説明

分析装置

【課題】回転テーブルのどの収納孔に収納された反応容器を保持する場合でも容器移送部の移動量がばらつかず、容易に保持することが可能であり、従来に比して装置の小型化、低コストが期待できる分析装置を提供する。
【解決手段】この分析装置(免疫分析装置1)は、キュベット8内で検体と試薬とを反応させて調製された反応試料を分析する分析装置であって、キュベット8を収納するための複数の収納孔が設けられ、略水平方向に回転することが可能な回転テーブル部81(回転テーブル部83)と、キュベット8を保持して、移送する容器移送部82(容器移送部84)とを備え、容器移送部82(容器移送部84)が、回転テーブル部81(回転テーブル部83)の上部に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体と試薬とを反応させて調製された反応試料を収容した反応容器を移送する容器移送部を備えた分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検体と試薬とから調製された反応試料を反応容器に収容し、この反応容器に光源からの光を照射し、検体の様々な性状を分析する装置として、比色分析装置、蛍光分析装置、免疫分析装置、血液凝固分析装置等の分析装置が知られている。
【0003】
この種の分析装置では、まず、反応容器に検体と試薬とが分注される。その後、この検体と試薬とを攪拌し、所定の時間加温(インキュベーション)することにより、反応試料が調製される。この試料調製工程は、測定項目、測定原理によって様々であり、検体に複数の試薬を添加するものが多い。
【0004】
免疫分析装置による試料調整の一例としては、まず、反応容器に分注された検体と、捕捉抗体を含む第1試薬とが上述のように攪拌および加温されることにより、検体に含まれる抗原と捕捉抗体とが結合した試料が調製される。次に、この試料に磁性粒子を含む第2試薬を添加した混合液を攪拌および加温することにより、磁性粒子と捕捉抗体とが結合した試料が調製される。さらに、この反応試料に磁石を近づけ、結合した抗原、捕捉抗体および磁性粒子と不要成分との分離を行い、反応液の吸引および洗浄を行うことにより試料から不要成分を除去する(BF分離)。
【0005】
そして、不要成分を除去した試料に、検体中の抗原に結合する標識抗体を含む第3試薬を添加して、この混合液を攪拌および加温することにより、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体とが結合した試料が調製される。この試料に上述と同様なBF分離を行うことにより、試料から不要成分を除去する。さらに、この試料に緩衝液である第4試薬および発光基質を含む第5試薬を添加して、混合液を攪拌および加温することにより、測定用の反応試料が調製される。
【0006】
この免疫分析装置では、このような複雑な試料調製工程を経た後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定することにより、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
【0007】
特許文献1および特許文献2には、複数の反応容器を保持した回転テーブルの周りに、検体分注部、複数の試薬分注部、攪拌装置及び検出部等を設けて、回転テーブルを回転させながら、検体分注部、試薬分注部、攪拌装置等の動作ユニットを所定のシーケンスに従って動作させ、各反応容器で複雑な試料調製工程を実施する装置が開示されている。これらに開示されている装置には、反応容器を回転テーブルにセットしたり、反応容器を回転テーブルから取り出す容器セット部(駆動装置)が複数設けられており、それらは、回転テーブルの周囲に配置されている。
【0008】
また、特許文献3には、検体及び検体に凝固反応を行わせるための試薬を分注する複数のピペットと、検体と試薬とを収容した反応容器を保持する第1回転テーブルと、この反応容器を所定の温度で加温し反応試料を調製するための加温装置を設けた第2回転テーブルと、調製された反応試料の凝固の程度を光学的に検出する分析ステージと、第1回転テーブルと第2回転テーブルとの間に設けられた容器分配供給装置とを備える血液凝固分析装置が開示されている。かかる血液凝固分析装置では、容器分配供給装置によって、第1回転テーブルへ収納容器が移送されるとともに、第2回転テーブルへ反応容器が移送される。また、この血液凝固分析装置には、回転テーブルの円周の一部と分析ステージの鉛直方向上部に位置し、それらを含む水平平面を、直交座標型ロボットのように、前後左右(X−Y)方向に移動し、且つ鉛直方向に上下動し得るように構成されたチャッキングフィンガが設けられており、このチャッキングフィンガによって、第2回転テーブルと分析ステージとの間の反応容器の移送が行われる。
【0009】
【特許文献1】特開平6−160401号公報
【特許文献2】特開平3−175361号公報
【特許文献3】特開平8−94636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示された装置にあっては、反応容器を移送するための容器セット部(駆動装置)が回転テーブルの外側に配置されており、回転テーブルの回転に伴って容器セット部の近傍まで搬送されてきた反応容器しか移送させることができず、反応容器の移送先も容器セット部の近傍に制限される。このため、回転テーブルの複数位置で反応容器を移送させる場合には、その位置の近傍に容器セット部を設ける必要があり、装置の大型化、高コスト化を招く。また、容器セット部の近傍に位置した反応容器しか移送することができないことから、検体の処理シーケンスは容器セット部の配置に制限される。したがって、複数の項目を測定する場合には、回転テーブルの制御が複雑となったり、項目によっては測定が不可能になることがある。
【0011】
一方、上記特許文献3に開示された凝固分析装置のチャッキングフィンガは、第2回転テーブルの一部および分析ステージの上方に配置されたX軸方向及びY軸方向のガイドレールに装着される。よって、第2回転テーブル上の反応容器を移送する場合には、第2回転テーブルの外部からチャッキングフィンガが移動して反応容器を保持し、移送先へ移送する必要があり、チャッキングフィンガの移動量が大きい。
【0012】
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、従来に比して装置の小型化、低コストが期待できる分析装置を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、反応容器を移送する容器移送部の移動量を少なくするとともに、様々な検体処理シーケンスに柔軟に対応可能な分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る分析装置は、反応容器内で検体と試薬とを反応させて調製された反応試料を分析する分析装置であって、前記反応容器を収納するための複数の収納孔が設けられ、略水平方向に回転することが可能な回転テーブルと、前記反応容器を保持して、移送する容器移送部とを備え、前記容器移送部が、前記回転テーブルの上部に設けられていることを特徴とする。
【0014】
かかる構成とすることにより、容器移送部が前記回転テーブルの上部に設けられているため、回転テーブルのどの収納孔に収納された反応容器を保持する場合でも容器移送部の移動量がばらつかず、どのような位置の収納孔に収納されている反応容器でも容易に保持することが可能である。したがって、回転テーブルの複数位置で反応容器を移送させる場合にも複数の容器移送部を設ける必要がなく、装置の小型化、低コスト化を実現することができる。また、どのような位置の収納孔に収納されている反応容器を保持する場合であっても容器移送部の移動量がばらつかず、容器移送部の移動量を抑制することができる。また、どのような位置の収納孔に収納されている反応容器でも容易に保持することが可能であるため、様々な検体処理シーケンスに対しても柔軟に対応することができる。
【0015】
上記発明においては、複数の前記収納孔は、円環状に設けられており、前記容器移送部が複数の前記収納孔によって形成された円環の略中心に設けられていることが好ましい。これにより、容器移送部と収納孔に収納されたすべての反応容器との距離が実質的に等しくなる。そのため、回転テーブルのどの収納孔に収納された反応容器を保持する場合でも容器移送部の移動量が実質的に一定となり、どのような位置の収納孔に収納されている反応容器でもより一層容易に保持することが可能であり、様々な検体処理シーケンスに対してもより一層柔軟に対応することができる。
【0016】
上記発明においては、前記容器移送部が、前記反応容器を上下方向、前記回転テーブルの回転方向及び複数の前記収納孔によって形成された円環の径方向に移送するように構成されていることが好ましい。これにより、容器移送部は、どのような位置の収納孔へ反応容器を移送する場合であっても、保持した反応容器を目的とする収納孔に対向する位置まで回転方向へ移送し、その後、目的とする収納孔に到達するまで径方向へと移送すればよく、収納孔の配置に適合した動作により、効率的に反応容器の移送を行うことができる。
【0017】
上記発明においては、前記反応容器内に検体又は試薬を分注する分注部と、前記分注部、前記回転テーブル及び前記容器移送部の動作を制御する制御部と、をさらに備え、前記制御部は、前記容器移送部と前記分注部とが互いに接触しないように、前記容器移送部の動作を制御するように構成されていることが好ましい。これにより、装置内に設けられた分注部の動作と容器移送部の動作とが干渉することがない。
【0018】
上記発明においては、前記容器移送部が、前記反応容器を保持する保持部と、前記保持部を上下方向に移動させる上下移動機構部と、前記保持部を前記回転方向に移動させる回動機構部と、前記保持部を前記径方向に移動させる径移動機構部と、を備えることが好ましい。
【0019】
また、上記発明においては、前記保持部は、前記反応容器を保持した状態で前記反応容器内の検体と試薬とを攪拌することが可能であるように構成されていることが好ましい。これにより、容器移送部が反応容器を保持した状態で検体と試薬との混合液を攪拌することが可能となるので、迅速に前記混合液の攪拌を行うことが可能となる。
【0020】
上記発明においては、前記保持部は、前記分注部が前記反応容器内に検体又は試薬を分注する際に、試薬が分注される前記反応容器の近傍に移動するように構成されていることが好ましい。検体と試薬とが混和された後に反応は生じるが、この反応は検体と試薬とが十分に撹拌されることで効率的に進行する。したがって、上記構成とすることにより、反応容器に検体又は試薬を分注した後、迅速に検体と試薬とを撹拌させることができ、効率的に検体と試薬との反応を進めることが可能となる。
【0021】
