説明

冷却装置

【課題】本発明の目的は、車両の走行モードを考慮して、電動機を適切に冷却することができる冷却装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、車両に搭載されたモータジェネレータ22に冷却媒体を供給する電動ポンプ24と、電動ポンプ24の作動を制御すると共に、第1の走行モードと運転者のアクセル操作に対する駆動力の特性を前記第1の走行モードよりも高駆動力の特性とした第2の走行モードとを切り替えるための切替スイッチの操作を検出するECU30と、を有し、検出された切替スイッチの操作により、第1の走行モードが設定された場合には、ECU30は、モータジェネレータ22の温度が予め設定した温度閾値以上である時に、電動ポンプ24を作動させ、検出された切替スイッチの操作により、第2の走行モードが設定された場合には、ECU30は、モータジェネレータ22の温度が前記温度閾値未満であっても、電動ポンプ24を作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される電動機を冷却する冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両に搭載されるモータジェネレータ等の電動機は、回転子(ロータ)と、その周囲に配設されるステータコイルが巻き付けられたステータコアとを有する。電動機は、ステータコイルに通電して回転力を得る駆動源として、又はロータの回転によりステータコイルに流れる電流を取り出す発電機として機能する。そして、ロータ回転時にステータコイルに電流が流れると、ステータコア、ステータコイル等が発熱する。これらの発熱は、電動機の内部を貫通する磁束に影響を与え、運転効率(回転効率、発電効率)を低下させる。そのため、車両には、電動機の運転効率を維持するために、電動機を冷却する冷却装置が搭載されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、エンジンと少なくとも1つのモータとを動力源とし、該動力源と出力部材とが接続された作動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド自動車において、予め定めた車速からさらに車速が上がってしまう場合、前記モータを冷却させるための冷却媒体の供給量を増加する過回転抑制制御手段を設けた冷却装置が提案されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、モータに冷却媒体を供給するための供給手段と、モータの温度を検知するための手段と、気温を検知するための手段と、モータの温度と気温とに基づいて、前記供給手段を制御する制御手段を設けた冷却装置が提案されている。
【0005】
上記特許文献1,2の冷却装置により、車両に搭載されるモータが冷却される。
【0006】
【特許文献1】特開2004−139984号公報
【特許文献2】特開2002−373682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、電気自動車、ハイブリッド自動車には、運転者のスイッチ操作により、通常走行モード、スポーツ走行モード、エコノミー走行モード等の走行モードを選択することができるものが存在する。スポーツ走行モード(エコノミー走行モード)等は、運転者のアクセル操作に対する駆動力の特性を通常走行モードよりも高駆動力の特性としたものである。そのため、運転者によりスポーツ走行モード等が選択されれば、高駆動力の特性を発揮するために、電動機には高負荷が掛けられる。そして、電動機に高負荷が掛かるスポーツ走行モードでは、通常走行モードより電動機の発熱による温度上昇率は高くなる。したがって、電動機を適切に冷却するためには、車両の走行モードを考慮する必要がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、車両の走行モードを考慮して、電動機を適切に冷却することができる冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、車両に搭載された電動機に冷却媒体を供給する供給手段と、前記供給手段の作動を制御する制御手段と、第1の走行モードと運転者のアクセル操作に対する駆動力の特性を前記第1の走行モードよりも高駆動力の特性とした第2の走行モードとを切り替えるための切替スイッチの操作を検出する切替スイッチ操作検出手段と、を有し、前記検出された切替スイッチの操作により、前記第1の走行モードが設定された場合には、前記制御手段は、前記電動機の温度が予め設定した温度閾値以上である時に、前記供給手段を作動させ、前記検出された切替スイッチの操作により、前記第2の走行モードが設定された場合には、前記制御手段は、前記電動機の温度が前記温度閾値未満であっても、前記供給手段を作動させる。
【0010】
