説明

内燃機関の制御装置

【課題】この発明は、内燃機関の制御装置に関し、6サイクル内燃機関におけるHCCI燃焼の着火・燃焼時期を制御できる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】吸気行程、第1圧縮行程、第1膨張行程、第2圧縮行程、第2膨張行程、及び排気行程を順次実行する6サイクル内燃機関において、上記吸気行程から第1膨張行程までの間において火花点火によるSI燃焼を実施し、上記SI燃焼により発生した既燃ガス中に追加燃料を噴射して、上記第2膨張行程までの間に圧縮自己着火によるHCCI燃焼を実施する。また、検出した筒内圧に基づいてHCCI燃焼時の燃焼割合が所定割合となる時期を算出し、その算出値が要求値と一致するように、算出値と要求値との比較値をSI燃焼における火花点火時期にフィードバック補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、車両に搭載される6サイクル内燃機関の制御を実行するのに好適な内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されるように、吸気行程→第1圧縮行程→第1膨張行程→第2圧縮行程→第2膨張行程→排気行程の計6行程で1回の燃焼周期を完了する6ストローク1サイクル(以下、6サイクルという。)の直噴式エンジンが知られている。また、本公報には、上記の吸気行程→第1圧縮行程→第1膨張行程を経て燃料をリーン空燃比でSI(Spark Ignition)燃焼させる第1燃焼過程が開示されている。さらに、上記の第1燃焼過程で発生した既燃ガス中に追加燃料を噴射すると共に、上記の第2圧縮行程→第2膨張行程を経て上記の追加燃料をHCCI(Homogeneous Charge Compression Ignition)燃焼させる第2燃焼過程が開示されている。このような構成によれば、ポンピングロスを伴う吸排気行程を1回ずつ行う間に、出力を発生する燃焼を2回行うことができるため、燃費性能の向上を図ることができる。また、第2燃焼過程において未燃ガスの再反応が促進されるため、排ガス性能を高めることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−336435号公報
【特許文献2】特開2002−276442号公報
【特許文献3】特開2005−139985号公報
【特許文献4】特開2001−355484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した第2燃焼過程のHCCI燃焼では、燃料と空気との予混合気が第2圧縮行程を経て自己着火温度に達した各点において着火し燃焼する。しかし、この着火・燃焼時期は、外気温、燃焼室温度、残留ガス温度等の影響をうける。そのため、上記従来の内燃機関においては、HCCI燃焼において自己着火する着火・燃焼時期にばらつきが生じ、ノッキングや失火に伴う燃費性能や排ガス性能の低下を招く可能性がある。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、6サイクル内燃機関におけるHCCI燃焼の着火・燃焼時期を制御できる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
吸気行程、第1圧縮行程、第1膨張行程、第2圧縮行程、第2膨張行程、及び排気行程を順次実行する6サイクル内燃機関と、
燃料を噴射する燃料噴射弁と、
噴射燃料に火花点火する点火プラグと、
筒内圧を検出する筒内圧センサと、
前記吸気行程から前記第1膨張行程までの間において、前記燃料噴射弁に燃料を噴射させた後前記点火プラグに火花点火させるSI燃焼手段と、
前記SI燃焼手段により発生した既燃ガス中に追加燃料を噴射させて、その後、前記第2膨張行程までの間に該追加燃料を圧縮自己着火させるHCCI燃焼手段と、
前記筒内圧に基づいて、HCCI燃焼時の燃焼割合が所定割合となる時期を算出する算出手段と、
HCCI燃焼時の燃焼割合が前記所定割合となる時期の要求値を取得する要求値取得手段と、
前記算出手段により算出された算出値が前記要求値と一致するように、該算出値と前記要求値との比較値を前記SI燃焼手段の火花点火時期にフィードバック補正するフィードバック補正手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
