説明

共押出フィルムおよび複合材料の製造方法

【課題】ロール上に巻き付けて貯蔵することができ、容易に取り扱うことができ、かつ多くの用途で用いることができる、弾性層を備える共押出フィルムを提示すること。
【解決手段】本発明は、内部の層の境目(1)で、一方としての支持フィルム(3)と、他方としての熱可塑性エラストマーから成る単層の弾性フィルム(2)または熱可塑性エラストマーから成る層(2’)を備えた伸長可能なフィルム(7)とに分離することができる共押出フィルムに関する。支持フィルム(3)は、内部の層の境目(1)に剥離層(4)を備える。内部の層の境目(1)で互いに接しているフィルム層の極性を異なるように調整することによって剥離可能性が達成され、このために剥離層(4)は、非弾性の極性ポリマーから形成される。複合材料の製造方法も本発明の対象である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性エラストマーから成る層を有する共押出フィルムに関する。この共押出フィルムは、複合材料要素を製造するために提供され、特に、伸長可能であるが一般的には非弾性の不織布材料によってラミネートされる。このようなラミネート複合材は、例えば幼児用おむつまたはそれと類似の失禁用品のような使い捨て衛生用品の弾性テープまたは弾性ベルトとして提供することができる。その際、ラミネート複合材の弾力性は、熱可塑性エラストマーから成る層によって達成される。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性エラストマーから成る単層フィルムを製造する場合、強い伸長または引裂けを確実に回避するために、取り扱う際に加わる引張力を小さく保たなければならないという問題がある。さらに、熱可塑性エラストマーはかなりの接着性を有しており、ロールに巻き付けるとすぐにブロッキングする可能性があり、したがって熱可塑性エラストマーから成る単層フィルムをロールの形で保管することは容易には可能でない。
【0003】
欧州特許第1316418号(特許文献1)から、熱可塑性エラストマーから成る中心層と、少なくとも1つの外被層とを有する共押出フィルムが知られている。この共押出フィルムをロール状に巻く場合、外被層が隔離として作用し、ロール上に重なり合わせて巻かれた接着性の中心層の積層が直接接触することを阻止し、したがってブロッキングを回避することができる。たとえこの既知の共押出フィルムは実用上有用なものであることが判明しているとしても、まず外被層を脆化させ、次いでさらなる工程段階において、過剰に伸長させることにより、少なくとも1つの剛性の外層を伸長方向に帯状に引き裂いて、共押出フィルムを活性化させる必要があるという欠点がある。この共押出フィルムはこの伸長方向に垂直な方向では剛性を保っている。
【0004】
欧州特許第1686209号(特許文献2)からは、接着性の熱可塑性エラストマーから成る単層フィルムを、押出成形の直後に、薄い非ブロッキング性の不織布層によってラミネートすることが知られており、この不織布層は、一方では、弾性の単層フィルムを取り扱う際に過度な伸長から保護し、他方では、ロール状に巻く際にブロッキングを阻止する。単層フィルムを押出成形した直後に既に不織布材料を供給して単層フィルム上にラミネートしなければならないので、この方法は厄介である。さらに、少なくとも片面に設けられた不織布から成る外層によって、形成された半製品としてのラミネート複合材の使用分野が制限される。
【0005】
さらに、熱可塑性エラストマーから成る接着性の単層フィルムのブロッキングを回避するために、単層フィルムに押出成形の後で粉末を敷くことが知られている。欧州特許第1712669号(特許文献3)によれば、このためにポリマー材料から成る粉末が使用され、このポリマー材料は、ホットメルト接着剤によって弾性の単層フィルムに被覆材料をラミネートする際に溶融し、したがって達成すべき結合強度が粉末によって著しく損なわれることはない。記載の方法は、弾性の単層フィルムがホットメルト接着剤によって被覆材料と結合されることを前提とし、その際、さらに、一方としてのホットメルト接着剤の貼着温度と他方としての粉末の溶融温度とを互いに適合させなければならない。さらに、この粉末は、確かに、ロール状に巻かれた状態で保管する際に熱可塑性エラストマーから成る単層フィルムのブロッキングを阻止するものの、単層フィルムを取り扱う際には、無制御の伸長または引裂きを回避するために、加わる引張力を小さく保たなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第1316418号
