説明

内部半導電層、内部半導電層を用いた絶縁チューブユニット、および内部半導電層成形用の成形型

【課題】電界が高い部分である両端部にはパーティングラインが生じることなく、電気破壊の発生を抑えることができ、表面の凹凸部分の研磨作業時間を短縮できる内部半導電層、内部半導電層を用いた常温収縮型絶縁チューブユニット、および内部半導電層成形用の成形型を提供する。
【解決手段】内部半導電層30は、電力ケーブルの導体部同士の接続部を覆う常温収縮型絶縁チューブユニット10内に配置され、成形により筒状に作られ、成形の際に形成されるパーティングライン180が内部半導電層30の中央部において内部半導電層30の軸方向CLと交差する方向に沿って配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルの直線接続部に用いられる絶縁チューブユニットの内部半導電層、内部半導電層を用いた絶縁チューブユニット、および内部半導電層成形用の成形型に関する。
【背景技術】
【0002】
2本の電力ケーブルを接続した箇所の絶縁処理に常温収縮型絶縁チューブユニットが用いられている。常温収縮型絶縁チューブユニットは、筒状の絶縁層内にシリコーンゴム製の内部半導電層等を一体に設けたワンピース型の部材である。
【0003】
図8は、従来の内部半導電層を成形する金型を示している。金型200は、上型201と、下型202と、芯金203と、フランジ204,205を有している。内部半導電層250は、液状のシリコーンゴムを金属の金型200内の空間内に注入することにより成形される。
【0004】
金型200を開いて内部半導電層250を取り出すと、図9に示すように、内部半導電層250には複数箇所に上型201と、下型202と、芯金203と、フランジ204,205の合わせ目の痕跡(本願において「パーティングライン」という)300,301,302が形成されている。パーティングライン300,3014,302は、線状に形成されるだけの場合もあるが、バリ状に形成される場合もある。
パーティングライン300は、内部半導電層250の一端部251において全周に渡って形成され、パーティングライン301は、内部半導電層250の他端部252において全周に渡って形成される。
【0005】
また、パーティングライン302は、図9における手前側の側面と反対側の側面にそれぞれ形成されており、パーティングライン302は内部半導電層250の両側面において軸方向Lに沿って形成されている。これらのパーティングライン300,301は、上型201と下型202とフランジ204,205の合わせ目B、Bにより形成され、手前側の側面と反対側の側面のパーティングライン302は、それぞれ上型201と下型202の合わせ目Cにより形成される。このような構造の金型は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−268770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の構造の金型200を用いて内部半導電層250を成形すると、次のような問題がある。
内部半導電層250の端部251、252は、高い電界がかかる箇所なので、内部半導電層250の表面に凹凸部分が生じると、内部半導電層250がこの凹凸部分から電気破壊を起こす要因になる。このため、従来の内部半導電層250は、表面に形成されたパーティングライン300,301,302の凸部を、後工程の研磨作業により高精度に除去する必要があり、研磨作業に時間がかかる。
また、パーティングライン302の形成長さが軸方向Lに沿って長いので、研磨量が多くなり研磨作業時間がさらにかかる。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解消するために、電界が高い部分である両端部にはパーティングラインが生じることなく、電気破壊の発生を抑えることができ、表面の凹凸部分の研磨作業時間を短縮できる内部半導電層、内部半導電層を用いた絶縁チューブユニット、および内部半導電層成形用の成形型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解消するために、本発明の内部半導電層は、電力ケーブルの接続部を絶縁処理するための絶縁チューブユニット内に配置され、成形により作られた筒状の内部半導電層であって、成形の際に形成されるパーティングラインが前記内部半導電層の中央部において前記内部半導電層の軸方向と交差する方向に沿って配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の内部半導電層では、前記内部半導電層が、一端部側と他端部には太径部分がそれぞれ形成されており、これら太径部分と間に細径部が形成されており、当該細径部分に、前記パーティングラインが配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の内部半導電層を用いた絶縁チューブユニットは、前記内部半導電層と、その周囲に一体に成形された絶縁層とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の内部半導電層成形用の成形型は、内部半導電層を成形するための成形型であって、内部半導電層を成形するキャビティを有するゴム製のゴム型部と、このゴム型が収まる収容空間を有する金属製の金型部とからなり、前記ゴム型部が、第1ゴム型部分と第2ゴム型部分からなり、前記内部半導電層の中央部または細径部分において前記内部半導電層の軸方向と交差する方向に沿って前記第1ゴム型部分と前記第2ゴム型部分との合わせ目を有するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電界が高い部分である両端部にはパーティングラインが生じることなく、電気破壊の発生を抑えることができ、表面の凹凸部分の研磨作業時間を短縮できる内部半導電層、この内部半導電層を用いた絶縁チューブユニット、およびこの内部半導電層を成形するための成形型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の内部半導電層を用いた常温収縮型絶縁チューブユニットの好ましい実施の形態を示している軸方向の断面図である。
【図2】本発明の好ましい実施の形態の金型を示しており、図2(A)は金型の断面図であり、図2(B)は図2(A)のB―B線における断面図を示す図である。
【図3】ゴム金型部の形状を形成するための模範を示す図である。
【図4】図3に示す模範を用いて、金属金型部の収容空間部内にゴム金型部を成形する様子を示す断面図である。
【図5】金型を用いて内部半導電層を成形する様子を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態の金型で成形された内部半導電層を示す図である。
【図7】内部半導電層付近の電界の等電位線の例を示す図である。
【図8】従来の内部半導電層を成形する金型を示す断面図である。
【図9】従来の複数のパーティングラインを有する内部半導電層を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の内部半導電層を用いた絶縁チューブユニットの好ましい実施の形態で電力ケーブルの直線接続部を絶縁処理した状態を示している軸方向の断面図である。
図1に示す絶縁チューブユニット10は常温収縮タイプのもので、第1電力ケーブル1と第2電力ケーブル2の接続部を絶縁している。
第1電力ケーブル1は、絶縁シース5と、絶縁体層6と、外部半導電層7や、その他に外部半導電層7を覆う布テープ層や金属遮蔽層を有している。同様して、第2電力ケーブル2は、絶縁シース15と、絶縁体層16と、外部半導電層17や、その他に外部半導電層17を覆う布テープ層や金属遮蔽層を有している。
【0016】
図1に示すように、第1ケーブル導体部3と第2ケーブル導体部4は、導電性を有する接続管18により電気的に機械的に接続されている。第1ケーブル導体部3と第2ケーブル導体部4と接続管18の外周囲は、半導電性テープ19により覆われている。
【0017】
第1電力ケーブル1と第2電力ケーブル2との接続部の周囲は、絶縁チューブユニット10により覆われている。絶縁チューブユニット10は筒状であり、補強絶縁層20と、内部半導電層30と、第1ストレスコーン8と第2ストレスコーン9を有している。内部半導電層30と、第1ストレスコーン8と第2ストレスコーン9は、軸方向CLに沿って同軸状に配置されている。第1ストレスコーン8と第2ストレスコーン9は、例えばカーボンが混入された半導電性のゴムを用いて成形された部材で、略ラッパ状である。
【0018】
図1に示す補強絶縁層20は、弾性材である例えば電気絶縁性のゴムにより作られている常温で収縮可能な円筒状の部材である。補強絶縁層20の内周部には、内部半導電層30が配置されている。内部半導電層30は例えばカーボンが混入された半導電性のゴムを用いて筒状に成形された部材である。内部半導電層30は、第1ケーブル導体部3と第2ケーブル導体部4と接続管18および絶縁体層6,16の一部を覆っている。内部半導電層30は、一端側の太径部分31と他端側の太径部分32と、太径部分31と太径部分32の間に形成された細径部分33を有している。
内部半導電層30の中空部分30Hは、軸方向CLに沿って形成されている。この中空部分30Hは、絶縁チューブユニット10を使用に供したとき、第1ケーブル導体部3と第2ケーブル導体部4と接続管18と半導電性テープ19が収まる貫通孔である。
【0019】
次に、図1に示す内部半導電層30を成形するための型について説明する。
図2は、本発明の好ましい実施の形態の成形型100を示しており、図2(A)は成形型100の断面図であり、図2(B)は図2(A)のB―B線における断面図である。
図2に示す成形型100は、外側の金属型部110と、内側のゴム型部120と、芯金140を有している。この成形型100は、外側の金属型部110と、内側のゴム型部120により構成されている2重構造の金型である。
