入退場管理システム及び入退場管理端末
【課題】入退場者に対し正当に認証されたという安心感を速やかに与える。
【解決手段】入退場管理システムISは、入退場者に付随された社員証カードTと通信を行う通信アンテナ101と、通信アンテナ101を介し社員証カードTより情報取得を行うことにより、管理対象区画への入退場者の入場又は退場を検出し、入退場者に係わる人物識別情報と、当該入退場者に付随される社員証カードTのタグ識別情報とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベース303とを有し、所定のタイミングで、DBデータに含まれるすべてのタグ識別情報からなるタグ識別情報登録データを、前記DBデータに含まれる前記人物識別情報から分離して複写して取得し、その取得したタグ識別情報登録データを保持し、入退場検出時に社員証カードTより取得されたタグ識別情報が、保持されたタグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する。
【解決手段】入退場管理システムISは、入退場者に付随された社員証カードTと通信を行う通信アンテナ101と、通信アンテナ101を介し社員証カードTより情報取得を行うことにより、管理対象区画への入退場者の入場又は退場を検出し、入退場者に係わる人物識別情報と、当該入退場者に付随される社員証カードTのタグ識別情報とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベース303とを有し、所定のタイミングで、DBデータに含まれるすべてのタグ識別情報からなるタグ識別情報登録データを、前記DBデータに含まれる前記人物識別情報から分離して複写して取得し、その取得したタグ識別情報登録データを保持し、入退場検出時に社員証カードTより取得されたタグ識別情報が、保持されたタグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の管理対象区画における入場者及び退場者の入退場管理を行う入退場管理システム及び入退場管理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を記憶する無線タグに対し非接触で情報の送受信を行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。
【0003】
このRFIDシステムの1つとして、所定の管理対象区画(建造物)における人物の管理を行う管理システム(タイムレコーダーシステム)に適用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術の管理システムでは、入退場者(社員)の所定区画(会社)への入退場(出退勤)を、社員が所持する無線タグ(ICカード)からの情報読み取りによって管理するものである。
【0004】
上記従来技術においては、入退場者の入退場時には、タイムレコーダに設けられたリーダ(ID読み取り・入力手段)が、無線タグよりタグ識別情報(カードID)を読み取る。そして、このタグ識別情報を、入退場データ(出退勤データ)とともにサーバへと送信する。一方、サーバには、予め、タグ識別情報と入退場者の人物識別情報(社員ID)とが結びつけられた状態で、データベース(個人マスター)として記憶されている。そして、上記入退場時においてタイムレコーダからタグ識別情報が送信されてくると、このタグ識別情報をキーに上記データベースを検索し、該当する人物(社員)が存在するかどうか(言い換えれば入退出する者が正当権限者である社員であるかどうか)を認証するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008−112416号公報(段落0037等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術においては、前述したように、無線タグ読み取りに基づく入退場検出時に、その都度、データベースにアクセスして人物認証を行う。このため、ネットワーク通信を介したデータベースへのアクセスが必要になる分、認証に必要な時間が増大する。この結果、入退場者に対し認証結果を速やかに報知することができず、正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができなかった。
【0007】
本発明の目的は、入退場者に対し正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができる入退場管理システム及び入退場管理端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、所定の管理対象区画に対する入退場者の入退場管理を行う入退場管理システムであって、前記入退場者に付随された無線タグと通信を行う通信アンテナと、前記通信アンテナを介し前記無線タグより情報取得を行うことにより、前記管理対象区画への前記入退場者の入場又は退場を検出する入退場検出手段と、前記入退場者に係わる人物識別情報と、当該入退場者に付随される前記無線タグのタグ識別情報とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベースと、所定のタイミングで、前記DBデータに含まれるすべてのタグ識別情報からなるタグ識別情報登録データを、前記DBデータに含まれる前記人物識別情報から分離して複写して取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段で取得した前記タグ識別情報登録データを保持するデータ保持手段と、前記入退場検出手段による検出時に、当該入退場検出手段で前記無線タグより取得されたタグ識別情報が、前記データ保持手段に保持された前記タグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明の入退場管理システムは、所定の管理対象区画への入場者又は退場者の入退場管理を行う。各入退場者には無線タグが付随されており、入場又は退場の際には、入退場検出手段が、通信アンテナを用いた無線通信によって無線タグから情報取得を行い、これによって入場検出又は退場検出が行われる。
【0010】
一方、各無線タグに備えられたタグ識別情報と、当該無線タグが付随される入退場者の人物識別情報とが、予めDBデータとして対応づけられ、タグID管理データベースに格納されている。上記入退場検出手段により入場検出又は退場検出が行われた際には、当該検出した入退場者が不法侵入者ではなく、正当な権限者であることの認証を行わねばならない。無線タグから読み取られる情報には必ずタグ識別情報が含まれることから、この正当権限者であることの認証は、無線タグから取得された無線タグ識別情報を使って行われる。
【0011】
本願第1発明においては、上記の認証を迅速に行うために、予めタグID管理データベースのDBデータからタグ識別情報登録データを人物識別情報から分離する形で抜き出して複写し、DB外に設けたデータ保持手段に当該複写したタグ識別情報登録データを保持しておく。そして、上記の入退場検出時には、判定手段が、データ保持手段のタグ識別情報登録データを用いて、無線タグより取得されたタグ識別情報が、その保持されたタグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する。これによって、無線タグより取得されたタグ識別情報がタグ識別情報登録データに含まれていれば、当該入退場者が正当権限者であることを認証することができる。
【0012】
このように、入退場検出時に、タグID管理データベースのDBデータ本体にいちいちアクセスして認証を行うのではなく、先にタグID管理データベースのDBデータから複写しておいたタグ識別情報登録データを用いて、認証を行う。これにより、例えばネットワーク通信を介したタグID管理データベースへのアクセスが不要になる分、正当権限者であるかどうかの認証に必要な時間を大幅に短縮することができる。この結果、認証結果を速やかに入退場者に報知することが可能となり、入退場者に対し、正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができる。
【0013】
第2発明は、上記第1発明において、前記通信アンテナを介し、前記入退場者の前記人物識別情報を前記無線タグより取得する人物識別情報取得手段と、前記判定手段の判定が満たされたとき、前記人物識別情報取得手段で取得した前記人物識別情報に対応した表示を行う人物表示手段とを有することを特徴とする。
【0014】
これにより、入退場者が正当権限者であることが認証されたとき、当該入退場者の氏名等の人物識別情報が、タグID管理データベースに接続することなく、即座に人物表示手段に表示される。この結果、当該入退場者は自分が正しく認証されたことを確実に視覚的に認識することができるので、さらに安心感を与えることができる。
【0015】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記入退場者に係わる前記人物識別情報又は前記タグ識別情報と、当該入退場者の入退場時刻とを対応づけて記録するための入退場管理データベースと、前記判定手段の判定結果に応じて、当該判定時の時刻情報に基づき、前記入退場管理データベースに対し、対応する記録処理を行う時刻記録処理手段とを有することを特徴とする。
【0016】
これにより、入退場管理データベースに登録された入退場者について、入場時刻と退場時刻を記録(打刻)して管理することができるので、社員の出退勤管理等に活用することができる。また、時刻記録処理手段による記録(打刻)の前に判定手段で判定を行うようにすることで、打刻より先に確実に認証を完了し、認証結果を速やかに入退場者に報知することができる。
【0017】
第4発明は、上記第3発明において、前記入退場検出手段による前記入退場検出結果を入場検出として処理する入場処理モードと、前記入退場検出手段による前記入退場検出結果を退場検出として処理する退場処理モードとを、選択的に切り替える切替処理手段を有し、前記時刻記録処理手段は、前記切替処理手段で前記入場処理モードに切り替えられているときには、前記入退場管理データベースに対し入場記録処理を行い、前記切替処理手段で前記退場処理モードに切り替えられているときには、前記入退場管理データベースに対し退場記録処理を行うことを特徴とする。
【0018】
これにより、モード切替を行うだけで、共通の通信アンテナを介した情報取得結果を用いて、入場記録処理と退場記録処理との両方を行うことができる。したがって、入場検出と退場検出とで別々の通信アンテナを用いて別々に情報取得を行う場合に比べ、システム構成を簡素化することができる。
【0019】
第5発明は、上記第4発明において、前記切替処理手段は、手動による切替操作が行われたとき、若しくは、所定の切替時刻を境に、前記入場処理モードから前記退場処理モードへ、若しくは、前記退場処理モードから前記入場処理モードへと切り替え、前記データ取得手段は、前記所定のタイミングとしての前記切替処理手段による切り替え時に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得することを特徴とする。
【0020】
これにより、入退場者の入場検出を開始するために入場処理モードに切り替えられたとき、あるいは、入退場者の退場検出を開始するために退場処理モードに切り替えられたとき、それらの検出に先立って、確実にタグID管理データベースよりタグ識別情報登録データを取得することができる。また、それらモード切り替えの都度、最新のタグ識別情報登録データをタグID管理データベースより取得することができる。
【0021】
第6発明は、上記第4又は第5発明において、前記切替処理手段で前記入場処理モードに切り替えられているか退場処理モードに切り替えられているかに応じて、対応するモード表示を行うモード表示手段を有することを特徴とする。
【0022】
これにより、現在、入場処理モードなのか退場処理モードなのかが表示されるので、入退場者は、自分の出入りが、入場として記録されるのか、退場として記録されるのかを、確実に認識することができる。この結果、さらに確実に安心感を与えることができる。
【0023】
第7発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記データ入退場検出手段、前記データ取得手段、前記データ保持手段、及び前記判定手段を少なくとも備え、所定の入退場管理アプリケーションを起動して実行する、管理端末を有し、前記データ取得手段は、前記所定のタイミングとして、前記入退場管理アプリケーションの起動時に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得することを特徴とする。
【0024】
これにより、入退場者の入退場検出を開始するために管理端末で入退場管理アプリケーションが立ち上げられたとき、入退場検出に先立ち、確実にタグID管理データベースよりタグ識別情報登録データを取得することができる。そして、その入退場管理アプリケーションの起動の都度、最新のタグ識別情報登録データをタグID管理データベースより取得することができる。
【0025】
第8発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記データ取得手段は、前記所定のタイミングとして、一日一回以上、決められた時刻に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得することを特徴とする。
【0026】
これにより、毎日1回又は複数回、決まった時刻に、確実にタグID管理データベースよりタグ識別情報登録データを取得することができ、さらに、その都度最新のタグ識別情報登録データを取得することができる。
【0027】
第9発明は、上記第1乃至第8発明のいずれかにおいて、前記データ保持手段は、前記データ取得手段で新たな前記タグ識別情報登録データが取得された場合、それまでに保持していた前記タグ識別情報登録データを、当該新たに取得されたタグ識別情報登録データにより上書き更新し、保持することを特徴とする。
【0028】
これにより、タグID管理データベースよりタグ識別情報登録データが取得されるたび、それまでの古いデータを置き換える形で最新のデータに更新することができるので、精度の高い認証を確実に行うことができる。
【0029】
上記目的を達成するために、本願第10発明の入退場管理端末においては、所定の管理対象区画に対する入退場者の入退場管理を行う入退場管理端末であって、前記入退場者に付随された無線タグと通信を行う通信アンテナと、前記通信アンテナを介し前記無線タグより情報取得を行うことにより、前記管理対象区画への前記入退場者の入場又は退場を検出する入退場検出手段と、前記入退場者に係わる人物識別情報と、当該入退場者に付随される前記無線タグのタグ識別情報とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベースより、前記DBデータに含まれるタグ識別情報登録データを所定のタイミングで取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段で取得した前記タグ識別情報登録データを保持するデータ保持手段と、前記入退場検出手段による検出時に、当該入退場検出手段で前記無線タグより取得されたタグ識別情報が、前記データ保持手段に保持された前記タグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【0030】
