説明

光記録ヘッドおよび画像形成装置

【課題】従来よりも高精細な画像を形成することができる画像形成装置を実現する。
【解決手段】記録媒体にレーザ光を照射して該記録媒体Pの表面に画像を形成する画像形成装置であって、レーザ光を発する複数の光源31と、各光源31から発せられたレーザ光を伝搬させる複数の光ファイバ23、42と、光ファイバ42を保持するホルダ43と、各光ファイバ42の端面から出射されたレーザ光が通過するフライアイレンズ50、シリンドリカルレンズアレイ60、アパーチャアレイ70、レンズ80aおよびレンズ80bとを有し、アパーチャアレイ70のアパーチャ71が矩形である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に光を照射して該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、該画像形成装置に用いられる光記録ヘッドとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シート状またはプレート状の記録媒体に光を照射し、該記録媒体の表面に画像を形成するシステムが知られている。新聞印刷用の刷版を製作するCTP(Computer To Plate)システムは、その一例である。CTPシステムは、ベースフィルムやベースプレートの表面に形成されている樹脂層にレーザ光を照射し、該樹脂層の表面に画像を形成(露光)する。
【0003】
CTPシステムは、記録媒体が巻き付けられる回転ドラムと、回転ドラムに巻き付けられている記録媒体にレーザ光を照射する画像形成装置とを備えており、画像形成装置は、回転ドラムの回転軸方向に往復移動可能な光記録ヘッドを備えている。かかる構成を有するCTPシステムを用いて記録媒体上に画像を形成する際には、記録媒体が巻き付けられている回転ドラムを回転させつつ、画像形成装置の光記録ヘッドから記録媒体表面(樹脂層表面)に向けてレーザ光を出射して、樹脂層表面の一部を露光する。次いで、光記録ヘッドをドラムの回転軸方向に所定距離だけ移動させた後に、光記録ヘッドから樹脂層表面に向けて再びレーザ光を出射し、既に露光済みの領域に隣接する領域を露光する。以後、光記録ヘッドの移動と停止を繰り返して樹脂層表面の全域または所定領域を露光する。以下の説明では、回転ドラムの回転方向を“主走査方向”、光記録ヘッドの移動方向を“副走査方向”と呼ぶ場合がある。また、副走査方向と回転ドラムの回転軸方向とは互いに平行である。
【0004】
従来の画像形成装置は、光源としての複数の半導体レーザと、各半導体レーザから出射されたレーザ光を伝搬させる複数本の光ファイバとを少なくとも備えている。
【0005】
複数の半導体レーザと複数の光ファイバとは一対一で接続されており、各半導体レーザから出射されたレーザ光は、対応する光ファイバの一方の端部(始端部)から該光ファイバに入射し、他方の端部(終端部)から出射する。各光ファイバの終端部は光記録ヘッド内に引き込まれており、該ヘッド内で保持されている。具体的には、複数の光ファイバの終端部は、それらの出射端面がマトリックス状に配列されるように、光記録ヘッド内において保持されている。そして、マトリックス状に配列されている複数の出射端面からそれぞれ出射されたレーザ光が一対の集光レンズを介して記録媒体表面に集光される。
【0006】
ここで、記録媒体上に形成される画像が複数の画素の集合であることは自明であり、1つの光ファイバから出射される1つのレーザ光のスポットが1つの画素に対応していることも自明である。すなわち、10本の光ファイバが用意されている場合、1回に最大10画素分の露光が行われ、20本の光ファイバが用意されている場合、1回に最大20画素分の露光が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−153636号公報
【特許文献2】特開2005−193581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の画像形成装置では、各光ファイバから出射されたレーザ光が集光レンズを介して記録媒体上に集光される。よって、記録媒体上に形成されるレーザ光のスポットは円形となる。しかし、スポットが円形であると、各画素がぼやけてしまう。特に、各画素の四隅がぼやけてしまう。結果、複数の画素の集合である画像全体の精細さが低下してしまう。
【0009】