【特許文献2】欧州特許第1686209号
【特許文献3】欧州特許第1712669号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この背景から、本発明の課題は、ロールに巻き付けて保管することができ、容易に取り扱うことができ、かつ多くの用途で用いることができる、弾性層を備える共押出フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するために、本発明の第1の実施形態によれば、内部の層の境目で、熱可塑性エラストマーから成る単層の弾性フィルムと、支持フィルムとに分離することができる共押出フィルムであって、弾性フィルムが共押出フィルムの第1の表面を構成する共押出フィルムが提供される。本発明によれば、熱可塑性エラストマーから成る層は、共押出成形の際にノズルから吐出した直後に既に、隣接する単層または多層の支持フィルムによって安定化される。形成された共押出フィルムは、さらなる処理またはコーティングなしでロール状に巻くことができ、その際、支持フィルムが、ロール状に巻かれた状態でのブロッキングを確実に回避する。同時に共押出フィルムは高い引張強度を有し、したがって大きな引張力が加わるときでも過度な伸長または引裂きが回避される。熱可塑性エラストマーから成る単層の弾性フィルムを例えば複合材料要素の弾性層として利用できるように、この弾性フィルムを、内部の層の境目で支持フィルムから剥離することができる。
【0009】
前述の剥離特性(Releaseeigenschaften)は、一方としての弾性フィルムと、他方としての支持フィルムの剥離層との極性の相違によって達成することができる。好ましい実施形態によれば、剥離層は非弾性の極性ポリマーから成り、熱可塑性エラストマーは非極性であるか、または比較的低い極性しか有さない。すなわち、弾性フィルムは、例えばスチレンブロックコポリマー、特にスチレンブタジエンスチレンコポリマー(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレンエテンブテンスチレンコポリマー(SEBS)、または上記のスチレンブロックコポリマーの少なくとも2つの混合物から形成することができる。通常のやり方では、添加剤または充填物質を混合することができる。
【0010】
第2の実施形態によれば、本発明の根底にある課題は、内部の層の境目で、伸長可能なフィルムと支持フィルムとに分離することができる共押出フィルムであって、伸長可能なフィルムが、熱可塑性エラストマーから成る弾性層と、伸長可能なポリマーから成る層とを有する共押出フィルムによって解決される。
【0011】
伸長可能なポリマーから成る層が、共押出フィルムの内部の層の境目と隣接していることが好ましく、この場合にも、上で第1の実施形態に関して述べたように、剥離特性は、一方としての伸長可能なポリマーから成る層と他方としての隣接する剥離層との異なる極性によって達成することができる。特に、伸長可能なポリマーから成る層を、完全に非極性のポリオレフィン、例えばポリエチレンから形成することができる。これに加えて、剥離層から剥離した後に熱可塑性エラストマーから成る弾性層をある程度安定化させるために、伸長可能なポリマーから成るさらなる層が設けられる。支持フィルムの剥離後には、容易に伸長可能であることが目指され、かつ伸長後に熱可塑性エラストマーから成る層の弾性復元力がさらなる伸長可能な層によって著しく損なわれないようにすべきであるので、伸長可能なポリマーから成る層は、小さな引張力で大きく伸長しないようにする弱い安定化しかもたらさない。この理由から、伸長可能な層は、20μm未満、特に好ましくは10μm未満の小さな厚さしか有さないことが好ましい。
【0012】
本発明の第1の実施形態の枠内でも第2の実施形態の枠内でも、内部の層の境目で互いに接している層の異なる極性を調整することによって支持フィルムの剥離可能性が達成されることが好ましい。共押出フィルムを問題なく取り扱えることを保証するため、および支持フィルムを裂けないように弾性フィルムから引き剥がすことができるようにするために、剥離層は十分な強度を有すべきである。他方、支持フィルムは剛性が高すぎてはならない。さらに、全体として必要な材料の量をできるだけ少なくすることが目指され、これは特に、支持フィルムを、剥離後に通常はさらに利用することなく廃棄またはリサイクルしなければならないからである。したがって、剥離層の厚さは2μm〜100μmの間であることが好ましい。適切な厚さを確定する際には、支持フィルムが単層で剥離層だけから構成されるのか、または少なくとも1つのさらなる層を有するのかも考慮すべきである。