本願第10発明の入退場管理端末は、所定の管理対象区画への入場者又は退場者の入退場管理を行う。各入退場者には無線タグが付随されており、入場又は退場の際には、入退場検出手段が、通信アンテナを用いた無線通信によって無線タグから情報取得を行い、これによって入場検出又は退場検出が行われる。そして、本願第10発明においては、予めタグID管理データベースのDBデータからタグ識別情報登録データを人物識別情報から分離する形で抜き出して複写し、DB外の入退場管理端末内に設けたデータ保持手段に当該複写したタグ識別情報登録データを保持しておく。そして、上記の入退場検出時には、判定手段が、データ保持手段のタグ識別情報登録データを用いて、無線タグより取得されたタグ識別情報が、その保持されたタグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する。これによって、無線タグより取得されたタグ識別情報がタグ識別情報登録データに含まれていれば、当該入退場者が正当権限者であることを認証することができる。
【0031】
このように、入退場検出時に、タグID管理データベースのDBデータ本体にいちいちアクセスして認証を行うのではなく、先にタグID管理データベースのDBデータから入退場管理端末内に複写しておいたタグ識別情報登録データを用いて、認証を行う。これにより、例えばネットワーク通信を介したタグID管理データベースへのアクセスが不要になる分、正当権限者であるかどうかの認証に必要な時間を大幅に短縮することができる。この結果、認証結果を速やかに入退場者に報知することが可能となり、入退場者に対し、正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができる。
【0032】
また、1つの入退場管理端末がデータベース以外の各手段を備えるオールインワンタイプとすることにより、複数の装置を組み合わせてシステムを構築する場合よりも構成を簡素化でき、また手軽に入退場管理システムを実現することができ、さらに必要時には全体の移動も容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、入退場者に対し正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態の入退場管理システムの全体構成を示すシステム構成図である。
【図2】入退場管理システムのシステム全体の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図3】PC端末の表示部に表示される入退場管理画面の入場時及び退場時の一例を表す図である。
【図4】入退場管理データベースに記録される勤怠管理リストの一例を表す図である。
【図5】タグID管理データベースに保管される社員管理リストの一例を表す図である。
【図6】大容量記憶装置に保持されるタグIDリストの一例を表す図である。
【図7】リーダの高周波回路の詳細機能構成を示す機能ブロック図である。
【図8】社員証カードに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
【図9】入退場管理を行う際に、PC端末の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図10】人物識別情報に対応した表示をする際に、PC端末の表示部に表示される入退場管理画面の入場時及び退場時の一例を表す図である。
【図11】PC端末とリーダを一装置で構成する変形例のタイムレコーダ装置の外観を表す斜視図である。
【図12】タイムレコーダ装置を含む入退場管理システムのシステム全体の機能構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0036】
図1に、本実施形態の入退場管理システムの全体構成を示す。
【0037】
入退場管理システムISは、本実施形態における所定の管理対象区画であるオフィスに対する入退場者の入退場管理を行うものである。この入退場管理システムISは、リーダ100と、このリーダ100と例えばUSB等のインターフェースを介して接続され、リーダ100を操作可能なPC端末200(管理端末)と、このPC端末200と有線あるいは無線のネットワークNW(LAN、無線LAN等)を介して情報入出力可能に接続されたサーバ300とを有している。なお、ここではリーダ100とPC端末200とを有線接続させた場合を例示したが、無線通信を介して無線接続させてもよい。
【0038】
リーダ100は、オフィスへの入退場者である社員に付随(携帯、所持等)された無線タグとしての社員証カードT(後述の図2参照)より、無線通信を介して情報の取得を行う。
【0039】
PC端末200は、液晶ディスプレイ等の表示部201(人物表示手段;モード表示手段)及びキーボードやマウス等の操作部202を有している。このPC端末200には、所定の入退場管理アプリケーション(以下適宜、単にアプリケーションという)がインストールされており、PC端末200の電源投入時に自動又は手動操作によりアプリケーションが起動される。このアプリケーションが実行されている間は、表示部201に入退場管理画面(後述の図3参照)が表示され、社員が社員証カードTをリーダ100にかざすことにより、入場時刻又は退場時刻の記録等が行われる。なお、リーダ100による通信距離を長くとれる場合には、社員が社員証カードTをリーダ100へかざす行為を積極的に行わなくても、単にゲート等を通り過ぎるだけでリーダ100から自動的に社員証カードTへの情報読み取りを行い、これに応じて入場時刻又は退場時刻の記録等が行われるようにしてもよい。
【0040】
図2に、入退場管理システムISのシステム全体の機能構成を示す。
【0041】
この図2において、サーバ300は、ネットワーク通信制御部301と、制御回路302と、入退場者である社員に係わる人物識別情報(氏名、社員番号等。以下同様)と当該社員に付随される社員証カードT(詳細には社員証カードTに備えられる後述の無線タグ回路素子To)のタグID(タグ識別情報)とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベース303と、上記社員に係わる人物識別情報(又は上記タグID)と当該社員の入退場時刻とを対応づけて記録するための入退場管理データベース304とを有している。
【0042】
ネットワーク通信制御部301は、PC端末200との間でネットワークNWを介して行われるネットワーク通信の制御を行う。
【0043】
制御回路302は、サーバ300全体の動作を制御する。
【0044】
上記タグID管理データベース303には、オフィスの全社員に係わる社員証カードTのタグID及び人物識別情報を、予め上記DBデータとして対応づけて登録した社員管理リスト(後述の図5参照)が保管されている。
【0045】
また、上記入退場管理データベース304では、入退場を行う社員の人物識別情報及びその社員の入退場時刻とを対応づけて記録する勤怠管理リスト(後述の図4参照)が日々記録されるようになっている。
【0046】
一方、リーダ100は、社員に付随された社員証カードTの無線タグ回路素子Toと通信を行う通信アンテナ101と、この通信アンテナ101を介し上記無線タグ回路素子Toへ無線通信によりアクセスすると共に、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する高周波回路102と、上記PC端末200との間で行われる通信の制御を行う通信制御部103とを有している。
【0047】
社員証カードTに設けられた無線タグ回路素子Toは、情報を記憶するIC回路部150及び情報の送受信を行うタグアンテナ151を備えている。IC回路部150には、当該社員証カードTに設けられた無線タグ回路素子Toの上記タグIDと、この例では上記社員に係わる人物識別情報(氏名、社員番号等)とが、記憶されている。
【0048】
また、PC端末200は、上記表示部201及び操作部202と、図示しないCPU及びRAM、ROM等のメモリを有する制御回路203と、ネットワーク通信制御部204と、上記入退場管理アプリケーションのプログラム等を記憶するハードディスク装置等の大容量記憶装置205と、通信制御部206とを備えている。
【0049】
表示部201は、リーダ100によって通信アンテナ101を介して取得した人物識別情報に対応した表示(後述のウェルカム表示等)や後述のモード表示等を行う。
【0050】
ネットワーク通信制御部204は、サーバ300との間でネットワークNWを介して行われるネットワーク通信の制御を行う。
【0051】
制御回路203は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムを実行する。それによって上記入退場管理アプリケーションを実行したり、リーダ100との間で各種の指示信号・情報信号の送受を行う。また、所定のタイミング(例えば、上記アプリケーション起動時等。詳細は後述)で、上記タグID管理データベース303に保管された、オフィスの全社員に係わる社員証カードTのタグID(=タグID登録データ。上記社員管理リストのDBデータに含まれるすべてのタグIDから構成される)を、上記DBデータに含まれる人物識別情報から分離して複写して取得するようになっている。
【0052】
大容量記憶装置205(データ保持手段)は、タグID管理データベース303の社員管理リストから取得した上記タグID登録データをタグIDリスト(後述の図6参照)として記録し、保持する。また、上記社員管理リストより新たなタグID登録データが取得された場合、それまでタグIDリストに保持していたタグID登録データ(古いデータ)を、当該新たに取得されたタグID登録データ(最新のデータ)により上書き更新し、保持するようになっている。
【0053】
通信制御部206は、例えばUSBなどの規格に準拠するインターフェース接続を介してリーダ100との情報信号の授受の制御を行う。
【0054】
上記のように構成される入退場管理システムISは、オフィスへの社員の入場を検出処理する入場処理モードと、オフィスからの社員の退場を検出処理する退場処理モードとの2つのモードを有しており、所定の手動切替操作により上記モードを選択的に切り替えることができる(詳細は図3で後述)。
【0055】
入場処理モードに切り替えられているときには、上記入退場管理データベース304の勤怠管理リストに対し入場時刻の記録を行う(入場記録処理)。一方、退場処理モードに切り替えられているときには、上記入退場管理データベース304の勤怠管理リストに対し退場時刻の記録を行う(退場記録処理)。このとき、モードが入場処理モードに切り替えられているか退場処理モードに切り替えられているかに応じて、対応するモード表示を表示部201に表示する(後述の図3参照)。
【0056】
図3(a)及び図3(b)に、PC端末200の表示部201に表示される上記入退場管理画面の一例を示す。なお、図3(a)は上記入場処理モードにおいて表示される画面を表し、図3(b)は上記退場処理モードにおいて表示される画面を表している。
【0057】
これら図3(a)及び図3(b)において、入退場管理画面210は、日付及び時刻を表示する日時表示部211と、社員が入場をする際に選択する入場選択部212と、社員が退場をする際に選択する退場選択部213と、適宜のメッセージ等を表示するメッセージ表示部214とを有している。
【0058】
社員がオフィスに入場する際には、図3(a)に示すように、まず操作部202を用いて入場選択部212を選択する(例えば、画面上のカーソルをマウスかキーボード等により移動させてクリックする等)ことで、入場時刻の記録を行う上記入場処理モードに切り替わる。このとき、メッセージ表示部214には、入場処理モードに対応するモード表示(図中「IN」)が表示される。そして、社員証カードTをリーダ100にかざすことで、社員証カードTの無線タグ回路素子Toに対し情報読み取りが行われ、入場時刻の記録等が行われる(処理の詳細は後述)。
【0059】
一方、社員がオフィスから退場する際には、図3(b)に示すように、まず操作部202を用いて退場選択部213を選択する(上記同様のクリック操作等)ことで、退場時刻の記録を行う上記退場処理モードに切り替わる。このとき、メッセージ表示部214には、退場処理モードに対応するモード表示(図中「OUT」)が表示される。そして、社員証カードTをリーダ100にかざすことで、社員証カードTの無線タグ回路素子Toに対し情報読み取りが行われ、退場時刻の記録等が行われる(処理の詳細は後述)。
【0060】
なお、上記入場処理モード及び退場処理モードのモード切替を、上記のような操作部202を介した手動切替操作とするのではなく、所定の時刻を境に、入場処理モードから退場処理モードへ、若しくは退場処理モードから入場処理モードへ、自動で切り替えるようにしてもよい(後述の(2)の変形例参照)。
【0061】
なお、表示部201をタッチパネルで構成し、上記入場選択部212及び退場選択部213を社員が直接画面に触れながら選択できるようにしてもよい。
【0062】
図4に、入退場管理データベース304に記録される上記勤怠管理リストの一例を示す。
【0063】
この図4に示す例では、入退場を行う社員の上記人物識別情報としての「氏名」及び「社員番号」と、その社員の入場時刻「IN」及び退場時刻「OUT」とが対応づけて記録されている。なお、この例では勤怠管理リストに人物識別情報と入退場時刻のみを記録するようにしたが、対応するタグIDも併せて記録するようにしてもよい。
【0064】
図5にタグID管理データベース303に保管される上記社員管理リストの一例を示す。
【0065】
この図5に示す例では、社員管理リストに、上記オフィスの全社員に係わる社員証カードTのタグID(=タグID登録データ)と、対応する社員に係わる人物識別情報としての氏名及び社員番号とが、予めDBデータとして対応づけられて登録されている。
【0066】
そして、上記の社員管理リストのDBデータのうち、上述したように、上記入退場管理アプリケーションの起動時に上記タグID登録データが抜き出されて複写され、その複写されたタグID登録データは、PC端末200の大容量記憶装置205にタグIDリストとして記憶される。図6に、このようにして大容量記憶装置205に保持されたタグIDリストの一例を示す。
【0067】
この図6に示す例では、タグIDリストに、上記図5に示した社員管理リストのDBデータから抜き出して複写した上記全社員のタグIDが記憶されている。したがって、社員の入退場時にリーダ100により社員証カードTよりタグIDを取得した際に、当該タグIDがこのタグIDリストのタグID登録データに含まれているか否かを検索することで、社員証カードTをかざした人物が社員であるか否かを確認できるようになっている。
【0068】
図7に、リーダ100の高周波回路102の詳細機能構成を示す。
【0069】
この図7において、高周波回路102は、上記通信アンテナ101を介し上記社員証カードTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報へアクセスするものである。この高周波回路102には、PC端末の制御回路203により生成された、IC回路部150から情報を読み出す(又はIC回路部150に所望の情報を書き込む)ための各種コマンドが通信制御部206,103を介し入力される。なお、煩雑防止のため図7では通信制御部206,103の図示を省略している。
【0070】
高周波回路102は、通信アンテナ101を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、通信アンテナ101により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
【0071】
