説明

内視鏡装置およびプログラム

【課題】操作の煩わしさを低減し操作性を向上することができる内視鏡装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】基準点指定部18bは、映像信号に基づく画像上の3つの基準点を指定する。バーニング構成点算出部18dは、3つの基準点で決定される基準楕円上に設定した複数点の各々に基づく画像領域内で映像信号を処理し、バーニングを構成するバーニング構成点を算出する。バーニング構成点修正部18gは、ユーザからの指示に基づいて構成点を修正する。バーニングサイズ算出部18eは、バーニング構成点に基づいてバーニングのサイズを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子内視鏡を用いて撮像した画像に基づいて計測対象物の計測処理を行う内視鏡装置、およびその動作を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
主に航空機に使われるガスタービンでは、内部が非常に高温になるため、タービンブレードの表面に焼けや変色などの欠陥部(以下、バーニングと記載する)が生じることがある。このバーニングのサイズ(寸法)はブレードの交換を判断する条件のひとつであり、その検査は極めて重要なものである。このような状況に対して、従来の計測用内視鏡装置においては、バーニング等の計測対象物を撮像した画像(以下、計測画像と記載する)において、ユーザが計測対象物のエッジに沿って、計測対象物を囲むように基準点を順次指定することにより、計測対象物のサイズを計測していた(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−275934号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の方法では、ユーザが計測対象物のエッジに沿って、基準点を1点ずつ指定していかなければならなかったため、計測対象物の形状によっては、例えば10点以上の基準点を指定する必要があり、操作が煩雑となっていた。
【0004】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、操作の煩わしさを低減し操作性を向上することができる内視鏡装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、計測対象物を撮像し撮像信号を生成する電子内視鏡と、前記撮像信号に基づいて映像信号を生成する映像信号生成部と、前記映像信号に基づいて前記計測対象物の計測処理を行う計測処理部とを備えた内視鏡装置において、前記計測処理部は、前記映像信号に基づく画像上の3つの基準点を指定する基準点指定部と、前記基準点指定部によって指定された3つの前記基準点で決定される線(後述する基準楕円に対応)上に設定した複数点(後述するサーチポイントに対応)の各々に基づく画像領域(後述するサーチエリアに対応)内で前記映像信号を処理し、計測対象領域を構成する構成点(後述するバーニング構成点に対応)を算出する構成点算出部と、ユーザからの指示に基づいて前記構成点を修正する構成点修正部と、前記構成点に基づいて前記計測対象物のサイズを算出するサイズ算出部とを備えたことを特徴とする内視鏡装置である。
【0006】
また、本発明の内視鏡装置において、前記構成点修正部は、前記映像信号に基づく画像上でユーザが指示した位置と前記構成点算出部が算出した前記構成点の位置とに基づいて選択した前記構成点の位置を、前記ユーザが指示した位置に修正することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の内視鏡装置において、前記構成点修正部はさらに、修正した前記構成点を含む各々の前記構成点を結ぶ線分で構成される輪郭線の形状がねじれ形状であるか否かを判定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の内視鏡装置において、前記構成点修正部は、前記映像信号に基づく画像上でユーザが指示した位置に新たな前記構成点を追加することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の内視鏡装置において、前記構成点修正部はさらに、前記構成点算出部によって算出された前記構成点の位置と、新たに追加した前記構成点の位置とに基づいて、各々の前記構成点を結ぶ線で構成される輪郭線を決定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の内視鏡装置において、前記構成点修正部はさらに、新たに追加した前記構成点と、ユーザからの指示に基づいて選択した前記構成点とが線で結ばれるように前記輪郭線を決定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の内視鏡装置は、前記構成点修正部が修正を行った結果を示す修正結果情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記構成点修正部はさらに、ユーザからの指示に基づいて選択した前記修正結果情報が示す修正後の前記構成点を、ユーザからの指示に基づいて修正することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の内視鏡装置において、前記構成点算出部は、前記複数点の各々に基づく画像領域内で前記映像信号の2値化処理を行い、2値化処理後の前記映像信号に基づいて前記計測対象領域のエッジを抽出し、当該エッジを近似する近似線を算出し、当該近似線に基づいて前記エッジ上の前記構成点を算出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、計測対象物を撮像し撮像信号を生成する電子内視鏡と、前記撮像信号に基づいて映像信号を生成する画像処理部と、前記映像信号に基づいて前記計測対象物の計測処理を行う計測処理部とを備えた内視鏡装置を制御するためのプログラムにおいて、前記計測処理部を、前記映像信号に基づく画像上の3つの基準点を指定する基準点指定部と、前記基準点指定部によって指定された3つの前記基準点で決定される線上に設定した複数点の各々に基づく画像領域内で前記映像信号を処理し、計測対象領域を構成する構成点を算出する構成点算出部と、ユーザからの指示に基づいて前記構成点を修正する構成点修正部と、前記構成点に基づいて前記計測対象物のサイズを算出するサイズ算出部と、として機能させるためのプログラムである。
【0014】
上記において、括弧で括った部分の記述は、後述する本発明の実施形態と本発明の構成要素とを便宜的に対応付けるためのものであり、この記述によって本発明の内容が限定されるわけではない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、3つの基準点を指定すれば計測対象物のサイズの計測が可能となるので、操作の煩わしさを低減し操作性を向上することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、本実施形態による計測用内視鏡装置の構成を示している。図1に示すように、計測用内視鏡装置1は、内視鏡2と、コントロールユニット3と、リモートコントローラ4(入力部)と、液晶モニタ5と、フェイスマウントディスプレイ(FMD)6と、FMDアダプタ6aと、光学アダプタ7a,7b,7cと、内視鏡ユニット8と、カメラコントロールユニット9と、制御ユニット10とから構成されている。
【0018】
計測対象物を撮像し撮像信号を生成する内視鏡2(電子内視鏡)は細長の挿入部20を備えている。挿入部20は、先端側から順に、硬質な先端部21と、例えば上下左右に湾曲可能な湾曲部22と、柔軟性を有する可撓管部23とを連設して構成されている。挿入部20の基端部は内視鏡ユニット8に接続されている。先端部21は、観察視野を2つ有するステレオ用の光学アダプタ7a,7b(以下、ステレオ光学アダプタと記載する)あるいは観察視野が1つだけの通常観察光学アダプタ7c等、各種の光学アダプタが例えば螺合によって着脱自在な構成になっている。
【0019】
コントロールユニット3は、内視鏡ユニット8、画像処理手段であるカメラコントロールユニット(以下、CCUと記載する)9(映像信号生成部)、および制御装置である制御ユニット10を内部に備えている。内視鏡ユニット8は、観察時に必要な照明光を供給する光源装置と、挿入部20を構成する湾曲部22を湾曲させる湾曲装置とを備えている。CCU9は、挿入部20の先端部21に内蔵されている固体撮像素子2aから出力された撮像信号を入力し、これをNTSC信号等の映像信号に変換して制御ユニット10に供給する。
【0020】
制御ユニット10は、音声信号処理回路11と、映像信号処理回路12(表示信号生成部)と、ROM13と、RAM14と、PCカードインターフェース(以下、PCカードI/Fと記載する。)15と、USBインターフェース(以下、USB I/Fと記載する。)16と、RS−232Cインターフェース(以下、RS−232C I/Fと記載する。)17と、計測処理部18とから構成されている。
【0021】
マイク34によって集音された音声信号や、メモリカード等の記録媒体を再生して得られる音声信号、あるいは計測処理部18によって生成された音声信号が音声信号処理回路11に供給される。映像信号処理回路12は、CCU9から供給された内視鏡画像とグラフィックによる操作メニューとを合成した合成画像を表示するために、CCU9からの映像信号を、計測処理部18の制御により生成される操作メニュー等のためのグラフィック画像信号と合成する処理を行う。また、映像信号処理回路12は、液晶モニタ5の画面上に映像を表示するために合成後の映像信号に所定の処理を施して液晶モニタ5に供給する。
【0022】
PCカードI/F15は、PCMCIAメモリカード32やフラッシュメモリカード33等のメモリカード(記録媒体)を自由に着脱できるようになっている。メモリカードを装着することにより、計測処理部18の制御に従って、このメモリカードに記憶されている制御処理情報や、画像情報、光学データ等を取り込んだり、制御処理情報や、画像情報、光学データ等をメモリカードに記録したりすることができる。
【0023】
USB I/F16は、コントロールユニット3とパーソナルコンピュータ31とを電気的に接続するためのインターフェースである。このUSB I/F16を介してコントロールユニット3とパーソナルコンピュータ31とを電気的に接続することにより、パーソナルコンピュータ31側で内視鏡画像の表示の指示や計測時における画像処理等の各種の制御指示を行うことが可能となる。また、コントロールユニット3とパーソナルコンピュータ31との間で各種の処理情報やデータを入出力することが可能となる。
【0024】
RS−232C I/F17には、CCU9および内視鏡ユニット8が接続されると共に、これらCCU9や内視鏡ユニット8等の制御および動作指示を行うリモートコントローラ4が接続されている。ユーザがリモートコントローラ4を操作すると、その操作内容に基づいて、CCU9および内視鏡ユニット8を動作制御する際に必要な通信が行われる。
【0025】
計測処理部18は、ROM13に格納されているプログラムを実行することによって、映像信号処理回路12から映像信号を取り込み、映像信号に基づいて計測処理を実行する。RAM14は、計測処理部18によって、データの一時格納用の作業領域として使用される。図2は計測処理部18の構成を示している。図2に示すように計測処理部18は、制御部18aと、基準点指定部18bと、基準楕円算出部18cと、バーニング構成点算出部18dと、バーニングサイズ算出部18eと、記憶部18fとから構成されている。
【0026】
制御部18aは計測処理部18内の各部を制御する。また、制御部18aは、液晶モニタ5またはフェイスマウントディスプレイ6に計測結果や操作メニュー等を表示させるためのグラフィック画像信号を生成して映像信号処理回路12へ出力する機能も有している。
【0027】
基準点指定部18bは、リモートコントローラ4あるいはPC31(入力部)から入力される信号に基づいて、計測対象物上の基準点(基準点の詳細は後述する)を指定する。ユーザが、液晶モニタ5あるいはフェイスマウントディスプレイ6に表示された計測対象物の画像を見ながら所望の基準点を入力すると、その座標が基準点指定部18bによって算出される。