第1の発明によれば、筒内圧からHCCI燃焼時の燃焼割合が所定割合となる燃焼時期を算出した算出値が要求値と一致するように、算出値と要求値との比較結果をSI燃焼手段における火花点火時期にフィードバック補正することができる。SI燃焼手段における火花点火時期をフィードバック補正することで、第2圧縮行程開始温度を調整することができ、HCCI燃焼における着火・燃焼時期を制御することができる。
【0008】
具体的には、算出値が要求値よりも大きい(即ち、算出された燃焼時期の方が遅い)場合には、SI燃焼における火花点火時期を遅角することで、その後、第2圧縮行程開始までの期間を短くすることができ、第2圧縮行程開始温度を高めることができる。第2圧縮行程開始温度を高めることで、追加燃料は多点で圧縮自己着火し易くなり、HCCI燃焼における燃焼時期を早めることができる。一方、算出値が要求値よりも小さい(即ち、算出された燃焼時期の方が早い)場合には、SI燃焼における火花点火時期を進角することで、その後、第2圧縮行程開始までの期間を長くすることができ、第2圧縮行程開始温度を低くすることができる。第2圧縮行程開始温度が低くすることで、追加燃料は圧縮自己着火し難くなり、HCCI燃焼における燃焼時期を遅らせることができる。このように、本発明によれば、算出値と要求値の比較結果を、SI燃焼における火花点火時期にフィードバックすることで、HCCI燃焼における着火・燃焼時期を最適に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。本実施の形態1のシステムは、車両に搭載される内燃機関10を備えている。内燃機関10は複数の気筒を有しており、図1にはそのうちの一つの気筒の断面が示されている。各気筒に設けられたピストンは、クランク機構を介してクランクシャフトに接続されている。クランクシャフトの近傍には、クランク角度CAを検出するクランク角センサ12が設けられている。また、各気筒内には、燃焼室14が形成されている。燃焼室14内には、点火プラグ16と筒内圧センサ18と筒内噴射用のインジェクタ20とが配置されている。また、燃焼室14には、吸気通路22と排気通路24とが接続されている。
【0010】
吸気通路22の上流には、エアフロメータ26が配置されている。エアフロメータ26の下流には、スロットルバルブ28が配置されている。スロットルバルブ28の下流には、サージタンク30が設けられている。また、吸気通路22の下流端には、吸気通路22を燃焼室14に対して開閉する電磁駆動式の吸気バルブ32が設けられている。
【0011】
排気通路24の上流端には、排気通路24を燃焼室14に対して開閉する電磁駆動式の排気バルブ34が設けられている。さらに、排気バルブ34の下流には排気浄化触媒(図示略)が設けられている。
【0012】
本実施の形態のシステムはECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力側には、前述のクランク角センサ12、筒内圧センサ18、エアフロメータ26等が接続されている。ECU50の出力側には、前述の点火プラグ16、インジェクタ20、電磁駆動式の吸気バルブ32及び排気バルブ34等が接続されている。また、ECU50は、クランク角度CAに基づきエンジン回転数NEを算出する。
【0013】
また、ECU50は、点火プラグ16、インジェクタ20、電磁駆動式の吸気バルブ32及び排気バルブ34を制御することにより、SI(Spark Ignition)運転モードとSI+HCCI(Homogeneous Charge Compression Ignition)運転モードとを実現するための制御ルーチンを記憶している。SI運転モードでは、1サイクルを吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程によって行う一般的な4ストローク1サイクル(以下、4サイクルという。)運転を実施する。一方、SI+HCCI運転モードでは、詳細は後述するが、1サイクルの間に圧縮行程、膨張行程をそれぞれ2回ずつ行う6ストローク1サイクル(以下、6サイクルという。)運転を実施する。
【0014】
