説明

出勤登録装置および出入管理システム

【課題】社員が正規に出勤している間のみ認証用カードを使用可能とする。
【解決手段】本発明の出勤登録装置は、利用者が出勤する基本時間帯および勤務時間の上限である基本上限時間を示す基本管理情報とを予め記憶した記憶部と、記憶媒体の照合を行う制御部とを有し、記憶部は、基本時間帯以外の時間外出勤を許可する旨および当該時間外出勤にかかる勤務時間の上限である承認上限時間を承認管理情報として登録可能であり、制御部は、入力された承認管理情報を前記登録する承認登録手段と、正規の記憶媒体か否か判定する照合手段と、現時刻が基本時間帯である場合は出勤を許可して記憶媒体に基本上限時間に基づき有効期限を書き込ませ、現時刻が基本時間帯でない場合には承認管理情報が登録されていれば出勤を許可して記憶媒体に承認上限時間に基づき有効期限を書き込ませる判定手段と、を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の出勤時に認証用カードの有効化処理を行う出勤登録装置、および建物への出入や建物内での移動時に認証用カードを用いて通行規制を行う出入管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されているように、建物の入退室管理機能と出退勤管理機能の両機能を備えた入退室管理装置が提案されている。ここで、入退室管理機能とは、建物内への出入または建物内での移動の際に、認証用カードを照合して利用者を認証し、正当な利用者と確認できた場合に扉に設けられた電気錠を解錠する機能であり、認証用カードを所持している利用者のみが入退室や移動が可能にする。他方、出退勤管理機能とは、利用者が会社へ出勤または退勤した時間を管理する機能であり、社員の出退勤状況を会社が管理するために用いる。
【0003】
具体的には、利用者が入退室管理機能を使用する場合、先ず利用者が所持している認証用カードが挿入されると、当該認証用カードから個人情報を読出し、正規の利用者が所持している認証用カードが否かを照合する。その後、認証用カードの照合が正しければ、利用者が入退室管理機能を選択し、入退室条件に合致していれば電気錠を解錠させて、利用者の建物への出入、建物内での移動を許容する。また、認証用カードの照合が正しくない場合または入退室条件を満たさない場合は、電気錠を施錠状態のまま維持して利用者の建物への出入、建物内での移動を規制する。
【0004】
また、利用者が出退勤機能を使用する場合、先ず利用者が所持している認証用カードが挿入されると、当該認証用カードから個人情報を読出し、正規の利用者が所持している認証用カードが否かを照合する。その後、認証用カードの照合が正しければ、利用者が出退勤管理機能を選択し、出勤、退勤、外出などを入力し、利用者の出勤等の種別、現在時刻を記憶する。また、認証用カードの照合が正しくないと、誤ったカードの操作であるのでその旨を表示する。
【0005】
【特許文献1】特開平9-185740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、入退室管理機能と出退勤管理機能は、同一建物における同一人物の行動を管理規制するものであるので、相互に関係が深いものである。具体的には、利用者が出勤しているときは、その利用者が建物内の移動、外出、帰社など自由な入退室を許可する必要があるが、利用者が退勤すると、利用者の不用意な建物内の移動、再入室などを必ずしも許容する必要はない。したがって、利用者が出勤している間に限って認証用カードを有効とするのが望ましい。
【0007】
また、利用者であってもいつでも出勤可能とし、自由に建物へ入館できるようにしてしまうことは、セキュリティの面で好ましくない。よって、通常の勤務日である平日の日中のみ出勤を可能とし、認証用カードを有効とするのが望ましい。しかし、この場合は、正当な理由で休日出勤や時間外出勤する利用者について、柔軟に対応する必要がある。
【0008】
上述のように、認証用カードの有効期限管理には、利用者の出勤管理に関連させて高度なセキュリティ性と柔軟性が求められる。しかし、従来の入退室管理システムでは、入退室管理機能と出退勤管理機能が利用者の選択により独立に実行されるため、相互を関連させた運用・管理を行うことができなかった。
そこで、本発明は、出入管理に使用される認証用カードを、利用者の出勤時の操作に伴って使用可能とする出勤登録装置の実現を目的とする。また、出勤登録装置を含んで構成され、認証用カードによって利用者の建物内の通行を規制する出入管理システムの実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の出勤登録装置は、利用者が所持する記憶媒体から識別コードを読み出すリード部と、前記記憶媒体へ有効期限を書き込むライト部と、利用者の照合用識別コードと、利用者が出勤する基本時間帯および勤務時間の上限である基本上限時間を示す基本管理情報とを予め記憶した記憶部と、前記記憶媒体の照合を行う制御部とを有する出勤登録装置であって、前記記憶部は、前記基本時間帯以外の時間外出勤を許可する旨および当該時間外出勤にかかる勤務時間の上限である承認上限時間を承認管理情報として登録可能であり、前記制御部は、前記承認管理情報を入力し、当該承認管理情報を前記記憶部に