説明

出入管理システム

【課題】禁止原因区域への出入に応じて禁止対象区域への進入を適切に制限する。
【解決手段】禁止対象区域および禁止原因区域を含む複数区域での利用者の出入を管理する出入管理システムにおいて、複数区域の各出入部に設けられ利用者の識別コードを取得する複数のコード取得手段と、禁止対象区域への進入が禁止状態にある利用者を記憶する禁止状態記憶手段と、禁止原因区域への進入時にコード取得手段が利用者の識別コードを取得すると当該利用者を禁止状態に設定登録するとともに、禁止原因区域からの退出時にコード取得手段が利用者の識別コードを取得してから所定の禁止時間が経過すると当該利用者の禁止状態を解除する禁止設定手段と、禁止対象区域への進入時にコード取得手段が利用者の識別コードを取得したとき、当該利用者が禁止状態か否かに基づいて通行の許否を判定する通行判定手段と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者による複数区域の出入を管理する出入管理システムに関し、特に、利用者の利便性を向上するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、研究開発施設などの各種施設において、セキュリティを確保するために出入管理システムが設置されている。典型的な出入管理システムでは、管理対象の区域の出入口に電気錠が設置される。そして、利用者のカードなどから識別コードを取得し、識別コードの認証が成功すれば、電気錠を解除する。これにより、予め登録された利用者のみが、対象区域への出入を許可される。最近は、セキュリティの高度化の要求に伴い、指紋等のバイオメトリクス情報を識別コードとして用いる技術も実用化されている。
【0003】
また、出入管理システムのさらなる応用例として、特定の区域から退出する利用者に対して、区域の性質に応じて他の特定の区域への進入に制限を加える出入管理システムが提案されている。例えば、下記特許文献に開示された出入管理システムは、微生物実験などを行うために高い清浄性が必要なクリーンルーム、クリーンルームの清浄性を阻害する汚染環境下にある汚染物室を有した施設に適用され、汚染物室から退室した利用者を、汚染レベルが許容レベルに下がるまでの一定時間はクリーンルームへの入室を禁止することで、クリーンルームの汚染を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−193496号公報
【特許文献2】特開2006−97386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の出入管理システムでは、汚染物室を退室した時点からクリーンルームへの入室を一定時間禁止するため、利用者が汚染物室を退室するときに認証操作を怠った場合、その利用者の入室によりクリーンルームが汚染されてしまうおそれがある。また、上記の出入管理システムでは、汚染レベルが異なる複数の汚染物室が存在する施設への適用が想定されていない。
本発明は、上記課題に鑑み、上述のクリーンルームのような規制対象の区域への進入規制を確実に行うことができる出入管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の出入管理システムは、禁止対象区域および禁止原因区域を含む複数区域での利用者の出入を管理する出入管理システムにおいて、前記複数区域の各出入部に設けられ利用者の識別コードを取得する複数のコード取得手段と、前記禁止対象区域への進入が禁止状態にある利用者を記憶する禁止状態記憶手段と、前記禁止原因区域への進入時に前記コード取得手段が利用者の識別コードを取得すると当該利用者を前記禁止状態に設定登録するとともに、前記禁止原因区域からの退出時に前記コード取得手段が利用者の識別コードを取得してから所定の禁止時間が経過すると当該利用者の前記禁止状態を解除する禁止設定手段と、前記禁止対象区域への進入時に前記コード取得手段が利用者の識別コードを取得したとき、当該利用者が前記禁止状態か否かに基づいて通行の許否を判定する通行判定手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、禁止原因区域とは、禁止対象区域への移動が禁止されるべき禁止原因を有する区域である。また、禁止時間は、その経過により禁止原因が無くなるように予め適当に設定される。例えば、禁止対象区域は汚染物の混入により影響を受ける微生物室などであり、禁止原因区域は区域内の利用者に汚染物が付着する汚染物室であり、禁止時間は汚染物室を退室した利用者の汚染レベルが許容レベルへ低下するまでに要する時間である。
【0007】
