説明

分子構造制御方法および分子構造制御装置

【課題】従来の化学的な処理ではなく、分子内または分子間に働く弱い力である水素結合やファンデア・ワールス力を変化させて、その立体配座を変化させ、これにより分子の立体構造や反応性を制御できるようにする。
【解決手段】周波数0.1〜15THzで、出力0.01J/cm以下の電磁波を発射する透過スペクトル用電磁波源1と、周波数0.1〜15THzで、出力0.1〜10J/cmの電磁波を発射する励起用電磁波源9と、これら電磁波源からの電磁波を分子に集光して照射する2個の集光レンズ2、10と、上記分子を載置する試料基板3と、上記試料を透過した電磁波を観測する観測手段7、8を備えたことを特徴とする分子構造制御装置を用い、分子に励起用電磁波源9からの電磁波を照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タンパク質、DNA、抗体などの立体配座を取っている分子にテラヘルツ帯の電磁波を照射して、この分子の水素結合を切断したり、ファンデア・ワールス力を除去したりして、立体配座を変化させてその立体構造を制御するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
分子は、その立体配座(コンフォメーション)によって立体構造が決定される。この立体配座を決定するのは、水素結合やファンデア・ワールス力であり、タンパク質の高次構造、DNAの二重ラセン、抗原抗体反応などの生体分子において、重要な役割を果たしている。
【0003】
一方、0.1〜15THzのテラヘルツ帯の周波数領域に、分子特有の吸収があることが最近見出されている。
例えば、「ケミカル フィジクス レターズ」誌、320巻、42〜44頁、2000年、「ブルテン ケミカル ソサエティ ジャパン」誌、75巻、1083〜1092頁、2002年 には、DNA、ポリペプチド、タンパク質(アルブミン、コラーゲン)などの生体分子の吸収スペクトルが示されている。
【0004】
また、「ケミカル フィジクス レターズ」誌、375巻、337〜343頁、2003年 には、ペプチドについての吸収スペクトルが示されている。「ケミカル フィジクス レターズ」誌、332巻、389〜395頁、2000年
には、レチノールのシス体とトランス体の吸収スペクトルが報告されている。
これらの報告によれば、分子の種類や状態による水素結合やファンデア・ワールス力の違いが、テラヘルツ帯の周波数帯に吸収として表れることが実験的に明らかになっている。
【0005】
しかしながら、これらの報告には、この種の分子の水素結合、ファンデア・ワールス力を変化させて、その立体配座を変化させることについては述べられていない。
【非特許文献1】「ケミカル フィジクス レターズ」誌、320巻、42〜44頁、2000年
【非特許文献2】「ブルテン ケミカル ソサエティ ジャパン」誌、75巻、1083〜1092頁、2002年
【非特許文献3】「ケミカル フィジクス レターズ」誌、375巻、337〜343頁、2003年
【非特許文献4】には、「ケミカル フィジクス レターズ」誌、332巻、389〜395頁、2000年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明における課題は、従来の化学的な処理ではなく、分子内または分子間に働く弱い力である水素結合やファンデア・ワールス力を変化させて、その立体配座を変化させ、これにより分子の立体構造や反応性を制御できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、周波数0.1〜15THzで、出力0.1〜10J/cmの電磁波を、1分子ごとに分散し固定した状態の分子に照射し、この分子の立体配座を変化させることを特徴とする分子構造制御方法である。
【0008】