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報(この例ではタグID及び上記人物識別情報を含む)にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、制御回路203の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/遁倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記制御回路203から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では制御回路203からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例では制御回路203からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成するゲイン制御送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記ゲイン制御送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介し通信アンテナ101に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0072】
受信部143は、通信アンテナ101で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記通信アンテナ101で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器167により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記制御回路203に入力されて処理される。
【0073】
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が制御回路203に入力される。これにより、PC端末200では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号の受信強度を検出することが可能となっている。
【0074】
図8に、上記社員証カードTに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を示す。
【0075】
この図8において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにリーダ100の通信アンテナ101と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0076】
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0077】
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記リーダ100の通信アンテナ101からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0078】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0079】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0080】
図9に、以上説明した社員の入退場管理を行うために、PC端末200の制御回路203によって実行される制御手順を示す。このフローチャートは、PC端末200の電源が投入された際に開始される(「START」位置)。
【0081】
ステップS5では、制御回路203は、大容量記憶装置205に格納された所定の入退場管理アプリケーションプログラムを読み出し、当該アプリケーションを起動して実行する。なお、ここでは制御回路203が自動的にアプリケーションを起動するようにしたが、社員が手動操作によりアプリケーションの起動を行うようにしてもよい。
【0082】
その後、ステップS10で、制御回路203は、上記入退場管理アプリケーションが起動されたのに応じて、ネットワーク通信制御部204及びネットワークNWを介してサーバ300のタグID管理データベース303にアクセスする。そして、前述したように、タグID管理データベース303の社員管理リストのDBデータに含まれるタグID登録データを、当該DBデータに含まれる人物識別情報から分離して複写し、取得する(データ取得手段としての機能)。
【0083】
そして、ステップS15で、制御回路203は、上記ステップS10で取得したタグID登録データを大容量記憶装置205にタグIDリストとして記憶させ、保持させる。なおこの際、前回動作時に既に大容量記憶装置205にタグIDリストが保持されていた場合には、このステップS15で新たに取得されたタグID登録データにより上書き更新する。
【0084】
その後、ステップS20で、制御回路203は、社員が入場及び退場のうちいずれをしようとしているのかを判定する。社員が前述のようにして入場選択部212を選択している場合には、社員が入場しようとしているとみなし、判定が満たされてステップS25に移る。
【0085】
ステップS25では、制御回路203は、社員の入場検出処理を行う上記入場処理モードへ切り替え、ステップS30に移る。
【0086】
ステップS30では、制御回路203は、表示部201に制御信号を出力し、メッセージ表示部214に対応するモード表示(例えば「IN」。前述の図3(a)参照)を行う。その後、後述のステップS45に移る。
【0087】
一方、先のステップS20において、社員が退場選択部213を選択している場合には、社員が退場しようとしているとみなし、判定が満たされずにステップS35に移る。
【0088】
ステップS35では、制御回路203は、社員の退場検出処理を行う上記退場処理モードへ切り替え、ステップS40に移る。
【0089】
ステップS40では、制御回路203は、表示部201に制御信号を出力し、メッセージ表示部214に対応するモード表示(例えば「OUT」。前述の図3(b)参照)を行う。
【0090】
そして、ステップS45で、制御回路203は、通信制御部206,103を介してリーダ100の高周波回路102に制御信号を送信し、社員証カードTに備えられる無線タグ回路素子Toのメモリ部155に記憶されたタグIDを読み出すタグ読み取り信号として、所定の変調を行った質問波を通信アンテナ101を介して通信範囲内に存在する無線タグ回路素子Toに送信させる。
【0091】
その後、ステップS50で、制御回路203は、上記タグ読み取り信号に対応して通信範囲内の無線タグ回路素子Toから返信された応答(リプライ)信号を、通信制御部103,206を介して受信したか否かを判定する。応答信号を受信しない場合には、判定が満たされずに上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返し、上記ステップS30で再び高周波回路102に制御信号を送信してタグ読み取り信号の送信を行う(リトライ)。なお、この図9では図示を省略しているが、上記リトライは予め定められた設定回数だけ行われ、その間に応答信号を受信しない場合には、対応する処理(例えば表示部201にエラー表示を行う等)を行う。一方、応答信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS55に移る。
【0092】
ステップS55では、制御回路203は、上記ステップS50で受信した応答信号に基づき取得したタグIDが、大容量記憶装置205のタグIDリストに保持されたタグID登録データに含まれているか否かを判定する(判定手段としての機能)。含まれていなかった場合にはステップS60に移り、所定のエラー処理を行う(例えば表示部201に制御信号を出力して「未登録です」等のエラー表示を行ったり、警備員に通報する等)。その後、後述のステップS95に移る。
【0093】
一方、上記ステップS55において、取得したタグIDがタグID登録データに含まれていた場合には、ステップS55の判定が満たされてステップS65に移る。
【0094】
ステップS65では、制御回路203は、上記ステップS50でリーダ100の通信アンテナ101を介し、社員証カードTの無線タグ回路素子Toより受信した応答信号から、社員の人物識別情報(氏名、社員番号等)を抽出して取得する(人物識別情報取得手段としての機能)。
【0095】
そして、ステップS70で、制御回路203は、入場処理モード及び退場処理モードのうちいずれのモードに切り替わっているのかを判定する。入場処理モードに切り替わっている場合には、判定が満たされてステップS75に移る。
【0096】
ステップS75では、制御回路203は、表示部201に制御信号を出力し、上記ステップS65で取得した人物識別情報に基づき、メッセージ表示部214に対応するウェルカム表示(例えば「○○さん、おはようございます」等。後述の図10(a)参照)を行う。
【0097】
その後、ステップS80で、制御回路203は、ネットワーク通信制御部204及びネットワークNWを介してサーバ300の入退場管理データベース304にアクセスし、上記取得した人物識別情報と、図示しない計時手段から取得した入場時刻とを対応づけて、入退場管理データベース304の上記勤怠管理リストに記録する。なお、この場合において、前述したようにタグIDについても対応づけて記録してもよい。その後、後述のステップS95に移る。
【0098】
一方、先のステップS70において、退場処理モードに切り替わっている場合には、ステップS70の判定が満たされずにステップS85に移る。
【0099】
ステップS85では、制御回路203は、表示部201に制御信号を出力し、上記ステップS65で取得した人物識別情報に基づき、メッセージ表示部214に対応するウェルカム表示(例えば「○○さん、お疲れ様でした」等。後述の図10(b)参照)を行う。
【0100】
そして、ステップS90で、制御回路203は、ネットワーク通信制御部204及びネットワークNWを介してサーバ300の入退場管理データベース304にアクセスし、上記取得した人物識別情報と、上記計時手段から取得した退場時刻とを対応づけて、入退場管理データベース304の上記勤怠管理リストに記録する。なお、この場合において、前述したようにタグIDについても対応づけて記録してもよい。
【0101】
その後、ステップS95で、制御回路203は、操作部202を介して実行中の入退場管理アプリケーションを終了する操作が行なわれたか否かを判定する。アプリケーションを終了する操作が行われていない場合には、判定は満たされずに上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。一方、アプリケーションを終了する操作が行われた場合には、判定が満たされてステップS100に移る。
【0102】
ステップS100では、制御回路203は、実行中の入退場管理アプリケーションを終了処理する。これにより、当該アプリケーションによる入退場管理画面210(前述の図3参照)が閉じられる。なおこのとき、アプリケーションの終了のみでなく、アプリケーションの終了後、ログアウト等の他の処理を行ってもよいし、さらにPC端末200の電源を落とすようにしてもよい。以上により、このフローを終了する。
【0103】
なお、上記ステップS65においては、上記ステップS55の判定が満たされた場合には、上記ステップS45で送信したタグ読み取り信号に対応して、上記ステップS50で社員証カードTの無線タグ回路素子Toより受信した応答信号から、人物識別情報を抽出して取得するようにした。しかしながら、上記ステップS65において、上記ステップS55の判定が満たされた場合に、改めて人物識別情報を含む情報を読み取るためのタグ読み取り信号を送信することで、人物識別情報の取得を行うようにしてもよい。
【0104】
上記において、ステップS50が、オフィスへの入退場者の入場又は退場を検出する入退場検出手段として機能する。
【0105】
また、ステップS20が、入場処理モードと退場処理モードとを、選択的に切り替える切替処理手段として機能する。
【0106】
またさらに、ステップS80及びステップS90が、入退場管理データベース304に対し、対応する記録処理を行う時刻記録処理手段として機能する。
【0107】
図10に、上記図9のフローのステップS80及びステップS90において人物識別情報に対応して表示部201で実行するウェルカム表示の一例を示す。なお、図10(a)は上記入場処理モードにおいて表示される画面を表し、図10(b)は上記退場処理モードにおいて表示される画面を表している。
【0108】
これら図10(a)及び図10(b)に示すように、社員がオフィスに入退場する際には、メッセージ表示部214に、社員証カードTより取得した人物識別情報に基づいて、その社員の氏名を明示した挨拶文が表示される。
【0109】
以上説明したように、本実施形態においては、リーダ100の通信アンテナ101を介して入退場者が付随する社員証カードTの無線タグ回路素子Toから情報読み取りを行うことで、入退場者(社員)の入退場検出を行う。この際、当該検出した社員が不法侵入者ではなく、正当な権限者(=オフィスの社員)であることの認証は、無線タグ回路素子Toから取得したタグIDを用いて行う。このとき、上記の認証を迅速に行うために、社員の入退場検出を行う前に、予めタグID管理データベース303の社員管理リスト(前述の図5参照)のDBデータからタグID登録データを抜き出して複写(取得)して(ステップS10参照)、当該タグID登録データをPC端末200内に設けた大容量記憶装置205のタグIDリスト(前述の図6参照)に保持させておく(ステップS15参照)。これにより、社員の入退場検出時に、リーダ100によって取得されたタグIDが、上記大容量記憶装置205のタグIDリストに保持されたタグID登録データに含まれるかどうかを判定し、含まれていれば当該社員が正当権限者、すなわちオフィスの社員であることを認証することができる(ステップS55参照)。
【0110】
このように、社員の入退場検出時に、タグID管理データベース303の社員管理リストのDBデータ本体にいちいちアクセスして認証を行うのではなく、先に上記社員管理リストのDBデータから抜き出して複写しPC端末200内に記憶させてあるタグID登録データを用いて、認証を行う。これにより、ネットワークNWを介したタグID管理データベース303へのアクセスが不要になる分、正当権限者であるかどうかの認証に必要な時間を大幅に短縮することができる。この結果、認証結果を速やかに当該社員に報知することが可能となり、社員に対し、正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができる。
【0111】
また、本実施形態では特に、入退場管理アプリケーションの起動時に、タグID登録データをタグID管理データベース303の社員管理リストより取得する(ステップS10参照)。これにより、社員の入退場検出を開始するためにPC端末200で入退場管理アプリケーションが立ち上げられたとき、入退場検出に先立ち、確実にタグID管理データベース303の社員管理リストよりタグID登録データを取得することができる。そして、そのアプリケーションの起動の都度、最新のタグID登録データを上記社員管理リストより取得することができる。
【0112】
また、本実施形態においては、ステップS10でアプリケーションを起動しタグID管理データベース303の社員管理リストより新たなタグID登録データを取得したとき、既に大容量記憶装置205に保持されていたタグIDリストを、新たに取得したタグID登録データにより上書き更新する(ステップS15参照)。これにより、タグID管理データベース303の社員管理リストよりタグID登録データが取得されるたび、上記タグIDリストの内容をそれまでの古いタグID登録データを置き換える形で最新のタグID登録データに更新することができるので、精度の高い認証を確実に行うことができる。
【0113】
