説明

内燃機関の過給装置

【課題】過給装置全体の配置スペースの上下方向寸法を短縮すると共に、内燃機関本体の周辺に他の装置の配置スペースを確保する。
【解決手段】複数の気筒5から排出された排気を合流させる排気集合部32からの排気を最終的に第2タービン24に導く排気主通路部51を、気筒列中分線に対して気筒列方向の一方側に偏倚した位置において、排気集合部から内燃機関本体に対して離間する方向に延出した状態で形成し、第1タービン22を、排気主通路部より気筒列方向外側に近接して配置すると共に、第2タービンを、排気主通路部の上方に近接して配置する。さらに、第2コンプレッサを、第2タービンより気筒列方向外側で且つ第1タービンの上方に配置し、第1コンプレッサを、第1タービンより気筒列方向外側に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの過給機を備えた内燃機関の過給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
幅広い運転領域で高い過給能力を得る目的で、複数の過給機を備えた過給装置が知られており、特に高圧の過給機と低圧の過給機を直列に配置した直列二段過給システム、いわゆる2ステージターボが広く採用されている。
【0003】
この種の過給装置においては、複数の過給機の配置が過給性能に影響を及ぼすことから、過給機の配置に工夫が必要であり、例えば排気マニホールドを挟んでその上下に高圧の過給機と低圧の過給機とをそれぞれ配置した構成のものが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−120937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、前記の技術では、排気マニホールドを挟んでその上下に過給機が配置されるため、過給装置全体の配置スペースの上下方向寸法が大きくなり、特に排気マニホールドの上側に配置される過給機により、ボンネットフードを高く設定せざるを得なくなり、また、排気マニホールドの下側に配置される過給機により、排気浄化装置などの補機類の配置スペースを十分に確保することができなくなる場合があった。
【0005】
また、クランク軸が車両左右方向となるように内燃機関を配置する、いわゆる横置き方式で、内燃機関の前方に排気系を配置する、いわゆる前方排気方式を採用した場合、排気マニホールドに近接して配置される過給機も内燃機関の前方に配置されることになるが、この場合、内燃機関の冷却水を車両前方のラジエータとの間で循環させるための配管が過給機と干渉して、冷却水の配管が困難になるという課題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、過給装置全体の配置スペースの上下方向寸法を短縮すると共に、内燃機関本体の周辺に他の装置の配置スペースを確保することができるように構成された内燃機関の過給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明による内燃機関の過給装置は、請求項1に示すとおり、複数の気筒(5)を有する内燃機関本体に近接して設けられ、第1過給機(3)と第2過給機(4)とを有し、前記第1過給機が、第1コンプレッサ(21)と、この第1コンプレッサを駆動する第1タービン(22)とを備え、前記第2過給機が、第2コンプレッサ(23)と、第2コンプレッサを駆動する第2タービン(24)とを備えた過給装置であって、前記複数の気筒から排出された排気を合流させる排気集合部(32)からの排気を最終的に前記第2タービンに導く排気主通路部(51・72)が、前記排気集合部から前記内燃機関本体に対して離間する方向に延出した状態で形成され、前記第1タービンが、前記排気主通路部の側方に近接して配置されると共に、前記第2タービンが、前記排気主通路部の上方に近接して配置されたものとした。
【0008】
これによると、過給装置全体の上下方向の小型化を図ることができる。さらに、排気主通路部から第1タービン及び第2タービンへの通路を短く形成することが可能となる。
【0009】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項2に示すとおり、前記排気主通路部が、気筒列中分線に対して気筒列方向の一方側に偏倚した位置に配置され、前記第1タービンが、前記排気主通路部より気筒列方向外側に近接して配置された構成とすることができる。
【0010】
これによると、排気主通路部より気筒列方向内側に第1タービン及び第2タービンが位置しないことから、気筒列方向の中心部に、他の装置を配置する大きなスペースを確保することが可能となる。
【0011】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項3に示すとおり、前記排気主通路部が、少なくとも前記第2タービンの下方に位置する部分において、前記第1タービンの上端より低くなるように形成された構成とすることができる。
【0012】