【0028】
基準楕円算出部18cは、基準点指定部18bによって指定された基準点に基づいて、計測対象物の輪郭を近似する輪郭近似線に相当する基準楕円(基準楕円の詳細は後述する)を算出する。バーニング構成点算出部18dは、基準点および基準楕円に基づいて、計測対象物に形成されたバーニングのエッジ(輪郭)を構成するバーニング構成点(バーニング構成点の詳細は後述する)を算出する。
【0029】
バーニングサイズ算出部18eは、バーニング構成点に基づいてバーニングのサイズを計測する。記憶部18fは、計測処理部18内で処理される各種情報を記憶する。記憶部18fに格納された情報は、適宜制御部18aによって読み出されて各部へ出力される。
【0030】
次に、本実施形態で使用する用語の内容を説明する。まず、図3および図4を参照し、基準点、基準線、および基準楕円を説明する。基準点は、計測画面上においてユーザが実際に指定する点である。ユーザは、計測画面を見ながらリモートコントローラ4あるいはPC31を操作し、基準点を指定する。図3に示すように、指定位置を示すカーソル300が計測画面上に表示され、ユーザによるリモートコントローラ4あるいはPC31の操作に応じてカーソル300が移動する。カーソル300が所望の位置に移動した状態で、ユーザが基準点を指定する指示を入力すると、カーソル300の位置に基準点が設定される。続いて、同様にカーソル300を移動させながら、次の基準点の指定が行われる。本実施形態では、3つの基準点が順番に指定される。図3に示すように、まずユーザは、バーニング310の両端に位置する2つの基準点320,321を指定する。
【0031】
基準線は、計測画面上においてユーザが指定した最初の基準点と2番目の基準点とを結んだ直線である。図3に示すように、基準点320,321を結んだ直線330が基準線である。基準楕円は、ユーザが3番目の基準点を指定する際に設定されると共に計測画面に表示される楕円であり、バーニングのエッジを近似する曲線に相当する。図4に示すように、基準点400,401が指定されると、基準点400,401の位置を通る基準楕円420が表示される。基準楕円420は、基準線430を一方の径として持ち、カーソル410の位置に応じて、他方の径および曲率が変化する(図4(a)〜(c))。ユーザは、基準楕円420の形状ができるだけバーニング450の形状に一致するようにカーソル410の位置を調整し、3番目の基準点を指定する指示を入力する。
【0032】
次に、図5を参照し、サーチポイント、サーチエリア、およびバーニング構成点を説明する。サーチポイントは基準楕円上に等間隔に設定される点である。サーチポイントの周囲には、後述するサーチエリアが設定される。図5(a)に示すように、基準楕円500上に等間隔にサーチポイント510が設定される。ユーザが指定した最初の基準点と2番目の基準点もサーチポイントに含まれる。後述するように、サーチポイントの数および間隔は基準楕円のサイズに応じて変化する。
【0033】
サーチエリアは、サーチポイントの周囲に位置し、後述するバーニング構成点を算出する画像処理を実行する矩形状の範囲である。図5(b)に示すように、サーチポイント510の周囲に正方形のサーチエリア520が設定される。後述するように、サーチエリアのサイズは基準楕円のサイズに応じて変化する。サーチエリアの形状は正方形に限られない。
【0034】
バーニング構成点は、計測対象の領域となるバーニングのエッジを構成する点である。図5(c)に示すように、バーニング530のエッジ上にバーニング構成点540が設定される。後述するように、バーニング構成点は、サーチエリア内の計測画像を画像処理することによって求められる。
【0035】
次に、図6を参照し、バーニングサイズを説明する。バーニングサイズとは、検出されたバーニングの大きさを表すパラメータである。本実施形態で算出されるバーニングサイズは、バーニングの2種類の幅、周囲長、および面積である。より具体的には、バーニングの一方の幅は、ユーザが指定した最初の基準点と2番目の基準点に対応した2つのバーニング構成点の空間距離(3次元距離)である。バーニングの他方の幅は、基準線に対して直交する直線上の2つのサーチポイントに対応した2つのバーニング構成点の空間距離である。周囲長は、全ての隣り合うバーニング構成点同士の空間距離の合計である。面積は、全てのバーニング構成点で囲まれた領域の空間面積である。
【0036】
図6に示すように、バーニングの一方の幅600は、基準点610,611に対応した2つのバーニング構成点の空間距離として算出される(図6(a))。バーニングの他方の幅601は、基準線に直交する直線上のサーチポイント620,621に対応した2つのバーニング構成点の空間距離として算出される(図6(a))。本実施形態では、基準線に直交する直線上のサーチポイント620,621を含むようにサーチポイントが算出される。周囲長は、全ての隣り合うバーニング構成点同士の空間距離630の合計として算出される(図6(b))。面積は、全てのバーニング構成点で囲まれた領域640の空間面積として算出される(図6(b))。
【0037】
次に、本実施形態における計測画面を説明する。本実施形態では、ステレオ計測によるバーニングの計測が行われる。ステレオ計測においては、ステレオ光学アダプタを内視鏡2の先端部21に装着した状態で計測対象物を撮像するため、計測画面では計測対象物の画像が左右1対で表示される。
【0038】
図7は計測開始前の計測画面を示している。計測情報として、左画面700には計測対象物の左画像が表示され、右画面710には計測対象物の右画像が表示される。また、左画面700および右画面710を除く計測画面上の領域には他の計測情報として、光学アダプタ名称情報720、時間情報721、メッセージ情報722、アイコン723a,723b,723c,723d,723e、およびズームウィンドウ724が表示される。
【0039】
光学アダプタ名称情報720と時間情報721は共に計測条件を示す情報である。光学アダプタ名称情報720は、現在使用している光学アダプタの名称を示す文字情報である。時間情報721は現在の日付と時刻を示す文字情報である。メッセージ情報722は、ユーザへの操作指示を示す文字情報と、計測条件の1つである基準点の座標を示す文字情報とを含んでいる。
【0040】
アイコン723a〜723eは、ユーザが計測モードの切替や計測結果のクリア等の操作指示を入力するための操作メニューを構成している。ユーザがリモートコントローラ4あるいはPC31を操作し、カーソル725をアイコン723a〜723eのいずれかの上に移動させてクリック等の操作を行うと、その操作に応じた信号が計測処理部18に入力される。制御部18aは、その信号に基づいてユーザからの操作指示を認識し、計測処理を制御する。また、ズームウィンドウ724にはカーソル725の周囲に位置する計測対象物の拡大画像が表示される。
【0041】
次に、図8〜図12を参照しながら、本実施形態における計測の手順を説明する。図8は計測の手順を示し、図9〜図10は計測画面を示している。図11はカーソルの位置と基準楕円のサイズとの関係を示している。図12はカーソルの位置と基準楕円の形状との関係を示している。
【0042】
まず、液晶モニタ5またはフェイスマウントディスプレイ6に表示された計測画面上において、リモートコントローラ4あるいはPC31の操作により、ユーザが基準点を2つ指定すると、指定された基準点の情報が計測処理部18に入力される(ステップSA)。このとき、ユーザは、バーニングのエッジ上かつ両端に位置する点を基準点として選択することが望ましい。図9(a)において、計測画面900の左画像内の基準点910,911が指定され、×印のアイコンが表示されている。
【0043】
ユーザによって指定された左画面内の2つの基準点の位置情報が計測処理部18に入力されると、基準点指定部18bは2つの基準点の画像座標(液晶モニタ5またはフェイスマウントディスプレイ6に表示される画像上の2次元座標)を算出する。算出された2つの基準点の画像座標は基準楕円算出部18cへ出力される。また、上記と同様にして、カーソル位置の画像座標が算出され、基準楕円算出部18cへ出力される。基準楕円算出部18cは、2つの基準点およびカーソル位置の画像座標に基づいて基準楕円を算出し、基準楕円の情報(基準楕円を構成する点の画像座標または基準楕円の式)を制御部18aへ出力する。制御部18aは基準楕円の描画処理を実行する。この結果、基準楕円が計測画面上に表示される。
【0044】
基準楕円のサイズと形状は、カーソルの位置に応じて変化する。基準楕円の形状ができるだけバーニングの形状に一致した状態で、ユーザが3番目の基準点を指定する指示を入力すると、指定された基準点の情報が計測処理部18に入力される(ステップSB)。図9(b)において、計測画面920上に基準楕円930が表示され、カーソル940の位置に3番目の基準点が指定される。このとき、上記と同様にして、基準点指定部18bによって、3番目の基準点の画像座標が算出される。
【0045】
カーソルの位置と基準楕円のサイズ・形状との関係の詳細は以下のようになる。基準楕円の一方の径は基準線と同一であり、カーソルがどのような位置にあっても固定される。基準楕円の他方の径は、基準線とカーソルとの距離の2倍の長さをもち、カーソルの位置に応じて長さが変化する。図11は、カーソルの位置に応じて基準楕円の径の長さが変化する様子を示している。図11(b)に示すように、基準線1100とカーソル1110との距離1120が図11(a)よりも小さくなると、径の長さは小さくなる。また、図11(c)に示すように、基準線1100とカーソル1110との距離1120が図11(a)よりも大きくなると、径の長さは大きくなる。
【0046】
基準楕円の形状は、基準線の中点を通りかつ基準線に垂直な直線とカーソルとの距離に応じて変化する。具体的には、この距離に応じて基準楕円の曲率が変化し、基準楕円の形状が変化する。図12は、カーソルの位置に応じて基準楕円の形状が変化する様子を示している。図12(b),(c)に示すように、2つの基準点の中点を通る基準線1200の垂線1210とカーソル1220との距離1230が図12(a)よりも非常に大きくなる、あるいは非常に小さくなると、基準楕円1240の形状は矩形に近づく。上記のように、カーソルの位置に応じて基準楕円のサイズと形状を柔軟に設定することが可能である。
【0047】
3番目の基準点が指定された後、指定された基準点の座標に基づいて、計測処理部18がバーニング計算を行う(ステップSC)。バーニング計算では、バーニング構成点の座標やバーニングサイズの算出が行われる。図10(a)において、計測画面1000はバーニング計算中の計測画面である。バーニング計算の詳細については後述する。指定された基準点の座標によっては、後述するように、サーチポイントが算出されない場合がある。この場合は、基準点が指定されてもバーニング計算は開始されない。
【0048】
バーニング計算が終了すると、計測処理部18の指示により、検出されたバーニング領域が計測画面上に表示される(ステップSD)。図10(b)に示すように、バーニング領域は計測画面1010の左画面上に表示される。より具体的には、算出されたバーニング構成点が小さな●印、×印、○印のいずれかで表示され、かつそれらが線で結ばれて表示される。×印で表示された2つのバーニング構成点1020,1021は、ユーザが指定した最初の基準点と2番目の基準点に対応したバーニング構成点である。また、○印で表示された2つのバーニング構成点1022,1023は、基準線に対して垂直方向の直線上の2点に対応したバーニング構成点である。
【0049】
また、計測処理部18の指示により、算出されたバーニングサイズが計測画面上に表示される(ステップSE)。図10(b)に示すように、バーニングサイズは計測画面1010の右画面上の結果ウィンドウ1030に表示される。結果ウィンドウ1030の上部にはバーニングのイメージが表示され、下部にはバーニングサイズが文字で表示される。W1,W2,L,Aはそれぞれ、バーニングの一方の幅、他方の幅、周囲長、面積を表している。
【0050】
次に、図13を参照し、図8のステップSCにおけるバーニング計算の手順を説明する。基準点指定部18bによって算出された3つの基準点の画像座標が基準楕円算出部18cに入力される(ステップSC1)と、基準楕円算出部18cは、3つの基準点の画像座標に基づいて、サーチポイントを算出する(ステップSC2)。サーチポイントの算出の詳細については後述する。