かかる構成によれば、利用者が禁止原因区域に進入した時点で、その利用者が禁止状態記憶手段に禁止利用者として登録されて、禁止状態が設定される。そして、利用者が禁止原因区域から退出し、禁止時間が経過すると、禁止状態記憶手段の登録が削除され、禁止状態が解除される。したがって、禁止原因区域を退出後に禁止対象区域への進入が限定的に規制されるとともに、利用者が自らの識別コードを使用せず他の利用者に共連れして禁止原因区域から退出した場合には、禁止対象区域への進入が経過時間にかかわらず規制される。このようにして、本発明によれば、禁止原因区域に進入した利用者が、汚染レベルが許容レベルへ低下する前に禁止対象区域へ進入することを確実に防ぐことができ、禁止対象区域を保護することができる。
【0008】
また、上記構成において、前記禁止時間は禁止原因区域ごとに予め設定され、前記禁止設定手段は、第一の禁止原因区域からの退出時に前記コード取得手段が利用者の識別コードを取得したとき第二の禁止原因区域にかかる禁止時間を計時中の場合、当該第一の禁止原因区域にかかる禁止時間および当該第二の禁止原因区域にかかる禁止時間の残時間のうち長時間が経過したときに当該利用者の禁止状態を解除する。
かかる構成によれば、禁止時間が異なる複数の禁止状態が登録されている場合には、各禁止状態にかかる禁止状態の残時間が最も長いものが有効に働き、利用者の禁止対象区域への進入を制限する。したがって、ある禁止原因区域への入出により禁止状態である中、別の禁止原因区域への出入が生じた場合でも、利用者の汚染レベルが十分に低下する前に禁止対象区域へ進入されることを確実に防ぐことができる。
【0009】
また、上記構成において、更に、前記通行判定手段が前記禁止状態にある利用者の通行を拒否判定したとき、当該禁止状態の残時間を表示する残時間表示手段を備える。
かかる構成によれば、禁止状態にある利用者が禁止対象区域に進入しようとした際、禁止状態が解除されるまでの残時間を知ることができ、例えばエアシャワー室のような汚染レベルを低下可能な施設を利用するか、禁止時間が経過するまで待つか、禁止対象区域利用の緊急性に応じて適宜判断することができ、利便性が高いシステム運用が可能である。
【0010】
また、上記構成において、更に、前記複数区域は解除原因区域を含み、前記解除原因区域からの退出時に前記コード取得手段が利用者の識別コードを取得すると、当該利用者にかかる前記禁止状態の残時間にかかわらず当該禁止状態を解除する禁止解除手段を備える。
かかる構成によれば、利用者が解除原因区域から退出すると、禁止時間の経過前でも、禁止状態記憶手段の登録が消去されて、禁止状態が解除される。したがって、利用者は、禁止原因区域を利用した後、解除原因区域を利用することで早期に禁止対象区域を利用できる。ここで、禁止解除原因区域とは、例えば、区域内の利用者の汚染レベルを低下させるエアシャワー室である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、禁止原因が解消されていない利用者による禁止対象区域への進入を確実に防ぐことができるとともに、利便性の高いシステム運用が可能な出入管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る出入管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】カードリーダの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】電気錠制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】エリア管理テーブルの一例を示す図である。
【図5】制限設定テーブルの一例を示す図である。
【図6】禁止テーブルの一例を示す図である。
【図7】禁止テーブルの一例を示す図である。
【図8】電気錠制御装置の制御部における禁止テーブルの更新処理を示すフローチャートである。
【図9】電気錠制御装置の制御部における認証制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の出入管理システムの全体構成および管理対象施設における運用イメージを示している。図1の例では、管理対象施設にはエリア(区域)A〜Fが設けられている。エリアAは、高い清浄レベルを保つ必要がある微生物室(クリーンルーム)である。エリアB及びエリアCは、微生物室への混入が不適な汚染物が空気中に存在する汚染物室である。エリアDは、利用者に付着した汚染物をエアシャワーによって除去するためのエアシャワー室である。また、エリアEは、エリアA〜D間を移動するための共用通路であり、エリアFは建物外である。
【0014】
本実施形態の出入管理システムでは、通常はエリアA(微生物室)への入室が許可される。ただし、エリアBまたはエリアC(汚染物室)に入室した場合は、該エリアから出た後、利用者に付着した汚染物がエリアAに影響しない一定レベルまで低下するのに必要な所定の禁止時間が経つまで、その利用者のエリアAへの入室が禁止される。また、禁止時間の経過前でも、エリアD(エアシャワー室)を通ればエリアAへの入室禁止状態がキャンセルされる。