上記発明においては、前記保持部は、前記反応容器内の検体と試薬とを攪拌するための振動を発生させる振動部を備えることが好ましい。
【0022】
また、上記発明においては、前記試薬が磁性粒子を含み、前記反応容器内の反応試料から前記磁性粒子と液体とを分離する分離処理部とをさらに備え、前記容器移送部が前記反応容器を前記回転テーブルから前記分離処理部へ移送するように構成されていることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による免疫分析装置の全体構成を示した斜視図であり、図2は、図1に示した一実施形態による免疫分析装置の全体構成を示した平面図である。図3〜図15は、図1に示した一実施形態による免疫分析装置の各部の詳細を説明するための図である。まず、図1〜図15を参照して、本発明の一実施形態による免疫分析装置1の全体構成について説明する。
【0025】
本発明の一実施形態による免疫分析装置1は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための装置である。この免疫分析装置1は、図1および図2に示すように、検体搬送部(サンプラ)10と、緊急検体・チップ搬送部20と、ピペットチップ供給装置30と、チップ脱離部40と、検体分注アーム50と、試薬設置部60aおよび60bと、キュベット供給部70と、1次反応部80aおよび2次反応部80bと、試薬分注アーム90a、90b、90cおよび90dと、BF分離部100aおよび100bと、移送キャッチャ部110と、検出部120と、廃棄部130と、制御部140とから構成されている。なお、本実施形態による免疫分析装置1では、検体分注アーム50により吸引および吐出された血液などの検体が他の検体と混ざり合うのを抑制するために、検体の吸引および吐出を行う度に、使い捨てのピペットチップ2(図3参照)の交換を行っている。
【0026】
この免疫分析装置1では、測定対象である血液などの検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体および磁性粒子をBF(Bound Free)分離部100aの磁石101bに引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原および標識抗体をBF分離部100bの磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
【0027】
次に、制御部140の構成について説明する。図4は、免疫分析装置1の制御部の構成を示すブロック図である。制御部140は、CPU140aと、メモリ140bと、フラッシュメモリカードリーダ140cと、動作制御部140dとを備えている。CPU140aと、メモリ140b、フラッシュメモリカードリーダ140c及び動作制御部140dとは、相互にデータ伝送が可能であるようにデータ伝送線を介して接続されている。これにより、CPU140aは、メモリ140b、フラッシュメモリカードリーダ140cに対するデータの読み出し及び書込み、並びに動作制御部140dに対するデータの送受信が可能となっている。
【0028】
CPU140aは、メモリ140b又はフラッシュメモリカード141cに記録されたコンピュータプログラムを実行することが可能である。
【0029】
メモリ140bは、ROMおよびRAMによって構成されており、コンピュータプログラムおよびその実行に用いられるデータの記録、コンピュータプログラムおよびデータの読み出しに用いられる。また、コンピュータプログラムを実行するときに、CPU140aの作業領域及びデータの格納領域として利用される。
【0030】
フラッシュメモリカードリーダ140cは、フラッシュメモリカード141cに記録されたデータの読み出しに使用される。フラッシュメモリカード141cは、フラッシュメモリ(図示せず)を有しており、外部から電力を供給されなくても、データを保持することができるようになっている。また、フラッシュメモリカード141cには、CPU140aに実行され、上述した免疫分析装置1の各ユニットの動作を制御するためのコンピュータプログラムが記録されている。
【0031】
動作制御部140dは、モータ、電磁弁、冷却装置等のデバイスを駆動するためのドライバ回路を有する。動作制御部140dは、免疫分析装置1の各ユニット(検体搬送部(サンプラ)10、緊急検体・チップ搬送部20、ピペットチップ供給装置30、チップ脱離部40、検体分注アーム50、試薬設置部60aおよび60b、キュベット供給部70、回転テーブル部81および83、容器移送部82および84、試薬分注アーム90a、90b、90cおよび90dと、BF分離部100aおよび100b、移送キャッチャ部110並びに検出部120)と、電気信号ケーブル等を介して電気的に接続されている。これにより、動作制御部140dと各ユニットは、ユニットの動作制御に使用される電気信号を送受信することが可能となり、動作制御部140dは、CPU140aが実行するプログラムに基づいて、上記の各ユニットの動作制御を行うようになっている。
【0032】
これらの各ユニットは、制御部140によってそれぞれ独立して動作が制御される。つまり、制御部140は、各ユニットへ動作命令を実質的に同時に送信し、それによって各ユニットが同時に動作する。上述したコンピュータプログラムでは、各ユニットが動作中に接触することがない(例えば、検体分注アーム50と容器移送部82が動作中に干渉しない)ように各ユニットを実質的に同時に制御することが可能である。
【0033】
検体搬送部10は、図1および図2に示すように、検体を収容した複数の試験管3が載置されたラック4を検体分注アーム50の吸引位置1aに対応する位置まで搬送するように構成されている。この検体搬送部10は、未処理の検体を収容した試験管3が載置されたラック4をセットするためのラックセット部10aと、分注処理済みの検体を収容した試験管3が載置されたラック4を貯留するためのラック貯留部10bとを有している。そして、未処理の検体を収容した試験管3を検体分注アーム50の吸引位置1aに対応する位置まで搬送することにより、検体分注アーム50により試験管3内の血液などの検体の吸引が行われて、その試験管3を載置したラック4がラック貯留部10bに貯留される。
【0034】
緊急検体・チップ搬送部20は、検体搬送部10により搬送される検体に割り込んで検査する必要がある緊急検体を収容した試験管3を検体分注アーム50の装着位置1bまで搬送するように構成されている。この緊急検体・チップ搬送部20は、図5および図6に示すように、X方向に延びるように設けられたスライドレール21およびスライドレール21に沿って移動可能に設けられるスライド本体22からなる直動ガイドと、スライド本体22に取り付けられる搬送ラック23と、搬送ラック23の下部に取り付けられる検出片24と、検出片24によって遮光される遮光センサ25とを含んでいる。また、搬送ラック23には、緊急の検体が収容された試験管3を載置するための試験管設置部23aと、後述するピペットチップ供給装置30のシュート31から供給されるピペットチップ2(図3参照)を載置するための長穴状のチップ設置部23b(図6参照)とが設けられている。また、検出片24は、ピペットチップ供給装置30からピペットチップ2を受け取る位置に配置された場合に、遮光センサ25を遮光するように配置されている。そして、搬送ラック23は、図示しないモータからの駆動力によりスライドレール21に沿って移動することにより、緊急の検体が収容された試験管3およびピペットチップ2を検体分注アーム50の装着位置1b(図1および図2参照)まで搬送する。
【0035】
ピペットチップ供給装置30は、投入したピペットチップ2(図3参照)を、シュート31を介して、1つずつ緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23のチップ設置部23bに載置する機能を有している。また、ピペットチップ供給装置30は、ピペットチップ2の先端部2a(図3参照)が下向きになるように方向付けた状態でシュート31を通過させて、搬送ラック23のチップ設置部23bに供給する機能も有している。
【0036】
チップ脱離部40(図1および図2参照)は、後述する検体分注アーム50に装着されたピペットチップ2(図3参照)を脱離するために設けられている。このチップ脱離部40は、図1および図7に示すように、垂直方向(Z方向)に延びるように設けられる板金41と、板金41に取り付けられる樹脂製の解除片42とを含んでいる。そして、解除片42には、ピペットチップ2の装着部2b(図3参照)の直径よりも小さい切欠部42aが形成されている。これにより、検体分注アーム50のノズル部54aを解除片42の切欠部42aに嵌めた状態から、検体分注アーム50を上方に移動させることにより、チップ脱離部40の解除片42の下面とピペットチップ2の装着部2bの上面とが接触するので、アーム部54からピペットチップ2を脱離することが可能となる。
【0037】
検体分注アーム50(図1および図2参照)は、検体搬送部10により吸引位置1aに搬送された試験管3内の検体を、後述する1次反応部80aの回転テーブル部81の収納孔81a(図9参照)に収納されるキュベット8(図8参照)内に分注する機能を有している。この検体分注アーム50は、図1および図2に示すように、モータ51と、モータ51に接続される駆動伝達部52と、駆動伝達部52に軸53を介して取り付けられるアーム部54とを含んでいる。駆動伝達部52は、モータ51からの駆動力によりアーム部54を、軸53を中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部54の先端部には、検体の吸引および吐出を行うノズル部54aが設けられている。そして、このノズル部54a(図7参照)の先端には、緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23(図6参照)により搬送されるピペットチップ2(図3参照)が装着される。
【0038】
試薬設置部60a(図1および図2参照)は、捕捉抗体を含むR1試薬が収容される試薬ビン5(図2参照)および標識抗体を含むR3試薬が収容される試薬ビン7(図2参照)を設置するための設置部61と、設置部61に設置される試薬ビン5内のR1試薬や試薬ビン7内のR3試薬に埃などの異物が侵入しないように設置部61の上部に設けられる上面部62と、上面部62に取り付けられる開閉可能な蓋部63とを含んでいる。また、上面部62には、後述する試薬分注アーム90aのノズル91eが挿入される溝部62aと、試薬分注アーム90cのノズル93eが挿入される溝部62b(図2参照)とが形成されている。また、設置部61は、設置された試薬ビン5および試薬ビン7をそれぞれ上面部62の溝部62aおよび溝部62bに対応する位置に搬送するために回転可能に構成されている。
【0039】
