部信号の出力制御をする。
【0059】
S209では、タイマ更新処理を実行する、このタイマ更新処理では、前述の特図関連処理S205で決定した変動時間の経過を監視し、経過すると所定の停止表示時間の経過の監視を行う。この所定の停止表示時間が経過すると、大当たりフラグが立っている場合には、大当たり動作の各時間(例えば、大当たり開始前インターバル、大入賞口開放時間、大入賞口閉鎖時間、大当たり終了インターバル)の経過の監視を行う。また大当たりフラグが立っていない場合には所定の抽選間隔時間の監視を行い、所定の抽選間隔時間が経過すると次の特別図柄変動開始可能な状態とする。普通図柄表示部、可変入賞口に関しても同様の処理を行なう。
【0060】
S210では、レジスタ復帰処理を実行する。即ち、前記したS201のレジスタ退避処理で退避させたデータをレジスタに再度書き込む。
【0061】
〈照明装置の第1実施形態〉
次に、パチンコ機1000の球抜きレバー1430に設けた照明装置の第1実施形態につき、図4に基づいて説明する。
【0062】
球抜きレバー1430は、任意形状のベース部材1431の裏面側にLED基板1432を配置し、該LED基板1430の前面側に設けた第1LED1431a,第2LED1432b,第3LED1432cが、ベース部材1431に開設した第1LED導入孔1431a,第2LED導入孔1431b,第3LED導入孔1431cを介して前面側に臨み、これら第1〜第3LED1432a〜1432cの前面側に光屈折部材20を配置する。これにより、光屈折部材20の入射面である後面から入射した第1〜第3LED1432a〜1432cの光が適宜に屈折しつつ透過し、光屈折部材20の出射面である前面から照射される照明装置を構成する。
【0063】
上記光屈折部材20は、任意形状の透明シート部材200の後面である入射面201側には第1集光像生成手段21(後に詳述)を設け、前面である出射面202側には第2集光像生成手段22(後に詳述)を設けたもので、第1〜第3LED1432a〜41432cによる照射光源からは想像し難い複雑で多彩な発光態様を前面側から観ることができる。すなわち、点光源と看做し得る第1〜第3LED432a〜432cを発光源として用いても、光屈折部材20の前面側からは、複雑で興趣に富んだ発光態様が見えるので、比較的廉価な構成で装飾性の高い照明効果を発揮できる。
【0064】
なお、ベース部材1431の前面側には、クリア樹脂等で形成した前面カバー部材1433を設けると共に、ベース部材1431の裏面側には、LED基板1432を覆う裏面カバー部材1434を設けることで、球抜きレバー1430は、照明装置の機能を内包したユニット構造としたが、この構造に限定されるものではなく、例えば、別体として構成された照明装置を球抜きレバーの所要部位に組み付ける構造としても良い。
【0065】
〈光屈折部材の第1実施形態〉
次に、図5〜図8に基づいて、第1実施形態に係る光屈折部材20の具体的構成と、その原理について説明する。
【0066】
図5は、本実施形態に係る光屈折部材20の原理を説明するために、透明シート部材200′の入射面には第1集光像生成手段21を設け、出射面202′は凹凸のない平坦面とした光屈折部材20′を示したものである。図5(a)は、入射側透過基準面201′(例えば、出射面202′と略平行な仮想平面)より突出する正四角錐形状の屈折素体211を縦横へマトリックス状に整列配置した第1集光像生成手段21を有する透明シート部材200′の裏面(入射面)を示し、その略中央が円状の照明領域である。図5(b)は、透明シート部材200′の上面(若しくは底面)を示し、入射面に比較的近接させた位置に発光源23を配置する。図5(c)は、平坦な出射面202′である透明シート部材200′の前面を示し、複数の高輝度領域を含む第1集光像212が現れる。
【0067】
第1集光像生成手段21の屈折素体211は、入射側透過基準面201′と面一な底面が正四角形で、その4辺に連なる4つの傾斜屈折面A,B,C,Dを備えるもので、例えば、相対向する傾斜屈折面Aおよび傾斜屈折面Cが揃う第1整列配置ラインと、相対向する傾斜屈折面Bおよび傾斜屈折面Dが揃う第2整列ラインとが生じ、発光源23から照射された光は、第1整列配置ラインである上下方向と、第2整列ラインである左右方向へ屈折され易く、上下左右の4点において入射光が集光した高輝度領域が生ずることにより、図5(c)に示したような略十字形状の第1集光像212が生ずるのである。なお、発光源23から入射面までの距離、あるいは屈折素体211の突出量や傾斜屈折面の傾斜角度等を変えることにより、整列配置ライン方向において高輝度領域が生ずる位置をある程度制御可能である。
【0068】
第1集光像生成手段21を構成する屈折素体211は、指で触ったときに凹凸が感じられないぐらい配置間隔が短い微小形状であり、透明シート部材200′と一体成型したり、透明シート部材200′の入射面を加工処理することで形成するものとし、第1集光像生成手段21から透明シート部材200′への光透過に際して、媒質相違に基づく屈折率の不均一な領域が生じないものとした。なお、屈折素体211の大きさは特に制限はなく、発光源23による照度・照明領域の大きさ、透明シート部材200′の素材に固有の屈折率等の諸条件に応じて、出射面202′の範囲内に第1集光像212が現れるようにすれば良い。
【0069】
次いで、図6に示すのは、透明シート部材200の入射面に第1集光像生成手段21(図5にて説明した第1集光像生成手段21と同じ屈折素体211を入射側透過基準面201に隙間無く整列配置した構造)を設け、出射面に第2集光像生成手段22を設けた光屈折部材20を示したものである。図6(a)は、入射側透過基準面201より突出する正四角錐形状の屈折素体211を縦横へマトリックス状に整列配置した第1集光像生成手段21を有する透明シート部材200の裏面を示し、その略中央が円状の照明領域である。図6(b)は、透明シート部材200の上面(若しくは底面)を示し、入射面に比較的近接させた位置に発光源23を配置する。図6(c)は、出射側透過基準面202より突出する正四角錐形状の屈折素体221を縦横へマトリックス状に整列配置した第2集光像生成手段22を有する透明シート部材200の前面を示し、第1集光像生成手段21により出射側透過基準面201に生成された第1集光像の各高輝度領域(上下左右の4点)に対応する位置から各々第2集光像222が現れる。
【0070】
第2集光像生成手段22の屈折素体221は、出射側透過基準面201と面一な底面が正四角形で、その4辺に連なる4つの傾斜屈折面A,B,C,Dを備えるもので、例えば、相対向する傾斜屈折面Aおよび傾斜屈折面Cが揃う第1整列配置ラインと、相対向する傾斜屈折面Bおよび傾斜屈折面Dが揃う第2整列ラインとが生じ、第1集光像212における上下左右4箇所の各高輝度領域の光は、第2集光像生成手段22を透過する際に、第1整列配置ラインである上下方向と、第2整列ラインである左右方向へ屈折され易く、上下左右の4点において入射光が集光した高輝度領域が上下左右4箇所に生ずることにより、図6(c)に示したような略十字形状の第2集光像222が上下左右4箇所に生ずるのである。
【0071】
なお、第1集光像生成手段21の屈折素体211と第2集光像生成手段22の屈折素体221とを同一形状とすれば、概ね第1集光像212に近似した形状の第2集光像222を生成することができるが、第1集光像生成手段21の屈折素体211と第2集光像生成手段22の屈折素体221を相似形状のまま拡大あるいは縮小したり、屈折素体221の突出量や傾斜屈折面の傾斜角度を変えたりすることで、第2集光像222の発光形態(高輝度領域の大きさや離隔距離など)を多様に変化させることができる。
【0072】
上述した第1集光像生成手段21と同様に、この第2集光像生成手段22を構成する屈折素体221も、指で触ったときに凹凸が感じられないぐらい配置間隔が短い微小形状であり、透明シート部材200と一体成型したり、透明シート部材200の出射面を加工処理することで形成するものとし、透明シート部材200から第2集光像生成手段22への光透過に際して、媒質相違に基づく屈折率の不均一な領域が生じないものとした。無論、この屈折素体221の大きさも特に制限はなく、第1集光像212における高輝度領域の位置・照度、透明シート部材200の素材に固有の屈折率等の諸条件に応じて、複数の第2集光像222が現れるようにすれば良い。
【0073】
また、本実施形態の光屈折部材20における第1,第2集光像生成手段21,22は、屈折素体211,221を隙間無く整列配置するものとしたので、入射側透過基準面201および出射側透過基準面202は表面に現れないが、例えば、屈折素体211,221を若干離隔させつつ整列配置した場合には、各屈折素体211,221の離隔部分に入射側透過基準面201,出射側透過基準面202が現れることとなる。
【0074】
次いで、図7に示すのは、透明シート部材200の入射面に第1集光像生成手段21(図5および図6にて説明した第1集光像生成手段21と同じ屈折素体211を出射側透過基準面201に隙間無く整列配置した構造)を設け、出射面に第2集光像生成手段22′を設けた光屈折部材20を示したものである。図7(a)は、入射側透過基準面201より突出する正四角錐形状の屈折素体211を縦横へマトリックス状に整列配置した第1集光像生成手段21を有する透明シート部材200の裏面(入射面)を示し、その略中央が円状の照明領域である。図7(b)は、透明シート部材200の上面(若しくは底面)を示し、入射面に比較的近接させた位置に発光源23を配置する。図7(c)は、出射側透過基準面202より突出する正四角錐形状の屈折素体221を斜め方向(第1集光像生成手段21における屈折素体211の配列方向と45度の角度を成す方向)へ整列配置した第2集光像生成手段22′を有する透明シート部材200の前面を示し、第1集光像生成手段21により出射側透過基準面202に生成された第1集光像の各高輝度領域(上下左右の4点)に対応する位置から各々第2集光像222′が現れる。
【0075】
第2集光像生成手段22′の屈折素体221は、出射側透過基準面202と面一な底面が正四角形で、その4辺に連なる4つの傾斜屈折面A,B,C,Dを備えるもので、例えば、相対向する傾斜屈折面Aおよび傾斜屈折面Cが揃う第1整列配置ラインと、相対向する傾斜屈折面Bおよび傾斜屈折面Dが揃う第2整列ラインとが生じ、第1集光像212における上下左右4箇所の各高輝度領域の光は、第2集光像生成手段22を透過する際に、第1整列配置ラインである斜め方向(図7においては、右上がり又は左下がりの傾斜方向)と、第2整列ラインである斜め方向(図7においては、左上がり又は右下がりの傾斜方向)へ屈折され易く、右上・右下・左上・左下の4点において入射光が集光した高輝度領域が上下左右4箇所に生ずることにより、図7(c)に示したような略X字形状の第2集光像222′が上下左右4箇所に生ずるのである。
【0076】
この第2集光像の生成態様変化を具体的に説明すると、図8(a)に示すように、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1が第1集光像生成手段21の第1整列配置ライン(例えば、鉛直方向)と一致し、第2集光像生成手段22の第2整列配置ラインL2が第1集光像生成手段21の第2整列配置ライン(例えば、水平方向)と一致していれば、第1集光像の高輝度領域に対応する4点から鉛直方向と水平方向に各々2点の高輝度領域が生ずる第2集光像222aが各々現れ、図8(b)に示すように、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1および第2整列配置ラインL2を第1集光像生成手段21の第1整列配置ラインおよび第2整列配置ラインから時計回りに角度α1(例えば、22.5度)回転させると、図8(a)の第2集光像222aと相似形のまま時計回りに角度α1だけ傾斜した第2集光像222bが現れ、図8(c)に示すように、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1および第2整列配置ラインL2を第1集光像生成手段21の第1整列配置ラインおよび第2整列配置ラインから時計回りに角度α2(例えば、45度)回転させると、図8(a)の第2集光像222aと相似形のまま時計回りに角度α2だけ傾斜した第2集光像222cが現れ、図8(d)に示すように、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1および第2整列配置ラインL2を第1集光像生成手段21の第1整列配置ラインおよび第2整列配置ラインから時計回りに角度α3(例えば、67.5度)回転させると、図8(a)の第2集光像222aと相似形のまま時計回りに角度α3だけ傾斜した第2集光像222dが現れる。更に、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1および第2整列配置ラインL2を第1集光像生成手段21の第1整列配置ラインおよび第2整列配置ラインから時計回り又は反時計回りに90度回転させると、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1が第1集光像生成手段21の第2整列配置ライン(例えば、水平方向)と一致し、第2集光像生成手段22の第2整列配置ラインL2が第1集光像生成手段21の第1整列配置ライン(例えば、鉛直方向)と一致するので、図8(a)の第2集光像222aとほぼ同一形状の第2集光像が現れる。
【0077】
すなわち、第1集光像生成手段21における入射側整列配置ラインに対して、第2集光像生成手段22における出射側整列配置ラインの向きを相対的に変化させることにより、第2集光像の生成態様を変化させることができるのである。このように、本実施形態に係る光屈折部材20においては、第1集光像生成手段21の屈折素体211と第2集光像生成手段22の屈折素体221を同一形状として用いても、その整列配置ラインの向きを相対的に変化させるだけで、従来にない面白みのある発光態様が実現できる。加えて、第1集光像生成手段21の屈折素体211と第2集光像生成手段22の屈折素体221の形状を異ならしめることで、発光態様のバリエーションを多彩にすることができる。
【0078】
〈光屈折部材の第2実施形態〉
次に、図9〜図11に基づいて、第2実施形態に係る光屈折部材30の具体的構成と、その原理について説明する。
【0079】
図9は、本実施形態に係る光屈折部材30の原理を説明するために、透明シート部材300′の入射面に第1集光像生成手段31を設け、出射面302′は凹凸のない平坦面とした光屈折部材30′を示したものである。図9(a)は、入射側透過基準面301′より突出する三角錐形状の屈折素体310を整列配置した第1集光像生成手段31を有する透明シート部材300′の裏面(入射面)を示し、その略中央が円状の照明領域である。図9(b)は、透明シート部材300′の上面(若しくは底面)を示し、入射面に比較的近接させた位置に発光源33を配置する。図9(c)は、平坦な出射面302′である透明シート部材300′の前面を示し、複数の高輝度領域を含む第1集光像313が現れる。
【0080】
第1集光像生成手段31の屈折素体310は、入射側透過基準面301′と面一な底面が二等辺三角形(一対の斜辺長と底辺長とが同じになる正三角形を含む)である3辺に連なる3つの傾斜屈折面を備えるものである。なお、屈折素体310は、整列配置される向きに応じて第1群屈折素体311と第2群屈折素体312と呼び分けるものとする。例えば、第1群屈折素体311は、底面形状である二等辺三角形の底辺に連なる傾斜屈折面Aが下方になり、斜辺に連なる傾斜屈折面B,Cが交わる頂点が上方になるもので、第2群屈折素体312は、底面形状である二等辺三角形の底辺に連なる傾斜屈折面aが上方になり、斜辺に連なる傾斜屈折面b,cが交わる頂点が下方になるものである。そして、第1群素体311と第2群屈折素体312とを横方向へ交互に配すると共に、第1群屈折素体311の底面における底辺(傾斜屈折面Aが立ち上がる辺)と第2群素体312の底面における底辺(傾斜屈折面aが立ち上がる辺)とを一致させるように縦方向に配置することで、屈折素体310の整列配置を実現した。
【0081】
この配列構造によれば、相対向する第1群屈折素体311の傾斜屈折面Aと第2群屈折素体312の傾斜屈折面aが揃う第1整列配置ラインL1と、相対向する第1群屈折素体311の傾斜屈折面Bと第2群屈折素体312の傾斜屈折面bが揃う第2整列配置ラインL2と、相対向する第1群屈折素体311の傾斜屈折面Cと第2群屈折素体312の傾斜屈折面cが揃う第3整列配置ラインL3とが生ずる。なお、正四面体形状(底面及び3つの傾斜屈折面が全て正三角形)とした屈折素体310においては、第1整列配置ラインL1と第2整列配置ラインL2は時計回りに60度の角度を成し、第1整列配置ラインL1と第3整列配置ラインL2は時計回りに120度の角度を成すので、第1〜第3整列配置ラインL1〜L3は60度毎に等間隔で現れることとなる。
【0082】
斯く構成した光屈折部材30′の入射面に対して、発光源33から照射された光は、第1〜第3整列配置ラインL1〜L3方向へ選択的に屈折され易く、正六角形状の6点において入射光が集光した高輝度領域が生ずることにより、図9(c)に示したようなアスタリスク形状の第1集光像313が出射面302′に生ずるのである。なお、発光源33から入射面までの距離、あるいは屈折素体310の突出量や傾斜屈折面の傾斜角度等を変えることにより、整列配置ライン方向において高輝度領域が生ずる位置をある程度制御可能である。
【0083】
次いで、図10に示すのは、透明シート部材300の入射面に第1集光像生成手段31(図9にて説明した第1集光像生成手段31と同じ屈折素体310を入射側透過基準面301に隙間無く整列配置した構造の整列配置構造)を設け、出射面に第2集光像生成手段32を設けた光屈折部材30を示したものである。図10(a)は、入射側透過基準面301より突出する正四面体形状の屈折素体310(第1群屈折素体311および第2群屈折素体312よりなる)を整列配置した第1集光像生成手段31を有する透明シート部材300の裏面を示し、その略中央が円状の照明領域である。図10(b)は、透明シート部材300の上面(若しくは底面)を示し、入射面に比較的近接させた位置に発光源33を配置する。図10(c)は、出射側透過基準面302より突出する三角錐形状の屈折素体320(第1群屈折素体321および第2群屈折素体322よりなる)を整列配置した第2集光像生成手段32を有する透明シート部材300の前面を示し、第1集光像生成手段31により出射側透過基準面302に生成された第1集光像の各高輝度領域(六角形状の6点)に対応する位置から第2集光像生成手段32を経て各々第2集光像323が現れる。
【0084】
第2集光像生成手段32の屈折素体320は、出射側透過基準面302と面一な底面が二等辺三角形(一対の斜辺長と底辺長とが同じになる正三角形を含む)である3辺に連なる3つの傾斜屈折面を備えるもので、整列配置される向きに応じて第1群屈折素体321と第2群屈折素体322と呼び分けるものとする。例えば、第1群屈折素体321は、底面形状である二等辺三角形の底辺に連なる傾斜屈折面Aが下方になり、斜辺に連なる傾斜屈折面B,Cが交わる頂点が上方になるもので、第2群屈折素体322は、底面形状である二等辺三角形の底辺に連なる傾斜屈折面aが上方になり、斜辺に連なる傾斜屈折面b,cが交わる頂点が下方になるものである。そして、第1群素体321と第2群屈折素体322とを横方向へ交互に配すると共に、第1群屈折素体321の底面における底辺(傾斜屈折面Aが立ち上がる辺)と第2群素体312の底面における底辺(傾斜屈折面aが立ち上がる辺)とを一致させるように縦方向に配置することで、屈折素体310と同様な屈折素体320の整列配置を実現した。
【0085】
この配列構造によれば、相対向する第1群屈折素体321の傾斜屈折面Aと第2群屈折素体322の傾斜屈折面aが揃う第1整列配置ラインL1と、相対向する第1群屈折素体321の傾斜屈折面Bと第2群屈折素体322の傾斜屈折面bが揃う第2整列配置ラインL2と、相対向する第1群屈折素体321の傾斜屈折面Cと第2群屈折素体322の傾斜屈折面cが揃う第3整列配置ラインL3とが生ずる。なお、正四面体形状とした屈折素体320においては、第1整列配置ラインL1と第2整列配置ラインL2は時計回りに60度の角度を成し、第1整列配置ラインL1と第3整列配置ラインL2は時計回りに120度の角度を成すので、第1〜第3整列配置ラインL1〜L3は60度毎に等間隔で現れることとなる。
【0086】
斯く構成した光屈折部材30の入射面に対して発光源33から光を照射し、出射側透過基準面302に生成された第1集光像313における6点の高輝度領域の光は、第2集光像生成手段32を透過する際に、第1〜第3整列配置ラインL1〜L3方向へ選択的に屈折され易く、正六角形状の6点において入射光が集光した高輝度領域が生ずることにより、図10(c)に示したようなアスタリスク形状の第2集光像323が正六角形状の6点に各々生ずるのである。
【0087】