【0015】
ここで、エリアAは、エリアB及びエリアCに入室した利用者の進入が禁止される区域であり、本発明の禁止対象区域に相当する。エリアB及びエリアCは、エリアAへの進入禁止の発生原因を有する区域であり、本発明の禁止原因区域に相当する。また、エリアDは、エリアAへの進入禁止の解除原因を有する区域であり、本発明の解除原因区域に相当する。
【0016】
図1において、エリアAの出入口(エリアAとエリアEの境界)には電気錠付き扉D1と2つのカードリーダCR01、CR02が設けられている。電気錠付き扉D1は、エリア間の移動を物理的に規制する仕切りであり、カードリーダCR01・CR02は、管理対象施設に出入りする利用者が所持するIDカードから識別コードを読み取る装置である。カードリーダCR01は、エリアAの外側に設けられ、エリアAへの入室時に使用される。一方、カードリーダCR02は、エリアAの内側に設けられ、エリアAからの退出時に使用される。電気錠付き扉D1及びカードリーダCR01・CR02は電気錠制御装置M1と接続されており、電気錠制御装置M1は壁面等の適当な場所に設置されている。
【0017】
他のエリアの出入口にも、同様に、電気錠付き扉、カードリーダ及び電気錠制御装置が設けられている。すなわち、エリアBの出入口(エリアBとエリアEの境界)には、電気錠付き扉D2とカードリーダCR03・CR04が設置されており、これらが電気錠制御装置M2と接続されている。エリアCの出入口(エリアCとエリアEの境界)には、電気錠付き扉D3とカードリーダCR05・CR06が設置されており、これらが電気錠制御装置M3と接続されている。エリアDの出入口(エリアDとエリアEの境界)には、電気錠付き扉D4とカードリーダCR07・CR08が設置されており、これらが電気錠制御装置M4と接続されている。さらに、エリアEとエリアFの境界には、電気錠付き扉D5とカードリーダCR09、CR10が設置されており、これらは電気錠制御装置M5と接続されている。
【0018】
以下の説明では、電気錠付き扉D1〜D5を総称するときは電気錠付き扉Dといい、カードリーダCR01〜CR10を総称するときはカードリーダCRといい、電気錠制御装置M1〜M5を総称するときは、電気錠制御装置Mという。
【0019】
次に、本実施形態の出入管理システムの各構成要素について説明する。
電気錠付き扉Dは電気錠を備えており、電気錠は通常時は施錠状態に維持され、電気錠制御装置Mから解錠信号を受けた場合に所定時間だけ解錠される。利用者が所持しているIDカードに記憶されている識別コードをカードリーダCRに読み取らせるまでは、電気錠が解錠されず、利用者はエリア間を移動できない。利用者がカードリーダCRに識別コードを読み取らせると、カードリーダCRから電気錠制御装置Mに識別コードが送られる。電気錠制御装置Mで識別コードが照合され、認証が成功すれば電気錠が解錠される。
【0020】
図2は、カードリーダCRの構成を示す機能ブロック図である。カードリーダCRは、MPU等から構成される制御部10と、各カードリーダCRを識別するアドレスコード、処理プログラム、各種パラメータ、データなどを記憶する記憶部12と、電気錠制御装置Mと通信するための通信インタフェース14と、IDカードに記憶されている利用者の個人識別情報である識別コードを読み取る読取部16と、液晶モニタ、LED等で構成される表示部18とを備えている。
【0021】
制御部10は、読取部で読み取った利用者の識別コードが入力されると、入力された識別コードを、自身を識別するためのアドレスコードとともに、認証要求情報として通信インタフェース14を介し電気錠制御装置Mに送信する。
なお、IDカードは、磁気カード、ICカードまたは無線カード(送信機)等のいずれでもよい。システムの利便性の観点からは、IDカードは非接触式のカードであることが好ましい。
【0022】
図3は、電気錠制御装置Mの構成を示す機能ブロック図である。電気錠制御装置Mは、MPU等から構成される制御部20と、時間計測を行う機能を有する計時部22と、各電気錠制御装置Mを識別するアドレスコード、管理情報、処理プログラム、各種パラメータ、データ等を記憶する記憶部24と、管理対象のカードリーダCRや電気錠と通信を行うとともに他の電気錠制御装置Mと通信を行う通信インタフェース26と、電気錠付き扉Dの施錠及び解錠を制御する電気錠制御部28とを備えている。なお、本発明の禁止設定手段、禁止解除手段および通行判定手段の機能は、制御部20の処理によって実現される。
【0023】
電気錠制御装置Mの記憶部24には、管理情報として、(1)資格テーブル、(2)エリア管理テーブル、(3)制限設定テーブル、(4)禁止テーブルが記憶されている。
