説明

内燃機関用点火装置

【課題】 最適な点火時期に点火を行うことができる内燃機関用点火装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の内燃機関用点火装置は、クランク角センサ2と、制御手段1と、を有する内燃機関用点火装置であって、クランク角センサ2は、クランク軸が一回転する間に少なくとも三つのクランク角信号を出力し、制御手段1は、少なくとも三つのクランク角信号からクランク軸の減速度を決定し、減速度に基づいて点火コイルに点火信号を出力する時刻を決定することを特徴とする。本発明の内燃機関用点火装置は、1燃焼サイクルにおける回転変動が比較的大きい場合であっても、最適な点火時期に点火動作を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関で燃料に点火するための内燃機関用点火装置に関し、詳しくは、最適な点火時期で点火を行う内燃機関用点火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両などは、動力源として内燃機関が用いられている。一般的な内燃機関は、ガソリンなどの燃料と空気との混合気をシリンダ内に吸入し、この混合気に点火して混合気を直接燃焼させるエンジンである。エンジンは、シリンダ内での混合気の燃焼によりピストンが往復動し、ピストンの往復動がコネクティングロッドによって連結されたクランク軸を回転させ、クランク軸の回転を外部動力を取り出している。
【0003】
そして、エンジンの点火時期は、クランク軸に取り付けられエンジンの所定角(例えば360°CA(クランク角))毎にパルス信号(クランク角信号)を出力するクランク角センサからの信号(クランク角信号)に基づいて行われている。具体的には、まず、クランク角センサが出力したクランク角信号は、制御手段に取り入れられる。そして、制御手段は、クランク角信号に基づいて点火させたい状態の時刻を算出(角度から時間に変換)し、算出された時刻に点火するように制御を行っている。
【0004】
ここで、従来のエンジン(単気筒4サイクル)の1燃焼サイクルにおけるエンジン回転速度と、クランク角センサから出力されるクランク角信号と、制御手段から出力される点火信号とを図5に示した。図5に示したように、クランク角センサから出力されるパルス信号P3およびP4の位置を用いて、パルス信号P3の位置から(Sb−ADV)°CAだけ進角した位置が点火させたい位置であるとすると、点火させたい位置の直前にクランク角センサから出力されるパルス信号P1の位置を用いて、パルス信号P1からパルス信号P3までの間隔(角度Sa°CAおよび時間Tan)から点火させたい位置の時刻TDOFFを数1式により算出していた。
【0005】
【数1】

【0006】
そして、上記の数1式に基づいて点火時期を制御手段で算出した後、その算出結果に基づいて点火制御を行っていた。なお、ディストリビュータを使用せず、クランク軸の回転信号を点火用パルス信号に変換するダイレクトイグニション装置においては、回転毎に点火動作が行われるようになっているため、圧縮行程終端の正規点火位置以外に排気行程の終端においても点火動作が行われ、いわゆる捨て火が発生する。
【0007】
ところが、実際には、例えば単気筒で負荷が大きいエンジンにおいては、図5の瞬時の回転速度に示したように、1燃焼サイクルにおける回転速度の変動が比較的大きく、特に圧縮行程と排気行程とでは、回転変動によりクランク角センサから出力されるパルス信号のパルス幅が異なっている。このため、エンジンの平均回転速度を基にして算出を行っているので、本来の点火位置(点火させたい位置)に来るまでに点火時刻となり、過進角となってエンジンの出力が著しく低下し、それに伴って、エミッションが増加してしまうという問題が生じていた。また、不適切なタイミングで点火を行なうので、エンジン本体にダメージを与えるという問題があった。
【0008】
このような問題に対して、特許文献1には、連続する二回転でのクランク角信号からクランク軸の回転の速度変動を算出し、この速度変動に基づいて点火時期を補正する内燃機関用点火装置が開示されている。
