説明

入場管理システム

【課題】 クリーンエリアに入る管理対象に掛かる負荷を低減させつつ管理対象別の行程の履行状況を把握することが可能な入場管理システムの提供。
【解決手段】清潔エリアに入ろうとする作業者に対して課せられる複数の行程の管理を行う入場衛生管理システム100は、指紋認証センサ80と、RFIDタグ30と、認証用受信機46と、データベースと、入口側受信機と、CPUとを備え、指紋認証センサは、指紋認証用取得データを取得し、RFIDタグは、作業者を特定するための特定信号を発信する。認証用受信機は、RFIDタグからの特定信号を受信する。データベースは、特定信号と指紋認証用取得データとを対応付けて記憶する。入口側受信機は、行程を実行する毎に作業者が携帯するRIDタグからの特定信号を受信するために各行程毎に対応して設けられる。CPUは、同一の特定信号について、各行程毎に入口側受信機が特定信号を受信したか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入場管理システム、特に、クリーンエリアに入ろうとする移動管理対象に対して課せられる複数の行程の管理を行う入場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、入場制限が課されているエリアに入場する場合に、入場のための所定の条件を満たしているか否かを入場者に触れることなく非接触にチェックできる入場管理システムが知られている。これにより、対象となるエリアの入場者を特定の者に限定して、条件を満たさない者の入場を防止することができる。
しかし、上記入場管理システムでは、入場者に課される条件が一つである場合を想定していることが多い。このため、入場者の複数の条件が課されている場合に、各条件が同一人物によって満たされているのか否かを判別することが困難になるおそれがある。例えば、入場に際してAとBとの2つの条件が課されている場合に、一の入場者がAの条件を満たしており、他の入場者がBの条件を満たしている場合に、この一の入場者と他の入場者とが連れだって入場してしまうと、AとBとの両方の条件を満たす1人の人間による通過と誤認してしまい、入場を許可してしまうおそれがある。
【0003】
これに対して、以下の特許文献1に示すクリーンエリアの入場管理システムのように、手洗いを行うこと、エアタオルを行うこと、殺菌すること等の複数の条件が課されている場合に、各条件を満たすか否かの判断と個人認証とを連動して行うシステムが提案されている。この入場管理システムでは、入場しようとする個人毎に全ての条件が充足されたか否かを判断することができ、全ての条件を満たさないまま入場しようとする者を特定し、このような者の入場を確実に防止することができる。
【特許文献1】特開2002−349980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記入場管理システムでは、手洗いを行うこと、エアタオルを行うこと、殺菌を行うこと等の各条件のチェックを行う毎に個人認証を行う必要があり、入場者に課される負荷が多く、管理が煩雑になってしまう。また、各条件のチェックを行う場所毎に個人認証装置を設ける必要があり、コストがかさんでしまう。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、クリーンエリアに入る管理対象に複数行程が課せられる場合であっても、管理対象に掛かる負荷を低減させつつ管理対象別の行程の履行状況を把握することが可能な入場管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る入場管理システムは、クリーンエリアに入ろうとする移動管理対象に対して課せられる複数の行程の管理を行う入場管理システムであって、認証装置と、発信機と、第1受信機と、メモリと、第2受信機と、制御部とを備えている。認証装置は、移動管理対象の認証を行うための認証用取得データを取得する。発信機は、移動管理対象が携帯し、自身を特定するための特定信号を発信する。第1受信機は、認証を受けた移動管理対象が携帯している発信機からの特定信号を受信する。メモリは、特定信号と認証用取得データとを対応付けて記憶する。第2受信機は、行程を実行する毎に移動管理対象が携帯している発信機からの特定信号を受信するために各行程毎に対応して設けられる。制御部は、同一の特定信号について、各行程毎に第2受信機が特定信号を受信したか否かを判断する。なお、ここでの移動管理対象としては、自らの意思で移動できる人間だけでなく、自らの意思では移動できないモノ等が含まれる。このモノは、人間と共に移動させられたり、機械的に移動させられる場合等において本発明の対象とされる。
【0006】
従来の入場管理システムでは、クリーンエリアに入場する対象に殺菌行程等の複数の行程を課している場合に、各行程が同一対象によって履行されているか否かを判断しており、認証作業が繁雑となっている。
これに対して第1発明の入場管理システムでは、認証装置が取得する認証用取得データが、第1受信機が受信する移動管理対象によって携帯されている発信機からの特定信号と対応付けられてメモリに格納される。そして、制御部は、認証用取得データと対応付けてメモリに格納された発信機からの特定信号毎に、各行程毎に対応して設けられている第2受信機によって受信されたか否かを判断する。
【0007】
このため、移動管理対象に対して複数の行程が課される場合であっても、各行程毎に移動管理対象の認証を行うことなく、発信機と関連付けたデータに基づいてその後の各行程の履行の有無を発信機からの特定信号によって履行状況を管理することができる。したがって、認証作業を一度行うだけで管理対象の認証作業に掛かる負荷を低減させつつ、各行程が同一の移動管理対象によって履行されているか否かを把握することが可能になる。
