説明

光源制御回路、画像形成装置及び光源制御回路の制御方法

【課題】種類の異なる光源に対応可能な光書き込み制御装置において、回路設計を効率化して製造コストを抑えること。
【解決手段】画素データを主走査ライン毎に出力する画素データ出力部と、静電潜像の主走査ラインと感光体との傾き及び静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれを補正して画素データを出力する補正制御部213及び補正用ラインメモリ212と、静電潜像中に所定のパターンが形成されるような画素データを出力するパターン生成部214と、LEDA284を発光させるLEDA点灯制御部215と、LD光源装置281を発光させるLD点灯制御部216と、接続された光源に応じて、上記各部の画素データの伝送経路を切り換えるセレクタ217a〜217dを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源制御回路、画像形成装置及び光源制御回路の制御方法に関し、特に、異なる種類の光源に対応可能な光書き込み制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
【0003】
このような画像処理装置のうち、電子化された書類の出力に用いられる画像形成装置においては、電子写真方式の画像形成装置が広く用いられている。電子写真方式の画像形成装置においては、感光体を露光することにより静電潜像を形成し、トナー等の顕色剤を用いてその静電潜像を現像してトナー画像を形成し、そのトナー画像を用紙に転写することによって紙出力を行う。
【0004】
電子写真方式の画像形成装置において、感光体を露光する光書き込み装置は、LD(Laser Diode:レーザーダイオード)光源を用いる場合と、LED(Light Emitting Diode)光源を用いる場合とがある。LD光源の場合、感光体を露光するビームを照射する光源及び照射されたビームを偏向して感光体上の主走査方向全体を走査するためのポリゴンミラー等の偏向器を含む。他方、LED光源の場合、感光体の主走査方向全体に亘ってLED光源のチップが配列されたLEDヘッドを含む。
【0005】
ここで、LD光源の場合、ポリゴンミラーによって感光体上を走査されたビームの軌跡が感光体の主走査方向とずれている場合に、形成される画像の傾きを補正する傾き補正処理が必要となる。他方、LED光源の場合、LEDヘッドの感光体に対する傾きを補正する傾き補正処理と、LEDヘッドに組み付けられるLEDチップの組み付け誤差(以降、うねりとする)を補正するうねり補正処理とが必要となる(例えば、特許文献1、2参照)。
【0006】
一般的に、上述した傾き補正処理は、主走査方向が複数のブロックに分割されており、ラインメモリに格納された画素を読み出して光源装置に入力する際に、画素を読み出すラインメモリをブロック毎に副走査方向にシフトすることによって傾きを補正する。他方、LED光源を用いる場合のうねり補正は、上述したLEDチップに応じて主走査方向が複数のブロックに分割されており、ラインメモリに格納された画素を読み出して光源装置に入力する際に、LEDチップの組み付け誤差に応じて設定された補正値に従い、画素を読み出すラインメモリをブロック毎に副走査方向にシフトすることによってうねりを補正する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光書き込み装置において画像形成出力するべき画像の情報に基づいて光源を制御する光書き込み制御装置の回路設計には大きなコストが必要である。LD光源の光書き込み装置と、LED光源の光書き込み装置とでは、制御対象の光源装置が異なるため、原則としては夫々別々に光書き込み制御装置を設計する必要があるが、上述したように光書き込み制御装置の回路設計には大きなコストが必要であるため、LD光源及びLED光源の両方に対応した光書き込み制御装置が望まれる。
【0008】
ここで、LD光源の場合、上記傾き補正処理における画素の副走査方向のシフト量は1ライン毎である。他方、LED光源の場合、ビームを主走査方向に走査する必要がないため、副走査方向の発行周波数、即ち副走査方向の解像度を上げることが容易であり、上記傾き補正処理及び上記うねり補正処理における画素の副走査方向のシフト量は1/2画素、1/4画素等、1画素以下にすることができる。
【0009】
これに対して、光書き込み装置には、色調補正用のMUSICパターンや、プロセスコントロール用のプロコンパターン及び偽造防止用の偽造防止パターン等、様々なパターンを生成するパターン生成部が含まれていることがある。上述したような、傾き補正処理またはうねり補正処理を、パターン生成の後に実行する場合、LD光源のように画像を1ライン分シフトすると、ブロックの境界においてパターンが崩れてしまうため、後のパターンの読み取り工程において不具合が生じる可能性がある。
【0010】
従って、LD光源の場合、傾き補正処理を実行した上で、パターン生成処理を実行することが好ましい。この場合、生成されたパターンには傾き補正処理が施されないこととなるが、画像が傾いていたとしても局部的に画素がずれるわけではないため、画像全体としてパターンは認識可能な状態に保たれる。
【0011】
他方、LED光源におけるうねりは、上述したようにLEDヘッドにおけるLEDチップの組み付け誤差によって発生するため、うねり補正を行った後にパターン生成を行うと、この生成されたパターンにはうねり補正が施されないことになり、結果的にLEDチップの組み付け誤差によりパターンが局部的に崩れてしまう。従って、LED光源におけるうねり補正は、パターン生成後に実行することが好ましい。
【0012】
このように、LD光源とLED光源とでは、パターン生成を実現する回路(以降、パターン生成回路とする)に対して、補正処理を実現する回路(以降、補正回路とする)を配置するべき位置が異なる。即ち、LD光源の場合、パターン生成回路よりも前に補正回路を実装することが好ましく、LED光源の場合、パターン生成回路よりも後に補正回路を実装することが好ましい。
【0013】
即ち、LD光源及びLED光源両対応の光書き込み制御装置を構成する場合、上述したパターン生成回路の前にLD光源用の補正回路、パターン生成回路の後にLED光源用の補正回路を夫々設ける必要がある。その結果、夫々の補正回路用にラインメモリを設けることになるが、LD光源が接続された場合はLED光源用の補正回路は使用されず、LED光源が接続された場合はLD光源用の補正回路は使用されない。
【0014】
ラインメモリの容量は光書き込み制御装置の製造コストに大きく影響するため、LD光源の場合とLED光源の場合とで、傾き補正処理は共通する処理であるにも関わらず、夫々の光源が接続される場合のために個別にラインメモリを実装することは製造コストの面で非常に非効率である。
【0015】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、種類の異なる光源に対応可能な光書き込み装置において、回路設計を効率化して製造コストを抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、種類の異なる複数の光源のいずれも接続可能であり、接続された光源によって感光体上に静電潜像を形成する光書き込み装置において前記光源を制御する光源制御回路であって、前記静電潜像として形成するべき画像の情報に基づき、前記画像を構成する画素の情報である画素データを主走査ライン毎に出力する画素データ出力部と、前記画素データを取得して所定の処理を行うことにより、前記光源によって形成される静電潜像の主走査ラインと前記感光体との傾き及び前記光源によって形成される静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれを補正して画素データを出力する画素データ補正部と、前記画素データを取得して所定の処理を行うことにより、形成される静電潜像中に所定のパターンが形成されるような画素データを出力するパターン生成部と、入力される画素データに基づき、前記静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれの補正を要する第1の光源を発光させる第1の光源制御部と、入力される画素データに基づき、前記静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれの補正が不要な第2の光源を発光させる第2の光源制御部と、前記画素データ出力部から出力された画素データが、前記画素データ補正部、前記パターン生成部、前記第2の光源制御部の順で伝送される第1の伝送状態と、前記パターン生成部、前記画素データ補正部、前記第1の光源制御部の順で伝送される第2の伝送状態とを設定値に基づいて切り換えるセレクタとを含むことを特徴とする光源制御回路。
【0017】
また、本発明の他の態様は、画像形成装置であって、上記光書き込み制御回路によって制御される光書き込み装置を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の他の態様は、種類の異なる複数の光源のいずれも接続可能であり、接続された光源によって感光体上に静電潜像を形成する光書き込み装置において前記光源を制御する光源制御回路の制御方法であって、前記光源制御回路は、前記静電潜像として形成するべき画像の情報に基づき、前記画像を構成する画素の情報である画素データを主走査ライン毎に出力する画素データ出力部と、前記画素データを取得して所定の処理を行うことにより、前記光源によって形成される静電潜像の主走査ラインと前記感光体との傾き及び前記光源によって形成される静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれを補正して画素データを出力する画素データ補正部と、前記画素データを取得して所定の処理を行うことにより、形成される静電潜像中に所定のパターンが形成されるような画素データを出力するパターン生成部と、入力される画素データに基づき、前記静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれの補正を要する第1の光源を発光させる第1の光源制御部と、入力される画素データに基づき、前記静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれの補正が不要な第2の光源を発光させる第2の光源制御部とを含み、前記画素データ出力部から出力された画素データが、前記画素データ補正部、前記パターン生成部、前記第2の光源制御部の順で伝送される第1の伝送状態と、前記パターン生成部、前記画素データ補正部、前記第1の光源制御部の順で伝送される第2の伝送状態とを設定値に基づいて切り換えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、種類の異なる光源に対応可能な光書き込み装置において、回路設計を効率化して製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るプリントエンジンの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る光書き込み装置の構成を示す上面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光書き込み装置の構成を示す側断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る光書き込み装置における主走査ラインの傾きを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る光書き込み装置の構成を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る光書き込み装置における主走査ラインの傾きを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る光書き込み装置のLEDAのチップ誤差を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る光書き込み制御装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施形態に係る光源制御回路のセレクタの切り替え態様を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係るレジスタ設定値の例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態にチップ誤差測定値の例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係るレジスタ構成例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係るレジスタ設定値の例を示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係るレジスタ設定値の例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係るレジスタの設定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、画像形成装置としての複合機(MFP:Multi Function Peripheral)を例として説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式による複合機であり、感光体に静電潜像を形成するための光書き込み装置において光源を制御する光書き込み制御部が、LD(Laser Diode:レーザーダイオード)光源及びLED(Light Emitting Diode)光源の両方に対応していることがその要旨である。尚、画像形成装置は複合機でなくとも良く、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等であっても良い。
【0022】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成に加えて、画像形成を実行するエンジンを有する。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、エンジン13、HDD(Hard Disk Drive)14及びI/F15がバス18を介して接続されている。また、I/F15にはLCD(Liquid Crystal Display)16及び操作部17が接続されている。
【0023】
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM11は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM12は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。エンジン13は、画像形成装置1において実際に画像形成を実行する機構である。
【0024】
HDD14は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。I/F15は、バス18と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD16は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部17は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
【0025】
このようなハードウェア構成において、ROM12やHDD14若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM11に読み出され、それらのプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0026】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ20、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)21、スキャナユニット22、排紙トレイ23、ディスプレイパネル24、給紙テーブル25、プリントエンジン26、排紙トレイ27及びネットワークI/F28を有する。
【0027】