試薬設置部60b(図1および図2参照)は、磁性粒子を含むR2試薬が収容される試薬ビン6(図2参照)を設置するための設置部64と、設置部64に設置される試薬ビン6内の試薬R2に埃などの異物が侵入しないように設置部64の上部に設けられる上面部65と、上面部65に取り付けられる開閉可能な蓋部66とを含んでいる。また、上面部65には、後述する試薬分注アーム90bのノズル92eが挿入される溝部65aが形成されている。また、設置部64は、設置された試薬ビン6を上面部65の溝部65aに対応する位置に搬送するために回転可能に構成されている。
【0040】
キュベット供給部70(図1および図2参照)は、複数のキュベット8(図8参照)を1次反応部80aの回転テーブル部81の収納孔81aに順次供給することが可能なように構成されている。このキュベット供給部70は、複数のキュベット8を収容可能なホッパフィーダ71と、ホッパフィーダ71の下方に設けられる2つの誘導板72と、誘導板72の下端に配置された支持台73と、供給用キャッチャ部74とを含んでいる。2つの誘導板72は、キュベット8の鍔部8a(図8参照)の直径よりも小さく、かつ、キュベット8の胴部8b(図8参照)の直径よりも大きくなるような間隔を隔てて互いに平行に配置されている。ホッパフィーダ71は、複数のキュベット8を収容可能なホッパ71aと、駆動源となるモータ71bと、モータ71bの軸に取り付けられる主動プーリ71cと、主動プーリ71cと所定の間隔を隔てて配置される従動プーリ71dと、主動プーリ71cおよび従動プーリ71dに装着される駆動伝達ベルト71eと、従動プーリ71dの軸に対して偏心して取り付けられるアーム71fとを含んでいる。また、ホッパフィーダ71のホッパ71a内に供給された複数のキュベット8は、アーム71fによりホッパ71a内でかき混ぜられることにより、鍔部8aが2つの誘導板72の上面に係合した状態で誘導板72に沿って配列される。支持台73は、支持台73に対して回転可能に設けられた回転部73aと、回転部73aに隣接するように設けられた凹部73b(図2参照)とを有している。また、回転部73aの外周部分には、所定の角度(本実施形態では、120度)毎に3つの切欠部73cが形成されている。この切欠部73cは、誘導板72により誘導されたキュベット8を1つずつ収容するために設けられている。また、凹部73bは、回転部73aの切欠部73cに収容された状態で回転するキュベット8を受け取ることが可能なように構成されている。
【0041】
供給用キャッチャ部74(図1および図2参照)は、図1および図2に示すように、凹部73bにより受け取られたキュベット8(図8参照)を1次反応部80aの回転テーブル部81の収納孔81aに移送する機能を有している。供給用キャッチャ部74は、モータ74aと、モータ74aに接続される主動プーリ74bと、主動プーリ74bと所定の間隔を隔てて配置される従動プーリ74cと、主動プーリ74bおよび従動プーリ74cに装着される駆動伝達ベルト74dと、従動プーリ74cに軸を介して取り付けられるアーム部74eと、アーム部74eを上下方向に移動させるための駆動部74fとを有している。また、アーム部74eの先端部には、キュベット8を挟み込んで把持するためのチャック部74gが設けられている。
【0042】
1次反応部80aは、図9に示すように、回転テーブル部81に円環状に複数設けられた収納孔81aに収納されるキュベット8を所定の期間(本実施形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット8内の検体、R1試薬およびR2試薬を攪拌するために設けられている。つまり、1次反応部80aは、キュベット8内で磁性粒子を有するR2試薬と検体中の抗原とを反応させるために設けられている。この1次反応部80aは、検体とR1試薬およびR2試薬とが収容されるキュベット8を回転方向に搬送するための回転テーブル部81と、キュベット8内の検体、R1試薬およびR2試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体、R1試薬およびR2試薬が収容されたキュベット8を後述するBF分離部100a(図1および図2参照)に移送する容器移送部82とから構成されている。
【0043】
また、回転テーブル部81は、上面が円形とされており、その上面には、複数の収納孔81aが前記円と同軸的な円環をなすように等間隔に設けられている。この回転テーブル部81は、収納孔81aに保持されたキュベット8を18秒毎に所定の角度だけ回転移送するように構成されている。そのため、免疫分析装置1の各種装置(検体分注アーム50や試薬分注アーム90aおよび92など)は、回転テーブル部81により所定の位置に移送されたタイミングで、移送された所定の位置のキュベット8に対して動作するように制御されている。
【0044】
また、容器移送部82は、回転テーブル部81の中心部分に回転可能に設置されている。この容器移送部82は、回転テーブル部81の収納孔81aに収納されるキュベット8を把持するとともにキュベット8内の試料を攪拌する機能を有している。さらに、容器移送部82は、検体、R1試薬およびR2試薬を攪拌してインキュベーションした試料を収容したキュベット8をBF分離部100a(図1および図2参照)に移送する機能も有している。容器移送部82は、図9に示すように、キュベット8を把持するとともに攪拌する攪拌部821と、攪拌部821を上下方向に移動させるための上下移動機構部822と、攪拌部821および上下移動機構部822を回転テーブル部81の中心から外側まで移動させるための径移動機構部823と、回転移動機構部824(図10参照)とから構成されている。
【0045】
攪拌部821は、キュベット8の胴部8b(図8参照)を把持するための一対の板部材821aと一対の板部材821aに掛け渡されたコイルバネ821bとからなるチャック部821cと、チャック部821cを支持するための支持部材821dと、支持部材821dに一体的に設けられるモータ取付部821eに取り付けられるモータ821fと、モータ821fの軸に回転可能に取り付けられる偏心重り821gとを有している。このため、チャック部821cの板部材821aの間に配置されたキュベット8はコイルバネ821bの付勢力により把持される。そして、チャック部821cによりキュベット8が把持された状態で、モータ821fが駆動することにより、キュベット8内の試料が攪拌される。具体的には、モータ821fが駆動することにより、偏心重り821gが回転して、偏心重り821gおよびモータ821fが旋回振動する。これにより、偏心重り821gおよびモータ821fの振動がチャック部821cに把持されるキュベット8に伝達するので、キュベット8内の試料を攪拌することが可能となる。
【0046】
上下移動機構部822は、径移動機構部823の移動部材823cに設けられており、径移動機構部823と一体的に回転テーブル部81の径方向に移動可能に構成されている。この上下移動機構部822は、駆動源となるモータ822aと、モータ822aに接続される主動プーリ822bと、主動プーリ822bと所定の間隔を隔てて配置される従動プーリ822cと、主動プーリ822bおよび従動プーリ822cに装着される駆動伝達ベルト822dと、駆動伝達ベルト822dに連結される移動部材822eと、移動部材822eに取り付けられるスライド本体822fおよび後述する径移動機構部823に取り付けられるスライドレール822gからなる直動ガイドと、遮光センサ822hとから構成されている。また、移動部材822eには、遮光センサ822hにより検出される検出片822iが一体的に形成されている。そして、移動部材822eには、上記した攪拌部821が設けられている。したがって、モータ822aが駆動することにより、主動プーリ822bを介して、駆動伝達ベルト822dが駆動されるので、駆動伝達ベルト822dに連結される移動部材822eが上下方向(Z方向)に移動される。このため、移動部材822eに設けられる攪拌部821が上下方向移動されるので、攪拌部821のチャック部821cに把持されるキュベット8を上下方向に移動することが可能となる。
【0047】
径移動機構部823は、駆動源となるモータ823aと、モータ823aの駆動に伴って駆動する駆動伝達ベルト823bと、駆動伝達ベルト823bに連結される移動部材823cと、移動部材823cを回転テーブル部81の中心から外側に向かって移動させる図示しない直動ガイドと、遮光センサ823dとから構成されている。また、移動部材823cには、遮光センサ823dによって検出される検出片823eが設けられている。したがって、モータ823aが駆動することにより、駆動伝達ベルト823bが駆動されるので、駆動伝達ベルト823bに連結される移動部材823cが回転テーブル部81の径方向に移動される。このため、移動部材823cに設けられる上下移動機構部822が回転テーブル部81の径方向に移動されるので、上下移動機構部822の移動部材822eに設けられる攪拌部821を回転テーブル部81の径方向に移動することが可能となる。
【0048】
図10は、図1に示した一実施形態による免疫分析装置の1次反応部の構成を示す側面断面図である。図10に示すように、回転移動機構部824は、駆動源となるモータ824aと、モータ824aに接続される主動プーリ824bと、主動プーリ824bと所定の間隔を隔てて配置される従動プーリ824cと、主動プーリ824bおよび従動プーリ824cに装着される駆動伝達ベルト824dと、従動プーリ824cに固定的に取り付けられた回転軸824eと、回転軸824eの上端に固着された固定部材824fとから構成されている。回転軸824eは、回転テーブル部81の中央に取り付けられた軸受け824gにより回転自在に支持されており、回転テーブル部81に対して相対的に回転することが可能となっている。また、固定部材824fは、前述の移動部材823cの下部に固定されている。上下移動機構部822および径移動機構部823は、この固定部材824fを介して回転軸824eの上端に固定支持されており、上下移動機構部822および径移動機構部823のその他の部分は回転テーブル部81等の他のユニットと接触していない。したがって、モータ824aが動作することにより、主動プーリ824bを介して駆動伝達ベルト824dが駆動され、従動プーリ824cを介して回転軸824eに回転力が伝達され、これにより回転軸834eが回転テーブル部81に対して相対的に回転する。そして、固定部材824fによって回転軸824eに固定された移動部材823cが回転軸824eと一体的に回転する。これにより、上下移動機構部822および径移動機構部823が回転テーブル部81の円周方向へ回転することとなる。
【0049】