また、本発明は、車両に搭載された電動機に冷却媒体を供給する供給手段と、前記供給手段の作動を制御する制御手段と、第1の走行モードと運転者のアクセル操作に対する駆動力の特性を前記第1の走行モードよりも高駆動力の特性とした第2の走行モードとを切り替えるための切替スイッチの操作を検出する切替スイッチ操作検出手段と、を有し、前記検出された切替スイッチの操作により、前記第1の走行モードが設定された場合には、前記制御手段は、前記電動機の温度が予め設定した第1温度閾値以上である時に、前記供給手段を作動させ、前記検出された切替スイッチの操作により、前記第2の走行モードが設定された場合には、前記制御手段は、前記電動機の温度が前記第1温度閾値より低い第2温度閾値以上である時に、前記供給手段を作動させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車両の走行モードに基づいて、適切に電動機を冷却することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について以下説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に用いられる車両の駆動装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、車両の駆動装置1は、エンジンENGと、モータジェネレータMG1,MG2と、遊星歯車機構により構成される動力分割機構PSDと、減速機RDと、モータジェネレータMG1,MG2の駆動制御を行なうインバータ12,14と、昇圧コンバータ16とを備える。なお、本実施形態に用いられる車両の駆動装置1の構成は、一例であってこれに制限されるものではない。また、図1に示す動力分割機構PSD及び減速機RDの詳細な構成についての説明は省略する。
【0014】
エンジンENGは、ガソリンなどの燃料の燃焼エネルギーを源として駆動力を発生する。エンジンENGの発生する駆動力は、動力分割機構PSDにより、直流電力を発電するモータジェネレータMG1へ伝達される経路と、減速機RDを介して車輪18を駆動する駆動軸20に伝達する経路とに分割される。
【0015】
モータジェネレータMG1は、動力分割機構PSDを介して伝達されたエンジンENGからの駆動力によって回転し、発電する。モータジェネレータMG1の発電した電力は、電力線を介してインバータ12に供給され、バッテリ(不図示)の充電電力として、あるいは、モータジェネレータMG2の駆動電力として用いられる。
【0016】
モータジェネレータMG2は、インバータ14から電力線に供給された交流電力によって回転駆動される。モータジェネレータMG2によって生じた駆動力は、減速機RDを介して車輪18の駆動軸20へ伝達される。
【0017】
また、回生制動動作時にモータジェネレータMG2が車輪18の減速に伴って回転される場合には、モータジェネレータMG2に生じた起電力が電力線に供給される。この場合には、インバータ14が電力線に供給された電力を直流電力に変換し、昇圧コンバータ16を介してバッテリ(不図示)に充電される。
【0018】
次に、モータジェネレータMG1,MG2の冷却に使用される冷却装置について説明する。
【0019】
図2は、本実施形態に係る冷却装置の構成の一例を示す模式図である。図2に示すように冷却装置2は、モータジェネレータ22に冷却媒体を供給する供給手段としての電動ポンプ24と、熱交換器26と、電動ポンプ24を作動させる制御手段及び走行モードを切り替えるパワースイッチ(切替スイッチ)28の操作を検出する検出手段としてのECU(Electronic Control Unit)30と、配管32a,32b,32cと、温度センサ34と、を有する。ここで、図2に示す冷却装置2は、図1に示すモータジェネレータMG1,MG2のうち少なくともいずれか一方に備えられる。
【0020】
モータジェネレータ22の構成は不図示であるが、モータジェネレータ22は、回転子と、回転子の周囲に配設され、ステータコイルが巻き付けられたステータコアとを有し、回転子及びステータコアがハウジング内に収容されたものである。また、モータジェネレータ22のハウジングには、ステータコア等に冷却油を滴下する冷却油滴下部38と、滴下後の冷却油を溜めるオイルパン36が設けられている。
【0021】
冷却油滴下部38は、冷却油をステータコア等に滴下(噴霧、噴射等)するノズル等により構成される。冷却油が冷却油滴下部38からステータコア等に供給されることにより、ステータコア等が冷却される。本実施形態において、冷却媒体は、冷却油に限られず、冷却水であってもよいし、また、空気のような気体であってもよい。気体を冷却媒体として使用する場合には、モータジェネレータ22に冷却媒体を供給する電動ポンプ24の代わりにファンが用いられる。
【0022】
温度センサ34は、モータジェネレータ22の温度を検出するものであり、モータジェネレータ22に取り付けられている。温度センサ34により検出されたモータジェネレータ22の温度は、ECU30に出力される。
【0023】