また、例えば、従来の入場管理システムでは各行程毎に認証装置が設けられているが、本発明では、認証装置は発信機からの特定信号と対応付けるための一つで足りるため、システムコストを削減させることが可能になる。
【0008】
第2発明に係る入場管理システムは、第1発明の入場管理システムであって、認証装置は、移動管理対象の生体の認証を行うための生体認証用取得データを取得する生体認証装置である。また、予め移動管理対象別に生体に関する生体管理データを格納している個人生体データベースをさらに備えている。ここでの生体認証の方法としては、虹彩、網膜、顔、指紋、静脈等のデータを用いる場合等が含まれる。また、生体管理データとして、例えば、各個人の虹彩、網膜、顔、指紋、静脈等のデータが含まれる。
【0009】
ここでは、生体認証によって把握される人間それぞれについての生体管理データを利用して、入場しようとする人間について予め記録されている各個人の生体管理データと照らし合わせた入場管理が可能になる。
例えば、入場しようとする人間の生体認証用取得データに対応する生体管理データが存在しない場合には、その人間の入場を拒絶して不法侵入を防ぐ制御を行うことが可能になる。また、入場しようとする人間の生体認証用取得データとして、各個人の体質や体調についてのデータを予め格納しておくことで、入場時における各個人の体質や体調に応じた入場管理が可能になる。
【0010】
第3発明に係る入場管理システムは、第2発明の入場管理システムであって、個人生体データベースは、予め移動管理対象別の指紋管理データを格納している。そして、行程において、操作部分に指紋センサが設けられており、移動管理対象または移動管理対象の着用物に付着するゴミの除去もしくは細菌の殺菌を行うための清浄化手段をさらに備えている。
【0011】
ここでは、ゴミの除去もしくは細菌の殺菌の行程の履行に際して移動管理対象によって必ず触れられる清浄化手段の操作部分において、指紋センサが設けられている。このため、移動管理対象がゴミの除去もしくは細菌の殺菌の行程を履行しようとする際に、当該移動管理対象が操作部分の指紋センサに触れるため、当該移動管理対象の指紋認証用データを取得することができる。これにより、センシングされた指紋認証用データと、予めデータベース60に格納されている指紋管理データと対比することで、正確な生体認証を行うことが可能になる。
【0012】
第4発明に係る入場管理システムは、第2発明または第3発明の入場管理システムであって、クリーンエリアは、食品を取り扱うためのエリアである。また、移動管理対象の体温を非接触に計測するための非接触温度センサをさらに備えている。個人生体データベースは、予め移動管理対象別の体温測定ポイント管理データと、平熱管理データとを格納している。制御部は、第2受信機が受信した特定信号に対応する移動管理対象の体温測定ポイント管理データに基づいて非接触温度センサにセンシングを行わせ、測定された体温データと対応する移動管理対象の平熱管理データとに基づいてクリーンエリアへの入場を許可するか否かを判定する。
【0013】
一般に、移動管理対象によって、顔や手の位置、高さ等の体質はまちまちとなり、全ての移動管理対象の体質について統一した処理を行うことは困難である。また、衛生面を考慮すると、移動管理対象の温度を測定する際に移動管理対象が温度センサと接触することが不衛生となる場合がある。
これに対して、ここでは、移動管理対象の温度を非接触温度センサを用いて、非接触にセンシングすることで、衛生的な温度測定ができる。また、予め、移動管理対象毎に温度測定を行うべきポイントについての個別体温測定ポイント管理データが個人生体データベースに格納されている。これにより、発信機から得られる特定信号によって移動管理対象に適した体温測定ポイントでセンシングを行うことができる。また、予め、移動管理対象毎に平熱管理データが個人生体データベースに格納されている。これにより、移動管理対象毎に平熱とその日の体温とを比較することで、移動管理対象毎のその日の体調を把握することができる。したがって、熱があり体調がすぐれない移動管理対象によって食品が取り扱われることを防止するような仕組みを、非接触温度センサを用いて衛生的に行うことが可能になる。
【0014】
第5発明に係る入場管理システムは、第1発明から第4発明のいずれかの入場管理システムであって、行程において、操作部分に加速度センサが設けられており、移動管理対象または移動管理対象の着用物に付着するゴミの除去または細菌の殺菌を行うための操作清浄化手段をさらに備えている。なお、第3発明の清浄化手段と、本発明の操作清浄化手段とは、同一であってもよい。
【0015】
ここでは、ゴミの除去もしくは細菌の殺菌の行程の履行に際して移動管理対象によって必ず触れられる操作清浄化手段の操作部分において、加速度センサが設けられている。このため、移動管理対象がゴミの除去もしくは細菌の殺菌の行程を履行しようとする際に、当該移動管理対象が操作清浄化手段の操作部分を動かすと、加速度センサがこれに反応して、操作されたことを検知することができる。これにより、移動管理対象が清浄化行程を履行したか否かについてより正確に把握することが可能になる。
【0016】
第6発明に係る入場管理システムは、第1発明から第5発明のいずれかの入場管理システムであって、第2受信機が受信する発信機からの特定信号を、第2受信機と対応して設けられている各行程と関連付けて記録する履歴メモリをさらに備えている。
ここでは、移動管理対象毎について各行程毎に移動管理対象が履行したか否かの履歴が記録されている。このため、各行程を十分に履行しないままに入場しようとした移動管理対象についての後の管理に役立てることができる。
【0017】