なお、第1集光像生成手段31の屈折素体310と第2集光像生成手段32の屈折素体320とを同一形状とすれば、概ね第1集光像313に近似した形状の第2集光像323を生成することができるが、第1集光像生成手段31の屈折素体310と第2集光像生成手段32の屈折素体320を相似形状のまま拡大あるいは縮小したり、屈折素体320の突出量や傾斜屈折面の傾斜角度を変えたりすることで、第2集光像323の発光形態(高輝度領域の大きさや離隔距離など)を多様に変化させることができる。
【0088】
本実施形態の光屈折部材30における第2集光像の生成態様変化を具体的に説明すると、図11(a)に示すように、第2集光像生成手段32の第1整列配置ラインL1が第1集光像生成手段31の第1整列配置ライン(例えば、鉛直方向)と一致し、第2集光像生成手段32の第2整列配置ラインL2が第1集光像生成手段31の第2整列配置ライン(例えば、右回り60度傾斜方向)と一致し、第2集光像生成手段32の第3整列配置ラインL3が第1集光像生成手段31の第3整列配置ライン(例えば、右回り120度傾斜方向)と一致していれば、第1集光像の高輝度領域に対応する6点から鉛直方向と右回り60度傾斜方向と右回り120度傾斜方向に各々2点の高輝度領域が生ずる第2集光像323aが各々現れ、図11(b)に示すように、第2集光像生成手段32の第1〜第3整列配置ラインL1〜L3を第1集光像生成手段31の第1〜第3整列配置ラインから時計回りに角度α1(例えば、20度)回転させると、図11(a)の第2集光像323aと相似形のまま時計回りに角度α1だけ傾斜した第2集光像323bが現れ、図11(c)に示すように、第2集光像生成手段32の第1〜第3整列配置ラインL1〜L3を第1集光像生成手段31の第1〜第3整列配置ラインから各々時計回りに角度α2(例えば、40度)回転させると、図11(a)の第2集光像323aと相似形のまま時計回りに角度α2だけ傾斜した第2集光像323cが現れる。更に、第2集光像生成手段32の第1〜第3整列配置ラインL1〜L3を第1集光像生成手段31の第1〜第3整列配置ラインから時計回り又は反時計回りに60度もしくは120度回転させると、第2集光像生成手段32の第1整列配置ラインL1が第1集光像生成手段31の第2整列配置ラインもしくは第3整列ラインと一致し、第2集光像生成手段32の第2整列配置ラインL2が第1集光像生成手段31の第3整列配置ラインもしくは第1整列配置ラインと一致し、第2集光像生成手段32の第3整列配置ラインL3が第1集光像生成手段31の第1整列配置ラインもしくは第2整列配置ラインと一致するので、図11(a)の第2集光像323aとほぼ同一形状の第2集光像が現れる。
【0089】
すなわち、本実施形態に係る光屈折部材30においても、第1集光像生成手段31における入射側整列配置ラインに対して、第2集光像生成手段32における出射側整列配置ラインの向きを相対的に変化させることにより、第2集光像の生成態様を変化させることができるのである。このように、本実施形態に係る光屈折部材30においては、第1集光像生成手段31の屈折素体311と第2集光像生成手段32の屈折素体321を同一形状として用いても、その整列配置ラインの向きを相対的に変化させるだけで、従来にない面白みのある発光態様が実現できる。加えて、第1集光像生成手段31の屈折素体311と第2集光像生成手段32の屈折素体321の形状を異ならしめることで、発光態様のバリエーションを多彩にすることができる。
【0090】
〈光屈折部材の第3実施形態〉
また、第1集光像生成手段の屈折素体と第2集光像生成手段の屈折素体は正四面体形状に限定されるものではなく、例えば、底面が正三角形で3つの傾斜屈折面が二等辺三角形である屈折素体を整列配置した場合でも、第1〜第3整列配置ラインL1〜L3を等間隔で生ぜしめることができる。また、屈折素体の底面形状も正三角形や二等辺三角形に限定されるものではなく、底面が直角三角形の三角錐でも、底面が不等辺三角形の三角錐でも、傾斜屈折面の向きが揃う整列配置ラインを生ぜしめることができれば、整列配置ラインの方向によって第2集光像の発光態様変化を制御することができるし、予測も付かない形態の第2集光像を得ることもできる。これに加えて、第1集光像生成手段の屈折素体と第2集光像生成手段の屈折素体の大きさを変えたり、第1集光像生成手段と第2集光像生成手段とで両屈折素体の傾斜屈折面の傾斜角度を変えたり、第1集光像生成手段と第2集光像生成手段とで整列配置ラインの相対的な向きを変えたりしても、第2集光像の形態を一層多彩に変化させることができる。
【0091】
例えば、図12に示す第3実施形態に係る光屈折部材40は、透明シート部材400の入射面(図12(c)を参照)に第1集光像生成手段41(第2実施形態に係る光屈折部材30の第1集光像生成手段31と同様に、略三角錐形状の第1群屈折素体411および第2群屈折素体412からなる屈折素体410を入射側透過基準面401に隙間無く整列配置した構造)を設け、出射面(図12(a)を参照)に第2集光像生成手段42(第1集光像生成手段41と同様に、略三角錐形状の第1群屈折素体421および第2群屈折素体422からなる屈折素体420を出射側透過基準面402に隙間無く整列配置した構造)を設けたものである。
【0092】
ここで、第1集光像生成手段41の屈折素体410は、三角錐の底面である正三角形の各辺(傾斜屈折面A,a,B,b,C,cが立ち上がる辺)の長さがX1であり、第2集光像生成手段42の屈折素体420は、三角錐の底面である正三角形の各辺(傾斜屈折面A,a,B,b,C,cが立ち上がる辺)の長さがX2でであり、屈折素体410における底面の辺長X1は屈折素体420における底面の辺長X2よりも大(X1>X2)となるようにした。すなわち、入射面に設けた第1集光像生成手段41を構成する屈折素体410は、出射面に設けた第2集光像生成手段42を構成する屈折素体420よりも大きいので、単位面積当たりの屈折素体410の配列数は屈折素体420の配列数よりも少なくなる。
【0093】
なお、第1集光像生成手段41の屈折素体410における傾斜屈折面A,a,B,b,C,cは全て同一形状の二等辺三角形とすることで、第1〜第3整列配置ラインが等間隔で現れるものとし、同じく、第2集光像生成手段42の屈折素体420における傾斜屈折面A,a,B,b,C,cも全て同一形状の二等辺三角形(一対の斜辺長と底辺長とが同じになる正三角形を含む)とすることで、第1〜第3整列配置ラインが等間隔で現れるものとする。但し、第1集光像生成手段41の屈折素体410と第2集光像生成手段42の屈折素体420は相似形状とせず、第1集光像生成手段41の屈折素体410における突出高さH1と第2集光像生成手段42の屈折素体420における突出高さH2を同一とし(H1=H2)、屈折素体420に比べて屈折素体410がやや扁平になる形状とした。
【0094】
具体的には、第1集光像生成手段41における屈折素体410の底面である正三角形と、第2集光像生成手段42における屈折素体の底面である正三角形との比率を適宜に設定することで、第1集光像生成手段41の屈折素体410における突出高さがH1のときに、第1集光像生成手段41の屈折素体410における傾斜屈折面Aと傾斜屈折面aの成す角度αa、傾斜屈折面Bと傾斜屈折面bの成す角度αbおよび傾斜屈折面Cと傾斜屈折面cの成す角度αcが各々120度となり、第2集光像生成手段42の屈折素体420における突出高さがH2のときに、第2集光像生成手段42の屈折素体420における傾斜屈折面Aと傾斜屈折面aの成す角度αa、傾斜屈折面Bと傾斜屈折面bの成す角度αbおよび傾斜屈折面Cと傾斜屈折面cの成す角度αcが各々90度となるようにした。
【0095】
また、第1集光像生成手段41と第2集光像生成手段42は、共に第1〜第3整列配置ラインが等間隔に現れるものであるが、第1集光像生成手段41における第1群屈折素体411および第2群屈折素体412の整列方向と、第2集光像生成手段42における第1群屈折素体421および第2群屈折素体422の整列方向を異ならしめ、第1集光像において高輝度領域が生ずる方向と第2集光像において高輝度領域が生ずる方向が異なるようにした。図12に示す屈折部材40においては、第2集光像生成手段42における整列配置ラインに対して、第1集光像生成手段41における整列配置ラインを時計方向へ45度傾けるような配置とした。斯く構成した光屈折部材40の入射面から発光源43の光を照射すると、図12(a)に示すように、出射面側には左右非対称で複雑な発光形態の第2集光像423が現れる。
【0096】
このように、第1集光像生成手段および第2集光像生成手段の屈折素体の傾斜屈折面の形状や傾斜角、配列される向き等を様々に変化させることで、多様に形態変化させた第2集光像を得ることができる。例えば、図13(a1),(a2)に示すように、第1実施形態の光屈折部材20における四角錐形状の屈折素体211(もしくは屈折素体221)の突出端部を切り欠いて入射側透過基準面もしくは出射側透過基準面と略々平行な頂部平面を形成した屈折素体211′(もしくは屈折素体221′)を用いれば、傾斜屈折面により屈折されずに頂部平面から透過する光も生ずるので、第1集光像もしくは第2集光像の形態変化を一層多様にすることができる。同様に、図13(b1),(b2)に示すように、第2実施形態の光屈折部材30における三角錐形状の屈折素体310(もしくは屈折素体320)の突出端部を切り欠いて入射側透過基準面もしくは出射側透過基準面と略々平行な頂部平面を形成した屈折素体310′(もしくは屈折素体320′)を用いても良い。
【0097】
更に、上述した各実施形態の光屈折部材では、平坦な入射側透過基準面および出射側透過基準面が平行な透明シート部材を用いるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図13(c)に示す光屈折部材50は、凹レンズ部材500の曲面状に窪む入射側透過基準凹面501に屈折素体を整列配置した第1集光像生成手段510を設けた入射凹面と、凹レンズ部材500の曲面状に窪む出射側透過基準凹面502に屈折素体を整列配置した第2集光像生成手段520を設けた出射凹面を有するもので、図13(d)に示す光屈折部材60は、凸レンズ部材600の曲面状に膨出する入射側透過基準凸面601に屈折素体を整列配置した第1集光像生成手段610を設けた入射凸面と、凸レンズ部材600の曲面状に膨出する出射側透過基準凸面602に屈折素体を整列配置した第2集光像生成手段620を設けた出射凸面を有するものである。このように、入射面や出射面を曲面状とすれば、第1集光像および第2集光像の発光態様を一層多様なものにできる。なお、入射面または出射面を平坦面とし、他方の面を凹面または凸面として光屈折部材を構成しても構わないし、入射面と出射面を凹面と凸面の組み合わせとした光屈折部材を構成しても構わない。
【0098】
〈照明装置の他の実施形態〉
上述したように、様々に発光態様を変化させることができる光屈折部材を用いれば、その発光態様によって、遊技者の注意を喚起することができる。例えば、図14(a)に示す特別図柄保留表示装置1600(可変表示装置1500の近傍に設けた保留記憶表示手段)においては、記憶数1〜3を表示するための第1〜第3表示部1601〜1603には発光面がほぼ均一に照明される一般的な発光表示を行い、記憶数4を示す第4表示部1604に対してのみ、前述した光屈折部材20〜60を用いた照明装置(光屈折部材20〜60後方の適切な位置から適切な照明が可能な発光源を備える装置)を適用し、特別始動口1520への入球数の保留記憶が上限値(記憶数4)に達したことを効果的に報知するのである。また、図14(b)に示す特別図柄保留ランプ1570(特別図柄表示器1560の近傍に設けた保留記憶表示手段)においては、記憶数1〜3を表示するための第1〜第3表示部1571〜1573にはランプやLEDによる発光表示を行い、記憶数4を示す第4表示部1574に対してのみ、前述した光屈折部材20〜60を用いた照明装置(光屈折部材20〜60後方の適切な位置から適切な照明が可能な発光源を備える装置)を適用し、特別始動口1520への入球数の保留記憶が上限値(記憶数4)に達したことを効果的に報知するのである。
【0099】
〈遊技台の第2実施形態〉
上述したいくつかの実施形態に係る光屈折部材を備える照明装置は、パチンコ機1000に限らず、他の遊技台に適用することで、様々な状態を遊技者へ効果的に報知することが可能である。以下、遊技台の第2実施形態として、本発明に係る照明装置を備えるスロットマシン2100について説明する。
【0100】
〈全体の構成〉
図15は、スロットマシン2100の外観を示す斜視図である。図1に示すように、スロットマシン2100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等の文字や記号:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール2110、中リール2111、右リール2112)収納され、本体2101bの内部で回転できるように構成されている。
【0101】
前面扉2101aには、リール表示窓2113が設けられており、リール2110〜2112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓2113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール2110〜2112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール2110〜2112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓2113に表示されることになる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。また、各リール2110〜2112の裏側には、リール表示窓2113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。
【0102】
入賞ライン表示ランプ2120は、遊技毎に有効となる入賞ライン2114を示すランプである。有効となる入賞ライン2114は、スロットマシン2100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図15に示すように5本の入賞ライン2114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン2114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
【0103】
スタートランプ2121は、リール2110〜2112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ2122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン2114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
【0104】
告知ランプ2123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ2124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
【0105】
メダル投入枚数表示ランプ2125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
【0106】
払出枚数表示器2126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器2128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ2129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
【0107】
メダル投入ボタン2131、2132は、貯留されたメダルをスロットマシン2100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、3枚メダル投入ボタン2131(最大枚数のメダルを投入できる、いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン2132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン2100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン2131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器2128に表示される。
【0108】
メダル投入口ブロック2133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ2133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー2135は、遊技の開始操作として、リール2110〜2112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
【0109】
停止ボタンユニット2136には、3つの停止ボタン(左停止ボタン2136a,中停止ボタン2136b,右停止ボタン2136c)が設けられている。各停止ボタンは、押下することによって対応するリール2110〜2112を停止させるボタン型のスイッチである。具体的には、左停止ボタン2136aを操作することによって左リール2110が、中停止ボタン2136bを操作することによって中リール2111が、右停止ボタン2136cを操作することによって右リール2112がそれぞれ停止する。
【0110】
各停止ボタンの内部にはランプが設けられており(後に詳述)、スタートレバー2135が操作された後、リール2110〜2112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各停止ボタンのランプは各停止ボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
【0111】
精算ボタン2138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン2138は、遊技者がメダル投入口ブロック2133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切り換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン2138が押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン2138が押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
【0112】
キー孔2139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン2100の前面扉2101aを開けることができる。メダル払出口2165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿2160に溜まるようになっている。
【0113】
上部ランプ2190、サイドランプ2151,2152、中央ランプ2153,2154、腰部ランプ2155,2156、下部ランプ2157,2158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル2140を照明する。また、受皿2160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿2160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット2170が設けられている。
【0114】
また、スロットマシンの上部(リール表示窓2113の上方)中央部には、遊技に関する各種の情報(ゲームを盛り上げるためキャラクタ等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など)を表示することができるLCD2180が設けられており、このLCD2180を用いて、各種スイッチ類(例えば、3枚メダル投入ボタン2131や1枚メダル投入ボタン2132,スタートレバー2135,停止ボタン2136a〜2136c,精算ボタン2138等)に生じた動作不良に関する情報も報知する。
【0115】
〈制御ブロック〉
次に、スロットマシン2100における制御手段として機能する各制御部を詳細に説明する。図16は主制御部2300の詳細を示すもので、図17は副制御部2400の詳細を示すものである。
【0116】
〈主制御部の構成〉
まず、図16を用いて、スロットマシン2100の主制御部2300について説明する。主制御部2300は、主制御部2300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU2310や、CPU2310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