登録する承認登録手段と、前記リード部にて読み出した前記記憶媒体の識別コードを前記記憶部が記憶している照合用識別コードと照合し、正規の記憶媒体か否か判定する照合手段と、前記照合手段にて正規の記憶媒体と判定すると前記基本管理情報を参照し、現時刻が前記基本時間帯である場合は出勤を許可して前記ライト部から当該記憶媒体に前記基本上限時間に基づき有効期限を書き込ませ、現時刻が前記基本時間帯でない場合には前記承認管理情報が登録されていれば出勤を許可して前記ライト部から当該記憶媒体に前記承認上限時間に基づき有効期限を書き込ませる判定手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、規定の出勤時間帯以外においては、時間外出勤が承認登録されている場合に限って、承認された勤務時間を有効期限として記憶媒体を有効化することができる。したがって、時間外出勤に柔軟に対応しつつ厳格に記憶媒体の有効期限管理を実現することができ、必要時以外の利用者による記憶媒体の使用や記憶媒体を拾得した第三者による悪用を防止可能である。
【0011】
また、上記出勤登録装置の好適な態様として、前記承認管理情報は、前記基本時間帯以外で出勤が承認されている承認時間帯を含み、前記判定手段は、前記照合手段にて正規の記憶媒体と判定した現時刻が前記基本時間帯でない場合には、当該現時刻が前記記憶部に登録されている前記承認時間帯であれば出勤を許可する。
【0012】
また、上記出勤登録装置の好適な態様として、前記承認登録手段は、利用者に関する前記承認管理情報が入力されると、当該承認管理情報を当該利用者に対応させて前記記憶部に登録し、前記判定手段は、前記承認管理情報に基づき前記利用者ごとに前記時間外出勤の可否判定および前記有効期限の書き込みを行う。
【0013】
また、上記出勤登録装置の好適な態様として、前記判定手段は、前記基本時間帯または前記承認時間帯において利用者の出勤を許可すると、現時刻を出勤時刻として当該利用者の出勤登録を行なう。
【0014】
また、本発明の出入管理システムは、前記出勤登録装置と、利用者が所持する前記記憶媒体と、建物の出入口や部屋扉にて利用者の通行規制を行い、前記記憶媒体の識別コードおよび有効期限に基づいて当該記憶媒体を正規の記憶媒体と判定すると、当該記憶媒体を所持する利用者による通行を許可する出入規制装置と、から構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
規定の出勤時間帯または時間外出勤が承認登録されている時間帯に出勤操作された場合に限って、記憶媒体を有効化することができる。したがって、時間外出勤に柔軟に対応しつつ厳格に記憶媒体の有効性を管理することができ、必要時以外の利用者による記憶媒体の使用や記憶媒体を拾得した第三者による悪用を防止可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態として、企業の社員に所持させるIDカード等の認証用カード、社員の出退勤状態を登録する出勤登録装置、及び、建物における社員の入退室を規制する出入制御装置を用い、出退勤状態と入退室規制とを連携させた出入管理システムについて、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の出入管理システムの運用イメージを模式的に示した図である。また、図2は、本実施形態の出入管理システムの全体構成を示す図である。
本実施形態において、出入管理システムは、管理対象である建物において、建物を利用する企業の社員の出退勤管理及び入退室管理を行う。建物の内部は、主に、「出入規制エリア」、「社員通用エリア」、「一般通用エリア」、に区別される。「出入規制エリア」とは、社員以外(権限を持たない者)による出入を規制すべき領域である。例えば、就業中の社員が通る事務室や各部屋間を繋ぐ廊下などとする。「社員通用エリア」とは、出入規制エリアの外側に存在する領域であり、出勤/退勤する社員が建物に入退館する際に通る領域である。社員通用エリアは、出入規制エリアの出入口へ通じる領域であるのが好ましく、例えば、守衛室のある社員用の通用口や風除室などとする。「一般通用エリア」とは、出入規制エリアの外側に存在する領域であり、社員ではない一般の方や訪問者が建物に入退館する際に通る領域である。一般通用エリアは、社員通用エリアとは別の出入規制エリアの出入口へ通じる領域であり、例えば、エントランスホールや来訪者用の通用口などである。
【0018】
出入規制エリアへの出入を許可されている社員には、所有者個人を特定するための認証用カードを予め付与しておく。認証用カードには、カード固有の識別コード(IDコード:Identification Code)及びカードの有効/無効状態を判別するための情報(有効期限)が付されている。
建物内の随所には、電気錠付き扉D、カードリーダCR、出入制御装置Mが設けられ、建物内における利用者の移動が規制されている。
電気錠付き扉Dは、領域間の境界に設けられ、領域間の移動を物理的に規制する手段である。
カードリーダCRは、社員が所持している認証用カードに付されたIDコードを非接触(又は接触)にて読み取る手段であり、電気錠付き扉Dによって移動を規制された2つの領域の扉付近に一対に設けられる。
【0019】