例えば、各行程を十分に履行しないままに入場しようとした移動管理対象について、履歴メモリに基づいて、違反者として注意を喚起することが可能になる。また、各行程において、履行されてない頻度の高い行程を特定して、衛生管理の意識を高める手段の一つとして利用することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
第1発明に係る入場管理システムでは、認証作業を一度行うだけで管理対象の認証作業に掛かる負荷を低減させつつ、各行程が同一の移動管理対象によって履行されているか否かを把握することが可能になる。
第2発明に係る入場管理システムでは、入場しようとする人間について予め記録されている各個人の生体管理データと照らし合わせた入場管理が可能になる。
【0019】
第3発明に係る入場管理システムでは、センシングされた指紋認証用データと、予めデータベース60に格納されている指紋管理データと対比することで、正確な生体認証を行うことが可能になる。
第4発明に係る入場管理システムでは、熱があり体調がすぐれない移動管理対象によって食品が取り扱われることを防止するような仕組みを、非接触温度センサを用いて衛生的に行うことが可能になる。
【0020】
第5発明に係る入場管理システムでは、移動管理対象が清浄化行程を履行したか否かについてより正確に把握することが可能になる。
第6発明に係る入場管理システムでは、各行程を十分に履行しないままに入場しようとした移動管理対象についての後の管理に役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<発明の概略>
本発明は、クリーンエリアに入る対象に対して複数の行程を課す場合に、各対象毎に各行程が履行されているか否か管理するための入場衛生管理システム等を提供する。本発明の入場衛生管理システムでは、クリーンエリアに入る各対象に対して特定信号を発信する発信機を携帯させている。そして、認証装置によって入場する各対象の認証データを取得するとともに、受信機によって対象の発信機からの特定信号を受信する。これにより、認証データとその対象の発信機からの特定信号とを関連付けて記憶する。そして、各行程毎に発信機からの特定信号を受信する受信機を設置する。これにより、認証装置による認証作業は一度行うだけでよく、各行程毎に認証作業を行う必要がなくなり、対象の認証作業に掛かる負荷を低減させつつ、各行程が同一の対象によって履行されているか否かを自動的に把握できる点に特徴がある。また、認証装置が1つで足りるため、システムコストを低く抑えることができる点にも特徴がある。
【0022】
以下、本発明の入場衛生管理システム100について、具体的に説明する。
<入場衛生管理システム100の概略構成>
次に、本発明の一実施形態が採用された入場衛生管理システム100が適用される食品工場の外観概略図を図1に、入場衛生管理システムの概略構成図を図2に、それぞれ示す。
【0023】
入場衛生管理システム100は、一度準清潔エリアA3等に滞在し作業者20が清潔エリアA2に逆行することを防止したり、衛生管理を行う目的で作業者20に対して入場する際に複数の清浄化行程を課す場合において、各作業者20毎に各行程の履行が適切に行われたか否かを管理するためのシステムである。各作業者20には、RFIDタグ30が付されており、これにより作業者20毎の衛生管理を行う。なお、実際には、各作業者20の着用する帽子にRFIDタグ30が付されているが、以下、「作業者20に付されている」として説明する。
【0024】
食品工場は、図1に示すように、主として、エアシャワールームA1、清浄エリアA2、準清浄エリアA3、汚染エリアA4、外部エリアA5とから構成されている。
作業者20は、図1に示すように、所定の清浄化行程を履行しながら、外部エリアA5から、順に、エアシャワールームA1、清潔エリアA2、準清潔エリアA3、汚染エリアA4へと移動ながら、食品に関する作業を行い、外部エリアA5に出ることになる。この食品工場では、衛生管理の観点から、上述した移動方向(順方向)に逆行するような移動が規制されている。例えば、準清潔エリアA3に滞在した作業者20は、そのままの状態で清潔エリアA2に逆行することが禁じられており、一端外部エリアA5に退場して清浄化行程を再度履行した後でなければ清潔エリアA2に入場することができない。
【0025】
ここでの、RFIDタグ30が付された作業者20に対して課されている清浄化行程としては、図2に示すように、まず初めに、作業者20の着用物に付着しているゴミやホコリをローラー91を用いて除去する作業が課されている。そして、ローラー91による除去作業を終えた作業者20は、洗剤を用いて十分に手を洗い、除菌する作業を行う。次に、入場しようとする作業者20のその日の体温が非接触に測定される。体温が測定された作業者20は、さらに、エアシャワールームA1に入り、エアシャワーを受けて自身に付着しているゴミ、細菌等を除去する。これらをいずれも適切に行ったと認定された作業者20のみが清潔エリアA2に入場することができる。
【0026】
ここで、各作業者20毎に清浄化行程の全部が十分に履行されたか否かは、上記RFIDタグ30を用いた入場衛生管理システム100の入場管理装置1によって判断され、入場の許可不許可が管理される。
この入場衛生管理システム100は、主として、複数の自動ドア10、ローラー91、水洗装置92、非接触体温測定装置93、エアシャワー装置94、空調装置16、複数のRFIDタグ30、複数の出口側受信機40、複数の入口側受信機50、入場管理装置1等から構成されている。
【0027】
自動ドア10は、エアシャワールーム自動ドア11、清潔エリア自動ドア12、準清潔エリア自動ドア13、汚染エリア自動ドア14、外部エリア自動ドア15とから構成されている。これら各自動ドア11、12、13、14、15は、図3に示すように、入場管理装置1と接続されており、各作業者20の順方向への通過を許可しつつ、逆方向の通過を規制するように開閉制御が行われる。