また、コントローラ20は、主制御部30、エンジン制御部31、入出力制御部32、画像処理部33及び操作表示制御部34を有する。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット22、プリントエンジン26を有する複合機として構成されている。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
【0028】
ディスプレイパネル24は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェース(操作部)でもある。ネットワークI/F28は、画像形成装置1がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
【0029】
コントローラ20は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM12や不揮発性メモリ並びにHDD14や光学ディスク等の不揮発性記録媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM11等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10がそのプログラムに従って演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ20が構成される。コントローラ20は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
【0030】
主制御部30は、コントローラ20に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ20の各部に命令を与える。エンジン制御部31は、プリントエンジン26やスキャナユニット22等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。入出力制御部32は、ネットワークI/F28を介して入力される信号や命令を主制御部30に入力する。また、主制御部30は、入出力制御部32を制御し、ネットワークI/F28を介して他の機器にアクセスする。
【0031】
画像処理部33は、主制御部30の制御に従い、入力された印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン26が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、印刷ジョブに含まれる印刷情報とは、PC等の情報処理装置にインストールされたプリンタドライバによって画像形成装置1が認識可能な形式に変換された画像情報である。操作表示制御部34は、ディスプレイパネル24に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル24を介して入力された情報を主制御部30に通知する。
【0032】
画像形成装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部32がネットワークI/F28を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部32は、受信した印刷ジョブを主制御部30に転送する。主制御部30は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部33を制御して、印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成させる。
【0033】
画像処理部33によって描画情報が生成されると、エンジン制御部31は、生成された描画情報に基づき、給紙テーブル25から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン26が画像形成部として機能する。プリントエンジン26によって画像形成が施された用紙は排紙トレイ27に排紙される。
【0034】
また、画像形成装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部31がスキャナユニット22から受信した撮像情報若しくは画像処理部33が撮像情報に基づいて生成した画像情報に基づき、画像処理部33が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部31がプリントエンジン26を駆動する。
【0035】
次に、本実施形態に係るプリントエンジン26の構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、本実施形態に係るプリントエンジン26は、無端状移動手段である搬送ベルト105に沿って各色の画像形成部106が並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ101から給紙ローラ102と分離ローラ103とにより分離給紙される用紙(記録媒体の一例)104に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト105に沿って、その搬送方向の上流側から順に、複数の画像形成部(電子写真プロセス部)106BK、106M、106C、106Yが配列されている。
【0036】
これら複数の画像形成部106BK、106M、106C、106Yは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部106BKはブラックの画像を、画像形成部106Mはマゼンタの画像を、画像形成部106Cはシアンの画像を、画像形成部106Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。尚、以下の説明においては、画像形成部106BKについて具体的に説明するが、他の画像形成部106M、106C、106Yは画像形成部106BKと同様であるので、その画像形成部106M、106C、106Yの各構成要素については、画像形成部106BKの各構成要素に付したBKに替えて、M、C、Yによって区別した符号を図に表示するにとどめ、説明を省略する。
【0037】
搬送ベルト105は、回転駆動される駆動ローラ107と従動ローラ108とに架け渡されたエンドレスのベルト、即ち無端状ベルトである。この駆動ローラ107は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ107と、従動ローラ108とが、無端状移動手段である搬送ベルト105を移動させる駆動手段として機能する。
【0038】
画像形成に際しては、回転駆動される搬送ベルト105に対して、最初の画像形成部106BKが、ブラックのトナー画像を転写する。画像形成部106BKは、感光体としての感光体ドラム109BK、この感光体ドラム109BKの周囲に配置された帯電器110BK、光書き込み装置200、現像器112BK、感光体クリーナ(図示せず)、除電器113BK等から構成されている。光書き込み装置200は、夫々の感光体ドラム109BK、109M、109C、109Y(以降、総じて「感光体ドラム109」という)に対して光を照射するように構成されている。
【0039】
画像形成に際し、感光体ドラム109BKの外周面は、暗中にて帯電器110BKにより一様に帯電された後、光書き込み装置200からのブラック画像に対応した光源からの光により書き込みが行われ、静電潜像が形成される。現像器112BKは、この静電潜像をブラックトナーにより可視像化し、このことにより感光体ドラム109BK上にブラックのトナー画像が形成される。
【0040】
このトナー画像は、感光体ドラム109BKと搬送ベルト105とが当接若しくは最も接近する位置(転写位置)で、転写器115BKの働きにより搬送ベルト105上に転写される。この転写により、搬送ベルト105上にブラックのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム109BKは、外周面に残留した不要なトナーを感光体クリーナにより払拭された後、除電器113BKにより除電され、次の画像形成のために待機する。
【0041】
