説明

入退室管理システム及び管理サーバ

【課題】 物理セキュリティとサイバーセキュリティの統合管理による認証の強化を図ることが可能な入退室管理システム及び管理サーバの提供。
【解決手段】 入退室管理システムSは、錠前装置Kと入室者認証入力装置1とパソコン2と管理サーバSVとからなる。錠前装置K,入室者認証入力装置1,パソコン2と管理サーバSVとをネットワークNWを介して接続する。錠前装置Kが管理サーバSVの入室者認証結果に応じて部屋Rの開閉可能な扉Dの解錠を行う。部屋R内に設置されたパソコン2が管理サーバSVのログイン認証結果に応じて使用可能となる。管理サーバSVが錠前装置K及びパソコン2の管理を行うと共に、入室者認証及びログイン認証を行う。ログイン認証許可が与えられた部屋Rに入室した入室者のみにパソコン2へのログインを認める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退室管理に代表される物理セキュリティのログとデータアクセスに代表されるサイバーセキュリティのログを統合管理することにより、認証レベルを向上させる入退室管理システム及び管理サーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の増加と共に情報漏洩事件も増加しており、特に、内部犯行への対策が重要視されている。
【0003】
また、入退室管理あるいはデータへのアクセス管理などの措置により、情報漏洩対策の導入を検討する動きが盛んになっている。
【0004】
従来、部屋への入室及び部屋からの退室を行う入退室者の入退室を管理する入退室管理システムが提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−302875号公報
【特許文献2】特開2005−83078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、パソコンへのログイン/データアクセス/物品管理のIDやパスワードの貸し借り(あるいは盗難)が、重要な情報/物品の流出へとつながるケースがあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、管理サーバが部屋への入室者認証と利用者端末へのログイン認証/施錠された物品管理庫の開閉扉の扉開閉認証を行い、入室者が部屋に入室しても利用者端末へのログイン認証許可/物品管理庫の開閉扉の扉開閉認証許可が与えられなければ、利用者端末へのログインやデータアクセス/施錠された物品管理庫の開閉扉の開閉が行えないので、重要な情報/物品の盗難・流出を確実に防止することができ、権限のあるIDやパスワードを使用した場合であっても、入退室認証許可がなければ、利用者端末へのログイン認証許可/物品管理庫の開閉扉の扉開閉認証許可を与えず、なりすましによる情報/物品の盗難・流出を防ぎ、入退室管理の物理セキュリティと利用者端末へのログインやデータアクセス管理などのサイバーセキュリティ/物品管理のセキュリティの強化を図ることができ、利用者端末のログアウト/物品管理庫の開閉扉の施錠していない人物が部屋から退室しようとしても出られないようにすることができ、入退室管理に代表される物理セキュリティのログとデータアクセスに代表されるサイバーセキュリティのログを統合管理することにより、認証レベルを向上させることが可能な入退室管理システム及び管理サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の入退室管理システムは、部屋の開閉可能な扉に取付けられた錠前装置と、前記部屋への入室者の認証入力を行う入室者認証入力装置と、前記部屋内に設置された利用者端末と、前記錠前装置と前記入室者認証入力装置と前記利用者端末にネットワークを介して接続された管理サーバとからなり、前記部屋への入室及び前記部屋からの退室を行う入退室者の入退室を管理するシステムであって、前記錠前装置が、前記管理サーバの入室者認証結果に応じて前記扉の解錠を行い、前記利用者端末が、前記管理サーバのログイン認証結果に応じて使用可能となり、前記管理サーバが、前記錠前装置及び前記利用者端末の管理を行い、前記入室者認証及び前記ログイン認証を行うことを特徴とする構成を有するものである。