【特許文献1】特開2002−257019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、最適な点火時期に点火を行うことができる内燃機関用点火装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明者らは内燃機関用点火装置について検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
【0011】
本発明の請求項1に記載の内燃機関用点火装置は、内燃機関のクランク軸が所定のクランク角となったときにクランク角信号を出力するクランク角センサと、クランク角センサから出力されるクランク角信号に基づいて点火コイルを制御する制御手段と、を有する内燃機関用点火装置であって、クランク角センサは、クランク軸が一回転する間に少なくとも三つのクランク角信号を出力し、制御手段は、少なくとも三つのクランク角信号からクランク軸の減速度を決定し、減速度に基づいて点火コイルに点火信号を出力する時刻を決定することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項1に記載の内燃機関用点火装置によると、制御手段は、クランク軸が一回転する間に発せられる少なくとも三つのクランク角信号からクランク軸(エンジン)の減速度を算出し、点火コイルが点火する時刻を決定する。そして、制御手段は、決定した時刻に点火信号を出力して点火コイルに点火させる。この結果、例えば単気筒4サイクルエンジンのように、1燃焼サイクルにおける回転変動が比較的大きい場合であっても、点火装置の構成を変更することなく、本来の点火位置で点火コイルに点火信号を出力することができ、最適な点火時期に点火動作を行うことができる。さらに、本発明の内燃機関用点火装置は、最適な点火時期に点火動作を行うことから、エミッションを低減してエンジン本体にダメージを与えることを防止することができる効果を発揮する。
【0013】
本発明の請求項2に記載の内燃機関用点火装置は、請求項1に記載の内燃機関用点火装置において、制御手段は、三つのクランク角信号の間隔からクランク軸の減速度を決定する。すなわち、制御手段は、三つのクランク角信号の隣接した二つの間隔からクランク軸(エンジン)の減速度を求め、より最適な点火時期に点火動作を行う。
【0014】
本発明の請求項3に記載の内燃機関用点火装置は、少なくとも三つのクランク角信号のそれぞれが発せられるそれぞれのクランク角は、一定間隔でもうけられている。ここで、クランク角の間隔とは、クランク軸の回転する方向の位置(周方向の位置)における二つのクランク角の間隔(二つのクランク角のなす角)を示す。少なくとも三つのクランク角が一定間隔で配置されることで、少なくとも二つのクランク角の間隔が一定となり、それぞれのクランク角に対応したクランク角信号の間隔から、クランク軸の減速度の算出が容易となる。
【0015】
本発明の請求項4に記載の内燃機関用点火装置は、少なくとも三つのクランク角信号のそれぞれが発せられるそれぞれのクランク角は、不等間隔でもうけられている。クランク角信号が発せられるクランク角が不等間隔で配置されても、あらかじめ間隔を測定しておくことで、点火時刻補正手段におけるクランク軸の減速度の算出を行うことができる。また、クランク角が不等間隔でもクランク軸の減速度の算出を行うことができることは、実際の内燃機関用点火装置における製造公差などを許容できることを示し、本発明の点火装置に要するコストの上昇を抑えることができることを示す。
【0016】
本発明の請求項5に記載の内燃機関用点火装置において、内燃機関は、単気筒のエンジンである。本発明の内燃機関用点火装置は、1燃焼サイクルにおける回転変動が比較的大きい単気筒のエンジンでも最適な点火時期に点火動作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を示す具体的な実施例を用いて本発明を説明する。
【0018】
(実施例)
本実施例の内燃機関用点火装置の電気的構成を図1に示した。本実施例の点火装置は、車両に搭載される単気筒4ストロークエンジンの点火装置に本発明を適用した例である。
【0019】
本実施例の点火装置は、図示しないエンジンに設けられ、クランク軸の回転を検出しクランク軸が所定のクランク角となったときにクランク信号を出力するクランク角センサ2と、このクランク角センサ2からのクランク角信号に基づいて点火時期を決定し点火のための点火信号を発する(クランク角信号に基づいて点火コイルを制御する)制御手段1と、この制御手段1から出力される点火信号により制御される点火コイル3と、を備えている。