本発明の目的は、レーザ光のスポットを整形することによって、より高精細な画像の形成を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、記録媒体に照射されるレーザ光の光路上に、矩形のアパーチャが形成されたアパーチャアレイが配置されている。よって、記録媒体に照射されるレーザ光のスポットが矩形に整形されるので、画像の精細度が向上する。
【0011】
本発明に係る光記録ヘッドは、複数の光ファイバからそれぞれ出射されたレーザ光を記録媒体に照射する光記録ヘッドであって、前記複数の光ファイバを保持するホルダと、前記複数の光ファイバの端面からそれぞれ出射されたレーザ光が入射するフライアイレンズと、前記フライアイレンズを通過したレーザ光が入射するシリンドリカルレンズアレイと、前記シリンドリカルレンズアレイを通過したレーザ光が入射するアパーチャアレイと、前記アパーチャアレイの各アパーチャを通過したレーザ光を前記記録媒体の表面に集光させるレンズとを有し、前記アパーチャアレイの前記アパーチャが矩形であることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、記録媒体にレーザ光を照射して該記録媒体の表面に画像を形成する画像形成装置であって、レーザ光を発する複数の光源と、前記複数の光源からそれぞれ発せられたレーザ光を伝搬させる複数の光ファイバと、前記複数の光ファイバの端部を保持するホルダと、前記複数の光ファイバの端面からそれぞれ出射されたレーザ光が入射するフライアイレンズと、前記フライアイレンズを通過したレーザ光が入射するシリンドリカルレンズアレイと、前記シリンドリカルレンズアレイを通過したレーザ光が入射するアパーチャアレイと、前記アパーチャアレイの各アパーチャを通過したレーザ光を前記記録媒体の表面に集光させるレンズとを有し、前記アパーチャアレイの前記アパーチャが矩形であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来よりも高精細な画像を形成することができる画像形成装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明が適用されたCTPシステムの一例を示す構成図である。
【図2】図1に示されているCTPシステムに含まれる画像形成装置の構成概略図である。
【図3】図2に示す画像形成装置の構成詳細図である。
【図4】ホルダ、フライアイレンズ、シリンドリカルレンズアレイおよびアパーチャアレイを示す斜視図である。
【図5】ホルダ、フライアイレンズ、シリンドリカルレンズアレイおよびアパーチャアレイを示す分解斜視図である。
【図6】アパーチャアレイの部分拡大図である。
【図7】画像形成装置の変形例を示す構成詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明が適用されたCTPシステムの一例について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るCTPシステムは、画像形成装置10と、記録媒体Pが取り付けられる回転ドラム11と、回転ドラム11を回転させるためのモータ(ドラム駆動モータ12)と、回転ドラム11の回転量を検出するためのエンコーダ13と、画像形成装置10の光記録ヘッド22を制御するヘッド制御部15と、光記録ヘッド22を移動させるためのモータ(ヘッド駆動モータ)と、これらを統括的に制御する中央制御部16とを備えている。なお、図1ではヘッド駆動モータの図示は省略されている。
【0016】
中央制御部16は、メモリ、CPU(Central Processing Unit)、遅延回路、画像処理回路、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、VCO(Voltage Control Oscillator)などを備えている。中央制御部16には、不図示のコンピュータから画像データ、制御パラメータ、制御データなどの各種データや情報が入力され、必要に応じてメモリに格納される。さらに、中央制御部16は、ドラム駆動モータ12、エンコーダ13およびヘッド制御部15と相互に接続されている。中央制御部16は、エンコーダ13の検出結果およびメモリに格納されているデータやパラメータなどに基づいてドラム駆動モータ12を監視制御する。また、中央制御部16は、ヘッド制御部15によって検出される光記録ヘッド22の位置や移動速度およびメモリに格納されているデータやパラメータなどに基づいて光記録ヘッド22を監視制御する。