【0013】
本発明によれば、共押出フィルムは、一方としての支持フィルムと、他方としての単層の弾性フィルム、または熱可塑性エラストマーから成る層を備えた伸長可能なフィルムとに分離することができる。その際、剥離特性は、形成された両方のフィルムを分離工程の際に引き裂くことなく、かつ互いに別々に取り扱うことができるように調整される。DIN53357−Aに従って決定された結合付着力は、通常は0.005N/25mm〜4N/25mmの間である。前述のピール値は、一方では、共押出フィルムを取り扱う際に支持フィルムと弾性フィルムまたは伸長可能なフィルムとが少なくとも容易に互いに付着するように、他方では、支持フィルムを容易に引き剥がすことができるように調整される。多くの用途に関して、特に、引き剥がす際に大きな引張力によって弾性フィルムまたは伸長可能なフィルムが過度に伸長することを回避すべきである。ピール値に関する好ましい範囲は0.01N/25mm〜1N/25mmの間である。
【0014】
本発明により企図された共押出フィルムの分離を可能にするために、剥離層は非弾性の極性ポリマーから形成される。例えば、高極性のアミド基を有するポリアミド(PA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ならびにエステル熱可塑性物質、例えばポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)が適している。さらに、上記のポリマーの少なくとも2つおよび/または上記のポリマーの様々なタイプを混合物として提供することもできる。
【0015】
支持フィルムが、単層フィルムとして剥離層だけから成る場合、剥離層は、弾性フィルムまたは伸長可能なフィルムの十分な安定化をもたらすために、大きな厚さを有することが好ましい。これに対して支持フィルムが多層で形成されている場合、機能を分配することができ、その際、さらなる担持層が、少なくとも本質的に共押出フィルムの支持および補強に寄与する。これに対応して剥離層はより薄く形成することができ、20μm未満、特に好ましくは10μm未満の厚さを有することが好ましい。高い極性の熱可塑性ポリマーが一般的には比較的高価であることを考慮しなければならず、したがって前述の機能分配によってコスト削減を達成することができる。すなわち、担持層は、ポリマー性ベース物質として安価なポリオレフィン含み、薄い接着促進剤層によって剥離層と結合することができる。
【0016】
複合材料の製造方法も本発明の対象であり、この方法では、第1の表面に熱可塑性エラストマーから成る層を有し、内部の層の境目で、弾性エラストマーから成る層を含むフィルムと支持フィルムとに分離することができる共押出フィルムが形成され、この共押出フィルムをロールに巻き付け、この共押出フィルムをロールから引き剥がし、少なくとも1枚の不織布シートが供給され、支持フィルムの剥離後に残る熱可塑性エラストマーから成る層を有するフィルムをこの不織布シートにラミネートする直前に、支持フィルムが剥がされる。
【0017】
本発明による方法の枠内で、上述したように共押出フィルムを形成することができる。
【0018】
上で説明したように、支持フィルムは、熱可塑性エラストマーから成る層の安定化をもたらし、したがって引張力が大きくても共押出フィルム全体を容易に取り扱うことができ、さらに加工することができる。すなわち、共押出フィルムは、例えば支持フィルムを剥離する前に細片に切断することができ、その際、支持フィルムを引き剥がした後に残るフィルム細片は、互いに横方向に間隔をあけて、2枚の平面的な非弾性不織布シートの間にラミネートされ、これにより、横方向で、伸長後に弾性復元力を有する領域と非弾性領域とが交互になる。
【0019】
熱可塑性エラストマーから成る層は、押出成形の直後に支持フィルムによって安定化されるので、この熱可塑性エラストマーから成る層は既知の実施形態に比べて小さな厚さを有することもでき、これにより全体として費用面の利点が生じる。
【0020】
以下に本発明を例示的実施形態に基づいて説明する。図1〜図4は、本発明による共押出フィルムの代替実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】共押出フィルムの2層の実施形態を示す図である。
【図2】多層の支持フィルムを備える共押出フィルムを示す図である。
【図3】本発明のさらなる実施形態を示す図である。