また、本実施形態では特に、オフィスへの社員の入退場検出結果を入場検出として処理する入場処理モードと、退場検出として処理する退場処理モードとを選択的に切り替える。そして、入場処理モードに切り替えられているときには、入退場管理データベース304の勤怠管理リストに対し入場記録処理を行い(ステップS80参照)、退場処理モードに切り替えられているときには、入退場管理データベース304の勤怠リストに対し退場記録処理を行う(ステップS90参照)。これにより、上記のようなモード切替を行うだけで、共通の通信アンテナ101を介した情報取得結果を用いて、入場記録処理と退場記録処理との両方を行うことができる。したがって、入場検出と退場検出とで別々の通信アンテナを用いて別々に情報取得を行う場合に比べ、システム構成を簡素化することができる。
【0114】
このとき特に、社員の入退場を検出するモードが上記入場処理モードに切り替えられているか上記退場処理モードに切り替えられているかに応じて、対応するモード表示(前述の図3参照)を表示部201のメッセージ表示部214に表示させる(ステップS30及びステップS40参照)。これにより、現在、入場処理モードなのか退場処理モードなのかが表示部201のメッセージ表示部214に表示されるので、社員は、自分の出入りが、入場として記録されるのか、退場として記録されるのかを、確実に認識することができる。この結果、さらに確実に安心感を与えることができる。
【0115】
また、本実施形態では特に、社員が正当権限者、すなわちオフィスの社員であることが認証されると、社員証カードTの無線タグ回路素子Toより取得した人物識別情報に基づき、対応した表示を表示部201に表示させる(前述の例では、メッセージ表示部214に社員の氏名を明示した挨拶文が表示される。図10(a)及び図10(b)参照)。すなわち、社員が正当権限者であることが認証されたとき、当該社員の氏名等の人物識別情報が、タグID管理データベース303に接続することなく、即座に表示部201のメッセージ表示部214に表示される。この結果、当該社員は自分が正しく認証されたことを確実に視覚的に認識することができるので、さらに安心感を与えることができる。
【0116】
また、本実施形態では特に、社員証カードTより取得したタグIDが、大容量記憶装置205のタグIDリストのタグID登録データに含まれるかどうかの判定を行った際の時刻情報に基づき、入退場管理データベース304の勤怠管理リストに対し、対応する記録処理を行う(ステップS80及びステップS90参照)。これにより、勤怠管理リストに登録された社員について、入場時刻と退場時刻を記録(打刻)して管理を行い、社員の出退勤管理等を行うことができる。そして、上記勤怠管理リストへの記録(打刻)の前に、上記の判定を行う(ステップS55参照)ようにすることで、打刻より先に確実に認証を完了し、認証結果を速やかに社員に報知することができる。
【0117】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0118】
(1)毎日決められた時刻にタグID登録データを取得する場合
上記実施形態においては、所定の入退場管理アプリケーションを起動する際にタグID登録データをタグID管理データベース303より取得していたが、これに限られず、毎日決められた時刻にタグID登録データをタグID管理データベース303より取得するようにしてもよい。
【0119】
すなわち、PC端末200の制御回路203が、図示しない計時手段の時刻情報に基づき、前述の所定のタイミングとして、一日一回以上、決められた時刻に(例えば一日二回、午前8時、午後2時に)、タグID登録データをタグID管理データベース303の社員管理リストのDBデータより取得する(データ取得手段としての機能)。
【0120】
本変形例によれば、毎日1回又は複数回、決まった時刻に、確実にタグID管理データベース303の社員管理リストよりタグID登録データを取得することができ、さらに、その都度最新のタグID登録データを取得することができる。
【0121】
(2)モード切替時刻になったらタグID登録データを取得する場合
すなわち、前述した入場処理モード及び退場処理モードを所定の時刻を境に切り替えるようにし、当該切替時刻になったら、タグID登録データをタグID管理データベース303より取得するようにしてもよい。
【0122】
すなわち、PC端末200の制御回路203が、所定の切替時刻を境に、上記入場処理モードから上記退場処理モードへ、若しくは、退場処理モードから入場処理モードへと切り替える。例えば、退場処理モードから入場処理モードへと切り替える上記所定の切替時刻を午前6時、入場処理モードから退場処理モードへと切り替える上記所定の切替時刻を午後2時に設定する。この場合、午前6時から午後2時までは入場処理モードとなり入場時刻の記録等が行われ、午後2時から翌日の午前6時までは退場処理モードとなり退場時刻の記録等が行われることになる。そして、上記の切替時刻(午前6時及び午後2時)になったら、タグID登録データをタグID管理データベース303の社員管理リストのDBデータより取得する(データ取得手段としての機能)
本変形例によれば、社員の入場検出を開始するために入場処理モードに切り替えられたとき、あるいは、社員の退場検出を開始するために退場処理モードに切り替えられたとき、それらの検出に先立って、確実にタグID管理データベース303の社員管理リストよりタグID登録データを取得することができる。また、それらモード切り替えの都度、最新のタグID登録データをタグID管理データベース303の社員管理リストより取得することができる。
【0123】
(3)PC端末とリーダを一装置で構成する場合
上記実施形態では、入退場管理システムISが、リーダ100と、PC端末200とを有する構成としたが、これらの機能を一装置で有するタイムレコーダ装置を用いてもよい。
【0124】
図11に、本変形例のタイムレコーダ装置500の外観を示す。
【0125】
図11において、タイムレコーダ装置500(入退場管理端末)は、オフィスに対する社員の入退場管理を行う入退場管理端末装置である。このタイムレコーダ装置500は、その上面に、入退場者である社員に付随された社員証カードTに設けられた無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う通信アンテナ507を有しており、その前面に、前述した入退場管理画面210を表示する表示部501(人物表示手段;モード表示手段)と、操作入力を行うための操作部502を有している。
【0126】
図12に、タイムレコーダ装置500を含む入退場管理システムISのシステム全体の機能構成を示す。
【0127】
図12において、タイムレコーダ装置500は、上記表示部501及び操作部502と、図示しないCPU及びRAM、ROM等のメモリを有する制御回路503と、ネットワーク通信制御部504と、上記入退場管理アプリケーションのプログラム等を記憶するハードディスク装置等の大容量記憶装置505(データ保持手段)と、通信アンテナ507と、高周波回路506とを有している。
【0128】
表示部501は、通信アンテナ507を介して取得した人物識別情報に対応した表示(前述の図10と同様の表示)やモード表示(前述の図3と同様の表示)等を行う。
【0129】
ネットワーク通信制御部504は、サーバ300との間でネットワークNWを介して行われるネットワーク通信の制御を行う。
【0130】
通信アンテナ507は、社員証カードTに備えられた無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う。
【0131】
高周波回路506は、上記通信アンテナ507を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ無線通信によりアクセスすると共に、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する(詳細機能は前述の図7に示した高周波回路102と同様)。
【0132】
サーバ300については、上記実施形態と同様の構成である。なお、ここではタイムレコーダ装置500とサーバ300とが別体である構成としたが、タイムレコーダ装置500がタグID管理データベース303と入退場管理データベース304とを有する構成としてもよい。この場合、タイムレコーダ装置500のみで入退場管理システムISを構成することになる。
【0133】
上記制御回路503によって実行される制御手順は、前述の図9に示す内容とほぼ同様であるので説明を省略する。
【0134】
上記構成である本変形例においては、上記実施形態と同様の効果を得ると共に、さらに、1つのタイムレコーダ装置500がデータベース以外の各手段を備えるオールインワンタイプとすることにより、複数の装置を組み合わせてシステムを構築する場合よりも構成を簡素化でき、また手軽に入退場管理システムを実現することができ、さらに必要時には全体の移動も容易に行うことができる。
【0135】
(4)その他
以上では、入退場管理を行う管理対象区画がオフィスである場合を一例として説明したが、これに限られず、例えば特定の建造物(ビル、病院等)、部屋(会議室、応接室等)、敷地、施設(遊園地、空港等)、又は特定エリア等、種々の管理対象区画に対して本発明は適用可能である。
【0136】
また以上では、オフィスにおける社員の入退場管理(出退勤管理)を行う場合を一例として説明したが、これに限られず、例えば来客の入退場管理に適用することも可能である。この場合には、各来客に無線タグ回路素子Toを備えた来客用カードを渡しておき、それを用いて入退場を行うようにすればよい。
【0137】
なお、以上において、図2、図7、図8等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、図9に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0138】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0139】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0140】
100 リーダ
101 通信アンテナ
200 PC端末(管理端末)
201 表示部(人物表示手段;モード表示手段)
202 操作部
203 制御回路
205 大容量記憶装置(データ保持手段)
300 サーバ
303 タグID管理データベース
304 入退場管理データベース
500 タイムレコーダ装置(入退場管理端末)
501 表示部(人物表示手段;モード表示手段)
502 操作部
505 大容量記憶装置(データ保持手段)
507 通信アンテナ
IS 入退場管理システム
T 社員証カード(無線タグ)
To 無線タグ回路素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の管理対象区画における入場者及び退場者の入退場管理を行う入退場管理システム及び入退場管理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を記憶する無線タグに対し非接触で情報の送受信を行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。
【0003】
このRFIDシステムの1つとして、所定の管理対象区画(建造物)における人物の管理を行う管理システム(タイムレコーダーシステム)に適用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術の管理システムでは、入退場者(社員)の所定区画(会社)への入退場(出退勤)を、社員が所持する無線タグ(ICカード)からの情報読み取りによって管理するものである。
【0004】
上記従来技術においては、入退場者の入退場時には、タイムレコーダに設けられたリーダ(ID読み取り・入力手段)が、無線タグよりタグ識別情報(カードID)を読み取る。そして、このタグ識別情報を、入退場データ(出退勤データ)とともにサーバへと送信する。一方、サーバには、予め、タグ識別情報と入退場者の人物識別情報(社員ID)とが結びつけられた状態で、データベース(個人マスター)として記憶されている。そして、上記入退場時においてタイムレコーダからタグ識別情報が送信されてくると、このタグ識別情報をキーに上記データベースを検索し、該当する人物(社員)が存在するかどうか(言い換えれば入退出する者が正当権限者である社員であるかどうか)を認証するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008−112416号公報(段落0037等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術においては、前述したように、無線タグ読み取りに基づく入退場検出時に、その都度、データベースにアクセスして人物認証を行う。このため、ネットワーク通信を介したデータベースへのアクセスが必要になる分、認証に必要な時間が増大する。この結果、入退場者に対し認証結果を速やかに報知することができず、正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができなかった。
【0007】
本発明の目的は、入退場者に対し正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができる入退場管理システム及び入退場管理端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、所定の管理対象区画に対する入退場者の入退場管理を行う入退場管理システムであって、前記入退場者に付随された無線タグと通信を行う通信アンテナと、前記通信アンテナを介し前記無線タグより情報取得を行うことにより、前記管理対象区画への前記入退場者の入場又は退場を検出する入退場検出手段と、前記入退場者に係わる人物識別情報と、当該入退場者に付随される前記無線タグのタグ識別情報とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベースと、所定のタイミングで、前記DBデータに含まれるすべてのタグ識別情報からなるタグ識別情報登録データを、前記DBデータに含まれる前記人物識別情報から分離して複写して取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段で取得した前記タグ識別情報登録データを保持するデータ保持手段と、前記入退場検出手段による検出時に、当該入退場検出手段で前記無線タグより取得されたタグ識別情報が、前記データ保持手段に保持された前記タグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明の入退場管理システムは、所定の管理対象区画への入場者又は退場者の入退場管理を行う。各入退場者には無線タグが付随されており、入場又は退場の際には、入退場検出手段が、通信アンテナを用いた無線通信によって無線タグから情報取得を行い、これによって入場検出又は退場検出が行われる。
【0010】
一方、各無線タグに備えられたタグ識別情報と、当該無線タグが付随される入退場者の人物識別情報とが、予めDBデータとして対応づけられ、タグID管理データベースに格納されている。上記入退場検出手段により入場検出又は退場検出が行われた際には、当該検出した入退場者が不法侵入者ではなく、正当な権限者であることの認証を行わねばならない。無線タグから読み取られる情報には必ずタグ識別情報が含まれることから、この正当権限者であることの認証は、無線タグから取得された無線タグ識別情報を使って行われる。
【0011】
本願第1発明においては、上記の認証を迅速に行うために、予めタグID管理データベースのDBデータからタグ識別情報登録データを人物識別情報から分離する形で抜き出して複写し、DB外に設けたデータ保持手段に当該複写したタグ識別情報登録データを保持しておく。そして、上記の入退場検出時には、判定手段が、データ保持手段のタグ識別情報登録データを用いて、無線タグより取得されたタグ識別情報が、その保持されたタグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する。これによって、無線タグより取得されたタグ識別情報がタグ識別情報登録データに含まれていれば、当該入退場者が正当権限者であることを認証することができる。