本実施形態の6サイクル運転について詳説する。図2は、実施の形態1におけるSI+HCCI6サイクル運転における動作を示すタイムチャートである。本実施形態の6サイクル運転では、図2に示すとおり、(a)吸気行程、(b)第1圧縮行程、(c)第1膨張行程、(d)第2圧縮行程、(e)第2膨張行程、(f)排気行程の6行程を順次実行することとしている。また、本実施形態の6サイクル運転では、層状燃焼を主体とした火花点火による第1燃焼過程と、均一燃焼を主体とした圧縮自己着火による第2燃焼過程との2つの燃焼過程を1サイクル内で行っている。
【0015】
まず、第1燃焼過程では、(a)吸気行程から(c)第1膨張行程までの間において、インジェクタ20に燃料を噴射させた後、点火プラグ16に火花点火させることで噴射燃料のSI燃焼を実現している。具体的には、上述した第1燃焼過程では、図2に示すように、(b)第1圧縮行程中においてインジェクタ20に第1燃料噴射を実施させる。そして、第1燃料噴射後、(b)第1圧縮行程の上死点直前に点火プラグ16に火花点火を実施させる。その結果、噴射燃料がSI燃焼し筒内圧が上昇することとなる。その後、(c)第1膨張行程の後半にかけてSI燃焼がおさまるに従い筒内圧は低下する。なお、第1燃料噴射は(a)吸気行程中に行うこととしても良く、火花点火は(c)第1膨張行程で行うこととしても良い。
【0016】
また、第2燃焼過程では、第1燃焼過程により発生した既燃ガス中に追加燃料を噴射させて、その後、(e)第2膨張行程までの間に追加燃料を圧縮自己着火させることでHCCI燃焼を実現している。具体的には、上述した第2燃焼過程では、図2に示すように、(c)第1膨張行程中において追加燃料の噴射(以下、第2燃料噴射という。)を実施させる。その後、点火プラグ16に火花点火を実施させることなく、(d)第2圧縮行程を経て(e)第2膨張行程までの間に、追加燃料及び未燃ガスを圧縮自己着火させる。その結果、追加燃料及び未燃燃料がHCCI燃焼し筒内圧は大きく上昇する。その後、(e)第2膨張行程の後半にかけてHCCI燃焼がおさまるに従い筒内圧は低下する。なお、第2燃料噴射は(d)第2圧縮行程中に行うこととしても良い。
【0017】
ここで、上述した第1燃料噴射と第2燃料噴射における噴射燃料の総和量は、吸気行程で吸入された吸入空気量GAに対して燃料噴射量の総和が制御(例えば、理論空燃比に制御)されている。本実施形態では、第1燃料噴射で1/2の量の燃料を噴射し(即ち、筒内当量比を0.5とし)、第2燃料噴射で残りの1/2の量の燃料を噴射し(即ち、筒内当量比を1.0とし)て、6サイクル運転を実施することとしている。このような噴射制御によれば、本実施形態の第1燃焼過程においては、燃料をリーン空燃比でSI燃焼させることとなる。
【0018】
[実施の形態1における特徴的制御]
ところで、上述した第2燃焼過程のHCCI燃焼では、燃料と空気との予混合気が(d)第2圧縮行程を経て自己着火温度に達した各点において自己着火し燃焼する。しかし、この着火・燃焼時期は、外気温、燃焼室温度、残留ガス温度等の影響をうける。そのため、上述したSI+HCCI6サイクル運転において、エンジン負荷とエンジン回転数とに対応する火花点火時期を定めた運転マップを用いてオープン制御するだけでは、特に過渡状態において着火・燃焼時期にばらつきが生じる。着火・燃焼時期のばらつきはノッキングや失火の原因となるため、燃費性能や排ガス性能の低下を招く可能性がある。そのため、HCCI燃焼における燃焼時期を最適に制御することが、燃費性能や排ガス性能の向上のために望ましい。
【0019】
そこで、本実施形態のシステムでは、HCCI燃焼における燃焼時期を最適に制御するために、SI燃焼における火花点火時期をフィードバック(PID)制御により補正することとした。
【0020】
より具体的な制御の概要について図3を用いて説明する。図3は、実施の形態1において用いられるフィードバック制御を説明するためのブロック図である。尚、図3に示す「エンジン60」は図1の内燃機関10(特に、燃焼室14と点火プラグ16を示す。)に、「筒内圧センサ62」は図1の筒内圧センサ18に対応している。
【0021】