資格テーブルは、各カードリーダCRの操作が許容された利用者の識別コードを記録したテーブルである。資格テーブルは、カードリーダCRで読み取られた識別コードの照合に利用される。
【0024】
エリア管理テーブルは、図4に示されるように、各カードリーダCRを管理する各電気錠制御装置Mのアドレスコードと、各カードリーダCRのアドレスコードと、カードリーダCRが設置されているエリアである移動元エリアと、カードリーダCRに対応する電気錠と、カードリーダCRを操作した後の移動先エリアとを対応付けるテーブルである。移動先エリアは、カードリーダCRに対応する電気錠付き扉Dによって通行が規制されるエリアともいえる。なお、エリア管理テーブルの内容は、入出対象のエリア、該エリアへの進入か退出か、をカードリーダCRおよび電気錠Dと対応付けされていればよく、図4のデータ構成に限定されない。
【0025】
また、本実施の形態では、各電気錠制御装置Mは、図4のうちで自身の制御対象に関するテーブルを記憶している。例えば、電気錠制御装置M1は、図4のうち、カードリーダCR1、CR2についてのテーブルを記憶している。ただし、各電気錠制御装置Mが、他の電気錠制御装置Mの制御対象を含むシステム全体の情報を記憶していてもよい。後述する図5の制限設定テーブル、図6の禁止テーブルについても同様である。
【0026】
制限設定テーブルは、制限情報として、特定のエリア(禁止原因区域・解除原因区域)への進入/退出と、これに応じて進入を禁止または解除する所定のエリア(禁止対象区域)とを対応付けた情報を持つ。図5は、制限設定テーブルの一例を示している。図5に示されるように、制限設定テーブルは、操作対象のカードリーダCR(原因カードリーダ)のアドレスコードと、制限対象のカードリーダCR(対象カードリーダ)のアドレスコードと、制限の種別(禁止/解除)と、禁止時間とが対応付けられたテーブルである。禁止時間とは、禁止原因区域を退出後に禁止対象区域への進入を禁止する時間であり、ここでは、カードリーダCR01で規制されているエリアAに入っても問題がないレベルまで、汚染レベルが低下するのに要する時間である。
【0027】
なお、以下の説明では、制限の種別が「禁止」である原因カードリーダ、対象カードリーダ、禁止時間が対応付けされた情報を禁止情報と呼び、制限種別が「解除」である原因カードリーダ、対象カードリーダ、禁止時間が対応付けされた情報を禁止解除情報と呼ぶ。
電気錠制御装置Mは、この制限設定テーブルを用い、対象カードリーダを管理する電気錠制御装置Mに対して、読み取った利用者の識別コードおよび制限情報を含む制限指示情報を送信する。操作されたカードリーダCRに対応する禁止情報が設定されていれば所定のカードリーダCRの操作を禁止するべく禁止指示情報を送信し、禁止解除情報が設定されていれば既に設定された禁止を解除するべく解除指示情報を送信する。
【0028】
具体的には、汚染物室であるエリアBの電気錠制御装置M2の制限設定テーブルでは、エリアBに対応してエリアAが禁止対象となっている。したがって、エリアBへの進入時および退出時に禁止指示を行うべく、原因カードリーダとしてカードリーダCR03・CR04が、対象カードリーダとしてカードリーダCR01(エリアAへの入室用)が設定されている。そして、制限の種別が「禁止」であり、禁止時間が「10時間」に設定されている。
【0029】
また、エリアBと同様に汚染物室であるエリアCの電気錠制御装置M3の制限設定テーブルでは、電気錠制御装置M2の制限設定テーブルと同様の禁止情報が設定されているが、禁止時間のみ「20時間」に設定されている。これは、エリアCの汚染レベルがエリアBに比べて高く、汚染レベルが許容レベルまで低下するのに要する時間がエリアBに比して長いためである。
また、エリアDの電気錠制御装置M4の制限設定テーブルでは、エリアDに対応してエリアAが禁止解除対象となっている。したがって、エリアDからの退出時に禁止解除指示を行うべく、原因カードリーダとしてカードリーダCR08(エリアDの退室用)が、対象カードリーダとしてカードリーダCR01(エリアAの入室用)が設定され、制限の種別が「解除」となっている。
【0030】
次に、禁止テーブルについて説明する。禁止テーブルは、禁止状態にある利用者(以下、禁止利用者という)を記録するテーブルである。禁止状態とは、所定区域に進入するためのカードリーダCRにおいて、禁止利用者によるIDカードの使用を禁止する状態である。上記の制限設定テーブルが予め設定されるのに対して、禁止テーブルは、制御部20の処理によって逐次書き換えられる。
【0031】
図6は禁止テーブルの一例を示している。禁止テーブルは、禁止利用者の識別コード、禁止対象のカードリーダCR(対象カードリーダ)、禁止原因となった進入/退出が行われた原因エリアを対応付けた禁止データが登録される。また、禁止データには、禁止状態が解除されるまでの残時間を表す禁止残時間、計時部にて禁止時間を計時中であるか否かを示すタイマ状態が含まれる。禁止残時間には、禁止原因区域であるエリアBまたはエリアCへの入退に伴って制限設定テーブルに規定された禁止時間が設定され、退出に伴って計時部で禁止時間がカウント開始されると該カウントに応じて減少していく。