出入制御装置Mは、制御対象のカードリーダCR及び電気錠付き扉Dと接続され、カードリーダCRで読み取った認証用カードに付されたIDコード及び有効期限情報に基づき、利用者の正当性を認証して電気錠付き扉Dを施解錠制御する。これにより、領域間の利用者の出入を制御・管理している。
なお、本発明の出入規制装置は、上記の電気錠付き扉D(規制手段)、カードリーダCR(読取手段)、出入制御装置M(出入制御手段)に相当する。
【0020】
社員通用エリアには、出勤登録装置Sが設けられ、出社/退社する社員により出退勤登録が行なわれる。
出勤登録装置Sは、社員の出社または退社時に、社員が所持している認証用カードに付されたIDコードを非接触(又は接触)にて読み取ることにより、社員の出勤登録および退勤登録を行なう。出退勤登録装置Sは、正規の認証用カードによる出勤登録の操作を受けたとき、その社員が通常に出勤するべき規定の時間帯であれば、出勤登録処理を実行するとともに認証用カードの有効期限を更新し、以降の出入規制エリアへの入退室を有効化する。一方、規定の時間帯以外であれば、その社員の上司である管理職社員によって予め時間外出勤が承認されているかを確認し、承認されている時間外出勤である場合には出勤登録を実行するとともに認証用カードの有効期限を更新する。また、正規の認証用カードによる退勤登録の操作を受けたときは、該認証カードの有効期限情報を更新(もしくは抹消)し、以降の出入規制エリアへの入退室を無効化する。
【0021】
管理装置Pは、出入規制エリアの任意の部屋に設置され、システムの管理者のみ操作可能とする。管理装置Pは、各出入制御装置M及び出勤登録装置SとLAN接続されており、出入規制エリアにおける社員の入退室情報を各出入制御装置Mから取得し、各社員が現在居る場所および各社員の入退室履歴を記録する。また、社員の出退勤情報を出勤登録装置Sから取得し、社員ごとに日々の出退勤状態および出退勤時刻を記録する。管理装置Pは、液晶ディスプレイ等の表示部やプリンタ等の印刷部を備え、記録している各種情報を表示・印刷することができる。
【0022】
図1の例では、社員通用エリアと出入規制エリアとの境界には、電気錠付き扉D1、カードリーダCR11、12、出入制御装置M1が設けられており、社員通用エリア及び出入規制エリア間の出入が規制されている。同様に、一般通用エリアと出入規制エリアとの境界には、電気錠付き扉D2、カードリーダCR21、22、出入制御装置M2が設けられ、一般通用エリア及び出入規制エリア間の出入が規制されている。出入規制エリア内の各部屋の境界にも、電気錠付き扉D3〜5、カードリーダCR31、32〜51、52、出入制御装置M3〜M5がそれぞれ設けられている。
【0023】
社員通用エリアには、出勤登録装置Sが配置されており、出社する社員が社員通用エリアにて出勤登録し、自己の認証用カードを有効化することにより、カードリーダCR11にて認証用カードを操作して出入規制エリアへの進入が可能となる。
また、建物の外部エリアと社員通用エリアとの境界にも、電気錠付き扉D6、カードリーダCR61、62、出入制御装置M6が設けられている。ここで、出入制御装置M6での利用者の認証の際に有効期限情報を参照してしまうと、出勤登録する前の認証用カードを持つ社員が外部から社員通用エリアへ入れなくなってしまう。このため、出入制御装置M6は他の出入制御装置M1〜5とは異なり、認証用カードの有効期限情報を参照せずにIDコードのみに基づき認証を行うものとする。
【0024】
また、外部領域と一般通用エリアの境界については、自動開閉扉が設けられており、日中は訪問者による建物への入館を許容している。なお、外部エリアと社員通用エリアとの境界についても、自動開閉扉を設けるだけとして、利用者の認証を行うことなく外部から進入可能としてもよい。
【0025】
以上のように、本実施形態の出入管理システムは、出勤登録装置にて出勤登録を行なった社員だけが出入規制エリアへ進入することができるものとしているため、出勤登録を行なっていない認証用カードを用いて出入規制エリアの各部屋を入退室できなくすることができる。また、予め設定された規定の出勤時間帯または時間外出勤が承認されている時間帯にのみ出勤登録を受け付けて認証用カードを有効化するため、時間外出勤時への対応を容易に行いつつ認証用カードの有効期限管理を厳正に行うことができる。よって、認証用カードを拾得した第三者による悪用を防ぐことができ、セキュリティ性が高い入退室管理を行うことができる。
【0026】
以下、本実施形態の出入管理システムに用いられる、認証用カードC、出勤登録装置S、出入制御装置Mについて、構成及び動作を詳述する。
図3は、社員が所持する認証用カードCの構成を示す図である。
認証用カードCは、非接触式の通信にて読み取り及び書き込みが可能なICカード(Integrated
Circuit Card)であり、主に、無線通信部120、記憶部140、制御部160、を含んで構成される。
無線通信部120は、所定の周波数の無線信号を送受信するアンテナと、送受信信号を変調又は復調する通信回路等で構成され、カードリーダCRや出勤登録装置Sとの間で無線通信を行う。
【0027】
記憶部140は、読み出し及び書き込みが可能なRAM(Random Access
