説明

光走査装置および画像形成装置

【課題】光学ハウジングの振動を抑制することができる光走査装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】光学ハウジング500の底面の開口部504BK,504C以外の箇所に2個のアーチ部503a,503bを設けた。具体的には、ポリゴンスキャナ53が取り付けられた箇所と、BK色用の防塵ガラス58BKが取り付けられた開口部504BKとの間に第1のアーチ部503aを設けた。また、BK色用の防塵ガラス58BKが取り付けられた開口部504BKとC色用の防塵ガラス58Cが取り付けられた開口部504Cとの間に第2のアーチ部503bを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の中には、潜像担持体上に画像情報に応じた書込光を偏向走査することにより照射して潜像担持体上に潜像を形成し、この潜像を現像して画像を得るものが知られている。書込光を偏向走査する光走査装置は、一般に、レーザダイオード(LD)などの光源から照射された光が、コリメートレンズやシリンドリカルレンズなどの光学素子によって所定の形状に成形されて光変偏向装置たるポリゴンスキャナのポリゴンミラーに入射する。ポリゴンミラーに入射した光は、偏向走査され、走査レンズ、反射ミラー等の光学素子を通った後、光学ハウジングの底面部の防塵ガラスが取り付けられた開口部から潜像担持体に照射される。上記光学素子、ポリゴンスキャナは、箱型形状の光学ハウジングに固定されている。
【0003】
ポリゴンミラーが高速回転することにより生じる振動などにより光学ハウジングが振動する場合がある。光学ハウジングが振動すると、光学ハウジングに固定されている光学素子が振動し、光学素子の位置や姿勢が変動し、その結果、画像の劣化を招いてしまうおそれがあった。
【0004】
特許文献1には、光学ハウジングの底面部全体をアーチ形状にして光学ハウジング底面部の剛性を高めることで、光学ハウジングの振動を抑える光走査装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の光走査装置においては、光学ハウジングの底面部全体をアーチ形状にしているため、アーチ形状の部分に光学ハウジング内の光を潜像担持体へ照射するための開口部が形成される。このように、アーチ形状の部分に開口部があると、その開口部が、他の部分よりも強度が弱くなり、開口部からアーチが座屈する場合があり、光学ハウジングの振動を十分に抑制できないという課題があった。
【0006】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、光学ハウジングの振動を抑制することができる光走査装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光源と、前記光源から発射された光束を主走査方向に偏向走査せしめる偏向手段と、前記偏向手段によって偏向せしめられた光束を被走査面に導く複数の光学素子と、前記光源、偏向手段、前記光学素子が搭載されるハウジングと、前記ハウジングに前記光束が被走査面に入射されるように形成された開口部を有する光走査装置において、前記ハウジングの複数の面のうち、開口部が形成された面の一部にアーチ形状部を設け、前記アーチ形状部以外の箇所に前記開口部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アーチ形状部以外に開口部を設けたので、光学ハウジングのアーチ形状部は、アーチ形状部に開口部を設けたものに比べて、座屈しにくい。これにより、アーチ形状部に開口部を有しているものに比べて、光学ハウジングの剛性を高めることができる。その結果、光学ハウジングの振動を抑制することができ、光学ハウジングに取り付けられた光学素子の位置や姿勢が変動するのを抑制することができ、走査線の乱れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタを示す模式図。
【図2】第1の書込装置の周辺を示す斜視図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】プリンタから排紙カバーなどの外装を取り除いた状態を示す平面図。
【図5】図2のY方向から見た図。
【図6】図2のZ方向から見た図。
【図7】図4のX−X断面図。
【図8】前側板の前側支持部の斜視図。
【図9】図4のT−T断面図。
【図10】図4のU−U断面図。
【図11】後側板と、第1書込装置の後側筐体部との周辺の構造を示す斜視図。
【図12】第2書込装置を取り除いた状態の後側板と、第1書込装置の後側筐体固定部との周辺の構造を示す斜視図。
【図13】a)は、アーチ形状の梁に荷重が加わった際の応力分布を示す図であり、(b)は、直線形状の梁に荷重が加わった際の応力分布を示す図である。
【図14】(a)は、底面が平面状の箱型形状のモデルを示す斜視図であり、(b)底面にリブを設けた箱型形状のモデルを示す斜視図、(c)は、底面に2個のアーチ部を有する箱型形状のモデルを示す斜視図。
【図15】構造解析のシミュレーション条件について説明した図。
【図16】トナーボトルを、書込装置のアーチ部に対向させて設けたプリンタの要部を示す模式図。
【図17】変形例の書込装置の斜視図。
【図18】変形例の書込装置の平面図。
【図19】図17のD−D断面図。
【図20】図17のZ1方向から見た図。
【図21】図17のY1方向から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置である複写機に適用した一実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ10を示す模式図である。