試薬分注アーム90a(図1および図2参照)は、試薬設置部60aの設置部61に設置される試薬ビン5内のR1試薬を吸引するとともに、その吸引したR1試薬を1次反応部80aの検体が分注されたキュベット8内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム90aは、モータ91aと、モータ91aに接続される駆動伝達部91bと、駆動伝達部91bに軸91cを介して取り付けられたアーム部91dとを含んでいる。駆動伝達部91bは、モータ91aからの駆動力によりアーム部91dを、軸91cを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部91dの先端部には、試薬ビン5内のR1試薬の吸引および吐出を行うためのノズル91eが取り付けられている。つまり、ノズル91eが試薬設置部60aの上面部62の溝部62aを介して試薬ビン5内のR1試薬を吸引した後、検体が分注されたキュベット8内に吸引されたR1試薬が分注される。
【0050】
試薬分注アーム90b(図1および図2参照)は、試薬設置部60bの設置部64に設置される試薬ビン6内のR2試薬を1次反応部80aの検体およびR1試薬が分注されたキュベット8内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム90bは、モータ92aと、モータ92aに接続される駆動伝達部92bと、駆動伝達部92bに軸92cを介して取り付けられたアーム部92dとを含んでいる。駆動伝達部92bは、モータ92aからの駆動力によりアーム部92dを、軸92cを中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部92dの先端部には、試薬ビン6内のR2試薬の吸引および吐出を行うためのノズル92eが取り付けられている。したがって、ノズル92eが試薬設置部60bの上面部65の溝部65aを介して試薬ビン6内のR2試薬を吸引した後、検体が分注されたキュベット8内に吸引されたR2試薬が分注される。
【0051】
ここで、本実施形態では、BF分離部100a(図1および図2参照)は、1次反応部80aの容器移送部82によって移送されたキュベット8(図8参照)内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離するために設けられている。このBF分離部100aは、図11に示すように、キュベット8を設置するとともに回転方向に移送するための集磁部101と、キュベット8内の試料を攪拌するための攪拌機構部102と、キュベット8内の試料を吸引するとともに洗浄液を吐出する分離機構部103と、ノズル洗浄部104aおよび104bとを含んでいる。
【0052】
また、本実施形態では、集磁部101は、回転可能に構成される設置部101aと、キュベット8内の磁性粒子を集磁するための3つの磁石101bとを含んでいる。設置部101aには、3つの凹部101cと、凹部101cに隣接するように120度間隔で設けられる3つのキュベット設置孔101dとが設けられている。そして、3つの磁石101bは、キュベット設置孔101dに配置されたキュベット8の側方に位置するように、凹部101cに取り付けられている。また、本実施形態では、集磁部101は、120度ずつ回転されることにより、3つのキュベット設置孔101dに設置されるキュベット8を、後述する1次分離部103aのノズル部103fおよび2次分離部103bのノズル部103pに対応する位置に移動することが可能である。
【0053】
また、攪拌機構部102は、前後方向(Y方向)に延びるスライドレール105に沿って前後方向に移動可能に設けられている。そして、攪拌機構部102は、上下方向(Z方向)に延びるスライドレール102aとスライド本体102bとからなる直動ガイドと、スライド本体102bに取り付けられる移動部材102cと、移動部材102cに取り付けられる1次攪拌部102dおよび2次攪拌部102eとから構成されている。すなわち、1次攪拌部102dおよび2次攪拌部102eは、スライドレール102aに沿って上下方向に一体的に移動する。
【0054】
そして、本実施形態では、1次攪拌部102dは、集磁部101のキュベット設置孔101dに配置されるキュベット8を持ち上げて、集磁しない状態で攪拌する機能を有している。この1次攪拌部102dは、図12および図13に示すように、キュベット8を把持するための一対の板部材102fおよび一対の板部材102fに掛け渡されたコイルバネ102gからなるチャック部102hと、移動部材102c(図11参照)に設けられるモータ支持部102iと、モータ支持部102iに支持されるモータ102jと、モータ102jの軸に取り付けられる偏心重り102kとを含んでいる。また、2次攪拌部102eは、1次攪拌部102dと同様の構成を有しており、集磁部101のキュベット設置孔101d(図11参照)に配置されるキュベット8を持ち上げて、集磁しない状態で攪拌する機能を有している。そして、2次攪拌部102eは、一対の板部材102lおよびコイルバネ102mからなるチャック部102nと、モータ支持部102oと、モータ102pと、偏心重り102qとを含んでいる。
【0055】
また、分離機構部103は、図11に示すように、攪拌機構部102とは別個にスライドレール105に沿って前後方向(Y方向)に移動可能に設けられている。つまり、攪拌機構部102および分離機構部103は、共通のスライドレール105に沿って前後方向に移動するので、攪拌機構部102が前方に移動しない限り、分離機構部103は前方に移動することができず、分離機構部103が後方に移動しない限り、攪拌機構部102は後方に移動することができない。この分離機構部103は、1次分離部103aおよび2次分離部103bを有しており、この1次分離部103aおよび2次分離部103bは、互いに、独立して上下方向に移動可能である。
【0056】
そして、1次分離部103aは、モータ103cと、モータ103cの駆動に伴って移動する移動部材103dと、図示しない直動ガイドと、移動部材103dに設けられる1次洗浄部103eとを含んでいる。この1次洗浄部103eは、集磁部101のキュベット設置孔101dに配置されるキュベット8に洗浄液を供給して排出する機能を有している。また、本実施形態では、1次洗浄部103eは、図14に示すように、キュベット8の不要成分を吸引するノズル部103fを含む排出部103gと、ノズル部103fにより吸引される不要成分が通過する経路とは異なる経路を通過してキュベット8に洗浄液を供給する供給部103hとを有している。また、ノズル部103fにより吸引された不要成分はノズル部103fに接続されるチューブ103iを介して排出されるとともに、供給部103hには、免疫分析装置1の下部に配置されるタンク(図示せず)などからチューブ103jを介して、洗浄液が供給される。
【0057】
そして、2次分離部103bは、1次分離部103aと同様の構成を有している。つまり、2次分離部103bも、図11に示すように、モータ103kと、移動部材103lと、スライドレール103mおよびスライド本体103nからなる直動ガイドと、2次洗浄部103oとを含んでいる。また、2次洗浄部103oも1次分離部103aの1次洗浄部103eと同様の構成を有しており、ノズル部103pを含む排出部103qと、供給部103rとを有する。
【0058】
また、ノズル洗浄部104aは、1次分離部103aのノズル部103fを洗浄するために設けられている。具体的には、図15に示すように、ノズル洗浄部104aは、ノズル部103fが挿入可能な孔部104cを有しており、ノズル洗浄部104aの孔部104cにノズル部103fを挿入した状態で、供給部103hから洗浄液を供給することにより、洗浄液がノズル部103fを伝ってノズル洗浄部104aに廃棄される。これにより、供給部103hから供給される洗浄液により、ノズル部103fに付着した検体やR1試薬からなる不要成分を洗い流すことが可能となる。その結果、ノズル部103fを次のキュベット8内に挿入した場合でも、前のキュベット8の不要成分を持ち込むのを抑制することが可能となる。また、ノズル洗浄部104bも、ノズル洗浄部104aと同様の機能を有しており、2次分離部103bのノズル部103pを洗浄するために設けられている。
【0059】
移送キャッチャ部110(図1および図2参照)は、未反応のR1試薬などが分離されたBF分離部100aの集磁部101のキュベット8(図8参照)を2次反応部80bの回転テーブル部83の保持部83aに移送する機能を有している。移送キャッチャ部110は、モータ110aと、モータ110aに接続される主動プーリ110bと、主動プーリ110bと所定の間隔を隔てて配置される従動プーリ110cと、主動プーリ110bおよび従動プーリ110cに装着される駆動伝達ベルト110dと、従動プーリ110cに軸を介して取り付けられるアーム部110eと、アーム部110eを上下方向に移動させるための駆動部110fとを有している。また、アーム部110eの先端部には、キュベット8を挟み込んで把持するためのチャック部110gが設けられている。
【0060】
2次反応部80b(図1および図2参照)は、1次反応部80aと同様の構成を有しており、回転テーブル部83の保持部83aに収納されるキュベット8を所定の期間(本実施形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット8内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬を攪拌するために設けられている。つまり、2次反応部80bは、キュベット8内で標識抗体を有するR3試薬と検体中の抗原とを反応させるとともに、発光基質を有するR5試薬とR3試薬の標識抗体とを反応させるために設けられている。この2次反応部80bは、検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬が収容されるキュベット8を回転方向に移送するための回転テーブル部83と、キュベット8内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体などが収容されたキュベット8を後述するBF分離部100bに移送する容器移送部84とから構成されている。さらに、容器移送部84は、BF分離部100bにより処理されたキュベット8を再び回転テーブル部83の保持部83aに移送する機能を有している。なお、2次反応部80bの詳細構造は、1次反応部80aと同様であるので、その説明を省略する。
【0061】