【0117】
クロック補正回路2314は、水晶発振器2311から発振されたクロックを分周してCPU2310に供給する回路である。例えば、水晶発振器2311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU2310は、クロック回路2314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0118】
また、CPU2310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路2315がバスを介して接続されている。CPU2310は、電源が投入されると、データバスを介してROM2312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路2315に送信する。
【0119】
タイマ回路2315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU2310に送信する。CPU2310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU2310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路2315の分周値を1/256、ROM2312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
【0120】
また、CPU2310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM2312や、一時的なデータを保存するためのRAM2313が接続されている。これらのROM2312やRAM2313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部2400においても同様である。
【0121】
また、CPU2310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース2360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース2360を介して、メダル受付センサ2320、スタートレバーセンサ2321、ストップボタンセンサ2322(例えば、第1ストップボタンセンサ2322a,第2ストップボタンセンサ2322b,第3ストップボタンセンサ2322cにより構成)、MAXベットボタンセンサ2323、ONEベットボタンセンサ2324、精算ボタンセンサ2325、リセットスイッチ2326、メダル払出センサ2327の状態を検出し、各センサを監視している。
【0122】
メダル受付センサ2320は、メダル投入ブロック2133のメダル投入口に連なるメダル通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ2321は、遊技者によるスタートレバー2135の操作を検出する。ストップボタンセンサ2322は、各々のストップボタン2136a〜2136cに設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0123】
MAXベットボタンセンサ2323はMAXベットボタン2131が操作されたことを検出し、ONEベットボタンセンサ2324はONEベットボタン2132が操作されたことを検出し、夫々の検出出力は、RAM2313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入した枚数の特定に供される。たとえば、CPU2310は、ONEベットボタン2132に対応するONEベットボタンセンサ2324がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、MAXベットボタン2131に対応するMAXベットボタンセンサ2323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、MAXベットボタン2131が押された際に、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
【0124】
精算ボタンセンサ2325は、精算ボタン2138が操作されたことを検出し、これを受けたCPU2310は、ホッパモータを駆動させてメダル払出装置(ホッパ)から貯留メダルを払い出す。リセットスイッチ2326は、エラー等の復旧後に操作されると、RAM2313の特定エリアをクリアして通常稼働状態に復帰させるものである。メダル払出センサ2327は、メダル払出装置によって払い出されたメダルを検出し、適正数の払出制御を行うためのものである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0125】
CPU2310には、さらに、入力インタフェース2361、出力インタフェース2370,3271がアドレスデコード回路2350を介してアドレスバスに接続されている。CPU2310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
【0126】
入力インタフェース2361には、インデックスセンサ2328が接続されている。インデックスセンサ2328は、具体的には、各リール2110〜2112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ2328を通過するたびにHレベルになる。CPU2310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0127】
出力インタフェース2370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部2330と、メダル払出装置(バケットにたまっているメダルをメダル払出口2165から払い出すための装置。図示せず。)のホッパモータを駆動するためのホッパモータ駆動部2331と、遊技ランプ2340(具体的には、入賞ライン表示ランプ2120、演出用ランプ2129等)と、払出枚数表示器2126と、遊技回数表示器2127と、貯留枚数表示器2128が接続されている。
【0128】
また、CPU2310には、乱数発生回路2317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路2317は、水晶発振器2311及び水晶発振器2316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU2310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。なお、乱数発生回路2317は、例えば2つの乱数カウンタ(水晶発振器2311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタ、および水晶発振器2316のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタ)を備える。
【0129】
また、CPU2310のデータバスには、副制御部2400にコマンドを送信するための出力インタフェース2371が接続されている。
【0130】
〈副制御部の構成〉
次に、図17を用いて、スロットマシン2100の副制御部2400について説明する。副制御部2400は、主制御部2300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部2400の全体を制御する演算処理装置であるCPU2410や、CPU2410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
【0131】
クロック補正回路2414は、水晶発振器2411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU2410に供給する回路である。
【0132】
また、CPU2410にはタイマ回路2415がバスを介して接続されている。CPU2410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM2412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路2415に送信する。タイマ回路2415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU2410に送信する。CPU2410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0133】
また、CPU2410には、副制御部2400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM2412や、データ等を一時的に保存するためのRAM2413が各バスを介して接続されている。
【0134】
また、CPU2410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース2460が接続されており、入出力インタフェース2460には、各リール2110〜2112の絵柄を背面より照明するためのバックライト2420、RAM2413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ2421等が接続されている。
【0135】
CPU2410には、データバスを介して主制御部2300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース2461が接続されており、入力インタフェース2461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
【0136】
また、CPU2410のデータバスとアドレスバスには、音源IC2480が接続されている。音源IC2480は、CPU2410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC2480には、音声データが記憶されたROM2481が接続されており、音源IC2480は、ROM2481から取得した音声データをアンプ2482で増幅させてスピーカ2483から出力する。
【0137】
CPU2410には、主制御部2300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路2450が接続されており、アドレスデコード回路2450には、各種演出用のランプへ信号を出力するための出力インタフェース2470、主制御部2300からのコマンドを受信するための入力インタフェース2461、液晶画面制御部2500からの信号を入力するための入力インタフェース2471、時計IC2424、7セグメント表示器2440への信号を出力するための出力インタフェース2472が接続されている。
【0138】
時計IC2424が接続されていることで、CPU2410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器2440は、スロットマシン2100の内部に設けられており、たとえば副制御部2400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
【0139】
更に、出力インタフェース2470には、デマルチプレクサ2419が接続されている。デマルチプレクサ2419は、出力インタフェース2470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ2419は、CPU2410から受信したデータに応じて上部ランプ2190、サイドランプ2151,2152、腰部ランプ2155,2156、下部ランプ2157,2158、リールパネルランプ2145、タイトルパネルランプ2146、払出口ストロボ2147、受け皿ランプ2148を制御する。
【0140】
タイトルパネルランプ2146は、タイトルパネル2140を照明するランプである。払出口ストロボ2147は、メダル排出口2165の内側に設置されたストロボタイプのランプである。受け皿ランプ2148は、透光性材料で構成したメダル受け皿2160を受皿取り付け面から照明するランプである。
【0141】
なお、CPU2410は、液晶画面制御部2500への信号送信は、デマルチプレクサ2419を介して実施する。逆に、CPU2410は、入力インタフェース2471を介して液晶画面制御部2500からの信号を受信する。すなわち、CPU2410は、デマルチプレクサ2419と入力インタフェース2471を介して液晶画面制御部2500と双方向通信を行う。この液晶画面制御部2500は、LCD2180への表示制御を行う装置である。
【0142】
〈遊技実行処理〉
次に、上述した主制御部2300および副制御部2400を備えるスロットマシン2100の遊技実行処理を、図18に基づき説明する。
【0143】
先ず、メダル投入口ブロック2133からのメダル投入や3枚メダル投入ボタン2131もしくは1枚メダル投入ボタン2132の操作によるメダルを受け付け、メダルを受け付けた場合には、副制御部2400へメダル投入コマンドを送信するメダル受付処理を行う(ステップS101)。適正にメダルを受け付けた場合にはスタートレバー2135の操作を受け付け可能とし、遊技者がスタートレバー2135を適正に操作することによりスタートレバーセンサ2321からの各検出信号を受けた場合に、その操作が不正操作か否かの判定も併せて行うスタートレバー受付処理を行う(ステップS102)。
【0144】
次いで、上記ステップS102でスタートレバー2135の操作を受け付けて乱数発生器2311から乱数を取得したら、この取得された乱数に基づいて各入賞役の内部抽選をする内部抽選処理を行い(ステップS103)、この抽選結果に応じたリール停止が行えるようにリール停止準備処理を行い(ステップS104)、続いて、このゲームで行う演出を決定する演出抽選処理を行う(ステップS105)。
【0145】
次いで、左リール2110,中リール2111,右リール2112の回転を開始させるリール回転開始処理を行う(ステップS106)。このリール回転処理において、全リール2110〜2112が定速回転となり、停止ボタン2136a〜2136cの受付が可能になると、停止操作許可コマンドを副制御部2400へ送信する。続いて、停止ボタン2136a〜2136cの何れかが操作されて、第1〜第3ストップボタンセンサ2322a〜2322cからの検出信号を受け付ける停止ボタン受付処理を行う(ステップS107)。停止ボタン受付処理においては、操作された停止ボタン2136a〜2136cに対応する停止ボタン受付コマンド(第1〜第3停止コマンド)を副制御部2400へ送信する。
【0146】
そして、上記ステップS108で操作を受け付けた停止ボタンに対応する停止位置情報を示す停止位置情報コマンドを副制御部2400へ送信してリールを停止させるリール停止処理を行い(ステップS108)、全リール2110〜2112に対する停止処理が完了しているか否かを判定し(ステップS109)、未だ回転中のリールが残っていれば、上記ステップS107およびステップS108の処理を行う。
【0147】
上記のようにして、当該遊技における全リール2110〜2112が停止すると、リール表示窓2113上の有効化された入賞ライン2114上に、上記S103において内部当選した入賞役に対応して予め定めた図柄の組み合せが揃って停止しているかを判定し、入賞していると判定した場合は副制御部2400へ入賞判定コマンドを送信する入賞判定処理を行い(ステップS110)、該入賞判定処理で入賞していると判定されていれば入賞役に対応して予め定めた所定数のメダルをメダル払出口165より受皿2160に払い出し、副制御部2400へ払出枚数コマンドを送信するメダル払出処理を行い(ステップS111)、その入賞に応じた表示動作や音声出力による入賞演出を行わせる入賞演出コマンドを副制御部2400へ送信する入賞演出処理を行い(ステップS112)、入賞判定結果に応じて遊技状態コマンドを副制御部2400へ送信する遊技状態更新処理を行う(ステップS113)。
【0148】
上述した一連の処理工程を実行することで、1回の遊技が終了し、以後、同様の手順が繰り返されることとなる。
【0149】
すなわち、上述した遊技実行処理を行う主制御部2300および副制御部2400を備えるスロットマシン2100は、「複数種類の絵柄が施された複数のリール」と、「複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチ」と、「複数のリールそれぞれに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるストップスイッチ」と、「予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段」と、「停止時の複数のリールにより表示された絵柄の組合せが、抽選手段により内部当選した入賞役の絵柄組合せであるか否かにより当該入賞役への入賞を判定する判定手段」と、を備えた遊技台として機能する。
【0150】
〈ストップボタンへの適用例〉
上述したスロットマシン2100には、種々の発光表示部があるので、本発明に係る光屈折部材を備えた照明装置を如何様に適用しても構わない。例えば、図19は、興趣の高い発光態様の第2集光像を生ぜしめ得る照明装置を適用したストップボタンユニット2136の分解斜視図である。
【0151】
ストップボタンユニット2136は、第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cに対応する第1収容部261、第2収容部262、第3収容部263を有する本体カバー260の裏面側に照明基板270を配置し、この照明基板270の前面側に設けた第1ストップボタンセンサ2322aおよび第1照明部271(例えば、前面側に突出するスタンドとその前端に保持されたLEDより構成)が第1収容部261へ後方より臨み、第2ストップボタンセンサ2322bおよび第2照明部272が第2収容部262へ後方より臨み、第3ストップボタンセンサ2322cおよび第3照明部273が第3収容部263へ後方より臨む。
【0152】
第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cは、例えば、第1〜第3収容部261〜263内で前後方向(遊技者が押圧操作する方向)に摺動可能に配置される操作本体部281の前面開口にレンズ部材282を配して透明な押面カバー283で閉止したものである。これら第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cを本体カバー260の第1〜第3収容部261〜263内に各々収容すると、操作本体部281内に設けた照明導入空部281aを経て第1〜第3照明部271〜273がレンズ部材282の後方近傍に位置する状態となり、第1〜第3照明部271〜273が点灯すると、その光はレンズ部材282および透明な押面カバー283を透過する。すなわち、第1〜第3照明部271〜273を点灯制御することで第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cの発光制御を行うことができる。
【0153】
また、第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cの本体カバー260には、後方に延出する検知片281bを設けてあり、第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cが押圧操作されると、各操作本体部281の検知片281bが第1〜第3ストップボタンセンサ2322a〜2322cの検知領域へ達することで、第1〜第3ストップボタンセンサ2322a〜2322cよりボタン操作検出信号が送出されるのである。なお、押圧操作された第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cが通常状態へ自動復帰するように、各操作本体部281は付勢バネ284で前方へ付勢しておく。
【0154】
上記のようなストップボタンユニット2136において、第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cのレンズ部材282として、前述した光屈折部材20〜60等を適用すれば、興趣に富んだ第2集光像を第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cに表示することができる。例えば、遊技進行に際して、リール2110〜2112の停止順が大きく関与する場合に、その停止順をナビゲートするように第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cを点灯・点滅させる制御を行えば、遊技者に対するストップボタン操作の注意喚起に好適な表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】遊技台の第1実施形態であるパチンコ機の正面図である。