このプリンタ10は、主に、イエロー(以下「Y」と記載し、イエロー用の部材の符号には色別符号として「Y」を付す。シアン、マゼンタ、ブラックについても同様。)用の作像部4Y、M(マゼンタ)用の作像部4M、C(シアン)用の作像部4C、BK(ブラック)用の作像部4BKの4つの作像部と、中間転写材である中間転写ベルト1とを有している。また、作像部4Y,M,C,BKの上には、第1の書込装置5a、第2の書込装置5bの一部が重なるようにして横並びに配置されている。
【0012】
各書込装置5a,5bは、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等から入力される色分解された画像データを、光源駆動用の信号に変換し、それに従い各レーザ光源ユニット内の半導体レーザを駆動して光ビームを出射するようになっている。
【0013】
各作像部4Y,4M,4C,4BKは、それぞれ、回転駆動される潜像担持体としての感光体41Y,41M,41C,41BK、それぞれの感光体41Y,41M,41C,41BKの周囲に配置される帯電部42Y,42M,42C,42BK、現像部43Y,43M,43C,43BK、クリーニング部44Y,44M,44C,44BK等により構成されている。感光体41Y,41C,41M,41BKは、円筒状に形成された感光体ドラムであり、図示しない駆動源により回転駆動される。各帯電部42Y,42M,42C,42BKは、それぞれ対応する感光体41Y,41M,41C,41BK41の表面を所定電位となるように一様帯電するものである。本実施形態の帯電部42Y,42M,42C,42BKは、帯電ローラ等の帯電部材を感光体41Y,41M,41C,41BKの表面に接触又は近接させて帯電処理する接触帯電方式のものを採用しているが、これに限られない。
【0014】
第1の書込装置5aから出射された光ビームが帯電部42Bk,42Cにより一様帯電された感光体41Bk,41Cの表面にスポット照射されることにより、感光体41Bk,41C表面にはそれぞれの画像情報に応じた静電潜像が書き込まれる。また、第2の書込装置5bから出射された光ビームが帯電部42M,42Yにより一様帯電された感光体41M,41Yの表面にスポット照射されることにより、感光体41M,41Y表面にはそれぞれの画像情報に応じた静電潜像が書き込まれる。
【0015】
各現像部43Y,43M,43C,43BKは、感光体41Y,41M,41C,41BK上の静電潜像にトナーを付着させることにより、その静電潜像をトナー像として顕像化させるもので、感光体41Y,41M,41C,41BKに対して非接触状態でトナーを供給する非接触現像方式のものが採用されている。各クリーニング部44Y,44M,44C,44BKは、感光体41Y,41M,41C,41BKの表面に付着している転写残トナー等の不要物を除去するもので、感光体表面にブラシを接触させてクリーニングするブラシ接触方式のものが採用されている。
【0016】
作像部4Y,4M,4C,4BKの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト1を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット12が配設されている。転写手段たる転写ユニット12は、中間転写ベルト1の他に、テンションローラ2、2次転写対向ローラ3、4つの1次転写ローラ6Y,6M,6C,6BK、2次転写ローラ7、不図示のベルトクリーニング装置などを備えている。
【0017】
転写ユニット12の鉛直方向下方には、シートを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット13が配設されている。この給紙カセット13は、シート束の一番上のシートに給紙ローラ13aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、そのシートを送り出す。
【0018】
各感光体41Y,41M,41C,41BK上に形成された各色トナー像が、各一次転写ローラ6Y,6M,6C,6BKによって、順次中間転写ベルト1に互いに重なり合うように転写される。このように重なった中間転写ベルト1上の画像は、2次転写ローラ7によってシートに転写される。
画像が転写されたシートは、その後に定着器14に搬送され、熱と圧力によって画像がシートに定着される。その後、シートは、排紙ローラ対15により排紙カバー16へ排出される。
【0019】
次に、書込装置5a,5bについて説明する。第1,第2の書込装置5a,5bは、排紙カバー16の傾斜に略平行に対向するように傾いて設置されていて、両者がプリンタ10の排紙側から見て一部重なるように配置されている。もちろん略平行でなかったり、重なりがなかったりしても問題ないが、重なる部分をもつことでプリンタ10を小型化することができる。
【0020】
第1の書込装置5a、第2の書込装置5bの構成は、同じであるので、以下の説明では、第1の書込装置5aについて説明する。
図2は、第1の書込装置5aの周辺を示す斜視図であり、図3は、第1の書込装置5aを側方から見た断面図である。