Memory)等で構成される。記憶部140には、認証用カードCを所持する社員を特定するために、認証用カードC毎に固有に付与されたIDコードを記憶している。また、記憶部140には、認証用カードCの使用を有効とする期間を示す有効期限が記憶される。有効期限は、年月日と時刻で表され、該時刻が到来するまでは認証用カードCが有効となる。この有効期限は、出入制御装置Mによる利用者認証の際に用いられるため、カード所持者である社員は、有効期限が到来するまでの間、出入規制エリアでの入退室が可能となる。
【0028】
制御部160は、無線通信部120及び記憶部140を制御するMPU(Micro
Processing Unit)等で構成される。制御部160は、無線通信部120にてカードリーダCR又は出勤登録装置Sから質問信号を受けると、記憶部140からIDコード及び有効期限を読み出し、これらのデータにて変調した応答信号を無線通信部120から送出させる。また、無線通信部120にて出勤登録装置Sから有効期限の書き込み指示信号を受信すると、受信した有効期限を記憶部140に書き込み、記憶部140に記憶している有効期限を更新する。
【0029】
なお、記憶部140に記憶される有効期限の形態については、年月日と時刻に限るものではなく、時刻のみ、月日と時刻、有効な時間帯などを適用可能である。
また、認証用カードCは、非接触式のICカードに限るものではなく、接触式のICカード、接触式の磁気カード、RFIDタグ、RFID通信が可能な携帯電話などが適用可能である。
【0030】
図4は、出勤登録装置Sの機能ブロック図である。
出勤登録装置Sは、主に、リード部210、ライト部220、時計部230、操作表示部240、LAN通信部250、記憶部260、制御部270、を含んで構成される。
リード部210は、所定の周波数の無線信号を送受信するアンテナと、送受信信号を変調又は復調する通信回路等で構成され、認証用カードCとの間で無線通信してカード情報を読み取る。リード部210は、所定距離内に対して質問信号を送出し、認証用カードCから送出された応答信号を受信する。そして、受信した応答信号を復調して認証用カードCのIDコードを抽出し、制御部270の照合手段272にIDコードを転送する。
【0031】
ライト部220は、所定の周波数の無線信号を送受信するアンテナと、送受信信号を変調又は復調する通信回路等で構成され、所定距離内に存在する特定の認証用カードCと無線通信し、認証用カードCの記憶部260にカード情報を書き込ませる。ライト部220は、後述の承認登録手段276にて算出した有効期限を含む書き込み指示信号を、IDコードを用いて認証用カードCを指定して所定範囲へ送出し、認証カードCに有効期限を更新させる。
【0032】
時計部230は、現在の時刻を計時する手段である。定期的にLAN通信部250を介して受信した正規時刻データにより調時される。
操作表示部240は、液晶ディスプレイと操作ボタン、若しくはタッチパネル式液晶ディスプレイ等であり、各種情報の表示と操作入力を行う手段である。利用者は、操作表示部240を操作することにより、出勤登録を行なう出勤モードと退勤登録を行なう退勤モードとを切り替える。また、操作表示部240は、現在設定されている出退勤モードが出勤モード及び退勤モードの何れであるかを常時表示する。
LAN通信部250は、Ethernet(登録商標)規格等に基づいて構築されたLAN(Local Area Network)において、管理装置Pとの間で通信を行う。また、LAN通信部250は、一般社員の勤務を管理する立場である管理職社員が操作する承認者端末(パーソナルコンピュータ等)との間で通信を行う。
【0033】
記憶部260は、各種プログラムやデータを記憶するROMやRAM等で構成される。記憶部260には、出退勤履歴および管理情報が記憶され、制御部270によって随時読み出し、書き込みがされる。出退勤履歴は、各社員の出退勤の履歴情報であり、社員を特定する社員番号、社員が所持している認証用カードCのIDコード、出勤時刻、退勤時刻が、個人毎に対応付けされたデータからなる。出勤時刻には、社員が出勤登録を行なった時刻が書き込まれる。退勤時刻には、社員が退勤登録を行なった時刻が書き込まれる。
【0034】
管理情報は、各社員の出退勤登録処理に必要な情報であり、社員が所持している認証用カードのIDコード(照合用IDコード)、基本管理情報、承認管理情報が、個人毎に対応付けされたデータである。図5に、管理情報のデータ構成の一例を示す。基本管理情報は、各社員の勤務体系に関する基本的な情報であり、出退勤装置Sまたは管理装置Pにて予め登録されるものである。基本管理情報は、社員が通常出勤する時間帯を示す基本時間帯Hs、社員が通常の勤務にかかる上限の時間(に余裕を持たせた時間)を示す基本上限時間Tsを含む。一方、承認管理情報は、通常の勤務体系とは異なり特例として認められた勤務に関する情報であり、承認者端末等を介して管理者社員によって一時的に登録されるものである。承認管理情報は、社員が通常出勤する時間帯以外で管理職社員に時間外出勤が承認された時間帯を示す承認時間帯Ha、この時間外出勤の勤務にかかる上限の時間(に余裕を持たせた時間)を示す承認上限時間Taを含む。
【0035】
制御部270は、MPU等で構成され、照合手段272、判定手段274、承認登録手段276を含んでなり、各部を統括制御する。