【0020】
クランク角センサ2は、シグナルロータ20の回転を介してエンジンの図示しないクランク軸の回転を検出するセンサであり、点火時期等の情報を得るため、回転角を示すクランク角360°CA毎にクランク角信号としての三つのパルス信号を出力する。シグナルロータ20には、その外周に一体的に取り付けられるようにして第1〜第3の突起21a、21bおよび21cが設けられ、これらの突起21a〜21cの通過位置に近接してピックアップセンサ22が固定的に設置される。このピックアップセンサ22からは、シグナルロータ20の回転に伴って突起21a〜21cが通過したときに、突起21a〜21cのそれぞれ先端に対応して負のパルス信号が発生され、また突起21a〜21cのそれぞれ後端に対応して正のパルス信号が発生される。これらのパルス信号は、制御手段1の後述する波形整形回路11に入力される。
【0021】
クランク角センサ2のシグナルロータ20は、クランク軸の回転中心に同軸の状態で設けられた円板状を有し、その周方向の外周面部に突起21a〜21cがもうけられている。突起21aおよび21bは、同じ形状を有し、突起21cは、突起21aおよび21bよりも周方向の長さが長く形成されている。そして、突起21a〜21cは、その先端が回転方向(周方向)で一定の間隔となるようにもうけられている。
【0022】
突起21a〜21cは、一定の間隔で設けられていることから、各突起の先端側に対応したパルス信号の測定される間隔(時間)から、部分的なクランク軸の角速度を容易に求めることができる。
【0023】
点火時期を決定する制御手段1は、クランク角センサ2から入力されるパルス信号を波形整形する波形整形回路11と、この波形整形回路11により波形整形された信号情報より点火コイル3を最適値に動作させるための演算および駆動信号を出力する演算装置12と、演算装置12から入力される信号に基づいて点火コイル3に点火信号を出力する点火回路13とを備えている。
【0024】
また点火コイル3は、点火回路13から入力される点火信号により、最適な点火時期で高電圧を点火プラグに供給し、図示しないエンジンの燃焼室内の混合気を点火させる。
【0025】
次に、実施例の点火装置の動作について、図2を用いて説明する。図2は、エンジンの回転にともなってクランク角センサ2から出力されるクランク角信号と、点火回路13から出力される点火信号とを示した特性図である。
【0026】
図2に示したように、クランク角センサ2から出力されるクランク角信号には、クランク軸が1回転するごとに正および負の1対の信号からなるパルス信号が三対出力される。ここで、図2に示した三対のパルス信号をそれぞれG1,G2,G3,G4,G5,G6とする。パルス信号G1は突起21aの先端に対応して発せられる負の信号であり、パルス信号G2は突起21aの後端に対応して発せられる正の信号である。パルス信号G3は突起21bの先端に対応して発せられ負の信号であり、パルス信号G4は突起21bの後端に対応して発せられる正の信号である。パルス信号G5は突起21cの先端に対応して発せられ負の信号であり、パルス信号G6は突起21cの後端に対応して発せられる正の信号である。
【0027】
そして、パルス信号G5の位置から(Sb−ADV)°CAだけ遅角した位置が点火させたい位置であるとすると、点火させたい位置の直前にクランク角センサ2から出力されるパルス信号G1,G3およびG5の位置を用いて、パルス信号G3からパルス信号G5までの間隔(角度Sa°CAおよび時間Ta)にパルス信号G1からパルス信号G3までの間隔(角度Sa°CAおよび時間Ta)との時間比による補正を施して点火させたい位置の時刻TDOFF(補正)を以下の数2式により算出する。
【0028】
【数2】

【0029】
すなわち、演算装置12により、クランク軸が一回転する間の連続するクランク角センサ2から出力されるパルス信号G1およびG3と、パルス信号G3およびG5との間隔を比較してクランク軸(エンジン)の減速度を予測し、数2式に基づいて点火時刻を補正する。そして、補正された点火時刻に基づいて点火回路13から点火コイル3に点火信号を出力する。これにより、1燃焼サイクルおよびクランク軸の1回転における回転変動が比較的大きい場合であっても、本来の点火位置で点火コイル3に点火信号を出力することができる。また、本実施例の点火装置は、パルス信号G1,G3およびG5が発せられるクランク角が一定の間隔でもうけられていることから、クランク軸の減速度を容易に求めることができた。