試薬分注アーム90c(図1および図2参照)は、試薬設置部60aの設置部61に設置される試薬ビン7内のR3試薬を吸引するとともに、その吸引されたR3試薬を2次反応部80bの検体、R1試薬およびR2試薬が分注されたキュベット8内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム90cは、モータ93aと、モータ93aに接続される駆動伝達部93bと、駆動伝達部93bに軸93cを介して取り付けられたアーム部93dとを含んでいる。駆動伝達部93bは、モータ93aからの駆動力によりアーム部93dを、軸93cを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部93dの先端部には、試薬ビン7内のR3試薬の吸引および吐出を行うためのノズル93eが取り付けられている。つまり、ノズル93eが試薬設置部60aの上面部62の溝部62aを介して試薬ビン7内のR3試薬を吸引した後、検体、R1試薬およびR2試薬が分注されたキュベット8内に吸引されたR3試薬が分注される。
【0062】
BF分離部100b(図1および図2参照)は、BF分離部100aと同様の構成を有しており、2次反応部80bの容器移送部84によって移送されたキュベット8(図8参照)内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離するために設けられている。なお、BF分離部100bの詳細構造は、BF分離部100aと同様であるので、その説明を省略する。
【0063】
試薬分注アーム90d(図1および図2参照)は、免疫分析装置1の下部に設置される図示しない試薬ビン内の発光基質を含むR5試薬を2次反応部80bの検体、R1試薬、R2試薬およびR3試薬が収容されたキュベット8内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム90dは、モータ94aと、モータ94aに接続される駆動伝達部94bと、駆動伝達部94bに軸を介して取り付けられたアーム部94cとを含んでいる。駆動伝達部94bは、モータ94aからの駆動力によりアーム部94cを、軸を中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部94cの先端部には、免疫分析装置1の下部に設置される図示しない試薬ビン内からR5試薬を回転テーブル部83の保持部83aに収納されるキュベット8内に吐出するためのチューブ94dが取り付けられている。
【0064】
検出部120(図1および図2参照)は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定するために設けられている。この検出部120は、検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬が収容されたキュベット8を設置するための設置部121と、2次反応部80bの回転テーブル部83の保持部83aに収納されるキュベット8(図8参照)を移送するための移送機構部122とから構成されている。また、設置部121には、測定時に、設置部121に設置されるキュベット8に外部からの光が入射しないように蓋部123が開閉可能に設けられている。
【0065】
廃棄部130(図1および図2参照)は、検出部120により測定された測定済の試料を収容するキュベット8(図8参照)を廃棄するために設けられている。廃棄部130は、キュベット8内の測定済の試料を吸引するための吸引部131(図2参照)と、吸引部131とは所定の間隔を隔てた位置に設けられる廃棄用孔132とにより構成されている。これにより、測定済の試料を吸引部131により吸引した後、使用済みキュベット8を廃棄用孔132を介して免疫分析装置1の下部に配置される図示しないダストボックスに廃棄することが可能となる。
【0066】
図16は、図1に示した一実施形態による免疫分析装置の測定フローを示した図であり、図17は、図1に示した一実施形態による免疫分析装置で測定される検体の抗原と各種試薬との反応を示した模式図である。図18〜図22は、図1に示した一実施形態による免疫分析装置の分析動作を説明するための図である。次に、図1〜図6、図8〜図11、図13および図16〜図22を参照して、本発明の一実施形態による免疫分析装置の分析動作について説明する。
【0067】
(キュベット供給工程)
まず、図1および図2に示すように、キュベット供給部70のホッパフィーダ71のモータ71bを駆動することにより、ホッパ71aから誘導板72を通過して支持台73の凹部73bにキュベット8(図8参照)が導かれる。そして、支持台73の凹部73bに収容されたキュベット8は、供給用キャッチャ部74により、1次反応部80aの回転テーブル部81の収納孔81aに移送される。
【0068】
(R1試薬分注工程)
そして、試薬分注アーム90aは、試薬設置部60aの設置部61に設置される試薬ビン5内のR1試薬を吸引した後、1次反応部80a側に回動して、供給用キャッチャ部74により移送されたキュベット8に、吸引した約150μlのR1試薬を吐出する。なお、図16および図17に示すように、R1試薬には、検体に含まれる抗原に結合する捕捉抗体が含まれている。
【0069】
(検体分注工程)
そして、検体分注アーム50は、緊急検体・チップ搬送部20(図3および図5参照)の搬送ラック23に搬送されるピペットチップ2(図6参照)を装着した後、検体搬送部10により吸引位置1a(図1および図2参照)まで搬送されたラック4に載置される試験管3から血液などの検体を吸引する。そして、検体分注アーム50が1次反応部80a側に回動するとともに、回転テーブル部81の収納孔81aのR1試薬を収容したキュベット8に吸引した約20μlの検体を吐出する。
【0070】
(R1試薬および検体の攪拌工程)
そして、図9に示した1次反応部80aの容器移送部82が、R1試薬および検体が収容されたキュベット8を攪拌する。具体的には、検体分注アーム50が検体を分注しているときに、容器移送部82を回転させることにより、攪拌部821のチャック部821cをR1試薬および検体が収容されたキュベット8に対向する位置に移動させ、その後、チャック部821cを回転テーブル部81の中心から外側(径方向)に向かってキュベット8の近傍まで移動させる。そして、検体分注アーム50による検体の分注が終了するまで容器移送部82を待機させ、検体の分注が終了した直後、容器移送部82の攪拌部821を回転テーブル部81の外側に向かって更に移動させる。これにより、攪拌部821のチャック部821cにより、R1試薬および検体が収容されたキュベット8が把持される。そして、上下移動機構部822のモータ822aを駆動することにより、キュベット8を把持したチャック部821cを上方に持ち上げた後、攪拌部821のモータ821fを駆動する。これにより、偏心重り821gおよびモータ821fの旋回振動がチャック部821cに把持されるキュベット8内のR1試薬および検体に伝達するので、キュベット8内のR1試薬および検体が攪拌される。このように、検体を分注している際に、容器移送部82のチャック部821cをキュベット8の近傍まで移動させておくことにより、検体の分注が終了した直後にキュベット8をチャック部821cで把持し、キュベット8内の検体とR1試薬とを攪拌することができ、検体とR1試薬との反応が効率的に進められる。
【0071】
(インキュベーション工程(図16および図17に示した反応1))
そして、攪拌されたR1試薬および検体は、18秒毎に所定の角度だけ回転する回転テーブル部81の収納孔81aのキュベット8内で、所定時間インキュベーションされる。したがって、R1試薬と検体との反応に約162秒(18秒×9)間要する場合には、R1試薬と検体とを収容したキュベット8は、検体分注後に9ピッチ分回転移送される。このように、キュベット8が回転移送される間に、捕捉抗体(R1試薬)と検体の抗原とが結合する。
【0072】
(R2試薬分注工程)
そして、試薬分注アーム90bは、試薬設置部60bの設置部64に設置される試薬ビン6内のR2試薬を吸引した後、1次反応部80a側に回動して、所定時間インキュベーションされたR1試薬および検体を収容するキュベット8に吸引した約30μlのR2試薬を吐出する。なお、図16および図17に示すように、R2試薬には、検体中の抗原が結合した捕捉抗体に結合する磁性粒子が含まれている。
【0073】
(R2試薬および検体の攪拌工程)
そして、1次反応部80aの容器移送部82が、上述したR1試薬および検体の攪拌工程と同様にして、R1試薬、検体およびR2試薬が収容されたキュベット8を攪拌する。つまり、試薬分注アーム90bがR2試薬を分注しているときに、攪拌部821のチャック部821cをR2試薬が分注されているキュベット8の近傍まで移動させ、試薬分注アーム90bによるR2試薬の分注が終了するまで容器移送部82を待機させる。そして、R2試薬の分注が終了した直後、容器移送部82の攪拌部821のチャック部821cにより、R1試薬、検体およびR2試薬が収容されたキュベット8を把持し、キュベット8を把持したチャック部821cを上方に持ち上げた後、モータ821fを駆動することにより、キュベット8内のR1試薬、検体およびR2試薬を攪拌する。
【0074】
(インキュベーション工程(図16および図17に示した反応2))
そして、攪拌されたR1試薬、検体およびR2試薬は、回転テーブル部81の収納孔81aのキュベット8内で、所定時間インキュベーションされる。したがって、検体の抗原と結合した捕捉抗体(R1試薬)と磁性粒子(R2試薬)との反応に約90秒(18秒×5)間要する場合には、R1試薬、検体およびR2試薬を収容したキュベット8は、R2試薬分注後に5ピッチ分回転移送される。このように、キュベット8が回転移送される間に、磁性粒子(R2試薬)と検体の抗原が結合した捕捉抗体(R1試薬)とが結合する。
【0075】
(1次反応部80aからBF分離部100aへの移送工程)
そして、インキュベーションされたR1試薬、検体およびR2試薬を収容したキュベット8は、1次反応部80aの容器移送部82により、図11に示したBF分離部100aのキュベット設置孔101dに移送される。具体的には、容器移送部82を回転させることにより、攪拌部821のチャック部821cをインキュベーションされる間に回転移送されたキュベット8に対向するように配置して、容器移送部82の攪拌部821を回転テーブル部81の中心から外側に向かって移動させる。これにより、攪拌部821のチャック部821cにより、R1試薬、R2試薬および検体が収容されたキュベット8が把持される。そして、上下移動機構部822のモータ822aを駆動することにより、キュベット8を把持したチャック部821cを上方に持ち上げた後、径移動機構部823のモータ823aを駆動することにより、キュベット8をBF分離部100aの集磁部101の設置部101aまで移送する。
【0076】
なお、上述した1次反応部80aにおけるキュベット供給工程、R1試薬分注工程、検体分注工程、R1試薬および検体の攪拌工程、インキュベーション工程、R2試薬分注工程、R2試薬および検体の攪拌工程、インキュベーション工程及び1次反応部80aからBF分離部100aへの移送工程は並行して実行される。回転テーブル部81の複数の収納孔81aには、それぞれ対応する行程が割り当てられており、それぞれの収納孔81aに保持された各キュベット8に対して、対応する行程が実行される。例えば、1つの収納孔81aに保持されているキュベット8に対してはR1試薬分注行程が実行され、それと同時に、他の収納孔81aに保持されているキュベット8に対しては検体分注行程が実行される。