【0028】
ローラー91は、図2に示すように、ローラーおよび認証コーナーにおいて用いられ、作業者20の着用物に付着しているゴミやホコリを除去するためのものである。このローラー91は、操作部分を手にとって使用するものであり、この操作部分の表面には指紋認証センサ80が、また操作部分の内部には加速度センサ81が設けられている。このローラー91によるホコリ取りが行われると、指紋認証センサ80から指紋認証用取得データD8が取得され、データベース60に格納している指紋認証管理データD1中のデータと比較される。また、入場管理装置1は、図2に示すように、指紋認証用取得データD8が取得されると同時に、認証用受信機46がそのローラー91操作を行っている作業者20に付されているRFIDタグ30の特定信号を受信する。これにより、入場管理装置1は、指紋認証用取得データD8と受信したRFIDタグ30の特定信号とを対応付けて、RFID対応付けデータD2としてデータベース60に格納する。これにより、入場管理装置1は、以降の清浄化の各行程については、毎回生体認証作業を行うことなく、作業者20のRFIDタグ30の特定信号を基準として、各行程の履行の有無を判断することができる。
【0029】
水洗装置92は、図2に示すように、手洗いコーナーにおいて用いられ、図示しない赤外線センサと、洗浄液が出る部分と、水が出る部分とを有している。水洗装置92は、作業者20がこの赤外線センサに向けて手をかざすだけで、洗浄液や水を所定時間もしくは所定量出すことができるようになっている。これにより、作業者20は、蛇口に触れてひねる等の動作を行うことなく、手の殺菌清浄化を行うことができるため、衛生的である。また、ここでも、入場管理装置1は、手洗い受信機47に、RFIDタグ30毎の特定信号の受信の有無を判断させ、作業者20別(RFIDタグ30の特定信号別)に各行程の履行の有無のデータを記憶していく。
【0030】
非接触体温測定装置93は、図2に示すように、体温測定コーナーにおいて用いられ、非接触に作業者20の体温を測定するための非接触温度センサ83と、図示しない測定ポイント調節機能とを備えている。非接触体温測定装置93は、体温測定受信機48が受信するRFIDタグ30の特定信号に対応するデータをデータベース60の個人別体温測定ポイント管理データD3に基づいて測定位置が制御されることで、作業者20毎に顔の位置を特定してセンシングを行い、作業者20毎の体温データを非接触かつ確実に測定する。測定された体温は、データベース60に格納されている個人別平熱データD4の対応データと比較されて、入場の許可、不許可が制御される。
【0031】
エアシャワー装置94は、図2に示すように、エアシャワールームA1において用いられ、作業者20がエアシャワールームA1に入ったことを検知する赤外線センサ(図示せず)と、様々な方向から作業者20に対して空気圧を与える空気吹出し部分(図示せず)とを有している。また、ここでも、入場管理装置1は、エアシャワー受信機51に、RFIDタグ30毎の特定信号の受信の有無を判断させる。
【0032】
空調装置16は、清潔エリアA2を対象として、温度、湿度、気圧、除菌等の調整を行う。除菌機能では、空気中に存在するカビ菌等の除菌を行う。この空調装置16は、図3に示すように入場管理装置1と接続され、清潔エリアA2の清浄度合いが高くなるように運転制御される。また、気圧が制御されることで、準方向に空気流れが形成されるようにしている。これにより、空気流れにのって細菌が移動することを防止している。
【0033】
出口側受信機40は、作業者20の帽子に付されているRFIDタグ30から所定範囲内の特定信号を受信する受信機であり、外部エリア出口側受信機41と、エアシャワー出口側受信機42と、清潔エリア出口側受信機43と、準清潔エリア出口側受信機44と、汚染エリア出口側受信機45とから構成されている。外部エリア出口側受信機41は、図1に示すように、順方向における外部エリアA5の出口近傍に設置されており、外部エリアA5の出口近傍エリアA51内に存在する作業者20に付されているRFIDタグ30からの特定信号を受信する。また、エアシャワー出口側受信機42、清潔エリア出口側受信機43、準清潔エリア出口側受信機44、汚染エリア出口側受信機45についても、上記外部エリア出口側受信機41と同様であり、それぞれのエリアの順方向における出口側に設置されており、それぞれの出口近傍エリアA41、A42、A43、A44、A45内に存在する作業者20に付されているRFIDタグ30からの特定信号を受信する。また、ここでも、入場管理装置1は、出口側受信機40に、RFIDタグ30毎の特定信号の受信の有無を判断させる。
【0034】
入口側受信機50は、作業者20の帽子に付されているRFIDタグ30から所定範囲内の特定信号を受信する受信機であり、エアシャワー入口側受信機51と、清潔エリア入口側受信機52と、準清潔エリア入口側受信機53と、汚染エリア入口側受信機54と、外部エリア入口側受信機55とから構成されている。エアシャワー入口側受信機51は、図1に示すように、順方向におけるエアシャワールームA1の入口近傍に設置されており、エアシャワールームA1の入口近傍エリアA51内に存在する作業者20に付されているRFIDタグ30からの特定信号を受信する。また、清潔エリア入口側受信機52、準清潔エリア入口側受信機53、汚染エリア入口側受信機54および外部エリア入口側受信機55についても、上記エアシャワー入口側受信機51と同様であり、それぞれのエリアの順方向における入口側に設置されており、それぞれの入口近傍エリアA52、A53、A54、A55内に存在する作業者20に付されているRFIDタグ30からの特定信号を受信する。また、ここでも、入場管理装置1は、入口側受信機50に、RFIDタグ30毎の特定信号の受信の有無を判断させる。