【図4】2層の伸長可能なフィルムと、剥離層だけから成る支持フィルムとを備える実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は共押出フィルムの2層の実施形態を示しており、この共押出フィルムは、内部の層の境目1で弾性フィルム2と支持フィルム3に分離することができる。弾性フィルム2は、その弾性特性に基づき高い接着性を有する熱可塑性エラストマー、例えばスチレンブロックコポリマーの唯一の層から成る。図1の例示的実施形態における支持フィルム3は、弾性フィルム2からの剥離を可能にするために、非弾性の極性ポリマーから形成された剥離層4から成る。支持フィルム3は、剥離することができるだけでなく、弾性フィルム2の安定化にも役立ち、したがって、大きな引張力が加わるときでも著しく伸長することなく共押出フィルム全体を容易に取り扱うことができる。
【0023】
例えば使い捨て衛生用品のための複合材料要素を形成するために、支持フィルム3を取り除いた後に弾性フィルム2に不織布材料をラミネートすることができる。
【0024】
図1に基づく実施形態とは異なり、図2は多層の支持フィルム3を備える共押出フィルムを示している。この支持フィルム3は、弾性フィルム2に隣接する剥離層4と、接着促進剤層6を介して剥離層4と結合された担持層5とを含む。追加された担持層5が支持フィルム3を補強し、したがって、これに対応して剥離層4をより薄く形成することができる。これに対応して、剥離層4のための比較的高価な極性ポリマーの必要量が減るという利点が生じる。
【0025】
図3および図4は、本発明のさらなる実施形態を示しており、それぞれ図示した共押出フィルムは、内部の層の境目1で、伸長可能なフィルム7と支持フィルム3とに分離することができる。伸長可能なフィルム7は、熱可塑性エラストマーから成る弾性層2’と、伸長可能なポリマーから成る層8とを含む。支持フィルム3は、上述したように単層または多層で形成することができる。伸長可能なポリマーから成る追加の層8は、支持フィルム3の剥離後にも弾性層2’にある程度の安定性を付与するために設けられる。しかし、衛生用品のための伸長可能な要素を形成するために、不織布材料をラミネートした後に優れた弾性特性を有するように、支持フィルム3の剥離後に残る伸長可能なフィルム7は容易に伸長可能であるべきである。したがって、伸長可能なポリマーから成る層8は、通常は20μm未満、好ましくは10μm未満の厚さを有する。
【0026】
図4は、2層の伸長可能なフィルム7と、剥離層4だけから成る支持フィルム3とを備える実施形態を示している。
【0027】
予備実験の枠内で、図1〜図4に基づく層構造を有する共押出フィルムが作製され、その際、弾性フィルム2または弾性層2’として常にスチレンブロックコポリマーから成る70μm厚の層が形成された。
【0028】
第1の例によれば、スチレンブロックコポリマーから成る接着性の弾性層が、担持層5としてのポリアミドから成る30μm厚の層と一緒に共押出成形された。
【0029】
第2の例によれば、全体で4層の共押出フィルムの形成が行われ、その際、支持フィルム3は、10μm厚のポリアミド層(PA)と、15μm厚の中密度ポリエチレン(PE−MD)から成る担持層とを有し、この担持層は、接着促進剤層6としての5μm厚の無水マレイン酸変性された直鎖状の低密度ポリエチレン(MAH変性PE−LLD)の層を介して剥離層4と結合された。
【0030】
図3による例示的実施形態では、スチレンブロックコポリマーから成る70μm厚の弾性層2’に加えて中密度ポリエチレン(PE−MD)から成る3μm厚の伸長可能な層8を有する2層の伸長可能なフィルムが形成された。3層の支持フィルム3の剥離層4は、5μm厚のポリカーボネート(PC)から形成され、その際、剥離層4は、MAH変性PE−LLDから成る10μm厚の接着促進剤層を介して、PE−MDから成る28μm厚の担持層に接合する。
【0031】
図4による例では、弾性層2’と、PE−MDから成る10μm厚の伸長可能な追加の層8とを備えた2層の伸長可能なフィルムが、ポリカーボネート(PC)から成る5μm厚の支持フィルムと一緒に共押出成形された。
【0032】
すべての実験例を、押出成形後にロールに巻き付けて、ブロッキングさせずに保管することができた。その際、支持フィルム3は、繰り出した後に弾性フィルム2または伸長可能なフィルム7から完全に引き剥がすことができた。
【符号の説明】
【0033】
1 層の境目
2 弾性フィルム
2’ 弾性層
3 支持フィルム
4 剥離層
5 担持層
6 接着促進剤層
7 伸長可能なフィルム