なお、図6の例では、禁止残時間とタイマ状態によって禁止状態が解除されるまでの残りの時間を表現しているが、他の情報を用いてもよく、例えば、制限設定テーブルで規定された禁止時間そのものと、計時部がカウント開始してからの経過時間を用いてもよい。また、禁止残時間を分単位で示しているが、これは便宜上のためであって秒単位で計時・管理されることは勿論である。
【0032】
図6はある時点におけるエリアAの電気錠制御装置M1の禁止テーブルを示しており、利用者X(ID0246)、利用者Y(ID0122)、利用者Z(ID0358)に関する禁止データが登録されている。何れの禁止データも、カードリーダCR01を対象カードリーダとしてており、この場合、利用者X、利用者Y、利用者ZはカードリーダCR01を使ってエリアAに進入できない状態にある。
利用者X(ID0246)に関する禁止データは、原因エリアがエリアB、禁止残時間が「10時間」、タイマ状態が「OFF」となっており、利用者XがエリアBへの進入を検知したが未だ退出を検知しておらず、禁止解除のためのタイマが作動していない状況である。一方、利用者Y(ID0122)および利用者Z(ID0358)に関する禁止データは、それぞれ、原因エリアがエリアC、禁止残時間が「3時間56分」「11時間35分」、タイマ状態が「ON」となっており、利用者Y、利用者ZがエリアDからの退出を検知してタイマが作動し、一定の時間が経過した状況である。
【0033】
以上に、電気錠制御装置Mの記憶部24に記憶される管理用の各種テーブルについて説明した。制御部20は、これらテーブルを用いて、禁止テーブルの更新処理および認証制御処理を実行する。以下、制御部における各制御処理について、図8及び図9のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
まず、制御部20における禁止テーブルの更新処理について説明する。図8は、禁止テーブルの更新処理を示すフローチャートである。
制御部20は、他の電気錠制御装置Mから制限指示情報を受信したとき本処理を開始する。なお、以下の更新処理を実行中に他の制限指示情報を受信した場合、並行して複数の更新処理を実行する。
【0035】
まず制御部20は、受信した制限指示情報に含まれる制限種別に基づき、禁止指示情報であるか解除指示情報であるかを判定する(S100)。解除指示情報であった場合は(S100のNo)、利用者がエアシャワー室(エリアD)から退出し汚染レベルが許容レベル以下になった状態であるため、その利用者に関する禁止状態を解除して微生物室(エリアA)に進入可能にする。そこで制御部20は、禁止テーブルに解除指示情報で特定される利用者に関する禁止データが登録されているか否かを判定し(S102)、登録されている場合は禁止データを削除する(S104)。禁止データが複数登録されている場合は、その利用者に関する全ての禁止データを削除する。
【0036】
一方、受信した制御指示情報が禁止指示情報であった場合は(S100のYes)、利用者が汚染物室(エリアBまたはエリアC)に出入し汚染された状態であるため、進入か退出かに応じてその利用者に関する禁止状態を設定登録または更新する。制御部20は、禁止指示情報に含まれる原因カードリーダのアドレスコードに基づいて禁止原因エリアへの進入であるか退出であるかを識別する(S106)。禁止原因エリアへの進入と認識したときは、禁止指示情報で特定される利用者に関する禁止データを新たに禁止テーブルへ登録する(S108)。禁止データの登録に際し、原因エリアには原因カードリーダの移動先にあたるエリアが登録される。また、禁止残時間には禁止指示情報で指定された禁止時間が登録され、タイマ状態はOFFとする。このとき、利用者および禁止原因エリアが同一の禁止データ(タイマ状態がONのものも含む)が存在する場合は、禁止データを上書き登録する。また、利用者が同一であっても禁止原因エリアが異なる禁止データが存在する場合は、上書き登録せずに別途禁止データを新規登録する。
【0037】
また制御部20は、S106において禁止原因エリアからの退出と認識したときは、その禁止原因エリアへの進入による禁止データが禁止テーブルに登録されているか否か判定する(S110)。つまり、利用者、原因エリアが同一であって、タイマ状態がOFFの禁止データがあるか否かを判定する。該当する禁止データが存在ない場合は、その禁止原因エリアへの進入時に利用者がカード認証操作を怠り他者の共連れにより進入した場合であり、S108と同様、禁止テーブルに禁止データを新規登録する。