【0051】
続いて、基準楕円算出部18cは、サーチポイントの情報に基づいて、サーチエリアを算出する(ステップSC3)。サーチエリアの算出の詳細については後述する。続いて、バーニング構成点算出部18dは、サーチポイントおよびサーチエリアの情報に基づいて、バーニング構成点の画像座標を算出する(ステップSC4)。バーニング構成点の算出の詳細については後述する。
【0052】
続いて、バーニング構成点算出部18dは、算出した左画面内の各バーニング構成点に対応した右画面内のマッチング点の画像座標を算出する(ステップSC5)。より具体的には、バーニング構成点算出部18dは、バーニング構成点の画像座標に基づいてパターンマッチング処理を実行し、左右2画像の対応点であるマッチング点を算出する。このパターンマッチング処理の方法は特開2004−49638号公報に記載されたものと同様である。
【0053】
続いて、バーニング構成点算出部18dは、算出したバーニング構成点およびそのマッチング点の画像座標に基づいて、各バーニング構成点の空間座標(現実の空間上の3次元座標)を算出する(ステップSC6)。空間座標の計算方法は、特開2004−49638号公報に記載されているものと同様である。
【0054】
最後に、バーニングサイズ算出部18eは、算出されたバーニング構成点の空間座標に基づいて、バーニングサイズを算出する(ステップSC7)。バーニングサイズの算出の詳細については後述する。
【0055】
次に、図14を参照し、サーチポイント算出処理(ステップSC2)の手順を説明する。3つの基準点の画像座標が制御部18aから入力される(ステップSC21)と、基準楕円算出部18cは、入力された基準点の画像座標に基づいて、基準楕円を算出する(ステップSC22)。このとき算出される基準楕円は、図8のステップSCにおいて、3番目の基準点が指定された際に表示される基準楕円と同じものである。
【0056】
続いて、基準楕円算出部18cは、基準楕円の周囲長を算出する。より具体的には、基準楕円算出部18cは、基準楕円を構成する各画素の画像座標を用いて、それぞれ隣り合う画素の2次元距離の合計値を求めることにより、基準楕円の周囲長を算出する(ステップSC23)。続いて、基準楕円算出部18cは、サーチポイントの数、間隔、および画像座標を算出する(ステップSC24)。最後に、基準楕円算出部18cは、サーチポイントの情報(サーチポイントの数・間隔・画像座標)を制御部18aへ出力する(ステップSC25)。ただし、サーチポイントが算出できなかった場合、サーチポイントの数は0となる。
【0057】
サーチポイントの算出は、以下の(A)〜(H)の条件に基づいて行われる。
(A)ユーザが指定した最初の基準点および2番目の基準点もサーチポイントに数える。
(B)サーチポイントは基準楕円上に等間隔で並んでいる。
(C)サーチポイントの数および間隔は基準楕円の周囲長に比例する。
(D)サーチポイントの数には上限がある。
(E)サーチポイントの間隔には下限がある。
(F)基準楕円の周囲長が非常に小さい場合、サーチポイントを算出しない。
(G)ユーザが指定した最初の基準点と2番目の基準点との距離が非常に小さい場合、サーチポイントを算出しない。
(H)ユーザが指定した3番目の基準点と基準線との距離が非常に小さい場合、サーチポイントを算出しない。
【0058】
上記の(C)〜(H)の条件を設定する理由は、以下の(C’)〜(H’)の通りである。
(C’)サーチエリアが互いに重なり合わないようにするため。
(D’)サーチポイントの数が多すぎると、バーニング構成点の算出に時間がかかってしまうため。
(E’)サーチポイントの間隔が小さすぎると、サーチエリアのサイズが小さくなりすぎ、バーニング構成点の算出を行うには不向きとなるため。
(F’)〜(H’)(C’)と同様。
【0059】
上記の条件に基づいて算出されたサーチポイントの数および間隔は以下の性質を示す。図15(a)は、サーチポイント1500が基準楕円1510上に等間隔で並んでいる様子を示している。図15(b)に示すように、図15(a)よりも周囲長が大きくなると、それに比例してサーチポイント1500の間隔1520も大きくなる。また、図15(c)に示すように、図15(a)よりも周囲長が小さくなると、それに比例してサーチポイント1500の間隔1520も小さくなる。
【0060】
図15(d)に示すように、周囲長がより小さくなり、所定の第1の周囲長を下回ると、サーチポイント1500の数が少なくなる。図15(e)に示すように、周囲長がさらに小さくなり、所定の第2の周囲長(第1の周囲長>第2の周囲長)を下回ると、サーチポイントが算出されない。また、図15(f)に示すように、基準点1530,1531の距離が非常に小さいと、サーチポイントが算出されない。また、図15(g)に示すように、ユーザが指定した3番目の基準点(カーソル1540の位置)と基準線1550との距離が非常に小さいと、サーチポイントが算出されない。本実施形態では、サーチポイントの間隔が等間隔であるが、等間隔でなくても良い。
【0061】
次に、図16を参照し、サーチエリア算出処理(ステップSC3)の手順を説明する。サーチポイントの情報が制御部18aから入力される(ステップSC31)と、基準楕円算出部18cは、入力されたサーチポイントの情報に基づいて、サーチエリアの数および画像座標を算出する(ステップSC32)。最後に、基準楕円算出部18cはサーチエリアの情報(サーチエリアのサイズ・画像座標)を制御部18aへ出力する(ステップSC33)。
【0062】
サーチエリアの算出は、以下の(a)〜(e)の条件に基づいて行われる。
(a)サーチエリアはサーチポイントの周囲に位置する。
(b)サーチエリアの形状は正方形である。
(c)サーチエリアのサイズは、互いのサーチエリアが重なり合わない大きさであり、かつサーチポイントの間隔に比例する。
(d)サーチエリアのサイズには上限がある。
(e)サーチエリアのサイズには下限がある。
【0063】
上記の(c)〜(e)の条件を設定する理由は、以下の(c’)〜(e’)の通りである。
(c’)サーチエリアが互いに重なり合ってしまうと、同一の領域でバーニング構成点が算出され、検出されるバーニングのエッジがねじれてしまう可能性があるため。
(d’)サーチエリアのサイズが大きすぎると、画像処理に時間がかかってしまうため。また、バーニング構成点の算出を行うには不向きとなるため。
(e’)サーチエリアのサイズが小さすぎると、バーニング構成点の算出を行うには不向きとなるため。
【0064】
上記の条件に基づいて算出されたサーチエリアのサイズは以下の性質を示す。図17(a)は、サーチエリア1700がサーチポイント1710の周囲に並んでいる様子を示している。図17(b)に示すように、図17(a)よりもサーチポイント1710の間隔が大きくなると、それに比例して、サーチエリア1700のサイズも大きくなる。このときのサーチエリア1700のサイズは、互いに重なり合わない大きさである。図17(c)に示すように、図17(b)よりもサーチポイント1710の間隔がさらに大きくなると、サーチエリア1700のサイズが上限に達する。
【0065】
また、図17(d)に示すように、図17(a)よりもサーチポイント1710の間隔が小さくなると、それに比例して、サーチエリア1700のサイズも小さくなる。このときのサーチエリア1700のサイズは、互いに重なり合わない大きさである。サーチポイント1710の間隔がさらに小さくなると、サーチエリア1700のサイズが下限に達する。サーチポイント1710の間隔がこれ以下になると、図17(e)に示すように、サーチポイント自体がなくなる。本実施形態では、サーチエリアの形状が正方形であるが、正方形でなくても良い。
【0066】
次に、図18を参照し、バーニング構成点算出処理(ステップSC4)の手順を説明する。また、図19はこの手順を模式的に示しており、適宜図19も参照する。サーチポイントの画像座標およびサーチエリアのサイズが制御部18aから入力される(ステップSC41)と、バーニング構成点算出部18dは、入力されたサーチポイントの画像座標およびサーチエリアのサイズに基づいて、サーチエリア内のエリア画像を抽出する(ステップSC42)。これによって、サーチポイント1900を含むサーチエリア1901内のエリア画像1910が抽出される。
【0067】
続いて、バーニング構成点算出部18dは、抽出したエリア画像をグレースケール化し(ステップSC43)、グレースケール化した画像に対してエッジ抽出を行う(ステップSC44)。これによって、エリア画像1910をグレースケール化した画像1920からエッジ1921が抽出される。続いて、バーニング構成点算出部18dは、抽出したエッジの近似直線を算出し(ステップSC45)、算出したエッジ近似直線とサーチエリアの境界線との2つの交点を算出する(ステップSC46)。これによって、エッジ近似直線1930が算出され、さらにエッジ近似直線1930とサーチエリアの境界線との交点1940,1941が算出される。
【0068】
続いて、バーニング構成点算出部18dは、算出した2つの交点の中点を算出し(ステップSC47)、算出した中点とエッジとの最近傍点を算出する(ステップSC48)。これによって、交点1940,1941の中点1950が算出され、さらに中点1950に最も近いエッジ上の最近傍点1960が算出される。最後に、バーニング構成点算出部18dは、算出した最近傍点をバーニング構成点として、その画像座標を制御部18aへ出力する(ステップSC49)。
【0069】
ステップSC43のグレースケール化では、RGBの各成分で表された画像内の各画素の輝度値Yが、例えば以下の(1)式を用いて算出される。
Y=0.299×R+0.587×G+0.114×B ・・・(1)
計測対象物であるバーニングは特徴的な色を有している場合があるので、その特徴的な色、例えばR(赤色)の輝度値をそのまま画素の輝度値Yとしても良い。算出された輝度値Yで構成される映像信号に基づいて、ステップSC44でエッジ抽出が行われる。
【0070】
ステップSC44のエッジ抽出後にエッジ近似直線の算出を行うため、エッジ抽出には、抽出後の画像にできるだけノイズが発生しない処理を用いるのが良い。例えばSobel・Prewitt・Gradientフィルタ等の1次微分フィルタやLaplacianフィルタ等の2次微分フィルタを用いると良い。また、膨張・収縮・差分処理およびノイズ低減フィルタ等を組み合わせた処理を用いてエッジ抽出を行っても良い。このとき、グレースケール画像を2値化する必要があるが、2値化閾値には固定値を用いても良いし、P−タイル法、モード法、判別分析法など、グレースケール画像の輝度に基づいて閾値を変更する方法を用いても良い。
【0071】
ステップSC45のエッジ近似直線の算出では、ステップSC44で抽出されたエッジの情報に基づいて、例えば最小2乗法を用いて近似直線を算出する。なお、上記では、エッジの形状に対して直線近似を行っているが、2次以上の関数を使って曲線近似を行っても良い。エッジの形状が直線よりも曲線に近い場合には、曲線近似を行った方がより精度の良いバーニング構成点の算出が可能となる。
【0072】
ステップSC49のバーニング構成点の出力では、それまでのステップSC42〜SC48の処理において、バーニング構成点の算出がうまくいかなかった場合(例えばエッジ抽出や近似直線の算出がうまくいかない等)には、サーチポイントをそのままバーニング構成点として、その画像座標を出力しても良い。
【0073】
次に、図20を参照し、バーニングサイズ算出処理(ステップSC7)の手順を説明する。バーニング構成点の空間座標が制御部18aから入力される(ステップSC71)と、バーニングサイズ算出部18eはバーニングの第1の幅を算出する(ステップSC72)。第1の幅は、ユーザが指定した最初の基準点と2番目の基準点に対応した2つのバーニング構成点の空間距離である。続いて、バーニングサイズ算出部18eはバーニングの第2の幅を算出する(ステップSC73)。第2の幅は、基準線に対して直交する直線上の2つのサーチポイントに対応した2つのバーニング構成点の空間距離である。
【0074】
続いて、バーニングサイズ算出部18eはバーニングの周囲長を算出する(ステップSC74)。周囲長は、全ての隣り合うバーニング構成点同士の空間距離の合計である。続いて、バーニングサイズ算出部18eはバーニングの面積を算出する(ステップSC75)。面積は、全てのバーニング構成点で囲まれた領域の空間面積である。続いて、バーニングサイズ算出部18eは、算出したバーニングサイズを制御部18aへ出力する(ステップSC76)。
