説明

分娩後出血のための処置

本発明は分娩後出血(PPH)を処置するために女性患者の子宮動脈からの血流を一時的に減しまたは閉止するための装置およびそのような装置を使用する手続を指向している。子宮動脈はクランプ器具により閉塞され、この器具は1対のピボット接続されたクランプ部材(11、12)を備え、各クランプ部材はハンドル(15、17)およびハンドル末端のクランプ要素(14、16)を備えている。これらのクランプ要素はハンドルの長手軸に対して好ましくは約1300および1600の間を含めて傾けられている。動脈探索センサーがクランプ要素の一つの少なくとも約1200および約1700の間の鈍い角度の末端に設けられている。好ましくは、動脈探索センサーはドップラー超音波血流センサーである。出産後、クランプ器具は女性患者の分娩後膣導管内に挿入され、その中でクランプ要素の一つが患者の子宮頸内に達し、かつ他のクランプ要素が子宮頸の外側上に達するまで進められる。患者の子宮頸の外側上のクランプ要素は患者の膣円蓋に対して押圧されかつクランプ器具は閉ざされてクランプ器具により掴まれている組織内に配置されている子宮動脈が閉塞される。クランプ器具は閉塞状態にロックされかつ患者の子宮が出血の停止が確認されるまでの、一般的には約5分ないし約7時間、閉塞状態に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に器具および血管内の血流の調整による病気および状態の治療に関する。特に、本発明は出産後の女性患者の子宮への血流の減少または停止による分娩後出血の処置に指向されている。
【背景技術】
【0002】
幾らかの女性は子供の出産に続く出血により死に至る。もし子宮への血液供給が出産直後に制御され得ると、そのような死は阻止し得る。子宮への血液供給は右および左の子宮動脈からが支配的である。殆どの女性において、各子宮動脈への源は内側腸骨動脈の前部分である。子宮動脈は子宮へ腹膜後方および広い靱帯を通過しかつ子宮内へ子宮本体との子宮頸の接合部で“地峡”と呼ばれている子宮領域内へ入る。右子宮動脈は子宮にその右横境界に沿い約“9:00時”位置で会い;左は約“3:00時”位置で会う。子宮動脈が子宮に近づくに連れて、それらは両手による骨盤検査中にタッチされるべく横膣円蓋に充分(典型的には約12cm)接近させられ、かつそれらの脈動はしばしば妊娠初期において手で感知され得る。
【0003】
妊娠が進むに連れて、子宮は形を変え、成長する胎児および胎盤に適応するように体積が増加する。その結果として、子宮動脈は子宮口から離れる。子宮動脈は2箇所で固定されている:第1はそれらが腹膜後方へ出てかつ広い靱帯へ入る所であり、かつ第2はそれらが子宮内に入る所である。それらの2個の固定点の間において、子宮動脈は広い靱帯内で前後に、数cmの間隔にわたる複数の起伏で進み、それらの起伏は広い靱帯に対して単に緩く固着され、かつ繊細な脂肪質の組織により取り囲まれている。
【0004】
妊娠中に子宮の体積が増すに連れて、子宮は骨盤から腹部内へと膨張する。子宮動脈が子宮に固定されているために、それらは大きくなる子宮に沿い上方へ引かれる。その工程において、広い靱帯内の子宮動脈の起伏はまっすぐになる。しかしながら、妊娠期間が長くなるに連れて腹部内へ子宮が膨張すると、両手を用いた骨盤検査中に子宮動脈はもはや触診することはできず、その理由は子宮動脈に検査者の指(一般的に約19cm)が到達するには膣口から離れ過ぎているからである。妊娠初期から分娩直後までに、子宮動脈の子宮内への挿入量は一般的に膣口から約7cm離れる。
【0005】
出産時には二つの主たる出来事が起こる;子供が生まれかつ胎盤が子宮から離れる。子供の出産は測り知れない生理学上の、機械的な、心理学上の、かつ社会的な経験であるが−まれな出産導管かき切りを除いて−それは取るに足らない導管の出来事である。
【0006】
胎盤の分離は、しかしながら、記念すべき導管上の出来事である。胎盤へ供給している概ね100個の子宮胎盤動脈は胎盤栄養膜により変形されかつ拡大された半径方向の動脈群であり胎盤ベース内へのそれらの挿入場所でトランペット形とされている。それらの異常な形の結果として、それらは血液を胎盤へ低速かつ高圧で供給する。出産時には、心臓の出力は6−7L/minで、その時の子宮を通る血流は0.5−1.0L/minである。胎盤が子宮から分離した時、子宮胎盤動脈は大量の血液を子宮キャビテイー内に吹き出す。チェックされずに放置されると、全ての女性は数分間に出血死する。しかしながら、大多数の女性は死なず、何故ならば、出産までの9箇月の間に、凝固および繊溶蛋白質およびそれらの制御システムが母の血液中に集中し始める。子宮壁からの胎盤の分離に続き、血流は持続性のある、規則正しい筋腫収縮により低減させられる。凝固蛋白質が増加しかつ子宮の収縮により血流が低減して、筋腫動脈は凝固する。その直後に、子宮内の凝固は溶解しかつ筋腫は止められる。しかしながら、凝固は子宮胎盤動脈内には溶解されない。それらは傷跡を減しかつ再び使用されることはない。子宮の本体内に全体にわたり凝固が形成された後、胎盤組織は死にかつ数週間にわたり子宮キャビテイー内に閉じこめられる。
【0007】
出産に続く子宮収縮は一般的には子宮を通る血流の速度を筋腫全体を通して血液の凝固形成に充分な程度に減すが、幾らかの女性の子宮収縮は不充分である。分娩後出血論文においては、収縮しない子宮は“無緊張性”であると考えられかつ患者は“無緊張”を患っていると言われている。子宮を通しての血流の低減または停止の機構が無いと、無緊張の女性は子供の出産後に出血死する。
【0008】