【0008】
本発明の入退室管理システムは、上記入室者認証入力装置が、上記部屋への入室者の入室者認証情報を入力する入室者認証情報入力手段と、入力された入室者認証情報を上記管理サーバに送信する入室者認証情報送信手段とを備え、上記利用者端末が、ログイン認証情報を入力するログイン認証情報入力手段と、入力されたログイン認証情報を前記管理サーバに送信するログイン認証情報送信手段とを備え、前記管理サーバが、受信した入室者認証情報により前記部屋への入室の許可を判断する入室許可判断手段と、受信したログイン認証情報が入室者認証情報と同一人物のものである時、前記利用者端末へのログインを許可するログイン許可手段とを備えている。
【0009】
本発明の入退室管理システムは、上記管理サーバが、統合管理データベースを有し、入退室の認証を行う入退室認証手段と、上記部屋への入室者の入室状態の有無と上記利用者端末へのログインの権限の有無とで前記利用者端末へのログインの認証を行うログイン認証手段と、前記部屋への入室及び前記部屋からの退室の入退室履歴を前記統合管理データベースに登録する入退室履歴登録手段と、前記利用者端末へのログイン履歴を前記統合管理データベースに登録するログイン履歴登録手段とを備えている。
【0010】
本発明の入退室管理システムは、上記管理サーバが、上記部屋への入室者が上記利用者端末のログアウトを行わない場合、上記錠前装置を施錠状態に維持する施錠状態維持手段を備えている。
【0011】
本発明の入退室管理システムは、部屋の開閉可能な扉に取付けられた第1の錠前装置と、前記部屋への入室者の認証入力を行う入室者認証入力装置と、前記部屋内に設置された物品保管庫の開閉扉に取付けられた第2の錠前装置と、前記物品保管庫の開閉扉の開閉の認証入力を行う扉開閉認証入力装置と、前記第1の錠前装置と前記入室者認証入力装置と前記第2の錠前装置と前記扉開閉認証入力装置にネットワークを介して接続された管理サーバとからなり、前記部屋への入室及び前記部屋からの退室を行う入退室者の入退室を管理するシステムであって、前記第1の錠前装置が、前記管理サーバの入室者認証結果に応じて前記扉の解錠を行い、前記第2の錠前装置が、前記管理サーバの扉開閉認証結果に応じて前記物品保管庫の開閉扉の解錠を行い、前記管理サーバが、前記第1の錠前装置及び前記第2の錠前装置の管理を行い、前記入室者認証及び前記扉開閉認証を行うことを特徴とする構成を有するものである。
【0012】
本発明の入退室管理システムは、上記入室者認証入力装置が、上記部屋への入室者の入室者認証情報を入力する入室者認証情報入力手段と、入力された入室者認証情報を上記管理サーバに送信する入室者認証情報送信手段とを備え、上記扉開閉認証入力装置が、上記物品保管庫の開閉扉の扉開閉認証情報を入力する扉開閉認証情報入力手段と、入力された扉開閉認証情報を前記管理サーバに送信する扉開閉認証情報送信手段とを備え、前記管理サーバが、受信した入室者認証情報により前記部屋への入室の許可を判断する入室許可判断手段と、受信した扉開閉認証情報が入室者認証情報と同一人物のものである時、上記第2の錠前装置を解錠して前記物品保管庫の開閉扉の開閉を許可する扉開閉許可手段とを備えている。
【0013】
本発明の入退室管理システムは、上記管理サーバが、統合管理データベースを有し、入退室の認証を行う入退室認証手段と、上記部屋への入室者の入室状態の有無と上記物品保管庫の開閉扉の開閉の権限の有無とで前記物品保管庫の開閉扉の解錠の認証を行う扉解錠認証手段と、前記部屋への入室及び前記部屋からの退室の入退室履歴を前記統合管理データベースに登録する入退室履歴登録手段と、前記物品保管庫の開閉扉の扉解錠履歴を前記統合管理データベースに登録する扉解錠履歴登録手段とを備えている。
【0014】
本発明の入退室管理システムは、上記管理サーバが、上記部屋への入室者が上記物品保管庫の開閉扉の上記第2の錠前装置による施錠を行わない場合、上記第1の錠前装置を施錠状態に維持する施錠状態維持手段を備えている。