これによると、排気主通路部の上方に配置される第2タービンを、排気主通路部に邪魔されることなく、第1タービンに上下方向に近接させることができるため、より一層上下方向の小型化を図ることができる。
【0013】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項4に示すとおり、前記第2コンプレッサが、前記第2タービンより気筒列方向外側で且つ前記第1タービンの上方に配置された構成とすることができる。
【0014】
これによると、上下方向及び気筒列方向の寸法を拡大することなく、第2コンプレッサを配置することができる。
【0015】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項5に示すとおり、前記第1コンプレッサが、前記第1タービンより気筒列方向外側に配置された構成とすることができる。
【0016】
これによると、第1コンプレッサに邪魔されることなく、互いに接続される排気主通路部と第1タービンとを近接させて、気筒列方向の寸法を短くことができる。
【0017】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項6に示すとおり、前記排気主通路部が、前記排気集合部からの排気を前記第1タービンに導く排気通路部(33)と、前記第1タービンの上流側と下流側とを連通するバイパス通路部(38)と、このバイパス通路部の流量を調整する流量調整弁(39)と、前記第1タービンからの排気を前記第2タービンに導く排気通路部(36)とを有し、前記流量調整弁が、前記第1タービンに近接して配置された構成とすることができる。
【0018】
これによると、第1タービンの上流側及び下流側の通路長を短くすることができるため、応答性を向上させることができる。
【0019】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項7に示すとおり、前記流量調整弁の駆動装置(61)が、前記排気主通路部を挟んで前記第1タービンと相反する側に配置された構成とすることができる。
【0020】
これによると、流量調整弁の駆動装置に邪魔されることなく、排気主通路部の側方と上方とに位置する2つのタービンを排気主通路部に近接して配置することが可能となる。
【0021】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項8に示すとおり、前記気筒から排出される排気が個別に流れる独立排気通路部(31)と、前記排気集合部と、前記排気主通路部とが一体に形成された構成とすることができる。
【0022】
これによると、内燃機関本体から突出した形態となる排気主通路部の強度を向上させることができる。また、別体に形成した部材を接合するためのフランジ等を形成する必要がないので、より一層の小型化を図ることができる。
【0023】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項9に示すとおり、前記内燃機関本体が、気筒列方向を車両左右方向にして配置され、前記排気主通路部が、前記内燃機関本体の前方に配置された構成とすることができる。
【0024】
このような構成では、多数の装置が配置される内燃機関の前方に過給装置が配置されることになるが、前記のような構成とすることで、内燃機関の前方に大きな空間を確保することが可能となるため、他の装置の配設が容易になる。
【0025】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項10に示すとおり、前記排気主通路部より気筒列方向内側に排気浄化装置(7)が配置された構成とすることができる。
【0026】
排気浄化装置は、浄化能力を高めるために大容量化しがちであるが、前記のような構成とすることで、排気主通路部より気筒列方向内側に大きな空間を確保することが可能となるため、大容量の排気浄化装置の配設が可能になる。
【0027】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項11に示すとおり、前記第1タービンが、最外端の気筒より気筒列方向外側に配置された構成とすることができる。
【0028】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項12に示すとおり、前記内燃機関本体における気筒列方向の一方側の端に変速機(10)が配置された構成とすることができる。
【0029】
このような構成では、気筒列方向の一方側の端において変速機の上方に比較的余裕のある配置スペースを確保することができ、前記のような構成とすることで全体的に気筒列方向の一方側に寄せた配置となる過給装置の配設が容易になる。
【0030】
前記内燃機関の過給装置においては、請求項13に示すとおり、前記内燃機関本体の前面側における前記排気主通路部の下方に、前記内燃機関本体に設けられたウォータジャケットと車両前方に配置されたラジエータとを連通する冷却水通路(ジョイント8、9)が配置された構成とすることができる。
【0031】