【0017】
回転ドラム11は円筒状であって、その表面に記録媒体Pが巻き付けられる。本実施形態では、記録媒体Pとしてサーマルプレートが巻き付けられる。サーマルプレートは、アルミニウムからなるベースプレートと、ベースプレートの表面に形成された感光層を含む樹脂層とを少なくとも有する。なお、ベースプレートの厚みは、一般的には約0.3mmであり、感光層の厚みは、一般的には1.0〜3.0μmである。もっとも、ベースプレートおよび感光層の厚みは上記数値に限定されるものではない。
【0018】
回転ドラム11の回転軸とドラム駆動モータ12の回転軸とは、プーリーおよびベルトを含む伝達機構18を介して連結されている。よって、中央制御部16の制御の下でドラム駆動モータ12が駆動されると、ドラム駆動モータ12の回転力が回転ドラム11に伝達され、回転ドラム11が主走査方向(図中の矢印a方向)に回転する。
【0019】
次に、画像形成装置10について詳細に説明する。図2、図3に示すように、画像形成装置10は、光源ユニット21と、光記録ヘッド22と、光源ユニット21と光記録ヘッド22との間に光導波路を形成する複数本の光ファイバ23とを備えている。
【0020】
図3に示すように、光源ユニット21は、複数の半導体レーザ31と、それら半導体レーザ31を駆動する駆動ドライバ32と、各半導体レーザ31から出射されたレーザ光を所定の光ファイバ23に入射させるレンズ33と、半導体レーザ31を冷却する冷却手段(不図示)とを有する。
【0021】
本実施形態では、半導体レーザ31の発振波長は830nmである。また、半導体レーザ31、レンズ33および冷却手段は共通の基板34に設けられて一体化されている。さらに、各光ファイバ23の始端部は、基板34に固定されている。すなわち、半導体レーザ31、レンズ33、冷却手段および光ファイバ23はユニット化されている。
【0022】
本実施形態では、基板34の実装面上に64個の半導体レーザ31が搭載されており、これに対応して64個のレンズ33と64本の光ファイバ23が用意されている。もっとも、半導体レーザ31の数は適宜増減させることができ、半導体レーザ31の数に応じてレンズ33および光ファイバ23の数も適宜増減させることができる。
【0023】
一方、半導体レーザ31の冷却手段は、基板34の裏面(実装面と反対側の面)に設けられている。冷却手段は、例えば、ペルチェ素子を用いて実現することができる。また、ファンによって空冷式の冷却手段を実現することもできる。さらに、冷媒、冷媒循環路およびポンプによって液冷式の冷却手段を実現することもできる。
【0024】
次に、光記録ヘッド22について詳細に説明する。光記録ヘッド22は、光ファイバ23の終端部が着脱可能に接続される光コネクタ41と、光コネクタ41を介して各光ファイバ23にそれぞれ接続される複数本(本実施形態では64本)の光ファイバ42と、各光ファイバ42の終端部を保持するホルダ43と、各光ファイバ42から出射されたレーザ光を記録媒体Pの表面に導く光学系とを備えている。かかる光記録ヘッド22は、中央制御部16の制御の下でヘッド駆動モータが駆動されると、図1に示す2本のガイドレール24に沿って副走査方向(図中の矢印b方向)に移動する。
【0025】
光記録ヘッド22に内蔵されている上記光学系は、各光ファイバ42の出射端面から出射されたレーザ光が入射するフライアイレンズ50と、フライアイレンズ50から出射されたレーザ光が入射するシリンドリカルレンズアレイ60と、シリンドリカルレンズアレイ60から出射されたレーザ光が入射するアパーチャアレイ70と、アパーチャアレイ70を通過したレーザ光が入射するレンズ80aと、レンズ80aから出射されたレーザ光が入射するレンズ80bとを有する。
【0026】
図4および図5に示すように、ホルダ43は、図中のY方向に積層された5つのブロック44からなる。以下の説明では、最下段のブロックから順にブロック44a、ブロック44b、ブロック44c、ブロック44dおよびブロック44eと呼んで区別する。もっとも、かかる区別は説明の便宜上の区別に過ぎない。
【0027】
ブロック44a〜44dの底面は平坦であり、上面には16本の溝45が一定間隔で平行に形成されている。各溝45は略矩形の断面形状を有し、ブロック44の長手方向(X方向)に沿って並んでいる。一方、最上段のブロック44eは、底面のみでなく、上面も平坦である。なお、溝45の断面形状は、光ファイバ42を位置決め可能な形状であればよく、例えばV字形であってもよい。