以上のようにして、画像形成部106BKにより搬送ベルト105上に転写されたブラックのトナー画像は、搬送ベルト105のローラ駆動により次の画像形成部106Mに搬送される。画像形成部106Mでは、画像形成部106BKでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム109M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が既に形成されたブラックの画像に重畳されて転写される。
【0042】
搬送ベルト105上に転写されたブラック、マゼンタのトナー画像は、さらに次の画像形成部106C、106Yに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム109C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体ドラム109Y上に形成されたイエローのトナー画像とが、既に転写されている画像上に重畳されて転写される。こうして、搬送ベルト105上にフルカラーの中間転写画像が形成される。
【0043】
給紙トレイ101に収納された用紙104は最も上のものから順に送り出され、その搬送経路が搬送ベルト105と接触する位置若しくは最も接近する位置において、搬送ベルト105上に形成された中間転写画像がその紙面上に転写される。これにより、用紙104の紙面上に画像が形成される。紙面上に画像が形成された用紙104は更に搬送され、定着器116にて画像を定着された後、画像形成装置の外部に排紙される。
【0044】
このような画像形成装置1においては、感光体ドラム109BK、109M、109C及び109Yの軸間距離の誤差、感光体ドラム109BK、109M、109C及び109Yの平行度誤差、光書込み装置200内での偏向ミラーの設置誤差、感光体ドラム109BK、109M、109C及び109Yへの静電潜像の書込みタイミング誤差等により、本来重ならなければならない位置に各色のトナー画像が重ならず、各色間で位置ずれが生ずることがある。
【0045】
また、同様の原因により、転写対象である用紙において本来画像が転写される範囲から外れた範囲に画像が転写されることがある。このような位置ずれの成分としては、主にスキュー、副走査方向のレジストずれ、主走査方向の倍率誤差、主走査方向のレジストずれ等が知られている。また、用紙を搬送する搬送ローラの回転速度の誤差や摩耗による搬送量の誤差等が知られている。
【0046】
このような位置ずれを補正するため、パターン検知センサ117が設けられている。パターン検知センサ117は、感光体ドラム109BK、109M、109C及び109Yによって搬送ベルト105上に転写された位置ずれ補正用パターンを読み取るための光学センサであり、搬送ベルト105の表面に描画された補正用パターンを照射するための発光素子及び補正用パターンからの反射光を受光するための受光素子を含む。図3に示すように、パターン検知センサ117は、感光体ドラム109BK、109M、109C及び109Yの下流側において、搬送ベルト105の搬送方向と直行する方向に沿って同一の基板上に支持されている。
【0047】
次に、本実施形態に係る光書き込み装置200について説明する。上述したように、本実施形態に係る光書き込み装置200としては、LD光源のものとLED光源のものとを選択的に採用することができる。まず、LD光源の場合について説明する。
【0048】
図4は、本実施形態に係る光書き込み装置200を上面から見た図である。また、図5は、本実施形態に係る光書き込み装置を側面から見た断面図である。図4、図5に示すように、各色の感光体ドラム109BK、109M、109C、109Yに書き込みを行うレーザビームはLD光源であるLD光源装置281BK、281M、281C、281Y(以降、総じてLD光源装置281とする)から照射される。尚、本実施形態に係るLD光源装置281は、半導体レーザ、コリメータレンズ、スリット、プリズム、シリンダレンズ等で構成されている。
【0049】
LD光源装置281から照射されたレーザビームは、反射鏡280によって反射される。各レーザビームは図示しないfθレンズ等の光学系によって夫々ミラー282BK、282M、282C、282Y(以降、総じてミラー282とする)に導かれ、更にその先の光学系によって各感光体ドラム109BK、109M、109C、109Yの表面へと走査される。即ち、反射鏡280及びミラー282が走査部として機能する。
【0050】
反射鏡280は6面体のポリゴンミラーであり、回転することによってポリゴンミラー1面につき主走査方向の1ライン分のレーザビームを走査することができる。また、反射鏡280によってレーザビームが走査される範囲の走査開始位置近傍には、水平同期検知センサ283が設けられている。LD光源装置281から照射されたレーザビームが水平同期検知センサ283に入射することにより、主走査ラインの走査開始位置のタイミングが検知され、LD光源装置281を制御する制御装置と反射鏡280との同期がとられる。
【0051】
図6は、図4、図5に示すようなLD光源の光書き込み装置200において生じる走査ラインの傾きを示す図である。傾きのない画像を形成するためには、光源から照射されたビームの軌跡が、図6のOに示すように、感光体ドラムの回転軸と平行になる必要がある。しかしながら、ポリゴンミラーの組み付け誤差や、LD光源装置281の組み付け誤差及び感光体ドラム109の回転むらや表面径の変動などにより、図6のLに示すように傾いてしまう場合がある。このようなビーム軌跡の傾きを補正することが、LD光源を用いた光書き込み装置200における傾き補正である。
【0052】
次に、LED光源を用いた光書き込み装置200について説明する。図7は、本実施形態に係るLED光源を含む光書き込み装置200と感光体ドラム109との配置関係を示す図である。図7に示すように、各色の感光体ドラム109BK、109M、109C、109Y夫々に照射される照射光は、光源であるLEDA(LED Array)284BK、284M、284C、284Y(以降、総じてLEDA284とする)から照射される。
【0053】
LEDA284は、発光素子であるLEDが、感光体ドラム109の主走査方向に並べられて構成されている。光書き込み装置200に含まれる光書き込み制御装置は、主走査方向に並べられている夫々のLEDの点灯/消灯状態を、出力すべき画像のデータに基づいて主走査ライン毎に制御することにより、感光体ドラム109の表面を選択的に露光し、静電潜像を形成する。即ち、LEDA284は、1回の点灯/消灯の制御により、出力すべき画像の主走査方向1ライン分の静電潜像を形成する。
【0054】
次に、LED光源を採用する場合の光書き込み装置200において必要な補正について説明する。図8は、LEDA284の傾きを示す図である。図8に示すように、LEDA284は、基板上に複数の光源チップ284a、284b、284c、284d、284e・・・が搭載されて構成されている。基板は、複数の光源チップ284a、b、c・・・を保持する保持台であり、複数の光源チップ284a、b、c・・・は基板に実装された状態において光書き込み装置284に搭載される。複数の光源チップ284a、b、c・・・が連なっている方向が主走査方向である。
【0055】
複数の光源チップa、b、c・・・は、集積化された半導体チップであり、光源として複数のLED(Light emitting diode)素子、即ち発光素子が含まれる。従って、光源チップ284a、b、c・・・は、発光素子集合体である。夫々の光源チップa、b、c・・・に含まれる複数のLED素子もまた、主走査方向に並べられて配置されている。本実施形態に係る光源チップa、b、c・・・は、夫々主走査方向に192個、即ち192ドット分のLED素子が実装されている。そして、本実施形態に係るLEDA284は、主走査方向に並べられた26個の光源チップa、b、c・・・を含む。また、本実施形態に係るLEDA284の解像度は2400dpiである。
【0056】
図8に示すように、LEDA284を用いた光書き込み装置200においては、LEDA284の取り付け誤差により、傾いた画像が形成される、いわゆるスキューが発生する。図8の例においては、主走査方向、即ち、感光体ドラム109の回転軸と平行な方向が一点鎖線Oであるのに対して、LEDA284は、一点鎖線Lのように傾いて配置されている。
【0057】