請求項2にかかる発明は、周波数0.1〜15THzで、出力0.01J/cm以下の電磁波を1分子ごとに分散し固定した状態の分子に照射して、この分子の吸収スペクトルを求め、この吸収スペクトルに現出した吸収周波数の出力0.1〜10J/cmの電磁波を上記分子に照射し、上記分子の立体配座を変化させることを特徴とする分子構造制御方法である。
【0009】
請求項3にかかる発明は、分子の吸収スペクトルの観測方法が、テラヘルツ分光法、ラマン分光法、赤外分光法、蛍光分光法、核磁気共鳴分光法のいずれかであることを特徴とする請求項2記載の分子構造制御方法である。
【0010】
請求項4にかかる発明は、周波数0.1〜15THzで、出力0.1〜10J/cmの電磁波を発射する励起用電磁波源と、この励起用電磁波源からの電磁波を試料に集光して照射する集光レンズと、上記試料を載置する試料台を備えたことを特徴とする分子構造制御装置である。
【0011】
請求項5にかかる発明は、周波数0.1〜15THzで、出力0.01J/cm以下の電磁波を発射する透過スペクトル用電磁波源と、周波数0.1〜15THzで、出力0.1〜10J/cmの電磁波を発射する励起用電磁波源と、これら電磁波源からの電磁波を試料に集光して照射する2個の集光レンズと、上記試料を載置する試料台と、上記試料を透過した電磁波を観測する観測手段を備えたことを特徴とする分子構造制御装置である。
【0012】
請求項6にかかる発明は、励起用電磁波源が、周波数可変型であることを特徴とする請求項4または5記載の分子構造制御装置である。
請求項7にかかる発明は、試料の位置を制御するための試料制御手段を備えたことを特徴とする請求項4または5記載の分子構造制御装置である。
請求項8にかかる発明は、上記試料制御手段が、光ピンセットであることを特徴とする請求項7記載の分子構造制御装置である。
請求項9にかかる発明は、上記試料の温度を可変とする温度可変装置が設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の分子構造制御装置である。
【0013】
請求項10にかかる発明は、上記温度可変装置が、電磁波源からの電磁波の波長に応じて温度を可変とするものであることを特徴とする請求項9記載の分子構造制御装置である。
請求項11にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の方法によって構造制御されたことを特徴とする分子である。
【0014】
なお、本発明における「1分子ごとに分散し固定した状態の分子」とは、1分子あるいは分子が数層以下であって、分子の構造変化が立体的に阻害されない状態と定義する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、1分子ごとに分散した状態の分子にテラヘルツ帯の電磁波を照射することで、分子の水素結合やファンデア・ワールス力が変化し、その立体配座を変化させることができ、これにより分子の立体構造や反応性を制御できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の分子構造制御装置の一例を示すものである。
図1において、符号1は透過スペクトル用電磁波源を示し、9は励起用電磁波源を示す。
【0017】
透過スペクトル用電磁波源1としては、例えば「日本放射線技術学会雑誌」、58巻,4号,441−447頁に示されているように,自由電子レーザー,P型ゲルマニウレーザー,非線形光学効果を用いたテラヘルツパラメトリック光源,2台のガリウム・ヒ素製のフォトミキサーで光混合する装置,フェムト秒パルス光を用いたテラヘルツ帯域波発生装置,炭酸ガスレーザー励起分子気体レーザー,後進波管(BWO:backward−wave oscillator),光注入型テラヘルツ波パラメトリック発生器(injection−seeded THz−wave parametric generator: is−TPG)などが用いられる。
【0018】