【0075】
上述したように、本実施形態によれば、3つの基準点を指定すればバーニングサイズの計測が可能となるので、従来のように多数(例えば10点以上)の基準点を指定する場合と比較して、操作の煩わしさを低減し操作性を向上することができる。また、バーニングサイズを示すパラメータとして、少なくとも2種類のパラメータを算出することによって、バーニングサイズを詳細に知ることができる。
【0076】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図21は、本実施形態による計測処理部18の構成を示している。図2に示した構成と同一の構成には同一の符号を付与し、説明を省略する。本実施形態では、バーニング構成点算出部18dが算出したバーニング構成点を修正するバーニング構成点修正部18gが設けられている。
【0077】
第1の実施形態では、図22(a)に示すように、計測対象物であるバーニング2200の形状が、円や楕円、矩形とはかけ離れた形状をしている場合、図22(b)に示すように、基準楕円2210をうまくバーニングの輪郭2220に合わせることができない。この状態でバーニング計算を行うと、図22(c)に示すように、バーニングの輪郭2220とバーニング構成点2230を一致させることが困難となり、バーニングサイズの算出精度が低下してしまう。これに対して、本実施形態では、バーニング構成点の修正(モディファイ)を行うことが可能となっている。
【0078】
以下、図23〜図25、図28を参照し、バーニング構成点のモディファイの手順を説明する。図23はモディファイの手順を示し、図24および図25はモディファイ時の計測画面を示している。図28は、モディファイ時に作成されるラベル表を示している。ラベル表については後述する。バーニング構成点のモディファイは、計測が終了し、図24(a)に示すように、バーニング構成点2400を含むバーニング領域、およびバーニングサイズを含む結果ウィンドウ2410が計測画面に表示されている時点から開始される。
【0079】
リモートコントローラ4あるいはPC31の操作により、図24(a)に示すように、ユーザがカーソル2420を「Modify」アイコン2430上に移動させ、クリック等の操作を行う(ステップSF)と、計測用内視鏡装置1の動作モードがモディファイモードに移行し、図24(b)に示すように、結果ウィンドウが非表示となる(ステップSG)。
【0080】
続いて、バーニング構成点修正部18gは、バーニング構成点同士の論理的な位置関係(どのバーニング構成点がどのバーニング構成点と隣接しているのかという関係)を示すラベル表(図28(a))を新規に作成し、記憶部18fに格納する(ステップSH)。ラベル表には、バーニング構成点の抽出順序を示したラベル番号と、バーニング構成点の画像座標と、それぞれのバーニング構成点に隣接するバーニング構成点のラベル番号を示す隣接ラベル番号1,2とが記載されている。
【0081】
続いて、図24(c)に示すように、ユーザがカーソル2420を左画面上に移動させ、バーニング構成点を修正したい位置に合わせてクリック等の操作を行う(ステップSI)と、各バーニング構成点のうち1つが選択され、その選択されたバーニング構成点2440の画像座標がカーソル2420の画像座標に修正される(ステップSJ)。続いて、修正されたバーニング構成点の画像座標に基づいて更新されたラベル表が記憶部18fに追加される(ステップSK)。
【0082】
続いて、修正されたバーニング構成点を含むバーニング領域が計測画面上に表示される(ステップSL)。続いて、修正されたバーニング構成点の画像座標に基づいて、バーニングサイズを再度算出するバーニング再計算が行われる(ステップSM)。バーニング再計算の詳細については後述する。図25(a)に示すように、バーニング再計算の実行中は、計算中であることを示すウィンドウ2500が表示される。バーニング再計算が終了すると、図25(b)に示すように、結果ウィンドウ2510が再表示される(ステップSN)。結果ウィンドウ2510には、再計算されたバーニングサイズが表示される。
【0083】
バーニング再計算の結果が表示された後、ユーザがモディファイを継続する場合(ステップSOでYesの場合)には、処理がステップSIに戻り、モディファイを終了する場合(ステップSOでNoの場合)には、処理がステップSPに移行する。ユーザがカーソルを「Modify」アイコン上に移動させ、再度クリック等の操作を行う(ステップSP)と、バーニング構成点修正部18gは記憶部18f内のラベル表を消去(削除)する(ステップSQ)。続いて、計測用内視鏡装置1はモディファイモードを終了し、通常の計測に戻る。
【0084】
次に、図26、図28、および図29を参照し、バーニング構成点の画像座標を修正する手順の詳細(上記のステップSI,SJ,SK,SLに対応)を説明する。図26に示すバーニング構成点には、ラベル表に記載されたラベル番号(1〜16)が付与されている。説明の便宜上、図26にはラベル番号が記載されているが、実際の計測画面ではラベル番号は表示されない。図26(a)に示すように、バーニング構成点算出部18dによって算出されたバーニング構成点2600とバーニングの輪郭2610とがよく一致しなかった場合、図26(b)に示すように、ユーザはバーニング構成点を修正したい位置へカーソル2620を移動させる。このとき、ユーザによって指示されるカーソル2620の位置はバーニング構成点の修正後の位置となる。
【0085】
カーソル2620を所望の位置へ移動させた後、ユーザがクリック等の操作を行うと、カーソル2620の位置情報が計測処理部18に入力される。制御部18aは、ユーザによって指示された修正位置の画像座標を算出し、バーニング構成点修正部18gへ出力する。バーニング構成点修正部18gは、修正位置の画像座標と各バーニング構成点の画像座標とに基づいて、修正位置と各バーニング構成点の2次元距離を算出し、その2次元距離が最小となるバーニング構成点(修正位置の最近傍のバーニング構成点)を選択する。図26(b)では、バーニング構成点2600aが選択される。
【0086】
図28(b)は、このとき更新されたラベル表を示している。ラベル番号4のバーニング構成点の画像座標が、(X4,Y4)から(X4’,Y4’)に更新されていることが分かる。バーニング構成点修正部18gは、このラベル表を記憶部18fに格納する。続いて、バーニング構成点修正部18gは、更新されたラベル表に基づいて、修正後のバーニング構成点の描画処理を実行する。これによって、図26(c)に示すように、バーニング構成点2600aがカーソル2620の位置に移動する。
【0087】
ユーザは上記の修正位置の指示を繰り返すことによって、バーニングの輪郭とバーニング構成点とが良く一致するようにバーニング構成点の修正を行う。例えば、図26(c)に示したようにバーニング構成点2600aの修正を行った後、ユーザは上記と同様の手順により、図26(d)に示すようにバーニング構成点2600bの修正を行う。さらに、ユーザは上記と同様の手順により、図26(e)に示すようにバーニング構成点2600cの修正を行う。
【0088】
このとき、バーニング構成点修正部18gは、図29(a),(b)に示すようにラベル表を更新する。図29(a)は、バーニング構成点2600bが修正された後のラベル表を示している。ラベル番号5のバーニング構成点の画像座標が(X5,Y5)から(X5’,Y5’)に更新されている。図29(b)は、バーニング構成点2600cが修正された後のラベル表を示している。ラベル番号16のバーニング構成点の画像座標が(X16,Y16)から(X16’,Y16’)に更新されている。
【0089】
上記の手順では、ユーザがバーニング構成点の修正後の位置を指定すると、その位置に最も近いバーニング構成点が自動的に選択され、指定位置に移動するが、ユーザが修正対象のバーニング構成点を指定し、さらに修正後の位置を指定すると、指定されたバーニング構成点が指定位置に移動するようにしてもよい。
【0090】
次に、図27を参照し、バーニング再計算(ステップSM)の詳細を説明する。バーニング構成点修正部18gによって算出された修正後のバーニング構成点が入力される(ステップSM1)と、バーニング構成点算出部18dは、左画面内の各バーニング構成点に対応した右画面内のマッチング点の画像座標を算出する(ステップSM2)。続いて、バーニング構成点算出部18dは、バーニング構成点およびそのマッチング点の画像座標に基づいて、各バーニング構成点の空間座標(現実の空間上の3次元座標)を算出する(ステップSM3)。最後に、バーニングサイズ算出部18eは、算出されたバーニング構成点の空間座標に基づいて、バーニングサイズを算出する(ステップSM4)。
【0091】
次に、本実施形態の変形例を説明する。本変形例では、図31(a)に示すように、計測画面の「Modify」アイコン3100の下に、プレビューアイコン(「←」アイコン3110および「→」アイコン3111)が設けられている。ユーザは、このプレビューアイコンを操作することにより、モディファイモードに移行した後に修正したバーニング構成点の状態を元に戻したり、先に進めたりすることができる。
【0092】
また、本変形例におけるバーニング構成点のモディファイの手順は、図30のようになる。図23に示したモディファイの手順の、ステップSN(バーニングサイズの再表示)とステップSO(モディファイ継続?)との間に、ステップSR〜SVが追加されている。以下、これらの処理の詳細を説明する。なお、ステップSKでは、ステップSJにおける修正の結果に基づいて、更新されたラベル表(修正結果情報)が作成され、更新前のラベル表と区別可能な状態で記憶部18fに格納される。すなわち、バーニング構成点の修正を行う毎に、更新されたラベル表が作成され、記憶部18fに追加される。
【0093】
モディファイ時には、ユーザがプレビューアイコンを操作した結果に応じてラベル表が記憶部18fから読み出され、計測画面上のバーニング領域が更新される。ラベル表は、例えばシーケンス番号により区別される。ラベル表が追加される毎にシーケンス番号が1ずつ増加するものとすると、「←」アイコン3110が操作された場合、処理対象となっているラベル表のシーケンス番号よりも1だけ小さいシーケンス番号のラベル表が処理対象となる。また、「→」アイコン3111が操作された場合、処理対象となっているラベル表のシーケンス番号よりも1だけ大きいシーケンス番号のラベル表が処理対象となる。
【0094】
図31(a)は、バーニング構成点の修正を行った後の計測画面である。図31(b)に示すように、ユーザがカーソル3120を「←」アイコン3110の上に移動させ、クリック等の操作を行う(ステップSRでYesの場合)と、処理はステップSTに移行し、1つ前のバーニング構成点の修正を行った際に作成されたラベル表が記憶部18fから読み出される。続いて、結果ウィンドウ3130が一旦非表示となり(ステップSV)、処理がステップSLに戻る。
【0095】
続いて、記憶部18fから読み出されたラベル表に基づいて、1つ前に修正されたバーニング構成点を含むバーニング領域が計測画面上に表示される(ステップSL)。図31(c)はこのときの計測画面を示している。さらに、計測画面が図32(a)に示す状態となり、バーニング再計算が行われる(ステップSM)。バーニング再計算が終了すると、図32(b)に示すように、結果ウィンドウ3200が再表示される(ステップSN)。
【0096】
図32(c)に示すように、もう一度、ユーザがカーソル3210を「←」アイコン3220の上に移動させ、クリック等の操作を行う(ステップSRでYesの場合)と、上記と同様に処理が進み、さらにもう1つ前のバーニング構成点の修正を行ったときのバーニング領域および結果ウィンドウ3230が再表示される。
【0097】
また、図32(c)の状態から、図33(a)に示すように、今度はユーザがカーソル3300を「→」アイコン3310の上に移動させ、クリック等の操作を行う(ステップSSでYesの場合)と、処理はステップSUに移行し、1つ後のバーニング構成点の修正を行った際に作成されたラベル表が記憶部18fから読み出される。続いて、結果ウィンドウが一旦非表示となり(ステップSV)、処理がステップSLに戻る。
【0098】