最近、医学的にかつ外科的における分娩後介入の階層が生じ、そこでは子宮からの血流を減速しかつ子宮凝固開始を助けることが意図されている。子宮の手動刺激(“子宮マッサージ”)は子宮の収縮を始めさせかつ子宮の調子を向上させている。もし子宮マッサージが有効でないならば、普通オキシトシン、子宮収縮を助けるホルモン、は子宮の収縮を助けるように静脈内に供給され得る。もしオキシトシンがだめな場合は、エルゴットアルカロイドおよびポルストグランデインが子宮収縮を化学的に刺激するように管理され得る。しかしながら、これらの薬剤は子宮内だけでなく身体全体の血管上に副作用を起こす。その結果として、それらは高血圧症、低血圧症、毒血症および他の病状、分娩後出血制御を必要としている当の婦人に禁忌を示す。
【0009】
もし医学的な分娩後管理に失敗すると、外科的な介入が行われる。最も簡単な外科的な介入は子宮にタオルおよび同様物を詰めて出血している胎盤ベッド洞および動脈を圧縮して凝固を始めさせようとするものである。もし子宮のパッキングが失敗すると、より複雑な外科が実施される。一つの外科技術は腹壁切開を含みかつ子宮を太い縫い線で囲みかつ縫い線をきつく締めることにより子宮を圧縮する。
【0010】
太い縫い線の他のタイプおよび構造は腹壁切開中に子宮に適用されて分娩後出血を捕獲するように筋腫を圧縮する。太い縫い線での筋腫圧縮を避ける試みにおいて、子宮動脈のブランチそれ自体を盲目的に2個のリングピンセットにより膣円蓋へ圧縮して出血を止めようとすることが提案されている。非侵襲性ではないとしても、この方法は何れかの動脈が2個のピンセットの組みにより圧縮されているかどうかを積極的に認識するための手段を備えていない。その結果として、この方法は採用されていない。
【0011】
各種の臨床的状況において子宮動脈内の血流を下げるために、相互的な内側腸骨動脈結紮が19世紀末から実施されてきた。しかしながら、導管外科は一般に産科の実習期間内において教えられていないので、この技術は広く実施されることは無かった。しかしながら、幾らかの人は内側腸骨動脈を結紮して分娩後出血処置のために子宮への血流を低減してきた。効果的であるとしても、これらの技術は一般的に可能ではなく、分娩後出血の開始および血管造影病棟−通常同じ病院の異なる部分−への移動との間に顕著な遅れがある。更に、血管造影法は放射線医師により行われかつ子供は産科医により分娩させるので、2人の専門家の間にコミュニケーションギャップが生ずる。たまには効果的であるが、内側腸骨動脈は骨盤全体へは供給するが、子宮へは供給しない。従って、それらの閉塞は子宮以外への血流を停止する。更に、内側腸骨網状動脈に対する外側腸骨動脈が複雑であり、内側腸骨動脈の閉塞が子宮動脈内のみの圧力を下げるので、子宮動脈内の流れを完全に止めることはできない。これらの制限を認識して、開放した、腹膜を通しての子宮動脈の外科的結紮、および腹腔鏡法による子宮動脈の閉塞も分娩後出血の治療のために発展されてきた。
【0012】
子宮動脈の結紮は分娩後出血停止には有効であるが、手続は侵襲性でありかつ多くの時間を要する。子宮動脈の閉塞は、一般的に時間の喪失が生命の喪失に匹敵する時のような緊急時に実施される。手術時間を減しかつ子宮動脈の選択的結紮を伴う所要外科技術を減すために、対称動脈の“全部の”結紮が子宮動脈の上流ブランチ上で実施されてきた。全部の結紮においては上流側子宮動脈の領域は隣接した筋腫と共に束ねられかつ結紮される。全部の結紮は外科的腹壁切開を要する。
【0013】
蛍光透視法に基づく血管造影法カテーテルベースの閉塞方法が開発されて、子宮へ供給する動脈内の血流停止により分娩後出血が処置されてきた。しかしながら、血管造影法が異なる専門家により異なる場所で行われるので、効果的なPPH治療の実施のためにはしばしば時間の不足が生じる。
【0014】
しばしば、従来のように、多くの現在の外科医は子宮摘出の実施により分娩後出血を止めており、この子宮摘出は顕著な病的状態および死亡率を伴う主たる治療である。その上、この治療は母に不妊をもたらす。
【0015】
そのため、子宮動脈のような、特にPPH時において、血管内の血流を部分的にまたは完全に停止させるために速やかに展開可能な、複雑でない装置に対する要求がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は血管へ接近しかつ接近した血管内の血流を止めて出血を減しまたは削除するための装置およびその装置の使用法を指向している。本発明は特に膣分娩に続くPPHの治療における子宮動脈の閉塞を指向している。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の特徴を有する血管閉塞装置はクランプ器具であり、この器具は1対の枢支されたクランプ部材を備え、各クランプ部材は作動可能な末端および手動操作可能な基端、およびハンドルの作動可能末端のクランプ要素を備えている。クランプ要素はそれらが結合されているハンドルの長手軸に関して配置を容易にするために約120°ないし約170°、好ましくは約130°ないし約160°の鈍い包括角度を備えている。これらのクランプ部材は枢着され、従って枢支点周りのハンドルの回転がクランプ要素を開放および閉塞する。
【0018】