【0012】
このように、入退場検出時に、タグID管理データベースのDBデータ本体にいちいちアクセスして認証を行うのではなく、先にタグID管理データベースのDBデータから複写しておいたタグ識別情報登録データを用いて、認証を行う。これにより、例えばネットワーク通信を介したタグID管理データベースへのアクセスが不要になる分、正当権限者であるかどうかの認証に必要な時間を大幅に短縮することができる。この結果、認証結果を速やかに入退場者に報知することが可能となり、入退場者に対し、正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができる。
【0013】
第2発明は、上記第1発明において、前記通信アンテナを介し、前記入退場者の前記人物識別情報を前記無線タグより取得する人物識別情報取得手段と、前記判定手段の判定が満たされたとき、前記人物識別情報取得手段で取得した前記人物識別情報に対応した表示を行う人物表示手段とを有することを特徴とする。
【0014】
これにより、入退場者が正当権限者であることが認証されたとき、当該入退場者の氏名等の人物識別情報が、タグID管理データベースに接続することなく、即座に人物表示手段に表示される。この結果、当該入退場者は自分が正しく認証されたことを確実に視覚的に認識することができるので、さらに安心感を与えることができる。
【0015】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記入退場者に係わる前記人物識別情報又は前記タグ識別情報と、当該入退場者の入退場時刻とを対応づけて記録するための入退場管理データベースと、前記判定手段の判定結果に応じて、当該判定時の時刻情報に基づき、前記入退場管理データベースに対し、対応する記録処理を行う時刻記録処理手段とを有することを特徴とする。
【0016】
これにより、入退場管理データベースに登録された入退場者について、入場時刻と退場時刻を記録(打刻)して管理することができるので、社員の出退勤管理等に活用することができる。また、時刻記録処理手段による記録(打刻)の前に判定手段で判定を行うようにすることで、打刻より先に確実に認証を完了し、認証結果を速やかに入退場者に報知することができる。
【0017】
第4発明は、上記第3発明において、前記入退場検出手段による前記入退場検出結果を入場検出として処理する入場処理モードと、前記入退場検出手段による前記入退場検出結果を退場検出として処理する退場処理モードとを、選択的に切り替える切替処理手段を有し、前記時刻記録処理手段は、前記切替処理手段で前記入場処理モードに切り替えられているときには、前記入退場管理データベースに対し入場記録処理を行い、前記切替処理手段で前記退場処理モードに切り替えられているときには、前記入退場管理データベースに対し退場記録処理を行うことを特徴とする。
【0018】
これにより、モード切替を行うだけで、共通の通信アンテナを介した情報取得結果を用いて、入場記録処理と退場記録処理との両方を行うことができる。したがって、入場検出と退場検出とで別々の通信アンテナを用いて別々に情報取得を行う場合に比べ、システム構成を簡素化することができる。
【0019】
第5発明は、上記第4発明において、前記切替処理手段は、手動による切替操作が行われたとき、若しくは、所定の切替時刻を境に、前記入場処理モードから前記退場処理モードへ、若しくは、前記退場処理モードから前記入場処理モードへと切り替え、前記データ取得手段は、前記所定のタイミングとしての前記切替処理手段による切り替え時に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得することを特徴とする。
【0020】
これにより、入退場者の入場検出を開始するために入場処理モードに切り替えられたとき、あるいは、入退場者の退場検出を開始するために退場処理モードに切り替えられたとき、それらの検出に先立って、確実にタグID管理データベースよりタグ識別情報登録データを取得することができる。また、それらモード切り替えの都度、最新のタグ識別情報登録データをタグID管理データベースより取得することができる。
【0021】
第6発明は、上記第4又は第5発明において、前記切替処理手段で前記入場処理モードに切り替えられているか退場処理モードに切り替えられているかに応じて、対応するモード表示を行うモード表示手段を有することを特徴とする。
【0022】
これにより、現在、入場処理モードなのか退場処理モードなのかが表示されるので、入退場者は、自分の出入りが、入場として記録されるのか、退場として記録されるのかを、確実に認識することができる。この結果、さらに確実に安心感を与えることができる。
【0023】
第7発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記データ入退場検出手段、前記データ取得手段、前記データ保持手段、及び前記判定手段を少なくとも備え、所定の入退場管理アプリケーションを起動して実行する、管理端末を有し、前記データ取得手段は、前記所定のタイミングとして、前記入退場管理アプリケーションの起動時に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得することを特徴とする。
【0024】
これにより、入退場者の入退場検出を開始するために管理端末で入退場管理アプリケーションが立ち上げられたとき、入退場検出に先立ち、確実にタグID管理データベースよりタグ識別情報登録データを取得することができる。そして、その入退場管理アプリケーションの起動の都度、最新のタグ識別情報登録データをタグID管理データベースより取得することができる。
【0025】
第8発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記データ取得手段は、前記所定のタイミングとして、一日一回以上、決められた時刻に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得することを特徴とする。
【0026】
これにより、毎日1回又は複数回、決まった時刻に、確実にタグID管理データベースよりタグ識別情報登録データを取得することができ、さらに、その都度最新のタグ識別情報登録データを取得することができる。
【0027】
第9発明は、上記第1乃至第8発明のいずれかにおいて、前記データ保持手段は、前記データ取得手段で新たな前記タグ識別情報登録データが取得された場合、それまでに保持していた前記タグ識別情報登録データを、当該新たに取得されたタグ識別情報登録データにより上書き更新し、保持することを特徴とする。
【0028】
これにより、タグID管理データベースよりタグ識別情報登録データが取得されるたび、それまでの古いデータを置き換える形で最新のデータに更新することができるので、精度の高い認証を確実に行うことができる。
【0029】
上記目的を達成するために、本願第10発明の入退場管理端末においては、所定の管理対象区画に対する入退場者の入退場管理を行う入退場管理端末であって、前記入退場者に付随された無線タグと通信を行う通信アンテナと、前記通信アンテナを介し前記無線タグより情報取得を行うことにより、前記管理対象区画への前記入退場者の入場又は退場を検出する入退場検出手段と、前記入退場者に係わる人物識別情報と、当該入退場者に付随される前記無線タグのタグ識別情報とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベースより、前記DBデータに含まれるタグ識別情報登録データを所定のタイミングで取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段で取得した前記タグ識別情報登録データを保持するデータ保持手段と、前記入退場検出手段による検出時に、当該入退場検出手段で前記無線タグより取得されたタグ識別情報が、前記データ保持手段に保持された前記タグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【0030】
本願第10発明の入退場管理端末は、所定の管理対象区画への入場者又は退場者の入退場管理を行う。各入退場者には無線タグが付随されており、入場又は退場の際には、入退場検出手段が、通信アンテナを用いた無線通信によって無線タグから情報取得を行い、これによって入場検出又は退場検出が行われる。そして、本願第10発明においては、予めタグID管理データベースのDBデータからタグ識別情報登録データを人物識別情報から分離する形で抜き出して複写し、DB外の入退場管理端末内に設けたデータ保持手段に当該複写したタグ識別情報登録データを保持しておく。そして、上記の入退場検出時には、判定手段が、データ保持手段のタグ識別情報登録データを用いて、無線タグより取得されたタグ識別情報が、その保持されたタグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する。これによって、無線タグより取得されたタグ識別情報がタグ識別情報登録データに含まれていれば、当該入退場者が正当権限者であることを認証することができる。
【0031】
このように、入退場検出時に、タグID管理データベースのDBデータ本体にいちいちアクセスして認証を行うのではなく、先にタグID管理データベースのDBデータから入退場管理端末内に複写しておいたタグ識別情報登録データを用いて、認証を行う。これにより、例えばネットワーク通信を介したタグID管理データベースへのアクセスが不要になる分、正当権限者であるかどうかの認証に必要な時間を大幅に短縮することができる。この結果、認証結果を速やかに入退場者に報知することが可能となり、入退場者に対し、正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができる。
【0032】
また、1つの入退場管理端末がデータベース以外の各手段を備えるオールインワンタイプとすることにより、複数の装置を組み合わせてシステムを構築する場合よりも構成を簡素化でき、また手軽に入退場管理システムを実現することができ、さらに必要時には全体の移動も容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、入退場者に対し正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態の入退場管理システムの全体構成を示すシステム構成図である。
【図2】入退場管理システムのシステム全体の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図3】PC端末の表示部に表示される入退場管理画面の入場時及び退場時の一例を表す図である。
【図4】入退場管理データベースに記録される勤怠管理リストの一例を表す図である。
【図5】タグID管理データベースに保管される社員管理リストの一例を表す図である。
【図6】大容量記憶装置に保持されるタグIDリストの一例を表す図である。
【図7】リーダの高周波回路の詳細機能構成を示す機能ブロック図である。
【図8】社員証カードに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
【図9】入退場管理を行う際に、PC端末の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図10】人物識別情報に対応した表示をする際に、PC端末の表示部に表示される入退場管理画面の入場時及び退場時の一例を表す図である。
【図11】PC端末とリーダを一装置で構成する変形例のタイムレコーダ装置の外観を表す斜視図である。
【図12】タイムレコーダ装置を含む入退場管理システムのシステム全体の機能構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0036】
図1に、本実施形態の入退場管理システムの全体構成を示す。
【0037】
入退場管理システムISは、本実施形態における所定の管理対象区画であるオフィスに対する入退場者の入退場管理を行うものである。この入退場管理システムISは、リーダ100と、このリーダ100と例えばUSB等のインターフェースを介して接続され、リーダ100を操作可能なPC端末200(管理端末)と、このPC端末200と有線あるいは無線のネットワークNW(LAN、無線LAN等)を介して情報入出力可能に接続されたサーバ300とを有している。なお、ここではリーダ100とPC端末200とを有線接続させた場合を例示したが、無線通信を介して無線接続させてもよい。
【0038】
リーダ100は、オフィスへの入退場者である社員に付随(携帯、所持等)された無線タグとしての社員証カードT(後述の図2参照)より、無線通信を介して情報の取得を行う。
【0039】
PC端末200は、液晶ディスプレイ等の表示部201(人物表示手段;モード表示手段)及びキーボードやマウス等の操作部202を有している。このPC端末200には、所定の入退場管理アプリケーション(以下適宜、単にアプリケーションという)がインストールされており、PC端末200の電源投入時に自動又は手動操作によりアプリケーションが起動される。このアプリケーションが実行されている間は、表示部201に入退場管理画面(後述の図3参照)が表示され、社員が社員証カードTをリーダ100にかざすことにより、入場時刻又は退場時刻の記録等が行われる。なお、リーダ100による通信距離を長くとれる場合には、社員が社員証カードTをリーダ100へかざす行為を積極的に行わなくても、単にゲート等を通り過ぎるだけでリーダ100から自動的に社員証カードTへの情報読み取りを行い、これに応じて入場時刻又は退場時刻の記録等が行われるようにしてもよい。
【0040】
図2に、入退場管理システムISのシステム全体の機能構成を示す。
【0041】
この図2において、サーバ300は、ネットワーク通信制御部301と、制御回路302と、入退場者である社員に係わる人物識別情報(氏名、社員番号等。以下同様)と当該社員に付随される社員証カードT(詳細には社員証カードTに備えられる後述の無線タグ回路素子To)のタグID(タグ識別情報)とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベース303と、上記社員に係わる人物識別情報(又は上記タグID)と当該社員の入退場時刻とを対応づけて記録するための入退場管理データベース304とを有している。
【0042】
ネットワーク通信制御部301は、PC端末200との間でネットワークNWを介して行われるネットワーク通信の制御を行う。
【0043】
制御回路302は、サーバ300全体の動作を制御する。
【0044】
上記タグID管理データベース303には、オフィスの全社員に係わる社員証カードTのタグID及び人物識別情報を、予め上記DBデータとして対応づけて登録した社員管理リスト(後述の図5参照)が保管されている。
【0045】
また、上記入退場管理データベース304では、入退場を行う社員の人物識別情報及びその社員の入退場時刻とを対応づけて記録する勤怠管理リスト(後述の図4参照)が日々記録されるようになっている。
【0046】
一方、リーダ100は、社員に付随された社員証カードTの無線タグ回路素子Toと通信を行う通信アンテナ101と、この通信アンテナ101を介し上記無線タグ回路素子Toへ無線通信によりアクセスすると共に、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する高周波回路102と、上記PC端末200との間で行われる通信の制御を行う通信制御部103とを有している。
【0047】