【0015】
本発明の管理サーバは、部屋の開閉可能な扉に取付けられた錠前装置及び前記部屋内に設置された利用者端末とそれぞれネットワーク接続され、前記錠前装置及び前記利用者端末の管理を行い、前記部屋への入室者の入室者認証及び前記利用者端末へのログイン認証を行うことを特徴とする構成を有するものである。
【0016】
本発明の管理サーバは、部屋の開閉可能な扉に取付けられた第1の錠前装置及び前記部屋内に設置された物品保管庫の開閉扉に取付けられた第2の錠前装置とそれぞれネットワーク接続され、前記第1の錠前装置及び前記第2の錠前装置の管理を行い、前記部屋への入室者の入室者認証及び前記物品保管庫の開閉扉の開閉の扉開閉認証を行うことを特徴とする構成を有するものである。
【発明の効果】
【0017】
以上に述べたように、本発明によれば、管理サーバが部屋への入室者認証と利用者端末へのログイン認証/施錠された物品管理庫の開閉扉の扉開閉認証を行い、入室者が部屋に入室しても利用者端末へのログイン認証許可/物品管理庫の開閉扉の扉開閉認証許可が与えられなければ、利用者端末へのログインやデータアクセス/施錠された物品管理庫の開閉扉の開閉が行えないので、重要な情報/物品の盗難・流出を確実に防止することができ、権限のあるIDやパスワードを使用した場合であっても、入退室認証許可がなければ、利用者端末へのログイン認証許可/物品管理庫の開閉扉の扉開閉認証許可を与えず、なりすましによる情報/物品の盗難・流出を防ぎ、入退室管理の物理セキュリティと利用者端末へのログインやデータアクセス管理などのサイバーセキュリティ/物品管理のセキュリティの強化を図ることができ、利用者端末のログアウト/物品管理庫の開閉扉の施錠していない人物が部屋から退室しようとしても出られないようにすることができ、入退室管理に代表される物理セキュリティのログとデータアクセスに代表されるサイバーセキュリティのログを統合管理することにより、認証レベルを向上させることが可能な入退室管理システム及び管理サーバを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、本発明の第1の実施例に係る入退室管理システムを示すシステム構成図である。
本発明の入退室管理システムSは、部屋Rの開閉可能な扉Dに取付けられた錠前装置Kと、部屋Rへの入室者の認証入力を行う入室者認証入力装置1と、部屋R内に設置された利用者端末であるパソコン(Personal Computer;PC)2と、錠前装置Kと入室者認証入力装置1とパソコン2にネットワークNWを介して接続された管理サーバSVとからなり、部屋Rへの入室及び部屋Rからの退室を行う入退室者の入退室を管理するシステムである。
【0020】
本発明の入退室管理システムSは、錠前装置Kが、管理サーバSVの入室者認証結果に応じて扉Dの解錠を行うようになっている。
【0021】
本発明の入退室管理システムSは、パソコン2が、管理サーバSVのログイン認証結果に応じて使用可能となる。
【0022】
本発明の入退室管理システムSは、管理サーバSVが、錠前装置K及びパソコン2の管理を行い、入室者認証及びログイン認証を行うようになっている。
【0023】
本発明の入退室管理システムSは、入室者認証入力装置1が、部屋Rへの入室者の入室者認証情報を入力する入室者認証情報入力手段と、入力された入室者認証情報を管理サーバSVに送信する入室者認証情報送信手段とを備えている。
【0024】
本発明の入退室管理システムSは、パソコン2が、ログイン認証情報を入力するログイン認証情報入力手段と、入力されたログイン認証情報を管理サーバSVに送信するログイン認証情報送信手段とを備えている。
【0025】
本発明の入退室管理システムSは、管理サーバSVが、受信した入室者認証情報により部屋Rへの入室の許可を判断する入室許可判断手段と、受信したログイン認証情報が入室者認証情報と同一人物のものである時、パソコン2へのログインを許可するログイン許可手段とを備えている。
【0026】
本発明の入退室管理システムSは、管理サーバSVが、統合管理データベース(Data Base;DB)3を有している。
【0027】