クランプ器具の一つのクランプ要素は好ましくは他のクランプ要素より大きくされており、そのためより小さいクランプ要素は両クランプ要素が会わされ、即ち、クランプ器具が閉塞されまたは部分的に閉塞された時、より大きいクランプ要素の内側に少なくとも部分的にフィットする。より大きいクランプ要素はより小さいクランプ要素よりより長くまたはより幅広またはより長くかつ幅広の双方であり得る。少なくとも一つのクランプ部材、好ましくは外側のかつより小さいクランプ要素は、少なくとも一つの血管探索センサーをクランプ要素の末端またはその近傍に備えている。これらのセンサーはクランプ要素の末端上に装着されて目的の子宮動脈近傍に配置された時目標の子宮動脈の探索を容易にしている。この少なくとも一つのセンサーはそれが装着されているクランプ要素の末端から末端側へ放射する視界を備えて、患者の子宮動脈の探索および閉塞を容易にしている。1または2以上のセンサーがクランプ要素上に装着され、センサーは対向クランプ要素に向かう視界を備えて1または2以上のクランプ要素により圧縮され閉塞されまたは部分的に閉塞されている動脈を通しての血流の監視を助けている。
【0019】
本発明の特徴を具体化したクランプ器具は膣出産の後に女性患者の膣導管内に挿入されかつその中で進められるように構成されている。第1または内側クランプ要素は患者の子宮頸内に配置され、かつ第2または外側クランプ部材は患者の子宮頸の外側上に配置される。クランプ要素のハンドル長手軸に関する傾斜は患者の分娩後の解剖学的構造内へのクランプ要素の適正な配置を助ける。
【0020】
クランプ器具のハンドルはロック機構を備えてクランプ要素を圧力適用状態に効果的に保持するための解放可能な構造をクランプ器具に提供している。クランプ要素の圧力適用面は好ましくは鋸歯状またはこぶのような構造を備えてクランプ要素内に受け入れられた組織周りにクランプ要素が閉塞された時に組織上への良好なグリップを確保している。
【0021】
血管探索のための探索センサーは1または双方のクランプ要素の末端内または上に配置されている。この探索センサーはドップラー超音波センサーのような血流センサーであり、かつセンサーコントローラーを操作するように構成されており、このセンサーコントローラーはオペレーターによりすぐに理解されまたは使用され得るように、可聴信号のようなセンサーアウトプットを提供するように構成されている。
【0022】
本発明はPPHを患っている患者の治療の方法を提供し、その方法は本発明の特徴を有するクランプ器具のクランプ要素の末端上の探索センサーで子宮動脈を探索し、かつ子宮動脈の部分をクランプ器具のクランプ要素で組織に圧力を適用することにより圧縮する工程を含んでいる。器具を適切に展開するために、内側クランプ要素は患者の子宮内に配置されかつ外側クランプ要素は患者の膣円蓋近傍の子宮頸の部分に配置される。クランプ器具は更に患者の膣導管内に押し込まれ、従って外側クランプ要素の末端は患者の子宮動脈近傍の患者の膣円蓋の壁を広げ、従って外側クランプ要素は膣壁を子宮動脈上に折りたたむ。クランプ器具を閉じると子宮動脈を圧縮して子宮動脈内の血流を効果的に減しまたは無くする。子宮動脈の圧縮状態は分娩後出血を減しまたは終了させかつ充分な凝固を達成するために数分ないし数時間保持され、クランプ器具をその閉塞または部分的閉塞状態から解放した時の更なる出血の危険を減している。このようにして、圧縮は、典型的には約5分ないし約7時間の間、好ましくは約10分ないし約5時間の、医療効果のある時間だけ保持され得る。
【従来技術より有効な効果】
【0023】
本発明は非侵襲性の同一物およびPPH処置に対する子宮動脈のような血管の閉塞を可能とする。この器具および方法は簡単かつ使用容易であり、出産後に外科的な介入を与えることなく女性患者の子宮動脈の素速くかつ効果的な閉塞を可能とし得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1−5は本発明の特徴を具体化したクランプ器具10を図示しており第1および第2クランプ部材11および12を備え、これらは枢支点13で枢支されている。第1クランプ部材11は第1クランプ要素14を備え、この要素はハンドル15の末端に固着されている。第2クランプ部材12はハンドル17の末端に固着されている第2クランプ要素16を備えている。ハンドル15および17はそれぞれラチェット部材18および19を備えてそれらの間の解放可能なロッキング接続を提供し、かつハンドルを枢支点13周りに回してクランプ要素14および16を開放および閉塞するための指グリップ20および21をそれぞれ備えている。クランプ要素14および16のそれぞれはハンドル15および17の長手軸に対して或る角度を備えて患者の分娩後の膣導管および子宮頸内への展開を容易にしている。クランプ要素14および16はハンドル15および17の長手軸に対して鈍い包囲角θを形成して、患者の膣導管を通して進められかつクランプ要素の一つを患者の子宮頸内に容易に配置しかつ他方のクランプ要素を子宮頸の外に容易に配置することを許容している。クランプ要素14および16とハンドル15および17の間の鈍い包囲角θは約120°ないし約170°、好ましくは約130°ないし約160°である。好ましくは、双方の包囲角は基本的に同じであるべきである。
【0025】
図2内に最も良く示されているように、クランプ要素16はクランプ要素14より小さくかつ好ましくはクランプ要素16の末端部分22の外周は示されているようにクランプ要素14の末端部分23の内周より小さい。より大きいクランプ要素14は患者の子宮頸内に配置されるように設計され、かつより小さいクランプ要素16は子宮頸の外側に配置されるように設計されている。クランプ要素14および16はそれぞれ内側の圧力適用面24および25を備え、これらは好ましくはクランプ要素の閉塞時に良好な組織グリップを提供するように鋸歯状またはこぶ付き(図示されていない)とされている。クランプ要素の各々は一般にハンドル回転面に対して直角とされている。
【0026】