第1の書込装置5aは、BK色の感光体41BKとC色の感光体41Cとに走査光線Lを照射するものであり、図2、図3に示すように、LDユニット51、ポリゴンスキャナ53、走査レンズ(fθレンズ)54、反射ミラー55C,55BK,56BK、シリンドリカルレンズ57BK,57Cなどを有し、これらが光学ハウジング500に収納されている。光学ハウジング500は、上面が開放した箱型の形状であり、上面がカバー部材503(図4参照)で覆われていて、書込装置内への塵芥の侵入を防いでいる。LDユニット51、ポリゴンスキャナ53は、光学ハウジング500の一端側に収納されている。光学ハウジング500は、ガラス繊維を含有した熱可塑性樹脂で構成され、底面および底面の4辺に設けられた側面とが一体成形されている。
【0021】
LDユニット51は、感光体41BKに走査光線LBkを照射するための半導体レーザからなるBK用の光源52BKと、感光体41Cに走査光線Lcを照射するための半導体レーザからなるC用の光源52Cとを保持している。LDユニット51では、図2に示すように、BK色用の光源52BKから出射された光束とC色用の光源52Cから出射された光束とがポリゴンミラー53aの同じ位置に照射するようにBK色用光源52BK及びC色用光源52Cが装着保持されている。
【0022】
偏向手段としてのポリゴンスキャナ53は、正多角柱形状からなる回転多面鏡たるポリゴンミラー53aと、不図示のポリゴンモータと、ポリゴンモータの駆動を制御するための電子部品を搭載した回路基板53bとで構成されており、光学ハウジング500の底面の一端部にネジによって締結されている。ポリゴンミラー53aは、その6つの側面に反射鏡を有している。本実施形態においては、ポリゴンミラー53aを正六角柱形状として、側面に6つの反射鏡を有しているが、これに限定されるものではない。
【0023】
LDユニット51に固定されたBK色用の光源52BKから出射された光束は、LDユニット51とポリゴンスキャナ53との間の光路上に配置されたコリメートレンズ59aにより、発散光束が平行光束に変換された後、シリンドリカルレンズ59bを透過することで、副走査方向(感光体表面上における感光体表面移動方向に相当する方向)に集光せしめられ、ポリゴンミラー53aに入射する。ポリゴンミラー53aに入射した光は、ポリゴンミラー53aの反射鏡に反射しながら主走査方向(感光体表面上における軸線方向に相当する方向)に偏向せしめられる。次に、ポリゴンミラー53aによって一定の角速度で主走査方向に偏向せしめられる光束の偏向方向の移動速度を等速に変換する走査レンズ54、図3に示すように、第1反射ミラー55BK、第2反射ミラー56BKを順次経由する。そして、シリンドリカルレンズ57BKによりポリゴンミラーの面倒れが補正された後、光学ハウジング500の底面に形成された開口部504BKを覆うようにして設けられた防塵ガラス58BKを透過して感光体41BKの表面を光走査する。
【0024】
また、LDユニット51に固定されたC色用の光源52Cから出射された光束は、同様に不図示のコリメートレンズやシリンドリカルレンズなどの複数の光学素子を通過して、ポリゴンミラー53aのBK色の光束と、同一の位置に入射する。そして、ポリゴンミラー53aの反射鏡に反射しながら主走査方向に偏向せしめられ、走査レンズ54、第1反射ミラー55C、シリンドリカルレンズ57C,防塵ガラス58Cを透過して感光体41Cの表面を光走査する。本実施形態においては、1枚の走査レンズ54を使用する構成であるが、BK色用、C色用それぞれの走査レンズを有する構成でもよい。また、走査レンズ54として、副走査方向にパワーを持つ走査レンズを用いて、シリンドリカル57BK,57Cを無くしてもよい。
【0025】
次に、書込装置のプリンタ10への位置決め固定について説明する。
第1、第2書込装置のプリンタ10への位置決め固定も同じであるので、以下の説明では、第1の書込装置5aについて説明する。
図4は、プリンタ10から排紙カバー16などの外装を取り除いた状態を示す平面図であり、図5は、図2のY方向から第1の書込装置5aを見た図であり、図6は、図2のZ方向から第1の書込装置5aを見た図である。
図4に示すように、プリンタ10の本体筐体30は、前側板31(図中下側)、後側板32(図中上側)、底板34、一対のステー33a,33bを有している。本体筐体30は、それぞれ別体の底板34、前側板31、後側板32、ステー33a,33bをつないだものでも、底板34、前側板31、後側板32、ステー33a,33bが一体で形成されたものでもよい。底板34、前側板31、後側板32、ステー33a,33bは、板金や樹脂などで構成される。前側板31、後側板32の間に書込装置5a,5bや作像部4Y,4M,4C,4BK、転写ユニット12などが設置されている。また、後側板32には、各感光体41Y,41M,41C,41BKや、中間転写ベルト1などを駆動するためのモ−タやギヤ列等が配設された駆動手段たる駆動ユニット35が取り付けられている。
【0026】
図6に示すように、書込装置の光学ハウジング500の後側板32と対向する側面の両端と、図5に示すように前側板31と対向する側面の略中央部とには、それぞれ、側面から突出する被固定部としての筐体固定部501,502a,502bが設けられている。詳細は、後述するが、光学ハウジング500の前側板31と対向する側面に設けられた前側筐体固定部501は、前側板31にネジ止めされ、光学ハウジング500の後側板32と対向する側面に設けられた2個の後側筐体固定部502a,502bは、板バネ37a,37bにより後側板32に挟持固定される。
【0027】
まず、書込装置の前側板31側の固定について説明する。また、以下の説明では、高さ方向をZ軸方向、水平方向をX軸方向、奥行方向をY軸方向として説明する。
図7は、図4のX−X断面図であり、図8は、前側板31の前側支持部21の斜視図である。