本発明の入退室管理システムSは、管理サーバSVが、入退室の認証を行う入退室認証手段と、部屋Rへの入室者の入室状態の有無とパソコン2へのログインの権限の有無とでパソコン2へのログインの認証を行うログイン認証手段と、部屋Rへの入室及び部屋Rからの退室の入退室履歴を統合管理データベース3に登録する入退室履歴登録手段と、パソコン2へのログイン履歴を統合管理データベース3に登録するログイン履歴登録手段とを備えている。
【0028】
本発明の入退室管理システムSは、管理サーバSVが、部屋Rへの入室者がパソコン2のログアウトを行わない場合、錠前装置Kを施錠状態に維持する施錠状態維持手段を備えている。
【0029】
本発明の管理サーバは、部屋Rの開閉可能な扉Dに取付けられた錠前装置K及び部屋R内に設置されたパソコン2とそれぞれネットワーク接続され、錠前装置K及びパソコン2の管理を行い、部屋Rへの入室者の入室者認証及びパソコン2へのログイン認証を行うものである。
【0030】
部屋Rの出入口には、図1に示すように、扉Dが開閉自在に配設され、扉Dには、電気錠などの錠前装置Kが取付けられている。
【0031】
錠前装置Kと管理サーバSVとは、ネットワークNWで接続されている。
【0032】
扉Dの近傍には、入室者認証入力装置1が配設されている。
【0033】
入室者認証入力装置1と管理サーバSVとは、ネットワークNWで接続されている。
【0034】
部屋Rの室内には、パソコン2が設置されている。
【0035】
パソコン2と管理サーバSVとは、ネットワークNWで接続されている。
【0036】
入退室管理システムSの管理サーバSVは、入退室者の入退室の認証を行う入退室認証手段と、パソコン2へのログインの認証を行うログイン認証手段とを備えている。
【0037】
入退室管理システムSの管理サーバSVは、入退室認証とパソコン2へのログイン認証の統合管理データベース3を有している。
ログイン認証では、ログイン権限の有無及び入室状態の有無を合わせて認証を行う。
【0038】
パソコン2へのログインやデータアクセスを行う場合において、部屋Rへの入室履歴を参照する。
【0039】
部屋Rへの入室履歴を参照することで、パソコン2へのログイン権限のあるユーザIDやパスワードを使用した場合であっても、パソコン2へのログイン認証の許可を与えず、なりすましによる重要な情報の盗難・流出を防ぐ。
【0040】
入退室履歴とログイン履歴を相互に参照することにより、パソコン2のログアウトをしていない人物が部屋Rから退室しようとしても出られない/警告を鳴らす等の措置をとる。
【0041】
上記入退室管理システムSにより、離席時に他人による重要な情報の盗難を防ぐ。
【0042】
さらに、入退室履歴とログイン履歴を双方向でチェックすることにより、データアクセスに関してセキュリティを強化する。
【0043】
図2は、本発明の第1の実施例に係る入退室管理システムおける入室認証,ログイン認証及び統合管理データベースへの入室履歴登録,ログイン履歴登録の基本処理の流れを説明するフローチャート図である。
ステップS100でスタートした入室認証処理は、まず、部屋Rへの入室の許可の有無を判断する(ステップS101)。
【0044】
ここで、部屋Rへの入室の許可が有る場合は(ステップS101“Yes”)、管理サーバSVが錠前装置Kを解錠し(ステップS102)、その後、入室履歴の統合管理データベース3への登録が行われる。
【0045】
ステップS200でスタートしたパソコン2へのログイン認証処理は、まず、部屋Rへの入室者がパソコン2へのログイン操作を行い(ステップS201)、統合管理データベース3に登録した入室履歴を参照し、次いで、入室者が部屋Rへ入室しているかを判断する(ステップS202)。
【0046】
ここで、入室者が部屋Rへ入室している場合は(ステップS202“Yes”)、パソコン2へのログイン権限が有るかを判断する(ステップS203)。
【0047】
また、入室者が部屋Rへ入室していない場合は(ステップS202“No”)、ステップS201に戻る。
【0048】