クランプ要素14および16は患者が出産した後にそれらが子宮動脈の圧縮に協働可能なようにサイズおよび輪郭が定められている。それらは約0.8インチないし約6インチ(mm−mm)、かつ好ましくは約2.5インチないし約5インチ(mm−mm)の間の長さを備え得る。クランプ要素14および16の幅は約0.5インチないし約3インチ(mm−mm)、好ましくは約0.7インチないし約1.5インチ(mm−mm)、かつより好ましくは約0.8インチ(mm)である。更に、クランプ要素14および16の横寸法は約0.07インチないし約0.2インチ(mm−mm)、好ましくは約0.12インチないし0.16インチ(mm−mm)にわたっている。一般的には、ワイヤーフレームの直径は好ましくは約0.14インチ(mm)である。クランプ要素14は好ましくはクランプ要素16より距離“d”だけ長く、これは約0.1ないし約1インチ(2.54mm−25.4mm)、好ましくは約0.1ないし約0.3インチ(2.54mm−7.6mm)であり得る。開放した、ワイヤーフレームの大きさは図4内に示されている。
【0027】
クランプ器具10のハンドル15および17は約3ないし約10インチ(7.62cm−25.4cm)の長さを備えてオペレーターがハンドルの基端上の指グリップ20および21を掴みクランプ部材を患者の膣内へ進めて内側クランプ要素が患者の子宮頸内にまた外側クランプ要素が女性患者の膣円蓋近傍へ達するまで進めることが許容されるように構成されている。ハンドル15および17はオペレーターによる操作のために構成されていて、指グリップ20および21内に係合されている指の操作による枢支点13周りの面内での操作によりハンドルを回し、オペレーターにより適用された力をクランプ要素14および16を開放または閉塞するのに要求される方向へ伝達する。
【0028】
図5において、図1−3内に示されているクランプ器具10は血管探索センサー26を備え、それはクランプ要素16の末端上に装着されている。信号伝達電気導線27がその末端でセンサー26に接続され、かつその基端上にセンサーコントローラー(図示されていない)への接続に好適な電気コネクター28を備えている。図2内により良く示されているように、クランプ要素16は電気導線27を収容するためのスロット29を備えている。
【0029】
前述したように、少なくとも外側クランプ要素16は探索または血流センサー26を備え、かつ図5内に示されているように、探索センサー26は外側クランプ要素16の末端チップに配置されている。追加の探索器も可能である。探索センサー26(または探索センサー18)はクランプ要素上に配置され、その位置はそのクランプ要素が目的動脈を収容している組織の近傍にありまたはそれに接触している時に血管内の血流を効果的に検出するのに有効な位置である。センサー26は好ましくはクランプ要素16の先端エッジの前方を見る方向に向けてあり、従ってクランプ器具の前進はセンサーを目的動脈および動脈の位置であるより良いピンポイントへ接近するように押す。
【0030】
図6は女性患者の妊娠初期の解剖学的構造を図示している。描写されているのは子宮30、子宮頸31および膣導管32、膣円蓋33、子宮動脈34および35および膣口36である。妊娠が進むと、子宮30は患者の腹部領域へ膨張して成長している胎児に適応させる。背景部分で述べたように、この成長は子宮動脈34および35が患者の膣円蓋から離れる方向へ遙かに多く延び、例えば妊娠初期の膣口36から7cmから妊娠末期での19cm以上へと延びる。図7は膣分娩の全期間後の女性の解剖構造を図示している。示されているように、分娩後には、子宮頸31は一般的により大きい直径に半径方向に膨張しかつ伸長し、子宮動脈34および35は膣円蓋33および膣口36から、妊娠初期に比べてより多く離れている。
【0031】
図8は患者の分娩後の解剖学的構造内に配置されたクランプ器具10を描写しており、図7内に示されている図に対して部分縦断前面図である。示されているように、クランプ要素14は子宮頸31を通して延びかつクランプ要素16は子宮頸の外側に配置されてその末端を膣円蓋33に対して押し付けて円蓋を子宮動脈34上に巻き付けている。外科医がクランプ器具10のハンドル15および17を閉じた時、クランプ要素14および16はその間にある組織を圧縮しかつ膣円蓋33の下にある子宮動脈34を閉塞する。ハンドル15および17が互いに加圧されてラチェット要素18および19を掛け合わせ、クランプ要素14および16を閉鎖状態にロックする。一つの子宮動脈が閉塞された後、または第1の子宮動脈の閉塞中に、第1クランプ器具と同様な第2のクランプ器具が患者の解剖学的構造の他側上に同様な方法で展開されて他の子宮動脈35を閉塞する。PPHの効果的な処置は通常右および左の双方の子宮動脈の閉塞を要する。好適な時間の後に、クランプ器具10は解放されかつ、もし出血が止まりまたは少なくとも制御可能な状態になっていると、クランプ器具は患者から除去され得る。PPHの効果的な処置のために、クランプ器具は閉塞状態に、数分ないし数時間、しかし一般的には24時間より少なくロックされ得る。例えば、子宮動脈の閉塞が、約5分ないし約7時間の間、好ましくは約10分ないし約5時間の間がPPHの処置のためには充分であり得る。
【0032】