図7、図8に示すように前側筐体固定部501が固定される固定部としての前側支持部21は、前側板31から後側板32側へ突出しており、X軸方向(水平方向)に延びるベース部21aと、ベース部21aの両端からZ軸方向(高さ方向)に傾斜した傾斜部21bとを有している。また、ベース部21aには、ボス部21cが設けられている。ボス部21cには、ネジ穴が形成されている。
【0028】
図7に示すように、被固定部としての前側筐体固定部501は、X軸方向にある程度の幅を有した略四角筒形状で、下面には、ベース部21aのボス部21cが挿入されるボス部挿入穴501aが設けられている。また、前側筐体固定部501には、前側支持部21の傾斜部21bと当接する湾曲形状の曲面部501bが設けられている。また、前側筐体固定部501の上面には、ネジ38が挿入されるネジ挿入穴501cが設けられている。
【0029】
前側支持部21のベース部21aに設けられたボス部21cを前側筐体固定部501のボス部挿入穴501aに挿入して、前側筐体固定部501を前側支持部21の載せると、前側筐体固定部501の曲面部501bが、前側支持部21の傾斜部21bと当接する。このように、前側筐体固定部501の曲面部501bが、前側支持部21の傾斜部21bに当接することにより、前側筐体固定部501が、本体筐体30に対して、X軸方向、Z軸方向に位置決めされる。また、前側支持部21のベース部21aに設けられたボス部21cが、前側筐体固定部501のボス部挿入穴501aに挿入されることにより、前側筐体固定部501が、本体筐体30に対して、Y軸方向に位置決めされる。
【0030】
このようにして、本体筐体30に位置決め支持された前側筐体固定部501のネジ挿入穴にネジ38を挿入して、ボス部21cのネジ穴にネジ38をネジ込むことで、前側筐体固定部501が、前側支持部21にネジ止めされる。また、ネジ38で締結された後も、図7に示すように、ボス部21cと、前側筐体固定部501の上側内面との間に距離dの隙間ができるように、前側筐体固定部501の上側内面の一部に切り欠きを形成している。こうすることで本体筐体30に対する前側筐体固定部501のZ軸方向の位置は、常に前側筐体固定部501の曲面部501bが前側支持部21の傾斜部21bに当接することにより決められる。
【0031】
次に、書込装置の後側板32側の固定について説明する。
図9は、図4のT−T断面図であり、図10は、図4のU−U断面図である。また、図11は、後側板32と、第1の書込装置5aの後側筐体固定部502a,502bとの周辺の構造を示す斜視図であり、図12は、第2の書込装置5bを取り除いた状態の後側板32と、第1の書込装置5aの後側筐体固定部502a,502bとの周辺の構造を示す斜視図である。
図10、図12などに示すように、後側板32の書込装置と対向する面には、第1の後側筐体固定部502aが固定支持される第1の後側支持部22aと、第2の後側筐体固定部502bが固定支持される第2の後側支持部22bとが、後側板32から突出して設けられている。
【0032】
図9、図11に示すように、後側板32の駆動ユニット35が取り付けられた側には、板バネ37a,37bが固定される台座部36a,36bが、設けられている。また、後側板32には、台座部36a,36bに取り付けられた板バネ37a,37bの先端が、後側支持部22a,22bと対向するように、板バネ37が貫通するための矩形状の貫通孔23a,23bが設けられている。
【0033】
各後側筐体固定部502a,502bは、同じ形状をしており、図10に示すように、下面5021a,5021bが下方へ向けて突出した湾曲形状となっている。
【0034】
第1の後側筐体固定部502aを第1の後側支持部22aに載せると、図10に示すように、後側筐体固定部502aの湾曲形状の下面5021aが支持部22aのX軸方向(水平方向)に平行な平面と当接する。これにより、第1の後側筐体固定部502aが、本体筐体30に対してZ軸方向に位置決めされる。また、第2の後側筐体固定部502bを第2の後側支持部22bに載せると、後側筐体固定部502bの湾曲形状の下面5021bが支持部22bの2個の傾斜面と当接する。これにより、第2の後側筐体固定部502bが、本体筐体30に対してX軸方向、Z軸方向に位置決めされる。このように、各後側筐体固定部502a,502bを各後側支持部22a,22bで支持したら、板バネ37a,37bをそれぞれ貫通孔23a,23bに貫通させ、板バネ37a,37bの先端を後側筐体固定部502a,502bの上面と対向させた状態で板バネ37a,37bを台座部36a,36bにネジ39a,39bでネジ止めする。これにより、各後側筐体固定部502a,502bが、各後側支持部22a,22b側に付勢され、各後側筐体固定部502a,502bが、板バネ37a,37bと各後側支持部22a,22bとにより挟持固定される。
【0035】
このように、本実施形態においては、第2後側筐体固定部502bと、前側筐体固定部501とが、X軸方向に位置決めされることにより、書込装置5が、本体筐体30に対してX軸方向およびZ軸方向回りに位置決めされる。また、各筐体固定部501,502a,502bが本体筐体30に対してZ軸方向に位置決めされることにより、書込装置5が、Z軸方向、Y軸方向回り、X軸方向回りに位置決めされる。また、前側筐体固定部501が、本体筐体30に対してY軸方向に位置決めされることにより、書込装置5が本体筐体30に対してY軸方向に位置決めされる。これにより、書込装置5は、本体筐体30に対して、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、X軸方向回り、Y軸方向回り、Z軸方向回りに位置決めされて、本体筐体30に固定することができる。その結果、感光体への走査光のビームスポット径が規定から外れたり、感光体へ照射される走査線が傾いたりするのを抑制することができる。