ここで、パソコン2へのログイン権限が有る場合は(ステップS203“Yes”)、パソコン2へのログインを行い(ステップS204)、その後、ログイン履歴の統合管理データベース3への登録が行われる。
【0049】
また、パソコン2へのログイン権限が無い場合は(ステップS203“No”)、ステップS201に戻る。
【0050】
ステップS300でスタートした入室履歴及びログイン履歴の統合管理データベース3への登録処理は、まず、入室認証処理において錠前装置Kの解錠が行われると、管理サーバSVが入室履歴を統合管理データベース3に登録し(ステップS301)、次いで、ログイン認証処理においてパソコン2へのログイン権限が有ると判断されると、管理サーバSVがログイン履歴を統合管理データベース3に登録する(ステップS302)。
【0051】
部屋Rからの退室は、まず、パソコン2のログアウト認証処理が行われ、部屋Rに入室した入室者がパソコン2へのログアウト操作を行い、管理サーバSVがパソコン2のログアウト認証を行った後、パソコン2のログアウトを行う。
【0052】
その後、退室認証処理を行い、部屋Rからの退室の許可があれば、管理サーバSVが錠前装置Kを解錠し、入室者は部屋Rからの退室を行う。
【0053】
図3は、本発明の第2の実施例に係る入退室管理システムを示すシステム構成図である。
本発明の入退室管理システムSは、部屋Rの開閉可能な扉D1に取付けられた第1の錠前装置K1と、部屋Rへの入室者の認証入力を行う入室者認証入力装置1と、部屋R内に設置された物品保管庫である物品棚4の開閉扉D2に取付けられた第2の錠前装置K2と、物品棚4の開閉扉D2の開閉の認証入力を行う扉開閉認証入力装置5と、第1の錠前装置K1と入室者認証入力装置1と第2の錠前装置K2と扉開閉認証入力装置5にネットワークNWを介して接続された管理サーバSVとからなり、部屋Rへの入室及び部屋Rからの退室を行う入退室者の入退室を管理するシステムである。
【0054】
本発明の入退室管理システムSは、第1の錠前装置K1が、管理サーバSVの入室者認証結果に応じて扉D1の解錠を行うようになっている。
【0055】
本発明の入退室管理システムSは、第2の錠前装置K2が、管理サーバSVの扉開閉認証結果に応じて物品棚4の開閉扉D2の解錠を行うようになっている。
【0056】
本発明の入退室管理システムSは、管理サーバSVが、第1の錠前装置K1及び第2の錠前装置K2の管理を行い、入室者認証及び扉開閉認証を行うようになっている。
【0057】
本発明の入退室管理システムSは、入室者認証入力装置1が、部屋Rへの入室者の入室者認証情報を入力する入室者認証情報入力手段と、入力された入室者認証情報を管理サーバSVに送信する入室者認証情報送信手段とを備えている。
【0058】
本発明の入退室管理システムSは、扉開閉認証入力装置5が、物品棚4の開閉扉D2の扉開閉認証情報を入力する扉開閉認証情報入力手段と、入力された扉開閉認証情報を管理サーバSVに送信する扉開閉認証情報送信手段とを備えている。
【0059】
本発明の入退室管理システムSは、管理サーバSVが、受信した入室者認証情報により部屋Rへの入室の許可を判断する入室許可判断手段と、受信した扉開閉認証情報が入室者認証情報と同一人物のものである時、第2の錠前装置K2を解錠して物品棚4の開閉扉D2の開閉を許可する扉開閉許可手段とを備えている。
【0060】
本発明の入退室管理システムSは、管理サーバSVが、統合管理データベース3を有している。
【0061】
本発明の入退室管理システムSは、管理サーバSVが、入退室の認証を行う入退室認証手段と、部屋Rへの入室者の入室状態の有無と物品棚4の開閉扉D2の開閉の権限の有無とで物品棚4の開閉扉D2の解錠の認証を行う扉解錠認証手段と、部屋Rへの入室及び部屋Rからの退室の入退室履歴を統合管理データベース3に登録する入退室履歴登録手段と、物品棚4の開閉扉D2の扉解錠履歴を統合管理データベース3に登録する扉解錠履歴登録手段とを備えている。
【0062】
本発明の入退室管理システムSは、管理サーバSVが、部屋Rへの入室者が物品棚4の開閉扉D2の第2の錠前装置K2による施錠を行わない場合、第1の錠前装置K1を施錠状態に維持する施錠状態維持手段を備えている。