【図2】第1実施形態に係るパチンコ機における制御部を示すブロック図である。
【図3】(a)はパチンコ機の主制御部におけるリセット割り込みに関するフローチャートである。(b)はパチンコ機の主制御部におけるタイマ割り込みに関するフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係る照明装置を備えた球抜きレバーの分解斜視図である。
【図5】四角錐形状の屈折素体で構成した第1集光像生成手段による第1集光像生成の原理説明図である。
【図6】第1実施形態に係る光屈折部材の第1原理説明図である。
【図7】第1実施形態に係る光屈折部材の第2原理説明図である。
【図8】第1実施形態に係る光屈折部材における第2集光像の発光態様の変化状態説明図である。
【図9】三角錐形状の屈折素体で構成した第1集光像生成手段による第1集光像生成の原理説明図である。
【図10】第2実施形態に係る光屈折部材の原理説明図である。
【図11】第2実施形態に係る光屈折部材における第2集光像の発光態様の変化状態説明図である。
【図12】第3実施形態に係る光屈折部材の原理説明図である。
【図13】(a1),(a2),(b1),(b2)は屈折素体の他の構造を示す説明図である。(c)は第4実施形態に係る光屈折部材の概略説明図である。(d)は第5実施形態に係る光屈折部材の概略説明図である。
【図14】(a)は特別図柄保留表示装置に用いた照明装置の第2実施形態を示す概略構成図である。(b)は特別図柄保留ランプに用いた照明装置の第3実施形態を示す概略構成図である。
【図15】遊技台の第2実施形態であるスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図16】スロットマシンにおける主制御部の機能ブロック図である。
【図17】スロットマシンにおける副制御部の機能ブロック図である。
【図18】遊技実行処理を示すフローチャートである。
【図19】ストップボタンユニットの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0156】
1000 パチンコ機
1430 球抜きレバー
20 光屈折部材
200 透明シート部材
201 入射側透過基準面
202 出射側透過基準面
21 第1集光像生成手段
211 屈折素体
22 第2集光像生成手段
221 屈折素体
23 発光源
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射面から出射面へ透過する光を屈折させる光屈折部材、この光屈折部材を備える照明装置、この照明装置を備える遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発光源からの光を屈折させて発光態様を多彩に変化させる光屈折部材(いわゆるレンズ部材)が装飾表示に用いられている。このようなレンズ部材を用いた照明装置は、視覚的効果を高めるために、パチンコ機やスロットマシン等の遊技台に用いられている。この種の照明装置における電飾構造として、透明なシート部材(プリズムシート)の片方の面に入射した光を所定の方向に屈折させるためのレンズ部(略三角錐状のプリズムを隙間なく複数配列)が設けて光屈折部材を構成したものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−325738号公報
【0004】
上記特許文献1に記載の電飾構造によれば、単一の光源を光屈折部材に照射すると、六角形を形成するように複数の光源像が観察され、面白みのある発光態様を実現できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の光屈折部材を用いた電飾構造では、一つの光源から複数の光源像が得られるものの、その発光態様は必ずしも多彩であるとは言えず、遊技台の照明装置として用いたときに十分に興趣を高め得る斬新なものではなかった。
【0006】
以上のような問題点に鑑み、本発明は、斬新で多彩な発光態様を実現可能な光屈折部材、この光屈折部材を備える照明装置、この照明装置を備える遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る光屈折部材は、入射面から出射面へ透過する光を屈折させる光屈折部材であって、前記入射面には、入射側透過基準面より突出する多面体形状の屈折素体を整列配置することで、各屈折素体の傾斜屈折面の向きが揃う入射側整列配置ラインを複数形成し、入射光が各屈折素体により屈折されて出射側透過基準面に集まることで複数の高輝度領域を含む第1集光像を生ぜしめる第1集光像生成手段を設け、前記出射面には、出射側透過基準面より突出する多面体形状の屈折素体を整列配置することで、各屈折素体の傾斜屈折面の向きが揃う出射側整列配置ラインを複数形成し、前記第1集光像生成手段により出射側透過基準面に生成された第1集光像の各高輝度領域の光が各屈折素体により屈折されて光屈折部材の出射側に分散形成される複数の第2集光像を生ぜしめる第2集光像生成手段を設け、前記第1集光像生成手段における入射側整列配置ラインに対して、第2集光像生成手段における出射側整列配置ラインの向きを相対的に変化させることにより、第2集光像の生成態様を変化させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1記載の光屈折部材において、前記第1集光像生成手段が備える屈折素体と、前記第2集光像生成手段が備える屈折素体とを同一形状としたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1記載の光屈折部材において、前記第1集光像生成手段が備える屈折素体と、前記第2集光像生成手段が備える屈折素体とを相似形状としたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の光屈折部材において、第1集光像生成手段及び/又は第2集光像生成手段が備える屈折素体は、三角形の傾斜屈折面を有する多角錘形状としたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項4記載の光屈折部材において、前記屈折素体は、底面が二等辺三角形である三角錐形状とし、三角錐の底面における底辺を一直線上に揃えて配置する第1群屈折素体と、該第1群屈折素体とは頂点の向きを180度回転させた第2群屈折素体とを交互に配すると共に、第1群屈折素体の底面における底辺と、第2群素体の底面における底辺とを一致させることで整列配置したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項5記載の光屈折部材において、前記第1集光像生成手段は、底面が正三角形で傾斜屈折面が二等辺三角形である三角錐形状の屈折素体で構成し、第1群屈折素体の各傾斜屈折面と第2群屈折素体の各傾斜屈折面との成す角度を120度とし、前記第2集光像生成手段は、底面が正三角形で傾斜屈折面が二等辺三角形である三角錐形状の屈折素体で構成し、第1群屈折素体の各傾斜屈折面と第2群屈折素体の各傾斜屈折面との成す角度を90度とし、第1集光像生成手段における屈折素体の突出高さと、第2集光像生成手段における屈折素体の突出高さが同一となるように、第1集光像生成手段の屈折素体と第2集光像生成手段の屈折素体の各底面の比率を設定したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の光屈折部材において、入射面または出射面の少なくとも一方を凹面形状としたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、前記請求項1〜請求項7の何れか1項記載の光屈折部材において、入射面または出射面の少なくとも一方を凸面形状としたことを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る照明装置は、前記請求項1〜請求項8の何れか1項記載の光屈折部材を備え、光屈折部材の出射面内に第2集光像を生成し得るように入射面を照明する発光源を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項10に係る遊技台は、前記請求項9に記載の照明装置を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に係る発明は、前記請求項10記載の遊技台であって、所定の入賞口を有する遊技盤を備え、前記所定の入賞口に遊技球が入球することにより、所定の特典を与えることを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に係る発明は、前記請求項11記載の遊技台において、遊技球を抜き取るために遊技者が操作する球抜きレバーを備え、該球抜きレバーに前記照明装置を設けたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項13に係る発明は、前記請求項11〜請求項12の何れか1項記載の遊技台において、始動口に入った遊技球により開始される遊技を保留していることを表示する複数の保留ランプを備え、これら保留ランプの何れかを前記照明装置で構成したことを特徴とする。
【0020】
また、請求項14に係る発明は、前記請求項10記載の遊技台であって、複数種類の絵柄が施された複数のリールと、前記複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチと、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、停止時の前記複数のリールにより表示された絵柄の組合せが、前記抽選手段により内部当選した入賞役の絵柄組合せであるか否かにより当該入賞役への入賞を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、従来にない面白みのある発光態様が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の最良の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
〈パチンコ機の全体構成〉
図1は、本発明の実施形態に係る遊技台としてのパチンコ機1000の外観を示す正面図である。
【0024】
パチンコ機1000の遊技盤1100には、ほぼ円形に配設された外レール1210及び内レール1220によって遊技領域1300が形成され、この遊技領域1300の上方には天ランプ1410が配置されている。また、遊技領域1300の下方には、パチンコ球を溜めておく球皿1420が配置され、球抜きレバー1430を操作することによって球皿1420の球貯留部に貯留された遊技球を抜き出すことができる。更に、球皿1420の側方には、パチンコ球を発射し、飛距離を調整する発射ハンドル1440が配置してある。
【0025】
なお、球皿1420にの球貯留部に遊技球が満杯になって、遊技の続行に支障がある場合には、発射装置を強制的に停止させる等の制御が行われるため、球皿1420の貯留量が或る程度多くなると、遊技者に球抜き操作を促すような警告表示をおこなうことが望ましい。そこで、本実施形態のパチンコ機1000においては、球抜きレバー1430に照明装置(後に詳述)を設けておき、球皿1420の球貯留部の貯留量が危険域に達する前に遊技者への警告報知を効果的に行うものとした。
【0026】
遊技領域1300の略中央には、比較的大型の可変表示装置1500が配設され、この可変表示装置1500の左右には普通図柄始動ゲート1510が配設されている。また、可変表示装置1500の下方には、特別図柄始動口1520、可変入賞口1530、大入賞口1540、アウト口1550が、上下に並んで配設されている。更に、遊技領域1300の右側下方には、特別図柄表示器1560及び特別図柄保留ランプ1570、普通図柄表示器1580及び普通図柄保留ランプ1590、が配設されている。
【0027】
そして、遊技領域1300の適所には、遊技球が衝接することで流下方向に変化を与える遊技球衝接体として風車1310や障害釘1320が適宜配設されている。また、遊技領域1300には、入賞口1330が、適所に配置されている。なお、前記特別図柄表示器1560及び普通図柄表示器1580は、いわゆる7セグメント式表示器やドットマトリクス表示器等によって構成し、数字や記号等を可変表示できるものである。
【0028】
次に、パチンコ遊技の概略を説明する。遊技者が発射した打球は、外レール1210及び内レール1220により形成された発射球通路から球戻り防止部材1230を押し開いて、遊技領域1300へ飛入する。遊技領域1300に飛入した打球は、その発射勢や遊技球衝接体への衝接状態に応じて、遊技領域1300の下方へ流下して行く。
【0029】
そして、遊技球が運良く普通図柄始動ゲート1510を通過し、この球がセンサによって検出されると、普通図柄表示器1580が作動する。この普通図柄表示器1580の可変表示が停止したとき、その停止態様が所定の態様、例えば「7」が停止表示されると、当りとなって、可変入賞口1530が作動し、球が入賞し易い状態に変化する。なお、普通図柄始動ゲート1510の通過は、所定数、例えば4個まで記憶され、普通図柄保留ランプ1590によって表示される。
【0030】
一方、遊技領域1300を流下する打球が、特別図柄始動口1520へ入球し、この球がセンサによって検出されると、特別図柄表示器1560が作動する。なお、特別図柄表示器1560の表示動作は、より演出性の高い表示内容として、可変表示装置1500に表示させる。そして、特別図柄表示器1560の停止表示態様(実質的には、可変表示装置1500における停止表示態様)が所定の態様になると、いわゆる大当りとなって、大入賞口1540が開放され、大入賞口1540へ入球し易い大当たり遊技状態になる。
【0031】
なお、特別図柄始動口1520への入球は、所定数、例えば4個まで記憶され、特別図柄保留ランプ1570によって表示されるが、この特別図柄始動口1520への入球数の保留記憶は、遊技者にとって関心の高い情報であるから、例えは、遊技者の視認性が高い可変表示装置1500の近傍に特別図柄保留表示装置1600を設け、特別図柄始動口1520への入球数の保留記憶を効果的に表示できるようにした。この保留記憶数が上限値(例えば4つ)に達すると、その後に特別図柄始動口1520へ入球しても保留記憶には加算されず、入球に対する賞球が与えられるだけになるので、遊技者の判断により、保留記憶が減数されるまで発射操作を中断するような遊技進行を行い易くなる。
【0032】
〈制御ブロック〉
次に、図2を用いて、パチンコ機1000の制御部の回路構成について説明する。パチンコ機1000の制御部は、遊技の中枢部分を制御する主制御部701と、主制御部701より送信された信号に応じて各種機器を制御する副制御部751と、から構成されている。
【0033】
主制御部701は、CPU713、ROM714、RAM715、I/O716、カウンタタイマ717を備える基本回路712、水晶発振器711、カウンタ回路718、センサ回路719、表示回路721,723,725、ソレノイド回路727、情報出力回路737を備えている。そして、この水晶発振器711及びカウンタ回路718により基本回路712の内部クロックを生成している。
【0034】
副制御部751は、CPU763、ROM764、RAM765、I/O766、カウンタタイマ767を備える基本回路762、水晶発振器761、音源IC770、表示回路772を備えている。
【0035】
前記した遊技盤1100に配置された各種始動口、入賞口、ゲート、可変入賞口、大入賞口等に設けた各種センサ720が、センサ回路719を介して基本回路712に接続されている。例えば、特別図柄始動口1520に遊技球が入賞した場合であれば、特別図柄始動口1520に設けた球検出センサ(各種センサ720の一例)が遊技球の通過を検出し、センサ回路719に信号を出力し、信号を入力したセンサ回路719は基本回路712に信号を出力する。また、特別図柄表示部722は、表示回路721を介して基本回路712に接続され、CPU713により、前記した特別図柄表示器1560が制御される。普通図柄表示部724は、表示回路723を介して基本回路712に接続され、CPU713により、前記した普通図柄表示器1580が制御される。後述する特図関連処理S205で特別図柄表示部722を変動表示すると決定した場合には、後述するポート出力S208で特別図柄表示器1560に出力するべき信号の内容を決定し、基本回路712のCPU713はI/O716及び表示回路721を介して必要な信号を特別図柄表示部722に出力する。
【0036】
特別図柄保留ランプ1570、普通図柄保留ランプ1590や球抜きレバー1430が内蔵する照明装置等の各種状態表示部726は、表示回路725を介して基本回路712に接続され、CPU713により制御される。大入賞口1540や可変入賞口1530に設けた各種ソレノイド728は、ソレノイド回路727を介して基本回路712に接続され、CPU713により制御される。例えば、後述する特図関連処理S205で大入賞口1540を開放する場合には、後述するポート出力S208で大入賞口を開閉駆動するソレノイド728を開放駆動する信号を生成し、基本回路712のCPU713はI/O716及びソレノイド回路727を介して生成した信号をソレノイド728に出力する。
【0037】
LCD769は、副制御部751とは別基板構成で、液晶制御回路768に接続され、この液晶制御回路768は、更に基本回路762に接続されて、CPU763により制御される。なお、このLCD769は、前記した可変表示装置1500が備えるものであり、副制御部751のCPU763からの制御信号に基づいて図柄や演出用キャラクタ等を表示する。
【0038】
スピーカ771は、CPU763の制御下に音源IC770に基づいて効果音を発声する。また、遊技盤1100に設けた天ランプ1410等の各種ランプ773は、表示回路772を介して基本回路762に接続され、CPU763により制御される。
【0039】
パチンコ機1000には、更に、球皿1420から供給される球を遊技領域に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられ、球の発射強度を遊技者に調節させる発射ハンドル1440、及び該発射ハンドル1440からの信号に応じた発射強度で駆動される発射モータ853が、発射制御部851を介して払出制御部801の制御下にある。また、発射制御部851には、球送り装置854が接続され、球皿1420の球を打球発射装置へ1発づつ供給する。
【0040】
また、払出制御部801には、払出装置802、払出センサ803が接続され、主制御部701からの払出個数命令信号により指定された個数の賞球を払出装置802から払い出す。また、過払い出し又は払い出し不足などの異常が発生していないかを確認するために払出センサ803により払い出し数をカウントする。なお、払出制御部801は、発射制御部851に接続され、打球発射装置を停止させる機能を有している。
【0041】
更に、払出制御部801はインターフェース部899を介してパチンコ機1000とは別体のカードユニット998と接続している。カードユニット998からインターフェース部899を介して球貸し指令信号を受信した場合には直ちに、所定数(例えば25球)の貸し球を遊技者に払い出す。
【0042】
主制御部701が備える情報出力回路737は、普通図柄表示部724、特別図柄表示部722に図柄を確定表示するごと、払出センサ803が賞球の通過を確認するごとに、遊技店の管理装置が備える情報入力回路999に出力している。
【0043】
そして、パチンコ機1000には、電源制御部871が設けられ、各制御部や諸装置に電源を供給すると共に、電源電圧の低下や電断が発生した場合に、始動記憶や賞球数等の遊技情報をバックアップするために、主制御部701のRAM715及び払出制御部のRAMに主電源がオフの場合に電源を供給するバックアップ電源を備えている。
【0044】
〈遊技制御処理〉
次に、図3によって、主制御部701による遊技制御処理の概要を説明する。図3(a)は、リセット割り込みに関するフローチャートであり、図3(b)は、タイマ割り込みに関するフローチャートである。
【0045】
先ず、図3(a)において、パチンコ機1000に最初に電源を投入すると、ステップ101(以下、S101と略記する。)で、各ポートの初期化やメモリーのチェック等の初期設定を実行する。また、この初期設定における判定結果に基づく条件分岐により、以降の各処理へすすむ。
【0046】
S102において、電源断から正常に復帰した場合には、S103で、電源が遮断される前の状態に復帰させる。
【0047】