【0035】
入場管理装置1は、システムブロック図を示す図3および図2において示すように、主として、データベース60、CPU70、ROM71、RAM72とから構成されている。
データベース60は、図3に示すように、指紋認証管理データD1、RFID対応付けデータD2、個人別体温測定ポイント管理データD3、個人別平熱管理データD4および違反者履歴データD5が格納されている。このうち、指紋認証管理データD1は、作業者20毎の指紋を予め取得して作業者20毎に対応付けて記憶しているデータである。また、RFID対応付けデータD2は、上述したように、指紋認証用取得データD8とRFIDタグ30からの特定信号とを対応付けたデータである。個人別体温測定ポイント管理データD3は、非接触温度センサ83によって各個人の体温を正確に測定するために、予め取得された個人別の顔の高さ位置のデータである。個人別平熱管理データD4は、各個人別において予め取得された平熱データである。違反者履歴データD5は、作業者20が順方向に移動せず、逆方向に移動した場合に、その作業者20を特定するために対応するRFIDタグ30の特定信号と対応付けて格納されるデータである。この他にも、清浄化行程を行わない作業者20についてのデータも格納されていく。
【0036】
<入場衛生管理システム100の入場管理の具体例>
本入場衛生管理システム100では、上述したように、ローラー、手洗い、体温測定、エアシャワー等の複数の行程を履行した作業者20のみが清潔エリアA2に入場することができる。ここで、各行程についての具体的な判断例を、図4を上から参照しつつ説明する。
【0037】
まず、ローラー91を用いた指紋認証センサ80による指紋認証、RFIDタグ30からの特定信号による登録、ローラーが十分に利用されたことを示す加速度センサ81の検知、認証された作業者20が平熱であること、エアシャワーを行って入場すること、の各行程を履行しており、この作業者20は清潔エリアA2への入場が許可される。
次に、指紋認証において、データベース60の指紋認証管理データD1に対応するデータが存在しない場合には、不法に侵入しようとしている部外者であるとして、入場管理装置1によって「詐称」している作業者20であると判断され、入場できない。
【0038】
また、作業者20がローラー91に触れることなく指紋認証を行わないで、エアシャワールームまで侵入した場合には、データベース60のRFID対応付けデータD2に対応付けられた認証データが存在しないことになり、行程の履行をごまかして侵入しようとしている部外者であるとして、入場管理装置1によって「詐称」している作業者20であると判断され、入場できない。
【0039】
一方、作業者20がローラー91に触れることで指紋認証は行われたが、十分にローラー91によるホコリ取りを行うことないことにより加速度センサ81が検知しなかった場合には、十分に清浄化された者ではないとして、入場管理装置1によって「不衛生」な作業者20であると判断され、入場できない。
また、ローラー91による作業や平熱であること等の行程をクリアした作業者20であっても、エアシャワーが実行されずに清潔エリアA2に入場しようとしている場合には、入場管理装置1によって「不正な場所」からの入場を行う作業者20であると判断され、入場できない。
【0040】
次に、非接触温度センサ83によって測定された作業者20の体温が、データベース60の個人別平熱データD4と一致しないもしくは所定の誤差範囲内にない場合には、入場管理装置1によって「体調不良」の作業者20であると判断され、入場できない。
最後に、指紋認証等を全く行っていないにもかかわらず入場しようとする場合には、不法に侵入しようとしている部外者であるとして、入場管理装置1によって「不法侵入者」の作業者20であると判断され、入場できない。
これにより、清潔エリアA2等に入場することができる作業者20を特定の衛生的な者に限定することができ、衛生管理を徹底することができる。
【0041】
<入場衛生管理システム100の逆行防止管理>
本入場衛生管理システム100の逆行防止管理について、図5を参照しつつ説明する。なお、ここでは、汚染エリアA4から準清潔エリアA3へと向かう逆行を防止する場合の汚染エリア自動ドア14の開閉制御について説明するが、他の自動ドア10についても同様である。
【0042】
まず、作業者20が準清潔エリア出口近傍エリアA44内に入った場合に、準清潔エリア出口側受信機44は、その作業者20に付されたRFIDタグ30の特定信号を受信する。そして、準清潔エリア出口側受信機44の受信を把握した入場管理装置1は、汚染エリア入口近傍エリアA54内のRFIDタグ30からの特定信号について汚染エリア入口側受信機54における受信があるか否かチェックする。ここで、入場管理装置1において、汚染エリア入口側受信機54の受信がないと判断された場合には、汚染エリア自動ドア14を開けるように制御する(許可モード)。これにより、順方向への作業者20の移動時の汚染エリア自動ドア14の開状態につけ込んで、逆行されることを防いでいる。
【0043】
また、作業者20が汚染エリア入口近傍エリアA54に存在する場合には、上述したように、許可モードに優先させて汚染エリア自動ドア14は閉じた状態となる(制限モード)ように制御される。しかし、これでは、順方向に移動しようとしている作業者20が通過できなくなってしまう。このため、汚染エリア自動ドア14に付随して設けられているブザー装置(図示せず)を鳴らすことによって、汚染エリア入口近傍エリアA54に存在している作業者20に対して、汚染エリア入口近傍エリアA54から離れるように注意を喚起する警報音を発する。これにより順方向に移動しようとしている作業者20の移動を、逆行を防止しつつ、実現できるようになる。