静電潜像は、感光体ドラム109においてLEDA284からの露光を受けて形成されるため、感光体ドラム109の主走査方向に対して、LEDA284において各LEDが並べられた方向が傾いている場合、その傾きに対応して静電潜像も傾いてしまう。そして、この静電潜像が現像されることにより、傾いた画像が形成される。このスキューが発生しないように補正を行うことが、LEDA284を含む光書き込み装置200における傾き補正である。
【0058】
次に、光源チップ284a、b、c・・・間の位置ずれがあるLEDA284を図9に示す。図9の例では、光源チップ284a、b及びeは理想的な状態で実装されているが、光源チップ284cは、理想的な状態から幅Gだけシフトしており、光源チップ284dは、そこから更にシフトした上で角度Sだけ傾いている。LEDA284の製造工程では、図9に示すような製造公差が生じ得る。
【0059】
図9に示すようなチップの組み付け誤差を考慮することなく画像形成出力を実行すると、チップの組み付け誤差に応じて形成される画像がずれることになり、出力される画像において縦筋、即ち副走査方向の筋のような画像の乱れとなって現れる。以降、この画像の乱れをうねりとする。これを回避するため、図9に示すようなチップの組み付け誤差を示す情報に基づき、その組み付け誤差を補正して画像形成出力を実行することが、LEDA284を含む光書き込み装置200におけるうねり補正である。
【0060】
このような光書き込み装置200を含む画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨は、上述したようなLD光源及びLED光源のいずれを接続しても好適な画像形成出力を可能とする光書き込み制御装置が構成されていることにある。以下、本実施形態に係る光書き込み制御装置について説明する。
【0061】
図10は、本実施形態に係る光書き込み制御装置201の構成及びコントローラ20やLEDA284及びLD光源装置281との接続関係を示すブロック図である。図10に示すように、本実施形態に係る光書き込み装置200は、光書き込み制御装置201とLD光源装置281、LEDA284のいずれかの光源によって構成される。尚、図10においては、接続関係を明示するためにLD光源装置281とLEDA284との両方を図示しているが、実際にはいずれか一方のみが接続される。
【0062】
光書き込み装置201は、制御部として機能するCPU202及び実際に信号処理を行う光源制御回路210を含む。尚、CPU202の動作のため、図1において説明したRAM11、ROM12等の構成を適宜含んでも良い。また、図10に示すように、光源制御回路210は、速度変換部211、補正用ラインメモリ212、補正制御部213、パターン生成部214、LEDA点灯制御部215、LD点灯制御部216、セレクタ217a、217b、217c、217dを含む。
【0063】
速度変換部211は、コントローラ20のエンジン制御部31から入力される画像形成出力用の画像データを周波数変換し、所定の周波数に従って画像を構成する画素の情報である画素データを主走査ライン毎に順番に出力する画素データ出力部である。速度変換部211から出力される画素データは、補正用ラインメモリ212への入力を切り換えるセレクタ217a及びパターン生成部214への入力を切り換えるセレクタ217bに入力される。
【0064】
尚、本実施形態に係るセレクタ217a〜217dは、CPU202から入力される制御信号によって切り換えられるが、図10に示す“0”と“1”との入力は、セレクタ217a〜217dで全て同じ入力端が選択される。ここで、セレクタの入力端として“1”が選択される場合とは、光書き込み制御装置201にLD光源装置281が接続された場合であり、“0”が選択される場合とは、LEDA284が接続された場合である。
【0065】
補正用ラインメモリ212は、セレクタ217aから出力される画素データを、
主走査ライン毎に複数ライン分格納する。そして、補正用ラインメモリ212は、補正制御部213の制御に従い、主走査ライン毎に格納した画素データを主走査ライン毎に出力する。ここで、補正用ラインメモリ212は、補正制御部213の制御に従い、主走査ライン上の所定の位置において画素データを出力する主走査ラインを副走査方向にシフトさせる。これにより、傾き補正やうねり補正を実行する画素データ補正部として機能する。補正用ラインメモリ212が出力した画素データは、セレクタ217b及び217cに入力される。
【0066】
補正制御部213は、CPU202から入力されるレジスタ値に従い、上述したように補正用ラインメモリ212が出力する画素データの主走査ラインを副走査方向にシフトさせる。この補正用ラインメモリ212及び補正制御部213による補正の詳細については後述する。
【0067】
パターン生成部214は、色調補正用のMUSICパターンや、プロセスコントロール用のプロコンパターン及び偽造防止用の偽造防止パターン等を生成する画像処理部である。具体的に、パターン生成部214は、上記のパターンを画像形成出力する際、CPU202から入力されるレジスタ値に従い、セレクタ217bから入力される画素データを、上記パターンを構成するための画素データに変換して出力する。パターン生成部214から出力された画素データは、セレクタ217a及びセレクタ217dに入力される。
【0068】
尚、偽造防止パターンの場合、画像形成出力するべき元の画像に重畳される形で上述したような画素の変換がおこなわれるが、MUSICパターンやプロコンパターンの場合は、出力するべき元の画像がない。この場合、パターン生成部214は、空白の画素データに基づき、CPU202から入力されるレジスタ値に従って、上記パターンを構成するための画素データを生成する。
【0069】
LEDA点灯制御部215は、セレクタ217cから入力される画素データに基づき、LEDA284を発光させる。また、LD点灯制御部216は、セレクタ217dから入力される画素データに基づき、LD光源装置281を発光させる。即ち、LEDA点灯制御部215及びLD点灯制御部216が、光源制御部として機能する。
【0070】
セレクタ217aは、CPU202から入力されるレジスタ値に従い、補正用ラインメモリ212への画素データの入力元を速度変換部211とパターン生成部214とで切り換える。セレクタ217bは、CPU202から入力されるレジスタ値に従い、パターン生成部214への画素データの入力元を速度変換部211と補正用ラインメモリ212とで切り換える。
【0071】
セレクタ217cは、CPU202から入力されるレジスタ値に従い、補正用ラインメモリ212から出力された画素データのLEDA点灯制御部215への入力を切り換える。セレクタ217dは、CPU202から入力されるレジスタ値に従い、パターン生成部214から出力された画素データのLD点灯制御部216への入力を切り換える。尚、セレクタ217c及びセレクタ217dの入力端の一方はシステムグランドに接続されており、補正用ラインメモリ212、パターン生成部214から出力された画素データを出力しない場合、セレクタ217c、217dの出力信号はシステムグランドとなる。
【0072】
次に、本実施形態に係る光源制御回路210におけるセレクタ217a〜217dの切り替え態様について説明する。上述したように、セレクタ217a〜217dは、CPU202から入力されるレジスタ値によって切り換えられ、そのレジスタ値は、接続される光源に応じて設定される。これにより、画素データが補正用ラインメモリ212とパターン生成部214とのいずれを先に通過するか及び画素データがLEDA点灯制御部215とLD点灯制御部216とのいずれに入力されるかが切り替わる。
【0073】
図11(a)、(b)は、本実施形態に係る光源制御回路の切り替え状態、即ち、画素データの伝送状態を夫々示す。図11(a)は、セレクタの入力端として“1”が選択された場合、即ち、光源としてLD光源装置281が接続された場合の切り替え状態を示す図である。図11(a)においては、信号が無効化される線を破線で示している。図11(a)に示すように、LD光源装置281が接続された場合、速度変換部211から出力された画素データは、セレクタ217aを経て補正用ラインメモリ212に入力される。
【0074】