配管32aは、モータジェネレータ22のハウジングに形成されたオイルパン36と電動ポンプ24の吸引側(不図示)とを接続するものである。配管32bは、電動ポンプ24の吐出側(不図示)と熱交換器26の入口(不図示)とを接続するものである。配管32cは、熱交換器26の出口(不図示)とモータジェネレータ22のハウジングに形成された冷却油滴下部38とを接続するものである。
【0024】
ECU30は、電動ポンプ24と電気的に接続されており、作動開始信号及び作動停止信号が電動ポンプ24に出力される。電動ポンプ24の作動時の冷却油の流れについて説明する。ECU30により冷却装置の作動開始信号が、電動ポンプ24に出力されると、電動ポンプ24の作動が開始される。電動ポンプ24の作動により、モータジェネレータ22のオイルパン36内に貯留された冷却油が循環路32a,32bを通り、熱交換器26に供給される。供給された冷却油は、熱交換器26により外気と熱交換して冷却され、熱交換器26から排出される。排出された冷却油は循環路32cを通り、モータジェネレータ22の冷却油滴下部38から、ステータ等に滴下され、モータジェネレータ22が冷却される。そして、ステータ等に滴下された冷却液は、オイルパン36に収容される。このように、冷却油は冷却装置2内を循環する。
【0025】
また、ECU30は、第1の走行モード(例えば、通常走行モード)と、運転者のアクセル操作に対する駆動力の特性を第1の走行モードよりも高駆動力の特性とした第2の走行モード(例えば、スポーツ走行モード、エコノミー走行モード等)とを切り替えることができるパワースイッチ28と電気的に接続されている。例えば、パワースイッチ28が運転者等によりONにされると、パワースイッチ28から第2の走行モード信号(スポーツ走行モード信号、エコノミー走行モード信号等)がECU30に出力される。すなわち、ECU30により、第2の走行モード信号(スポーツ走行モード信号、エコノミー走行モード信号)が検出されれば、第2の走行モード(スポーツ走行モード、エコノミー走行モード)であると判定され、第2の走行モード信号が検出されなければ、第1の走行モードであると判定される。
【0026】
第2の走行モードは、第1の走行モード時の運転者のアクセル操作に対する駆動力の特性より高駆動力の特性として設定されるものであるため、モータジェネレータ22には高い負荷が掛けられることとなる。すなわち、第2の走行モード時では、第1の走行モード時と運転者のアクセル操作が同じ(例えば、アクセル開度が同じ)でも高駆動力特性となるように、モータジェネレータ22には、第1の走行モードより高い要求トルクが設定されることとなる。そして、ECU30により、設定された要求トルク値に見合う負荷が、図1に示すインバータ12,14を介してモータジェネレータMG1,MG2に出力される。このように、モータジェネレータ22に高負荷が掛かる第2の走行モードでは、第1の走行モードよりモータジェネレータ22の発熱による温度上昇率は高くなる。
【0027】
本実施形態の冷却装置は、上記走行モードを考慮して、適切にモータジェネレータを冷却することができるものである。以下に、本実施形態の冷却装置の動作について説明する。
【0028】
図3は、本実施形態に係る冷却装置の動作を説明するためのフロー図である。冷却装置の動作については、図2に示す冷却装置2を用いて説明する。
【0029】
ステップS10では、モータジェネレータ22に取り付けられた温度センサ34により、モータジェネレータ22の温度Tが検出される。次に、ステップS12では、ECU30により、パワースイッチ28がONにされているか否かが検出される。パワースイッチ28がONにされていなければ、ECU30により第1の走行モードであると判定される。ECU30により第1の走行モード(通常走行モード)であると判断されれば、ステップS14において、温度センサ34により検出されたモータジェネレータ22の温度Tが予め設定した温度閾値以上であるか否かが、ECU30により判定される。
【0030】
ここで、図1に示すようにモータジェネレータが複数使用される場合であっても、少なくともいずれか1つのモータジェネレータに対する温度閾値が設定されていればよい。すなわち、例えば、モータジェネレータMG1に対して温度閾値を90℃に設定し、温度センサ34により検出されたモータジェネレータMG1の温度が90℃以上であるか否かがECU30により判定される。また、例えば、モータジェネレータMG2に対して温度閾値を100℃に設定し、温度センサ34により検出されたモータジェネレータMG2の温度が100℃以上であるか否かがECU30により判定されるものであってもよい。さらに、例えば、モータジェネレータMG1に対して温度閾値を70℃、モータジェネレータMG2に対して温度閾値を100℃に設定し、温度センサ34により検出されたモータジェネレータMG1,MG2の温度がそれぞれ、上記温度閾値以上であるか否かがECU30により判定されるものであってもよい。
【0031】