【0028】
ブロック44a〜44dに形成されている溝45内には、光ファイバ42が1本ずつ配置されている。すなわち、ブロック44aの上には16本の光ファイバ42の終端部がX方向に沿って並べられ、該ブロック44aの上にブロック44bが重ねられている。結果、ブロック44aの上の16本の光ファイバ42の終端部は、該ブロック44aとブロック44bとの間に挟まれている。同様に、ブロック44bの上の16本の光ファイバ42の終端部は、該ブロック44bとブロック44cとの間に挟まれており、ブロック44cの上の16本の光ファイバ42の終端部は、該ブロック44cとブロック44dとの間に挟まれており、ブロック44dの上の16本の光ファイバ42の終端部は、該ブロック44dとブロック44eとの間に挟まれている。
【0029】
図5に示すように、ホルダ43による上記保持により、64本の光ファイバ42の終端部は、マトリックス状に配列されている。換言すれば、ホルダ43の前面には、64個の出射端面42aが所定ピッチでマトリックス状に配列されている(16×4)。さらに換言すれば、X方向に沿って一列に並べられた16個の出射端面42aからなる出射端面列が、Y方向に沿って4列設けられている。なお、各出射端面列における出射端面間のピッチ(隣接する出射端面の中心間距離)は240μmである。また、各出射端面列の一端に位置する出射端面から他端に位置する出射端面までの距離は3.6mmである。
【0030】
再び図3を参照すると、ホルダ43の前方には、フライアイレンズ50、シリンドリカルレンズアレイ60およびアパーチャアレイ70がこの順で配置されている。
【0031】
図5に示すように、フライアイレンズ50には、64個のレンズエレメント51が形成されている。それら64個のレンズエレメント51は、光ファイバ42の出射端面42aと同一ピッチでマトリックス状に配列されている。すなわち、フライアイレンズ50には、X方向に沿って一列に並べられた16個のレンズエレメント51からなるレンズエレメント列が、Y方向に沿って4列形成されている(16×4)。
【0032】
シリンドリカルレンズアレイ60には、シリンドリカルレンズエレメント61が4列形成されている。各列のシリンドリカルレンズエレメント61は、同じ高さのレンズエレメント列に対応している。例えば、1列目(最下段)のシリンドリカルレンズエレメント61は、1列目(最下段)のレンズエレメント列に対応している。また、2列目(下から2段目)のシリンドリカルレンズエレメント61は、2列目(下から2段目)のレンズエレメント列に対応している。
【0033】
アパーチャアレイ70には、64個のアパーチャ(開口部)71が形成されている。これらアパーチャ71は、フライアイレンズ50のレンズエレメント51と同一ピッチでマトリックス状に配列されている。換言すれば、アパーチャ71は、光ファイバ42の出射端面42aと同一ピッチでマトリックス状に配列されている。すなわち、アパーチャアレイ70の上には、X方向に沿って一列に並べられた16個のアパーチャ71からなるアパーチャ列が、Y方向に沿って4列形成されている(16×4)。
【0034】
各光ファイバ42の出射端面42aから出射されたレーザ光は、該出射端面42aと対向しているレンズエレメント51に入射する。ここで、各レンズエレメント51の光入射面は平坦であり、光出射面は凸面である。すなわち、各レンズエレメント51は平凸レンズと等価である。レーザ光は、レンズエレメント51を通過することよってコリメートまたは収束される。
【0035】
各レンズエレメント51によってコリメートまたは収束されたレーザ光は、該レンズエレメント51と対向しているシリンドリカルレンズエレメント61に入射する。具体的には、同一のレンズエレメント列に属する16個のレンズエレメント51を通過したレーザ光が、該レンズエレメント列と対向しているシリンドリカルレンズエレメント61に入射する。ここで、各シリンドリカルレンズエレメント61は、Y方向には曲率を有するが、X方向には曲率を有さない。よって、レーザ光は、シリンドリカルレンズエレメント61を通過することによってY方向にのみコリメートされる。
【0036】
したがって、図6に示すように、アパーチャアレイ70の光入射面におけるレーザ光のスポット100は、X方向を長軸方向とする楕円形となる。しかし、同図に示すように、各アパーチャ71は、縦(h)20μm×横(w)60μmの矩形であり、このアパーチャ71を通過することによってレーザ光のスポット100は矩形または略矩形に整形される。