【0063】
本発明の管理サーバは、部屋Rの開閉可能な扉D1に取付けられた第1の錠前装置K1及び部屋R内に設置された物品棚4の開閉扉D2に取付けられた第2の錠前装置K2とそれぞれネットワーク接続され、第1の錠前装置K1及び第2の錠前装置K2の管理を行い、部屋Rへの入室者の入室者認証及び物品棚4の開閉扉D2の開閉の扉開閉認証を行うものである。
【0064】
部屋Rの出入口には、図3に示すように、扉D1が開閉自在に配設され、扉D1には、電気錠などの第1の錠前装置K1が取付けられている。
【0065】
第1の錠前装置K1と管理サーバSVとは、ネットワークNWで接続されている。
【0066】
扉D1の近傍には、入室者認証入力装置1が配設されている。
【0067】
入室者認証入力装置1と管理サーバSVとは、ネットワークNWで接続されている。
【0068】
部屋Rの室内には、物品棚4が設置され、物品棚4の開閉扉D2には、電気錠などの第2の錠前装置K2が取付けられている。
【0069】
第2の錠前装置K2と管理サーバSVとは、ネットワークNWで接続されている。
【0070】
物品棚4には、扉開閉認証入力装置5が配設されている。
【0071】
扉開閉認証入力装置5と管理サーバSVとは、ネットワークNWで接続されている。
【0072】
入退室管理システムSの管理サーバSVは、入退室者の入退室の認証を行う入退室認証手段と、電気施錠された物品棚4の開閉扉D2の解錠の認証を行う扉解錠認証手段とを備えている。
【0073】
入退室管理システムSの管理サーバSVは、入退室認証と扉解錠認証の統合管理データベース3を有している。
扉解錠認証では、扉解錠権限の有無及び入室状態の有無を合わせて認証を行う。
【0074】
電気施錠された物品棚4の開閉扉D2の開閉の認証(あるいはそれに準ずる認証行為)を行う場合において、部屋Rへの入室履歴を参照する。
【0075】
部屋Rへの入室履歴を参照することで、物品棚4の開閉扉D2の扉解錠権限のある利用者IDやパスワードを使用した場合であっても、扉解錠認証の許可を与えず、なりすましによる物品の盗難・流失を防ぐ。
【0076】
入退室履歴と扉解錠履歴を相互に参照することにより、物品棚4の開閉扉D2の施錠をしていない人物が部屋Rから退室しようとしても出られない/警告を鳴らすなどの措置をとる。
【0077】
上記入退室管理システムSにより、離席時に他人による物品の盗難を防ぐ。
【0078】
さらに、入退室履歴と扉解錠履歴を双方向でチェックすることにより、物品管理に関してセキュリティを強化する。
【0079】
図4は、本発明の第2の実施例に係る入退室管理システムにおける入室認証,扉解錠認証及び統合管理データベースへの入室履歴登録,扉解錠履歴登録の基本処理の流れを説明するフローチャート図である。
ステップS400でスタートした入室認証処理は、まず、部屋Rへの入室の許可の有無を判断する(ステップS401)。
【0080】
ここで、部屋Rへの入室の許可が有る場合は(ステップS401“Yes”)、管理サーバSVが第1の錠前装置K1を解錠し(ステップS402)、その後、入室履歴の統合管理データベース3への登録が行われる。
【0081】
ステップS500でスタートした扉解錠認証処理は、まず、部屋Rへの入室者が電気施錠された物品棚4の開閉扉D2の扉解錠操作を行い(ステップS501)、統合管理データベース3に登録した入室履歴を参照し、次いで、入室者が部屋Rへ入室しているかを判断する(ステップS502)。
【0082】
ここで、入室者が部屋Rへ入室している場合は(ステップS502“Yes”)、電気施錠された物品棚4の開閉扉D2の扉解錠権限が有るかを判断する(ステップS503)。
【0083】
また、入室者が部屋Rへ入室していない場合は(ステップS502“No”)、ステップS501に戻る。
【0084】
ここで、電気施錠された物品棚4の開閉扉D2の扉解錠権限が有る場合は(ステップS503“Yes”)、管理サーバSVが第2の錠前装置K2を解錠し(ステップS504)、その後、扉解錠履歴の統合管理データベース3への登録が行われる。
【0085】