【0044】
さらに、入場管理装置1は、汚染エリア入口近傍エリアA54に入ってから所定時間以上経過した後に同一のRFIDタグ30からの特定信号を汚染エリア入口側受信機54が再度受信した場合に、自動ドア10を制限モードとする制御を行っている。このため、汚染エリア入口近傍エリアA54に留まっている作業者20が再び準清潔エリアA3へ逆行することを抑制できる。
【0045】
<本実施形態の入場衛生管理システム100の特徴>
(1)
従来の入場衛生管理システムでは、クリーンエリアに入場する対象に殺菌行程等の複数の行程を課している場合に、各行程が同一対象によって履行されているか否かを判断しており、認証作業が繁雑となっている。
【0046】
これに対して、本実施形態における入場衛生管理システム100では、指紋認証センサ80が取得する指紋認証用取得データD8が、認証用受信機41が受信する作業者20によって携帯されているRFIDタグ30からの特定信号と対応付けられてデータベース60においてRFID対応付けデータD2として格納される。そして、入場管理装置1のCPU70は、指紋認証用取得データD8と対応付けてデータベース60に格納されたRFIDタグ30からの特定信号毎に、各行程毎に対応して設けられている受信機40、50によって受信されたか否かを判断している。
【0047】
このため、作業者20の入場に際して複数の清浄化行程が課される場合であっても、各行程毎に作業者20の認証作業を行うことなく、指紋認証されたRFIDタグ30によって同一人物が各行程を履行しているか否かを把握することができる。したがって、認証用受信機41と指紋認証センサ80とを用いて認証作業を一度行うだけで、作業者20の認証作業に掛かる負荷を低減させ、各清浄化行程が同一の作業者20によって履行されているか否かを把握することができる。
各作業者20毎の行程の履行状況を把握することができる。
【0048】
また、入場管理装置1では、データベース60において、入場が許されている人間を対象とした指紋認証用取得データD1が予め格納されている。このため、入場管理装置1は、指紋認証センサ80によって取得される指紋認証用取得データD8に対応するデータが、予めデータベース60に格納されている指紋認証用取得データD1中にあるか否かを判断することで、自動ドア10の開閉制御を行うことで入場の許可、不許可の管理が可能なっている。これにより、予め指紋登録されていない人間による侵入を防ぐことができる。
【0049】
また、従来の入場管理システムでは各行程毎に認証装置が設けられているが、上記入場管理システムでは、指紋認証センサ80はRFIDタグ30からの特定信号と対応付けるための一つで足りるため、システムコストを削減させることができる。
(2)
本実施形態における入場衛生管理システム100では、ローラー91によるゴミやホコリの除去を行う行程に際して作業者20によって必ず触れられるローラー91の操作部分において指紋認証センサ80が設けられている。このため、作業者20がローラー91を用いた行程を履行しようとする際に、当該作業者20が指紋認証センサ80に触れるため、当該作業者20の指紋認証用取得データD8を取得することができる。これにより、取得され指紋認証用取得データD8と、予めデータベース60に格納されている指紋認証管理データD1と対比することで、正確な生体認証を行うことができる。
【0050】
また、生体認証によって把握される作業者20それぞれについて体温を正確に測定する測定ポイントについての個人別体温測定ポイントデータD3や、個人別平熱データD4が予めデータベース60に格納されている。このため、RFIDタグ30から得られる特定信号によって対応する作業者20に適した体温測定ポイントについてセンシングを行うことができる。これにより、入場しようとする作業者20について、平熱とその日の体温とを比較して、作業者20毎のその日の体調を把握し、体調のよい者の入場を許可し、体調のすぐれない者の入場を制限したりすることが可能になる。
【0051】
(3)
本実施形態における入場衛生管理システム100では、ローラー91の操作部分の内部に加速度センサ81が設けられている。このため、作業者20がローラー91を用いた行程を履行しようとする際に、その作業者20がローラー91の操作部分を動かすと、加速度センサ81がこれに反応して、操作されたことを検知できる。これにより、作業者20がローラー91を用いたゴミやホコリの除去作業を十分に行ったか否かをより正確に検知することができる。
【0052】
(4)
本実施形態における入場衛生管理システム100では、データベース60の違反者履歴データD5として、作業者20について各行程毎に作業者20が履行したか否かの履歴が記録されている。このため、各行程を十分に履行しないままに入場しようとした作業者20について後の管理に役立てることができる。例えば、各行程を十分に履行しないままに入場しようとした作業者20について、違反者履歴データD5に基づいて、違反者として注意を喚起することが可能になる。また、各行程において、履行されない頻度の高い行程を特定して、衛生管理の意識を高める手段の一つとして利用することが可能になる。
【0053】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態における入場衛生管理システム100では、食品を取り扱う食品工場における作業者20にRFIDタグ30を携帯させる場合を例に挙げて説明した。
【0054】