補正用ラインメモリ212に入力され、主走査ライン毎に格納された画素データは、補正制御部213による制御に従って主走査ライン毎に読み出されると共に、補正制御部213に設定されているレジスタ値に基づいて主走査ライン上の所定の位置で副走査方向にシフトされて出力される。
【0075】
ここで、図11(a)の場合、即ち、LD光源装置281が接続された場合の、補正用ラインメモリ212及び補正制御部213による画素データの傾き補正の態様について説明する。光源としてLD光源装置281が接続されている場合、図6において説明したように、ビーム軌跡の傾きを補正するための傾き補正が実行される。
【0076】
図6に示すようなビーム軌跡のスキューにより、一の主走査ラインの一端に配置された画素と他端に配置された画素とで、副走査方向に例えば5画素分のずれが生じたとする。その場合、本実施形態に係るLD光源装置281のための傾き補正においては、主走査ライン上の5か所において、画素を副走査方向にシフトさせることにより、上記副走査方向のずれを補正する。そのため、図11(a)の場合、補正制御部213には、図12に示すようなレジスタ値が設定される。
【0077】
図12に示すように、図11(a)の場合に補正制御部213に設定されるレジスタ値は、“主走査ラインシフト位置”及び“シフト方向”を含む。“主走査ラインシフト位置”は、補正用ラインメモリ212が出力する画素データを副走査方向に1ラインずらす位置、即ちシフトする主走査ライン上の位置を、主走査ライン上の画素数で示す値である。“シフト方向”は、出力する画素データを読み出す主走査ラインをシフトする際にシフトする方向を示す値である。
【0078】
このようなレジスタ値の設定において、補正制御部213は、補正用ラインメモリ212が出力する画素データを一画素ずつカウントしており、そのカウント値が、“主走査ラインシフト位置”において指定されている画素に一致する場合に、“シフト方向”で設定されている方向に、画素データを読み出す主走査ラインを1ラインシフトさせる。このような処理により、LD光源装置281が接続された場合の傾き補正が実行される。
【0079】
尚、図12のように設定される傾き補正用のレジスタ値は、予め定められた値ではなく、複数の感光体ドラム109のうち、例えば、感光体ドラム109BK上に形成された傾き補正用のパターンをパターン検知センサ117で読み取った読み取り結果に基づいて算出される値である。
【0080】
補正用ラインメモリ212から出力された画素データは、セレクタ217を経てパターン生成部214に入力される。パターン生成部214においては、上述したように、形成するべきパターンに従って画素データが変換されて出力される。パターン生成部214から出力された画素データは、セレクタ217dを経てLD点灯制御部216に入力される。これにより、LD点灯制御部216は、入力された画素データに従ってLD光源装置281を発光させる。
【0081】
上述したように、LD光源装置281が接続された場合の傾き補正においては、主走査ライン上に設定されたシフト位置において1ライン分、即ち、副走査方向に1画素分画像がずれることとなる。画像全体として見れば、人間の視覚上の影響は大きくはないが、パターン生成部214において生成されたパターンが例えば電子透かし等、画素の並びに意味を持たせて後から読み取るパターンである場合、1画素のずれが後からの読み取り精度に影響する場合があり得る。
【0082】
これに対して、光源としてLD光源装置281が接続された場合、速度変換部211から出力された画素データは先に補正用ラインメモリ212を経て傾き補正が施された上でパターン生成部214に入力される。従って、パターン生成部214において生成されたパターンは傾き補正における主走査ラインのシフトによって崩れることはなく、上述したような弊害を回避することができる。
【0083】
LD光源装置281が光源として接続された場合に要する補正は、図6において説明したような、画像全体の傾きの補正である。従って、画像が局部的にずれるようなことはないため、パターン生成部214によって生成されたパターンは、傾き補正が施されなかったとしても、後のパターンの読み取りが不可能になるようなことはない。
【0084】
図11(b)は、セレクタの入力端として“0”が選択された場合、即ち、光源としてLEDA284が接続された場合の切り替え状態を示す図である。図11(b)においても、信号が無効化される線を破線で示している。図11(b)に示すように、LEDA284が接続された場合、速度変換部211から出力された画素データは、セレクタ217bを経てパターン生成部214に入力される。
【0085】
パターン生成部214に入力された画素データは、図11(a)の場合と同様に、形成するべきパターンに従って変換されて出力される。パターン生成部214から出力された画素データは、セレクタ217aを経て補正用ラインメモリ212に入力される。補正用ラインメモリ212に入力され、主走査ライン毎に格納された画素データは、補正制御部213による制御に従って主走査ライン毎に読み出されると共に、補正制御部213に設定されているレジスタ値に基づいて主走査ライン上の所定の位置で副走査方向にシフトされて出力される。
【0086】
ここで、図11(b)の場合、即ち、LEDA284が接続された場合の補正用ラインメモリ212及び補正制御部213による画素データの傾き補正及びうねり補正の態様について説明する。光源としてLEDA284が接続されている場合、図8、図9において説明したように、LEDA284の感光体109に対する傾きを補正する傾き補正及びLEDA284に含まれる光源チップ284a、b、c・・・の組み付け誤差を補正するうねり補正が実行される。
【0087】
図11(b)の場合においても、図11(a)と同様に、主走査ライン上の各位置において主走査ラインをシフトすることにより補正が行われる。ここで、光源としてLEDA284が接続されている場合、補正用ラインメモリ212以降の回路は速度変換部211によって周波数変換された画素データの周波数を整数倍であるN倍した上で、補正用ラインメモリ212に格納されている画素データを一主走査ライン毎にN回読み出すことにより、副走査方向の解像度をN倍にする。即ち、1つの主走査ラインをN分割してLEDA284に光書き込みを実行させる。これにより、LEDA284が接続された場合の補正用ラインメモリ212及び補正制御部213による補正においては、N分の一ラインずつ、主走査ラインをシフトすることが可能となる。
【0088】
図9において説明したように、うねりとはLEDA284における光源チップの組み付け誤差によって生じる主走査ライン上の局部的な画像の崩れであり、一画素以下のずれも多いため、上述したようなN分の一ラインずつのシフトを可能とすることにより、好適な補正を実現することができる。尚、うねりの内容はLEDA284の製造公差であり、LEDA284毎に異なる。従って、うねり補正部214に入力されるレジスタ値は、LEDA284の製造段階において測定された光源チップの組み付け誤差に基づいて生成された値である。
【0089】
図13は、上記組み付け誤差の測定結果の例を示す図である。図13に示すように、本実施形態に係るチップ組み付け誤差の測定結果(以降、チップ誤差測定値とする)においては、夫々の光源チップに含まれるLED素子のうち、1ドット目と97ドット目の副走査方向の位置ずれ量が補正値として記憶されている。
【0090】
また、図13に示すように、本実施形態に係るチップ誤差測定値においては、主走査方向の一端に配置されている光源チップ、即ち1チップ目の1ドット目と、他端に配置されている光源、即ち図13における26チップ目の97ドット目が配置されている位置を基準として直線で結び、その直線に直行する方向の位置ずれ量を夫々のLED素子の位置ずれ量として示している。更に、本実施形態に係るチップ誤差測定値においては、各LED素子の上記直線からの位置ずれ量を、2400dpiにおけるピッチ数(1ピッチが10.6μm)に変換して示している。
【0091】
図13においては、図9の例に対応したチップ誤差測定値を示しており、図9に示すように、1チップ目及び2チップ目には位置ずれはない。3チップ目は1ドット目、97ドット目共に3ドット分ずれており、図9の光源チップ284cのように、チップ全体がシフトしている。また、4チップ目は、1ドット目と97ドット目とでずれ量が異なるため、図9の光源チップ284dのように、チップが傾いていることがわかる。