【0036】
また、各筐体固定部501,502a,502bは、本体筐体30の内側で位置決め固定されている。よって、ネジ38および板バネ37a,37bを取り外し、書込装置をZ軸方向(上方へ)に引き出すだけで、本体筐体30から書込装置を取り外すことができる。これにより、簡単に書込装置の交換を行うことができる。
【0037】
また、例えば、前側筐体固定部501が、前側支持部21の傾斜面と面接触させるなどして、前側筐体固定部501により、Z軸方向回りにも位置決めすることができる場合は、第2の後側支持部22bを、第1の後側支持部22aと同様に、X軸方向に延びる平面とし、第2の後側筐体固定部もX軸方向のみ位置決めされる構成としてもよい。
【0038】
また、第1の後側筐体固定部502aと、第2後側筐体固定部502bとは、なるべく離して設けるのが好ましい。これは、第1の後側筐体固定部の第1の後側支持部との固定位置(第1の後側筐体部と第1の後側支持部との当接位置)、または、第2の後側筐体固定部502b第2の後側支持部との固定位置(第2の後側筐体部と第2の後側支持部との当接位置)が、規定の位置に対してZ軸方向にずれていた場合、光書込装置を取り付けた際のY軸方向回りの傾きを抑えることができるからである。
【0039】
また、本実施形態においては、後側筐体固定部502a,502bを板バネ37により本体筐体30に固定している。これは、各筐体固定部501,502a,502bをネジ止めした場合、本体筐体30が捩れ変形すると、書込装置も本体筐体30の捩れに追随して捩れ変形してしまう。一方、本実施形態のように、後側筐体固定部502a,502bを板バネ37により本体筐体30に固定することで、本体筐体30が捩れ変形しても、光学ハウジングの剛性により、板バネ37を押し上げて、後側支持部から浮き上がり、光学ハウジングが、本体筐体30とともに捩れ変形するのを抑制することができる。また、書込装置を交換する際など、書込装置5をプリンタ100から着脱する際、ネジの取り外し・取り付け箇所が一箇所で済み、書込装置5の着脱作業時間を短縮することができる。これにより、機械のダウンタイム時間を短縮することができる。
【0040】
また、本実施形態では、書込装置の駆動ユニット35が固定された後側板32への固定を板バネにしている。これにより、駆動ユニット35の振動により、後側板32が振動しても、光学ハウジング500が、後側板32の振動と一体になって振動するのを抑制することができ、バンディングなどの異常画像が生じるのを抑制することができる。
【0041】
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
図3などに示すように、本実施形態の書込装置の光学ハウジング500の底面には、2個のアーチ部503a,503bが設けられている。第1のアーチ部503aは、ポリゴンスキャナ53が取り付けられた箇所と、BK色用の防塵ガラス58BKが取り付けられた開口部504BKとの間に形成されている。第2のアーチ部503bは、BK色用の防塵ガラス58BKが取り付けられた開口部504BKとC色用の防塵ガラス58Cが取り付けられた開口部504Cとの間に形成されている。このように、光学ハウジング500の底面にアーチ部503a,503bを設けることにより、光学ハウジング500の底面の剛性を高めることができる。
【0042】
図13(a)は、アーチ形状の梁に荷重が加わった際の応力分布を示す図であり、(b)は、直線形状の梁に荷重が加わった際の応力分布を示す図である。
図13(b)に示すように、直線形状の梁に荷重が加わった場合、荷重側(上面側)には圧縮応力が生じ、下面側には引っ張り応力が生じる。このため、直線形状の梁は、垂直下方向にたわむ。
一方、図13(a)に示すように、アーチ形状の梁に荷重が加わった場合は、円弧部断面内の円周方向にほぼ一様な圧縮力のみが働く。その結果、アーチ形状の梁にほとんどたわみが生じない。よって、光学ハウジングの底面にアーチ部を設けることで、光学ハウジングの底面の剛性を高めることができるのである。
【0043】
しかし、アーチ形状の部分に防塵ガラスを取り付けるための開口部があると、開口部が形成された部分の強度が他の部分に比べて弱くなる。その結果、このアーチ形状に設けられた開口部から座屈してしまい、光学ハウジングの底面の剛性を十分に高めることができない。そのため、本実施形態においては、光学ハウジングの底面の開口部の間にアーチ部を設けた。これにより、アーチ部に開口部を設けた場合に比べて、アーチ部が座屈するのを抑制することができる。よって、光学ハウジング底面の剛性を、アーチ部に開口部を設けた場合よりも高めることができる。その結果、光学ハウジング底面の振動を抑制することができ、バンディングなどの異常画像が生じるのを抑制することができる。
【0044】
以下、発明者らが行った検証試験について、説明する。
検証試験は、図14(a)に示す底面が平面状の箱型形状のモデル(リブのない光学ハウジングを想定)、図14(b)に示すように、箱型形状の底面にリブを設けたモデル(リブを有する光学ハウジングを想定)、図14(c)に示すように、箱型形状の底面に2個のアーチ部を有するモデル(本実施形態の光学ハウジングを想定)を用いて構造解析シミュレーションを行ったものである。