また、電気施錠された物品棚4の開閉扉D2の扉解錠権限が無い場合は(ステップS503“No”)、ステップS501に戻る。
【0086】
ステップS600でスタートした入室履歴及び扉解錠履歴の統合管理データベース3への登録処理は、まず、入室認証処理において第1の錠前装置Kの解錠が行われると、管理サーバSVが入室履歴を統合管理データベース3に登録し(ステップS601)、次いで、扉解錠認証処理において第2の錠前装置K2の解錠が行われると、管理サーバSVが扉解錠履歴を統合管理データベース3に登録する(ステップS602)。
【0087】
部屋Rからの退室は、まず、物品棚4の開閉扉D2の扉施錠認証処理が行われ、部屋Rに入室した入室者が物品棚4の開閉扉D2の扉施錠操作を行い、管理サーバSVが物品棚4の開閉扉D2の扉施錠認を行った後、管理サーバSVが第2の錠前装置K2を施錠する。
【0088】
その後、退室認証処理を行い、部屋Rからの退室の許可があれば、管理サーバSVが第1の錠前装置K1を解錠し、入室者は部屋Rからの退室を行う。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施例に係る入退室管理システムを示すシステム構成図。
【図2】本発明の第1の実施例に係る入退室管理システムおける入室認証,ログイン認証及び統合管理データベースへの入室履歴登録,ログイン履歴登録の基本処理の流れを説明するフローチャート図。
【図3】本発明の第2の実施例に係る入退室管理システムを示すシステム構成図。
【図4】本発明の第2の実施例に係る入退室管理システムにおける入室認証,扉解錠認証及び統合管理データベースへの入室履歴登録,扉解錠履歴登録の基本処理の流れを説明するフローチャート図。
【符号の説明】
【0090】
1 入室者認証入力装置
2 パソコン(利用者端末)
3 統合管理データベース
4 物品棚(物品保管庫)
5 扉開閉認証入力装置
D 扉
D1 扉
D2 開閉扉
K 錠前装置
K1 第1の錠前装置
K2 第2の錠前装置
NW ネットワーク
R 部屋
SV 管理サーバ
S 入退室管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の開閉可能な扉に取付けられた錠前装置と、前記部屋への入室者の認証入力を行う入室者認証入力装置と、前記部屋内に設置された利用者端末と、前記錠前装置と前記入室者認証入力装置と前記利用者端末にネットワークを介して接続された管理サーバとからなり、前記部屋への入室及び前記部屋からの退室を行う入退室者の入退室を管理するシステムであって、
前記錠前装置は、前記管理サーバの入室者認証結果に応じて前記扉の解錠を行い、前記利用者端末は、前記管理サーバのログイン認証結果に応じて使用可能となり、前記管理サーバは、前記錠前装置及び前記利用者端末の管理を行い、前記入室者認証及び前記ログイン認証を行うことを特徴とする入退室管理システム。
【請求項2】
上記入室者認証入力装置は、上記部屋への入室者の入室者認証情報を入力する入室者認証情報入力手段と、入力された入室者認証情報を上記管理サーバに送信する入室者認証情報送信手段とを備え、上記利用者端末は、ログイン認証情報を入力するログイン認証情報入力手段と、入力されたログイン認証情報を前記管理サーバに送信するログイン認証情報送信手段とを備え、前記管理サーバは、受信した入室者認証情報により前記部屋への入室の許可を判断する入室許可判断手段と、受信したログイン認証情報が入室者認証情報と同一人物のものである時、前記利用者端末へのログインを許可するログイン許可手段とを備えている請求項1に記載の入退室管理システム。
【請求項3】
上記管理サーバは、統合管理データベースを有し、入退室の認証を行う入退室認証手段と、上記部屋への入室者の入室状態の有無と上記利用者端末へのログインの権限の有無とで前記利用者端末へのログインの認証を行うログイン認証手段と、前記部屋への入室及び前記部屋からの退室の入退室履歴を前記統合管理データベースに登録する入退室履歴登録手段と、前記利用者端末へのログイン履歴を前記統合管理データベースに登録するログイン履歴登録手段とを備えている請求項1または2に記載の入退室管理システム。