【0020】
図2に示す金属型部110は、例えばアルミニウム等の金属により作られている。図2(B)に示すように、金属型部110は、第1金型部分111と第2金型部分112から構成されており、第1金型部分111と第2金型部分112は互いに反対方向であるS1方向とS2方向にそれぞれ分割できるように合わせ目77を有している。図2(A)に示すように、第1金型部分111と第2金型部分112内には、円柱状の収容空間部113が形成されている。
【0021】
図2に示すゴム型部120は、例えばシリコーンゴムにより作られている。図2(A)に示すように、ゴム型部120は、第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122から構成されている。第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122の外周面123は、第1金型部分111と第2金型部分112の収容空間部113の内周面114に対して密着されており、第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122はほぼ円筒状の部材である。第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122は、合わせ目99で分けることができるようになっている。
【0022】
図2(A)に示すように、第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122は、キャビティ124を有している。キャビティ124は、図1に示す形状の内部半導電層30を成形するための空間である。キャビティ124は、第1太径部分124Bと、第2太径部分124Cと、中央の細径部分124Dを有している。
【0023】
図2(A)に示す芯金140は、例えば鉄等の金属により作られている棒状体である。芯金140は、第1細径部141と、第2細径部142と、中央の太径部143を有している。第1細径部141は、金属型部110の第1貫通孔118と、第1ゴム型部分121の第1貫通孔128を通って外部に露出している。同様にして、第2細径部142は、金属型部110の第2貫通孔119と、第2ゴム型部分122の第2貫通孔129を通って外部に露出している。中央の太径部143はゴム型部分121,122のキャビティ124内に配置されている。
その他に、第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122が変形するのを防止するために、2分割リング150が設けられている。この2分割リング150の厚みt=1〜2mmである。金属型部110を使用する際には、金属型部110の両端部をパワークランプで固定する。
【0024】
次に、図2に示すゴム型部120を金属型部110の収容空間部113内において成形するためのモデル160について、図3を参照して説明する。
図3は、ゴム型部120のキャビティ124の形状を形成するためのモデル160を示している。図3に示すモデル160は、第1太径部分160Bと、第2太径部分160Cと、中央の細径部分160Dと、芯金140を有している。モデル160は、細径部分160Dの中央部の合わせ目167が2分割された中央2分割構造体である。この合わせ目167はゴム金型部120の合わせ目99を設ける位置と対応する位置に設けられている。細径部分160Dの中央位置には、厚みt=1〜2mmの円盤161と1箇所の14〜16mmの径の注入口用の円柱部162が取り付けられている。また、ガス抜き用スリット形成用の板163(厚みt=0.5〜1mm)が、注入口用の円柱部162に対して180度反対の位置に形成されている。すなわち、各太径部分160B、160Cの端部にある凹部の内周面から芯金140に跨るように前記板163、163が設けられている。
【0025】
図4は、図3に示すモデル160を用いて、金属型部110の収容空間部113内においてゴム型部120を成形する様子を示す断面図である。
図4に示すように、モデル160が、金属型部110の収容空間部113内に配置されており、芯金140の第1細径部141は、金属型部110の第1貫通孔118を通って外部に露出している。同様にして、芯金140の第2細径部142は、金属型部110の第2貫通孔119を通って外部に露出している。
【0026】
図4において、金属型部110の注ぎ口170から、液状のシリコーンゴムを注入することにより、金属型部110の収容空間部113とモデル160の外周面との間には、内部半導電層30を型取るためのゴム型部120が成形できる。ゴム型部120は、円盤161を境に、第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122に分かれている。このようにしてゴム型部120が金属型部110の収容空間部113内に成形できたら、金属型部110を開いてゴム型部120を取り出し、ついでゴム型部120を第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122に分けて開き、モデル160を取り出す。モデル160の円盤161の部分は図5に示すゴム型部120において合わせ目99として転写される。