この透過スペクトル用電磁波源1は、周波数0.1〜15THzの全波長域もしくはある範囲の連続した電磁波(連続スペクトル)を発射するものである。周波数0.1〜15THzの電磁波は、換言すると波長20〜300μmの遠赤外線であり、直進性などの光としての性質をも併せ持つものである。また、透過スペクトル用電磁波源1からの電磁波の出力は、0.01J/cm以下とされ、これが照射される分子の立体配座などの変化が起こらないようになっている。
【0019】
透過スペクトル用電磁波源1からの電磁波は、集光レンズ2で集光されてビームとなって、試料基板3の局所部分に照射される。試料基板3には、対象となる分子が、1分子ごとに分散し固定化されている。すなわち、この試料基板3は、対象となる分子の極めて希薄な溶液または分散液を、シリコン、石英、合成樹脂などの透明性の基板上に塗布し乾燥して得られたもので、分子が1層またはそれ以下の状態となっているものである。分子が1分子毎に分散した状態でないと、電磁波を照射した際に、分子の構造変化が立体的に起こりにくくなる。
【0020】
この試料基板3は、温度可変装置4上に置かれており、分子の温度を、少なくとも−269℃から+447℃の範囲で制御することができるようになっている。
この温度可変装置4は、透過スペクトル用電磁波源1または励起用電磁波源9から、そこで発射される電磁波の波長の値を受け、この波長に基づいて分子の温度を変化させるようになっている。例えば、電磁波の周波数が0.1THzでは、試料の温度を−268.35℃に、15THzでは+446.7℃となるように電磁波の周波数と同期して温度制御されるようになっている。
また、この温度可変装置4は、三次元の微移動が可能な可動ステージ5上に置かれ、試料基板3に照射される電磁波のビームの試料基板3に対する相対的な微細な位置が制御できるようになっている。ここでの可動ステージ5は、試料制御手段となる。
【0021】
試料基板3に照射された電磁波は、温度可変装置4、可動ステージ5を透過し、集光レンズ6を介して、回折格子、干渉計、スリット、ミラー、光学フィルターなどからなる分光器7に入射され、ここで分光され、熱電対、ニューマチックセル、焦電検出器(TGS、DTGS、LATGSなど)、ボロメータ(金属ボロメータ、サーミスタボロメータ、ゲルマニウムボロメータ、シリコンボロメータ、超電導ボロメータなど)などの熱型検出器、光起電型検出器(ゲルマニウム検出器、InSb検出器、InAs検出器、水銀カドミウムテルル検出器など)、光伝導型検出器(真性半導体検出器、GeおよびSi不純物光伝導検出器、GeおよびInP検出器、InSb光検出器など)赤外画像検出器(PbSおよびPbSeアレイ型検出器、InSb画像検出器、HgCdTe画像検出器、ショットキ型赤外CCD検出器など)、光伝導アンテナ、電気光学結晶、InSbボロメータなどを備えた検出器8に導かれて、対象となる分子の周波数0.1〜15THz帯での吸収スペクトルが測定されるようになっている。ここでの分光器7および検出器8は、試料観察手段を構成するものである。
【0022】
また、励起用電磁波源9は、周波数0.1〜15THzの領域内で特定の周波数の電磁波(いわゆる単色光)を発射するもので、先の透過スペクトル用電磁波源1と同様の自由電子レーザー,P型ゲルマニウレーザー,非線形光学効果を用いたテラヘルツパラメトリック光源,2台のガリウム・ヒ素製のフォトミキサーで光混合する装置,フェムト秒パルス光を用いたテラヘルツ帯域波発生装置,炭酸ガスレーザー励起分子気体レーザー,後進波管、光注入型テラヘルツ波パラメトリック発生器などが用いられる。
【0023】
また、この励起用電磁波源9は、分子の水素結合、ファンデア・ワールス力を変化させるものであるので、その出力は透過スペクトル用電磁波源1よりも高く、0.1〜10J/cmの範囲とされ、0.1J/cm未満では分子の立体配座に変化を与えることができず、10J/cmを越えると、分子自体が損傷する。