図8内に示されているクランプ器具10には図5内に示されているような動脈探索センサー26が描写されていないが、これは図面を簡単化するためである。図9は女性患者の分娩後の子宮頸31の外側に対してクランプされたクランプ要素14および16の末端の拡大概略図である。この図においては、動脈センサー26はクランプ要素16の末端の先端面上に装着されている。センサー26の視界は破線40により2次元で概略図示されている。実際には、視界はコーン形である。視界の方向はクランプ要素16の長手軸41に沿い、子宮動脈34の位置検出を可能にしている。センサー26は好ましくはクランプ要素16の先端エッジの前方を見るように方向付けられており、従ってクランプ器具の前進運動はセンサー26を目標子宮動脈34に対してより近くへ押しかつ動脈の位置をより正確に示す。更に、別のセンサー42が破線43により図示されている視界を備えることができ、この視界はクランプ要素14からクランプ要素16へ向かいそれらの間の組織を通して延びている。このセンサー26は子宮動脈34の検索とクランプ要素14および16を膣円蓋33の組織に対して閉じた時の子宮動脈の閉塞の監視の双方のために採用され得る。
【0033】
図10−12は本発明の特徴を具体化したクランプ器具50の別の実施例を図示している。クランプ器具50は第1および第2のクランプ部材51および52を備え、これらは枢支点53で枢着されている。第1クランプ部材51はハンドル55の末端に固着されている第1湾曲クランプ要素54を備えている。第2クランプ部材52はハンドル57の末端に固着されている第2湾曲クランプ要素56を備えている。ハンドル55および57はそれぞれラチェット部材58および59を備えてそれらの間に解放可能なロック接続を提供し、指グリップ60および61はそれぞれクランプ要素54および56の開放および閉塞のためのハンドル55および57の手動回転を許容している。クランプ要素54および56の各々はハンドル55および57の長手軸から離れるように湾曲していて患者の膣導管および子宮頸内での展開を容易にし、かつそれらはハンドル55および57が回転する面に対して概ね直角な面内にある。湾曲クランプ要素54および56の端部を通るように引かれた線62はハンドルの長手軸に対して概ね鈍い内包角を形成し、これは図1−4内に示されているクランプ要素14および16と同様な方法であり、その目的は患者の膣導管を通して容易に前進しかつクランプ要素の一つが患者の分娩後の子宮頸内にまたクランプ要素の他方が分娩後の子宮頸の外側上に容易に配置することを許容するためである。図6−8内に描写されたクランプ器具50の寸法は図1−4内に示されている実施例のそれと基本的に同じである。血流センサーが図4内に示されているように少なくともクランプ要素54の末端上に備えられ得る。
【0034】
これまでに記述されてきたクランプ器具はクランプ要素とハンドルが一体に形成されたクランプ部材を備えているが、代わりの実施例はハンドルに対して取り外し可能に装着されたクランプ要素を備えることができ、それは同時継続出願No.10/300,116、出願日2002年11月19日、表題“血管の探知および閉塞のための展開可能なパドル付き閉塞器具”(バーバンク他)内に示されている実施例のようなものであり、これは全て参考資料として組み込まれる。
【0035】
クランプ要素14および16は図1−5内に示されておりかつクランプ要素54および56は図10−13内に開放、パドル状ワイヤーフレームとして示されている。しかしながら、クランプ要素は図13−16内に示されているような固形状、パドル状要素70および71であってもよい。図13−14内に示されているようにパドル状クランプ要素70は平坦な固形部材であるが、図14−15内においてパドル状クランプ要素71は湾曲した半円筒構造を備えている。図14および15内に示されている湾曲パドル状クランプ要素71は好ましくは患者の子宮頸の湾曲した内側または外側の面に近似するように構成されている。対向湾曲クランプ要素(図示されていない)は好ましくは同様なかつ補完的曲率付きのものであり互いにフィットしかつ患者の子宮頸の壁を圧縮することができる。
【0036】
本発明のクランプ要素で血管または血管近傍の組織を圧縮することによる血管閉塞のために適した圧力の効果的量は、一般的には約3ポンド/平方インチ(psi)および約200psiの間、好ましくは約3psiおよび約80psi、より好ましくは約5psiおよび約30psiの間である。
【0037】
センサー26のような位置または血流センサーは血管探索および血流検知のために構成されたセンサーを含むセンサーとして好適であり得る。このセンサーは受動的(即ち、血管の存在を表示する固有の信号を検知する)または能動的(信号を作りかつそれに対する反応を検知する)ものであり得る。好適なセンサーとしては音探索センサー(例えば、血流音検知可能なマイクロフォン)、超音波センサー、圧力センサー、心臓の動作による血管内の脈動を検知するための応力または歪みセンサー、血管(例えば、ヘモグロビン検知のための)検知のための電磁探索センサー(例えば、赤外線探索センサー)、pHまたは他の化学探索センサー、または他の探索センサーを含む。
【0038】
患者の動脈内での血液細胞の動きにより反射された超音波は周波数変動をもたらす。動脈内を超音波源より離れる方向に動いている血液細胞からの反射される超音波は超音波源の周波数よりも低い周波数を備え;超音波源へ向かい移動している血液細胞から反射される超音波は超音波源の周波数よりも高い周波数を備えている。このドップラー周波数変動現象は電子トランシーバーにより計測されかつスピーカーへ送られてオペレーターにより検知可能な音を創生しまたはデイスプレー器具またはモニターへ送られる。例えば、血液速度の変化はラウドスピーカー出力信号の周波数(即ち、ピッチ)の変化により、またはラウドスピーカー出力信号の大きさにより表示され得る。
【0039】