【0077】
(BF分離部100aにおける第1洗浄工程)
次に、本実施形態では、集磁部101の設置部101aのキュベット設置孔101dに設置されたキュベット8は、設置部101aの回転に伴って回転方向に移送されて、攪拌機構部102の1次攪拌部102dに対応する位置に配置される。この際、設置部101aのキュベット設置孔101dに保持されたキュベット8内の磁性粒子は、キュベット8の側方に配置される磁石101bにより集磁される。そして、図18に示すように、BF分離部100aの攪拌機構部102および分離機構部103が、共通のスライドレール105に沿って前方(Y方向)に移動して、1次攪拌部102dのチャック部102hがキュベット8を把持する。この状態で、図19および図20に示すように、キュベット8内に1次分離部103aの1次洗浄部103eのノズル部103fを挿入した後、キュベット8内の試料を吸引することにより、磁性粒子および磁性粒子に捕捉抗体を介して結合する抗原を除く不要成分を除去する。しかし、第1洗浄工程では、不要成分の一部が集磁部101の磁石101bに引き寄せられる磁性粒子に巻き込まれるように磁性粒子とともにキュベット8の内壁に留まることがあり、不要成分を十分に除去することが困難であるので、本実施形態では、不要成分を十分に除去するために、以下に説明する攪拌工程および第2洗浄工程が行われる。
【0078】
(BF分離部100aにおける攪拌工程(1回目))
ここで、本実施形態では、BF分離部100aにおいて第1洗浄工程が行われたキュベット8内に洗浄液を供給して、攪拌を行う。具体的には、図21に示すように、第1洗浄工程において、1次分離部103aのノズル部103fにより吸引が行われた直後に、1次分離部103aの供給部103hにより約200μlの洗浄液を吐出する。そして、1次攪拌部102dのチャック部102hがキュベット8を把持した状態から、1次攪拌部102dがスライドレール102aに沿って上方(Z方向)に移動される。そして、図13および図22に示すように、キュベット8を持ち上げた状態で、モータ102jを駆動することにより、偏心重り102kおよびモータ102jの旋回振動がチャック部102hに把持されるキュベット8に伝達して、キュベット8内の洗浄液、不要成分および磁性粒子が攪拌される。これにより、磁性粒子に巻き込まれて、磁性粒子とともにキュベット8の内壁に留まっていた不要成分を分散させることが可能となる。
【0079】
(BF分離部100aにおける第2洗浄工程(1回目))
また、本実施形態では、図18に示すように、BF分離部100aにおいて攪拌されたキュベット8を再び集磁部101のキュベット設置孔101dに保持させることにより、磁性粒子をキュベット8の側方に配置される磁石101b側に集磁する。そして、図19および図20に示すように、キュベット8内の磁性粒子を集磁した後、洗浄液および不要成分を排出する。つまり、キュベット8内に1次分離部103aの1次洗浄部103eのノズル部103fを挿入した後、キュベット8内の洗浄液を吸引することにより、磁性粒子に巻き込まれて残余していた不要成分を除去することが可能となる。
【0080】
(BF分離部100aにおける攪拌工程(2回目))
さらに、本実施形態では、BF分離部100aにおいて1回目の第2洗浄工程が行われたキュベット8内に再び洗浄液を供給して、攪拌を行う。具体的には、図21に示すように、1回目の第2洗浄工程において、1次分離部103aのノズル部103fにより洗浄液および不要成分の吸引が行われた直後に、1次分離部103aの供給部103hにより約200μlの洗浄液を吐出する。そして、1次攪拌部102dのチャック部102hがキュベット8を上方に持ち上げた状態で、図13および図22に示すように、キュベット8内の洗浄液、僅かに残余する不要成分および磁性粒子R1試薬を攪拌する。
【0081】
(BF分離部100aにおける第2洗浄工程(2回目))
そして、本実施形態では、図18に示すように、BF分離部100aにおいて攪拌されたキュベット8を再び集磁部101のキュベット設置孔101dに保持させることにより、磁性粒子をキュベット8の側方に配置される磁石101b側に集磁する。そして、図19および図20に示すように、キュベット8内の磁性粒子を集磁した後、洗浄液および僅かに残余する不要成分を確実に排出する。つまり、キュベット8内に1次分離部103aの1次洗浄部103eのノズル部103fを挿入した後、キュベット8内の洗浄液を吸引することにより、僅かに残余していた不要成分を確実に除去することが可能となる。そして、この洗浄液および不要成分の吸引が行われた直後に、図21に示すように、1次分離部103aの供給部103hにより約200μlの洗浄液を吐出する。その後、洗浄液および磁性粒子を収容するキュベット8は、集磁部101の磁石101bによって集磁されながら、設置部101aの120度分の回転に伴って回転方向に120度分移送されて、攪拌機構部102の2次攪拌部102eに対応する位置に配置される。なお、1次分離部103aのノズル部103fは、図16に示すように、キュベット8内の試料の吸引毎に、ノズル洗浄部104a(図11参照)の孔部104cに挿入された状態で洗浄液を吐出することにより洗浄される。
【0082】
(BF分離部100aにおける攪拌工程(3回目))
そして、図13および図22に示すように、BF分離部100aの2次攪拌部102eによって、BF分離部100aの1次攪拌部102dにより行われた攪拌工程(1回目および2回目)と同様にして、1次分離部103aの供給部103hによって供給された約200μlの洗浄液を収容したキュベット8の攪拌を行う。
【0083】
(BF分離部100aにおける第2洗浄工程(3回目))
そして、図19および図20に示すように、BF分離部100aの2次分離部103bによって、BF分離部100aの1次分離部103aにより行われた第2洗浄工程(1回目および2回目)と同様にして、キュベット8内の洗浄液を吸引する。
【0084】
(BF分離部100aにおける攪拌工程(4回目))
さらに、2次分離部103bの供給部103rによって、BF分離部100aの2次分離部103bにより行われた攪拌工程(3回目)と同様にして、2次分離部103bの供給部103rによって供給された約200μlの洗浄液を収容したキュベット8の攪拌を行う。
【0085】
(BF分離部100aにおける第2洗浄工程(4回目))
そして、BF分離部100aの2次分離部103bによって、BF分離部100aの2次分離部103bにより行われた第2洗浄工程(3回目)と同様にして、キュベット8内の洗浄液を吸引する。この後、不要成分が除去された固相の磁性粒子を主とする試料を収容したキュベット8は、図1および図2に示すように、BF分離部100aの設置部101aの回転に伴って回転方向に移送されて、移送キャッチャ部110のチャック部110gにより把持される位置まで移送される。なお、2次分離部103bのノズル部103pは、キュベット8内の試料の吸引毎に、ノズル洗浄部104b(図11参照)の孔部に挿入された状態で洗浄液を吐出することにより洗浄される。
【0086】
(BF分離部100aから2次反応部80bへの移送工程)
そして、BF分離部100aにより不要成分と磁性粒子との分離が行われたキュベット8は、図1および図2に示すように、移送キャッチャ部110のチャック部110gによって把持されて、2次反応部80bの回転テーブル部83の保持部83aに移送される。
【0087】
(R3試薬分注工程)
そして、試薬分注アーム90cは、試薬設置部60aの設置部61に設置される試薬ビン7内のR3試薬を吸引した後、2次反応部80b側に回動して、捕捉抗体(R1試薬)を介して結合した磁性粒子(R2試薬)と検体の抗原とを収容したキュベット8に吸引した約100μlのR3試薬を吐出する。なお、図16および図17に示すように、R3試薬には、検体中の抗原に結合する標識抗体が含まれている。
【0088】
(R3試薬および検体の攪拌工程)
そして、2次反応部80bの容器移送部84が、上述したR1試薬および検体の攪拌工程と同様にして、捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)および標識抗体を含むR3試薬が収容されたキュベット8を攪拌する。
【0089】
(インキュベーション工程(図16および図17に示した反応3))
そして、攪拌された捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)および標識抗体を含むR3試薬は、図1および図2に示すように、回転テーブル部83の保持部83aのキュベット8内で、所定時間インキュベーションされる。したがって、検体の抗原と標識抗体(R3試薬)との反応に約198秒(18秒×11)間要する場合には、捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)および標識抗体を含むR3試薬を収容したキュベット8は、R3試薬分注後に11ピッチ分回転移送される。このように、キュベット8が回転移送される間に、捕捉抗体(R1試薬)を介して磁性粒子(R2試薬)と結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とが結合する。
【0090】
(2次反応部80bからBF分離部100bへの移送工程)
そして、インキュベーションされた捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)および標識抗体を含むR3試薬を収容したキュベット8は、上述した1次反応部80aからBF分離部100aへの移送工程と同様にして、2次反応部80bの容器移送部84により、BF分離部100bのキュベット設置孔101dに移送される。
【0091】
(BF分離部100bにおける第1洗浄工程、攪拌工程、第2洗浄工程)
次に、本実施形態では、上記したBF分離部100aにおける第1洗浄工程と4回の攪拌工程および第2洗浄工程と同様に、BF分離部100bにおいて第1洗浄工程と4回の攪拌工程および第2洗浄工程が行われる。これにより、検体の抗原と結合しない標識抗体を含むR3試薬(不要成分)の十分な除去を行うことが可能となる。この後、不要成分が除去された標識抗体が結合した抗原を含む試料を収容したキュベット8は、BF分離部100bの集磁部の回転に伴って回転方向に移送されて、2次反応部80bの容器移送部84により移送可能な位置まで移送される。
【0092】
(BF分離部100aから2次反応部80bへの移送工程)
そして、BF分離部100bにより不要成分と磁性粒子との分離が行われたキュベット8は、図1および図2に示すように、2次反応部80bの容器移送部84により、再び回転テーブル部83の保持部83aに移送される。