図15は、シミュレーション条件について説明した図であり、図15(b)に示すように、各モデルの4角を固定点とし、図15(a)に示すように、最も撓みやすいモデルの中央部を加重点とした。加重点は、直径が10mm、荷重は、20Nに設定した。また、固定点は、端部から12mmの位置に設け、直径は、10mmに設定した。また、各モデルの外寸は、160mm(X軸方向)×248mm(Y軸方向)×45mm(Z軸方向)に設定した。
また、図15(c)に示すように、3点の変位を測定した。図中1の座標は、X=80,Y=124,Z=0(加重点の中心)であり、図中2の座標は、X=15,Y=124,Z=0、図中3の座標は、X=80,Y=15,Z=0である。
上記シミュレーションの結果を、以下の表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
表1に示すように、図14(c)に示すアーチ部を設けたモデルが、他のモデルに比べて変位量が小さいことがわかる。このことから、アーチ部を設けることにより、他の形状に比べて、面の変形を抑えることができることが確認された。よって、光学ハウジングの底面にアーチ部を設けることにより、底面の振動を抑制することができる。
【0047】
また、ポリゴンスキャナ53は、ポリゴンミラー53aを高速回転させるため、振動が発生する。ポリゴンスキャナ53に振動が発生すると、その振動により光学ハウジングが振動し、光学ハウジングに固定されている反射ミラー55,56が振動し、光学素子の位置や姿勢が変動し、画像の劣化を招いてしまう。このため、ポリゴンスキャナ53を保持するハウジングと、反射ミラーを保持するハウジングとを別体にしたものもあるが、部品点数が増大するという課題がある。本実施形態では、このような振動の発生源であるポリゴンスキャナ53を光学ハウジング500の片側に寄せている。よって、ポリゴンスキャナ53を、光学ハウジング500が最もたわみ易い光学ハウジング500の中央部に設けた対向走査方式の書込装置に比べて、光学ハウジング500の振動をさらに、抑制することができる。これにより、ひとつのハウジングでポリゴンスキャナ53および反射ミラー55,56を保持しても、反射ミラー55,56の振動を抑制することができ、ポリゴンスキャナ53を保持するハウジングと、反射ミラーを保持するハウジングとを別体にしたものに比べて、部品点数を削減することができる。
【0048】
また、図3に示すように、走査レンズ54以降の光学部品(反射ミラー55C,55BK,56BK,シリンドリカルレンズ57C,57BK)を、振動源であるポリゴンスキャナ53に対して第1のアーチ部503aを挟んで配置した。これにより、ポリゴンスキャナ53の振動により、光学ハウジング底面のポリゴンスキャナ53の周辺が振動したとしても、剛性が高められた第1のアーチ部503aにより、この振動が、光学ハウジング500の走査レンズ54以降の光学部品が取り付けられた側へ伝達するのを抑制することができる。これにより、走査レンズ以降の光学部品(反射ミラー、シリンドリカルレンズ)の振動を抑制することができる。
【0049】
また、図5に示すように、書込装置をY軸方向から見たとき、前側筐体固定部501の前側支持部21との当接部である曲面部501bの一方が、アーチ部形成領域Rの範囲に位置するよう構成している。このように、剛性の高いアーチ部形成領域に上記曲面部501bを位置させることにより、前側筐体固定部501の剛性を高めることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、アーチ部503a,503bを設けることにより、図1に示すように、作像部4Y,4C,4M,4BKとアーチ部503a,503bとの間にある程度の隙間が形成される。そこで、図16に示すように、現像部43Y,43M,43C,43BKにトナーを供給するトナーボトル70Y,70M,70C,70BKを、アーチ部に対向させて設けてもよい。図16に示す構成では、第1の書込装置5aの第1アーチ部503aにBK色のトナーを収納したトナーボトル70BKを対向配置し、第2のアーチ部503bにC色のトナーを収納したトナーボトル70Cを対向配置している。また、第2の書込装置5bの第1のアーチ部503aにM色のトナーを収納したトナーボトル70Mを対向配置し、第2のアーチ部503bにY色トナーを収納したトナーボトル70Yを対向配置している。また、各トナーボトル70Y,70M,70C,70BKは、それぞれ、アーチ部503a,503bの円弧に沿うような筒状の形状であり、一部が光学ハウジング500に対してオーバーラップ(書込装置を感光体軸方向(Y軸方向)から見たとき、トナーボトル70の一部が光学ハウジング500に重なる)ように配置している。このように、各トナーボトル70Y,70M,70C,70BKを配置することにより、装置の小型化を図ることができる。
【0051】
[変形例]
図17は、変形例の書込装置5’の斜視図であり、図18は、変形例の書込装置5’の平面図である。また、図19は、図17のD−D断面図であり、図20は、図17のZ1方向から見た図であり、図21は、図17のY1方向から見た図である。
図17〜図21に示すように、この変形例の書込装置5’は、ポリゴンスキャナ53を光学ハウジング500の略中央部に配置して、4個の感光体41Y,41M,41C,41Yに対して走査する対向走査方式の書込装置の光学ハウジング500にアーチ部を設けたものである。この変形例の書込装置5’は、図19に示すように、BK色の走査光が通過する光学ハウジングのBK色用の開口部504BKよりも図中左側に第1のアーチ部503aを設け、BK色の開口部504BKと、C色の走査光が通過するC色用の開口部504Cとの間に第2のアーチ部503bを設けている。また、C色用の開口部504Cと、M色の走査光が通過するM色の開口部504Mとの間に第3のアーチ部503cを設け、M色の開口部504Mと、Y色の走査光が通過するY色の開口部504Yとの間に第4のアーチ部503dを設けた。このように、対向走査方式の書込装置においても、光学ハウジング底面の開口部をアーチ部以外の箇所に設けることにより、アーチ部による剛性向上の効果を十分に得られることができ、光学ハウジング500の振動を抑制することができる。