好ましくは、探索センサー26はドップラー超音波センサーであり、このセンサーは患者の動脈を探索しかつその中を通る血流を検知するのに好適な超音波信号を放射しかつ検知するように構成されている。ドップラー超音波システムは一般的にセンサーコントローラー(図示されていない)を備え、このコントローラーは探索センセンサーをプラグ接続するための電気コネクター28、トランシーバー電子器具をオンするための電源スイッチ、オペレーターがドップラー周波数変動を聞くことができるための可聴スピーカーアウトプット、全体の音レベル制御のためのボリューム調整器、およびエネルギーを提供するためのバッテリーまたは他の動力源を備え得る。探索センサー26は図5内に示されているコントローラー27のようなセンサーケーブルによりセンサーコントローラー(図示されていない)へ作動可能に接続され得る。センサーコントローラーは好ましくはセンサーから情報を受領するように構成され、かつまたセンサーへ動力を提供し、信号源、信号アウトプット(例えば、探索センサーアウトプットに関する可聴音を提供し得る)として機能し、かつセンサーの作動を制御し得る。
【0040】
使用の際には、センサーコントローラー(図示されていない)は一般的には患者の体の外に配置されかつ患者の体の上または内部に配置されているセンサー26に接続される。センサーコントローラーは単一のセンサー、または複数のセンサーに接続し得る。市場で入手可能なドップラー超音波センサーおよび本発明においての使用のために好適なセンサーシステムとしてはコーベンのモデルES 100X MiniDrop VRP−8プローブ(セントルイス、MO)、DWL/Neuro Scan メヂカルシステムズ マルチ−ドップ B+システム(スターリング、VA)、およびメダソニックス(登録商標) カーデイオビート(登録商標) ブラッド フロー ドップラー ウイズ インテグレーテド スピーカー(クーパー サージカル、Inc.、トランブル CT 06611)を備えている。超音波トランスデユーサーで子宮動脈内の血流を検知するためには、超音波トランスデユーサーが患者の組織内に軸方向に指向しかつ8MHzシステムのためには約3cm以上(組織を通して和らげられる)の深さまで近づけ(insonate)られなければならない。前述のように、相互的な子宮動脈は骨盤の側壁から子宮頸近傍の膣粘膜直後の子宮へ向かい横内方へ走り、かつその領域内の単一血管よりも遙かに大きいので、超音波による検知は比較的に直接的となる。更に、ドップラークリスタルは探索センサーにより広い領域内で血流を検知するように構成することにより子宮動脈検知の為に最適化され得る。ドップラー超音波のために使用される超音波エネルギーの周波数は超音波システムの視角を変えるであろう。ドップラークリスタルの探索センサーおよび超音波源の双方としての使用はドップラーデータが源から約3cm上方の距離に集められることを許容する。その上にドップラークリスタルが装着されるクランプ要素が子宮壁、子宮頸壁、または膣円蓋近傍の組織に対して押し付けられた時、ドップラークリスタルは関心のある子宮動脈からの反射信号を受領するであろう。このようにして、本発明においては多くの異なるドップラークリスタルが好適である一方、約5MHzおよび20MHzの間、好ましくは約6MHzおよび約10MHzの間、より好ましくは約8MHzの周波数で作動するものが特に好適であることが見出されている。
【0041】
探索センサーは、例えば、赤外線または他の電磁探索センサーであってもよい。血管または血管中の血流の位置検知のために有用な電磁エネルギーは約500ナノメーター(nm)および約2000nmの間、好ましくは約700nmおよび約1000nmの間の波長を備え得る。
【0042】
本発明は通常PPHと呼ばれている膣分娩後における過剰出血の処置に使用される時に特に有効である。従って、分娩後に通常停止されるべき出血が停止しないと認識された時、本発明による器具および/または方法がPPHを低減または停止させるためにここに説明されたように適用され得る。
【0043】
本発明の特徴を具体化した血管閉塞器具はどのような好適な材料または材料の組合せからも作られ得るが、それらの材料はステンレススチールのような金属、ニッケルチタニウム合金のような形状記合金、他の生物学的親和性を有するおよび好ましくは殺菌処置可能な金属、プラスチックス、セラミックス、および他の当業界で知られている材料を含んでいる。生物学的親和性を有するポリマー、好ましくは殺菌処置可能な熱可塑性および熱硬化性材料で、例えば、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアセタール、および他のポリマーのような材料は本発明の実施例のためには特に適している。理解されるであろうことは、器具およびシステムがこれらおよび同様な材料のどれか一つまたは組合せを包含し得ることである。器具またはシステムは単一使用(廃棄可能)のものとしてまたは殺菌されてかつ複数回使用可能なように設計され得る。
【0044】
本発明の特定な形態が図示されかつ記述されてきたが、本発明の精神および範囲から離れることなく各種の変形が可能なことは明らかである。従って、本発明が図示された特定の実施例に限定されることは意図されていない。従って本発明は従来技術が許す限り、もし必要であれば明細書に鑑み、できるだけ広く添付請求の範囲により限定されるべきであることが意図されている。更に、当業者は一つの実施例が他の実施例に利用され得ることを認識するであろう。“要素”、“部材”、“器具”、“セクションズ”、“部分”、“セクション”、“工程”のような語句および同種の用語はここに使用された時35U.S.C.§112(6)の規定に依拠するものとは解釈されず、その例外は以下の請求項が用語“手段”または“工程”を使用しているが特定の構造または動作のない特殊な機能により説明されている場合である。上記に関する全ての特許および特許出願はそれらの全体が参考資料として組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の特徴を具体化したクランプ器具の斜視図である。