【0030】
実施例の点火装置は、図3に示したフローチャートに基づいて点火時期の決定のためのパルス信号の判別を行う。
【0031】
最初に、エンジンの始動により得られることとなるパルス信号(入力信号)が、パルス信号G1〜G6のうちどのパルス信号であるかを判別する。
【0032】
まず、入力信号が、突起21a〜21cの先端側に対応したパルス信号であるか、後端側に対応したパルス信号であるかを判別する。具体的には、入力信号の波形が、立上がりの波形(正のパルス信号)をもつか立下がりの波形(負のパルス信号)をもつかを判定する。
【0033】
そして、立下がりの波形であると判定したときには、基準位置(パルス信号G6)が判別されているかを判定する。基準位置の判別は、後述の方法を用いることができる。基準位置が判別されているときには、入力信号がパルス信号G1,G3,G5のいずれであるかを判別し、入力信号がパルス信号G5であるときには、このパルス信号G5を基準として制御手段1で最適な点火時期を決定し、点火コイル3に点火信号を発する。入力信号が立下がりの波形であると判別し、基準位置が判別されていないときには、新たな入力信号を入力する。
【0034】
また、入力信号が立上がりの波形であると判別したときには、基準位置(パルス信号G6)が判別されているかを判定したのちに、新たな入力信号を入力する。
【0035】
このようにして、本実施例の点火装置は、最適な点火時期でエンジンを点火する。
【0036】
実施例の点火装置は、基準位置としてパルス信号G6を判別する。そして、パルス信号G6が判別できれば、その後のパルス信号は、パルス信号G1〜G6が順番に入力されることから、それぞれのパルス信号G1〜G6を判別でき、点火時期を決定できる。
【0037】
パルス信号G6の判別は、連続して入力された四つのパルス信号の間の時間から行われる。具体的には、パルス信号G3〜G6が入力された場合で説明する。まず、パルス信号G4とパルス信号G5までの時間(T2)とパルス信号G3とパルス信号G4までの時間(T1)の比(T2/T1)を求め、あらかじめ設定された第1のしきい値と比較する。比(T2/T1)が第1のしきい値を超えたときには、つづいて、パルス信号G5とパルス信号G6までの時間(T3)とパルス信号G4とパルス信号G5までの時間(T2)の比(T3/T2)を求め、あらかじめ設定された第2のしきい値と比較する。比(T3/T2)が第2のしきい値を超えたときには、つづいて、パルス信号G5とパルス信号G6までの時間(T3)とパルス信号G3とパルス信号G4までの時間(T1)の比(T3/T1)を求め、あらかじめ設定された第3のしきい値と比較する。比(T3/T1)が第3のしきい値を超えたときには、パルス信号G6と判別する。なお、各パルス信号間の時間T1〜3は、図2においてはT1〜3(n)に相当する。
【0038】
また、実施例の点火装置におけるパルス信号G6の判別は、連続したパルス信号の間隔(時間)から求めるが、時間の比があらかじめ設定された第1〜第3までのしきい値の条件を満たさないときには、再度、パルス信号を入力し、パルス信号G6の判別を繰り返す。
【0039】
以上、説明した本実施例においては、クランク角センサ2から出力される各パルス信号の間隔を比較してエンジンの減速度を予測し、点火回路13から点火コイル3に点火信号を出力するので、クランク軸の回転変動が比較的大きい単気筒エンジンに搭載される場合であっても、本来の点火位置で点火コイル3に点火信号を出力することができ、最適な点火時期に点火動作を行うことができる。また、実施例の点火装置は、従来の方法で得られた点火時刻を補正することにより、点火装置の構成を変更することなく点火を行うことができる。さらに、最適な点火時期に点火動作を行うことで、エミッションを低減してエンジン本体にダメージを与えることを防止することができる。
【0040】
(実施例の変形形態)
本変形形態例は、クランク角センサ2のシグナルロータ20の突起の位置が異なる以外は上記した実施例の点火装置と同様な構成の点火装置である。シグナルロータ20は、クランク軸の回転中心に同軸の状態で設けられた円板状を有し、その周方向の外周面部に突起21a〜21cがもうけられている。突起21aおよび21bは、同じ形状を有し、突起21cは、突起21aおよび21bよりも周方向の長さが長く形成されている。そして、突起21a〜21cは、その先端が回転方向(周方向)でそれぞれが異なる間隔となるようにもうけられている。