【0093】
(R5試薬分注工程)
そして、試薬分注アーム90dは、免疫分析装置1の下部に設置される図示しない試薬ビン内の発光基質を含むR5試薬をチューブ94dを介して、捕捉抗体(R1試薬)、磁性粒子(R2試薬)、標識抗体(R3試薬)および検体の抗原を収容したキュベット8に、約100μlだけ吐出する。なお、図16および図17に示すように、R5試薬には、R3試薬の標識抗体と反応して発光する発光基質が含まれている。
【0094】
(R5試薬および標識抗体の攪拌工程)
そして、2次反応部80bの容器移送部84が、上述したR1試薬および検体の攪拌工程と同様にして、捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)、標識抗体(R3試薬)および発光基質を含むR5試薬が収容されたキュベット8を攪拌する。
【0095】
(インキュベーション工程(図16および図17に示した反応4))
そして、攪拌された捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)、標識抗体および発光基質を含むR5試薬は、回転テーブル部83の保持部83aのキュベット8内で、所定時間インキュベーションされる。したがって、検体の抗原に結合した標識抗体(R3試薬)と発光基質(R5試薬)との反応に約378秒(18秒×21)間要する場合には、捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)、標識抗体(R3試薬)および発光基質を含むR5試薬を収容したキュベット8は、R5試薬分注後に21ピッチ分回転移送される。このように、キュベット8が回転移送される間に、標識抗体(R3試薬)と発光基質(R5試薬)との反応が進行する。
【0096】
なお、1次反応部81aの場合と同様に、上述した2次反応部80bにおけるBF分離部100aから2次反応部80bへの移送工程、R3試薬分注工程、R3試薬および検体の攪拌工程、インキュベーション工程、2次反応部80bからBF分離部100bへの移送工程、BF分離部100bから2次反応部80bへの移送工程、R5試薬分注工程、R5試薬および標識抗体の攪拌工程及びインキュベーション工程は並行して実行される。
【0097】
(測定工程)
その後、図1および図2に示すように、インキュベーションされた捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)、標識抗体(R3試薬)および発光基質を含むR5試薬を収容したキュベット8は、検出部120の搬送機構部122により、設置部121に搬送される。そして、測定時に、蓋部123を閉めることにより、設置部121の内部は外部からの光が遮断された状態となるので、外部からの光が遮断された条件下で測定を行うことが可能となる。この際、設置部121に設置されたキュベット8内の磁性粒子は、図16に示すように、磁石側に引き寄せられている。これにより、R3試薬の標識抗体とR5試薬の発光基質との反応過程で生じる発光量を測定する際に、磁性粒子が発光量の測定を妨げるのを抑制することが可能となる。このような条件下で、R3試薬の標識抗体とR5試薬の発光基質との反応過程で生じる発光量を光電子増倍管(図示せず)で取得する。
【0098】
(廃棄工程)
そして、図1および図2に示すように、測定が行われた測定済の試料が収容されたキュベット8は、検出部120の搬送機構部122により、廃棄部130の吸引部131(図2参照)の下方の位置に搬送される。そして、廃棄部130の吸引部131が下方に移動して、測定済の試料を吸引し、キュベット8内を空にする。その後、空のキュベット8を把持した検出部120の搬送機構部122を回動させることにより、廃棄部130の廃棄用孔132に対応する位置まで搬送した後、廃棄用孔132に空のキュベット8を落下させて、廃棄用孔132を介して免疫分析装置1の下部に配置される図示しないダストボックスに使用済みのキュベット8を廃棄する。上記のようにして本実施形態による免疫分析装置1の分析動作が行われる。
【0099】
本実施形態では、上記のように、容器移送部82(容器移送部84)が、回転テーブル部81(回転テーブル部83)の上部に設けられているため、回転テーブル部81(回転テーブル部83)のどの収納孔に収納されたキュベット8を保持する場合でも容器移送部82(容器移送部84)の移動量がばらつかず、どのような位置の収納孔に収納されているキュベット8でも容易に保持することが可能である。したがって、回転テーブル部81(回転テーブル部83)の複数位置でキュベット8を移送させる場合にも複数の容器移送部を設ける必要がなく、装置の小型化、低コスト化を実現することができる。また、どのような位置の収納孔に収納されているキュベット8を保持する場合であっても容器移送部82(容器移送部84)の移動量がばらつかず、容器移送部82(容器移送部84)の移動量を抑制することができる。また、どのような位置の収納孔に収納されているキュベット8でも容易に保持することが可能であるため、様々な検体処理シーケンスに対しても柔軟に対応することができる。
【0100】
また、本実施形態では、複数の収納孔は、円環状に設けられており、容器移送部82(容器移送部84)が複数の収納孔によって形成された円環の略中心に設けられていることが好ましい。これにより、容器移送部82(容器移送部84)と収納孔に収納されたすべてのキュベット8との距離が実質的に等しくなる。そのため、回転テーブル部81(回転テーブル部83)のどの収納孔に収納されたキュベット8を保持する場合でも容器移送部82(容器移送部84)の移動量が実質的に一定となり、どのような位置の収納孔に収納されているキュベット8でもより一層容易に保持することが可能であり、様々な検体処理シーケンスに対してもより一層柔軟に対応することができる。
【0101】
また、本実施形態では、容器移送部82(容器移送部84)が、キュベット8を上下方向、回転テーブル部81(回転テーブル部83)の回転方向及び複数の収納孔によって形成された円環の径方向に移送するように構成されていることが好ましい。これにより、容器移送部82(容器移送部84)は、どのような位置の収納孔へキュベット8を移送する場合であっても、保持したキュベット8を目的とする収納孔に対向する位置まで回転方向へ移送し、その後、目的とする収納孔に到達するまで径方向へと移送すればよく、収納孔の配置に適合した動作により、効率的にキュベット8の移送を行うことができる。
【0102】
また、本実施形態では、攪拌部821は、キュベット8を保持した状態でキュベット8内の検体と試薬とを攪拌することが可能であるように構成されていることが好ましい。これにより、容器移送部82(容器移送部84)がキュベット8を保持した状態で検体と試薬との混合液を攪拌することが可能となるので、迅速に前記混合液の攪拌を行うことが可能となる。
【0103】
また、本実施形態では、攪拌部821は、試薬分注アーム90a、90b、90cおよび90dがキュベット8内に試薬を分注する際に、試薬が分注されるキュベット8の近傍に移動するように構成されていることが好ましい。検体と試薬とが混和された後に反応は生じるが、この反応は検体と試薬とが十分に撹拌されることで効率的に進行する。したがって、上記構成とすることにより、キュベット8に検体又は試薬を分注した後、迅速に検体と試薬とを撹拌させることができ、効率的に検体と試薬との反応を進めることが可能となる。
【0104】
また、本実施形態では、BF分離部100aに、キュベット8内の試料を攪拌する攪拌機構部102と、キュベット8を保持してキュベット8内の磁性粒子(R2試薬)を集磁する集磁部101とを設けることによって、BF分離部100a内の攪拌機構部102の1次攪拌部102dによりキュベット8内の試料を攪拌することにより、磁性粒子に巻き込まれて一体となった磁性粒子と不要成分とを分散させることができるとともに、集磁部101により磁性粒子と不要成分とが分散された状態の試料内の磁性粒子を磁石101b側に引き寄せた状態で不要成分を除去することができるので、磁性粒子に巻き込まれていた不要成分を除去することができる。その結果、この免疫分析装置1の分析に不要な不要成分の十分な除去を行うことができる。
【0105】
また、本実施形態では、BF分離部100aに、集磁部101および攪拌機構部102に加えて、キュベット8に洗浄液を供給した後、不要成分を排出するための分離機構部103を設けることによって、BF分離部100a内の分離機構部103の供給部103hにより、磁性粒子に巻き込まれて一体となった磁性粒子と不要成分とを分散させる洗浄液を容易に供給することができるとともに、集磁部101に保持されたキュベット8内の不要成分を容易に排出することができる。その結果、不要成分を除去するための一連の処理をBF分離部100a内で行うことができるので、不要成分を除去する処理をより迅速に行うことができる。
【0106】
また、本実施形態では、BF分離部100aおよびBF分離部100bを独立して設けることにより、R2試薬の分注後に不要成分の除去を行うとともに、R3試薬の分注後に不要成分の除去を行う場合に、R2試薬分注後の1回目の不要成分の除去をBF分離部100aで行うとともに、R3試薬分注後の2回目の不要成分の除去をBF分離部100bで行うことができる。その結果、1回目の不要成分の除去をBF分離部100aで行いながら、2回目の不要成分の除去をBF分離部100bで行うことができるので、1回目および2回目の不要成分の除去を1つのBF分離部で行う場合に比べて、不要成分を除去する処理を迅速に行うことができる。
【0107】
また、本実施形態では、BF分離部100aの集磁部101に3つのキュベット設置孔101dを設けるとともに、BF分離部100aの攪拌機構部102に2つの攪拌部(1次攪拌部102dおよび2次攪拌部102e)と、2つの洗浄部(1次洗浄部103eおよび2次洗浄部103o)とを設けることによって、移送されたキュベット8を集磁部101のキュベット設置孔101dに3つ収容することができる。これにより、一方のキュベット設置孔101dに収納されるキュベット8内の試料を1次攪拌部102dにより攪拌して、1次洗浄部103eにより不要成分を除去しながら、他方のキュベット設置孔101dに収納されるキュベット8内の試料を2次攪拌部102eにより攪拌して、2次洗浄部103oより不要成分を除去することができる。その結果、1つのBF分離部100a内で、2つのキュベット8内の試料を同時に処理することができるので、BF分離部100aにおける処理能力をさらに向上させることができる。
【0108】