【図2】図1内に示されているクランプ器具の正面図である。
【図3】図1内に示されているクランプ器具の正面図で、図2内に示されている図から90°だけ隔てられている。
【図4】図2内に示されている線4−4に沿い取られているクランプ部材14および16の横断面図である。
【図5】図1内に示されているクランプ器具を備えているシステムの斜視図で、血管探索センサーおよび上記センサーに組み合わされている信号伝達部材を備えている。
【図6】女性患者の膣および妊娠初期の子宮のサジタル図である。
【図7】女性患者の膣および子宮の出産直後のサジタル図で、図9と比較した時の解剖学的変化を図示している。
【図8】図7内に示されている線8−8に沿い取られた部分断面図で、本発明の特徴を具体化したクランプ器具が子宮動脈閉塞のために展開されている。
【図9】部分断面拡大正面図で、患者の子宮動脈を閉塞するために部分的にクランプした状態のクランプ要素を図示している。
【図10】クランプ器具の別の実施例の斜視図で、その器具のクランプ要素は湾曲している。
【図11】図10内に示されているクランプ器具の開放状態の正面図である。
【図12】図10内に示されている器具の端面図である。
【図13】本発明の特徴を有する平板固形状クランプ要素の頂面図である。
【図14】図12内に示されている線13−13に沿い取られた断面図である。
【図15】本発明の特徴を有する湾曲固形状クランプ要素の頂面図である。
【図16】図14内に示されている線15−15に沿い取られた断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性患者の子宮動脈閉塞のための膣内クランプ器具であって:
a. 第1クランプ手段であって、これは末端作動可能エンドおよび基端操作エンド付きの伸長ハンドルおよび操作末端に対して第1ハンドルとの関連において鈍い角度で固着されているクランプ要素を有する第1クランプ手段;
b. 第2クランプ手段であって、これは末端作動可能エンドおよび基端操作エンド付きの第2伸長ハンドルおよび第2伸長ハンドルの操作末端に対して第2伸長ハンドルとの関連において鈍い角度で固着されている第2クランプ要素を有する第2クランプ手段;
c. 第1および第2クランプ手段の間の枢支手段を包含し、従って第1および第2ハンドルの枢支手段周りの回転で第1および第2クランプ要素の間の間隔を調整するようにした、膣内クランプ器具。
【請求項2】
第1クランプ要素が女性患者の子宮頸内に配置されるように構成されかつ第2クランプ要素が女性患者の子宮頸の外側上に配置されるように構成されている、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項3】
クランプ要素が圧力適用面を備え、これらの面がハンドルがそれらの操作端から操作された時にハンドルが回る面に対して概ね直角な面内を占めるようにした、請求項2に記載の膣内クランプ器具。
【請求項4】
第2クランプ要素が第1クランプ要素よりも大きい、請求項2に記載の膣内クランプ器具。
【請求項5】
第2クランプ要素が第1クランプ要素よりも長い、請求項2に記載の膣内クランプ器具。
【請求項6】
第1および第2のクランプ要素がパドル形である、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項7】
パドル形クランプ要素がワイヤーフレームで形成されている、請求項6に記載の膣内クランプ器具。
【請求項8】
クランプ要素が湾曲している、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項9】
第1および第2クランプ要素が第1および第2ハンドルに対して解放可能に固着されている、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項10】
動脈探索センサーが少なくとも第2クランプ要素の末端部に固着されている、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項11】
動脈探索センサーが血流センサー、音センサー、超音波センサー、圧力センサー、脈動センサー、応力センサー、歪みセンサー、化学センサー、電磁放射センサー、およびそれらの組合せから成る群から選択されている、請求項10に記載の膣内クランプ器具。
【請求項12】
動脈探索センサーがドップラー超音波センサーである、請求項7に記載の膣内クランプ器具。
【請求項13】
ドップラー超音波センサーが約5MHzおよび約20MHzの間の周波数を有する超音波エネルギーを感知するように構成されている、請求項8に記載の膣内クランプ器具。
【請求項14】
ドップラー超音波センサーが約6MHzおよび約10MHzの間の周波数を有する超音波エネルギーを検知するように構成されている、請求項8に記載の膣内クランプ器具。
【請求項15】
クランプ要素が約0.8インチおよび約6インチの間の長さを備えている、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項16】
クランプ部材が約2.5インチおよび約4.5インチの間の長さを備えている、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項17】