社員証カードTに設けられた無線タグ回路素子Toは、情報を記憶するIC回路部150及び情報の送受信を行うタグアンテナ151を備えている。IC回路部150には、当該社員証カードTに設けられた無線タグ回路素子Toの上記タグIDと、この例では上記社員に係わる人物識別情報(氏名、社員番号等)とが、記憶されている。
【0048】
また、PC端末200は、上記表示部201及び操作部202と、図示しないCPU及びRAM、ROM等のメモリを有する制御回路203と、ネットワーク通信制御部204と、上記入退場管理アプリケーションのプログラム等を記憶するハードディスク装置等の大容量記憶装置205と、通信制御部206とを備えている。
【0049】
表示部201は、リーダ100によって通信アンテナ101を介して取得した人物識別情報に対応した表示(後述のウェルカム表示等)や後述のモード表示等を行う。
【0050】
ネットワーク通信制御部204は、サーバ300との間でネットワークNWを介して行われるネットワーク通信の制御を行う。
【0051】
制御回路203は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムを実行する。それによって上記入退場管理アプリケーションを実行したり、リーダ100との間で各種の指示信号・情報信号の送受を行う。また、所定のタイミング(例えば、上記アプリケーション起動時等。詳細は後述)で、上記タグID管理データベース303に保管された、オフィスの全社員に係わる社員証カードTのタグID(=タグID登録データ。上記社員管理リストのDBデータに含まれるすべてのタグIDから構成される)を、上記DBデータに含まれる人物識別情報から分離して複写して取得するようになっている。
【0052】
大容量記憶装置205(データ保持手段)は、タグID管理データベース303の社員管理リストから取得した上記タグID登録データをタグIDリスト(後述の図6参照)として記録し、保持する。また、上記社員管理リストより新たなタグID登録データが取得された場合、それまでタグIDリストに保持していたタグID登録データ(古いデータ)を、当該新たに取得されたタグID登録データ(最新のデータ)により上書き更新し、保持するようになっている。
【0053】
通信制御部206は、例えばUSBなどの規格に準拠するインターフェース接続を介してリーダ100との情報信号の授受の制御を行う。
【0054】
上記のように構成される入退場管理システムISは、オフィスへの社員の入場を検出処理する入場処理モードと、オフィスからの社員の退場を検出処理する退場処理モードとの2つのモードを有しており、所定の手動切替操作により上記モードを選択的に切り替えることができる(詳細は図3で後述)。
【0055】
入場処理モードに切り替えられているときには、上記入退場管理データベース304の勤怠管理リストに対し入場時刻の記録を行う(入場記録処理)。一方、退場処理モードに切り替えられているときには、上記入退場管理データベース304の勤怠管理リストに対し退場時刻の記録を行う(退場記録処理)。このとき、モードが入場処理モードに切り替えられているか退場処理モードに切り替えられているかに応じて、対応するモード表示を表示部201に表示する(後述の図3参照)。
【0056】
図3(a)及び図3(b)に、PC端末200の表示部201に表示される上記入退場管理画面の一例を示す。なお、図3(a)は上記入場処理モードにおいて表示される画面を表し、図3(b)は上記退場処理モードにおいて表示される画面を表している。
【0057】
これら図3(a)及び図3(b)において、入退場管理画面210は、日付及び時刻を表示する日時表示部211と、社員が入場をする際に選択する入場選択部212と、社員が退場をする際に選択する退場選択部213と、適宜のメッセージ等を表示するメッセージ表示部214とを有している。
【0058】
社員がオフィスに入場する際には、図3(a)に示すように、まず操作部202を用いて入場選択部212を選択する(例えば、画面上のカーソルをマウスかキーボード等により移動させてクリックする等)ことで、入場時刻の記録を行う上記入場処理モードに切り替わる。このとき、メッセージ表示部214には、入場処理モードに対応するモード表示(図中「IN」)が表示される。そして、社員証カードTをリーダ100にかざすことで、社員証カードTの無線タグ回路素子Toに対し情報読み取りが行われ、入場時刻の記録等が行われる(処理の詳細は後述)。
【0059】
一方、社員がオフィスから退場する際には、図3(b)に示すように、まず操作部202を用いて退場選択部213を選択する(上記同様のクリック操作等)ことで、退場時刻の記録を行う上記退場処理モードに切り替わる。このとき、メッセージ表示部214には、退場処理モードに対応するモード表示(図中「OUT」)が表示される。そして、社員証カードTをリーダ100にかざすことで、社員証カードTの無線タグ回路素子Toに対し情報読み取りが行われ、退場時刻の記録等が行われる(処理の詳細は後述)。
【0060】
なお、上記入場処理モード及び退場処理モードのモード切替を、上記のような操作部202を介した手動切替操作とするのではなく、所定の時刻を境に、入場処理モードから退場処理モードへ、若しくは退場処理モードから入場処理モードへ、自動で切り替えるようにしてもよい(後述の(2)の変形例参照)。
【0061】
なお、表示部201をタッチパネルで構成し、上記入場選択部212及び退場選択部213を社員が直接画面に触れながら選択できるようにしてもよい。
【0062】
図4に、入退場管理データベース304に記録される上記勤怠管理リストの一例を示す。
【0063】
この図4に示す例では、入退場を行う社員の上記人物識別情報としての「氏名」及び「社員番号」と、その社員の入場時刻「IN」及び退場時刻「OUT」とが対応づけて記録されている。なお、この例では勤怠管理リストに人物識別情報と入退場時刻のみを記録するようにしたが、対応するタグIDも併せて記録するようにしてもよい。
【0064】
図5にタグID管理データベース303に保管される上記社員管理リストの一例を示す。
【0065】
この図5に示す例では、社員管理リストに、上記オフィスの全社員に係わる社員証カードTのタグID(=タグID登録データ)と、対応する社員に係わる人物識別情報としての氏名及び社員番号とが、予めDBデータとして対応づけられて登録されている。
【0066】
そして、上記の社員管理リストのDBデータのうち、上述したように、上記入退場管理アプリケーションの起動時に上記タグID登録データが抜き出されて複写され、その複写されたタグID登録データは、PC端末200の大容量記憶装置205にタグIDリストとして記憶される。図6に、このようにして大容量記憶装置205に保持されたタグIDリストの一例を示す。
【0067】
この図6に示す例では、タグIDリストに、上記図5に示した社員管理リストのDBデータから抜き出して複写した上記全社員のタグIDが記憶されている。したがって、社員の入退場時にリーダ100により社員証カードTよりタグIDを取得した際に、当該タグIDがこのタグIDリストのタグID登録データに含まれているか否かを検索することで、社員証カードTをかざした人物が社員であるか否かを確認できるようになっている。
【0068】
図7に、リーダ100の高周波回路102の詳細機能構成を示す。
【0069】
この図7において、高周波回路102は、上記通信アンテナ101を介し上記社員証カードTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報へアクセスするものである。この高周波回路102には、PC端末の制御回路203により生成された、IC回路部150から情報を読み出す(又はIC回路部150に所望の情報を書き込む)ための各種コマンドが通信制御部206,103を介し入力される。なお、煩雑防止のため図7では通信制御部206,103の図示を省略している。
【0070】
高周波回路102は、通信アンテナ101を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、通信アンテナ101により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
【0071】
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報(この例ではタグID及び上記人物識別情報を含む)にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、制御回路203の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/遁倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記制御回路203から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では制御回路203からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例では制御回路203からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成するゲイン制御送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記ゲイン制御送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介し通信アンテナ101に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0072】
受信部143は、通信アンテナ101で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記通信アンテナ101で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器167により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記制御回路203に入力されて処理される。
【0073】
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が制御回路203に入力される。これにより、PC端末200では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号の受信強度を検出することが可能となっている。
【0074】
図8に、上記社員証カードTに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を示す。
【0075】
この図8において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにリーダ100の通信アンテナ101と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0076】
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0077】
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記リーダ100の通信アンテナ101からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0078】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0079】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0080】
図9に、以上説明した社員の入退場管理を行うために、PC端末200の制御回路203によって実行される制御手順を示す。このフローチャートは、PC端末200の電源が投入された際に開始される(「START」位置)。
【0081】
ステップS5では、制御回路203は、大容量記憶装置205に格納された所定の入退場管理アプリケーションプログラムを読み出し、当該アプリケーションを起動して実行する。なお、ここでは制御回路203が自動的にアプリケーションを起動するようにしたが、社員が手動操作によりアプリケーションの起動を行うようにしてもよい。
【0082】
その後、ステップS10で、制御回路203は、上記入退場管理アプリケーションが起動されたのに応じて、ネットワーク通信制御部204及びネットワークNWを介してサーバ300のタグID管理データベース303にアクセスする。そして、前述したように、タグID管理データベース303の社員管理リストのDBデータに含まれるタグID登録データを、当該DBデータに含まれる人物識別情報から分離して複写し、取得する(データ取得手段としての機能)。
【0083】
そして、ステップS15で、制御回路203は、上記ステップS10で取得したタグID登録データを大容量記憶装置205にタグIDリストとして記憶させ、保持させる。なおこの際、前回動作時に既に大容量記憶装置205にタグIDリストが保持されていた場合には、このステップS15で新たに取得されたタグID登録データにより上書き更新する。
【0084】
その後、ステップS20で、制御回路203は、社員が入場及び退場のうちいずれをしようとしているのかを判定する。社員が前述のようにして入場選択部212を選択している場合には、社員が入場しようとしているとみなし、判定が満たされてステップS25に移る。
【0085】
ステップS25では、制御回路203は、社員の入場検出処理を行う上記入場処理モードへ切り替え、ステップS30に移る。
【0086】
ステップS30では、制御回路203は、表示部201に制御信号を出力し、メッセージ表示部214に対応するモード表示(例えば「IN」。前述の図3(a)参照)を行う。その後、後述のステップS45に移る。
【0087】
一方、先のステップS20において、社員が退場選択部213を選択している場合には、社員が退場しようとしているとみなし、判定が満たされずにステップS35に移る。
【0088】
ステップS35では、制御回路203は、社員の退場検出処理を行う上記退場処理モードへ切り替え、ステップS40に移る。
【0089】
ステップS40では、制御回路203は、表示部201に制御信号を出力し、メッセージ表示部214に対応するモード表示(例えば「OUT」。前述の図3(b)参照)を行う。
【0090】
そして、ステップS45で、制御回路203は、通信制御部206,103を介してリーダ100の高周波回路102に制御信号を送信し、社員証カードTに備えられる無線タグ回路素子Toのメモリ部155に記憶されたタグIDを読み出すタグ読み取り信号として、所定の変調を行った質問波を通信アンテナ101を介して通信範囲内に存在する無線タグ回路素子Toに送信させる。
【0091】
その後、ステップS50で、制御回路203は、上記タグ読み取り信号に対応して通信範囲内の無線タグ回路素子Toから返信された応答(リプライ)信号を、通信制御部103,206を介して受信したか否かを判定する。応答信号を受信しない場合には、判定が満たされずに上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返し、上記ステップS30で再び高周波回路102に制御信号を送信してタグ読み取り信号の送信を行う(リトライ)。なお、この図9では図示を省略しているが、上記リトライは予め定められた設定回数だけ行われ、その間に応答信号を受信しない場合には、対応する処理(例えば表示部201にエラー表示を行う等)を行う。一方、応答信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS55に移る。
【0092】