【0092】
次に、LEDA284が接続された場合に補正制御部213に入力されるレジスタ値の構成について説明する。図14は、LEDA284が接続された場合に補正制御部213に入力されるレジスタ値の構成を示す図である。図14に示すように、図11(b)の場合、LEDA284に含まれるLED素子において、主走査方向の24ドット毎に、副走査方向の位置を補正するためのレジスタ値が設けられている。
【0093】
また、図14に示すように、レジスタのビット長は基本的に2ビットであるが、192ドット毎、即ち、夫々の光源チップ284a、b、c・・・において端部に配置されたLED素子に対応するレジスタ値のビット長は4ビットである。尚、本実施形態においては、LEDA284BK、LEDA284M、LEDA284C、LEDA284Yの夫々について、即ち、各色の画素データ毎に、図14に示すようなレジスタ値が設定される。
【0094】
次に、LEDA284が接続された場合に補正制御部213に入力されるレジスタの設定値について、図15、図16を参照して説明する。図15は、図14に示すレジスタのうち、ビット長が2ビットである場合の設定値の内容を示す図である。図15に示すように、2ビットのうちの1ビットは、対応するドットの位置を補正するか否かを示す。そして、2ビットのうちのもう1つのビットは、対応するドットの位置を補正する場合に、正方向に1ラインずらすか、負方向に1ラインずらすかを示す。尚、ここで言う正方向、負方向とは、副走査方向の正負である。また、ラインとは、元の画素データにおける一主走査ラインを示すのではなく、分割された後の1ラインを示す。
【0095】
次に、図16は、図14に示すレジスタのうち、ビット長が4ビットである場合の設定値の内容を示す図である。図16に示すように、4ビットのうちの1ビットは、図15と同様、対応するドットの位置を補正するか否かを示す。そして、残りの3ビットは、対応するドットの位置を補正する場合に、その補正量即ち副走査方向にずらす量として、正方向に1〜4ライン、負方向に1〜4ラインのいずれかを示す。
【0096】
尚、図11(b)の場合において、補正制御部213は、入力されるレジスタ値を1ドット目から主走査方向に順番に適用する。例えば、図14に示すレジスタNo“2”、即ち25ドット目の補正値として正方向に1ドットずらすことを示す補正値が格納された場合、その補正値は以降のドット全てに適用される。即ち、49ドット目を示すレジスタNo“3”の補正値が“補正なし”を示している場合、49ドット目は、25ドット目と同様に1ラインずらされることになる。他方、49ドット目の補正値が負方向に1ドットずらすことを示す場合、49ドット目の補正量はプラスマイナスゼロとなる。また、49ドット目の補正値が正方向に1ドットずらすことを示す場合、49ドット目の補正量は合計で正方向に2ドットずらすこととなる。
【0097】
図11(b)の場合に補正制御部213に入力されるレジスタ値の例として、図13において説明したチップ誤差測定値に対応した場合の例を図17に示す。尚、図17の例においては、LPH250にはスキューがないものとして、図13のチップ誤差測定値をそのまま適用した場合を示す。
【0098】
図17に示すように、光源チップ284a、284bに対応するレジスタ値としては、位置補正なしを示す値が設定される。そして、光源チップ284cに切り換わるタイミングにおいて、即ち、光源チップ284cにおいて光源チップ284b側の端部に配置されたLED素子に対応するレジスタ値として、負方向へ3ラインシフトすることを示す値が設定される。図9に示すように、光源チップ284cは、シフトのみで傾きはないため、光源チップ284cに含まれる他のLED素子に対応するレジスタ値としては、位置補正なしを示す値が設定される。
【0099】
そして、光源チップ284cから光源チップ284dに切り換わった後、光源チップ284dに含まれる各LED素子のレジスタ値として、図9に示すような光源チップ284dの傾きを補正するための補正値が設定される。このように、光源チップ284aから光源チップ284dの間で実質的には5ライン以上の補正が行われているが、上述した構成により、レジスタのビット長を削減し、回路規模の低減を図ることが可能となる。
【0100】
図11(b)の場合における補正制御部213は、図11(a)の場合と同様に、補正用ラインメモリ212が出力する画素データを一画素ずつカウントしており、そのカウント値が24に達する毎に、夫々のレジスタ設定値を参照し、その設定値に従って補正用ラインメモリ212が画素データを読み出す主走査ラインをシフトさせる。図17の例の場合、補正用ラインメモリ212は、1ドット目から384ドット目までは、補正することなく対象の主走査ラインのドットデータを読み出して出力する。
【0101】
そして、補正用ラインメモリ212は、389ドット目のドットデータを読み出す際、補正制御部213の制御に従い、負方向へ3ラインずれたドットデータを読み出す。その後、390ドット目から576ドット目まで、3ラインずれたドットデータを読み出し続ける。これにより、図9に示す光源チップ284cのシフトが補正される。
【0102】
更に、補正用ラインメモリ212は、は、577ドット目から768ドット目まで、補正制御部213の制御に従って徐々に読み出すドットデータをずらしていく。これにより、図9に示す光源チップ284dの傾きが補正される。このような処理により、LEDA284が接続された場合の補正が実行される。
【0103】
尚、図17においては、図9に示すチップ誤差のみに対応した補正の設定値を例として説明したが、実際には、図8に示すLEDA284の傾きを補正するための補正値も加味して図17に示す“設定値”が設定される。
【0104】
補正用ラインメモリ212から出力された画素データは、図11(b)に示すように、セレクタ217cを経てLEDA点灯制御部215に入力される。これにより、LEDA点灯制御部215は、入力された画素データに従ってLEDA284を発光させる。
【0105】
このように、LEDA284が接続された場合、速度変換部211から出力された画素データは、まずパターン生成部214を経てパターン生成、重畳がされた上で、補正用ラインメモリ212に入力される。即ち、パターン生成部214において生成されたパターンは、補正用ラインメモリ212において図17に示すようなレジスタ設定値に応じた補正を受けることとなる。
【0106】
LEDA284が光源として接続された場合、図9において説明したように、主走査ライン上において局部的に画像が崩れることになるため、生成されたパターンの後の読み取り精度等を考慮すると、このように、パターン生成後に補正を実行することが好ましい。これに対して、図11(a)の場合においては、補正によってパターンが崩れ、後の読み取り精度に影響を与えるという問題があったが、LEDA284が接続された場合の補正は、上述したように、N分の一画素を単位として行われるため、画素のシフト位置において図11(a)のように大きくパターンが崩れてしまうようなことがない。
【0107】
以上説明したように、本実施形態に係る光源制御回路210においては、セレクタ217a〜217dを設けたことにより、周波数変換された画素データが補正用ラインメモリ212及びパターン生成部214を通過する順序を入れ替え可能であると共に、LEDA点灯制御部215とLD点灯制御部216とのいずれに画素データを入力するかを切り換え可能である。これにより、LD光源281及びLEDA284のいずれをも光源として接続可能であり、画質を劣化させることなく好適な画像形成出力が可能な光書き込み装置を構成することができる。
【0108】
尚、上記実施形態において、補正用ラインメモリ212及び補正制御部213より構成される画素データ補正部は、画素データを主走査ライン毎にラインメモリに格納した上で、ラインメモリから画素データを出力する際に、主走査ラインのシフトを行う場合を例として説明した。この他、ラインメモリに画素データを格納する際に、レジスタ設定値に応じて格納するラインメモリを主走査方向にシフトし、出力する際は主走査ライン毎に出力するようにしても良い。
【符号の説明】
【0109】
1 画像形成装置、