S110において該当する禁止データがあると判定した場合、或いはS112で新たに禁止データを登録した後は、計時部22に禁止時間を計時開始させる(S114)。すなわち、禁止原因エリアである汚染物室(エリアBまたはエリアC)から退出した時点からの時間経過に伴い、禁止残時間をカウントする。そして、禁止データ上のタイマ状態をONに更新するとともに、計時部22から得られる経過時間情報に応じて禁止残時間を逐次書き換えていく。
【0038】
続いて制御部20は、利用者が禁止原因エリアから退出して禁止時間が経過して禁止残時間が0になるまでの間に、別途解除指示情報を受信したことによりS104の処理が実行されて該利用者の禁止データが削除されたか否かを判定する(S116〜S118)。 禁止時間の計時中に禁止解除処理が行われた場合は(S116のYes)、当該利用者は禁止状態ではなくなったため、処理を終了する。
一方、禁止解除処理が行われることなく禁止時間が経過し禁止残時間が0になった場合は(S118のYes)、この禁止原因エリアの入出による汚染物の影響はなくなったと見做せるため、当該禁止データのみを削除して処理を終了する。これにより、当該利用者に関する他の禁止データが登録されていなければ、この利用者の禁止状態は解消されたことになるため、以降再び汚染物室(エリアB又はエリアC)に入出するまでは微生物室(エリアA)への入室が可能な状態となる、
【0039】
次に、制御部20における認証制御処理について説明する。図9は、利用者の認証要求により実行する認証制御処理を示すフローチャートである。
利用者がカードリーダCRにIDカードを翳しカードリーダが識別コードを読み取ると、カードリーダCRから電気錠制御装置MにカードリーダCRのアドレスコード及び読み取った識別コードを含む認証要求情報が転送される。制御部20は、管理対象のカードリーダCRより認証要求情報を受信すると本処理を開始する。
【0040】
まず制御部20は、認証要求情報に含まれる識別コードに基づき、認証要求している利用者の通行資格を確認する(S200)。ここでは、受信した識別コードを、記憶部24に記憶されている資格テーブルと照合する。そして、受信された識別コードと一致する識別コードが資格テーブルに登録されていない場合は、認証結果をNGとする。この場合、電気錠は解錠せず、通信インタフェース26を介してカードリーダCRに認証結果を送り、カードリーダCRの表示部18に認証結果(認証NG表示)を出力させる(S202)。
【0041】
ステップS200で、受信された識別コードが、資格テーブル中の識別コードと一致した場合は、続いて、認証要求している利用者が禁止状態にあるか否かを判定する(S204)。ここでは、記憶部24の禁止テーブルを参照し、受信した識別コードおよび認証要求対象のカードリーダCR(対象カードリーダ)に関する禁止データが登録されているか否かを判定する。
制御部20は、禁止状態ではないと判定した場合は、認証結果をOKとする。この場合、電気錠制御部28にて電気錠付き扉Dへ解錠信号を送信して電気錠を解錠するとともに、通信インタフェース26を介してカードリーダCRに認証結果を送り、カードリーダCRの表示部18に認証結果(認証OK表示)を出力させる(S206)。電気錠付き扉Dでは、解錠信号に従い電気錠が解錠される。
【0042】
次に制御部20は、カードリーダCRに対応して禁止または禁止解除すべき制限対象のカードリーダCRが有るか否かを判定する(S208)。ここでは、記憶部24の制限設定テーブル中に、認証要求対象のカードリーダCRを原因カードリーダとする制限情報が設定されているか否かを判定する。制限情報が無ければ、一連の認証制御処理を終了する。
制限情報が有る場合、制御部20は、制限種別が禁止または解除のいずれであるかによって、制限情報が禁止情報を示しているか禁止解除情報を示しているかを判定する(S210)。
【0043】
制限情報が禁止情報を示していれば、制御部20は、禁止情報で特定される対象カードリーダを管理する電気錠制御装置Mに対し、当該利用者の識別コードを含む禁止指示情報を送信して処理を終了する(S212)。図5に示した制限設定テーブルを例に、IDカードを持つ利用者が汚染物室であるエリアBに進入した場合について説明する。電気錠制御装置M2は、認証要求情報の送信元のカードリーダCR03に関して、制限設定テーブルに禁止情報が設定されていることを確認する。そして、対象カードリーダであるカードリーダCR01を管理する電気錠制御装置M1に対して禁止指示情報を送る。送信先の電気錠制御装置Mの特定の際は、エリア管理テーブルを参照すればよい。なお、制限設定テーブルに対象カードリーダを管理する電気錠制御装置Mを予め記憶させておいてもよい。また、利用者がエリアBから退出した場合も同様に、電気錠制御装置M1に禁止指示情報を送信するが、原因カードリーダがカードリーダCR04となる点で進入時の禁止指示情報とは異なる。図8の禁止テーブル更新処理にて説明したが、送信先の電気錠制御装置Mでは、退出に伴う禁止指示情報に基づいて禁止時間の計時をスタートさせる。このため、退出時に送信される禁止指示情報は、いわば禁止時間の計時開始指示情報とも言える。