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、各エリア間を移動するモノ(例えば、食品を包装する包装用容器等)や、モノを運搬するためのワゴン等に対してRFIDタグ30を付するようにして上記システムを適用するようにしてもよい。
これにより、モノを介してバイ菌やホコリ等が食品に付着してしまうことを防止することができるようになる。
【0055】
また、例えば、半導体製造工場のクリーンルームにおいて上記入場衛生管理システム100を適用するようにしてもよい。
(B)
上記実施形態における入場衛生管理システム100では、ローラー91の指紋認証センサ80を用いた指紋認証によって生体認証を行う場合を例に挙げて説明した。
【0056】
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、生体認証を行う方法としては、静脈認証装置を用いた静脈認証や、カメラ等を用いた顔認証、虹彩認証、網膜認証等であってもよい。このカメラ等を用いた顔認証、虹彩認証、網膜認証等によると、作業者が認証装置に触れることなく非接触で生体認証を行うことができる。このため、衛生管理の質をより向上させることが可能になる。
【0057】
(C)
上記実施形態における入場衛生管理システム100では、ローラー91によるホコリの除去行程を作業者20が履行したか否かを判断するために、ローラー91に加速度センサ81を搭載した場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、ローラー91が十分に使用されたことを認識できればよいため、加速度センサ81に変えて、振動センサを搭載するようにしてもよい。また、ローラー91の操作部分に圧力センサを搭載するようにしてもよい。
【0058】
(D)
上記実施形態における入場衛生管理システム100では、清潔エリアA2に空調装置16が設けられて清浄化管理が行われている場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、上記入場衛生管理システム100は、特に空調装置16が設けられていない工場等に設けられていてもよい。例えば、食品工場等において、食品の加熱殺菌処理が行われる場合に、その加熱殺菌処理が行われる前の時点においては、特別な衛生管理を必要としないが、加熱殺菌処理が行われてからパッケージに包装されて製品化されるまでの間は細菌やホコリから保護することが必要とされる場合に、上記入場衛生管理システム100を導入してもよい。すなわち、このような工場では、加熱殺菌処理される前の食品を取り扱うエリアとから加熱殺菌処理された後の食品を取り扱うエリアへの移動を規制するように入場衛生管理システム100を適用することができる。これにより、加熱殺菌処理を行った後の食品に、細菌やホコリが付着することを低減させることが可能になる。
【0059】
(E)
上記実施形態における入場衛生管理システム100では、データベース60において予め作業者20として入場される可能性の高い人間の指紋認証管理データD1が格納されており、入場管理に際して部外者による不法侵入を防止する場合について例に挙げて説明した。
【0060】
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、データベース60は、上記指紋認証管理データD1を有していなくてもかまわない。この場合には、例えば、入場時においてRFIDタグ30からの特定信号を受信する際にその者の生体認証データを取得して、対応付けて記憶させるようにしてもよい。この場合には、不法侵入等の管理はできないが、上記実施形態における作業者20の認証の煩雑化防止および逆行防止という効果は十分に得ることができる。
【0061】
(F)
上記実施形態における入場衛生管理システム100では、作業者20の逆行を規制する手段として自動ドア10が採用された場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、制限モードを実現する場合において、開かないようにロックさせるドアや、音声で報知させる報知装置や、表示によって報知させる報知ランプ等が採用された入場衛生管理システム100であってもよい。
【0062】
ここで、ドアは、制限モードにおいては開かないようにロックされるため、有効に逆行を防止できる。また、報知装置も、制限モードにおいては音声で報知して作業者20等に知らせることができるため、有効に逆行を防止できる。また、報知ランプも、制限モードにおいては表示によって報知して作業者20等に知らせることができるため、有効に逆行を防止できる。
【0063】
このように逆行を規制する手段として、ドア、報知装置、表示ランプのいずれが採用された場合であっても、作業者20によるエリア間の逆行を有効に規制できる。
(G)
上記実施形態における入場衛生管理システム100では、温度、湿度、気圧、除菌の管理を行う空調装置16が清潔エリアA2に設置された入場衛生管理システム100について例に挙げて説明した。
【0064】
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、清潔エリアA2に設置される衛生管理措置としては、例えば、粉塵除去管理を行う装置や、付着物除去の管理を行う装置等の衛生管理を行う装置であってもよい。
(H)
上記実施形態における入場衛生管理システム100では、ローラー91によるホコリ取りおよび手洗いを終えた作業者20を対象として非接触に体温を測定する入場衛生管理システム100について例に挙げて説明した。
【0065】