ステップS55では、制御回路203は、上記ステップS50で受信した応答信号に基づき取得したタグIDが、大容量記憶装置205のタグIDリストに保持されたタグID登録データに含まれているか否かを判定する(判定手段としての機能)。含まれていなかった場合にはステップS60に移り、所定のエラー処理を行う(例えば表示部201に制御信号を出力して「未登録です」等のエラー表示を行ったり、警備員に通報する等)。その後、後述のステップS95に移る。
【0093】
一方、上記ステップS55において、取得したタグIDがタグID登録データに含まれていた場合には、ステップS55の判定が満たされてステップS65に移る。
【0094】
ステップS65では、制御回路203は、上記ステップS50でリーダ100の通信アンテナ101を介し、社員証カードTの無線タグ回路素子Toより受信した応答信号から、社員の人物識別情報(氏名、社員番号等)を抽出して取得する(人物識別情報取得手段としての機能)。
【0095】
そして、ステップS70で、制御回路203は、入場処理モード及び退場処理モードのうちいずれのモードに切り替わっているのかを判定する。入場処理モードに切り替わっている場合には、判定が満たされてステップS75に移る。
【0096】
ステップS75では、制御回路203は、表示部201に制御信号を出力し、上記ステップS65で取得した人物識別情報に基づき、メッセージ表示部214に対応するウェルカム表示(例えば「○○さん、おはようございます」等。後述の図10(a)参照)を行う。
【0097】
その後、ステップS80で、制御回路203は、ネットワーク通信制御部204及びネットワークNWを介してサーバ300の入退場管理データベース304にアクセスし、上記取得した人物識別情報と、図示しない計時手段から取得した入場時刻とを対応づけて、入退場管理データベース304の上記勤怠管理リストに記録する。なお、この場合において、前述したようにタグIDについても対応づけて記録してもよい。その後、後述のステップS95に移る。
【0098】
一方、先のステップS70において、退場処理モードに切り替わっている場合には、ステップS70の判定が満たされずにステップS85に移る。
【0099】
ステップS85では、制御回路203は、表示部201に制御信号を出力し、上記ステップS65で取得した人物識別情報に基づき、メッセージ表示部214に対応するウェルカム表示(例えば「○○さん、お疲れ様でした」等。後述の図10(b)参照)を行う。
【0100】
そして、ステップS90で、制御回路203は、ネットワーク通信制御部204及びネットワークNWを介してサーバ300の入退場管理データベース304にアクセスし、上記取得した人物識別情報と、上記計時手段から取得した退場時刻とを対応づけて、入退場管理データベース304の上記勤怠管理リストに記録する。なお、この場合において、前述したようにタグIDについても対応づけて記録してもよい。
【0101】
その後、ステップS95で、制御回路203は、操作部202を介して実行中の入退場管理アプリケーションを終了する操作が行なわれたか否かを判定する。アプリケーションを終了する操作が行われていない場合には、判定は満たされずに上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。一方、アプリケーションを終了する操作が行われた場合には、判定が満たされてステップS100に移る。
【0102】
ステップS100では、制御回路203は、実行中の入退場管理アプリケーションを終了処理する。これにより、当該アプリケーションによる入退場管理画面210(前述の図3参照)が閉じられる。なおこのとき、アプリケーションの終了のみでなく、アプリケーションの終了後、ログアウト等の他の処理を行ってもよいし、さらにPC端末200の電源を落とすようにしてもよい。以上により、このフローを終了する。
【0103】
なお、上記ステップS65においては、上記ステップS55の判定が満たされた場合には、上記ステップS45で送信したタグ読み取り信号に対応して、上記ステップS50で社員証カードTの無線タグ回路素子Toより受信した応答信号から、人物識別情報を抽出して取得するようにした。しかしながら、上記ステップS65において、上記ステップS55の判定が満たされた場合に、改めて人物識別情報を含む情報を読み取るためのタグ読み取り信号を送信することで、人物識別情報の取得を行うようにしてもよい。
【0104】
上記において、ステップS50が、オフィスへの入退場者の入場又は退場を検出する入退場検出手段として機能する。
【0105】
また、ステップS20が、入場処理モードと退場処理モードとを、選択的に切り替える切替処理手段として機能する。
【0106】
またさらに、ステップS80及びステップS90が、入退場管理データベース304に対し、対応する記録処理を行う時刻記録処理手段として機能する。
【0107】
図10に、上記図9のフローのステップS80及びステップS90において人物識別情報に対応して表示部201で実行するウェルカム表示の一例を示す。なお、図10(a)は上記入場処理モードにおいて表示される画面を表し、図10(b)は上記退場処理モードにおいて表示される画面を表している。
【0108】
これら図10(a)及び図10(b)に示すように、社員がオフィスに入退場する際には、メッセージ表示部214に、社員証カードTより取得した人物識別情報に基づいて、その社員の氏名を明示した挨拶文が表示される。
【0109】
以上説明したように、本実施形態においては、リーダ100の通信アンテナ101を介して入退場者が付随する社員証カードTの無線タグ回路素子Toから情報読み取りを行うことで、入退場者(社員)の入退場検出を行う。この際、当該検出した社員が不法侵入者ではなく、正当な権限者(=オフィスの社員)であることの認証は、無線タグ回路素子Toから取得したタグIDを用いて行う。このとき、上記の認証を迅速に行うために、社員の入退場検出を行う前に、予めタグID管理データベース303の社員管理リスト(前述の図5参照)のDBデータからタグID登録データを抜き出して複写(取得)して(ステップS10参照)、当該タグID登録データをPC端末200内に設けた大容量記憶装置205のタグIDリスト(前述の図6参照)に保持させておく(ステップS15参照)。これにより、社員の入退場検出時に、リーダ100によって取得されたタグIDが、上記大容量記憶装置205のタグIDリストに保持されたタグID登録データに含まれるかどうかを判定し、含まれていれば当該社員が正当権限者、すなわちオフィスの社員であることを認証することができる(ステップS55参照)。
【0110】
このように、社員の入退場検出時に、タグID管理データベース303の社員管理リストのDBデータ本体にいちいちアクセスして認証を行うのではなく、先に上記社員管理リストのDBデータから抜き出して複写しPC端末200内に記憶させてあるタグID登録データを用いて、認証を行う。これにより、ネットワークNWを介したタグID管理データベース303へのアクセスが不要になる分、正当権限者であるかどうかの認証に必要な時間を大幅に短縮することができる。この結果、認証結果を速やかに当該社員に報知することが可能となり、社員に対し、正当に認証されたという安心感を速やかに与えることができる。
【0111】
また、本実施形態では特に、入退場管理アプリケーションの起動時に、タグID登録データをタグID管理データベース303の社員管理リストより取得する(ステップS10参照)。これにより、社員の入退場検出を開始するためにPC端末200で入退場管理アプリケーションが立ち上げられたとき、入退場検出に先立ち、確実にタグID管理データベース303の社員管理リストよりタグID登録データを取得することができる。そして、そのアプリケーションの起動の都度、最新のタグID登録データを上記社員管理リストより取得することができる。
【0112】
また、本実施形態においては、ステップS10でアプリケーションを起動しタグID管理データベース303の社員管理リストより新たなタグID登録データを取得したとき、既に大容量記憶装置205に保持されていたタグIDリストを、新たに取得したタグID登録データにより上書き更新する(ステップS15参照)。これにより、タグID管理データベース303の社員管理リストよりタグID登録データが取得されるたび、上記タグIDリストの内容をそれまでの古いタグID登録データを置き換える形で最新のタグID登録データに更新することができるので、精度の高い認証を確実に行うことができる。
【0113】
また、本実施形態では特に、オフィスへの社員の入退場検出結果を入場検出として処理する入場処理モードと、退場検出として処理する退場処理モードとを選択的に切り替える。そして、入場処理モードに切り替えられているときには、入退場管理データベース304の勤怠管理リストに対し入場記録処理を行い(ステップS80参照)、退場処理モードに切り替えられているときには、入退場管理データベース304の勤怠リストに対し退場記録処理を行う(ステップS90参照)。これにより、上記のようなモード切替を行うだけで、共通の通信アンテナ101を介した情報取得結果を用いて、入場記録処理と退場記録処理との両方を行うことができる。したがって、入場検出と退場検出とで別々の通信アンテナを用いて別々に情報取得を行う場合に比べ、システム構成を簡素化することができる。
【0114】
このとき特に、社員の入退場を検出するモードが上記入場処理モードに切り替えられているか上記退場処理モードに切り替えられているかに応じて、対応するモード表示(前述の図3参照)を表示部201のメッセージ表示部214に表示させる(ステップS30及びステップS40参照)。これにより、現在、入場処理モードなのか退場処理モードなのかが表示部201のメッセージ表示部214に表示されるので、社員は、自分の出入りが、入場として記録されるのか、退場として記録されるのかを、確実に認識することができる。この結果、さらに確実に安心感を与えることができる。
【0115】
また、本実施形態では特に、社員が正当権限者、すなわちオフィスの社員であることが認証されると、社員証カードTの無線タグ回路素子Toより取得した人物識別情報に基づき、対応した表示を表示部201に表示させる(前述の例では、メッセージ表示部214に社員の氏名を明示した挨拶文が表示される。図10(a)及び図10(b)参照)。すなわち、社員が正当権限者であることが認証されたとき、当該社員の氏名等の人物識別情報が、タグID管理データベース303に接続することなく、即座に表示部201のメッセージ表示部214に表示される。この結果、当該社員は自分が正しく認証されたことを確実に視覚的に認識することができるので、さらに安心感を与えることができる。
【0116】
また、本実施形態では特に、社員証カードTより取得したタグIDが、大容量記憶装置205のタグIDリストのタグID登録データに含まれるかどうかの判定を行った際の時刻情報に基づき、入退場管理データベース304の勤怠管理リストに対し、対応する記録処理を行う(ステップS80及びステップS90参照)。これにより、勤怠管理リストに登録された社員について、入場時刻と退場時刻を記録(打刻)して管理を行い、社員の出退勤管理等を行うことができる。そして、上記勤怠管理リストへの記録(打刻)の前に、上記の判定を行う(ステップS55参照)ようにすることで、打刻より先に確実に認証を完了し、認証結果を速やかに社員に報知することができる。
【0117】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0118】
(1)毎日決められた時刻にタグID登録データを取得する場合
上記実施形態においては、所定の入退場管理アプリケーションを起動する際にタグID登録データをタグID管理データベース303より取得していたが、これに限られず、毎日決められた時刻にタグID登録データをタグID管理データベース303より取得するようにしてもよい。
【0119】
すなわち、PC端末200の制御回路203が、図示しない計時手段の時刻情報に基づき、前述の所定のタイミングとして、一日一回以上、決められた時刻に(例えば一日二回、午前8時、午後2時に)、タグID登録データをタグID管理データベース303の社員管理リストのDBデータより取得する(データ取得手段としての機能)。
【0120】
本変形例によれば、毎日1回又は複数回、決まった時刻に、確実にタグID管理データベース303の社員管理リストよりタグID登録データを取得することができ、さらに、その都度最新のタグID登録データを取得することができる。
【0121】
(2)モード切替時刻になったらタグID登録データを取得する場合
すなわち、前述した入場処理モード及び退場処理モードを所定の時刻を境に切り替えるようにし、当該切替時刻になったら、タグID登録データをタグID管理データベース303より取得するようにしてもよい。
【0122】
すなわち、PC端末200の制御回路203が、所定の切替時刻を境に、上記入場処理モードから上記退場処理モードへ、若しくは、退場処理モードから入場処理モードへと切り替える。例えば、退場処理モードから入場処理モードへと切り替える上記所定の切替時刻を午前6時、入場処理モードから退場処理モードへと切り替える上記所定の切替時刻を午後2時に設定する。この場合、午前6時から午後2時までは入場処理モードとなり入場時刻の記録等が行われ、午後2時から翌日の午前6時までは退場処理モードとなり退場時刻の記録等が行われることになる。そして、上記の切替時刻(午前6時及び午後2時)になったら、タグID登録データをタグID管理データベース303の社員管理リストのDBデータより取得する(データ取得手段としての機能)
本変形例によれば、社員の入場検出を開始するために入場処理モードに切り替えられたとき、あるいは、社員の退場検出を開始するために退場処理モードに切り替えられたとき、それらの検出に先立って、確実にタグID管理データベース303の社員管理リストよりタグID登録データを取得することができる。また、それらモード切り替えの都度、最新のタグID登録データをタグID管理データベース303の社員管理リストより取得することができる。
【0123】
(3)PC端末とリーダを一装置で構成する場合
上記実施形態では、入退場管理システムISが、リーダ100と、PC端末200とを有する構成としたが、これらの機能を一装置で有するタイムレコーダ装置を用いてもよい。
【0124】
図11に、本変形例のタイムレコーダ装置500の外観を示す。
【0125】
図11において、タイムレコーダ装置500(入退場管理端末)は、オフィスに対する社員の入退場管理を行う入退場管理端末装置である。このタイムレコーダ装置500は、その上面に、入退場者である社員に付随された社員証カードTに設けられた無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う通信アンテナ507を有しており、その前面に、前述した入退場管理画面210を表示する表示部501(人物表示手段;モード表示手段)と、操作入力を行うための操作部502を有している。
【0126】
図12に、タイムレコーダ装置500を含む入退場管理システムISのシステム全体の機能構成を示す。
【0127】
図12において、タイムレコーダ装置500は、上記表示部501及び操作部502と、図示しないCPU及びRAM、ROM等のメモリを有する制御回路503と、ネットワーク通信制御部504と、上記入退場管理アプリケーションのプログラム等を記憶するハードディスク装置等の大容量記憶装置505(データ保持手段)と、通信アンテナ507と、高周波回路506とを有している。
【0128】
表示部501は、通信アンテナ507を介して取得した人物識別情報に対応した表示(前述の図10と同様の表示)やモード表示(前述の図3と同様の表示)等を行う。
【0129】
ネットワーク通信制御部504は、サーバ300との間でネットワークNWを介して行われるネットワーク通信の制御を行う。
【0130】
通信アンテナ507は、社員証カードTに備えられた無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う。
【0131】