【0044】
一方、S210において、制限情報が禁止解除情報を示していれば、該当する電気錠制御装置Mに対して、当該利用者の識別コードを含む解除指示情報を送信して処理を終了する(S214)。図5に示した制限設定テーブルを例に、IDカードを持つ利用者が汚染物室であるエリアDから退出した場合について説明する。電気錠制御装置M4は、認証要求情報の送信元のカードリーダCR08に関して、制限設定テーブルに禁止解除情報が設定されていることを確認する。そして、対象カードリーダであるカードリーダCR01を管理する電気錠制御装置M1に対して解除指示情報を送る。
なお、上述したように、S212で送信された禁止指示情報またはS214で送信された解除指示情報を受け取った電気錠制御装置Mにて、図8の禁止テーブル更新処理が実行される。
【0045】
制御部20は、S204の判定処理において、受信した識別コードおよび認証要求対象のカードリーダCR(対象カードリーダ)に関する禁止データが禁止テーブルに登録されており、その利用者は禁止状態であると判定した場合は(S204のYes)、認証結果をNGとする。続いて、該当する禁止データが複数登録されているか否かを判定する(S216)。ここでは、禁止テーブルにおいて、原因エリアが異なる複数の禁止データが存在するか否かを判定する。
【0046】
そして、複数の禁止データが登録されている場合は、禁止残時間が最長の禁止データを選択し(S218)、選択した禁止データの禁止残時間とともに認証結果をカードリーダCRに送り、カードリーダCRの表示部18に認証結果(認証NG表示)および禁止残時間を出力させる(S220〜S222)。なお、利用者がいずれかの禁止データで禁止時間を計時開始していない(タイマ状態がOFF)場合は、残時間を表示せず、退出データ無しのエラーメッセージを表示させてもよい。これは原因エリアにおいて退出時の認証操作を怠った場合であり、汚染物室を退出してからの経過時間が不明であるためである。この場合、利用者は認証操作を怠ったカードリーダCRにて認証操作をやり直すか、システム管理者に事情を説明して禁止データを手動で削除してもらうことになる。
一方、1つの禁止データのみ登録されている場合は(S216のNo)、該禁止データの禁止残時間とともに認証結果を送信し、カードリーダCRにて認証結果および禁止残時間を出力させる(S220〜S222)。
【0047】
S216〜S222の処理について、図7を参照し、具体例をもって説明する。図7(a)は、図6に示した禁止テーブルの時点、つまり利用者Z(ID0358)が既に汚染物室であるエリアCへの入出により禁止データ1が登録されている状況で、同利用者Zが別の汚染物室であるエリアBに進入した時点での禁止テーブルを示している。利用者Z(ID0358)に着目すると、エリアCにかかる禁止データ1は禁止残時間が「11時間35分」、エリアBにかかる禁止データ2は未だ禁止時間の計時が開始されていない。したがって、この時点では、禁止データ1および禁止データ2のどちらが先に禁止時間が満了するか不明である。
【0048】
図7(b)は、図7(a)の時点から4時間後に利用者ZがエリアBから退出し、更に2時間が経過した時点での禁止テーブルを示している。図7(a)の時点から合計6時間が経過しているため、禁止データ1の禁止残時間は「5時間35分」まで進んでいる。一方、禁止データ2では、エリアBからの退出後はまだ2時間しか経過していないため、禁止残時間は「8時間00分」までしか進んでいない。このように、複数の禁止データが登録されている場合は、それぞれの退出タイミングによって何れの禁止データが後まで有効となるかが変わってくる。
【0049】
そこで制御部20は、S216の判定処理で複数の禁止データが登録されていると判定した場合、図7(b)の時点では禁止残時間が長い禁止データ2を選択し、利用者Zに対して禁止状態の残時間が「8時間00分」である旨、カードリーダCR01にて報知させる。これによって、利用者Zは、微生物室であるエリアAに進入可能となるまでの残時間を正確に知ることができ、エアシャワー室(エリアD)を利用して禁止状態を解除させるか禁止時間の満了まで待つかといった、対応を検討することができる。
【0050】
以上に説明したように、本実施形態の出入管理システムによれば、利用者が禁止原因区域である汚染物室(エリアB及びエリアC)に進入した時点で禁止対象区域である微生物室(エリアA)への進入が禁止され、汚染物室から退出した時点で汚染レベルが許容レベルに低下するまでの禁止時間を計時開始し、禁止時間の経過後に微生物室への進入禁止を解除する。このため、仮に利用者が汚染物室から退出する際に他の利用者の認証操作に便乗して共連れ退出したことで、システムが利用者の汚染レベルを把握できない状況となっても、その利用者が微生物室へ入ることが経過時間にかかわらず禁止されるため、微生物室が汚染されることを防ぐことができる。