続いて、記憶部18fから読み出されたラベル表に基づいて、1つ後に修正された際のバーニング構成点を含むバーニング領域が計測画面上に表示され(ステップSL)、さらにバーニング再計算が行われる(ステップSM)。バーニング再計算が終了すると、図33(b)に示すように、結果ウィンドウ3320が再表示される(ステップSN)。
【0099】
もう一度、ユーザがカーソル3300を「→」アイコン3310の上に移動させ、クリック等の操作を行う(ステップSRでYesの場合)と、上記と同様に処理が進み、図33(c)に示すように、さらにもう1つ前のバーニング構成点の修正を行ったときのバーニング領域および結果ウィンドウ3330が再表示される。
【0100】
特に図示していないが、ユーザがカーソルをプレビューアイコンの上に移動させ、クリック等の操作を行ったとき(ステップSR,SS)、1つ前または後の修正に関するラベル表が記憶部18fに存在しなければ、ユーザはプレビューアイコンを指定できない状態となる。
【0101】
上述したように、本実施形態によれば、バーニング構成点の算出後にバーニング構成点の修正を行うことが可能となるので、バーニングサイズの算出精度を高めることができる。また、計測画面上でユーザが修正後のバーニング構成点の位置を指定するだけで、その位置の最近傍のバーニング構成点が自動的に選択され、その位置がユーザの指定位置に自動的に修正されるので、操作の煩わしさを低減し操作性を向上することができる。
【0102】
また、バーニング構成点の修正後に、修正したバーニング構成点の状態を元に戻したり、先に進めたりすることが可能となるので、バーニング構成点の修正プロセスを確認することができ、バーニングサイズの算出精度を高めることができる。さらに、簡易に修正をやり直すことが可能なので、操作の煩わしさを低減し操作性を向上することができる。
【0103】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。第2の実施形態では、既に算出されたバーニング構成点の位置を修正していたが、本実施形態では、バーニング構成点を新たに追加することが可能である。
【0104】
第2の実施形態におけるバーニング構成点の修正方法では、バーニングの形状によっては、バーニング構成点同士を結ぶ線分で構成される輪郭線とバーニングの輪郭とを大まかにしか一致させることができない場合がある。例えば、図34(a)に示す形状を有するバーニング3400に対して第1の実施形態と同様にバーニング構成点の算出を行った場合、図34(b)に示すようにバーニング構成点3410が算出される。
【0105】
このような場合に、第2の実施形態と同様にして、ユーザは図34(c)に示すようにバーニング構成点3410aの修正を行い、さらに図34(d)に示すようにバーニング構成点3410bの修正を行うことが可能である。しかし、バーニング構成点3410a,3410bの修正を行っても、図34(d)に示す領域3420,3421では、バーニング構成点同士を結ぶ輪郭線3430とバーニング3400の輪郭とがあまり一致していない。そこで、本実施形態では、既に算出されたバーニング構成点の位置を修正するのではなく、新たなバーニング構成点を追加することにより、より正確にバーニング構成点の修正(モディファイ)を行うことが可能となっている。
【0106】
本実施形態による計測処理部18の構成は第2の実施形態と同様である。また、本実施形態におけるバーニング構成点の修正手順は、図23に示した手順とほぼ同様であるが、ステップSJのバーニング構成点の修正の内容およびステップSKのラベル表の更新・追加の内容のみが異なる。以下、図35〜図39を参照し、本実施形態において、バーニング構成点を修正する手順(ステップSI,SJ,SK,SL)の詳細を説明する。
【0107】
図35等に示すバーニング構成点には、ラベル表に記載されたラベル番号(1〜12)が付与されている。説明の便宜上、図35等ではラベル番号が記載されているが、実際の計測画面ではラベル番号は表示されない。図38(a)は、図23のステップSHで作成された、バーニング構成点を修正する前のラベル表を示している。
【0108】
図35(a)に示すように、バーニング構成点算出部18dによって算出されたバーニング構成点3500同士を結んだ輪郭線とバーニング3510の輪郭とがあまり一致しない場合、図35(b)に示すように、ユーザはカーソル3520を移動させ、バーニング構成点を修正したい位置(修正点M1の位置)に合わせてクリック等の操作を行う。このとき、バーニング構成点修正部18gは、図35(c)に示すように、隣接するバーニング構成点同士を結んだ線分Laを算出する。この線分Laは、図38(a)に示したラベル表に記載された、互いに隣接する2つのバーニング構成点の画像座標に基づいて算出される。
【0109】
バーニング構成点修正部18gは、算出した線分Laの中から、修正点M1に対して最近傍の線分を検索する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、図35(d)に示すように、各線分を構成する2つのバーニング構成点の中点3530(各線分の中点)を算出する。各線分の中点は、ラベル表に記載された、互いに隣接する2つのバーニング構成点の中間座標として算出される。修正点M1に対して最近傍の中点をもつ線分が最近傍の線分となる。図35(e)に示すように、修正点M1に対して最近傍の線分は、ラベル番号3,4のバーニング構成点同士を結ぶ線分L1となる。
【0110】
修正点M1に対して最近傍の線分L1を求めた後、バーニング構成点修正部18gは、修正点M1を新たにバーニング構成点に追加し、図36(a)に示すように、各バーニング構成点の位置に基づいて輪郭線を更新する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新する。このため、修正点M1を追加する前は、線分L1の両端に位置するラベル番号3,4のバーニング構成点が隣接しているが、修正点M1を追加した後は、ラベル番号3のバーニング構成点と修正点M1が隣接していると共に、修正点M1とラベル番号4のバーニング構成点が隣接している。
【0111】
このとき、ラベル表は図38(b)のようになる。初期状態のラベル表(図38(a))と比較して、ラベル番号3,4のバーニング構成点の間に修正点M1が新たなバーニング構成点として追加される。ラベル番号M1のバーニング構成点の画像座標は(Xm1,Ym1)となり、隣接ラベル番号1,2はそれぞれ3、4となる。さらに、ラベル番号3のバーニング構成点の隣接ラベル番号2、およびラベル番号4のバーニング構成点の隣接ラベル番号1はそれぞれM1に変更されている。
【0112】
修正点M1を新たにバーニング構成点に追加した後も、上記の手順を繰り返すことによって、バーニング構成点の修正を行うことが可能である。図36(b)に示すように、ユーザがカーソル3600を移動させ、バーニング構成点を修正したい位置(修正点M2の位置)に合わせてクリック等の操作を行うと、バーニング構成点修正部18gは、図36(c)に示すように、隣接するバーニング構成点同士を結んだ線分Lbを算出する。この線分Lbは、図38(b)に示したラベル表に記載された、互いに隣接する2つのバーニング構成点の画像座標に基づいて算出される。
【0113】
続いて、バーニング構成点修正部18gは、算出した線分Lbの中から、修正点M2に対して最近傍の線分を検索する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、上記と同様の方法で、隣接するバーニング構成点同士を結んだ各線分を構成する2つのバーニング構成点の中点(各線分の中点)を算出する。修正点M2に対して最近傍の中点をもつ線分が最近傍の線分となる。図36(d)に示すように、修正点M2に対して最近傍の線分は、ラベル番号9,10のバーニング構成点同士を結ぶ線分L2となる。
【0114】
修正点M2に対して最近傍の線分L2を求めた後、バーニング構成点修正部18gは、修正点M2を新たにバーニング構成点に追加し、図36(e)に示すように、各バーニング構成点の位置に基づいて輪郭線を更新する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新する。このため、修正点M2を追加する前は、線分L2の両端に位置するラベル番号9,10のバーニング構成点が隣接しているが、修正点M2を追加した後は、ラベル番号9のバーニング構成点と修正点M2が隣接していると共に、修正点M2とラベル番号10のバーニング構成点が隣接している。
【0115】
このとき、ラベル表は図39(a)のようになる。1つ前の状態のラベル表(図38(b))と比較して、ラベル番号9,10のバーニング構成点の間に修正点M2が新たなバーニング構成点として追加される。ラベル番号M2のバーニング構成点の画像座標は(Xm2,Ym2)となり、隣接ラベル番号1,2はそれぞれ9、10となる。さらに、ラベル番号9のバーニング構成点の隣接ラベル番号2、およびラベル番号10のバーニング構成点の隣接ラベル番号1はそれぞれM2に変更されている。
【0116】
さらに、図37(a)に示すように、ユーザがカーソル3700を移動させ、バーニング構成点を修正したい位置(修正点M3の位置)に合わせてクリック等の操作を行うと、バーニング構成点修正部18gは、図37(b)に示すように、隣接するバーニング構成点同士を結んだ線分Lcを算出する。この線分Lcは、図39(a)に示したラベル表に記載された、互いに隣接する2つのバーニング構成点の画像座標に基づいて算出される。
【0117】
続いて、バーニング構成点修正部18gは、算出した線分Lcの中から、修正点M3に対して最近傍の線分を検索する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、上記と同様の方法で、隣接するバーニング構成点同士を結んだ各線分を構成する2つのバーニング構成点の中点(各線分の中点)を算出する。修正点M3に対して最近傍の中点をもつ線分が最近傍の線分となる。図37(c)に示すように、修正点M3に対して最近傍の線分は、ラベル番号9,M2のバーニング構成点同士を結ぶ線分L3となる。
【0118】
修正点M3に対して最近傍の線分L3を求めた後、バーニング構成点修正部18gは、修正点M3を新たにバーニング構成点に追加し、図37(d)に示すように、各バーニング構成点の位置に基づいて輪郭線を更新する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新する。このため、修正点M3を追加する前は、線分L3の両端に位置するラベル番号9,M2のバーニング構成点が隣接しているが、修正点M3を追加した後は、ラベル番号9のバーニング構成点と修正点M3が隣接していると共に、修正点M3とラベル番号M2のバーニング構成点が隣接している。
【0119】
このとき、ラベル表は図39(b)のようになる。1つ前の状態のラベル表(図39(a))と比較して、ラベル番号9,M2のバーニング構成点の間に修正点M3が新たなバーニング構成点として追加される。ラベル番号M3のバーニング構成点の画像座標は(Xm3,Ym3)となり、隣接ラベル番号1,2はそれぞれ9、M2となる。さらに、ラベル番号9のバーニング構成点の隣接ラベル番号2、およびラベル番号M2のバーニング構成点の隣接ラベル番号1はそれぞれM3に変更されている。
【0120】
この結果、第2の実施形態におけるバーニング構成点の修正方法によって得られた輪郭線の形状(図34(d))よりも、本実施形態におけるバーニング構成点の修正方法によって得られた輪郭線の形状(図37(e))の方が、より正確にバーニングの輪郭に一致する。
【0121】
上記において、計測画面には、図35〜図37に示したように、バーニング構成点を修正するプロセスが全て表示される。また、バーニング構成点に添えられたラベル番号は表示されない。ただし、これに限らず、バーニング構成点を修正するプロセスの一部を非表示にしたり、ラベル番号を表示したりしてもよい。また、特に図示していないが、第2の実施形態の変形例のように、計測画面にプレビューアイコンを設け、修正したバーニング構成点の状態を元に戻したり、先に進めたりすることができるようにしてもよい。
【0122】
上述したように、本実施形態によれば、バーニング構成点を新たに追加することによって、バーニング構成点をより正確に修正することができ、かつバーニングサイズの算出精度を高めることができる。