内燃機関本体の前方に過給装置が配置された構成では、過給装置に邪魔されて冷却水通路長が長くなる不都合があるが、前記のような構成とすることで、排気主通路部の下方に大きな空間を確保することができるため、冷却水通路を過給装置に邪魔されることなく内燃機関本体の前面側に配置して冷却水通路長を短く設定することが可能となる。
【発明の効果】
【0032】
このように本発明によれば、過給装置全体の上下方向の小型化を図ることができる。このため、過給装置によりボンネットフードを高く設定せざるを得なくなる不都合を避けることができる。また、過給装置の下方に種々の補機類の配置スペース、例えば冷却水を出し入れするジョイントに配管を接続するスペースを確保することができる。さらに、過給装置が全体的に気筒列方向の一方側に寄せた配置とすることができるため、内燃機関本体の気筒列方向の中心部に種々の補機類、特に大容量の排気浄化装置を配置するスペースを確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1は、本発明による過給装置が適用された内燃機関を示す正面図である。図2は、図1に示した過給装置の模式図である。図3は、図1に示した過給装置を一部切除して示す正面図である。図4は、図1に示した過給装置を一部切除して示す平面図である。図5は、図1に示した過給装置の側面図である。
【0035】
この過給装置1は、図1に示すように、自動車に搭載される内燃機関本体(ディーゼルエンジン)2に併設されるものであり、第1過給機3と第2過給機4とを有している。
【0036】
内燃機関本体2は、1方向に配列された複数(ここでは4つ)の気筒(シリンダボア)5を有し、気筒列方向を車両左右方向にして配置された、いわゆる横置き方式で、排気系6が内燃機関本体2の前方に配置された、いわゆる前方排気方式となっている。内燃機関本体2における気筒列方向の一方側の端には変速機10が配置されている。
【0037】
内燃機関本体2の前方における気筒列方向中心部には、排気浄化装置7が配置されており、過給機3・4を流通した排気が上方から導入され、内部を下向きに流通した後、下方から排出されて、例えば内燃機関本体2の下側を通って車体後方に延出される排気管に導かれる。
【0038】
内燃機関本体2の前面側には、内燃機関本体2に設けられたウォータジャケットと、車両前方に配置された図示しないラジエータとの間で冷却水を循環する配管がそれぞれ接続される1対のジョイント(冷却水通路)8・9が上下に並べて設けられている。
【0039】
第1過給機3は、図2に示すように、第1コンプレッサ21と、この第1コンプレッサ21を駆動する第1タービン22とを備え、第2過給機4は、第2コンプレッサ23と、この第2コンプレッサ23を駆動する第2タービン24とを備え、吸気が第2コンプレッサ23及び第1コンプレッサ21の順に流通すると共に、排気が第1タービン22及び第2タービン24の順に流通する直列接続となっている。
【0040】
各気筒5から排出される排気は、独立排気通路部31を個別に流れて排気集合部32に流入して合流する。排気集合部32で合流した排気は、排気通路部33を通った後、排気管34を経て第1タービン22に導かれる。第1タービン22から排出される排気は、排気管35を経て排気通路部36に流入して第2タービン24に導かれる。第2タービン24から排出される排気は、排気管37を経て排気浄化装置7に導かれる。
【0041】
また、上流側の排気通路部33と下流側の排気通路部36との間に、第1タービン22の上流側と下流側とを連通するバイパス通路部38と、このバイパス通路38の流量を調整する流量調整弁(例えばバタフライバルブ)39が設けられており、この流量調整弁39により第1タービン22の流量配分が調整される。
【0042】
一方、吸気は吸気管41から第2コンプレッサ23に導入され、この第2コンプレッサ23から排出される吸気は、吸気管42を経て第1コンプレッサ21に導かれる。第1コンプレッサ21から排出される吸気は、吸気管43・44を経て内燃機関本体2に導かれる。第2コンプレッサ23と吸気管44との間には、第1コンプレッサ21の上流側と下流側とを連通するバイパス管45と、このバイパス管45の流量を調整する流量調整弁(例えばバタフライバルブ)46が設けられており、この流量調整弁46により第1コンプレッサ21の流量配分が調整される。
【0043】
上流側の排気通路部33と、バイパス通路部38と、流量調整弁39と、下流側の排気通路部36とは、直線状に配置されて排気主通路部51を構成している。さらに、この排気主通路部51と、独立排気通路部31と、排気集合部32とが一体に形成されて、排気マニホールド52を構成している。
【0044】
排気主通路部51は、図3〜図5に示すように、内燃機関本体2の前面側に配置され、気筒列中分線に対して気筒列方向の一方側に偏倚した位置において、排気集合部32から内燃機関本体2に対して離間する方向、ここでは気筒列方向に直交し且つ下側に傾斜した状態で延出されている。
【0045】