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、作業者20の体温測定のタイミングは特に上記実施形態に限られたものではなく、例えば、エアシャワールームA1に作業者20が一定時間滞在する場合に体温を赤外線センサ等で非接触に取得するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明によれば、クリーンエリアに入る管理対象に複数行程が課せられる場合であっても、管理対象に掛かる負荷を低減させつつ管理対象別の行程の履行状況を把握することが可能になるため、クリーンエリアに入ろうとする人間やモノに対して課せられる複数の清浄化行程の管理を行う入場衛生管理システム等への適用が特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】入場衛生管理システムが適用される食品工場のモデル図。
【図2】入場衛生管理システムの概略構成図。
【図3】入場衛生管理システムのブロック図。
【図4】入場許可不許可の具体例を示す図。
【図5】入場衛生管理システムの通過規制についての説明図。
【符号の説明】
【0068】
10 自動ドア(通過制限手段、ドア、報知装置、報知ランプ)
16 空調装置(衛生管理手段)
20 移動管理対象
30 RFIDタグ(発信機)
41 認証用受信機(第1受信機)
50 入口側受信機(第2受信機)
60 データベース(メモリ、個人生体データベース、履歴メモリ)
70 制御部
80 指紋認証センサ(認証装置、生体認証装置、指紋センサ)
81 加速度センサ
83 非接触温度センサ
91 ローラー(清浄化手段、操作清浄化手段)
100 入場衛生管理システム(入場管理システム)
A40 清浄エリア、準清浄エリア(クリーンエリア)
A50 清浄エリア、準清浄エリア(クリーンエリア)
D1 指紋認証管理データ(生体管理データ、指紋管理データ)
D3 個人別体温測定ポイント管理データ(体温測定ポイント管理データ)
D4 個人別平熱管理データ(平熱管理データ)
D8 指紋認証用取得データ(認証用取得データ、生体認証用取得データ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーンエリア(A40、A50)に入ろうとする移動管理対象(20)に対して課せられる複数の行程の管理を行う入場管理システム(100)であって、
前記移動管理対象(20)の認証を行うための認証用取得データ(D8)を取得する認証装置(80)と、
前記移動管理対象(20)が携帯し、自身を特定するための特定信号を発信する発信機(30)と、
前記認証を受けた移動管理対象(20)が携帯している前記発信機(30)からの前記特定信号を受信する第1受信機(41)と、
前記特定信号と前記認証用取得データ(D8)とを対応付けて記憶するメモリ(60)と、
前記行程を実行する毎に前記移動管理対象(20)が携帯している前記発信機(30)からの前記特定信号を受信するために各行程毎に対応して設けられる第2受信機(40、50)と、
同一の前記特定信号について、各行程毎に前記第2受信機(40、50)が前記特定信号を受信したか否かを判断する制御部(70)と、
を備えた入場管理システム(100)。
【請求項2】
前記認証装置(80)は、前記移動管理対象(20)の生体の認証を行うための生体認証用取得データ(D8)を取得する生体認証装置であり、
予め前記移動管理対象(20)別に生体に関する生体管理データ(D1)を格納している個人生体データベース(60)をさらに備えた、
請求項1に記載の入場管理システム(100)。
【請求項3】
前記個人生体データベース(60)は、予め前記移動管理対象別の指紋管理データ(D1)を格納しており、
前記行程において、操作部分に指紋センサ(80)が設けられており、前記移動管理対象(20)または前記移動管理対象(20)の着用物に付着するゴミの除去もしくは細菌の殺菌を行うための清浄化手段(91)をさらに備えた、
請求項2に記載の入場管理システム(100)。
【請求項4】
前記クリーンエリア(A40、A50)は、食品を取り扱うためのエリアであり、
前記移動管理対象(20)の体温を非接触に計測するための非接触温度センサ(83)をさらに備え、
前記個人生体データベース(60)は、予め前記移動管理対象(20)別の体温測定ポイント管理データ(D3)と、平熱管理データ(D4)とを格納しており、
前記制御部(70)は、前記第2受信機(40、50)が受信した前記特定信号に対応する前記移動管理対象(20)の前記体温測定ポイント管理データ(D3)に基づいて前記非接触温度センサ(83)にセンシングを行わせ、測定された体温データと対応する前記移動管理対象(20)の前記平熱管理データ(D4)とに基づいて前記クリーンエリア(A40、A50)への入場を許可するか否かを判定する、
請求項2または3に記載の入場管理システム(100)。
【請求項5】
前記行程において、操作部分に加速度センサ(81)が設けられており、前記移動管理対象(20)または前記移動管理対象(20)の着用物に付着するゴミの除去または細菌の殺菌を行うための操作清浄化手段(91)をさらに備えた、
請求項1から4のいずれか1項に記載の入場管理システム(100)。
【請求項6】
前記第2受信機(40、50)が受信する前記発信機(30)からの前記特定信号を、前記第2受信機(40、50)と対応して設けられている行程と関連付けて記録する履歴メモリ(60)をさらに備えた、
請求項1から5のいずれか1項に記載の入場管理システム(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−4630(P2007−4630A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−185736(P2005−185736)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】