高周波回路506は、上記通信アンテナ507を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ無線通信によりアクセスすると共に、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する(詳細機能は前述の図7に示した高周波回路102と同様)。
【0132】
サーバ300については、上記実施形態と同様の構成である。なお、ここではタイムレコーダ装置500とサーバ300とが別体である構成としたが、タイムレコーダ装置500がタグID管理データベース303と入退場管理データベース304とを有する構成としてもよい。この場合、タイムレコーダ装置500のみで入退場管理システムISを構成することになる。
【0133】
上記制御回路503によって実行される制御手順は、前述の図9に示す内容とほぼ同様であるので説明を省略する。
【0134】
上記構成である本変形例においては、上記実施形態と同様の効果を得ると共に、さらに、1つのタイムレコーダ装置500がデータベース以外の各手段を備えるオールインワンタイプとすることにより、複数の装置を組み合わせてシステムを構築する場合よりも構成を簡素化でき、また手軽に入退場管理システムを実現することができ、さらに必要時には全体の移動も容易に行うことができる。
【0135】
(4)その他
以上では、入退場管理を行う管理対象区画がオフィスである場合を一例として説明したが、これに限られず、例えば特定の建造物(ビル、病院等)、部屋(会議室、応接室等)、敷地、施設(遊園地、空港等)、又は特定エリア等、種々の管理対象区画に対して本発明は適用可能である。
【0136】
また以上では、オフィスにおける社員の入退場管理(出退勤管理)を行う場合を一例として説明したが、これに限られず、例えば来客の入退場管理に適用することも可能である。この場合には、各来客に無線タグ回路素子Toを備えた来客用カードを渡しておき、それを用いて入退場を行うようにすればよい。
【0137】
なお、以上において、図2、図7、図8等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、図9に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0138】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0139】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0140】
100 リーダ
101 通信アンテナ
200 PC端末(管理端末)
201 表示部(人物表示手段;モード表示手段)
202 操作部
203 制御回路
205 大容量記憶装置(データ保持手段)
300 サーバ
303 タグID管理データベース
304 入退場管理データベース
500 タイムレコーダ装置(入退場管理端末)
501 表示部(人物表示手段;モード表示手段)
502 操作部
505 大容量記憶装置(データ保持手段)
507 通信アンテナ
IS 入退場管理システム
T 社員証カード(無線タグ)
To 無線タグ回路素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の管理対象区画に対する入退場者の入退場管理を行う入退場管理システムであって、
前記入退場者に付随された無線タグと通信を行う通信アンテナと、
前記通信アンテナを介し前記無線タグより情報取得を行うことにより、前記管理対象区画への前記入退場者の入場又は退場を検出する入退場検出手段と、
前記入退場者に係わる人物識別情報と、当該入退場者に付随される前記無線タグのタグ識別情報とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベースと、
所定のタイミングで、前記DBデータに含まれるすべてのタグ識別情報からなるタグ識別情報登録データを、前記DBデータに含まれる前記人物識別情報から分離して複写して取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得した前記タグ識別情報登録データを保持するデータ保持手段と、
前記入退場検出手段による検出時に、当該入退場検出手段で前記無線タグより取得されたタグ識別情報が、前記データ保持手段に保持された前記タグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する判定手段と
を有することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の入退場管理システムにおいて、
前記通信アンテナを介し、前記入退場者の前記人物識別情報を前記無線タグより取得する人物識別情報取得手段と、
前記判定手段の判定が満たされたとき、前記人物識別情報取得手段で取得した前記人物識別情報に対応した表示を行う人物表示手段と
を有することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の入退場管理システムにおいて、
前記入退場者に係わる前記人物識別情報又は前記タグ識別情報と、当該入退場者の入退場時刻とを対応づけて記録するための入退場管理データベースと、
前記判定手段の判定結果に応じて、当該判定時の時刻情報に基づき、前記入退場管理データベースに対し、対応する記録処理を行う時刻記録処理手段と
を有することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項4】
請求項3記載の入退場管理システムにおいて、
前記入退場検出手段による前記入退場検出結果を入場検出として処理する入場処理モードと、前記入退場検出手段による前記入退場検出結果を退場検出として処理する退場処理モードとを、選択的に切り替える切替処理手段を有し、
前記時刻記録処理手段は、
前記切替処理手段で前記入場処理モードに切り替えられているときには、前記入退場管理データベースに対し入場記録処理を行い、
前記切替処理手段で前記退場処理モードに切り替えられているときには、前記入退場管理データベースに対し退場記録処理を行う
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項5】
請求項4記載の入退場管理システムにおいて、
前記切替処理手段は、
手動による切替操作が行われたとき、若しくは、所定の切替時刻を境に、前記入場処理モードから前記退場処理モードへ、若しくは、前記退場処理モードから前記入場処理モードへと切り替え、
前記データ取得手段は、
前記所定のタイミングとしての前記切替処理手段による切り替え時に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の入退場管理システムにおいて、
前記切替処理手段で前記入場処理モードに切り替えられているか退場処理モードに切り替えられているかに応じて、対応するモード表示を行うモード表示手段を有する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の入退場管理システムにおいて、
前記データ入退場検出手段、前記データ取得手段、前記データ保持手段、及び前記判定手段を少なくとも備え、所定の入退場管理アプリケーションを起動して実行する、管理端末を有し、
前記データ取得手段は、
前記所定のタイミングとして、前記入退場管理アプリケーションの起動時に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の入退場管理システムにおいて、
前記データ取得手段は、
前記所定のタイミングとして、一日一回以上、決められた時刻に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の入退場管理システムにおいて、
前記データ保持手段は、
前記データ取得手段で新たな前記タグ識別情報登録データが取得された場合、それまでに保持していた前記タグ識別情報登録データを、当該新たに取得されたタグ識別情報登録データにより上書き更新し、保持する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項10】
所定の管理対象区画に対する入退場者の入退場管理を行う入退場管理端末であって、
前記入退場者に付随された無線タグと通信を行う通信アンテナと、
前記通信アンテナを介し前記無線タグより情報取得を行うことにより、前記管理対象区画への前記入退場者の入場又は退場を検出する入退場検出手段と、
前記入退場者に係わる人物識別情報と、当該入退場者に付随される前記無線タグのタグ識別情報とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベースより、前記DBデータに含まれるタグ識別情報登録データを所定のタイミングで取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得した前記タグ識別情報登録データを保持するデータ保持手段と、
前記入退場検出手段による検出時に、当該入退場検出手段で前記無線タグより取得されたタグ識別情報が、前記データ保持手段に保持された前記タグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する判定手段と
を有することを特徴とする入退場管理端末。
【請求項1】
所定の管理対象区画に対する入退場者の入退場管理を行う入退場管理システムであって、
前記入退場者に付随された無線タグと通信を行う通信アンテナと、
前記通信アンテナを介し前記無線タグより情報取得を行うことにより、前記管理対象区画への前記入退場者の入場又は退場を検出する入退場検出手段と、
前記入退場者に係わる人物識別情報と、当該入退場者に付随される前記無線タグのタグ識別情報とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベースと、
所定のタイミングで、前記DBデータに含まれるすべてのタグ識別情報からなるタグ識別情報登録データを、前記DBデータに含まれる前記人物識別情報から分離して複写して取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得した前記タグ識別情報登録データを保持するデータ保持手段と、
前記入退場検出手段による検出時に、当該入退場検出手段で前記無線タグより取得されたタグ識別情報が、前記データ保持手段に保持された前記タグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する判定手段と
を有することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の入退場管理システムにおいて、
前記通信アンテナを介し、前記入退場者の前記人物識別情報を前記無線タグより取得する人物識別情報取得手段と、
前記判定手段の判定が満たされたとき、前記人物識別情報取得手段で取得した前記人物識別情報に対応した表示を行う人物表示手段と
を有することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の入退場管理システムにおいて、
前記入退場者に係わる前記人物識別情報又は前記タグ識別情報と、当該入退場者の入退場時刻とを対応づけて記録するための入退場管理データベースと、
前記判定手段の判定結果に応じて、当該判定時の時刻情報に基づき、前記入退場管理データベースに対し、対応する記録処理を行う時刻記録処理手段と
を有することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項4】
請求項3記載の入退場管理システムにおいて、
前記入退場検出手段による前記入退場検出結果を入場検出として処理する入場処理モードと、前記入退場検出手段による前記入退場検出結果を退場検出として処理する退場処理モードとを、選択的に切り替える切替処理手段を有し、
前記時刻記録処理手段は、
前記切替処理手段で前記入場処理モードに切り替えられているときには、前記入退場管理データベースに対し入場記録処理を行い、
前記切替処理手段で前記退場処理モードに切り替えられているときには、前記入退場管理データベースに対し退場記録処理を行う
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項5】
請求項4記載の入退場管理システムにおいて、
前記切替処理手段は、
手動による切替操作が行われたとき、若しくは、所定の切替時刻を境に、前記入場処理モードから前記退場処理モードへ、若しくは、前記退場処理モードから前記入場処理モードへと切り替え、
前記データ取得手段は、
前記所定のタイミングとしての前記切替処理手段による切り替え時に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の入退場管理システムにおいて、
前記切替処理手段で前記入場処理モードに切り替えられているか退場処理モードに切り替えられているかに応じて、対応するモード表示を行うモード表示手段を有する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の入退場管理システムにおいて、
前記データ入退場検出手段、前記データ取得手段、前記データ保持手段、及び前記判定手段を少なくとも備え、所定の入退場管理アプリケーションを起動して実行する、管理端末を有し、
前記データ取得手段は、
前記所定のタイミングとして、前記入退場管理アプリケーションの起動時に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の入退場管理システムにおいて、
前記データ取得手段は、
前記所定のタイミングとして、一日一回以上、決められた時刻に、前記タグ識別情報登録データを前記タグID管理データベースより取得する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の入退場管理システムにおいて、
前記データ保持手段は、
前記データ取得手段で新たな前記タグ識別情報登録データが取得された場合、それまでに保持していた前記タグ識別情報登録データを、当該新たに取得されたタグ識別情報登録データにより上書き更新し、保持する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項10】
所定の管理対象区画に対する入退場者の入退場管理を行う入退場管理端末であって、
前記入退場者に付随された無線タグと通信を行う通信アンテナと、
前記通信アンテナを介し前記無線タグより情報取得を行うことにより、前記管理対象区画への前記入退場者の入場又は退場を検出する入退場検出手段と、
前記入退場者に係わる人物識別情報と、当該入退場者に付随される前記無線タグのタグ識別情報とを対応づける、DBデータを格納したタグID管理データベースより、前記DBデータに含まれるタグ識別情報登録データを所定のタイミングで取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得した前記タグ識別情報登録データを保持するデータ保持手段と、
前記入退場検出手段による検出時に、当該入退場検出手段で前記無線タグより取得されたタグ識別情報が、前記データ保持手段に保持された前記タグ識別情報登録データに含まれるかどうかを判定する判定手段と
を有することを特徴とする入退場管理端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−165144(P2010−165144A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6395(P2009−6395)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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