第1タービン22は、排気主通路部51より気筒列方向外側に近接して配置されており、特にここでは、第1タービン22が、最外端の気筒より気筒列方向外側に配置されている。この第1タービン22は、排気管34を介して排気主通路部51の排気通路部33と接続され、この排気管34は、排気通路部33から前側に湾曲しつつ下向きに傾斜した状態で延出されて、第1タービン22の外周部に接続されている。また、第1タービン22は、排気管35を介して排気主通路部51の排気通路部36と接続され、この排気管35は、第1タービン22の中心部から概ね水平方向に延びて排気主通路部51に接続されている。
【0046】
第2タービン24は、排気主通路部51の上方に近接して配置されており、排気主通路部51は、第2タービン24の下方に位置する部分において、第1タービン22の上端より低くなるように形成されている。第2タービン24には、排気主通路部51に形成された排気通路部36と、この排気通路部36にフランジ62を介して接続された排気管63が接続されている。排気通路部36は、上向きに開口するように上向きに湾曲した状態に形成されている。排気管63も、上向きに湾曲した状態に形成されており、この排気管63と排気通路部36とで全体として略半円弧状をなす通路が形成される。
【0047】
第2コンプレッサ23は、第2タービン24よりも気筒列方向外側で且つ第1タービン22の上方に配置されている。第1コンプレッサ21は、第1タービン22よりも気筒列方向外側に配置されている。この第1コンプレッサ21は、吸気管42を介して第2コンプレッサ23と接続され、この吸気管42は、第2コンプレッサ23の外周部から下向きに略半円弧状に湾曲した状態に延出されて第1コンプレッサ21の中心部に接続されている。また、第2コンプレッサ23からバイパス管45が下向きに延出されており、その下流側には略同一径で吸気管44が連続して形成されている。第1コンプレッサ21は、吸気管43を介して吸気管44と接続され、この吸気管43は、第1コンプレッサ21の外周部から下向きに傾斜した状態で延出されて吸気管44に接続されている。
【0048】
排気側の流量調整弁39は、第1タービン22に近接して配置されている。この流量調整弁39は、駆動装置(例えば負圧アクチュエータ)61により駆動され、この駆動装置61は、排気主通路部51より気筒列方向内側に配置されている。
【0049】
以上のように、排気主通路部51が気筒列方向の一方側に偏倚した位置で排気集合部32から前方に延出されて、その排気主通路部51の気筒列方向外側に第1コンプレッサ21及び第1タービン22が配置されると共に、排気主通路部51の上方に第2コンプレッサ23第2タービン24が配置されるため、排気主通路部51より気筒列方向内側に大きな空間が確保されるため、内燃機関本体2の前方に大容量の排気浄化装置7を配置することが可能になり、また、排気主通路部51の下方に大きな空間が確保されるため、冷却水通路となるジョイント8・9を過給装置1に邪魔されることなく内燃機関本体2の前面側に配置して冷却水通路長を短く設定することが可能になる。
【0050】
図6は、本発明による過給装置の別の例を示す模式図である。前記の例では、排気主通路部51が、排気集合部32からの排気を第1タービン22に導く排気通路部33を有する構成となっていたが、ここでは、排気集合部32からの排気を第1タービン22に導く排気管71が、排気主通路部72とは別に、排気集合部32から気筒列方向に延出した状態で形成されている。
【0051】
排気主通路部72には、第1タービン22の上流側と下流側とを連通するバイパス通路部73が形成されている。この排気主通路部72と、独立排気通路部31と、排気集合部32とが一体に形成されて、排気マニホールド74を構成している。
【0052】
なお、前記の例では、独立排気通路部31及び排気集合部32が、排気主通路部51・72と共に排気マニホールド52・74を構成して、内燃機関本体2に取り付けられる構成としたが、独立排気通路部31及び排気集合部32が、内燃機関本体2の内部に形成された構成も可能である。この場合、排気主通路部を形成する部材が内燃機関本体に取り付けられる構成となる。また、前記の例では、排気集合部32が、気筒列方向の略全長にわたって延びる形態としたが、各気筒の排気管を等長化するために、いわゆるタコ足状に形成された形態も可能である。また、前記の例では、独立排気通路部31と排気集合部32と排気主通路部51・72とが、互いに一体に形成されて排気マニホールド52・74を構成するが、それぞれ別体に形成しても良い。また、前記の例では、第1タービン22が、排気主通路部51より気筒列方向外側に配置された構成としたが、排気主通路部51より気筒列方向内側に配置しても良い。また、前記の例では、排気主通路部51が、気筒列中分線に対して気筒列方向の一方側に偏倚した位置に配置された構成としたが、例えば気筒列中分線に一致するよう配置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による過給装置が適用された内燃機関を示す正面図である。
【図2】図1に示した過給装置の模式図である。
【図3】図1に示した過給装置を一部切除して示す正面図である。