【0037】
再び図3を参照する。アパーチャアレイ70の前方には、レンズ80a、遮光板81およびレンズ80bがこの順で配置されている。一対のレンズ80a、80bは、各アパーチャ71を通過したレーザ光を記録媒体Pの表面に集光させる集光レンズ(結像レンズ)を構成している。遮光板81は、必要に応じてレンズ80aとレンズ80bとの間の光路に挿入されてレーザ光を遮る。遮光板81は、例えば、当該画像記録装置が待機状態または電源OFF状態のときにレンズ80aとレンズ80bとの間の光路に挿入される。なお、レンズ80a、80bは、1つの両凸レンズに置換することもできる。
【0038】
以上のように、本発明によれば、記録媒体に照射される各レーザ光のスポットが矩形または略矩形に整形される。よって、各レーザ光によって形成(露光)される各画素のボケが解消され、高精細な画像が得られる。
【0039】
図7に画像形成装置10の変形例の一つを示す。図示されている画像形成装置10には、半導体レーザ31をフィードバック制御するための手段と、記録媒体Pのエッジを検出するための手段とが追加されている。フィードバック制御手段は、ミラー90、レンズ91および光センサ92を含む。ミラー90は、アパーチャアレイ70とレンズ80aとの間に配置され、アパーチャアレイ70を通過したレーザ光の一部(例えば、10%)を反射する。レンズ91は、ミラー90によって反射されたレーザ光を光センサ92に入射させる。光センサ92は、入射したレーザ光の強度に応じた電気信号を出力する。光センサ92から出力された電気信号は駆動ドライバ32に入力され、半導体レーザ31の制御に利用される。
【0040】
エッジ検出手段93は、回転ドラム11(図1)に巻き付けられている記録媒体Pのエッジを光学的に検出し、検出結果を中央制御部16に入力する。
【0041】
本実施形態では、発振波長が830nmの半導体レーザ31が用いられている。しかし、記録媒体に応じて発振波長が異なる他の半導体レーザを用いることもできる。例えば、記録媒体がフォトポリマープレートである場合には、発振波長が400nm前後の半導体レーザを用いることが好ましい。また、半導体レーザ31に代えて、アルゴンレーザやYAGレーザなどを用いることもできる。
【0042】
また、本実施形態では、光ファイバ23の終端部が光記録ヘッド22に着脱可能とされている。しかし、光ファイバ23の始端部を光源ユニット21に着脱可能としてもよい。
【0043】
さらに、本実施形態では、レーザ光を2本の光ファイバ(光ファイバ23、42)を用いて伝搬させているが、1本の光ファイバで伝搬させてもよい。例えば、図3や図7に示されている光ファイバ23を延長し、該光ファイバ23の終端部をホルダ43によって保持してもよい。また、光ファイバ42を延長し、該光ファイバ42の始端部を基板34に固定してもよい。
【0044】
また、本実施形態では、光源ユニット21と光記録ヘッド22が別体に設けられているが、両者を一体化させてもよい。
【0045】
本明細書では、CTPシステムを例にとって本発明の実施形態の一例について説明した。しかし、本発明の画像形成装置や光記録ヘッドは、CTPシステム以外のシステムや装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0046】
10 画像形成装置
21 光源ユニット
22 光記録ヘッド
23 光ファイバ
31 半導体レーザ
42 光ファイバ
43 ホルダ
50 フライアイレンズ
51 レンズエレメント
60 シリンドリカルレンズアレイ
61 シリンドリカルレンズエレメント
70 アパーチャアレイ
71 アパーチャ
80a、80b レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバからそれぞれ出射されたレーザ光を記録媒体に照射する光記録ヘッドであって、
前記複数の光ファイバを保持するホルダと、
前記複数の光ファイバの端面からそれぞれ出射されたレーザ光が入射するフライアイレンズと、
前記フライアイレンズを通過したレーザ光が入射するシリンドリカルレンズアレイと、
前記シリンドリカルレンズアレイを通過したレーザ光が入射するアパーチャアレイと、
前記アパーチャアレイの各アパーチャを通過したレーザ光を前記記録媒体の表面に集光させるレンズと、を有し、
前記アパーチャアレイの前記アパーチャが矩形であることを特徴とする光記録ヘッド。
【請求項2】
前記複数の光ファイバの端面が所定ピッチでマトリックス状に配列されており、