また、各第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122の前記デル160のガス抜き用スリット形成用の板163に対応する位置には、ガス抜き用スリットが転写され形成される。
【0027】
次に、図5を参照して、成形型100を用いて内部半導電層30を成形する様子を説明する。
まず、前述のように製造した第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122を金属型部110にセットして、図5に示すように、成形型を組み立てる。成形型100の注ぎ口170に、例えばカーボンが混入された液状の半導電性のゴムを注入すると、ほぼ筒状内部半導電層30が成形される。注入されたゴム172は、ゴム型部120の第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122とで形成されたキャビティ124に充填されるので、内部半導電層30を成形することができる。
なお、ゴムを注入するとキャビティ124にあった空気は、前記ガス抜き用スリット形成用の板163、163で形成されたスリットを介して芯金140と金属型部110隙間を通って外部に押出される。これにより、内部半導電層30の太径部分31、32の外周部にボイドが生じるのを防止できる。
【0028】
ゴム型部120の第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122は、中央の合わせ目99により左右に2分割される構造である。このゴム型部120の中央の合わせ目99は、成形された内部半導電層30の細径部分33の中央部に、軸方向CLと交差するパーティングライン180が全周囲に沿って転写されることになる。
なお、前記モデル160のガス抜き用スリット形成用の板163、163で、ゴム型部分121,122にそれぞれ形成されたスリットの部分により、内部半導電層30の大径部分31,32の内周側には、小片163Aが成形されている。
【0029】
こうして内部半導電層30が成形した後、金属型部110の第1金型部分111と第2金型部分112を分解し、金属型部110の中からゴム型部120を取り出す。
そして、ゴム型部120の第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122を、中央の合わせ目99により左右に分けて内部半導電層30を取り出す。ゴム型部120はシリコーンゴム製でありある程度の弾性変形ができる。このため、内部半導電層30の一端側の太径部分31と他端側の太径部分32(膨らんだ部分)は、第1ゴム型部分121と第2ゴム型部分122を変形させてを変形させるだけでゴム型部120内から容易に取り出すことができる。
【0030】
図6は、成形型100から取り出された内部半導電層30を示している。このように、成形された内部半導電層30の細径部分33の中央部にはパーティングライン180が全周囲に形成されているので、このパーティングライン180の凸部を研磨して除去する。 また、前記大径部分31,32の内側に形成された小片163A(図5参照)も研磨除去する。
【0031】
図7は、内部半導電層30付近における電界Eの等電位線の形成例を示している。内部半導電層30の太径部分31の外周付近Fでは、高い電界が形成されているので電界Eの等電位線が密に配列されているが、内部半導電層30の細径部分33の付近Gでは低い電界が形成されているので電界Eの等電位線は疎になっている。本発明の実施の形態では、内部半導電層30の細径部分33の中央部にパーティングライン180が1箇所に形成されるだけであり、電界の高い部分にはパーティングラインが形成されない。
【0032】
パーティングライン180は電界が余りかからない内部半導電層30の細径部分33に形成されるので、電界は研磨による表面の凹凸の影響を受けにくく電気破壊発生を抑えることができる。しかも、パーティングラインは内部半導電層30の両端部にはできないので、両端部の研磨作業が不要であり、電気破壊発生を抑えることができる。このため、研磨作業の精度が緩和され、研磨作業の負担を軽減できる。
また、この内部半導電層30には軸方向CLに沿うパーティングラインが形成されないので、研磨する範囲も狭く、研磨作業の負担を軽減できる。
【0033】
本発明の内部半導電層は、電力ケーブルの接続部を絶縁処理するための絶縁チューブユニット内に配置され、成形により作られた筒状の内部半導電層であって、成形の際に形成されるパーティングラインが前記内部半導電層の中央部において前記内部半導電層の軸方向と交差する方向に沿って配置されていることを特徴とする。中央部分は電界が低い部分であり、電界が高い両端部に比較して、表面の凹凸の影響が小さく、電気破壊の発生を抑えることができる。このため、パーティングラインを除去する研磨作業の精度を緩和でき、研磨作業時間を短縮できる。