この励起用電磁波源9からのテラヘルツ帯の電磁波は、集光レンズ10で集光されて、試料基板3上の分子に照射されるようになっている。
【0024】
このような分子構造制御装置を用いた分子構造制御方法の一例を説明する。
まず、基板上に対象となる分子を1分子ごとに分散した状態に固定して試料基板3を作成し、これを温度可変装置4上に置く。
次いで、透過スペクトル用電磁波源1を動作させて、周波数0.1〜15THz域の連続スペクトルで、出力0.01J/cm以下の電磁波を集光レンズ2を介して試料基板3上の分子に照射する。この際、温度可変装置5を動作させて、試料基板3上の分子の温度を−268.35〜+446.7℃に冷却する。この温度は、電磁波の周波数の変化に伴って変化させ、周波数が0.1THzでは、−268.35℃とされ、15THzでは+446.7℃となるように周波数と同期するようにする。また、可動ステージ5を作動させて、対象となる分子に電磁波が照射されるようにする。
【0025】
試料基板3、温度可変装置4、可動ステージ5を透過した電磁波は、分光器7に入射し、さらに検出器8に導かれて、分子の0.1〜15THz帯での吸収スペクトルが測定される。
ついで、この吸収スペクトルに現出した吸収ピークの周波数の出力0.1〜10J/cmの電磁波を励起用電磁波源9から発射し、集光レンズ10を経て試料基板3上の分子に照射する。この時、温度可変装置5を動作させて、試料基板3上の分子の温度を吸収ピークの周波数に対応した温度とする。
【0026】
これにより、分子の水素結合が切断され、あるいはファンデア・ワールス力が除去され、これに伴い分子の立体配座が変化し、分子の立体構造が変化する。
この分子の立体構造の変化を確認するには、再度透過スペクトル用電磁波源1からテラヘルツ帯の電磁波を照射し、分子の吸収スペクトルを取ることによって行うことができる。
また、予め、分子の吸収ピークが判明しておれば、吸収スペクトルを測定する工程を省略することもでき、透過スペクトル用電磁波源1を省略することもできる。
【0027】
このような分子構造制御方法では、0.1〜15THz帯のある特定の周波数で、出力0.1〜10J/cmの電磁波を対象となる分子に照射することによって、分子の水素結合が切断され、あるいはファンデア・ワールス力が減少、除去される。これにより分子の立体配座が変化し、さらに立体構造を変化させることが可能となる。
【0028】
本発明の分子は、上述の分子構造制御方法で、分子構造が変化した分子である。
【0029】
図1に示した実施形態では、分光器7および検出器8からなる試料観察手段は、赤外分光法によるものであるが、これ以外にテラヘルツ分光法、ラマン分光法、蛍光分光法、核磁気共鳴分光法のいずれかによるものであってもよい。
また、試料制御手段として、光ピンセットを用いてもよい。光ピンセットとは、レーザ光の光圧力によって、分子などの微粒子を非接触、非破壊で捕獲するもので、レーザ光を微移動させることで、分子を所望の位置に固定できるものである。
【0030】
以下、具体例を示すが、この具体例によって本発明が限定されることはない。
(例1)
上述の図1に示した分子構造制御装置により実験を行った。
透過スペクトル用電磁波源1としてパルスレーザー(スペクトラフィジックス社製、波長800nm,パルス幅70fs,パワー1W)をSiの半球型レンズに接合した低温成長のガリウム・ヒ素基板から成る光伝導アンテナに照射し,0.2〜2.5THz,1μWのテラヘルツ波を得た。
【0031】
検出器8として,Siの半球型レンズに接合した低温成長のガリウム・ヒ素基板からなる光伝導アンテナを用いた.10Kの温度にてポリエチレンフィルムに十分に分散して固定化したオール−トランス−レチナール(Sigma Aldrich社製)の分子についてテラヘルツ吸収スペクトルを測定したところ、図2のカーブ(a)のように、1.4THz、1.6THz、1.9THz付近に吸収ピークがあった.