照合手段272は、リード部210にて読み取った認証用カードCのIDコードが記憶部260の出退勤情報に登録されたIDコードであるか否か照合する手段である。
【0036】
判定手段274は、操作表示部240にて選択された現在の出退勤モードを記憶保持し、照合成功したIDコードが付された認証用カードCを所持する社員を、出退勤モードに応じて出勤登録又は退勤登録する手段である。
判定手段274は、出勤モードのときに正当な認証用カードCが読み取られると、記憶部260に登録されている基本管理情報を参照し、現在の時刻が社員が通常出勤する時間帯であるか否かを判定する。現時刻が基本時間帯Hsであれば、該認証用カードCを所持する社員の出勤を許可し、記憶部260の出退勤履歴に出勤時刻を登録する。また、出勤登録と同時に、基本管理情報の基本上限時間Tsと現在の時刻とに基づいて有効期限(未来の時刻)を算出し、ライト部220を介して認証用カードCが記憶している有効期限を更新する。これにより、出勤登録を行った時点から有効期限が到来するまでの間、社員は認証用カードCを使って出入規制エリアへ出入することが可能となる。
【0037】
また、現時刻が基本時間帯Hsでない場合は、記憶部260の承認管理情報を参照し、現在の時刻が管理職社員によって該社員の時間外出勤が承認登録されているか否かを判定する。現時刻が承認時間帯Haであれば、時間外出勤が承認されていると判定して該認証用カードCを所持する社員の出勤を許可し、記憶部260の出退勤履歴に出勤時刻を登録する。また、出勤登録と同時に、承認管理情報の承認上限時間Tsと現在の時刻とに基づいて有効期限(未来の時刻)を算出し、ライト部220を介して認証用カードCが記憶している有効期限を更新する。これにより、出勤登録を行った時点から有効期限が到来するまでの間、社員は認証用カードCを使って出入規制エリアへ出入することが可能となる。
また、判定手段は、退勤モードのときに正当な認証用カードCが読み取られると、記憶部260の出退勤履歴に退勤時刻を登録する。また、退勤登録と同時に、現時刻または現時刻から所定時間を減算した時刻(過去の時刻)を有効期限として算出し、ライト部220を介して認証用カードCが記憶している有効期限を更新する。これにより、退勤登録を行った時点で、社員は認証用カードCを使って出入規制エリアへ出入することができなくなる。
【0038】
判定手段274の処理を、図5を参照して説明する。例えば、IDコード「12345」の認証用カードCを所持する社員が「平日」の「9:00」に出勤した場合は、基本時間帯Hs「平日、8:30〜9:30」であるため、出勤を許可する。そして、現時刻に基本上限時間Ts「9時間」を加算した当日の「18:00」を有効期限として算出し、該有効期限を書き込ませて認証用カードCを有効化する。
しかし、この社員が休日に出勤した場合は、基本時間帯Hsを満たさず、更に承認管理情報も登録されていないため、出勤が拒否する。よって、有効期限を更新せず、認証用カードを無効状態のままにする。
一方、IDコード「34567」の認証用カードCを所持する社員が休日である「2008年4月12日」の「9:30」に出勤した場合は、基本時間帯Hsは満たさないが、該社員の承認管理情報に登録されている承認時間帯Ha「2008/4/12、9:00〜10:00」を満たすため、承認済みの時間外出勤であるとみなして出勤を許可する。そして、現時刻に承認上限時間Ta「8時間」を加算した当日の「17:30」を有効期限として算出し、該有効期限を書き込ませて認証用カードCを有効化する。
【0039】
承認登録手段276は、操作表示部240またはLAN通信部250から入力された社員の承認管理情報を、記憶部260の管理情報に登録する手段である。承認管理情報は、管理職社員が操作表示部240または承認者端末を操作することで承認登録手段276へ入力される。なお、各社員の承認管理情報の登録は管理職社員のみ実行可能とする必要があるため、予め設定された暗証番号等にて管理職社員であるか否かを認証し、承認管理情報の登録可否を判定するのが好適である。
【0040】
また、制御部270は、記憶部260の出退勤情報を更新した際、又は管理装置Pから要求を受けた際には、LAN通信部250を介して最新の出退勤情報を管理装置Pへ送信する。これにより、管理装置Pでは、社員の出退勤の記録を一元管理することができる。
【0041】
図6は、出入制御装置Mの機能ブロック図及び電気錠付き扉D、カードリーダCRとの接続関係を示す図である。
出入制御装置Mは、主に、電気錠制御部310、リーダ通信部320、記憶部330、時計部340、LAN通信部350、制御部360、を含んで構成される。
電気錠制御部310は、自己が管理する電気錠付き扉Dと接続され、電気錠付き扉Dに設けた電気錠に対して電流(電圧)を印加することで施解錠制御する手段である。電気錠制御部310は、通常、電気錠付き扉Dを施錠状態に維持し、制御部360からの指示に従い、電気錠付き扉Dを一時的に解錠状態に切り替え制御する。
【0042】
リーダ通信部320は、自己が管理する一対のカードリーダCRと接続され、カードリーダCRから認証要求信号を受信する通信インターフェースである。ここで、カードリーダCRは、認証用カードCから受信した応答信号を復調してIDコード及び有効期限を抽出し、出入制御装置Mへ抽出したカード情報を認証要求信号として送出するものとする。リーダ通信部320は、受信した認証要求信号に含まれる認証用カードCのIDコード及び有効期限を取得する。