【0052】
また、変形例の書込装置5’は、4つの感光体41Y,41M,41C,41BKに対して光走査するため、実施形態の書込装置に比べて、水平方向(X軸方向)の長さが約倍となる。また、実施形態の書込装置に比べて、光学ハウジングに搭載される光学部品も増えるので、重量が増える。そのため、実施形態の書込装置と同様、光学ハウジングの前側板と対向する側面の中央部に1個前側筐体固定部を設けた構成では、光学ハウジングの前側の両端部付近(図18の破線で囲んだ領域)が、装置の自重で撓んでしまうおそれがある。このため、変形例の書込装置5’においては、前側筐体固定部501を2個設けて、光学ハウジングの前側も後側と同様、2点で本体筐体に対して位置決め固定した。また、図21に示すように、この変形例の書込装置5’においても、前側筐体固定部501の一部を、アーチ部形成領域Rの範囲に位置させ、前側筐体固定部501の剛性を高めている。
【0053】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の(1)〜(9)態様毎に特有の効果を奏する。
(1)
光源52と、光源52から発射された光束を主走査方向に偏向走査せしめるポリゴンスキャナ53などの偏向手段と、偏向手段によって偏向せしめられた光束を感光体表面などの被走査面に導く複数の光学素子(走査レンズ54、反射ミラー55,56、シリンドリカルレンズ57)と、光源52、偏向手段、光学素子が搭載されるハウジング500と、ハウジング500に光束が被走査面に入射されるように形成された開口部を有する書込装置などの光走査装置において、ハウジング500の複数の面のうち、開口部が形成された面の一部にアーチ部などのアーチ形状部を設け、アーチ形状部以外の箇所に開口部を設けた。これにより、上述したように、アーチ形状部に開口部が形成された光学ハウジングに比べて、アーチ形状部の剛性を高めることができ、アーチ形状部に開口部が形成された光学ハウジングに比べて、光学ハウジングの振動を抑制することができる。
【0054】
(2)
また、上記(1)に記載の態様の光走査装置において、複数の光学素子には、光束を副走査方向に集光するシリンドリカルレンズ57などの集光レンズを有し、集光レンズを、偏向手段に対してアーチ形状部を挟んで光学ハウジング500に配置した。
これにより、振動源であるポリゴンスキャナ53などの偏向手段の振動により、光学ハウジングの偏向手段の周辺が振動しても、アーチ形状部によってその振動が光学ハウジングの集光レンズが配置された周辺に伝達するのを抑制することができる。これにより、集光レンズの振動を抑制することができ、感光体表面などの被走査面へ照射される走査線が、副走査方向に乱れるのを抑制することができる。
【0055】
(3)
また、上記(1)または(2)に記載の態様の光走査装置において、複数の光学素子には、光束を反射する反射ミラー55,56を有し、反射ミラー55,56を、偏向手段に対してアーチ形状部を挟んで光学ハウジングに配置した。
これにより、振動源であるポリゴンスキャナ53などの偏向手段の振動により、光学ハウジング500の偏向手段の周辺が振動しても、アーチ形状部によってその振動が光学ハウジングの反射ミラーが配置された周辺に伝達するのを抑制することができる。これにより、反射ミラーの振動を抑制することができ、感光体表面などの被走査面へ照射される走査線が、副走査方向や主走査方向に乱れるのを抑制することができる。
【0056】
(4)
また、上記(1)乃至(3)いずれかに記載の態様の光走査装置において、偏向手段を、光学ハウジングの端部付近に配置した。
このように、振動源であるポリゴンスキャナ53などの偏向手段を光学ハウジング500の端部付近に配置したので、偏向手段を光学ハウジング500の中央部に配置したものに比べて、偏向手段の振動による光学ハウジング500の振動を抑制することができる。
【0057】
(5)
また、上記(1)乃至(4)いずれかに記載の態様の光走査装置において、光源52を複数有し、各光源52から発射された光束を、互いに異なるハウジングの開口部から互いに異なる被走査面に光束を照射するものであって、アーチ形状部を、開口部間に設けた。これにより、アーチ形状部を開口部以外に設けることができる。
【0058】
(6)
また、上記(5)に記載の態様の光走査装置において、上記複数の光源は、副走査方向に並んで設けられ、各光源からから発射された光束が偏向手段の同一の位置に入射するよう各光源を光学ハウジングに取り付けた。
これにより、ポリゴンミラーの副走査方向の長さを短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。また、従来のように、副走査方向並んで配置された光源ごとにポリゴンミラーを設ける必要がなくなり、部品点数を減らして、装置を安価にすることができる。
【0059】
(7)
また、潜像を担持する感光体41などの潜像担持体と、光走査によって潜像担持体の表面に潜像を形成する光走査手段と、潜像担持体に担持された潜像を現像する現像部43などの現像手段とを備えたプリンタ10などの画像形成装置において、光走査手段として、上記(1)乃至(4)いずれかに記載の態様の光走査装置を用いた。