ECU50は、エンジン回転数NEとエンジン負荷とに応じた基準火花点火時期を定めた運転マップ64を記憶している。この運転マップ64を用いたオープン制御により「基準火花点火時期66」が選択される。その後、選択された「基準火花点火時期66」に後述する「フィードバック補正値68」を加えて「新たな火花点火時期70」を定める。そして、内燃機関10において上述した第1燃料噴射を実施した後、「新たな火花点火時期70」に従って点火プラグ16に火花点火させて噴射燃料をSI燃焼させる。その後、上述した第2燃料噴射を実施した後、圧縮自己着火させて追加燃料と未燃ガスとをHCCI燃焼させる。
【0022】
HCCI燃焼による筒内圧の変化は、クランク角CAに同期した筒内圧センサ18により検出される。ECU50は、検出された筒内圧からHCCI燃焼時の燃焼割合が所定割合(ここでは、50%とする。)となる時期(以下、「HCCI燃焼時期算出値72」という。)を算出する。
【0023】
一方、ECU50は、HCCI燃焼時の燃焼割合が所定割合(ここでは、50%とする。)となる時期の制御要求値(以下、「HCCI燃焼時期制御要求値74」という。)を取得する。なお、ECU50は、エンジン回転数NEやエンジン負荷等に応じたHCCI燃焼時期制御要求値を定めた制御要求マップを記憶している。
【0024】
そして、ECU50は、上述した「HCCI燃焼時期算出値72」が「HCCI燃焼時期制御要求値74」と一致するように、「HCCI燃焼時期算出値72」と「HCCI燃焼時期制御要求値74」との比較を行い、その誤差を「フィードバック補正値68」として算出する。そして、次の「基準火花点火時期66」に、算出した「フィードバック補正値68」を加えて「新たな火花点火時期70」とするフィードバック制御を実現する。その後、内燃機関10は「新たな火花点火時期70」に従って運転される。
【0025】
図4は、上述の動作を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンでは、まず、ステップ100において、ECU50は取得したエンジン回転数NEとエンジン負荷とに基づいて、要求される運転領域がSI4サイクル運転領域であるかSI+HCCI6サイクル運転領域であるかを判断する。ここで、ECU50は、エンジン回転数NEとエンジン負荷とに応じてSI4サイクル運転領域とSI+HCCI6サイクル運転領域とを定めた運転領域マップを記憶している。SI4サイクル運転領域にあると判断される場合には、ステップ110において、SI4サイクル運転を実施し、その後本ルーチンを終了する。
【0026】
一方、上述したステップ100において、SI+HCCI6サイクル運転領域であると判断される場合には、次に、ステップ120において、上述の図2に示すSI+HCCI6サイクル運転を実施する。
【0027】
続いて、ステップ130において、クランク角CAに同期する筒内圧センサ18によって各サイクルにおけるHCCI燃焼時の筒内圧を検出する。そして、過去の筒内圧からHCCI燃焼時の燃焼割合が50%となる時期である上述の図3に示す「HCCI燃焼時期算出値72」を算出する。
【0028】
さらに、ステップ140において、上述の図3に示す「HCCI燃焼時期算出値72」が、「HCCI燃焼時期制御要求値74」と一致するように、「HCCI燃焼時期算出値72」と「HCCI燃焼時期制御要求値74」との誤差を、次の火花点火時期にフィードバック補正(PID制御)するための「フィードバック補正値68」を算出する。そして、運転マップ64を用いたオープン制御により定めた次の「基準火花点火時期66」に、算出した「フィードバック補正値68」を加えて、次のSI燃焼における「新たな火花点火時期70」を定めるフィードバック制御を実施する。
【0029】
以上説明したように、図4に示すルーチンによれば、筒内圧から算出される「HCCI燃焼時期算出値72」と、「HCCI燃焼時期制御要求値74」とを一致させるように、その比較結果をSI燃焼における火花点火時期にフィードバック補正することができる。図5は、SI燃焼における火花点火時期と第2圧縮行程開始温度(実線)とHCCI50%燃焼時期(破線)との関係を示す関係図である。本実施形態のシステムによれば、図5に示すように、SI燃焼における火花点火時期をフィードバック補正により進角・遅角することで、第2圧縮行程開始温度を調整することができ、その結果、HCCI燃焼における着火・燃焼時期を制御要求値と一致させるように制御することができる。
【0030】