記憶部330は、各種プログラムやデータを記憶するROMやRAM等で構成される。記憶部330には、入退室の権限が与えられたIDコードが記憶される。
時計部340は、現在の時刻を計時する手段である。定期的にLAN通信部350を介して受信した正規時刻データにより調時される。
LAN通信部350は、Ethernet(登録商標)規格等に基づいて構築されたLANにおいて、管理装置Pとの間で通信を行う。
【0043】
制御部360は、MPU等で構成され、ID照合手段362、有効性判定手段364を含んでなり、各部を統括制御する。
ID照合手段362は、認証用カードCのIDコードが記憶部330に登録されたIDコードであるか照合する手段である。
有効性判定手段364は、認証用カードCの有効期限と時計部340から読み出した現在の時刻とを比較して、認証用カードCが有効であるか無効であるか判定する手段である。
【0044】
制御部360は、ID照合手段362にて、リーダ通信部320を介して受信したIDコードが登録されたIDコードと一致すると、有効性判定手段364にて、同時に受信した該IDコードの有効期限と現在の時刻とに基づいて認証用カードCの有効性を判定する。制御部360は、IDコードが登録されたものであり且つ有効期限が切れておらず、正当な認証用カードCであると判断すると、電気錠制御部310を介して電気錠付き扉Dを解錠させ、社員の入退室を許容する。このとき、カードリーダCRへ入退室を許可した旨を通知し、カードリーダCRにて認証成功の表示を行わせる。一方、IDコードが登録されていないものであるか又は有効期限が切れており、正当ではない認証用カードCであると判断すると、電気錠付き扉Dは施錠状態を維持し、不当な利用者の入退室を阻止する。このとき、カードリーダCRへ入退室を不許可した旨を通知し、カードリーダCRにて認証失敗の表示を行わせる。
【0045】
また、制御部360は、社員の入退室を許容した際には、LAN通信を行うLAN通信部350を介して、使用された認証用カードCのIDコード及び入退室の記録(ログ)を管理装置Pへ送信する。これにより、管理装置Pは、出入規制エリアにおける社員の現在位置および過去の入退室履歴を一元管理することができる。
【0046】
続いて、本実施形態の出入管理システムを運用した際の、出勤登録装置S及び出入制御装置Mの処理について、図7〜図9を参照して説明する。
図7は、出勤登録装置Sにおける出退勤モードの切り替え時の動作を示すフローチャートである。
管理対象の建物に従事する社員は、出社又は退社する際に社員通用エリアへ進入し、出勤登録装置Sにて出勤登録又は退勤登録の操作を行なう。出社時に、現在退勤モードである旨が操作表示部240に表示されている場合は、認証用カードCを読み取らせる前に操作表示部240を操作して出勤モードへの切り替え操作を行なう。また、退社時に現在出勤モードである旨が操作表示部240に表示されている場合は、認証用カードCを読み取らせる前に操作表示部240を操作して退勤モードへの切り替え操作を行なう。
【0047】
出勤登録装置Sは、操作表示部240からのモード選択操作を検出すると、出退勤モードの切り替え処理を開始する。まず、入力された出退勤モードが現在設定されている出退勤モードと異なるものであるか否かを判定する(S400)。一致する場合(S400のNo)は、操作者の誤操作であるため、モード切り替えを行なわずに処理を終了する。
一方、入力された出退勤モードが現在の出退勤モードと異なる場合(S400のYes)、何れの出退勤モードへの切替操作であるかを判定する(S410)。退勤モードが設定されているときに出勤モードへの切り替え操作が入力されたならば(S410の「出勤モード」)、出退勤モードを退勤モードから出勤モードに切り替えるとともに(S420)、操作表示部240にて現在出勤モードに設定されている旨を表示する(S430)。一方、出勤モードが設定されているときに退勤モードへの切り替え操作が入力されたならば(S410の「退勤モード」)、出退勤モードを出勤モードから退勤モードに切り替えるとともに(S440)、操作表示部240にて現在退勤モードに設定されている旨を表示する(S450)。
【0048】
図8は、出勤登録装置Sにおける出退勤登録処理を示すフローチャートである。
管理対象の建物に従事する社員は、操作表示部240にて現在の出退勤モードを確認した後、リード部210に認証用カードCを近接させてカード情報を読み取らせ、出勤登録又は退勤登録の操作を行なう。
出勤登録装置Sは、リード部210にて認証用カードCのカード情報(IDコード)を読み取ると、出退勤登録の処理を開始する。
まず、読み取った認証カードのIDコードが記憶部270に登録されているIDコードと一致するか否か照合する(S500)。一致しない場合は(S500のNo)、操作表示部240にて照合に失敗した旨をエラー表示する(S502)。一致した場合は(S500のYes)、現在設定されている出退勤モードが出勤モードであるか退勤モードであるかを判定し(S504)、モードに応じて以降の処理を実行する。
【0049】