【0123】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。第3の実施形態におけるバーニング構成点の修正方法では、ユーザはバーニング構成点を追加する際に、修正点と隣接させたいバーニング構成点を選択することはできない。これに対して、本実施形態では、ユーザはバーニング構成点を追加する際に、隣接させたいバーニング構成点を選択することができる。
【0124】
第3の実施形態におけるバーニング構成点の修正方法では、バーニングの形状によっては、バーニング構成点同士を結ぶ線分で構成される輪郭線とバーニングの輪郭とを大まかにしか一致させることができない場合がある。例えば、図40(a)に示す形状を有するバーニング4000に対して第1の実施形態と同様にバーニング構成点の算出を行った場合、図40(b)に示すようにバーニング構成点4010が算出される。
【0125】
第3の実施形態では、図40(c)に示すように、ユーザがカーソル4020を移動させ、バーニング構成点を修正したい位置(修正点M1の位置)に合わせてクリック等の操作を行うと、修正点M1に対して最近傍の線分L1が選択される。続いて、図40(d)に示すように、線分L1の両端に位置するバーニング構成点P1,P2と修正点M1が隣接するようにバーニング構成点の論理的な位置関係が更新され、更新後の位置関係に基づいて、隣接するバーニング構成点同士を結ぶ輪郭線が更新される。しかし、領域4030における輪郭線とバーニング4000の輪郭とがほとんど一致していない。そこで、本実施形態では、バーニング構成点を追加する際に、修正点と隣接させたいバーニング構成点をユーザが簡易な方法で選択し、バーニング構成点の修正(モディファイ)をより正確に行うことが可能となっている。
【0126】
本実施形態による計測処理部18の構成は第2の実施形態と同様である。また、本実施形態におけるバーニング構成点の修正手順は、図23に示した手順とほぼ同様であるが、ステップSJのバーニング構成点の修正の内容およびステップSKのラベル表の更新・追加の内容のみが異なる。以下、図41〜図49を参照し、本実施形態において、バーニング構成点を修正する手順(ステップSI,SJ,SK,SL)の詳細を説明する。
【0127】
図41等に示すバーニング構成点には、ラベル表に記載されたラベル番号(1〜16)が付与されている。説明の便宜上、図41等ではラベル番号が記載されているが、実際の計測画面ではラベル番号は表示されない。図45(a)は、図23のステップSHで作成された、バーニング構成点を修正する前のラベル表を示している。
【0128】
図41(a)に示すように、バーニング構成点算出部18dによって算出されたバーニング構成点4100同士を結んだ輪郭線とバーニング4110の輪郭とがあまり一致しない場合、図41(b)に示すように、ユーザはカーソル4120を移動させ、バーニング構成点を修正したい位置(修正点M1の位置)に合わせてクリック等の操作を行う。このとき、バーニング構成点修正部18gは、図41(c)に示すように、隣接するバーニング構成点同士を結んだ線分Laを算出する。線分Laの算出方法は、第3の実施形態において記載した方法と同様である。
【0129】
バーニング構成点修正部18gは、算出した線分Laの中から、修正点M1に対して最近傍の線分を検索する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、図41(d)に示すように、各線分を構成する2つのバーニング構成点の中点4130(各線分の中点)を算出する。修正点M1に対して最近傍の中点をもつ線分が最近傍の線分となる。図41(e)に示すように、修正点M1に対して最近傍の線分は、ラベル番号5,6のバーニング構成点同士を結ぶ線分L1となる。
【0130】
修正点M1に対して最近傍の線分L1を求めた後、バーニング構成点修正部18gは、修正点M1を新たにバーニング構成点に追加し、図41(f)に示すように、各バーニング構成点の位置に基づいて輪郭線を更新する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新する。このため、修正点M1を追加する前は、線分L1の両端に位置するラベル番号5,6のバーニング構成点が隣接しているが、修正点M1を追加した後は、ラベル番号5のバーニング構成点と修正点M1が隣接していると共に、修正点M1とラベル番号6のバーニング構成点が隣接している。
【0131】
このとき、ラベル表は図45(b)のようになる。初期状態のラベル表(図45(a))と比較して、ラベル番号5,6のバーニング構成点の間に修正点M1が新たなバーニング構成点として追加される。ラベル番号M1のバーニング構成点の画像座標は(Xm1,Ym1)となり、隣接ラベル番号1,2はそれぞれ5、6となる。さらに、ラベル番号5のバーニング構成点の隣接ラベル番号2、およびラベル番号6のバーニング構成点の隣接ラベル番号1はそれぞれM1に変更されている。
【0132】
しかし、図41(f)に示すように、領域4140における輪郭線とバーニング4110の輪郭とがほとんど一致していない。このような場合、本実施形態では、以下のようにしてバーニング構成点の修正を行うことが可能である。特に、本実施形態では、ユーザがカーソルを移動させずに同じ修正点を再度指定した場合には、その修正点に隣接するバーニング構成点が変更される。
【0133】
図42(a)に示すように、ユーザがカーソル4200を移動させずに、修正点M1の位置で再度クリック等の操作を行うと、バーニング構成点修正部18gは、修正点M1の情報を削除し、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新前の状態に戻す。これによって、図46(a)に示すように、ラベル表は図45(a)と同じ状態に戻る。バーニング構成点修正部18gは、既に算出した線分Laの中から、修正点M1に対して2番目に近傍の線分(修正点M1との距離が2番目に近い線分)を検索する。この場合、図42(a)に示すように、修正点M1に対して2番目に近傍の線分は線分L2である。
【0134】
修正点M1に対して2番目に近傍の線分L2を求めた後、バーニング構成点修正部18gは、修正点M1を新たにバーニング構成点に追加し、図42(b)に示すように、各バーニング構成点の位置に基づいて輪郭線を更新する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新する。このため、修正点M1を追加する前は、線分L2の両端に位置するラベル番号4,5のバーニング構成点が隣接しているが、修正点M1を追加した後は、ラベル番号4のバーニング構成点と修正点M1が隣接していると共に、修正点M1とラベル番号5のバーニング構成点が隣接している。
【0135】
このとき、ラベル表は図46(b)のようになる。図46(a)に示したラベル表と比較して、ラベル番号4,5のバーニング構成点の間に修正点M1が新たなバーニング構成点として追加される。ラベル番号M1のバーニング構成点の画像座標は(Xm1,Ym1)となり、隣接ラベル番号1,2はそれぞれ4、5となる。さらに、ラベル番号4のバーニング構成点の隣接ラベル番号2、およびラベル番号5のバーニング構成点の隣接ラベル番号1はそれぞれM1に変更されている。
【0136】
さらに、図42(c)に示すように、ユーザがカーソル4220を移動させ、バーニング構成点を修正したい位置(修正点M2の位置)に合わせてクリック等の操作を行うと、バーニング構成点修正部18gは、図42(d)に示すように、隣接するバーニング構成点同士を結んだ線分Lbを算出する。続いて、バーニング構成点修正部18gは、算出した線分Lbの中から、修正点M2に対して最近傍の線分を検索する。図42(e)に示すように、修正点M2に対して最近傍の線分は、ラベル番号4,M1のバーニング構成点同士を結ぶ線分L3となる。
【0137】
修正点M2に対して最近傍の線分L3を求めた後、バーニング構成点修正部18gは、修正点M2を新たにバーニング構成点に追加し、図43(a)に示すように、各バーニング構成点の位置に基づいて輪郭線を更新する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新する。このため、修正点M2を追加する前は、線分L3の両端に位置するラベル番号4,M1のバーニング構成点が隣接しているが、修正点M2を追加した後は、ラベル番号4のバーニング構成点と修正点M2が隣接していると共に、修正点M2とラベル番号M1のバーニング構成点が隣接している。
【0138】
このとき、ラベル表は図47(a)のようになる。図46(b)に示したラベル表と比較して、ラベル番号4,M1のバーニング構成点の間に修正点M2が新たなバーニング構成点として追加される。ラベル番号M2のバーニング構成点の画像座標は(Xm2,Ym2)となり、隣接ラベル番号1,2はそれぞれ4、M1となる。さらに、ラベル番号4のバーニング構成点の隣接ラベル番号2、およびラベル番号M1のバーニング構成点の隣接ラベル番号1はそれぞれM2に変更されている。
【0139】
さらに、図43(b)に示すように、ユーザがカーソル4300を移動させ、バーニング構成点を修正したい位置(修正点M3の位置)に合わせてクリック等の操作を行うと、バーニング構成点修正部18gは、図43(c)に示すように、隣接するバーニング構成点同士を結んだ線分Lcを算出する。続いて、バーニング構成点修正部18gは、算出した線分Lcの中から、修正点M3に対して最近傍の線分を検索する。図43(d)に示すように、修正点M3に対して最近傍の線分は、ラベル番号4,M2のバーニング構成点同士を結ぶ線分L4となる。
【0140】
修正点M3に対して最近傍の線分L4を求めた後、バーニング構成点修正部18gは、修正点M3を新たにバーニング構成点に追加し、図43(e)に示すように、各バーニング構成点の位置に基づいて輪郭線を更新する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新する。このため、修正点M3を追加する前は、線分L4の両端に位置するラベル番号4,M2のバーニング構成点が隣接しているが、修正点M3を追加した後は、ラベル番号4のバーニング構成点と修正点M3が隣接していると共に、修正点M3とラベル番号M2のバーニング構成点が隣接している。
【0141】
このとき、ラベル表は図47(b)のようになる。図47(a)に示したラベル表と比較して、ラベル番号4,M2のバーニング構成点の間に修正点M3が新たなバーニング構成点として追加される。ラベル番号M3のバーニング構成点の画像座標は(Xm3,Ym3)となり、隣接ラベル番号1,2はそれぞれ4、M2となる。さらに、ラベル番号4のバーニング構成点の隣接ラベル番号2、およびラベル番号M2のバーニング構成点の隣接ラベル番号1はそれぞれM3に変更されている。
【0142】
しかし、図43(e)に示すように、領域4310における輪郭線とバーニング4320の輪郭とがあまり一致していない。そこで、前述した手順と同様にして、修正点M3に隣接するバーニング構成点が変更される。
【0143】
図44(a)に示すように、ユーザがカーソル4400を移動させずに、修正点M3の位置で再度クリック等の操作を行うと、バーニング構成点修正部18gは、修正点M3の情報を削除し、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新前の状態に戻す。これによって、図48(a)に示すように、ラベル表は図47(a)と同じ状態に戻る。バーニング構成点修正部18gは、既に算出した線分Lcの中から、修正点M3に対して2番目に近傍の線分(修正点M3との距離が2番目に近い線分)を検索する。この場合、図44(a)に示すように、修正点M3に対して2番目に近傍の線分は線分L5である。
【0144】
修正点M3に対して2番目に近傍の線分L5を求めた後、バーニング構成点修正部18gは、修正点M3を新たにバーニング構成点に追加し、図44(b)に示すように、各バーニング構成点の位置に基づいて輪郭線を更新する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新する。このため、修正点M3を追加する前は、線分L5の両端に位置するラベル番号M2,M1のバーニング構成点が隣接しているが、修正点M3を追加した後は、ラベル番号M2のバーニング構成点と修正点M3が隣接していると共に、修正点M3とラベル番号M1のバーニング構成点が隣接している。
【0145】