予め設定される温度閾値は、パワースイッチがOFF時の走行、すなわち通常走行モード(モータジェネレータに高い負荷が掛からない走行)において、モータジェネレータの運転効率(回転効率、発電効率)を維持するために、冷却装置を作動させる必要がある温度であり、適宜設定されるものである。
【0032】
温度センサ34により検出されたモータジェネレータ22の温度Tが予め設定した温度閾値以上であるとECU30により判定された場合、ステップS16に進み、電動ポンプ24を作動させる。その後、処理は終了する。また、モータジェネレータ22の温度Tが予め設定した温度閾値未満であるとECU30により判定された場合、再度ステップS10の処理に戻される。
【0033】
また、ステップS12において、ECU30により、パワースイッチ28がONにされているか否かが検出され、パワースイッチ28がONにされていれば、ECU30により第2の走行モード(スポーツ走行モード、エコノミー走行モード等)であると判定される。ECU30により第2の走行モードであると判断されれば、温度センサ34により検出されたモータジェネレータ22の温度Tが予め設定した温度閾値以上であるか否かを判定することなく、ステップS16に進み、電動ポンプ24を作動させる。その後、処理は終了する。
【0034】
以上のように、本実施形態の冷却装置では、運転者のアクセル操作に対する駆動力の特性を第1の走行モードよりも高駆動力の特性とした第2の走行モードが設定された場合に、モータジェネレータの温度が電動ポンプを作動させる温度閾値未満であっても、電動ポンプを作動させ、モータジェネレータに冷却油を供給する。これにより、第2の走行モード時のモータジェネレータの冷却効率を高めることができるため、モータジェネレータに高負荷が掛かっても、モータジェネレータの負荷増加に伴う過熱を抑制することができる。
【0035】
図4は、本実施形態に係る冷却装置の動作の他の一例を説明するためのフロー図である。冷却装置の動作については、図2に示す冷却装置2を用いて説明する。
【0036】
ステップS20では、モータジェネレータ22に取り付けられた温度センサ34により、モータジェネレータ22の温度Tが検出される。次に、ステップS22では、ECU30により、パワースイッチがONにされているか否かが検出される。パワースイッチ28がONにされていなければ、ECU30により第1の走行モードであると判定される。ECU30により第1の走行モードであると判断されれば、ステップS24において、温度センサ34により検出されたモータジェネレータ22の温度Tが予め設定した第1温度閾値以上であるか否かがECU30により判定される。第1温度閾値は、上記でも説明したように、モータジェネレータが複数使用される場合であっても、少なくともいずれか1つのモータジェネレータに対する温度閾値が設定されていればよい。例えば、モータジェネレータMG1に対して第1温度閾値を設定(例えば、90℃)してもよいし、モータジェネレータMG2に対して第1温度閾値を設定(例えば、100℃)してもよいし、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2それぞれに対して第1温度閾値(例えば、モータジェネレータMG1に対して70℃、モータジェネレータMG2に対して100℃)を設定してもよい。
【0037】
第1温度閾値は、パワースイッチがOFF時の走行、すなわち通常走行モード(モータジェネレータに高い負荷が掛からない走行)において、モータジェネレータの運転効率(回転効率、発電効率)を維持するために、冷却装置を作動させる必要がある温度であり、適宜設定されるものである。
【0038】
温度センサ34により検出されたモータジェネレータ22の温度Tが第1温度閾値以上であるとECU30により判定された場合、ステップS26に進み、電動ポンプ24を作動させる。また、モータジェネレータ22の温度Tが第1温度閾値未満であるとECU30により判定された場合、再度ステップS20の処理に戻される。
【0039】
ステップS22において、ECU30により、パワースイッチ28がONにされているか否かが検出され、パワースイッチ28がONにされていれば、ECU30により第2の走行モード(スポーツ走行モード、エコノミー走行モード等)であると判定される。ECU30により第2の走行モードであると判断されれば、ステップS25に進み、温度センサ34により検出されたモータジェネレータ22の温度Tが第2温度閾値以上であるか否かがECU30により判定される。第2温度閾値は、第1温度閾値より低い温度閾値となるように設定されている。また、第2温度閾値も第1温度閾値と同様に、モータジェネレータが複数使用される場合であっても、少なくともいずれか1つのモータジェネレータに対する温度閾値が設定されていればよい。第1温度閾値がモータジェネレータMG1に対して90℃に設定されている場合、例えば、第2温度閾値はモータジェネレータMG1に対して60℃に設定される。また、第1温度閾値がモータジェネレータMG2に対して100℃に設定されている場合、例えば、第2温度閾値はモータジェネレータMG2に対して80℃に設定される。さらに、第1温度閾値がモータジェネレータMG1に対して70℃、モータジェネレータMG2に対して100℃に設定されている場合、例えば、第2温度閾値はモータジェネレータMG1に対して40℃、モータジェネレータMG2に対して80℃に設定される。