【請求項4】
上記管理サーバは、上記部屋への入室者が上記利用者端末のログアウトを行わない場合、上記錠前装置を施錠状態に維持する施錠状態維持手段を備えている請求項1乃至3のいずれかに記載の入退室管理システム。
【請求項5】
部屋の開閉可能な扉に取付けられた第1の錠前装置と、前記部屋への入室者の認証入力を行う入室者認証入力装置と、前記部屋内に設置された物品保管庫の開閉扉に取付けられた第2の錠前装置と、前記物品保管庫の開閉扉の開閉の認証入力を行う扉開閉認証入力装置と、前記第1の錠前装置と前記入室者認証入力装置と前記第2の錠前装置と前記扉開閉認証入力装置にネットワークを介して接続された管理サーバとからなり、前記部屋への入室及び前記部屋からの退室を行う入退室者の入退室を管理するシステムであって、
前記第1の錠前装置は、前記管理サーバの入室者認証結果に応じて前記扉の解錠を行い、前記第2の錠前装置は、前記管理サーバの扉開閉認証結果に応じて前記物品保管庫の開閉扉の解錠を行い、前記管理サーバは、前記第1の錠前装置及び前記第2の錠前装置の管理を行い、前記入室者認証及び前記扉開閉認証を行うことを特徴とする入退室管理システム。
【請求項6】
上記入室者認証入力装置は、上記部屋への入室者の入室者認証情報を入力する入室者認証情報入力手段と、入力された入室者認証情報を上記管理サーバに送信する入室者認証情報送信手段とを備え、上記扉開閉認証入力装置は、上記物品保管庫の開閉扉の扉開閉認証情報を入力する扉開閉認証情報入力手段と、入力された扉開閉認証情報を前記管理サーバに送信する扉開閉認証情報送信手段とを備え、前記管理サーバは、受信した入室者認証情報により前記部屋への入室の許可を判断する入室許可判断手段と、受信した扉開閉認証情報が入室者認証情報と同一人物のものである時、上記第2の錠前装置を解錠して前記物品保管庫の開閉扉の開閉を許可する扉開閉許可手段とを備えている請求項5に記載の入退室管理システム。
【請求項7】
上記管理サーバは、統合管理データベースを有し、入退室の認証を行う入退室認証手段と、上記部屋への入室者の入室状態の有無と上記物品保管庫の開閉扉の開閉の権限の有無とで前記物品保管庫の開閉扉の解錠の認証を行う扉解錠認証手段と、前記部屋への入室及び前記部屋からの退室の入退室履歴を前記統合管理データベースに登録する入退室履歴登録手段と、前記物品保管庫の開閉扉の扉解錠履歴を前記統合管理データベースに登録する扉解錠履歴登録手段とを備えている請求項5または6に記載の入退室管理システム。
【請求項8】
上記管理サーバは、上記部屋への入室者が上記物品保管庫の開閉扉の上記第2の錠前装置による施錠を行わない場合、上記第1の錠前装置を施錠状態に維持する施錠状態維持手段を備えている請求項5乃至7のいずれかに記載の入退室管理システム。
【請求項9】
部屋の開閉可能な扉に取付けられた錠前装置及び前記部屋内に設置された利用者端末とそれぞれネットワーク接続され、前記錠前装置及び前記利用者端末の管理を行い、前記部屋への入室者の入室者認証及び前記利用者端末へのログイン認証を行うことを特徴とする管理サーバ。
【請求項10】
部屋の開閉可能な扉に取付けられた第1の錠前装置及び前記部屋内に設置された物品保管庫の開閉扉に取付けられた第2の錠前装置とそれぞれネットワーク接続され、前記第1の錠前装置及び前記第2の錠前装置の管理を行い、前記部屋への入室者の入室者認証及び前記物品保管庫の開閉扉の開閉の扉開閉認証を行うことを特徴とする管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−348675(P2006−348675A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178822(P2005−178822)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000233491)日立電子サービス株式会社 (394)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】