具体的には、「HCCI燃焼時期算出値72」が「HCCI燃焼時期制御要求値74」よりも大きい(即ち、算出された燃焼時期の方が遅い)場合には、図5に示すとおり、SI燃焼における火花点火時期を遅角させることで、その後、第2圧縮行程開始までの期間を短くすることができ、第2圧縮行程開始温度を高めることができる。第2圧縮行程開始温度を高めることで、追加燃料は多点で圧縮自己着火し易くなり、HCCI燃焼における燃焼時期を早めることができる。
【0031】
一方、「HCCI燃焼時期算出値72」が「HCCI燃焼時期制御要求値74」よりも小さい(即ち、算出された燃焼時期の方が早い)場合には、図5に示すとおり、SI燃焼における火花点火時期を進角させることで、その後、第2圧縮行程開始までの期間を長くすることができ、第2圧縮行程開始温度を低くすることができる。第2圧縮行程開始温度を低くすることで、追加燃料は圧縮自己着火し難くなり、HCCI燃焼における燃焼時期を遅らせることができる。
【0032】
このように、本実施形態のシステムによれば、6サイクル運転において、SI燃焼における火花点火時期をフィードバック制御することで、HCCI燃焼における着火・燃焼時期を制御要求値と一致させることができ、良好な燃費性能や排ガス性能を実現することができる。
【0033】
尚、上述した実施の形態1においては、インジェクタ20が前記第1の発明における「燃料噴射弁」に、点火プラグ16が前記第1の発明における「点火プラグ」に、筒内圧センサ18が前記第1の発明における「筒内圧センサ」に、それぞれ相当している。
また、ここでは、ECU50が、上記第1燃焼過程を実施することにより前記第1の発明における「SI燃焼手段」が、上記第2燃焼過程を実施することにより前記第1の発明における「HCCI燃焼手段」が、上記ステップ130の処理を実行することにより前記第1の発明における「算出手段」が、上記ステップ140の処理を実行することにより前記第1の発明における「要求値取得手段」と「フィードバック補正手段」とが、それぞれ実現されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。
【図2】実施の形態1におけるSI+HCCI6サイクル運転における動作を示すタイムチャートである。
【図3】実施の形態1において用いられるフィードバック制御を説明するためのブロック図である。
【図4】実施の形態1においてECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】実施の形態1における、SI燃焼の火花点火時期と第2圧縮行程開始温度とHCCI50%燃焼時期との関係を示す関係図である。
【符号の説明】
【0035】
10 内燃機関
12 クランク角センサ
16 点火プラグ
18 筒内圧センサ
20 インジェクタ
22、24 吸気通路、排気通路
32、34 吸気バルブ、排気バルブ
50 ECU(Electronic Control Unit)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気行程、第1圧縮行程、第1膨張行程、第2圧縮行程、第2膨張行程、及び排気行程を順次実行する6サイクル内燃機関と、
燃料を噴射する燃料噴射弁と、
噴射燃料に火花点火する点火プラグと、
筒内圧を検出する筒内圧センサと、
前記吸気行程から前記第1膨張行程までの間において、前記燃料噴射弁に燃料を噴射させた後前記点火プラグに火花点火させるSI燃焼手段と、
前記SI燃焼手段により発生した既燃ガス中に追加燃料を噴射させて、その後、前記第2膨張行程までの間に該追加燃料を圧縮自己着火させるHCCI燃焼手段と、
前記筒内圧に基づいて、HCCI燃焼時の燃焼割合が所定割合となる時期を算出する算出手段と、
HCCI燃焼時の燃焼割合が前記所定割合となる時期の要求値を取得する要求値取得手段と、
前記算出手段により算出された算出値が前記要求値と一致するように、該算出値と前記要求値との比較値を前記SI燃焼手段の火花点火時期にフィードバック補正するフィードバック補正手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−133283(P2010−133283A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307821(P2008−307821)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】