【0041】
具体的には、突起21aの先端と突起21bの先端がSc°CAの間隔で、突起21bの先端と突起21cの先端がSb°CAの間隔でもうけられている。ここで、Sc°CA≠Sb°CAである。
【0042】
本変形形態例においては、あらかじめ、各突起21a〜21cの間隔(クランク角)を測定しておき、この間隔に基づいて補正を行った後に、実施例の点火装置と同様な方法で点火時期を決定することができる。
【0043】
具体的には、本変形形態例においても、クランク角センサ2は、実施例と同様に各突起21a〜21cの先端側および後端側に対応したパルス信号G1〜G6が送信される。そして、制御手段は、パルス信号G1およびG3と、パルス信号G3およびG5との間隔を比較してクランク軸(エンジン)の減速度を予測し、上記した数2式に基づいて点火時刻を補正する。このとき、減速度の予測には、あらかじめ測定された各突起21a〜21cの間隔を参照する。そして、補正された点火時刻に基づいて点火回路13から点火コイル3に点火信号を出力する。これにより、1燃焼サイクルおよびクランク軸の1回転における回転変動が比較的大きい場合であっても、本来の点火位置で点火コイル3に点火信号を出力することができる。
【0044】
また、本変形形態例は、パルス信号G1,G3およびG5が発せられるクランク角が一定の間隔でないが、あらかじめクランク角を測定しておくことで、クランク軸の減速度を容易に求めることができ、本来の点火位置で点火コイルに点火信号を出力することができた。つまり、シグナルロータの各突起のもうけられる位置や形状に高い精度を要求しなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例の点火装置の電気的構成を示した図である。
【図2】実施例の点火装置の動作時の特性図である。
【図3】実施例の点火装置の点火時期の決定のためのパルス信号の判別方法を示したフローチャートである。
【図4】実施例の変形形態のクランク角センサの構成を示した図である。
【図5】従来のエンジンの点火装置の特性図である。
【符号の説明】
【0046】
1:制御手段 11:波形整形回路
12:演算装置 13:点火回路
2:クランク角センサ 20:シグナルロータ
21a,21b,21c:突起 22:ピックアップセンサ
3:点火コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のクランク軸が所定のクランク角となったときにクランク角信号を出力するクランク角センサと、
該クランク角センサから出力される該クランク角信号に基づいて点火コイルを制御する制御手段と、
を有する内燃機関用点火装置であって、
該クランク角センサは、該クランク軸が一回転する間に少なくとも三つのクランク角信号を出力し、
該制御手段は、少なくとも三つの該クランク角信号から該クランク軸の減速度を決定し、該減速度に基づいて該点火コイルに点火信号を出力する時刻を決定することを特徴とする内燃機関用点火装置。
【請求項2】
前記制御手段は、三つの前記クランク角信号の間隔から前記クランク軸の減速度を決定する請求項1記載の内燃機関用点火装置。
【請求項3】
少なくとも三つの前記クランク角信号のそれぞれが発せられるそれぞれの前記クランク角は、一定間隔で設けられている請求項1記載の内燃機関用点火装置。
【請求項4】
少なくとも三つの前記クランク角信号のそれぞれが発せられるそれぞれの前記クランク角は、不等間隔で設けられている請求項1記載の内燃機関用点火装置。
【請求項5】
前記内燃機関は、単気筒のエンジンである請求項1記載の内燃機関用点火装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−23805(P2007−23805A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203335(P2005−203335)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(599161580)デンソートリム株式会社 (32)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】