前記フライアイレンズ上の複数のレンズエレメントは、前記複数の光ファイバの端面と同一ピッチでマトリックス状に配列されており、
前記アパーチャアレイ上の複数のアパーチャは、前記レンズエレメントと同一ピッチでマトリックス状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の光記録ヘッド。
【請求項3】
前記フライアイレンズ上には、X方向に沿って並べられた複数の前記レンズエレメントからなるレンズエレメント列が前記X方向と直交するY方向に沿って2列以上形成され、
前記シリンドリカルレンズアレイ上には、前記フライアイレンズ上の各レンズエレメント列に対応して複数のシリンドリカルレンズエレメントが形成され、
前記シリンドリカルレンズエレメントは、前記Y方向には曲率を有するが、前記X方向には曲率を有さず、
前記アパーチャアレイ上の前記アパーチャは、前記Y方向を短辺方向とし、かつ、前記X方向を長辺方向とする長方形であることを特徴とする請求項2に記載の光記録ヘッド。
【請求項4】
記録媒体にレーザ光を照射して該記録媒体の表面に画像を形成する画像形成装置であって、
レーザ光を発する複数の光源と、
前記複数の光源からそれぞれ発せられたレーザ光を伝搬させる複数の光ファイバと、
前記複数の光ファイバの端部を保持するホルダと、
前記複数の光ファイバの端面からそれぞれ出射されたレーザ光が入射するフライアイレンズと、
前記フライアイレンズを通過したレーザ光が入射するシリンドリカルレンズアレイと、
前記シリンドリカルレンズアレイを通過したレーザ光が入射するアパーチャアレイと、
前記アパーチャアレイの各アパーチャを通過したレーザ光を前記記録媒体の表面に集光させるレンズと、を有し、
前記アパーチャアレイの前記アパーチャが矩形であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の光ファイバの端面が所定ピッチでマトリックス状に配列されており、
前記フライアイレンズ上の複数のレンズエレメントは、前記複数の光ファイバの端面と同一ピッチでマトリックス状に配列されており、
前記アパーチャアレイ上の複数のアパーチャは、前記レンズエレメントと同一ピッチでマトリックス状に配列されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記フライアイレンズ上には、X方向に沿って並べられた複数の前記レンズエレメントからなるレンズエレメント列が前記X方向と直交するY方向に沿って2列以上形成され、
前記シリンドリカルレンズアレイ上には、前記フライアイレンズ上の各レンズエレメント列に対応して複数のシリンドリカルレンズエレメントが形成され、
前記シリンドリカルレンズエレメントは、前記Y方向には曲率を有するが、前記X方向には曲率を有さず、
前記アパーチャアレイ上の前記アパーチャは、前記Y方向を短辺方向とし、かつ、前記X方向を長辺方向とする長方形であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記光源が半導体レーザ、アルゴンレーザまたはYAGレーザのいずれかであることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記光源を備えた光源ユニットと、
前記光ファイバ、ホルダ、フライアイレンズ、シリンドリカルレンズアレイおよびアパーチャアレイを備えた光記録ヘッドと、
前記光源ユニットと前記光記録ヘッドとの間に、前記光源から発せられたレーザ光を前記光源ユニットに伝搬させるための光導波路を形成する第2の光ファイバとを有することを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2の光ファイバが、前記光源ユニットと前記光記録ヘッドの少なくともいずれか一方に対して接続および接続解除が可能であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。

【図4】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68807(P2013−68807A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207493(P2011−207493)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】