設定モードが出勤モードであると判定した場合は(S504の「出勤モード」)、現在の時刻が当該IDコードに対応する基本時間帯Hsに含まれるか否か判定し、当該社員の通常の出勤時間帯であるかを確認する(S506)。基本時間帯Hsに含まれる場合は(S506のYes)、現時刻を出退勤履歴の当該IDコードに対応する出勤時刻に登録し、出勤登録する(S508)。続いて、当該IDコードに対応する基本上限時間Tsを現時刻に加算して有効期限を算出し、求めた有効期限をライト部220にて認証用カードCに書き込み、読み取った認証用カードCを有効化する(S510)。この時点から有効期限が到来するまでの間、出入規制エリアに配された出入制御装置Mにてこの認証用カードCを使用可能にする。そして、操作表示部240にて、新たに認証用カードCに書き込まれた有効期限と出勤登録を完了した旨を表示し、処理を終了する。
【0050】
一方、現在の時刻が基本時間帯Hsに含まれない場合は(S506のNo)、現在の時刻が当該IDコードに対応する承認時間帯Haに含まれるか否かを判定し、管理職社員によって当該社員の時間外出勤が承認されているかを確認する(S512)。承認時間帯Haに含まれる場合は(S512のYes)、現時刻を出退勤履歴の当該IDコードに対応する出勤時刻に登録し、出勤登録する(S514)。続いて、当該IDコードに対応する承認上限時間Taを現時刻に加算して有効期限を算出し、求めた有効期限をライト部220にて認証用カードCに書き込み、読み取った認証用カードCを有効化する(S516)。この時点から有効期限が到来するまでの間、出入規制エリアに配された出入制御装置Mにてこの認証用カードCを使用可能にする。そして、操作表示部240にて、新たに認証用カードCに書き込まれた有効期限と出勤登録を完了した旨を表示し、処理を終了する。
現在の時刻が当該IDコードに対応する承認時間帯Haに含まれない場合は(S512のNo)、当該社員の出勤が認められた時間帯ではない旨をエラー表示する(S502)。
【0051】
また、S504の判定処理において、設定モードが退勤モードであると判定した場合は(S504の「退勤モード」)、現時刻を出退勤履歴の当該IDコードに対応する退勤時刻に登録し、退勤登録する(S518)。続いて、現在の時刻から所定時間を減算して有効期限を算出し、求めた有効期限をライト部220にて認証用カードCに書き込み、読み取った認証用カードCを無効化する(S520)。この時点で、出入規制エリアに配された出入制御装置Mにてこの認証用カードCを使用不可能にする。なお、過去の時刻を有効期限とするのに代えて、現在の時刻を新たな有効期限としてもよい。そして、操作表示部240にて、退勤登録を完了した旨を表示し、処理を終了する。
【0052】
図9は、出入制御装置Mにおける入退室の可否判定の処理を示すフローチャートである。
管理対象の建物に従事する社員は、通行規制エリアの各部屋を入退室する際、電気錠付き扉D付近に設けられたカードリーダCRに認証用カードCを近接させてカード情報を読み取らせ、出入制御装置Mへ認証要求の操作を行なう。
【0053】
出入制御装置Mは、カードリーダCRが認証用カードCのカード情報(IDコード)を読み取ったときの認証要求信号(IDコード、有効期限を含む)が入力されると、入退室可否判定の処理を開始する。
まず、読み取った認証カードのIDコードが記憶部330に登録されているIDコードと一致するか否か照合する(S600)。一致しない場合は(S600のNo)、正当な利用者ではないと判断し、カードリーダCRへ認証に失敗した旨を通知して処理を終了する(S610)。
【0054】
IDコードが一致した場合は(S600のYes)、続いて、読み取った認証用カードC有効期限が有効な時刻であるか否かを判定する(S620)。現在の時刻が有効期限を過ぎていると判定した場合は(S620のNo)、正当な利用者ではないと判断し、カードリーダCRへ認証に失敗した旨を通知して処理を終了する(S610)。
一方、IDコードが一致し、且つ、現在の時刻が有効期限内であると判定した場合は(S620のYes)、正当な利用者であると判断し、カードリーダCRへ認証に成功した旨を通知する(S630)。同時に、電気錠付き扉Dを解錠制御して利用者の通行を物理的に許容し(S640)、処理を終了する。
なお、通行を許可した場合には、IDコード、カードリーダCRの識別情報、入退室した時刻を一つの入退室データとして管理装置Pへ送信するようにしてもよい。
【0055】
以上に説明したように、本実施形態の出入管理システムは、社員が通常に出勤可能な時間帯規定された時間帯に出勤登録操作が為されたとき、認証用カードCを有効化し、この時間帯以外においては管理職社員によってその社員の時間外出勤が承認されている場合に限って認証用カードCを有効化する。したがって、時間外出勤への対応を柔軟に行いつつ、認証用カードの有効性管理を厳格に行うことができ、認証用カードを拾得した第三者による不正入館や社員の不必要な入館を防止することが可能となる。
【0056】
なお、上記実施形態においては、基本上限時間Tsおよび承認上限時間Taを連続勤務可能な上限の時間数としているが、上限の終了時刻を用いてもよい。この場合は、出勤登録時の有効期限の算出を省略し、基本上限時間Tsまたは承認上限時間Taをそのまま有効期限として認証用カードに書き込む構成とする。