【図4】図1に示した過給装置を一部切除して示す平面図である。
【図5】図1に示した過給装置の側面図である。
【図6】本発明による過給装置の別の例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0054】
1 過給装置
2 内燃機関本体
3 第1過給機
4 第2過給機
5 気筒
6 排気系
7 排気浄化装置
8・9 ジョイント(冷却水通路)
10 変速機
21 第1コンプレッサ
22 第1タービン
23 第2コンプレッサ
24 第2タービン
31 独立排気通路部
32 排気集合部
33・36 排気通路部
34・35・37・63・71 排気管
38・73 バイパス通路部
39・46 流量調整弁
41・42・43・44 吸気管
45 バイパス管
51・72 排気主通路部
52・74 排気マニホールド
61 駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の気筒を有する内燃機関本体に近接して設けられ、
第1過給機と第2過給機とを有し、
前記第1過給機が、第1コンプレッサと、この第1コンプレッサを駆動する第1タービンとを備え、前記第2過給機が、第2コンプレッサと、第2コンプレッサを駆動する第2タービンとを備えた過給装置であって、
前記複数の気筒から排出された排気を合流させる排気集合部からの排気を最終的に前記第2タービンに導く排気主通路部が、前記排気集合部から前記内燃機関本体に対して離間する方向に延出した状態で形成され、
前記第1タービンが、前記排気主通路部の側方に近接して配置されると共に、前記第2タービンが、前記排気主通路部の上方に近接して配置されたことを特徴とする過給装置。
【請求項2】
前記排気主通路部が、気筒列中分線に対して気筒列方向の一方側に偏倚した位置に配置され、
前記第1タービンが、前記排気主通路部より気筒列方向外側に近接して配置されたことを特徴とする請求項1に記載の過給装置。
【請求項3】
前記排気主通路部が、少なくとも前記第2タービンの下方に位置する部分において、前記第1タービンの上端より低くなるように形成されたことを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の過給装置。
【請求項4】
前記第2コンプレッサが、前記第2タービンより気筒列方向外側で且つ前記第1タービンの上方に配置されたことを特徴とする請求項2若しくは請求項3に記載の過給装置。
【請求項5】
前記第1コンプレッサが、前記第1タービンより気筒列方向外側に配置されたことを特徴とする請求項4に記載の過給装置。
【請求項6】
前記排気主通路部が、前記排気集合部からの排気を前記第1タービンに導く排気通路部と、前記第1タービンの上流側と下流側とを連通するバイパス通路部と、このバイパス通路部の流量を調整する流量調整弁と、前記第1タービンからの排気を前記第2タービンに導く排気通路部とを有し、前記流量調整弁が、前記第1タービンに近接して配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の過給装置。
【請求項7】
前記流量調整弁の駆動装置が、前記排気主通路部を挟んで前記第1タービンと相反する側に配置されたことを特徴とする請求項6に記載の過給装置。
【請求項8】
前記気筒から排出される排気が個別に流れる独立排気通路部と、前記排気集合部と、前記排気主通路部とが一体に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の過給装置。
【請求項9】
前記内燃機関本体が、気筒列方向を車両左右方向にして配置され、前記排気主通路部が、前記内燃機関本体の前方に配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の過給装置。
【請求項10】
前記排気主通路部より気筒列方向内側に排気浄化装置が配置されたことを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の過給装置。
【請求項11】
前記第1タービンが、最外端の気筒より気筒列方向外側に配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の過給装置。
【請求項12】
前記内燃機関本体における気筒列方向の一方側の端に変速機が配置されたことを特徴とする請求項11に記載の過給装置。
【請求項13】
前記内燃機関本体の前面側における前記排気主通路部の下方に、前記内燃機関本体に設けられたウォータジャケットと車両前方に配置されたラジエータとを連通する冷却水通路が配置されたことを特徴とする請求項9に記載の過給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−150955(P2010−150955A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327748(P2008−327748)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】