かかる構成を備えることにより、良好な潜像を感光体表面に書込むことができ、高品位な画像を得ることができる。
【0060】
(8)
また、潜像を担持する複数の感光体41Y,41M,41C,41BKなどの潜像担持体と、それら潜像担持体の表面にそれぞれ潜像を形成する光走査手段と、各潜像担持体に対応して設けられ、潜像担持体に担持された潜像を現像する複数の現像部43Y,43M,43C,43BKなどの現像手段とを備えたプリンタ10画像形成装置において、光走査手段として、上記(5)または(6)に記載の態様の光走査装置を用いた。
かかる構成を備えることで、色ずれを抑えることができ、高品位なカラー画像を得ることができる。
【0061】
(9)
また、上記(7)または(8)の画像形成装置において、現像手段により潜像を現像化するための粉体が収納された円筒状のトナーボトル70などの粉体収納部を有し、上記粉体収納部の一部が、光学ハウジングとオーバーラップするようにアーチ形状部に対向配置した。かかる構成とすることで、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0062】
5a:第1の書込装置
5b:第2の書込装置
5’:変形例の書込装置
10:プリンタ
41:感光体
43:現像部
52:光源
53:ポリゴンスキャナ
53a:ポリゴンミラー
54:走査レンズ
55,56:反射ミラー
57:シリンドリカル
58:防塵ガラス
70:トナーボトル
500:光学ハウジング
503a:第1のアーチ部
503b:第2のアーチ部
503c:第3のアーチ部
503d:第4のアーチ部
504:開口部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2002−148553号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から発射された光束を主走査方向に偏向走査せしめる偏向手段と、
前記偏向手段によって偏向せしめられた光束を被走査面に導く複数の光学素子と、
前記光源、偏向手段、前記光学素子が搭載されるハウジングと、
前記ハウジングに前記光束が被走査面に入射されるように形成された開口部を有する光走査装置において、
前記ハウジングの複数の面のうち、開口部が形成された面の一部にアーチ形状部を設け、
前記アーチ形状部以外の箇所に前記開口部を設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
請求項1の光走査装置において、
前記複数の光学素子には、光束を副走査方向に集光する集光レンズを有し、
前記集光レンズを、前記偏向手段に対して前記アーチ形状部を挟んで上記光学ハウジングに配置したことを特徴とする光走査装置。
【請求項3】
請求項1または2の光走査装置において、
前記複数の光学素子には、光束を反射する反射ミラーを有し、
前記反射ミラーを、前記偏向手段に対して前記アーチ形状部を挟んで上記光学ハウジングに配置したことを特徴とする光走査装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかの光走査装置において、
上記偏向手段を、光学ハウジングの端部付近に配置したことを特徴とする光走査装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかの光走査装置において、
上記光源を複数有し、
各光源から発射された光束を、互いに異なる上記ハウジングの開口部から互いに異なる被走査面に光束を照射するものであって、
上記アーチ形状部を、上記開口部間に設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項6】
請求項5の光走査装置において、
上記複数の光源は、副走査方向に並んで設けられ、
各光源からから発射された光束が偏向手段の同一の位置に入射するよう各光源を前記光学ハウジングに取り付けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項7】
潜像を担持する潜像担持体と、光走査によって該潜像担持体の表面に潜像を形成する光走査手段と、該潜像担持体に担持された潜像を現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
前記光走査手段として、請求項1乃至4いずれかの光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
潜像を担持する複数の潜像担持体と、
それら潜像担持体の表面にそれぞれ潜像を形成する光走査手段と、各潜像担持体に対応して設けられ、該潜像担持体に担持された潜像を現像する複数の現像手段とを備えた画像形成装置において、
前記光走査手段として、請求項5または6の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7または8の画像形成装置において、
前記現像手段により潜像を現像化するための粉体が収納された円筒状の粉体収納部を有し、
上記粉体収納部の一部が、前記光学ハウジングとオーバーラップするように前記アーチ形状部に対向配置したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−7995(P2013−7995A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−15740(P2012−15740)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】