S104では、前述の初期化処理S101中に電源制御部871に設けたRAMクリアボタンが操作されていることを検出した場合、又は、電源が遮断される前のRAMに復帰させることが不可能と判断された場合に、RAMを強制的にクリアして、前回のデータを全て消去する。S105では、主制御部701に供給される電源の電圧が特定の値未満にまで低下した場合に、電源監視手段から電源異常信号が発生していないかを検出している。電源異常信号を検知した場合には、電断処理、例えばポートの初期化等を実行する。S106では、ソフト乱数を更新し、これらの処理をループする。
【0048】
ソフト乱数には、普通図柄の当り又は外れを決定する乱数カウンタの初期値を決定する、いわゆる初期値乱数のカウンタが含まれる。その他、特別図柄表示装置722において演出表示する時間を決定する乱数の初期値乱数のカウンタ、特別図柄を大当りとして停止表示する場合に、停止表示させる図柄の種類を決定するための特図乱数用の乱数カウンタ等が含まれる。
【0049】
RAMエラーであるS107においては、適正な遊技進行を期せないので、パチンコ機1000は非稼働状態のままとなる。
【0050】
次に、図3(b)におけるタイマ割り込み処理について簡単に説明する。このタイマ割り込み処理は、パチンコ機1000における遊技の基本的制御を示すものである。
【0051】
先ず、S201では、レジスタ退避処理として、レジスタの内容をRAMに退避させる。
【0052】
S202では、入力ポート取得処理として、各入力ポートデータを取得する。例えば、普通図柄始動ゲート1510や特別図柄始動口1520等に設けたセンサの検出状態を取得するのである。
【0053】
S203では、ソフト乱数更新処理を実行する。このソフト乱数更新は、前記したように、乱数の初期値、乱数のカウンタの更新に加え、普通図柄の当り又は外れを決定する乱数のカウンタ、特別図柄表示装置722の演出表示する時間を決定する乱数のカウンタ、特別図柄を大当りとして停止表示する場合に、停止表示させる図柄の種類を決定するための特図乱数カウンタを更新するものである。また、所定の乱数カウンタが初期値に達した場合には、その所定の乱数カウンタの値を、対応する初期値乱数カウンタの値に置き換えるものである。
【0054】
S204では、入賞検出処理を実行して、始動口(特別図柄始動口1520)や入賞口(入賞口1330、可変入賞口1530、大入賞口1540)に入賞があるか否かを監視する。そして、入賞口に入賞があった場合には、賞球数をカウントアップする。具体的には、入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞口に対して予め定められた賞球数をRAM715に設けた賞球数カウンタに加算する。また、特別図柄始動口1520に入賞があり、保留数が4未満の場合には、カウンタ回路718をラッチして、このカウンタ回路718からの出力値を特図大当乱数値として取得し、前述のソフト乱数更新S203で更新された乱数カウンタに含まれる特図乱数カウンタ、特図演出タイマ乱数カウンタから、特図乱数値、特図演出乱数値を取得し、保留する。更に、普通図柄始動ゲート1510を球が通過し、保留数が4未満の場合には、前述のソフト乱数更新S203で更新された乱数カウンタに含まれる普図当乱数カウンタから、普図当乱数値を取得し、保留する。
【0055】
S205では、特図関連処理を実行する。この特図関連処理では、特別図柄表示部722に図柄を停止表示してから所定の停止表示時間および所定の抽選間隔時間を経過しており、また大当り中ではなく、かつ前述の入賞検出S204で特図に関する乱数を保留した場合に、その保留している乱数を用いて特別図柄関連の処理を行なう。まず特図大当乱数値が所定の大当り判定値と一致するか否かを判定し、一致する場合には大当りフラグを立てる。すなわちRAM715の大当り判定結果記憶領域に、大当りとなることを示す情報を記憶する。一致しない場合には、大当り判定結果記憶領域に、ハズレとなることを示す情報を記憶する。もし大当りフラグを立てた場合には、特図乱数値が特定の値である場合には、特別図柄表示部722を停止表示させ、大当り動作を開始・終了した後で、特別図柄表示部722が再度大当りしやすい確率変動状態にすることを示す情報をRAM715に記憶する。これを確変フラグを立てると呼ぶこととする。また特定の値で無い場合には、確率変動状態にしないことを示す情報をRAM715に記憶する。大当りフラグが立っているか否か、確変フラグが立っているか否か、および特図演出乱数値の値に基づいて特別図柄表示部722の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間を決定し、RAM715に記憶する。これを変動時間と呼ぶこととする。また、特図関連処理は、保留数等の更新作業を行う。
【0056】
S206では、普図関連処理を実行する。この普図関連処理では、普通図柄表示部724に図柄を停止表示してから所定の停止表示時間および所定の抽選間隔時間を経過しており、また当り中ではなく、かつ前述の入賞検出S204で普図に関する乱数を保留した場合に、その保留している乱数を用いて普通図柄関連の処理を行なう。まず普図当乱数値が所定の当り判定値と一致するか否かを判定し、一致する場合には当りフラグを立てる。すなわちRAM715の当り判定結果記憶領域に、当りとなることを示す情報を記憶する。一致しない場合には、当り判定結果記憶領域に、ハズレとなることを示す情報を記憶する。また、普図関連処理は、保留数等の更新作業を行う。
【0057】
S207では、制御コマンド送信処理を実行する。制御コマンドは、払出コマンド及び演出コマンドを示す。払出コマンドについては、前述のS204の処理で賞球数がカウントアップされていれば、すなわちRAM715に設けた賞球数カウンタがゼロでなければ、その賞球数カウンタの値を払出コマンドに含めて、払出制御部801に送信する。その払出コマンドを受信した払出制御部801は、そのコマンドに含まれる賞球数分払出されるように払出装置802を駆動制御する。演出コマンドは、前述の変動時間などを含むコマンド、変動停止コマンド、副制御部751に送信する。具体的には、主制御部701は大当りフラグ、確変フラグ、および変動時間の値を含む信号を副制御部751に出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することでLCD769に図柄の変動表示を開始する。また、後述するタイマ更新S209で変動時間を経過したことを示す情報をRAM715に書き込んだ次の割り込み処理における、当該制御コマンド送信処理S207では、変動停止の処理を開始する。すなわち副制御部751に変動を停止させることを指令する情報を含んだ信号を出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することでLCD769に特別図柄が停止したことを演出する画像の表示を開始する。また、後述するタイマ更新S209で大当りを開始するタイミングに設定された次の割り込み処理における、当該制御コマンド送信処理S207では、大当り処理を開始する。すなわち副制御部751に大当りを開始することを示す情報を出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することでLCD769に大当り開始を演出する画像の表示を開始する。
【0058】
S208では、ポート出力処理を実行する。このポート出力処理では、各種表示器(例えば、特別図柄表示部724や普通図柄表示部724など)の表示制御信号、大入賞口1540の扉や可変入賞口1530の羽根を開閉駆動するソレノイド728を開駆動または閉駆動するための信号を出力するとともに、遊技店の管理装置が備える情報入力回路999に外部信号の出力制御をする。
【0059】
S209では、タイマ更新処理を実行する、このタイマ更新処理では、前述の特図関連処理S205で決定した変動時間の経過を監視し、経過すると所定の停止表示時間の経過の監視を行う。この所定の停止表示時間が経過すると、大当たりフラグが立っている場合には、大当たり動作の各時間(例えば、大当たり開始前インターバル、大入賞口開放時間、大入賞口閉鎖時間、大当たり終了インターバル)の経過の監視を行う。また大当たりフラグが立っていない場合には所定の抽選間隔時間の監視を行い、所定の抽選間隔時間が経過すると次の特別図柄変動開始可能な状態とする。普通図柄表示部、可変入賞口に関しても同様の処理を行なう。
【0060】
S210では、レジスタ復帰処理を実行する。即ち、前記したS201のレジスタ退避処理で退避させたデータをレジスタに再度書き込む。
【0061】
〈照明装置の第1実施形態〉
次に、パチンコ機1000の球抜きレバー1430に設けた照明装置の第1実施形態につき、図4に基づいて説明する。
【0062】
球抜きレバー1430は、任意形状のベース部材1431の裏面側にLED基板1432を配置し、該LED基板1430の前面側に設けた第1LED1431a,第2LED1432b,第3LED1432cが、ベース部材1431に開設した第1LED導入孔1431a,第2LED導入孔1431b,第3LED導入孔1431cを介して前面側に臨み、これら第1〜第3LED1432a〜1432cの前面側に光屈折部材20を配置する。これにより、光屈折部材20の入射面である後面から入射した第1〜第3LED1432a〜1432cの光が適宜に屈折しつつ透過し、光屈折部材20の出射面である前面から照射される照明装置を構成する。
【0063】
上記光屈折部材20は、任意形状の透明シート部材200の後面である入射面201側には第1集光像生成手段21(後に詳述)を設け、前面である出射面202側には第2集光像生成手段22(後に詳述)を設けたもので、第1〜第3LED1432a〜41432cによる照射光源からは想像し難い複雑で多彩な発光態様を前面側から観ることができる。すなわち、点光源と看做し得る第1〜第3LED432a〜432cを発光源として用いても、光屈折部材20の前面側からは、複雑で興趣に富んだ発光態様が見えるので、比較的廉価な構成で装飾性の高い照明効果を発揮できる。
【0064】
なお、ベース部材1431の前面側には、クリア樹脂等で形成した前面カバー部材1433を設けると共に、ベース部材1431の裏面側には、LED基板1432を覆う裏面カバー部材1434を設けることで、球抜きレバー1430は、照明装置の機能を内包したユニット構造としたが、この構造に限定されるものではなく、例えば、別体として構成された照明装置を球抜きレバーの所要部位に組み付ける構造としても良い。
【0065】
〈光屈折部材の第1実施形態〉
次に、図5〜図8に基づいて、第1実施形態に係る光屈折部材20の具体的構成と、その原理について説明する。
【0066】
図5は、本実施形態に係る光屈折部材20の原理を説明するために、透明シート部材200′の入射面には第1集光像生成手段21を設け、出射面202′は凹凸のない平坦面とした光屈折部材20′を示したものである。図5(a)は、入射側透過基準面201′(例えば、出射面202′と略平行な仮想平面)より突出する正四角錐形状の屈折素体211を縦横へマトリックス状に整列配置した第1集光像生成手段21を有する透明シート部材200′の裏面(入射面)を示し、その略中央が円状の照明領域である。図5(b)は、透明シート部材200′の上面(若しくは底面)を示し、入射面に比較的近接させた位置に発光源23を配置する。図5(c)は、平坦な出射面202′である透明シート部材200′の前面を示し、複数の高輝度領域を含む第1集光像212が現れる。
【0067】
第1集光像生成手段21の屈折素体211は、入射側透過基準面201′と面一な底面が正四角形で、その4辺に連なる4つの傾斜屈折面A,B,C,Dを備えるもので、例えば、相対向する傾斜屈折面Aおよび傾斜屈折面Cが揃う第1整列配置ラインと、相対向する傾斜屈折面Bおよび傾斜屈折面Dが揃う第2整列ラインとが生じ、発光源23から照射された光は、第1整列配置ラインである上下方向と、第2整列ラインである左右方向へ屈折され易く、上下左右の4点において入射光が集光した高輝度領域が生ずることにより、図5(c)に示したような略十字形状の第1集光像212が生ずるのである。なお、発光源23から入射面までの距離、あるいは屈折素体211の突出量や傾斜屈折面の傾斜角度等を変えることにより、整列配置ライン方向において高輝度領域が生ずる位置をある程度制御可能である。
【0068】
第1集光像生成手段21を構成する屈折素体211は、指で触ったときに凹凸が感じられないぐらい配置間隔が短い微小形状であり、透明シート部材200′と一体成型したり、透明シート部材200′の入射面を加工処理することで形成するものとし、第1集光像生成手段21から透明シート部材200′への光透過に際して、媒質相違に基づく屈折率の不均一な領域が生じないものとした。なお、屈折素体211の大きさは特に制限はなく、発光源23による照度・照明領域の大きさ、透明シート部材200′の素材に固有の屈折率等の諸条件に応じて、出射面202′の範囲内に第1集光像212が現れるようにすれば良い。
【0069】
次いで、図6に示すのは、透明シート部材200の入射面に第1集光像生成手段21(図5にて説明した第1集光像生成手段21と同じ屈折素体211を入射側透過基準面201に隙間無く整列配置した構造)を設け、出射面に第2集光像生成手段22を設けた光屈折部材20を示したものである。図6(a)は、入射側透過基準面201より突出する正四角錐形状の屈折素体211を縦横へマトリックス状に整列配置した第1集光像生成手段21を有する透明シート部材200の裏面を示し、その略中央が円状の照明領域である。図6(b)は、透明シート部材200の上面(若しくは底面)を示し、入射面に比較的近接させた位置に発光源23を配置する。図6(c)は、出射側透過基準面202より突出する正四角錐形状の屈折素体221を縦横へマトリックス状に整列配置した第2集光像生成手段22を有する透明シート部材200の前面を示し、第1集光像生成手段21により出射側透過基準面201に生成された第1集光像の各高輝度領域(上下左右の4点)に対応する位置から各々第2集光像222が現れる。
【0070】
第2集光像生成手段22の屈折素体221は、出射側透過基準面201と面一な底面が正四角形で、その4辺に連なる4つの傾斜屈折面A,B,C,Dを備えるもので、例えば、相対向する傾斜屈折面Aおよび傾斜屈折面Cが揃う第1整列配置ラインと、相対向する傾斜屈折面Bおよび傾斜屈折面Dが揃う第2整列ラインとが生じ、第1集光像212における上下左右4箇所の各高輝度領域の光は、第2集光像生成手段22を透過する際に、第1整列配置ラインである上下方向と、第2整列ラインである左右方向へ屈折され易く、上下左右の4点において入射光が集光した高輝度領域が上下左右4箇所に生ずることにより、図6(c)に示したような略十字形状の第2集光像222が上下左右4箇所に生ずるのである。
【0071】
なお、第1集光像生成手段21の屈折素体211と第2集光像生成手段22の屈折素体221とを同一形状とすれば、概ね第1集光像212に近似した形状の第2集光像222を生成することができるが、第1集光像生成手段21の屈折素体211と第2集光像生成手段22の屈折素体221を相似形状のまま拡大あるいは縮小したり、屈折素体221の突出量や傾斜屈折面の傾斜角度を変えたりすることで、第2集光像222の発光形態(高輝度領域の大きさや離隔距離など)を多様に変化させることができる。
【0072】
上述した第1集光像生成手段21と同様に、この第2集光像生成手段22を構成する屈折素体221も、指で触ったときに凹凸が感じられないぐらい配置間隔が短い微小形状であり、透明シート部材200と一体成型したり、透明シート部材200の出射面を加工処理することで形成するものとし、透明シート部材200から第2集光像生成手段22への光透過に際して、媒質相違に基づく屈折率の不均一な領域が生じないものとした。無論、この屈折素体221の大きさも特に制限はなく、第1集光像212における高輝度領域の位置・照度、透明シート部材200の素材に固有の屈折率等の諸条件に応じて、複数の第2集光像222が現れるようにすれば良い。
【0073】
また、本実施形態の光屈折部材20における第1,第2集光像生成手段21,22は、屈折素体211,221を隙間無く整列配置するものとしたので、入射側透過基準面201および出射側透過基準面202は表面に現れないが、例えば、屈折素体211,221を若干離隔させつつ整列配置した場合には、各屈折素体211,221の離隔部分に入射側透過基準面201,出射側透過基準面202が現れることとなる。
【0074】
次いで、図7に示すのは、透明シート部材200の入射面に第1集光像生成手段21(図5および図6にて説明した第1集光像生成手段21と同じ屈折素体211を出射側透過基準面201に隙間無く整列配置した構造)を設け、出射面に第2集光像生成手段22′を設けた光屈折部材20を示したものである。図7(a)は、入射側透過基準面201より突出する正四角錐形状の屈折素体211を縦横へマトリックス状に整列配置した第1集光像生成手段21を有する透明シート部材200の裏面(入射面)を示し、その略中央が円状の照明領域である。図7(b)は、透明シート部材200の上面(若しくは底面)を示し、入射面に比較的近接させた位置に発光源23を配置する。図7(c)は、出射側透過基準面202より突出する正四角錐形状の屈折素体221を斜め方向(第1集光像生成手段21における屈折素体211の配列方向と45度の角度を成す方向)へ整列配置した第2集光像生成手段22′を有する透明シート部材200の前面を示し、第1集光像生成手段21により出射側透過基準面202に生成された第1集光像の各高輝度領域(上下左右の4点)に対応する位置から各々第2集光像222′が現れる。
【0075】
第2集光像生成手段22′の屈折素体221は、出射側透過基準面202と面一な底面が正四角形で、その4辺に連なる4つの傾斜屈折面A,B,C,Dを備えるもので、例えば、相対向する傾斜屈折面Aおよび傾斜屈折面Cが揃う第1整列配置ラインと、相対向する傾斜屈折面Bおよび傾斜屈折面Dが揃う第2整列ラインとが生じ、第1集光像212における上下左右4箇所の各高輝度領域の光は、第2集光像生成手段22を透過する際に、第1整列配置ラインである斜め方向(図7においては、右上がり又は左下がりの傾斜方向)と、第2整列ラインである斜め方向(図7においては、左上がり又は右下がりの傾斜方向)へ屈折され易く、右上・右下・左上・左下の4点において入射光が集光した高輝度領域が上下左右4箇所に生ずることにより、図7(c)に示したような略X字形状の第2集光像222′が上下左右4箇所に生ずるのである。
【0076】
この第2集光像の生成態様変化を具体的に説明すると、図8(a)に示すように、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1が第1集光像生成手段21の第1整列配置ライン(例えば、鉛直方向)と一致し、第2集光像生成手段22の第2整列配置ラインL2が第1集光像生成手段21の第2整列配置ライン(例えば、水平方向)と一致していれば、第1集光像の高輝度領域に対応する4点から鉛直方向と水平方向に各々2点の高輝度領域が生ずる第2集光像222aが各々現れ、図8(b)に示すように、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1および第2整列配置ラインL2を第1集光像生成手段21の第1整列配置ラインおよび第2整列配置ラインから時計回りに角度α1(例えば、22.5度)回転させると、図8(a)の第2集光像222aと相似形のまま時計回りに角度α1だけ傾斜した第2集光像222bが現れ、図8(c)に示すように、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1および第2整列配置ラインL2を第1集光像生成手段21の第1整列配置ラインおよび第2整列配置ラインから時計回りに角度α2(例えば、45度)回転させると、図8(a)の第2集光像222aと相似形のまま時計回りに角度α2だけ傾斜した第2集光像222cが現れ、図8(d)に示すように、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1および第2整列配置ラインL2を第1集光像生成手段21の第1整列配置ラインおよび第2整列配置ラインから時計回りに角度α3(例えば、67.5度)回転させると、図8(a)の第2集光像222aと相似形のまま時計回りに角度α3だけ傾斜した第2集光像222dが現れる。更に、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1および第2整列配置ラインL2を第1集光像生成手段21の第1整列配置ラインおよび第2整列配置ラインから時計回り又は反時計回りに90度回転させると、第2集光像生成手段22の第1整列配置ラインL1が第1集光像生成手段21の第2整列配置ライン(例えば、水平方向)と一致し、第2集光像生成手段22の第2整列配置ラインL2が第1集光像生成手段21の第1整列配置ライン(例えば、鉛直方向)と一致するので、図8(a)の第2集光像222aとほぼ同一形状の第2集光像が現れる。
【0077】