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 エンジン
14 HDD
15 I/F
16 LCD
17 操作部
18 バス
20 コントローラ
21 ADF
22 スキャナユニット
23 排紙トレイ
24 ディスプレイパネル
25 給紙テーブル
26 プリントエンジン
27 排紙トレイ
28 ネットワークI/F
30 主制御部
31 エンジン制御部
32 入出力制御部
33 画像処理部
34 操作表示制御部
101 給紙トレイ
102 給紙ローラ
103 分離ローラ
104 用紙
105 搬送ベルト
106BK、106C、106M、106Y 画像形成部
107 駆動ローラ
108 従動ローラ
109BK、109C、109M、109Y 感光体ドラム
110BK 帯電器
111光書き込み装置
112BK、112C、112M、112Y 現像器
113BK、113C、113M、113Y 除電器
115BK、115C、115M、115Y 転写器
116 定着器
117 パターン検知センサ、
200 光書き込み装置
201 光書き込み制御装置
202 CPU
210 光源制御回路
211 速度変換部
212 補正用ラインメモリ
213 補正制御部
214 パターン生成部
215 LEDA制御部
216 LD点灯制御部
217a、217b、217c、217d セレクタ
280 反射鏡
281、281BK、281Y、281M、281C LD光源装置
282、282BK、282Y、282M、282C ミラー
283 水平同期検知センサ
284、284BK、284Y、284M、284C LEDA
284a、284b、284c、284d、284e 光源チップ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0110】
【特許文献1】特開2009−27683号公報
【特許文献2】特開2008−36850号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種類の異なる複数の光源のいずれも接続可能であり、接続された光源によって感光体上に静電潜像を形成する光書き込み装置において前記光源を制御する光源制御回路であって、
前記静電潜像として形成するべき画像の情報に基づき、前記画像を構成する画素の情報である画素データを主走査ライン毎に出力する画素データ出力部と、
前記画素データを取得して所定の処理を行うことにより、前記光源によって形成される静電潜像の主走査ラインと前記感光体との傾き及び前記光源によって形成される静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれを補正して画素データを出力する画素データ補正部と、
前記画素データを取得して所定の処理を行うことにより、形成される静電潜像中に所定のパターンが形成されるような画素データを出力するパターン生成部と、
入力される画素データに基づき、前記静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれの補正を要する第1の光源を発光させる第1の光源制御部と、
入力される画素データに基づき、前記静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれの補正が不要な第2の光源を発光させる第2の光源制御部と、
前記画素データ出力部から出力された画素データが、前記画素データ補正部、前記パターン生成部、前記第2の光源制御部の順で伝送される第1の伝送状態と、前記パターン生成部、前記画素データ補正部、前記第1の光源制御部の順で伝送される第2の伝送状態とを設定値に基づいて切り換えるセレクタとを含むことを特徴とする光源制御回路。
【請求項2】
前記セレクタは、
前記画素データ出力部が出力する画素データ及び前記パターン生成部が出力する画素データのいずれか一方を設定値に従って前記画素データ補正部に入力する第1切り替え部と、
前記画素データ出力部が出力する画素データ及び前記画素データ補正部が出力する画素データのいずれか一方を設定値に従って前記パターン生成部に入力する第2切り替え部と、
前記画素データ補正部から出力される画素データを設定値に従って前記第1の光源制御部に入力する第3切り替え部と、
前記パターン生成部から出力される画素データを設定値に従って前記第2の光源制御部に入力する第4切り替え部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の光源制御回路。
【請求項3】
前記画素データ補正部は、前記第1の状態において、取得した画素データを主走査ライン毎にラインメモリに格納し、設定値に対応した前記主走査ライン上の位置において前記第1のラインメモリの主走査ラインを副走査方向にシフトして前記画素データを読み出すことにより前記光源と前記感光体との傾きを補正することを特徴とする請求項1または2に記載の光源制御回路。
【請求項4】
前記画素データ補正部は、前記第2の状態において、取得した画素データを主走査ライン毎にラインメモリに格納し、入力される設定値に応じた回数連続して前記ラインメモリにおける主走査ライン夫々から前記画素データを読み出すことにより前記主走査ラインを分割して副走査方向の解像度を複数倍にし、設定値に対応した前記主走査ライン上の位置において前記画素データを読み出す主走査ラインを副走査方向にシフトして前記画素データを読み出すことにより前記光源と前記感光体との傾き及び前記局部的なずれを補正することを特徴とする請求項1または2に記載の光源制御回路。
【請求項5】
前記第1の光源としてLED光源を接続可能であり、
前記画素データ補正部は、前記局部的なずれとして、前記LED光源におけるLEDチップの組み付け誤差を補正することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の光書き込み制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれか1項に記載の光書き込み制御回路によって制御される光書き込み装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
種類の異なる複数の光源のいずれも接続可能であり、接続された光源によって感光体上に静電潜像を形成する光書き込み装置において前記光源を制御する光源制御回路の制御方法であって、
前記光源制御回路は、
前記静電潜像として形成するべき画像の情報に基づき、前記画像を構成する画素の情報である画素データを主走査ライン毎に出力する画素データ出力部と、
前記画素データを取得して所定の処理を行うことにより、前記光源によって形成される静電潜像の主走査ラインと前記感光体との傾き及び前記光源によって形成される静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれを補正して画素データを出力する画素データ補正部と、
前記画素データを取得して所定の処理を行うことにより、形成される静電潜像中に所定のパターンが形成されるような画素データを出力するパターン生成部と、
入力される画素データに基づき、前記静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれの補正を要する第1の光源を発光させる第1の光源制御部と、
入力される画素データに基づき、前記静電潜像の主走査ライン上の局部的なずれの補正が不要な第2の光源を発光させる第2の光源制御部とを含み、
前記画素データ出力部から出力された画素データが、前記画素データ補正部、前記パターン生成部、前記第2の光源制御部の順で伝送される第1の伝送状態と、前記パターン生成部、前記画素データ補正部、前記第1の光源制御部の順で伝送される第2の伝送状態とを設定値に基づいて切り換えることを特徴とする光源制御回路の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−123310(P2012−123310A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275851(P2010−275851)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】