【0051】
また、禁止時間が異なる複数の汚染物室が存在する環境下においても、それぞれの汚染物室への出入による禁止残時間が最も長い禁止データが有効に働いて微生物室への進入を禁止するため、利用者の汚染レベルが十分に低下する前に微生物室に入室されることを確実に防止可能である。
さらに、禁止状態にある利用者が微生物室へ入ろうとしたとき、最長の禁止残時間、つまり真に利用者の汚染レベルが低下して微生物室への進入が許容されるまでの時間を当該利用者に報知するため、残りどの程度の時間で禁止状態が解消されるかを正確に知ることができる。したがって、微生物室の利用の緊急性に応じて、エアシャワー室を利用するか禁止時間の経過を待つかを利用者が適宜選択することができ、利便性の高いシステム運用が可能である。
【0052】
なお、上述の実施形態では、各出入部に電気錠制御装置Mを設ける分散型の出入管理システムについて説明したが、1つの電気錠制御装置Mで集中管理を行うシステム構成とすることもできる。この場合、集中管理用の電気錠制御装置が、全電気錠付き扉D1〜D5及び全カードリーダCR01〜CR10と接続され、全区域の管理用のテーブルを記憶し、それらテーブルを使った制御処理を行う。これにより、制御装置間の通信及び関連処理を削減できる。
【0053】
また、上述の実施形態では、カードリーダCRを本発明のコード取得手段として構成させているが、コード取得手段は、カード以外の対象からコードを取得する構成としてもよい。例えば、コード取得手段は、個人の指紋、掌紋、声紋、虹彩等のバイオメトリクス情報を取得する装置であってもよい。取得されたバイオメトリクス情報は、個人を識別する識別コードとして処理される。このとき、バイオメトリクス情報が適当なコードに変換されてよいことはもちろんである。また、複数のコード取得手段が併用されてもよい。例えば、IDカードの識別コードと、識別コードとしてのバイオメトリクス情報とが併用されてもよい。この場合、カードリーダCRと共に指紋読取装置等が設けられる。
【符号の説明】
【0054】
D1〜D5 電気錠付き扉、CR1〜CR8 カードリーダ、10 制御部、12 記憶部、14 通信インタフェース、16 読取部、18 表示部、M1〜M5 電気錠制御装置、20 制御部、22 計時部、24 記憶部、26 通信インタフェース、28 電気錠制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
禁止対象区域および禁止原因区域を含む複数区域での利用者の出入を管理する出入管理システムにおいて、
前記複数区域の各出入部に設けられ利用者の識別コードを取得する複数のコード取得手段と、
前記禁止対象区域への進入が禁止状態にある利用者を記憶する禁止状態記憶手段と、
前記禁止原因区域への進入時に前記コード取得手段が利用者の識別コードを取得すると当該利用者を前記禁止状態に設定登録するとともに、前記禁止原因区域からの退出時に前記コード取得手段が利用者の識別コードを取得してから所定の禁止時間が経過すると当該利用者の前記禁止状態を解除する禁止設定手段と、
前記禁止対象区域への進入時に前記コード取得手段が利用者の識別コードを取得したとき、当該利用者が前記禁止状態か否かに基づいて通行の許否を判定する通行判定手段と、
を備えたことを特徴とする出入管理システム。
【請求項2】
前記禁止時間は禁止原因区域ごとに予め設定され、
前記禁止設定手段は、第一の禁止原因区域からの退出時に前記コード取得手段が利用者の識別コードを取得したとき第二の禁止原因区域にかかる禁止時間を計時中の場合、当該第一の禁止原因区域にかかる禁止時間および当該第二の禁止原因区域にかかる禁止時間の残時間のうち長時間が経過したときに当該利用者の禁止状態を解除する、請求項1に記載の出入管理システム。
【請求項3】
更に、前記通行判定手段が前記禁止状態にある利用者の通行を拒否判定したとき、当該禁止状態の残時間を表示する残時間表示手段を備える、請求項1又は2に記載の出入管理システム。
【請求項4】
更に、前記複数区域は解除原因区域を含み、
前記解除原因区域からの退出時に前記コード取得手段が利用者の識別コードを取得すると、当該利用者にかかる前記禁止状態の残時間にかかわらず当該禁止状態を解除する禁止解除手段を備える、請求項1乃至3に記載の出入管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−123800(P2011−123800A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282753(P2009−282753)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】