このとき、ラベル表は図48(b)のようになる。図48(a)に示したラベル表と比較して、ラベル番号M2,M1のバーニング構成点の間に修正点M3が新たなバーニング構成点として追加される。ラベル番号M3のバーニング構成点の画像座標は(Xm3,Ym3)となり、隣接ラベル番号1,2はそれぞれM2、M1となる。さらに、ラベル番号M2のバーニング構成点の隣接ラベル番号2、およびラベル番号M1のバーニング構成点の隣接ラベル番号1はそれぞれM3に変更されている。
【0146】
しかし、図44(b)に示すように、領域4410における輪郭線とバーニング4420の輪郭とがあまり一致していない。そこで、上記の手順と同様にして、修正点M3とに隣接するバーニング構成点が変更される。
【0147】
図44(c)に示すように、ユーザがカーソル4400を移動させずに、修正点M3の位置で再度クリック等の操作を行うと、バーニング構成点修正部18gは、修正点M3の情報を削除し、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新前の状態に戻す。これによって、図49(a)に示すように、ラベル表は図48(a)と同じ状態に戻る。バーニング構成点修正部18gは、既に算出した線分Lcの中から、修正点M3に対して3番目に近傍の線分(修正点M3との距離が3番目に近い線分)を検索する。この場合、図44(c)に示すように、修正点M3に対して3番目に近傍の線分は線分L6である。
【0148】
修正点M3に対して3番目に近傍の線分L6を求めた後、バーニング構成点修正部18gは、修正点M3を新たにバーニング構成点に追加し、図44(d)に示すように、各バーニング構成点の位置に基づいて輪郭線を更新する。このとき、バーニング構成点修正部18gは、バーニング構成点同士の論理的な位置関係を更新する。このため、修正点M3を追加する前は、線分L6の両端に位置するラベル番号M1,5のバーニング構成点が隣接しているが、修正点M3を追加した後は、ラベル番号M1のバーニング構成点と修正点M3が隣接していると共に、修正点M3とラベル番号5のバーニング構成点が隣接している。
【0149】
このとき、ラベル表は図49(b)のようになる。図49(a)に示したラベル表と比較して、ラベル番号M1,5のバーニング構成点の間に修正点M3が新たなバーニング構成点として追加される。ラベル番号M3のバーニング構成点の画像座標は(Xm3,Ym3)となり、隣接ラベル番号1,2はそれぞれM1、5となる。さらに、ラベル番M1のバーニング構成点の隣接ラベル番号2、およびラベル番号5のバーニング構成点の隣接ラベル番号1はそれぞれM3に変更されている。
【0150】
この結果、第3の実施形態におけるバーニング構成点の修正方法によって得られた輪郭線の形状(図40(d))よりも、本実施形態におけるバーニング構成点の修正方法によって得られた輪郭線の形状(図44(e))の方が、より正確にバーニングの輪郭に一致する。
【0151】
上記において、計測画面には、図41〜図44に示したように、バーニング構成点を修正するプロセスが全て表示される。また、バーニング構成点に添えられたラベル番号は表示されない。ただし、これに限らず、バーニング構成点を修正するプロセスの一部を非表示にしたり、ラベル番号を表示したりしてもよい。また、特に図示していないが、第2の実施形態の変形例のように、計測画面にプレビューアイコンを設け、修正したバーニング構成点の状態を元に戻したり、先に進めたりすることができるようにしてもよい。
【0152】
上述したように、本実施形態によれば、新たに追加したバーニング構成点と、ユーザからの指示に基づいて選択したバーニング構成点とが隣接するようにバーニング構成点同士の論理的な位置関係を修正する(言い換えると、新たに追加したバーニング構成点と、ユーザからの指示に基づいて選択したバーニング構成点とが線分で結ばれるように輪郭線を修正する)ことによって、バーニング構成点をより正確に修正することができ、かつバーニングサイズの算出精度を高めることができる。
【0153】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。第2の実施形態におけるバーニング構成点の修正方法では、バーニングの形状によっては、バーニング構成点同士を結ぶ線分で構成される輪郭線がねじれてしまう場合がある。例えば、図50(a)に示す形状を有するバーニング5000に対して第1の実施形態と同様にバーニング構成点の算出を行った場合、図50(b)に示すようにバーニング構成点5010が算出される。
【0154】
第2の実施形態では、図50(c)に示すように、バーニング構成点P1を修正する目的でユーザがカーソル5020を移動させ、図50(c)に示す位置でクリック等の操作を行うと、カーソル5020に最近傍のバーニング構成点P2が修正される。しかし、図50(d)に示すように、この修正によって、輪郭線同士が交差するねじれが発生し、バーニングの面積(空間面積)を計算することができなくなってしまう。そこで、本実施形態では、ユーザがバーニング構成点を修正する際に、輪郭線がねじれ形状にならないように、修正すべきバーニング構成点を自動的に選択することにより、より正確にバーニング構成点の修正(モディファイ)を行うことが可能となっている。
【0155】
本実施形態による計測処理部18の構成は第2の実施形態と同様である。また、本実施形態におけるバーニング構成点の修正手順は、図23に示した手順とほぼ同様であるが、ステップSJのバーニング構成点の修正の内容およびステップSKのラベル表の更新・追加の内容のみが異なる。以下、図51〜図54を参照し、本実施形態において、バーニング構成点を修正する手順(ステップSI,SJ,SK,SL)の詳細を説明する。
【0156】
図51等に示すバーニング構成点には、ラベル表に記載されたラベル番号(1〜16)が付与されている。説明の便宜上、図51等ではラベル番号が記載されているが、実際の計測画面ではラベル番号は表示されない。図52(a)は、図23のステップSHで作成された、バーニング構成点を修正する前のラベル表を示している。
【0157】
図51(a)に示すように、バーニング構成点算出部18dによって算出されたバーニング構成点5100同士を結んだ輪郭線とバーニング5110の輪郭とがあまり一致しない場合、図51(b)に示すように、ユーザはカーソル5120を移動させ、バーニング構成点を修正したい位置(修正点Mの位置)に合わせてクリック等の操作を行う。このとき、第2の実施形態と同様にバーニング構成点修正部18gは、図51(c)に示すように、修正点Mに対して最近傍にあるラベル番号16のバーニング構成点の位置を修正点Mの位置に修正する。このときのラベル表は図52(b)のようになり、ラベル番号16のバーニング構成点の画像座標が修正点Mの座標(Xm,Ym)となる。
【0158】
また、バーニング構成点修正部18gは、修正したラベル番号16のバーニング構成点と、それに隣接するバーニング構成点とを結ぶ線分L1,L2を算出する。図53(a)に示すラベル表より、線分L1はラベル番号1,16のバーニング構成点を結んだ線分であり、線分L2はラベル番号15,16のバーニング構成点を結んだ線分である。具体的には、線分L1は座標(X1,Y1)と(Xm,Ym)を結んだ線分であり、線分L2は座標(X15,Y15)と(Xm,Ym)を結んだ線分である。
【0159】
バーニング構成点修正部18gは、算出した線分L1,L2が、他の隣接するバーニング構成点同士を結ぶ各線分と交点をもつかどうか(言い換えると、輪郭線の形状がねじれ形状であるか否か)をチェックする。図51(c)に示すように、ラベル番号2,3のバーニング構成点を結んだ線分L3が線分L1,L2と交点をもつ。具体的には、線分L3は座標(X2,Y2)と(X3,Y3)を結んだ線分である。
【0160】
線分L1,L2と交点をもつ線分を見つけた場合、図51(d)に示すように、バーニング構成点修正部18gは、修正されたラベル番号16のバーニング構成点を元の位置(修正前の位置)に戻す。このときのラベル表は図53(b)のようになる。ラベル番号16のバーニング構成点の座標が(X16,Y16)となっており、図52(a)と同じラベル表に戻っている。
【0161】
修正点Mに対して最近傍のバーニング構成点を修正点Mの位置に移動するとねじれが発生することが分かったので、バーニング構成点修正部18gは他のバーニング構成点を修正点Mの位置に移動する。具体的には、図51(e)に示すように、バーニング構成点修正部18gは、修正点Mに対して2番目に近いラベル番号3のバーニング構成点の位置を修正点Mの位置に修正する。このときのラベル表は図54(a)のようになり、ラベル番号3のバーニング構成点の座標が(Xm,Ym)となる。
【0162】
また、バーニング構成点修正部18gは、修正したラベル番号3のバーニング構成点と、それに隣接するバーニング構成点とを結ぶ線分L4,L5を算出する。図54(b)に示すラベル表より、線分L4はラベル番号2,3のバーニング構成点を結んだ線分であり、線分L5はラベル番号3,4のバーニング構成点を結んだ線分である。具体的には、線分L4は座標(X2,Y2)と(Xm,Ym)を結んだ線分であり、線分L5は座標(Xm,Ym)と(X4,Y4)を結んだ線分である。
【0163】
バーニング構成点修正部18gは、算出した線分L4,L5が、他の隣接するバーニング構成点同士を結ぶ各線分と交点をもつかどうか(言い換えると、輪郭線の形状がねじれ形状であるか否か)をチェックする。図51(e)に示すように、線分L4,L5と交点をもつ線分は存在しないため、バーニング構成点修正部18gは、修正すべきバーニング構成点をラベル番号3のバーニング構成点と決定する。この結果、図51(f)に示すように、輪郭線の形状がねじれ形状にならないようにバーニング構成点を修正することが可能となる。
【0164】
上記の例では、バーニング構成点修正部18gは、2回目のバーニング構成点の修正で、修正すべきバーニング構成点を決定できたが、修正すべきバーニング構成点を決定できなければ、輪郭線の形状がねじれ形状になっているかどうかのチェックをさらに繰り返すことになる。もし、チェックを繰り返しても、修正すべきバーニング構成点を決定できなければ、バーニング構成点の修正は行わない。
【0165】
上記において、計測画面には、図51に示した、ねじれ形状を解消するプロセスの全てが表示されるのではなく、図51(b)のようにユーザが修正点を指定すると、すぐに図51(f)のようにバーニング構成点の修正が完了した状態が表示される。また、バーニング構成点に添えられたラベル番号も表示されない。ただし、これに限らず、バーニング構成点を修正するプロセスの全てを表示したり、ラベル番号を表示したりしてもよい。また、特に図示していないが、第2の実施形態の変形例のように、計測画面にプレビューアイコンを設け、修正したバーニング構成点の状態を元に戻したり、先に進めたりすることができるようにしてもよい。
【0166】
次に、本実施形態の変形例を説明する。バーニング構成点を修正した後、輪郭線の形状がねじれ形状になっていた場合、図55(a)に示すように、輪郭線の形状がねじれ形状になっていることを警告する警告メッセージボックス5500を表示してもよい。ユーザがカーソル5510をメッセージボックス5500内の「Yes」アイコン5520上に移動させ、クリック等の操作を行うと、上記のように、バーニング構成点修正部18gは、修正したバーニング構成点を元の位置に戻し、ユーザは修正をやり直す。
【0167】
また、ユーザがカーソル5510により「No」アイコン5521を指定した場合、バーニング構成点が修正後の状態で、バーニングサイズ算出部18eはバーニング計算を行う。そして、図55(b)に示すように、計測画面上に結果ウィンドウ5530が表示される。ただし、輪郭線の形状がねじれ形状の場合、面積が算出できないので、面積に関しては、「A = WRONG FIG」(FIGはFIGUREの意味)と表示される。
【0168】
上述したように、本実施形態によれば、バーニング構成点を修正した後の輪郭線の形状がねじれ形状にならないように、修正すべきバーニング構成点が自動的に選択されるので、バーニングの面積(空間面積)を計算することができなくなる事態を回避することができる。また、バーニング構成点の修正方法は第2の実施形態における修正方法と同様であるので、より正確にバーニング構成点を修正することができ、かつバーニングサイズの算出精度を高めることができる。