すなわち、第1集光像生成手段21における入射側整列配置ラインに対して、第2集光像生成手段22における出射側整列配置ラインの向きを相対的に変化させることにより、第2集光像の生成態様を変化させることができるのである。このように、本実施形態に係る光屈折部材20においては、第1集光像生成手段21の屈折素体211と第2集光像生成手段22の屈折素体221を同一形状として用いても、その整列配置ラインの向きを相対的に変化させるだけで、従来にない面白みのある発光態様が実現できる。加えて、第1集光像生成手段21の屈折素体211と第2集光像生成手段22の屈折素体221の形状を異ならしめることで、発光態様のバリエーションを多彩にすることができる。
【0078】
〈光屈折部材の第2実施形態〉
次に、図9〜図11に基づいて、第2実施形態に係る光屈折部材30の具体的構成と、その原理について説明する。
【0079】
図9は、本実施形態に係る光屈折部材30の原理を説明するために、透明シート部材300′の入射面に第1集光像生成手段31を設け、出射面302′は凹凸のない平坦面とした光屈折部材30′を示したものである。図9(a)は、入射側透過基準面301′より突出する三角錐形状の屈折素体310を整列配置した第1集光像生成手段31を有する透明シート部材300′の裏面(入射面)を示し、その略中央が円状の照明領域である。図9(b)は、透明シート部材300′の上面(若しくは底面)を示し、入射面に比較的近接させた位置に発光源33を配置する。図9(c)は、平坦な出射面302′である透明シート部材300′の前面を示し、複数の高輝度領域を含む第1集光像313が現れる。
【0080】
第1集光像生成手段31の屈折素体310は、入射側透過基準面301′と面一な底面が二等辺三角形(一対の斜辺長と底辺長とが同じになる正三角形を含む)である3辺に連なる3つの傾斜屈折面を備えるものである。なお、屈折素体310は、整列配置される向きに応じて第1群屈折素体311と第2群屈折素体312と呼び分けるものとする。例えば、第1群屈折素体311は、底面形状である二等辺三角形の底辺に連なる傾斜屈折面Aが下方になり、斜辺に連なる傾斜屈折面B,Cが交わる頂点が上方になるもので、第2群屈折素体312は、底面形状である二等辺三角形の底辺に連なる傾斜屈折面aが上方になり、斜辺に連なる傾斜屈折面b,cが交わる頂点が下方になるものである。そして、第1群素体311と第2群屈折素体312とを横方向へ交互に配すると共に、第1群屈折素体311の底面における底辺(傾斜屈折面Aが立ち上がる辺)と第2群素体312の底面における底辺(傾斜屈折面aが立ち上がる辺)とを一致させるように縦方向に配置することで、屈折素体310の整列配置を実現した。
【0081】
この配列構造によれば、相対向する第1群屈折素体311の傾斜屈折面Aと第2群屈折素体312の傾斜屈折面aが揃う第1整列配置ラインL1と、相対向する第1群屈折素体311の傾斜屈折面Bと第2群屈折素体312の傾斜屈折面bが揃う第2整列配置ラインL2と、相対向する第1群屈折素体311の傾斜屈折面Cと第2群屈折素体312の傾斜屈折面cが揃う第3整列配置ラインL3とが生ずる。なお、正四面体形状(底面及び3つの傾斜屈折面が全て正三角形)とした屈折素体310においては、第1整列配置ラインL1と第2整列配置ラインL2は時計回りに60度の角度を成し、第1整列配置ラインL1と第3整列配置ラインL2は時計回りに120度の角度を成すので、第1〜第3整列配置ラインL1〜L3は60度毎に等間隔で現れることとなる。
【0082】
斯く構成した光屈折部材30′の入射面に対して、発光源33から照射された光は、第1〜第3整列配置ラインL1〜L3方向へ選択的に屈折され易く、正六角形状の6点において入射光が集光した高輝度領域が生ずることにより、図9(c)に示したようなアスタリスク形状の第1集光像313が出射面302′に生ずるのである。なお、発光源33から入射面までの距離、あるいは屈折素体310の突出量や傾斜屈折面の傾斜角度等を変えることにより、整列配置ライン方向において高輝度領域が生ずる位置をある程度制御可能である。
【0083】
次いで、図10に示すのは、透明シート部材300の入射面に第1集光像生成手段31(図9にて説明した第1集光像生成手段31と同じ屈折素体310を入射側透過基準面301に隙間無く整列配置した構造の整列配置構造)を設け、出射面に第2集光像生成手段32を設けた光屈折部材30を示したものである。図10(a)は、入射側透過基準面301より突出する正四面体形状の屈折素体310(第1群屈折素体311および第2群屈折素体312よりなる)を整列配置した第1集光像生成手段31を有する透明シート部材300の裏面を示し、その略中央が円状の照明領域である。図10(b)は、透明シート部材300の上面(若しくは底面)を示し、入射面に比較的近接させた位置に発光源33を配置する。図10(c)は、出射側透過基準面302より突出する三角錐形状の屈折素体320(第1群屈折素体321および第2群屈折素体322よりなる)を整列配置した第2集光像生成手段32を有する透明シート部材300の前面を示し、第1集光像生成手段31により出射側透過基準面302に生成された第1集光像の各高輝度領域(六角形状の6点)に対応する位置から第2集光像生成手段32を経て各々第2集光像323が現れる。
【0084】
第2集光像生成手段32の屈折素体320は、出射側透過基準面302と面一な底面が二等辺三角形(一対の斜辺長と底辺長とが同じになる正三角形を含む)である3辺に連なる3つの傾斜屈折面を備えるもので、整列配置される向きに応じて第1群屈折素体321と第2群屈折素体322と呼び分けるものとする。例えば、第1群屈折素体321は、底面形状である二等辺三角形の底辺に連なる傾斜屈折面Aが下方になり、斜辺に連なる傾斜屈折面B,Cが交わる頂点が上方になるもので、第2群屈折素体322は、底面形状である二等辺三角形の底辺に連なる傾斜屈折面aが上方になり、斜辺に連なる傾斜屈折面b,cが交わる頂点が下方になるものである。そして、第1群素体321と第2群屈折素体322とを横方向へ交互に配すると共に、第1群屈折素体321の底面における底辺(傾斜屈折面Aが立ち上がる辺)と第2群素体312の底面における底辺(傾斜屈折面aが立ち上がる辺)とを一致させるように縦方向に配置することで、屈折素体310と同様な屈折素体320の整列配置を実現した。
【0085】
この配列構造によれば、相対向する第1群屈折素体321の傾斜屈折面Aと第2群屈折素体322の傾斜屈折面aが揃う第1整列配置ラインL1と、相対向する第1群屈折素体321の傾斜屈折面Bと第2群屈折素体322の傾斜屈折面bが揃う第2整列配置ラインL2と、相対向する第1群屈折素体321の傾斜屈折面Cと第2群屈折素体322の傾斜屈折面cが揃う第3整列配置ラインL3とが生ずる。なお、正四面体形状とした屈折素体320においては、第1整列配置ラインL1と第2整列配置ラインL2は時計回りに60度の角度を成し、第1整列配置ラインL1と第3整列配置ラインL2は時計回りに120度の角度を成すので、第1〜第3整列配置ラインL1〜L3は60度毎に等間隔で現れることとなる。
【0086】
斯く構成した光屈折部材30の入射面に対して発光源33から光を照射し、出射側透過基準面302に生成された第1集光像313における6点の高輝度領域の光は、第2集光像生成手段32を透過する際に、第1〜第3整列配置ラインL1〜L3方向へ選択的に屈折され易く、正六角形状の6点において入射光が集光した高輝度領域が生ずることにより、図10(c)に示したようなアスタリスク形状の第2集光像323が正六角形状の6点に各々生ずるのである。
【0087】
なお、第1集光像生成手段31の屈折素体310と第2集光像生成手段32の屈折素体320とを同一形状とすれば、概ね第1集光像313に近似した形状の第2集光像323を生成することができるが、第1集光像生成手段31の屈折素体310と第2集光像生成手段32の屈折素体320を相似形状のまま拡大あるいは縮小したり、屈折素体320の突出量や傾斜屈折面の傾斜角度を変えたりすることで、第2集光像323の発光形態(高輝度領域の大きさや離隔距離など)を多様に変化させることができる。
【0088】
本実施形態の光屈折部材30における第2集光像の生成態様変化を具体的に説明すると、図11(a)に示すように、第2集光像生成手段32の第1整列配置ラインL1が第1集光像生成手段31の第1整列配置ライン(例えば、鉛直方向)と一致し、第2集光像生成手段32の第2整列配置ラインL2が第1集光像生成手段31の第2整列配置ライン(例えば、右回り60度傾斜方向)と一致し、第2集光像生成手段32の第3整列配置ラインL3が第1集光像生成手段31の第3整列配置ライン(例えば、右回り120度傾斜方向)と一致していれば、第1集光像の高輝度領域に対応する6点から鉛直方向と右回り60度傾斜方向と右回り120度傾斜方向に各々2点の高輝度領域が生ずる第2集光像323aが各々現れ、図11(b)に示すように、第2集光像生成手段32の第1〜第3整列配置ラインL1〜L3を第1集光像生成手段31の第1〜第3整列配置ラインから時計回りに角度α1(例えば、20度)回転させると、図11(a)の第2集光像323aと相似形のまま時計回りに角度α1だけ傾斜した第2集光像323bが現れ、図11(c)に示すように、第2集光像生成手段32の第1〜第3整列配置ラインL1〜L3を第1集光像生成手段31の第1〜第3整列配置ラインから各々時計回りに角度α2(例えば、40度)回転させると、図11(a)の第2集光像323aと相似形のまま時計回りに角度α2だけ傾斜した第2集光像323cが現れる。更に、第2集光像生成手段32の第1〜第3整列配置ラインL1〜L3を第1集光像生成手段31の第1〜第3整列配置ラインから時計回り又は反時計回りに60度もしくは120度回転させると、第2集光像生成手段32の第1整列配置ラインL1が第1集光像生成手段31の第2整列配置ラインもしくは第3整列ラインと一致し、第2集光像生成手段32の第2整列配置ラインL2が第1集光像生成手段31の第3整列配置ラインもしくは第1整列配置ラインと一致し、第2集光像生成手段32の第3整列配置ラインL3が第1集光像生成手段31の第1整列配置ラインもしくは第2整列配置ラインと一致するので、図11(a)の第2集光像323aとほぼ同一形状の第2集光像が現れる。
【0089】
すなわち、本実施形態に係る光屈折部材30においても、第1集光像生成手段31における入射側整列配置ラインに対して、第2集光像生成手段32における出射側整列配置ラインの向きを相対的に変化させることにより、第2集光像の生成態様を変化させることができるのである。このように、本実施形態に係る光屈折部材30においては、第1集光像生成手段31の屈折素体311と第2集光像生成手段32の屈折素体321を同一形状として用いても、その整列配置ラインの向きを相対的に変化させるだけで、従来にない面白みのある発光態様が実現できる。加えて、第1集光像生成手段31の屈折素体311と第2集光像生成手段32の屈折素体321の形状を異ならしめることで、発光態様のバリエーションを多彩にすることができる。
【0090】
〈光屈折部材の第3実施形態〉
また、第1集光像生成手段の屈折素体と第2集光像生成手段の屈折素体は正四面体形状に限定されるものではなく、例えば、底面が正三角形で3つの傾斜屈折面が二等辺三角形である屈折素体を整列配置した場合でも、第1〜第3整列配置ラインL1〜L3を等間隔で生ぜしめることができる。また、屈折素体の底面形状も正三角形や二等辺三角形に限定されるものではなく、底面が直角三角形の三角錐でも、底面が不等辺三角形の三角錐でも、傾斜屈折面の向きが揃う整列配置ラインを生ぜしめることができれば、整列配置ラインの方向によって第2集光像の発光態様変化を制御することができるし、予測も付かない形態の第2集光像を得ることもできる。これに加えて、第1集光像生成手段の屈折素体と第2集光像生成手段の屈折素体の大きさを変えたり、第1集光像生成手段と第2集光像生成手段とで両屈折素体の傾斜屈折面の傾斜角度を変えたり、第1集光像生成手段と第2集光像生成手段とで整列配置ラインの相対的な向きを変えたりしても、第2集光像の形態を一層多彩に変化させることができる。
【0091】
例えば、図12に示す第3実施形態に係る光屈折部材40は、透明シート部材400の入射面(図12(c)を参照)に第1集光像生成手段41(第2実施形態に係る光屈折部材30の第1集光像生成手段31と同様に、略三角錐形状の第1群屈折素体411および第2群屈折素体412からなる屈折素体410を入射側透過基準面401に隙間無く整列配置した構造)を設け、出射面(図12(a)を参照)に第2集光像生成手段42(第1集光像生成手段41と同様に、略三角錐形状の第1群屈折素体421および第2群屈折素体422からなる屈折素体420を出射側透過基準面402に隙間無く整列配置した構造)を設けたものである。
【0092】
ここで、第1集光像生成手段41の屈折素体410は、三角錐の底面である正三角形の各辺(傾斜屈折面A,a,B,b,C,cが立ち上がる辺)の長さがX1であり、第2集光像生成手段42の屈折素体420は、三角錐の底面である正三角形の各辺(傾斜屈折面A,a,B,b,C,cが立ち上がる辺)の長さがX2でであり、屈折素体410における底面の辺長X1は屈折素体420における底面の辺長X2よりも大(X1>X2)となるようにした。すなわち、入射面に設けた第1集光像生成手段41を構成する屈折素体410は、出射面に設けた第2集光像生成手段42を構成する屈折素体420よりも大きいので、単位面積当たりの屈折素体410の配列数は屈折素体420の配列数よりも少なくなる。
【0093】
なお、第1集光像生成手段41の屈折素体410における傾斜屈折面A,a,B,b,C,cは全て同一形状の二等辺三角形とすることで、第1〜第3整列配置ラインが等間隔で現れるものとし、同じく、第2集光像生成手段42の屈折素体420における傾斜屈折面A,a,B,b,C,cも全て同一形状の二等辺三角形(一対の斜辺長と底辺長とが同じになる正三角形を含む)とすることで、第1〜第3整列配置ラインが等間隔で現れるものとする。但し、第1集光像生成手段41の屈折素体410と第2集光像生成手段42の屈折素体420は相似形状とせず、第1集光像生成手段41の屈折素体410における突出高さH1と第2集光像生成手段42の屈折素体420における突出高さH2を同一とし(H1=H2)、屈折素体420に比べて屈折素体410がやや扁平になる形状とした。
【0094】
具体的には、第1集光像生成手段41における屈折素体410の底面である正三角形と、第2集光像生成手段42における屈折素体の底面である正三角形との比率を適宜に設定することで、第1集光像生成手段41の屈折素体410における突出高さがH1のときに、第1集光像生成手段41の屈折素体410における傾斜屈折面Aと傾斜屈折面aの成す角度αa、傾斜屈折面Bと傾斜屈折面bの成す角度αbおよび傾斜屈折面Cと傾斜屈折面cの成す角度αcが各々120度となり、第2集光像生成手段42の屈折素体420における突出高さがH2のときに、第2集光像生成手段42の屈折素体420における傾斜屈折面Aと傾斜屈折面aの成す角度αa、傾斜屈折面Bと傾斜屈折面bの成す角度αbおよび傾斜屈折面Cと傾斜屈折面cの成す角度αcが各々90度となるようにした。
【0095】
また、第1集光像生成手段41と第2集光像生成手段42は、共に第1〜第3整列配置ラインが等間隔に現れるものであるが、第1集光像生成手段41における第1群屈折素体411および第2群屈折素体412の整列方向と、第2集光像生成手段42における第1群屈折素体421および第2群屈折素体422の整列方向を異ならしめ、第1集光像において高輝度領域が生ずる方向と第2集光像において高輝度領域が生ずる方向が異なるようにした。図12に示す屈折部材40においては、第2集光像生成手段42における整列配置ラインに対して、第1集光像生成手段41における整列配置ラインを時計方向へ45度傾けるような配置とした。斯く構成した光屈折部材40の入射面から発光源43の光を照射すると、図12(a)に示すように、出射面側には左右非対称で複雑な発光形態の第2集光像423が現れる。
【0096】
このように、第1集光像生成手段および第2集光像生成手段の屈折素体の傾斜屈折面の形状や傾斜角、配列される向き等を様々に変化させることで、多様に形態変化させた第2集光像を得ることができる。例えば、図13(a1),(a2)に示すように、第1実施形態の光屈折部材20における四角錐形状の屈折素体211(もしくは屈折素体221)の突出端部を切り欠いて入射側透過基準面もしくは出射側透過基準面と略々平行な頂部平面を形成した屈折素体211′(もしくは屈折素体221′)を用いれば、傾斜屈折面により屈折されずに頂部平面から透過する光も生ずるので、第1集光像もしくは第2集光像の形態変化を一層多様にすることができる。同様に、図13(b1),(b2)に示すように、第2実施形態の光屈折部材30における三角錐形状の屈折素体310(もしくは屈折素体320)の突出端部を切り欠いて入射側透過基準面もしくは出射側透過基準面と略々平行な頂部平面を形成した屈折素体310′(もしくは屈折素体320′)を用いても良い。
【0097】
更に、上述した各実施形態の光屈折部材では、平坦な入射側透過基準面および出射側透過基準面が平行な透明シート部材を用いるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図13(c)に示す光屈折部材50は、凹レンズ部材500の曲面状に窪む入射側透過基準凹面501に屈折素体を整列配置した第1集光像生成手段510を設けた入射凹面と、凹レンズ部材500の曲面状に窪む出射側透過基準凹面502に屈折素体を整列配置した第2集光像生成手段520を設けた出射凹面を有するもので、図13(d)に示す光屈折部材60は、凸レンズ部材600の曲面状に膨出する入射側透過基準凸面601に屈折素体を整列配置した第1集光像生成手段610を設けた入射凸面と、凸レンズ部材600の曲面状に膨出する出射側透過基準凸面602に屈折素体を整列配置した第2集光像生成手段620を設けた出射凸面を有するものである。このように、入射面や出射面を曲面状とすれば、第1集光像および第2集光像の発光態様を一層多様なものにできる。なお、入射面または出射面を平坦面とし、他方の面を凹面または凸面として光屈折部材を構成しても構わないし、入射面と出射面を凹面と凸面の組み合わせとした光屈折部材を構成しても構わない。
【0098】
〈照明装置の他の実施形態〉
上述したように、様々に発光態様を変化させることができる光屈折部材を用いれば、その発光態様によって、遊技者の注意を喚起することができる。例えば、図14(a)に示す特別図柄保留表示装置1600(可変表示装置1500の近傍に設けた保留記憶表示手段)においては、記憶数1〜3を表示するための第1〜第3表示部1601〜1603には発光面がほぼ均一に照明される一般的な発光表示を行い、記憶数4を示す第4表示部1604に対してのみ、前述した光屈折部材20〜60を用いた照明装置(光屈折部材20〜60後方の適切な位置から適切な照明が可能な発光源を備える装置)を適用し、特別始動口1520への入球数の保留記憶が上限値(記憶数4)に達したことを効果的に報知するのである。また、図14(b)に示す特別図柄保留ランプ1570(特別図柄表示器1560の近傍に設けた保留記憶表示手段)においては、記憶数1〜3を表示するための第1〜第3表示部1571〜1573にはランプやLEDによる発光表示を行い、記憶数4を示す第4表示部1574に対してのみ、前述した光屈折部材20〜60を用いた照明装置(光屈折部材20〜60後方の適切な位置から適切な照明が可能な発光源を備える装置)を適用し、特別始動口1520への入球数の保留記憶が上限値(記憶数4)に達したことを効果的に報知するのである。
【0099】
〈遊技台の第2実施形態〉
上述したいくつかの実施形態に係る光屈折部材を備える照明装置は、パチンコ機1000に限らず、他の遊技台に適用することで、様々な状態を遊技者へ効果的に報知することが可能である。以下、遊技台の第2実施形態として、本発明に係る照明装置を備えるスロットマシン2100について説明する。
【0100】
〈全体の構成〉
図15は、スロットマシン2100の外観を示す斜視図である。図1に示すように、スロットマシン2100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等の文字や記号:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール2110、中リール2111、右リール2112)収納され、本体2101bの内部で回転できるように構成されている。
【0101】
前面扉2101aには、リール表示窓2113が設けられており、リール2110〜2112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓2113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール2110〜2112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール2110〜2112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓2113に表示されることになる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。また、各リール2110〜2112の裏側には、リール表示窓2113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。