【0034】
本発明の内部半導電層では、前記内部半導電層が、一端部側と他端部には太径部分がそれぞれ形成されており、これら太径部分と間に細径部が形成されており、当該細径部分に、前記パーティングラインが配置されていることを特徴とする。前記細径部分は電界が低い部分であり、電界が高い両端部に比較して、表面の凹凸の影響が小さく、電気破壊の発生を抑えることができる。このため、パーティングラインを除去する研磨作業の精度を緩和でき、研磨作業時間を短縮できる。
【0035】
前述の内部半導電層を用いた本発明の絶縁チューブユニットは、内部半導電層と、その周囲に一体に成形された絶縁層とを有することを特徴とする内部半導電層の製造が容易なので、生産性の良いものとなる。
【0036】
本発明の内部半導電層成形用の金型は、内部半導電層を成形するための成形型であって、内部半導電層を成形するキャビティを有するゴム製のゴム型部と、このゴム型が収まる収容空間を有する金属製の金型部とからなり、前記ゴム型部が、第1ゴム型部分と第2ゴム型部分からなり、前記内部半導電層の中央部または細径部分において前記内部半導電層の軸方向と交差する方向に沿って前記第1ゴム型部分と前記第2ゴム型部分との合わせ目を有するものであることを特徴とする。これにより、電界が高い部分である両端部にはパーティングラインがなく、表面の凹凸部分の研磨作業時間を短縮できる内部半導電層を成形することができる。
【0037】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用できる。
例えば、絶縁チューブユニットと内部半導電層の形状は、図示例に限らず任意に選択することができる。
また、絶縁チューブユニットは、前記常温収縮タイプのものでなく、いわゆる差込タイプのものであっても良い。
さらに、成形型の金属型部は、内部半導電層の軸方向CLに沿って合わせ目が設けられたものであっても良い。
【符号の説明】
【0038】
1 第1電力ケーブル
2 第2電力ケーブル
3 第1ケーブル導体部
4 第2ケーブル導体部
10 常温収縮型絶縁チューブユニット
CL 軸方向
30 内部半導電層
31 一端側の太径部分
32 他端側の太径部分
33 細径部分
77 第1金型部分と第2金型部分の合わせ目
99 第1ゴム型部分と第2ゴム型部分の合わせ目
100 金型
110 外側の金属金型部
111 第1金型部分
112 第2金型部分
113 収容空間部
120 内側のゴム金型部
121 第1ゴム型部分
122 第2ゴム型部分
140 芯金
160 模範

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力ケーブルの接続部を絶縁処理するための絶縁チューブユニット内に配置され、成形により作られた筒状の内部半導電層であって、
成形の際に形成されるパーティングラインが前記内部半導電層の中央部において前記内部半導電層の軸方向と交差する方向に沿って配置されていることを特徴とする内部半導電層。
【請求項2】
前記内部半導電層が、一端部側と他端部には太径部分がそれぞれ形成されており、これら太径部分と間に細径部が形成されており、当該細径部分に、前記パーティングラインが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内部半導電層。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の内部半導電層と、その周囲に一体に成形された絶縁層とを有することを特徴とする絶縁チューブユニット。
【請求項4】
請求項1または請求項2の内部半導電層を成形するための成形型であって、
内部半導電層を成形するキャビティを有するゴム製のゴム型部と、このゴム型が収まる収容空間を有する金属製の金型部とからなり、
前記ゴム型部が、第1ゴム型部分と第2ゴム型部分からなり、前記内部半導電層の中央部または細径部分において前記内部半導電層の軸方向と交差する方向に沿って前記第1ゴム型部分と前記第2ゴム型部分との合わせ目を有するものであることを特徴とする内部半導電層成形用の成形型。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−259134(P2010−259134A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102632(P2009−102632)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(502308387)株式会社ビスキャス (205)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】