また、基本時間帯Hsと基本上限時間Tsを通常の勤務が可能な時間帯(例えば、平日の8時30分〜18時00分)として統合してもよい。この場合、上記時間帯の出勤登録を有効とし、予定の終了時刻である18時00分を有効期限として認証用カードに書き込む構成とする。同様に、承認時間帯Haと承認上限時間帯Taを統合してもよい。
【0057】
また、上記実施形態において、基本管理情報は社員毎に予め設定されるものとしているが、複数の社員について共通の基本管理情報を用いる構成としてもよい。また、承認管理情報についても同様に、複数の社員について共通化させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態の出入管理システムの運用イメージを示す図である。
【図2】本実施形態の出入管理システムの全体構成を示す図である。
【図3】社員が所持する認証用カードの構成を示す図である。
【図4】出勤登録装置の機能ブロック図である。
【図5】出勤登録装置の記憶部に記憶される管理情報の一例を示す図である。
【図6】出入制御装置の機能ブロック図及び電気錠付き扉、カードリーダとの接続関係を示す図である。
【図7】出勤登録装置における出退勤モードの切り替え時の動作を示すフローチャートである。
【図8】出勤登録装置における出退勤登録処理を示すフローチャートである。
【図9】出入制御装置における入退室の可否判定の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
S・・・出勤登録装置
M・・・出入制御装置
CR・・・カードリーダ
D・・・電気錠付扉
P・・・管理装置
210・・・リード部
220・・・ライト部
230・・・時計部
240・・・操作表示部
250・・・LAN通信部
260・・・記憶部
270・・・制御部
272・・・照合手段
274・・・判定手段
276・・・承認登録手段
310・・・電気錠制御部
320・・・リーダ通信部
330・・・記憶部
340・・・時計部
350・・・LAN通信部
360・・・制御部
362・・・ID照合手段
364・・・有効性判定手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所持する記憶媒体から識別コードを読み出すリード部と、
前記記憶媒体へ有効期限を書き込むライト部と、
利用者の照合用識別コードと、利用者が出勤する基本時間帯および勤務時間の上限である基本上限時間を示す基本管理情報とを予め記憶した記憶部と、
前記記憶媒体の照合を行う制御部とを有する出勤登録装置であって、
前記記憶部は、
前記基本時間帯以外の時間外出勤を許可する旨および当該時間外出勤にかかる勤務時間の上限である承認上限時間を承認管理情報として登録可能であり、
前記制御部は、
前記承認管理情報を入力し、当該承認管理情報を前記記憶部に登録する承認登録手段と、
前記リード部にて読み出した前記記憶媒体の識別コードを前記記憶部が記憶している照合用識別コードと照合し、正規の記憶媒体か否か判定する照合手段と、
前記照合手段にて正規の記憶媒体と判定すると前記基本管理情報を参照し、現時刻が前記基本時間帯である場合は出勤を許可して前記ライト部から当該記憶媒体に前記基本上限時間に基づき有効期限を書き込ませ、現時刻が前記基本時間帯でない場合には前記承認管理情報が登録されていれば出勤を許可して前記ライト部から当該記憶媒体に前記承認上限時間に基づき有効期限を書き込ませる判定手段と、
を具備することを特徴とした出勤登録装置。
【請求項2】
前記承認管理情報は、前記基本時間帯以外で出勤が承認されている承認時間帯を含み、
前記判定手段は、
前記照合手段にて正規の記憶媒体と判定した現時刻が前記基本時間帯でない場合には、当該現時刻が前記記憶部に登録されている前記承認時間帯であれば出勤を許可する、請求項1に記載の出勤登録装置。
【請求項3】
前記承認登録手段は、利用者に関する前記承認管理情報が入力されると、当該承認管理情報を当該利用者に対応させて前記記憶部に登録し、
前記判定手段は、前記承認管理情報に基づき前記利用者ごとに前記時間外出勤の可否判定および前記有効期限の書き込みを行う、請求項1または2に記載の出勤登録装置。
【請求項4】
前記判定手段は、
前記基本時間帯または前記承認時間帯において利用者の出勤を許可すると、現時刻を出勤時刻として当該利用者の出勤登録を行なう、請求項1乃至3に記載の出勤登録装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載の出勤登録装置と、
利用者が所持する前記記憶媒体と、
建物の出入口や部屋扉にて利用者の通行規制を行い、前記記憶媒体の識別コードおよび有効期限に基づいて当該記憶媒体を正規の記憶媒体と判定すると、当該記憶媒体を所持する利用者による通行を許可する出入規制装置と、
から構成されることを特徴とした出入管理システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−223706(P2009−223706A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68625(P2008−68625)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】