【0102】
入賞ライン表示ランプ2120は、遊技毎に有効となる入賞ライン2114を示すランプである。有効となる入賞ライン2114は、スロットマシン2100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図15に示すように5本の入賞ライン2114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン2114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
【0103】
スタートランプ2121は、リール2110〜2112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ2122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン2114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
【0104】
告知ランプ2123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ2124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
【0105】
メダル投入枚数表示ランプ2125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
【0106】
払出枚数表示器2126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器2128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ2129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
【0107】
メダル投入ボタン2131、2132は、貯留されたメダルをスロットマシン2100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、3枚メダル投入ボタン2131(最大枚数のメダルを投入できる、いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン2132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン2100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン2131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器2128に表示される。
【0108】
メダル投入口ブロック2133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ2133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー2135は、遊技の開始操作として、リール2110〜2112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
【0109】
停止ボタンユニット2136には、3つの停止ボタン(左停止ボタン2136a,中停止ボタン2136b,右停止ボタン2136c)が設けられている。各停止ボタンは、押下することによって対応するリール2110〜2112を停止させるボタン型のスイッチである。具体的には、左停止ボタン2136aを操作することによって左リール2110が、中停止ボタン2136bを操作することによって中リール2111が、右停止ボタン2136cを操作することによって右リール2112がそれぞれ停止する。
【0110】
各停止ボタンの内部にはランプが設けられており(後に詳述)、スタートレバー2135が操作された後、リール2110〜2112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各停止ボタンのランプは各停止ボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
【0111】
精算ボタン2138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン2138は、遊技者がメダル投入口ブロック2133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切り換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン2138が押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン2138が押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
【0112】
キー孔2139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン2100の前面扉2101aを開けることができる。メダル払出口2165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿2160に溜まるようになっている。
【0113】
上部ランプ2190、サイドランプ2151,2152、中央ランプ2153,2154、腰部ランプ2155,2156、下部ランプ2157,2158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル2140を照明する。また、受皿2160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿2160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット2170が設けられている。
【0114】
また、スロットマシンの上部(リール表示窓2113の上方)中央部には、遊技に関する各種の情報(ゲームを盛り上げるためキャラクタ等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など)を表示することができるLCD2180が設けられており、このLCD2180を用いて、各種スイッチ類(例えば、3枚メダル投入ボタン2131や1枚メダル投入ボタン2132,スタートレバー2135,停止ボタン2136a〜2136c,精算ボタン2138等)に生じた動作不良に関する情報も報知する。
【0115】
〈制御ブロック〉
次に、スロットマシン2100における制御手段として機能する各制御部を詳細に説明する。図16は主制御部2300の詳細を示すもので、図17は副制御部2400の詳細を示すものである。
【0116】
〈主制御部の構成〉
まず、図16を用いて、スロットマシン2100の主制御部2300について説明する。主制御部2300は、主制御部2300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU2310や、CPU2310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
【0117】
クロック補正回路2314は、水晶発振器2311から発振されたクロックを分周してCPU2310に供給する回路である。例えば、水晶発振器2311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU2310は、クロック回路2314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0118】
また、CPU2310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路2315がバスを介して接続されている。CPU2310は、電源が投入されると、データバスを介してROM2312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路2315に送信する。
【0119】
タイマ回路2315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU2310に送信する。CPU2310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU2310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路2315の分周値を1/256、ROM2312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
【0120】
また、CPU2310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM2312や、一時的なデータを保存するためのRAM2313が接続されている。これらのROM2312やRAM2313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部2400においても同様である。
【0121】
また、CPU2310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース2360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース2360を介して、メダル受付センサ2320、スタートレバーセンサ2321、ストップボタンセンサ2322(例えば、第1ストップボタンセンサ2322a,第2ストップボタンセンサ2322b,第3ストップボタンセンサ2322cにより構成)、MAXベットボタンセンサ2323、ONEベットボタンセンサ2324、精算ボタンセンサ2325、リセットスイッチ2326、メダル払出センサ2327の状態を検出し、各センサを監視している。
【0122】
メダル受付センサ2320は、メダル投入ブロック2133のメダル投入口に連なるメダル通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ2321は、遊技者によるスタートレバー2135の操作を検出する。ストップボタンセンサ2322は、各々のストップボタン2136a〜2136cに設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0123】
MAXベットボタンセンサ2323はMAXベットボタン2131が操作されたことを検出し、ONEベットボタンセンサ2324はONEベットボタン2132が操作されたことを検出し、夫々の検出出力は、RAM2313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入した枚数の特定に供される。たとえば、CPU2310は、ONEベットボタン2132に対応するONEベットボタンセンサ2324がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、MAXベットボタン2131に対応するMAXベットボタンセンサ2323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、MAXベットボタン2131が押された際に、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
【0124】
精算ボタンセンサ2325は、精算ボタン2138が操作されたことを検出し、これを受けたCPU2310は、ホッパモータを駆動させてメダル払出装置(ホッパ)から貯留メダルを払い出す。リセットスイッチ2326は、エラー等の復旧後に操作されると、RAM2313の特定エリアをクリアして通常稼働状態に復帰させるものである。メダル払出センサ2327は、メダル払出装置によって払い出されたメダルを検出し、適正数の払出制御を行うためのものである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0125】
CPU2310には、さらに、入力インタフェース2361、出力インタフェース2370,3271がアドレスデコード回路2350を介してアドレスバスに接続されている。CPU2310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
【0126】
入力インタフェース2361には、インデックスセンサ2328が接続されている。インデックスセンサ2328は、具体的には、各リール2110〜2112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ2328を通過するたびにHレベルになる。CPU2310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0127】
出力インタフェース2370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部2330と、メダル払出装置(バケットにたまっているメダルをメダル払出口2165から払い出すための装置。図示せず。)のホッパモータを駆動するためのホッパモータ駆動部2331と、遊技ランプ2340(具体的には、入賞ライン表示ランプ2120、演出用ランプ2129等)と、払出枚数表示器2126と、遊技回数表示器2127と、貯留枚数表示器2128が接続されている。
【0128】
また、CPU2310には、乱数発生回路2317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路2317は、水晶発振器2311及び水晶発振器2316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU2310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。なお、乱数発生回路2317は、例えば2つの乱数カウンタ(水晶発振器2311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタ、および水晶発振器2316のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタ)を備える。
【0129】
また、CPU2310のデータバスには、副制御部2400にコマンドを送信するための出力インタフェース2371が接続されている。
【0130】
〈副制御部の構成〉
次に、図17を用いて、スロットマシン2100の副制御部2400について説明する。副制御部2400は、主制御部2300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部2400の全体を制御する演算処理装置であるCPU2410や、CPU2410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
【0131】
クロック補正回路2414は、水晶発振器2411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU2410に供給する回路である。
【0132】
また、CPU2410にはタイマ回路2415がバスを介して接続されている。CPU2410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM2412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路2415に送信する。タイマ回路2415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU2410に送信する。CPU2410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0133】
また、CPU2410には、副制御部2400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM2412や、データ等を一時的に保存するためのRAM2413が各バスを介して接続されている。
【0134】
また、CPU2410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース2460が接続されており、入出力インタフェース2460には、各リール2110〜2112の絵柄を背面より照明するためのバックライト2420、RAM2413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ2421等が接続されている。
【0135】
CPU2410には、データバスを介して主制御部2300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース2461が接続されており、入力インタフェース2461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
【0136】
また、CPU2410のデータバスとアドレスバスには、音源IC2480が接続されている。音源IC2480は、CPU2410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC2480には、音声データが記憶されたROM2481が接続されており、音源IC2480は、ROM2481から取得した音声データをアンプ2482で増幅させてスピーカ2483から出力する。
【0137】
CPU2410には、主制御部2300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路2450が接続されており、アドレスデコード回路2450には、各種演出用のランプへ信号を出力するための出力インタフェース2470、主制御部2300からのコマンドを受信するための入力インタフェース2461、液晶画面制御部2500からの信号を入力するための入力インタフェース2471、時計IC2424、7セグメント表示器2440への信号を出力するための出力インタフェース2472が接続されている。
【0138】
時計IC2424が接続されていることで、CPU2410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器2440は、スロットマシン2100の内部に設けられており、たとえば副制御部2400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
【0139】
更に、出力インタフェース2470には、デマルチプレクサ2419が接続されている。デマルチプレクサ2419は、出力インタフェース2470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ2419は、CPU2410から受信したデータに応じて上部ランプ2190、サイドランプ2151,2152、腰部ランプ2155,2156、下部ランプ2157,2158、リールパネルランプ2145、タイトルパネルランプ2146、払出口ストロボ2147、受け皿ランプ2148を制御する。
【0140】
タイトルパネルランプ2146は、タイトルパネル2140を照明するランプである。払出口ストロボ2147は、メダル排出口2165の内側に設置されたストロボタイプのランプである。受け皿ランプ2148は、透光性材料で構成したメダル受け皿2160を受皿取り付け面から照明するランプである。
【0141】
なお、CPU2410は、液晶画面制御部2500への信号送信は、デマルチプレクサ2419を介して実施する。逆に、CPU2410は、入力インタフェース2471を介して液晶画面制御部2500からの信号を受信する。すなわち、CPU2410は、デマルチプレクサ2419と入力インタフェース2471を介して液晶画面制御部2500と双方向通信を行う。この液晶画面制御部2500は、LCD2180への表示制御を行う装置である。
【0142】
〈遊技実行処理〉
次に、上述した主制御部2300および副制御部2400を備えるスロットマシン2100の遊技実行処理を、図18に基づき説明する。
【0143】
先ず、メダル投入口ブロック2133からのメダル投入や3枚メダル投入ボタン2131もしくは1枚メダル投入ボタン2132の操作によるメダルを受け付け、メダルを受け付けた場合には、副制御部2400へメダル投入コマンドを送信するメダル受付処理を行う(ステップS101)。適正にメダルを受け付けた場合にはスタートレバー2135の操作を受け付け可能とし、遊技者がスタートレバー2135を適正に操作することによりスタートレバーセンサ2321からの各検出信号を受けた場合に、その操作が不正操作か否かの判定も併せて行うスタートレバー受付処理を行う(ステップS102)。