【0040】
第2温度閾値は、第1温度閾値より低い温度閾値となるように設定されていればよいが、パワースイッチがON時の走行、すなわちスポーツ走行モード、エコノミー走行モード等(モータジェネレータに高い負荷が掛かる走行)において、モータジェネレータの運転効率(回転効率、発電効率)を維持するために、冷却装置を作動させる必要がある温度に設定されることが好ましい。
【0041】
温度センサ34により検出されたモータジェネレータ22の温度Tが第2温度閾値以上であるとECU30により判定された場合、ステップS26に進み、電動ポンプ24を作動させる。その後、処理は終了する。また、モータジェネレータ22の温度が第2温度閾値未満であるとECU30により判定された場合、再度ステップS20の処理に戻される。
【0042】
以上のように、本実施形態の冷却装置では、運転者のアクセル操作に対する駆動力の特性を第1の走行モードよりも高駆動力の特性とした第2の走行モードが設定された場合に、第1の走行モード時に設定される第1温度閾値より低い第2温度閾値に基づいて、電動ポンプを作動させ、モータジェネレータに冷却油を供給する。これにより、第2の走行モード時のモータジェネレータの冷却効率を高めることができるため、モータジェネレータに高負荷が掛かっても、モータジェネレータの負荷増加に伴う過熱を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態に用いられる車両の駆動装置の構成の一例を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係る冷却装置の構成の一例を示す模式図である。
【図3】本実施形態に係る冷却装置の動作を説明するためのフロー図である。
【図4】本実施形態に係る冷却装置の動作の他の一例を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0044】
1 駆動装置、2 冷却装置、12,14 インバータ、16 昇圧コンバータ、18車輪、20 駆動軸、22 モータジェネレータ、24 電動ポンプ、26 熱交換器、28 パワースイッチ、32a,32b,32c 配管、34 温度センサ、36 オイルパン、38 冷却油滴下部、ENG エンジン、MG1,MG2 モータジェネレータ、PSD 動力分割機構、RD 減速機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された電動機に冷却媒体を供給する供給手段と、前記供給手段の作動を制御する制御手段と、第1の走行モードと運転者のアクセル操作に対する駆動力の特性を前記第1の走行モードよりも高駆動力の特性とした第2の走行モードとを切り替えるための切替スイッチの操作を検出する切替スイッチ操作検出手段と、を有し、
前記検出された切替スイッチの操作により、前記第1の走行モードが設定された場合には、前記制御手段は、前記電動機の温度が予め設定した温度閾値以上である時に、前記供給手段を作動させ、
前記検出された切替スイッチの操作により、前記第2の走行モードが設定された場合には、前記制御手段は、前記電動機の温度が前記温度閾値未満であっても、前記供給手段を作動させることを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
車両に搭載された電動機に冷却媒体を供給する供給手段と、前記供給手段の作動を制御する制御手段と、第1の走行モードと運転者のアクセル操作に対する駆動力の特性を前記第1の走行モードよりも高駆動力の特性とした第2の走行モードとを切り替えるための切替スイッチの操作を検出する切替スイッチ操作検出手段と、を有し、
前記検出された切替スイッチの操作により、前記第1の走行モードが設定された場合には、前記制御手段は、前記電動機の温度が予め設定した第1温度閾値以上である時に、前記供給手段を作動させ、
前記検出された切替スイッチの操作により、前記第2の走行モードが設定された場合には、前記制御手段は、前記電動機の温度が前記第1温度閾値より低い第2温度閾値以上である時に、前記供給手段を作動させることを特徴とする冷却装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−292319(P2009−292319A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148090(P2008−148090)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】