外側クランプ要素の末端が内側クランプ要素の末端に対して末端側へ配置されている、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項18】
外側クランプ要素の末端が内側クランプ要素の末端に対して約0.1インチないし約2インチの距離だけ末端側へ配置されている、請求項17に記載の膣内クランプ器具。
【請求項19】
外側クランプ要素の末端が内側クランプ要素の末端に対して約0.1インチないし約1インチの距離だけ末端側へ配置されている、請求項17に記載の膣内クランプ器具。
【請求項20】
両クランプ要素が約0.5インチないし約3インチの幅を備えている、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項21】
クランプ要素がループ形ワイヤーフレームを備えている、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項22】
クランプ要素が平坦面内に横たわる圧力適用面を備えている、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項23】
クランプ要素が湾曲面内に横たわる圧力適用面を備えている、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項24】
両ハンドルが相互連結ロック機構を備え、この機構がクランプ要素を圧力適用状態に保持するのに有効なロック状態を提供する、請求項1に記載の膣内クランプ器具。
【請求項25】
患者の血管閉塞のためのシステムであって:
a. 患者の動脈閉塞のためのクランプ器具であって、以下の構成を備えている
i.第1クランプ部材であって、これは末端作動可能エンドおよび基端操作エンド付きの伸長ハンドルおよび操作末端に対して第1ハンドルとの関連において鈍い角度で固着されているクランプ要素を有する第1クランプ部材;
ii.第2クランプ部材であって、これは末端作動可能エンドおよび基端操作エンド付きの第2伸長ハンドルおよび第2伸長ハンドルの操作末端に対して第2伸長ハンドルとの関連において鈍い角度で固着されている第2クランプ部材を有する第2クランプ部材;
iii.第1および第2クランプ部材の間の枢支手段を備え、従って第1および第2ハンドルの枢支手段周りの回転で第1および第2クランプ部材の間の間隔を調整するようにした、クランプ器具。
b. クランプ要素の末端部分に対して固着された動脈探索センサー;および
c. 伸長信号伝達部材であって基端および末端を備えかつその末端で動脈探索センサーに固着されかつその基端にセンサーコントローラーに対して接続されるように構成されたコネクターを備えている信号伝達部材
を包含している、システム。
【請求項26】
動脈探索センサーがドップラー超音波センサーである、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
両ハンドルがクランプ部材を圧力適用状態に保持するのに有効なロック状態を提供するロック機構を備えている、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
PPHを患っている女性患者を治療する方法であって:
a. 膣内クランプ器具を提供する工程であって、以下の構成を備えている
i.第1クランプ部材であって、これは末端作動可能エンドおよび基端操作エンド付きの伸長ハンドルおよび操作末端に対して第1ハンドルとの関連において鈍い角度で固着されているクランプ要素を有する第1クランプ部材;
ii.第2クランプ部材であって、これは末端作動可能エンドおよび基端操作エンド付きの第2伸長ハンドルおよび第2伸長ハンドルの操作末端に対して第2伸長ハンドルとの関連において鈍い角度で固着されている第2クランプ要素を有する第2クランプ部材;
iii.第1および第2クランプ部材の間の枢支手段を備え、従って第1および第2ハンドルの枢支手段周りの回転で第1および第2クランプ要素の間の間隔を調整するようにした、クランプ器具;および
iv.第2クランプ要素の末端上の動脈センサーを備え;
b. 膣内クランプ器具を患者の膣導管内に導き、かつ器具の第1クランプ要素が患者の子宮頸内に配置されかつ器具の第2クランプ要素患者の子宮頸上に配置されるまで器具を進める工程;
c. 器具を患者の膣導管内に進めて第2要素を患者の膣円蓋の領域に対して押し付けて膣円蓋の組織を患者の子宮動脈の上に重ね合わせる工程;および
d. クランプ要素を子宮頸および膣円蓋の組織にクランプして少なくとも部分的に子宮動脈を閉塞するように器具のハンドルを圧縮する工程
を包含している、方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公表番号】特表2006−517128(P2006−517128A)
【公表日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502978(P2006−502978)
【出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/001949
【国際公開番号】WO2004/066818
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(501231679)ヴァスキュラー・コントロール・システムズ・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】