【0144】
次いで、上記ステップS102でスタートレバー2135の操作を受け付けて乱数発生器2311から乱数を取得したら、この取得された乱数に基づいて各入賞役の内部抽選をする内部抽選処理を行い(ステップS103)、この抽選結果に応じたリール停止が行えるようにリール停止準備処理を行い(ステップS104)、続いて、このゲームで行う演出を決定する演出抽選処理を行う(ステップS105)。
【0145】
次いで、左リール2110,中リール2111,右リール2112の回転を開始させるリール回転開始処理を行う(ステップS106)。このリール回転処理において、全リール2110〜2112が定速回転となり、停止ボタン2136a〜2136cの受付が可能になると、停止操作許可コマンドを副制御部2400へ送信する。続いて、停止ボタン2136a〜2136cの何れかが操作されて、第1〜第3ストップボタンセンサ2322a〜2322cからの検出信号を受け付ける停止ボタン受付処理を行う(ステップS107)。停止ボタン受付処理においては、操作された停止ボタン2136a〜2136cに対応する停止ボタン受付コマンド(第1〜第3停止コマンド)を副制御部2400へ送信する。
【0146】
そして、上記ステップS108で操作を受け付けた停止ボタンに対応する停止位置情報を示す停止位置情報コマンドを副制御部2400へ送信してリールを停止させるリール停止処理を行い(ステップS108)、全リール2110〜2112に対する停止処理が完了しているか否かを判定し(ステップS109)、未だ回転中のリールが残っていれば、上記ステップS107およびステップS108の処理を行う。
【0147】
上記のようにして、当該遊技における全リール2110〜2112が停止すると、リール表示窓2113上の有効化された入賞ライン2114上に、上記S103において内部当選した入賞役に対応して予め定めた図柄の組み合せが揃って停止しているかを判定し、入賞していると判定した場合は副制御部2400へ入賞判定コマンドを送信する入賞判定処理を行い(ステップS110)、該入賞判定処理で入賞していると判定されていれば入賞役に対応して予め定めた所定数のメダルをメダル払出口165より受皿2160に払い出し、副制御部2400へ払出枚数コマンドを送信するメダル払出処理を行い(ステップS111)、その入賞に応じた表示動作や音声出力による入賞演出を行わせる入賞演出コマンドを副制御部2400へ送信する入賞演出処理を行い(ステップS112)、入賞判定結果に応じて遊技状態コマンドを副制御部2400へ送信する遊技状態更新処理を行う(ステップS113)。
【0148】
上述した一連の処理工程を実行することで、1回の遊技が終了し、以後、同様の手順が繰り返されることとなる。
【0149】
すなわち、上述した遊技実行処理を行う主制御部2300および副制御部2400を備えるスロットマシン2100は、「複数種類の絵柄が施された複数のリール」と、「複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチ」と、「複数のリールそれぞれに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるストップスイッチ」と、「予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段」と、「停止時の複数のリールにより表示された絵柄の組合せが、抽選手段により内部当選した入賞役の絵柄組合せであるか否かにより当該入賞役への入賞を判定する判定手段」と、を備えた遊技台として機能する。
【0150】
〈ストップボタンへの適用例〉
上述したスロットマシン2100には、種々の発光表示部があるので、本発明に係る光屈折部材を備えた照明装置を如何様に適用しても構わない。例えば、図19は、興趣の高い発光態様の第2集光像を生ぜしめ得る照明装置を適用したストップボタンユニット2136の分解斜視図である。
【0151】
ストップボタンユニット2136は、第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cに対応する第1収容部261、第2収容部262、第3収容部263を有する本体カバー260の裏面側に照明基板270を配置し、この照明基板270の前面側に設けた第1ストップボタンセンサ2322aおよび第1照明部271(例えば、前面側に突出するスタンドとその前端に保持されたLEDより構成)が第1収容部261へ後方より臨み、第2ストップボタンセンサ2322bおよび第2照明部272が第2収容部262へ後方より臨み、第3ストップボタンセンサ2322cおよび第3照明部273が第3収容部263へ後方より臨む。
【0152】
第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cは、例えば、第1〜第3収容部261〜263内で前後方向(遊技者が押圧操作する方向)に摺動可能に配置される操作本体部281の前面開口にレンズ部材282を配して透明な押面カバー283で閉止したものである。これら第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cを本体カバー260の第1〜第3収容部261〜263内に各々収容すると、操作本体部281内に設けた照明導入空部281aを経て第1〜第3照明部271〜273がレンズ部材282の後方近傍に位置する状態となり、第1〜第3照明部271〜273が点灯すると、その光はレンズ部材282および透明な押面カバー283を透過する。すなわち、第1〜第3照明部271〜273を点灯制御することで第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cの発光制御を行うことができる。
【0153】
また、第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cの本体カバー260には、後方に延出する検知片281bを設けてあり、第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cが押圧操作されると、各操作本体部281の検知片281bが第1〜第3ストップボタンセンサ2322a〜2322cの検知領域へ達することで、第1〜第3ストップボタンセンサ2322a〜2322cよりボタン操作検出信号が送出されるのである。なお、押圧操作された第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cが通常状態へ自動復帰するように、各操作本体部281は付勢バネ284で前方へ付勢しておく。
【0154】
上記のようなストップボタンユニット2136において、第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cのレンズ部材282として、前述した光屈折部材20〜60等を適用すれば、興趣に富んだ第2集光像を第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cに表示することができる。例えば、遊技進行に際して、リール2110〜2112の停止順が大きく関与する場合に、その停止順をナビゲートするように第1〜第3ストップボタン2136a〜2136cを点灯・点滅させる制御を行えば、遊技者に対するストップボタン操作の注意喚起に好適な表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】遊技台の第1実施形態であるパチンコ機の正面図である。
【図2】第1実施形態に係るパチンコ機における制御部を示すブロック図である。
【図3】(a)はパチンコ機の主制御部におけるリセット割り込みに関するフローチャートである。(b)はパチンコ機の主制御部におけるタイマ割り込みに関するフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係る照明装置を備えた球抜きレバーの分解斜視図である。
【図5】四角錐形状の屈折素体で構成した第1集光像生成手段による第1集光像生成の原理説明図である。
【図6】第1実施形態に係る光屈折部材の第1原理説明図である。
【図7】第1実施形態に係る光屈折部材の第2原理説明図である。
【図8】第1実施形態に係る光屈折部材における第2集光像の発光態様の変化状態説明図である。
【図9】三角錐形状の屈折素体で構成した第1集光像生成手段による第1集光像生成の原理説明図である。
【図10】第2実施形態に係る光屈折部材の原理説明図である。
【図11】第2実施形態に係る光屈折部材における第2集光像の発光態様の変化状態説明図である。
【図12】第3実施形態に係る光屈折部材の原理説明図である。
【図13】(a1),(a2),(b1),(b2)は屈折素体の他の構造を示す説明図である。(c)は第4実施形態に係る光屈折部材の概略説明図である。(d)は第5実施形態に係る光屈折部材の概略説明図である。
【図14】(a)は特別図柄保留表示装置に用いた照明装置の第2実施形態を示す概略構成図である。(b)は特別図柄保留ランプに用いた照明装置の第3実施形態を示す概略構成図である。
【図15】遊技台の第2実施形態であるスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図16】スロットマシンにおける主制御部の機能ブロック図である。
【図17】スロットマシンにおける副制御部の機能ブロック図である。
【図18】遊技実行処理を示すフローチャートである。
【図19】ストップボタンユニットの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0156】
1000 パチンコ機
1430 球抜きレバー
20 光屈折部材
200 透明シート部材
201 入射側透過基準面
202 出射側透過基準面
21 第1集光像生成手段
211 屈折素体
22 第2集光像生成手段
221 屈折素体
23 発光源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射面から出射面へ透過する光を屈折させる光屈折部材であって、
前記入射面には、入射側透過基準面より突出する多面体形状の屈折素体を整列配置することで、各屈折素体の傾斜屈折面の向きが揃う入射側整列配置ラインを複数形成し、入射光が各屈折素体により屈折されて出射側透過基準面に集まることで複数の高輝度領域を含む第1集光像を生ぜしめる第1集光像生成手段を設け、
前記出射面には、出射側透過基準面より突出する多面体形状の屈折素体を整列配置することで、各屈折素体の傾斜屈折面の向きが揃う出射側整列配置ラインを複数形成し、前記第1集光像生成手段により出射側透過基準面に生成された第1集光像の各高輝度領域の光が各屈折素体により屈折されて光屈折部材の出射側に分散形成される複数の第2集光像を生ぜしめる第2集光像生成手段を設け、
前記第1集光像生成手段における入射側整列配置ラインに対して、第2集光像生成手段における出射側整列配置ラインの向きを相対的に変化させることにより、第2集光像の生成態様を変化させるようにしたことを特徴とする光屈折部材。
【請求項2】
請求項1記載の光屈折部材において、
前記第1集光像生成手段が備える屈折素体と、前記第2集光像生成手段が備える屈折素体とを同一形状としたことを特徴とする光屈折部材。
【請求項3】
請求項1記載の光屈折部材において、
前記第1集光像生成手段が備える屈折素体と、前記第2集光像生成手段が備える屈折素体とを相似形状としたことを特徴とする屈折部材。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項記載の光屈折部材において、
第1集光像生成手段及び/又は第2集光像生成手段が備える屈折素体は、三角形の傾斜屈折面を有する多角錘形状としたことを特徴とする光屈折部材。
【請求項5】
請求項4記載の光屈折部材において、
前記屈折素体は、底面が二等辺三角形である三角錐形状とし、三角錐の底面における底辺を一直線上に揃えて配置する第1群屈折素体と、該第1群屈折素体とは頂点の向きを180度回転させた第2群屈折素体とを交互に配すると共に、第1群屈折素体の底面における底辺と、第2群素体の底面における底辺とを一致させることで整列配置したことを特徴とする光屈折部材。
【請求項6】
請求項5記載の光屈折部材において、
前記第1集光像生成手段は、底面が正三角形で傾斜屈折面が二等辺三角形である三角錐形状の屈折素体で構成し、第1群屈折素体の各傾斜屈折面と第2群屈折素体の各傾斜屈折面との成す角度を120度とし、
前記第2集光像生成手段は、底面が正三角形で傾斜屈折面が二等辺三角形である三角錐形状の屈折素体で構成し、第1群屈折素体の各傾斜屈折面と第2群屈折素体の各傾斜屈折面との成す角度を90度とし、
第1集光像生成手段における屈折素体の突出高さと、第2集光像生成手段における屈折素体の突出高さが同一となるように、第1集光像生成手段の屈折素体と第2集光像生成手段の屈折素体の各底面の比率を設定したことを特徴とする光屈折部材。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項記載の光屈折部材において、
入射面または出射面の少なくとも一方を凹面形状としたことを特徴とする光屈折部材。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか1項記載の光屈折部材において、
入射面または出射面の少なくとも一方を凸面形状としたことを特徴とする光屈折部材。
【請求項9】
請求項1〜請求項8の何れか1項記載の光屈折部材を備え、
光屈折部材の出射面内に第2集光像を生成し得るように入射面を照明する発光源を設けたことを特徴とする照明装置。
【請求項10】
請求項9に記載の照明装置を備えることを特徴とする遊技台。
【請求項11】
請求項10記載の遊技台であって、
所定の入賞口を有する遊技盤を備え、前記所定の入賞口に遊技球が入球することにより、所定の特典を与えることを特徴とする遊技台。
【請求項12】
請求項11記載の遊技台において、
遊技球を抜き取るために遊技者が操作する球抜きレバーを備え、該球抜きレバーに前記照明装置を設けたことを特徴とする遊技台。
【請求項13】
請求項11〜請求項12の何れか1項記載の遊技台において、
始動口に入った遊技球により開始される遊技を保留していることを表示する複数の保留ランプを備え、これら保留ランプの何れかを前記照明装置で構成したことを特徴とする遊技台。
【請求項14】
請求項10記載の遊技台であって、
複数種類の絵柄が施された複数のリールと、
前記複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチと、
前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、
予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、
停止時の前記複数のリールにより表示された絵柄の組合せが、前記抽選手段により内部当選した入賞役の絵柄組合せであるか否かにより当該入賞役への入賞を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする遊技台。
【請求項1】
入射面から出射面へ透過する光を屈折させる光屈折部材であって、
前記入射面には、入射側透過基準面より突出する多面体形状の屈折素体を整列配置することで、各屈折素体の傾斜屈折面の向きが揃う入射側整列配置ラインを複数形成し、入射光が各屈折素体により屈折されて出射側透過基準面に集まることで複数の高輝度領域を含む第1集光像を生ぜしめる第1集光像生成手段を設け、
前記出射面には、出射側透過基準面より突出する多面体形状の屈折素体を整列配置することで、各屈折素体の傾斜屈折面の向きが揃う出射側整列配置ラインを複数形成し、前記第1集光像生成手段により出射側透過基準面に生成された第1集光像の各高輝度領域の光が各屈折素体により屈折されて光屈折部材の出射側に分散形成される複数の第2集光像を生ぜしめる第2集光像生成手段を設け、
前記第1集光像生成手段における入射側整列配置ラインに対して、第2集光像生成手段における出射側整列配置ラインの向きを相対的に変化させることにより、第2集光像の生成態様を変化させるようにしたことを特徴とする光屈折部材。
【請求項2】
請求項1記載の光屈折部材において、
前記第1集光像生成手段が備える屈折素体と、前記第2集光像生成手段が備える屈折素体とを同一形状としたことを特徴とする光屈折部材。
【請求項3】
請求項1記載の光屈折部材において、
前記第1集光像生成手段が備える屈折素体と、前記第2集光像生成手段が備える屈折素体とを相似形状としたことを特徴とする屈折部材。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項記載の光屈折部材において、
第1集光像生成手段及び/又は第2集光像生成手段が備える屈折素体は、三角形の傾斜屈折面を有する多角錘形状としたことを特徴とする光屈折部材。
【請求項5】
請求項4記載の光屈折部材において、
前記屈折素体は、底面が二等辺三角形である三角錐形状とし、三角錐の底面における底辺を一直線上に揃えて配置する第1群屈折素体と、該第1群屈折素体とは頂点の向きを180度回転させた第2群屈折素体とを交互に配すると共に、第1群屈折素体の底面における底辺と、第2群素体の底面における底辺とを一致させることで整列配置したことを特徴とする光屈折部材。
【請求項6】
請求項5記載の光屈折部材において、
前記第1集光像生成手段は、底面が正三角形で傾斜屈折面が二等辺三角形である三角錐形状の屈折素体で構成し、第1群屈折素体の各傾斜屈折面と第2群屈折素体の各傾斜屈折面との成す角度を120度とし、
前記第2集光像生成手段は、底面が正三角形で傾斜屈折面が二等辺三角形である三角錐形状の屈折素体で構成し、第1群屈折素体の各傾斜屈折面と第2群屈折素体の各傾斜屈折面との成す角度を90度とし、
第1集光像生成手段における屈折素体の突出高さと、第2集光像生成手段における屈折素体の突出高さが同一となるように、第1集光像生成手段の屈折素体と第2集光像生成手段の屈折素体の各底面の比率を設定したことを特徴とする光屈折部材。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項記載の光屈折部材において、
入射面または出射面の少なくとも一方を凹面形状としたことを特徴とする光屈折部材。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか1項記載の光屈折部材において、
入射面または出射面の少なくとも一方を凸面形状としたことを特徴とする光屈折部材。
【請求項9】
請求項1〜請求項8の何れか1項記載の光屈折部材を備え、
光屈折部材の出射面内に第2集光像を生成し得るように入射面を照明する発光源を設けたことを特徴とする照明装置。
【請求項10】
請求項9に記載の照明装置を備えることを特徴とする遊技台。
【請求項11】
請求項10記載の遊技台であって、
所定の入賞口を有する遊技盤を備え、前記所定の入賞口に遊技球が入球することにより、所定の特典を与えることを特徴とする遊技台。
【請求項12】
請求項11記載の遊技台において、
遊技球を抜き取るために遊技者が操作する球抜きレバーを備え、該球抜きレバーに前記照明装置を設けたことを特徴とする遊技台。
【請求項13】
請求項11〜請求項12の何れか1項記載の遊技台において、
始動口に入った遊技球により開始される遊技を保留していることを表示する複数の保留ランプを備え、これら保留ランプの何れかを前記照明装置で構成したことを特徴とする遊技台。
【請求項14】
請求項10記載の遊技台であって、
複数種類の絵柄が施された複数のリールと、
前記複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチと、
前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、
予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、
停止時の前記複数のリールにより表示された絵柄の組合せが、前記抽選手段により内部当選した入賞役の絵柄組合せであるか否かにより当該入賞役への入賞を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする遊技台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−164756(P2008−164756A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351890(P2006−351890)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
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