8 伸長可能なポリマーから成る層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の層の境目(1)で、熱可塑性エラストマーから成る単層の弾性フィルム(2)と支持フィルム(3)とに分離することができる共押出フィルムであって、前記弾性フィルム(2)が共押出フィルムの第1の表面を構成する共押出フィルム。
【請求項2】
前記弾性フィルム(2)がスチレンブロックコポリマーから成る、請求項1に記載の共押出フィルム。
【請求項3】
内部の層の境目(1)で、伸長可能なフィルム(7)と支持フィルム(3)とに分離することができる共押出フィルムであって、前記伸長可能なフィルム(7)が、熱可塑性エラストマーから成る弾性層(2’)と、伸長可能なポリマーから成る層(8)とを有する共押出フィルム。
【請求項4】
前記伸長可能なフィルム(7)が2層で構成されている、請求項3に記載の共押出フィルム。
【請求項5】
前記弾性層(2’)がスチレンブロックコポリマーから成る、請求項3または4に記載の共押出フィルム。
【請求項6】
前記伸長可能なフィルム(7)の前記層(8)が20μm未満、好ましくは10μm未満の厚さを有する、請求項3〜5のいずれか一つに記載の共押出フィルム。
【請求項7】
前記層の境目(1)で隣接し合う層が異なる極性を有する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の共押出フィルム。
【請求項8】
前記支持フィルム(3)が、前記内部の層の境目(1)に、非弾性の極性ポリマーから成る剥離層(4)を備えている、請求項1〜7のいずれか一つに記載の共押出フィルム。
【請求項9】
前記剥離層(4)が、ポリマー性ベース物質として、ポリアミド(PA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、または前記ポリマーの少なくとも2つの混合物から成る群から選択されるポリマーを含む、請求項8に記載の共押出フィルム。
【請求項10】
前記支持フィルムが剥離層(4)に加えて担持層(5)を備えており、前記担持層(5)が共押出フィルムの第2の表面を構成する、請求項8または9に記載の共押出フィルム。
【請求項11】
前記担持層(5)がポリオレフィンから成り、接着促進剤層(6)によって剥離層(4)と結合されている、請求項10に記載の共押出フィルム。
【請求項12】
前記剥離層(4)が20μm未満、好ましくは10μm未満の厚さを有する、請求項10または11に記載の共押出フィルム。
【請求項13】
支持フィルム(3)が単層で形成されている、請求項1〜7のいずれか一つに記載の共押出フィルム。
【請求項14】
前記内部の層の境目での分離のための結合付着力が、0.005N/25mm〜4N/25mmの間、好ましくは0.01N/25mm〜1N/25mmの間である、請求項1〜13のいずれか一つに記載の共押出フィルム。
【請求項15】
複合材料を製造する方法であって、
共押出フィルムが形成され、前記共押出フィルムが、第1の表面に熱可塑性エラストマーから成る層を有し、内部の層の境目で、熱可塑性エラストマーから成る層を含むフィルムと支持フィルムとに分離することができ、
前記共押出フィルムがロールに巻き付けられ、
前記共押出フィルムがロールから引き剥がされ、
少なくとも1枚の不織布シートが供給され、
熱可塑性エラストマーから成る層を有するフィルムが前記不織布シートにラミネートされる直前に、支持フィルムが除去される方法。
【請求項16】
前記共押出フィルムが、支持フィルムを除去する前に細片に切断され、支持フィルムを引き剥がした後に残る熱可塑性エラストマーから成る層を有するフィルムの細片が、横方向で、互いに間隔をあけて、2枚の平面的な非弾性不織布シートの間にラミネートされ、それにより、形成された複合材料の横方向で、伸長後に弾性復元力を有する領域と非弾性領域とが交互になる、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−88442(P2011−88442A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232128(P2010−232128)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(504376658)ノルデニア・ドイチュラント・グローナウ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (19)
【Fターム(参考)】