【0169】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の第1の実施形態による計測用内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による計測用内視鏡装置が備える計測処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における基準点、基準線を示す参考図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における基準楕円を示す参考図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるサーチポイント、サーチエリア、バーニング構成点を示す参考図である。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるバーニングサイズを示す参考図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における計測画面(計測開始前)を示す参考図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における計測の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態における計測画面(計測時)を示す参考図である。
【図10】本発明の第1の実施形態における計測画面(計測時および計測終了時)を示す参考図である。
【図11】本発明の第1の実施形態におけるカーソルの位置と基準楕円のサイズとの関係を示す参考図である。
【図12】本発明の第1の実施形態におけるカーソルの位置と基準楕円の形状との関係を示す参考図である。
【図13】本発明の第1の実施形態におけるバーニング計算の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1の実施形態におけるサーチポイント算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施形態におけるサーチポイントの数および間隔の性質を示す参考図である。
【図16】本発明の第1の実施形態におけるサーチエリア算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第1の実施形態におけるサーチエリアのサイズの性質を示す参考図である。
【図18】本発明の第1の実施形態におけるバーニング構成点算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第1の実施形態におけるバーニング構成点算出処理の手順を示す参考図である。
【図20】本発明の第1の実施形態におけるバーニングサイズ算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第2の実施形態による計測用内視鏡装置が備える計測処理部の構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の第2の実施形態の前提となる課題を説明するための参考図である。
【図23】本発明の第2の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第2の実施形態における計測画面(モディファイ時)を示す参考図である。
【図25】本発明の第2の実施形態における計測画面(モディファイ時)を示す参考図である。
【図26】本発明の第2の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示す参考図である。
【図27】本発明の第2の実施形態におけるバーニング再計算の手順を示すフローチャートである。
【図28】本発明の第2の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図29】本発明の第2の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図30】本発明の第2の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示すフローチャートである。
【図31】本発明の第2の実施形態における計測画面(モディファイ時)を示す参考図である。
【図32】本発明の第2の実施形態における計測画面(モディファイ時)を示す参考図である。
【図33】本発明の第2の実施形態における計測画面(モディファイ時)を示す参考図である。
【図34】本発明の第2の実施形態におけるバーニング構成点の修正の様子を示す参考図である。
【図35】本発明の第3の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示す参考図である。
【図36】本発明の第3の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示す参考図である。
【図37】本発明の第3の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示す参考図である。
【図38】本発明の第3の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図39】本発明の第3の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図40】本発明の第3の実施形態におけるバーニング構成点の修正の様子を示す参考図である。
【図41】本発明の第4の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示す参考図である。
【図42】本発明の第4の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示す参考図である。
【図43】本発明の第4の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示す参考図である。
【図44】本発明の第4の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示す参考図である。
【図45】本発明の第4の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図46】本発明の第4の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図47】本発明の第4の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図48】本発明の第4の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図49】本発明の第4の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図50】本発明の第2の実施形態におけるバーニング構成点の修正の様子を示す参考図である。
【図51】本発明の第5の実施形態におけるバーニング構成点の修正手順を示す参考図である。
【図52】本発明の第5の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図53】本発明の第5の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図54】本発明の第5の実施形態におけるラベル表を示す参考図である。
【図55】本発明の第5の実施形態における計測画面を示す参考図である。
【符号の説明】
【0171】
1・・・計測用内視鏡装置、18・・・計測処理部、18a・・・制御部(信号処理部)、18b・・・基準点指定部、18c・・・基準楕円算出部、18d・・・バーニング構成点算出部(構成点算出部)、18e・・・バーニングサイズ算出部(サイズ算出部)、18f・・・記憶部、18g・・・バーニング構成点修正部(構成点修正部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象物を撮像し撮像信号を生成する電子内視鏡と、前記撮像信号に基づいて映像信号を生成する映像信号生成部と、前記映像信号に基づいて前記計測対象物の計測処理を行う計測処理部とを備えた内視鏡装置において、
前記計測処理部は、
前記映像信号に基づく画像上の3つの基準点を指定する基準点指定部と、
前記基準点指定部によって指定された3つの前記基準点で決定される線上に設定した複数点の各々に基づく画像領域内で前記映像信号を処理し、計測対象領域を構成する構成点を算出する構成点算出部と、
ユーザからの指示に基づいて前記構成点を修正する構成点修正部と、
前記構成点に基づいて前記計測対象物のサイズを算出するサイズ算出部と、
を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記構成点修正部は、前記映像信号に基づく画像上でユーザが指示した位置と前記構成点算出部が算出した前記構成点の位置とに基づいて選択した前記構成点の位置を、前記ユーザが指示した位置に修正することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記構成点修正部はさらに、修正した前記構成点を含む各々の前記構成点を結ぶ線分で構成される輪郭線の形状がねじれ形状であるか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記構成点修正部は、前記映像信号に基づく画像上でユーザが指示した位置に新たな前記構成点を追加することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記構成点修正部はさらに、前記構成点算出部によって算出された前記構成点の位置と、新たに追加した前記構成点の位置とに基づいて、各々の前記構成点を結ぶ線で構成される輪郭線を決定することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記構成点修正部はさらに、新たに追加した前記構成点と、ユーザからの指示に基づいて選択した前記構成点とが線で結ばれるように前記輪郭線を決定することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記構成点修正部が修正を行った結果を示す修正結果情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記構成点修正部はさらに、ユーザからの指示に基づいて選択した前記修正結果情報が示す修正後の前記構成点を、ユーザからの指示に基づいて修正する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記構成点算出部は、前記複数点の各々に基づく画像領域内で前記映像信号の2値化処理を行い、2値化処理後の前記映像信号に基づいて前記計測対象領域のエッジを抽出し、当該エッジを近似する近似線を算出し、当該近似線に基づいて前記エッジ上の前記構成点を算出することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の内視鏡装置。
【請求項9】
計測対象物を撮像し撮像信号を生成する電子内視鏡と、前記撮像信号に基づいて映像信号を生成する画像処理部と、前記映像信号に基づいて前記計測対象物の計測処理を行う計測処理部とを備えた内視鏡装置を制御するためのプログラムにおいて、
前記計測処理部を、
前記映像信号に基づく画像上の3つの基準点を指定する基準点指定部と、
前記基準点指定部によって指定された3つの前記基準点で決定される線上に設定した複数点の各々に基づく画像領域内で前記映像信号を処理し、計測対象領域を構成する構成点を算出する構成点算出部と、
ユーザからの指示に基づいて前記構成点を修正する構成点修正部と、
前記構成点に基づいて前記計測対象物のサイズを算出するサイズ算出部と、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【公開番号】特開2010−8394(P2010−8394A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226169(P2008−226169)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】