【0032】
励起用電磁波源9として炭酸ガスレーザー励起分子気体レーザー(コヒーレント社,SIFIR−50)を周波数1.89THz,出力50mWに調整し,ポリエチレンのレンズによって直径約1mmに集束し、オール−トランス−レチナールに1分間照射した。照射後,吸収スペクトルを測定したところ、図2のカーブ(b)のように照射した周波数のピーク強度の現象がみられた。
「ケミカル フィジクス レターズ誌,332巻,389−395頁,2000年」を参考にすると、これは13−シス−レチナールに分子構造が変化したものであることが判明した。
【0033】
さらに,この13−シス−レチナールに周波数1.4THz,出力50mWを同様な方法で照射したところ、図2のカーブ(c)のように変化し、11−cシス−レチナールへ分子の構造が変化したことが確認できた。
【0034】
(例2)
例1と同様の装置を用いた。テラヘルツ領域で透明性の高い高抵抗のシリコン基板に試料となるストレプトアビジンを十分に分散して塗布し,固定化した。
120Kの温度で周波数1.6THz,出力40mWに調整したレーザー光をポリエチレンレンズによって直径約1mmに集束し,1mmの幅で直線状にレーザーを走査した。
【0035】
その後,この試料をビオチン溶液に浸け,さらにCdSe量子ドットで修飾されたストレプトアビジン溶液で十分にインキュベートした。その後、波長488nm励起の蛍光顕微鏡を用いて、テラヘルツレーザー光の照射部位と未照射部位の境界領域のイメージを測定した。
その結果、図3に示すようにテラヘルツレーザー光の照射部位Aにおいては効率的にストレプトアビジン−ビオチンという抗原抗体反応が促進されていることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の分子構造制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】具体例1での吸収スペクトルを示すグラフである。
【図3】具体例2での結果を示すイメージを示す写真である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・透過スペクトル用電磁波源、2・・・集光レンズ、3・・・試料基板、4・・・温度可変装置、5・・・可動テーブル、6・・・集光レンズ、7・・・分光器、8・・・検出器、9・・・励起用電磁波源、10・・・集光レンズ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数0.1〜15THzで、出力0.1〜10J/cmの電磁波を、1分子ごとに分散し固定した状態の分子に照射し、この分子の立体配座を変化させることを特徴とする分子構造制御方法。
【請求項2】
周波数0.1〜15THzで、出力0.01J/cm以下の電磁波を1分子ごとに分散し固定した状態の分子に照射して、この分子の吸収スペクトルを求め、この吸収スペクトルに現出した吸収周波数の出力0.1〜10J/cmの電磁波を上記分子に照射し、上記分子の立体配座を変化させることを特徴とする分子構造制御方法。
【請求項3】
分子の吸収スペクトルの観測方法が、テラヘルツ分光法、ラマン分光法、赤外分光法、蛍光分光法、核磁気共鳴分光法のいずれかであることを特徴とする請求項2記載の分子構造制御方法。
【請求項4】
周波数0.1〜15THzで、出力0.1〜106/cmの電磁波を発射する励起用電磁波源と、この励起用電磁波源からの電磁波を試料に集光して照射する集光レンズと、上記試料を載置する試料台を備えたことを特徴とする分子構造制御装置。
【請求項5】
周波数0.1〜15THzで、出力0.01J/cm以下の電磁波を発射する透過スペクトル用電磁波源と、周波数0.1〜15THzで、出力0.1〜10J/cmの電磁波を発射する励起用電磁波源と、これら電磁波源からの電磁波を試料に集光して照射する2個の集光レンズと、上記試料を載置する試料台と、上記試料を透過した電磁波を観測する観測手段を備えたことを特徴とする分子構造制御装置。
【請求項6】
励起用電磁波源が、周波数可変型であることを特徴とする請求項4または5記載の分子構造制御装置。
【請求項7】
試料の位置を制御するための試料制御手段を備えたことを特徴とする請求項4または5記載の分子構造制御装置。
【請求項8】
上記試料制御手段が、光ピンセットであることを特徴とする請求項7記載の分子構造制御装置。
【請求項9】
上記試料の温度を可変とする温度可変装置が設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の分子構造制御装置。
【請求項10】
上記温度可変装置が、電磁波源からの電磁波の波長に応じて温度を可変とするものであることを特徴とする請求項9記載の分子構造制御装置。
【請求項11】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法によって構造制御されたことを特徴とする分子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−102896(P2006−102896A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294817(P2004−294817)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】