また、本実施形態では、3つのキュベット設置孔101dを有する設置部101aを回転可能に構成することによって、容器移送部82により移送されたキュベット8を保持するキュベット設置孔101dを1次攪拌部102dおよび1次洗浄部103eに対応する位置に移動した状態で、1次攪拌部102dおよび1次洗浄部103eによりキュベット8内の試料を処理した後、設置部101aを回転させることにより、そのキュベット8を保持したキュベット設置孔101dを2次攪拌部102eに対応する位置に移動することができる。これにより、1次攪拌部102dおよび1次洗浄部103eにより処理されたキュベット8内の試料を、2次攪拌部102eおよび2次洗浄部103oにより再び処理することができる。つまり、1次攪拌部102dおよび1次洗浄部103eで、1回目および2回目の第2洗浄工程を行いながら、2次攪拌部102eおよび2次洗浄部103oで、3回目および4回目の第2洗浄工程を行うことができる。その結果、1つのBF分離部100a内で、複数回(本実施形態では、4回)の第2洗浄工程を並列して行うことができるので、不要成分を十分洗浄するために不要成分の除去を複数回行っても、BF分離部100aにおける処理能力が低下するのを抑制することができる。
【0109】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0110】
たとえば、上記実施形態では、2つのBF分離部を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、1つのBF分離部により磁性粒子と不要成分とを分離してもよいし、3つ以上のBF分離部により磁性粒子と不要成分とを分離してもよい。なお、本実施形態では、R2試薬の分注後にBF分離部100aにより不要成分と磁性粒子とを分離した後、R3試薬の分注後にBF分離部100bにより不要成分と磁性粒子とを分離したが、測定項目に応じて、R2試薬の分注後には不要成分と磁性粒子との分離をせずに、R3試薬の分注後にのみBF分離部100bにより不要成分と磁性粒子とを分離する場合もある。
【0111】
また、上記実施形態では、BF分離部内で第1洗浄工程と第2洗浄工程とを行う例を示したが、本発明はこれに限らず、第1洗浄工程と第2洗浄工程とは別に、キュベット内の磁性粒子を集磁した状態で、キュベット内に洗浄液を満たした後、その洗浄液を排出する洗浄工程を行ってもよい。これにより、キュベットの上部の内壁面側に飛び散って付着した試料が、その位置で乾燥して留まるのを抑制することができる。その結果、キュベットの上部の内壁面側に付着した試料を含めて分析を行うことができるで、正確な分析を行うことができる。
【0112】
また、上記実施形態では、BF分離部に3つのキュベット設置孔を設けるとともに、キュベット設置孔に収容されたキュベットの側方に3つの磁石を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、2つ以下のキュベット設置孔および磁石を設けてもよいし、4つ以上キュベット設置孔および磁石を設けてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、BF分離部に2つの攪拌部(1次攪拌部および2次攪拌部)と、2つの洗浄部(1次洗浄部および2次洗浄部)とを設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、BF分離部に1つの攪拌部および1つの洗浄部を設けてもよいし、BF分離部に3つ以上の攪拌部および洗浄部を設けてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、BF分離処理を行う際に、BF分離部の攪拌部によってキュベット内の試料を攪拌する例を示したが、本発明はこれに限らず、容器移送部の攪拌部によってキュベット内の試料を攪拌してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施形態による免疫分析装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による免疫分析装置の全体構成を示した平面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のピペットチップ供給装置が供給するピペットチップの正面図である。
【図4】図1に示した一実施形態による免疫分析装置の制御部の構成を示したブロック図である。
【図5】図1に示した一実施形態による免疫分析装置の緊急検体・チップ搬送部を示した斜視図である。
【図6】図1に示した一実施形態による免疫分析装置の緊急検体・チップ搬送部を示した斜視図である。
【図7】図1に示した一実施形態による免疫分析装置の検体分注アームおよびチップ脱離部を示した正面図である。
【図8】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のキュベット供給装置が供給するキュベットの正面図である。
【図9】図1に示した一実施形態による免疫分析装置の1次反応部を示した斜視図である。
【図10】図1に示した一実施形態による免疫分析装置の1次反応部を示した断面図である。
【図11】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のBF分離部を示した斜視図である。
【図12】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のBF分離部の攪拌部を示した斜視図である。
【図13】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のBF分離部の攪拌部を示した斜視図である。
【図14】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のBF分離部の洗浄部を示した拡大斜視図である。
【図15】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のBF分離部の洗浄部およびノズル洗浄部を示した拡大斜視図である。
【図16】図1に示した一実施形態による免疫分析装置の測定フローを示した図である。
【図17】図1に示した一実施形態による免疫分析装置で測定される検体の抗原と各種試薬との反応を示した模式図である。
【図18】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のBF分離部の分析動作を説明するための斜視図である。
【図19】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のBF分離部の分析動作を説明するための斜視図である。
【図20】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のBF分離部の分析動作を説明するための模式図である。
【図21】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のBF分離部の分析動作を説明するための模式図である。
【図22】図1に示した一実施形態による免疫分析装置のBF分離部の分析動作を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0116】
1 免疫分析装置(分析装置)
8 キュベット(反応容器)
81 回転テーブル部(反応処理部、第1反応処理部)
82 容器移送部(第1容器移送部)
83 回転テーブル部(反応処理部、第2反応処理部)
84 容器移送部(第2容器移送部)
100a BF分離部(分離処理部、第1分離処理部)
100b BF分離部(分離処理部、第2分離処理部)
101 集磁部
101a 設置部(回転部材)
101d キュベット設置孔(保持部)
102 攪拌機構部(攪拌部)
102d 1次攪拌部(第1攪拌部)
102e 2次攪拌部(第2攪拌部)
102h、102n チャック部(把持部)
103 分離機構部(洗浄部)
103e 1次洗浄部(第1洗浄部)
103g、103q 排出部
103h、103r 供給部
103o 2次洗浄部(第2洗浄部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器内で検体と試薬とを反応させて調製された反応試料を分析する分析装置であって、
前記反応容器を収納するための複数の収納孔が設けられ、略水平方向に回転することが可能な回転テーブルと、
前記反応容器を保持して、移送する容器移送部とを備え、
前記容器移送部が、前記回転テーブルの上部に設けられている分析装置。
【請求項2】
複数の前記収納孔は、円環状に設けられており、
前記容器移送部が複数の前記収納孔によって形成された円環の略中心に設けられている請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記容器移送部が、前記反応容器を上下方向、前記回転テーブルの回転方向及び複数の前記収納孔によって形成された円環の径方向に移送するように構成されている請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記反応容器内に検体又は試薬を分注する分注部と、
前記分注部、前記回転テーブル及び前記容器移送部の動作を制御する制御部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記容器移送部と前記分注部とが互いに接触しないように、前記容器移送部の動作を制御するように構成されている請求項1乃至3の何れかに記載の分析装置。
【請求項5】
前記容器移送部が、
前記反応容器を保持する保持部と、
前記保持部を上下方向に移動させる上下移動機構部と、
前記保持部を前記回転方向に移動させる回動機構部と、
前記保持部を前記径方向に移動させる径移動機構部と、を備える請求項4に記載の分析装置。
【請求項6】
前記保持部は、前記反応容器を保持した状態で前記反応容器内の検体と試薬とを攪拌することが可能であるように構成されている請求項5に記載の分析装置。
【請求項7】
前記保持部は、前記分注部が前記反応容器内に検体又は試薬を分注する際に、試薬が分注される前記反応容器の近傍に移動するように構成されている請求項6に記載の分析装置。
【請求項8】
前記保持部は、前記反応容器内の検体と試薬とを攪拌するための振動を発生させる振動部を備える請求項6または7に記載の分析装置。
【請求項9】
前記試薬が磁性粒子を含み、
前記反応容器内の反応試料から前記磁性粒子と液体とを分離する分離処理部とをさらに備え、
前記容器移送部が前記反応容器を前記回転テーブルから前記分離処理部へ移送するように構成されている請求項1乃至8の何れかに記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−271411(P2007−271411A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96483(P2006−96483)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】